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JP7423987B2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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JP7423987B2 JP2019202065A JP2019202065A JP7423987B2 JP 7423987 B2 JP7423987 B2 JP 7423987B2 JP 2019202065 A JP2019202065 A JP 2019202065A JP 2019202065 A JP2019202065 A JP 2019202065A JP 7423987 B2 JP7423987 B2 JP 7423987B2
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Description

本開示は、ゴルフクラブヘッドに関する。
複合構造のヘッドが知られている。特開2003-250933号公報は、ヘッド本体の開口が繊維強化プラスチック製の部材で塞がれたゴルフクラブヘッドを開示する。
特開2003-250933号公報
複合構造のヘッドでは、ヘッドの剛性が低下する。この剛性低下に起因して、打球音が低くなり、音の持続時間が少なくなる。このヘッドでは、良好な打球音が得られない。打球音は、単なる好みの問題に留まらない。打球音は、ショットに対する評価に影響しうる。打球音は、ゴルファーの心理に影響しうる。ひいては、打球音は、スイングに影響しうる。
本開示は、打球音が良好な複合構造のヘッドを提供する。
一つの態様では、ゴルフクラブヘッドは、フェース部、クラウン部、ソール部及びホーゼル部を有する。このゴルフクラブヘッドは、金属材料で形成されたヘッド本体と、前記ヘッド本体を形成する金属材料よりも剛性の低い材料で形成されたカバー部材とを備えている。前記ヘッド本体は、開口部と、前記開口部を横断して延びる梁部とを有している。前記開口部は、前記カバー部材で塞がれている。前記梁部は、ヘッド内方に向かって凸となるように曲がる内向き曲がり部を有している。前記ヘッド本体は、前記梁部の両端部のそれぞれに、屈曲部を有している。
一つの側面として、打球音が良好な複合構造のヘッドが提供されうる。
図1は、第1実施形態のヘッドの平面図である。 図2は、図1のヘッドの底面図である。 図3は、図1のヘッドに用いられているヘッド本体の底面図である。換言すれば、図3は、図2からカバー部材が除去された図である。 図4は、図3のA-A線に沿った断面図である。 図5は、第2実施形態のヘッドの断面図である。 図6は、第3実施形態のヘッドの断面図である。 図7は、第4実施形態のヘッドの断面図である。 図8は、ヤング率の測定方法を示す概略図である。 図9は、トウ-ヒール方向及びフェース-バック方向を説明するための図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、実施形態が詳細に説明される。
本願では、基準状態、基準垂直面、フェース-バック方向、トウ-ヒール方向及び上下方向が定義される。所定のライ角及びリアルロフト角で水平面HP上にヘッドが載置された状態が、基準状態とされる。図9が示すように、この基準状態では、水平面HPに対して垂直な平面VPに、ホーゼル孔の中心線Zが含まれている。前記平面VPが、基準垂直面とされる。所定のライ角及びリアルロフト角は、例えば製品カタログに掲載されている。
本願においてトウ-ヒール方向とは、前記基準垂直面VPと前記水平面HPとの交線NLの方向である(図9参照)。
本願においてフェース-バック方向とは、前記トウ-ヒール方向に対して垂直であり且つ前記水平面HPに対して平行な方向である。
本願において上下方向とは、前記トウ-ヒール方向に対して垂直であり且つ前記フェース-バック方向に対して垂直な方向である。換言すれば、本願において上下方向とは、前記水平面HPに対して垂直な方向である。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のゴルフクラブヘッド2をクラウン側から見た平面図である。図2は、ヘッド2をソール側から見た底面図である。ヘッド2は、フェース部4、クラウン部6、ソール部8、及びホーゼル部10を有する。フェース部4は、打撃面4aを有する。打撃面4aは、フェース部4の外面である。クラウン部6は、クラウン面6aを有する。クラウン面6aは、クラウン部6の外面である。ソール部8は、ソール面8aを有する。ソール面8aは、ソール部8の外面である。ホーゼル部10はホーゼル孔12を有する。ヘッド2は、ウッド型ヘッドである。
