本出願は、いくつかの欠陥を克服する、及び/又は経皮方法及び経皮システムを改善する方法及びシステムを提供する。例えば、いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載されている方法及びシステムは、治療実施(therapy administration)の標的化及び位置決定(localization)を改善することができ、より侵襲性の高い手術に不適格な患者への経皮法による処置を行い得ることが有利である。本明細書に記載されているいくつかの実施形態は、低侵襲性経皮手術法を用いてバイパスをつくり出すことによって、冠血管及び/又は末梢血管等の通路内に流体の流れを提供することができる。
いくつかの例では、第1の血管から第2の血管を標的化するための発射カテーテルは、近位部分と、平坦な放射線不透過性マーカーを含む遠位部分とを含むカテーテルを含む。放射線不透過性マーカーは、長方形とすることができる。カテーテルは、針開口を含むことができる。カテーテルは、針開口を通って延出するように構成された針を備えることができる。
カテーテルの遠位部分は、湾曲していてもよい。マーカーは、カテーテルの遠位部分の湾曲に従っていなくてもよい。針開口は、マーカーの近位にあってもよい。針開口は、マーカーの遠位にあってもよい。針開口は、マーカーと少なくとも部分的に重なっていてもよい。
針開口は、カテーテルの遠位部分の第1の側にあってもよい。マーカーは、カテーテルの遠位部分の第2の側にあってもよい。第1の側は、第2の側と同じであってもよい。第1の側は、第2の側の反対側であってもよい。針開口から延出する針の遠位端部は、放射線不透過性マーカーと長手方向に位置合わせすることができる。針は、プロファイルを含むことができる。針は、針管腔を通って滑ることができる。針管腔は、プロファイルに相補的な形状を含むことができる(例えば、針の前進中の針の長手方向の動きを低減するため)。
マーカーは、第1の放射線透過性材料と、第1の放射線透過性材料に結合された第2の放射線不透過性材料とを含むことができる。第2の放射線不透過性材料は、クラッディング、めっき、化学蒸着、原子層堆積、スクリーン印刷、コーティング、接着、又はスパッタリングのうちの1つ以上によって、第1の放射線透過性材料に結合することができる。第2の放射線不透過性材料は、第1の放射線透過性材料に結合された後に、研磨又は平坦化することができる。
マーカーの幅に対するマーカーの長さの比は、1/1~5/1であってもよい。
マーカーは、0.001mm~1mmの厚さを有してもよい。マーカーは、1nm~10μmの厚さを有してもよい。
キットは、発射カテーテル及び標的カテーテルを含むことができる。標的カテーテルは、拡張可能部材を含むことができる。拡張可能部材は、スネアを含むことができる。拡張可能部材は、メッシュを含むことができる。拡張可能部材は、放射線不透過性材料を含むことができる。標的カテーテルは、第1の放射線不透過性マーカーを含むことができる。標的カテーテルは、第1の放射線不透過性マーカーから長手方向に離間した第2の放射線不透過性マーカーを含むことができる。
いくつかの例では、第1の血管から第2の血管を標的化するための発射カテーテルは、近位部分と、針開口及び平坦な長方形の放射線不透過性マーカーを含む遠位部分とを含むカテーテルを含む。平坦な長方形の放射線不透過性マーカーは、回転時に蛍光透視法下で消え、発射カテーテルの回転アライメントに関する情報を提供する。発射カテーテルは、針開口を通って延出するように構成された針を更に含む。
いくつかの例では、カテーテルは、平坦な放射線不透過性マーカーを含む。カテーテルは、第1の血管から第2の血管を標的化するための発射カテーテルとすることができる。カテーテルは、平坦な放射線不透過性マーカーを含む遠位部分を含むことができる。放射線不透過性マーカーは、長方形とすることができる。カテーテルは、針開口を含むことができる。カテーテルは、針開口を通って延出するように構成された針を備えることができる。カテーテルの遠位部分は、湾曲していてもよい。マーカーは、カテーテルの遠位部分の湾曲に従っていなくてもよい。針開口は、マーカーの近位にあってもよい。針開口は、マーカーの遠位にあってもよい。針開口は、マーカーと少なくとも部分的に重なっていてもよい。針開口は、カテーテルの遠位部分の第1の側にあってもよい。マーカーは、カテーテルの遠位部分の第2の側にあってもよい。第1の側は、第2の側と同じであってもよい。第1の側は、第2の側の反対側であってもよい。針開口から延出する針の遠位端部は、放射線不透過性マーカーと長手方向に位置合わせすることができる。針は、プロファイルを含むことができる。針は、針管腔を通って滑ることができる。針管腔は、プロファイルに相補的な形状を含むことができる(例えば、針の前進中の針の長手方向の動きを低減するため)。キットは、発射カテーテル及び標的カテーテルを含むことができる。標的カテーテルは、拡張可能部材を含むことができる。拡張可能部材は、スネアを含むことができる。拡張可能部材は、メッシュを含むことができる。拡張可能部材は、放射線不透過性材料を含むことができる。標的カテーテルは、第1の放射線不透過性マーカーを含むことができる。標的カテーテルは、第1の放射線不透過性マーカーから長手方向に離間した第2の放射線不透過性マーカーを含むことができる。
いくつかの例では、カテーテルを位置合わせする方法は、第1の血管内でカテーテルを回転させることを含む。カテーテルは、平坦な放射線不透過性マーカーを含む。回転は、マーカーがカテーテルの回転位置合わせを示す厚さになるまで行われる。厚さは、蛍光透視法下で見ることができる。厚さは、一定値未満とすることができる。厚さは、細い(例えば、最小の厚さの)線によって示すことができる。放射線不透過性マーカーは、長方形とすることができる。
この方法は、マーカーが蛍光透視法下で厚さ(例えば、最小の厚さ)を有し且つカテーテルの側面に当たるまで、第1の血管内でカテーテルを回転させることを含むことができる。この方法は、マーカーが第2の血管内の第2のカテーテルに近接するまでカテーテルを長手方向に前進させることを更に含むことができる。第2のカテーテルは、蛍光透視法下で見える放射線不透過性特徴を含むことができる。蛍光透視法下で見える第2のカテーテルの放射線不透過性特徴は、拡張可能部材を含むことができる。拡張可能部材は、スネアを含むことができる。拡張可能部材はメッシュを含む。
この方法は、カテーテルを回転させた後、針をカテーテルから延出させることを更に含むことができる。針をカテーテルから延出させることは、第1の血管を出て、第1の血管とは異なる第2の血管に入ることを含むことができる。カテーテルの位置合わせは、針の位置合わせを含むことができる。針をカテーテルから延出させることは、第1の血管と第2の血管との間の間質組織を横断することを含むことができる。
この方法は、ガイドワイヤを針を通して第2の血管内に延出させることを更に含むことができる。この方法は、第2の血管内の第2のカテーテルにガイドワイヤを絡ませることを更に含むことができる。ガイドワイヤを絡ませることは、第2のカテーテルの拡張可能部材を閉塞することを含むことができる。この方法は、ガイドワイヤの対応する動きを検出するために第2のカテーテルを動かすことを更に含むことができる。この方法は、第2のカテーテルを動かしてガイドワイヤを第2の血管を通して動かすことを更に含むことができる。
カテーテルシステムは、管状体、及び管状体、拡張可能部材、又は流体注入ポートに結合された標的化システムのうちの少なくとも1つを含むことができる。
いくつかの実施形態では、血管内の分岐を識別するためのカテーテルシステムは、管状体と、管状体に結合された標的化システムと、血管の側壁を並置して拡張状態の血管を閉塞するように構成された拡張可能部材と、放射線不透過性流体が拡張可能部材に近接してプールし且つ血管及び分枝血管の視覚化を提供するように、拡張状態における拡張可能部材の近位の血管に放射線不透過性流体を注入するように構成された流体注入ポートと、を含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。
拡張可能部材は、管状体に結合することができる。管状体は、流体注入ポートを含むことができる。カテーテルシステムは、第2の管状体を更に含むことができる。拡張可能部材は、第2の管状体に結合することができる。第2の管状体は、流体注入ポートを含むことができる。標的化システムは、超音波トランスデューサーを含むことができる。標的化システムは、無指向性超音波トランスデューサーを含むことができる。
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、管状体と、管状体に結合された標的化システムと、拡張可能部材と、を含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。
拡張可能部材は、管状体に結合することができる。カテーテルシステムは、第2の管状体を更に含むことができる。拡張可能部材は、第2の管状体に結合することができる。拡張可能部材は、血管の側壁を並置して血管を閉塞するように構成されてもよい。カテーテルシステムは、流体注入ポートを更に含むことができる。管状体は、流体注入ポートを含むことができる。カテーテルシステムは、流体注入ポートを含む第2の管状体を更に含むことができる。標的化システムは、超音波トランスデューサーを含むことができる。標的化システムは、無指向性超音波トランスデューサーを含むことができる。
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、管状体と、管状体に結合された標的化システムと、流体注入ポートと、を含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。
管状体は、流体注入ポートを含むことができる。カテーテルシステムは、流体注入ポートを含む第2の管状体を更に含むことができる。カテーテルシステムは、拡張可能部材を更に含むことができる。拡張可能部材は、管状体に結合することができる。カテーテルシステムは、第2の管状体を更に含むことができる。拡張可能部材は、第2の管状体に結合することができる。拡張可能部材は、血管の側壁を並置して血管を閉塞するように構成されてもよい。標的化システムは、超音波トランスデューサーを含むことができる。標的化システムは、無指向性超音波トランスデューサーを含むことができる。
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、管状体と、流体注入ポートと、拡張可能部材と、を含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。
管状体は、流体注入ポートを含むことができる。カテーテルシステムは、流体注入ポートを含む第2の管状体を更に含むことができる。拡張可能部材は、管状体に結合することができる。カテーテルシステムは、第2の管状体を更に含むことができる。拡張可能部材は、第2の管状体に結合することができる。拡張可能部材は、血管の側壁を並置して血管を閉塞するように構成されてもよい。カテーテルシステムは、標的化システムを更に含むことができる。標的化システムは、超音波トランスデューサーを含むことができる。標的化システムは、無指向性超音波トランスデューサーを含むことができる。分岐を識別する方法は、カテーテルシステムを第1の血管に挿入することと、カテーテルシステムを第1の位置に配置することと、拡張可能部材を拡張して第1の血管を閉塞することと、造影剤を第1の血管に送達することとを含むことができる。造影剤は、拡張可能部材の近くにプールすることができる。この方法は、蛍光透視法下で第1の血管内の造影剤の形状をレビューすることを更に含むことができる。
いくつかの実施形態では、分岐を識別する方法は、カテーテルシステムを第1の血管に挿入することと、カテーテルシステムを第1の位置に配置することと、を含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。カテーテルシステムは、拡張可能部材及び流体注入ポートを含む。この方法は、拡張可能部材を拡張して第1の血管を閉塞することと、造影剤を流体注入ポートから送達することとを更に含む。造影剤は、拡張可能部材の近くにプールする。この方法は、蛍光透視法下で第1の血管内の造影剤の形状をレビューすることを更に含む。
単一のカテーテルは、拡張可能部材及び流体注入ポートを含むことができる。第1のカテーテルは、拡張可能部材を含むことができ、第2のカテーテルは、流体注入ポートを含むことができる。拡張可能部材を拡張することは、拡張可能部材と流体連通する際に、膨張管腔を通して流体の流れを提供することを含むことができる。拡張可能部材を拡張することは、第1の血管を拡張することを含むことができる。造影剤は、ヨウ素ベースの造影剤及び硫酸バリウムベースの造影剤のうちの少なくとも1つを含むことができる。造影剤を送達することは、第1の血管を拡張することを含むことができる。造影剤の形状をレビューすることは、分岐部及び分枝血管のうちの少なくとも1つの存在を特定することを含むことができる。この方法は、分岐部及び分枝血管の少なくとも1つが存在する場合、カテーテルシステムを再配置することを更に含むことができる。この方法は、分岐部及び分枝血管の少なくとも1つが存在しない場合、第2の血管内の別のカテーテルから針を延出させることを更に含むことができる。針を延出させることは、第2の血管を出て、第2の血管と第1の血管との間の間質組織を横断し、そして第1の血管に入ることを含むことができる。この方法は、針を通してガイドワイヤを前進させることを更に含むことができる。カテーテルシステムは、ガイドワイヤをガイドワイヤ管腔にガイドするように構成された捕捉要素を含むことができる。
カテーテルシステムは、標的化システムを含むことができる。カテーテルシステムを第1の位置に配置することは、第2の血管内の別のカテーテル上の相補的標的化システムから標的化システムを標的化することを含むことができる。標的化システムは、超音波受信器を含むことができる。相補的標的化システムは、超音波放射器を含むことができる。超音波受信器は、無指向性超音波トランスデューサーを含むことができる。超音波放射器は、指向性超音波トランスデューサーを含むことができる。この方法は、瘻孔を拡大することを更に含むことができる。
この方法は、第2の血管と第1の血管との間の瘻孔においてプロテーゼを少なくとも部分的に展開させることを更に含むことができる。プロテーゼを展開させた後、血液は、プロテーゼを通して第1の血管から第2の血管に迂回されてもよい。この方法は、プロテーゼを展開させた後、第1の血管の側副血管を覆うことを含むステントグラフトによって第1の血管を裏打ちすることを更に含むことができる。第1の血管をステントグラフトによって裏打ちすることは、第1の血管を複数のステントグラフトによって裏打ちすることを含むことができる。複数のステントグラフトによって第1の血管を裏打ちすることは、複数のステントグラフトの最も遠位のステントグラフトを最初に展開することと、複数のステントグラフトの最も近位のステントグラフトを最後に展開することと、を含むことができる。複数のステントグラフトによって第1の血管を裏打ちした後、複数のステントグラフトの最も遠位のステントグラフトの近位縁は、複数のステントグラフトの次に最も遠位のステントグラフトの遠位縁と重なることができる。複数のステントグラフトによって第1の血管を裏打ちした後、複数のステントグラフトの最も近位のステントグラフトの近位縁は、プロテーゼの遠位縁と重なることができる。
この方法は、第1の血管内の弁を無機能化することを更に含むことができる。第1の血管内の弁を無機能化することは、血管をステントグラフトによって裏打ちした後とすることができる。第1の血管内の弁を無機能化することは、プロテーゼを通して逆行の弁膜切開刀を前進させることと、弁を無効にするために第1の血管の逆行の弁膜切開刀を遠位に前進させることとを含むことができる。第1の血管内の弁を無機能化することは、径方向に圧縮された状態で弁に近接する双方向弁膜切開刀を前進させることと、双方向弁膜切開刀を径方向に拡張状態に径方向に拡張することと、径方向に拡張状態で、弁を無効にするために双方向弁膜切開刀を遠位に前進させること、及び第1の血管における双方向弁膜切開刀を近位に後退させることのうちの少なくとも1つとを含むことができる。双方向弁膜切開刀を径方向に拡張することは、シースを近位に後退させること、及び双方向弁膜切開刀を遠位に前進させることのうちの少なくとも1つを含むことができる。血管内の弁を無機能化する方法は、径方向に圧縮された状態で弁に近接する双方向弁膜切開刀を前進させることと、双方向弁膜切開刀を径方向に拡張状態に径方向に拡張することと、径方向に拡張状態で、弁を無効にするために血管内の双方向弁膜切開刀を遠位に前進させること、及び双方向弁膜切開刀を近位に後退させることのうちの少なくとも1つとを含むことができる。
いくつかの実施形態では、血管内の弁を無機能化し、血管の側副血管を覆うことを含む血管を改変する方法は、血管の側副血管を覆うことを含むステントグラフトによって血管を裏打ちすることと、血管をステントグラフトによって裏打ちした後に、血管内の弁を無機能化することと、を含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。
この方法は、第2の血管と血管との間の瘻孔においてプロテーゼを少なくとも部分的に展開させることを更に含むことができる。プロテーゼを展開させた後、血液は、プロテーゼを通して第2の血管から血管に迂回されてもよい。血管をステントグラフトによって裏打ちすることは、プロテーゼを展開させた後とすることができる。この方法は、瘻孔を拡大することを更に含むことができる。この方法は、針を第2の血管から血管に前進させて瘻孔を形成することを更に含むことができる。針を前進させることは、血管内の第1のカテーテルを第2の血管内の第2のカテーテルによって標的化することを含むことができる。第2のカテーテルは、超音波放射器を含むことができる。第1のカテーテルは、超音波受信器を含むことができる。第2の血管内のカテーテルによって血管内のカテーテルを標的化することは、超音波放射器によって超音波受信器を標的化することを含むことができる。この方法は、針を通してガイドワイヤを前進させることを更に含むことができる。血管内のカテーテルシステムは、ガイドワイヤをガイドワイヤ管腔にガイドするように構成された捕捉要素を含むことができる。血管をステントグラフトによって裏打ちすることは、血管を複数のステントグラフトによって裏打ちすることを含むことができる。血管を複数のステントグラフトによって裏打ちすることは、複数のステントグラフトの最も遠位のステントグラフトを最初に展開することと、複数のステントグラフトの最も近位のステントグラフトを最後に展開することとを含むことができる。複数のステントグラフトによって血管を裏打ちした後、複数のステントグラフトの最も遠位のステントグラフトの近位縁は、複数のステントグラフトの次に最も遠位のステントグラフトの遠位縁と重なることができる。複数のステントグラフトによって血管を裏打ちした後、複数のステントグラフトの最も近位のステントグラフトの近位縁は、瘻孔内のプロテーゼの遠位縁と重なることができる。血管内の弁を無機能化することは、弁を無効にするために血管内の逆行の弁膜切開刀を遠位に前進させることを含むことができる。血管の弁を無機能化することは、径方向に圧縮された状態で弁に近接する双方向弁膜切開刀を前進させることと、双方向弁膜切開刀を径方向に拡張状態に径方向に拡張することと、径方向に拡張状態で、弁を無効にするために双方向弁膜切開刀を遠位に前進させること、及び血管における双方向弁膜切開刀を近位に後退させることのうちの少なくとも1つとを含むことができる。双方向弁膜切開刀を径方向に拡張することは、シースを近位に後退させること、及び双方向弁膜切開刀を遠位に前進させることのうちの少なくとも1つを含むことができる。この方法は、つま先への血液の逆行性灌流を促進することを更に含むことができる。つま先への血液の逆行性灌流を促進することは、内側足底静脈の第1の拡張可能部材を膨張させて内側足底静脈を閉塞することを含むことができる。つま先への血液の逆行性灌流を促進することは、外側足底静脈の第2の拡張可能部材を膨張させて外側足底静脈を閉塞することを含むことができる。つま先への血液の逆行性灌流を促進することは、深部足底静脈弓における静水圧を増加させることを含むことができる。深部足底静脈弓の静水圧を増加させることは、静脈弁を無効にし、中足骨静脈への血流の逆流を可能にすることを含むことができる。
いくつかの実施形態では、つま先への血液の逆行性灌流を促進する方法は、内側足底静脈の第1の拡張可能部材を膨張させて内側足底静脈を閉塞し、深部足底静脈弓の静水圧を増加させることを含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。深部足底静脈弓の静水圧を増加させることは、静脈弁を無効にし、中足骨静脈への血流の逆流を可能にすることを含むことができる。この方法は、外側足底静脈内の第2の拡張可能部材を膨張させて外側足底静脈を閉塞することを更に含むことができる。
いくつかの実施形態では、つま先への血液の逆行性灌流を促進するためのカテーテルシステムは、内側足底静脈を閉塞するために内側足底静脈で拡張されるように構成された第1の拡張可能部材を含む第1のカテーテルと、外側足底静脈を閉塞するために外側足底静脈内で拡張されるように構成された第2の拡張可能部材を含む第2のカテーテルと、を含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。
第1のカテーテルは、第2のカテーテル及び第2の拡張可能部材を通して長手方向に移動可能とすることができる。第1のカテーテルは、第1の拡張可能部材と流体連通する膨張管腔を含むことができる。第2のカテーテルは、第2の拡張可能部材と流体連通する膨張管腔を含むことができる。第1のカテーテルは、外側足底静脈の周りを内側足底静脈に湾曲するように構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、双方向弁膜切開刀は、近位部分、遠位部分、及び近位部分と遠位部分との間の長手方向の中間部分を含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。中間部分は、遠位に面するブレードと、近位に面するブレードとを含む。
中間部分は、遠位に面するブレード及び近位に面するブレードを含むストラットを含むことができる。中間部分は、複数のストラットを含むことができる。複数のストラットのうちの1つのストラットは、遠位に面するブレード及び近位に面するブレードを含むことができる。複数のストラットの各ストラットは、遠位に面するブレード及び近位に面するブレードを含むことができる。複数のストラットのうちの少なくとも1つのストラットは、遠位に面するブレードを含むことができる。複数のストラットのうちの少なくとも1つのストラットは、近位に面するブレードを含むことができる。中間部分は、3つのストラットを含むことができる。3つのストラットは、周方向に等間隔に離間して配置することができる。中間部分は、径方向に拡張可能とすることができる。中間部分は、シースから解放されると自己拡張することができる。近位部分は、プッシャ要素に結合することができる。中間部分は、レーザーカットすることができる(例えば、ハイポチューブ又はシートから)。遠位に面するブレード及び近位に面するブレードのうちの少なくとも1つは、中間部分の円周に対して回転させることができる。
いくつかの実施形態では、血管内の弁を無機能化する方法は、径方向に圧縮された状態で弁に近接する双方向弁膜切開刀を前進させることと、双方向弁膜切開刀を径方向に拡張状態に径方向に拡張することと、径方向に拡張状態で、弁を無効にするために血管内の双方向弁膜切開刀を遠位に前進させること、及び双方向弁膜切開刀を近位に後退させることのうちの少なくとも1つと、を含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。
弁に近接する双方向弁膜切開刀を前進させることは、本来の流体の流れと反対の方向に双方向弁膜切開刀を前進させることを含むことができる。弁に近接する双方向弁膜切開刀を前進させることは、本来の流体の流れの方向に双方向弁膜切開刀を前進させることを含むことができる。弁に近接する双方向弁膜切開刀を前進させることは、弁の近位にある双方向弁膜切開刀を前進させることを含むことができる。弁に近接する双方向弁膜切開刀を前進させることは、弁の遠位にある双方向弁膜切開刀を前進させることを含むことができる。
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤを捕捉するためのカテーテルは、カテーテル本体と、捕捉要素と、捕捉要素と連通しているガイドワイヤ管腔と、を含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。
捕捉要素は、カテーテル本体の遠位端部から展開するように構成することができる。捕捉要素は、カテーテル本体の側面から展開するように構成することができる。捕捉要素は、圧潰状態と拡張状態とを有することができる。捕捉要素は、体温で拡張状態に変化するように構成された形状記憶材料を含むことができる。捕捉要素は、拡張状態で110°~150°の角度を有することができる。ガイドワイヤ管腔は、捕捉要素に近接する拡張部分を含むことができる。カテーテルは、捕捉要素を拡張するように構成された拡張可能要素を更に含むことができる。拡張可能要素は、膨張可能部材を含むことができる。カテーテル本体は、膨張可能部材と流体連通する膨張管腔を含むことができる。拡張可能要素は、カテーテル本体に対して移動可能とすることができる。
いくつかの実施形態において、弁を無機能化する方法は、第1の血管と第2の血管との間に瘻孔を形成することを含むか、又は代替的には本質的にこのように瘻孔を形成することからなる。第1の血管は動脈とすることができる。第2の血管は静脈とすることができる。瘻孔を形成することは、第1の血管に第1のカテーテルを挿入することを含む。第1のカテーテルは、超音波送信トランスデューサー(ultrasound emitting transducer:超音波放射トランスデューサー)と、第1のカテーテルから径方向に延出するように構成された針とを備える。瘻孔を形成することは、第2の血管に第2のカテーテルを挿入することを更に含む。第2のカテーテルは超音波受信トランスデューサーを備える。瘻孔を形成することは、超音波送信トランスデューサーから超音波信号を送信することと、超音波受信トランスデューサーによって超音波信号を受信した後、第1のカテーテルから針を延出させることとを更に含む。針を延出させることは、第1の血管から出ることと、第1の血管と第2の血管との間の間質組織を横断することと、第2の血管に入ることとを含む。本方法は、瘻孔においてプロテーゼを少なくとも部分的に展開させることを更に含む。埋め込み型プロテーゼを展開させた後、血液は、プロテーゼを通して第1の血管から第2の血管に迂回される。本方法は、第2の血管内の弁を無機能化することを更に含む。第2の血管内の弁を無機能化することは、逆行の弁膜切開刀を用いて弁を切除することと、第2の血管をステントで裏打ちすることとを含む。
ステントは、被覆材又はグラフトを備えることができる。第2の血管を裏打ちすることは、第2の血管の側副血管を覆うことを含むことができる。ステントは、プロテーゼと別個とすることができる。ステントは、第2の血管の長さに沿ってプロテーゼから離間することができる。ステントは、プロテーゼと一体とすることができる。
いくつかの実施形態において、弁を無機能化する方法は、第1の血管と第2の血管との間に瘻孔を形成することを含むか、又は代替的には本質的にこのように瘻孔を形成することからなる。瘻孔を形成することは、第1の血管にカテーテルを挿入することを含む。カテーテルは、第1のカテーテルから径方向に延出するように構成された針を備える。瘻孔を形成することは、第1のカテーテルから針を延出させることを更に含む。針を延出させることは、第1の血管から出ることと、第1の血管と第2の血管との間の間質組織を横断することと、第2の血管に入ることとを含む。本方法は、プロテーゼを第1の血管と第2の血管との間の瘻孔において少なくとも部分的に展開させることを更に含む。埋め込み型プロテーゼを展開させた後、血液は、プロテーゼを通して第1の血管から第2の血管に迂回される。本方法は、第2の血管内の弁を無機能化することを更に含む。第2の血管内の弁を無機能化することは、逆行の弁膜切開刀を用いて弁を切除すること、バルーンを膨張させること、一時的なステントを拡張させること及び第2の血管を埋め込み型ステントで裏打ちすることのうちの少なくとも1つを含む。
埋め込み型ステントは、被覆材又はグラフトを備えることができる。第2の血管を裏打ちすることは、第2の血管の側副血管を覆うことを含むことができる。埋め込み型ステントは、プロテーゼと別個とすることができる。埋め込み型ステントは、プロテーゼと一体とすることができる。第1のカテーテルは、超音波送信トランスデューサーを備えることができる。瘻孔を形成することは、第2の血管に、超音波受信トランスデューサーを備える第2のカテーテルを挿入することと、超音波送信トランスデューサーから超音波信号を送信することと、超音波受信トランスデューサーによって超音波信号を受信した後、第1のカテーテルから針を延出させることとを含むことができる。
いくつかの実施形態において、弁を無機能化する方法は、プロテーゼを第1の血管と第2の血管との間の瘻孔において少なくとも部分的に展開させることを含むか、又は代替的には本質的にこのようにプロテーゼを展開させることからなる。埋め込み型プロテーゼを展開させた後、血液は、プロテーゼを通して第1の血管から第2の血管に迂回される。本方法は、第2の血管内の弁を無機能化することを更に含む。
第2の血管内の弁を無機能化することは、逆行の弁膜切開刀を用いて弁を切除することを含むことができる。第2の血管内の弁を無機能化することは、第2の血管をステントで裏打ちすることを含むことができる。ステントは、被覆材又はグラフトを備えることができる。第2の血管を裏打ちすることは、第2の血管の側副血管を覆うことを含むことができる。ステントは、プロテーゼと別個とすることができる。ステントは、第2の血管の長さに沿ってプロテーゼから離間することができる。ステントの近位セグメントは、長手方向においてプロテーゼの遠位セグメントに重なることができる。ステントは、プロテーゼと一体とすることができる。第2の血管内の弁を無機能化することは、逆行の弁膜切開刀を用いて弁を切除することと、第2の血管をステントで裏打ちすることとを含むことができる。第2の血管内の弁を無機能化することは、バルーンを膨張させること及び一時的なステントを拡張させることのうちの少なくとも一方を含むことができる。第2の血管内の弁を無機能化することは、バルーンを膨張させることを含むことができる。第2の血管内の弁を無機能化することは、一時的なステントを拡張させることを含むことができる。
いくつかの実施形態において、第1の血管内の閉塞を処置する埋め込み型プロテーゼは、ともに織組構造体に織組された複数のフィラメントと、近位端部と、遠位端部と、近位端部と遠位端部との間の側壁と、側壁によって画定される内腔と、流体の流れを、実質的に側壁を通過して灌流することなく内腔を通過するよう方向付けるのに十分な孔隙率を含むか、又は代替的には本質的にこのように織組構造体に織組された複数のフィラメントと、近位端部と、遠位端部と、近位端部と遠位端部との間の側壁と、側壁によって画定される内腔と、流体の流れを、実質的に側壁を通過して灌流することなく内腔を通過するよう方向付けるのに十分な孔隙率から成る。
孔隙率は、約0%~約50%とすることができる。孔隙率は、約5%~約50%とすることができる。プロテーゼは、実質的にグラフト材を備えなくてもよい。プロテーゼは、上記孔隙率を有する第1の長手方向セグメントと、上記孔隙率とは異なる第2の孔隙率を有する第2の長手方向セグメントとを有することができる。第2の長手方向セグメントは、第1の長手方向セグメントとは異なるパラメーターを有することができる。パラメーターは、編組角度、フィラメント直径、フィラメント材料、織組構造体直径、織組構造体形状及び補助的な支持構造体のうちの少なくとも1つを含むことができる。プロテーゼは、第1の長手方向セグメントと第2の長手方向セグメントとの間の第3の長手方向セグメントを更に有することができる。第3の長手方向セグメントは、第1の長手方向セグメント及び第2の長手方向セグメントのうちの少なくとも一方とは異なるパラメーターを有することができる。パラメーターは、編組角度、フィラメント直径、フィラメント材料、織組構造体直径、織組構造体形状及び補助的な支持構造体のうちの少なくとも1つを含むことができる。プロテーゼは、補助的な支持構造体を更に備えることができる。補助的な支持構造体は、ともに第2の織組構造体に織組された第2の複数のフィラメントであって、上記複数のフィラメントとは異なるパラメーターを有する第2の複数のフィラメントを含むことができる。パラメーターは、編組角度、フィラメント直径、織組構造体直径及びフィラメント材料のうちの少なくとも1つを含むことができる。補助的な支持構造体は、カットされたハイポチューブを含むことができる。複数のフィラメントは、形状記憶材料(例えばニチノール)を含むフィラメントと、生体適合性ポリマー(例えば、Dacron(登録商標)、Kevlar(登録商標))を含むプロテーゼとを含むことができる。
いくつかの実施形態において、第1の血管内の閉塞を処置する埋め込み型プロテーゼは、近位端部と、遠位端部と、近位端部と遠位端部との間の側壁と、側壁によって画定される内腔と、第1の腔内に留置するように構成された第1の長手方向セクションと、第2の腔内に留置するように構成された第2の長手方向セクションと、第1の長手方向セクションと第2の長手方向セクションとの間の第3の長手方向セクションとを備えるか、又は代替的には本質的にこのように近位端部と、遠位端部と、近位端部と遠位端部との間の側壁と、側壁によって画定される内腔と、第1の腔内に留置するように構成された第1の長手方向セクションと、第2の腔内に留置するように構成された第2の長手方向セクションと、第1の長手方向セクションと第2の長手方向セクションとの間の第3の長手方向セクションから成る。第1の長手方向セクション及び第3の長手方向セクションのうちの少なくとも一方は、流体の流れを、実質的に側壁を通過して灌流することなく内腔を通過するよう方向付けるのに十分な孔隙率を有する。
孔隙率は、約0%~約50%とすることができる。孔隙率は、約5%~約50%とすることができる。プロテーゼは、実質的にグラフト材を備えなくてもよい。第2の長手方向セグメントは、第1の長手方向セグメントとは異なるパラメーターを有することができる。パラメーターは、編組角度、フィラメント直径、フィラメント材料、直径、形状及び補助的な支持構造体のうちの少なくとも1つを含むことができる。第3の長手方向セグメントは、上記孔隙率とは異なる第2の孔隙率を有することができる。第1の長手方向セグメントは、バルーン拡張可能とすることができる。第2の長手方向セグメントは、自己拡張型とすることができる。プロテーゼは、ともに織組構造体に織組された複数のフィラメントを含むことができる。複数のフィラメントは、形状記憶材料(例えばニチノール)を含むフィラメントと、生体適合性ポリマー(例えば、Dacron(登録商標)、Kevlar(登録商標))を含むプロテーゼとを含むことができる。第3の長手方向セクションは、第1の長手方向セクション及び第2の長手方向セクションのうちの少なくとも一方とは異なるパラメーターを有することができる。パラメーターは、編組角度、フィラメント直径、フィラメント材料、直径、形状及び補助的な支持構造体のうちの少なくとも1つを含むことができる。プロテーゼは、補助的な支持構造体を更に備えることができる。第1の長手方向セクションは実質的に円筒形とすることができ、第1の直径を有することができ、第2の長手方向セクションは実質的に円筒形とすることができ、第1の直径よりも大きい第2の直径を有することができ、第3の長手方向セクションは円錐台形とすることができ、第1の直径から第2の直径までテーパーを付けることができる。第1の長手方向セクションは実質的に円筒形とすることができ、第1の直径を有することができ、第2の長手方向セクション及び第3の長手方向セクションは円錐台形とし、第1の直径から、第1の直径よりも大きい第2の直径までテーパーを付けることができる。
いくつかの実施形態において、第1の血管内の閉塞を処置する埋め込み型プロテーゼは、ともに織組構造体に織組された複数のフィラメントと、近位端部と、遠位端部と、近位端部と遠位端部との間の側壁と、側壁によって画定される内腔と、約5%~約50%の孔隙率とを備える。
孔隙率は、流体の流れを、実質的に内腔を通過するよう方向付けるように構成することができる。プロテーゼは、上記孔隙率を有する第1の長手方向セグメントと、上記孔隙率とは異なる第2の孔隙率を有する第2の長手方向セグメントとを有することができる。
いくつかの実施形態において、キットは、プロテーゼと瘻孔形成システムとを備える。本キットは、弁無力化装置を更に備えることができる。いくつかの実施形態において、キットは、プロテーゼと弁無力化装置とを備える。本キットは、プロテーゼを含むプロテーゼ送達システムを備えることができる。いくつかの実施形態において、方法は、プロテーゼを第1の血管と第2の血管との間の瘻孔において展開させることを含む。弁無力化装置は、逆行の弁膜切開刀を含むことができる。弁無力化装置は、バルーンを含むことができる。弁無力化装置は、静脈ステントを含むことができる。静脈ステントは、被覆材又はグラフトを備えることができる。静脈ステントは、プロテーゼと一体とすることができる。
いくつかの実施形態において、閉塞を含む第1の血管から第2の血管に流体の流れを迂回させる方法は、プロテーゼを第1の血管と第2の血管との間の瘻孔において少なくとも部分的に展開させることを含む。プロテーゼは、約50%未満の孔隙率を有する、ともに織組構造体に織組された複数のフィラメントを備える。埋め込み型プロテーゼを展開させた後、血液は、プロテーゼを通して第1の血管から第2の血管に迂回させることができる。
第1の血管は動脈とすることができる。管路は静脈とすることができる。本方法は、瘻孔を拡大させることを含むことができる。第1の血管は、第2の血管に対して実質的に平行とすることができる。プロテーゼを展開させることは、プロテーゼを自己拡張させることを含むことができる。プロテーゼを展開させることは、バルーンがプロテーゼを拡張させることを含むことができる。プロテーゼを展開させることは、織組構造体を展開させることと、補助的な支持構造体を展開させることとを含むことができる。補助的な支持構造体を展開させることは、織組構造体を展開させる前に行うことができる。補助的な支持構造体を展開させることは、織組構造体を展開させた後に行うことができる。補助的な支持構造体は、第2の織組構造体に織組された第2の複数のフィラメントを含むことができる。補助的な支持構造体は、カットされたハイポチューブを含むことができる。本方法は、瘻孔を形成することを更に含むことができる。瘻孔を形成することは、第1の血管に発射カテーテルを挿入することと、第2の血管に標的カテーテルを挿入することとを含むことができる。発射カテーテルは、超音波送信トランスデューサーと、発射カテーテルから径方向に延出するように構成された針とを備えることができる。標的カテーテルは、超音波受信トランスデューサーを備えることができる。瘻孔を形成することは、超音波送信トランスデューサーから超音波信号を送信することと、超音波信号を送信している間、超音波信号が超音波受信トランスデューサーによって受信され得るまで、発射カテーテルを回転させること及び発射カテーテルを長手方向に移動させることのうちの少なくとも一方と、超音波受信トランスデューサーによって超音波信号を受信した後、発射カテーテルから針を延出させることであって、この針を延出させることは、第1の血管から出ることを含むことと、第1の血管と第2の血管との間の間質組織を横断することと、第2の血管に入ることとを含むことができる。本方法は、第2の血管内の弁を無機能化することを更に含むことができる。第2の血管内の弁を無機能化することは、逆行の弁膜切開刀を用いて弁を切除することを含むことができる。第2の血管内の弁を無機能化することは、バルーンを膨張させることを含むことができる。第2の血管内の弁を無機能化することは、ステントを拡張させることを含むことができる。第2の血管内の弁を無機能化することは、第2の血管をステントで裏打ちすることを含むことができる。ステントは、被覆材又はグラフトを備えることができる。第2の血管を裏打ちすることは、第2の血管の側副血管を覆うことを含むことができる。ステントは、プロテーゼと別個とすることができる。ステントは、第2の血管の長さに沿ってプロテーゼから離間することができる。ステントの端部は、プロテーゼの端部に当接することができる。ステントの一部は、長手方向においてプロテーゼの一部に重なることができる。ステントの上記部分は、プロテーゼの上記部分の径方向内側にあることができる。本方法は、プロテーゼを展開させた後にステントを拡張させることを含むことができる。プロテーゼの上記部分は、ステントの上記部分の径方向内側にあることができる。本方法は、プロテーゼを展開させる前にステントを拡張させることを含むことができる。ステントは、プロテーゼと一体とすることができる。
いくつかの実施形態において、下肢における動脈と静脈との間の吻合部の開存性を維持する埋め込み型プロテーゼは、下肢動脈内に滞留するように構成された第1のセクションと、下肢静脈内に滞留するように構成された第2のセクションと、長手方向において第1のセクションと第2のセクションとの間にある第3のセクションとを有する。第3のセクションは、動脈と静脈との間の吻合部の開存性を維持するように構成されている。
第1のセクションは、下肢動脈の壁を並置するように構成することができる。第1のセクションは返しを有することができる。第2のセクションは、下肢静脈の壁を並置するように構成することができる。第2のセクションは返しを有することができる。第1のセクション、第2のセクション及び第3のセクションのうちの少なくとも1つは、自己拡張型とすることができる。第1のセクション、第2のセクション及び第3のセクションのうちの少なくとも1つは、バルーン拡張可能とすることができる。第2のセクションの長さは、第1のセクションの長さよりも大きくすることができる。第2のセクションは、下肢静脈内の弁を無力化するように構成することができる。第2のセクションは、下肢静脈の側副血管を覆うように構成することができる。
いくつかの実施形態において、下肢において第1の血管から第2の血管に流体の流れを迂回させる方法は、第1の血管と第2の血管との間に孔を形成することと、孔を拡張して吻合部を形成することとを含む。
孔を形成することは、第1の血管から第2の血管内にワイヤを押し進めることを含むことができる。孔を形成することは、第1の血管から第2の血管内に針を横断させることを含むことができる。孔を拡張させることは、少なくとも1つのバルーンを用いて孔を拡大させることを含むことができる。孔を拡大させることは、徐々に大きい直径を有する複数のバルーンを用いることを含むことができる。複数のバルーンのうちの第1のバルーンは、約1.5mmの直径を有することができ、複数のバルーンのうちの最後のバルーンは、約3mmの直径を有することができる。複数のバルーンは、約1.5mmの直径を有する第1のバルーンと、約2.0mmの直径を有する第2のバルーンと、約2.5mmの直径を有する第3のバルーンと、約3.0mmの直径を有する第3のバルーンとを含むことができる。複数のバルーンを用いて孔を拡大させることは、徐々に高いバルーン膨張圧を用いることを含むことができる。本方法は、(例えば、ステント、グラフト、スキャフォールド又は他のプロテーゼを使用せず)プロテーゼを配置することを含まなくてもよい(例えば、プロテーゼを配置することを欠いても排除してもよい)。第1の血管及び第2の血管の位置は、第1の血管及び第2の血管を囲む解剖学的構造によって実質的に維持することができる。本方法は、吻合部にプロテーゼを配置することを更に含むことができる。吻合部にプロテーゼを配置することは、第1の血管及び第2の血管のうちの少なくとも一方内にプロテーゼを留置することを含むことができる。第1の血管は、外側足底動脈を含むことができる。第2の血管は、外側足底静脈を含むことができる。
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤを捕捉するためのカテーテルは、シース及び拡張可能要素を含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。拡張可能要素は、シース内にあるときは圧潰状態を有し、シース外にあるときは拡張状態を有する。拡張可能要素は、ガイドワイヤをスネアするように構成された複数のセルを含む。
カテーテルは、シース及び拡張可能要素を通って延出するガイドワイヤシースを更に含むことができる。拡張可能要素の近位端部は、ガイドワイヤシースに結合することができる。拡張可能要素は、展開時に血管を拡張するように構成することができる。拡張可能要素は、蛍光透視法下で見ることができる。拡張可能要素は、複数のセルを画定するストラットを含むことができる。ストラットは、針が接触すると偏向可能とすることができる。カテーテルは、超音波受信トランスデューサーを更に含むことができる。超音波受信トランスデューサーは、拡張可能要素の遠位にあることができる。超音波受信トランスデューサーは、拡張可能要素の近位端部と拡張可能要素の遠位端部との間に長手方向にあることができる。超音波受信トランスデューサーは、拡張可能要素の近位にあることができる。ガイドワイヤを捕捉する方法は、カテーテルを第1の血管に挿入することと、拡張可能要素を第1の血管で拡張状態に拡張することと、針を第2の血管から間質組織を通って拡張可能要素の近位端部と拡張可能要素の遠位端部との間の第1の血管に延出させることとを含むことができる。針を延出させることは、複数のセルのうちの1つのセルを通して延出させることを含むことができる。この方法は、ガイドワイヤを針を通して拡張可能要素内に延出させることと、拡張可能要素を圧潰状態に向かって圧潰することを更に含むことができる。拡張可能要素を圧潰することは、ガイドワイヤをスネアすることを含むことができる。
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤを捕捉する方法は、拡張可能要素を第1の血管内で拡張状態に拡張することと、針を第2の血管から間質組織を通って拡張可能要素の近位端部と拡張可能要素の遠位端部との間の第1の血管内に延出させることと、を含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。拡張可能要素は、複数のセルを含む。針を延出させることは、複数のセルのうちの1つのセルを通して延出させることを含む。この方法は、ガイドワイヤを針を通して拡張可能要素内に延出させることと、拡張可能要素を圧潰状態に向かって圧潰することとを更に含む。拡張可能要素を圧潰することは、ガイドワイヤをスネアすることを含む。
拡張可能要素を圧潰することは、拡張可能要素をねじることを含むことができる。拡張可能要素を拡張することは、第1の血管を拡張することを含むことができる。針を延出させることは、蛍光透視法下で拡張可能要素を標的化することを含むことができる。この方法は、拡張可能要素を近位に後退させることを更に含むことができる。拡張可能要素を近位に後退させることは、第1の血管を通してガイドワイヤをルーティングすることを含むことができる。
いくつかの実施形態では、管状構造を展開するための装置は、ハンドル本体と、ノブと、スライダと、を含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。ハンドル本体は、ねじ山を含む第1のセグメントと、第1のセグメントに長手方向に隣接して近位にある第2のセグメントと、長手方向のスロットとを含む。第2のセグメントにはねじ山がない。ノブは、ねじ山を含む。ノブは、開始位置において第1のセグメントの遠位端部にある。スライダは、ノブに操作可能に接続されている。スライダは、シースに結合されている。ノブは、第1のセグメントのハンドル本体の周りを近位に回転するように構成され、第2のセグメントのハンドル本体に沿って近位にスライドするように構成されている。スライダは、ノブを回転させている間にシースを第1の量だけ近位に後退させるように構成され、ノブをスライドさせている間にシースを第2の量だけ近位に後退させるように構成されている。装置は、シースが第2の量だけ後退された後、管状構造を完全に展開するように構成されている。
第1の量は、第2の量よりも少なくすることができる。第1の量は、第2の量の10%~50%とすることができる。管状構造は、ステントを含むことができる。管状構造は、ステントグラフトを含むことができる。
いくつかの実施形態では、管状構造を展開する方法は、ハンドル本体の周りでノブを回転させることを含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。ハンドル本体の周りでノブを回転させることは、シースを近位に後退させることと、第1の量の管状構造を展開することとを含む。この方法は、ノブをハンドル本体の周りで回転させた後、ハンドル本体に沿ってノブを近位にスライドさせることを更に含む。ハンドル本体に沿ってノブを近位にスライドさせることは、第2の量の管状構造を展開するシースを近位に後退させることを含む。第1の量及び第2の量は、管状構造の全量である。
第1の量は、第2の量よりも少なくすることができる。第1の量は、第2の量の10%~50%とすることができる。管状構造は、ステントを含むことができる。管状構造は、ステントグラフトを含むことができる。
いくつかの実施形態では、管状構造を展開するための装置は、シースと、ハンドル本体と、歯を含むウォームギアを含むノブと、シースに結合されたスライダと、を含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。スライダは、ハンドル本体内の第1の部分と、ハンドル本体の外側の第2の部分と、ウォームギアの歯と相互作用するように構成された歯を含むウォームスクリューとを含む。スライダは、ノブを回転させている間にシースを第1の量だけ近位に後退させるように構成され、スライダをスライドさせている間にシースを第2の量だけ近位に後退させるように構成されている。装置は、シースが第2の量だけ後退された後、管状構造を完全に展開するように構成されている。
第1の量は、第2の量よりも少なくすることができる。第1の量は、第2の量の10%~50%とすることができる。管状構造は、ステントを含むことができる。管状構造は、ステントグラフトを含むことができる。ハンドル本体は、長手方向スロットを含むことができる。スライダは、長手方向スロットを通って延出する第3の部分を含むことができる。ハンドル本体は、第2の長手方向スロットを含むことができる。スライダは、ハンドル本体の外側の第4の部分と、第2の長手方向スロットを通って延出する第5の部分とを含むことができる。第4の部分は、第2の部分とはハンドル本体の反対側にあることができる。ハンドル本体は、シースが第1の量だけ近位に後退され得るまで、スライダの第2の部分を少なくとも部分的に覆うシェルを含むことができる。
