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JP2552716B2 - 経皮吸収貼付剤 - Google Patents

経皮吸収貼付剤

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JP2552716B2
JP2552716B2 JP63256379A JP25637988A JP2552716B2 JP 2552716 B2 JP2552716 B2 JP 2552716B2 JP 63256379 A JP63256379 A JP 63256379A JP 25637988 A JP25637988 A JP 25637988A JP 2552716 B2 JP2552716 B2 JP 2552716B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,薬物としてエストラジオールおよび/また
はそのエステルを含有し,該薬物を経皮吸収により供給
することにより経時的に安定した薬物血中濃度を達成し
得る経皮吸収貼付剤に関する。
(従来の技術) エストラジオールおよびそのエステルは女性ホルモン
のひとつとして知られ,女性の更年期障害,月経異常な
どに対する薬物として有効である。この薬物を経口投与
すると,肝代謝率が高いため,肝臓の負担が大きく,か
つ代謝により薬物の体内利用率が著しく低下する。従っ
て,この薬物は,通常,注射による投与が行なわれてい
る。しかし,注射による投与を行なうと薬物の血中濃度
が一時的に上昇するものの,該血中濃度は長時間維持さ
れず,投与を頻繁に行なう必要が生じる。そのため,徐
放性製剤の使用が望まれており,例えば,経皮吸収型の
製剤が適当であると考えられる。しかし,皮膚は体内へ
の異物の侵入を紡ぐ生体防御機能を有するため,一般
に,皮膚を介して充分な量の薬物を投与するのが難し
い。そのため薬物含有貼付剤の面積を大きくしたり,経
皮吸収促進剤を含有させることが行なわれているが薬物
放出性は,いまだ充分であるとはいえない。
エストラジオールやそのエステルを効果的に経皮投与
するために,例えば,特開昭57−154122号公報には,多
層状の貼付剤が開示されている。この貼付剤は,支持体
上に,薬物増進剤含有層,拡散膜層および触圧接着剤層
が順次積層されてなる。薬物増進剤含有層は,エタノー
ルをヒドロキシプロピルセルロースなどによりゲル化し
たゲル状物中にエストラジオールを含有する薬物含有ゲ
ルで構成される。薬物とエタノールとは,共に拡散膜層
および触圧接着剤層を透過し皮膚を通して吸収される。
エタノールの皮膚を通しての吸収速度は約100〜800mcg/
hr/cm2であり,従ってエタノールに溶解している薬物も
皮膚を通しての吸収が促進される。薬物放出性を,使用
するエタノールの量などにより制御することが可能であ
る。しかし,このような貼付剤は多層構造であるため,
製造工程が複雑であり,かつ皮膚に貼付したときにその
厚みのために違和感を与える。揮発しやすいエタノール
を用いているため,保存中,あるいは貼付後にエタノー
ルが揮発し,薬物の放出能力が変化する欠点がある。エ
タノールは皮膚に対して刺激性を有するため,発赤など
の皮膚傷害を起こす可能性が大きい。さらに拡散膜層
(制御膜として機能する)が介在するため,エタノール
および薬物の放出性はいまだ充分であるとは言えず,満
足すべき薬効を得るためには,比較的大きな面積の貼付
剤を必要とする。
特開昭61−155321号公報には,支持体上にエストラジ
オール含有粘着剤が形成され,ゴム,粘着性樹脂材料,
およびガラクトマンナンなどの水中で膨潤することので
きるポリマーを主成分とする。この貼付剤は,上記多層
構造の貼付剤のように嵩高くなることがなく,かつ所定
の期間において比較的安定して薬物を供給することが可
能である。しかし,薬物の全体としての放出性は,いま
だ充分であるとはいえない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,上記従来の問題を解決するものであり,そ
の目的とするところは,エストラジオールおよび/また
はそのエステルを含有し,該薬物の皮膚透過性が高く,
小面積であっても充分な量の薬物が供給され得る経皮吸
