JP2702590B2 - チロシナーゼ活性阻害剤 - Google Patents
チロシナーゼ活性阻害剤Info
- Publication number
- JP2702590B2 JP2702590B2 JP2169637A JP16963790A JP2702590B2 JP 2702590 B2 JP2702590 B2 JP 2702590B2 JP 2169637 A JP2169637 A JP 2169637A JP 16963790 A JP16963790 A JP 16963790A JP 2702590 B2 JP2702590 B2 JP 2702590B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lactoferrin
- tyrosinase activity
- activity inhibitor
- apolactoferrin
- tyrosinase
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
- Cosmetics (AREA)
- Preparation Of Fruits And Vegetables (AREA)
- Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
Description
ン、アポラクトフェリン、金属飽和ラクトフェリン、及
びこれらの任意の混合物からなる群より選択されるラク
トフェリンを有効成分として含有することを特徴とする
チロシナーゼ活性阻害剤に関する。
れている天然の鉄結合性蛋白質であり、大腸菌、カンジ
ダ菌、クロストリジウム菌等の有害微生物に対して抗菌
作用を示すことが知られているが[ジャーナル・オブ・
ペディアトリクス(Journal Of Pediatrics)、第94
巻、第1ページ、1979年]、ラクトフェリンがチロシナ
ーゼ活性阻害効果を有することは従来知られていない。
類及び相当するオルソー2価フェノール類の分子状酸素
による酸化を触媒する酵素であり、キノコ、ジャガイ
モ、リンゴ等多くの植物及び動物組織に広く存在し、植
物においては切傷部分の黒変現象に関与し、動物におい
ては組織、特に皮膚表皮細胞のメラニン色素の形成に関
与していることが知られている(化学大辞典編集委員会
編、化学大辞典、第5巻、第976ページ、共立出版、昭
和35年)。アジソン病において皮膚粘膜に黒褐色のメラ
ニン色素沈着を生ずるのは、チロシナーゼ活性を促進す
るメラノトロピンと拮抗する副腎皮質ホルモンの分泌減
少に起因することも知られている(化学大辞典編集委員
会編、化学大辞典、第1巻、第65ページ、共立出版、昭
和35年)。更にチロシナーゼは、食品の鮮度低下にも関
与しているともいわれている。
品分野において、チロシナーゼによる望ましくない作用
を防止し、予防し又は治療するためのチロシナーゼ活性
阻害剤の開発が強く望まれていた。特に化粧品業界で
は、メラニン色素の生成を有効に抑制し、美白効果を付
与した化粧品又は皮膚外用剤の研究が活発であり、チロ
シナーゼ活性阻害剤を配合した製品が次々と開発されて
いる。チロシナーゼ活性阻害剤としては、システイン、
ビタミンC(三島豊等、基礎皮膚科学、第258ページ、
朝倉書店、昭和48年)、コウジ酸(日経産業新聞、昭和
63年5月24日)、アルブチン(富田健一、第20回FJセミ
ナー予稿集、第21ページ、フレグランスジャーナル社、
平成2年3月14日)、トリコデルマ属に属する微生物の
産生物(特開平2−145189号公報)等が知られている。
品中で不安定であったり、メラニン色素を合成するメラ
ノサイト細胞への作用が強すぎたり、原料の入手が困難
であるため極めて高価であったり、いずれも欠点があ
り、安全で美白効果にすぐれた化粧品又は皮膚外用剤と
して満足できるものではなかった。
点を克服するのみならず、食品及び医薬品にも使用が可
能な安全、かつ安定なチロシナーゼ活性阻害剤について
鋭意研究した結果、哺乳類の乳汁中に存在するラクトフ