いくつかの実施形態では、管状構造を展開する方法は、ノブを回転させることを含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。ノブを回転させることは、シースを近位に後退させることと、第1の量の管状構造を展開することとを含む。この方法は、ノブを回転させた後、ハンドル本体に沿ってスライダを近位にスライドさせることを更に含む。ハンドル本体に沿ってスライダを近位にスライドさせることは、シースを第2の距離だけ近位に後退させることと、第2の量の管状構造を展開することとを含む。第1の量及び第2の量は、管状構造の全量である。
第1の量は、第2の量よりも少なくすることができる。第1の量は、第2の量の10%~50%とすることができる。管状構造は、ステントを含むことができる。管状構造は、ステントグラフトを含むことができる。ノブは、歯を含むウォームギアを含むことができる。スライダは、ウォームギアの歯と相互作用するように構成された歯を含むウォームスクリューを含むことができる。ハンドル本体は、長手方向スロットを含むことができる。スライダは、ハンドル本体内の第1の部分と、ハンドル本体の外側の第2の部分と、長手方向スロットを通って延出する第3の部分と、を含むことができる。ハンドル本体は、第2の長手方向スロットを含むことができる。スライダは、ハンドル本体の外側の第4の部分と、第2の長手方向スロットを通って延出する第5の部分とを含むことができる。第4の部分は、第2の部分とはハンドル本体の反対側にあることができる。スライダを近位に後退させることは、第2の部分及び第4の部分を把持することを含むことができる。ハンドル本体は、シースが第1の量だけ近位に後退され得るまで、スライダの第2の部分を少なくとも部分的に覆うシェルを含むことができる。ノブの回転軸は、ハンドル本体の長手方向軸を横切ることができる。
いくつかの実施形態では、対象の脛骨静脈にアクセスする方法は、第1の止血帯を脚の膝上方に配置することと、第2の止血帯を脚の足首上方に配置することと、中足静脈から一定量の造影剤を注入することと、蛍光透視法を使用して脚の足の静脈を画像化するために静脈造影図を作成することと、を含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。
第1の止血帯は、第2の止血帯とは異なるタイプとすることができる。第1の止血帯は、第2の止血帯と同じタイプとすることができる。第1の止血帯は、第2の止血帯と同じサイズとすることができる。第1の止血帯は、第2の止血帯とは異なるサイズとすることができる。この方法は、対象を逆トレンデレンブルグ体位に配置することを更に含むことができる。この方法は、中足静脈を介して一定量の造影剤を注入した後、対象を平坦にすることを更に含むことができる。造影剤は、非イオン性造影剤を含むことができる。造影剤は、造影剤と生理食塩水との混合物を含むことができる。造影剤は、造影剤及び生理食塩水の50/50希釈を含むことができる。造影剤の量は、5mL~50mLの間を含むことができる。中足静脈は、背側中足静脈とすることができる。中足静脈は、足底中足静脈とすることができる。この方法は、中足静脈を触診することを更に含むことができる。この方法は、静脈造影図を使用して脛骨静脈を選択することを更に含むことができる。この方法は、ガイドワイヤを標的脛骨静脈に前進させることを更に含むことができる。この方法は、第2の止血帯を取り除くことを更に含むことができる。この方法は、ガイドワイヤ上で機能的カテーテルを追跡することを更に含むことができる。機能的カテーテルは、瘻孔を形成するためのカテーテル(例えば、標的カテーテル、発射カテーテル)を含むことができる。機能的カテーテルは、スネアを含むことができる。
いくつかの実施形態では、対象の外側足底静脈にアクセスする方法は、脚の足首上方に第1の止血帯を配置することと、脚の足のつま先に向かって背側内側足縁静脈に針を配置することと、第1のガイドワイヤを足の第1の中足静脈に前進させることと、一定量の造影剤を注入することと、蛍光透視法を使用して脚の足の静脈を画像化するために静脈造影図を作成することと、を含むか、あるいは本質的にそれらから構成される。
造影剤は、非イオン性造影剤を含むことができる。造影剤は、造影剤と生理食塩水との混合物を含むことができる。造影剤は、造影剤及び生理食塩水の50/50希釈を含むことができる。造影剤の量は、5mL~50mLの間を含むことができる。この方法は、静脈造影図を使用して、より大きな2つの外側足底静脈を選択することを更に含むことができる。この方法は、第1のガイドワイヤを交点の少なくとも1つ又は足首上方に前進させることと、超音波を使用して足の底の静脈を調査して第1のガイドワイヤの位置を観察することとを更に含むことができる。この方法は、第1のガイドワイヤを交点の少なくとも1つ又は足首上方に前進させることと、超音波を使用して足の底の静脈を調査して第1のガイドワイヤの位置を観察することと、第2のアクセス部位での足の足底弓において可能な限り遠位にある足の第1のガイドワイヤを含む外側足底静脈にアクセスすることとを更に含むことができる。この方法は、第2のガイドワイヤを外側足底静脈に前進させることを更に含むことができる。この方法は、第2のガイドワイヤを後脛骨静脈内に、そして交点まで前進させることを更に含むことができる。この方法は、第1のガイドワイヤを取り除くことを更に含むことができる。この方法は、止血帯を取り除くことを更に含むことができる。この方法は、ガイドワイヤ上で機能的カテーテルを追跡することを更に含むことができる。機能的カテーテルは、瘻孔を形成するためのカテーテル(例えば、標的カテーテル、発射カテーテル)を含むことができる。機能的カテーテルは、スネアを含むことができる。
いくつかの実施形態では、上行静脈造影処置を実行する方法は、第1の中足静脈から静脈血管系に一定量の造影剤を注入することを含むか、あるいは本質的にそれから構成される。
いくつかの実施形態では、下降静脈造影処置を実行する方法は、大伏在静脈から足に向かって静脈血管系に一定量の造影剤を注入することを含むか、あるいは本質的にそれから構成される。
いくつかの実施形態では、静脈動脈化処置のためにカテーテルを位置合わせする方法は、第1の血管に第1のカテーテルを挿入することを含む。第1のカテーテルは、針の第1の側にある針開口と、針開口の遠位にあり、第1の側とは反対側の第1のカテーテルの第2の側にある放射線不透過性マーカーと、針開口を通って延出するように構成された針とを含む。放射線不透過性マーカーは、蛍光透視法下で見ることができる。この方法は、第2のカテーテルを第2の血管に挿入することを更に含む。第2のカテーテルは、バルーンを含む。この方法は、バルーンを拡張することを更に含む。バルーンを拡張することは、蛍光透視法下で見える放射線不透過性材料によってバルーンを膨張させることを含む。この方法は、放射線不透過性マーカーが第2の血管内の第2のカテーテルに近接するまで第1のカテーテルを長手方向に前進させることと、第1のカテーテルの針開口を第2のカテーテルと位置合わせすることとを更に含む。針開口を位置合わせすることは、放射線不透過性マーカーが第1の位置と第2の位置との間で遷移するように、第1の血管内の第1のカテーテルを回転させることを含む。この方法は、放射線不透過性マーカーの第2の位置への回転を監視して、針開口と第2のカテーテルとの回転位置合わせを確認することと、回転位置合わせを確認した後、針を第1のカテーテルの針開口から延出させることとを更に含む。針を延出させることは、第1の血管を出て、第1の血管と第2の血管との間の間質組織を横断し、そして第2の血管に入ることを含む。
この方法は、針を通してガイドワイヤを第2の血管内に延出させることと、ガイドワイヤを第2の血管内の第2のカテーテルに絡ませることとを更に含むことができる。ガイドワイヤを絡ませることは、第2のカテーテルの拡張可能部材を閉塞することを含むことができる。この方法は、ガイドワイヤを延出させた後、第2のカテーテルを動かしてガイドワイヤの対応する動きを検出し、第2のカテーテルにおけるガイドワイヤの絡み合いを確認することを更に含むことができる。この方法は、第2のカテーテルを動かしてガイドワイヤを第2の血管を通して動かすことを更に含むことができる。第2のカテーテルを動かして第2の血管を通してガイドワイヤを動かすことは、足のある位置で第2の血管を出ることを含むことができる。
いくつかの実施形態では、静脈動脈化処置のためにカテーテルを位置合わせする方法は、第1の血管に第1のカテーテルを挿入することを含む。第1のカテーテルは、放射線不透過性マーカーと、延出経路に沿って延出可能な針とを含む。この方法は、第2のカテーテルを第2の血管に挿入することを更に含む。第2のカテーテルは、拡張可能部材を含む。拡張可能部材は、蛍光透視法下で見える放射線不透過性材料を含む。この方法は、拡張可能部材を拡張することと、第1のカテーテルの針を第2のカテーテルと位置合わせすることとを更に含む。針を位置合わせすることは、放射線不透過性マーカーが第1の位置と第2の位置との間で遷移するように、第1の血管内の第1のカテーテルを回転させることを含む。この方法は、放射線不透過性マーカーの第2の位置への回転を監視して、針延出経路と第2のカテーテルとの回転位置合わせを確認することと、回転位置合わせを確認した後、針を第1のカテーテルから延出経路に沿って延出させることとを更に含む。針を延出させることは、第1の血管を出て、第1の血管と第2の血管との間の間質組織を横断し、そして第2の血管に入ることを含む。
この方法は、ガイドワイヤを針を通して第2の血管内に延出させることを更に含むことができる。ガイドワイヤを延出させることは、第2のカテーテルの拡張可能部材にガイドワイヤを絡ませることを含むことができる。この方法は、第2の血管を通して拡張可能部材を後退させることを更に含むことができる。拡張可能部材を後退させることは、第2の血管を通してガイドワイヤを前進させることを含むことができる。ガイドワイヤを絡ませることは、第2のカテーテルの拡張可能部材を閉塞することを含むことができる。放射線不透過性マーカーは、針延出経路の反対側の第1のカテーテルの側にあることができる。放射線不透過性マーカーは、針出口開口の遠位にあることができる。第2のカテーテルは、バルーンを含むことができる。バルーンは、放射線不透過性材料によって膨張されてもよい。
いくつかの実施形態では、静脈動脈化処置のためにカテーテルを位置合わせする方法は、第1の血管に第1のカテーテルを挿入することを含む。第1のカテーテルは、放射線不透過性マーカーと、針とを含む。この方法は、第2のカテーテルを第2の血管に挿入することを更に含む。第2のカテーテルは、拡張可能部材を含む。この方法は、拡張可能部材を拡張することを更に含む。拡張された拡張可能部材は、放射線不透過性材料を含む。この方法は、放射線不透過性マーカー及び放射線不透過性材料を使用して針の延出経路を第2の血管と位置合わせすることと、針を第1の血管から、第1の血管と第2の血管との間の間質組織を通って第2の血管に延出させることとを更に含む。
この方法は、針を通してガイドワイヤを第2の血管内に延出させることと、ガイドワイヤを第2のカテーテルに絡ませることとを更に含むことができる。ガイドワイヤを絡ませることは、拡張可能部材を閉塞することを含むことができる。この方法は、第2のカテーテルを動かしてガイドワイヤを第2の血管を通して動かすことを更に含むことができる。針の延出経路を第2の血管と位置合わせすることは、放射線不透過性マーカーが第1の位置と第2の位置との間で遷移するように、第1の血管内の第1のカテーテルを回転させることを含むことができる。第1の位置は、蛍光透視法下で見える第1の厚さを含むことができる。第2の位置は、蛍光透視法下で見える第2の厚さを含むことができる。第1の厚さは、第2の厚さとは異なることができる。第1のカテーテルは、第1の側に針開口を含むことができる。放射線不透過性マーカーは、第1の側とは反対側の第1のカテーテルの第2の側にあることができる。第1のカテーテルは、放射線不透過性マーカーの近位に針開口を含むことができる。拡張可能部材は、バルーンを含むことができる。拡張可能部材を拡張することは、放射線不透過性材料によってバルーンを膨張させることを含むことができる。
いくつかの実施形態では、対象の脛骨静脈にアクセスする方法は、対象を逆トレンデレンブルグ体位に配置することと、第1の止血帯を脚の膝上方に配置することと、第2の止血帯を脚の足首上方に配置することと、中足静脈を介して一定量の造影剤を注入することと、中足静脈を介して一定量の造影剤を注入した後、対象を平坦にすることと、蛍光透視法を使用して脚の足の静脈を画像化するために静脈造影図を作成することと、静脈造影図を使用して脛骨静脈を選択することと、選択された脛骨静脈にガイドワイヤを前進させることと、第2の止血帯を取り外すことと、ガイドワイヤ上で機能的カテーテルを追跡することと、機能的カテーテルを使用して動脈から延出する第2のガイドワイヤをスネアすることと、第2のガイドワイヤを足から後退させることと、第2のガイドワイヤ上で第2の機能的カテーテルを追跡することとを含む。中足静脈は、背側中足静脈とすることができる。中足静脈は、足底中足静脈とすることができる。機能的カテーテルは、瘻孔を形成するためのカテーテル(例えば、標的カテーテル、発射カテーテル)を含むことができる。第2の機能的カテーテルは、弁無効化装置を含むことができる。弁無効化装置は、弁膜切開刀を含むことができる。弁無効化装置は、カットバルーンを含むことができる。弁無効化装置は、アテローム切除装置を含むことができる。
いくつかの実施形態では、対象の脛骨静脈にアクセスする方法は、中足静脈を介して一定量の造影剤を注入することと、蛍光透視法を使用して脚の足の静脈を画像化するために静脈造影図を作成することと、静脈造影図を使用して脛骨静脈を選択することと、選択された脛骨静脈にガイドワイヤを前進させることと、ガイドワイヤ上で機能的カテーテルを追跡することと、動脈から脛骨静脈に第2のガイドワイヤを延出させることと、機能的カテーテルを使用して第2のガイドワイヤをスネアすることと、第2のガイドワイヤを足から後退させることと、第2のガイドワイヤ上で第2の機能的カテーテルを追跡することとを含む。
中足静脈は、背側中足静脈とすることができる。中足静脈は、足底中足静脈とすることができる。機能的カテーテルは、瘻孔を形成するためのカテーテル(例えば、標的カテーテル、発射カテーテル)を含むことができる。第2の機能的カテーテルは、弁無効化装置を含むことができる。弁無効化装置は、弁膜切開刀を含むことができる。弁無効化装置は、カットバルーンを含むことができる。弁無効化装置は、アテローム切除装置を含むことができる。
いくつかの実施形態では、対象の脛骨静脈にアクセスする方法は、中足静脈を介して一定量の造影剤を注入することと、蛍光透視法を使用して脚の足の静脈を画像化するために静脈造影図を作成することと、静脈造影図を使用して脛骨静脈を選択することと、選択された脛骨静脈にガイドワイヤを前進させることと、ガイドワイヤ上で機能的カテーテルを追跡することとを含む。
中足静脈は、背側中足静脈とすることができる。中足静脈は、足底中足静脈とすることができる。機能的カテーテルは、ガイドワイヤをスネアするように構成された要素を含むことができる。この方法は、機能的カテーテルを使用して動脈から延出する第2のガイドワイヤをスネアすることと、第2のガイドワイヤを後退させることとを更に含むことができる。この方法は、第2のガイドワイヤ上で第2の機能的カテーテルを追跡することを更に含むことができる。機能的カテーテルは、瘻孔を形成するためのカテーテル(例えば、標的カテーテル、発射カテーテル)を含むことができる。第2の機能的カテーテルは、弁無効化装置を含むことができる。弁無効化装置は、弁膜切開刀を含むことができる。弁無効化装置は、カットバルーンを含むことができる。弁無効化装置は、アテローム切除装置を含むことができる。
いくつかの実施形態では、カッティングスネアシステムは、スネア構造と、弁膜切開刀構造とを含むか、又は本質的にそれらから構成される。
システムは、外側シースを更に含むことができる。スネア構造及び弁膜切開刀構造は、外側シースにおいて交換可能とすることができる。弁膜切開刀構造は、スネア構造の近位にあることができる。スネア構造は、外側シースの遠位端部から延出するように構成することができる。弁膜切開刀構造は、スネア構造とモノリシックとすることができる。外側シースは、複数の開口を含むことができる。弁膜切開刀構造は、外側シースから複数の開口を通って横方向に延出するように構成することができる。スネア構造は、ガイドワイヤを受け入れるように構成された複数のセルを含むことができる。スネア構造は、ガイドワイヤをスネアするように構成された複数のストラットを含むことができる。スネア構造は、ガイドワイヤをスネアするように構成された複数のワイヤを含むことができる。弁膜切開刀構造は、スネア構造の近位にあることができる。弁膜切開刀構造は、スネア構造の遠位にあることができる。弁膜切開刀構造は、スネア構造とモノリシックとすることができる。スネア構造は、第1の直径を有することができ、弁膜切開刀構造は、第1の直径よりも小さい第2の直径を有することができる。スネア構造は、スネア構造に長手方向の力を加えると、弁膜切開刀構造に反転するように構成することができる。弁膜切開刀構造は、スネア構造から分離することができる。弁膜切開刀構造は、スネア構造にはめ込むように構成することができる。スネア構造は、弁膜切開刀構造にはめ込むように構成することができる。弁膜切開刀構造は、スネア構造に径方向外向きの力を加えるように構成された拡張可能部材を含むことができる。弁膜切開刀構造は、複数のブレードを含むことができる。複数のブレードは、2つのブレードと8つのブレードとの間を含むことができる。複数のブレードは、3つのブレードを含むことができる。複数のブレードは、4つのブレードを含むことができる。複数のブレードは、近位に面することができる。複数のブレードは、遠位に面することができる。複数のブレードは、近位及び遠位に面することができる。
いくつかの実施形態では、カッティングスネアシステムは、ガイドワイヤを受け入れるように構成された複数のセルを含むスネア構造と、2つの近位に面するブレードと8つの近位に面するブレードとの間を含む弁膜切開刀構造と、外側シースとを含むか、又は本質的にそれらから構成される。スネア構造及び弁膜切開刀構造は、外側シースから拡張可能である。弁膜切開刀構造は、スネア構造とモノリシックとすることができる。
いくつかの実施形態では、対象の足底静脈にアクセスする方法は、対象を逆トレンデレンブルグ体位に配置することと、第1の止血帯を脚の膝上方に配置することと、第2の止血帯を脚の足首上方に配置することと、中足静脈を介して一定量の造影剤を注入することと、中足静脈を介して一定量の造影剤を注入した後、対象を平坦にすることと、蛍光透視法を使用して脚の足の静脈を画像化するために静脈造影図を作成することと、静脈造影図を使用して足底静脈を選択することと、選択された足底静脈にガイドワイヤを前進させることと、第2の止血帯を取り外すことと、ガイドワイヤ上で機能的カテーテルを追跡することと、機能的カテーテルを使用して動脈から延出する第2のガイドワイヤをスネアすることと、第2のガイドワイヤを足から後退させることと、第2のガイドワイヤ上で第2の機能的カテーテルを追跡することとを含む。
中足静脈は、背側中足静脈とすることができる。中足静脈は、足底中足静脈とすることができる。機能的カテーテルは、瘻孔を形成するためのカテーテル(例えば、標的カテーテル、発射カテーテル)を含むことができる。第2の機能的カテーテルは、弁無効化装置を含むことができる。弁無効化装置は、弁膜切開刀を含むことができる。弁無効化装置は、カットバルーンを含むことができる。弁無効化装置は、アテローム切除装置を含むことができる。
いくつかの実施形態では、対象の足底静脈にアクセスする方法は、中足静脈を介して一定量の造影剤を注入することと、蛍光透視法を使用して脚の足の静脈を画像化するために静脈造影図を作成することと、静脈造影図を使用して足底静脈を選択することと、選択された足底静脈にガイドワイヤを前進させることと、ガイドワイヤ上で機能的カテーテルを追跡することと、動脈から足底静脈に第2のガイドワイヤを延出させることと、機能的カテーテルを使用して第2のガイドワイヤをスネアすることと、第2のガイドワイヤを足から後退させることと、第2のガイドワイヤ上で第2の機能的カテーテルを追跡することとを含む。
中足静脈は、背側中足静脈とすることができる。中足静脈は、足底中足静脈とすることができる。機能的カテーテルは、瘻孔を形成するためのカテーテル(例えば、標的カテーテル、発射カテーテル)を含むことができる。第2の機能的カテーテルは、弁無効化装置を含むことができる。弁無効化装置は、弁膜切開刀を含むことができる。弁無効化装置は、カットバルーンを含むことができる。弁無効化装置は、アテローム切除装置を含むことができる。
いくつかの実施形態では、対象の足底静脈にアクセスする方法は、中足静脈を介して一定量の造影剤を注入することと、蛍光透視法を使用して脚の足の静脈を画像化するために静脈造影図を作成することと、静脈造影図を使用して足底静脈を選択することと、選択された足底静脈にガイドワイヤを前進させることと、ガイドワイヤ上で機能的カテーテルを追跡することとを含む。
中足静脈は、背側中足静脈とすることができる。中足静脈は、足底中足静脈とすることができる。機能的カテーテルは、ガイドワイヤをスネアするように構成された要素を含むことができる。この方法は、機能的カテーテルを使用して動脈から延出する第2のガイドワイヤをスネアすることと、第2のガイドワイヤを後退させることとを更に含むことができる。この方法は、第2のガイドワイヤ上で第2の機能的カテーテルを追跡することを更に含むことができる。機能的カテーテルは、瘻孔を形成するためのカテーテル(例えば、標的カテーテル、発射カテーテル)を含むことができる。第2の機能的カテーテルは、弁無効化装置を含むことができる。弁無効化装置は、弁膜切開刀を含むことができる。弁無効化装置は、カットバルーンを含むことができる。弁無効化装置は、アテローム切除装置を含むことができる。
いくつかの実施形態では、対象の足底静脈にアクセスする方法は、対象を逆トレンデレンブルグ体位に配置することと、第1の止血帯を脚の膝上方に配置することと、第2の止血帯を脚の足首上方に配置することと、中足静脈を介して一定量の造影剤を注入することと、中足静脈を介して一定量の造影剤を注入した後、対象を平坦にすることと、蛍光透視法を使用して脚の足の静脈を画像化するために静脈造影図を作成することと、静脈造影図を使用して足底静脈を選択することと、選択された足底静脈にガイドワイヤを前進させることと、第2の止血帯を取り外すことと、ガイドワイヤ上で機能的カテーテルを追跡することと、機能的カテーテルを使用して静脈から延出する第2のガイドワイヤをスネアすることと、第2のガイドワイヤを足から後退させることと、第2のガイドワイヤ上で第2の機能的カテーテルを追跡することとを含む。
中足静脈は、背側中足静脈とすることができる。中足静脈は、足底中足静脈とすることができる。機能的カテーテルは、瘻孔を形成するためのカテーテルを含むことができる。第2の機能的カテーテルは、弁無効化装置を含むことができる。弁無効化装置は、弁膜切開刀を含むことができる。
いくつかの実施形態では、対象の脛骨静脈にアクセスする方法は、第1の止血帯を脚の膝上方に配置することと、第2の止血帯を脚の足首上方に配置することと、中足静脈を介して一定量の造影剤を注入することと、蛍光透視法を使用して脚の足の静脈を画像化するために静脈造影図を作成することと、静脈造影図を使用して脛骨静脈を選択することと、選択された脛骨静脈にガイドワイヤを前進させることと、第2の止血帯を取り外すことと、ガイドワイヤ上で機能的カテーテルを追跡することとを含む。第1の止血帯は、第2の止血帯とは異なるタイプとすることができる。
いくつかの実施形態では、カテーテルを位置合わせする方法は、第1のカテーテルを第1の血管に配置することと、カテーテルを第2の血管に配置することとを含む。第1のカテーテルは、放射線不透過性材料を含む。カテーテルは、平坦な長方形の放射線不透過性マーカーを含む。この方法は、第1のカテーテル及びカテーテルが画像化平面内に入るまで画像化システムを回転させることを更に含む。画像化システムを回転させることは、第1のカテーテル上に第1の中心線を描画することと、カテーテル上に第2の中心線を描画することと、第1の中心線と第2の中心線との間の距離を最大化することと、第1のカテーテル及びカテーテルが画像化平面内にあるという信号を作成することとを含む。この方法は、平坦な長方形の放射線不透過性マーカーの厚さが最小になるまでカテーテルを回転させることを更に含む。カテーテルを回転させることは、平坦な長方形の放射線不透過性マーカーの第1の長い縁に沿って第1の線を描画することと、第1の長い縁とは反対側の平坦な長方形の放射線不透過性マーカーの第2の長い縁に沿って第2の線を描画することと、第1の長い線と第2の線との間の距離を最小化することと、厚さが最小であるという信号を作成することとを含む。この方法は、第2の血管内のカテーテルから第2の血管を出て第1の血管内に画像化平面で針を延出させることを更に含む。
いくつかの実施形態では、カテーテルを位置合わせする方法は、第1のカテーテルを第1の血管に配置することと、カテーテルを第2の血管に配置することとを含む。第1のカテーテルは、放射線不透過性材料を含む。カテーテルは、放射線不透過性マーカーを含む。この方法は、第1のカテーテル及びカテーテルが画像化平面内に入るまで画像化システムを回転させることと、放射線不透過性マーカーの厚さが最小になるまでカテーテルを回転させることとを更に含む。カテーテルを回転させることは、厚さが最小であるという信号を作成することを含む。
いくつかの実施形態では、カテーテルを位置合わせする方法は、放射線不透過性マーカーを含むカテーテルを血管内に配置することと、放射線不透過性マーカーの厚さが最小になるまでカテーテルを回転させることとを含む。カテーテルを回転させることは、厚さが最小であるという信号を作成することを含むことができる。
いくつかの実施形態では、第1の血管及び第2の血管を画像化平面に位置合わせする方法は、第1の血管に第1のカテーテルを配置することと、第2の血管に第2のカテーテルを配置することとを含む。第1のカテーテルは、放射線不透過性材料を含む。第2のカテーテルは、放射線不透過性マーカーを含む。この方法は、第1のカテーテル及び第2のカテーテルが画像化平面に入るまで画像化システムを回転させることを更に含む。画像化システムを回転させることは、第1のカテーテル上に第1の中心線を描画することと、第2のカテーテル上に第2の中心線を描画することと、第1の中心線と第2の中心線との間の距離を最大化することと、第1のカテーテル及びカテーテルが画像化平面内にあるという信号を作成することとを含む。
いくつかの実施形態では、カテーテルを位置合わせする方法は、第1の血管に造影剤を注入することと、第2の血管に造影剤を注入することと、第1の血管及び第2の血管が画像化平面に入るまで画像化システムを回転させることとを含む。画像化システムを回転させることは、第1の血管に沿って第1の線を描画することと、第2の血管に沿って第2の線を描画することと、第1の線と第2の線との間の面積を最大化することと、第1の血管及び第2の血管が画像化平面内にあるという信号を作成することとを含む。この方法は、カテーテルを第2の血管に配置することを更に含む。カテーテルは、平坦な長方形の放射線不透過性マーカーを含む。この方法は、平坦な長方形の放射線不透過性マーカーの厚さが最小になるまでカテーテルを回転させることを更に含む。第2のカテーテルを回転させることは、平坦な長方形の放射線不透過性マーカーの第1の長い縁に沿って第1の線を描画することと、第1の長い縁とは反対側の平坦な長方形の放射線不透過性マーカーの第2の長い縁に沿って第2の線を描画することと、第1の長い線と第2の線との間の距離を最小化することと、厚さが最小であるという信号を作成することとを含む。この方法は、第2の血管内のカテーテルから第2の血管を出て第1の血管内に画像化平面で針を延出させることを更に含む。
いくつかの実施形態では、カテーテルを位置合わせする方法は、第1の血管に造影剤を注入することと、第2の血管に造影剤を注入することと、第1の血管及び第2の血管が画像化平面に入るまで画像化システムを回転させることとを含む。画像化システムを回転させることは、第1の血管に沿って第1の線を描画することと、第2の血管に沿って第2の線を描画することと、第1の線と第2の線との間の面積又は距離を最大化することと、第1の血管及び第2の血管が画像化平面内にあるという信号を作成することとを含む。この方法は、カテーテルを第2の血管に配置することを更に含む。
いくつかの実施形態では、第1の血管及び第2の血管を画像化平面に位置合わせする方法は、第1の血管に造影剤を注入することと、第2の血管に造影剤を注入することと、第1の血管及び第2の血管が画像化平面内に入るまで画像化システムを回転させることとを含む。
いくつかの実施形態では、カテーテルを位置合わせする方法は、第1のカテーテルを第1の血管に配置することと、カテーテルを第2の血管に配置することとを含む。カテーテルは、放射線不透過性マーカーを含む。この方法は、放射線不透過性マーカーの厚さが最小になるまでカテーテルを回転させることと、厚さが最小であるという信号を作成することとを更に含む。
いくつかの実施形態では、カテーテルを位置合わせする方法は、第1のカテーテルを第1の血管に配置することと、カテーテルを第2の血管に配置することとを含む。カテーテルは、放射線不透過性マーカーを含む。この方法は、放射線不透過性マーカーの厚さがある値よりも小さくなるまでカテーテルを回転させることと、厚さがその値よりも小さいという信号を作成することとを更に含む。値は、3mm未満とすることができる。値は、1mm未満とすることができる。値は、10μm未満とすることができる。
いくつかの実施形態では、静脈系を通る逆行性流を介して肢遠位部への血液灌流を増加させる方法は、血液を動脈から第1の静脈に迂回させることと、第1の静脈と第2の静脈との間に血流ループを確立することと、を含む。
肢遠位部は、足を含んでもよい。肢遠位部は、手を含んでもよい。肢遠位部は、つま先を含んでもよい。肢遠位部は、指を含んでもよい。動脈は、後脛骨動脈であってもよい。第1の静脈は、内側足底静脈であってもよい。第2の静脈は、前脛骨静脈であってもよい。第2の静脈は、外側足底静脈であってもよい。第1の静脈は、足背静脈弓の第1の側にあってもよく、第2の静脈は、足背静脈弓の第2の側にあってもよい。
血流ループを確立することは、第1の静脈又は第2の静脈の少なくとも一方の弁を無効にすることを含んでもよい。第1の静脈又は第2の静脈の少なくとも一方の弁を無効にすることは、弁切開器を使用することを含んでもよい。第1の静脈又は第2の静脈の少なくとも一方の弁を無効にすることは、バルーンを使用することを含んでもよい。第1の静脈又は第2の静脈の少なくとも一方の弁を無効にすることは、ステントを使用することを含んでもよい。ステントは、側壁を通って分枝血管への灌流を阻害することができる。
本方法は、第1の静脈又は第2の静脈のいずれかと第3の静脈との間に第2の血流ループを確立することを含んでもよい。第3の静脈は、外側足底静脈であってもよい。第2の血流ループを確立することは、第3の静脈内の弁を無効にすることを含んでもよい。第3の静脈の弁を無効にすることは、弁切開器を使用することを含んでもよい。第3の静脈の弁を無効にすることは、バルーンを使用することを含んでもよい。第3の静脈内の弁を無効にすることは、ステントを使用することを含んでもよい。ステントは、側壁を通って分枝血管への灌流を阻害することができる。第2の血流ループを確立することは、同じ介入処置中であってもよい。第2の血流ループを確立することは、後の介入処置中であってもよい。
本方法は、静脈系内の流出を制限することをさらに含んでもよい。静脈系の流出を制限することは、二分枝静脈又は側枝を通って血液を導くことを含んでもよい。
本方法は、二分枝静脈又は側枝を塞栓することをさらに含んでもよい。二分枝静脈又は側枝を塞栓することは、コイル、ミクロスフェア、液体塞栓、又はレーザーのうちの少なくとも1つを使用することを含んでもよい。
本方法は、静脈流出を制限することによって肢遠位部の血圧を上昇させるために外圧を印加することをさらに含んでもよい。外圧を印加することは、カフ、止血帯、又はラップのうちの少なくとも1つを使用することを含んでもよい。圧力の印加は、連続的であってもよい。圧力の印加は、断続的であってもよい。
本方法は、第2の動脈から第2の静脈、第3の静脈、又は第4の静脈のうちの少なくとも1つに血液を迂回させることをさらに含んでもよい。血液を動脈から第1の静脈に迂回させることは、動脈に再び入ることを含まない。本方法は、肢遠位部の動脈と肢遠位部の静脈との間に瘻孔を形成することをさらに含んでもよい。
本方法は、複数の静脈標的のための流れループを形成することをさらに含んでもよい。複数の静脈標的は、肢遠位部の第1のレベルの少なくとも1つの静脈と、肢遠位部の第2のレベルの少なくとも1つの静脈とを含んでもよい。複数の静脈標的は、肢遠位部の第1のレベルの少なくとも1つの静脈と肢遠位部の第2のレベルの少なくとも1つの静脈との間の静脈を含んでもよい。複数の静脈標的は、穿通枝を含んでもよい。
血流ループを確立することは、血流ループ内の圧力を増加させることができる。血流ループ内の圧力の増加は、肢遠位部を含む肢への血液灌流の遠位性を増加させることができる。
いくつかの実施形態では、静脈系を通る逆行性流を介して足のつま先への血液灌流を増加させる方法は、血液を動脈から第1の静脈に迂回させることを含む。血液を動脈から第1の静脈に迂回させることは、動脈に再び入ることを含まない。本方法は、第1の静脈と第2の静脈との間に血流ループを確立することをさらに含む。第1の静脈は、足背静脈弓の第1の側にあり、第2の静脈は、足背静脈弓の第2の側にある。血流ループを確立することは、弁切開器、バルーン、又はステントのうちの少なくとも1つを使用して、第1の静脈又は第2の静脈のうちの少なくとも1つの弁を無効にすることを含む。本方法は、二分枝静脈又は側枝を通って血液を導くことによって静脈系の流出を制限することをさらに含む。本方法は、コイル、ミクロスフェア、液体塞栓、又はレーザーのうちの少なくとも1つを使用して二分枝静脈又は側枝を塞栓することをさらに含む。本方法は、カフ、止血帯、又はラップのうちの少なくとも1つを使用して静脈流出を制限することによって肢遠位部の血圧を上昇させるために外圧を印加することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、静脈系を通る逆行性流を介して足のつま先への血液灌流を増加させるための装置、システム、キットなどは、動脈から第1の静脈に血液を迂回させるように構成された第1のプロテーゼと、第1の静脈と第2の静脈との間に血流ループを形成するように弁を無効にするように構成された弁切開器、バルーン、又はステントのうちの少なくとも1つと、二分枝静脈又は側枝を通って血液を導くことによって静脈系内の流出を制限するように構成された分流ステントと、二分枝静脈又は側枝を塞栓するように構成されたコイル、ミクロスフェア、液体塞栓、又はレーザーのうちの少なくとも1つと、静脈流出を制限することによって足の血圧を増加させるために外圧を印加するように構成されたカフ、止血帯、又はラップのうちの少なくとも1つと、を備えるか、あるいはこれらから本質的に構成される。
いくつかの実施形態では、静脈系を通る逆行性流を介して足のつま先への血液灌流を増加させるための装置、システム、キット、及び方法が本明細書に記載されている。
いくつかの実施形態では、静脈系を通る逆行性流を介して肢遠位部への血液灌流を増加させるための装置、システム、キット、及び方法が本明細書に記載されている。
いくつかの実施形態では、静脈系を通る逆行性流を介して肢遠位部への血液灌流を増加させる方法は、第1の静脈と第2の静脈との間に血流ループを確立することを含む。
いくつかの実施形態では、第1の血管から第2の血管に血流を迂回させ、第1の血管内の血流を維持するための装置は、第1のセグメント及び第2のセグメントを備えるか、あるいはこれらから本質的に構成される。第1のセグメントは、第1の血管内に固定されるように構成される。第1のセグメントは、血液が第1のセグメントに流入し、窓を通って第1の血管の遠位に流れることを可能にする窓を備える。第2のセグメントは、第2の血管内に固定されるように構成される。第2のセグメントは、血液が第1のセグメントに流入し、第2のセグメントを通って第2の血管に流入することを可能にするように構成される。
第1のセグメントは、ステント構造を備えてもよい。ステント構造の少なくとも一部は、被覆されていなくてもよい。第2のセグメントは、ステント構造を備えてもよい。ステント構造の少なくとも1つのパラメーターは、第1のセグメントと第2のセグメントとの間で異なっていてもよい。パラメーターは、セルパターンを含むことができる。第2のセグメントは、グラフト被覆を含んでもよい。グラフト被覆は、装置の長手方向軸に対してほぼ垂直であってもよい。グラフト被覆は、装置の長手方向軸に対してある角度であってもよい。角度は、約10°~約70°であってもよい。第1のセグメントは、グラフト被覆を含んでもよい。第1のセグメントのグラフト被覆は、V字形の切り欠きを含んでもよい。第1のセグメントは、第2のセグメントとは別個に展開可能であってもよい。窓は、製造プロセス中に形成されてもよい。窓は、原位置で形成されてもよい。第1のセグメントは、穿刺可能グラフトを備えてもよい。第1のセグメントは、穿刺を容易にするように構成されたステント構造を備えてもよい。第1のセグメントは、半径方向外側に開くように構成されたフラップを備えてもよい。第1のセグメントは、半径方向外側に開くように構成された複数のフラップを備えてもよい。第1のセグメントは、第1の血管の分岐血管内に配置されるように構成された分岐部を備えてもよい。第1のセグメントは、第1のセグメントの屈曲時に開くように構成された複数のスリットを備えてもよい。装置は、その長さに沿って可変の多孔度を有する織編組を備えてもよい。第1のセグメントは、部分を通る血液の灌流を可能にするように構成された第1の多孔度を有する部分を備えてもよい。第2のセグメントは、部分を通して血液を迂回させるように構成された第2の多孔度を有する部分を備えてもよい。第1の多孔度は、75%未満であってもよい。第2の多孔度は、60%よりも大きくてもよい。装置は、閉塞性インプラントをさらに備えてもよい。閉塞性インプラントは、第2のセグメント内に固定されるように構成されたテザーを備えてもよい。第2のセグメントは、装置を通る流体の流れを制限するように構成された第3のセグメントを備えてもよい。第3のセグメントは、第2のセグメントよりも狭い直径を含むことができる。第1のセグメントは、フランジを備えてもよい。
いくつかの実施形態では、第1の血管から第2の血管に血流を迂回させ、第1の血管内の血流を維持するための装置内に窓を形成する方法は、第1の血管内に装置を埋め込むことと、間質組織を通って第2の血管内に延在することと、第1の血管内の装置の屈曲部を通してガイドワイヤを挿入することと、を含むか、又はこれらから本質的に構成される。ガイドワイヤは、グラフト材料を穿刺して開口部を形成する。
本方法は、開口部を広げるためにガイドワイヤ上で拡張器を追跡することをさらに含んでもよい。拡張器は、湾曲した先端を有してもよい。湾曲部を通してガイドワイヤを挿入することは、傾斜した傾斜面を有するカテーテルを出ることを含んでもよい。カテーテルは、直線経路をさらに備えてもよい。本方法は、ガイドワイヤ上でバルーンを追跡することをさらに含んでもよい。バルーンは、開口部を通って延在してもよい。本方法は、バルーンを拡張することをさらに含んでもよい。拡張されたバルーンは、開口部を拡大することができる。本方法は、ガイドワイヤを固定することをさらに含んでもよい。ガイドワイヤを固定することは、固定バルーンを第1の血管内で拡張することを含んでもよい。湾曲部を通してガイドワイヤを挿入することは、複数の開口部を形成することを含んでもよい。本方法は、放射線不透過性標的を装置の外側且つ第1の血管内の装置の下流に配置することをさらに含んでもよい。本方法は、開口部を通してステントを展開することをさらに含んでもよい。
いくつかの実施形態では、第1の血管から第2の血管に血流を迂回させ、第1の血管内の血流を維持するための装置は、血液が第1の区画に、細孔を通って、第1の血管内の遠位に、及び/又は第1の区画に、第1の区画を通って、第1の血管内の遠位に流れることを可能にするように構成された細孔を含むステント構造を備える第1の区画と、第1の血管から第2の区画に、第2の区画を通って、第2の血管内に流れることを可能にするように構成された第2の区画と、を備えるか、又は代替的にこれらから本質的に構成される。
第1の区画の近位端は、第1の血管内に配置されるように構成されてもよい。第1の区画の遠位端は、第2の血管内に配置されるように構成されてもよい。第1の区画の近位端は、第1の血管内に配置されるように構成されてもよい。第1の区画の遠位端は、第1の血管内に配置されるように構成されてもよい。第2の区画の近位端は、第1の血管内に配置されるように構成されてもよい。第2の区画の遠位端は、第2の血管内に配置されるように構成されてもよい。第1の区画の長さは、第2の区画の長さとほぼ同じであってもよい。第1の区画の長さは、第2の区画の長さと異なっていてもよい。第1の区画の直径は、第2の区画の直径とほぼ同じであってもよい。第1の区画の直径は、第2の区画の直径と異なっていてもよい。第2の区画は、近位端から遠位端まで先細になっていてもよい。第1の区画の近位区画は、三日月形状を有してもよい。第1の区画の遠位区画は、円形形状を有してもよい。第1の区画の近位端は、第1の血管内に固定されるように構成されてもよく、遠位端に向かって内向きに先細になっていてもよい。第2の区画は、第1の区画の遠位端から延在してもよい。第2のセグメントは、装置を通る流体の流れを制限するように構成された第3のセグメントを備えてもよい。第3のセグメントは、第2のセグメントよりも狭い直径を含むことができる。第1のセグメントは、フランジを備えてもよい。
いくつかの実施形態では、インプラントは、血管内の血流を閉塞するように構成された閉塞性インプラントを備える第1の部分と、第1の部分に繋がれた第2の部分と、を備えるか、又は代替的にこれらから本質的に構成される。第2の部分は、ステントに連結されるように構成されたアンカーを備える。
閉塞性インプラントは、拡張可能なメッシュ、スポンジ、プラグ、コイル、複数のコイル、塞栓液体、ヒドロゲル、ミクロスフェア、又は埋め込み可能なバルーンのうちの少なくとも1つを含むことができる。アンカーは、カテーテルからの放出時にコイルを形成するように構成されたワイヤを備えてもよい。
いくつかの実施形態では、第1の血管から第2の血管に血流を迂回させ、第1の血管内の血流を維持するための装置は、第1の血管に固定されるフレアと、フレアから延在する細長区画と、を備えるか、又はこれから本質的に構成される。細長区画は、第2の血管内に固定されるように構成される。
フレアは、第1の血管内に最小限に延在するように構成されてもよい。装置は、フレアを含む複数のフレアを備えてもよい。複数のフレアのフレアは、対称であってもよい。複数のフレアのフレアは、非対称であってもよい。複数のフレアのうちの少なくとも1つのフレアは、複数のフレアのうちの他のフレアよりも長くてもよい。少なくとも1つのフレアは、第1の血管内の他のフレアの下流にあるように構成されてもよい。フレアは、被覆されていてもよい。フレアは、被覆されていなくてもよい。細長区画は、装置を通る流体の流れを制限するように構成された第3のセグメントを備えてもよい。第3のセグメントは、第2のセグメントよりも狭い直径を含むことができる。
いくつかの実施形態では、分岐血管からの流れを迂回させて遠位血管を灌流するための装置は、メッシュ構造を形成するように一体に織られた複数のワイヤを備えるか、又はこれから本質的に構成される。メッシュ構造は、約4mm~約8mmの拡張直径を有してもよい。メッシュ構造は、約60%~約75%の多孔度を有してもよい。メッシュ構造は、約50mm~約150mmの長さを有してもよい。拡張された構造は、約120°~約179°の編組角度を有してもよい。メッシュ構造は、約0.4N/mm~約1.1N/mmの圧縮抵抗を有してもよい。
メッシュ構造は、円錐台形状を有してもよい。メッシュ構造は、拡張直径から第2の拡張直径まで先細になっていてもよい。第2の拡張直径は、拡張直径の下流にあるように構成されてもよい。メッシュ構造は、約0.25N/mm~約0.6N/mmの慢性的な外向きの力を有してもよい。複数のワイヤのそれぞれは、約50μm~約100μmの直径を有してもよい。複数のワイヤのそれぞれは、形状記憶材料を含んでもよい。メッシュ構造は、約50~約150のPPIを有してもよい。
いくつかの実施形態では、血管内の乱流を減少させるための装置は、第1の直径を有し、血管を伸張させることができるステントグラフトと重なるように構成された第1のセグメントと、第1の直径から第2の直径に向かって先細になっている第2のセグメントと、を備えるか、又は代替的にこれらから本質的に構成される。装置は、装置を通る層流を提供するために先細状に血管を伸張させるように構成される。
直径は、約2mm~約10mmであってもよい。第2の直径は、約1mm~約8mmであってもよい。第2のセグメントは、約5mm~約100mmの長さを有してもよい。第2のセグメントは、約60%~約75%の多孔度を有してもよい。装置は、第1のセグメントの近位端に第1の放射線不透過性マーカーをさらに備えてもよい。装置は、第1のセグメントと第2のセグメントとの間の移行部に第2の放射線不透過性マーカーをさらに備えてもよい。
いくつかの実施形態では、装置を通る流体の流れを制限するための装置は、第1の直径を有し、第1の血管に固定されるように構成された第1のセグメントと、第2の直径を有し、第2の血管に固定されるように構成された第2のセグメント、第3のセグメント、第4のセグメント、及び第5のセグメントと、を備えるか、又は代替的にこれらから本質的に構成される。第3のセグメントは、第1の直径及び第2の直径よりも小さい第3の直径を有する。第3の直径は、装置を通る流体の流れを制限するように構成される。第2のセグメントは、第1の直径から第3の直径に向かって先細になっている。第4のセグメントは、第3の直径から第2の直径に向かって先細になっている。
第1のセグメントは、流体の流れを第1の血管から第2の血管に迂回させるように構成されてもよい。第1のセグメントは、流体が第1の血管を通って流れ続けることを可能にするように構成されてもよい。第1のセグメントは、窓を備えてもよい。第1の直径は、第2の直径よりも小さくてもよい。第1の直径は、第2の直径と同じであってもよい。第1のセグメントは、第1の直径よりも大きい第4の直径を有するフランジを備えてもよい。装置は、ステント構造及びグラフトを備えてもよい。第1のセグメントの少なくとも一部は、グラフトを欠いていてもよい。グラフトは、第3のセグメントにおいて第3の直径を有してもよい。ステント構造は、第3のセグメントにおいて第3の直径よりも大きい第4の直径を有してもよい。第3のセグメントにおけるグラフトは、圧力の変化に応答して内側に屈曲するように構成されてもよい。第3のセグメントにおけるグラフトは、圧力の変化に応答して外側に屈曲するように構成されてもよい。第1のセグメントは、膝窩動脈のP3セグメント内に固定されるように構成されてもよい。第1のセグメントは、脛骨腓骨幹に固定されるように構成されてもよい。第1の直径は、約5mm~約7mmであってもよい。第1の直径は、約4mm~約6mmであってもよい。第2の直径は、約5mm~約7mmであってもよい。第3の直径は、約2.5mm~約5mmであってもよい。第2のセグメント又は第3のセグメントのうちの少なくとも一方は、第5のセグメントに層流を提供するように構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、装置を通る流体の流れを制限するための装置は、第1の直径を有し、第1の血管に固定されるように構成された第1のセグメントと、第2の直径を有し、第2の血管に固定されるように構成された第2のセグメント、及び第3のセグメントと、を備えるか、又は代替的にこれらから本質的に構成される。第1の直径は、装置を通る流体の流れを制限するように構成される。第2のセグメントは、第1の直径から第2の直径に向かって先細になっている。
第1のセグメントは、流体の流れを第1の血管から第2の血管に迂回させるように構成されてもよい。第1のセグメントは、流体が第1の血管を通って流れ続けることを可能にするように構成されてもよい。第1のセグメントは、窓を備えてもよい。第1のセグメントは、第1の直径よりも大きい第3の直径を有するフランジを備えてもよい。装置は、ステント構造及びグラフトを備えてもよい。第1のセグメントの少なくとも一部は、グラフトを欠いていてもよい。グラフトは、第1のセグメントにおいて第1の直径を有してもよい。ステント構造は、第1のセグメントにおける第1の直径よりも大きい第3の直径を有してもよい。第1のセグメントにおけるグラフトは、圧力の変化に応答して内側に屈曲するように構成されてもよい。第1のセグメントにおけるグラフトは、圧力の変化に応答して外側に屈曲するように構成されてもよい。第1の直径は、約2.5mm~約5mmであってもよい。第2の直径は、約5mm~約7mmであってもよい。
いくつかの実施形態では、装置を通る流体の流れを制限するための装置は、第1の直径を有し、第1の血管に固定されるように構成された第1のセグメントと、第1のセグメントを横切って延在する第2のセグメントと、第2の直径を有し、第2の血管に固定されるように構成された第3のセグメント、及び第4のセグメントと、を備えるか、又は代替的にこれらから本質的に構成される。第2のセグメントは、第1の直径及び第2の直径よりも小さい第3の直径を有する。第3の直径は、装置を通る流体の流れを制限するように構成される。第3のセグメントは、第3の直径から第2の直径に向かって先細になっている。
第1のセグメントは、流体の流れを第1の血管から第2の血管に迂回させるように構成されてもよい。第1のセグメントは、流体が第1の血管を通って流れ続けることを可能にするように構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、管腔を通る流体の流れを制限するためのインプラントは、第1のセグメント、第2のセグメント、及び第3のセグメントを備えるか、又はこれらから本質的に構成される。第2のセグメントは、インプラントを通る流体の流れを制限し、インプラントが管腔内に配置されたときに管腔を通る流体の流れを制限するように構成された第1の直径を有する。第1のセグメントは、インプラントを管腔内に固定するように構成された第2の直径から第1の直径まで先細になっている。第2のセグメントは、インプラントを管腔内に固定するように構成された第1の直径から第3の直径まで先細になっている。
第1の直径は、約2.5mm~約5mmであってもよい。第1のセグメントにおけるグラフトは、圧力の変化に応答して内側に屈曲するように構成されてもよい。第1のセグメントにおけるグラフトは、圧力の変化に応答して外側に屈曲するように構成されてもよい。管腔は、分流装置であってもよい。管腔は、静脈であってもよい。システムは、インプラントと、流体の流れを第1の血管から第2の血管に迂回させるように構成された分流装置と、を備えることができる。インプラントは、分流装置内に配置されるように構成されてもよい。インプラントは、第2の血管内に配置されるように構成されてもよい。
上記で概説するとともに以下で更に詳細に記載する方法は、一般医がとるいくつかの措置を記載しているが、他者がとるそれらの措置の指示を含むこともできることが理解されるであろう。したがって、「第1の血管内の弁を無機能化すること」等の措置は、「第1の血管内の弁を無機能化することを指示すること」を含む。
