JP2024002094A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

Abstract

【課題】使用者が振りやすいゴルフクラブヘッドを提供する。【解決手段】本ゴルフクラブヘッドは、体積が４００ｃｃ以上４６０ｃｃ以下であるゴルフクラブヘッドであって、打撃面となるフェース面を備えたフェース部、及びカーボンで形成されたボディ部を備え、前記ボディ部は、ソール部及びクラウン部を備え、前記ソール部の内面側に、重り部材を備え、前記重り部材は、前記ゴルフクラブヘッドの重心の直下に配置される第１重り部材、及び前記第１重り部材からトウ－ヒール方向に延びる第２重り部材を含む。【選択図】図１

Description

本発明は、ゴルフクラブヘッドに関する。

近年、ゴルフクラブヘッドの体積の大容量化が進んでいる。体積が大きいゴルフクラブヘッドは使用者に視覚的安心感を与えるが、ゴルフクラブヘッドの重心から離れた位置に重り部材が配置されることがあり、このような場合、使用者はゴルフクラブヘッドが振りにくいと感じることがある。

特開２０２１―１０４４０号公報 特許第７０３４６７１号 特開２０２１－７４２０１号公報

本発明は、使用者が振りやすいゴルフクラブヘッドの提供を目的とする。

本ゴルフクラブヘッドは、体積が４００ｃｃ以上４６０ｃｃ以下であるゴルフクラブヘッドであって、打撃面となるフェース面を備えたフェース部、及びカーボンで形成されたボディ部を備え、前記ボディ部は、ソール部及びクラウン部を備え、前記ソール部の内面側に、重り部材を備え、前記重り部材は、前記ゴルフクラブヘッドの重心の直下に配置される第１重り部材、及び前記第１重り部材からトウ－ヒール方向に延びる第２重り部材を含む。

開示の技術によれば、使用者が振りやすいゴルフクラブヘッドを提供することができる。

第１実施形態に係るゴルフクラブヘッド１を例示する斜視図である。 第１実施形態に係るゴルフクラブヘッド１を例示する平面図である。 第１実施形態に係るゴルフクラブヘッド１を例示する底面図である。 第１実施形態に係るゴルフクラブヘッド１を例示する断面図である。 重り部材７０について説明するための図である。 重り部材７０が繊維強化樹脂シートの層間に埋設される様子を例示する図である。 第１実施形態の変形例１に係るゴルフクラブヘッド１Ａを例示する斜視図である。 第１実施形態の変形例１に係るゴルフクラブヘッド１Ａを例示する平面図である。 第１実施形態の変形例１に係るゴルフクラブヘッド１Ａを例示する断面図である。 第１実施形態の変形例１に係るゴルフクラブヘッド１Ａのソール部を例示する平面図である。 重り部材７０の締結方法の一例を示す図である。

以下、図面を参照して、実施形態の説明を行う。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。

〈第１実施形態〉
図１は、第１実施形態に係るゴルフクラブヘッド１を例示する斜視図である。図２は、第１実施形態に係るゴルフクラブヘッド１を例示する平面図である。図３は、第１実施形態に係るゴルフクラブヘッド１を例示する底面図である。図４は、第１実施形態に係るゴルフクラブヘッド１を例示する断面図である。なお、図４は、ゴルフクラブヘッド１を水平面Ｈ（地面に相当）に基準のライ角及び基準のロフト角通りに接地した場合において、ゴルフクラブヘッド１の重心Ｇを通り、水平面Ｈに垂直で、かつトウ－ヒール方向を向く平面で切断した断面を示している。

図１～図４において、矢印ｄ_１はトウ－ヒール方向（左右方向）を、矢印ｄ_２はクラウン－ソール方向（上下方向）を、矢印ｄ_３はフェース－バック方向（前後方向）を示している。なお、以降の図においても、同様の方向を示す場合がある。

図１～図４に示すゴルフクラブヘッド１は、ウッド型のゴルフクラブヘッドであって、例えばドライバである。ゴルフクラブヘッド１は、フェース部１０及びボディ部２０を備え、フェース部１０とボディ部２０とが接合されて一体化された中空構造体である。ゴルフクラブヘッド１は、体積が４００ｃｃ以上４６０ｃｃ以下である。

