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JP2006167163A - ゴルフクラブ - Google Patents

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JP2006167163A
JP2006167163A JP2004363928A JP2004363928A JP2006167163A JP 2006167163 A JP2006167163 A JP 2006167163A JP 2004363928 A JP2004363928 A JP 2004363928A JP 2004363928 A JP2004363928 A JP 2004363928A JP 2006167163 A JP2006167163 A JP 2006167163A
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Harunobu Kusumoto
晴信 楠本
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Daiwa Seiko Co Ltd
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Abstract

【課題】アドレスからインパクトするまでのスイングプレーンの安定化が図れ、インパクト時に安定した打球が得られるゴルフクラブを提供する。
【解決手段】本発明のゴルフクラブは、クラウン部7a、ソール部7b、バック部、トウ部7d、ヒール部7e、及びボールを打球するフェース部7fを具備した中空外殻構造のヘッド7と、ヘッド7に対して所定のライ角で装着されるシャフトとを有する。そして、ソール部7bに沿ってヒール側からヘッド中央近傍部に亘って設けられると共に、ヘッド中央近傍部からソール部7bと離間し、トウ側に向けて上昇する重量部15を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図8

Description

本発明は、ゴルフクラブに関し、詳細には、中空構造のヘッドを有し、主としてフェアウェイで使用可能なウッド型のユーティリティーを含むゴルフクラブに関する。
従来、ゴルフクラブのヘッドの内部に重量体を配置して、打球の方向性や飛距離を向上させたゴルフクラブが知られている。例えば、特許文献1には、中空構造のアイアンヘッドを備えたゴルフクラブが開示されており、ヘッドの内部のソール部上に、ヒール側からフェース部材に沿って配設される横長な平板状の重錘を設けたゴルフクラブが開示されている。また、例えば、特許文献2には、中空構造のヘッド内のソール内面上のフェース近傍にトウ側からヒール側に亘ってウェイトを固着したゴルフクラブが開示されている。
特開平6−296716号 特開平11−319166号
通常、打球時におけるゴルファーの一連のスイングは、図1に示すように、アドレスからバックスイングに入り、トップ位置に至ってダウンスイングに移り、ボールをインパクトした後、フォロースルー及びフィニッシュとなる。そして、この一連のスイング過程において、バックスイングしてボールをインパクトするに至るまでのヘッドの軌跡、いわゆるスイングプレーンを安定化させることにより、打球時に所定の位置(スイートスポット)でボールを捕らえることが容易になると考えられる。換言すれば、ダウンスイング中に移行してからインパクトするまでのスイングプレーンが安定していないと、所定の位置でボールが捕らえ難くなってしまう。
このスイングプレーンは、一般的に、図2に示すように、ゴルファーの側面から見た状態で、アドレス時にゴルフクラブをライ角αに合わせてセットした際のシャフトの軸線Sと、ゴルファーの首の付け根部分とボールを結ぶ軸線S´の範囲内にあることが、良いスイングプレーンであるといわれている。すなわち、軸線Sと軸線S´の範囲内にスイングプレーンがあるようにスイングすることで、理想的なスイング軌道となり、スイートスポットで安定したインパクトを実現することが容易になる。
ところで、ボールをインパクトするに至るまでのスイング中に、不自然な力が作用すると、スイングプレーンが安定しないという問題がある。この不自然な力は、主にシャフトの先端に装着されたヘッドに作用する遠心力によってもたらされるのであり、このことからヘッドにおける重量バランスは、スイングプレーンを安定化させる上では、重要な要素であると考えられる。
