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JP2590514B2 - 送風ファン - Google Patents

送風ファン

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Publication number
JP2590514B2
JP2590514B2 JP63041435A JP4143588A JP2590514B2 JP 2590514 B2 JP2590514 B2 JP 2590514B2 JP 63041435 A JP63041435 A JP 63041435A JP 4143588 A JP4143588 A JP 4143588A JP 2590514 B2 JP2590514 B2 JP 2590514B2
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JP
Japan
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blade
fan
wing
region
boss
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JP63041435A
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JPS64397A (en
JPH01397A (ja
Inventor
高明 阪根
和宏 竹内
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Priority to DE3886073T priority patent/DE3886073T2/de
Priority to US07/167,309 priority patent/US4840541A/en
Priority to AU13057/88A priority patent/AU595102B2/en
Priority to EP88103883A priority patent/EP0282074B1/en
Publication of JPS64397A publication Critical patent/JPS64397A/ja
Publication of JPH01397A publication Critical patent/JPH01397A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2590514B2 publication Critical patent/JP2590514B2/ja
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Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D29/00Details, component parts, or accessories
    • F04D29/26Rotors specially for elastic fluids
    • F04D29/32Rotors specially for elastic fluids for axial flow pumps
    • F04D29/38Blades
    • F04D29/384Blades characterised by form
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S416/00Fluid reaction surfaces, i.e. impellers
    • Y10S416/02Formulas of curves

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は送風ファンに関するもので、例えば自動車走
行用エンジンの冷却水を冷却するラジエータに冷却風を
送風するためのラジエータ用冷却ファンとして用いるこ
とができる。
〔従来の技術〕
第3図は、自動車のフロント側内部構造を模式的に示
した図である。エンジン5の前方には、エンジン冷却水
を冷却するためのラジエータ4が配されている。このラ
ジエータは、通常上部タンク4aと下部タンク4c、及びこ
の上下タンクを結ぶチューブとフィンとからなるコア部
4bとを備えている。このラジエータ4とエンジン5との
間には、ラジエータ4に冷却風を送るための送風ファン
12が配されている。この送風ファンは電動モータなどの
外部駆動力より回転を受けるボス部2と、このボス部の
