JP3628864B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体装置製造用基板や液晶表示器などの電子部品製造に用いられる基板(以下、単に「基板」という)に所定の処理を施す基板処理装置であって、複数の基板を収容可能なカセットと基板に液処理などの所定の処理を施す複数の処理手段との間で複数の基板を搬送する基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板処理装置に基板が搬出入される際には、通常、複数の基板を平行配置して収納するカセットが用いられる。従来において、カセットから複数の基板を一括して取り出して基板を取り扱う基板処理装置の場合、カセットに収容されている基板のピッチ(基板が配列される間隔)のまま基板処理装置の基板搬送ロボットが複数の基板を1つの基板群として把持・搬送する。
【0003】
図10は、従来の基板処理装置における基板搬送ロボットの基板を保持する部位の斜視図である。図10(a)に示す基板搬送ロボットでは、2本の棒状部材635が揺動可能に設けられており、その間隔を自在に変化させることができる。そして、2本の棒状部材635には所定のピッチで溝635Aが刻設されており、それら一対の棒状部材635の間隔を狭めつつ搬送すべき基板の側方外縁部を溝635Aにはめ込むことによって、基板を保持する。
【0004】
一方、図10(b)に示す基板搬送ロボットでは、2枚の板状部材535がそれぞれ軸534を中心にして回転可能に設けられている。2枚の板状部材535のそれぞれの両面には所定のピッチで溝535Aが形成されており、それら一対の板状部材535を回転させつつ搬送すべき基板の側方外縁部を溝535Aにはめ込むことによって、基板を保持する。
【0005】
従って、図10(a)に示す基板搬送ロボットでは、基板を保持する領域が1領域設けられており、また図10(b)に示す基板搬送ロボットでは、板状部材535の表裏面に2領域設けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、複数の処理槽に所定の処理液を貯留し、その処理液中に基板を浸漬する工程を順次繰り返して一連の処理を行う基板処理装置においては、搬送すべき基板の状態が逐次変化する。このような基板処理装置において、例えば図10(a)に示した基板搬送ロボットを使用すると、洗浄前、洗浄中、洗浄後の基板を1つの領域で保持することとなる。従って、例えば、装置に搬入された基板がパーティクルなどによって汚染されていたとすると、その汚染は洗浄中または洗浄後の基板に転写される。また、洗浄処理中の基板に付着した洗浄液の液滴が洗浄後の基板に付着することもある。その結果、洗浄処理後の基板が汚染されることとなり、洗浄処理における基板の歩留まりが低下するという問題が生じる。
【0007】
このような問題は、基板を保持する領域を2つ設けている図10(b)に示す基板搬送ロボットを使用している場合には、若干緩和されるものの、依然として洗浄処理後の基板が汚染されるという問題は解消されない。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、所定の処理後の基板の清浄度を容易に維持することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、複数の基板を収容可能なカセットと基板に所定の処理を施す複数の処理手段との間で前記複数の基板を搬送する基板処理装置であって、(a) 前記複数の基板のそれぞれの外縁部を側方より保持する複数の保持領域を有する2つの保持柱と、(b) 