ェリン、該ラクトフェリンに化学的処理を施したアポラ
クトフェリン、金属飽和ラクトフェリン、又はこれらの
任意の混合物に、顕著なチロシナーゼ活性阻害作用のあ
ることを見出だし、本発明を完成した。
哺乳類(例えば、人、牛、羊、山羊、馬等)の初乳、移
行乳、常乳、末期乳等又はこれらの処理物である脱脂
乳、ホエー等(以下これらをまとめて乳等と記載する)
から常法(例えば、イオン交換クロマトグラフィー)に
より分離したラクトフェリン、それらから常法により鉄
を除去したアポラクトフェリン、それらを常法により
鉄、銅、亜鉛、マンガン等の金属をキレートさせた金属
飽和ラクトフェリン(以下これらをまとめてLFと記載す
る)である。
っても良いが、LFの有効量を成分として含有しているLF
配合物若しくは組成物であっても良い。例えば精製水に
LFを溶解し、必要に応じ適宜乳化剤,賦形剤,香料など
の食品,化粧品,医薬部外品又は医薬品またはそれらの
成分として許容されている各種成分のひとつ以上と混合
して乳化あるいは分散することができる。LFの有効量
は、少なくとも0.5%、望ましくはチロシナーゼ活性阻
害効果が50%以上を示す1.0%〜2.0%、である。
べるために行われた。
フィナ社製。以下同じ)[以下の記載において「乳等か
ら分離したままの」なる文言は、ラクトフェリンを乳等
から分離したのみであって、脱鉄、金属飽和等の化学的
処理を行っていないこと(即ちアポラクトフェリン、金
属飽和ラクトフェリンでないことを意味する]90gを精
製水2100mlに溶解し、10%クエン酸水溶液を添加してpH
を2.5に調整し、室温で1時間反応させた。この反応生
成物を限外濾過し、そのケーキを凍結乾燥してアポラク
トフェリン約87gを調製した。
液(pH7.6)700mlに溶解し、これを2.6mMクエン酸含有
2.6mM硫酸亜鉛水溶液285mlと、室温において15分間反応
させた。
してラクトフェリン亜鉛約25gを調製した。
水溶液の代わりに、2.6mMクエン酸含有2.6mM硫酸銅水溶
液を使用したこと以外は2)と同様にしてラクトフェリ
ン銅約24gを調製した。
解し、これを2.6mM硫酸鉄水溶液285mlと室温において24
時間反応させた。この反応生成物を限外濾過し、そのケ
ーキを凍結乾燥してラクトフェリン鉄約26gを調製し
た。
リン酸緩衝液に0.045%(W/V)の濃度で溶解した。
000単位/mg)を0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)に0.1%(W/
V)の濃度で溶解した。
%(W/V)の濃度で溶解した。
濃度で0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解した。
銅イオン溶液0.02mlを試験管に採取し、同温度に加温し
た酵素溶液0.08mlを添加し、(全量2.0ml)、37℃で3
分間反応させた。次いで30%酢酸溶液2mlを添加して反
応を停止させ、分光光度計で波長640nmでの吸光度を測
定した。(この吸光値をBとする)。対照として試料溶
液の代わりに0.1Mリン酸緩衝液1.0mlを添加して同様に
吸光度を測定した(この吸光値をAとする)。尚、試験
溶液が白濁している場合は、酵素溶液の代わりに0.1Mリ
ン酸緩衝液0.08mlを添加して同様に吸光度を測定し(こ
の吸光値をCとする)、反応液の濁り部分に由来する吸
光度を除去した。測定された各吸光値からチロシナーゼ
活性阻害率(%)を次式により算出した。
リンに結合している鉄を除去したアポラクトフェリン、
アポラクトフェリンに亜鉛、銅、鉄をそれぞれ結合させ
たラクトフェリン亜鉛、ラクトフェリン銅、ラクトフェ
リン鉄は、いずれも0.1%の添加で約10%のチロシナー
ゼ活性阻害効果を示した。阻害効果は添加量が増大する
につれて向上し、1%の添加で約50%、2%の添加で約
80%の阻害率を示した。なお、これらのラクトフェリン
類の間には阻害率に有意な差は認められなかった。
溶解した後、10%クエン酸水溶液を添加してそのpHを2.