図2が示すように、ヘッド2は、ヘッド本体h1と、カバー部材c1とを有する。ヘッド2は、ヘッド本体h1にカバー部材c1が接合されることで、形成されている。本実施形態では、カバー部材c1は、ソール部8に配置されている。カバー部材c1は、ソール面8aの一部を構成している。ソール面8aは、ソール8の外面である。
ヘッド本体h1は、主部h11とフェース部材h12とが接合することで形成されている。フェース部材h12は、全体としてカップ状である。フェース部材h12は、打撃面4aの全体を構成している。加えて、フェース部材h12は、クラウン部6の一部及びソール部8の一部を構成している。フェース部材h12は、主部h11に溶接されている。図1から図3には、主部h11とフェース部材h12との境界線k1が二点鎖線で示されている。
図2には、ソール面8aにおけるカバー部材c1とヘッド本体h1との境界線k2が示されている。この境界線k2は、カバー部材c1の輪郭線でもある。
図3は、ヘッド本体h1をソール側から見た底面図である。換言すれば、図3は、カバー部材c1が除去されたヘッド2の底面図である。ヘッド本体h1は、開口部14を有する。開口部14は、ヘッド本体h1のうちソール部8を構成する部分に設けられた貫通孔である。開口部14は、ヘッド本体h1の外殻部20(後述)に設けられた貫通孔である。
なお、ソール部8は、ウェイトポート15を有する。ウェイトポート15には、ウェイト部材(図示されない)が取り外し可能に取り付けられうる。
図4は、図3のA-A線に沿った断面図である。この図4は、第1の梁部18の幅方向中心線に沿った断面図である。ヘッド2は、中空部16を有する。ヘッド2は、中空ヘッドである。図4の円内は、図4の部分拡大図である。
ヘッド本体h1は、梁部18と、外殻部20とを有する。外殻部20は、ヘッド2の内側と外側とを仕切る壁である。換言すれば、外殻部20は、ヘッド2の外側と中空部16とを仕切る壁である。外殻部20の外面は、打撃面4a、クラウン面6a及びソール面8aを構成している。梁部18の両端のそれぞれは、外殻部20に結合している。
図3が示すように、梁部18は、開口部14を横断している。カバー部材c1が取り付けられていないヘッド本体の平面視(図3)において、梁部18は開口部14の内側に見える。本実施形態のように、開口部14がソール部8に設けられている場合、梁部18は開口部14の上側に位置する部分を有する。梁部18は、外殻部20から離れている。梁部18は、外殻部20の第1位置と外殻部20の第2位置との間に延びている。梁部18は、開口部14の周縁部33の第1位置と、開口部14の周縁部33の第2位置との間に延びている。
図3が示すように、本実施形態では、梁部18の両端のそれぞれは、開口部14の縁14aに結合している。梁部18の第1端181及び梁部18の第2端182が、開口部14の縁14aに結合している。梁部18の第1端181が、縁14aの第1位置141に結合している。梁部18の第2端182が、縁14aの第2位置142に結合している。梁部18は、開口部14の縁14aの第1位置141と、開口部14の縁14aの第2位置142との間を架橋している。梁部18の両端のそれぞれは、開口部14の縁に結合していなくてもよい。梁部18の両端181,182のそれぞれは、周縁部33(外殻部20)の内面に位置していてもよい。すなわち、梁部18の両端181,182のそれぞれは、開口部14の縁14aを超えて、周縁部33(外殻部20)の内面に到達していてもよい。梁部18がソール部8に位置する場合、梁部18の両端181,182のそれぞれは、ソール部8の内面に位置していてもよい。梁部18の両端のそれぞれは、周縁部33(外殻部20)の内面に形成されたリブに結合していてもよい。
ヘッド全体の剛性を高める観点から、梁部18の両端181,182のそれぞれは、開口部14の縁14aの近くに結合しているのが好ましい。この観点から、梁部18の両端181,182のそれぞれは、開口部14の周縁部33に結合しているのが好ましく、開口部14の縁14aに結合しているのがより好ましい。
図3の実施形態では、単一の開口部14を横断する複数の梁部が設けられている。ヘッド本体h1は、開口部14を横断する上述の梁部(第1の梁部)18に加えて、開口部14を横断する第2の梁部22を有する。更に、ヘッド本体h1は、開口部14を横断する第3の梁部24を有する。
梁部18の第1端181は、梁部18の第2端182よりもフェース側に位置する。梁部18の第1端181は、梁部18の第2端182よりもトウ側に位置する。