ボディ部２０は、フェース側に開口する開口部を備えている。ボディ部２０の開口部の外周部にはフェース部１０を位置決めする段差が設けられており、フェース部１０が段差と嵌合して開口部を塞ぐようにボディ部２０に接合されている。なお、中空構造体の内側の面を内面、外側の面を外面と称する場合がある。

フェース部１０は、打撃面となるフェース面１０ｆを備えた部分である。なお、フェース部１０は所定の厚みを有しており、フェース面１０ｆはフェース部１０の外面をなしている。フェース部１０は、例えば、チタン、チタン合金、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄系金属、マグネシウム、マグネシウム合金等を用いて形成できる。

フェース部１０は、繊維強化樹脂を用いて形成してもよい。ここで、繊維強化樹脂とは、補強部材となる繊維と樹脂との複合材料である。繊維強化樹脂を構成する繊維としては、例えば、カーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ザイロン繊維、ボロン繊維等が挙げられる。又、繊維強化樹脂を構成する樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。フェース部１０は、例えば、カーボン繊維強化樹脂を用いて形成することができる。

ボディ部２０は、クラウン部２１及びソール部２２を備えている。ボディ部２０は、さらにホゼル収容部２３を備えてもよい。クラウン部２１は、ゴルフクラブヘッド１の上部を形成する部分である。ソール部２２は、ゴルフクラブヘッド１の底部を形成する部分である。ホゼル収容部２３は、シャフトと連結されるホゼルが収容される部分である。

ボディ部２０は、カーボンで形成されている。ボディ部２０は、例えば、カーボン繊維強化樹脂シートを積層して成型することができる。クラウン部２１、ソール部２２、及びホゼル収容部２３は、カーボン繊維強化樹脂シートを積層して一体成型されたものであってもよい。

ゴルフクラブヘッド１は、ソール部２２の内面側に、重り部材７０を備えている。重り部材７０は、トウ－ヒール方向では略中央部からややヒール側に位置し、フェース－バック方向ではフェース部１０側に位置している。重り部材７０は、例えば、トウ側の重量とヒール側の重量が略均等になるように形成されている。なお、重り部材７０は、ゴルフクラブヘッド１の外部から視認することはできない。

図５は、重り部材７０について説明するための図である。図５（ａ）は、重り部材７０をクラウン部２１側から視た図であり、図５（ｂ）は、重り部材７０をソール部２２側から視た図である。また、図５（ｃ）は、ゴルフクラブヘッド１を図４と同様に水平面Ｈに基準のライ角及び基準のロフト角通りに接地した場合において、ゴルフクラブヘッド１の重心Ｇを通り、水平面Ｈに垂直で、かつフェース－バック方向を向く平面で切断した断面を示している。

図５に示すように、重り部材７０は、第１重り部材７１及び第２重り部材７２を含む。つまり、第１重り部材７１と第２重り部材７２とを組み合わせて、重り部材７０を構成している。第１重り部材７１は、平面視において、重り部材７０の長手方向の中央部近傍に配置されている。なお、平面視とは、クラウン部２１側から水平面Ｈに垂直な方向に視ることである。第２重り部材７２は、平面視で、第１重り部材７１からトウ－ヒール方向に延びている。

第１重り部材７１は、ゴルフクラブヘッド１の重心Ｇの直下に配置される。ここで、重心Ｇの直下とは、ゴルフクラブヘッド１を図４と同様に水平面Ｈに基準のライ角及び基準のロフト角通りに接地した場合において、重心Ｇを通り、かつ水平面Ｈに垂直な線が第１重り部材７１の何れかの部分と交わることである。

