JP4132826B2 - プロペラファンおよびその成型金型並びに流体送り装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロペラファンおよびその成型金型並びに流体送り装置に関し、
送風機のためのプロペラファンと、そのようなプロペラファンを樹脂により成型するための成型金型と、さらに、そのようなプロペラファンを備えた空気調和機の室外機、空気清浄機、加湿機、除湿機、ファンヒータ、冷却装置、換気装置等の流体送り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、送風機や冷却機にプロペラファンが使用され、たとえば、エアコンの室外機には冷却用のプロペラファンが付設されている。
【0003】
そのような従来のプロペラファンの一例について説明する。図27は、従来の送風機の要部を示す斜視図である。送風機101の主要部は、プロペラファン102とベルマウス103とによって構成される。プロペラファン102は円筒状のボス104と複数の翼105から成る。複数の翼105はボス104の外周表面の円周方向に沿って等間隔に設けられている。
【0004】
翼105は、ボス104の中心軸106の正方向を矢印Pに示す方向とすると、その矢印Pに示す方向に対して左捩じれ曲面を成している。この翼105の曲面は、ボス104の外表面104a、前縁105a、外縁105b、後縁105c、前縁105aと外縁105bとを滑らかに連結する翼先端部105dおよび外縁105bと後縁105cとを滑らかに連結する後連結部105eによって形成されている。一般的に翼先端部105dは鎌状に尖った形態を成している。外縁105bは軸106に対して、半径一定で直径D(=2R)なる形態を成している。
【0005】
ベルマウス103は、プロペラファン102の外径Dに対して、所定の隙間εを成す厚さtの円弧状オリフィス107を設けた板状体である。ベルマウス103とプロペラファン102は所定の手段によって同軸上に固定されることになる。プロペラファン102は、図示されない電動機、内燃機関、プーリ等の駆動手段によって駆動される。
【0006】
ここで、プロペラファン102が矢印Nで示す方向(右方向)に回転すると、上流Eから下流Fに向かって中心軸106の矢印Pに示す方向(正方向)の流れが生じる。この種のプロペラファン102においては、低静圧で大風量を得るために、すなわち送風性能向上のために、オリフィス107の厚さtを薄くし、翼105を上流側に突き出した構造が一般に用いられる。
【0007】
この様子を図28に示す。なお、図28は、図27に示された断面線XXVIII−XXVIIIにおける断面構造を示す。図28に示すように、幅tを有するオリフィス107が帯状に形成されている。そのオリフィス107に対して、翼105の外縁105bの投影が、翼の数に応じて等間隔に並んでいる。
【0008】
翼105は、オリフィス107に対し、オリフィス前縁107aから長さLf分だけ突出し、オリフィス後縁107bから長さLb分だけ突出している。なお、オリフィス前縁107aはベルマウス103の前縁でもある。このように、翼105は、オリフィス前縁7aに対し大きく突出していることがわかる。
【0009】
ところで、プロペラファン102が樹脂から成型される場合には、ボス104と翼105が一体に成形されるのが一般的である。一方、用途により材料を選択的に用いることによって、ボス104と翼105とをそれぞれ別体として形成し、後でそのボス104と翼105とを一体にすることも行なわれる。
【0010】
いずれの場合も、翼105の外縁105bにおける翼の厚み方向断面形状は、図29に示すようにバリ取りを施した程度の鋭い形状をなしている。なお、図29は、図27に示された断面線XXIX−XXIXにおける断面構造を示す。
【0011】
上述した従来の一プロペラファンを備えた送風機101では、翼105の先端部105dおよび外縁105bの大部分は、ベルマウス103の厚みからはみ出していることによって、さらに、図29に示すように、翼105の流れに対する迎え角ψが大きいことによって、翼先端部105dから剥離による渦(翼先端渦)108が発生する。
【0012】
図30に示すように、この渦108は、翼105の翼面上において翼先端部105dから下流域に向かって流線に沿って発達しやすい。また、翼105においては、流れの上流側の面(負圧面)と下流側の面(正圧面)の圧力差に起因して、正圧面から負圧面へ向かう2次流れが生じる。この2次流れが発達することによって、図28に示すように、翼端渦(馬蹄渦)109が発生しやすい。
【0013】
図30に示すように、翼先端部105dの上流で発生した翼先端渦108と外縁105bの上流で発生した馬蹄渦109はそれぞれ下流に向かって流され、翼105の負圧面上を変動、発達、さらには互いに干渉しあいながら通過する。
【0014】
また、静圧の比較的高い動作点、すなわち中圧域および高圧域において動作する場合には、図28に示すように、翼105の後縁105cからボス104の外表面104aにかけて剥離領域110が大きく発達し、この剥離領域110が騒音発生の大きな原因となった。
【0015】
また、この剥離領域110の影響によって翼先端渦108および馬蹄渦109が捲れあがり、捲れあがった各渦がベルマウス103に衝突したり、翼105間を流れて次の翼105に衝突したりして、さらなる流れの乱れや圧力変動が発生し、騒音発生の原因になるという問題があった。
【0016】
このような問題を解決する従来技術として、たとえば特開2000−192898号公報に記載された他のプロペラファンがある。