外周に配された翼1とからなる。送風ファンにより生じ
せしめられた冷却風は、ファンシュラウド3によりラジ
エータ4側から良好に導かれる。
また、自動車用空調装置を備える自動車では、このラ
ジエータ4の前方に、自動車用空調装置の一部を構成す
るコンデンサ6が配されている。なお、自動車のボンネ
ット10の前部には、上述のコンデンサ6、ラジエータ4
に向けて送行風を導入するためのフロントグリル8が開
口している。図中符号7は、自動車のバンパ、9は自動
車のスカート部を示している。
このような自動車において、近年エンジン排気量の大
型化、又はエンジンの大出力化などに伴い、エンジン5
の冷却性能向上が必要となってきている。このため、エ
ンジン冷却水の冷却装置であるラジエータ4も、より大
きな放熱性能が要求される。しかしながら、自動車のエ
ンジンルーム内で、ラジエータ4に許される搭載スペー
スには限りがあるため、一般にはラジエータ4の放熱量
を向上させるためには、コア部4bのルーバ付フィンのピ
ッチを減少せしめ、放熱面積を増加させるということが
考えられる。しかし、ルーバ付フィンのピッチを減少せ
しめれば、当然ラジエータ4のコア部4bを通過する冷風
風の通風抵抗が高くなってくる。
また、第3図に示すように自動車用空調装置を備えた
自動車では、ラジエータ4の前方に空調装置の冷媒を冷
却させるためのコンデンサ6が配されている。このコン
デンサ6も、上述したラジエータ4と同様、冷却性能を
向上させるため、フィンピッチを減少せざるをえない状
況である。すなわち、このコンデンサ6を通過する冷却
風の通風抵抗も増大する傾向にある。
さらにまた、近年の傾向として、車両前部の空気抵抗
を減少せしめるため、ボンネット10の前方を低くするス
ランドノーズ化が進みつつあり、その結果、ラジエータ
4及びコンデンサ6に走行風を導入するフロントグリル
8の開口面積が減少する傾向にある。
このように、近年の自動車においては、送風フィン12
の前方の通風抵抗が非常に高くなりつつあるという現象
が生じている。
一方、送風ファン12の翼1の形状については、従来さ
まざまな検討が加えられ、例えば特開昭57−83696号公
報、特開昭59−173598号公報に示される送風ファンが考
えだされている。このような送風ファンは、ファン回転
時の騒音を低減することをねらったものであるが、上述
した如くファン前方の通風抵抗が増大しつつある近年の
自動車においては、必ずしもこのような従来のファンに
おいて騒音を低減しきっていない領域が存在しつつあ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで、本願発明者らは、送風ファン前方を通風抵抗
(以下ファン前方抵抗と呼ぶ)が高くなると、ファン騒
音が増大することにつき、種々検討を加え、その原因が
ファンを通過する空気流れが前方抵抗により変化するの
ではないかと推測した。
そこで、上述した従来ファンについて、従来公知のタ
フト法によりファン回転時のファン翼面上の空気流れ
を、ファン前方抵抗を徐々に増加させながら観察した。
その結果、ファン前方抵抗が比較的低い領域では、送風
ファン12を通過する空気は、第4図中矢印Fで示すよう
に、送風ファン12の回転軸とほぼ平行な流れ(以下軸流
と呼ぶ)を示しており、また、翼1の翼元から翼先端ま
での間に添付されたタフトの動きは少なく、翼1面上の
乱れが少ないことが分かった。
第5図はこのような軸流流れを示す送風ファンの1枚
の翼を前面方向から見た図である。この第5図中矢印F
は、この翼1面上を流れる空気の流れ方向を示してい
る。これより分かるように、軸流流れを示す送風ファン
において、その翼1面上を空気はボス部2を中心とした
同心円上に流れていることが分かる。なお、第4図及び
第5図中矢印Rは、翼1の回転方向を示している。
しかしながら、フィン前方抵抗が大きい領域になる
と、送風ファン12を通過する空気は、第6図中矢印Fで
示す如く、送風ファン12通過後において、ファン12の中
心から外方向に広がる流れ(斜流と呼ぶ)に変化してい
ることが分かった。また、この斜流流れにおいて、翼元
部のファン前縁のタフトは、翼より上方へ浮き上がって
激しく揺れ、空気の流れが翼1面上から剥離しているこ
とを示した。また、送風ファン12のうち、1枚の翼1を
前面から見た第7図より分かるように、この斜流流れに
おいては、特に翼中間部から翼先端部にかけて、翼1表
面上を流れる空気が、送風ファン12の中心から外方に遠
ざかる方向に流れる傾向が大きいことを示した。さら
に、翼1の回転方向後縁近傍のタフトの動きは激しく、
翼1面上の乱れが大きいことを示した。
