JP3291948B2 - 高能率符号化方法及び装置、並びに伝送媒体 - Google Patents
高能率符号化方法及び装置、並びに伝送媒体Info
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Description
信号等のディジタル信号をビット圧縮する高能率符号化
方法及び装置、その圧縮データを伝送する伝送媒体(記
録媒体も含む)に関し、特に、処理ブロック毎のエネル
ギーの形状に応じて、該当処理ブロックのビット割当量
を変化させるような高能率符号化方法及び装置、並びに
伝送媒体に関する。
符号化の手法及び装置には種々あるが、例えば、時間領
域のオーディオ信号等を単位時間毎にブロック化してこ
のブロック毎の時間軸の信号を周波数軸上の信号に変換
(直交変換)して複数の周波数帯域に分割し、各帯域毎
に符号化するブロック化周波数帯域分割方式であるいわ
ゆる変換符号化方式や、時間領域のオーディオ信号等を
単位時間毎にブロック化しないで、複数の周波数帯域に
分割して符号化する非ブロック化周波数帯域分割方式で
ある帯域分割符号化(サブ・バンド・コーディング:S
BC)方式等を挙げることができる。また、上述の帯域
分割符号化と変換符号化とを組み合わせた高能率符号化
の手法及び装置も考えられており、この場合には、例え
ば、上記帯域分割符号化方式で帯域分割を行った後、該
各帯域毎の信号を上記変換符号化方式で周波数領域の信
号に直交変換し、この直交変換された各帯域毎に符号化
を施すことになる。
用される帯域分割用フィルタとしては、例えばQMF(Q
uadrature Mirror filter)等のフィルタがあり、これは
例えば文献「ディジタル・コーディング・オブ・スピー
チ・イン・サブバンズ」("Digital coding of speech i
n subbands" R.E.Crochiere, Bell Syst.Tech. J.,Vo
l.55,No.8 1976) に述べられている。このQMFのフィ
ルタは、帯域を等バンド幅に2分割するものであり、当
該フィルタにおいては上記分割した帯域を後に合成する
際にいわゆるエリアシングが発生しないことが特徴とな
っている。また、文献「ポリフェーズ・クワドラチァ・
フィルタ −新しい帯域分割符号化技術」("Polyphase
Quadrature filters -A new subband coding techniqu
e", Joseph H. Rothweiler ICASSP 83, BOSTON)には、
等帯域幅のフィルタ分割手法が述べられている。このポ
リフェーズ・クワドラチァ・フィルタにおいては、信号
を等バンド幅の複数の帯域に分割する際に一度に分割で
きることが特徴となっている。
ば、入力オーディオ信号を所定単位時間(フレーム)で
ブロック化し、当該ブロック毎に高速フーリエ変換(F
FT)や、離散コサイン変換(DCT)、モディファイ
ドDCT変換(MDCT)などを行うことで時間軸を周
波数軸に変換するような直交変換がある。このMDCT
については、文献「時間領域エリアシング・キャンセル
を基礎とするフィルタ・バンク設計を用いたサブバンド
/変換符号化」("Subband/Transform Coding Using Fil
ter Bank Designs Based on Time Domain Aliasing Can
cellation," J.P.Princen A.B.Bradley, Univ. of Surr
ey Royal Melbourne Inst. of Tech. ICASSP 1987)に述
べられている。
を量子化する場合の周波数分割幅としては、例えば人間
の聴覚特性を考慮した帯域分割がある。すなわち、一般
に臨界帯域(クリティカルバンド)と呼ばれている高域
ほど帯域幅が広くなるような帯域幅で、オーディオ信号
を複数(例えば25バント)の帯域に分割することがあ
る。また、この時の各帯域毎のデータを符号化する際に
は、各帯域毎に所定のビット配分或いは、各帯域毎に適
応的なビット配分による符号化が行われる。例えば、上
記MDCT処理されて得られたMDCT係数データを上
記ビット配分によって符号化する際には、上記各ブロッ
ク毎のMDCT処理により得られる各帯域毎のMDCT
係数データに対して、適応的な配分ビット数で符号化が
行われることになる。
しては、次の2手法及び装置が知られている。例えば、
文献「音声信号の適応変換符号化」("Adaptive Transf
ormCoding of Speech Signals", IEEE Transactions of
Accoustics, Speech, andSignal Processing, vol.ASS
P-25, No.4, August 1977 )では、各帯域毎の信号の大
きさをもとに、ビット割当を行っている。また、例えば
文献「臨界帯域符号化器 −聴覚システムの知覚の要求
に関するディジタル符号化」("The critical band cod
er --digital encoding of the perceptual requireme
nts of the auditory system", M.A.Kransner MIT, ICA
SSP 1980)では、聴覚マスキングを利用することで、各
帯域毎に必要な信号対雑音比を得て固定的なビット割当
を行う手法及び装置が述べられている。
来の高能率符号化手法及び装置において、各帯域毎に適
応的なビット配分量を算出した場合は、全量子化ブロッ
クの総ビット数が既定のビットレートと同等のビット数
になることが少なく、ほとんどの場合既定ビットレート
と同等のビット数にするためのビット端数調整が必要と
なる。このビット端数調整においては、例えば単純に周
波数に依存した優先順位によりビット端数調整が行われ
ることになるため、入力信号に対しより適応したビット