梁部22の第1端221は、梁部22の第2端222よりもフェース側に位置する。梁部22の第1端221は、梁部22の第2端222よりもトウ側に位置する。
梁部22の第1端221は、梁部18の第1端181よりもトウ側に位置する。梁部22の第2端222は、梁部18の第2端182よりもヒール側に位置する。
梁部24の第1端241は、梁部24の第2端242よりもバック側に位置する。梁部24の第1端241は、梁部24の第2端242よりもトウ側に位置する。
第1の梁部18と第2の梁部22とは交差している。梁部18は、梁部22と交差する交差部183を含む。交差部183において、梁部18と梁部22とが結合している。図4の断面図はこの交差部183を含むが、梁部18の厚さは全体として略一定である。すなわち、交差部183での梁部18の厚さは、交差部183以外の部分における梁部18の厚さと略同じである。図示しないが、第2の梁部22においても、交差部183を含む全体で厚さが略一定である。梁部同士の交差は、互いの梁部の剛性を高める。梁部同士の交差により、梁部の剛性がより一層高まる。第3の梁部24は、他の梁部とは交差していない。1つの開口部14を横断する複数の梁部は、ヘッド本体h1の剛性をより一層高める。なお、略一定とは、厚さの変化が±0.1mm以内であることを意味する。
カバー部材c1は、開口部14を塞いでいる。カバー部材c1は、ヘッド本体h1に接合されている。この接合は、接着剤による接着で達成されている。
図3が示すように、ヘッド本体h1は、バックアップ部30を有する。バックアップ部30は、外殻部20の一部である。バックアップ部30は、開口部14の縁14aと境界線k2との間の部分である。バックアップ部30は、カバー部材c1の周縁部を内側から支持している。開口部14の周縁部33が、バックアップ部30である。バックアップ部30の外面は、バックアップ部30以外の外殻部20の外面よりも一段低い。このためバックアップ部30は、その周囲の外殻部20との境界に段差を形成している。この段差の輪郭線は、カバー部材c1の輪郭線に一致しており、境界線k2に一致している。この段差の高さは、カバー部材c1の厚さに一致している。この段差に起因して、ソール面8aにおいて、境界線k2に段差が無い。バックアップ部30の外面が、カバー部材c1の内面に接着されている。バックアップ部30は、カバー部材c1と接着される接着部である。図4の拡大部が示すように、バックアップ部30とカバー部材c1との間に、接着剤層31が形成されている。
カバー部材c1は、三次元的に曲げられた板状の部材である。カバー部材c1の外面は凸曲面を形成している。この凸曲面は、ソール面8aの一部を構成している。カバー部材c1の内面は凹曲面を形成している。本実施形態では、カバー部材c1の厚さは略一定である。略一定とは、厚さの変化が±0.1mm以内であることを意味する。カバー部材c1の形状は、ヘッド外方に向かって凸となる形状である。本実施形態では、カバー部材c1はソール部8を構成している。カバー部材c1の外面は、ソール面8aを構成している。バックアップ部30と接している部分を除き、カバー部材c1の内面は、ソール内面8bを構成している。
図4が示すように、梁部18は、カバー部材c1から離れている。梁部18の全体が、カバー部材c1から離れている。梁部18は、中空部16を、カバー部材c1から離れて延びている。なお、後述の通り、梁部18の少なくとも一部がカバー部材c1と接していてもよい。
梁部18は、ヘッド内方に向かって凸となるように曲がる内向き曲がり部18aを有する。図4の実施形態では、梁部18の全体が、内向き曲がり部18aである。梁部18は、ヘッド外方に向かって凸となるように曲がる部分を有していない。梁部18は、直線に沿って真っ直ぐに延びている部分を有していない。梁部18の一部が内向き曲がり部18aであってもよい。梁部18の一部が、ヘッド外方に向かって凸となるように曲がっていてもよい。梁部18の一部が直線に沿って真っ直ぐに延びていてもよい。
図4の実施形態では、梁部18の全体が、カバー部材c1から離れている。内向き曲がり部18aの全体が、カバー部材c1から離れている。梁部18の一部がカバー部材c1から離れており、梁部18の一部がカバー部材c1に接していてもよい。内向き曲がり部18aの一部がカバー部材c1から離れており、内向き曲がり部18aの一部がカバー部材c1に接していてもよい。
図示されないが、第2の梁部22もカバー部材c1から離れている。梁部22も、内向き曲がり部を有している。梁部22でも、梁部22の全体が内向き曲がり部である。梁部18に関する記載の全てが、第2の梁部22にも適用される。梁部18に関する記載の全てが、第3の梁部24にも適用される。