さらに、ファン前方抵抗が大きい領域で、ファン前方
抵抗が小さい領域に比べて、ファンの迎え角αが大きく
なると考えられる。この抑え角はファン騒音及び風量特
性と大きく関係し、一般に抑え角が大きくなりすぎる
と、失速領域になることが知られている。
なお、ここで、第2図に示す如く、翼1の横断面をと
った場合、この翼前縁1aと、翼後縁1bを結ぶ直線tと、
ファン回転方向Rとのなす角度βを取付角とし、また、
直線tとこのファンに流入してくる空気流れ方向Fとの
なす角を迎え角αとする。また、翼1の前縁1aと後縁1b
とを結ぶ距離を翼弦長Lと呼ぶものとする。
以上のことから、前方抵抗が大きい領域でファン騒音
が悪化する原因としては、次のことが考えられる。すな
わち、従来のファン取付角βは、第9図中(イ)で示す
ように、翼元部から翼中間部に至るまで、翼取付角が徐
々に減少し、その翼中間部から翼先端部にかけて、翼取
付部が増加するものとなっている。これは、翼先端部の
翼取付角βを大きくし、翼先端部の軸流速度を上げるこ
とにより、先端部の空気の乱れを改善し、低騒音化を図
っているためである。また、翼元部での翼取付角βを大
きくしているのは、風量を大きくとるためのものであ
る。ところが、ファン前方抵抗が高い領域では、上述し
た如く抑え角αが大きくなってくるため、翼先端部と翼
元部とでは、抑え角が大きくなりすぎ、失速領域に達
し、その結果ファン負圧面での境界層剥離を起こして、
騒音が悪化するものと考えられる。
また、上述した如くファン前方抵抗が高い領域では、
翼1面上の流れが軸流方向から斜流方向に変化してい
る。そこで、第8図に示す如く、翼1の先端部におい
て、翼1の中心線lと、垂直方向の断面X−Xをとった
場合、第10図の(a)に示す如く、通常の翼型断面を形
成している。しかしながら、第8図の断面XI−XIをとっ
た場合には、その断面形状は第10図の(b)に示す如
く、反り方向が中心部で逆転してしまい、正常な翼型を
形成していない。すなわち、第7図に示す如く、空気が
翼1面上を外方に向かって斜流流れを示す時、その空気
流れに沿う断面は、上述した如く第10図中(b)に示す
ようになっており、その結果として翼1面上を空気が良
好に流れることができず、結果として空気が翼1面上よ
り境界層剥離を起こし、騒音を招いているものと考えら
れる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上述した如くファン前方抵抗が増大した場
合であっても、ファンを通過する空気が送風ファンの層
面上より境界剥離を起こすことなく、騒音の発生を招く
ことがない低騒音の送風ファンを得ることを目的として
いる。
そこで、この目的を達成するために、本発明は次のよ
うな構成とした。すなわち、翼の翼取付角をボス部との
連結部である翼元部から、少なくとも平均ファン半径位
置である翼中間部に至るまでの第1領域では略一定値と
し、かつこの第1領域に連続し翼先端部にかけての第2
の領域では、この翼取付角を増大せしめる。そしてさら
に、翼の翼弦長が、翼元部から翼先端部にかけて漸増さ
せる。また、翼元部から翼中間部までの第1の中心線に
対し、翼中間部から翼先端部までの第2の中心線をファ
ン回転方向に傾斜させ、この第1及び第2の中心線に直
角方向に翼型を形成せしめたのである。
第1領域での取付角を第2領域でのそれより小さく
し、略一定とすることにより、第1領域での抑え角を小
さな値とし、前方抵抗が高くなっても失速を起こさない
範囲に設定して低騒音化を図る事ができる。また、翼弦
長を翼元部から翼先端部にかけて漸増させることによ
り、揚力を十分に発生させ、風量を十分に保つことがで
きる。さらにまた、第2の中心線が第1の中心線に対し
てファン回転方向に傾斜し、両中心線に直角方向に翼形
が形成されているので、翼先端部を流れる空気が斜流に
なっても、その空気は第2の中心線に対して略直角に流
れることとなり、さらにその空気流は翼形に沿って滑ら
かに流れる結果となり、空気が翼表面で剥離するという
現象を抑える事ができる。その結果、ファン騒音の原因
を未然に防ぐことができる。
〔実施例〕
次に、本発明を自動車用ラジエータに冷却風を送る送
風ファンとして用いた場合の実施例について説明する。
第1図は、この送風ファンを軸方向から見た正面図であ
る。この送風ファン100はエンジンとラジエータとの間
に配置せしめられる。
電動モータなどの駆動力を受けて回転するボス部101
は、その外形が円柱形状をなしている。この円柱形状を
なすボス部101の円周側面には、4枚の翼103が配設され
ている。本実施例ではこのボス部101と4枚の翼103とは
樹脂材料より一体的に形成されている。