端数調整を行うことができない。そのため、特に例えば
ビットレートが低く使用可能なビット数が少ない場合に
は、聴感上良好な音質を得ることができない。
たものであり、聴覚特性をより活かした効率の良い高能
率符号化方法及び装置、並びに伝送媒体の提供を行い、
低ビットレートにおける音質劣化防止、及び同一ビット
レートにおける音質向上を目的とする。
法及び装置は、入力信号を複数の周波数帯域成分に分解
し、上記周波数帯域成分を時間と周波数とに関して分割
した複数の2次元ブロック毎に当該周波数帯域成分に応
じて量子化に必要なビット配分情報を小数値として求
め、求めた上記ビット配分情報を丸め処理して各2次元
ブロック毎の整数値のビット配分量を算出し、上記各2
次元ブロック毎に算出されたビット配分量を、既定のビ
ットレートにより定まるビット量と同等になるよう調整
し、各2次元ブロックのビット配分量を決定し、決定し
た上記ビット配分量に応じて、上記2次元ブロック毎に
上記周波数帯域成分の量子化を行うものであり、上記ビ
ット配分量を決定する際に、上記2次元ブロック毎に算
出したビット配分量の総和が既定ビットレートにより定
まるビット量と同等でないときには、上記ビット配分量
算出ステップにおける丸め処理の情報に基づいて、上記
ビット配分量の調整を行うことにより、上述の目的を達
成する。
置において、上記ビット配分量を決定する際に、上記2
次元ブロック毎に算出したビット配分量の総和が既定ビ
ットレートにより定まるビット量より多いときには、上
記ビット配分量算出ステップにおいて切り上げが行われ
た2次元ブロックに対応するビット数が優先的に削減さ
れる。また、上記ビット配分量を決定する際に、上記2
次元ブロック毎に算出したビット配分量の総和が既定ビ
ットレートにより定まるビット量より少ないときには、
上記ビット配分量算出ステップにおいて切り捨てが行わ
れた2次元ブロックに対応するビット数が優先的に増加
される。
置においては、上記丸め処理の情報として、上記ビット
配分量を算出する際の切り上げ及び/又は切り捨て処理
に関する情報を用いるようにしている。また、上記丸め
処理の情報として、上記ビット配分量を算出する際のビ
ット配分情報の小数点以下の桁の数値を用いることも行
う。
方法により圧縮符号化された入力信号を伝送する伝送媒
体であって、上記入力信号を複数の周波数帯域成分に分
解し、上記周波数帯域成分を時間と周波数とに関して分
割した複数の2次元ブロック毎に当該周波数帯域成分に
応じて量子化に必要なビット配分情報を小数値として求
め、求めた上記ビット配分情報を丸め処理して各2次元
ブロック毎の整数値のビット配分量を算出し、上記各2
次元ブロック毎に算出されたビット配分量を、既定のビ
ットレートにより定まるビット量と同等になるよう調整
することにより各2次元ブロックのビット配分量を決定
し、決定した上記ビット配分量に応じて、上記2次元ブ
ロック毎に上記周波数帯域成分の量子化を行う際に、上
記2次元ブロック毎に算出したビット配分量の総和が既
定ビットレートにより定まるビット量と同等でないとき
には、上記ビット配分量の算出時に行った丸め処理の情
報に基づいて、上記ビット配分量の調整を行って各2次
元ブロックのビット配分量を決定する呼応能率符号化方
法により圧縮符号化された信号を伝送することにより、
上述の目的を達成する。
小数部を持つビット情報を、整数化する際に、施される
丸め処理の情報を考慮してビットの端数調整を行い、各
2次元ブロックのビット配分量を決定することにより、
聴感特性をより活かした効率の良いビット配分を行うこ
とができ、ブロックフローティング効率を落とすことの
ない、効率的な圧縮を行うことが可能となる。
おいてより良好な音質を得ることが可能となる。また、
同等の音質を得るために、より低いビットレートで実施
可能となる。
て説明する。
入力ディジタル信号を、帯域分割符号化(SBC)、適
応変換符号化(ATC)、及び適応ビット配分(APC
−AB)の各技術を用いて高能率符号化する。この技術
について、図1を参照しながら説明する。
用される実施例の具体的な高能率符号化装置では、入力
ディジタル信号をフィルタなどにより複数の周波数帯域
に分割すると共に、各周波数帯域毎に直交変換を行っ
て、得られた周波数軸のスペクトルデータを、後述する
人間の聴覚特性を考慮したいわゆる臨界帯域幅(クリテ
ィカルバンド)毎に適応的にビット配分して符号化して
いる。この時、高域では臨界帯域幅を更に分割した帯域
を用いる。もちろんフィルタなどによる非ブロッキング
の周波数分割幅は、等分割幅としてもよい。
換の前に入力信号に応じて適応的にブロックサイズ(直
交変換のブロック長)を変化させると共に、クリティカ
ルバンド単位若しくは高域では臨界帯域幅(クリティカ
ルバンド)を更に細分化したブロック(2次元ブロッ
ク)でフローティング処理を行っている。なお、このク
リティカルバンドとは、人間の聴覚特性を考慮して分割
された周波数帯域であり、ある純音の周波数近傍の同じ
強さの狭帯域バンドノイズによって当該純音がマスクさ
れるときのそのノイズの持つ帯域のことである。このク
リティカルバンドは、高域ほど帯域幅が広くなってお
り、例えば0〜20kHzの全周波数帯域は例えば25
のクリティカルバンドに分割されている。
は例えば0〜22kHzのオーディオPCM信号が供給
されている。この入力信号は、例えばいわゆるQMFな
どの帯域分割フィルタ11により0〜11kHz帯域と
11k〜22kHz帯域とに分割され、0〜11kHz
帯域の信号は同じくいわゆるQMF等の帯域分割フィル
タ12により0〜5.5kHz帯域と5.5k〜11k
Hz帯域とに分割される。
22kHz帯域の信号は、直交変換回路の一例であるM
DCT(Modified Discrete Cosine Transform)回路1
3に送られ、上記帯域分割フィルタ12からの5.5k