本発明と達成することができる利点とを概説する目的から、いくつかの目的及び利点を本明細書において説明する。そのような全ての目的又は利点は必ずしも、任意の特定の実施形態に従って達成される必要なない。いくつかの実施形態において、本発明は、1つの利点又は一群の利点を達成又は最適化することができるやり方で、必ずしも他の目的又は利点を達成する必要なく、具現することができるか又は行うことができる。
これらの実施形態の全ては、開示されている本明細書中の本発明の範囲内にあることが意図される。これらの実施形態及び他の実施形態は、本発明を任意の特定の開示された実施形態(複数の場合もある)に限定することなく、添付の図面を参照する以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。いくつかの実施形態を参照しながら記載される任意の特徴及び/又は好ましい特徴を、他の実施形態と組み合わせて他の実施形態に組み入れることができる。特許及び特許出願を含む、本明細書において言及される全ての文献は、それらの全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
いくつかの実施形態及び例を以下で説明するが、本発明は、具体的に開示された実施形態及び/又はその使用及び明白な変更及びその均等物以外にも及ぶ。開示される、本明細書における本発明の範囲は、以下で記載される任意の特定の実施形態(複数の場合もある)によって限定されないものとする。
低侵襲性手術により、標準外科法から現在排除されている手段を含む、より広範の患者を処置する手段を提供することができる。そのような1つの処置は、経皮による原位置での冠静脈血管新生(PICVA:Percutaneous In situ Coronary Venous Arterialization)であり、この冠静脈血管新生は、冠動脈と隣接する冠静脈との間にチャネルを創出することによって患部動脈における閉塞部が「バイパス」される、カテーテルベースの冠動脈バイパス処置である。このようにして、動脈血を静脈系内に迂回させ、心臓組織を逆行方法(逆行性灌流)で灌流させることができ、血液供給を虚血組織に戻す。PICVAのような処置を行ういくつかの例示的な装置及び方法は、PCT国際公開第99/049793号及び米国特許出願公開第2004/0133225号に記載されており、上記PCT出願及び米国特許出願は引用することによりそれらの全体が本明細書の一部をなす。
これまで、冠動脈から隣接する静脈に血流を迂回させる低侵襲性処置を首尾よく行うことは、多くの場合、動脈から静脈を適正に標的に定めることができないことに起因して、成功率が低かった。適切なシステム及び方法がなければ、そのような処置(例えば、X線蛍光法と、例えば米国特許出願公開第2004/0133225号に記載されているカテーテルの遠位先端に位置付けられた画像形成超音波プローブとの組合せによって静脈を標的に定めようとする試み)は多くの場合、開始さえしないうちに失敗するはめになることが多い。実際、そのような構成により操作が困難となる可能性があり、隣接する静脈の場所が局限されていることにより臨床医側にかなりの技術が要求される可能性がある。本明細書に記載されているカテーテルを用いるシステム及び方法のような、標的を定めるシステム及び方法における改善により、一般にPICVA及び経血管手術のような処置を可能にすることができる。そのような改善がなければ、そのような経皮法は、従来の外科的開心手術及び他のタイプのバイパス手術にとって重要な位置を占めないままであろう。
本出願は、いくつかの実施形態にしたがって、冠動脈性心疾患及び危機的四肢虚血等の症状を治療するのに従来手術の作業を減らすことができる、低侵襲性外科手術において有用な方法及びシステムを記載する。例えば、別の状況では冠動脈バイパス手術又は末梢動脈疾患バイパス手術等の手術を受けることが不可能であろう患者を治療することができ、外科的外傷の程度、感染リスク及び/又は回復時間を従来手術に比べて減らすことができるか又は著しく減らすことができる。
図1は、第1の30体腔からの信号を第2の体腔35内の標的装置20に導く発射装置10の例示的な実施形態を概略的に示す。発射装置10は信号伝送器21を備える。発射装置10は、例えば、細長い可撓性ロッド状部分及び先端部分を有するカテーテルを備えることができ、また、患者の体内にて治療を施す導管を提供することができる。発射装置10は、患者の体内の第1の体腔すなわち血管30(例えば、心腔、冠動脈、冠静脈、末梢動脈、末梢静脈)を通る位置及び移動に適し得る。発射装置10の細長い部分は、管腔13を画定する、スペースを囲む外側シース11を有する。管腔13内のスペースは、発射装置10の位置決め等を制御する、治療を施すチャネルを画定するように必要に応じて適切に区分又は細分することができる。そのような細分は例えば、軸方向に長手方向かつ同心に達成することができる。
発射装置10は、信号トランスデューサー12を備える。信号トランスデューサー12は、発射装置10から外側に方向付けられる信号40を供給するか又は発するように構成されている。図1に示されている実施形態において、信号40は、発射装置10の長手方向軸に対して垂直な方向に発射装置10から径方向外側に方向付けられる。以下でより詳細に述べるように、いくつかの実施形態において、信号40の方向は、発射装置10の長手方向軸に対して垂直である必要はなく、発射装置10の長手方向軸に対して或る角度に方向付けることができる。それによって、信号トランスデューサー12は、信号生成手段の少なくとも一部を形成することができる。
信号トランスデューサー12は信号伝送器50に接続される。信号伝送器50は、超音波、又は、レーザー、マイクロ波放射/照射、電波等のような適切な電磁気源から好適に選択することができる。いくつかの実施形態において、以下で更に詳細に説明するように、信号伝送器50は超音波信号を生成するように構成されており、この超音波信号が信号トランスデューサー12に中継され、次に信号トランスデューサーが信号40を第1の体腔30から周囲組織内に方向付ける。
標的装置20が、患者の体内の隣接する第2の体腔すなわち血管32(例えば、心腔、冠動脈、冠静脈、末梢動脈、末梢静脈)内に位置付けられる。第1の体腔30及び第2の体腔32は、間質組織又は隔膜と呼ばれる場合がある介在組織34によって隔てられている。第1の体腔30及び第2の体腔32は、そのそれぞれの長さの少なくとも一部にわたって互いに隣り合わせに平行に位置している。例えば、体の静脈及び動脈の多くは、その全長の少なくとも一部にわたって互いに平行に延びていることが知られている。
標的装置20は、発射装置10の構成と同様の構成とみなすことができる。例えば、標的装置20は、細長い可撓性ロッド状部分及び先端部分を有するカテーテルを含むことができる。別の例の場合、体腔32内での標的装置20の微小な移動及び位置決めを達成することができる。更に別の例では、標的装置20は、管腔23を画定する、スペースを囲む外側シース21を備えることができる。管腔23は、例えば発射装置10の場合と同様に好適に区分することができる。
標的装置20は、発射装置10のトランスデューサー12から信号40を受信するように構成された受信トランスデューサー22を含む。受信トランスデューサー22は、信号検出手段の少なくとも一部を構成する。使用の際、受信トランスデューサー22は、信号トランスデューサー12から送信された信号40を受信すると、受信した信号を信号検出器60に送信する。信号検出器60は、例えば出力ディスプレイ61を介して、システムのユーザーに出力読取りを提供するように構成されている。出力ディスプレイ61は、視覚ディスプレイ、聴覚ディスプレイ(例えば、信号の受信時にビープ音を出すか又は何らかの他の音を発する)等とすることができる。
このようにして、指向性信号40の伝送及び検出により、標的装置20に対する発射装置10の操作及び位置決めが可能になる。使用の際、発射装置10及び標的装置20を、信号40が標的装置40によって受信中であることを出力ディスプレイ61が示すまでシステムのユーザーが操作することができる。
いくつかの実施形態において、信号40は、超音波信号を含むか又は超音波信号である。信号40は指向性であり、(例えば、信号トランスデューサー12からの距離が長くなるにつれて信号帯域の幅が広くなる)幅狭の円錐又は円弧の形状で信号トランスデューサー12によって発せられる。したがって、発射装置10と標的装置20との間の位置合わせの精度は、信号検出に左右されるだけでなく、距離が長くなるほど信号ビーム幅が広くなるため、上記2つの装置間の距離にも左右される。この誤差のレベルは「位置不確実性)」と呼ばれる。位置不確実性には或る特定の許容差レベルが存在し得るが、治療が正確に導かれることになる場合、不確実性の程度は低減するか又は最小限に抑えられるべきである。例えば、信号トランスデューサー12の直径dが1mmであり、超音波信号の周波数が30MHzである場合、位置不確実性x(例えば、中心線の両側における誤差の限界)は、発射装置10と標的装置20との間の5mmの垂直な隔たりにおいて1mmである。臨床用途の場合、位置不確実性は概して、(受信点において10mmの総信号ビーム幅に関して)約±5mmを超えないものとする。いくつかの実施形態において、位置不確実性は、約±0.01mm~約±4.50mmの間、又は約±0.1mm~約±2mmの間である。いくつかの実施形態において、位置不確実性は約±1mmを超えない。
信号40の強度は、検出の際の因子とすることができ、信号強度は概して、発射装置10と標的装置20との間の距離が長くなるにつれて小さくなる。この距離は部分的には、上記装置10、20間の介在組織34の量によって決まる。例として、信号40が超音波信号である場合、発射装置10及び標的装置20が約20mmよりも大きい固体組織(例えば、介在組織34)によって隔てられると、信号の著しい劣化が予測され得る。介在組織34の密度もまた、距離を経るにつれて信号40が劣化する際に影響を及ぼす可能性がある(例えば、密度のより高い組織は密度のより低い組織よりも信号を劣化させる)。
超音波信号の周波数もまた、信号トランスデューサーの厚みに影響を及ぼす可能性があり、信号トランスデューサーの厚みは、標準の超音波セラミックトランスデューサー(例えば、圧電トランスデューサー(PZT))の場合、30MHzで0.075mmである。
図2は、図1のB-Bの点線に沿った断面図である。治療が施される場所を配向線41が定めることができるため、標的装置に対する発射装置の正しい配向は、検出の際の因子とすることができる。指向性信号40が治療送達手段に連関する(例えば、平行であり、長手方向にオフセットされる)場合、患者に治療を正確に配置する臨床的な必要性がより良好に機能することができる。例えば、このようにして、システムのユーザーは、発射装置10及び標的装置20が信号40の送受信により正しく位置決めされることを確実にすることによって正しい場所にて治療を施すことができる。図2における配向線41は、信号進行の方向だけでなく経路も示し、その経路に沿って治療を患者に施すことができる。
図3は、発射装置10の例示的な実施形態を概略的に示す。発射装置10は、発射装置10の長手方向軸に対して斜角に向き付けられている信号トランスデューサー120を備える。信号40は、発射装置10が体腔30(図1及び図2)に入る際、発射装置10の進行方向(例えば、前方進行、横断進行)の或る角度で送信される。いくつかの実施形態において、ビーム角度は、発射装置10の長手方向軸に対して略垂直である。いくつかの実施形態において、ビーム角度は、0度が進行方向における発射装置10の長手方向軸に相当する場合、垂線に対して約20度~約60度の間、垂線に対して約30度~約50度の間、又は垂線に対して約45度である。
発射装置10は、治療を施す例示的な手段である中空針又はカニューレ17を備える。発射装置10の進行中、中空針17は、発射装置10の管腔13内に非展開状態すなわち収縮状態で位置している。中空針17は、ユーザーが適切とみなした時点(例えば、標的装置20によって信号40が検出された時点)で外側シース11内の孔16を介して発射装置10から展開/拡張することができる。孔16により、管腔13と体腔30(図1)との間での流体連通を可能にすることができる。図3の例示的な実施形態によって示されているように、中空針17は、信号40の方向に対して平行である経路に沿って進むことができる。中空針17を用いて介在組織34(図1)を穿刺することができる。いくつかの実施形態において、中空針17は介在組織34全体を横切り、横切る際、発射装置10が第2の体腔32(図2)にアクセスすることを可能にする。所望であれば、中空針17が介在組織34を通ることによってつくり出される経路を、第1の体腔30と第2の体腔32との間の流体連通を可能にするように後で広げることができる。
いくつかの実施形態において用いるのに適した治療手段は、例えば、カニューレ、レーザー、放射線放射装置、プローブ、ドリル、ブレード、ワイヤ、針、それらの適当な組合せ等からなる群から選択される装置及び/又は器具を含むことができる。
いくつかの実施形態において、中空針17はセンサー19を備え、このセンサー19は、発射装置10に対する中空針17の先端の位置情報を更に確定するのに役立つことができる。いくつかの実施形態において、センサー19は、静水圧の変化を検出するように構成されている。本明細書に記載されているシステム及び方法において用いるのに適した他のセンサーとして、温度センサー、酸素処理センサー及び/又は色覚センサーを挙げることができる。
任意選択的には、中空針17は、更なる信号トランスデューサー122を備えることができる。図3に示されている実施形態において、信号トランスデューサー122は、中空針17の先端近くでガイドワイヤ14の一端に位置付けられる。信号トランスデューサー122は付加的に又は代替的に、所望であれば中空針17に位置付けることもできる。使用の際、信号トランスデューサー122は、指向性信号パルス又は非指向性信号パルスを生成する短い伝送パルスにより駆動される。信号パルスは、標的装置20に取り付けられている受信トランスデューサー22によって検出することができる。ガイドワイヤ14又は中空針17から受信トランスデューサー22、したがって標的装置20までの距離は、信号トランスデューサー122からの信号パルスの送信と受信トランスデューサー22側での信号パルスの受信との間の遅延に基づいて少なくとも部分的に決定される時間とすることができる。
図4は、標的装置20の例示的な実施形態を概略的に示す。図4に示されている実施形態において、標的装置20は体腔32内に位置付けられている。上述したように、標的装置20は、信号40を受信する受信トランスデューサー22を備える。受信トランスデューサー22は、一方向性である(例えば、1つの方向のみから信号を受信することが可能である)か、又は、無指向性である(例えば、いかなる方向からも信号を受信することが可能である)ものとすることができる。矢印Aは、動脈-静脈血管新生(PICVAとも呼ばれる)が行われた後の逆方向の血流を示す。標的装置20は、無指向性超音波信号受信トランスデューサー60を備える。任意選択的な反射コーン601が信号40をディスク形状の受信トランスデューサー60上に方向付けることができる。音響的透明窓602が、反射コーン601を受信トランスデューサー60から隔てることができる。いくつかの実施形態において、無指向性超音波信号受信トランスデューサーは、標的装置20の外側シースの周囲にポリビニルジフルオリド(PVDF)等の可撓性圧電材料のシリンダーを位置付けることによって得ることができる。そのようにして、シリンダーは、受信トランスデューサー60と同様又は同等の方法で作用することができる。
図4に示されている実施形態において、標的装置20は、治療薬等の薬剤を患者に投与するのに用いる任意選択的なチャネル25を有する。いくつかの実施形態において、チャネル25は、体腔32を少なくとも部分的に塞ぐか又は閉塞するように働くブロック材251の適用を可能にする導管として機能する。ブロック材251は、ゲルベース物質から適切に選択することができる。ブロック材251は付加的に又は代替的に、塞栓部材(例えば、バルーン、自己拡張型ステント等)を含む。ブロック材251の配置は、標的装置20の移動によって導くことができる。標的装置20の管腔23内にガイド部材24があることにより、ユーザーが所望に応じて標的装置20の位置を正確に操作することを可能にすることができる。
再び図2を参照すると、発射装置10は信号トランスデューサー12を備え、この信号トランスデューサー12を任意選択的に、信号40が信号トランスデューサー12に対して垂直以外の角度で送信されるように配向させることができる。図5は、発射装置10の別の例示的な実施形態を概略的に示す。いくつかの実施形態において、図5に示されている例示的な発射装置10の場合、信号トランスデューサーはシングルトランスデューサーアレイ123の形態である。信号トランスデューサーアレイ123は、発射装置10に対して信号ビーム幅及び角度を少なくとも部分的に画定するように集合的に配向させることができる複数の信号トランスデューサー素子124を含む。素子124のサイズがより小さいことにより、信号トランスデューサーアレイ123が発射装置10の管腔13のかなりの割合を占めないことを可能にすることができる。
図5に示されている実施形態は、超音波ビーム形成信号伝達に有用であるものとすることができる。図5は、遅延装置51を介して伝送器50に別個に接続されているアレイ状の信号トランスデューサー素子124を示しており、遅延装置51は、各素子124に対する信号を互いに対して遅延させることを可能にする。遅延装置により、各素子124からの超音波波形を整合させて所望の角度で超音波ビーム40を生成することを提供するか又は確実にすることができる。例えば信号40が可視光を含む、いくつかの実施形態において、アレイ状のLEDを付加的に又は代替的に用いることができる。
図6は、発射装置10及び/又は標的装置20用のセンタリング装置の例示的な実施形態を概略的に示す。第1の体腔30内の発射装置10と第2の体腔32内の標的装置20との位置合わせの過程に役立たせるために、装置10、20のうちの一方又は双方は、各装置をそれぞれの体腔内にセンタリングする手段を有することができる。
いくつかの実施形態において、センタリング手段は、非展開状態にある場合に管腔13、23内に位置付けられているとともに装置10、20が患者の体内の所望の場所に達すると膨張することができる膨張可能なブラダー又はバルーン111を含む。バルーン111は、外側シース11、21の外面に配置することができる。バルーン111は、トロイダル状又はドーナッツ状の様式で装置10、20を少なくとも部分的に囲むように形状が環状とすることができる。バルーン111は、装置10、20の片側でのみ又は2つの対向する両側で膨張するように配置することができる。図6に示されているように、バルーン111は発射装置10の片側で展開している。
いくつかの実施形態において、センタリング手段は、非展開状態すなわち収縮状態にある場合に、管腔13、23内、又は、外側シース11、21に内に形成された凹部内に位置付けられている1つ又は複数のループ構造体112を含む。装置10、20が患者の体内の所望の場所に達すると、1つ又は複数のループ構造体112は装置10、20から径方向外側に拡張し、それによって、装置10、20を体腔30、32内でセンタリングすることができる。ループ構造体112の外側拡張は、例えば、外側シース11、21から外側に弓形に曲がるように或る長さのワイヤを圧縮することによって適切に行うことができる。この立体配置を採り入れているセンタリング装置は、外側シース11、21の外周に径方向に離間した間隔で平行に配置されたワイヤ又は他の適した可撓性材料の複数の圧縮可能な長さを有することができる。複数のワイヤの圧縮は、複数のワイヤの両端近くに近位に及び/又は遠位に位置付けられた摺動部材(図示せず)によって促すことができる。摺動部材は、装置10、20の長手方向軸に沿って並進移動可能である。図6に示されているように、標的装置20は、標的装置20を体腔32内でセンタリングすることを可能にしている完全に展開したセンタリング手段112を備える。
装置10、20を体腔30、32内でセンタリングする他の考えられ得る手段として、拡張可能な提灯式装置、可逆拡張可能なステント、コイル、へリックス、伸縮可能なプローブ又は脚部、それらの組合せ等が挙げられるがそれらに限定されない。
いくつかの実施形態において、センタリング手段又は他の手段(例えば、バルーン、種々の長さを有する金属スタンドオフ等)を用いて、装置10、20を体腔30、32内で体腔の中心又は実質的に中心以外に配向することができる。例えば、装置10を、体腔30のうち針17が体腔30から出る壁に近接して配向することができ、これにより、例えば、針17が腔内スペースを横断することに起因して、より短い超音波信号経路をつくり出し、及び/又は誤差を減らすことができる。別の例では、装置10を、体腔30のうち針17が体腔30から出る壁に対向する壁に近接して配向することができ、これにより、例えば、針17が押し当たる堅固な表面をつくり出すことができる。更に別の例の場合、装置20を、体腔32のうち針17が体腔32に入る壁に近接して配向することができ、これにより、例えば、より短い超音波信号経路をもたらすことができる。血管壁の中心にも近位にも位置しない、他の装置の配向も考えられ得る(例えば、壁から、及び/又は管腔の中心から、1/2、1/3、1/4等のように、直径の一部だけ離れている)。
例
本明細書に記載される方法及びシステムは、いくつかの実施形態に従って心臓血管手術において特定の有用性を示す。いくつかの態様が以下の非限定的な例によって更に示され、そこでは、システムは、冠動脈の閉塞後の心臓組織の逆行性灌流を可能にするように動脈と静脈との接続処置(PICVA)を行う臨床医によって用いられる。
発射カテーテル10が、標準の鍵穴手術法(例えば、ガイドワイヤ上の追跡、ガイドカテーテル内部の追跡)によって、閉塞した冠動脈に挿入される。標的カテーテル20が、標準の鍵穴手術法(例えば、ガイドワイヤ上の追跡、ガイドカテーテル内部の追跡)によって、冠動脈に対して平行に延びる冠静脈に挿入される。冠静脈は閉塞しておらず、したがって、心筋への血流のための代替的なチャネルを提供することで、冠動脈における閉塞部をバイパスすることを効果的に可能にする。
発射カテーテル10は、PZT超音波トランスデューサー12(例えば、ニューメキシコ州所在のAlbuquerque社のCTS圧電製品から入手可能である)を備え、PZT超音波トランスデューサー12は、指向性超音波ビームがこの例では(発射装置の長手方向軸に対して)45度の角度で、好ましくは動脈30内の血流の方向に伝送されるように向き付けられているが、約90度を含む他の角度も考えられ得る。超音波トランスデューサー12が起動し、この例では、30MHz指向性超音波信号40が発射カテーテル10から送信されるが、他の周波数もまた考えられ得る。標的カテーテル20は、無指向性超音波受信トランスデューサー60を備える。発射カテーテル10及び標的カテーテル20の双方の位置決定に役立たせるために、カテーテル10、20は双方とも、この例では環状の膨張可能なバルーン111の形態のセンタリング手段又は配向手段を備えるが、他のセンタリング手段若しくは配向手段も考えられ得るか、又は、それらの手段がないことも考えられ得る。発射カテーテル10側のセンタリング手段111は、発射カテーテル10が冠動脈30内の閉塞部位の近くの適切な場所にあるとみなされると臨床医によって展開される。これは、標準の蛍光画像形成法及び/又は物理的抵抗により決定することができる。標的カテーテル20を次に、指向性超音波信号40が信号受信トランスデューサー60によって検出されるまで、隣接する冠静脈32内に移動させる。発射カテーテル10と標的カテーテル20とのより正確な位置合わせを可能にするために、標的カテーテル20側のセンタリング手段111を、信号40が検出される前又は検出された後に展開させることができる。
臨床医は、送信された信号40を受信すると、発射カテーテル10及び標的カテーテル20が、それぞれの各血管30、32内に回転方向かつ長手方向の双方に正しく位置付けられて、動脈と静脈との接続処置を開始することが可能になっていることを確信することができる。標的カテーテル20を用いて、標的カテーテル20内のチャネル25を通してのゲルブロック材251の適用により冠静脈32内の血流をブロックすることができる。ブロック材251を、信号受信トランスデューサー60の場所に対して静脈血流に関して下流にある冠静脈32内の位置において適用することができる。
次に、臨床医は、冠動脈30と冠静脈32との間の介在組織34を通る超音波信号40がとる経路に平行してその経路の近くにある経路に実質的に沿って、発射カテーテル10から中空針17を展開させることによって動脈-静脈接続を開始することができるか、又は、中空針17は、冠静脈32内の或る地点における超音波信号の経路を遮る経路を横断することができる。中空針17は任意選択的には、その先端近くにセンサー19を備え、センサー19は、中空針17が2つの血管30、32を通る際の動脈圧から静脈圧にかけての移行をユーザーがモニタリングすることができるように静水圧又はドップラー流の変化を検出するように構成されている。中空針17は任意選択的には、展開時に中空針17の内腔すなわち管腔内にガイドワイヤ14を備える。中空針17及びガイドワイヤ14が介在組織34を横断すると、中空針17は、ガイドワイヤ14を適所に残したまま、後退して発射カテーテル10の管腔13内に戻ることができる。いくつかの実施形態において、中空針17が介在組織34を横断すると、ユーザーは、ガイドワイヤ14を中空針17の内腔すなわち管腔に別個に通し、針17を発射カテーテル10内に後退させることができる。
臨床医は、ガイドワイヤ14を適所に残したまま、発射カテーテル10を患者から引き抜く。次に、更なるカテーテル装置をガイドワイヤ14に沿って摺動させる。図7は、適所にある拡張可能なステント26等のプロテーゼ26を動脈-静脈血管新生等の処置に従って概略的に示す。ステント及びステントグラフトを含む考えられ得るプロテーゼに関する更なる詳細を以下で示す。ステント26は展開して、冠動脈30と冠静脈32との間の介在組織34における穿孔を広げることができ、ここでは割込み矢印Aは、第1の体腔30と第2の体腔32との間のステント26を通る血流の方向を示す(例えば、このようにステント26を通ることよって動脈血が静脈系に迂回して心筋組織を逆行性灌流することが可能になる)。ステント26は体腔32内での上流への流れをブロックし、体腔32内の血流を体腔30内の血流と同じ方向に押し流すことができる。ステント26のグラフト材料は、体腔30と体腔32との間に液密の管腔を形成することができる。標的カテーテル20は、ブロック材251を所定位置に残したまま、患者から引き抜かれる。任意選択的には、本明細書において更に詳述するように、更なるブロック又は縫合糸を冠静脈に挿入して動脈血流の逆流を阻止又は防止することができる。
上述した特定の例は心臓血管手術に関するものであるが、本明細書に記載される方法及びシステムは、他の手術形態における広範に及ぶ用途を有することができる。例えば、一方の体腔から別の隣接する体腔に向けて治療を導く必要性を伴う(例えば、末梢動脈疾患の治療のための)いかなる手術も考慮することができる。そのようなものとして、神経外科手術、泌尿器科手術及び一般的な血管手術の分野における用途も考えられ得る。治療のタイプによって、体腔間のチャネルの形成を制限する必要はない。例えば、本明細書に記載される方法及びシステムは、カテーテルアブレーション、心腔の非接触型マッピング、体の厳密な部位への薬剤送達等の技法を導く際に用いることもできる。
経皮手術によって動脈内の閉塞部を効果的にバイパスするいくつかの技法は上記で説明している。これらの技法は、閉塞部の上流の動脈、静脈又は心腔等の第1の通路と、第1の通路に近接した動脈、静脈又は心腔等の第2の通路との間にチャネルすなわち通路をつくり出して、第3の通路によって第1の通路と第2の通路とを相互接続することを含む。血液等の流体を相互接続用の第3の通路によって第1の通路から第2の通路に迂回させることができる。第1の通路が動脈を含むとともに第2の通路が静脈を含む実施形態において、動脈血は組織内に逆行式に灌流することができる(逆行性灌流)。
上述したように、第1の体腔通路と第2の体腔通路との間の相互接続通路は、例えば、第1の通路内に位置付けられている第1のカテーテルから針を外側に展開させることによってつくり出すことができ、それによって、針が第1の通路と第2の通路との間の間質組織すなわち隔膜を横断する。第1のカテーテルから送信された信号、例えば超音波信号を受信する標的装置を提供する第2のカテーテルを第2の通路に位置付けることができる。受信した信号をモニタリングすることによって、針が正しい位置及び配向で展開して第1の通路と第2の通路との間に流体の流れのための通路をつくり出すことを保証するように第2のカテーテルに対する第1のカテーテルの位置を決定することができる。
相互接続通路すなわち相互接続チャネルを通る血液の流れを提供又は維持するために、管腔を有する構造体を通路に挿入して間質組織を支持する、及び/又は通路が閉鎖するのを阻止若しくは防止することができる。管は例えば、本明細書に記載されているように、バルーンカテーテルを用いてチャネル内で拡張させるステントを含んでも、自己拡張型ステントを含んでもよい。構造体を送達するためのカテーテル、例えば、バルーンカテーテル又は自己拡張させるカテーテルを、第1のカテーテルによって通路内で展開させたガイドワイヤによってチャネル内にガイドさせることができる。
動脈、静脈及び心腔等の通路は、例えば、心臓壁の動き、末梢四肢の動き、及び/又は、通路自体内の圧力の変動に起因して、心臓が拍動する際に脈動する可能性がある。この脈動により通路が互いに対して動く可能性があり、これにより、それらの通路間の相互接続通路内の構造体に応力がかかる可能性がある。この応力は、単一通路内の構造体が受ける応力に比べて大きい可能性がある。応力により、例えばステントストラットの疲労破損によって、構造体の早期破損を招く可能性がある。構造体が破損する結果、間質組織が損傷し、及び/又は相互接続通路が閉塞することになり、これにより、著しい合併症又は治療の完全な失敗を招く可能性がある。
図8は、少なくとも1つの通路を通る流体の流れを提供又は維持する装置すなわちインプラント又はプロテーゼ100を示す。装置100は、第1の端部分すなわち近位端部分102と、第2の端部分すなわち遠位端部分104と、近位端部分102と遠位端部分104との間の中間部分106とを有する。装置は、装置100を流体が通る内腔すなわち管腔110を有する。装置100、例えば装置100の少なくとも中間部分106は、可撓性ポリマー管108を含む。可撓性ポリマー管は、管腔110を少なくとも部分的に画定することができる。
装置100は、メッシュ112及びメッシュ114を含む支持構造体(例えば、少なくとも1つのステント)を有する。いくつかの実施形態において、メッシュ112の少なくとも一部分は、装置100の近位端部分102に近接して管108の外壁内に埋め込まれる。いくつかの実施形態において、メッシュ114、例えばワイヤ又はストラットの、少なくとも一部分は、装置100の遠位端部分104に近接して管108の外壁内に埋め込まれる。メッシュ112、114は、ステンレス鋼等の生体適合性金属及び/又はニチノール若しくはコバルトクロム等の形状記憶材料を含むことができる。
ワイヤメッシュ112、114は、端部分102、104をそれぞれ補剛することができる。中間部分106がメッシュを含まないいくつかの実施形態において、中間部分106は、端部分102、104に比べて比較的可撓性とすることができ、及び/又は、端部分102、104は、径方向の剛性が比較的高いものとすることができる。
いくつかの実施形態において、装置100の端部分102、104は直径方向に拡張可能である。例えば、ワイヤメッシュ112、114は形成後すなわち製造後では、装置100が中で展開する通路、例えば血管よりも小さい直径を有し得る。装置100が通路内の所定位置にくると、端部分102、104を拡張させる、すなわち外側に変形させることができ、それにより、端部分102、104のそれぞれの直径が増大して、例えば通路の内側側壁に当接する。端部分102、104は、メッシュ112、114の材料(例えばワイヤ、ストラット)の塑性変形によって、及び/又はメッシュ112、114を拡張位置に機械的にロックするように配置されたロック機構の措置によって、拡張した直径に無期限に維持されるように構成されている。装置100の中間部分106は、例えば管108の塑性変形によって、直径方向に拡張可能とすることができる。
図9は、第1の通路116と第2の通路118との間に流体流路を提供するように展開させた、図8の装置100を示す。通路116、118は、冠血管、例えば冠動脈116及び冠静脈118、又はその逆に冠静脈116及び冠動脈118を含むことができる。通路116、118は、末梢血管(例えば、四肢における血管)、例えば大腿動脈又は他の末梢動脈116及び大腿静脈又は他の末梢静脈118、又はその逆に大腿静脈又は他の末梢静脈116及び大腿動脈又は他の末梢動脈118を含むことができる。装置100の端部分102、104及び中間部分106は、通路116、118の内壁と合流して内壁に押し当たるように拡張している。装置100の遠位端部分104は、第2の通路118内に位置付けられ、装置100の近位端部分102は、第1の通路116内に位置付けられる。中間部分106は、通路116と通路118との間に手術により形成された開口すなわち相互接続通路130を通って延びる。
装置100の拡張した端部分102、104は弾性であり、通路116、118の内壁に外向きの径方向力を与える。装置100の端部分102、104の径方向の剛性によって、端部分102、104は、それぞれの通路116、118内の適所に保持されるか又は留置される。それによって、通路116、118内で装置100がずれることが防止されるか又は低減される。このようにして、装置100の端部分102、104は、使用の際、管108(図8)の管腔110を通る流体の流れを提供又は維持しつつ、装置100を所定位置に留置又は固定することができる。このようにして、装置100は、第1の通路116と第2の通路118との間のシャントとして働くことができる。
装置100の中間部分106は可撓性とすることができることで、例えば、中間部分106が、第1の通路116と、第2の通路118と、相互接続通路130(図9)とを組み合わせることによって形成される「S」字状を形成することを可能にする。可撓性の中間部分106により、装置100の端部分102、104が通路116、118の相対的な動きに応じて互いに対して動くことを可能にすることができる。
中間部分106がワイヤメッシュを含まないが管108の可撓性ポリマー材料を含む実施形態において、中間部分106は、例えば、通路116、118の相対的な動きによって与えられる周期的な応力又は他の応力によるメッシュ疲労に起因する損傷を受けにくいものとすることができる。
装置100の中間部分106は、相互接続通路130の拡大を維持するのに十分な弾性を有しており、そのため、相互接続通路130は、管108(図8)の管腔110によって動脈116から静脈118への血流の経路を提供又は維持するように開いたままである。それによって、相互接続通路130による、動脈116から静脈118への血流を、管108の管腔110を通して提供又は維持することができる。装置100は、動脈116、静脈118及び相互接続通路130を少なくとも部分的に支持して、装置100を通る流体連通のための経路を提供する。
装置100の近位端部分102及び遠位端部分104は、例えば図9に示されているように、装置100の遠位端部分104が静脈118内で、かつ、装置100の近位端部分102が動脈116内で展開した場合に、拡張した遠位端部分104の直径が静脈118内で遠位端部分104を保持するのに十分であるように、また、拡張した近位端部分102の直径が動脈116内で近位端部分102を保持するのに十分であるように構成されている。したがって、近位端部分102の直径は遠位端部分104の直径とは異なるものとすることができる。端部分102、104及び中間部分106に適した直径を選択することによって、装置100は、或る特定の解剖学的構造及び/又は個々の患者の解剖学的構造に合うように作製することができる。
例えば図9に示されているように、閉塞した動脈116と静脈118との(例えば、冠動脈116と冠静脈118との、又は末梢動脈116と末梢静脈118との)間にシャントを提供するように図8の装置100を位置決めして動脈血の逆行性灌流を達成する例示的な処置をここで説明する。
カテーテルを、通常は患者の鼠径領域内に切開した小さな孔を介して、患者の動脈系に挿入することができる。カテーテルは動脈116に給送され、例えば、静脈118に近接した、静脈118に対して平行又は実質的に平行な部位における、閉塞部位の上流位置にガイドされる。中空針をカテーテルから展開させて、動脈116の壁に通し、動脈116と静脈118とを隔てている間質組織132に通し、かつ静脈118の壁に通す。針のこの経路により、相互接続通路すなわち開口130がつくり出され、これにより、血液が動脈116と静脈118との間を流れることが可能になる。針の展開は、例えば、本明細書に記載されているように、動脈116内のカテーテルに接続された送信器(例えば、指向性超音波送信器)と、静脈118内のカテーテルに接続された受信器(例えば、無指向性超音波受信器)とによって、又はその逆に静脈116内のカテーテルに接続された受信器と、動脈118内のカテーテルに接続された送信器とによって、また、米国特許出願第11/662128号におけるようにガイドすることができる。開口130を形成する他の方法もまた考えられ得る(例えば、指向性超音波ガイドを用いるかどうかを問わず、静脈から動脈への、本明細書に記載されているような他のタイプのガイドを用いる等)。
中空針を通路130から引き抜く前に、ガイドワイヤ(例えば、図3のガイドワイヤ14に関して説明されているような)が針に挿通され、静脈118に挿入される。次に、ガイドワイヤを動脈116、通路130及び静脈118内の適所に残したまま、針を後退させる。次に、針を担持しているカテーテルを患者の体から引き抜くことができる。ガイドワイヤを用いて、カテーテルを動脈116と静脈118との間の相互接続通路130に更にガイドすることができる。
非拡張状態の装置100を担持しているカテーテルは、例えば迅速な交換管腔によって又は管腔110を通して、ガイドワイヤによってガイドされて、相互接続通路130に向かって前進する。カテーテルは例えば、装置100の少なくとも一部分を拡張させるように構成されたバルーンカテーテル、及び/又は、装置100の少なくとも一部分を自己拡張させるように構成されたカテーテルを含むことができる。装置100の遠位端部分104は、相互接続通路130を通過して静脈118内に入り、近位端部分102は動脈116に残ったままである。装置100の中間部分106は、少なくとも部分的に通路130内にあり、少なくとも部分的に動脈116及び静脈118内にある。中間部分106は、該当部位の解剖学的構造に応じて、湾曲構成すなわち「S」字状構成をとるように曲がる。そのような湾曲をとることにより、相互接続通路130を通って任意選択的に通路116、118のうちの少なくとも一方の内部に延びる中間部分106の形状を、少なくとも相互接続通路130の形状に合致させることができる。
装置100の遠位端部分104を、例えばバルーン膨張によって又は自己拡張によって、遠位端部分104の直径を増大させるとともに静脈118の内壁に対して遠位端部分104を留置させるように拡張させる。カテーテルを、例えばバルーン膨張によって装置100の中間部分106を拡張させるように適合させることができ、それによって、相互接続通路130を広げる、すなわち拡大させて、動脈116から静脈118への血流(例えば、十分な血流)を得ることができる。装置100の近位端部分102を、例えばバルーンを膨張させることによって又は自己拡張によって、近位端部分102の直径を増大させるとともに動脈116の内壁に対して近位端部分102を留置させるように拡張させる。
例えば自己拡張及び/又はバルーン拡張により、装置100の端部分102、104を拡張させた後、展開後の拡張を増大させるか否かにかかわらず、カテーテル及びガイドワイヤを患者の体から引き抜く。このようにして、図9に示されているように、装置100を静脈118、動脈116及び相互接続通路130内の所定位置に留置又は固定させる。装置100がステントグラフトを含む実施形態において、動脈116と静脈118との間に液密な通路を形成することができるグラフトにより、そのような通路がブロックされるため、静脈118内での血液の順行性の流れを阻止又は防止することができ、グラフトは、静脈118内のブロック材の付加的又は代替的なものとすることができる。
カテーテルを、例えば、2つ以上の別個の膨張可能なバルーン又はバルーン部分、装置100の全ての部分を同時に拡張させるように構成された単一バルーン、又は装置100の1つ又は複数の選択された部分を拡張させるように構成された単一バルーンの措置によって、装置100の近位端部分102、遠位端部分104及び/又は中間部分106を個別に又は組み合わせて選択的に拡張させるように適合させることができる。例えば、端部分102、104は自己拡張型とすることができ、中間部分106はバルーンによって拡張させて通路130を拡大させることができる。バルーン拡張を含むいくつかの実施形態において、装置100の全ての部分又は選択された部分を、例えば、装置100の全長にわたるバルーンによって同時に、又は、装置100の選択された部分を選択的に膨張させるように長手方向に離間した複数のバルーンによって、及び/又は、1つのバルーン又は複数のバルーンによって順次に、拡張させることができる。少なくとも部分的な自己拡張を含むいくつかの実施形態において、装置100の全ての部分又は選択された部分を、例えば、装置100を覆っているか又は囲んでいるシースを近位に後退させることによって、拡張させることができ、これにより、シースが近位に後退する際に装置100を遠位から近位にかけて展開させることができる。装置100を近位から遠位にかけて展開させること、及び、装置100を先に中間から展開させて次に両端にかけて展開させることも可能である。いくつかの実施形態、例えば、装置100が少なくとも部分的に円錐状であるか又はテーパーが付けられている実施形態において、円錐状又はテーパー付きのバルーンを用いて、装置100を少なくとも部分的に拡張させることができる。いくつかのそのような実施形態において、バルーンのうち静脈118に近接した部分は、バルーンのうち動脈116に近接した部分よりも直径が大きいものとすることができ、そのため、例えば、装置100は、静脈118内の圧力又は血流のいかなる増大によっても静脈の直径を変えるようになっているものとすることができる。
処置には他の工程も含めることができる。例えば、装置100を展開させる前に、バルーンカテーテルを相互接続通路130にガイドし、カテーテルの膨張可能なバルーン部分が相互接続通路130内にくるように位置決めすることができる。バルーンの膨張時、バルーンは相互接続通路130の壁に押し当たって相互接続通路130を広げる、すなわち拡大させることで、装置100のその後の挿入を容易にする。
図10は、少なくとも1つの通路を通る流体の流れを提供する別の装置134を示す。装置134は、メッシュ136及びポリマー管108を有する。メッシュ136は、ポリマー管108の外側にあるものとして示されているが、本明細書に記載されているように、付加的に又は代替的に、ポリマー管の内側に、及び/又はポリマー管108内にあってもよい。装置100に関して記載したように、装置134は、近位端部分102と、遠位端部分104と、中間部分106とを有する。図10に示されている実施形態において、メッシュ136は、中間部分106に沿うことを含め、装置134の全長に沿って延びる。
いくつかの実施形態において、メッシュ136のフィラメント又はストラットの間隔は、装置134の長さに沿って様々である。例えば、織組フィラメントメッシュ又は層化フィラメントメッシュの巻回密度を様々とすることができ、及び/又はカットメッシュの窓サイズパターンを様々とすることができる。
いくつかの実施形態において、間隔は、近位端部分102及び遠位端部分104において比較的小さいものとすることができ、中間部分106において比較的大きいものとすることができる。換言すれば、メッシュ136の密度又は窓サイズは、中間部分106において比較的小さいものとすることができ、端部分102、104において比較的大きいものとすることができる。いくつかのそのような実施形態において、中間部分106は、端部分102、104に比べて可撓性があるものとすることができる。比較的剛性な端部分102、104は通路と係合して通路内に留置することができる。中間部分106におけるメッシュ136は、使用の際、繰返し応力等の応力を受ける可能性があるが、低い密度又は窓サイズに起因して中間部分106の可撓性が比較的高いことにより、中間部分106が応力に応じて撓むことができることから応力の衝撃が小さいものとなることが可能になる。したがって、装置134、特に、メッシュ136のフィラメント又はストラット138の疲労破損の危険性を、全長に沿って均一な可撓性を有する装置に比べて減らすことができる。
いくつかの実施形態において、間隔は、近位端部分102及び遠位端部分104において比較的大きいものとすることができ、中間部分106において比較的小さいものとすることができる。換言すれば、メッシュ136の密度は、中間部分106において比較的高いものとすることができ(又はメッシュ136の窓サイズは比較的小さいものとすることができ)、端部分102、104において比較的小さいものとすることができる(又はメッシュ136の窓サイズは比較的大きいものとすることができる)。いくつかのそのような実施形態において、中間部分106は、通路130の圧潰を阻止又は防止するのに十分な径方向の剛性を有することができるが、依然として、繰返し応力等の応力に応じて撓むのに十分な可撓性を有することができる。端部分102、104は通路と係合して通路内に留置することができる。
図11は、少なくとも1つの通路を通る流体の流れを提供する別の装置すなわちインプラント又はプロテーゼ140を示す。装置100に関して記載したように、装置140は、近位端部分102、遠位端部分104及び中間部分106を有する。装置140は、ポリマー管108と、第1のメッシュ142及び第2のメッシュ144を有する支持構造部とを備える。第1のメッシュ142は、近位端部分102から中間部分106に向かって(例えば中間部分106内に)、また、任意選択的に遠位端部分104内に延びる。第2のメッシュ144は、遠位端部分104から中間部分106に向かって(例えば中間部分106内に)、また、任意選択的に近位端部分102内に延びる。それによって、メッシュ142、144は少なくとも中間部分106において互いに重なり合う。メッシュ142、144は双方とも、管108の外側にあるか、管108の内側にあるか、又は管108内に埋め込まれるものとすることができるか、或いは、一方のメッシュが、管108の外側にあるか、管108の内側にあるか、又は管108内に埋め込まれるものとすることができるとともに、他方のメッシュが、一方のメッシュとは異なるように、管108の外側にあるか、管108の内側にあるか、又は管108内に埋め込まれる(例えば、一方のメッシュが管108の内側にあり、他方のメッシュが管108の外側にある)。メッシュ142、144は、例えば、ポリマー管108の周囲又は内側に格子構成でワイヤを編組することによって、ポリマー管108の周囲又は内側にカット管を配置することによって、ポリマー管108内に埋め込まれることによって、それらの組合せによって等、形成することができる。
いくつかの実施形態において、メッシュ142、144の密度は、そのそれぞれの端部分102、104において比較的高く(すなわち、メッシュ142、144の窓サイズは比較的小さく)、中間部分106に向かって密度が低くなる(すなわち、窓サイズが大きくなる)。総合編組密度(例えば、ともに合わされた双方のメッシュ142、144の編組密度)は、端部分102、104におけるよりも中間部分106において低いものとすることができ、すなわち、総合窓サイズ(例えば、ともに合わされた双方のメッシュ142、144の窓サイズ)は、端部分102、104におけるよりも中間部分106において大きいものとすることができる。いくつかのそのような実施形態において、中間部分106は、端部分102、104に比べて比較的可撓性である。いくつかの実施形態において、メッシュ142、144は中間部分内には延びず、メッシュがないことにより、中間部分106を端部分102、104に比べて比較的可撓性にすることができる。いくつかの実施形態において、窓サイズが(例えば、装置140のテーパー付き部分に沿って長手方向に)増大するにつれて、密度が低くなり、メッシュのカバー範囲が減り、及び/又は孔隙率が増すが、その理由は、ストラット及び/又はフィラメントの幅が、実質的に一定であるか若しくは一定であるか、又は、窓サイズと同じ比率では増大せず、このため、長手方向の長さに沿っての可撓性の変化がもたらされる可能性がある。
第1のメッシュ142及び第2のメッシュ144は種々の材料を含むことができ、これにより、装置140の特定用途のために、装置140の各遠位端部分102及び近位端部分104のそれぞれの特性を最適化することを可能にすることができる。例えば、装置140の遠位端部分104における第2のメッシュ144は、2つの血管の間の相互接続通路への挿通を容易にするように比較的可撓性の金属合金を含むことができるのに対し、装置140の近位端部分102における第1のメッシュ142は、装置140を所定位置にしっかりと留置するために近位端部分104に高度の耐性を提供するように比較的非弾性の金属合金を含むことができる。第1のメッシュ142及び第2のメッシュ144は、同じ材料組成(例えば、双方ともニチノールを含む)であるが異なるワイヤ直径(ゲージ)又はストラット厚を有することができる。
図12は、少なくとも1つの通路を通る流体の流れを提供する別の装置すなわちインプラント又はプロテーゼ150を示す。装置150は、支持構造体(例えば、ステント)152及びグラフト154を有する。装置100に関して説明したように、装置150は、近位端部分102と、遠位端部分104と、中間部分106とを有する。近位端部分102は、円筒形又は実質的に円筒形の部分を有し、遠位端部分104は、円筒形又は実質的に円筒形の部分を有する。近位端部分102の直径は遠位端部分104の直径よりも小さい。いくつかの実施形態において、近位端部分102の直径は遠位端部分104の直径よりも大きい。中間部分106は、近位端部分102と遠位端部分104との間でテーパー付き又は円錐台形の形状を有する。ステント152は、フィラメント(例えば、織組、層化)、カット管若しくはカットシート及び/又はそれらの組合せを含むことができる。
ステント152のパラメーターは、一部分及び/又は複数の部分にわたって均一又は実質的に均一であってもよく、又は、一部分内及び/又は複数の部分間で様々であってもよい。例えば、ステント152は近位端部分102においてカット管又はカットシートを含んでもよく、ステント152は遠位端部分102においてカット管又はカットシートを含んでもよく、ステント152は中間部分106においてフィラメント(例えば、織組又は層化)を含んでもよい。いくつかのそのような実施形態は、近位端部分102及び遠位端部分104による優れた留置と、中間部分106の優れたフレキシビリティ(例えば、第3の通路のサイズ及び動的応力への適応性)をもたらすことができる。