上記した特許文献1及び特許文献2に開示されているゴルフクラブのヘッドは、図3(a)に模式的に示すように、ヘッドに取り付けられている重量体M1が水平方向(ここでの水平方向は、ゴルフクラブのヘッドをライ角に沿ってアドレスした際の基準となる水平面Pに沿った方向である)でトウ・ヒール方向に広がっており、このようなゴルフクラブを実際にスイングすると、ダウンスイングしてからインパクトに至るまでに、ヘッドの先端側が引っ張られるような感覚となる。すなわち、ヘッドの先端側が引っ張られることで、安定したスイングプレーンを実現するのには妨げとなっている。
これを具体的に説明すると、ダウンスイングを行なっている最中に、ヘッド部分に加わる遠心力(上記した重量配分によって生じる遠心力)を考慮した場合、図3(a)に示すように、トウ側に移行するほど、その力が大きくなる傾向となる。これを簡略化して説明すると、上記した重量配分において、トウ側の位置P1に作用する遠心力をF1、中央の位置P2に作用する遠心力をF2、ヒール側の位置P3に作用する遠心力をF3とすると、F1>F2>F3となる。これは、ヘッドに作用する遠心力は、ヘッドが近似的に遠心軌道を描くと仮定して、その角速度をω、各位置における重量をmとすると、F=mrω2 によって定義される(rは、遠心軌道の中心軸であるスイング軸からシャフト方向に沿って重量が存在する位置までの距離)。
上記した重量配分において、重量が均一にトウ・ヒール方向に配分されていることを考慮すると、各位置で作用する重量および角速度は同一であるが、水平方向に配分された重量体では、スイング軸からシャフト方向に沿って夫々の重量成分が存在する位置までの距離r1,r2,r3は夫々異なってしまう(r1>r2>r3)。すなわち、距離の相違によって、上記した式から、各部において、重量体M1によって生じる力は、上記したようにF1>F2>F3となってしまう(図3(a)において各位置に作用する遠心力をベクトルで示しており、ヘッドの各位置での略シャフト方向に沿って作用する遠心力はトウ側の方が大きい)。
そして、このようにヘッドの各位置において相違する遠心力(トウ側が大きい)は、その相違する分が、ダウンスイング中に、理想のスイングプレーンから外すように作用するようになる。すなわち、相違する分のシャフト方向に沿った遠心力の垂直方向Xの分力は、図3(a)の矢印D1で示す方向にヘッドを引っ張ろうとするため、シャフトのグリップ部分には、矢印D1´方向の力が作用して、安定したスイングプレーンを妨げる要素となる。また、水平方向Yの分力は、図4の矢印D2で示す方向にヘッドを引っ張ろうとするため、これも安定したスイングプレーンを妨げる要素となってしまう。
そして、この水平方向Yの分力は、インパクト時において、ターゲットラインTに対してヘッドをインサイドアウトスイングS2にする傾向が強くなり、安定したインパクトをする上で妨げとなってしまう(理想的には、ターゲットラインTに沿ったインサイドインスイングS1でインパクトできれば良いが、逆に、ヒール側に作用する力が大きくなりすぎると、アウトサイドインスイングS3にする傾向が強くなって、これも安定したインパクトをする上では妨げとなってしまう)。
以上のように、ヘッドに、基準水平面Pに沿ってトウ・ヒール方向に延出する重量集中体があると、ゴルファーは、ダウンスイング中に、その水平方向に延在する重量配分による遠心力の変化を感じ取ってしまうようになる。この場合、上級者のレベルであれば、意識的に、或いは無意識に手首等を操作してスイングプレーンを安定化させる技術を持ち合わせているが、そのような技術を持ち合わせていないゴルファーでは、その力の変化によって生じる不安定なスイングプレーンで打球したり、或いは、スイングプレーンを安定化する操作が充分にしきれないまま打球を行なっている。
また、上記したような重量体を設けていない一般的なゴルフクラブヘッドであっても、通常、フェアウェイウッドタイプのヘッドのソール部分は、他の外殻部材と比較すると、厚肉で水平方向に沿って形成されていることから、その重量配分は、図3(a)の重量体M1に示すように、水平方向に沿ってトウ・ヒール方向に広がった状態となっており、ダウンスイング時に、安定したスイングプレーンを妨げる要因となっている。
以上の説明から、インパクトに至るまでのスイングにおいて、ヘッドには、極力、図3(a)に示すような矢印D1方向の力、及び図4に示すような矢印D2方向の力が発生しないように構成することで、安定したスイングプレーンが維持できるものと考えられる。