〜11kHz帯域の信号はMDCT回路14に送られ、
上記帯域分割フィルタ12からの0〜5.5kHz帯域
の信号はMDCT回路15に送られることにより、それ
ぞれMDCT処理される。なお、各MDCT回路13〜
15では、各帯域毎に設けたブロック決定回路19、2
0、21により決定されたブロックサイズに基づいてM
DCT処理がなされる。
により決定される各MDCT回路13〜15でのブロッ
クサイズの具体例を図2の(A)及び(B)に示す。な
お、図2の(A)には直交変換ブロックサイズが長い場
合(ロングモードにおける直交変換ブロックサイズ)
を、図2の(B)には直交変換ブロックサイズが短い場
合(ショートモードにおける直交変換ブロックサイズ)
を示している。
ルタ出力は、それぞれ2つの直交変換ブロックサイズを
持つ。すなわち、低域側の0〜5.5kHz帯域の信号
及び中域の5.5k〜11kHz帯域の信号に対して
は、長いブロック長の場合(図2の(A))は1ブロッ
ク内のサンプル数を128サンプルとし、短いブロック
が選ばれた場合(図2の(B))には1ブロック内のサ
ンプル数を32サンプル毎のブロックとしている。これ
に対して高域側の11k〜22kHz帯域の信号に対し
ては、長いブロック長の場合(図2の(A))は1ブロ
ック内のサンプル数を256サンプルとし、短いブロッ
クが選ばれた場合(図2の(B))には1ブロック内の
サンプル数を32サンプル毎のブロックとしている。こ
のようにして短いブロックが選ばれた場合には各帯域の
直交変換ブロックのサンプル数を同じとして高域程時間
分解能を上げ、なおかつブロック化に使用するウインド
ウの種類を減らしている。
19〜21で決定されたブロックサイズを示す情報は、
後述の適応ビット割当符号化回路16、17、18に送
られると共に、出力端子23、25、27から出力され
る。
理されて得られた周波数領域のスペクトルデータあるい
はMDCT係数データは、いわゆる臨界帯域(クリティ
カルバンド)または高域では更にクリティカルバンドを
分割した帯域毎にまとめられて適応ビット割当符号化回
路16〜18に送られている。
は、上記ブロックサイズの情報、及び臨界帯域(クリテ
ィカルバンド)または高域では更にクリティカルバンド
を分割した帯域毎に割り当てられたビット数に応じて各
スペクトルデータ(あるいはMDCT係数データ)を再
量子化(正規化して量子化)するようにしている。
18によって符号化されたデータは、出力端子22、2
4、26を介して取り出される。また、当該適応ビット
割当符号化回路16〜18では、どのような信号の大き
さに関する正規化がなされたかを示すスケールファクタ
と、どのようなビット長で量子化がされたかを示すビッ
ト長情報も求めており、これらも同時に出力端子22、
24、26から出力される。
15の出力からは、上記臨界帯域(クリティカルバン
ド)または高域では更にクリティカルバンドを分割した
帯域毎のエネルギを、例えば当該バンド内での各振幅値
の2乗平均の平方根を計算すること等により求められ
る。もちろん、上記スケールファクタそのものを以後の
ビット配分の為に用いるようにしてもよい。この場合に
は新たなエネルギ計算の演算が不要となるため、ハード
規模の節約となる。また、各バンド毎のエネルギの代わ
りに、振幅値のピーク値、平均値等を用いることも可能
である。
8における上記ビット配分の具体的な手法を説明する。
作を図3で説明するとMDCT係数の大きさが各ブロッ
ク毎に求められ、そのMDCT係数が入力端子801に
供給される。当該入力端子801に供給されたMDCT
係数は、帯域毎のエネルギ算出回路803及びスペクト
ルのなめらかさ算出回路808に与えられる。帯域毎の
エネルギ算出回路803では、クリティカルバンドまた
は高域においてはクリティカルバンドを更に再分割した
それぞれの帯域に関する信号エネルギを算出する。帯域
毎のエネルギ算出回路803で算出されたそれぞれの帯
域に関するエネルギは、エネルギ依存ビット配分回路8
04、及びスペクトルのなめらかさ算出回路808に供
給される。
帯域毎エネルギ算出回路803からのエネルギ、及び使
用可能総ビット発生回路802からの使用可能総ビット
を用いて、入力信号のエネルギに依存したビット配分
を、本実施例では128kbpsの内のある割合を用い
て行う。入力信号のトーナリティが高い程、すなわち入
力信号のスペクトラムの凹凸が大きい程、このビット量
が上記128kbpsに占める割合が増加する。なお、
入力信号の凹凸を検出するには、隣接するブロックのブ
ロックフローティング係数の差の絶対値の和を指標とし
て使う。そして、求められた使用可能なビット量につ
き、各帯域のエネルギの対数値に比例したビット配分を
行う。
算出回路805は、まず上記クリティカルバンド毎に分
割されたスペクトルデータに基づき、いわゆるマスキン
グ効果等を考慮した各クリティカルバンド毎の許容ノイ
ズ量を求め、次に聴覚許容雑音スペクトルを与えるよう
に使用可能総ビットからエネルギ依存ビットを引いたビ
ット分が配分される。
ビット数と聴覚許容雑音レベルに依存したビット数は加
算器806において加算され、1次ビット配分回路81
5に供給される。
06からの各2次元ブロック(以下量子化のための2次
元ブロックを特に量子化ブロックと呼ぶ)に対応する小
数部を持つビット情報を整数のビット値に変換し、一時
的なビットの配分を行う。
ると乗算器811、812の出力におけるビット情報
は、小数部を持つことが可能である。このことにより、
該当する量子化ブロックに対するビット配分量をより精
緻に求めることが可能となる。
つの量子化ブロックだけに着目すると例えば、エネルギ
依存のビット配分回路804の出力が2ビット、聴覚許
容雑音レベル依存のビット配分回路805の出力が1ビ
ット、ビット分割率決定回路809の出力のうち、エネ
ルギ依存のビット配分回路804の方への出力が0.