ステント152は、種々の部分において種々の材料を含むことができる。例えば、ステント152は近位端部分102においてコバルトクロム及び/又はタンタルを含むことができ、ステント152は遠位端部分104においてニチノールを含むことができ、ステント152は中間部分106においてニチノールを含むことができる。いくつかのそのような実施形態は、各展開領域(例えば、動脈の側壁と係合する近位端部分102、静脈の側壁と係合する遠位端部分104、及び、動脈と静脈との間の通路の側壁と係合する中間部分106)において装置150による優れた留置及び/又は壁並置をもたらすことができる。遠位端部分104が自己拡張型であるいくつかの実施形態において、遠位端部分104は、(例えば、圧力又は血流が増大することにより静脈径が増大する場合)例えば更なる自己拡張によって血管径を変えることにより適合させることができる。
支持構造体の材料とタイプとの組合せも考えられ得る。例えば、ステント152は近位部分において、コバルトクロム及び/又はタンタルを含むカット管若しくはカットシートを含んでもよく、ステント152は遠位端部分104において、ニチノールを含むカット管若しくはカットシートを含んでもよく、ステント152は中間部分106において、ニチノールを含むフィラメントを含んでもよい。
実施形態において、ステント152は、カット管若しくはカットシートを含む少なくとも一部分を有し、カットパターンが同じであってもよい。例えば、カットパターンは、近位端部分102及び遠位端部分104において同じあってもよいが、直径の変化に比例する。いくつかの実施形態において、窓サイズ又はストラット密度は、部分102、104、106の内部で、部分102、104、106のうちの2つ以上の内部で、及び/又はステント152の一端からステント152の他端にかけて、均一又は実質的に均一である。ステント152が、フィラメントを含む少なくとも1つの部分を有する実施形態において、巻回が同じであってもよい。例えば、巻回は近位端部分102及び遠位端部分104において同じであってもよいが、直径の変化により変わる。いくつかの実施形態において、巻回密度又は孔隙率は、部分102、104、106の内部で、部分102、104、106のうちの2つ以上の内部で、及び/又はステント152の一端からステント152の他端にかけて、均一又は実質的に均一である。ステント152が、カット管又はカットシートを含む少なくとも1つの部分と、フィラメントを含む少なくとも1つの部分とを有する実施形態において、カットパターン及び巻回は、均一又は実質的に均一な密度を得るように構成されてもよい。例えば、本明細書に記載されているように、不均一性も考えられ得る。
グラフト154は、管108に対して説明したような材料とステント152へのアタッチメントとを含むことができる。グラフト154は概して、装置150の少なくとも一部分の液密の通路を形成する。グラフト154は、中間部分106の回りだけにあるものとして示されているが、装置150の全長に延びていてもよく、又は円筒形の端部分102、104のうちの少なくとも一方の中に部分的に重なっていてもよい。
図13は、少なくとも1つの通路を通る流体の流れを提供する別の装置160を示す。装置160は、支持構造体(例えば、ステント)とグラフト164とを有する。装置100に関して説明したように、装置160は、近位端部分102と、遠位端部分104と、中間部分106とを有する。近位端部分102は、テーパー付き又は円錐台形の部分を有し、遠位端部分104は、テーパー付き又は円錐台形の部分を有する。近位端部分102の近位端の直径は、遠位端部分104の遠位端の直径よりも小さい。いくつかの実施形態において、近位端部分102の近位端の直径は、遠位端部分104の遠位端の直径よりも大きい。中間部分106は、近位端部分102と遠位端部分104との間にテーパー付き又は円錐台形の形状を有する。いくつかの実施形態において、部分102、104、106の傾斜角度は、(例えば、図13に示されているように)同じか又は実質的に同じである。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの部分の傾斜角度は、少なくとも1つの他の部分よりも鋭利である、すなわち、少なくとも1つの他の部分よりも狭い。円錐台形の近位端部分102及び遠位端部分104により、体内通路内におけるより優れた留置を可能にすることができ、この理由は例えば、動脈は心臓から離れるにつれてテーパーが付き、静脈は心臓に向かうにつれてテーパーが付き、端部分102、104は、そのような解剖学的テーパーに少なくとも部分的に対応するように構成することができる。
図12は、第1の円筒形すなわち直線状の部分と、円錐形すなわちテーパー付きの部分と、第2の円筒形すなわち直線状の部分とを有する装置150を示す。図13は、1つ又は複数の円錐形すなわちテーパー付きのセクションを有する装置160を示す(例えば、装置160全体が円錐形すなわちテーパー付きであるか、又は、複数の円錐形すなわちテーパー付きのセクションを有する)。いくつかの実施形態において、装置150、160の組合せが考えられ得る。例えば、装置は円筒形すなわち直線状の部分を有してもよく、装置の残りの部分が円錐形すなわちテーパー付きの部分を有してもよい。いくつかのそのような実施形態において、装置は、約1cm~約10cm(例えば、約5cm)の長さを有することができ、約1mm~約5mm(例えば、約3mm)の直径及び約0.5cm~約4cm(例えば、約2cm)の長さを有する円筒形すなわち直線状の部分と、円筒形すなわち直線状の部分の直径から約3mm~約10mm(例えば、約5mm)の直径まで漸増する直径及び約1cm~約6cm(例えば、約3cm)の長さを有する円錐形すなわちテーパー付きの部分とを有する。そのような装置は、その後に続く別の円筒形の部分又は円錐形の部分がなくてもよい。
支持構造体152に関して上述したように、支持構造体162は、フィラメント(例えば、織組、層化)、カット管又はカットシート、同じ材料、異なる材料及びそれらの組合せを含むことができる。
グラフト164は、管108に対して説明したような材料とステント162へのアタッチメントとを含むことができる。グラフト164は概して、装置160の少なくとも一部分の液密の通路を形成する。グラフト164は、中間部分106の回りだけにあるものとして示されているが、装置160の全長に延びていてもよく、又は円錐台形の端部分102、104のうちの少なくとも一方の中に部分的に重なっていてもよい。
いくつかの実施形態において、装置150と装置160との組合せが考えられ得る。例えば、近位端部分102を(例えば、装置150におけるように)円筒形又は実質的に円筒形とすることができ、遠位端部分104を(例えば、装置160におけるように)テーパー付き又は円錐台形とすることができ、近位端部分102は遠位端部分104の遠位端よりも大きい直径を有する。別の例の場合、近位端部分102を(例えば、装置160におけるように)テーパー付き又は円錐台形とすることができ、遠位端部分104を(例えば、装置150におけるように)円筒形又は実質的に円筒形とすることができ、近位端部分102の近位端は遠位端部分104よりも大きい直径を有する。各例において、中間部分106は、近位端部分102と遠位端部分104との間にテーパー付き又は円錐台形の形状を有することができる。
本明細書に記載されている埋め込み型装置の例示的な展開装置が、2009年8月24日に出願された米国特許出願第12/545982号、及び2012年6月1日に出願された米国特許出願第13/486249号に記載されており、それらの米国特許出願のそれぞれの内容全体は、引用することにより本明細書の一部をなす。装置は概して、近位端において、ユーザーが作動させることが可能なトリガーを有するハンドルを有し、遠位端において、装置を解放させるためにトリガーの作動の際に押される及び/又は引かれるように構成された管状部材の組合せを有する。他の送達装置も考えられ得る。送達装置は、ガイドワイヤ(例えば、組織横断針により動脈と静脈との間で操られている)上を摺動可能な部分を有することができ、及び/又はカテーテルの管腔を通して追跡可能とすることができる。
いくつかの実施形態及び例を本明細書において詳細に示し又は記載してきたが、それらの実施形態の具体的な特徴及び態様の種々の組合せ、部分的組合せ、変更、変形、置換及び省略が考えることができるが、ここではその一部を単なる例として説明する。
装置、例えば、装置のステント、装置のメッシュ、装置の支持構造体等は、自己拡張型とすることができる。例えば、メッシュは、変形を受けた後で予め設定された形状に戻ることが可能である、ニチノール等の形状記憶材料を含むことができる。いくつかの実施形態において、ステントは、拡張形態において所望される形状に作製してもよく、カテーテルを通じて血管部位に搬送されるよう、スリーブの内側にフィットするように圧縮可能である。ステントを展開及び拡張させるには、スリーブをステントから引っ込めて形状記憶材料が予め設定された形状に戻ることを可能にし、それにより、ステントを通路内に留置することができ、また、ステントが十分に径方向強度を有する場合は通路を拡大させることができる。バルーンカテーテルの使用は、完全自己拡張型のステントを拡張させるには必要とされないが、例えば、展開を高めるか又は最適化させるのに用いることができる。
装置は、1つ又は複数の自己拡張部分と、例えばバルーンカテーテルを用いての変形によって拡張可能な1つ又は複数の部分とを有することができる。例えば、図11に示されている実施形態において、第1のメッシュ142は、バルーンカテーテルによって拡張可能なステンレス鋼を含んでいてもよく、第2のメッシュ144は、拡張時に自己拡張するためにニチノールを含んでいてもよい。
本明細書に記載されている実施形態のいずれかに関して、グラフト154、164を有するポリマー管108は、PTFE、シリコーン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート系の芳香族生体耐久性熱可塑性ポリウレタンエラストマー(例えば、マサチューセッツ州ウィルミントン所在のAdvanSource Biomaterials社から入手可能なChronoFlex C(登録商標)80A及び55D医療グレード)等のポリウレタン、それらの組合せ等のような任意の適したコンプライアント又は可撓性ポリマーを含むことができる。ポリマー管108は、生分解性ポリマー、生体吸収性ポリマー又は生体適合性ポリマー(例えば、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリグリコール乳酸(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリオルトエステル、ポリ無水物、それらの組合せ等)を含むことができる。ポリマーは、支持構造体(例えば、ステント)と相互作用する前に管形態であってもよく、又は、支持構造体(例えば、ステント)の上、内部及び/又は回りに形成されてもよい。例えば、ポリマーは、紡糸繊維、浸漬コーティング、それらの組合せ等を含むことができる。いくつかの実施形態において、例えば装置を単一の血管内で展開させることになる場合、装置には管が省かれてもよい。いくつかのそのような実施形態において、ステントの中間部分は、低い巻回密度又は高い窓サイズを有するメッシュを有してもよく、その一方、ステントの端部分は、より高い巻回密度又はより低い窓サイズを有するメッシュを有し、メッシュは、メッシュの中心を通る流体の流れのための経路を画定するように概ね管状である。いくつかの実施形態において、ポリマー管108は、(例えば、同じ材料又は異なる材料を含む)リップを有し、リップは、ポリマー管108と体内通路との間に液密のシールを形成するのを助けることができる。シールは、例えば体内通路間にポリマー管108の斜めの位置決めのために角度を付けられていてもよい。いくつかの実施形態において、ポリマー管108は、少なくとも1つの方向において支持構造体を超えて長手方向に延出してもよく、超えて延出する部分は、支持構造体によって支持される。
メッシュは、ニッケル、チタン、クロム、コバルト、タンタル、白金、タングステン、鉄、マンガン、モリブデン、それらの組合せ(例えば、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼)等のような任意の適した材料を含むことができる。メッシュは、生分解性ポリマー、生体吸収性ポリマー又は生体適合性ポリマー(例えば、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリグリコール乳酸(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリオルトエステル、ポリ無水物、それらの組合せ等)及び/又はガラスを含むことができ、金属はなくてもよい。例えば図11を参照しながら前述したように、メッシュのいくつかの部分に又は同じメッシュ内に種々の材料を用いてもよい。例えば、装置100の遠位端部分104におけるメッシュ114及び近位端部分102におけるメッシュ112は、異なる材料を含んでいてもよい。別の例の場合、メッシュ112及び/又はメッシュ114は、種々のタイプの金属合金(例えば、非形状記憶合金と組み合わせた形状記憶合金、第1の形状記憶合金であって、第1の形状記憶合金とは異なる第2の形状記憶合金と組み合わせた第1の形状記憶合金、クラッド材料(例えば、チタン、タンタル、レニウム、ビスマス、銀、金、白金、イリジウム、タングステン等のような放射線不透過性材料を含むコアを含む))と組み合わせた金属合金(例えば、コバルト、クロム、ニッケル、チタン、それらの組合せ等を含む)、及び/又はポリマー(例えば、ポリエステル繊維)等の非金属材料、炭素、及び/又は生体吸収性ガラス繊維を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一方のメッシュ112、114は、ニチノール及びステンレス鋼を含む。ニチノールは、何らかの自己拡張(例えば、部分自己拡張及び/又は完全自己拡張)を可能にすることができ、その場合、メッシュは例えばバルーンを用いて更に拡張させることができる。
織組フィラメントメッシュとして図8、図10及び図11に概して示されているが、所望の弾性度を提供することができる任意の他の構造体も用いられ得る。例えば、逆方向に巻回されたフィラメントの層を、拡張可能な構造体を提供するようにフィラメントの両端において溶融することができる。別の例の場合、金属シートをカット(例えば、レーザーカット、化学的エッチング、プラズマカット等)して穿孔を形成し、次に管状形成体内でヒートセットしてもよく、又は、金属管(例えば、ハイポチューブ)をカット(例えば、レーザーカット、化学的エッチング、プラズマカット等)して穿孔を形成してもよい。拡張形態を与えるようにカット管(巻いて管にしたカットシートを含む)をヒートセットすることができる。
織組若しくは編組又は層状又は別様に構成することができるフィラメント又はワイヤ又はリボンは概ね細長く、円形、楕円形、正方形、矩形等の横断面を有する。例示的な不織フィラメントは、第1の方向に巻回された第1のフィラメント層と、第2の方向に巻回された第2のフィラメント層とを有することができ、フィラメント端の少なくとも一部は、(例えば、拡張可能なリングに結合することよって)ともに結合される。例示的な編組パターンとして、1本の上下に1本、1本の上下に2本、2本の上下に2本及び/又はそれらの組合せが挙げられるが、他の編組パターンも考えられ得る。フィラメント交点において、フィラメントは、螺旋状に巻き付けることができ、摺動関係で交わることができ、及び/又はそれらの組合せとすることができる。フィラメントは、ばらの状態であってよく(例えば、織組によってともに合わされる)、及び/又は溶接部、スリーブ等の結合要素、及び/又はそれらの組合せとすることができる。フィラメントの両端を反り返らせ、リングに圧着(例えば、放射線不透過性マーカーとしても作用することができる、チタン、タンタル、レニウム、ビスマス、銀、金、白金、イリジウム、タングステン等のような放射線不透過性材料による、端圧着)、撚り、ボール溶接、それらの組合せ等を行うことができる。織端は、フィラメント端及び/又は反り返しフィラメントを含むことができ、連続気泡、固定フィラメント若しくは未固定フィラメント、溶接部、接着剤又は他の溶融手段、放射線不透過性マーカー、それらの組合せ等を有することができる。フィラメントのパラメーターは、一部分及び/又は複数の部分にわたって均一又は実質的に均一であってもよく、一部分内及び/又は複数の部分間で様々であってもよい。例えば、近位端部分102は第1のパラメーターを有してもよく、遠位端部分104は第1の編組パターンとは異なる第2のパラメーターを有してもよい。別の例の場合、近位端部分102及び遠位端部分104はそれぞれ、第1のパラメーターを有してもよく、中間部分106は第1のパラメーターとは異なる第2のパラメーターを有してもよい。更に別の例の場合、近位端部分102、遠位端部分104及び中間部分106のうちの少なくとも1つは、第1のパラメーター、及び第1のパラメーターとは異なる第2のパラメーターを双方とも有してもよい。フィラメントパラメーターは例えば、フィラメントタイプ、フィラメント厚さ、フィラメント材料、フィラメントの量、織組パターン、層化、巻回方向、ピッチ、角度、交差タイプ、フィラメント結合又はその欠如、フィラメント端処理、織組端処理、層化端処理、層の量、溶接部の有無、放射線不透過性、編組パターン、密度、孔隙率、フィラメント角度、編組径、巻回径及び形状設定を含み得る。
管又はシートは、ストラットパターン又はセルパターンを形成するようにカットすることができ、ストラットは、管又はシートのうちカット後に残された部分であり、セル又は穿孔又は窓は、切り離された部分である。管(例えば、ハイポチューブ)を直接カットしてもよく、又はシートをカットしてから巻いて管にしてもよい。管又はシートはカット前に設定された形状であってもカット後に設定された形状であってもよい。管又はシートは、自身に、別の管又はシートに、フィラメントに、グラフト材等に溶接又は別様に結合させてもよい。カッティングはレーザー、化学エッチング液、プラズマ、それらの組合せ等によってなされてもよい。例示的なカットパターンは、螺旋スパイラル状、織組状、コイル状、個々のリング状、連続リング状、連続気泡状、独立気泡状、それらの組合せ等を含む。連続リングを含む実施形態において、リングは、可撓性コネクタ、非可撓性コネクタ及び/又はそれらの組合せを用いて連結させることができる。連続リングを含む実施形態において、リングのコネクタ(例えば、可撓性、非可撓性及び/又はそれらの組合せ)は、リングの山同士、リングの谷同士、ストラットの中間部分同士及び/又はそれらの組合せ(例えば、山と山、谷と谷、中間と中間、山と谷、山と中間、谷と中間、谷と山、中間と山、中間と谷)とを交差する。その管又はシート又はセクションは、カット前に研削及び/又は研摩されてもカット後に研削及び/又は研摩されてもよい。例えば流体の流れを補助するために、内部リッジを形成してもよい。カット管又はカットシートのパラメーターは、一部分及び/又は複数の部分にわたって均一又は実質的に均一であってもよく、一部分内及び/又は複数の部分間で様々であってもよい。例えば、近位端部分102は第1のパラメーターを有してもよく、遠位端部分104は第1のパラメーターとは異なる第2のパラメーターを有してもよい。別の例の場合、近位端部分102及び遠位端部分104はそれぞれ、第1のパラメーターを有してもよく、中間部分106は第1のパラメーターとは異なる第2のパラメーターを有してもよい。更に別の例の場合、近位端部分102、遠位端部分104及び中間部分106のうちの少なくとも1つは、第1のパラメーター、及び第1のパラメーターとは異なる第2のパラメーターを双方とも有してもよい。カット管パラメーター又はシートパラメーターは例えば、径方向のストラット厚さ、周方向のストラット幅、ストラット形状、セル形状、カットパターン、カットタイプ、材料、密度、孔隙率、管径及び形状設定を含み得る。
いくつかの実施形態において、穿孔により、比較的可撓性の中間部分と比較的剛性の端部分とを有するメッシュをもたらしてもよい。代わりに支持構造体が、管内に配置される連続気泡発泡体であってもよい。
ステントのフィラメント、ステントグラフト、若しくはその一部、及び/又はカットステントのストラット、ステントグラフト、若しくはその一部は、例えば、血栓症改質剤、流体流改質剤、抗生物質等のような薬剤を担持するように改質された表面とすることができる。ステントのフィラメント、ステントグラフト、若しくはその一部、及び/又は、カットステントのストラット、ステントグラフト、若しくはその一部は、例えば、ポリマー管108と同じであっても異なっていてもよい1つのポリマー層又は一連のポリマー層に埋め込まれた、血栓症改質剤、流体流改質剤、抗生物質等のような薬剤を含むコーティングによって少なくとも部分的に覆うことができる。
ステント、ステントグラフト、若しくはそれらの一部分のフィラメント、及び/又はカットステント、ステントグラフト、若しくはそれらの一部分のストラットの厚さ(例えば、直径)は、約0.0005インチ~約0.02インチ、約0.0005インチ~約0.015インチ、約0.0005インチ~約0.01インチ、約0.0005インチ~約0.008インチ、約0.0005インチ~約0.007インチ、約0.0005インチ~約0.006インチ、約0.0005インチ~約0.005インチ、約0.0005インチ~約0.004インチ、約0.0005インチ~約0.003インチ、約0.0005インチ~約0.002インチ、約0.0005インチ~約0.001インチ、約0.001インチ~約0.02インチ、約0.001インチ~約0.015インチ、約0.001インチ~約0.01インチ、約0.001インチ~約0.008インチ、約0.001インチ~約0.007インチ、約0.001インチ~約0.006インチ、約0.001インチ~約0.005インチ、約0.001インチ~約0.004インチ、約0.001インチ~約0.003インチ、約0.001インチ~約0.002インチ、約0.002インチ~約0.02インチ、約0.002インチ~約0.015インチ、約0.002インチ~約0.01インチ、約0.002インチ~約0.008インチ、約0.002インチ~約0.007インチ、約0.002インチ~約0.006インチ、約0.002インチ~約0.005インチ、約0.002インチ~約0.004インチ、約0.002インチ~約0.003インチ、約0.003インチ~約0.02インチ、約0.003インチ~約0.015インチ、約0.003インチ~約0.01インチ、約0.003インチ~約0.008インチ、約0.003インチ~約0.007インチ、約0.003インチ~約0.006インチ、約0.003インチ~約0.005インチ、約0.003インチ~約0.004インチ、約0.004インチ~約0.02インチ、約0.004インチ~約0.015インチ、約0.004インチ~約0.01インチ、約0.004インチ~約0.008インチ、約0.004インチ~約0.007インチ、約0.004インチ~約0.006インチ、約0.004インチ~約0.005インチ、約0.005インチ~約0.02インチ、約0.005インチ~約0.015インチ、約0.005インチ~約0.01インチ、約0.005インチ~約0.008インチ、約0.005インチ~約0.007インチ、約0.005インチ~約0.006インチ、約0.006インチ~約0.02インチ、約0.006インチ~約0.015インチ、約0.006インチ~約0.01インチ、約0.006インチ~約0.008インチ、約0.006インチ~約0.007インチ、約0.007インチ~約0.02インチ、約0.007インチ~約0.015インチ、約0.007インチ~約0.01インチ、約0.007インチ~約0.008インチ、約0.008インチ~約0.02インチ、約0.008インチ~約0.015インチ、約0.008インチ~約0.01インチ、約0.01インチ~約0.02インチ、約0.01インチ~約0.015インチ、又は約0.015インチ~約0.02インチであり得る。特定された厚さよりも大きいか又は小さい厚さを含め、他の厚さも考えられ得る。いくつかの材料(例えば、生体分解性材料、復元力の小さい材料等)を含むフィラメント及び/又はストラットは、特定された厚さよりも厚くてもよい。
フィラメント及び/又はストラットの厚さは、例えば、装置若しくは装置部分サイズ(例えば、直径及び/又は長さ)、孔隙率、径方向強度、材料、フィラメント及び/又はストラットの量、カットパターン、織組パターン、層化パターン等のうちの少なくとも1つに基づくことができる。例えば、冠血管等の大きな血管を処置するのに用いられる大きな装置又は装置部分には、より大きいフィラメント及び/又はストラットの厚さ(例えば、約0.006インチを超える)が有用であり、末梢血管等の中間サイズの血管を処置するのに用いられる中間サイズの装置又は装置部分には、中間サイズのフィラメント及び/又はストラットの厚さ(例えば、約0.003インチ~約0.006インチ)が有用であり、静脈及び神経血管等の小さい血管を処置するのに用いられる小さい装置又は装置部分には、小さいフィラメント及び/又はストラットの厚さ(例えば、約0.003インチ未満)が有用であり得る。
ステント、ステントグラフト、又は、ステントの第1の端部分、第2の端部分、中間部分若しくはサブ部分の内径若しくは外径は、例えばフィラメント又はストラットの厚さを考慮に入れると、約1mm~約12mm、約1mm~約10mm、約1mm~約8mm、約1mm~約6mm、約1mm~約4mm、約1mm~約2mm、約2mm~約12mm、約2mm~約10mm、約2mm~約8mm、約2mm~約6mm、約2mm~約4mm、約4mm~約12mm、約4mm~約10mm、約4mm~約8mm、約4mm~約6mm、約6mm~約12mm、約6mm~約10mm、約6mm~約8mm、約8mm~約12mm、約8mm~約10mm又は約10mm~約12mmとすることができる。いくつかのそのような直径は、例えば冠血管を処置するのに適し得る。ステント、ステントグラフト、又は、ステントの部分の内径若しくは外径は、例えばフィラメント又はストラットの厚さを考慮に入れると、約1mm~約10mm、約1mm~約8mm、約1mm~約6mm、約1mm~約4mm、約1mm~約2mm、約2mm~約10mm、約2mm~約8mm、約2mm~約6mm、約2mm~約4mm、約4mm~約10mm、約4mm~約8mm、約4mm~約6mm、約6mm~約10mm、約6mm~約8mm又は約8mm~約10mmとすることができる。いくつかのそのような直径は、例えば静脈を処置するのに適し得る。ステント、ステントグラフト、又は、ステントの部分の内径若しくは外径は、例えばフィラメント又はストラットの厚さを考慮に入れると、約6mm~約25mm、約6mm~約20mm、約6mm~約15mm、約6mm~約12mm、約6mm~約9mm、約9mm~約25mm、約9mm~約20mm、約9mm~約15mm、約9mm~約12mm、約12mm~約25mm、約12mm~約20mm、約12mm~約15mm、約15mm~約25mm、約15mm~約20mm又は約20mm~約25mmとすることができる。いくつかのそのような直径は、例えば末梢血管を処置するのに適し得る。ステント、ステントグラフト、又は、ステントの部分の内径若しくは外径は、例えばフィラメント又はストラットの厚さを考慮に入れると、約20mm~約50mm、約20mm~約40mm、約20mm~約35mm、約20mm~約30mm、約30mm~約50mm、約30mm~約40mm、約30mm~約35mm、約35mm~約50mm、約35mm~約40mm又は約40mm~約50mmとすることができる。いくつかのそのような直径は、例えば大動脈を処置するのに適し得る。特定された直径よりも大きいか又は小さい直径を含む他の直径も考えられ得る。装置の直径は、第1の端部分、第2の端部分又は中間部分の直径を示し得り、そのそれぞれは、拡張形態又は非拡張形態であってもよい。装置の直径は、装置の全ての部分が拡張形態又は非拡張形態である場合、装置の平均直径を示し得る。
ステント、ステントグラフト、又は、ステントの第1の端部分、第2の端部分、中間部分若しくはサブ部分の長さは、約5mm~約150mm、約5mm~約110mm、約5mm~約70mm、約5mm~約50mm、約5mm~約25mm、約5mm~約20mm、約5mm~約10mm、約10mm~約150mm、約10mm~約110mm、約10mm~約70mm、約10mm~約50mm、約10mm~約25mm、約10mm~約20mm、約20mm~約150mm、約20mm~約110mm、約20mm~約70mm、約20m~約50mm、約20mm~約25mm、約25mm~約150mm、約25mm~約110mm、約25mm~約70mm、約25m~約50mm、約50mm~約150mm、約50mm~約110mm、約50mm~約70mm、約70mm~約150mm、約70mm~約110mm又は約110mm~約150mmとすることができる。特定された長さよりも長いか又は短い長さを含む他の長さも考えられ得る。
ステント、ステントグラフト、又は、ステントの第1の端部分、第2の端部分、中間部分若しくはサブ部分の孔隙率は、約5%~約95%、約5%~約50%、約5%~約25%、約5%~約10%、約10%~約50%、約10%~約25%、約25%~約50%、約50%~約95%、約50%~約75%、約50%~約60%、約60%~約95%、約75%~約90%、約60%~約75%及びそれらの組合せとすることができる。ステントの密度はステントの孔隙率に反比例し得る。グラフトによって覆われるステントの一部分の孔隙率は約0%とすることができる。孔隙率は、ステントのいくつかの部分の目的によって様々とすることができる。例えば、中間部分は、装置を通る流体の流れを増大させるように低い孔隙率を有してもよく、その一方、端部分は、可撓性及び壁並置を増大させるようにより低い孔隙率を有してもよい。
図25Aは、プロテーゼ500の更に別の例示的な実施形態の概略側面立面図である。プロテーゼ又はステント又は装置500は、ともに織組構造体に織組された複数のフィラメント502を備える、及び/又は本質的にそのような複数のフィラメント502からなる。ステント500は、以下で更に詳細に説明するように、グラフト材がなくてもよい。
ワイヤ、リボン、ストランド等と述べることもできるフィラメント502は、織組、編組、層状又は別様に交差方式で構成することができる。フィラメント502は概ね細長く、円形、楕円形、正方形、矩形等の横断面を有する。例示的な不織フィラメントは、第1の方向に巻回された第1のフィラメント層と、第2の方向に巻回された第2のフィラメント層とを有することができ、フィラメント端の少なくとも一部は、(例えば、拡張可能なリングに結合することによって)ともに結合される。例示的な織組パターンとして、1本の上下に1本(例えば図25Aに示す)、1本の上下に2本、2本の上下に2本及び/又はそれらの組合せが挙げられるが、他の織組パターンも考えられ得る。フィラメント502の交点において、フィラメント502は、螺旋状に巻き付けることができ、摺動関係で交わることができ、及び/又はそれらの組合せとすることができる。フィラメント502は、ばらの状態であってよく(例えば、織組によってともに合わされる)、及び/又は溶接部、スリーブ等の結合要素、及び/又はそれらの組合せを含むことができる。フィラメント502の両端を反り返らせ、リングに圧着(例えば、放射線不透過性マーカーとしても作用することができる、チタン、タンタル、レニウム、ビスマス、銀、金、白金、イリジウム、タングステン等のような放射線不透過性材料による、端圧着)、撚り、ボール溶接、結合、それらの組合せ等を行うことができる。織端は、フィラメント502の端及び/又は反り返しフィラメント502を含むことができ、連続気泡、固定フィラメント若しくは未固定フィラメント502、溶接部、接着剤又は他の溶融手段、放射線不透過性マーカー、それらの組合せ等を有することができる。
ステント500は、細孔504又はフィラメント502間の開放した非被覆領域を有する。ステント500の孔隙率は、細孔504の外表面積をステント500の総外表面積で除算したものとして計算することができる。孔隙率は、例えば、フィラメント502の数、編組角度506、フィラメント502のサイズ(例えば直径)及びそれらの組合せ等のパラメーターによって影響を受ける場合がある。
ステント500の孔隙率は、約50%未満(例えば開放面積よりも僅かに被覆面積が大きい)、約0%(例えば、開放面積がほとんどない)~約50%、約0%~約45%、約0%~約40%、約0%~約35%、約0%~約30%、約0%~約25%、約0%~約20%、約0%~約15%、約0%~約10%、約0%~約5%、約5%~約50%、約5%~約45%、約5%~約40%、約5%~約35%、約5%~約30%、約5%~約25%、約5%~約20%、約5%~約15%、約5%~約10%、約10%~約50%、約10%~約45%、約10%~約40%、約10%~約35%、約10%~約30%、約10%~約25%、約10%~約20%、約10%~約15%、約15%~約50%、約15%~約45%、約15%~約40%、約15%~約35%、約15%~約25%、約15%~約20%、約20%~約50%、約20%~約45%、約20%~約40%、約20%~約35%、約20%~約25%、約25%~約50%、約25%~約45%、約25%~約40%、約25%~約35%、約30%~約50%、約30%~約45%、約30%~約40%、約30%~約35%、約35%~約50%、約35%~約45%、約35%~約40%、約40%~約50%、約40%~約45%、約45%~約50%及びそれらの組合せとすることができる。
孔隙率が約50%未満であるいくつかの実施形態において、通常の血管圧(例えば、血管にわたる圧力損失、輸入管から輸出管にかけての圧力損失)下で、血液がステント500の側壁を通過して灌流するのを不可能にすることができる。或る特定のそのような実施形態において、ステント500の近位端部に流れ込む血液を、グラフト材を用いずに(例えば実質的に用いずに、グラフト材を備えずに、実質的に備えずに)、しかし依然としてステント500の側壁を通した血液損失又は実質的な血液損失を生じることなく、ステント500の内腔を通過するようステント500の遠位端部に方向付けることができる。対照的に、或る特定のいわゆる「フローダイバーターステント(flow diverting stents)」では、孔隙率は、輸出管への灌流を確実にするために約50%超であるように特に設計される。
ステント500の密度は、孔隙率に反比例するもの(例えば、フィラメント502の外表面積をステント500の総外表面積で除算したもの)とすることができる。ステント500の密度は、100%から、上記で示した孔隙率の値を減算したものとすることができる。
フィラメント502は、ステント500の長手軸に対して垂直の軸(例えば図25Aにおいて例示的な破線で示す)に対して或る編組角度506にある。編組角度506は、まさに90度超~まさに180度未満の範囲とすることができる。編組角度506は、鋭角又は鈍角とすることができる。いくつかの実施形態において、編組角度506は、約90度~約180度、約120度~約180度、約150度~約180度、約160度~約180度、約170度~約180度、約160度~約170度、約165度~約175度、それらの組合せ等である。いくつかの実施形態において、編組角度506が180度に近いほど、ステント500の径方向強度が大きくなる。径方向強度がより大きい装置500は、瘻孔(例えば本明細書に記載のように形成される)を開放又は開存させて維持することを援助することができる。フィラメント502の直径、フィラメント502の材料、フィラメント502の数等のような他の因子も、径方向強度に影響を与えることができる。
フィラメント502の全てが同じであってもよいし、一部のフィラメント502が異なるパラメーター(例えば、材料、寸法、それらの組合せ等)を有してもよい。いくつかの実施形態において、一部のフィラメント502が形状記憶材料を含み(例えばニチノールを含む)、他のフィラメント502が別の材料を含む(例えば、アラミド繊維(例えば、Kevlar(登録商標))、Dacron(登録商標)、生体適合性ポリマー等を含む)。形状記憶材料が機械的構造を提供することができ、他の材料が(例えば側壁の寸法が厚いことにより)低孔隙率を提供することができる。
図25Bは、プロテーゼ520のまた更に別の例示的な実施形態の概略側面立面図である。プロテーゼ又はステント又は装置520は、ともに第1の織組構造体に織組された第1の複数のフィラメント522と、ともに第2の織組構造体に織組された第2の複数のフィラメント524とを含む、及び/又は本質的にこれらのフィラメントからなる。ステント520は、本明細書において更に詳細に説明するように、グラフト材がなくてもよい。第1の複数のフィラメント522は、図25Aに関して記載したステント500のフィラメント502と同様とすることができる。いくつかの実施形態において、フィラメント522は、瘻孔を開放させて維持する及び/又は動脈及び/又は静脈の側壁を並置するのに十分な径方向力を有しない場合がある。或る特定のそのような実施形態において、フィラメント524は、径方向力を提供する補助的な支持構造体として機能することができる。フィラメント524は、フィラメント522の径方向外側にある(例えば図25Bに示す)、フィラメント522の径方向内側にある及び/又はフィラメント522に一体化する(例えば、それにより第1の織組構造体及び第2の織組構造体が容易に分離可能でないようにする)ことができる。フィラメント524を、フィラメント522と同じ又は異なる材料、フィラメント522と同じ又は異なる厚さ等としてもよく、及び/又は、フィラメント524を、フィラメント522と同じ又はフィラメント524がより大きい径方向力を得るように異なるパラメーター(例えば、編組角度)で編組してもよい。フィラメント524は、フィラメント522に結合してもよいし(例えば、単一の展開型ステント520にする)、別個に展開してもよい。例えば、フィラメント524が展開された後にフィラメント522が展開される場合、フィラメント524は瘻孔を開放させたまま維持し、フィラメント522を、フィラメント524によって形成される内腔内で実質的に反力を受けずに拡張させることができる。別の例では、フィラメント522が展開された後にフィラメント524が展開される場合、フィラメント524は、拡張力が必要とされるフィラメント522の部分に対して拡張力として作用することができる。
図25Bでは第2の織組構造体を備えるように示しているが、補助的な支持構造体は、螺旋コイル、カットされたハイポチューブ、それらの組合せ等を追加で又は代替的に備えることができる。プロテーゼ520の孔隙率の決定は、補助的な支持構造体が主に径方向力(例えば、瘻孔を開放又は開存させて維持するのに十分な力)を提供するように設計することができるように、主に第1の織組構造体の孔隙率に基づくことができる。
ステント500の長さにわたって均一又は実質的に均一として示しているが、ステント500及びフィラメント502のパラメーターは、ステント500にわたって変化してもよく、これは例えば図25Cに関して記載される。均一性は、製造費用の減少、正確な配置の必要性の減少及び/又は他の利点を有することができる。非均一性は、様々な長さに沿った特定の性質及び/又は機能のための特殊化又はカスタマイズを可能にすることができ、及び/又は他の利点を有することができる。
図25Cは、プロテーゼ540のまた別の例示的な実施形態の概略側面立面図である。プロテーゼ又はステント又は装置540は、ともに織組構造体に織組された複数のフィラメント542を備える、及び/又は本質的にそのような複数のフィラメント542からなる。ステント540は、本明細書において更に詳細に説明するように、グラフト材がなくてもよい。ステント540は、第1の長手方向セクション又はセグメント又は部分544と、第2の長手方向セクション又はセグメント又は部分546とを有する。例えば、孔隙率(例えば図25Bに示す)、編組角度、編組タイプ、フィラメント542のパラメーター(例えば、直径、材料等)、補助的な支持構造体(例えば、補助的な支持構造体)の存在、ステント直径、ステント形状(例えば、円筒形、円錐台形)、それらの組合せ等のパラメーターは、第1の長手方向セクション544と第2の長手方向セクション546とで異なってもよい。孔隙率は、ステント540の或る特定の部分の目的によって変化してもよい。例えば、第1の長手方向セクション544は、動脈及び瘻孔に配置されるように構成することができ、低孔隙率(例えば、図25Aのステント500に関して記載したように約50%未満)を有し、ステント500を通る流体の流れを増大させることができる。一方、第2の長手方向セクションは、静脈に配置するように構成することができ、より高い孔隙率を有し、可撓性及び壁の並置を向上させることができる。
いくつかの実施形態において、ステントは、動脈から瘻孔に流れを迂回させるように構成された低孔隙率の織組体を備え、及び/又は本質的にそのような織組体からなり、補助的な支持構造体を備えない、第1の長手方向セクションと、血液の流れを瘻孔に通して迂回させるように構成された低孔隙率の織組体を備え、及び/又は本質的にそのような織組体からなり、瘻孔を開放させて維持するように構成された補助的な支持構造体を備える、第2の長手方向セクションと、瘻孔から静脈に流れを迂回させるように構成された低孔隙率の織組体を備える、及び/又は本質的にそのような織組体からなる、第3の長手方向セクションとを有する。或る特定のそのような実施形態において、第1の長手方向セクションは、図25Aのステント500として構成することができ、第3の長手方向セクションは、図25Aのステント500として又は図25Cのステント540として構成することができる。
第1の長手方向セクション544と第2の長手方向セクション546との間の差異は、製造中に(例えば、編組パラメーター、形状設定等により)及び/又はin situで(例えば、展開中及び/又は展開後(例えばステントパッキングにより))与えることができる。
例えば、本明細書に記載の第1の長手方向セクション544と第2の長手方向セクション546との間の他の差異(例えば、レーザーカット部、更なる長手方向セクション等を含む)も考えられ得る。いくつかの実施形態において、ステントは、動脈から瘻孔に流れを迂回させるように構成された低孔隙率の織組体を備える、及び/又は本質的にそのような織組体からなる第1の長手方向セクションと、瘻孔に配置され、血液を瘻孔に通して迂回させる及び/又は瘻孔を開放させて維持するように構成された低孔隙率のレーザーカット部を備える、及び/又は本質的にそのようなレーザーカット部からなる、第2の長手方向セクションと、瘻孔から静脈に流れを迂回させるように構成された低孔隙率の織組体を備える、及び/又は本質的にそのような織組体からなる、第3の長手方向セクションとを有する。或る特定のそのような実施形態において、第1の長手方向セクションは、図25Aのステント500として構成することができ、第3の長手方向セクションは、図25Aのステント500として又は図25Cのステント540として構成することができる。
図27は、プロテーゼ720の例示的な実施形態を概略的に示す。図27の解剖学的構造に関して、このプロテーゼ720を以下で更に詳細に説明する。プロテーゼ720は、第1の長手方向セクション722と、第2の長手方向セクション724と、第1の長手方向セクション722と第2の長手方向セクション724との間の第3の長手方向セクション726とを有する。プロテーゼ720の孔隙率は、実質的にグラフト材を欠いている場合であっても、例えば低孔隙率の織組構造体により、流体が、実質的に側壁を通過して灌流することなく実質的にプロテーゼ720の内腔を通過して流れることを可能にすることができる。
プロテーゼ720が末梢血管系において用いられる実施形態において、第1の長手方向セクション722は動脈セクションと述べることができ、第2の長手方向セクション724は静脈セクションと述べることができ、第3の長手方向セクション726は遷移セクションと述べることができる。第1の長手方向セクション722は、動脈700又は別の腔の側壁を並置するように構成されている。例えば、いくつかの末梢動脈の場合、第1の長手方向セクション722は、約2mm~約4mm(例えば約3mm)の拡張直径を有することができる。第2の長手方向セクション724は、静脈702又は別の腔の側壁を並置するように構成されている。例えば、いくつかの末梢静脈の場合、第2の長手方向セクション724は、約5mm~約7mm(例えば約6mm)の拡張直径を有することができる。いくつかの実施形態において、第2の長手方向セクション724及び第3の長手方向セクション726は、図27に示すように実質的に円筒形であるのではなく、第1の長手方向セクション722のより小さい直径からより大きい直径までテーパーが付いている円錐台形を含む形状とすることができる。
プロテーゼ720の長さは、(例えば、プロテーゼ720の長手方向における移動又は転位を阻止又は防止するのに十分に)動脈700及び/又は静脈702内にプロテーゼ720を留置し、動脈700と静脈702との間の間質組織Tをまたぐ構成又はサイズとすることができる。例えば、いくつかの末梢動脈の場合、拡張又は展開状態における第1の長手方向セクション722の長さは、約20mm~約40mm(例えば約30mm)とすることができる。別の例では、いくつかの末梢静脈の場合、拡張又は展開状態における第2の長手方向セクション724の長さは、約10mm~約30mm(例えば約20mm)とすることができる。更に別の例では、いくつかの末梢血管系の場合、拡張又は展開状態における第3の長手方向セクション726の長さは、約5mm~約15mm(例えば約10mm)とすることができる。拡張又は展開状態におけるプロテーゼ720の全長は、約30mm~約100mm、約45mm~約75mm(例えば約60mm)とすることができる。間質組織Tの厚さは約2mmとして示しているが、展開位置の特定の解剖学的構造に応じて他の寸法が考えられ得る。例えば、本明細書に記載のプロテーゼ720、第1の長手方向セクション722及び/又は第2の長手方向セクション724の他の寸法も考えられ得る。
第3の長手方向セクション726は、第1の長手方向セクション722のより小さい直径から第2の長手方向セクション724にかけて拡張する円錐台形又はテーパー形状を有する。長手方向セクション722、724、726間の遷移点は、明確に区別されるものでも明確に区別されないものでもよい。例えば、遷移セクションは、第1の長手方向セクション722及び第3の長手方向セクション726の一部を含むと述べることもできるし、第3の長手方向セクション726は、第1の長手方向セクション722と同じ直径を有する円筒形部分を含むと述べることもできる。長手方向セクション722、724、726は、上述した形状及び寸法とは異なってもよい及び/又は他の点(例えば、材料、パターン等)が異なってもよい。例えば、1つ又は複数の部分を、図12、図13及び図27に示し本明細書に記載したような円筒形、円錐台形等としてもよい。
第1の長手方向セクション722及び/又は第3の長手方向セクション726は、比較的高い径方向力、例えば瘻孔を開存させて維持するように構成される力を有することができ、第2の長手方向セクション724は、比較的低い径方向力を有することができる。いくつかの実施形態において、第1の長手方向セクション722及び/又は第3の長手方向セクション726は、バルーン拡張可能なステント、編組角度が高い織組ステント等を備える。いくつかの実施形態において、第2の長手方向セクション724は、自己拡張型ステント、編組角度が低い織組ステント等を備える。レーザーカットステント、織組ステント、異なるカットパターン、異なる織組パターン等の組合せが本明細書において更に詳細に記載される。いくつかの実施形態において、長手方向セクション722、724、726は一体でも別個でもよい。第2の長手方向セクション724は、例えば比較的低い径方向力を有しながら比較的可撓性とすることができ、これにより、血流パルス中に第2の長手方向セクション724が解剖学的構造とともに撓むのを助けることができる。
いくつかの実施形態において、第2の長手方向セクション724及び/又は第3の長手方向セクション726は、いくつかのグラフト材(例えばシリコーンを含む)を備えることができる。グラフト材は、プロテーゼ720の側壁を通過する流れを阻止若しくは防止することができ、及び/又は薬剤を担持するのに用いることができる。例えば、グラフト材は、グラフト材の目的に応じて、プロテーゼ720の部分の細孔を閉塞又は実質的に閉塞してもしなくてもよい。
プロテーゼ720の近位端部及び/又は遠位端部は、例えば端処理、低い編組角度、小さいフィラメント直径、それらの組合せ等を有することで非外傷性とすることができる。
ステント、ステントグラフト、又は、ステントの第1の端部分、第2の端部分、中間部分若しくはサブ部分の径方向強度又は圧縮抵抗は、約0.1N/mm~約0.5N/mm、約0.2N/mm~約0.5N/mm、約0.3N/mm~約0.5N/mm、約0.1N/mm~約0.3N/mm、約0.1N/mm~約0.2N/mm、約0.2N/mm~約0.5N/mm、約0.2N/mm~約0.3N/mm又は約0.3N/mm~約0.5N/mmとすることができる。
ステント、ステントグラフト、又は、ステントの第1の端部分、第2の端部分、中間部分若しくはサブ部分のいくつかのパラメーターの値同士は連関する(例えば、比例)ことができる。例えば、ストラット又はフィラメントの厚さとストラット又はフィラメントを有する装置部分の直径との比は、約1:10~約1:250、約1:25~約1:175又は約1:50~約1:100とすることができる。別の例の場合、装置又は装置部分の長さと装置又は装置部分の直径との比は、約1:1~約50:1、約5:1~約25:1又は約10:1~約20:1であってもよい。
装置の部分は放射線不透過性材料を含むことができる。例えば、ステント、ステントグラフト、又は、ステントの第1の端部分、第2の端部分、中間部分若しくはサブ部分のフィラメント及び/又はストラットは、チタン、タンタル、レニウム、ビスマス、銀、金、白金、イリジウム、タングステン及びそれらの組合せ等を含む(例えば、それらから少なくとも部分的に作製する)ことができる。別の例の場合、ステント、ステントグラフト又はステントの一部分のフィラメント及び/又はストラットは、立方センチメートル当たり約9グラムを超える密度を有する材料を含む(例えば、それらから少なくとも部分的に作製する)ことができる。別個の放射線不透過性マーカーを装置のいくつかの部分に取り付けることができる。例えば、放射線不透過性マーカーは、装置又は装置部分の近位端(例えば、中間部分の近位部、遠位部分の近位部)、装置又は装置部分の遠位端(例えば、中間部分の遠位部、近位部分の遠位部)及び/又は他の部分に付加することができる。装置の端同士の間の放射線不透過性マーカーは、例えば、材料同士、部分同士等の遷移部を区別するのに有用であり得る。放射線不透過性は、装置の長さにわたって様々とすることができる。例えば、近位部分は、第1の放射線不透過性(例えば、遠位部分材料及び/又は別個のマーカーに起因する)を有することができ、遠位部分は、第1の放射線不透過性とは異なる第2の放射線不透過性(例えば、遠位部分材料及び/又は別個のマーカーに起因する)を有することができる。バルーンなどの膨張可能部材は、放射線不透過性の流体によって満たすことができる。バルーンなどの膨張可能部材は、それに結合及び/又は統合された放射線不透過性マーカーを含むことができる(例えば、膨張可能部材の外面上に).