本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、アドレスからインパクトするまでのスイングプレーンの安定化が図れ、インパクト時に安定した打球が得られるゴルフクラブを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係るゴルフクラブは、クラウン部、ソール部、バック部、トウ部、ヒール部、及びボールを打球するフェース部を具備した中空外殻構造のヘッドと、前記ヘッドに対して所定のライ角で装着されるシャフトとを有しており、前記ソール部に沿ってヒール側からヘッド中央近傍部に亘って設けられると共に、前記ヘッド中央近傍部からソール部と離間しトウ側に向けて上昇する重量部を設けたことを特徴とする。
上記したような構造を備えたヘッドを有するゴルフクラブによれば、中空構造のヘッド内部において、重量が集中する部分となる重量部が、ソール部に沿ってヒール側からヘッド中央近傍部に亘って設けられると共に、ヘッド中央近傍部からソール部と離間しトウ側に向けて上昇するように設けられている。このため、スイング軸からシャフト方向に沿って重量が存在する位置までの距離を、トウ側とヒール側で可及的に略等しいか等しくなる傾向に設定することが可能となる(ヘッド中央領域では、トウ側とヒール側に比べて距離が長くなる)。すなわち、図3(b)に示すように、ダウンスイングを行なっている最中に、ヘッド部分に加わる遠心力は、位置P1におけるトウ側F1、位置P3におけるヒール側F3を略同じような大きさ又はその傾向にすることが可能となる。このように、ヘッドの両端側(トウ部領域、及びヒール部領域)で作用する遠心力が相対的に安定することから、ダウンスイング中に、ヘッドの先端側に、図3(a)や図4に示したような不自然な力(D1,D2方向の力)が作用することを防止でき、ダウンスイングからインパクトに至るまでに、安定したスイングプレーンで打球することが可能となる。そして、このように安定したスイングプレーンで打球することができることから、ヘッドのスイートスポットでボールを捕らえ易くなり、打球の方向性が安定すると共に、飛距離の向上が図れるようになる。
また、重量部は、ソール部に沿ってヒール側からヘッドの中央近傍部に亘って設けられていることから、従来のように低重心化を図ることができると共に、ヘッドの中央部分に作用する遠心力F2が大きいことから、ダウンスイング中にその部分を感知しやすくなって、ヘッドのスイートスポットでボールを捕らえ易くなり、打球の方向性が安定すると共に、飛距離の向上が図れるようになる。
本発明によれば、アドレスからインパクトするまでのスイングプレーンの安定化が図れ、インパクト時に安定した打球が得られるゴルフクラブが得られるようになる。
以下、本発明に係るゴルフクラブの実施形態について説明する。
図5から図11は、本発明に係るゴルフクラブの第1の実施形態を示す図であり、図5は、ゴルフクラブの正面図、図6は、ヘッド部分の拡大図、図7は、ヘッド部分の平面図、図8は、図7のA−A線に沿った断面図、図9(a)は、図8のB−B線に沿った断面図、図9(b)は、図8のC−C線に沿った断面図、図9(c)は、図8のD−D線に沿った断面図、図10は、ヘッドのクラウン部を外した状態を示す平面図、そして、図11は、ヘッドをソール部側から見た図である。
本実施形態に係るゴルフクラブ1は、シャフト5の先端に、クラウン部7a、ソール部7b、バック部7c、トウ部7d、ヒール部7e及びボールを打球するフェース部7fを備えた中空外殻構造のヘッド7を止着して構成されている。この場合、ヘッド7は、前記ライ角αを規定する基準水平面Pの高さHより、フェース部7fからバック部7cまでの幅Wが大きく形成された、いわゆるフェアウェイで使用可能な中空構造に構成されている。具体的には、ヘッド7の体積は60〜200cm3 好ましくは80〜180cm3 に設定されており、ヘッドの質量は200〜230g、ロフト角は12〜27°の範囲に設定されている。なお、ヘッド7は、中空外殻構造として構成されているが、ここでの中空外殻構造には、その内部に樹脂等が充填されているものも含まれる。