【0017】
図31(a)、(b)に示すように、他のプロペラファンでは、翼先端部105dの下流域にあたる負圧側翼面上に、流線に沿った溝111を設けることにより、翼先端渦108および馬蹄渦109の変動、発達およびベルマウス103や翼105との干渉を抑制し、さらには翼面上の剥離110を防いでいる。特に、この効果は、プロペラファンの翼105の断面形状がエアロフォイル形状を呈するような厚肉翼の場合に大きい。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、他のプロペラファンでは、次のような問題点があった。特に、プロペラファンの翼105の断面形状が薄肉タイプの翼の場合には、溝111の深さを充分に確保することができない。そのために、渦の変動や干渉の抑制等の効果が著しく低下するという欠点があった。
【0019】
一方、薄肉タイプの翼の場合にも充分な効果を得ようとして、負圧側翼面上の溝111の深さを考慮に入れて正圧側翼面上を隆起させようとすると、この場合には正圧側翼面上の流れが影響を受けてしまい、結果的にプロペラファンの性能を劣化させてしまうことになった。
【0020】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、1つの目的は、プロペラファンの翼先端部および翼端部より生じる渦の変動、発達を抑制するとともに、翼面上における剥離を防ぎ、風量を増加させることのできるプロペラファンを提供することであり、他の目的は、そのようなプロペラファンを樹脂により成型するための成型金型を提供することであり、さらに他の目的は、そのようなプロペラファンを備えた流体送り装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの局面におけるプロペラファンは、回転軸部と、回転軸部からそれぞれ外方に向かって形成され、回転方向の側に位置する前縁部および回転方向とは反対側に位置する後縁部と、前縁部の先端部と後縁部の先端部と結び周方向に形成された周縁部とを含む翼とを有する、薄肉状のプロペラファンである。前縁部の先端部である翼先端部は鎌状に尖っており、後縁部は、翼先端部の下流域であって、翼面を流れる翼先端渦の流線に沿った位置に、前縁部の側に向かって形成されたU字型のへこみからなる単一の第1切込み部を備えている。
【0022】
このプロペラファンによれば、後縁部における、翼先端部の下流域であって、翼面を流れる翼先端渦の流線に沿った位置に、前縁部の側に向かってU字型のへこみからなる単一の第1切込み部が形成されていることで、プロペラファンの回転によって生じる翼先端渦および馬蹄渦が第1切込み部に捉えられて保持される。これにより、翼先端渦および馬蹄渦の変動や発達を抑えることができるとともに、これらの渦とベルマウスや翼との干渉も抑制することができる。その結果、騒音の発生を抑制することができる。さらには、保持された翼先端渦および馬蹄渦のエネルギーを翼面上の剥離領域に注ぎ込むことで剥離を防ぐことができる。これにより、風量が増加して効率の高い送風を行なうことができる。
より具体的には、第1切込み部は、回転軸部の回転中心から第1切込み部までの距離をr、回転中心から周縁部までの代表半径をRとして、第1切込み部の無次元位置λ1をλ1=r/Rとしたときに、次式、0.40≦λ1≦0.98で示される範囲に形成されていることが好ましい。
【0023】
低圧域における動作に対しては、第1切込み部は、0.50≦λ1≦0.64で示される範囲に形成されていることが好ましい。
【0024】
これにより、低圧域での動作時におけるプロペラファンの騒音の抑制が図られ、効率の高い送風を行なうことができる。
【0025】
中圧域における動作に対しては、第1切込み部は、0.60≦λ1≦0.76で示される範囲に形成されていることが好ましい。
【0026】
これにより、中圧域での動作時におけるプロペラファンの騒音の抑制が図られ、効率の高い送風を行なうことができる。
【0027】
高圧域における動作に対しては、第1切込み部は、0.74≦λ1≦0.84で示される範囲に形成されていることが好ましい。
【0028】
これにより、高圧域での動作時におけるプロペラファンの騒音の抑制が図られ、効率の高い送風を行なうことができる。
【0029】
後縁部は、第1切込み部よりも外側の位置に形成されたU字型の第2切込み部をさらに備え、その第2切込み部は、第2切込み部の無次元位置λ2をλ2=r/Rとしたときに、0.86≦λ2≦0.96で示される範囲に形成されていることがさらに好ましい。
【0030】
これにより、翼先端渦が第1切込み部によって捉えられるとともに、馬蹄渦が第2切込み部によって捉えられて翼先端渦と馬蹄渦との干渉が抑制される。その結果、干渉に伴う騒音の発生をさらに抑制することができる。
【0031】
また、第1切込み部は、回転軸部(ボス部)の代表半径をR1とすると、Rr=((R2+R1 2)/2)0.5で表される翼の代表平均半径Rrの位置に形成されていることが好ましい。
【0032】
これにより、特に、翼先端渦を効果的に捉えることができる。
さらに、第1切込み部の大きさは、代表平均半径Rrにおける翼の弦長をc、翼の半径方向の代表長さをbとすると、b/c>1となるように形成されていることが好ましい。
【0033】
これにより、翼先端渦を発生直後に捉えて、渦の変動、発達を効果的に抑制することができる。その結果、騒音の発生をさらに抑制して効率の高い送風を行なうことができる。
【0034】