収貼付剤を提供することにある。本発明の他の目的は,
上記優れた特性を有し,皮膚に傷害を与えることがな
く,かつ単純な構造であるため製造の容易な経皮吸収貼
付剤を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 発明者らは,エストラジオールおよび/またはそのエ
ステルを高濃度で溶解し得,かつ皮膚刺激性の低い粘着
基剤を見い出し,これを使用することによりエストラジ
オールおよび/またはそのエステルの放出性の高い経皮
吸収貼付剤を得ることに成功した。
本発明の経皮吸収貼付剤は,薬物を相溶状態で、かつ
安定な過飽和状態で含有する粘着剤層が薬物不透過性の
柔軟な支持体上に設けられた経皮吸収貼付剤であって,
該粘着剤層の粘着基剤が,主成分として2−エチルヘキ
シルアクリレートを45〜80モル%の割合で,そしてN−
ビニル−2−ピロリドンを20〜55モル%の割合で含有す
る共重合体を主成分とし,そして,該薬物がエストラジ
オールおよび/またはそのエステルであり,かつ該粘着
剤層中の該薬物濃度が6〜25重量%であり,そのことに
より上記目的が達成される。
ここで、薬物を安定な過飽和状態で含有するとは、粘
着基剤表面に薬物結晶を置いたとき、経時的に結晶が消
失又は溶解せず、また、結晶が成長しない状態をいう。
本発明の経皮吸収貼付剤の薬効成分は,エストラジオ
ールおよび/またはそのエステルであり,エステルの種
類としては,安息香酸エステル,吉草酸エステル,シピ
オン酸エステル,プロピオン酸エステル等が挙げられ
る。この薬物は,後述の粘着剤層の全重量(粘着基剤,
薬物および必要に応じて経皮吸収促進剤などの重量の合
計)に対して6〜25重量%,好ましくは8〜20重量%,
さらに好ましくは10〜14重量%の割合で含有される。過
少であると薬効が不充分であり,過剰であると該薬物が
粘着基剤中で結晶化し,充分に放出されなくなる。
本発明の貼付剤に用いられる粘着基剤は,共重合成分
として2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)および
N−ビニル−2−ピロリドン(VP)を含有する共重合体
を主成分とする。EHAの含有量は,45〜80モル%,好まし
くは55〜70モル%,VPの含有量は,20〜55モル%,好まし
くは30〜45モル%である。EHAの量が過剰であり,VPの量
が過少であるとエストラジオール,および/または,そ
のエステルの溶解度が低下する。逆にVPの量が過剰であ
り,EHAの量が過少であると粘着物性が悪くなり,貼付性
が低下する。このような共重合体には,さらに必要に応
じて(メタ)アクリレートモノマーが共重合成分として
含有されていてもよい。(メタ)アクリレートモノマー
の炭素数は,6〜16であることが好ましく,それには例え
ば,プロピル(メタ)アクリレート,ブチル(メタ)ア
クリレート,ヘキシル(メタ)アクリレート,2−エチル
ブチル(メタ)アクリレート,ヘプチル(メタ)アクリ
レート,オクチル(メタ)アクリレート,ノニル(メ
タ)アクリレート,デシル(メタ)アクリレートおよび
ラウリル(メタ)アクリレートがある。(メタ)アクリ
レートモノマーの含有量は35モル%以下,好ましくは15
モル%以下である。過剰であるとエストラジオールやそ
のエステルを高濃度で相溶させることができない。さら
に共重合体の凝集性を上げるために,多官能性モノマー
が,共重合体を形成する全モノマーの0.005〜0.5重量%
の割合で含有されることが好ましい。多官能性モノマー
としては,ジ(メタ)アクリレート,トリ(メタ)アク
リレート,およびテトラ(メタ)アクリレートが挙げら
れ,それには,ヘキサメチレングリコールジメタクリレ
ート,トリメチロールプロパントリアクリレートなどが
ある。
粘着基剤中には,必要に応じて経皮吸収促進剤が含有
される。この経皮吸収促進剤としては,脂肪酸エステル
およびアミド結合を有する化合物の両者が併用して用い
られる。脂肪酸エステルとしては,炭素数10〜18の脂肪
酸と,炭素数1〜20のアルコールとから得られる脂肪酸
エステルが用いられる。脂肪酸エステルとしては,ミリ
スチン酸イソプロピルおよび/またはパルミチン酸イソ
プロピルが好適であり,特にミリスチン酸イソプロピル
が好ましい。