いくつかの実施形態において、装置はポリマー管を有し、支持構造体は設けられない。そのような装置の中間部分は、例えば、中間部分内のポリマー管の肉厚を減らすことによって、端部分よりも比較的可撓性が高いものとすることができる。
メッシュ又は他の支持構造体がポリマー管と組み合わせて設けられる場合、支持構造体は、管の外側の回りに位置付けることができるか、管の内腔内に位置付けることができるか、又は管の壁内に埋め込むことができる。2つ以上の支持構造体を設けることができ、その場合、各支持構造体は管に対する位置が異なっていてもよい。
装置の端部分のうちの一方又は双方は、血管の内側壁を捕捉又は把持するように構成されたフック、突起又は返し等の留置要素を有することができる。拡張後の端部分の径方向力は、留置要素を用いることなく血管の内側壁を捕捉又は把持するのに十分とすることができる。
中間部分と端部分との間に十分に画定された遷移部がある必要はない。例えば、メッシュタイプ、材料、肉厚、可撓性等は、端部分から中間部分に向かって、又は中間部分から端部分に向かって漸次的に変化してもよい。
装置の可撓性は、例えば装置134、140に関して記載したように、端部分から中間部分に向かって移動するにつれて漸増してもよい。可撓性の変化は、メッシュ密度(例えば、巻回密度、窓サイズ)、管の厚さ又は他の因子の変化に起因し得る。装置の可撓性は、支持構造体(例えば、ステント)の全長にわたって、又は支持構造体のいくつかの部分にわたって(例えば、端部分全体にわたって、中間部分全体にわたって、一方の端部分及び中間部分にわたって、ただし他方の端部分にはわたらない等)、均一又は実質的に均一とすることができる。
本明細書に記載の装置は、経皮手術における経血管シャントとして用いるのに特に適することができ、多くの他の医療用途に用いることができる。例えば、装置は、蛇行状又は屈折した経路を有する閉塞した血管の処置のための、又は血管がステントの位置において若しくはその位置付近で撓み又は変形を受ける可能性がある場合の血管形成術に用いることができる。ステントは、例えば、大動脈グラフト処置において又は経皮処置時の穿孔後に、損傷した血管の修復に用いることもできる。いくつかのそのような場合、装置の中間部分により、装置が血管の形状に合致するとともに血管の動きに応じて変形することを可能にすることができ、端部分によって所定位置に固定又は留置されたまま、疲労破損のリスクが低減する。別の例の場合、装置を用いて、健全な動脈と健全な静脈との間に、透析アクセス、及び/又は薬剤投与(例えば、血管に損傷を与える可能性がある、癌治療の間欠注射)に用いるアクセスのためのシャントを形成することができる。
再び図4及び図7を参照すると、ブロック材251を用いて動脈血流の逆流を阻止又は防止するのを助けることができる。ここで更に詳細に説明するように、付加的な方法及びシステム又は他の方法及びシステムを用いて、動脈血流の逆流を阻止又は防止する、すなわち、別の言い方をすれば、ここで静脈に流れ込む動脈血の流れが静脈内の血流の通常の処置前方向に流れることを阻止又は防止することができ、それによって、酸素化血液を足等の組織の下流にバイパスさせる。
処置がなければ、末梢血管疾患(PVD)は危機的四肢虚血(CLI)に進行する可能性があり、このCLIは深刻な慢性的疼痛及び広範囲の組織欠損を特徴とし、この組織欠損により、血管再生の選択肢が限られ、切断につながることが多い。CLIは、一年当たり100000件につき約50~100件の発症率を有するものと推定され、発症後6ヶ月で20%もの死亡率が伴う。
介入放射線医は、慢性全閉塞(CTO)を完全に開く試みによって、又は、CTOに近接した内膜下空間内にワイヤを通してから閉塞部の遠位の血管に再入させることを試みる、Medtronic Pioneerカテーテルのような製品を用いての内膜下空間内へのCTOのバイパスによって、CLIを処置しようと積極的に試みてきた。ワイヤが適所にくると、ユーザーは任意選択的に、より広いチャネルをつくり出し、次に、閉塞部を通過するバイパス導管をもたらすようにステントを配置することができる。PADを処置するための経皮経管的血管形成術(PTA)、ステント法及び薬剤溶出型バルーン(DEB)のような従来のアプローチは付加的に又は代替的に、ワイヤが閉塞部を横断することができる場合にCLI処置に用いることができる。
amputee-calition.orgのウェブサイトによれば、CLTの問題に関するいくつかの統計は以下の通りである:
米国合衆国における肢喪失者は200万人近くである。
肢喪失者のうち、主な原因は以下である:
血管疾患(54%)(糖尿病及び末梢動脈疾患(PAD))、
外傷(45%)、及び、
癌(2%未満)。
毎年、合衆国において約185000件の切断が行われている。
肢切断に伴う入院費は2007年において総計65億ドルを超えた。
切断後の生存率は多様な要因に基づき様々である。血管疾患(PAD及び糖尿病を含む)に起因する切断を受けた者は、30日での死亡率が9%~15%と報告されており、長期生存率は1年が60%、3年が42%及び5年が35%~45%である。
血行障害(dysvascular disease)で肢を喪失した者の半数近くが5年以内に死亡する。これは、結腸直腸癌、乳癌及び前立腺癌を患った者が被る5年死亡率よりも高い。
糖尿病を患った者のうち下肢切断を受けた者は、最大55%まで、2年~3年以内にもう一本の脚の切断が必要となる。
CLIは、1900年代初期から開肢による静脈の動脈化によって外科的に処置されてきた。Lu他著の「Meta-analysis of the clinical effectiveness of venous arterialization for salvage of critically ischemic limbs」と題する2006メタアナリシス論文(European Journal of Vascular and Endovascular Surgery,vol.31,pp.493-499)によって概説されているような開肢手術アプローチ等を用いる、少数の一連の臨床試験が長年にわたって公開されてきた。上記論文は以下の結果及び結論に至っている:
結果:
包括的な検討のために総計56の試験が選択された。特定されたランダム化比較試験(RCT)はなかった。228人の患者を含む7つの患者群が選択基準と合致した。1年全体の肢温存は71%(95% CI:64%~77%)であり、1年の二次開存率は46%(95% CI:39%~53%)であった。大切断術を回避した患者の大部分は首尾よく創傷治癒し、休息痛が現れず、深刻な合併症がなかった。
結論:
限定された証拠に基づき、静脈の動脈化は、「手術不能な」慢性重症虚血肢を患った患者に大切断術を行う前の実行可能な代案とみなすことができる。
本明細書に記載した他の疾患のうち、本明細書に記載した方法及びシステムは、血管内の低襲性アプローチを用いて膝下(BKT)血管系内で動脈と静脈(AV)との間に瘻孔を創出することができる。そのような方法は、(i)Rutherford5又は6(重症虚血潰瘍又は明らかな壊疽)によって定義されるような症候性の重症四肢虚血の臨床診断を有し、(ii)血管外科医及び介入者(interventionist)によって評価され、外科的治療又は血管内治療が可能ではないと判断され、及び/又は(iii)大切断術にはっきりとした特効がある患者に適し得る。
いくつかの実施形態において、システム又はキットは任意選択的に、以下の構成部材:第1の超音波カテーテル(例えば、動脈カテーテル、針を有する発射カテーテル等)、第2の超音波カテーテル(例えば、静脈カテーテル、標的カテーテル等)、及びプロテーゼ(例えば、送達システム(例えば、7Fr(およそ2.3mm)送達システム)における被覆ニチノールステントグラフト)のうちの1つ又は複数を含む。システム又はキットは任意選択的に、超音波システム、制御システム(例えば、コンピューター)を更に含む。ユーザーによっては、超音波カテーテル(複数の場合もある)に接続することができる適切な超音波システムを既に有している場合もある。上述したカテーテル及びプロテーゼはシステム又はキットにおいて用いることができ、他の、付加的な、及び/又は改変された、考えられ得る構成部材の詳細は下記で説明する。
図14Aは、針172を有する超音波発射カテーテル170(例えば、第1の超音波カテーテル、動脈カテーテル(例えば、動脈から静脈内に針を延出させる場合)、静脈カテーテル(例えば、静脈から動脈内に針を延出させる場合))の例示的な実施形態の概略側面断面図である。カテーテル170は、針172がカテーテル170の管腔内部で後退した状態にある状態で動脈内に配置される。カテーテル170は、ガイドワイヤ(例えば、0.014インチ(およそ0.36mm)のガイドワイヤ)上を追跡し、及び/又は動脈(例えば、大腿動脈)内にシースを通して配置し、動脈(脛骨動脈における)の全閉塞地点まで前進させることができる。カテーテル170は、プッシャリング176を有するハンドル174を有する。プッシャリング176が長手方向又は遠位に前進することにより、本明細書に記載されているように、針172がカテーテル170の管腔から動脈を出て静脈内へと前進することができる。針172の他の前進機構も考えられ得る(例えば、回転式、電動式等)。針を前進させる前、前進させた後及び/又は前進させている間、ガイドワイヤ(例えば、0.014インチ(およそ0.36mm)のガイドワイヤ)を(例えば、図3のガイドワイヤ14に関して説明したように)針172を通して配置することができ、このガイドワイヤは交差ワイヤと呼ぶことができる。
図14Bは、図14Aの円14B内の超音波発射カテーテル170の遠位部分の拡張した概略側面断面図である。針172は、前進又は発進すると、カテーテル170の管腔173から径方向外側に延出する。いくつかの実施形態において、管腔173は、超音波送信装置178に近接して終端している。針172は、超音波送信装置178によって送信された指向性超音波信号の経路と整合する(例えばその経路に対して平行な)経路に沿って延出することができる。図14Bは、カテーテル170を所望の位置まで追跡させるガイドワイヤを収容するのに用いることができる管腔175も示す。
図15Aは、超音波標的カテーテル180(例えば、第2の超音波カテーテル、動脈カテーテル(例えば、静脈から動脈内に針を延出させる場合)、静脈カテーテル(例えば、動脈から静脈内に針を延出させる場合))の例示的な実施形態の概略側面図である。図15Bは、図15Aの円15B内の超音波標的カテーテル180の拡張概略側面断面図である。図15Cは、図15Aの円15C内の超音波標的カテーテル180の拡張概略側面断面図である。カテーテル180は、ガイドワイヤ(例えば、0.014インチ(約0.36mm)のガイドワイヤ)上を追跡し、及び/又は静脈(例えば、大腿静脈)内にシースを通して配置し、カテーテル170の遠位端に近接した、及び/又はカテーテル170の遠位端に対して平行な或る地点(例えば、脛骨動脈における)及び/又は動脈内の閉塞部まで前進させることができる。カテーテル180は、カテーテル170の針172を位置合わせさせるように静脈における標的として働くことができる超音波受信トランスデューサー182(例えば、無指向性超音波受信トランスデューサー)を有する。カテーテル180は、適所に残されたままとすることができるか、又は、静止若しくは実質的に静止したままの状態とすることができ、その一方、カテーテル170は、針172がカテーテル180とカテーテル180の方向に位置合わせされていることを示す良好又は最適な超音波信号を得るように回転するとともに長手方向に移動する。
カテーテル170、180は、コンピューター実行送受信器ソフトウェアに接続されるとともにコンピューター実行送受信器ソフトウェアによって制御される超音波送受信器に接続されてもよい。本明細書において更に詳細に記載されるように、カテーテル170は、カテーテル170の管腔173からの前進時に小さい角度の広がり又はタイトなビーム(例えば、小さいビーム幅)を有する超音波信号を針172の経路の方向に送信するように構成されたフラット超音波送信器178又は指向性超音波送信器178を有する。カテーテル180は、カテーテル170の指向性送信器178によって送信された超音波信号の標的として働くように構成された無指向性(360度)超音波受信器182を有する。カテーテル170は、(例えば、ハンドル174のリング176を長手方向に前進させることによる)針172の延出時に、針172が、カテーテル170が滞留している動脈から出て、間質組織を通って、カテーテル180が滞留している静脈内へと進むことができるように、針172がカテーテル180と位置合わせしていることを示すピーク超音波信号が表示されるまで回転する。
図16は、超音波システムのディスプレイ装置(例えば、ラップトップ、タブレットコンピューター、スマートフォン、それらの組合せ等)上に表示することができるものとしてカテーテルの位置合わせを検出するグラフの例示的な実施形態である。図16におけるグラフは、静脈内の送信カテーテルから発信する信号が静脈内の受信カテーテルによって受信されていることを示す。右側の第2の周波数包絡線は受信信号である。図示の画面の左側から第2の周波数包絡線の前縁までの距離は、カテーテル間の距離を示し得る。操作者は、例えば、第2の包絡線が最大になるまで(これは、カテーテルが正確に配向されていることを示す)、回転方向及び長手方向の双方に動脈内でカテーテルを移動させることができる。
図17は、プロテーゼ(例えば、ステント、ステントグラフト)送達システム190の例示的な実施形態の概略側面立面図である。いくつかの実施形態において、送達システム190は7Fr(およそ2.3mm)送達システムである。図18は、プロテーゼ(例えば、ステント、ステントグラフト)200の例示的な実施形態の概略側面立面図である。図17において、プロテーゼ(例えば、プロテーゼ200、本明細書に記載の他のプロテーゼ等)が、送達システム190の遠位端192に近接した圧縮状態又は圧着状態にある。いくつかの実施形態において、プロテーゼ200は、例えば上述したようなグラフト材によって覆われた形状記憶ステントを含む。交差ワイヤが動脈から静脈に延出すると、本明細書に記載したように、例えば、針172を通って前進する結果、送達システム190は、交差ワイヤ上を前進することができる。プロテーゼ200は、例えば、送達システム190のトリガーハンドル194を握ることで、外側カバーシースにプロテーゼ200を近位に後退及び/又は遠位に前進させることによって、送達システム190から展開させることができる。プロテーゼ200は、動脈と静脈との間に、間質組織を通る流路をつくり出すことができる。送達システム及びプロテーゼの他のタイプも考えられ得る。
再び図17を参照すると、送達システム190のいくつかの非限定的な例示的な寸法が提示されている。トリガーハンドル194の移動距離196は例えば、約0.4インチ(およそ1cm)~約12インチ(およそ30cm)、約1インチ(およそ2.5cm)~約8インチ(およそ20mm)又は約2インチ(およそ5cm)~約6インチ(およそ15mm)(例えば、約2インチ(およそ5cm))とすることができる。いくつかの実施形態において、トリガーハンドル194の移動距離196は、(例えば、径方向に拡張した状態に)展開されるプロテーゼ200の長さと少なくとも同じ長さである。いくつかの実施形態において、(例えば、径方向に拡張した状態に)展開されるプロテーゼ200の長さ未満にトリガーハンドル194の移動距離196を短縮するのに伝動装置又は他の機構を用いてもよい。距離196は例えば、展開されるプロテーゼ200の長さ、展開されるプロテーゼ200を縮める程度、展開の仕組み(例えば、外側シースを近位に後退させるのか、プロテーゼ200を遠位前方に押すのか、又はそれらの双方を行うのか、送達システム190が伝動機構等を含むのかどうか)、それらの組合せ等のうちの少なくとも1つに基づいて、調整することができる。外側シース又はカテーテル部分の長さ197は例えば、約40インチ(およそ1020mm)~約50インチ(およそ1270mm)、約46インチ(およそ1170mm)~約47インチ(およそ1190mm)又は約46.48インチ(およそ1180mm)~約46.7インチ(およそ1186mm)とすることができる。近位先端から遠位先端にかけての送達システム190の全長198は例えば、約40インチ(およそ1000mm)~約60インチ(およそ1500mm)とすることができる。長さ197、198は例えば、展開されるプロテーゼ200の長さ、展開されるプロテーゼ200を縮める程度、患者の身長、処置される閉塞部の場所、それらの組合せ等のうちの少なくとも1つに基づいて、調整することができる。いくつかの実施形態において、例えば約10cm~約30cm(例えば、少なくとも約20cm)だけ、血管アクセス点からトリガーハンドル194を離間させることにより、ユーザーによる取扱い又は管理がより容易となり得ることが有利である。いくつかのそのような実施形態において、長さ197は、約120cm~約130cm(例えば、順行性アプローチの場合)であっても約150cm~約180cm(例えば、対側性アプローチの場合)であってもよい。
再び図18を参照すると、少なくとも圧縮状態の情況に応じて、プロテーゼ200のいくつかの非限定的な例示的な寸法が提示されている。構造ストラットの厚さ201は例えば、約0.05mm~約0.5mm又は約0.1mm~約0.2mm(例えば、約0.143mm)とすることができる。構造ストラットのストラット間の間隔202は例えば、約0.005mm~約0.05mm又は約0.01mm~約0.03mm(例えば、約0.025mm)とすることができる。連結ストラットの厚さ203は例えば、約0.05mm~約0.5mm又は約0.1mm~約0.2mm(例えば、約0.133mm)とすることができる。構造構成部材の長手方向長さ204は例えば、約1mm~約5mm又は約2.5mm~約3mm(例えば、約2.8mm)とすることができる。構造構成部材間の長手方向長さ205は例えば、約0.25mm~約1mm又は約0.5mm~約0.6mm(例えば、約0.565mm)とすることができる。前後に巻回する全ての部分を含む、構造構成部材内のストラットの長さ206は例えば、約25mm~約100mm又は約65mm~約70mm(例えば、約67.62mm)とすることができる。プロテーゼ200の長手方向の全長は例えば、約25mm~約150mm又は約50mm~約70mm(例えば、約62mm)とすることができる。本明細書に記載されているように、種々の寸法を含む、広く多様なレーザーカットステント、織組ステント及びそれらの組合せも考えられ得る。本明細書に記載されているストラットは、ワイヤ若しくはフィラメント、又はハイポチューブ若しくはシートからカットされない部分を含み得る。
プロテーゼ200の近位端及び/又は遠位端は任意選択的には、リング210を有してもよい。リング210は例えば、動脈及び/又は静脈内にプロテーゼ200を留置するのを助けることができる。リング210の周方向幅211は例えば、約0.25mm~約1mm又は約0.5mm~約0.75mm(例えば、0.63mm)とすることができる。リング210の長手方向長さ212は例えば、約0.25mm~約2mm又は約0.5mm~約1mm(例えば、0.785mm)とすることができる。いくつかの実施形態において、プロテーゼ200の全長とリング210の長手方向長さ212との比は、約50:1~約100:1(例えば、約79:1)とすることができる。リング210の寸法211、212は例えば、ストラット厚さ、プロテーゼの直径(例えば血管に対する)、プロテーゼの全長、材料、形状設定特性、それらの組合せ等のうちの少なくとも1つに基づいて、調整することができる。
図19は、別の例示的な実施形態のプロテーゼ220の概略側面立面図である。プロテーゼ200は、(例えば、送達システム190から展開させると)例えば径方向に拡張した状態のプロテーゼ220の形状を有することができる。図19は、第1の部分221及び第2の部分225を有するプロテーゼ220の例示的な形状を示す。第1の部分221は、約15mm~約25mm(例えば、約21mm)の長さ222及び約2.5mm~約5mm(例えば、約3.5mm)の直径223を有する実質的に円筒形又は円筒形の形状を有する。第2の部分225は、約30mm~約50mm(例えば、約41mm)の長さ226及び約4mm~約10mm、約4mm~約7mm(例えば、約5.5mm)等の最も広い直径227を有する実質的に円錐台形又は円錐台形の形状を有する。第1の部分221から離れる第2の部分225のテーパー角度は、約0.02度~約0.03度(例えば、約0.024度)とすることができる。
本明細書に記載されている方法及びシステムに従って用いることができるプロテーゼに関する更なる詳細は、2013年3月8日に出願された米国特許出願第13/791185号に記載されており、この米国特許出願はその全体が、引用することにより本明細書の一部をなす。
図20A~図20Hは概略的に、逆行性灌流を行う方法の例示的な実施形態を示す。この方法は、下肢等の末梢血管系に関して記載されているが、他の体腔(例えば、心臓、他の末梢等)の必要に応じて適合させることもできる。麻酔、特定部位の切開、縫合等のようないくつかの工程は明確であることから省くことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、(例えば、以下に記載の静脈カテーテルによって)静脈から動脈に行うことができる。
大腿動脈及び大腿静脈へのアクセスが得られる。例えば、セルディンガー法を用いて、イントロデューサーシース(例えば、7Fr(およそ2.3mm))が大腿動脈に挿入され、イントロデューサーシース(例えば、6Fr(およそ2mm))が大腿静脈に挿入される。ガイドワイヤ(例えば、0.014インチ(およそ0.36mm)、0.035インチ(およそ0.89mm)、0.038インチ(およそ0.97mm))が大腿動脈内のイントロデューサーシースに挿通され、患部の後脛骨動脈又は前脛骨動脈300の遠位部分内にガイドされる。第2のガイドワイヤ(例えば、0.014インチ(およそ0.36mm)、0.035インチ(およそ0.89mm)、0.038インチ(およそ0.97mm))又はスネアが大腿動脈内のイントロデューサーシースに挿通される。スネアが用いられる実施形態において、本明細書に記載されている第3のガイドワイヤ、第4のガイドワイヤ等は、番号付けが順次でない場合であっても的確である。
静脈アクセス針が、標的静脈、例えば、脛骨静脈(例えば、脛骨近位静脈(PTV))に経皮挿入される。いくつかの実施形態において、静脈アクセス針は超音波下でガイドされてもよい。いくつかの実施形態において、造影剤を足側の伏在静脈内に注入し(逆行性)、次にPTV内に流す。この流路は、超音波ではなく又は超音波に加えて蛍光透視法によって静脈アクセス針をガイドさせることができるように蛍光透視法を用いて捉えることができる。
標的静脈は、発射カテーテル310が置かれるべき箇所の下から(例えば数インチ又は数センチメートル)近位及び遠位にアクセスすることができる。いくつかの実施形態において、標的静脈は足首内にあってもよい。静脈アクセス針が静脈内にくると、第3のガイドワイヤ(又は第2のガイドワイヤの代わりにスネアが用いられる場合の「第2の」ガイドワイヤ)を静脈アクセス針に挿入し、標的静脈内で大腿静脈まで順行に前進させる。このアクセス方法は、静脈弁を横切ってワイヤを逆行に前進させることに起因する問題を低減させ得ることが有利であり、このことは以下で詳細に説明される。第3のガイドワイヤを、例えば、蛍光透視法ガイドを用いてスネアリングし、大腿静脈シースに引き通す。標的カテーテル320を、スネアリングした第3のガイドワイヤを通じて大腿静脈シースに挿入する。図20Aに示されているように、標的カテーテル320が患部の後脛骨動脈又は前脛骨動脈の遠位部分においてガイドワイヤに近接する及び/又はガイドワイヤと平行になる及び/又は閉塞部304に近接するまで、標的カテーテルを、第3のガイドワイヤ上を静脈系内に前進させる。
いくつかの実施形態において、第3のガイドワイヤは、発射カテーテル310によって送信された信号の標的を設けるように取り付けられた超音波受信トランスデューサー(例えば無指向性)を有してもよく、又は、第3のガイドワイヤ上を、標的カテーテル320を追跡させることができ、これらのいずれかにより、いくつかの技法(例えば、大腿静脈アクセス、静脈イントロデューサーシースの導入、第2のガイドワイヤの挿入、大腿静脈までの第3のガイドワイヤの順行前進、第3のガイドワイヤのスネアリング、第3のガイドワイヤ上の標的カテーテル320の前進)の省略が可能になり得る。
いくつかの実施形態において、例えば、超音波を用いてPTVに直接アクセスしてもよく、これにより、例えば小さなシースを用いて標的カテーテル320をPTVに直接配置することが可能にすることができ、これにより、いくつかの技法(例えば、大腿静脈アクセス、静脈イントロデューサーシースの導入、第2のガイドワイヤの挿入、大腿静脈までの第3のガイドワイヤの順行前進)の省略が可能になり得る。
いくつかの実施形態において、カテーテル320は、オーバーザワイヤ式カテーテルではなく、ガイドワイヤ及び超音波受信トランスデューサー(例えば無指向性)を含む。カテーテル320は、上述したように第3のガイドワイヤとして、第2のガイドワイヤとして、又は、PTVに直接アクセスする際に小さなシースを通るガイドワイヤとして挿入することができる。
超音波トランスデューサーは概して、セラミックによって離間した表面を有する、振動することができる2つの電極を有する。着信又は受信した超音波信号波形は結合して、図21に示されているように長さ延長モードになる。図21は、超音波受信トランスデューサー350の例示的な実施形態の概略斜視図である。トランスデューサー350の近位端すなわち上端352及びトランスデューサーの遠位端すなわち下端354が導電性であり、ワイヤと電気的に接続する場合、トランスデューサーは超音波信号を受信することができる。いくつかの実施形態において、トランスデューサー350は、約0.1mm~約0.4mm(例えば、約0.25mm)の長さ356を有する。いくつかの実施形態において、トランスデューサー350は、約0.1mm~約0.3mm(例えば、約0.2mm)の重なる長さ358を有する。いくつかの実施形態において、トランスデューサー350は、トランスデューサー350が取り付けられているガイドワイヤと同様であるか、実質的に同様であるか、又は同じである直径を有する。いくつかの実施形態において、アレイ状又は一連の積層板により、トランスデューサー350の信号受信能力を高めてもよい。
いくつかの実施形態において、超音波受信トランスデューサーを有するガイドワイヤは、圧電フィルム(例えば、プラスチックを含む)を有することができ、これにより、トランスデューサーの信号受信能力を高めることができる。図22は、超音波受信トランスデューサー360の別の例示的な実施形態の概略断面図である。図22に示されている超音波受信トランスデューサー360は、任意選択の管腔368を有する。超音波受信トランスデューサー360は、一連の層362、364、366を有する。層362は、ポリマー(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF))層を含み得る。層364は、無機化合物(例えば、炭化タングステン)層を含み得る。層366は、ポリマー(例えば、ポリイミド)層を含み得る。層366は、約25マイクロメートル(μmすなわちミクロン)~約250μm(例えば、少なくとも約50μm)の厚さを有し得る。
発射カテーテル310は、図20Bに示されているように、閉塞部304に近接した、閉塞部304の近位の大腿動脈及び脛骨動脈内でガイドワイヤ上を追跡する。カテーテル310は、逆行性灌流プロセスの解剖学的構造のその部分における適合性に応じて、閉塞部304のより近位にあってもよい。いくつかの実施形態において、カテーテル310は、例えばカテーテル320に近接して、後脛骨動脈又は前脛骨動脈の遠位部分に位置決めされてもよい。いくつかの実施形態において、カテーテル310は、足首の数インチ又は数センチメートル内に位置決めされてもよい。
発射カテーテル310は、指向性超音波信号を送信する。図20Cにおける矢印311、312によって示されているように、発射カテーテル310は、信号が標的カテーテル320によって受信されるまで、回転するとともに長手方向に移動する。信号が受信されると、これにより位置合わせが示され、それによって、発射カテーテル310から針が延出することにより、静脈が首尾よくアクセスされ、図20Dに示されているように、交差針314がカテーテル310から前進して脛骨動脈300から脛骨静脈302に入る。動脈300と静脈302との間に瘻孔を形成するように交差針314を配置する精度は、例えば造影剤及び蛍光透視法を用いて確認することができる。
いくつかの実施形態において、超音波信号は、動脈300と静脈302との間の距離を判定するのに用いることができる。再び図16を参照すると、図示の画面の左側から第2の周波数包絡線の前縁にかけての距離は、カテーテル間の距離の指標として用いることができる。
図16を再び参照すると、ディスプレイ装置が、ユーザーが整合位置を判定することを可能にするように信号整合ピークをグラフで示すことができる。いくつかの実施形態において、信号整合は、閾値を超えるか又は閾値未満の場合、色を例えば赤から緑に変えることができる。いくつかの実施形態において、例えば整合信号が閾値を超えると、可聴信号が送信され、これにより、ユーザーが画面を略連続的にモニタリングするのではなく患者への注視を続けることを可能にすることができる。
いくつかの実施形態において、画面上の水平線は、処置中のその地点までに達成された最大信号すなわちピークを示すまで移動することができる。この線は「ピークホールド」と呼ぶことができる。より大きい信号値が達成される場合、水平線はそのより高い値に一致するように移動する。操作により水平線を超えてピークを引き上げることができない場合、それが最大整合を示し得る。信号ピークが水平線よりも或る特定量下がる場合、カテーテルが移動しており、カテーテルをもはや適正に位置合わせさせることができない。水平線によって示される整合レベルが処置時に予め達成されているため、ユーザーは、そのような整合レベルを更なる回転及び/又は長手方向の操作によって達成することができることが分かる。
第4のガイドワイヤ316(例えば、0.014インチ(およそ0.36mm))(又は第2のガイドワイヤの代わりにスネアが用いられる場合の「第3の」ガイドワイヤ)を、図20Eに示されているように、カテーテル310の交差針314の管腔に通して足側の(静脈302の)逆行方向に脛骨静脈302内に配置する。外側カフ圧を、針交点の上から加え、動脈300内における流れを低減させて血腫の形成を阻止又は防止させる、及び/又は弁の交差を容易にするように静脈を充溢させることができる。ガイドワイヤ316を適所に残したままカテーテル310、320を移動させ、大腿動脈内のイントロデューサーシースから延出させて動脈樹を通して脛骨静脈302内に入れることができる。
本明細書に記載されている指向性超音波技法の代わりに又はその指向性超音波技法に加えて、動脈300から静脈302へとガイドワイヤ316を交差させるいくつかの技法を用いてもよい。
いくつかの実施形態において、止血帯を脚に適用することができ、これにより、静脈径を増大させることができる。いくつかの実施形態において、ブロック材(例えば、図4及び図7に関して説明したように、ブロックバルーン等)を用いて静脈径を増大させてもよい。例えば、静脈流が滞ることで静脈を拡大させることができる。静脈径がより大きいことで交差針314の標的をより大きくすることができ、静脈300が交差針314によってアクセスされ易くなる。
いくつかの実施形態において、PTAバルーンを標的静脈内に用いることができ、針カテーテル(例えば、Cordis社から入手可能なOutback)が、蛍光透視法下でPTAバルーンを標的にすることができる。交差針314はPTAバルーンを穿刺することができ、PTAバルーンの圧力低下により、交差針314の適正な位置合わせを確認することができる。PTAバルーンは、静脈径を増大させることができることで交差針314の標的をより大きくし、静脈300が交差針314によってアクセスされ易くなる。ガイドワイヤ316は、交差針314を通ってPTAバルーンへと前進することができる。
いくつかの実施形態において、PTAバルーンは、例えばバルーンのポリマー内に埋め込まれたメッシュ(例えば織組メッシュ)を有する。そのようなメッシュを有しないバルーンが穿刺されると、バルーン材が破損して塞栓(例えば、バルーンの断片が下流に流される)を引き起こす可能性がある。メッシュにより、バルーン材の引裂きを抑えるのを助けることができ、これにより、バルーン材が塞栓を引き起こすことを阻止又は防止することができる。いくつかの実施態様では、メッシュのないバルーンは、穿刺されているか否かにかかわらず、折り畳まれたときにガイドワイヤをスネアするように構成されることができる(例えば、バルーンの折り目にガイドワイヤを絡ませることによって)。
いくつかの実施形態において、カテーテルの軸に沿って長手方向に離間した2つのPTAバルーンを標的静脈内で用いることができ、針カテーテルがPTAバルーンのうちの1つを標的にすることができる。交差針314によってPTAバルーンのうちの1つを穿刺すると、穿刺されたPTAバルーンはもはや造影剤の堰としての役割を果たさないため、バルーン間のウェル内の造影剤が放出され得る。造影剤の放出は、蛍光透視法を用いてモニタリングすることができる。PTAバルーンは、同じカテーテル側にあることも異なるカテーテル側にあることもできる。
いくつかの実施形態において、カテーテルの軸に沿って長手方向に離間した2つのPTAバルーンを標的静脈内で用いることができ、針カテーテルがPTAバルーン間のスペース又はウェルを標的にすることができる。交差針314によってウェルを穿刺すると、ウェル内の造影剤が揺動し(disturbed)得る。造影剤の揺動は、蛍光透視法を用いてモニタリングすることができる。PTAバルーンは、同じカテーテル側にあることも異なるカテーテル側にあることもできる。
PTAバルーンが標的静脈内で超音波標的と組み合わせて用いられ得るいくつかの実施形態において、PAバルーンカテーテルは、PTAバルーン及び超音波受信トランスデューサー(例えば無指向性)を有する。いくつかのそのような実施形態において、発射カテーテル310は、本明細書において説明したように、蛍光透視法下でPTAバルーンを標的にすることができ、及び/又は超音波受信トランスデューサーを標的にすることができる。交差針314はPTAバルーンを穿刺することができ、PTAバルーンの圧力低下により、交差針314の適正な位置合わせを確認することができる。PTAバルーンが静脈径を増大させることができることで交差針314の標的がより大きくなり、静脈300が交差針314によってアクセスされ易くなる。ガイドワイヤ316は、交差針314を通ってPTAバルーンへと前進することができる。
いくつかの実施形態において、LeMaitre装置(例えば、マサチューセッツ州バーリントン所在のLeMaitre Vascular社から入手可能なUnBalloon(商標)Non-Occlusive Modeling Catheter)を標的静脈内で用いることができる。いくつかの実施形態において、LeMaitre装置は静脈径を増大させることができる。静脈径がより大きいことで交差針314の標的をより大きくすることができ、静脈300が交差針314によってアクセスされ易くなる。いくつかの実施形態において、針314は、LeMaitre装置に貫入することができる。いくつかのそのような実施形態において、LeMaitre装置は、交差針314のメッシュ標的(例えば、蛍光透視法下で可視の放射線不透過性材料を含む)としての役割を果たすことができる。LeMaitre装置のメッシュは、メッシュの近位部分を遠位に前進させることによって、及び/又はメッシュの遠位部分を近位に後退させること(例えば、傘のように両端をともに押すこと)によって、及び/又はメッシュを(例えば、メッシュの少なくとも一部分が形状記憶材料を含む実施形態において)自己拡張させることを可能にすることによって、径方向に拡張させることができる。いくつかの実施形態において、LeMaitre装置は、閉じる際、交差ワイヤを標的静脈内に保持するように交差ワイヤを把持することができる。
いくつかの実施形態において、発射カテーテル310は、第1の極性を有する第1の磁石を備えることができ、標的カテーテル320は、第2の極性を有する第2の磁石を備えることができる。磁石がカテーテル310、320のうちの一方又は双方を移動させる磁気力に十分に近くにある場合、交差カテーテル314を前進させて動脈300と静脈302との間に瘻孔を創出することができる。いくつかの実施形態において、第1の磁石は、交差針314と周方向に位置合わせすることができ、及び/又は、発射カテーテル310は、回転による位置合わせを行うように磁気遮蔽することができる。いくつかの実施形態において、第2の磁石は、長手方向の位置合わせを行うように長手方向に比較的薄いものとすることができる。いくつかの実施形態において、交差針314及び/又はガイドワイヤ316は、動脈300から静脈302に、又はその逆に静脈302から動脈300に磁気により引くことができる。いくつかのシステムは、超音波ガイド及び磁気ガイドの双方を有することができる。例えば、超音波ガイドは初めの位置合わせに用いることができ、磁気ガイドは精密な位置合わせに用いることができる。
再び図20A~図20Hを参照すると、図20Fに示されているように、プロテーゼ349を保有するプロテーゼ送達システム330が、動脈300と静脈302との間の間隙スペースを通ってガイドワイヤ316上を追跡する。いくつかの実施形態において、プロテーゼ送達システム330を導入する前に、動脈300と静脈302との間の瘻孔を予め拡張させるように、別個のPTAバルーンカテーテル(例えば、約2mm)を、ガイドワイヤ316上を追跡させることができる。PTAバルーンカテーテルの使用は、例えば、プロテーゼ340の径方向力に応じて決まり得る。
プロテーゼ340は、例えば、トリガーハンドル194(図17)を操作することによって、プロテーゼ送達システム330から展開させる。いくつかの実施形態において、例えばプロテーゼ340が拡張及び/又は前進することができない場合、プロテーゼ送達システム330を抜去し、PTAカテーテル(例えば、約2mm)を、ガイドワイヤ316上を前進させ、動脈300と静脈302との間の瘻孔を拡大させるか又は更に拡大させるよう試みることができる。その後、プロテーゼ340の展開を(例えば、自己拡張、バルーン拡張等によって)再び試みることができる。いくつかの実施形態において、プロテーゼ340の展開により、血管をリモデリングすることで、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%又はそれ以上、約0%~約10%、約0%~約20%、約0%~約30%又はそれ以上、血管の直径を拡張させることができる。プロテーゼ340が自己拡張型である実施形態において、リモデリングの程度は経時により変わる可能性があり、例えば、プロテーゼ340は、血管が拡張する際に拡張し血管が収縮すると収縮する。
図20Gに示されているように、プロテーゼ340が展開すると、瘻孔をPTAカテーテルによって拡大させることができる。PTAカテーテルの直径(例えば、約3mm~約6mm)は、動脈300の直径、静脈302の直径、間質組織の組成、プロテーゼ340の特性、それらの組合せ等に少なくとも部分的に基づいて選択することができる。いくつかの実施形態において、プロテーゼ送達システム330は、本明細書に記載されている任意選択のPTAバルーンカテーテル技法のうちの1つ、複数又は全てに有用なPTAバルーンカテーテル(例えば、プロテーゼ340に近位又は遠位である)を備えていてもよい。プロテーゼが円錐部分を有する実施形態において、PTAバルーンは円錐部分を有することができる。プロテーゼ340が適所にくると、図20Hに示されているように、プロテーゼ送達システム330を抜去することができる。それによって、動脈300と静脈302との間にAV瘻孔が形成される。静脈カテーテル310、320、330及びプロテーゼ340の配置の確認は、造影剤注入を用いての蛍光透視法下での処置の一部又は全体を通じて確認することができる。
いくつかの実施形態において、マーカー(例えば、クリップ、ランセット、鋏、ペンシル等)を皮膚に施して(例えば、接着、上に置く等)、プロテーゼ340を展開させる前に、交差針314によって動脈300と静脈302との間に形成された瘻孔の場所を概ねマークすることができる。ユーザーが出血を回避するために瘻孔の上で膨張させる血圧計を用いる実施形態において、血流がないことにより、瘻孔部位の視覚化又は評価さえも困難にさせる可能性があるが、マーカーによりそのような特定を行うことができる。瘻孔形成後に送信カテーテル/受信カテーテルが抜去される実施形態において、交差点は、ユーザーが感覚で捉え難いか又は判断し難い可能性があるが、マーカーによりそのような特定を行うことができる。瘻孔が拡大される場合、(例えば、間質スペース貫通穴を増大又は最大化するために)拡大バルーンの中間点を瘻孔の中間点と位置合わせさせ得ることが好ましい。いくつかの実施形態において、マーカーを蛍光透視法下(例えば、放射線不透過線材料を含む)で可視化して、ユーザーがプロテーゼ340を展開させる前に蛍光透視法下で瘻孔の場所を確かめて覚えておくことを可能にすることができる。
プロテーゼ340が適所にくると、静脈302を通って足へと流れる血液の障害物は静脈内の弁である。静脈弁を横切ってガイドワイヤを操ることは、例えば、動脈からの圧力が、静脈を拡張させ弁を無機能化させるには不十分である可能性があるため、困難であり得る。以下で更に詳細に説明するように、PTAカテーテル、ステント(例えば、被覆ステント、ステントグラフト等)及び弁膜切開刀等の多様な技法のうちの1つ又は複数を用いて、AV瘻孔の遠位の静脈弁を無力化又は無機能化させることができることが見出されている。静脈弁を無力化することにより、CLI患者において酸素化血液を足に供給するために、大腿動脈からの逆行性灌流、静脈302内での逆行、並びに細静脈及び毛細血管への静脈内での逆行を介して、足の静脈循環の遠位部に血液を流すことを可能にすることができる。
いくつかの実施形態において、高圧PTAバルーンカテーテルを用いて(例えば、約10atm(およそ1013キロパスカル(kPa))を超えるように膨張させた場合)、静脈弁を無機能化させることができる。
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のステントを1つ又は複数の静脈弁を横切って配置してそれらの弁を無機能化させることができる。例えば、そのようなステントは、弁を開いたままにする十分な径方向力を有するべきである。ステントは、強制的に弁を引き裂くことができる。いくつかの実施形態において、ステントは、被覆材又はグラフトを備える。或る特定のそのような実施形態は、静脈側副血管を覆うことができる。いくつかの実施形態において、ステントは裸である、すなわち被覆材又はグラフトを備えない。或る特定のそのような実施形態は、費用を低減することができる。静脈ステントは、静脈の或る長さ(例えば全長)に沿って延びることができる。例えば、いくつかの実施形態において、PTVの全長が、静脈側副血管を覆い、静脈弁を引き裂く被覆ステントで裏打ちされる。
いくつかの実施形態において、静脈ステントは瘻孔プロテーゼと別個である。別個の静脈ステントは、寸法(例えば、長さ、直径)、材料(例えば、被覆材又はグラフトを備えるか又は備えないか)等の特性及び他の特性に関して更なる融通性を可能にすることができる。図31Aは、静脈ステント342の例示的な実施形態と別個の動静脈瘻孔ステント340の例示的な実施形態を概略的に示す。静脈ステント342は、瘻孔ステント340から離間し(例えば図31Aに示す)、瘻孔ステント340に当接するか、又は、瘻孔ステント340に対して重なるか、入れ子になるか、若しくは同軸にしてもよい(例えば、瘻孔ステント340の遠位セグメントが少なくとも部分的に静脈ステント342の近位セグメントの内側にある、又は、静脈ステント342の近位セグメントが少なくとも部分的に瘻孔ステント340の遠位セグメントの内側にある)。瘻孔ステント340と静脈ステント342とが重なり合う実施形態では、まず、静脈ステント342の配置により、逆行血流の方向に向く静脈ステント342の近位端部が瘻孔ステント340で覆われ、静脈ステント342の遠位端部のために発生し得る血流の途絶を減少又はなくすことができる。瘻孔ステント340と静脈ステント342とが重なり合う実施形態では、次に、双方のステント340、342が少なくとも1つの展開パラメーターを共有することができるように(例えば、同じガイドワイヤ上のステント展開装置を追跡することで)静脈ステント342を瘻孔ステント340に通して配置することができる。静脈ステント342は、瘻孔ステント340の前又は後に展開させることができる。静脈ステント342は、約2cm~約30cm(例えば、約2cm、約3cm、約4cm、約5cm、約6cm、約7cm、約8cm、約9cm、約10cm、約11cm、約12cm、約13cm、約14cm、約15cm、約16cm、約17cm、約18cm、約19cm、約20cm、約21cm、約22cm、約23cm、約24cm、約25cm、約26cm、約27cm、約28cm、約29cm、約30cm、このような値間の範囲等)の長さを有することができる。
いくつかの実施形態において、静脈ステントは瘻孔プロテーゼと一体である。一体化された静脈ステントは、寸法(例えば、長さ、直径)、材料(例えば被覆材又はグラフトを備えるか又は備えないか)等の特性及び他の特性に関して更なる融通性を可能にすることができる。図31Bは、静脈ステントが一体化された動静脈瘻孔ステント344の例示的な実施形態を概略的に示す。図31Cは、静脈ステントが一体化された瘻孔ステント344の例示的な実施形態を概略的に示す。ステント344は、動脈内に留置するように構成された第1の部分346と、静脈の或る長さ内に留置してその長さを裏打ちするように構成された第2の部分350と、長手方向において第1の部分346と第2の部分350との間にある第3の部分348とを有する。第1の部分346と第2の部分350とが異なる直径を有する実施形態(例えば図31Cに示す)において、第3の部分348はテーパー付きとすることができる。いくつかの実施形態において、第2の部分350の静脈を裏打ちするように構成された部分は、第2の部分350の他の部分とは異なる特性(例えば、直径、材料、径方向の剛性、それらの組合せ等)を有する。第2のセクション350の長さは、第1のセクション346の長さよりも大きくすることができる。例えば、第2のセクション350は、PTV等の血管を裏打ちするように構成された長さを有することができる。第2のセクション350は、約2cm~約30cm(例えば、約2cm、約3cm、約4cm、約5cm、約6cm、約7cm、約8cm、約9cm、約10cm、約11cm、約12cm、約13cm、約14cm、約15cm、約16cm、約17cm、約18cm、約19cm、約20cm、約21cm、約22cm、約23cm、約24cm、約25cm、約26cm、約27cm、約28cm、約29cm、約30cm、このような値間の範囲等)の長さを有することができる。
一部のin situバイパス処置において、伏在静脈を上肢の動脈及び下肢の別の動脈に取り付けることで、動脈内の全ての閉塞部をバイパスする。いくつかのそのような処置において、静脈を患者から剥離し、長手方向に反転し、プロテーゼとして用いるのではなく、血流が(静脈の弁に対して)逆行するように配置したまま残す。標準的な弁膜切開刀は、下から伏在静脈内に配置し、圧潰状態で頂部に前進させ、開放させ、次に開放状態で後方に引き、その行程中で静脈弁を切開することができる。そのような弁膜切開刀の切開面は、これらの処置時に後退する際に切開するように後方に面している。図23Aは、そのような処置とともに用いることができる、近位に面するブレード402を有する弁膜切開刀400の例示的な実施形態の概略斜視図である。
本明細書に記載されている方法のいくつかの実施形態において、静脈弁の遠位のアクセスは利用することができず、そのため、弁膜切開刀を後方に引くことが不可能であるが、本明細書に記載されているように逆行の弁膜切開刀を前方に押すことが可能である。図23Bは、そのような処置とともに用いることができる弁膜切開刀410の例示的な実施形態の概略斜視図である。逆行の弁膜切開刀410は、逆行の弁膜切開刀410が遠位に前進するにつれて弁を切開することができるように前方すなわち遠位に面する1つ又は複数のブレード412(例えば、2つ~5つのブレード(例えば3つのブレード))を有する。少なくとも、無力化される静脈への逆行アクセスはこれまで問題として認識されてこなかったため、弁膜切開刀のブレードの方向を逆にして、本明細書に記載されているような逆行の弁膜切開刀410をつくり出すという動機は従来存在していなかった。逆行の弁膜切開刀410は、ガイドワイヤ414上を追跡することができ、これにより、静脈弁を無機能化するために静脈内に進むことができる。本明細書に記載されたように動脈と静脈との間に瘻孔を形成した後、静脈内での流体の流れは、静脈内での流体の流れの元の方向すなわち通常の方向すなわち処置前の方向とは逆の方向にあり、そのため、逆行の弁膜切開刀410を押すことは、元の流体の流れとは逆の方向であるが、瘻孔形成後の流体の流れの方向である。