第１重り部材７１は、例えば、円錐台形状であり、底面がソール部２２の内面側と接触するように配置される。第１重り部材７１が円錐台形状である場合、例えば、天面の直径は８ｍｍ以上１６ｍｍ以下、底面の直径は１８ｍｍ以上２６ｍｍ以下、高さは７ｍｍ以上１５ｍｍ以下である。好ましくは、天面の直径は９ｍｍ以上１５ｍｍ以下、底面の直径は１９ｍｍ以上２５ｍｍ以下、高さは８ｍｍ以上１４ｍｍ以下である。より好ましくは、天面の直径は１０ｍｍ以上１４ｍｍ以下、底面の直径は２０ｍｍ以上２４ｍｍ以下、高さは９ｍｍ以上１３ｍｍ以下である。第１重り部材７１を円錐台形状とすることにより、ゴルフクラブヘッド１を低重心化することができる。なお、第１重り部材７１は、円錐台形状には限定されず、円柱形状であってもよいし、角錐台形状であってもよい。

第２重り部材７２は、第１重り部材７１よりも薄い細長状の部材である。第２重り部材７２は、ソール部２２の内面に沿って配置されている。第２重り部材７２の幅（平面視におけるフェース－バック方向の長さ）は一定であってもよいが、長手方向の中央が最も幅広であり、長手方向の両端側に向かって幅が漸減することが好ましい。このようにすることで、第１重り部材７１から離れるにしたがって第２重り部材７２の重さが軽くなるため、重り部材７０を設けたことによる重心Ｇの位置の変化を抑制することができる。

平面視で、第２重り部材７２は、例えば、三日月形状とすることができる。ここで、三日月形状とは、平面視で、所定の曲率半径を有する第１の曲線の両端と、第１の曲線と同一方向に湾曲し、かつ第１の曲線よりも曲率半径の大きな第２の曲線の両端が、接続された閉じた形状である。第２重り部材７２は、平面視で、三日月形状の凸側がフェース部１０側を向くように配置される。第１の曲線の曲率半径は例えば５０ｍｍ以上１００ｍｍ以下であり、第２の曲線の曲率半径は例えば２００ｍｍ以上２５０ｍｍ以下である。

第２重り部材７２はリブとしてソール部２２を補強する役割を果たすが、第１の曲線の曲率半径を１００ｍｍ以下、第２の曲線の曲率半径を２５０ｍｍ以下とすることで、リブとしての補強の効果を高めることができる。一方、第１の曲線及び第２の曲線の曲率半径が小さいほどリブとしての補強の効果がより高まるが、ゴルフクラブヘッド１の重心が後ろに寄ってしまう。第１の曲線の曲率半径を５０ｍｍ以上、第２の曲線の曲率半径を２００ｍｍ以上とすることで、リブとしての補強の効果を高めつつ、ゴルフクラブヘッド１の重心が後ろに寄ってしまうことを抑制できる。なお、第１の曲線及び第２の曲線は、完全な円弧状でなくてもよく、湾曲していればよい。

図４に示すように、ソール部２２は水平線Ｈに向かって凸に湾曲している。したがって、第２重り部材７２が三日月形状でなくトウ－ヒール方向に直線状に延びる細長い長方形状である場合、長方形の両端部がソール部２２からクラウン部２１に向かって湾曲するトウ側部分及びヒール側部分に達する。ソール部２２からクラウン部２１に向かって湾曲するトウ側部分及びヒール側部分は、水平線Ｈに対して高い位置となるため、ゴルフクラブヘッド１が高重心になってしまう。

これに対して、第２重り部材７２が三日月形状である場合は、三日月が全体としてはトウ－ヒール方向に延びつつ、三日月の両端部がバック側に向かって湾曲する。そのため、三日月の両端部は、細長い長方形状の場合と比較して、水平線Ｈに対して低い位置に留まることができ、ゴルフクラブヘッド１が高重心になることを抑制できる。また、三日月の両端部は、ソール部２２に位置するため、ソール部２２の剛性が高まり、ゴルフクラブヘッド１の打撃時の振動を抑制することができる。

平面視で、第２重り部材７２は、例えば、トウ－ヒール方向の長さＬ１が４０ｍｍ以上９５ｍｍ以下である。長さＬ１は、好ましくは４５ｍｍ以上９０ｍｍ以下であり、より好ましくは５０ｍｍ以上８５ｍｍ以下である。第２重り部材７２のｄ２方向の最大高さは、２ｍｍ以上７ｍｍ以下でトウ－ヒール方向に向かうにつれて低くなっていくことが好ましい。第２重り部材７２のｄ３方向の最大幅は、７ｍｍ以上１５ｍｍ以下でトウ－ヒール方向に延びるにつれ狭まることが好ましい。