7、聴覚許容雑音レベル依存のビット配分回路805の
方への出力が0.3となっている場合、乗算器811の
出力は1.4ビット、乗算器812の出力は0.3ビッ
トとなる。本実施例のように小数部の値を保持したまま
加算器806で足し合わせると、加算器806の出力は
1.7ビットとなり、その後1次ビット配分回路815
において整数に変換され、この量子化ブロックに対する
1次ビット配分量は2ビットになる。もし例えば、加算
器806の入力が小数部を持たないような構成だった場
合、乗算器811、812の出力は、例えば第一小数点
の値が四捨五入され整数に変換される。例えば上記例で
は、乗算器811の出力1.4ビットは1ビットに、乗
算器812の出力1.7ビットは2ビット、というよう
な整数に変換される。これらの整数を加算器806で足
し合わせると、加算器806の出力、つまり1次ビット
配分量は3ビットになる。上記例を比較すれば明らかな
ように、小数部を保持したまま1次ビット割当量を決定
することにより、入力信号に適応したビット配分量をよ
り精緻に算出することができる。
情報が小数部を持たない構成を持つ場合には、各乗算器
及び加算器における計算量が少なくなり、且つ、乗算器
811、812の出力及び加算器806の入力における
端子及び伝送路の幅等を減らすことができるので、ハー
ドウェア規模を小さくすることが可能である。
おいて、小数部を保持した各量子化ブロック毎のビット
情報が整数に変換される。図4を用いて説明すると、図
中L1で示す小数部を持った各量子化ブロック毎のビッ
ト情報は、整数値へと丸められ、図中L2で示す整数の
ビット数へと変換される。例えば、図中の量子化ブロッ
クB1では3.7ビットというビット情報が、小数点第
一位の桁が四捨五入されて整数の4ビットに丸められて
いる。なお、この図4における丸め処理は、丸めにおけ
る誤差が最も小さくなるように四捨五入を用いている
が、例えばしきい値を変えて3以下を切り捨て4以上を
切り上げる等の異なる丸め処理を行うことも可能であ
る。
の丸め処理において、切り上げ又は切り捨てのどちらの
処理が行われたかという丸め情報を、メモリ816へ出
力する。
5からの、各量子化ブロック毎の切り上げ又は切り捨て
のどちらかを表す丸め情報を一時的に保持し、ビット端
数調整回路814へ出力する。このメモリ816の容量
は、1つの量子化ブロックに対して1ビット分用意す
る。例えば図4の場合には、8つの量子化ブロックを持
つので、メモリ816は8ビットの容量を持つ。
ト配分回路815からの各量子化ブロックに対するビッ
ト数、メモリ816からの丸め情報、及び使用可能総ビ
ット発生回路802からの使用可能総ビットを用いて、
本実施例では128kbpsのビットレートに合致する
ようにビットの端数調整を行う。1次ビット配分回路8
15出力時における使用総ビット数、つまりビットレー
トは、各量子化ブロック毎に算出されたビット数である
ため、ほとんどの場合、使用可能総ビット発生回路80
2が出力する使用可能総ビット数とは合致していない。
そのため既定のビットレート、本実施例では128kb
psに合致させるために、ビット端数調整回路814が
必要となる。
が既定のビットレートを越えるビット数になっている場
合、音質に対して聴感上最も影響を及ばさない帯域か
ら、例えば図5の(A)に示すように最も高域側のブロ
ックから低域側に向かって順次1ビットずつ減少させる
方法、又、図5の(B)に示すように最も高域側のブロ
ックから配分ビット数を0にする、つまり帯域制限を行
う方法等がある。図5について補足説明すると、図5の
(A)、(B)共に4ビット分の削減を行っており、斜
線で示した箇所がその削減したビットを示している。
は、メモリ816からの各量子化ブロック毎の丸め情報
を用い、切り上げを行った量子化ブロックに対し優先的
に高域側から低域側に向かって1ビットずつ削減する方
法を用いて128kbpsと同等のビットレートになる
ように端数調整を行う。図6を用いて説明すると、図4
同様、図6中のL1は1次ビット配分回路815に入力
される小数部を持つビット情報を示し、L2はそのビッ
ト情報を1次ビット配分回路815内で四捨五入によっ
て整数に変換されたビット数を示す。この図6を見れば
明らかなように、丸め処理によって切り上げが行われた
量子化ブロックは、ブロックB3、B5、B6、B8で
あり、逆に切り捨てが行われた量子化ブロックは、ブロ
ックB1、B2、B4、B7である。これらの丸めに関
する情報はメモリ816に記録されている。ビット端数
調整回路814ではこのメモリ816からの丸め情報を
用い、切り上げが行われた量子化ブロックに対し、高域
側から低域側に向かって順次1ビットずつ削減を行う。
法を説明する。なお図6では、図5同様、4ビット分の
削減によって既定のビットレートと同等のビット数にな
ると仮定する。
ると、メモリ816からの丸め情報によって切り上げが
行われていることが分かるため、1ビット分の削減を行
う。次に隣接する低域側の量子化ブロックB7に着目す
ると、切り捨てが行われているのでビットの削減は行わ
ない。次に隣接する低域側の量子化ブロックB6に着目
し、切り上げが行われているので1ビット分の削減を行
う。この一連の処理を既定のビットレートと同等のビッ
ト数になるまで繰り返す。この結果、ビット数の削減が
行われた箇所を図6中の斜線で示す。なお、例えばこの
処理において、高域側から低域側へ順次ビット数を削減
していき、最も低域側の量子化ブロックB1まで到達
し、さらにビット数削減の必要がある場合には、再度最
も高域側の量子化ブロックB8に戻り、図5の(A)又
は(B)で示した方法でビット削減を行う。
4の出力が既定のビットレートを下回るビット数になっ
ている場合、音質に対して聴感上最も影響を及ぼす帯域
から、例えば図7に示すように最も低域側の量子化ブロ
ックから高域側に向かって順次1ビットずつビット数を
増加させる方法等がある。図7では4ビット分の増加を
行っており、斜線で示した箇所がその増加したビットを
示している。
は、メモリ816からの各量子化ブロック毎の丸め情報
を用い、切り捨てを行った量子化ブロックに対し優先的
に低域側から高域側に向かって1ビットずつ増加する方
法を用いて128kbpsと同等のビットレートになる
ようにビットの端数調整を行う。図8を用いて説明する
と、図4同様、図8中のL1は1次ビット配分回路81
5に入力される小数部を持つビット情報を示し、L2は
そのビット情報を1次ビット配分回路815内で四捨五
入によって整数に変換されたビット数を示す。図6同
様、丸め処理によって切り捨てが行われた量子化ブロッ
クは、ブロックB1、B2、B4、B7である。本実施
例のビット端数調整回路814では、これらの切り捨て
が行われた量子化ブロックに対し、優先的に低域側から
高域側に向かって順次1ビットずつ増加を行う。
様、4ビット分の増加によって既定のビットレートと同
等のビット数になると仮定する。最も低域側の量子化ブ
ロックB1に着目すると、メモリ816からの丸め情報
によって切り捨てが行われていることが分かるため、1
ビット分の増加を行う。次に隣接する高域側の量子化ブ
ロックB2に着目すると、切り捨てが行われているので
1ビット分の増加を行う。次に隣接する高域側の量子化
ブロックB3に着目すると、切り上げが行われているの
でビットの増加は行わない。この一連の処理を既定のビ