静脈内の弁を無機能化させる他のシステム及び方法(例えば、カッティングバルーン、アテレクトミー、レーザー切除、超音波切除、加熱、高周波(RF)切除、外傷性すなわち非外傷性でない先端(例えばイントロデューサーシース)が前進及び/又は後退するカテーテル、それらの組合せ等)も考えられ得る。
静脈内の弁を無機能化させる前にそのような弁を逆行式に交差させることもまた、困難であり得る。図24は、静脈、したがってその弁を径方向に拡張させるのに用いることができるLeMaitre装置420の例示的な実施形態の概略斜視図である。LeMaitre装置420は、例えば自己拡張型ニチノールメッシュである、拡張型の楕円又は長円の葉形422を有する。いくつかの実施形態において、PTAバルーンカテーテルを用いて、静脈、したがってその弁を径方向に拡張させることができる。いくつかの実施形態において、脚に止血帯を適用することにより、静脈、したがってその弁を径方向に拡張させることができる。径方向の拡張時、ガイドワイヤを伸縮弁(複数の場合もある)を介して(例えば、LeMaitre装置等の拡張装置を介して)前進させることができ、カテーテル(例えば、PTA、ステント送達、アテレクトミー等(e.g.,directional,orbital,laser,etc.),etc.))又は他のオーバーザワイヤ装置を、ガイドワイヤ上を前進させることができる。
図26A及び図26Bは、逆行性灌流を行う方法の別の例示的な実施形態を概略的に示す。再び図20Eを参照すると、本明細書に記載の1つ又は複数の技法及び/又は他の技法を用いて、ガイドワイヤ606を挿通することにより、閉塞部604を含む動脈600と静脈602との間に瘻孔を形成することができる。図26Aに示されているように、プロテーゼ620を保有するプロテーゼ送達システムが、動脈600と静脈602との間の間隙スペースを通ってガイドワイヤ606上を追跡する。いくつかの実施形態において、プロテーゼ送達システムを導入する前に、動脈600と静脈602との間の瘻孔を予め拡張させるように、別個のPTAバルーンカテーテル(例えば、約2mm)を、ガイドワイヤ606上を追跡させることができる。PTAバルーンカテーテルの使用は、例えば、プロテーゼ620の径方向力に応じて決まり得る。プロテーゼ620は、血液の流れを迂回させるように構成された、被覆していない低孔隙率の織組フィラメントを含む、図25A~図25Cのステント500、520、540又はそれらの変形(例えば図25Cに関して記載)とすることができる。
被覆していない織組フィラメントの流れ迂回特性は、血管腔の或る特定の血液動態特性によって決まり得る。例えば、閉塞部604が完全なものではなく、プロテーゼ620の内腔と、動脈600の閉塞部604とプロテーゼ620との間の部分との間でいくらかの圧力損失が生じ得るようになっている場合、血液は、瘻孔ではなくプロテーゼ620の側壁を通過して流れる可能性があり得る。再び図4及びブロック材251の説明を参照すると、動脈600を更に閉塞するように、ブロック材608を任意選択的に動脈600に設けることができ、これにより、プロテーゼ620の側壁を通過する血液の流れを引き起こす及び/又は可能にし得る血液動態学的作用を阻止することができる。別の例では、動脈600と静脈602との間での圧力損失が、逆行性灌流を行うようにプロテーゼの内腔を通過するのではなく、静脈の通常の血流方向にプロテーゼの側壁を通過する血液の流れを引き起こす及び/又は可能にし得る。再び図4及びブロック材251の説明を参照すると、通常の静脈の流れ下にある静脈602の瘻孔の下流の部分を閉塞するように、ブロック材610を任意選択的に静脈602内に設けることができ、これにより、プロテーゼ620の側壁を通過する血液の流れを引き起こす及び/又は可能にし得る血液動態学的作用を阻止することができる。
プロテーゼ620は、例えば、トリガーハンドル194(図17)を操作することによって、プロテーゼ送達システムから展開させる。いくつかの実施形態において、例えばプロテーゼ620が拡張及び/又は前進することができない場合、プロテーゼ送達システムを抜去し、PTAカテーテル(例えば、約2mm)を、ガイドワイヤ620上を前進させ、動脈600と静脈602との間の瘻孔を拡大させるか又は更に拡大させるよう試みることができる。その後、プロテーゼ620の展開を(例えば、自己拡張、バルーン拡張等によって)再び試みることができる。プロテーゼ620が自己拡張型である実施形態において、リモデリングの程度は経時により変わる可能性があり、例えば、プロテーゼ620は、血管が拡張する際に拡張するか又は血管が収縮すると収縮する。プロテーゼ620は、プロテーゼ620が展開される解剖学的構造に相似し得る。例えば、テーブル上又はベンチトップでの拡張状態において、プロテーゼ620は実質的に円筒形とすることができるが、プロテーゼ620は、血管の直径及びプロテーゼ620が展開される瘻孔の直径に適合することができ、プロテーゼは、異なる長手方向セグメント、テーパー部、非円筒形状部、それらの組合せ等において、異なる直径を有することができるようになっている。
プロテーゼ620が補助的な支持構造体を備えるいくつかの実施形態(例えば図25Bに関して記載)において、プロテーゼの展開は、第1の織組構造体を展開させることと、第1の織組構造体を展開させる前、展開させている間及び/又は展開させた後に、補助的な支持構造体を展開させることとを含むことができる。
任意選択的に、プロテーゼ620を展開させる前、展開させている間及び/又は展開させた後、瘻孔をPTAカテーテルによって拡大させることができる。PTAカテーテルの直径(例えば、約3mm~約6mm)は、動脈600の直径、静脈602の直径、間質組織の組成、プロテーゼ620の特性、それらの組合せ等に少なくとも部分的に基づいて選択することができる。
プロテーゼ620が適所にくると、図26Bに示されているように、プロテーゼ送達システムを抜去することができる。それによって、動脈600と静脈602との間にAV瘻孔が形成される。プロテーゼがグラフト材を欠いているか又は備えない場合であっても、低孔隙率(例えば、約50%未満の孔隙率又は本明細書に記載の他の値)の血液動態学的作用により、血液はプロテーゼ620の内腔を通過して流れる。図26Bは、ブロック材608、610を使用しない実施態様を示す。プロテーゼ620が適所にくると、例えば本明細書に記載されているように、静脈内の弁を無機能化することができる。
プロテーゼ620が(例えば図25Bの或る特定の実施形態に関して記載したように)別個に展開させることができる2つの複数のフィラメントを含む実施形態では、複数のフィラメントを、少なくとも部分的に同時に展開させるか、介入ステップを伴わずに順次展開させるか、又は本明細書に記載のPTAステップ等の介入ステップを伴って順次展開させることができる。
図27は、プロテーゼ720の別の例示的な実施形態及び逆行性灌流を行う方法を概略的に示す。いくつかの寸法及び更には「10mm」という例示的な縮尺が与えられているが、図27に示す特徴部の形状、寸法、位置関係等は変更することができる。プロテーゼ720は、閉塞部704を含む動脈700と静脈702との間の間質組織Tをまたいで、動脈700、静脈702内に配置される。プロテーゼ720は、例えば本明細書に記載されているように及び/又は他の方法を用いて配置することができる。いくつかの実施形態において、プロテーゼ720は、5Fr(1.67mm)の内径を有する送達システムを通して、2Fr(0.67mm)の外径を有するガイドワイヤ上で送達される。
いくつかの実施形態において、第1の長手方向セクション722、第2の長手方向セクション724及び/又は第3の長手方向セクション726、又はそれらの1つ若しくは複数の部分の孔隙率は、例えば本明細書に記載されているように、約0%~約50%とすることができ、その間の範囲で様々である。動脈700からの血液の流れは、例えば動脈700と静脈702との間の圧力差等の血液動態的な力により、プロテーゼ720を通過して静脈702内に迂回させることができる。プロテーゼ720の低孔隙率により、流体が、実質的にプロテーゼ720の側壁を通過して灌流することなく実質的にプロテーゼ720の内腔を通過して流れることを可能にすることができる。いくつかの実施形態において、プロテーゼ720の端部の方の、例えば孔隙率がより低い近位部分及び/又は遠位部分は、血液がこれらの部分を通過して流れにくいため、血管の側壁を並置するように構成することができる。
本明細書に記載の技法は、心臓付近、末梢部、又は更には足底弓等の下肢における2つの体腔の間に瘻孔を形成するのに有用とすることができる。図28A及び図28Bは、足の動脈及び静脈をそれぞれ概略的に示す。足の2つの血管の間に瘻孔又は吻合部を形成することができる。1つの例において、中外側足底(mid-lateral plantar)の外側足底動脈から外側足底静脈にかけて、動脈から静脈への通路が形成される。
足に血液を供給する動脈が閉塞され、内膜下の空間が石灰化(calcific)していた。ワイヤを遠位から推進し、隣接する静脈内に横断させた。動脈と静脈との間の穴は、例えば、小さい動静脈瘻孔がその位置においてかつその位置内で患者に(損傷を与えたとしても)大きな損傷を与えるべきではないので、1.5mmバルーンを用いて拡大させた。拡大後、血液は漏出することなく動脈から静脈に流れ始めた。そのような流れが確認された後、より高圧(例えば、20atm~30atm)のより大きいバルーン(2.0mm、2.5mm、3.0mm)を用いて、空間の更なる拡大を行った。驚くべきことに、ステント、グラフト、スキャフォールド又は他のタイプの装置を配置しなくても、漏出は最小限であるか又は存在しなかった。プロテーゼを含まない手技は、費用、製造時間、複雑性、それらの組合せ等を低減することができる。外側足底静脈は、前足部の静脈弓に直接通じているので、足のその部分に血液を供給するための非常に良い候補である。患者は、この手技の前は足にかなりの疼痛があったが、この手技の後は足の疼痛がなくなった。これは、本明細書に記載されているように、静脈逆行によって血液を供給することが可能になったことを示す。末端又は下肢動脈及び静脈が周囲組織に「くっついている(glued)」(例えば、中外側足底動脈及び静脈)と述べられ得る場合の血液透析等、或る特定の状況に関して、瘻孔又は吻合部維持装置は任意選択的に省いてもよい。
いくつかの状況において、瘻孔又は吻合部維持装置を任意選択的に使用することができる。複数の瘻孔維持装置を本明細書に記載する。図29は、吻合装置800の例示的な実施形態を概略的に示す。吻合装置は、第1のセクション802と、第2のセクション804と、任意選択的に、長手方向において第1のセクション802と第2のセクション804との間にある第3のセクション806とを有する。第1のセクション802は、第1の体腔(例えば、動脈又は静脈等の血管)内に留置するように構成することができる。第1のセクション802は、拡張可能な部材、返し等を有することができる。第2のセクション804は、第2の体腔(例えば、第1の体腔とは反対のタイプであり得る、動脈又は静脈等の血管)内に留置するように構成することができる。第3のセクション806は、第1の体腔及び第2の体腔の内腔の間をまたぐように構成することができる。いくつかの実施形態において、第1の体腔及び第2の体腔の内腔の間の空間が一般に血管壁を含み、第3のセクション806の寸法を小さくするか又は更には第3のセクション806を省くことができるようになっている。
より大きい血管において穴を処置するためのいくつかの吻合装置が入手可能である、及び/又は開発されている(例えば、MedtronicのSpyder、Johnson and JohnsonのCorLink、St.Jude MedicalのSymmetry、CardicaのPAS-Port及びROX MedicalのROX Coupler)。このような装置は、例えばリサイズ及び/又は再構成される場合、末梢部又は下肢における使用に適し得る。他の装置も考えられ得る。
図30は、血管902、904の壁をまたぐ吻合装置800によってともに結合される2つの血管902及び904の例示的な実施形態を概略的に示す。血管902は、厚い壁を有することによって概略的に示すように動脈であり、血管904は静脈である。血管及び他の体腔の他の組合せも考えられ得る。第1の血管902と第2の血管904との間に通路906が形成された後、例えば本明細書に記載されているように(例えば、ワイヤ、展開型の針、1つ又は複数のバルーン等を用いて)吻合装置800が展開される。例えば、吻合装置800展開システムの遠位端部は、第1の血管902内に滞留し、部分的に通路906に挿通することができる。吻合装置800の第1のセクション802は、通路906に通して第2の血管904内に展開させることができる。展開時、第1のセクション802は、例えば第2の血管904の壁を並置するように自己拡張することができる。吻合装置800の第3のセクション806は、通路906に通して展開させることができる。展開時、第3のセクション806は、例えば、通路906の周囲の組織を並置するとともに通路906を通して開存性を維持するように自己拡張することができる。吻合装置800の第2のセクション804は、第1の血管902内に展開させることができる。展開時、第2のセクション804は、例えば第1の血管902の壁を並置するように自己拡張することができる。第1のセクション802、第2のセクション804及び第3のセクション806のうちの1つ又は複数は、バルーンを用いて拡張させることができる。吻合装置800の異なるセクション802、804、806について、異なるバルーン又は一連のバルーンを用いることができる。
図32Aから32Dは、経皮的バイパス処置において分岐部1104を識別及び回避するための例示的な方法及び装置を示している。第1の血管1000(例えば、動脈)は、閉塞部1008によって閉塞される。閉塞部1008は、部分的であっても、完全であってもよい(例えば、重大な肢虚血を引き起こす)。例えば本明細書に記載されるような経皮的処置は、第2の血管1002(例えば、静脈)を使用して、閉塞部1008をバイパスすることができる。第1のカテーテル1010は、第1の血管1000内に存在する。第2のカテーテル1020は、第2の血管1002内に存在する。第2の血管1002は、分枝又は側副血管1006との接合部に分岐部1004を含む。第1のカテーテル1010は、例えば本明細書に記載されるように、第2の血管1002内の第2のカテーテル1020の超音波受信器1022(例えば、無指向性受信)に信号1014を送信するように構成された超音波送信機1012(例えば、指向性送信機)を含む。針1016(図32D)は、第1のカテーテル1010から第2の血管1002に向かって延出することができる。図32Aに示される構成において、針1016が、例えば本明細書に記載されるように(例えば、図3)、信号1014と同じ角度で延出する場合、針1016は、分岐部1004及び分枝血管1006内に延出することができる。針1016の管腔を通るガイドワイヤのその後のナビゲーションは、不利なことに、第2の血管1002ではなく分枝血管1006に入る場合がある。第2の血管1002ではなく分枝血管1006内へのナビゲーションは、ユーザーによって検出するのが難しい場合がある。
図32Bは、分岐部1004の存在及び/又は位置を診断する例示的な方法の第1のステップを示している。拡張可能部材1024は、例えば、拡張可能部材と流体連通している膨張管腔1026を通る流体の流れ(例えば、生理食塩水、造影剤など)を提供することによって拡張される。図32A~図32Dでは、第2のカテーテル1020は、一体型の拡張可能部材1024(例えば、バルーンを含む)及び膨張管腔1026を含む。拡張可能部材を含む別個のカテーテルが第2の血管1002において使用されることができる。拡張可能部材1024の拡張は、第2の血管1002を閉塞する。矢印1027によって示されるように、血液は、第2の血管1002の近位端部及び分枝血管1006の双方から、拡張可能部材1020に向かって依然として流れている。第2の血管1002の閉塞及び第2の血管1002に依然として流入している血液は、第2の血管1002を拡張させることができる。第2の血管1002の拡張は、第2の血管を標的化し、及び/又は針1016によって穿刺することをより容易にすることができる。
図32Cは、第2の血管1002への造影剤1028の導入を示している。造影剤1028は、第2のカテーテル1020と一体の注入ポートを介して、及び/又は第2の血管1002内の別個のカテーテルを使用して送達することができる。造影剤1028は、例えば、ヨウ素ベース、硫酸バリウムベース(例えば、腎機能障害のある対象)、それらの組み合わせなどを含む蛍光透視法を改善するように構成された造影剤又は造影媒体を含むことができる。造影剤1028は、第2の血管1002の拡張に寄与することができる。造影剤1028は、拡張可能部材1024に到達するまで流れ、その後、拡張可能部材1024の近くに集まり始める。造影剤1028の一部は、分岐部1004に集まり、分岐部1004及び/又は分枝血管1006の存在及び位置を蛍光透視法下で可視化することができる。拡張可能部材1024がなければ、造影剤1028は、分岐部1004及び/又は分枝血管1006を示すことなく、第2の血管1002を通って流れるであろう。針1016の角度、及び第1のカテーテル1010の位置の知識により、ユーザーは、針1016が分岐部1004及び/又は分枝血管1006内に延出するかどうかを判定することができる。この状況は、一般に効果のないバイパスをもたらすため、瘻孔を形成するための異なる穿刺部位を選択することができる。
図32Dでは、第1のカテーテル1010は、距離1018だけ後退されている。第1のカテーテル1010からの超音波信号1014(図32A)を使用して、第2のカテーテル1020を標的化することができる。図32B及び図32Cに示される処置は、例えば、別の分岐部を探すために繰り返すことができる。針1016が第2の血管1002ではなく分枝血管への前進を阻害又は防止するために分岐のない位置において第2の血管1002を穿刺することにユーザーが満足すると、針1016は、第1のカテーテル1010から、第1の血管1000を出て、第1の血管1000と第2の血管1002との間の間質組織を通って、第2の血管1002が分岐部又は分枝血管を含まない位置で第2の血管1002に延出することができる。針1016は、拡張可能部材1024が膨張もしくは収縮状態で、又は第2のカテーテル1020が第2の血管1002から取り外された状態であっても延出することができる。いくつかの実施形態では、例えば本明細書に記載されるように(例えば、図4)、恒久的な閉鎖栓を第2の血管1002内に配置することができる。ガイドワイヤは、針1016の管腔を通して追跡することができ、(例えば、第1の血管1000を通って、瘻孔を通って、次に第2の血管1002を通って)ガイドワイヤを介してカテーテルを追跡することによって、本明細書に記載される他の処置、例えば、瘻孔拡大、瘻孔プロテーゼの展開、ステントグラフトの展開、逆行の弁膜切開刀の使用などを実行することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置及び方法を使用して、ユーザーが望む場合、針を分岐部及び/又は分枝血管にガイドすることができる。
図33A及び図33Bは、間質組織1101を横断する針1116を用いた第1の血管1100(例えば、動脈)及び第2の血管1102(例えば、静脈)の以下の接続を実行され得る例示的な処置を概略的に示している。針1116は、第1の血管1100内の第1のカテーテル1110から延出する。第1の血管1100は、閉塞部1108によって閉塞されている。図33Aでは、ガイドワイヤ1118は、針1116内の管腔を通って延出し、次いで、第2の血管1102を通ってナビゲートされ得る。針1116は、ガイドワイヤ1118の配置時に後退することができ、第1のカテーテル1110は、第1の血管1100から後退することができる。図33Bに示されるように、第2のカテーテル1120は、第1の血管1100を通り、間質組織1101を通り、第2の血管1102内にガイドワイヤ1118上を追跡され得る。図33Bでは、第2のカテーテル1120は、バルーン1122(例えば、PTAバルーン)を含むバルーンカテーテルを含む。バルーン1122の膨張は、第1の血管1100と第2の血管1102との間に形成された瘻孔を拡大することができる。間質組織1101及び/又は血管1100、1102の開口の拡大は、瘻孔にわたるプロテーゼの配置など、後の処置を強化することができる。
図34Aから図35Fは、ガイドワイヤ1118が血管1102(例えば、静脈)内にあるときに実行することができる例示的な処置を示している。図34Aでは、プロテーゼ1124は、第2の血管1102内の第1の血管1100の間の間質組織1101にわたって配置されている。プロテーゼ1124を配置するための展開システムは、ガイドワイヤ1118を介して追跡していてもよい。カテーテル1130Aは、プロテーゼ1124の遠位にあるガイドワイヤ1118上で追跡される。図34Bに示されるように、カテーテル1130Aは、対象の踵1103に向かってずっと追跡することができる。
図34Cに示されるように、カテーテル1130Aは、例えば、上述したように、第2の血管1102を裏打ちし、第2の血管1102の弁を無効化し、第2の血管1102の分枝血管を閉塞するなどすることができる第1のステントグラフト1132Aを送達するように構成されている。図34Dでは、カテーテル1130Aは、後退されており、別のカテーテル1130Bがガイドワイヤ1118上で追跡されている。図34Dはまた、第1の血管1100内の閉塞部1108が終端することができる例を示しており、これは、(例えば、閉塞部1108をバイパスするために)第1の血管1100と第2の血管1102との間に別の瘻孔が形成された場合に有用とすることができる。第2の瘻孔を形成することは、第1の瘻孔を形成することと同じであっても異なっていてもよい(例えば、超音波ガイダンスの少なくとも1つの使用、針の延出、及び本明細書に記載のプロテーゼ展開)。図34Eでは、カテーテル1130Bは、領域1133において第1のステントグラフト1132Aと少なくとも部分的に重なることができる第2のステントグラフト1132Bを送達している。いくつかの実施形態では、第2のステントグラフト1132Bの遠位端部は、第1のステントグラフト1132Aの近位端部と重なるように構成することができる。いくつかの実施形態では、第1のステントグラフト1132Aの近位端部は、第2のステントグラフト1132Bの遠位端部と重なるように構成することができる。いくつかの実施形態では、例えば、第2のステントグラフト1132Bが最初に配置される場合、第1のステントグラフト1132Aの近位端部は、第2のステントグラフト1132Bの遠位端部と重なるように構成することができる。第2のステントグラフト1132Bは、例えば、長手方向の間隔が十分に小さく、その間隔の位置に分枝血管及び/又は弁が存在する可能性が低い場合、第1のステントグラフト1132Aから長手方向に間隔を空けることができる。
図34Fでは、第2のステントグラフト1132Bは、少なくとも部分的にプロテーゼ1124と重なっている。いくつかの実施形態では、第2のステントグラフト1132Aの近位端部は、プロテーゼ1124の遠位端部と重なるように構成することができる。いくつかの実施形態では、プロテーゼの遠位端部は、第2のステントグラフト1132Bの近位端部と重なるように構成することができる。第2のステントグラフト1132Bは、例えば、長手方向の間隔が十分に小さく、その間隔の位置に分枝血管及び/又は弁が存在する可能性が低い場合、プロテーゼ1124から長手方向に間隔を空けることができる。図34Fはまた、血管系から後退したカテーテル1132Bを示している。この実施例では2つのステントグラフト1132A、1132Bが記載されているが、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上のステントグラフトを、例えば、プロテーゼ1124の遠位の第2の血管1102の長さ、ステントグラフトの長さ、分枝血管の可能性又は存在などに応じて使用することができる。
図35Aは、第1のステントグラフト1132Aの遠位にある第2の血管1102を示している。第2の血管1102は、血液1111が第1の弁1105Aの遠位に流れるのを阻害又は防止する第1の弁1105Aを含む。図35Bでは、カテーテル1140は、ステントグラフト1132Aを通って第1の弁1105Aに向かってガイドワイヤ1118上で追跡されている。カテーテル1140は、弁無効化装置を含む。図35Cでは、カテーテル1140は、例えば本明細書に記載されているような逆行の弁膜切開刀1142と、シース1144とを含むものとして示されている。再び図35Bを参照すると、逆行の弁膜切開刀1142がシース1144内にあるとき、逆行の弁膜切開刀1142は、径方向に収縮状態にある。図35Cに示されるように、シース1144が近位に後退し、及び/又は逆行の弁膜切開刀1142が遠位に前進すると、逆行の弁膜切開刀1142は、遠位前進時に弁をカットするように構成された状態に径方向に拡張する。図35Dでは、逆行の弁膜切開刀1142の1つ又は複数のブレードは、第1の弁1105Aの弁尖を切除又は切断又は断切し、血液1111が第1の弁1105Aの遠位に流れることを可能にする。
図35Eを参照すると、第1の弁1105Aが無効にされた後、逆行の弁膜切開刀1142は、第2の血管1102に影響を与えることなく更に遠位に前進するために、外側シース1144内で径方向に圧縮され得る。図35Fに示されるように、第2の弁1105Bに遭遇すると、逆行の弁膜切開刀1142がシース1144から延出し、次いで遠位に前進して第2の弁1105Bを無効にし、血液1111が第2の弁1105Bの遠位に流れることを可能にする。逆行の弁膜切開刀1142の使用は、ユーザーが望むように、第2の血管1102内の弁の数だけ繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、逆行の弁膜切開刀1142は、ステントグラフト1132A、1132Bの配置の前に使用することができる。例えば、本明細書に記載の双方向弁膜切開刀1300に限定されないが、逆行の弁膜切開刀以外の弁無効化装置もまた使用されてもよく、又は代替的に使用されてもよい。
図36Aから図36Dは、静脈を通ってつま先への血液の逆行性灌流を促進する方法を示している。図36Aでは、図示された血管系は、外側足底静脈1200、深部足底静脈弓1202、中足静脈1204、及び内側足底静脈1206を含む。矢印1201によって示されるように、外側足底静脈1200を通る血流は、例えば、動脈から外側足底静脈1200の上流の静脈への経皮的バイパスによって引き起こされる逆行性灌流のために、血流の通常の方向と反対である。血液は、矢印1203によって示されるように血管系を通って流れ続け、ここで、血液は、矢印1205によって示されるように、中足静脈1204を通る血流の通常の方向につま先から離れて流れる血液によって結合される。内側足底静脈1206は、血液を心臓に向けて戻すように構成されているため、矢印1207によって示されるように、正常な血流が維持される。図36Aに示されるように、血液が優先的に流れることがあり、これは、逆行性灌流の意図された効果が酸素化された血液をつま先に灌流することである場合は望ましくない。
図36Bは、中足静脈1204を通るつま先への血流を促進するために使用されることができる装置の例示的な実施形態を示している。第1の拡張可能部材1212(例えば、バルーン)を含む第1のカテーテル1210は、3方向フィッティングを含む6フレンチ閉塞カテーテルを含むことができる。拡張可能部材1212は、外側足底静脈1200内で膨張している。第1のカテーテル1210と同軸である第2のカテーテル1220は、拡張可能部材1212を通って、深部足底静脈弓1202を通って、内側足底静脈1206内に延出している。第2のカテーテル1220は、内側足底静脈1206内で膨張させることができる拡張可能部材1222(例えば、バルーン)を含む。その時点で、内側平面静脈1206は、部分的又は完全に閉塞され、内側足底静脈1206を通る血流は阻害又は防止される。矢印1205の持続性によって示されるように、血液は、つま先から中足静脈1204を通って流れ続けることができる。血液は、出口経路を有しないため、静水圧が深部足底静脈弓1202に蓄積する場合があり、これにより、正常な血流を促進するように構成された弁及び/又は他の構造が無効になる可能性がある。必要に応じて、第1の拡張可能部材1212は、逆行性灌流血液が流れることを可能にすることができ、これは、深部足底静脈弓1202内に更に圧力を構築することができる。血流は、通常、外側足底静脈1200における逆行性灌流の方向と反対に灌流するが、拡張可能部材1212は、そのような流れを阻害又は防止することができる。
いくつかの実施形態では、単一のカテーテルを含む装置を使用して、中足静脈1204を通るつま先への血流を促進することができる。装置は、第1の拡張可能部材及び第2の拡張可能部材を含むことができる。例えば、装置は、第1のバルーンと、第1のバルーンの遠位にある第2のバルーンとを有する二重バルーンカテーテルを含むことができる。
装置は、第1及び第2の拡張可能部材のうちの一方が、他の拡張可能部材とは独立して膨張することを可能にすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、装置は、少なくとも第1の管腔及び第2の管腔を含むことができる。第1の管腔は、第2の拡張可能部材とは独立して第1の拡張可能部材を膨張させるように構成することができる。第2の管腔は、第1の拡張可能部材とは独立して第2の拡張可能部材を膨張させるように構成することができる。装置は、第1及び第2の拡張可能部材の双方を膨張させるように構成された単一の管腔を含むことができる。装置は、第1及び第2の拡張可能部材のうちの少なくとも1つを膨張させるように構成された1つ以上の膨張ポートを含むことができる。
装置は、拡張可能部材の少なくとも1つが膨張する前に、拡張可能部材間の距離を調整するように構成することができる。装置は、本明細書に記載されるように、拡張可能部材が患者固有の治療領域を隔離し、静脈を通ってつま先への血液の逆行性灌流を促進することを可能にすることができる。例えば、装置は、外側足底静脈1200への第1の拡張可能部材の配置及び内側足底静脈1206への第2の拡張可能部材の配置、及び/又はその逆を可能にすることができる。装置は、装置の様々な部分の動きを制御するように構成された1つ以上のハンドルを含むことができる。例えば、装置は、第1及び第2の拡張可能部材の双方の動きを制御するための第1のハンドルを含むことができる。いくつかの実施形態では、装置は、第2の拡張可能部材とは独立して第1の拡張可能部材の動きを制御するように構成された第2のハンドルを含むことができる。第2のハンドルは、装置が、第2の拡張可能部材に対して近位方向に第1の拡張可能部材を第1の位置から第2の位置に前進させることを可能にすることができる。第1の拡張可能部材が第2の位置に前進された後、第2のハンドルは、装置が第1の拡張可能部材を遠位方向に第1の位置に前進させることを可能にすることができる。
装置は、第1及び第2の拡張可能部材によって画定される治療領域に流体を注入するように構成された注入ポートを含むことができる。例えば、治療領域は、深部足底静脈弓1202を含むことができる。第1及び第2の拡張可能部材が膨張した後、内側足底静脈1206を通る血流が阻害又は防止される。次に、注入ポートは、装置が治療領域に流体を注入することを可能にすることができる。流体の注入は、治療領域内の静水圧を増加させる可能性がある。静水圧は、膨張した第1及び第2の拡張可能部材が、注入された流体が内側足底静脈1206及び/又は外側足底静脈1200を通って治療領域の外に流れるのを妨げるために増加する。注入ポートは、装置が弁及び/又は他の構造を無効にすることができるように、治療領域内の静水圧が十分に増加するように構成することができる。例えば、注入ポートは、つま先への血流を促進するために静水圧を増加させるのに十分な量の流体を注入するようなサイズにすることができる。
図36Cでは、矢印1201によって示されるように、血流は、拡張可能部材1212を通過することが可能であるが、膨張可能部材1212は、深部足底静脈弓1202における正常な血流を阻害する。制限された流れによる圧力は、深部足底静脈弓1202に蓄積する。圧力の蓄積は、必要に応じて、外側足底静脈1200からの血流と組み合わせて、矢印1209によって示されるように、中足静脈1204への血流の逆流を引き起こすことができる。
図36Dでは、第1のカテーテル1210及び第2のカテーテル1220が取り外されている。深部足底静脈弓1202における正常な血管系の無効化は、矢印1209の維持によって示されるように、中足静脈1204を通る血液の継続的な逆行性灌流を引き起こす。少量の酸素化された血液が内側足底静脈1206を通って流れることができる。いくつかの実施形態では、内側足底静脈1206は、拡張可能部材1222(例えば、カテーテル1220から取り外し可能)又は異なる閉鎖栓を使用して閉塞されたままとすることができる。いくつかの実施形態では、血液は、通常の血流とは反対の方向に足底静脈1206を通って流れることができる。
図37Aは、径方向に拡張状態の弁無効化装置1300の例を示している。弁無効化装置1300は、径方向に拡張した状態での後退及び/又は前進時に、弁(例えば、静脈弁)の弁尖を切断又は切除又は断切又は無効化するように構成されている。弁無効化装置1300は、近位部分1308と、遠位部分1306と、近位部分1308と遠位部分1306との間の中間部分1302とを含む。近位部分1308は、管状要素を含む。遠位部分1306は、管状部分を含む。装置1300は、ハイポチューブをカット(例えば、レーザーカット)し、平坦なシートをカットしてハイポチューブに圧延し、装置1300の部品を形成し、次いで部品を一体に結合し、形状設定し、それらの組み合わせなどによって形成されることができる。遠位部分1306の管状要素及び/又は近位部分1308の管状要素は、ハイポチューブ又はシートのカットされていない部分を含むことができる。
近位部分1308は、プッシャ要素1320に結合することができる。プッシャ要素は、例えば、ガイドワイヤにわたって前進するように構成された管腔を含むことができる。装置1300は、シース1304に閉じ込められているときは径方向に圧縮状態にあることができ、シース1304に閉じ込められていないときは径方向に拡張状態にあることができる。装置1300は、シース1304を近位に後退させることによって、及び/又はプッシャ要素1320、それによって装置1300を遠位に前進させることによって、径方向に拡張することができる。装置1300は、シース1304を遠位に前進させることによって、及び/又はプッシャ要素1320、それによって装置1300を近位に後退させることによって、径方向に圧縮することができる。径方向に拡張状態では、中間部分1302は、径方向に拡張され得るが、近位部分1308及び遠位部分1306は、径方向に拡張しない(例えば、図37Aに示されるように)。
中間部分1302は、ハイポチューブ又はシートのカット部分を含むことができる。中間部分1302は、近位部分1308と遠位部分1306との間に延出する1つ以上のストラット1316を含むことができる。中間部分1302は、約1本のストラット~約8本のストラット(例えば、1本のストラット、2本のストラット、3本のストラット(例えば、図37Aに示す)、4本のストラット、5本のストラット、6本のストラット、7本のストラット、8本のストラット、これらの値の間の範囲など)を含むことができる。ストラット1316は、例えば、任意の周方向に均一なカッティングを提供するために、周方向にほぼ等間隔に配置することができる。例えば、3つのストラット1316は、周方向に約120°離間することができる。ストラット1316は、例えば、特定の円周領域により多くのカッティングを提供するために、周方向に不等間隔に配置することができる。例えば、第1のストラット1316は、第2のストラット1316から周方向に約135°離間することができ、第3のストラット1316から約135°離間することができ、第2のストラット1316は、第3のストラット1316から約90°離間することができる。
ストラット1316は、約1個~約4個のブレード(例えば、1個のブレード、2個のブレード(例えば、図37Aに示される)、3個のブレード、4個のブレード、これらの値の間の範囲など)を含むことができる。図37Aに示されるストラット1316は、第1のブレード1312及び第2のブレード1314を含む。第1のブレード1312は、近位に面しており、装置1300が近位に後退するときにカットするように構成されている。第2のブレード1314は、遠位に面しており、装置1300が遠位に前進するときにカットするように構成されている。近位に面するブレード1312及び遠位に面するブレード1314は、装置1300が、近位に後退したとき、及び/又は遠位に前進したときに弁を無効にすることを可能にし、双方向弁膜切開刀としての柔軟性を提供する。他の構成も可能である。例えば、第1のストラット1316は、近位に面するブレード1312を含むことができ、第2のストラット1316は、遠位に面するブレード1314を含むことができる。別の例では、第1のストラット1316は、複数の近位に面するブレード1312を含むことができ、第2のストラット1316は、複数の遠位に面するブレード1314を含むことができる。別の例では、第1のストラット1316は、近位に面するブレード1312及び遠位に面するブレード1314を含むことができ、第2のストラット1316は、0個のブレードを含むか、又はブレードがないか又は欠いていてもよい。別の例では、第1のストラット1316は、近位に面するブレード1312及び遠位に面するブレード1314を含むことができ、第2のストラット1316は、遠位に面するブレード1314を含むことができる。別の例では、第1のストラット1316は、2つの近位に面するブレード1312及び1つの遠位に面するブレード1314を含むことができる。
図37Bは、図37Aの弁無効化装置1300の平坦化された側面図である。装置1300は、ハイポチューブに巻かれる平坦なシートからカットされ得る。図37Bは、装置1300を形成するために使用され得る例示的なカットパターンを提供している。図37Bに示されているカットパターンはまた、丸いハイポチューブ上にあることもできる。図37Bは、装置1300のいくつかの例示的な寸法を提供している。遠位部分1306の長さ1340は、約0.1mm~約3mmとすることができる(例えば、約0.1mm、約0.5mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約3mm、これらの値の間の範囲など)。遠位部分1306は、ストラット1316の遠位端部に安定したジョイントを提供するように構成された長さ1340を有することができる。遠位部分1306の周方向の長さ1342は、約1.5mm~約5mmとすることができる(例えば、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約5mm、これらの値の間の範囲など)。遠位部分1306の周方向の長さ1342は、無効化装置1300又はその拡張を形成するために使用されるハイポチューブの円周に対応することができる。ストラット1316間の空間の長さ1344は、約0.1mm~約1mmとすることができる(例えば、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1mm、これらの値の間の範囲など)。ストラット1316間の空間の長さ1344は、遠位部分1306の周方向の長さ1340の約2%~約67%とすることができる(例えば、約2%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約35%、約50%、約67%、これらの値の間の範囲など)。ストラット1316の周方向の厚さ1346は、約0.1mm~約1mmとすることができる(例えば、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1mm、これらの値の間の範囲など)。ストラット1316の周方向の厚さ1346は、遠位部分1306の周方向の長さ1340の約2%~約67%とすることができる(例えば、約2%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約35%、約50%、約67%、これらの値の間の範囲など)。より厚いストラット1316及び/又はストラット1316間のより狭い間隔は、より薄いストラット1316よりも高い剛性及びカッティングを提供することができる。より薄いストラット1316及び/又はストラット1316間のより広い間隔は、径方向の拡張及び/又は収縮のためにより少ない力を使用することができる。ストラット1316間の空間が丸みを帯びた近位縁を有する場合、近位部分1308と中間部分1302との間の界面における曲率半径1350は、約0.1mm~約0.5mmとすることができる(例えば、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、これらの値の間の範囲など)。ストラット1316間の空間が丸みを帯びた遠位縁を有する場合、中間部分の遠位部分1306との間の界面における曲率半径は、約0.1mm~約0.5mmとすることができる(例えば、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、これらの値の間の範囲など)。近位及び遠位の界面での曲率半径は、同じであっても異なっていてもよい。ストラット1316は、曲率半径ではなく、近位部分1308及び/又は遠位部分1306に角度を付けて交差することができる。近位部分1308の長さ1348は、約0.1mm~約8mmとすることができる(例えば、約0.1mm、約0.5mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約8mm、これらの値の間の範囲など)。近位部分1308は、ストラット1316の近位端部に安定したジョイントを提供するように構成された長さ1348を有することができる。近位部分1308は、プッシャ要素1320に結合されるように構成された長さ1348を有することができる。近位部分1308の周方向の長さは、無効化装置1300又はその拡張を形成するために使用されるハイポチューブの円周に対応することができる。近位部分1308の周方向の長さは、遠位部分1306の周方向の長さ1342と同じであっても異なっていてもよい。例えば、装置1300がハイポチューブからカットされ、近位部分1308及び遠位部分1306がハイポチューブのカットされていない部分を含む場合、近位部分1308及び遠位部分1306は、同じ周方向の長さを有していても、一方が他方に対して拡張されていてもよい(例えば、形状設定プロセス、プッシャ要素1320の外向きの力による拡張などによる)。
図37Cは、図37Bの円37Cによって識別される領域における、図37Aの弁無効化装置1300の平坦化された側面図の拡大図である。図37Cは、装置1300のいくつかの例示的な寸法を示している。ブレード1314の曲率半径1356は、約0.1mm~約1mmとすることができる(例えば、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1mm、これらの値の間の範囲など)。ブレード1314の縁とストラット1316との間の距離1358は、約0.1mm~約2mmとすることができる(例えば、約0.1mm、約0.25mm、約0.5mm、約0.75mm、約1mm、約1.25mm、約1.5mm、これらの値の間の範囲など)。ストラット1316とブレードとを合わせた厚さ1360は、約0.1mm~約3mmとすることができる(例えば、約0.1mm、約0.5mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約3mm、これらの値の間の範囲など)。図37Cのストラット1316上のブレード1312の寸法は、図37Cのブレード1314の寸法と同じであっても異なっていてもよい。他のブレード1314の寸法は、図37Cのブレード1314の寸法と同じであっても異なっていてもよい。
図37Dは、図37Bに示されるように平坦化された図37Aの弁無効化装置1300の端面図である。図37Dは、装置1300のいくつかの例示的な寸法を示している。厚さ1362は、約0.05mm~約0.25mmとすることができる(例えば、約0.05mm、約0.1mm、約0.15mm、約0.2mm、約0.25mm、これらの値の間の範囲など)。厚さ1362がより厚いと、より多くの剛性及びカッティング力を提供することができる。厚さ1362がより薄いと、径方向の拡張及び/又は収縮のためにより少ない力を使用することができる。装置1300がハイポチューブから形成される場合、厚さ1362は、ハイポチューブの内径とハイポチューブの外径との間の差、又はハイポチューブ壁の厚さとすることができる。上述したように、周方向の距離1342は、約1.5mm及び約5mmとすることができる(例えば、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約5mm、これらの値の間の範囲など)。
図37Eは、径方向に収縮状態の図37Aの弁無効化装置1300の端面図である。図37は、径方向に収縮状態の装置1300のいくつかの例示的な寸法を示している。外径1352は、0.6mm~約1.5mmとすることができる(例えば、約0.6mm、約0.8mm、約1mm、約1.2mm、約1.5mm、これらの値の間の範囲など)。外径1352は、内径1354よりも大きい。内径1354は、約0.5mm~約1.4mmとすることができる(例えば、約0.5mm、約0.75mm、約1mm、約1.25mm、約1.4mm、これらの値の間の範囲など)。再び図37Dを参照すると、厚さ1362は、外径1352と内径1354との間の差を2で割ったものに対応することができる。例えば、外径1352が1mmであり、内径1354が0.8mmである場合、厚さ1362は、(1mm-0.8mm)/2=0.1mmになる。
図37Fは、径方向に収縮状態の図37Aの弁無効化装置1300の側面図である。図37Gは、図37Fと比較して、径方向に収縮状態で周方向に回転した、図37Aの弁無効化装置1300の別の側面図である。図37F及び図37Gは、径方向に収縮状態の装置1300のいくつかの例示的な寸法を示している。遠位部分1306の遠位端部と近位部分1308の近位端部との間の長さ1364は、約15mm~約27mmとすることができる(例えば、約15mm、約18mm、約21mm、約24mm、約27mm、これらの値の間の範囲など)。再び図37Bを参照すると、遠位部分1306の長さ1340及び近位部分1308の長さ1348を、長さ1364から差し引いて、中間部分1302の長さを計算することができる。ブレード1314の端部と近位部分1308の遠位端部との間の長さ1366は、約5mm~約10mmとすることができる(例えば、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、これらの値の間の範囲など)。長さ1366は、径方向に拡張状態のブレード1314の直径に影響を及ぼし、及び/又はそれに基づくことができる。