第１重り部材７１の底面に、凹形状の受け部７１ｘが形成されている。受け部７１ｘは、第１重り部材７１の底面側に開口すると共に、側面のトウ側及びヒール側にも開口している。第２重り部材７２は、長手方向の中央部近傍が受け部７１ｘにはめ込まれることで、第１重り部材７１と一体となって配置されている。第２重り部材７２の底面は、例えば、第１重り部材７１の底面と面一である。

第１重り部材７１の比重は、例えば、８以上１４以下である。第２重り部材７２の比重は、第１重り部材７１の比重より小さく、かつ、ボディ部２０の比重より大きい。第１重り部材７１の材料としては、例えば、タングステン、タングステン合金等を用いることができる。第２重り部材７２の材料としては、例えば、ステンレス、チタン、アルミニウム等を用いることができる。

第２重り部材７２の比重が大きいと、重心Ｇの位置が変化してしまうが、第２重り部材７２の比重を、第１重り部材７１の比重より小さく、かつ、ボディ部２０の比重より大きくすることで、重心Ｇの位置の変化を抑制することができる。

第１重り部材７１は、例えば、１０ｇ以上６０ｇ以下である。第１重り部材７１は、好ましくは１５ｇ以上５５ｇ以下であり、より好ましくは２０ｇ以上５０ｇ以下である。第１重り部材７１を１０ｇ以上とすることにより、第１重り部材７１を設ける効果を十分に発揮することができる。第１重り部材７１を６０ｇ以下とすることにより、ソール部２２に対する接着強度を十分に確保することができる。第２重り部材７２は、例えば、３ｇ以上１２ｇ以下である。第２重り部材７２は、好ましくは４ｇ以上１１ｇ以下であり、より好ましくは５ｇ以上１０ｇ以下である。

図６に示すように、重り部材７０は、ソール部２２を形成する繊維強化樹脂シート２２１と、繊維強化樹脂シート２２１上に積層された繊維強化樹脂シート２２２の層間に埋設されていることが好ましい。繊維強化樹脂シート２２１及び２２２は、例えば、カーボン繊維強化樹脂シートである。なお、繊維強化樹脂シート２２１の繊維強化樹脂シート２２２側の面が、ソール部２２の内面となる。第１重り部材７１を円錐台形状とすることにより、円柱形状の場合よりも、繊維強化樹脂シート２２１及び２２２との接着強度を向上することができる。

図６において、第１重り部材７１及び第２重り部材７２の底面は、繊維強化樹脂シート２２１と接している。また、第１重り部材７１の上面及び側面、並びに第１重り部材７１から露出する第２重り部材７２の上面及び側面は、繊維強化樹脂シート２２２と接している。つまり、繊維強化樹脂シート２２２は、重り部材７０の上面側に沿って配置されている。なお、繊維強化樹脂シート２２１及び／又は２２２は、複数層の繊維強化樹脂の積層構造であってもよい。

このように、ゴルフクラブヘッド１において、重り部材７０は、隣接する繊維強化樹脂シートの層間に挟まれており、ボディ部２０の内面にも外面にも露出していない。このような構造にすることで、重り部材７０を容易にソール部２２の内面側に固定することができる。また、重り部材７０は、第１重り部材７１に加え、トウ－ヒール方向に延びる第２重り部材７２を備えているため、第１重り部材７１のみの場合に比べ、広い範囲で隣接する繊維強化樹脂シートの層間に埋設することができる。その結果、繊維強化樹脂シートによる重り部材７０の埋め込み強度を十分に確保することが可能となり、打撃時に繊維強化樹脂シートが剥離することを抑制できる。打撃時に繊維強化樹脂シートが剥離することを抑制するためには、長さＬ１が前述の範囲内であることが好ましい。