図4の拡大部が示すように、ヘッド本体h1は、屈曲部32を有する。屈曲部32は、梁部18の両端部に形成されている。
屈曲部32は、外側の断面輪郭線CL1における頂点32aを有する。頂点32aは、この断面輪郭線CL1における曲率半径が最小の点であるか、又は角の頂点である。断面輪郭線CL1は、後述される特定断面における断面線である。
本実施形態では、屈曲部32は、外殻部20と梁部18とで形成されている。外殻部20と梁部18との境界が、頂点32aである。屈曲部32は、周縁部33と梁部18とで形成されている。周縁部33と梁部18との境界が、頂点32aである。
図4の拡大部が示すように、屈曲部32の頂点32aは梁部18の端182に一致している。同様に、屈曲部32の頂点32aは梁部18の端181に一致している。各屈曲部32において、頂点32aが開口部14の縁14aである。なお、梁部18が、1又は2の屈曲部32を有していてもよい。換言すれば、少なくとも1の屈曲部32は、梁部18に形成されていてもよい。すなわち、梁部18が曲がることで、少なくとも1の屈曲部32が形成されていてもよい。
本実施形態では、屈曲部32が、内向き曲がり部18aの両端部に位置する。屈曲部32が、内向き曲がり部18aの起点になっている。屈曲部32の頂点32aが、内向き曲がり部18aの両端である。この形態では、屈曲部32の曲がりを利用して、内向き曲がり部18aを形成することができる。よって、内向き曲がり部18aの占有割合(後述の割合Ra)を大きくすることができる。
屈曲部32のそれぞれは、ヘッド外方に向かって凸となるように曲がっている。屈曲部32の頂点32aは、ヘッド本体h1がカバー部材c1から離れる点(離間境界点)となっている。
屈曲部32のそれぞれは、ヘッド外方に向かって凸となるように曲がっている第1部分と、ヘッド内方に向かって凸となるように曲がっている第2部分との境界部に形成されている。この凸の向きの変化により、屈曲部32の曲がり角度が大きくされている。本実施形態では、前記第1部分が外殻部20(バックアップ部30)である。本実施形態では、前記第2部分が内向き曲がり部18aである。前記第1部分及び前記第2部分が梁部18に形成されていてもよい。
図4の拡大部において両矢印θ1で示されるのは、屈曲部32の曲がり角度である。曲がり角度θ1は、特定断面の断面輪郭線CL1において測定される。特定断面とは、曲がり角度θ1が最大になるように選択された平面による断面である。曲がり角度θ1は、第1直線L1と第2直線L2との成す角度である。第1直線L1は、頂点32aの一方側に位置する2つの点T1、T2を通る直線である。第2直線L2は、頂点32aの他方側に位置する2つの点T3、T4を通る直線である。点T1は、断面輪郭線CL1上の点であって、頂点32aとの直線距離が1.0mmである点である。点T2は、断面輪郭線CL1上の点であって、頂点32aとの直線距離が3.0mmである点である。点T3は、断面輪郭線CL1上の点であって、頂点32aとの直線距離が1.0mmである点である。点T4は、断面輪郭線CL1上の点であって、頂点32aとの直線距離が3.0mmである点である。
梁部18の振動を増幅する観点から、曲がり角度θ1は、1°以上が好ましく、2°以上がより好ましく、5°以上がより好ましい。内向き曲がり部18aの曲率を好ましい範囲とする観点から、曲がり角度θ1は、45°以下が好ましく、30°以下がより好ましく、20°以下がより好ましい。
図5は、第2実施形態のヘッド40の断面図である。図5は、第1実施形態の図4に相当する断面図である。
ヘッド40は、梁部42を有する。図5の拡大部は、図5のA-A線に沿った梁部42の断面図である。この梁部42は、リブ44を有する。リブ44は、梁部42の内面に形成されている。リブ44は、梁部42の外面に形成されていてもよい。リブ44は、梁部42の長手方向の全体に亘って設けられている。更にリブ44は、梁部42の両端部において、外殻部20の内面に形成されたリブ46に繋がっている。リブ44は、梁部42の長手方向の一部に設けられてもよい。リブ44は、梁部42の剛性を高める。リブ44、46の存在を除き、ヘッド40はヘッド2と同じである。
図6は、第3実施形態のヘッド50の断面図である。図6は、第1実施形態の図4に相当する断面図である。
