JP2000245876A

JP2000245876A - ゴルフクラブヘッド

Info

Publication number: JP2000245876A
Application number: JP11048846A
Authority: JP
Inventors: Minoru Yoneyama; 稔米山
Original assignee: Yonex KK
Current assignee: Yonex KK
Priority date: 1999-02-25
Filing date: 1999-02-25
Publication date: 2000-09-12
Also published as: US6162132A

Abstract

(57)【要約】【課題】チタン製のソールプレートにタングステン製
のバランスウエィトを充分な接合強度を持たせて簡易に
取り付け固定できる構造のゴルフクラブヘッドを提供す
る。【解決手段】チタンまたはチタン合金で中空の殻状に
一体形成されるゴルフクラブヘッド２のソールプレート
６に、そのトウ部とヒール部とのほぼ中間に位置させて
嵌合孔１２を該ヘッド２の振り抜き方向前後に並べて設
け、該各嵌合孔１２には、上部にストッパ１０ａが一体
的に拡径形成されたタングステン製のバランスウエィト
１０を該ヘッド２の中空部側から圧入嵌合させて固定
し、かつ該バランスウエィト１０の上側にはこれに当接
して覆う金属板１４を配し、該金属板１４の周縁を前記
ソールプレート８の内面に溶接固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、外殻を軽量金属の
チタンまたはチタン合金で形成して内部を中空にしたゴ
ルフクラブヘッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ウッドクラブのヘッドは軽量で比
較的高強度のパーシモン（柿の木）の単材から形成する
ことが伝統的に行なわれてきたが、材料の入手難や成形
コストなどの問題から、木材に代えて金属が使われ始め
ており、特に近年にあってはスウィートエリアの拡大化
を図るために、軽量金属のチタンまたはチタン合金を用
いて大容積の中空殻状に形成したチタン製ウッドクラブ
ヘッドが多く採用されてきている。

【０００３】また、このようなチタン製ウッドクラブヘ
ッドにあっては、その低重心化を図って慣性モーメント
を増大させるために、ヘッドのソールプレートのほぼ中
央にはバランスウエィトとしてチタンよりも比重の大き
い材質のタングステンを接着または螺着、あるいは溶接
により一体化させて取り付け固定することが行われてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記接
着剤による接合では充分な接合強度を確保するのが困難
であり、また溶接による接合にあってもチタン製のソー
ルプレートとタングステン製のバランスウエィトとは異
種金属であるため、それらの溶着性はあまり良好とはい
えず、やはり充分な接合強度を確保するのは困難であっ
た。また、螺着させるようにするとネジ部の加工や組み
付けに手間がかかると云う問題があった。

【０００５】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、チタン製のソールプレートにタン
グステン製のバランスウエィトを充分な接合強度を持た
せて簡易に取り付け固定できる構造のゴルフクラブヘッ
ドを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項１にかかるゴルフクラブヘッドで
は、チタンまたはチタン合金で中空の殻状に一体形成さ
れるゴルフクラブヘッドにおいて、該ゴルフクラブヘッ
ドのソールプレートに、そのトウ部とヒール部とのほぼ
中間に位置させて嵌合孔を設け、該嵌合孔には該ヘッド
の中空部側から圧入嵌合させて、上部に拡径形成された
ストッパ部を有するタングステン製のバランスウエィト
を一体的に取り付ける構成とした。

【０００７】当該構成によれば、タングステン製のバラ
ンスウエィトを、チタン製ヘッドのソールプレートに形
成した嵌合孔にヘッドの中空部側から圧入により嵌合固
定するので、異種金属同士であっても強固にかつ簡易に
接合固定することができ、しかもバランスウェイトの上
部には拡径されたストッパが形成されているから、ヘッ
ドが繰り返し受ける衝撃によってバランスウェイトに万
一脱落が生じたとしても外部に抜け落ちることがない。

【０００８】また、ヘッドのソールプレートに取り付け
るバランスウェイトを、そのトウ部とヒール部とのほぼ
中間、つまりフェース面の幅方向中央部後方に位置させ
るから、インパクトゾーンに重量が集中し、重心深度
（重心点のフェース面からの距離）も大きく維持し得、
打球の飛距離を延ばすことができる。

【０００９】また、請求項２にかかるゴルフクラブヘッ
ドでは、前記請求項１において、前記嵌合孔とバランス
ウェイトとが前記ヘッドの振り抜き方向の前後に並べら
れて複数設けられている構成とした。