前記2つの保持柱に保持動作を行わせる保持駆動源と、を備え、前記複数の保持領域は、前記保持柱の側面を前記保持柱の軸を中心とする周方向に分割した領域であり、前記複数の保持領域は、第1のピッチにて平行配列させて収容可能な複数のカセットから取り出された所定数の基板を順次受け取って前記第1のピッチより小さな第2のピッチにて平行配列させた基板群を形成するための基板受取領域と、前記所定の処理を施す前の前記複数の基板を前記第2のピッチにて保持する未処理基板保持領域と、前記所定の処理中の前記複数の基板を前記第2のピッチにて保持する処理中基板保持領域と、前記所定の処理を施した後の前記複数の基板を前記第2のピッチにて保持する処理後基板保持領域と、前記処理後基板保持領域により前記第2のピッチにて保持されていた前記基板群から前記第1のピッチにて配列された前記所定数の基板を順次に分離して複数のカセットへと渡すための基板受渡領域とを含むことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2の発明は、複数の基板を収容可能なカセットと基板に所定の処理を施す処理手段との間で前記複数の基板を搬送する基板処理装置であって、(a) 前記複数の基板のそれぞれの外縁部を側方より保持する複数の保持領域を有する2つの保持柱と、(b) 前記2つの保持柱に保持動作を行わせる保持駆動源と、を備え、前記複数の保持領域は、前記保持柱の側面を前記保持柱の軸を中心とする周方向に分割した領域であり、前記処理手段は、前記複数の基板に所定の処理液による液処理を施す液処理手段と、前記複数の基板を乾燥させる乾燥手段とを含み、前記複数の保持領域は、第1のピッチにて平行配列させて収容可能な複数のカセットから取り出された所定数の基板を順次受け取って前記第1のピッチより小さな第2のピッチにて平行配列させた基板群を形成するための基板受取領域と、前記基板受取領域により前記第2のピッチにて平行配列された前記複数の基板を、前記液処理を施す前であって前記液処理手段へ搬送されるまで保持する未処理基板保持領域と、前記液処理手段による前記液処理中および前記液処理手段から前記乾燥手段へ搬送される間に前記複数の基板を前記第2のピッチにて保持する処理中基板保持領域と、前記乾燥手段による前記乾燥後の前記複数の基板を前記第2のピッチにて保持する処理後基板保持領域と、前記乾燥後において前記処理後基板保持領域により前記第2のピッチにて保持されていた前記基板群から前記第1のピッチにて配列された前記所定数の基板を順次に分離して複数のカセットへと渡すための基板受渡領域とを含むことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
<A.基板処理装置の全体構成および動作>
図1(a)はこの発明に係る基板処理装置1の全体を示す斜視図である。基板処理装置1は基板Wに洗浄処理を施す装置であり、大きく分けてカセットCに収容された基板Wの搬出入が行われるカセット載置ユニット2U、基板Wに洗浄処理を施す洗浄処理ユニット4U、および、カセット載置ユニット2Uと洗浄処理ユニット4Uとの間で基板Wの搬送を行う基板搬送ロボット3を有している。
【0013】
カセット載置ユニット2Uは、装置外部からカセットCが搬入され載置されるカセット載置部21、カセットCの移載を行うカセット移載ロボット22、カセット移載ロボット22によりカセットCが載置される突上部23、および、カセットCを洗浄するカセット洗浄部24を有しており、基板処理装置1に搬入された基板Wは突上部23より基板搬送ロボット3に渡されるようになっている。また、逆に、基板搬送ロボット3から受け取った基板WをカセットCに収容してカセット載置部21へと導くことも可能とされている。
【0014】
洗浄処理ユニット4Uは、前工程の洗浄処理を行う前洗浄部4a、後工程の洗浄処理を行う2つの後洗浄部4b、および、洗浄後の基板Wを乾燥する乾燥部4cを有しており、基板搬送ロボット3との受渡により、基板Wは前洗浄部4a、いずれか一方の後洗浄部4b、乾燥部4cをそれぞれ順に経由してカセット載置ユニット2Uへと搬送されるようになっている。
【0015】
以上が基板処理装置1の構成の概要であるが、次に、基板処理装置1の動作の説明を各構成の説明とともに行う。
【0016】
基板処理装置1への基板Wの搬入はカセットCを介して行われる。カセットCは複数の基板Wを起立姿勢に平行配置して収納可能とされており、基板W相互間の距離はノーマルピッチNPとなっている。カセットCは搬送車(図示省略)などにより基板処理装置1まで搬送され、カセット載置部21上に図1中に示すY方向に配列配置される。
【0017】
カセットCがカセット載置部21に載置されると、これらのカセットCのうち2つのカセットCがカセット移載ロボット22により突上部23に載置される。突上部23に2つのカセットCが載置された様子を部分図として図1(b)に示す。