ットレートと同等のビット数になるまで繰り返す。この
結果、ビット数の増加が行われた箇所を図8中の斜線で
示す。なお、例えばこの処理において、低域側から高域
側へ順次ビット数を増加させていき、最も高域側の量子
化ブロックB8まで到達し、さらにビット数増加の必要
がある場合には、再度最も低域側の量子化ブロックB1
に戻り、図7で示した方法でビットの増加を行う。
での整数化処理における丸め情報を、ビット端数調整回
路814内での既定ビットレートに合致させるためのビ
ット端数調整に用いることにより、入力信号の性質によ
り適応したビット配分を行うことができ、聴感上良好な
音質を得ることが可能となる。特に、低いビットレート
を用いる場合には、1ビットが持つ音質への影響度が増
すため、有効に作用する。
又は切り捨てのどちらかを表す丸め情報の代わりに、加
算器806の出力が持つ小数部の数値、具体的には例え
ば小数点第一位の桁の数値を保持する手法も考えられ
る。その数値とは、例えばある量子化ブロックに対する
加算器806の出力が1.7ビットの場合は7を示す。
なおこの手法では、メモリ816の容量は大きくなり、
1量子化ブロック辺りの必要ビット数は4ビットとなる
ので、例えば図4の場合には8つの量子化ブロックを持
つので、メモリ816は32ビットの容量を持つ。
は、ビット端数調整回路814に送られ、既定ビットレ
ートと同等のビット数に調整するために用いられる。例
えば、1次ビット配分回路815の出力が既定のビット
レートを越えるビット数になっている場合、図6を用い
て説明した方法では、切り上げを行った量子化ブロック
に対し高域側から低域側へと周波数に依存した優先順位
を基にビットの削減が行われたが、この小数点の数値を
用いる方法では、切り上げ処理による誤差の大きさに応
じた優先順位を用いてビットの削減を行う。例えば、四
捨五入により切り上げ処理が施されて2ビットになった
2つの量子化ブロックがあり、それぞれ加算器806の
出力が1.5、1.9であった場合、切り上げ処理によ
って生じる誤差はそれぞれ0.5、0.1であり、前者
の方が誤差が大きい。これは本来必要と思われるビット
数より0.5ビット余分に配分されていることになる。
従ってビットの削減を行う際には、誤差が大きい前者の
量子化ブロックを優先的にビット数の削減を行う方が、
より入力信号に適応した効率の良いビット配分を行うこ
とができる。
出力が既定のビットレートを下回るビット数になってい
る場合、図8を用いて説明した方法では、切り捨てを行
った量子化ブロックに対し低域側から高域側へと周波数
に依存した優先順位を基にビットの増加が行われたが、
この小数点の数値を用いる方法では、切り捨て処理によ
る誤差の大きさに応じた優先順位を用いてビットの増加
を行う。例えば、四捨五入により切り捨て処理が施され
て2ビットになった2つの量子化ブロックがあり、それ
ぞれ加算器806の出力が2.1、2.4であった場
合、切り捨て処理によって生じる誤差はそれぞれ0.
1、0.4であり、後者の方が誤差が大きい。これは本
来必要と思われるビット数より0.4ビット分少なく配
分されていることになる。従ってビットの増加を行う際
には、誤差が大きい後者の量子化ブロックを優先的にビ
ットの増加を行う方が、より入力信号に適応した効率の
良いビット配分を行うことができる。
ビットレートに調整されたビットは、図1の適応ビット
割当符号化回路16〜18によって各クリティカルバン
ド毎若しくは高域においてはクリティカルバンドを更に
複数帯域に分割した帯域に割り当てられたビット数に応
じて各スペクトルデータ(あるいはMDCT係数デー
タ)が再量子化されるようになっている。このようにし
て符号化されたデータは、図1の出力端子22、24、
26を介して取り出される。
依存のビット配分回路805中の聴覚許容雑音スペクト
ル算出回路について説明すると、MDCT回路13〜1
5で得られたMDCT係数が当該ビット配分回路805
中の許容雑音スペクトル算出回路に与えられる。
まとめて説明した一具体例の概略構成を示すブロック回
路図である。この図9において、入力端子521には、
MDCT回路13〜15からの周波数領域のスペクトル
データが供給されている。
エネルギ算出回路522に送られて、上記クリティカル
バンド(臨界帯域)毎のエネルギが、例えば当該バンド
内での各振幅値2乗の総和を計算すること等により求め
られる。この各バンド毎のエネルギの代わりに、振幅値
のピーク値、平均値等が用いられることもある。このエ
ネルギ算出回路522からの出力として、例えば各バン
ドの総和値のスペクトルは、一般にバークスペクトルと
称されている。図10はこのような各クリティカルバン
ド毎のバークスペクトルSBを示している。ただし、こ
の図10では、図示を簡略化するため、上記クリティカ
ルバンドのバンド数を12バンド(B1〜B12)で表
現している。
ゆるマスキングに於ける影響を考慮するために、該バー
クスペクトルSBに所定の重み付け関数を掛けて加算す
るような畳込み(コンボリューション)処理を施す。こ
のため、上記帯域毎のエネルギ算出回路522の出力す
なわち該バークスペクトルSBの各値は、畳込みフィル
タ回路523に送られる。該畳込みフィルタ回路523
は、例えば、入力データを順次遅延させる複数の遅延素
子と、これら遅延素子からの出力にフィルタ係数(重み
付け関数)を乗算する複数の乗算器(例えば各バンドに
対応する25個の乗算器)と、各乗算器出力の総和をと
る総和加算器とから構成されるものである。
の特性により、ある信号によって他の信号がマスクされ
て聞こえなくなる現象をいうものであり、このマスキン
グ効果には、時間領域のオーディオ信号による時間軸マ
スキング効果と、周波数領域の信号による同時刻マスキ
ング効果とがある。これらのマスキング効果により、マ
スキングされる部分にノイズがあったとしても、このノ
イズは聞こえないことになる。このため、実際のオーデ
ィオ信号では、このマスキングされる範囲内のノイズは
許容可能なノイズとされる。
乗算器の乗算係数(フィルタ係数)の一具体例を示す
と、任意のバンドに対応する乗算器Mの係数を1とする
とき、乗算器M−1で係数0.15を、乗算器M−2で
係数0.0019を、乗算器M−3で係数0.0000
086を、乗算器M+1で係数0.4を、乗算器M+2
で係数0.06を、乗算器M+3で係数0.007を各
遅延素子の出力に乗算することにより、上記バークスペ
クトルSBの畳込み処理が行われる。ただし、Mは1〜
25の任意の整数である。
力は引算器524に送られる。該引算器524は、上記
畳込んだ領域での後述する許容可能なノイズレベルに対
応するレベルαを求めるものである。なお、当該許容可
能なノイズレベル(許容ノイズレベル)に対応するレベ
ルαは、後述するように、逆コンボリューション処理を
行うことによって、クリティカルバンドの各バンド毎の
許容ノイズレベルとなるようなレベルである。
ルαを求めるるための許容関数(マスキングレベルを表
現する関数)が供給される。この許容関数を増減させる
ことで上記レベルαの制御を行っている。当該許容関数
は、次に説明するような(n−ai)関数発生回路52
5から供給されているものである。
ベルαは、クリティカルバンドのバンドの低域から順に
与えられる番号をiとすると、次の式で求めることがで
きる。
理されたバークスペクトルの強度であり、式中(n−a
i)が許容関数となる。例としてn=38,a=−0.