図37Hは、径方向に拡張状態の図37Aの弁無効化装置1300の側面図である。図37Iは、図37Hと比較して、径方向に拡張され、周方向に回転された、図37Aの弁無効化装置1300の別の側面図である。図37H及び図37Gは、径方向に拡張状態の装置1300のいくつかの例示的な寸法を示している。図37H及び図37Gに示される径方向に拡張状態は、完全に拡張されてもよく(例えば、外力がない場合の装置1300の形状)、又は部分的に径方向に拡張状態であってもよい。装置1300の中心を通る長手方向軸1367と拡張された中間部分1302の外周との間の長さ又は半径1368は、約0.5mm~約7mmとすることができる(例えば、約0.5mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、これらの値の間の範囲など)。遠位部分1306の遠位端部と近位部分1308の近位端部との間の長さ1370は、10mm~約25mmとすることができる(例えば、約10mm、約15mm、約18mm、約20mm、約22mm、約25mm、これらの値の間の範囲など)。再び図37Fを参照すると、径方向に収縮状態の長さ1364は、径方向に拡張した状態の長さ1370よりも長くすることができる。長さ1370と長さ1364との差は、約0.1mm~約1mmとすることができる(例えば、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1mm、これらの値の間の範囲など)。再び図37Bを参照すると、遠位部分1306の長さ1340及び近位部分1308の長さ1348を、長さ1370から差し引いて、実際に拡張状態の中間部分1302の長さを計算することができる。装置1300の長手方向軸1367を横切って取られた、第1のブレード1314の先端部と第2のブレード1314との間の長さ1372は、約2mm~約4mmとすることができる(例えば、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、これらの値の間の範囲など)。
図37Jは、図37Hの線37J-37Jに沿って取られた、径方向に拡張状態の図37Aの弁無効化装置1300の断面端面図である。図37Jは、矢印1321によって示されるように、ブレード1314がストラット1316に対して回転することができることを示している。各ブレード1314は、同じ量だけ及び同じ方向に回転してもよく、異なるブレード1314が、異なる量だけ及び/又は異なる方向に回転してもよい。ブレード1312はまた、図37Jのブレード1314について示されているのと同じ方法及び/又は異なる方法(例えば、反対方向)で回転させることができる。
図37Kiから図37Niiは、図37Aの弁無効化装置1300を使用して実行され得る例示的な処置を示している。処置は、相互に排他的ではなく、例えば、ユーザーの好み、解剖学的構造、血管アクセスポイント、実行されている他の処置、それらの組み合わせなどに基づいて実行され得る。
図37Kiは、弁1305を有する血管1301を通して追跡されている装置1300を示している。装置1300は、弁1305を通ってナビゲートされたガイドワイヤ1318を介して追跡することができる。装置1300は、径方向に収縮状態でガイドワイヤ1318上を前進することができ、中間部分1302は、シース1304内で圧潰されている。図37Kiiでは、矢印1323によって示されるように、シース1304が後退し、これは、矢印1325によって示されるように、中間部分1302が径方向に拡張することを可能にする。次に、装置1300は、矢印1327によって示されるように、遠位に前進することができる。遠位に面するブレード1314は、弁1305と相互作用して、弁1305の弁尖を切断もしくは切除するか、又は無効にすることができる。中間部分1302は、装置1300をシース1304内に近位に後退させることによって、及び/又は装置1300上でシース1304を遠位に前進させることによって、実際に圧縮することができる。次に、装置1300を使用して、別の弁を無効にするか、又は必要に応じて引き抜くことができる。
図37Liは、弁1305を含む血管1301を、空洞を介して追跡する装置1300を示している。装置1300は、ガイドワイヤ1318上で径方向に収縮状態で、弁1305の遠位に前進している。図37Liiでは、シース1304は、矢印1323によって示されるように、近位に後退し、これは、矢印1325によって示されるように、装置1300の中間部分1302が径方向に拡張することを可能にする。次に、装置1300は、矢印1329によって示されるように、近位に後退することができ、これは、近位に面するブレード1312が弁1305を無効にすることを可能にする。中間部分1302は、装置1300をシース1304内に近位に後退させることによって、及び/又は装置1300上でシース1304を遠位に前進させることによって、実際に圧縮することができる。次に、装置1300を使用して、別の弁を無効にするか、又は必要に応じて引き抜くことができる。
図37Miは、弁1305を有する血管1301を通して追跡されている装置1300を示している。装置1300は、弁1305を通ってナビゲートされたガイドワイヤ1318を介して追跡することができる。装置1300は、径方向に収縮状態でガイドワイヤ1318上を前進することができ、中間部分1302は、シース1304内で圧潰されている。図37Miiでは、矢印1323によって示されるように、シース1304が後退し、これは、矢印1325によって示されるように、中間部分1302が径方向に拡張することを可能にする。次に、装置1300は、矢印1327によって示されるように、遠位に前進することができる。遠位に面するブレード1314は、弁1305と相互作用して、弁1305の弁尖を切断もしくは切除するか、又は無効にすることができる。中間部分1302は、装置1300をシース1304内に近位に後退させることによって、及び/又は装置1300上でシース1304を遠位に前進させることによって、実際に圧縮することができる。次に、装置1300を使用して、別の弁を無効にするか、又は必要に応じて引き抜くことができる。図37Ki及び図37Kiiと比較すると、図37Mi及び図37Miiに示されている方法は反対方向からのものである。一方の方向は上流とすることができ、他方の方向は下流とすることができる。一方の方向は正常な血流の方向とすることができ、他方の方向は逆行性灌流後の血流の方向とすることができる。
図37Niは、弁1305を含む血管1301を、空洞を通して追跡する装置1300を示している。装置1300は、ガイドワイヤ1318上で径方向に収縮状態で、弁1305の遠位に前進している。図37Niiでは、シース1304は、矢印1323によって示されるように、近位に後退し、これは、矢印1325によって示されるように、装置1300の中間部分1302が径方向に拡張することを可能にする。次に、装置1300は、矢印1329によって示されるように、近位に後退することができ、これは、近位に面するブレード1312が弁1305を無効にすることを可能にする。中間部分1302は、装置1300をシース1304内に近位に後退させることによって、及び/又は装置1300上でシース1304を遠位に前進させることによって、実際に圧縮することができる。次に、装置1300を使用して、別の弁を無効にするか、又は必要に応じて引き抜くことができる。図37Li及び図37Liiと比較すると、図37Ni及び図37Niiに示されている方法は反対方向からのものである。一方の方向は上流とすることができ、他方の方向は下流とすることができる。一方の方向は正常な血流の方向とすることができ、他方の方向は逆行性灌流後の血流の方向とすることができる。
図38Aは、カテーテル1400の遠位端部の例を概略的に示している。カテーテル1400は、超音波トランスデューサー又は他の標的装置を含むことができる。カテーテル1400は、第1の血管内の別のカテーテル(例えば、超音波トランスデューサーを含む)によって標的化され得る第2の血管(例えば、静脈)において使用されることができる。カテーテル1400の遠位端部は、管状要素1402の遠位に延出する漏斗形状を有する捕捉要素1404を含む。捕捉要素1404は、例えば、温度による(例えば、体温対室温による)相変化を受けると所定の形状をとるように構成された形状記憶材料を含むことによって、ハンドル及び捕捉要素1404に結合された作動機構に起因して、拡張可能部材(例えば、膨張可能なバルーン)による拡張に起因して、及び/又は他の機構に起因して、管状要素1402から延出することができる。捕捉要素1404は、約90°~約170°の角度を有することができる(例えば、約90°、約110°、約130°、約150°、約170°、これらの値の間の範囲など)。管状部材1402は、捕捉要素1404によって捕捉されたガイドワイヤを、カテーテル1400を介してガイドするために、少なくとも部分的にそれを通って延出する管腔1408を含むことができる。カテーテル1400を通してガイドワイヤをガイドすることは、ガイドワイヤが、意図しない分枝部又は側副血管ではなく、カテーテル1400と同じ血管を通って前進することを確実にすることができる。管腔1408は、管状部材1402の内部にある拡張部分1409を含むことができる。
図38Bから図38Dは、図38Aのカテーテル1400の遠位端部を使用して実行され得る例示的な処置を示している。図38Bは、針1016が第1の血管1000から間質組織を通って第2の血管1002に通過したという点で図32Dと同様である。図38Aのカテーテル1400は、第2の血管1002内にある。カテーテル1400は、第1の血管1000内のカテーテル1010によって首尾よく標的化された後、例えば矢印1403によって示されるように、近位に後退することができる。標的化が成功した後のカテーテル1400の後退距離は、(例えば、カテーテル1400の遠位端部とカテーテル1400のトランスデューサーとの間の距離に基づいて)事前に決定することができる、及び/又はユーザー経験、蛍光透視法、それらの組み合わせなどに基づくことができる。図38Cでは、捕捉要素1404は、カテーテル1400の遠位端部から拡張されている。捕捉要素1404は、針1016からカテーテル1400内に延出するガイドワイヤをガイドする漏斗として機能することができる。図38Dでは、ガイドワイヤ1406は、例えば本明細書に記載されるように、針1016から延出し、捕捉要素1404によって捕捉され、次いで、部分1409によって管腔1408内にガイドされる。ガイドワイヤ1406が更に遠位に前進すると、ガイドワイヤ1406が分枝血管1006及び/又は他の分枝血管を通って延出する可能性とは対照的に、管腔1408内に更に延出する。ガイドワイヤ1406上を追跡することによって実行される処置(例えば、弁の無効化、グラフトの配置、バルーンの拡張など)は、そのような処置が意図された血管で実行されることを確実にし、より良く、より予測可能な逆行性灌流を提供することができる。
図38Ei及び図38Eiiは、カテーテル1440の遠位端部の例を示している。カテーテル1440は、カテーテル1400と同様とすることができる。カテーテル1440は、膨張管腔1445及び拡張可能部材1446(例えば、バルーンを含む)を含む。カテーテル1440が適切な位置、例えば、図38Bに示されるような位置にある場合、拡張可能部材1444は、拡張することができ、捕捉要素1444は、拡張可能部材1446によって拡張することができる。図38Eiと比較して、図38Eiiは、捕捉要素1444を径方向外側に押すために、僅かに遠位に前進した後に拡張された拡張可能部材1446を示している。拡張可能部材1446は、遠位に前進することなく捕捉要素1444を拡張するように配置及び/又は成形することができる。上述したように、捕捉要素1444を拡張する他の方法も可能である。
図38Fは、カテーテル1420の一部の例を示している。カテーテル1420は、超音波トランスデューサー1422を含む。カテーテル1420は、カテーテル1420の側面から延出する捕捉要素1424を含む。捕捉要素1424は、管腔1428につながる漏斗を含むことができ、これは、必要に応じて、拡張部分1429を含むことができる。捕捉要素1424は、ガイドワイヤ1406を捕捉し、ガイドワイヤ1406を管腔1428にガイドするように構成されている。捕捉要素1424は、トランスデューサー1422に近接して配置することができる。本明細書に記載の特定の標的化システムによれば、針1016は、針1016から延出するガイドワイヤ1406がトランスデューサー1422に近接し、したがって捕捉要素1424に近接するように、トランスデューサー1422に向かって延出することができる。捕捉要素1424は、トランスデューサー1422の近位にあることができる。
図38Gは、カテーテル1430の一部の別の例を示している。カテーテル1430は、トランスデューサー1422を含む。カテーテル1430は、カテーテル1430の側面から延出する捕捉要素1434を含む。捕捉要素1434は、管腔1438につながる部分漏斗を含むことができ、これは、必要に応じて、拡張部分1439を含むことができる。捕捉要素1434は、カテーテル1430の円周の周りに部分的又は完全に延出することができる。捕捉要素1434は、ガイドワイヤ1406を、拡張部分1439を含むことができる管腔1438にガイドするように構成されている。捕捉要素1434は、例えば、捕捉要素1434が拡張するときに、体温に到達すると変形して管腔1438への開口を開くカテーテル1430の一部を含むことができる。捕捉要素1434は、カテーテル1430が存在する血管の側壁を並置するように構成することができる。カテーテル1400、1420、1430、1440の特徴は、カテーテル1020又は本明細書に記載の他のカテーテルの特徴と組み合わせることができる。
図39Aは、標的カテーテル1500の一部の例の斜視図である。標的カテーテル1500は、シース1502及び拡張可能構造1504を含む。拡張可能構造1504は、圧潰状態と拡張状態とを含む。図39Aは、拡張状態の拡張可能構造1504を示している。拡張可能構造1504は、拡張状態で近位端部1506に向かって先細になる複数のストラットを含む。ストラットは、複数のセルを形成する。いくつかの例では、ガイドワイヤシース1508は、シース1502及び拡張可能構造1504を通って延出する。標的カテーテル1500は、ガイドワイヤシース1508を通って延出する第1のガイドワイヤ上で追跡することができる。
図39Bは、第1の状態の図39Aの標的カテーテル1500の側面図である。第1の状態は、閉塞状態又は送達状態と見なすことができる。第1の状態では、拡張可能構造1504は、シース1502内で圧潰状態にある。いくつかの例では、ガイドワイヤシース1508は、シース1502の遠位端部から突出している。標的カテーテルの近位端部は、フラッシュポート、ガイドワイヤポートなどを含むことができる。カテーテルの遠位端部は、標的化センサー(例えば、超音波受信器)、診断センサー(例えば、圧力センサー)、それらの組み合わせなどを含むことができる。いくつかの例では、標的化センサーは、圧潰状態及び/又は拡張状態で、拡張可能構造1504の近位にある。いくつかの例では、標的化センサーは、圧潰状態及び/又は拡張状態で、拡張可能構造1504の遠位にある。いくつかの例では、標的化センサーは、圧潰状態及び/又は拡張状態で、拡張可能構造1504の近位端部と拡張可能構造1504の遠位端部との間において長手方向にある。
図39Cは、第2の状態の図39Aの標的カテーテル1500の側面図である。第2の状態は、開放状態又は展開状態と見なすことができる。拡張可能構造1504は、拡張可能構造1504を遠位に前進させることによって、及び/又はシース1502を近位に後退させることによって、シース1502から展開することができる。図39Cは、矢印1510によってシース1502と拡張可能構造1504との間の相対的な動き、及び矢印1512によって拡張可能構造1504の対応する径方向の拡張を示している。いくつかの例では、拡張可能構造1504は、自己拡張型であり(例えば、ニチノールなどの形状記憶材料を含む)、シース1502によって閉じ込められていないときに拡張状態をとることができる。拡張可能構造1504は、シース1502を遠位に前進させることによって、及び/又は拡張可能構造1504を近位に後退させることによって、シース1502内に回収することができる。
図39D~図39Iは、図39Aの標的カテーテル1500を使用する例示的な方法を概略的に示している。図39Dでは、第1のカテーテル1010は、例えば本明細書に記載されるように、閉塞部を含む第1の血管1000内で前進する。標的カテーテル1500は、第2の血管1002内で前進される。例えば、標的カテーテルは、第2の血管1002を通って前進している第1のガイドワイヤ上で追跡することができる。シース1502の遠位端部は、閉塞部に長手方向に近接していてもよい。図39Eでは、拡張可能構造1504は、矢印1514によって示されるように、径方向に拡張されている。いくつかの例では、拡張可能構造1504の拡張は、矢印1516によって示されるように、血管1002を径方向に拡張する。血管1002の拡張は、第1のカテーテル1010から延出する針の標的を増加させることを可能にする。第2の血管1002が静脈であるいくつかの例では、血管1002の拡張は、静脈を開いたままにすることを可能にし、これにより、潜在的又は最終的なけいれんの影響を回避することができる。
図39Fでは、針1016は、第1のカテーテル1010から、第1の血管1000を出て、間質組織を通って第2の血管1002に延出する。第2の血管1002において、針1016は、拡張可能構造1504の近位端部と拡張可能構造1504の遠位端部との間に延出する。針1016は、拡張可能構造1504のセルを通って延出することができる。針1016が最初に拡張可能構造1504のストラットに接触すると、ストラットは、針1016がセルを通って延出するように偏向することができる。第2の血管1002が斜めに貫通されたとしても、針1016は、ある角度で拡張可能構造1504内に延出することができ、その後、展開された第2のガイドワイヤ1406は、拡張可能構造1504によってスネアすることができることから、針1016の先端は、第2の血管1010の中心を必ずしも貫通する必要はない。針1016の延出は、標的化システム(例えば、本明細書に記載されるような指向性超音波標的化システム)を使用してガイドすることができる。いくつかの例では、針は、例えば、標的化システムの有無にかかわらず蛍光透視法を使用して、拡張可能構造1504に向かって延出することができる。特定のそのような例では、拡張可能構造1504は、放射線不透過性マーカーを含むことができ、及び/又は拡張可能構造1504の材料は、放射線不透過性とすることができる(例えば、拡張可能構造は、拡張(例えば、膨張)状態の放射線不透過性流体を含むことができる)。
図39Gでは、第2のガイドワイヤ1406は、第1のカテーテル1010及び針1016を通って第2の血管1002に前進する。針1016は、拡張可能構造1504内に延出するため、第2のガイドワイヤ1406は、拡張可能構造1504内に延出する。図39Hでは、拡張可能構造1504は、例えば、拡張可能構造1504をシース1502内に少なくとも部分的に後退させることによって圧潰されている。拡張可能構造1504を圧潰すると、第2のガイドワイヤ1406を把持するか又はスネアする。いくつかの例では、拡張可能構造1504は、第2のガイドワイヤ1406をスネアするのを助けるために、必要に応じてねじるか又はトルクをかけることができる。図39Iでは、標的カテーテル1500は、近位に後退している。第2のガイドワイヤ1406は、拡張可能構造1504によってスネアされるため、第2のガイドワイヤ1406は、例えば、第2の血管1002から標的カテーテル1500を取り外す間に、第2の血管1002を通って前進する。弁膜切開刀、ステントグラフトなどを含むカテーテルは、例えば本明細書に記載されるように、第2のガイドワイヤ1406上で及び第2の血管1002を通して追跡することができる。
図40Aは、管状構造を展開するための例示的なハンドル1600の斜視図である。管状構造は、ステント1122などのステント、又はステントグラフト1132などのステントグラフトを含むことができる。いくつかの例では、ハンドル1600を使用して、弁膜切開刀1142、1300などの弁膜切開刀、拡張可能構造1504などの拡張可能構造などを展開することができる。ハンドル1600は、本体1602及びノブ1604を含む。本体1602は、ねじ山1607を含む第1のセグメント1606を含む。本体1602は、ねじ山のない第2のセグメント1608を含む。スロット1609は、本体1602の近位部分から本体1602の遠位部分まで延出する。
図40Bは、図40Aのハンドル1600の一部の拡大斜視断面図である。ノブ1604は、ねじ山1607と相互作用するように構成されたねじ山1617を含む。スライダ1610は、スロット1609を通って延出する。スライダ1610は、スライダ1610の近位方向の動きが外側シースを近位に後退させるように、外側シースに結合されたコネクタ1612を含む。ノブ1604が回転すると、スライダ1610は、近位に後退し、これは、外側シースを近位に後退させる。管状構造が外側シースから展開されるにつれて、管状構造と外側シースとの間の摩擦が減少するため、管状構造の最初の展開は、後の展開よりも大きな力を必要とする場合がある。ねじ山1607、1617は、回転力を長手方向の力に変換することによって、より高い力を伝達するのを助けることができる。ノブ1604がねじ山1607の近位に後退すると、ノブ1604は、近位に引っ張られ、スライダ1610、したがって外側シースを引っ張ることができる。いくつかの例では、初期の力の量は、近位に引っ張ることによって実施することは非常に困難であるが、ノブ1604の回転によって達成することができる。いくつかの例では、ノブ1604を回転させると、第1の量の管状構造が展開され、ノブ1604をスライドさせると、第2の量の管状構造が展開される。第1及び第2の量は、管状構造全体の総量である。いくつかの例では、第1の量は、第2の量よりも少ない。例えば、第1の量は、第2の量の約10%~約60%とすることができる(例えば、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、これらの値の間の範囲など)。
いくつかの例では、第1の量と第2の量との間の遷移は、ほぼピークの展開力に対応する。ピーク展開力は、例えば、管状構造の設計(例えば、長さ、直径、径方向の力、材料)、外側シースの設計(例えば、直径、材料、コーティング)、それらの組み合わせなどに基づいて変化することができる。いくつかの例では、遷移は、管状構造の長さの少なくとも約3分の1である。いくつかの例では、遷移は、管状構造の長さの少なくとも約半分である。いくつかの例では、第1の量と第2の量との間の比は、ねじ山(例えば、長さ及び/又はピッチ)を調整することによって調整することができる。
図40Cは、展開状態の図40Aのハンドル1600の斜視図である。図40Dは、展開状態の図40Aのハンドル1600の一部の拡大斜視断面図である。ノブ1604は、回転した後、近位に後退している。ハンドル1600の遠位に、管状構造が展開される。例えば、ステントは、第1の血管から、間質組織を通って、第2の血管に展開することができる。
図41Aは、管状構造を展開するための例示的なハンドル1700の斜視図である。管状構造は、ステント1122などのステント、又はステントグラフト1132などのステントグラフトを含むことができる。いくつかの例では、ハンドル1700を使用して、弁膜切開刀1142、1300などの弁膜切開刀、拡張可能構造1504などの拡張可能構造などを展開することができる。ハンドル1700は、本体1702及びノブ1704を含む。本体1702は、必要に応じてシェル1716を含む。スロット1709は、本体1702の近位部分から本体1702の遠位部分まで延出する。
図41Bは、図41Aのハンドル1700の一部の拡大斜視部分透明図である。図41Bは、図41Aと比較した反対側からのハンドル1700を示している。ノブ1704は、スライダ部材又はウォームもしくはウォームねじ1710の歯1707と相互作用するように構成された歯1717を有する歯車又はウォーム歯車又はウォームホイール1706に結合されている。本体1702は、内側シャフトアセンブリに固定可能に結合されている。スライダ部材1710は、外側シースに固定可能に結合されている。いくつかの例では、内側シャフトアセンブリは、管状構造のポケットを見えるようにすることができる複数の放射線不透過性マーカーバンドを含む遠位端部を有する。内側シャフトアセンブリに固定された近位放射線不透過性マーカーは、外側シースが近位に後退している間、管状構造の長手方向位置を維持するためのプッシャとして機能することができる。本体1702に対するスライダ部材1710の動きは、内側シャフトアセンブリに対する外側シースの動きを引き起こす。スライダ1710は、第1の部分1712と、第2の部分1713と、第3の部分1714とを含む。第1の部分1712は、外側シースに固定可能に結合している。第1の部分1712は、本体1702の内側にある。第2の部分1713は、スロット1709を通って突出している。第3の部分1714は、第2の部分1713よりも幅が広い。第3の部分1714は、シェル1716を含む例を除いて、本体1702の外側にある。スライダ部材1710が近位に引っ張られる位置にあると、ユーザーは、第3の部分1714と相互作用する。本体1702は、例えば、互いに周方向に対向する2つのスロット1709を含むことができる。特定のそのような例では、スライダ部材1710は、2つの第2の部分1713及び2つの第3の部分1714を含むことができる(例えば、図41Bに示されるように)。2つの第3の部分1714は、ユーザーがスライダ部材1710の両側を把持することを可能にし、片側よりも良好な把持を提供することができる。いくつかの例では、第3の部分1714は、把持を強化するための特徴(例えば、テクスチャ加工された表面、くぼみ、フランジなど)を含むことができる。
図41Cから図41Eiiiは、図41Aのハンドル1700を操作する例示的な方法を示している。図41Cでは、ノブ1704の回転により、歯1717を含む歯車1706が回転する。歯1717は、スライダ1710の歯1707と相互作用して、回転力を長手方向の力に変換し、スライダ部材1710を近位に後退させ、これは、外側シースを近位に後退させる。管状構造が外側シースから展開されるにつれて、管状構造と外側シースとの間の摩擦が減少するため、管状構造の最初の展開は、後の展開よりも大きな力を必要とする場合がある。シェル1716は、管状構造の残りの量を展開するのに大きな力を必要としない量の管状構造が展開されるまで、ユーザーがスライダ部材1710を近位に後退させようとすることを妨げることができる。シェル1716は、近位方向の後退時にスライダが出ることができる近位の開口1718を含む。
図41Diでは、ノブ1704は、スライダ部材1710が近位位置でシェル1716から出るまで回転されている。露出したスライダ部材1710は、近位に引っ張られることができ、それにより、外側シースを引っ張ることができる。いくつかの例では、初期の力の量は、近位に引っ張ることによって実施することは非常に困難であるが、ノブ1704の回転によって達成することができる。図41Diiは、例示的な外側シース1722から展開されている例示的な管状構造1720を示している。図41Diiは、スライダ部材1710が近位に後退する位置にある(例えば、シェル1716から出る)までノブ1704を回転した後の、管状構造1720及び外側シース1722の位置を示している。管状構造1720の第1の部分1724は、外側シース1722から展開されている。
図41Eiは、後退位置にある図41Aのハンドル1700の斜視図である。図41Eiiは、後退位置にある図41Aのハンドル1700の斜視断面図である。スライダ部材1710は、本体1702の遠位部分に近位に後退しており、管状構造全体を展開するのに十分な量だけ外側シースを近位に後退させている。図41Eiiiは、スライダ部材1710が本体1702の遠位部分に近位に後退された後の管状構造1720及び外側シース1722の位置を示している。管状構造1720の第2の部分1726は、外側シース1722から展開されている。第1の部分1724及び第2の部分1726は、管状構造1720の全長とすることができる。
いくつかの例では、ノブ1704を回転させると、第1の量の管状構造が展開され、スライダ部材1710をスライドさせると、第2の量の管状構造が展開される。第1及び第2の量は、管状構造全体の総量とすることができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の量に加えて、第3の量、第4の量などを管状構造全体の総量とすることができる。第3の量、第4の量などは、必要に応じて他の特徴を使用して展開されてもよい。いくつかの例では、第1の量は、第2の量よりも少ない。例えば、第1の量は、第2の量の約10%~約70%とすることができる(例えば、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、これらの値の間の範囲など)。いくつかの例では、第1の量と第2の量との比は、約1:5~約5:3である(例えば、約1:5、約2:5、約3:5、約4:5、約5:5、約5:4、約5:3、これらの値の間の範囲など)。
管状構造が展開された状態で、ハンドル1700に結合されたカテーテルを対象から取り外すことができる。管状構造が内側シャフトアセンブリの遠位端部に結合されているいくつかの例では、スライダ部材1710を遠位に前進させて、管状構造の第1の部分を捕捉することができる。いくつかの例では、管状構造の第1の部分を捕捉することは、ハンドル1700に結合されたカテーテルを対象から安全に取り外すのに十分な量である。次に、いくつかの例では、ノブ1704を回転させて、管状構造の第2の部分を捕捉することができる。
図42Aは、発射装置4200の例示的な実施形態の平面図である。発射装置4200は、近位部分4202及び遠位部分4204を含む。遠位部分4204は、カテーテル4206を含む。カテーテルは、例えば、約3Fr~約10Fr(例えば、約3Fr、約4Fr、約5Fr、約6Fr、約7Fr、約8Fr、約9Fr、約10Fr、これらの値の間の範囲など)の外径を有することができる。カテーテル4206は、針管腔4208を含む。針4216は、針管腔4208から延出するように構成されている。近位部分4202は、ハンドル4211及びアクチュエータ4212を含む。アクチュエータ4212が遠位に前進するとき、及び/又はハンドル4211が近位に後退するとき、針4216は、例えば、針4216に関して本明細書に記載されるように、針開口4208から延出する。アクチュエータ4212が近位に後退するとき、及び/又はハンドル4211が遠位に前進するとき、針4216は、針開口4208に引き戻される。他のタイプのハンドル又は近位コンポーネントも可能である。例えば、近位部分4202は、アクティベータが作動されるときのように、アクティベータスイッチ、レバー、ノブなどを含むことができる。別の例では、近位部分4202は、伸縮要素間の相対的な長手方向の動きの際に針4216が針開口4208から延出するように、ユーザーによって把持可能な伸縮要素(例えば、カテーテル又はそれに結合された部材の近位部分)を含むことができる。
遠位部分4204は、放射線不透過性マーカー4210を含む。放射線不透過性マーカー4210は、放射線不透過性材料(例えば、タンタル、チタン、ニッケル、タングステン、白金、金、銀、イリジウム、パラジウム、スズ、ジルコニウム、レニウム、ビスマス、モリブデン、硫酸バリウム、タングステン粉末、亜炭酸ビスマス、オキシ塩化ビスマス、イオヘキソール(例えば、GEヘルスケアの一部門であるアマシャムヘルスから入手可能なOmnipaque(登録商標))などのヨウ素含有剤、それらの組み合わせなど)を含む。
図42Bは、図42Aの発射装置4200の遠位部分4204の概略上面、側面、及び遠位端部の斜視図である。放射線不透過性マーカー4210は、平坦な長方形(例えば、正方形)のマーカーを含む。放射線不透過性マーカー4210は、カテーテル4206の弧状の外面に適合しない。放射線不透過性マーカー4210は、長方形とすることができ、これは、互いに約90°である隣接する辺を有し、角が鋭いか丸みを帯びているかにかかわらず、互いに実質的に平行である少なくとも2つの対向する辺(例えば、平行四辺形、台形)などを有する長方形、正方形を含むことができる。長方形以外の形状も可能であるが、放射線不透過性マーカー4210は、好ましくは薄くて平坦である。放射線不透過性マーカー4210は、平坦とすることができ、これは、例えば本明細書に記載されるように、特定の量よりも薄い厚さを有することを含むことができる。放射線不透過性マーカー4210が平坦面上に配置される場合、厚さは、最高点と最低点との間とすることができる(例えば、(例えば、カテーテルの外面の輪郭に沿って)丸みを帯びた放射線不透過性マーカーは、エッジポイントよりも高い中心点を有し、平坦と見なされるべきではない)。平坦な放射線不透過性マーカー4210は、約1/3,000~約1/3の最短の横方向長さに対する厚さの比を有することができる(例えば、約1/3,000、約1/2,000、約1/1,000、約1/500、約1/250、約1/200、約1/100、約1/50、約1/25、約1/12、約1/10、約1/5、約1/4、約1/3、これらの値の間の範囲など)。平坦な放射線不透過性マーカー4210は、約1/3,000から約1/3の間の最長の横方向長さに対する厚さの比を有することができる(例えば、約1/3,000、約1/2000、約1/1,000、約1/500、約1/250、約1/200、約1/150、約1/100、約1/50、約1/25、約1/12、約1/10、約1/5、約1/4、約1/3、これらの値の間の範囲など)。平坦な放射線不透過性マーカー4210は、放射線不透過性マーカー4210が画像化平面に垂直であるときに蛍光透視法で放射線不透過性マーカー4210が実質的に消失するような厚さを有することができる。
図42Bはまた、マーカー4210の長さ4230、幅4232、及び厚さ4234を示している。いくつかの例では、放射線不透過性マーカー4210は、約1mm~約3mmの長さ4230を有する(例えば、約1mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約5mm、これらの値の間の範囲など)。いくつかの例では、放射線不透過性マーカー4210は、約0.25mm~約3mmの幅4232を有する(例えば、約0.25mm、約0.5mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約3mm、これらの値の間の範囲など)。いくつかの実施形態では、幅4232に対する長さ4230の比は、約1/1~約5/1である(例えば、約1/1、約2/1、約2.5/1、約3/1、約3.5/1、約4/1、約5/1、これらの値の間の範囲など)。いくつかの例では、放射線不透過性マーカー4210は、約0.001mm~約1mmの厚さ4234を有する(例えば、約0.001mm、約0.002mm、約0.003mm、約0.005mm、約0.01mm、約0.015mm、約0.02mm、約0.025mm、約0.03mm、約0.05mm、約0.075mm、約0.1mm、約0.15mm、約0.2mm、約0.25mm、約0.3mm、約0.5mm、約1mm、これらの値の間の範囲など)。
図42Biは、別の例示的な放射線不透過性マーカー4250の概略側面図である。放射線不透過性マーカー4250は、放射線不透過性メーカー4210と同じ又は類似の特徴を含むことができ、同じ又は類似のシステム及び方法で使用することができる。放射線不透過性マーカー4250は、放射線不透過性マーカー4250の大部分を構成する第1の材料4250aと、第1の材料4250aに結合された第2の材料4250bとを含む。いくつかの例では、放射線不透過性マーカー4250の径方向外向きの表面は、第2の材料4250bからなる。第2の材料4250bは、第1の材料4250aよりも放射線不透過性とすることができる(例えば、蛍光透視法下で第2の材料4250bを識別するのに十分な差を有する)。いくつかの例では、第2の材料4250bは、放射線不透過性であり、第1の材料4250aは、放射線透過性である。第2の材料4250bは、クラッディング、めっき、化学蒸着、原子層堆積、スクリーン印刷、コーティング(例えば、ディップコーティング、スプレーコーティング)、接着、スパッタリングなどを介して第1の材料4250aに結合することができる。特定のそのような例では、第2の材料4250bは、放射線不透過性マーカー4250全体の大部分よりも薄くすることができる。第1の材料4250aは、例えば、それに結合された第2の材料4250bの平坦度を高めるために、第2の材料4250bを結合する前に、研磨又は他の方法で平坦化することができる。第2の材料4250bは、カテーテルの位置合わせに使用される材料であるため、第2の材料4250b(例えば、放射線不透過性マーカー4250の全体ではなく、第1の材料4250aではない)は、それ自体が放射線不透過性マーカーと見なされることができる。
いくつかの例では、放射線不透過性マーカー4250の第2の材料4250bは、約2μm未満の厚さ4236を有する。いくつかの例では、放射線不透過性マーカー4250の第2の材料4250bは、約1nm~約10μmの厚さ4236を有する(例えば、約1nm、約2nm、約3nm、約5nm、約10nm、約50nm、約100nm、約500nm、約1μm、約2μm、約3μm、約5μm、約10μm、これらの値の間の範囲など)。第2の材料4250bの厚さ4236は、第2の材料4250bの組成及び/又は結合技術に依存することができる。例えば、金属化ニッケル層は、約1μm~約2μmとすることができる。別の例では、金の層は、約1nm~約5nm、又は約1μm~約3μmとすることができる。材料の他の層も可能である。例えば、放射線透過性材料(例えば、ポリマー)は、第2の材料4250bの腐食を抑制するため、通常は生体適合性がないと考えられる第2の材料4250bの使用を可能にするため、カテーテルの輪郭に従わせるため、及び/又はその他の理由のために、第2の材料4250b上にコーティングすることができる。材料は、放射線透過性であるため、本明細書に記載の方法は影響を受けない。
寸法例、特に厚さは、血管鏡又はX線又は蛍光透視機でのシャドウイング効果を制限する可能性がある。本明細書の議論から理解されるように、薄い放射線不透過性マーカー4210、4250の正確な識別が、カテーテル4200の位置合わせに使用される。シャドウ効果は、ユーザーが薄さを検出する能力を妨げる場合がある。
放射線不透過性マーカー4210は、例えば、直径又は半径に沿っているのとは対照的に、カテーテル4200の側面にある。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカー4210は、針開口4208と同じ側にある。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカー4210は、針開口4208の反対側にある。放射線不透過性マーカー4210の位置に応じて、ユーザーの目標は、放射線不透過性マーカーを標的カテーテルに近接させるか、又は標的カテーテルから遠ざけることとすることができる。
図42Cは、図42Aの発射装置4200の遠位部分4204の概略拡大平面図である。図42Dは、図42Aの発射装置4200の遠位部分4204の概略側面図である。図42C及び図42Dでは、針4216は、例えば、発射装置4200の位置合わせ後に、針開口4208から延出されている。いくつかの実施形態では、針4216は、ハンドル4211に対してアクチュエータ4212を操作することによって延出することができる。他の機構も可能である(例えば、スイッチ、スライダ、ホイールなど)。機構又はハンドル4211を有しない近位部分4202が可能である(例えば、針4216の近位端部及びカテーテル4206の近位端部は、各近位端部を保持するユーザーによって互いに対して移動可能である)。針開口4208は、放射線不透過性マーカー4210の近位に示されているが、他のオプションも可能である。例えば、針開口4208は、放射線不透過性マーカー4210の遠位にあってもよい。別の例では、針開口4208は、放射線不透過性マーカー4210と長手方向に(例えば、径方向外側に)位置合わせされてもよい。
いくつかの例では、針4216は、放射線不透過性マーカー4210と長手方向に位置合わせされ、放射線不透過性マーカー4210の細軸に垂直な平面内に延出することができる。針4216の横方向の動きを制限することにより、放射線不透過性マーカー4210の位置合わせが正しい場合でも、そうでなければ生じる可能性のある位置決めエラーを減らすことができる。例えば、放射線不透過性マーカー4210が完全に位置合わせされている場合でも、放射線不透過性マーカー4210に対して予測可能に延出されない針4216は、位置合わせを無意味にする可能性がある。
図42Ci~図42Ciiiは、針4216に取り付けられたプロファイル4260を含む例示的なカテーテルを示している。プロファイル4260は、成形された管腔内をスライドし、これは、針4216の横方向及び/又は回転運動を低減又は最小化するためのスロット及びキーシステムとして機能することができる。プロファイル4260及び対応する管腔は、少なくとも1つの径方向軸において非対称の形状を有することができる。例えば、プロファイル4260のC形状は、管腔のC形状の表面と相互作用して、プロファイル4260に取り付けられた針4216が横方向に動くのを阻害又は防止する。いくつかの例では、管腔のC形状の表面は、ガイドワイヤ管腔の外面を含むことができる(例えば、カテーテル4200が追跡されるガイドワイヤ4217の場合)。放射線不透過性マーカー4210を含むカテーテル4200の文脈で示されているが、プロファイル4260を使用して、本明細書に記載の他のカテーテル(例えば、超音波トランスデューサーを含むカテーテル)の針を横方向に安定化することができる。対称形状も可能である。一部の実装は、スライディングラップジョイントを含むことができる。一部の実装は、インターロッキングチューブを含むことができる。
例えば、図42Dに示されるように、カテーテル4200が放射線不透過性マーカー4210の主軸に平行な視野角で配置される場合、マーカー4210の最小領域が視認可能であり、これは、例えば、標的カテーテルとの位置合わせを示すことができる。角度を変えるたびに可視領域の増加をもたらし、ユーザーの目標は、可視領域を低減又は最小化することである。平坦でない(例えば、カテーテル又はステントの曲率に従う)放射線不透過性マーカーは、そのマーカーの曲率及び周方向の広がりによって厚さが制限されるため、薄い状態を達成することができない。放射線不透過性マーカーが平坦でない場合であっても、本明細書に記載の方法のいくつかと一致して使用されることができる(例えば、可視マーカーの量を低減又は最小化するか、逆に増加又は最大化することによって)。位置合わせが検出されると、針4216は、針開口4208から、カテーテル4200が存在する第1の血管(例えば、動脈)を出て、間質組織を通って、例えば、標的カテーテルが存在する第2の血管(例えば、静脈)に延出することができる。次に、本明細書に記載のプロセスが実行され得る(例えば、針4216を通してガイドワイヤを追跡し、拡大、ステント送達、弁膜切開刀などのためにガイドワイヤを使用する)。放射線不透過性マーカー4210、4250の使用は、超音波、電場、及び磁石などのより複雑及び/又は高価な位置合わせシステムの使用を削減又は排除することができるが、それでもなお針4216が隣接する血管内に延出するという保証をユーザーに提供する。
2つの放射線不透過性コンポーネントを位置合わせする必要があるシステムと比較して(例えば、カテーテルの反対側の放射線不透過性コンポーネント、カテーテルの側面の1つの放射線不透過性コンポーネント及びカテーテルの中央の放射線不透過性コンポーネント、拡張可能部材上の1つの放射線不透過性コンポーネント及びカテーテルの他の場所の放射線不透過性コンポーネント)、放射線不透過性マーカー4210、4250は、位置合わせについての疑いを少なくすることができる。例えば、ユーザーは、放射線不透過性コンポーネントの1つが、位置合わせされているのではなく、画像化平面に見えないかどうかを疑問に思う場合があるが、放射線不透過性マーカー4210、4250は、位置合わせされておらず、実質的に見えない場合、又は位置合わせされ、小さな回転によって確認可能である場合に最小の厚さで視認可能である。形状(例えば、1つの形状を形成する2つの放射線不透過性コンポーネント)、バー(例えば、重なり合う又は分離する複数の放射線不透過性コンポーネント)などの使用は、主観的とすることができるが、放射線不透過性マーカー4210、4250は、任意の追加の回転が放射線不透過性マーカー4210、4250を多かれ少なかれ視認可能にするかどうかの実質的に客観的な尺度を提供する。特定のそのような形状ベースの放射線不透過性コンポーネントシステムはまた、形状を、例えば、180°離れた2つ以上の位置において形成することができるが、放射線不透過性マーカー4210、4250が所望の側に明確に配向されているため、位置合わせの方向に関する情報を提供することができない場合がある。回転後に形状が分離したり、ずれたりしても、形状の分離は、方向に関して直感的ではない。特定のそのような形状ベースのシステムは、位置合わせに関係なく回転が発生したことを単に確認する。カテーテルの側面にある放射線不透過性ドットは、長さと幅の寸法がなく、全ての回転方向で同様の限られた視認性を提供する可能性があるが、放射線不透過性マーカー4210、4250は、位置合わせされていない場合に目立つように表示される。形状の主観的な位置合わせ又は幅の評価(最小の厚さの客観的な評価とは対照的に)は、数度のずれを引き起こし、第1の血管から第2の血管に交差するときに針が第2の血管を逃す可能性がある。例えばカテーテルの円周の周りの放射線不透過性フープは、カテーテルに対する画像化システムの位置に関する情報(例えば、カテーテルに対して平行か垂直か)を提供することができるが、カテーテルに関する回転情報を提供せず、その結果、円形パターンから線形パターンへの変更は、カテーテルを回転的に位置合わせするのに有用でない。放射線不透過性マーカー4210、4250の優れた性質は、例えば、複雑な形状及び位置を回避することができるため、製造コストを削減することができる。
図43A~図43Nは、図42Aの発射装置4200の遠位部分4204を含む発射装置を使用する例示的な方法を概略的に示している。図43A~図43Gでは、放射線不透過性マーカー4210が拡大図で示されている。いくつかの実施形態では、方法は、図39A~図39Eの方法を実行した後に開始することができ(例えば、標的カテーテルの拡張可能構造又はスネア1504を拡張する)、特定の特徴を方法間で共有することができる。
図43Aでは、遠位部分4204は、第1の血管内で、スネア1504に長手方向に近接する位置まで長手方向に前進している。この例のスネア1504は、放射線不透過性であり、標的カテーテルとして使用することができる。放射線不透過性材料で満たされたバルーンなどを含む、例えばカテーテル上に放射線不透過性マーカー(例えば、第2の放射線不透過性マーカーから長手方向に離間した第1の放射線不透過性マーカー、いくつかの実施形態では、マーカーバンドを含むマーカー)を有する他の標的カテーテルも可能である。ユーザーは、蛍光透視法下で標的カテーテルの放射線不透過性マーカー4210及び放射線不透過性特徴を見ることができる。
図43Bでは、矢印4302によって示されるように、遠位部分4204が回転している。回転中、放射線不透過性マーカー4210は薄くなる。図43Cでは、矢印4304によって示されるように、遠位部分4204が更に回転している。回転中、放射線不透過性マーカー4210は薄くなる。この時点で、ユーザーは、薄い放射線不透過性マーカー4210が位置合わせを示していると考える場合があるが、放射線不透過性マーカー4210は、スネア1504の反対側の発射カテーテルの側にある。放射線不透過性マーカー4210が針開口4208と同じ側にあるこの配置では、放射線不透過性マーカー4210は、スネア1504に近接しているべきである。スネア1504に比較的近接している又は離れている放射線不透過性マーカー4210は、回転中に見ることができる。いくつかの実施形態では、放射線不透過性を有するガイドワイヤは、放射線不透過性マーカー4210の側面を判定するのを助けることができる。放射線不透過性マーカー4210は薄いが、図43Cでは反対側にあるため、ユーザーは、位置合わせを続ける。
図43Dでは、矢印4306によって示されるように、遠位部分4204が更に回転している。回転中、放射線不透過性マーカー4210は、より厚くなる。図43Eでは、矢印4308によって示されるように、遠位部分4204が更に回転している。回転中、放射線不透過性マーカー4210は薄くなる。図43Fでは、矢印4310によって示されるように、遠位部分4204が更に回転している。回転中、放射線不透過性マーカー4210は薄くなる。放射線不透過性マーカー4210は、ここではスネア1504に近接しており、薄く、位置合わせを示している。いくつかの実施形態では、位置合わせは、この時点で停止することができる。