本発明の他の局面におけるプロペラファン成型金型は、上述したプロペラファンを、樹脂を充填することによって形成するための金型本体を備えている。
【0035】
このプロペラファン成型金型によって成型されたプロペラファンでは、上記のように、騒音の発生が抑制され、効率の高い送風を行なうことができる。
【0036】
その金型本体には、翼の後縁部に形成される第1切込み部に対応する部分にヒーターが設けられていることが好ましい。
【0037】
この場合には、ヒータによって第1切込み部に対応する部分における樹脂の流動性が向上し、プロペラファンの成型を極めてスムースに行なうことができる。
【0038】
また、金型本体には、翼の後縁部に形成される第1切込み部に対応する部分よりも外周側の部分にヒーターが設けられていることが好ましい。
【0039】
この場合には、ヒータによって第1切込み部よりも外周側に位置する部分における樹脂の流動性が向上して、特に、第1切込み部が代表二乗平均半径の位置に形成される場合に、プロペラファンの成型を極めてスムースに行なうことができる。
【0040】
本発明のさらに他の局面における流体送り装置は、上述したプロペラファンを備えた流体送り装置である。
【0041】
この流体送り装置によれば、上述したプロペラファンを備えていることで騒音の発生が抑制されるとともに、効率の高い送風を行なうことができ、エネルギーの消費を低減することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の第1実施形態に係るプロペラファンについて説明する。本プロペラファン2は、たとえばガラス繊維入りAS(acrylonitrile-styrene)樹脂等の合成樹脂により一体成型されたものである。図1に示すように、本プロペラファン2は、円筒状のボス4と複数の翼5からなる。複数の翼5はボス4の外周表面の円周方向に沿って等間隔に設けられている。
【0043】
この翼5の曲面は、ボス4の外表面4a、前縁5a、外縁5b、後縁5c、前縁5aと外縁5bとを滑らかに連結する翼先端部5dおよび外縁5bと後縁5cとを滑らかに連結する後連結部5eによって形成されている。翼先端部5dは鎌状に尖った形態を成している。その翼5の後縁5cの所定の位置に、切込み部としてのへこみ12が形成されている。
【0044】
後縁5cにへこみ12が形成されていることで、プロファン2によって送出される風量や騒音等が改善される。
【0045】
この理由について図2を参照して説明する。図2は本発明例と従来例とにおける翼面上の流れおよび渦の挙動を説明するための図である。図1において説明したように、本発明例に係るプロペラファン2では、プロペラファン2の後縁部5cにへこみ12を設けている。このへこみ12に翼端から生じる馬蹄渦9と翼先端部から生じる翼先端渦8をある程度保持させることができる。
【0046】
図2(b)に示す従来例における場合と図2(a)に示す本発明例における場合とを比較すると、本発明例に係るプロペラファン2では、従来のプロペラファンの場合よりも剥離領域10が小さく、馬蹄渦9と翼先端渦8が翼5に沿って流れていることがわかる。
【0047】
これは、へこみ12によって渦の変動および発達が抑制され、へこみ12に保持された渦のエネルギーを翼面上の剥離領域10に注ぎ込むことで剥離を防ぐことができたためである。
【0048】
ここで、風量や騒音等の評価として、圧力係数と流量係数との関係、ファン効率と流量係数との関係および比騒音と流量係数との関係について、ファンにおけるへこみの位置を変えて行なった評価について説明する。
【0049】
まず、翼後縁部5cにおけるへこみ12の半径方向位置(ファンの回転中心からへこみ12の中央までの距離)をr、ファンの代表半径をR、へこみの形成位置をファンの代表半径で無次元表示した無次元へこみ位置λ1=r/Rとする。へこみの中央とは、へこみの外周端と内周端との中間の位置をいう。
【0050】
また、圧力係数は、送風機特性上の圧力を表す無次元数として定義される。流量係数は、送風機特性上のガス量を表す無次元数として定義される。ファン効率は、ファンに有効な出力と軸動力との比として定義される。比騒音は、ファンの単位風量および単位全圧当たりに発生する機種固有の騒音レベルとして定義される。
【0051】
まず、図3〜図5に示すように、無次元へこみ位置λ1=0.30の場合では、圧力係数、ファン効率および比騒音は、いずれも従来のファンの場合と同レベルであった。無次元へこみ位置λ1=1.0の場合では、翼の先端部分に欠けが生じた状態となる。そのため、この部分において流れの漏れが生じ、これに伴って騒音が大きくなる。つまり、比騒音の値が相対的に大きくなることがわかった。
【0052】
種々の無次元へこみ位置λ1について評価したところ、無次元へこみ位置λ1の値が0.4までは、圧力係数、ファン効率および比騒音は従来のファンと同レベルであることがわかった。
【0053】
無次元へこみ位置λ1の値が0.40を超えると、圧力係数等において従来ファンとの差が認められるようになった。無次元へこみ位置λ1の値が0.98を超えると、翼の先端部に欠けが生じた状態となって、流れの漏れに伴う騒音が発生し、比騒音の値が高く(悪化)なった。
【0054】
この結果より、翼5におけるへこみ12の位置として、無次元へこみ位置λ1の値を0.40≦λ1≦0.98の範囲に設定することで、騒音を低減しかつ効率の高い送風を行なうことができることが確認された。
【0055】