【0018】
突上部23は2つのカセットCがY方向に配列配置されるように2つの突上機構23aおよび23bを有しており、これらの突上機構23a、23bは図示しない移動駆動源により移動する移動台231上に設けられている。これにより、2つの突上機構23a、23bは図1中矢印23Sにて示すようにY方向に移動可能とされている。2つの突上機構23a、23bはそれぞれ図2(突上機構23aのみについて例示)に示すように回転台232と突上台233とを有しており、回転台232がZ方向を向く軸を中心に回転するとカセットCも回転するようになっている。また、突上台233がカセットCの下部の開口部Caを通り抜けて基板Wを突き上げるように昇降するようになっている。
【0019】
2つのカセットC(以下、これらのカセットを区別する場合、突上機構23a上のカセットを「カセットC1」、突上機構23b上のカセットを「カセットC2」と区別する。)が突上部23に載置されると、まず、移動台231の移動により突上機構23aが基板搬送ロボット3の下方に移動し、回転台232が図1(b)中矢印23Rにて示すように回転することによりカセットC1内部の所定数の基板W(以下、カセットC2内の基板Wと区別する場合、カセットC1に対応する基板を「基板W1」、カセットC2に対応する基板を「基板W2」と区別する。)の主面の法線がX方向からY方向へと向きを変える。
【0020】
次に、突上台233が上昇して基板W1が基板搬送ロボット3に渡され、突上台233が下降する。
【0021】
突上機構23aからの基板W1の受渡が完了すると、移動台231の移動により突上機構23bが基板搬送ロボット3の下方へ移動し、突上機構23aと同様、カセットC2の向きを変えて基板W2を突き上げて基板搬送ロボット3へと基板W2を渡す。
【0022】
以上のように、基板搬送ロボット3には2つのカセットC1、C2に収容されていた基板W1、W2が渡されることとなるが、基板搬送ロボット3に渡された基板Wは所定数の基板W1と所定数の基板W2とがハーフピッチにて平行配列された基板群として保持されるようになっている。すなわち、2つのカセットC1、C2にノーマルピッチの間隔で平行配置されていた基板W1、W2が、ノーマルピッチの半分の距離であるハーフピッチの基板群として起立姿勢に平行配置された状態で保持されることとなる。
【0023】
なお、突上部23と基板搬送ロボット3との基板Wの受渡動作の詳細は後述する。
【0024】
突上部23より基板Wを受け取った基板搬送ロボット3は、基板Wを前洗浄部4aへと搬送する。前洗浄部4aは硫酸と過酸化水素水との混合溶液である洗浄液を貯留する貯留槽41と昇降台42aを昇降する昇降ロボット42(図1にて後洗浄部4bに例示)とを有しており、基板搬送ロボット3が昇降台42aに基板Wを渡し、昇降ロボット42が昇降台42aを下降させて基板Wを洗浄液に浸漬させることにより基板Wに前工程の洗浄処理が施される。
【0025】
基板Wの前工程の洗浄処理が完了すると昇降ロボット42は昇降台42aを上昇させ、貯留槽41から基板Wを取り出すとともに基板搬送ロボット3へと基板Wを渡す。
【0026】
前洗浄部4aより基板Wを受け取った基板搬送ロボット3は、基板Wを一方の後洗浄部4bへと搬送する。後洗浄部4bはアンモニア水と過酸化水素水との混合溶液などの溶液である洗浄液を貯留する貯留槽41と昇降台42aを昇降する昇降ロボット42とを有しており、前洗浄部4aと同様に基板搬送ロボット3が昇降台42aに基板Wを渡し、昇降ロボット42が昇降台42aを下降させて基板Wを洗浄液に浸漬させることにより基板Wに後工程の洗浄処理が施される。
【0027】
基板Wの後工程の洗浄処理が完了すると昇降ロボット42は昇降台42aを上昇させ、基板Wを基板搬送ロボット3に渡し、基板搬送ロボット3は基板Wを乾燥部4cへと搬送する。
【0028】
乾燥部4cには前洗浄部4aと同様の役割を果たす昇降ロボット(図示省略)と乾燥室41cとを有しており、基板Wを基板搬送ロボット3から受け取って乾燥室41cにて基板Wを乾燥し、再び基板搬送ロボット3へと乾燥後の基板Wを渡す。
【0029】