【００１０】当該構成によれば、複数のバランスウェイ
トをヘッドの振り抜き方向の前後に分離して並設するか
ら、ソールプレートに質量の集中点が前後に並んで複数
設けられることになり、よってスウィング中にこれらの
質量集中点にそれぞれ作用する慣性モーメントによりヘ
ッドはぶれ難くなり、もってフェース面の向きが安定し
て方向安定性に優れた打球が得られるようになる。

【００１１】さらに、請求項３にかかるゴルフクラブヘ
ッドでは、前記請求項１または２において、前記バラン
スウエィトの上側に当接してこれを覆う金属板を配し、
該金属板を前記ソールプレートの内面に溶接固定する構
成とした。

【００１２】当該構成によれば、周縁部をソールプレー
トの内面に溶接固定した金属板によってバランスウエィ
トの上側を押さえ付けるので、スウィング時にソール面
のバランスウェイトに小石等が当たっても、当該バラン
スウエィトがヘッド内部に抜け落ちることを防止でき
る。

【００１３】ここで、請求項４〜６に示すように、前記
ヘッドの容積が２５０ｃｃ以上の場合には、前記バラン
スウエィトの重量をヘッド全体の重量の８％以下に設定
することが、また前記ヘッドの容積が１５０〜２５０ｃ
ｃ未満の場合には、前記バランスウエィトの重量をヘッ
ド全体の重量の８〜１０％に設定することが、更に前記
ヘッドの容積が１５０ｃｃ未満の場合には、前記バラン
スウエィトの重量をヘッド全体の重量の１０％以上に設
定することが望ましい。

【００１４】即ち、ヘッド形状がほぼ相似していれば、
ヘッド容積が大きい程フェース面も大きくなってスウィ
ートエリアは広がり、その中心は上方に位置し、逆にヘ
ッド容積が小さいほどフェース面も小さくなってスウィ
ートエリアは狭まり、その中心は下方に位置することに
なる。従って、ヘッド容積が大きいものほどヘッドの全
体重量に対するバランスウエィトの重量の割合を低く抑
えて、その重心点を少し高くなるようにし、逆にヘッド
容積が小さいものほど、ヘッドの全体重量に対するバラ
ンスウエィトの重量の割合を高めにして、その重心点が
少し低くなるようにすることで、ヘッド容積にかかわら
ずスウィートエリアの中心と重心点との相互の高さを可
及的に近づかせることができ、これにより方向安定性に
優れた飛距離のある打球が得られるようになる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な実施形態の
一例について添付図面を参照して説明する。図１は本発
明に係るゴルフクラブヘッドを示す斜視図であり、図２
はその縦断面図である。図示するように、ゴルフクラブ
ヘッド２は軽量金属のチタンまたはチタン合金を用いて
中空の殻状に形成される。ここで、このヘッド２は本体
部４とソールプレート６とフェイスプレート８とからな
る３ピース構造とされており、これら本体部４とソール
プレート６とフェイスプレート８とが溶接接合されて最
終的に殻状の中空体に一体形成されるようになってい
る。

【００１６】ところで、上記ソールプレート６にはタン
グステン製のバランスウェイト１０が取り付けられる。
このバランスウェイト１０は円盤状をなし、上端部には
径方向に拡径されて突出するストッパ１０ａが一体形成
されている。一方、ソールプレート６には上記バランス
ウェイト１０を圧入嵌合固定させるための嵌合孔１２
が、ソールプレート６のトウ部６ａとヒール部６ｂとの
中間ほぼ中央に位置されて、つまりフェイスプレート８
の横幅方向ほぼ中央部に位置されて設けられる。ここ
で、この図示例では上記嵌合孔１２はヘッド２の振り抜
き方向の前後に並べられて２つが離間して並設形成され
ている。そして、この嵌合孔１２にはそれぞれ上記バラ
ンスウェイト１０がヘッド２の中空部側から圧入されて
嵌合固定され、バランスウエィト１０上端部のストッパ
部１０ａがソールプレート６内面に当接している。

【００１７】また、これら２つのバランスウェイト１０
の上部にはこれらの上側を覆って当接するチタン製ある
いは真鍮製等の金属板１４が配されている。この金属板
１４はその周囲がバランスウエィト１０のストッパ１０
ａの厚み分だけＬ字状に折曲形成されており、その周縁
部が適宜箇所でソールプレート６の内面に溶接固定され
て一体化されている。即ち、上記バランスウエィト１０
及び金属板１４は、ソールプレート６をヘッド本体４に
一体的に溶接接合させる以前に、当該ソールプレート６
に予め取り付けられる。