アミド結合を有する化合物としては,N−アシルサルコ
シン,脂肪酸エタノールアミドなどが用いられる。N−
アシルサルコシンのアシル基の炭素数は6〜18であるこ
とが好ましい。例えば,N−ラウロイルサルコシンが好適
に用られる。脂肪酸エタノールアミドとしては,モノお
よびジエタノールアミドのいずれもが使用され得る。こ
れらのアルキレンオキサイド付加物もまた,利用され得
る。脂肪酸エタノールアミドを構成する脂肪酸の炭素数
は,12〜16であることが好ましい。例えば,ラウロイル
モノエタノールアミド,パルミチン酸モノエタノールア
ミド,ミリスチン酸ジエタノールアミド,ラウリン酸・
ミリスチン酸ジエタノールアミド,ヤシ油脂肪酸モノエ
タノールアミド,ポリオキシエチレン付加ラウロイルモ
ノエタノールアミド,ポリオキシエチレン付加ヤシ油脂
肪酸モノエタノールアミド,ラウロイルジエタノールア
ミド,ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド,ポリオキシエ
チレン付加ラウロイルジエタノールアミドおよびポリオ
キシエチレン付加ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドが挙
げられる。上記ポリオキシエチレン付加体の付加モル数
は1〜40が適当である。ここで付加モル数が1であると
は,モノエタノールアミドの場合には,分子1個に対し
てアルキレンオキシドの付加分子数が1個,ジエタノー
ルアミドの場合には,2個であることを示す。
上記脂肪酸エステルは,粘着基剤100重量部に対して
1〜80重量部の割合で,そしてアミド結合を有する化合
物は0.05〜30重量部の割合で含有される。両者は合計量
で,粘着基剤100重量部に対して1.05〜100重量部の割合
で含有される。好適な実施態様においては,粘着基剤10
0重量部に対してN−ラウロイルサルコシンを1〜30重
量部,さらに好ましくは3〜6重量部の割合で,そして
ミリスチン酸イソプロピルを1〜30重量部,さらに好ま
しくは2〜12重量部の割合で含有する。
貼付剤の支持体としては,貼付剤に通常利用される薬
物不透過性の支持体が用いられる。このような支持体の
素材としては,酢酸セルロース,エチルセルロース,ポ
リエチレンテレフタレート,酢酸ビニル−塩化ビニル共
重合体,ナイロン,エチレン−酢酸ビニル共重合体,可
塑化ポリ塩化ビニル,ポリウレタン,ポリエチレン,ポ
リ塩化ビニリデン,アルミニウムなどがある。これら
は,例えば,単層のシート(フィルム)や二枚以上の積
層(ラミネート)体として用いられる。
上記支持体表面に,エストラジオールおよび/または
そのエステル,および必要に応じて経皮吸収促進剤やそ
の他の添加剤を粘着基剤に含有させた混合物でなる粘着
剤層が形成され,貼付剤が得られる。該粘着剤層を形成
するには,溶剤塗工法,ホットメルト塗工法など種々の
塗工法が用いられるうる。なかでも溶剤塗工法が好適で
ある。溶剤塗工法で粘着剤層を形成するには,例えば,
粘着基剤を適当な溶媒で希釈し,これに上記薬物,およ
び必要に応じて吸収促進剤やその他の添加剤を加えて均
一に混合し,得られた溶液を支持体表面に塗布・乾燥す
る。溶液を直接支持体表面に塗布せずにシリコーン樹脂
などをコーティングした剥離紙上に塗布し,乾燥後に支
持体と密着させてもよい。粘着剤層の厚みは特に限定さ
れていないが,通常,30〜200μmである。
(作用) 本発明の経皮吸収貼付剤に使用される粘着基剤は,エ
ストラジオールおよび/またはそのエステルを高濃度に
溶解させることが可能である。従って,単位面積および
単位時間あたりの薬物放出量および皮膚を通しての皮膚
内部への薬物の移行性が極めて大きい。さらに貼付剤を
皮膚に貼付した場合に,含有される該薬物は,長時間に
わたり所定量ずつ放出されるという優れた効果が得られ
る。このように,従来のエストラジオール含有貼付剤に
比較すると同一面積の貼付剤により有効投与量の大きな
貼付剤が得られる。言い換えれば,小さい面積の貼付剤
で従来の貼付剤と同一の効果が得られる。
粘着剤層中に吸収促進剤が含有される場合には,さら
に薬物の皮膚内への移行性が高くなる。これは,上記吸
収促進剤が粘着剤中または皮膚内において粘着剤や皮膚
の物性を変化させ,その結果,粘着剤層と皮膚内との薬