ここで、ボス部101と翼103との連結部を翼元部、翼10
3の先端部を翼先端部と呼ぶ。また、ボス部101の直径を
Dh、翼103の先端部をつなぐ円の直径をDtとすると、 Dh+(Dt−Dh)/2=Dm の直径を有する円上の位置を翼中間位置と呼ぶ。
本実施例の翼103の翼取付角βは、第9図の(ロ)で
示すように、翼元部(Dh/2)から翼中間部(Dm/2)にか
けての第1領域では同一の翼取付角βmを有している。
そして、この翼中間部から翼先端部にかけての第2領域
では、その翼取付角βが漸増している。ここで、翼元部
から翼中間部に至るまでの翼取付部βをβmとし、翼先
端部における翼取付角をβtとする。
翼先端部から翼中間部までの取付角βを、比較的小さ
な値にすることによって、抑え角の小さな値にし、前方
抵抗が高くなっても失速をおこさない範囲に設定して低
騒音化を図ることができる。しかし抑え角αを小さな値
にすると、第2図中矢印lで示す揚力lも小さくなって
しまう。その結果、ファンの風量が減少してしまう。フ
ァンの風量を充分に保っておくためには、この揚力lを
従来と同じ値にしなければならない。この揚力lは、R
ρV2S(ρ:空気密度,V:主流速度,s:翼面積,R:揚力係
数)に比例し、揚力係数Rは失速しない範囲内で抑え角
αに比例するため、前述した如く抑え角αを小さくした
分だけ翼面積sを増加させなければならない。つまり、
翼弦長Lを大きくとる必要がある。
一方、本実施例の送風ファン100の軸流速度Caは、第1
1図に示すように、翼元部から翼中間部にかけての第1
領域では比較的小さく、この翼中間部から翼先端部にか
けての第2領域では急増するように設定されており、第
1領域ではあまり風量が出ない部分となっている。この
ため、ファン前方抵抗の高い領域では、翼弦長Lを大き
く設定しても、あまり風量は増加せず、逆に抗力が増加
することによって、翼負圧面剥離現象を助長し、騒音悪
化を来すことになる。このため、第1領域では第12図に
示すように翼弦長Lは、比較的小さな値であって、徐々
に増加する値に設定してある。
それに対し、翼中間部から翼先端部にかけては、大き
な風量を生じせしめるため、その翼弦長Lを急激に増加
せしめている。翼中間部から翼先端部にかけて、翼弦長
Lを増加させるため、本実施例においては第1図に示す
ようにファン回転方向Rに翼の幅を張り出させしめるこ
とにより、翼弦長Lを増加させている。
ここで、翼103の各横断面における幅方向長さ、すな
わち翼弦長の中間点をそれぞれ結ぶ線を中心線とする
と、第1領域での中心線は第1図中直線l1(第1の中心
線l1と呼ぶ)で示され、また、第2領域では、直線l
2(第2の中心線l2と呼ぶ)で示される。前述した如
く、第2領域ではその幅方向をファン回転方向に張り出
させて、翼弦長を増加させているため、この第2の中心
線l2は、第1の中心線l1に対して、ファン回転方向R側
に所定角度θだけ傾斜した位置に形成されている。この
角度θは翼弦長に応じて決定されるもので、翼弦長はフ
ァンの出力、ファンの直径等によって設定される。本実
施例では、角度θは3゜〜17゜に設定されている。
そしてさらに、この翼元部から翼中間部にかけては、
その翼は第1の中心線l1に直角方向断面において第10図
の(a)に示されるような翼型を形成するように成形さ
れており、また、翼中間部から翼先端部にかけては、第
2の中心線l2に直角断面において翼型が形成されるよう
に成形されている。
第19図は、第1図中第1の中心線l1の直角断面である
XIX−XIX断面を示し、また、第20図は第1図中第2の中
心線l2に直角断面であるXX−XX断面図を示している。そ
して、それらは共に翼形断面となっている。本実施例で
は、中心線l2がファン回転方向に傾斜しているので、翼
103の翼先端部を流れる空気が第1図中矢印Fで示す斜
流になっても、その空気は第2の中心線l2に対して略直
角に流れることとなる。そこでさらに本実施例では、上
記の如く、XX−XX断面図は翼形断面となっているので、
上記斜流Fは翼形に沿って滑らかに流れる結果となり、
空気が翼表面で剥離するという現象を抑える事ができ
る。その結果、ファン騒音の原因を未然に防ぐことがで
きる。
第13図は、送風ファンによって生じせしめられる送風
量と、騒音レベル及び静圧との関係を示すものである。
第13図中(イ)で示すのが従来のファンを示すもので、
(ロ)が本実施例を示すものである。なお、静圧とは、
ファンの表面と裏面とにおける圧力の差を示すものであ
る。第13図中mで示した線が、この送風ファンを自動車
に装着させた時のエンジンアイドル状態相当の抵抗曲線
であり、またnで示した線が、自動車が低速から中速に