5を用いることができる。
れ、このデータは、割算器526に伝送される。当該割
算器526では、上記畳込みされた領域での上記レベル
αを逆コンボリューションするためのものである。した
がって、この逆コンボリューション処理を行うことによ
り、上記レベルαからマスキングスレッショールドが得
られるようになる。すなわち、このマスキングスレッシ
ョールドが許容ノイズスペクトルとなる。なお、上記逆
コンボリューション処理は、複雑な演算を必要とする
が、本実施例では簡略化した割算器526を用いて逆コ
ンボリューションを行っている。
は、合成回路527を介して減算器528に伝送され
る。ここで、当該減算器528には、上記帯域毎のエネ
ルギ検出回路522からの出力、すなわち前述したバー
クスペクトルSBが、遅延回路529を介して供給され
ている。したがって、この減算器528で上記マスキン
グスレッショールドとバークスペクトルSBとの減算演
算が行われることで、図11に示すように、上記バーク
スペクトルSBは、当該マスキングスレッショールドM
Sのレベルで示すレベル以下がマスキングされることに
なる。なお、上記遅延回路529は、上記合成回路52
7以前の各回路での遅延量を考慮してエネルギ検出回路
522からのバークスペクトルSBを遅延させるために
設けられている。
補正回路530を介し、出力端子531を介して取り出
され、例えば配分ビット数情報が予め記憶されたROM
等(図示せず)に送られる。このROM等は、上記減算
回路528から許容雑音補正回路530を介して得られ
た出力(上記各バンドのエネルギと上記ノイズレベル設
定手段の出力との差分のレベル)に応じ、各バンド毎の
配分ビット数情報を出力する。
許容雑音レベルに依存したビットは加算されてその配分
ビット数情報が上記適応ビット割当符号化回路16〜1
8に送られることで、ここでMDCT回路13〜15か
らの周波数領域の各スペクトルデータがそれぞれのバン
ド毎に割り当てられたビット数で量子化されるわけであ
る。
符号化回路16〜18では、上記クリティカルバンドの
各バンド帯域毎(クリティカルバンド毎)若しくは高域
においては当該クリティカルバンドを更に複数帯域に分
割した帯域のエネルギ若しくはピーク値と、上記ノイズ
レベル設定手段の出力との差分のレベルに応じて配分さ
れたビット数で上記各バンド毎のスペクトルデータを量
子化することになる。
成の際には、最小可聴カーブ発生回路532から供給さ
れる図12に示すような人間の聴覚特性であるいわゆる
最小可聴カーブRCを示すデータと、上記マスキングス
レッショールドMSとを合成することができる。この最
小可聴カーブにおいて、雑音絶対レベルがこの最小可聴
カーブ以下ならば該雑音は聞こえないことになる。この
最小可聴カーブは、コーディングが同じであっても例え
ば再生時の再生ボリュームの違いで異なるものとなる
が、現実的なディジタルシステムでは、例えば16ビッ
トダイナミックレンジへの音楽のはいり方にはさほど違
いがないので、例えば4kHz付近の最も耳に聞こえや
すい周波数帯域の量子化雑音が聞こえないとすれば、他
の周波数帯域ではこの最小可聴カーブのレベル以下の量
子化雑音は聞こえないと考えられる。したがって、この
ように例えばシステムの持つダイナミックレンジの4k
Hz付近の雑音が聞こえない使い方をすると仮定し、こ
の最小可聴カーブRCとマスキングスレッショールドM
Sとを共に合成することで許容ノイズレベルを得るよう
にすると、この場合の許容ノイズレベルは、図12中の
斜線で示す部分までとすることができるようになる。な
お、本実施例では、上記最小可聴カーブの4kHzのレ
ベルを、例えば20ビット相当の最低レベルに合わせて
いる。また、この図12は、信号スペクトルSSも同時
に示している。
補正情報出力回路533から送られてくる例えば等ラウ
ドネスカーブの情報に基づいて、上記減算器528から
の出力における許容雑音レベルを補正している。ここ
で、等ラウドネスカーブとは、人間の聴覚特性に関する
特性曲線であり、例えば1kHzの純音と同じ大きさに
聞こえる各周波数での音の音圧を求めて曲線で結んだも
ので、ラウドネスの等感度曲線とも呼ばれる。またこの
等ラウドネス曲線は、図12に示した最小可聴カーブR
Cと略同じ曲線を描くものである。この等ラウドネス曲
線においては、例えば4kHz付近では1kHzのとこ
ろより音圧が8〜10dB下がっても1kHzと同じ大
きさに聞こえ、逆に、50Hz付近では1kHzでの音
圧よりも約15dB高くないと同じ大きさに聞こえな
い。このため、上記最小可聴カーブのレベルを越えた雑
音(許容ノイズレベル)は、この等ラウドネス曲線に応
じたカーブで与えられる周波数特性を持つようにするの
が良いことがわかる。このようなことから、上記等ラウ
ドネス曲線を考慮して上記許容ノイズレベルを補正する
ことは、人間の聴覚特性に適合していることがわかる。
スペクトル形状を使用可能総ビット128Kbpsの内
のある割合を用いるビット配分でつくる。この割合は入
力信号のトーナリティが高くなるほど減少する。
量分割手法について説明する。
れる入力端子801からの信号は、スペクトルの滑らか
さ算出回路808にも与えられ、ここでスペクトルの滑
らかさが算出される。本実施例では、信号スペクトルの
絶対値の隣接値間の差の絶対値の和を信号スペクトルの
絶対値の和で割った値を、上記スペクトルの滑らかさと
して算出している。
の出力は、ビット分割率決定回路809に与えられ、こ
こでエネルギ依存のビット配分と、聴覚許容雑音スペク
トルによるビット配分間のビット分割率とが決定され