ゴルフクラブヘッド１は、例えば、金型組立体と空気圧式成型装置とを用いて製造できる。金型組立体は、組み立て可能及び分解可能であり、空気圧式成型装置は、開閉式密閉容器と、開閉式密閉容器に取り付けられる気圧発生機構及び加熱機構とを備えている。

具体的には、ゴルフクラブヘッド１は、例えば、以下のような方法により製造される。まず、互いに組み立て可能及び分解可能な金型組立体を準備する。そして、繊維強化樹脂からなる複数枚の予浸材（プリプレグ材）を準備し、この予浸材を積層するように金型組立体に貼り付けてボディ部２０の原形を形成する。

なお、重り部材７０をクラウン部２１及び／又はソール部２２の繊維強化樹脂と一体成型するには、複数の予浸材を積層するように金型組立体に貼り付けてボディ部２０の原形を形成する際に、重り部材７０をボディ部２０の原形内に設置すればよい。具体的には、重り部材７０を予浸材に貼り付けてもよく、重り部材７０を予浸材によって包み込んでもよい。

次に、ボディ部２０の原形が収容された金型組立体を袋に入れる。そして、この袋を開閉式密閉容器に入れて、気圧発生機構により真空負圧をかけると共に、加熱機構により熱を加える。これにより、ボディ部２０の原形における繊維強化樹脂からなる予浸材が架橋反応によって硬化する。ボディ部加熱成形後に予備成型したフェース部１０と接着接合することでゴルフクラブヘッド１の半製品が形成される。このゴルフクラブヘッド１の半製品のバリを取って、表面加工を施すことで、ゴルフクラブヘッド１が完成する。

なお、気圧発生機構により真空負圧をかけると共に、加熱機構により熱を加える際には、例えば、真空負圧値を－０．１ｍｂａｒ～－１０００ｍｂａｒの範囲にし、加熱温度を４０℃～２５０℃の範囲にし、真空負圧及び熱をかける時間を１分間から６０分間とすることができる。

空気圧式成型装置としては、例えば、圧力釜を用いることができる。空気圧式成型装置として圧力釜を用いる場合は、ゴルフクラブヘッド１の原形に対して、真空吸引、加熱、及び空気加圧をすることができ、その加圧空気の圧力値は例えば２ｂａｒ～１００ｂａｒの範囲とすることができる。

また、真空負圧値、加熱温度、及び加圧空気の圧力値は、例えば、外形の異なるウッドタイプのゴルフクラブヘッドや、厚さの相違する繊維強化樹脂からなる予浸材によって調整することができる。そして、更に、真空負圧値、加熱温度、及び加圧空気の圧力値は、繊維強化樹脂からなる予浸材の架橋反応に応じて調整することもできる。つまり、ボディ部を繊維強化樹脂から形成することで、ゴルフクラブヘッドの形状及び重量を制御することが容易である。

このように、ゴルフクラブヘッド１は、ソール部２２の内面側に重り部材７０を備えている。そして、重り部材７０は、重心Ｇの直下に配置される第１重り部材７１、及び第１重り部材７１からトウ－ヒール方向に延びる第２重り部材７２を含む。

体積が大きい（４００ｃｃ以上４６０ｃｃ以下）ゴルフクラブヘッド１において、重心Ｇの直下に第１重り部材７１を配置することで、重心Ｇの直下から離れた位置に第１重り部材７１を配置する場合と比べ、使用者にゴルフクラブヘッド１が振りやすいと感じさせることができる。また、使用者に、ゴルフクラブヘッド１をコントロールしやすいと感じさせることができる。

また、仮に重心Ｇの直下に第１重り部材７１のみを配置したとすると、打音が安定せず、かつゴルフクラブヘッドの強度も十分に得られない。ソール部２２の内面側に、第１重り部材７１に加え、第１重り部材７１からトウ－ヒール方向に延びる第２重り部材７２を配置することで、第２重り部材７２がリブとしての役割を果たすため、打音が安定すると共に、ゴルフクラブヘッド１の強度を向上することができる。

〈第１実施形態の変形例１〉
第１実施形態の変形例１では、第１実施形態とは異なる材料をボディ部に用いたゴルフクラブヘッドの例を示す。なお、第１実施形態の変形例１において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。