5に調整し、室温において1時間反応させた。この反応
生成物を限外濾過し、そのケーキを凍結乾燥してアポラ
クトフェリン約260gを得た。このアポラクトフェリン20
0g、グリシン(和光純薬工業社製)700g及びリゾチーム
(和光純薬工業)100gを均一に混合し、食品の鮮度保持
用のチロシナーゼ活性阻害剤約1000gを得た。
を10%の濃度で水に溶解し、チロシナーゼ活性阻害率を
試験例と同一の方法で測定した結果、82%であった。
緩衝液(pH7.6)1400mlに溶解し、これを2.6mMクエン酸
含有2.6mM硫酸銅水溶液570mlと、室温において15分間反
応させた。この反応生成物を限外濾過し、そのケーキを
凍結乾燥してラクトフェリン銅約50gを調製した。
(和光純薬工業社製)200g,オレイルアルコール(和光
純薬工業社製)2g,エタノール(和光純薬工業社製)100
g及び精製水1658gを均一に混合し、化粧品用チロシナー
ゼ活性阻害剤約2000gを得た。
ーゼ活性阻害率を試験例と同一の方法で測定した結果、
見掛けの阻害率は51%であったが、濃度換算を行った実
際の阻害率は81%であった。
溶解し、これを2.6mM硫酸鉄水溶液755mlと室温において
24時間反応させた。この反応生成物を限外濾過し、その
ケーキを凍結乾燥してラクトフェリン鉄約78gを調製し
た。このラクトフェリン鉄60g、ヒアルロン酸ナトリウ
ム(和光純薬工業社製)2g、グリセリン(和光純薬工業
社製)20g及び精製水1918gを均一に混合し、化粧品用チ
ロシナーゼ活性阻害剤約2000gを得た。
ーゼ活性阻害率を試験例と同一の方法で測定した結果、
見掛けの阻害率は75%であったが、濃度換算を行った実
際の阻害率は90%であった。
加しても安定であり、すぐれた作用が得られる。
状のいずれの状態も使用できるので、用途が広範であ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】哺乳類の乳汁から分離したラクトフェリ
ン、アポラクトフェリン、金属飽和ラクトフェリン、及
びこれらの任意の混合物からなる群より選択されるラク
トフェリンを有効成分として含有することを特徴とする
チロシナーゼ活性阻害剤。 - 【請求項2】有効成分が少なくとも0.5%(重量)の濃
度で含有されている請求項(1)記載のチロシナーゼ活
性阻害剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2169637A JP2702590B2 (ja) | 1990-06-26 | 1990-06-26 | チロシナーゼ活性阻害剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2169637A JP2702590B2 (ja) | 1990-06-26 | 1990-06-26 | チロシナーゼ活性阻害剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0459714A JPH0459714A (ja) | 1992-02-26 |
JP2702590B2 true JP2702590B2 (ja) | 1998-01-21 |
Family
ID=15890188
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2169637A Expired - Lifetime JP2702590B2 (ja) | 1990-06-26 | 1990-06-26 | チロシナーゼ活性阻害剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2702590B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2006221148A1 (en) * | 2005-03-08 | 2006-09-14 | Fonterra Co-Operative Group Limited | High pressure processing of metal ion lactoferrin |
WO2008032847A1 (fr) * | 2006-09-11 | 2008-03-20 | Up Well Co. Ltd. | Préparation externe pour la peau |
JP5311760B2 (ja) * | 2007-05-25 | 2013-10-09 | 雪印メグミルク株式会社 | 美白剤 |
-
1990
- 1990-06-26 JP JP2169637A patent/JP2702590B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0459714A (ja) | 1992-02-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
DE69017921T2 (de) | Lactoferrinhydrolysat zur Verwendung als tyrosinagehemmendes Mittel. | |
DE69722557T2 (de) | Verwendung von Sericin als Antioxidantien und Tyrosinase-Inhibitoren | |
JPS60202806A (ja) | 色白化粧料 | |
AU2004270008B2 (en) | Cosmetic composition comprising camel milk | |
EP1908455A1 (en) | Hair care preparation | |
CN103547254B (zh) | 含有来自胎盘的成分的皱纹改善用组合物 | |
JPH0436212A (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2702590B2 (ja) | チロシナーゼ活性阻害剤 | |
JP4698935B2 (ja) | 皮膚コラーゲン産生促進剤 | |
JP2786001B2 (ja) | チロシナーゼ活性阻害剤 | |
WO2012043714A1 (ja) | 皮膚コラーゲン産生促進剤 | |
JP3263409B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2941093B2 (ja) | ラクトフェリン分解物を有効成分とするチロシナーゼ活性阻害剤及びラクトフェリン分解物を用いる物品の処理方法 | |
JPH10236975A (ja) | 抗酸化組成物 | |
JPS6064908A (ja) | 化粧料 | |
JP2657515B2 (ja) | 皮膚化粧料及びその製造法 | |
JPH10218755A (ja) | メラニン産生抑制剤 | |
JP2951640B1 (ja) | 牛乳を起源とする皮膚化粧水及びその製造法 | |
JP5783484B2 (ja) | 皮膚コラーゲン産生促進剤 | |
JP2780805B2 (ja) | 新規な皮膚外用剤組成物 | |
JP2017119649A (ja) | 育毛剤およびそれを含有する外用組成物 | |
JP3403743B2 (ja) | 皮膚化粧料 | |
CN115919682A (zh) | 一种包裹超分子控油抑菌组合物、制备方法及其应用 | |
CN117898975A (zh) | 防脱固发组合物及其制备方法 | |
JPH0529364B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071003 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081003 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091003 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101003 Year of fee payment: 13 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101003 Year of fee payment: 13 |