ヘッド50は、梁部52を有する。梁部52は、重量配置部54を有している。重量配置部54では、梁部52が部分的に重くされている。重量配置部54は、単位長さ当たりの重さが、梁部52の他の部分よりも大きい。この「単位長さ」における「長さ」とは、梁部52の長手方向の長さである。本実施形態では、重量配置部54は、梁部52の厚さが部分的に大きくされることで形成されている。重量配置部54は、例えば、重量体を付加することで形成されてもよい。重量配置部54の存在を除き、ヘッド50はヘッド2と同じである。
図7は、第4実施形態のヘッド60の断面図である。図7は、第1実施形態の図4に相当する断面図である。
ヘッド60は、梁部18を有する。この梁部18は、第1実施形態のヘッド2における梁部と同じである。ヘッド60のヘッド本体は、ヘッド2のヘッド本体と同じである。ヘッド60は、カバー部材c2を有する。カバー部材c2の形状は、前述のカバー部材c1とは異なる。カバー部材c2の形状を除き、ヘッド60はヘッド2と同じである。
カバー部材c2は、ヘッド内方に向かって凸となる形状を有する。梁部18は、カバー部材c2に接している。梁部18の全体がカバー部材c2に接している。内向き曲がり部18aの全体がカバー部材c2に接している。梁部18は、カバー部材c2に、接着剤で接着されている。
以上に説明された各実施形態では、以下の効果が奏される。
カバー部材の材料の剛性は、ヘッド本体の金属材料の剛性よりも低い。また、開口部にはヘッド本体が無く、この開口部がカバー部材で塞がれている。この場合、ヘッド全体としての剛性が低下しやすく、打球音が低くなりやすい。また、打球音の持続時間が短くなりやすい。持続時間が短いと、残響が少ないように聞こえる。ゴルファーは、適度に長い打球音を好む。
梁部は、この打球音を改善する。打撃時に梁部が振動する。梁部は、ヘッド本体の外殻部に比べて振動しやすい。梁部の振動に起因して、打球音の持続時間が長くなる。
梁部の両端のそれぞれは、ヘッド本体h1(開口部の周縁部等)に結合されている。このため梁部の剛性が向上し、梁部の振動が減衰しにくい。よって打球音の持続時間が長くなる。また、梁部の剛性が高まることで、打球音が高音となる。
梁部が開口部を横断しているため、開口部の形成に起因するヘッド本体の剛性低下が抑制される。このため、打球音が高音となる。
梁部の振動では、両方向への曲がりが交互に繰り返される。両方向とは、ヘッド外方に向かって凸となる方向、及び、ヘッド内方に向かって凸となる方向である。内向き曲がり部は、その曲がりとは逆に曲がる変形に対して剛性が高い。すなわち、内向き曲がり部は、ヘッド外方に向かって凸となる方向の曲がりに対して剛性が高い。このため、内向き曲がり部は、前記両方向への曲がりを繰り返す振動時の変形に対して剛性が高い。この結果、内向き曲がり部18を有する梁部では、打球音が高音となる。
屈曲部では、曲がり変形が起こりやすい。梁部の両端側に屈曲部が形成されているため、梁部の振動が増幅され、打球音の持続時間が長くなる。
梁部がカバー部材に接していない場合、カバー部材によって梁部の振動が抑制されず、梁部の振動が減衰しにくい。このため、打球音の持続時間が長くなる(非接触効果)。
梁部がカバー部材に接している場合、剛性の低いカバー部材が梁部で補強され、カバー部材の剛性が高まる(図7参照)。この結果、ヘッド全体の剛性が高まり、打球音が高音となる(接触効果)。
梁部がカバー部材に接している部分と接していない部分とを有する場合、前記非接触効果と前記接触効果とが同時に得られる。またこの場合、非接触効果と接触効果とのバランスが調整されうる。
梁部がカバー部材に接着されている場合、梁部によるカバー部材の補強効果が高まり、カバー部材の剛性がより一層高まる。また、振動する梁部がカバー部材に当たることで生ずる異音の発生が防止される。
ヘッドの重心を下げる観点から、通常、ソール部はクラウン部よりも厚い。開口部がソール部に形成されている場合、開口部の形成により削減される重量が大きくなる。この削減された重量により、ヘッドの設計自由度が向上する。
特に、梁部の両端がソール部に結合している場合、梁部によってソール部の重量が増加する。よって、ヘッドの重心を下げることができる。
カバー部材を形成する材料の比重は、ヘッド本体を形成する金属材料の比重よりも低いのが好ましい。この場合、ヘッド本体がカバー部材に置換されることで、余剰重量が創出される。この余剰重量は、ヘッドの設計自由度の向上に寄与する。
図5の実施形態のように、梁部にリブが設けられている場合、梁部の剛性が高まる。よって、打球音が高くなる。このリブがヘッド本体の外殻部のリブと繋がっている場合、梁部の剛性が更に高まる。
図6の実施形態のように重量配置部が設けられている場合、この重量配置部が梁部の振動を増幅する。このため、梁部の振動の持続時間が長くなり、打球音の残響が長いように聞こえる。