る。ビット分割率はスペクトルの滑らかさ算出回路80
8の出力値が大きいほど、スペクトルの滑らかさが無い
と考えて、エネルギ依存のビット配分よりも、聴覚許容
雑音スペクトルによるビット配分に重点をおいたビット
配分を行う。ビット分割率決定回路809は、それぞれ
エネルギ依存のビット配分及び聴覚許容雑音スペクトル
によるビット配分の大きさをコントロールする乗算器8
11及び812に対してコントロール出力を送る。ここ
で、仮にスペクトルが滑らかであり、エネルギ依存のビ
ット配分に重きをおくように、乗算器811へのビット
分割率決定回路809の出力が0.8の値を取ったと
き、乗算器812へのビット分割率決定回路809の出
力は1−0.8=0.2とする。これら2つの乗算器の
出力は加算器806で足し合わされて最終的なビット配
分情報となって、出力端子807から出力される。
14に示す。また、これに対応する量子化雑音の様子を
図15、図16に示す。図13は信号のスペクトルが割
合平坦である場合を示しており、図14は信号スペクト
ルが高いトーナリティを示す場合を示している。また、
図13及び図14の図中QSは信号レベル依存分のビッ
ト量を示し、図中QNは聴覚許容雑音レベル依存のビッ
ト割当分のビット量を示している。図15及び図16の
図中Lは信号レベルを示し、図中NSは信号レベル依存
分による雑音低下分を、図中NNは聴覚許容雑音レベル
依存のビット割当分による雑音低下分を示している。
る場合を示す図15において、聴覚許容雑音レベルに依
存したビット配分は、全帯域に渡り大きい信号雑音比を
取るために役立つ。しかし低域及び高域では比較的少な
いビット配分が使用されている。これは聴覚的にこの帯
域の雑音に対する感度が小さいためである。信号エネル
ギレベルに依存したビット配分の分は量としては少ない
が、ホワイトな雑音スペクトルを生じるように、この場
合には中低域の信号レベルの高い周波数領域に重点的に
配分されている。
スペクトルが高いトーナリティを示す場合には、信号エ
ネルギレベルに依存したビット配分量が多くなり、量子
化雑音の低下は極めて狭い帯域の雑音を低減するために
使用される。聴覚許容雑音レベルに依存したビット配分
の集中はこれよりもきつくない。
分の和により、孤立スペクトル入力信号での特性の向上
が達成される。
によって符号化された信号を、再び復号化するための基
本的な本発明実施例の高能率復号化装置を示している。
たMDCT係数は復号化装置入力端子122、124、
126に与えられ、使用されたブロックサイズ情報は入
力端子123、125、127に与えられる。復号化回
路116、117、118では適応ビット配分情報を用
いてビット割当を解除する。
15では周波数領域の信号が時間領域の信号に変換され
る。これらの部分帯域の時間領域信号は、IQMF回路
112、111により、全体域信号に復号化され、出力
端子110へ送られる。
たような本発明実施例の高能率符号化装置により符号化
された信号が記録若しくは伝送されるものであり、記録
メディアとしては例えば光ディスク,光磁気ディスク,
磁気ディスク等のディスク状の記録媒体に上記符号化信
号が記録されたものや、磁気テープ等のテープ状記録媒
体に上記符号化信号が記録されたもの、或いは、符号化
信号が記憶された半導体メモリ,ICカードなどを挙げ
ることができる。また、伝送メディアとしては、電線若
しくは光ケーブルや電波等を挙げることができる。
るものではなく、例えば、上記の記録再生媒体と上記他
の記録再生媒体とは一体化されている必要はなく、その
間をデータ転送用回線等で結ぶことも可能である。更に
例えば、オーディオPCM信号のみならず、ディジタル
音声(スピーチ)信号やディジタルビデオ信号等の信号
処理装置にも適用可能である。また、上述した最小可聴
カーブの合成処理を行わない構成としてもよい。この場
合には、図9中の最小可聴カーブ発生回路532、合成
回路527が不要となり、上記引算器526からの出力
は、直ちに減算器528へ伝送されることになる。
最も簡単には固定のビット配分もしくは信号の各帯域エ
ネルギによる簡単なビット配分もしくは固定分と可変分
を組み合わせたビット配分などを使うことが可能であ
る。
する各量子化ブロックの数を減らすことも可能である。
保持するブロック数を減らすことによりメモリ816の
容量、及びビット端数調整回路814内での計算量など
を減らすことができ、ハードウェア規模を小さくするこ
とが可能となる。
の出力が、既定の例えば128kbpsを下回るビット
レートの場合、ビットの端数調整を行わない構成として
もよい。この場合には、図3中のメモリ816、及びビ
ット端数調整回路814が不要となり、1次ビット配分
回路815の出力は直ちにビット割当量出力端子807
へ伝送されることになる。
に於て施される丸め処理は、四捨五入だけではなく、例
えば3以下を切り捨て4以上を切り上げる手法など、し
きい値を変えて丸め処理を行うことも可能である。例え
ば、単純に切り上げ又は切り捨て処理を行う手法も考え
られる。
が考えられる。
明においては以下の効果を得ることができる。すなわ
ち、各2次元ブロック(量子化ブロック)毎に小数値と
して算出されたビット情報を、整数化する際、施される
丸め処理の情報を考慮して、既定ビットレートにより定
まるビット量と同等になるようにビットの調整を行い、
各2次元ブロックに対するビット配分量を決定すること
により、入力信号に対しより適応的なビットの配分を行
うことが可能となり、同一のビットレートでは、聴感
上、良好な音質を得ることが可能となる。また、低いビ
ットレートでは、音質劣化を防止することができる。