また、本実施形態のヘッド7は、クラウン部7a以外は、例えば、ステンレス、ステンレス合金、チタン、チタン合金等を鋳造することで一体成形されており、クラウン部7aの領域に開口7gが形成され、ここにクラウン部材8が溶着、接着、圧入等によって固定されている。この場合、クラウン部材8は、繊維強化樹脂材料、低比重金属等によって構成することができ、これによりフェース部7fにおける反発を高めたり、ヘッドとして低重心化することが可能となる。もちろん、ヘッド7は、上記した各外殻部材を個別に形成しておき、夫々を溶着、接着等によって固定しても良いし、外殻部材を構成する上記した各部をフレーム状に構成しておき、そこに他の素材(FRP、FRM等)で成形された部材を止着することで構成されていても良い。
また、前記ヘッド7のクラウン部7a及びヒール部7eには、上方に向けて突出し、ヘッド内部に向けて延出するシャフト止着孔9aを有するシャフト止着部9が形成されており、ここに金属やFRPで構成されたシャフト5が装着、固定されている。この場合、ヘッド7を基準水平面Pに対して設置した際、シャフト5(シャフトの軸線SX)と基準水平面Pが所定の角度(ライ角α)を規定している。
前記フェース部7fには、トウ・ヒール方向に沿って多数のスコアライン11が形成されている。この場合、スコアライン11の形成領域Rの中央線SC上に、ヘッド7のスイートスポットSS(ヘッド内重心位置よりフェース面に対し垂直に下ろした点であり、打球時に置いて、ボールに対し最も効率良くエネルギーを伝達させ得るフェース面上の位置)が位置するように設計することが好ましい。
上記したソール部7bには、ソール部に沿ってヒール側からヘッド中央近傍部に亘って設けられると共に、その中央近傍部からソール部と離間し、トウ側に向けて次第に上昇する重量部(ヘッド7と別体で固定される重量体)15が一体的に設けられている。この重量部15は、その周辺部よりも大きな質量を集中させた部分であって、本実施形態では、図9に示すように、バック部7cの内面PB、及びフェース部7fの内面PFとは離間した位置(フェース−バック方向においてヘッドの中央領域の位置)に、トウ・ヒール方向に沿って配設されている。
また、本実施形態の重量部15は、ヒール側からヘッドの中央近傍部については、部分的にソール部7bを厚肉化することで構成されており(厚肉部を符号15bで示す;Tc>Tb)、かつ、その中央近傍部からトウ側に向けて、ヘッド7のライ角αを規定する基準水平面Pに対し所定角度θで上昇するように、別体としての略矩形の重量部材15aを取着することで構成されている。
この場合、重量部15の上昇位置となるヘッドの中央近傍部は、図8に示すように、前記中央線SC上であっても良いし、後述する図18に示すように、多少トウ側にシフトしていたり、或いはヒール側にシフトしていても良い。
前記重量部材15aについては、ヘッド7と同一の材料で構成しても良いが、それよりも比重の大きい材料、例えば、タングステン合金等で構成するのが好ましく、その両端部は、前記ソール部7bにおける厚肉部15bと薄肉部分との境界領域15d、及び前記クラウン部7aにおける開口7gの縁部に対して溶接により固定されている。
上記したようなヘッド7を装着したゴルフクラブによれば、重量部15が、トウ・ヒール方向でヘッド7のライ角αを規定する基準水平面Pに沿って配置されるのではなく、ソール部7bに沿ってヒール側からヘッドの中央部近傍に亘って設けられると共に、ヘッドの中央部近傍からトウ側に向けて上昇するように設けられている。このため、スイング軸からシャフト方向に沿って、重量が存在する位置までの距離を、トウ側とヒール側で可及的に略等しいか等しくなる傾向に設定することが可能となる(ヘッドの中央部では、トウ側とヒール側に比べて距離が長くなる)。
すなわち、図3(b)に示すように、ダウンスイングを行なっている最中のヘッド部分に加わる遠心力に関し、図3(a)に示す構成とは異なって、位置P1におけるトウ側F1、位置P3におけるヒール側F3を略同じような大きさ又はその傾向にすることが可能となり、位置P2における中央部F2を、F1,F3よりも大きく設定することが可能となる。換言すれば、位置P2を中心にしてヘッドの両端側(トウ側、及びヒール側)で作用する遠心力が相対的に安定化することから、ダウンスイング中に、ヘッドの先端側に、図3(a)や図4に示したような不自然な力(D1,D2方向の力)が作用することを防止でき、ダウンスイング時において、ヘッド重量の割には、相対的にスイングプレーンを安定化することが可能となる。この結果、安定したスイングプレーンで打球することができるため、ヘッドのスイートスポットでボールを捕らえ易くなり、打球の方向性が安定すると共に、飛距離の向上が図れるようになる。