乾燥した基板Wを受け取った基板搬送ロボット3は基板Wを突上部23の上方へと搬送し、突上部23が基板Wを受け取る。このときの突上部23および基板搬送ロボット3の動作は、突上部23から基板搬送ロボット3へと基板Wを渡す際の動作の逆の動作であり、基板搬送ロボット3にてハーフピッチにて保持されている基板Wは、突上部23上の2つのカセットC1、C2のそれぞれにノーマルピッチにて平行配列された所定数の基板W1、W2として収容されることとなる。その後、カセットC1、C2はカセット移載ロボット22によりカセット載置部21へと移載される。なお、基板Wが洗浄されている間に突上部23上の空のカセットC1、C2はカセット移載ロボット22により搬送されてカセット洗浄部24にて洗浄処理が施され、再び突上部23に載置されている。したがって、洗浄後の基板Wは洗浄されたカセットC1、C2に収容されることとなる。
【0030】
<B.基板搬送ロボットの構成および動作>
以上、この発明に係る基板処理装置1の全体の構成および動作の概略について説明してきたが、次に、基板搬送ロボット3の構成および動作について説明する。図3はこの発明に係る基板処理装置における基板搬送ロボット3の基板Wを保持する部位の斜視図である。
【0031】
基板搬送ロボット3は、図1中に示すX方向に移動可能とされるとともに、Y方向を向く一対の保持柱35R、35Lを2つ有しており、これらの保持柱で基板Wの外縁部を保持することにより、基板Wが起立姿勢にて保持されるようになっている。
【0032】
保持柱35R、35Lは、図3に示すように、その長手方向をY方向とする柱状部材によって構成されている。また、2つの保持柱35R、35LのそれぞれはY方向を向く軸34を介して基板搬送ロボット3の本体部3a(保持駆動源)と接続されており、本体部3aによって軸34を中心に矢印33Rにて示すような回転運動が可能に構成されている。
【0033】
また、保持柱35R、35Lには基板Wを起立姿勢にて保持するための溝が形成されている。ここで、本実施形態における保持柱35R、35Lには2種類のピッチの溝が形成されている。すなわち、保持柱35R、35Lの一部には、浅い溝351Aと深い溝351BとがY方向に交互に形成されており、これらの間隔はハーフピッチHPとなっている。換言すれば、溝351Aのみに着目するとY方向にノーマルピッチNPにて形成されており、溝351Bは溝351Aの中間にY方向にノーマルピッチNPにて形成されていることとなる。
【0034】
図4は保持柱35R、35Lの形状を示す図であり、図3における矢印Aにて示す方向からみた図である。なお、図4は、深い溝351Bの位置における保持柱35R、35LのXZ断面を示す図である。
【0035】
図3および図4に示すように、2つの保持柱35R、35Lは、鏡面対称の形状となっている。また、保持柱35R、35Lのそれぞれの側面は、保持柱35R、35Lの軸(Y方向軸)を中心とする周方向に5つの領域AR1、AR2、AR3、AR4、AR5に分割されている。保持柱35R、35Lの5つ領域のうち、領域AR1および領域AR2には浅い溝351Aと深い溝351Bとが上述のように形成されている。一方、領域AR3、領域AR4および領域AR5には等しい深さの溝351CがハーフピッチHPの間隔にて形成されている。本実施形態において、これら5つの領域のそれぞれの用途は定められているが、これについては後述する。
【0036】
次に、以上説明してきた形状の保持柱35R、35Lを有する基板搬送ロボット3が基板Wを保持する態様について図5ないし図9を用いつつ説明する。
【0037】
図5ないし図9は、1対の保持柱35R、35Lが基板Wを保持する様子を示す図であり、基板Wに関しては上方からみたものを中心線で結んで示している。
【0038】