図７は、第１実施形態の変形例１に係るゴルフクラブヘッド１Ａを例示する斜視図である。図８は、第１実施形態の変形例１に係るゴルフクラブヘッド１Ａを例示する平面図である。図９は、第１実施形態の変形例１に係るゴルフクラブヘッド１Ａを例示する断面図である。なお、図９は、ゴルフクラブヘッド１Ａを水平面Ｈ（地面に相当）に基準のライ角及び基準のロフト角通りに接地した場合において、ゴルフクラブヘッド１Ａの重心Ｇを通り、かつ水平面Ｈに垂直で、かつフェース－バック方向を向く平面で切断した断面を示している。図１０は、第１実施形態の変形例１に係るゴルフクラブヘッド１Ａのソール部を例示する平面図であり、ソール部上方の図示を省略し、クラウン側から視たソール部の内面側を模式的に示している。

図７～図１０に示すゴルフクラブヘッド１Ａは、ウッド型のゴルフクラブヘッドであって、例えばドライバである。ゴルフクラブヘッド１Ａは、フェース部１０Ａ、ボディ部２０Ａ、及びクラウン部３０を備えている。

ボディ部２０Ａは、フェース側に開口する開口部を備えており、開口部を塞ぐようにフェース部１０Ａが接合されている。また、ボディ部２０Ａは、クラウン側に開口する開口部を備えており、開口部を塞ぐようにクラウン部３０が接合されている。ゴルフクラブヘッド１Ａは、ボディ部２０Ａにフェース部１０Ａ及びクラウン部３０が接合されて一体化された中空構造体である。ゴルフクラブヘッド１Ａは、体積が４００ｃｃ以上４６０ｃｃ以下である。

フェース部１０Ａは、打撃面となるフェース面１０ｆを備えた部分である。なお、フェース部１０Ａは所定の厚みを有しており、フェース面１０ｆはフェース部１０Ａの外面をなしている。フェース部１０Ａ及びボディ部２０Ａは、例えば、金属製である。フェース部１０Ａ、ボディ部２０Ａ、クラウン部３０は、例えば、チタン、チタン合金、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄系金属、マグネシウム、マグネシウム合金等を用いて形成できる。フェース部１０Ａは、繊維強化樹脂を用いて形成してもよい。また、クラウン部３０は、繊維強化樹脂を用いて形成してもよい。

ボディ部２０Ａは、ソール部２２を備えている。ボディ部２０Ａは、さらにホゼル収容部２３を備えてもよい。ソール部２２は、ゴルフクラブヘッド１Ａの底部を形成する部分である。ホゼル収容部２３は、シャフトと連結されるホゼルが収容される部分である。クラウン部３０は、ゴルフクラブヘッド１Ａの上部を形成する部分である。

ゴルフクラブヘッド１Ａは、ゴルフクラブヘッド１と同様に、ソール部２２の内面側に、重り部材７０を備えている。重り部材７０は、第１重り部材７１及び第２重り部材７２を含み、第１重り部材７１は、ゴルフクラブヘッド１Ａの重心Ｇの直下に配置される。ゴルフクラブヘッド１と同様に、重り部材７０は、ゴルフクラブヘッド１Ａの外部から視認することはできない。

第１重り部材７１及び第２重り部材７２の比重や材料は、例えば、ゴルフクラブヘッド１と同様とすることができる。第１重り部材７１は、例えば、１０ｇ以上３０ｇ以下である。第１重り部材７１は、好ましくは１２ｇ以上２８ｇ以下であり、より好ましくは１４ｇ以上２６ｇ以下である。第２重り部材７２は、例えば、２ｇ以上１０ｇ以下である。第２重り部材７２は、好ましくは２．５ｇ以上９．５ｇ以下であり、より好ましくは３ｇ以上９ｇ以下である。第１重り部材７１及び第２重り部材７２がゴルフクラブヘッド１よりも軽いのは、ボディ部２０Ａがボディ部２０よりも重く余剰重量が少ないため、ゴルフクラブヘッド１Ａ全体の重量が重くなり過ぎないようにするためである。