すブロック回路図である。
直交変換ブロックサイズの具体例を示す図である。
ブロック回路図である。
と、それらを整数化したビット数を示す図である。
れている場合のビット端数調整例を示す図である。
れている場合、小数部を持つビット情報を整数化した際
の丸め情報を利用した、ビット端数調整例を示す図であ
る。
れている場合のビット端数調整例を示す図である。
れている場合、小数部を持つビット情報を整数化した際
の丸め情報を利用した、ビット端数調整例を示す図であ
る。
ド算定機能の構成例を示すブロック回路図である。
ある。
ールドを示す図である。
ド、最小可聴限を示す図である。
号レベル依存及び聴覚許容雑音レベル依存のビット配分
を示す図である。
号に対する信号レベル依存及び聴覚許容雑音レベル依存
のビット配分を示す図である。
子化雑音レベルを示す図である。
雑音レベルを示す図である。
示すブロック回路図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 入力信号を複数の周波数帯域成分に分解
する周波数分解ステップと、 上記周波数帯域成分を時間と周波数とに関して分割した
複数の2次元ブロック毎に当該周波数帯域成分に応じて
量子化に必要なビット配分情報を小数値として求め、求
めた上記ビット配分情報を丸め処理して各2次元ブロッ
ク毎の整数値のビット配分量を算出するビット配分量算
出ステップと、 上記各2次元ブロック毎に算出されたビット配分量を、
既定のビットレートにより定まるビット量と同等になる
よう調整し、各2次元ブロックのビット配分量を決定す
るビット配分量決定ステップと、 決定した上記ビット配分量に応じて、上記2次元ブロッ
ク毎に上記周波数帯域成分の量子化を行う周波数帯域成
分量子化ステップとを有し、 上記ビット配分量決定ステップでは、上記2次元ブロッ
ク毎に算出したビット配分量の総和が既定ビットレート
により定まるビット量と同等でないときには、上記ビッ
ト配分量算出ステップにおける丸め処理の情報に基づい
て、上記ビット配分量の調整を行うこと を特徴とする高
能率符号化方法。 - 【請求項2】 上記ビット配分量決定ステップでは、上
記2次元ブロック毎に算出したビット配分量の総和が既
定ビットレートにより定まるビット量より多いときに
は、上記ビット配分量算出ステップにおいて切り上げが
行われた2次元ブロックに対応するビット数が優先的に
削減されることを特徴とする請求項1記載の高能率符号
化方法。 - 【請求項3】 上記ビット配分量決定ステップでは、上
記2次元ブロック毎に算出したビット配分量の総和が既
定ビットレートにより定まるビット量より少ないときに
は、上記ビット配分量算出ステップにおいて切り捨てが
行われた2次元ブロックに対応するビット数が優先的に
増加されることを特徴とする請求項1記載の高能率符号
化方法。 - 【請求項4】 上記丸め処理の情報として、上記ビット
配分量算出ステップにおける切り上げ及び/又は切り捨
て処理に関する情報を用いることを特徴とする請求項1
記載の高能率符号化方法。 - 【請求項5】 上記丸め処理の情報として、上記ビット
配分量算出ステップで求めたビット配分情報の小数点以
下の桁の数値を用いることを特徴とする請求項1記載の
高能率符号化方法。 - 【請求項6】 入力信号を複数の周波数帯域成分に分解
する周波数分解手段と、 上記周波数帯域成分を時間と周波数とに関して分割した
複数の2次元ブロック毎に当該周波数帯域成分に応じて
量子化に必要なビット配分情報を小数値として求め、求
めた上記ビット配分情報を丸め処理して各2次元ブロッ
ク毎の整数値のビット配分量を算出するビット配分量算
出手段と、 上記各2次元ブロック毎に算出されたビット配分量を、
既定のビットレートにより定まるビット量と同等になる
よう調整し、各2次元ブロックのビット配分量を決定す
るビット配分量決定手段と、 決定した上記ビット配分量に応じて、上記2次元ブロッ
ク毎に上記周波数帯域成分の量子化を行う周波数帯域成
分量子化手段とを有し、 上記ビット配分量決定手段は、上記2次元ブロック毎に
算出したビット配分量の総和が既定ビットレートにより
定まるビット量と同等でないときには、上記ビット配分
量算出手段における丸め処理の情報に基づいて、上記ビ
ット配分量の調整を行うこと を特徴とする高能率符号化
装置。 - 【請求項7】 高能率符号化方法により圧縮符号化され
た入力信号を伝送する伝送媒体であって、 上記入力信号を複数の周波数帯域成分に分解し、 上記周波数帯域成分を時間と周波数とに関して分割した
複数の2次元ブロック毎に当該周波数帯域成分に応じて
量子化に必要なビット配分情報を小数値として求め、求
めた上記ビット配分情報を丸め処理して各2次元ブロッ
ク毎の整数値のビット配分量を算出し、 上記各2次元ブロック毎に算出されたビット配分量を、
既定のビットレートにより定まるビット量と同等になる
よう調整することにより各2次元ブロックのビ ット配分
量を決定し、 決定した上記ビット配分量に応じて、上記2次元ブロッ
ク毎に上記周波数帯域成分の量子化を行う際に、上記2
次元ブロック毎に算出したビット配分量の総和が既定ビ
ットレートにより定まるビット量と同等でないときに
は、上記ビット配分量の算出時に行った丸め処理の情報
に基づいて、上記ビット配分量の調整を行って各2次元
ブロックのビット配分量を決定する高能率符号化方法に
より圧縮符号化された信号を伝送すること を特徴とする
伝送媒体。
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