また、上述したように、本実施形態のヘッド7は、フェアウェイで使用可能となるように、ヘッドの高さHが小さく構成されており、重量部15もバック部7cの裏面PBからフェース部7g側に離間した位置に設けられていることから、重心Gを前方にシフトさせることができ、スイートスポット(SS)位置が高くなることが防止できる。また、重量部15は、ヒール側から中心部近傍に亘る領域では、ソール部7bに配置されることから、低重心化が図れ、これによって、振り抜き性が向上すると共に、打球を高弾道にして飛距離の向上が図れるようになる。
さらに、本実施形態では、重量部15は、フェース部7fの裏面PFからもバック側に離間して配設されていることから、打球時にフェース部7fをたわみ易くすることが可能となり、これによって飛距離を向上することが可能となる。
上記した構成では、重量部15の重量部材15aの肉厚Taは、5.0mm、好ましくは2.5〜6.0mmの範囲に設定され、厚肉部15bの肉厚Tbは、5.0mm、好ましくは2.5〜6.0mmの範囲に設定され、ソール部7bにおける厚肉部15bが形成されていない領域の肉厚Tcは、1.5mm、好ましくは0.8〜2.5mmの範囲に設定される。
この場合、各肉厚については、ロフト角、ヘッド7の体積等によって種々変形することが可能であるが、Ta>Tc、好ましくはTa>Tc×2に設定しておくのが良い。すなわち、このような肉厚関係によれば、重量部15の重量部材15aの重量感を感じることが可能となる。また、上記した肉厚TbとTcに関しては、Tb>Tc、好ましくはTb>Tc×2に設定しておくのが良い。すなわち、このような肉厚関係によれば、ソール部7bの厚肉部15bの重量感を感じることが可能となる。
また、上記した構成では、前記重量部材15aのソール部7b側における固定領域(ヘッドの中央部近傍領域)では、溶着するに当たり、例えば、溶接部材(溶接ビード)16を肉盛りして重量集中部を形成しておくことが好ましい(重量集中部16を形成する)。すなわち、このような中央領域に重量が集中する部分を設けておくことで、上記した図3(b)に示すように、ダウンスイングを行なっている最中のヘッド部分に加わる遠心力に関し、位置P2における遠心力F2をより大きくすることが可能となる。このため、スイートスポット位置付近における重量を感知させ易くなると共に、ダウンスイングした際、ヘッドを理想的なスイングプレーン方向に順行させ易くなり、結果的に理想的な打点位置であるスイートスポットSSで打球させ易くなる。
また、上記した構成において、重量部15の重量部材15aが上昇する方向性については、ゴルフクラブを、そのクラブのライ角通りに設置した際、基準水平面Pに対して傾斜角度θが5°〜45°の範囲、好ましくは10°〜30°の範囲に設定されているのが良い。すなわち、傾斜角度θが5°よりも小さいと、図3(a)に示した現象から、スイングプレーンが安定しない傾向が強くなり、また、傾斜角度θが45°よりも大きくなると、トウ側においてヘッドの高い位置に重量集中部が構成され、重心が高くなり過ぎて、打球時にヘッドが上下方向にぶれ易くなって飛距離が得られ難くなってしまう。また、45°よりも大きいと、重量集中部16がトウ・ヒール部に向けて充分な長さが確保できなくなってしまい、スイングプレーンを安定させ難くなってしまう。
さらに、上記したように構成されるヘッドでは、重量部15及び重量集中部16の総重量は、ヘッド全体の重量(シャフト10を取り外した際のヘッド1の全体重量)の8.0〜80.0%を占めるように形成するのが好ましい。すなわち、このような範囲に設定するのは、8.0%よりも少ない比率で構成すると、スイング時においてソール部分の重量による水平方向の重量配分による影響が大きくなって、上記したスイングプレーンの安定化の効果が充分に発揮できなくなるからであり、80.0%よりも大きい比率で構成すると、ヘッド7の重心位置への影響が大きくなり過ぎて、スイートスポットが高くなり過ぎるからである。
図12及び図13は、本発明の第2の実施形態を示す図であり、図12は、ヘッドのシャフト部分におけるトウ・ヒール方向に沿った断面図、図13は、ヘッドをソール部側から見た図である。
本実施形態では、ソール部7bの中央領域に、略矩形の開口7hを形成してあり、この開口部に略L字状に一体形成された重量部(重量部材)25を嵌め込んで、その周囲を溶着等によって固定している。重量部材25の形状は、上記した実施形態における重量部15と同様に構成されており、その中央近傍部には、フェースのスイートスポット位置付近を感知し易いように厚肉状に構成された重量集中部26が一体形成されている。