かける時の走行状態相当での抵抗曲線である。ファン騒
音が問題となるのは、エンジンアイドル状態の場合であ
り、第13図中mで示す線図上である。そして、この線図
mと従来ファンを示す線図(イ)および本実施例ファン
を示す線図(ロ)の交点が、それぞれのファンでのエン
ジンアイドル状態を示す点である。この両点を比較して
みると、本実施例の送風ファンでは、従来ファンに比
べ、騒音レベルが低下し、また、静圧が大きくなってい
る事が分かる。そして、送風量も図中XからX′に増加
していることが分かる。なお、この第13図の実験に用い
た送風ファンは、翼の枚数が4枚、翼先端部外径Dtが30
0mm、ボス部の直径Dhが90mmであり、このボス部101に外
部駆動力を与える電動モータは、80ワットのモータであ
り、回転数が2180回転/分のものである。
本実施例において、翼取付角は翼元部から翼中間部に
かけて同一の値を有し、翼中間部から翼先端部にかけ
て、漸増するように設定されている。そこで、第14図に
示すものは、本発明の他の実施例を示すもので、第14図
中実線Aで示すのが、従来より公知のファンの翼取付角
を示すものである。また、第14図中一点鎖線Bで示すも
のが、翼先端部での翼取付角βt/βmが1.7の値を有
し、また、第14図中C,D,Eで示すものがそれぞれβt/β
mが1.9,1.8,1.5を示すものである。またβm/βtはそ
れぞれ0.52,0.55,0.58,0.66の値を示している。
また、このA〜Eまでの実施例に対応する翼弦長の長
さを第15図に示す。従来のファンAは、翼中間部から翼
先端部にかけて、翼中間部での翼弦長と、その位置での
翼弦長の割合が徐々に増加し、翼中間から翼元部にかけ
ては同一の値を示している。また、第14図のBに対応す
るものでは、翼先端部での翼弦長と、翼中間部での翼弦
長の比、すなわちLt/Lmが1.7の値を有し、また、Cで示
されるものでは1.2、Dで示されるものでは1.4、Eで示
されるものでは2.2の値を有している。
このファンA〜Eのそれぞれのファンについての騒音
低減効果を示したものが第16図である。この第16図に示
すように、従来のファンAに示すものに対し、本発明の
実施例であるB〜Eは、2.5デシベルから4デシベルま
での騒音低減効果を発揮していることを示している。な
お、第14図及び第15図に示す実施例では、βt〜βmの
値が1.5から1.9、またLt/Lmが1.2から2.2の範囲内であ
ったが、Lt/Lmが2.2以上の場合でも、騒音低減効果を発
揮させることが予想される。しかし、Lt/Lmをあまり大
きくすると、ファンが高速回転したときの強度が低下し
てしまい、実用上はLt/Lmは2.0から2.5程度が最大限度
であると考えられる。
また、第1の領域では翼103の取付角βが略同一とな
っているため、翼弦方向の圧力分布が翼103の翼軸線方
向に沿って略相似を保ってその絶対値が漸増している。
圧力の絶対値が漸増するのは翼元部から翼中間部に至る
に従って翼上を流れる空気の周速が増加するためであ
る。第2の領域では、取付角βが漸増しているので、圧
力分圧も翼中間部から翼先端部に至るに従って変化して
いる。
次に本発明の他の実施例について説明する。
前述の実施例では第1領域を翼元から翼中間部に至る
までの範囲としたが、この第1領域を翼元から翼中間部
を超えた範囲までとしてもよい。
第23図は取付角βの分布を示すもので、図中Bで示さ
れるのが、第14図で説明した前述実施例のファンB、図
中F〜Iで示されるのが本実施例のファンF〜Iであ
る。ファンBは翼元から翼中間部1/2 Dm=1/2{Dh+0.5
(Dt−Dh)}(図中位置)まで同一の取付角を維持
し、その後漸増して翼先端部での取付角は第1領域の取
付角の1.7倍となっている。ファンF〜IはファンBと
同一直径、略同一出力とした場合のもので、翼先端部の
取付角を同一として、第1領域の取付角をファンBの取
付角より大きくしている。ファンBの第1領域での取付
角をβとするとファンF〜Iの第1領域での取付角β
〜βは、 β=1.1×βB=1.3βm, β=1.4βB=1.5×β となっている。
また、ファンFの第1領域は翼元から1/2{Dh+0.71
(Dt−Dh)}〔図中位置〕まで、ファンGの第1領域
は翼元から1/2{Dh+0.79(Dt−Dh)}〔図中位置〕
まで、ファンHの第1領域は翼元から1/2{Dh+0.88(D
t−Dh}〔図中位置〕まで、ファンIの第1領域は翼
元から1/2{Dh+0.95(Dt−Dh)}〔図中位置〕に設
定されている。
またファンF〜Iの第1領域での取付角は、翼先端部
での取付角に対しそれぞれ0.64倍、0.76倍、0.82倍、0.