ところで、流量係数φおよび圧力係数ψはファン形式やファンケーシング等に大きく依存する。本発明に係るプロペラファンや改善の対象とされる従来のプロペラファンでは、流量係数φは0≦φ≦0.45の範囲内にある。また、一般に、プロペラファンの動作点にしたがって、流量が比較的少ない領域を高圧域と呼び、流量が比較的多い領域を低圧域と呼び、高圧域と低圧域の中間を中圧域と呼ぶことがある。
【0056】
本発明に係るプロペラファンにおいては、流量係数φが0<φ≦0.15の範囲を高圧域と呼び、流量係数φが0.15<φ≦0.30の範囲を中圧域と呼び、流量係数φが0.30<φ≦0.45の範囲を低圧域と呼ぶことにする。
【0057】
次に、低圧域、中圧域および高圧域のそれぞれの場合について行なった無次元へこみ位置λ1の絞込みについて説明する。
【0058】
まず、図6〜図8にそれぞれ示されるグラフにおいて、低圧域(0.30<φ≦0.45)に注目すると、まず、無次元へこみ位置λ1=0.30の場合では、圧力係数、ファン効率および比騒音は、いずれも従来のファンの場合と同レベルであった。無次元へこみ位置λ1=0.55の場合では、特に、圧力係数およびファン効率において従来のファンよりも顕著に向上することがわかった。また、比騒音も従来のファンの場合より向上することがわかった。
【0059】
無次元へこみ位置λ1=0.70の場合では、比騒音は従来のファンよりも向上するものの、圧力係数およびファン効率については、従来のファンとほとんど同レベルであることがわかった。
【0060】
種々の無次元へこみ位置λ1について評価したところ、低圧域においては、無次元へこみ位置λ1の値が0.30までは、圧力係数、ファン効率および比騒音は従来のファンと同レベルであることがわかった。無次元へこみ位置λ1の値が0.30を超えると、圧力係数やファン効率において従来ファンとの差が認められるようになった。
【0061】
しかしながら、無次元へこみ位置λ1の値が0.64を超えると、圧力係数、ファン効率および比騒音は従来のファンと同レベルになることがわかった。
【0062】
この結果より、特に低圧域においては、翼5におけるへこみ12の位置として無次元へこみ位置λ1の値を0.50≦λ1≦0.64の範囲に設定することで、騒音を低減しかつ効率の高い送風を行なうことができることが確認された。
【0063】
次に、図9〜図11にそれぞれ示されるグラフにおいて、中圧域(0.15<φ≦0.30)に注目すると、まず、無次元へこみ位置λ1=0.55の場合では、圧力係数、ファン効率および比騒音は、いずれも従来のファンの場合と同レベルであった。
【0064】
無次元へこみ位置λ1=0.70の場合では、圧力係数、ファン効率および比騒音のいずれも従来のファンよりも向上することがわかった。無次元へこみ位置λ1=0.80の場合では、特に、圧力係数が従来のファンよりも悪化することがわかった。
【0065】
種々の無次元へこみ位置λ1について評価したところ、中圧域においては、無次元へこみ位置λ1の値が0.60までは、圧力係数、ファン効率および比騒音は従来のファンと同レベルであることがわかった。無次元へこみ位置λ1の値が0.60を超えると、圧力係数やファン効率において従来ファンとの差が認められるようになった。
【0066】
しかしながら、無次元へこみ位置λ1の値が0.76を超えると、特に、圧力係数が従来のファンよりも悪化することがわかった。
【0067】
この結果より、特に中圧域においては、翼5におけるへこみ12の位置として無次元へこみ位置λ1の値を0.60≦λ1≦0.76の範囲に設定することで、騒音を低減しかつ効率の高い送風を行なうことができることが確認された。
【0068】
次に、図12〜図14にそれぞれ示されるグラフにおいて、高圧域(0.00<φ≦0.15)に注目すると、まず、無次元へこみ位置λ1=0.70の場合では、ファン効率および比騒音において、従来のファンよりも向上するものの、圧力係数においては従来のファンと同レベルであった。無次元へこみ位置λ1=0.80の場合では、特に、圧力係数、ファン効率および比騒音のいずれも、従来のファンよりも顕著に向上することがわかった。
【0069】
無次元へこみ位置λ1=1.0の場合では、圧力係数およびファン効率は従来のファンの場合と同レベルであることがわかった。また、比騒音は従来のファンの場合よりも悪化することがわかった。
【0070】
種々の無次元へこみ位置λ1について評価したところ、高圧域においては、無次元へこみ位置λ1の値が0.74までは、圧力係数、ファン効率および比騒音は従来のファンと同レベルであることがわかった。無次元へこみ位置λ1の値が0.74を超えると、圧力係数やファン効率において従来ファンとの差が認められるようになった。
【0071】
しかしながら、無次元へこみ位置λ1の値が0.84を超えると、特に比騒音が悪化し、圧力係数やファン効率も従来のファンの場合よりも悪化することがわかった。
【0072】
この結果より、特に高圧域においては、翼5におけるへこみ12の位置として無次元へこみ位置λ1の値を0.74≦λ1≦0.84の範囲に設定することで、騒音を低減しかつ効率の高い送風を行なうことができることが確認された。
【0073】
なお、本発明に係るプロペラファンは、流量係数φの最大値が0.45に満たないプロペラファンや0.45を大きく超えるプロペラファンとしても適用することができる。そのような場合には、プロペラファンの動作点にしたがって、流量が比較的少ない領域を高圧域とし、流量が比較的多い領域を低圧域とし、高圧域と低圧域の中間を中圧域として、それぞれの動作点の領域において無次元へこみ位置λ1を上述した範囲に設定することによって、上述したプロペラファンとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0074】