物の分配係数が変化し,あるいは,薬物の拡散速度が変
化するためと考えられる。このように,吸収促進剤を含
有させることにより,小さい面積で高い血中濃度を長時
間にわたって維持し得る貼付剤が得られる。これに対し
て,薬物溶解性の低い従来の粘着基剤を用いると,粘着
剤層に薬物結晶が肉眼で観察し得る程度の大きさで,あ
るいは光学顕微鏡で観察し得る程度の大きさで析出す
る。貼付剤の調製時には薬物が過飽和状態であっても,
これを保存することにより薬物結晶の析出が起こる。薬
物が結晶化すると,相溶している薬物もその拡散が妨げ
られるため該薬物の放出速度および全体としての放出量
が低下する。さらに,薬物の放出は所定の速度ではな
く,貼付時間とともにその速度が低下する。
さらに,本発明の貼付剤の粘着基剤は,親水性が高
く,かつ(メタ)アクリル酸などの酸性モノマーを含有
しないため,皮膚刺激性が極めて低い。さらに,上記の
ように小さい面積の貼付剤で充分な薬効が得られるた
め,皮膚刺激に敏感な人においても紅斑を生じることが
回避される。小面積であるため貼付操作が容易でありか
つ貼付時の異和感も少ない。粘着剤層が単一の単純な構
造であるため製造が容易であり,薄い形状に調製し得
る。この貼付剤は,従来の技術の項に開示されたエタノ
ールを含有する貼付剤のように揮発成分を含有しないた
め,保存時に組成が変化することなく,所定の品質が維
持される。
(実施例) 以下に本発明を実施例について説明する。
実施例1 (A)貼付剤の調製:アクリル酸2−エチルヘキシル
(EHA)302.0g(65モル%),ビニルピロリドン(VP)9
8.0g(35モル%)およびヘキサメチレングリコールジメ
タクリレート40.0mg(全モノマーに対して0.02重量%)
をセパラブルフラスコに仕込み,酢酸エチル70.6gを加
えて,モノマー濃度を85重量%とした。この溶液を,窒
素雰囲気下,60℃にて加熱し,過酸化ラウロイル(重合
開始剤)および酢酸エチルを少量ずつ添加し,32時間に
わたり重合反応を行ない,固型分35%である粘着剤の酢
酸エチル溶液を得た。得られたポリマーに17−β−エス
トラジオールのテトラヒドロフロラン溶液を固型分(ポ
リマーとエストラジオールとの重量和)濃度が22重量%
となるように,かつ,エラストラジオールの固形分中の
濃度が10.5重量%となるように加えて,これをディゾル
バーにて均一に混合した。同様にして,該エストラジオ
ールの濃度が12重量%および15重量%となるような溶液
を調製した。厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート
(PET)をシリコン処理した剥離紙上に,これらの溶液
を,それぞれ乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布後
乾燥した。これに,厚さ38μmのPETフィルム支持体を
貼り合わせて貼付剤を得た。
実施例2 EHA215.2g(45モル%),VP129.7g(45モル%),デシ
ルメタクリレート55.1g(10モル%),およびトリメチ
ロールプロパントリアクリレート40.0mg(全モノマー中
の0.01wt%)を用い,実施例1と同様にしてポリマーを
得たこと以外は実施例1と同様である。
実施例3 実施例1で得られたポリマー含有溶液に対して,17β
−エストラジオール,N−ラウロイルサルコシンおよびミ
リスチン酸イソプロピルを,溶液中の固形分(上記成分
とポリマーとの合計に相当する)量が25重量%となるよ
うに添加した。但し,総固形分のうち17β−エストラジ
オールが10.5重量%,N−ラウロイルサルコシンが1.0重
量%,そしてミリスチン酸イソプロピルが10.0重量%の
割合で含有されるように添加を行なった。混合液をディ
ゾルバーで均一に混合し,実施例1と同様の方法で貼付
剤を得た。別に,N−ラウロイルサルコシンが,3重量%お
よび5重量%となるような貼付剤をそれぞれ調製した。
比較例1 EHAの量を188.7g(35モル%),そしてVPの量を211.3
g(65モル%)とし,実施例1と同様にポリマーの調製
を行い,実施例1に準じて貼付剤の調製を行なった。但
し,固形分中の17β−エストラジオールの濃度は,16,1
8,20および22重量%に設定し,4種の貼付剤を得た。