ゴルフクラブヘッド１Ａは、ソール部２２の外面側から内面側に突起する凸部２２ｘを備えている。凸部２２ｘは、第１重り部材７１及び第２重り部材７２を締結するための凸部である。重り部材７０は、締結部４０により、凸部２２ｘに締結されている。また、図１０に示すように、ソール部２２は、第２重り部材７２が配置される溝部２２ｙを有していることが好ましい。これにより、第２重り部材７２を位置決めできると共に、打撃時に第２重り部材７２が移動することを抑制できる。

図１１は、重り部材７０の締結方法の一例を示す図である。図１１（ａ）は、ゴルフクラブヘッド１Ａを図４と同様に水平面Ｈに基準のライ角及び基準のロフト角通りに接地した場合において、ゴルフクラブヘッド１Ａの重心Ｇを通り、かつ水平面Ｈに垂直で、かつフェース－バック方向を向く平面で切断した断面を示している。図１１（ｂ）は、重り部材７０をソール部２２側から視た図である。図１１（ｃ）は、図１１（ａ）の分解図である。

図１１に示すように、第２重り部材７２の底面に、第１重り部材７１の受け部７１ｘ側に窪む凹部７２ｘが形成されている。凹部７２ｘは、例えば、ソール部２２側から視て円形である。また、凹部７２ｘの中央部には貫通孔７２ｙが形成されている。貫通孔７２ｙは、例えば、ソール部２２側から視て、凹部７２ｘよりも小径の円形である。また、受け部７１ｘの中央部には、貫通孔７２ｙと連通する雌ねじ部７１ｙが形成されている。

締結部４０は、例えば、頭部４１と、円筒部４２と、雄ねじ部４３とを備えている。円筒部４２及び雄ねじ部４３は、頭部４１の一方側に頭部４１と同心的に設けられている。頭部４１は、例えば、ソール部２２側から視て円形である。円筒部４２及び雄ねじ部４３は、例えば、クラウン部３０側から視て、頭部４１よりも小径の円形である。

頭部４１には、例えば、十字形や六角形の溝が設けられている。頭部４１は、ソール部２２の外面からは突起しない。頭部４１、円筒部４２、及び雄ねじ部４３の材料としては、例えば、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、タングステン、タングステン合金、ステンレス、鉄系金属等の金属部材を用いることができる。

重り部材７０を凸部２２ｘに締結するためには、まず、凸部２２ｘに第２重り部材７２の凹部７２ｘをはめ込み、さらに第２重り部材７２を第１重り部材７１の受け部７１ｘにはめ込む。そして、貫通孔７２ｙに締結部４０の雄ねじ部４３側を配置し、頭部４１の溝にプラスドライバや六角レンチ等の先端部を挿入して締結部４０を回転させることで、締結部４０の雄ねじ部４３を第１重り部材７１の雌ねじ部７１ｙに螺合することができる。これにより、重り部材７０は、締結部４０により、凸部２２ｘに締結される。なお、締結部４０の雄ねじ部４３と第１重り部材７１の雌ねじ部７１ｙを接着してもよい。これにより、重り部材７０の取り付け強度を向上することができる。

このように、第１重り部材７１及び第２重り部材７２は、異なる締結方法で凸部２２ｘに締結される。すなわち、第１重り部材７１は、ねじ止めで、ソール部２２の凸部２２ｘに締結することができる。又、第２重り部材７２は、第１重り部材７１の受け部７１ｘへのはめ込みと、ねじ止めで凸部２２ｘに締結することができる。

このように、ゴルフクラブヘッド１Ａは、ソール部２２の内面側に重り部材７０を備えている。そして、重り部材７０は、重心Ｇの直下に配置される第１重り部材７１、及び第１重り部材７１からトウ－ヒール方向に延びる第２重り部材７２を含む。これにより、ゴルフクラブヘッド１の場合と同様に、使用者にゴルフクラブヘッド１Ａが振りやすいと感じさせることができる。また、使用者に、ゴルフクラブヘッド１Ａをコントロールしやすいと感じさせることができる。