また、プロペラファン2としてガラス繊維入りAS樹脂により一体成型されたものを例に挙げて説明したが、この他に、ABS(acrylonitrile-butadiene-styrene)樹脂やポリプロピレン(PP)等の合成樹脂により一体成型されたプロペラファンでもよい。また、マイカ等を含み、強度を増加させた合成樹脂により一体成型されたプロペラファンでもよい。あるいは一体成型されていなくてもよい。
【0075】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るプロペラファンについて説明する。図15に示すように、本プロペラファン2では、翼の後縁部5cのそれぞれ所定の位置に第1のへこみ12aと第2のへこみ12bとが設けられている。なお、これ以外の構成については実施の形態1において説明したプロペラファンと同様なので、同一部材には同一符号を付しその説明を省略する。
【0076】
第1のへこみ12aは、第1実施形態において説明したプロペラファン2の後縁5cに設けられたへこみ12に対応する。第2のへこみ12bは、その第1のへこみ12aよりも外側に設けられている。
【0077】
ここで、圧力係数と流量係数との関係、ファン効率と流量係数との関係および比騒音と流量係数との関係について、第2のへこみを設けた場合と設けない場合とについて行なった評価について説明する。まず、第2のへこみ12bについても第1のへこみ12aの場合と同様に、翼5における無次元へこみ位置λ2をλ2=r/Rとする。
【0078】
第1のへこみ12aの無次元位置λ1をλ1=0.7とし、第2のへこみ12bの無次元位置λ2をλ2=0.9とした場合の結果を図16〜図18に示す。図16〜図18に示すように、第1のへこみ12aおよび第2のへこみ12bが設けられている場合と、第1のへこみ12aのみが設けられている場合とでは、圧力係数とファン効率においては両者は同レベルであり、大きな差は認められなかった。
【0079】
しかしながら、第1のへこみ12aおよび第2のへこみ12bが設けられている場合では、第1のへこみ12aのみが設けられている場合よりも比騒音が改善されることがわかった。
【0080】
種々の第1のへこみ12aの無次元へこみ位置λ1と第2のへこみ12bの無次元へこみ位置λ2とついて評価したところ、第2のへこみ12bの無次元へこみ位置λ2の値が0.86までは、圧力係数、ファン効率および比騒音は第1のへこみ12aのみを設けたファンと同レベルであることがわかった。
【0081】
無次元へこみ位置λ2の値が0.86を超えると、比騒音において第1のへこみ12aのみを設けたファンとの差が認められるようになった。無次元へこみ位置λ2の値が0.96を超えると、圧力係数、ファン効率および比騒音は第1のへこみ12aのみを設けたファンと同レベルになることがわかった。
【0082】
この結果より、翼5における第2のへこみ12bの位置として、無次元へこみ位置λ2の値を0.86≦λ1≦0.96の範囲に設定することで、特に比騒音が改善されることが確認された。
【0083】
このように、第2のへこみ12bの無次元へこみ位置λ2を、0.86≦λ2≦0.96の範囲に定めることで、馬蹄渦8は発生の直後にこの第2のへこみ12bによって捉えられる。これにより、渦の成長が抑制されて、渦に伴う騒音の発生を低減することができる。
【0084】
さらに、この第2のへこみ12bに馬蹄渦8が捉えられるとともに第1のへこみ12aに翼先端渦が捉えられて、翼先端渦と馬蹄渦8とがそれぞれ第1のへこみ12aと第2のへこみ12bとに個々に捉えられることになって、互いの渦の干渉による騒音をさらに低減することができる。
【0085】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係るプロペラファンについて説明する。図19に示すように、本プロペラファン2では、翼5の後縁部5cにおいて翼の代表二乗平均半径位置13(図19中2点鎖線)に、所定の大きさのへこみ12cが設けられている。なお、これ以外の構成について実施の形態1において説明したプロペラファンと同様なので、同一部材には同一符号を付しその説明を省略する。
【0086】
次に、へこみ12cの大きさと騒音との関係の評価について説明する。まず、へこみ12cに対して、翼5の代表二乗平均半径位置13における翼弦長cと翼の半径方向の代表長さbの比をb/cとする。また、ファンの代表半径をR、ボス4の代表半径をR1として、ファンの代表二乗平均半径Rrを、
Rr=((R2+R1 2)/2)0.5
とする。
【0087】
比b/cの値と騒音の減音量との関係の評価結果を図20に示す。図20に示すように、比b/cの値が1を超えると、減音量が大幅に向上することがわかった。
【0088】
このように、減音量が向上することができるのは次のように考えられる。図21は、本実施の形態に係るプロペラファンの翼面上の流れおよび渦の挙動を示す図である。図21に示す本実施の形態に係るプロペラファンでは、図30に示す従来のプロペラファンと比べて、特に、へこみ12cに翼先端渦8が捉えられることで翼先端渦8が広がるのが抑制されている。その結果、渦の変動および発達が抑制されて、騒音を低減することができる。
【0089】
このように、本実施の形態に係るプロペラファンでは、図19に示されるように、プロペラファン2の翼後縁部5cにおける翼の代表二乗平均半径位置13(図中2点鎖線)にへこみ12cが設けられ、そのへこみ12cの大きさは、所定の比b/cが、b/c>1となるように形成されている。その結果、このへこみ12cに翼先端部5aから生じる翼先端渦8を発生直後に捉えて保持させることができる。