図3で示される梁部18及び梁部22のように、平面視において梁部は曲がっていてもよい。この曲がりは、梁部の剛性を高める。梁部は、平面視において直線に沿って延びていてもよい。この場合、梁部の重量が削減され、ヘッドの設計自由度が向上しうる。梁部がソール部に設けられている場合、平面視とは、ソール側から見たヘッドの底面図である。梁部がクラウン部に設けられている場合、平面視とは、クラウン側から見たヘッドの平面図である。
開口部の位置は限定されない。例えば、開口部がクラウン部に設けられてもよい。この場合、梁部の両端がヘッド本体のクラウン部に結合される。この場合、開口部をソールに設けた効果を除く上記各効果が得られる。
図4において両矢印M1で示されるのは、梁部とカバー部材との最大距離である。梁部の振動に伴う異音の発生を抑制する観点から、最大距離M1は、1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましい。カバー部材及び内向き曲がり部の好ましい形状を考慮すると、最大距離M1は5mm以下が好ましく、4mm以下がより好ましい。この最大距離M1は、梁部とカバー部材との距離の最大値である。この距離は上下方向に沿って測定される。
図3において両矢印Wbで示されているのは、梁部の幅である。梁部の剛性の観点から、幅Wbは、2mm以上が好ましく、3mm以上がより好ましく、5mm以上がより好ましい。梁部の重量を削減する観点から、幅Wbは、20mm以下が好ましく、15mm以下がより好ましく、12mm以下がより好ましい。幅Wbは、梁部の長手方向に垂直な方向に沿って測定される。
図4において両矢印Tbで示されているのは、梁部の厚さである。梁部の剛性の観点から、厚さTbは、0.45mm以上が好ましく、0.6mm以上がより好ましく、0.8mm以上がより好ましい。梁部の重量を削減する観点から、厚さTbは、2.0mm以下が好ましく、1.5mm以下がより好ましく、1.2mm以下がより好ましい。厚さTbは、梁部の下面18bに垂直な方向に沿って測定される。
カバー部材c1が設けられたことによる効果を高めるには、カバー部材c1及び開口部14が大きくされるのが好ましい。梁部は、この開口部14を横断する。この観点から、梁部の長さは、30mm以上が好ましく、40mm以上がより好ましく、50mm以上がより好ましい。ヘッド体積の制約から、開口部14の大きさには限界がある。この観点から、梁部の長さは、100mm以下が好ましく、90mm以下がより好ましく、80mm以下がより好ましい。この梁部の長さは、曲がって延びる梁部の延在方向に沿って測定される。
内向き曲がり部18aによる効果を高めるには、梁部18のうち内向き曲がり部18aが占める割合Ra(%)は大きいのが好ましい。この観点から、割合Raは、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上がより好ましい。割合Raは100%であってもよい。図4の実施形態では、割合Raが100%である。割合Raは、内向き曲がり部の長さを梁部の長さで割って計算されうる。内向き曲がり部の長さは、曲がって延びる内向き曲がり部に沿って測定される。梁部の長さは、上述の通りに測定される。
軽量なカバー部材c1は、ヘッドの設計自由度を高める。この観点から、カバー部材c1の厚さは、0.9mm以下が好ましく、0.8mm以下がより好ましく、0.7mm以下がより好ましい。カバー部材c1の剛性を高める観点から、カバー部材c1の厚さは、0.2mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましく、0.4mm以上がより好ましい。
梁部18の重心は、ヘッド2の重心よりもトウ側に位置する(図3参照)。この梁部18は、ヘッド重心をトウ側とするのに役立つ。梁部18の重心は、ヘッド2の重心よりもヒール側に位置していてもよい。
内向き曲がり部18aにおける曲がりの曲率半径は限定されない。梁部18の剛性を高める観点から、この曲率半径は、過大であっても過小であっても好ましくない。下限について、この曲率半径は、38.1mm以上が好ましく、127mm以上がより好ましく、254mm以上がより好ましい。上限について、この曲率半径は、2540mm以下が好ましく、1905mm以下がより好ましく、1270mm以下がより好ましい。この曲率半径は、梁部18の幅方向中心線に沿った断面図で測定される。この曲率半径は、梁部18の下面18bの断面線の曲率半径とされうる。