比較例2 EHAの量を377.5g(85モル%),そしてVPの量を40.1g
(15モル%)とし,実施例1と同様にポリマーの調製を
行い,実施例1に準じて貼付剤の調製を行なった。但
し,固形分中の17β−エストラジオールの濃度は,4,6,8
および10.5重量%に設定し,4種の貼付剤を得た。
比較例3 EHA294.8g(80モル%),メタクリル酸2−エチルヘ
キシル(EHMA)39.7g(10モル%),メタクリル酸ドデ
シル50.4g(10モル%)およびジメタクリル酸1,6−ヘキ
サングリコール80mg(0.02モル%)を用い,実施例1と
同様に重合を行なった。得られた重合体を用いて,エス
トラジオールの固形分中濃度が0.1,0.3,4.0,10.5wt%で
ある4種の貼付剤を得た。
実験例1 上記実施例1〜3,および比較例1〜3で得られた貼付
剤を用い,17β−エストラジオールの飽和溶解度の測定
と粘着物性の評価を行なった。飽和溶解度の測定につい
ては貼付剤の剥離紙の一部を一旦はがし,17β−エスト
ラジオールの微粉末を粘着面に載せたのちに,再び剥離
紙を貼り合わせ,これをアルミラミネートフィルムでな
る袋の中に封入し,室温に1カ月間保存し,その結晶の
成長の有無(光学顕微鏡で観察;×200)によって判定
した。粘着物性は各貼付剤の製造直後に室温でのボール
タック値(粘着テープ・粘着シート試験方法JIS−Z0237
による)を測定することにより評価した。その結果を表
1に示す。第1の結晶成長の欄において,○は,結晶の
成長が観察されなかったことを;△は,結晶が成長した
かどうか疑わしいことを;そして,×は,結晶が明らか
に成長したことを示す。粘着物性の欄において,○は,
良好な粘着物性を示すことを;そして×は,粘着物性が
不良であることを示す。
表1から,本発明の貼付剤は,比較的高濃度のエスト
ラジオールを長期間にわたり溶解状態で保持し得るこ
と;および粘着物性に優れることが明らかである。これ
に対して,VP量の高い組成の粘着基剤を使用した比較例
1の貼付剤は粘着物性に劣ることがわかる。逆にEHA量
が高い(VP量の低い)粘着基剤を用いた比較例2の貼付
剤,およびアクリレート系モノマーのみからなる粘着基
剤を用いた比較例3の貼付剤は,エストラジオールの溶
解性に劣る。
実験例2 実施例1〜3および比較例2〜3で調製した貼付剤の
うち,17β−エストラジオール含量が10.5重量%の貼付
剤を用いた。これらの貼付剤中の17β−エストラジオー
ル量はそれぞれ4mg/10cm2である。別に,市販のエスト
ラジオール貼付剤として,Estraderm0.05(CIBA社製;特
開昭57−154122号公報に開示の貼付剤と同様の構造を有
する)を比較例4の貼付剤として使用した。
上記本発明の実施例および比較例で得られた貼付剤,
および上記Estradermについてはそのアルミ密封包装を
開き,それぞれ空気中で30日間保存した。保存後の17β
−エストラジオール結晶析出の有無を光学顕微鏡(×20
0)で調べた。その結果,実施例1〜3および比較例4
の貼付剤は結晶の析出が認められず,比較例2〜3の貼
付剤については結晶の析出が認められた。
これらの貼付剤を用い,皮膚を通しての薬物透過性試
験を行なった。第1図に示す拡散セル10を準備した。こ
の拡散セル10は,円筒有底状のレセプラー槽1および円
筒有底状で底部に開口部21を有するドナー槽2とを有す
る。ドナー槽2はレセプター槽1の上方に,1対のOリン
グ31および32を介して気密に,そして同心状に積み重ね
られている。レセプター槽1はその側部に側方へ突出す
るサンプリング口11を有する。Oリング31および32の間
には,試験に用いる皮膚4がはさまれ,ドナー槽2の開
口部21は,該皮膚4により全面にわたっておおわれる。
ヘアレスマウス(雄,6週齢)を頚椎脱臼により殺し,
皮膚を剥離し,その皮下脂肪組成を除去し,約5cm×5cm
の皮膚片を得た。これに上記貼付剤(10cm2)を貼付
し,上記拡散セル10の両Oリング31,32間にセットし
た。レセプター槽1には下記のレセプター液を満たし,
攪拌子12によりレセプター液の攪拌を行なった。
レセプター液調製法:蒸留水中にNaH2PO45×10-4M,NaH2
PO42×10-4M,NaCl1.5×10-1Mおよびゲンタマイシン10pp