重量部材25は、例えば、比重9〜18.0程度の比較的比重が重い材料(タングステン合金等)によって一体形成されており、ソール側では、その下面を外部に露出させて、より低重心化が図れるように構成されている。
また、上記した重量部材25は、その傾斜部における肉厚をTa´、ソール部の開口7hから露出する部分における肉厚をTb´、重量部材25が配置されない部分における肉厚をTc´とした場合、Ta´≧Tc´、好ましくはTa´>Tc´に設定しておくのが良い。そして、ソール部における関係は、Tb´≧Tc´、好ましくはTb´>Tc´に設定しておくのが良い。すなわち、このような肉厚関係によれば、重量部材25の重量感を感知し易くなる。さらに、重量部材25における肉厚については、Ta´=Tb´に設定しておくことが好ましい。すなわち、このような肉厚関係によれば、トウ側、ヒール側のスイング中の遠心力がバランス良くなり、ヘッド軌道が案内するようになる。
このような実施形態においても、上記した実施形態と同様な効果が得られると共に、材料の選択によって、より低重心化が図れるようになる。
図14及び図15は、本発明の第3の実施形態を示す図であり、図14は、ヘッドのシャフト部分におけるトウ・ヒール方向に沿った断面図、図15は、ヘッドをソール部側から見た図である。
本実施形態では、ソール部7bの中央領域に、略矩形の開口7hを形成してあり、この開口部に、ソール部7bと同一の肉厚を有する外殻形成部35aと、これに一体的に取着される略L字状の重量集中部35bとを有する接合部材(重量部)35を嵌め込んで、その周囲を溶着等によって固定している。この場合、重量集中部35bは、外殻形成部35aと共に一体形成されていても良いし、比重の異なる部材を接着、溶着等によって固定しておいても良い。
また、重量集中部35bの先端は、本実施形態では、ヘッドの内部空間で終端させており、クラウン部7aやトウ部7dの内面に固定しないように構成されている。このような重量集中部35bの構成によれば、重量集中部がヘッドの高い位置に無いので、低重心化がし易くなる。
図16及び図17は、本発明の第4の実施形態を示す図であり、図16は、ヘッドのシャフト部分におけるトウ・ヒール方向に沿った断面図、図17は、ヘッドをフェース部側から見た図である。
本実施形態では、重量部45は、ヘッドの外殻部材を厚肉化することで一体形成されており、上昇した部分の先端部をトウ部7dの内面に固定している。すなわち、重量部の先端をクラウン部7aに固定する構成と比較すると、その先端位置が下がることから、低重心化することが可能となる。また、本実施形態のヘッド7は、クラウン部7aの端部位置PCよりも、ソール部7bの端部位置PSを外方に突出させており、これにより慣性モーメントを増大させることが可能となる。すなわち、上述した各実施形態の構成では、重量部15,25,35を配置することで、一般的な従来のヘッド構造と比較すると、低重心化と慣性モーメントが小さくなる傾向にあるが、本実施形態のように構成することで、ソール部7bのトウ側領域は肉厚が薄く設定されているにも拘らず、低重心化を図ることができ、かつ慣性モーメントを拡大することが可能となる。
なお、本実施形態における重量部45は、上述した各実施形態の重量部15,25,35のようにして、ヘッドに配設することが可能である。
図18は、本発明の第5の実施形態を示す図であり、ヘッドのシャフト部分におけるトウ・ヒール方向に沿った断面図である。
本実施形態では、上述した第1の実施形態の重量部15における重量集中部16を、スコアライン11の形成領域Rの中央線SCからトウ側にシフトさせている。具体的には、ヘッドの正面視において、スイートスポットSSを通り、シャフトの軸線SXと平行な直線SX´が通る位置に、重量集中部16を配設している。
このような構成によれば、ダウンスイング時に、スイートスポットSS位置をより感知させ易くなり、より打点が安定するようになる。すなわち、ヘッドのスイートスポットSS位置を通る中央部に作用する遠心力が大きくなり、かつ、この中央部を中心として、トウ側及びヒール側に作用する遠心力のバランスが取れるため、スイングプレーンが安定してスイートスポット近傍における重量が感知し易くなって、より打点が安定するようになる。また、直線SX´は、スイートスポットSSを通り、図2の軸線S´に平行な範囲にするのが良い。このように設定することで、理想的なスイング軌道となり易い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、中空外殻構造のヘッド7に、ソール部7bに沿ってヒール側からヘッド中央近傍部(図18に示す位置を含む)に亘って設けられると共に、ヘッド中央近傍部からソール部7bと離間し、トウ側に向けて上昇する重量部が設けられていれば良く、ヘッドの全体的な形状、材質、形成方法等については、種々変形することが可能である。