【0090】
(実施の形態4)
実施の形態1〜3において説明したプロペラファンは、樹脂による一体成型が可能である。そこで、実施の形態4では、プロペラファンを成型するための成型金型の一例について説明する。
【0091】
一般に、成型金型14に樹脂を射出してプロペラファン2を成型する場合には、樹脂の温度が低下することによって、後縁部5eにまで樹脂が良好に流れ込まず、翼として成型できないことがある。
【0092】
また、たとえばガラス繊維入りAS樹脂のような強度を増加させた合成樹脂を用いる場合には、後縁部5eにガラス繊維が良好に流れ込まない場合もある。そこで、本成型金型には樹脂の流動を高めるためのヒータが所定の位置に設けられている。
【0093】
図22に示すように、本成型金型14は、固定側金型15および可動側金型16を備えている。固定側金型15と可動側金型16とにより規定されるキャビティ形状をプロペラファン2の形状と略同一としている。
【0094】
成型金型14では、固定側金型15および可動側金型16に少なくともいずれかに、図1や図19に示すプロペラファン2の翼5の後縁部5cに形成されるへこみ12a、12cに対応する位置に、たとえば図23または図24に示すように、樹脂の流動を促進するためのヒーター15aが設けられている。
【0095】
この位置にヒータ15aが設けられることで、樹脂を後縁部5cへ良好に流し込むことができ、プロペラファン2の成型を極めてスムーズに行なうことができる。特に、へこみ12cはへこみ12aに比べて長いため、樹脂が翼の周縁部に位置する翼の後縁部の部分にまで流れ込みにくいが、ヒータ15aを設けることによって樹脂の流動性が高められて、確実に樹脂を充填することができる。
【0096】
なお、図22に示す本成型金型14では、プロペラファン2における負圧面側表面を固定側金型15によって形成し、正圧面側表面を可動側金型16によって形成することを想定しているが、プロペラファン2の正圧面側表面を固定側金型15によって形成し、プロペラファン2の負圧面側表面を可動側金型16によって形成してもよい。
【0097】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5として、実施の形態1において説明したプロペラファンを備えた流体送り装置の一例として空気調和機の室外機について説明する。
【0098】
図25(a)〜図25(c)に示すように、空気調和機の室外機19は、実施の形態1において説明したプロペラファン2と駆動モータ18とを有する送風機1を備えている。この送風機1によって流体が送出される。
【0099】
また、室外機内19には室外熱交換器20が設けられ、送風機1によって効率的に熱交換が行なわれる。なお、送風機1はモータアングル21により室外機19に設置されている。
【0100】
また、図26に示すように、送風機1としてリング状のスプラッシャー22をプロペラファン1の周囲に設置してもよい。この場合には、窓設置用等の室内機と室外機とが一体型されたタイプの空気調和機において、スプラッシャー22によってドレン水をかきあげ、室外熱交換器20にそのかきあげたドレン水を吹きつけることによって、空気調和機の効率をさらに向上することができる。
【0101】
さらに、本室外機19では、実施の形態1において説明したプロペラファン1を備えていることによって、騒音の発生が抑制されて運転音が静かになる。
【0102】
さらに、プロペラファン1により送風の効率が向上するので、本室外機19では消費エネルギーも低減することができる。なお、実施の形態2、3においてそれぞれ説明したプロペラファンを用いた場合も同様の効果が得られると推察される。
【0103】
ここでは、プロペラファンを備えた流体送り装置の一例として空気調和機の室外機を例に挙げて説明したが、この他に、たとえば、空気清浄機、加湿機、扇風機、ファンヒータ、冷却装置、換気装置などの流体を送出す装置についても本プロペラファンを適用することによって、同様の効果を得ることができる。
【0104】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0105】
【発明の効果】
本発明の一つの局面におけるプロペラファンによれば、後縁部における、翼先端部の下流域であって、翼面を流れる翼先端渦の流線に沿った位置に、前縁部の側に向かってU字型のへこみからなる単一の第1切込み部が形成されていることで、プロペラファンの回転によって生じる翼先端渦および馬蹄渦が第1切込み部に捉えられて保持される。これにより、翼先端渦および馬蹄渦の変動や発達を抑えることができるとともに、これらの渦とベルマウスや翼との干渉も抑制することができる。その結果、騒音の発生を抑制することができる。さらには、保持された翼先端渦および馬蹄渦のエネルギーを翼面上の剥離領域に注ぎ込むことで剥離を防ぐことができる。これにより、風量が増加して効率の高い送風を行なうことができる。
より具体的には、第1切込み部は、回転軸部の回転中心から第1切込み部までの距離をr、回転中心から周縁部までの代表半径をRとして、第1切込み部の無次元位置λ1をλ1=r/Rとしたときに、次式、0.40≦λ1≦0.98で示される範囲に形成されていることが好ましい。
【0106】
低圧域における動作に対しては、第1切込み部は、0.50≦λ1≦0.64で示される範囲に形成されていることが好ましく、これにより、低圧域での動作時におけるプロペラファンの騒音の抑制が図られ、効率の高い送風を行なうことができる。