88倍となっている。
第21図はファンに作用する抵抗圧が第13図中Pで示す
状態、すなわち高速走行状態の時の、ファンA,B,F〜I
の騒音低減効果及び送風量比を示すものであり、第22図
は第13図中mで示す状態、すなわちエンジンアイドル状
態の時の騒音低減効果及び送風量比を示すものである。
この図より、ファンGが最も騒音低減効果も大きく、送
風量比も大きくなっている。このファンGを第13図中に
表すと(ハ)の曲線になる。
上述の実施例では、翼103の枚数が4枚の例を示して
いるが、4枚に限定されることはなく、5枚以上として
も同様の効果を得ることができる。
また、上述の例では翼103とボス部101とを樹脂により
一体成形したが、第17図に示すように、翼103をアルミ
ニウムあるいは鉄などの板材より形成し、ボス部と溶接
により連結させてもよい。また、さらに第18図に示すよ
うに、翼103とボス部101とを別体に形成し、リベットな
どの手段により結合させてもよい。
さらに、本実施例では第3図に示すように、ラジエー
タの後方に配置せしめて、送風を吸い込むいわゆる吸込
みファンとして適用したが、ラジエータ4の前方に配置
せしめ、冷却風を吹き出すタイプに適用してもよい。
また、さらに本発明の送風ファンはラジエータの冷却
用に限定されるものではなく、家庭用換気扇のファン、
家庭用扇風機のファンなどに用いることも可能である。
上述の実施例で用いたファンでは、ファン直径300m
m、モータからの入力が80Wの時、第1領域の取付角βを
16〜24゜、翼先端部の取付角βを16〜24゜としている
が、その値はファン直径、モータからの入力、ファンが
取りつけられる車両等の条件により適宜設定されるもの
である。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明の送風ファンでは、送風フ
ァンの前方における通風抵抗が高い状態で使用し、かつ
ファンを通過する空気流れが斜流になったとしても、そ
の空気が翼表面より剥離することを抑えることができ、
その結果として低騒音のファンを実現させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す送風ファンを軸方向から
見た正面図、第2図は翼の横断面図、第3図は自動車フ
ロント内部を示す模式図、第4図はファンの側面を模式
的に示す側面図、第5図はファンの翼を正面から見た正
面図、第6図はファンの側面を模式的に示す側面図、第
7図はファンの翼を正面から見た正面図、第8図はファ
ンの正面図、第9図は翼取付角を示す図、第10図は翼の
断面図を示す図で、(a)は第8図中X−X断面図、
(b)は第8図のXI−XI断面図、第11図はファンを通過
する軸流速度を示す図、第12図は本実施例における翼弦
長を示す図、第13図は本実施例と従来の送風ファンとの
騒音レベルを比較した実験結果を示す図、第14図は翼取
付角の他の実施例を示す図、第15図は翼弦長の他の実施
例を示す図、第16図は各実施例に対応する騒音低減効果
を示す図、第17図及び第18図は、他の変形例を示すファ
ンの正面図、第19図は第1図のXIX−XIX断面図、第20図
は第1図のXX−XX断面図、第21図及び第22図は本発明実
施例の騒音低減効果と送風量比を示す図、第23図は他の
実施例の取付角度分布を示す図である。 100……送風ファン,101……ボス部,103……翼,l1……第
1の中心線,l2……第2の中心線。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部より回転力を受けるためのボス部と、 このボス部を中心として、その周囲に連結された複数枚
    の翼とを備え、 この翼は前記ボス部との連結部である翼元部から、少な
    くとも平均ファン半径位置である翼中間部に至るまでの
    第1領域で翼取付角が略一定値となり、この第1領域に
    連続し翼先端部に至るまでの第2領域では翼取付角が前
    記所定値より漸増し、 前記翼の翼弦長が前記翼元部から翼先端部にかけて漸増
    し、 前記翼元部から前記翼中間部までの翼幅方向中心点と、
    前記ボス部の回転中心点とを結ぶ第1の中心線に対し、
    前記翼中間部から前記翼先端部までの翼幅方向中心点
    と、前記ボス部の回転中心点を結ぶ第2の中心線が、フ
    ァン回転方向に傾斜しており、前記翼は前記第1及び第
    2の中心線に直角方向に翼形が形成されていることを特
    徴とする送風ファン。
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