【００１８】なお、この図示例では嵌合孔１２及びバラ
ンスウエィトを２つ設ける場合を例示しているが、３つ
または４つ等の複数であっても良い。あるいは、必ずし
も複数である必要はなく、１つであっても良い。

【００１９】そして、以上の構成でなるゴルフクラブヘ
ッド２によれば、タングステン製のバランスウエィト１
０を、チタン製のヘッド２のソールプレート６に形成し
た嵌合孔１２にヘッド２の中空部側から圧入により嵌合
固定するので、異種金属同士であっても強固にかつ簡易
に接合固定することができ、しかもバランスウェイト１
０の上部には拡径されたストッパ１０ａが形成されてい
るから、ヘッド２が繰り返し受ける衝撃によってバラン
スウェイト１０に万一脱落が生じたとしても外部に抜け
落ちることがなく、安全性が高い。

【００２０】また、ヘッド２のソールプレート６に取り
付けるバランスウェイト１０を、そのトウ部６ａとヒー
ル部６ｂとのほぼ中間、つまりフェース面の幅方向中央
部後方に位置させるから、インパクトゾーンに重量が集
中するとともに、重心深度（重心点のフェース面からの
距離）も大きく維持し得、もって打球の飛距離を延ばす
ことができるようになる。

【００２１】さらに、複数のバランスウェイト１０をヘ
ッド２の振り抜き方向の前後に分離して並設すれば、ソ
ールプレート６に質量の集中点が前後に離間して設けら
れることになり、よってスウィング中においてこれらの
各質量集中点（バランスウエィト１０）にそれぞれ作用
する慣性モーメントの影響により、ヘッド２はぶれ難く
なり、もってフェース面の向きが安定して方向安定性に
優れた打球が得られるようになる。

【００２２】また、ソールプレート６の内面に周縁部を
溶接固定した金属板１４によってバランスウエィト１０
の上側を押さえ付けるので、ソールプレート６に嵌合さ
せたバランスウェイト１０にスウィング時に小石等が当
たっても、当該バランスウエィト１０がヘッド２の内部
に抜け落ちることも防止できる。なお、溶接性を考慮す
ると、金属板１４にはソールプレート６の材質に合わせ
てチタン製のものを採用するのが好ましい。

【００２３】ここで、上記バランスウェイト１０の重量
とヘッド全体の重量との関係はヘッド２の容積に応じて
変え、以下のような設定にするのが望ましい。即ち、上
記ヘッド２の容積が２５０ｃｃ以上の場合には、上記バ
ランスウエィト１０の重量はヘッド全体の重量の８％以
下に設定する。また、上記ヘッド２の容積が１５０〜２
５０ｃｃ未満の場合には、上記バランスウエィト１０の
重量はヘッド全体の重量の８〜１０％に設定する。更
に、上記ヘッド２の容積が１５０ｃｃ未満の場合には、
上記バランスウエィト１０の重量はヘッド全体の重量の
１０％以上に設定する。

【００２４】つまり、ヘッド形状がほぼ相似していれ
ば、ヘッド容積が大きい程フェース面も大きくなってス
ウィートエリアが広がり、その中心は上方に位置するよ
うになり、逆にヘッド容積が小さいほどフェース面も小
さくなってスウィートエリアは狭まり、その中心が下方
に位置するようになるが、ヘッド容積が大きいものほど
ヘッド２の全体重量に対するバランスウエィト１０の重
量の割合を低く抑えることで、その重心点を少し高くな
し得、逆にヘッド容積が小さいものほど、ヘッド２の全
体重量に対するバランスウエィト１０の重量の割合を高
めにすることで、その重心点を少し低くなし得る。従っ
て、これによりヘッド容積にかかわらずスウィートエリ
アの中心と重心点との相互の高さを可及的に近づかせる
ことができ、方向安定性に優れた飛距離のある打球が得
られるようになる。また、ヘッド２の容積が大小異なっ
ても、得られる打球やその打球感を同一傾向の特性に揃
えるのが容易になる。

【００２５】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係るゴ
ルフクラブヘッドでは、次のような優れた効果を発揮す
る。

【００２６】（１）請求項１にかかるゴルフクラブヘッ
ドでは、タングステン製のバランスウエィトを、チタン
製ヘッドのソール部に形成した嵌合孔にヘッドの中空部
側から圧入により嵌合固定するので、異種金属同士であ
っても強固にかつ簡易に接合固定することができ、しか
もバランスウェイトの上部には拡径されたストッパが形
成されているから、バランスウェイトが万一脱落したと
しても外部に抜け落ちることがない。