この場合、各実施形態における重量部は、ヘッドを構成する外殻部材(例えば、ソール部7b)と共に、鋳造等によって一体形成したものであっても良い。また、重量部は、上記したような方向性を持って、ソール部のヘッド中央近傍部から上方(クラウン部やトウ部)に向けて延出していれば良く、湾曲状に構成されたものであっても良い。また、重量部は、周辺に比べて最も重量が集中している方が効果的であり、フェースの肉厚よりも、肉厚が厚いのが好ましい。
さらに、本発明に係るゴルフクラブでは、ヘッドの内部に、上記したような基準水平面Pに対してトウ側に向けて上昇するような重量部を配置する以外にも、更に別の重量部を配置したものであっても良い。例えば、ヘッドのセンター領域(好ましくは重心を通る領域)において、クラウン部からバック部を介してソール部に至るような重量部を別途、配置しておくことが好ましい。このような構成によれば、ヘッドの中空部の中央領域の上下方向に沿って感知可能な重量体が並ぶことから、ダウンスイング時において順行性の向上が図れ、上記した効果と相俟ってさらにスイングを安定化することが可能となる。また、ヘッドの内部のいずれかの位置に、重心位置を調整するための重量体を配置しても良い。
ゴルファーのスイング軌道を説明する模式図。 図1のスイング軌道を正面から見た図。 ゴルフクラブをダウンスイングした際にヘッド部分に作用する遠心力を概略的に示す正面図であり、(a)は、従来のゴルフクラブを示す図、(b)は、本発明に係るゴルフクラブを示す図。 インパクト時におけるヘッドの動きを示す平面図。 本発明に係るゴルフクラブの第1の実施形態を示す図であり、ゴルフクラブの正面図。 ヘッド部分の拡大図。 ヘッド部分の平面図。 図7のA−A線に沿った断面図。 (a)は、図8のB−B線に沿った断面図、(b)は、図8のC−C線に沿った断面図、(c)は、図8のD−D線に沿った断面図。 ヘッドのクラウン部を外した状態を示す平面図。 ヘッドをソール部側から見た図。 本発明の第2の実施形態を示す図であり、ヘッドのシャフト部分におけるトウ・ヒール方向に沿った断面図。 ヘッドをソール部側から見た図。 本発明の第3の実施形態を示す図であり、ヘッドのシャフト部分におけるトウ・ヒール方向に沿った断面図。 ヘッドをソール部側から見た図。 本発明の第4の実施形態を示す図であり、ヘッドのシャフト部分におけるトウ・ヒール方向に沿った断面図。 ヘッドをフェース部側から見た図。 本発明の第5の実施形態を示す図であり、ヘッドのシャフト部分におけるトウ・ヒール方向に沿った断面図。
符号の説明
1 ゴルフクラブ
5 シャフト
7 ヘッド
7a クラウン部
7b ソール部
7c バック部
7d トウ部
7e ヒール部
15,25,35,45 重量部
16 重量集中部
P 基準水平面
SX シャフトの軸線

Claims (4)

  1. クラウン部、ソール部、バック部、トウ部、ヒール部、及びボールを打球するフェース部を具備した中空外殻構造のヘッドと、前記ヘッドに対して所定のライ角で装着されるシャフトとを有するゴルフクラブにおいて、
    前記ソール部に沿ってヒール側からヘッド中央近傍部に亘って設けられると共に、前記ヘッド中央近傍部からソール部と離間しトウ側に向けて上昇する重量部を設けたことを特徴とするゴルフクラブ。
  2. 前記ヘッドは、前記ライ角を規定する基準水平面の高さより、フェース部からバック部までの幅が大きく形成され、前記重量部は、フェース部と対向するバック部裏面から離間して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ。
  3. 前記重量部は、フェース部裏面から離間した位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフクラブ。
  4. 前記重量部は、ヘッド中央近傍部に、重量が集中する重量集中部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
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