保持柱35R、35Lを有する基板搬送ロボット3への突上部23からの基板受渡動作では、まず、突上部23の移動台231がカセットC1が載置された突上機構23aを基板搬送ロボット3の下方へと移動させ、突上台233がカセットC1内にノーマルピッチNPにて収容されている基板W1を起立姿勢のまま上方へと突き上げる。図5はこのときの様子を示す図であり、基板W1が矢印M11に示す方向に十分に突き上げられた後に、矢印M12にて示すように1対の保持柱35R、35Lが回転する。その後、突上台233が下降することにより図6に示すように、突き上げられた基板W1の側方外縁部が保持柱35R、35Lに当接してノーマルピッチNPのまま保持される。このときに基板W1を保持する基板受取領域として使用されるのが保持柱35R、35Lの上記5つの領域のうちの領域AR2であり、基板W1の外縁部は基板受取領域AR2の浅い溝351Aにはまり込むようにして保持される。
【0039】
突上機構23a上の基板W1の受渡が完了すると、突上台233がさらに下降し、次にカセットC2が載置された突上機構23bが移動台231の動作により基板搬送ロボット3の下方に移動する。このとき、突上機構23b上の基板W2は保持柱35R、35Lに保持されている基板W1に対してY方向にハーフピッチHPだけずれた位置に配置される。
【0040】
突上機構23bの移動が完了すると、突上台233が上昇して基板W2を突き上げる。突き上げられている基板W2は保持柱35R、35Lに保持されている基板W1の間に入り込むようにして互いに接触することなく突き上げられる。また、基板W2はY方向に対して保持柱35R、35Lの基板受取領域AR2の深い溝351Bと同じ位置にあり、深い溝351Bを通り抜けて保持柱35R、35Lと接触することなく突き上げられる。
【0041】
その後、突上台233は基板受取領域AR2の浅い溝351Aに保持されている基板W1に接触してこれらの基板W1も突き上げることとなり、突上台233上には基板W1および基板W2がハーフピッチHPにて平行配列されている状態となる。なお、基板W1、W2をハーフピッチHPにて起立姿勢で保持できるよう、突上機構23bの突上台233上には基板W1、W2の外縁部が入り込む溝がY方向に対してハーフピッチHPにて形成されている。
【0042】
突上台233に全ての基板W1、W2が突き上げられると、保持柱35R、35Lはさらに回転する。その後、突上台233が下降して突上台233上の全ての基板W1、W2はそれらの側方外縁部が保持柱35R、35Lに当接し、ハーフピッチHPの基板群として保持される(図7)。このときには、図7に示すように、保持柱35R、35Lの領域AR4が処理前基板を保持する未処理基板保持領域として使用され、基板群を構成する基板W1、W2の外縁部は未処理基板保持領域AR4の溝351Cにはまり込むようにしてハーフピッチHPにて保持される。その後、突上台233はさらに下降する。
【0043】
基板搬送ロボット3と突上部23との基板Wの受渡が完了すると、基板Wは図7に示す状態で前洗浄部4aへと搬送される。本実施形態においては、基板群を構成する基板W1、W2がすべて未処理基板保持領域AR4の等しい深さの溝351Cに保持されることとなるため、基板W1、W2の高さ位置は同じとなる。その結果、基板搬送ロボット3が搬送を開始した後も、搬送時の振動による隣接する基板の接触を防止することができ、基板Wに損傷を与えることがない。
【0044】
基板搬送ロボット3と前洗浄部4aとの基板Wの受渡においては、まず、基板搬送ロボット3が基板Wを保持した状態で前洗浄部4aなどの上方に位置し、その後、昇降台42aが保持柱35R、35Lに保持されている全ての基板Wを接触して保持するまで上昇する。その後、基板搬送ロボット3が保持柱35R、35Lを回転させて図5に示すのと同様の状態となってから昇降台42aが基板Wを保持したまま貯留槽41へと下降して基板Wを洗浄液に浸漬させる。
【0045】
前洗浄部4aにおける洗浄処理が終了すると、基板搬送ロボット3が前洗浄部4aから基板Wを受け取る。このときには、まず、保持柱35R、35Lを図5に示すのと同様の状態とし、洗浄処理後の基板Wを保持した昇降台42aが十分に上昇する。そして、保持柱35R、35Lが回転し、昇降台42aが下降することにより、基板Wはそれらの側方外縁部が保持柱35R、35Lに当接し、ハーフピッチHPの基板群として再び保持される(図8)。この場合は、図8に示すように、保持柱35R、35Lの領域AR3が洗浄処理中の基板W、すなわち洗浄液が付着した基板Wを保持する処理中基板保持領域として使用され、基板群を構成する基板Wの外縁部は処理中基板保持領域AR3の溝351Cにはまり込むようにしてハーフピッチHPにて保持される。