【００２７】また、ヘッドのソールプレートに取り付け
るバランスウェイトを、そのフェイス面の幅方向のほぼ
中央部後方に位置させて前後に分離して並設するから、
ソール部に質量の集中点が前後２ヶ所に設けられること
になり、よってスウィング中にこれらの質量集中点にそ
れぞれ作用する慣性モーメントによってヘッドにぶれが
生じ難くなり、もってフェース面の向きが可及的に安定
し、方向安定性の良い打球が得られるようになる。しか
も、上記質量集中点はヘッドの振り抜き方向の前後２ヶ
所に偏在させているから、重心深度も大きく維持できる
とともに、インパクトゾーンに重量が集中して飛距離を
延ばすことができる。

【００２８】（２）請求項２にかかるゴルフクラブヘッ
ドでは、複数のバランスウェイトをヘッドの振り抜き方
向の前後に分離して並設するから、ソールプレートに質
量の集中点が前後に並んで複数設けられることになり、
よってスウィング中にこれらの各質量集中点にそれぞれ
作用する慣性モーメントによりヘッドはぶれ難くなり、
もってフェース面の向きが安定して方向安定性に優れた
打球が得られるようになる。

【００２９】（３）請求項３にかかるゴルフクラブヘッ
ドでは、バランスウエィトの上側をソール部に溶接固定
した金属板で押さえるので、スウィング時にヘッドソー
ル面のバランスウェイトに小石等が当たっても、当該バ
ランスウエィトがヘッド内部に抜け落ちることを防止で
きる。

【００３０】（４）請求項４〜６にかかるゴルフクラブ
ヘッドでは、ヘッド容積が大きいものほどヘッドの全体
重量に対するバランスウエィトの重量の割合を低く抑え
て重心点が少し高くなるようにし、逆にヘッド容積が小
さいものほど、ヘッドの全体重量に対するバランスウエ
ィトの重量の割合を高めにして重心点が少し低くなるよ
うにするので、ヘッド容積に合わせてスウィートエリア
の中心と重心点とのそれぞれの高さを可及的に近づかせ
ることができ、方向安定性に優れた飛距離のある打球が
得られるようになる。また、ヘッドの容積が大小異なっ
ても、得られる打球や打球感を同一傾向の特性に揃える
のが容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるゴルフクラブヘッドの一例を示
すもので、チタン製ウッドクラブヘッドの斜視図であ
る。

【図２】図１に示すチタン製ウッドクラブヘッドの縦断
面図である。

【符号の説明】

２ゴルフクラブヘッド４ヘッド本体６ソールプレート６ａトウ部６ｂヒール部８フエィスプレート１０バランスウエィト１０ａストッパ１２嵌合孔１４金属板

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】チタンまたはチタン合金で中空の殻状に
一体形成されるゴルフクラブヘッドにおいて、該ゴルフクラブヘッドのソールプレートに、そのトウ部
とヒール部とのほぼ中間に位置させて嵌合孔を設け、該
嵌合孔には該ヘッドの中空部側から圧入嵌合させて、上
部に拡径形成されたストッパ部を有するタングステン製
のバランスウエィトを一体的に取り付けたことを特徴と
するゴルフクラブヘッド。
【請求項２】前記嵌合孔とバランスウェイトとが前記
ヘッドの振り抜き方向の前後に並べられて複数設けられ
ていることを特徴とする請求項１記載のゴルフクラブヘ
ッド。
【請求項３】前記バランスウエィトの上側に当接して
これを覆う金属板を配し、該金属板を前記ソールプレー
トの内面に溶接固定したことを特徴とする請求項１記載
のゴルフクラブヘッド。
【請求項４】前記ヘッドの容積が２５０ｃｃ以上の場
合には、前記バランスウエィトの重量をヘッド全体重量
の８％以下にしたことを特徴とする請求項１または２の
いずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項５】前記ヘッドの容積が１５０〜２５０ｃｃ
未満の場合には、前記バランスウエィトの重量をヘッド
全体重量の８〜１０％にしたことを特徴とする請求項１
または２のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項６】前記ヘッドの容積が１５０ｃｃ未満の場
合には、前記バランスウエィトの重量をヘッド全体重量
の１０％以上にしたことを特徴とする請求項１または２
のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。