mを含む緩衝液にNaOH水溶液を加えてpHを7.2調整し,こ
れにポリエチレングリコール400を20重量%の割合で配
合し,これをレセプター液とする。
この拡散セル10全体を37℃に保持された恒温槽に入れ
た。試験開始後,1,3,6,18および24時間後に,それぞ
れ,サンプリング口11からレセプター液1mlを採取し,
新たなレセプター液1mlを補充した。採取したレセプタ
ー液の薬物濃度を測定し,薬物透過率を算出した。実験
サンプル数は3で行ない,平均値を算出した。その結果
を第2図(a)および第2図(b)に示す。第2図
(b)は,第2図(a)の縦軸のスケールを大きくとっ
たものである。第2図(a)および(b)において,□
は実施例1,+は実施例2,◇は実施例3,△は比較例2,×は
比較例3,そして▽は比較例4の貼付剤を用いたときの薬
物透過量を示す。
第2図(a)および第2図(b)から,本発明の貼付
剤は各比較例の貼付剤に比べて皮膚を通しての17β−エ
ストラジオールの透過性に優れることがわかる。特に吸
収促進剤を含有する実施例3の貼付剤は,長時間にわた
り優れた薬物の放出性を示す。さらに,本発明の貼付剤
は,該貼付剤を密封するなど,特別の条件下で保持しな
くとも,優れた性能を維持し得ることが明らかである。
実験例3 実験例2で用いたのと同様の貼付剤(10cm2)を,そ
れぞれ3人の被験者(健常人,男性)の上腕部に貼付
し,72時間後にこれを剥離して回収した。この貼付剤を
メタノールで抽出し,HPLCにより17β−エストラジオー
ルの濃度を測定した。比較例4の貼付剤については,剥
離後,細かく裁断してメタノールによる抽出を行なっ
た。薬物濃度から剥離後の貼付剤に残留する薬物を算出
し,貼付剤に当初含有される薬物との差を皮膚移行量と
した。それぞれの貼付剤を用いたときの皮膚移行量を表
2に示す。
表2から,本発明の貼付剤は,同一面積,同一投与量
である場合に,比較例の各貼付剤に比べ,薬物の皮膚移
行量が極めて大きいことがわかる。
(発明の効果) 本発明によれば,このように,エストラジオールおよ
び/またはそのエステルを含有し,該薬物の皮膚透過性
が高く,小面積であっても充分な量の薬物が供給され得
る経皮吸収貼付剤が提供される。さらに,該薬物は,長
時間にわたり所定量ずつ放出されるという優れた効果も
認められる。所定の吸収促進剤を含む貼付剤は,さらに
薬物の放出性に優れる。貼付剤に使用されている粘着基
剤は皮膚刺激性がなく発赤などの皮膚傷害も回避され
る。本発明の貼付剤は,エストラジオールの徐放製剤と
して広く利用され得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は,貼付剤に含まれる薬物の皮膚透過性を試験す
るための拡散セルを示す斜視図,第2図(a)および
(b)は,本発明および他の貼付剤に含まれるエストラ
ジオールの皮膚透過性を示すグラフである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薬物を相溶状態で、かつ安定な過飽和状態
    で含有する粘着剤層が薬物不透過性の柔軟な支持体上に
    設けられた経皮吸収製剤であって、 該粘着剤層の粘着基剤が、主成分として2−エチルヘキ
    シルアクリレートを45〜80モル%の割合で、そしてN−
    ビニル−2−ピロリドンを20〜55モル%の割合で含有す
    る共重合体を主成分とし、そして、 該薬物がエストラジオールおよび/またはそのエステル
    であり、かつ該粘着剤層中の該薬物濃度が6〜25重量%
    である、 経皮吸収製剤。
  2. 【請求項2】前記共重合体が、2−エチルヘキシルアク
    リレートを55〜70モル%の割合で、そしてN−ビニル−
    2−ピロリドンを30〜45モル%の割合で含有する特許請
    求の範囲第1項に記載の経皮吸収製剤。
  3. 【請求項3】前記粘着剤層が経皮吸収促進剤を含有する
    特許請求の範囲第1項に記載の経皮吸収製剤。
  4. 【請求項4】前記経皮吸収促進剤が、脂肪酸エステル
    と、アミド結合を有する化合物とを含有する特許請求の
    範囲第1項に記載の経皮吸収製剤。
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