【0107】
中圧域における動作に対しては、第1切込み部は、0.60≦λ1≦0.76で示される範囲に形成されていることが好ましく、これにより、中圧域での動作時におけるプロペラファンの騒音の抑制が図られ、効率の高い送風を行なうことができる。
【0108】
高圧域における動作に対しては、第1切込み部は、0.74≦λ1≦0.84で示される範囲に形成されていることが好ましく、これにより、高圧域での動作時におけるプロペラファンの騒音の抑制が図られ、効率の高い送風を行なうことができる。
【0109】
後縁部は、第1切込み部よりも外側の位置に形成されたU字型の第2切込み部をさらに備え、その第2切込み部は、第2切込み部の無次元位置λ2をλ2=r/Rとしたときに、0.86≦λ2≦0.96で示される範囲に形成されていることがさらに好ましく、これにより、翼先端渦が第1切込み部によって捉えられるとともに、馬蹄渦が第2切込み部によって捉えられて翼先端渦と馬蹄渦との干渉が抑制される。その結果、干渉に伴う騒音の発生をさらに抑制することができる。
【0110】
また、第1切込み部は、回転軸部(ボス部)の代表半径をR1とすると、Rr=((R2+R1 2)/2)0.5で表される翼の代表平均半径Rrの位置に形成されていることが好ましく、これにより、特に、翼先端渦を効果的に捉えることができる。
【0111】
さらに、第1切込み部の大きさは、代表平均半径Rrにおける翼の弦長をc、翼の半径方向の代表長さをbとすると、b/c>1となるように形成されていることが好ましく、これにより、翼先端渦を発生直後に捉えて、渦の変動、発達を効果的に抑制することができる。その結果、騒音の発生をさらに抑制して効率の高い送風を行なうことができる。
【0112】
本発明の他の局面におけるプロペラファン成型金型によって成型されたプロペラファンでは、上記のように、騒音の発生が抑制され、効率の高い送風を行なうことができる。
【0113】
その金型本体には、翼の後縁部に形成される第1切込み部に対応する部分にヒーターが設けられていることが好ましく、この場合には、ヒータによって第1切込み部に対応する部分における樹脂の流動性が向上し、プロペラファンの成型を極めてスムースに行なうことができる。
【0114】
また、金型本体には、翼の後縁部に形成される第1切込み部に対応する部分よりも外周側の部分にヒーターが設けられていることが好ましく、この場合には、ヒータによって第1切込み部よりも外周側に位置する部分における樹脂の流動性が向上して、特に、第1切込み部が代表二乗平均半径の位置に形成される場合に、プロペラファンの成型を極めてスムースに行なうことができる。
【0115】
本発明のさらに他の局面における流体送り装置によれば、上述したプロペラファンを備えていることで騒音の発生が抑制されるとともに、効率の高い送風を行なうことができ、エネルギーの消費を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係るプロペラファンの正面図である。
【図2】 同実施の形態において、本発明例と従来例のプロペラファンにおける翼面上の流れおよび渦の挙動を説明するための図であり、(a)は本発明例に係る挙動を説明するための図であり、(b)は従来例に係る挙動を説明するための図である。
【図3】 同実施の形態において、プロペラファンにおけるへこみの無次元位置を決めるための圧力係数と流量係数との関係を示す図である。
【図4】 同実施の形態において、プロペラファンにおけるへこみの無次元位置を決めるためのファン効率と流量係数との関係を示す図である。
【図5】 同実施の形態において、プロペラファンにおけるへこみの無次元位置を決めるための比騒音と流量係数との関係を示す図である。
【図6】 同実施の形態において、低圧域においてプロペラファンにおけるへこみの無次元位置を決めるための圧力係数と流量係数との関係を示す図である。
【図7】 同実施の形態において、低圧域においてプロペラファンにおけるへこみの無次元位置を決めるためのファン効率と流量係数との関係を示す図である。
【図8】 同実施の形態において、低圧域においてプロペラファンにおけるへこみの無次元位置を決めるための比騒音と流量係数との関係を示す図である。
【図9】 同実施の形態において、中圧域においてプロペラファンにおけるへこみの無次元位置を決めるための圧力係数と流量係数との関係を示す図である。
【図10】 同実施の形態において、中圧域においてプロペラファンにおけるへこみの無次元位置を決めるためのファン効率と流量係数との関係を示す図である。
【図11】 同実施の形態において、中圧域においてプロペラファンにおけるへこみの無次元位置を決めるための比騒音と流量係数との関係を示す図である。
【図12】 同実施の形態において、高圧域においてプロペラファンにおけるへこみの無次元位置を決めるための圧力係数と流量係数との関係を示す図である。
【図13】 同実施の形態において、高圧域においてプロペラファンにおけるへこみの無次元位置を決めるためのファン効率と流量係数との関係を示す図である。
【図14】 同実施の形態において、高圧域においてプロペラファンにおけるへこみの無次元位置を決めるための比騒音と流量係数との関係を示す図である。
【図15】 本発明の実施の形態2に係るプロペラファンの正面図である。
【図16】 同実施の形態において、プロペラファンにおける第2のへこみの無次元位置を決めるための圧力係数と流量係数との関係を示す図である。