【0046】
その後、基板Wは図8に示す状態で後洗浄部4bへと搬送される。基板搬送ロボット3と後洗浄部4bとの基板Wの受渡は、上述した前洗浄部4aとの基板Wの受渡と同じ手順となる。また、後洗浄部4bから受け取った基板Wにも洗浄液が付着しているため、それら基板Wは保持柱35R、35Lの処理中基板保持領域AR3によって保持される(図8)。
【0047】
洗浄処理が終了すると、基板Wは図8に示す状態で乾燥部4cへと搬送される。基板搬送ロボット3と乾燥部4cとの基板Wの受渡の手順も上述と同様となる。但し、図9に示すように、基板搬送ロボット3が乾燥部4cから受け取った基板Wは、保持柱35R、35Lの領域AR5によって保持される。すなわち、領域AR5は、洗浄処理および乾燥処理が終了した基板Wを保持する処理後基板保持領域として使用され、基板群を構成する基板Wの外縁部は処理後基板保持領域AR5の溝351Cにはまり込むようにしてハーフピッチHPにて保持される。
【0048】
その後、処理が完了した基板Wは図9に示す状態で基板搬送ロボット3により突上部23の上方へと搬送され、突上部23から基板W1、W2を受け取ったときの動作と逆の動作をして、基板搬送ロボット3にハーフピッチHPにて保持されている基板W1、W2が突上部23上の2つのカセットC1、C2にそれぞれノーマルピッチNPにて収容される。但し、このときには、カセットC1に収容されるべき基板W1が領域AR1の浅い溝351Aに残されるとともに、カセットC2に収容されるべき基板W2が領域AR1の深い溝351Bを通過することによって基板W1と基板W2との分離が行われる。すなわち、保持柱35R、35Lの領域AR1は、突上部23へ受け渡すべきノーマルピッチNPの基板W1を保持する基板受渡領域として使用され、基板W1の外縁部は基板受渡領域AR1の浅い溝351Aにはまり込むようにして保持される。
【0049】
以上のように、本実施形態の基板処理装置では、突上部23と基板搬送ロボット3の保持柱35R、35Lとを用いて、基板処理装置の内部で基板Wの配列がノーマルピッチとハーフピッチとに変換可能とされている。これにより、ピッチ変換装置を基板処理装置の外部に設けたり、ピッチ変換装置を基板処理装置と連結する必要がなくなる。したがって、基板へのパーティクルの付着や基板の破損などを低減することができる。
【0050】
また、本実施形態の基板処理装置においては、基板搬送ロボット3の保持柱35R、35Lの側面が5つの領域、すなわち未処理基板のピッチ変換に使用する基板受取領域AR2、処理前基板を保持する未処理基板保持領域AR4、洗浄液が付着した基板Wを保持する処理中基板保持領域AR3、洗浄処理および乾燥処理が終了した基板Wを保持する処理後基板保持領域AR5および処理済み基板のピッチ変換に使用する基板受渡領域AR1に分割され、それぞれの領域に専用の用途を持たせている。
【0051】
従って、例えば、装置に搬入された基板がパーティクルなどによって汚染されていたとしても、その汚染は基板受取領域AR2または未処理基板保持領域AR4に留まる。また、洗浄処理中の基板に付着した洗浄液の液滴は処理中基板保持領域AR3に留まる。換言すれば、処理後基板保持領域AR5および基板受渡領域AR1が処理前または洗浄処理中の基板Wを保持することはないため、洗浄処理および乾燥処理が終了した基板Wに未処理基板の汚染が転写したり洗浄処理中基板の洗浄液が付着するのを防止することができる。そして、その結果、本発明に係る基板処理装置における歩留まりを向上させることが可能となる。
【0052】
ところで、図3、4に示すように、保持柱35R、35Lの処理中基板保持領域AR3の両側には溝35Xが保持柱35R、35Lの長手方向(Y軸方向)に沿って設けられている。この溝35Xは、洗浄処理中基板を保持する処理中基板保持領域AR3に付着した洗浄液の液滴が他の領域に流出するのを防止するためのものである。これにより、処理済み基板に洗浄液が付着するのをより確実に防止することができる。
【0053】