また、ゴルフクラブヘッド１の場合と同様に、ソール部２２の内面側に、第１重り部材７１に加え、第１重り部材７１からトウ－ヒール方向に延びる第２重り部材７２を配置することで、第２重り部材７２がリブとしての役割を果たすため、打音が安定すると共に、ゴルフクラブヘッド１Ａの強度を向上することができる。

以上、好ましい実施形態について詳説したが、上述した実施形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。

１，１Ａ ゴルフクラブヘッド
１０，１０Ａ フェース部
１０ｆ フェース面
２０，２０Ａ ボディ部
２１，３０ クラウン部
２２ ソール部
２２ｘ 凸部
２２ｙ 溝部
２３ ホゼル収容部
４０ 締結部
４１ 頭部
４２ 円筒部
４３ 雄ねじ部
７０ 重り部材
７１ 第１重り部材
７１ｘ 受け部
７１ｙ 雌ねじ部
７２ 第２重り部材
７２ｘ 凹部
７２ｙ 貫通孔
２２１，２２２ 繊維強化樹脂シート

Claims (11)

1. 体積が４００ｃｃ以上４６０ｃｃ以下であるゴルフクラブヘッドであって、
   打撃面となるフェース面を備えたフェース部、及びカーボンで形成されたボディ部を備え、
   前記ボディ部は、ソール部及びクラウン部を備え、
   前記ソール部の内面側に、重り部材を備え、
   前記重り部材は、前記ゴルフクラブヘッドの重心の直下に配置される第１重り部材、及び前記第１重り部材からトウ－ヒール方向に延びる第２重り部材を含む、ゴルフクラブヘッド。
2. 前記第１重り部材の底面に、凹形状の受け部が形成されており、
   前記第２重り部材は、前記受け部にはめ込まれることで、前記第１重り部材と一体となって配置される、請求項１に記載のゴルフクラブヘッド。
3. 前記ボディ部は、カーボン繊維強化樹脂シートを積層することで構成されており、
   前記第１重り部材及び前記第２重り部材は、前記カーボン繊維強化樹脂シートの層間に埋設される、請求項１に記載のゴルフクラブヘッド。
4. 前記第１重り部材は、２０ｇ以上５０ｇ以下であり、
   前記第２重り部材は、５ｇ以上１０ｇ以下である、請求項１に記載のゴルフクラブヘッド。
5. 体積が４００ｃｃ以上４６０ｃｃ以下であるゴルフクラブヘッドであって、
   打撃面となるフェース面を備えたフェース部、及び金属製のボディ部を備え、
   前記ボディ部は、ソール部を備え、
   前記ソール部の内面側に、重り部材を備え、
   前記重り部材は、前記ゴルフクラブヘッドの重心の直下に配置される第１重り部材、及び前記第１重り部材からトウ－ヒール方向に延びる第２重り部材を含む、ゴルフクラブヘッド。
6. 前記ソール部の外面側から内面側に突起し、前記第１重り部材及び前記第２重り部材を締結するための凸部を有し、
   前記第１重り部材は、第１の締結方法で前記凸部に締結され、
   前記第２重り部材は、第２の締結方法で前記凸部に締結される、請求項５に記載のゴルフクラブヘッド。
7. 前記第１重り部材は、１４ｇ以上２６ｇ以下であり、
   前記第２重り部材は、３ｇ以上９ｇ以下である、請求項５に記載のゴルフクラブヘッド。
8. 前記第１重り部材は、円錐台形状であり、底面が前記ソール部の内面側を向くように配置される、請求項１乃至７の何れか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
9. 前記第２重り部材は、前記ソール部の内面に沿って配置され、
   平面視で、前記第２重り部材は、三日月形状である、請求項１乃至７の何れか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
10. 平面視で、前記第２重り部材は、トウ－ヒール方向の長さが４０ｍｍ以上９５ｍｍ以下である、請求項９に記載のゴルフクラブヘッド。
11. 前記第１重り部材の比重は、８以上１４以下であり、
    前記第２重り部材の比重は、前記第１重り部材の比重より小さく、かつ、前記ボディ部の比重より大きい、請求項１乃至７の何れか一項に記載のゴルフクラブヘッド。

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