【図17】 同実施の形態において、プロペラファンにおける第2のへこみの無次元位置を決めるためのファン効率と流量係数との関係を示す図である。
【図18】 同実施の形態において、プロペラファンにおける第2のへこみの無次元位置を決めるための比騒音と流量係数との関係を示す図である。
【図19】 本発明の実施の形態3に係るプロペラファンの正面図である。
【図20】 同実施の形態において、へこみの大きさを決めるための所定の比と減音量との関係を示す図である。
【図21】 同実施の形態において、プロペラファンにおける翼の負圧面上の翼先端渦および馬蹄渦を示す模式図である。
【図22】 本発明の実施の形態4に係るプロペラファン成型金型の部分断面図である。
【図23】 同実施の形態において、プロペラファン成型金型におけるプロペラファンのへこみに対応する部分の第1の部分図である。
【図24】 同実施の形態において、プロペラファン成型金型におけるプロペラファンのへこみに対応する部分の第2の部分図である。
【図25】 本発明の実施の形態5に係る、プロペラファンを備えた空気調和機の室外機内の構成を示す図であり、(a)はその上面図であり、(b)はその正面図であり、(c)はその側面図である。
【図26】 同実施の形態において、図8に示す室外機に設けられた送風機の一例を示す斜視図である。
【図27】 従来の送風機の主要部を示す斜視図である。
【図28】 図27に示す断面線XXVIII−XXVIIIに沿った断面を示し、従来の送風機における翼先端渦、馬蹄渦の翼間流れを説明するための図である。
【図29】 図27に示す断面線XXIX−XXIXに沿った断面を示し、従来の送風機における翼先端渦を示す模式図である。
【図30】 従来のプロペラファンにおける翼の負圧面上の翼先端渦および馬蹄渦を示す模式図である。
【図31】 従来の他のプロペラファンを示す図であり、(a)はその正面図であり、(b)は(a)に示す断面線XXXIb−XXXIbに沿った断面図である。
【符号の説明】
1 送風機、2 プロペラファン、3 ベルマウス、4 ボス、4a ボス外表面、5 翼、5a 前縁、5b 外縁、5c 後縁、5d 翼先端部、5e 後連結部、6 軸、7 オリフィス、7a オリフィス前縁部、7b オリフィス後縁部、8 翼先端渦、9 馬蹄渦、10 剥離領域、11 溝、12,12a,12b,12c へこみ、13 代表二乗平均半径位置、14 プロペラファン成型金型、15 固定側金型、16 可動側金型、17 流体送り装置、18 駆動モータ、19 空気調和機の室外機、20 室外熱交換器、21 モータアングル、22 スプラッシャー。
Claims (12)
- 回転軸部と、
前記回転軸部からそれぞれ外方に向かって形成され、回転方向の側に位置する前縁部および回転方向とは反対側に位置する後縁部と、前記前縁部の先端部と前記後縁部の先端部と結び周方向に形成された周縁部とを含む翼と
を有する、薄肉状のプロペラファンであって、
前記前縁部の先端部である翼先端部は鎌状に尖っており、
前記後縁部は、前記翼先端部の下流域であって、翼面を流れる翼先端渦の流線に沿った位置に、前記前縁部の側に向かって形成されたU字型のへこみからなる単一の第1切込み部を備えた、プロペラファン。 - 前記第1切込み部は、
前記回転軸部の回転中心から前記第1切込み部までの距離をr、前記回転中心から前記周縁部までの代表半径をRとして、前記第1切込み部の無次元位置λ1をλ1=r/Rとしたときに、次式、
0.40≦λ1≦0.98
で示される範囲に形成された、請求項1記載のプロペラファン。 - 低圧域における動作に対して、
前記第1切込み部は、次式、
0.50≦λ1≦0.64
で示される範囲に形成された、請求項1または2に記載のプロペラファン。 - 中圧域における動作に対して、
前記第1切込み部は、次式、
0.60≦λ1≦0.76
で示される範囲に形成された、請求項1または2に記載のプロペラファン。 - 高圧域における動作に対して、
前記第1切込み部は、次式、
0.74≦λ1≦0.84
で示される範囲に形成された、請求項1または2に記載のプロペラファン。 - 前記後縁部は、前記第1切込み部よりも外側の位置に形成されたU字型の第2切込み部をさらに備え、
前記第2切込み部は、
前記第2切込み部の無次元位置λ2をλ2=r/Rとしたときに、次式、
0.86≦λ2≦0.96
で示される範囲に形成された、請求項2〜5のいずれかに記載のプロペラファン。 - 前記第1切込み部は、
前記回転軸部の代表半径をR1とすると、次式、
Rr=((R2+R1 2)/2)0.5
で表される前記翼の代表平均半径Rrの位置に形成された、請求項1記載のプロペラファン。 - 前記第1切込み部の大きさは、
前記代表平均半径Rrにおける前記翼の弦長をc、前記翼の半径方向の代表長さをbとすると、次式、
b/c>1
となるように形成された、請求項7記載のプロペラファン。 - 請求項1〜8のいずれかに記載のプロペラファンを、樹脂を充填することによって形成するための金型本体を備えた、プロペラファン成型金型。
- 前記金型本体には、翼の後縁部に形成される第1切込み部に対応する部分にヒーターが設けられた、請求項9記載のプロペラファン成型金型。
- 前記金型本体には、翼の後縁部に形成される第1切込み部に対応する部分よりも外周側の部分にヒーターが設けられた、請求項9記載のプロペラファン成型金型。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のプロペラファンを備えた、流体送り装置。
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