<C.変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記の例に限定されるものではない。例えば、図1に示す基板処理装置1では、カセット載置ユニット2Uを1つ有しているが、2つのカセット載置ユニット2Uを設けて1つを基板搬入専用として用い、もう1つを基板搬出専用として用いるようにしてもよい。また、基板処理装置1に組み込む処理ユニットの種類や数(2以上)も任意に定めることができる。例えば、前洗浄部4aや後洗浄部4bの数をさらに増加させても良いし、異なる種類の新たな洗浄部を設けるようにしても良い。そして、このような場合は、処理の種類に応じて保持柱35R、35Lに設ける領域の数を決定するのが好ましい。
【0054】
また、上記実施形態においては、基板搬送ロボット3の保持柱35R、35Lの側面を5つの領域に分割していたが、これに限定されるものではなく分割する領域の数は基板処理の工程に応じて任意に定めることができる。もっとも、処理前、処理中、処理後の基板に対応できるように、少なくとも3つの領域を確保する必要がある。
【0055】
また、保持柱35R、35Lの形状も上記実施形態に示した形状に限定されず、柱状のものであればよく、例えば、多角柱や円柱としてもよい。
【0056】
さらに、上記実施形態では、保持柱35R、35Lの5つの領域のうち、基板受渡領域AR1および基板受取領域AR2に浅い溝351Aと深い溝351Bとを形成していたが、これらを他の領域に形成しても良い。浅い溝351Aと深い溝351Bとを形成した領域が増えることにより、ピッチ変換を行える回数も増やすことができ、基板WをノーマルピッチNPの3分の1あるいは4分の1のピッチに変換して取り扱うことも可能となる。
【0057】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明によれば、複数の基板のそれぞれの外縁部を側方より保持する複数の保持領域を有する2つの保持柱と、それら2つの保持柱に保持動作を行わせる保持駆動源とを備えるとともに、複数の保持領域に、所定の処理を施す前の複数の基板を保持する領域と、所定の処理中の複数の基板を保持する領域と、所定の処理を施した後の複数の基板を保持する領域と、を含ませているため、装置に搬入された所定の処理前の基板が汚染されていたとしても、その汚染が所定の処理後の基板に転写することを防止でき、所定の処理後の基板の清浄度を容易に維持することができる。
また、複数の保持領域は、第1のピッチにて平行配列させて収容可能な複数のカセットから取り出された所定数の基板を順次受け取って第1のピッチより小さな第2のピッチにて平行配列させた基板群を形成するための基板受取領域と、処理後基板保持領域により第2のピッチにて保持されていた基板群から第1のピッチにて配列された所定数の基板を順次に分離して複数のカセットへと渡すための基板受渡領域とをも含むので、ピッチ変換装置を基板処理装置の外部に設けることなくピッチ変換を行うことが可能である。
【0058】
また、請求項2の発明によれば、複数の基板のそれぞれの外縁部を側方より保持する複数の保持領域を有する2つの保持柱と、それら2つの保持柱に保持動作を行わせる保持駆動源とを備えるとともに、複数の保持領域に、液処理を施す前の複数の基板を保持する領域と、液処理中の複数の基板を保持する領域と、乾燥後の複数の基板を保持する領域と、を含ませているため、装置に搬入された所定の処理前の基板が汚染されていたとしても、その汚染が乾燥後の基板に転写することを防止でき、所定の処理後の基板の清浄度を容易に維持することができる。また、乾燥後の基板に液処理中基板の液が付着するのを防止することもでき、その結果、所定の処理後の基板の清浄度を容易に維持することができる。
また、複数の保持領域は、第1のピッチにて平行配列させて収容可能な複数のカセットから取り出された所定数の基板を順次受け取って第1のピッチより小さな第2のピッチにて平行配列させた基板群を形成するための基板受取領域と、乾燥後において処理後基板保持領域により第2のピッチにて保持されていた基板群から第1のピッチにて配列された所定数の基板を順次に分離して複数のカセットへと渡すための基板受渡領域とを含むので、ピッチ変換装置を基板処理装置の外部に設けることなくピッチ変換を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の第1の実施の形態である基板処理装置の全体を示す斜視図であり、(b)はカセットが載置された突上部を示す部分図である。