カバー部材c1の材料は、ヘッド本体h1の材料とは異なる。カバー部材c1の材料は、樹脂材料、複合材料又は金属材料とされうる。カバー部材c1の材料は、樹脂材料、複合材料及び金属材料からなる群から選択される2以上の組み合わせであってもよい。樹脂材料としては、エポキシ、ポリカーボネート、ポリアミド及びABS(アクリロブタジエンスチレン)が例示される。複合材料として、繊維強化プラスチックが例示される。この繊維強化プラスチックとして、炭素繊維強化プラスチックが挙げられる。強度の観点からは、炭素繊維強化プラスチックが好ましい。金属材料として、純チタン、チタン合金、鋼、アルミニウム合金及びマグネシウム合金が例示される。鋼として、マレージング鋼、ステンレス鋼及び軟鉄(炭素の含有量が0.3質量%以下の炭素鋼)が例示される。カバー部材c1として金属材料が選択される場合、この金属材料は、ヘッド本体の金属材料よりも低剛性のものが選択される。上記実施形態では、カバー部材c1を形成する材料は、炭素繊維強化プラスチックである。
ヘッド本体h1を形成する金属材料として、純チタン、チタン合金、鋼、アルミニウム合金及びマグネシウム合金が例示される。鋼として、マレージング鋼、ステンレス鋼及び軟鉄(炭素の含有量が0.3質量%以下の炭素鋼)が例示される。上記実施形態では、ヘッド本体h1を形成する材料は、チタン合金である。ヘッド本体h1は、2種以上の金属で形成されていてもよい。ヘッド本体h1は、2つ以上の金属部材が接合されることで形成されていてもよい。この接合は溶接が好ましい。
前述の通り、カバー部材c1を形成する材料の剛性は、ヘッド本体h1を形成する金属材料の剛性よりも低い。この剛性は、ヤング率により判断されうる。カバー部材c1を形成する材料のヤング率は、ヘッド本体h1を形成する金属材料のヤング率よりも低い。
一般的な材料のヤング率は公知である。これら公知の値に基づいて、これらのヤング率が比較される。これらのヤング率が公知でない場合、又は、これらのヤング率の大小関係が明確でない場合は、次のような測定方法により、ヤング率が特定されうる。
図8は、ヤング率の測定方法を示す概略図である。この測定では、試験片S1は、JIS Z2204の金属材料曲げ試験片に準拠した3号試験片とされる。試験片S1の断面形状は長方形とされる。この試験片S1の寸法は、幅W(図示されず)が20mmとされ、厚さTが3.0mmとされる。試験片S1の長さLは、150mmとされる。スパンLsが30mmとされた2つの支持体P1、P2の上に、試験片S1が載置される。試験片S1は水平に載置される。支持点p1とp2との間を二等分する位置に荷重F(N)を作用させたときの、たわみ量D1(mm)が測定される。荷重Fは、100Nである。荷重Fは、圧子A1により付与される。試験装置として、インテスコ社製の「インテスコ(ロードセル2トン)」が用いられうる。測定は、JIS Z2248に準拠してなされる。ヤング率Yg(GPa)は次の式により計算される。
Yg=[(Ls×F)/(4×W×T×D1)]×10-3
上記の方法で測定できない材料のヤング率は、曲げ共振法で測定されうる。この曲げ共振法では、10mm×60mm×2mmの試験片が用いられ、20℃で測定されうる。
なお、材料に異方性がある場合、ヤング率が最大となるように試験片が作成される。
ヘッド体積が大きく、中空部16が大きいヘッドでは、打球音が大きい。この場合、ゴルファーへの打球音の影響が大きい。また、開口部14が大きいと、梁部18による効果も大きい。これらの観点から、ヘッド2の体積は、300cc以上が好ましく、350cc以上がより好ましく、400cc以上がより好ましく、420cc以上がより好ましい。ゴルフルールの観点から、ヘッド体積は470cc以下が好ましく、460cc以下がより好ましい。
上述した実施形態に関して、以下の付記を開示する。
[付記1]
フェース部、クラウン部、ソール部及びホーゼル部を有するゴルフクラブヘッドであって、
金属材料で形成されたヘッド本体と、前記ヘッド本体を形成する金属材料よりも剛性の低い材料で形成されたカバー部材とを備えており、
前記ヘッド本体が、開口部と、前記開口部を横断して延びる梁部とを有しており、
前記開口部が、前記カバー部材で塞がれており、
前記梁部が、ヘッド内方に向かって凸となるように曲がる内向き曲がり部を有しており、
前記ヘッド本体が、前記梁部の両端部のそれぞれに、屈曲部を有しているゴルフクラブヘッド。
[付記2]
前記カバー部材を形成する材料が、樹脂材料、複合材料及び金属材料からなる群から選択される少なくとも1つである付記1に記載のゴルフクラブヘッド。
[付記3]
前記カバー部材を形成する材料の比重が、前記ヘッド本体を形成する金属材料の比重よりも低い付記1又は2に記載のゴルフクラブヘッド。
[付記4]
前記開口部が前記ソール部に形成されている付記3に記載のゴルフクラブヘッド。
[付記5]
前記梁部が、前記カバー部材から離れている部分を有する付記1から4のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
[付記6]
前記梁部の全体が前記カバー部材から離れている付記5に記載のゴルフクラブヘッド。
[付記7]
前記梁部が前記カバー部材に接している部分を有する付記1から4のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
[付記8]
前記梁部の全体が前記カバー部材に接している付記7に記載のゴルフクラブヘッド。
[付記9]
前記梁部が、部分的に重くされた重量配置部を有している付記1から8のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
2、40、50、60・・・ヘッド
4・・・フェース部
4a・・・打撃面
6・・・クラウン部
8・・・ソール部
10・・・ホーゼル部
14・・・開口部
14a・・・開口部の縁
141・・・開口部の縁の第1位置
142・・・開口部の縁の第2位置
16・・・中空部
18・・・梁部(第1の梁部)
18a・・・内向き曲がり部
181・・・梁部の第1端
182・・・梁部の第2端
20・・・外殻部
22・・・梁部(第2の梁部)
24・・・梁部(第3の梁部)
30・・・バックアップ部
32・・・屈曲部
c1・・・カバー部材

Claims (9)

  1. フェース部、クラウン部、ソール部及びホーゼル部を有するゴルフクラブヘッドであって、
    金属材料で形成されたヘッド本体と、前記ヘッド本体を形成する金属材料よりも剛性の低い材料で形成されたカバー部材とを備えており、
    前記ヘッド本体が、外殻部と、前記外殻部に設けられた貫通孔である開口部と、前記開口部を横断して延びる梁部とを有しており、
    前記開口部が、前記カバー部材で塞がれており、
    前記梁部が、前記外殻部から離れて延びており、
    前記梁部が、ヘッド内方に向かって凸となるように曲がる内向き曲がり部を有しており、
    前記ヘッド本体が、前記梁部の両端部のそれぞれに、屈曲部を有しており、
    前記開口部が前記ソール部に形成されているゴルフクラブヘッド。
  2. フェース部、クラウン部、ソール部及びホーゼル部を有するゴルフクラブヘッドであって、
    金属材料で形成されたヘッド本体と、前記ヘッド本体を形成する金属材料よりも剛性の低い材料で形成されたカバー部材とを備えており、
    前記ヘッド本体が、開口部と、前記開口部を横断して延びる第1の梁部と、前記開口部を横断して延びる第2の梁部とを有しており、
    前記開口部が、前記カバー部材で塞がれており、
    前記第1及び第2の梁部のそれぞれが、ヘッド内方に向かって凸となるように曲がる内向き曲がり部を有しており、
    前記ヘッド本体が、前記第1及び第2の梁部の両端部のそれぞれに、屈曲部を有しており、
    前記第1の梁部と前記第2の梁部とが交差しており、
    前記開口部が前記ソール部に形成されてるゴルフクラブヘッド。
  3. 前記カバー部材を形成する材料が、樹脂材料、複合材料及び金属材料からなる群から選択される少なくとも1つである請求項1又は2に記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記カバー部材を形成する材料の比重が、前記ヘッド本体を形成する金属材料の比重よりも低い請求項1からのいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記梁部が、前記カバー部材から離れている部分を有する請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記梁部の全体が前記カバー部材から離れている請求項に記載のゴルフクラブヘッド。
  7. 前記梁部が前記カバー部材に接している部分を有する請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
  8. 前記梁部の全体が前記カバー部材に接している請求項に記載のゴルフクラブヘッド。
  9. 前記梁部が、部分的に重くされた重量配置部を有している請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
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