【図2】(a)および(b)は突上機構と基板搬送ロボットとの基板の受渡動作を示す図である。
【図3】図1の基板処理装置における基板搬送ロボットの基板を保持する部位を示す斜視図である。
【図4】図3の保持柱の形状を示す図である。
【図5】図4の保持柱が基板を保持する様子を示す図である。
【図6】図4の保持柱が基板を保持する様子を示す図である。
【図7】図4の保持柱が基板を保持する様子を示す図である。
【図8】図4の保持柱が基板を保持する様子を示す図である。
【図9】図4の保持柱が基板を保持する様子を示す図である。
【図10】従来の基板処理装置における基板搬送ロボットの基板を保持する部位の斜視図である。
【符号の説明】
1 基板処理装置
3 基板搬送ロボット
3a 本体部
4a 前洗浄部
4b 後洗浄部
4c 乾燥部
23 突上部
35R、35L 保持柱
351A、351B、351C 溝
AR1 基板受渡領域
AR2 基板受取領域
AR3 処理中基板保持領域
AR4 未処理基板保持領域
AR5 処理後基板保持領域
C、C1、C2 カセット
W、W1、W2 基板
Claims (2)
- 複数の基板を収容可能なカセットと基板に所定の処理を施す複数の処理手段との間で前記複数の基板を搬送する基板処理装置であって、
(a) 前記複数の基板のそれぞれの外縁部を側方より保持する複数の保持領域を有する2つの保持柱と、
(b) 前記2つの保持柱に保持動作を行わせる保持駆動源と、
を備え、
前記複数の保持領域は、前記保持柱の側面を前記保持柱の軸を中心とする周方向に分割した領域であり、
前記複数の保持領域は、
第1のピッチにて平行配列させて収容可能な複数のカセットから取り出された所定数の基板を順次受け取って前記第1のピッチより小さな第2のピッチにて平行配列させた基板群を形成するための基板受取領域と、
前記所定の処理を施す前の前記複数の基板を前記第2のピッチにて保持する未処理基板保持領域と、
前記所定の処理中の前記複数の基板を前記第2のピッチにて保持する処理中基板保持領域と、
前記所定の処理を施した後の前記複数の基板を前記第2のピッチにて保持する処理後基板保持領域と、
前記処理後基板保持領域により前記第2のピッチにて保持されていた前記基板群から前記第1のピッチにて配列された前記所定数の基板を順次に分離して複数のカセットへと渡すための基板受渡領域と、
を含むことを特徴とする基板処理装置。 - 複数の基板を収容可能なカセットと基板に所定の処理を施す処理手段との間で前記複数の基板を搬送する基板処理装置であって、
(a) 前記複数の基板のそれぞれの外縁部を側方より保持する複数の保持領域を有する2つの保持柱と、
(b) 前記2つの保持柱に保持動作を行わせる保持駆動源と、
を備え、
前記複数の保持領域は、前記保持柱の側面を前記保持柱の軸を中心とする周方向に分割した領域であり、
前記処理手段は、
前記複数の基板に所定の処理液による液処理を施す液処理手段と、
前記複数の基板を乾燥させる乾燥手段と、
を含み、
前記複数の保持領域は、
第1のピッチにて平行配列させて収容可能な複数のカセットから取り出された所定数の基板を順次受け取って前記第1のピッチより小さな第2のピッチにて平行配列させた基板群を形成するための基板受取領域と、
前記基板受取領域により前記第2のピッチにて平行配列された前記複数の基板を、前記液処理を施す前であって前記液処理手段へ搬送されるまで保持する未処理基板保持領域と、
前記液処理手段による前記液処理中および前記液処理手段から前記乾燥手段へ搬送される間に前記複数の基板を前記第2のピッチにて保持する処理中基板保持領域と、
前記乾燥手段による前記乾燥後の前記複数の基板を前記第2のピッチにて保持する処理後基板保持領域と、
前記乾燥後において前記処理後基板保持領域により前記第2のピッチにて保持されていた前記基板群から前記第1のピッチにて配列された前記所定数の基板を順次に分離して複数のカセットへと渡すための基板受渡領域と、
を含むことを特徴とする基板処理装置。
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