図43Gでは、遠位部分4204は、矢印4312によって示される方向に回転し続けるか、又は過剰回転している。回転中、放射線不透過性マーカー4210は、より厚くなり、更なる回転が位置合わせを悪化させていることを示している。図43Hでは、遠位部分4204は、矢印4314によって示されるように、反対方向に回転している。回転中、放射線不透過性マーカー4210は薄くなる。放射線不透過性マーカー4210は、再びスネア1504に近接しており、薄く、位置合わせを示している。図43G及び図43Hの更なる回転は、位置合わせが正しい(例えば、最適化されている)ことをユーザーに保証するのに役立つことができる。遠位部分4204の回転及び放射線不透過性マーカー4210の表示は、ユーザーが粗調整及び微調整を行うことができるカメラの焦点合わせと同様とすることができる。例えば、粗調整は、放射線不透過性マーカー4210がスネア1504に近接する側にあるかどうかを判定することとすることができ、微調整は、放射線不透過性マーカー4210の面積を減少させることとすることができる。位置合わせは、ユーザーが遠位部分4204を前後に回転させて、放射線不透過性マーカー4210の薄い又は最小の厚さを見つける振り子として説明することもできる。したがって、位置合わせを確認するために、過剰回転、過剰スイング、オーバーシュートなどを含む場合がある。
図43Hiは、回転位置合わせプロセスによる放射線不透過性マーカーの位置合わせを概略的に示している。放射線不透過性マーカーを含むカテーテルは、標的血管に近接又は隣接する第1の血管内にある。カテーテルは、放射線不透過性材料を含むガイドワイヤ4217上で追跡される。放射線不透過性マーカーがガイドワイヤ4217と重なると、放射線不透過性マーカーの前面又は背面(又は第1の側及び反対側の第2の側)のいずれかが見える。この例では、放射線不透過性マーカーは、カテーテルの針の開口と同じ側にある。ガイドワイヤ4217が放射線不透過性マーカーと標的との間にあるとき、カテーテルは、約90°~約270°だけ回転的にずれている。例えば、図43Hiの右端図に示されるように、放射線不透過性マーカーが薄い場合であっても、カテーテルの位置は180°ずれる。放射線不透過性マーカーがガイドワイヤ4217と標的との間にあるとき、カテーテルは、カテーテルの正しい側で回転する。図43Hiの左端図に示されるように、カテーテルの正しい側にあり、薄い場合、カテーテルは、位置合わせされている。放射線不透過性マーカーが十分に薄い場合、放射線不透過性マーカーは、細線であるか、蛍光透視法下から消えることさえもある。放射線不透過性マーカーが針開口としてカテーテルの反対側にある場合、プロセスは、ガイドワイヤ4217に関して反対になることになる。このプロセスは、ガイドワイヤ4217がなくても、又はガイドワイヤ4217が放射線不透過性でない場合にも可能であり、ユーザーは、回転中に標的の近く又は遠くにある放射線不透過性マーカーを視覚化することができる。両側が薄い放射線不透過性マーカーを含む一連の回転位置による視覚化により、180°のミスアライメントを抑制、最小化、又は防止することができる。
発射カテーテルが位置合わせされると、図43Iに示されるように、針4216を延出させることができる。針を延出させることは、遠位部分4204が存在する第1の血管を出て、間質組織を横断し、そしてスネア1504が存在する第2の血管に入ることを含むことができる。実施形態では、針4216は、スネア1504に交差する。図43Jでは、ガイドワイヤ4218は、針4216を通って延出されている。それにより、ガイドワイヤ4218は、第1の血管を通って、間質組織を通って、第2の血管内に延出する。
図43Kでは、矢印4316によって示されるように、スネア1504は、遠位に移動する。ガイドワイヤ4218も遠位に移動し、ガイドワイヤ4218がスネア1504によって捕捉又は絡み合っていることを示している。スネア1504が針4216の後退の前に遠位に動かされる場合、針4216の遠位の動きは、スネア1504との係合及び/又は標的血管の内部にあることを確認することができる。針4216を使用する検証は、ガイドワイヤ4218を前進させる前又は後に行うことができる。いくつかの例では、針4216を検証することができ、次にガイドワイヤ4218を前進させることができ、ガイドワイヤ4218を検証することができる。図43Lでは、シース1502は、矢印4318によって示されるように遠位に前進し、スネア1504及びスネア1504と絡み合ったガイドワイヤ4218を捕捉する。図43Mでは、シース1502は、矢印4320によって示されるように、更に遠位に前進し、スネア1504を更に捕捉する。いくつかの実施形態では、スネア1504は、例えば、ガイドワイヤ4218との絡み合いのために、シース1502に完全に回収されることができない場合がある。それにもかかわらず、スネア1504は、第2の血管を通って移動するのに十分に径方向に圧縮され得る。
図43Nでは、矢印4322によって示されるように、スネア1504は、近位に後退している。ガイドワイヤ4218は、スネア1504と絡み合っているため、ガイドワイヤ4218はまた、第2の血管内で近位に後退するか、又は第1の血管に対して遠位に前進する。本明細書に記載されるように、例えば、スネア技術は、ガイドワイヤ4218を、例えば、弁及び他の困難な血管系を通過して、第2の血管を通してナビゲートするのを助けることができる。弁膜切開刀、ステントグラフトなどを含むカテーテルは、例えば本明細書に記載されるように、ガイドワイヤ4218上及び第2の血管を通して追跡することができる。
放射線不透過性マーカー4210の検出を支援するためにソフトウェアを実装することができる。ソフトウェアは、例えば、第1及び第2のカテーテル及び/又は血管の間(例えば、第1のカテーテルと第2のカテーテルとの間、第1の血管と第2の血管との間、第1の血管内の第1のカテーテルと第2の血管との間)に「交差面」を確立することができる。「交差面にある」とは、一般に、限定されないが、ユーザーが第1の血管から第2の血管に針を前進させるとき、針が第2の血管に入るということを意味する。この交差は、好ましくは、流体が血管間を流れるように処置を実行することを可能にする。交差面は、蛍光透視法又は他の画像化システムを介して、例えば、関心のある2つの血管(又は一方又は双方の血管内のカテーテル)が互いからの最大距離に実質的に位置するまで画像化ヘッド(例えば、「Cアーム」)を回転させることによって得ることができる。第1の血管及び第2の血管が平行であり、最大距離にあるとき、それらは、現在表示されている「交差面」にあると言うことができる。血管/カテーテル間の測定は、通常、原始的であるか、「目で」行われるため、これは困難な作業になる可能性がある。ソフトウェアソリューションを使用すると、プロセスをより正確に、ユーザー主導のエラーを減らして(例えば、精度及び信頼性を向上させる)、場合によってはより迅速に行うことができる。
ソフトウェアは、他のソフトウェア(例えば、画像化ソフトウェア)と並行して実行することができる。図43Oi~図43Oviは、ソフトウェアを使用した位置合わせの実装例を示している。図43Oiでは、第1のカテーテル4200は、第1の血管4330内で前進し、第2のカテーテル1500は、意図された交点に近接する(例えば、第1の血管4330内の閉塞に近接する及び/又は上流の)第2の血管4332内で前進する。第1の血管4330は、動脈とすることができる。第2の血管4332は、静脈とすることができる。画像化システムの「Cアーム」又は他のホルダは、血管4330、4332及び/又はカテーテル4200、1500の適切なビューを即座に提供しないように配置することができる。図43Oiiでは、ソフトウェアは、第1のカテーテル4200の中心線4334と第2のカテーテル1500の中心線4336との間の距離4338を測定する。Cアームが回転すると、画像化平面が変化するため、距離4338が変化する。システムは、Cアームを制御することができ、及び/又はCアームを動かすユーザーに応答することができる。距離4338が最大である、及び/又は特定の量よりも大きい場合、ソフトウェアは交差面を識別する。検出は、倍率に依存する場合がある。交差面が識別されると、システムは、ユーザーに信号を送信することができる(例えば、ビープ音などの可聴、中心線4334、4336の色、破線、太さの変更などの視覚、ハンドルの振動などの触覚、リモートコンピューティング装置への信号の送信、それらの組み合わせなど)。システムは、完全に又は部分的に自動化され得る(例えば、ユーザーの相互作用なしに、又はユーザーの相互作用時にのみ次のステップに進む)。線画及び/又は測定方法/ソフトウェアの組み合わせを使用することができる。図43Oiiiでは、交差面の画像は、必要に応じて、所望の通りに方向付けることができる(例えば、血管4330、4332が観察領域の横方向の縁に平行になるように)。いくつかの実装では、血管4330、4332は、観察領域において造影剤によって満たすことができ、それらの中心線間の距離又は造影剤によって満たされた血管4330、4332間の領域は、交差面を識別するために最大化される及び/又は特定の値よりも大きくすることができる。そのような技術は、非平行血管4330、4332に特に適することができる。画像化システムによっては、例えば、血管4330、4332を造影剤なしで識別することができる場合などには、造影剤が省略されてもよい。カテーテル識別及び/又は血管識別の組み合わせを使用することができる。
第1のカテーテル4200は、放射線不透過性マーカー4210が最小の厚さ又は特定の値よりも低い厚さを有するまで、矢印4340によって示されるように回転することができる。ソフトウェアは、エッジ検出又は他の方法を使用して、回転中の放射線不透過性マーカー4210の厚さを識別することができる。図43Ovは、放射線不透過性マーカー4210の厚さをエッジライン間の距離として測定するために使用されるエッジライン4342、4344を示している。ソフトウェアは、図43Oiiの中心線4334、4336を識別するのと同じ又は同様のルーチンを使用して、放射線不透過性マーカー4210のエッジを識別することができる。ソフトウェアは、同じ又は類似のルーチンを使用して、図43Oiiの中心線4334、4336間の距離4338として、エッジライン4342、4344間の距離を測定することができる。いくつかの実装では、ピクセルカウントを使用することができる。上述したように、ソフトウェアはまた、第2の血管の位置を考慮し、したがって、薄い放射線不透過性マーカーが第2の血管に面しているかどうか(又はその逆)を確立することができる。放射線不透過性マーカー4210の厚さが、第1のカテーテル4200が適切に位置合わせされ、第1のカテーテル4200が第2の血管4332に面していることをソフトウェアが確立すると、針4216は、第1のカテーテル4200から、第1の血管4330を出て、第2の血管4332に延出することができる。回転位置合わせが識別されると(例えば、カテーテルが正しい方向を向いていること、及び交差針が「交差面内」にあること)、システムは、ユーザーに信号を送信することができる(例えば、ビープ音などの可聴、エッジライン4342、4344の色、破線、太さなどの変更などの視覚、ハンドルの振動などの触覚、リモートコンピューティング装置への信号の送信、それらの組み合わせなど)。針の延出は、信号を受信した後、ユーザーが開始することができる。針の延出は、位置合わせを示すと自動的に行うことができる。システムは、完全に又は部分的に自動化され得る(例えば、ユーザーの相互作用なしに、又はユーザーの相互作用時にのみ次のステップに進む)。第2のカテーテル1500は、例えば本明細書に記載されるように、針4216が第2のカテーテル1500の拡張可能部材に穿刺したことを確認するために針を動かすために長手方向に動かすことができる。
逆流性静脈アクセスのためのガイドワイヤのナビゲーション(例えば、通常の血流の方向に対する)は、例えば、静脈逆流を防ぐことを目的とした静脈弁及び多くの支流及び平行な静脈構造のために、困難又は不可能でさえあり得る。静脈の逆行性ガイドワイヤナビゲーションは、枝への迂回、弁の結果としての閉塞をもたらす可能性があり、そのいずれか又は双方がけいれん及び/又は穿孔を引き起こす可能性がある。例えば、ガイドワイヤを、脛骨静脈シース挿入点を越えて遠位に前進させると、時間がかかる可能性があり、ロードマップを提供するためにペダル/脛骨静脈造影図なしで数時間かかる場合があり、及び/又は末梢血管系、特に心臓の遠位にあるため、人によって異なる。アクセスシースとガイドワイヤを脛骨静脈に保持すると、静脈に張力をかけたりテントを張ったりして、交換カテーテルと逆行性ガイドワイヤを脛骨アクセスシースの遠位に通すことができる。静脈内に留まることができないと、穿孔につながりかねず、これが、静脈のけいれんを引き起こす可能性があり、ユーザーが足にアクセスできないために処置を中止する必要がある場合がある。
静脈造影図やロードマップなしでペダルアーチの周りでガイドワイヤを前進させると、静脈に孔が開いたり、静脈のけいれんを引き起こしたりする可能性がある。静脈に孔を開けると、静脈の周りに区画ができて、本質的に静脈が平坦になり、ナビゲーションが妨げられたり、ナビゲーションが不可能になったりする可能性がある。穿孔後、15~20分待って穿孔が解消されたかどうかを確認したり、別の静脈経路を選択したり、処置を中止したりすることができる。ユーザーは、例えば穿孔を解決する必要がある場合など、数日後に再試行することを選択することができる。ガイドワイヤを足に前進させるとき、ユーザーは、足を曲げたり、逆トレンデレンブルグ体位(頭を足よりも上に上げる)を使用したり、及び/又は足首上方に止血帯を当てて静脈圧を上げたりし、それにより、静脈の直径を広げて静脈内の弁を介したナビゲーションを容易にするが、これらは、穿孔リスクに完全には対処することができない場合がある。
順行性ペダルアクセスは、弁閉塞及び分枝血管への迂回の合併症なしに、ペダル静脈画像化の機会と選択された血管内のガイドワイヤの通過の双方を提供する。一貫した順行性ペダル静脈アクセスを実行するための技術は、例えば、超音波の使用、静脈拡大のための技術、及び/又は透視画像化を含むことができる。
ペダル静脈血管系への逆行性アクセスが望まれる場合、例えば、ガイドワイヤが静脈の流れの自然な流れをたどっていることから、標的ペダル静脈構造からの最初の順行性アクセスによって、静脈弁閉塞なしに、ガイドワイヤの通過を可能にすることができる。この方法で導入された中心線に位置合わせするように設計された適切な形状のガイドワイヤは、複数の側枝、穿通枝、及び平行な静脈構造に迂回する可能性が少ない。ガイドワイヤがこの順行性の方法でペダル標的静脈から導入されると、他のカテーテル及び装置は、ガイドワイヤによって無効にされる弁からの閉塞部及び/又は分枝血管への迂回のリスクを制限するか又は伴わずに逆行的に導入することができる。
足首上方から交点までの後方脛骨静脈にアクセスし、交差ガイドワイヤを逆行的に動かして脛骨鞘を通過し、足の静脈弓に到達しようとすると、困難になるか、特定の解剖学的構造が与えられる可能性があり、不可能でさえもあり得る。足の解剖学的構造を理解すると、例えば、ユーザーはガイドワイヤを接続する脛骨静脈に通し、交点まで通して、潜在的な経路の混乱をなくすことから、ユーザーが足の目的の静脈にアクセスするのに役立つ。
図44Aは、例示的な足4400の血管の解剖学的構造を示している。足4400は、内側足縁静脈4402を含む。内側足縁静脈4402は、大伏在静脈4401として心臓に向かって続いている。図44E及び図44Fは、大伏在静脈4401も示している。足4400は、くるぶし下静脈4403、舟状骨静脈4404、クネア静脈4405を含む内側足縁静脈4402に供給する穿孔静脈又は分枝静脈、及びこれらの静脈に供給する穿孔静脈又は分枝静脈を含む。足4400は、第1の中足骨間腔穿孔静脈4406を含む。くるぶし下静脈4403、舟状骨静脈4404、クネア静脈4405、及び第1の中足骨間腔穿孔静脈4406は、内側足底静脈4407に接続されている。第1の中足骨間腔穿孔静脈4406は、足4400の上部又は背側から足4400の下部又は足底側への一貫した静脈接続を提供する。足4400の外側機能ユニットは、外側足底静脈4408及び踵骨穿孔静脈4409を含む。足4400の後部において、外側足底静脈4408及び踵骨穿孔静脈4409は、叢状後脛骨静脈4010を発生させる2つの合流点を形成する。
図44Bは、例示的な足4400の血管の解剖学的構造を更に示している。図44Aにも示されているように、足4400は、内側足底静脈4407及び外側足底静脈4408を含む。足4400の底部は、第1中足骨間腔4406の穿通枝を含む。足4400は、第1の指静脈4414及び第4の指静脈4416を含むつま先静脈を含む。足4400は、立方骨穿通枝4418を含む。足4400は、くるぶし穿通枝4420を含む。足4400は、舟状骨穿通枝4422を含む。
図44Cは、第1の背側中足骨動脈4424、及び伸筋4426、足の親指及び第2の足指への指動脈4428、深腓骨神経4430、及び背静脈4432を示している。図44Dは、足底中足静脈4434、内側足底静脈4407、後脛骨静脈4438、外側足底静脈4408、及び深部足底静脈弓4442を示している。図44Dは、足底を背静脈に接続する最初の中足骨穿通枝4406も示している。図44Eは、後脛骨静脈4438、外側足底静脈4408、内側足底静脈4407、及び内側足縁静脈4402を示している。
図44Gは、大伏在静脈4401、内側足縁静脈4402、及び深腓骨神経4430を示している。さらに、図44Gは、浅腓骨神経4440、伏在神経4442、小伏在静脈4444、内側穿通静脈4446、外側穿通静脈4448、腓腹神経4450、外側足縁静脈4452、及び足背静脈弓4454を示している。
図44Hは、内側足底静脈4407、外側足底静脈4408、及び小伏在静脈4444を示している。さらに、図44Hは、大腿管4456の穿通枝、深大腿静脈4458への吻合、大腿静脈4460、膝窩静脈4462、内側腓腹筋静脈及び外側腓腹筋静脈4464、腓骨筋静脈4466、前脛骨静脈4468、傍脛骨穿通枝4470、腓骨筋静脈4472、腓骨筋静脈4474、腓骨静脈4476、後脛骨静脈4478、外側脚穿通枝4480、上後脛骨穿通枝4482、中後脛骨穿通枝4484、下後脛骨穿通枝4486、及び内側足首穿通枝4488を示している。
図44Iは、下肢静脈の解剖学的切開の下面図である。図44Iは、内側足底静脈4407、外側足底静脈4408(二重)、及び舟状骨穿通枝4422を示している。さらに、図44Iは、足底静脈の踵骨交差路4488、足底の叢状網4490、中足骨間隙の穿通枝4492、及び第5中足骨の穿通枝4494を示している。
図44Jは、下肢静脈の解剖学的切開の内側図である。図44Jは、内側足縁静脈4402、大伏在静脈4401、前脛骨静脈4468、及び第1中足骨間隙の穿通枝静脈4492を示している。さらに、図44Jは、前脛骨静脈4468と連通している足背穿通枝静脈4496、小果下穿通枝静脈4498、舟状骨穿通枝静脈4423、足背列弓4495、足背穿通枝静脈4497、及び母趾の背部静脈4499を示している。
足の深部静脈動脈化の特定の技術は、ペダル静脈のレベルでの動脈流入及び静脈ペダルアーチへの逆流を標的にすることができ、これは、第1の中足骨間腔穿通枝を通って前脛骨静脈への外側又は内側足底静脈の継続である。
図45は、ペダルアクセスに使用されることができるキット4500の例示的なコンポーネントを示している。キット4500は、止血帯4502と、超音波プローブ4504と、穿刺セット4506とを含む。止血帯4502は、空気圧止血帯4502aを含むことができる。止血帯4502は、エスマルヒ駆血帯4502bを含むことができる。キット4500は、様々なサイズを有する一連の止血帯4502(例えば、図45に示される)及び/又は様々なタイプの止血帯4502(例えば、図45に示される)を含むことができる。超音波プローブ4504は、標的ペダル血管の高精細静脈画像化に適切な超音波を含むことができる。キット4500は、超音波プローブ4504とともに使用するように構成された液体又はゲルを含むことができる。穿刺セット4506は、エコー源性針4508及びガイドワイヤ4510を含むことができる。針4508は、ガイドワイヤ4510の直径と互換性があり、ペダル静脈構造の深さ及び解剖学的制限に基づいて選択することができる。針4508は、血液の逆流を防ぐためにTuohy-Borstアダプタを取り付けることができる。ガイドワイヤ4510は、例えば、0.018インチとすることができる。穿刺セット4506は、拡大器(例えば、注射のためにサイドアーム内に取り付けられた2.9Frの内部拡大器)を含むことができる。キット4500は、複数の記載されたコンポーネント、追加のコンポーネントを含むことができ、及び/又は記載されたコンポーネントのうちの1つ以上を欠くことができる。キットのコンポーネントの一部又は全ては無菌とすることができる。例えば、超音波プローブ4504は、滅菌バッグによって覆われもよいが、使用される穿刺セット4506は、滅菌する必要がある。
例えばキット4500を使用する例示的な処置は、足の表面上で超音波プローブ4504を使用して、針4508で穿刺器をガイドすることを含む。次に、ガイドワイヤ4510が針4508を通して挿入される。いくつかの実施形態では、必要に応じて注射用のサイドアームを含む拡大器4512を、必要に応じてガイドワイヤ4510上で追跡することができる。次に、ガイドワイヤ4510が取り外される。造影剤は、拡大器4512に注入される(例えば、オプションのサイドアームを介して)。造影剤の量は、例えば、約5mL~約50mLとすることができる(例えば、約5mL、約10mL、約15mL、約20mL、約25mL、約30mL、約35mL、約40mL、約45mL、約50mL、これらの値の間の範囲など)。造影剤は、溶液、例えば、約50%の造影剤及び約50%の生理食塩水とすることができる。造影剤は、足の上部、足の底部、足首に向かって延出する静脈に広がり、足の静脈血管系のロードマップを提供する。次に、同じ又は異なるガイドワイヤ4510を拡大器4512に挿入し、既知の全ての静脈に基づいてユーザーが選択した静脈の解剖学的構造にナビゲートすることができる。
いくつかの例では、対象を逆トレンデレンブルグ体位に設定することができ、頭を足より上に、例えば、約30度~約45度高くする。例えば、足の静脈の全ての画像/経路を含む大きな(例えば、最大)フレームサイズを選択する蛍光透視法(例えば、デジタルサブトラクション画像化(DSI))を使用して、処置の態様を視覚化することができる。
第1の止血帯は、膝上方に配置することができ、第2の止血帯は、対象の脚の足首上方に配置することができる。第1の止血帯は、膝の下の静脈の拡張に少なくとも部分的に寄与することができる。第2の止血帯は、足首の下の静脈の拡張に少なくとも部分的に寄与することができる。第1の止血帯は、第2の止血帯と同じタイプ及び/又はサイズにすることができる(例えば、双方とも空気圧式止血帯、双方ともエスマルヒ駆血帯など)。第1の止血帯は、サイズ及び/又はタイプが第2の止血帯と異なっていてもよい(例えば、一方は空気圧止血帯で、他方はエスマルヒ止血帯である、双方とも異なるサイズの空気圧止血帯であるなど)。第2の止血帯は、造影剤が表在静脈に入るのを阻止し、造影剤を深部静脈に押し込むことができる。
いくつかの実施形態では、中足静脈4434、背側又は足底を、造影剤の注入に使用することができる。対象の静脈を指で触診又は軽くたたくと、静脈拡大の成功率を向上させることができる。中足静脈4434が正常にカニューレ挿入されると、その足首の周りの第2の止血帯がきつくなるか、きつく保たれる必要がある。対象は、テーブル上で平坦にすることができる(例えば、元々逆トレンデレンブルグ体位であった場合)。造影剤は、中足静脈4610から静脈血管系に注入することができる(例えば、上行静脈造影処置のために)。造影剤は、大伏在静脈から足に向かって静脈血管系に注入することができる(例えば、下行静脈造影処置の場合)。止血帯の一方又は双方は、造影剤が表在静脈に入るのを阻止し、造影剤を深部静脈に押し込むことができる。前後(AP)及び側面のビューは、蛍光透視法下で撮ることができる。
非イオン造影剤を使用することができる。造影剤は、使いやすさのために温めてもよいが、体温よりも高く温めないことが好ましい。造影剤は、50/50の混合物又は希釈を含むことができる。例えば、造影剤は、15mLの生理食塩水で希釈された約15mLの造影剤を含むことができる。造影剤は、約5mL~約50mLの総容量注入を含むことができる(例えば、約5mL、約10mL、約15mL、約20mL、約25mL、約30mL、約35mL、約40mL、約45mL、約50mL、これらの値の間の範囲など)。ペダルアクセスに使用される可能性のある足の静脈の全て又は実質的に全ては、この量の造影剤によってマッピングすることができる。対象に基づいて多かれ少なかれ造影剤を使用することができる(例えば、大きな対象には多く、小さな対象や部分的な足のある対象には少なく)。足首の周りの第2の止血帯は、足の静脈をマッピングした後に取り外され、膝上方の第1の止血帯を所定の位置に維持することができる。
注入部位は、対象の足の軟組織への造影剤の血管外漏出の可能性について継続的に監視することができる。造影剤の血管外漏出が検出された場合、ユーザーは、アクセス部位に僅かな圧力を加えて血管外漏出を減速/停止し、監視を続けることができる。
閉塞部が前脛骨動脈にある場合、ペダルアクセスは、前脛骨静脈を標的にすることができる。止血帯は、最初に足首上方に配置される(例えば、静脈を拡張するため)。超音波によってガイドされて、(脚に向かって)上行する静脈アクセスは、背側第1中足静脈4610(内側静脈と位置合わせしている)の針で得ることができる。例えば、21ゲージの針が0.018インチのガイドワイヤに対応することができる。非外傷性ガイドワイヤ(例えば、J字型の先端を有する)は、第1中足静脈4610内に前進することができる。ガイドワイヤが第1中足静脈4610に入ると、針を取り外して、カニューレを残すか、又は内部拡大器を挿入することができる。次に、第1の中足静脈4610を、ヘパリン化生理食塩水でサイドアームを通して洗い流すことができる。カニューレが第1の中足静脈に適切に配置されていない場合、皮膚は、生理食塩水で水疱を形成する。ポジショニングをチェックする別の方法は、少量の造影媒体を注入することである(例えば、造影剤が静脈を流れる場合、造影剤が静脈の周りに溜まる場合)。ポジショニングをチェックする別の方法は、血液が出てくるかどうかを確認するために吸引することである。好ましくは、大量の造影媒体を注入する前に、カニューレが静脈内に適切に配置されていることを確認するために、少なくとも1つのチェックが実行される。背側及び足底静脈造影は、造影媒体(例えば、約5mL~約50mL)の注入で実施することができる。静脈造影図を使用して標的脛骨静脈を選択し、ガイドワイヤを標的脛骨静脈まで前進させる。ガイドワイヤが標的脛骨静脈に入ると、止血帯を取り外すことができる。次に、ガイドワイヤを使用して、標的脛骨静脈を通して装置(例えば、瘻孔を形成するための標的カテーテル)を追跡することができる。
前脛骨動脈よりも一般的である後脛骨動脈に閉塞がある場合、ペダルアクセスは、外側足底静脈を標的にすることができる。止血帯は、最初に足首上方に配置される(例えば、静脈を拡張するため)。超音波によってガイドされて、(足に向かって)上行する静脈アクセスは、背側内側足縁静脈4402(つま先に向かって)の針で得ることができる。例えば、21ゲージの針が0.018インチのガイドワイヤに対応することができる。非外傷性の第1のガイドワイヤ(例えば、J字型の先端を有する)は、第1の中足静脈に前進することができる。第1のガイドワイヤが第1の中足静脈に入ると、針を取り外してカニューレを残すか、内部拡大器を挿入することができる。次に、背側内側足縁静脈4402を、ヘパリン化生理食塩水でサイドアームを通して洗い流すことができる。カニューレが背側内側足縁静脈4402に適切に配置されていない場合、皮膚は、生理食塩水で水疱を形成する。ポジショニングをチェックする別の方法は、少量の造影媒体を注入して何が起こるかを確認することである(例えば、造影剤が静脈を流れる場合、造影剤が静脈の周りに溜まる場合)。位置を確認する別の方法は、血液が出てくるかどうかを確認するために流体を吸引することである。好ましくは、大量の造影媒体を注入する前に、カニューレが静脈内に適切に配置されていることを確認するために、少なくとも1つのチェックが実行される。背側及び足底静脈造影は、造影媒体(例えば、約5mL~約50mL)の注入で実施することができる。
閉塞部は後脛骨動脈にあるため、本明細書に記載の方法は、酸素化された血液を後脛骨動脈から後脛骨静脈に迂回させることができる。2つの外側足底静脈のうち大きい方が静脈造影を使用して選択され、第1のガイドワイヤが交点又は少なくとも足首上方まで前進する。再び皮膚の超音波ガイダンスを使用して、足底静脈を足の底部から調査して、第1のガイドワイヤの位置を確認することができる。
第2のアクセスは、第1のガイドワイヤが入った外側足底静脈に針を入れて、足底弓のできるだけ遠位に行う必要がある。例えば、21ゲージの針が0.018インチのガイドワイヤに対応することができる。非外傷性の第2のガイドワイヤ(例えば、J字型の先端を有する)は、外側足底静脈に、次に後脛骨静脈に、そして交点まで前進することができる。2回目のアクセスが行われると、第1のガイドワイヤを取り外すことができる。いくつかの例では、第2のアクセスポイントが選択されると、第1のガイドワイヤを取り外すことができる。第2のガイドワイヤが標的後脛骨静脈に入ると、足首止血帯を取り外すことができる。次に、第2のガイドワイヤを使用して、標的後脛骨静脈を通して装置(例えば、瘻孔を形成するための標的カテーテル)を追跡することができる。ユーザーが第1のガイドワイヤを足の上部から後脛骨静脈に前進させようとすると、第1のガイドワイヤは、弱い位置にあり、組織を引き裂く可能性がある。第2のガイドワイヤは、静脈が大きい足の底部にあり、より堅牢なアクセスを提供する。
上行静脈造影、背側又は足底の処置を実行するための例示的な処置が、図44A~図44Fに記載されている解剖学的構造及び図45のキット4500を参照して、図46A~図46Hに記載されている。
図46Aでは、止血帯4602が足首上方に配置されて、足の静脈圧を増加させている。図46Bでは、大伏在静脈4401が配置されている。いくつかの例では、脛骨の下端によって形成される足首の内側の隆起である内側くるぶし4604を使用して、大伏在静脈4401を見つけるのを助けることができる。図46Cでは、大伏在静脈4401がつま先に向かって追跡されている。大伏在静脈4401は、内側足縁静脈4402に通じている。大伏在静脈4401と内側足縁静脈4402との間の交点は、図46Dにおいて赤いXでマークされた第1のアクセス部位4606の位置である。図46Eに概略的に示されているように、例えばユーザーの指で内側足縁静脈4402を軽くたたくと、血管拡大を増加させることができる。図46Eは、依然として第1のアクセス部位4606を示している。
図46Fでは、第1の針4608が、アクセス部位4606で使用されて、つま先に向かって内側足縁静脈4402にアクセスする。いくつかの例では、第1の針4608は、21ゲージの針を含むことができる。一定量の造影流体が第1の針4608を通して注入される。いくつかの例では、造影流体は、生理食塩水で希釈された造影剤を含む。いくつかの例では、量は、約5mL~約50mLを含む(例えば、約5mL、約10mL、約15mL、約20mL、約25mL、約30mL、約35mL、約40mL、約45mL、約50mL、これらの値の間の範囲など)。造影剤は、第2の評価部位を特定するためのロードマップ静脈造影を提供する。
図46Gでは、第1の中足骨穿通枝4406は、足の底部の足底静脈を足の上部の背静脈に接続している。図46Hでは、第2の針4609が、第1の中足骨穿通枝4406に近接する第2のアクセス部位4610で使用されて、第5趾に向かって外側足底静脈4408にアクセスする。いくつかの例では、第2の針4609は、21ゲージの針を含むことができる。図46Iでは、ガイドワイヤ4612を使用して、例えば、ガイドワイヤ4612の先端が脱出した状態で、外側足底静脈4408にアクセスする。いくつかの例では、ガイドワイヤ4612は、18ゲージのガイドワイヤを含むことができる。18ゲージのガイドワイヤ4612は、21ゲージの針の管腔に適合することができる。図46Jでは、ガイドワイヤ4612は、外側足底静脈4408を通って後脛骨静脈4438内に前進する。
止血帯4602は、取り外すことができる。いくつかの例では、止血帯4602又は別の止血帯を膝上方に配置することができる。超音波ガイド下で、図46Kに示されるように、ガイドワイヤ4612をその中に含む脛骨静脈4614を、脛骨アクセスシースの配置のために選択することができる。いくつかの例では、脛骨アクセスシースは、5Frシースを含む。ガイドワイヤ4612は、例えば本明細書に記載されるように、静脈標的化処置に使用することができる。ガイドワイヤ4612は、本明細書に記載されるように、瘻孔形成(例えば、標的カテーテル、発射カテーテル)、プロテーゼの配置、弁の無効化、血管の裏打ちなどのオーバーザワイヤ処置に使用することができる。本明細書に記載のペダルアクセス処置は、有利には、足血管へのより多くのアクセスを提供することができる独特のアクセスポイントを提供することができ、これは、処置におけるより多くの柔軟性及び/又は血管に影響を与えるためのより多くのアクセスを提供することができる。
いくつかの例では、方法は、再突入カテーテル(例えば、Cordisから入手可能なOutback)をペダル静脈に挿入して脛骨静脈にアクセスすることと、スネア装置を動脈血管系に挿入することと、脛骨静脈に隣接する脛骨動脈までスネア装置を追跡することと、再突入カテーテルの針を脛骨静脈から脛骨動脈のスネアに向かって前進させることと、針を通してワイヤを前進させることと、ワイヤをスネアすることと、スネアを動脈血管系から後退させることとを含む。ワイヤは、例えば本明細書に記載されるように、例えば、瘻孔を作成するために、プロテーゼ又は複数のプロテーゼを配置するために、弁を無効にするために使用することができる。
本出願は、第1の血管から第2の血管へと瘻孔を通って前進したガイドワイヤがスネアによって捕捉されるいくつかの例について議論している。いくつかの例では、ガイドワイヤがスネアによって血管を通して引っ張られた後、弁膜切開刀(例えば、逆行の弁膜切開刀又は双方向弁膜切開刀)がガイドワイヤ上を前進する。いくつかの例では、弁膜切開刀又はカッティング装置は、カッティングスネアシステムのスネアと統合されるか、さもなければ組み込まれることができる。カッティングスネアシステムは、処置の全体的なステップ数の削減、装置交換の数の削減、処置時間の削減、弁膜切開刀の有効性の改善、処置コンポーネントの削減、商品の処置コストの改善などの利点、及び/又はその他の利点を提供することができる。
図47Aは、例示的なカッティングスネアシステム4700の一部の斜視図である。カッティングスネアシステム4700は、スネアメッシュ4702及びカッティングブレード4706を含む。スネアメッシュ4702は、ハイポチューブから切断されて、ガイドワイヤを受け入れることができるか又はそのように構成されたセル(例えば、スネアされるガイドワイヤの直径よりも大きい面積を有する)及びガイドワイヤを捕捉することができるか又はそのように構成されたストラットを形成することができる。カッティングスネアシステム4700は、ガイドワイヤを介して(例えば、外側シースを用いて)追跡することができるか、又はカテーテル(例えば、外側シースとして機能するカテーテル)の管腔を通して追跡することができる。
図示のカッティングスネアシステム4700は、周方向に約90°間隔で配置された4つのカッティングブレード4706を含む。他の量のブレード4706も可能である。例えば、カッティングスネアシステム4700は、1つから8つのカッティングブレード4706を含むことができる(例えば、1つのブレード、2つのブレード、3つのブレード、4つのブレード、5つのブレード、6つのブレード、7つのブレード、8つのブレード、及びこれらの値の間の範囲)。8つ以上のカッティングブレード4706も可能である。いくつかの例では(例えば、図47Aに示されるように)、カッティングブレード4706は、長手方向に位置合わせすることができる。いくつかの例では、カッティングブレード4706は、長手方向にオフセットすることができる。いくつかの例では(例えば、図47Aに示されるように)、カッティングブレード4706は、周方向に等間隔に配置することができる(例えば、2つのブレードは、周方向に約180°間隔で配置することができ、3つのブレードは、周方向に約120°間隔で配置することができ、4つのブレードは、周方向に約90°間隔で配置することができ、5つのブレードは、周方向に約72°間隔で配置することができ、6つのブレードは、周方向に約60°間隔で配置することができ、7つのブレードは、周方向に約51°間隔で配置することができ、8つのブレードは、周方向に約45°間隔で配置することができるなど)。いくつかの例では、カッティングブレード4706は、周方向に不均一に分布していてもよい。
スネアメッシュ4702は、第1の外径を有し、カッティングブレード4706は、第2の外径を有する。いくつかの例では、第2の外径は、第1の外径よりも小さく、これにより、カッティングブレード4706が第2の血管の側壁を切断することなく、スネアメッシュ4702が第2の血管の側壁を並置することができる。第2の血管内の弁の切断が望まれる場合、弁は第2の血管内に延出し、カッティングブレード4706によって切断することができる。
カッティングスネアシステム4700は、拡張状態及び圧縮状態を有する。カッティングスネアシステム4700は、形状記憶(例えば、超弾性)材料(例えば、ニチノール、クロムコバルトなど)を含むことができる。カッティングスネアシステム4700は、ステンレス鋼を含むことができる。カッティングスネアシステム4700は、ポリマーを含むことができる。カッティングスネアシステム4700は、径方向内向きの力がない場合(例えば、シースから)、圧縮状態から拡張状態に向かって拡張するように構成することができる。いくつかの実施形態では、カッティングスネアシステム4700は、カッティングスネアシステム4700の別の部分(例えば、遠位端部又は近位端部)に対して、カッティングスネアシステム4700の一部(例えば、近位端部又は遠位端部)に長手方向の力を加えると拡張することができる。
スネアメッシュ4702は、例えば、本明細書の他の処置に関して説明されるように、ガイドワイヤを捕捉することができる。ガイドワイヤを捕捉することは、スネアメッシュ4702を圧縮状態に向かって径方向に圧縮することを含むことができる(例えば、カッティングスネアシステム4700の近位部分をシース内に捕捉することによって、長手方向の拡張力を逆転させることなどによって)。次に、カッティングスネアシステム4700は、矢印4707によって示されるように、近位に引っ張られる。カッティングスネアシステム4700が第2の血管を通して引っ張られると、カッティングブレード4706は、同じ動き又は物理的行為を使用して第2の血管の弁を切断することができる。いくつかの例では、カッティングスネアシステム4700は、切断を増加させるために、弁を横切って複数回操作されることができる。
図47Bi及び図47Biiは、別の例示的なカッティングスネアシステム4710の側面図である。カッティングスネアシステム4710は、直列のスネア構造4712及び弁膜切開刀構造4714を含む。スネア構造4712は、弁膜切開刀構造4714の近位にあることができる(例えば、図47Biに示されるように)。スネア構造4712は、弁膜切開刀構造4714の遠位にあることができる(例えば、図47Biに示されるように)。スネア構造4712は、モノリシックであっても、弁膜切開刀構造4714と一体的に形成されてもよい(例えば、図47Biに示されるように)。例えば、スネア構造4712及び弁膜切開刀構造4714は、同じハイポチューブからカットされてもよい。モノリシックスネア構造4712及び弁膜切開刀構造4714は、例えば、製造の複雑さを軽減し、スネア構造4712と弁膜切開刀構造4714との間の接合部に強度を提供することができるなどである。いくつかの実装では、スネア構造4712及び弁膜切開刀構造4714は、別々に形成されて一体に結合されてもよい。別々に形成されたスネア構造4712及び弁膜切開刀構造4714は、例えば、材料に柔軟性を提供し、製造方法に柔軟性を提供することができるなどである(例えば、異なるカッティング又は形状設定方法、スループットを高めるための独立した作製)。カッティングスネアシステム4710は、ガイドワイヤを介して(例えば、外側シース4718を用いて)追跡することができるか、又はカテーテル(例えば、外側シース4718として機能するカテーテル)の管腔を通して追跡することができる。スネア構造4712及び/又は弁膜切開刀構造4714は、本明細書に記載の他のスネア構造及び弁膜切開刀構造、例えば、ガイドワイヤ、カッティングブレード4716などを捕捉するように構成されたセル4713と同じ又は類似の特徴を有することができる。
いくつかの実装では、スネア構造4712は、弁を切断するために弁膜切開刀構造4714が近位に後退されたときに、弁膜切開刀構造4714を拡張したまま、外側シース4718に捕捉することができる。いくつかの実装では、スネア構造4712は、弁膜切開刀構造4714が近位に後退されて弁を切断するときに、少なくとも部分的に外側シース4718から外れることができる。いくつかの実装では、カッティングスネアシステム4710は、例えば、弁膜切開刀構造4714のみを拡張することによって(例えば、図47Biiに示されるように)、弁膜切開刀としてのみ使用することができる。
スネア構造4712は、第1の外径を有し、弁膜切開刀構造4714及び/又はブレード4716は、第2の外径を有する。いくつかの例では、第2の外径は、第1の外径よりも小さく、これにより、スネア構造4712は、カッティングブレード4716が第2の血管の側壁を切断することなく、第2の血管の側壁を並置することができる。第2の血管内の弁の切断が望まれる場合、弁は第2の血管内に延出し、カッティングブレード4716によって切断することができる。
図47Ci~図47Ciiiは、別の例示的なカッティングスネアシステム4720の側面図である。図47Civは、更に別の例示的なカッティングスネアシステム4721の側面図である。カッティングスネアシステム4720、4721は、直列になるように構成されたスネア構造4722及び弁膜切開刀構造4724を含む。弁膜切開刀構造4724は、スネア構造4722の内側に伸縮することができる(例えば、図47Ciに示されるように)。スネア構造4722は、弁膜切開刀構造4724の内側に伸縮することができる(例えば、図47Civに示されるように)。カッティングスネアシステム4720、4721は、ガイドワイヤを介して(例えば、外側シース4728を用いて)追跡することができるか、又はカテーテル(例えば、外側シース4728として機能するカテーテル)の管腔を通して追跡することができる。図47Ciiは、ガイドワイヤ上及び/又はカテーテルを通して追跡するために、外側シース4728によって被覆されたスネア構造4722及び弁膜切開刀構造4724を示している。スネア構造4722及び/又は弁膜切開刀構造4724は、本明細書に記載の他のスネア構造及び弁膜切開刀構造、例えば、ガイドワイヤ、カッティングブレード4726などを捕捉するように構成されたセル4723と同じ又は類似の特徴を有することができる。
いくつかの実装では、スネア構造4722は、弁膜切開刀構造4724が近位に後退されて弁を切断するときに、少なくとも部分的に外側シース4728から外れることができる。いくつかの実装では、カッティングスネアシステム4720、4721は、例えば、カッティングスネアシステム4720のために弁膜切開刀構造4724のみを拡張することによって(例えば、図47Ciiiに示されるように)、及び/又はカッティングスネアシステム4721のスネア構造4722を拡張しないことによって、弁膜切開刀としてのみ使用されることができる。
カッティングスネアシステム4720において、スネア構造4722は、第1の外径を有し、弁膜切開刀構造4724及び/又はブレード4726は、第2の外径を有する。いくつかの例では、第2の外径は、第1の外径よりも小さく、これにより、カッティングブレード4726が第2の血管の側壁を切断することなく、スネア構造4722が第2の血管の側壁を並置することができる。第2の血管内の弁の切断が望まれる場合、弁は第2の血管内に延出し、カッティングブレード4726によって切断することができる。
カッティングスネアシステム4721において、スネア構造4722は、第1の外径を有し、弁膜切開刀構造4724及び/又はブレード4726は、第2の外径を有する。いくつかの例では、第2の外径は、第1の外径よりも大きく、これにより、例えば、弁膜切開刀構造4728が外側シース4728内にあり、第2の血管の側壁を切断することができない場合、スネア構造4722が第2の血管の側壁を並置することができる。第2の血管内の弁の切断が望まれる場合、弁は第2の血管内に延出し、カッティングブレード4726によって切断することができる。第2の直径が第1の直径よりも大きいことにより、カッティングブレード4726は、より多くの弁を切断することができる。
図47Di~図47Dvは、更に別の例示的なカッティングスネアシステム4730の側面図である。カッティングスネアシステム4730は、図47Diに示されるスネア構造4732と、図47Diiに示される弁膜切開刀構造4734とを含む。スネア構造4732及び/又は弁膜切開刀構造4734は、本明細書に記載の他のスネア構造及び弁膜切開刀構造、例えば、ガイドワイヤ、カッティングブレード4736などを捕捉するように構成されたセル4733と同じ又は類似の特徴を有することができる。スネア構造4732及び/又は弁膜切開刀構造4734は、非外傷性の遠位先端、例えば先細りの鼻を含むことができる。
外側シース4738は、例えば、本明細書に記載の別の処置の後に、所定の位置に残すことができる。カッティングスネアシステム4730は、カッティングスネアシステム4730の外側シースとして機能するカテーテル4738の1つ又は複数の管腔を通して追跡することができる。図47Divは、外側シース4738の遠位端部から延出するスネア構造4732を示している。スネア構造4732は、例えば本明細書に記載されるように、ガイドワイヤをスネアすることができる。いくつかの実装では、スネア構造4732は、スネア構造4732及び捕捉されたガイドワイヤが、外側シース4738の近位端部から近位に後退され得るようなサイズにされる。図47Dvは、外側シース4738の遠位端部から延出する弁膜切開刀構造4734を示している。弁膜切開刀構造4732は、例えば本明細書に記載されるように、弁を切断するために方向4737において近位に後退することができる。
図47Ei~図47Eiiiは、更に別の例示的なカッティングスネアシステム4740の側面図である。図47Eivは、別の例示的なカッティングスネアシステム4741の側面図である。カッティングスネアシステム4740は、スネア構造4742と、スネア構造4742の径方向内側にある拡張可能部材4744とを含む。カッティングスネアシステム4740は、ガイドワイヤを介して(例えば、外側シース4748を用いて)追跡することができるか、又はカテーテル(例えば、外側シース4748として機能するカテーテル)の管腔を通して追跡することができる。
スネア構造4742は、本明細書に記載の他のスネア構造、例えば、ガイドワイヤなどを捕捉するように構成されたセル4743と同じ又は類似の特徴を有することができる。スネア構造4742は、非外傷性の遠位先端部、例えば先細りの鼻を含むことができる。拡張可能構造4744は、例えば、バルーン及び/又は複数の拡張可能なワイヤを含む。いくつかの実装では、拡張可能構造4744は、スネア構造4742に結合されている(例えば、図47Ei~47Eiiiに示されるように)。これは、例えば、以下に説明するように、切断力を加えるときにスネア構造4742と拡張可能構造4744との位置合わせを確実にするのに役立つことができる。いくつかの実装では、拡張可能構造4744は、スネア構造4742から分離されている(例えば、図47Eivに示されるように)。これは、例えば、スネア中のガイドワイヤのためのより多くのスペースを可能にし、様々なタイプの拡張可能部材(例えば、特定の血管用に選択された)の使用を可能にすることができる。
外側シース4748は、例えば、本明細書に記載の別の処置の後に、所定の位置に残すことができる。カッティングスネアシステム4740は、カッティングスネアシステム4740の外側シースとして機能するカテーテル4748の1つ又は複数の管腔を通して追跡することができる。図47Eiiは、外側シース4748の遠位端部から延出するスネア構造4742を示している。スネア構造4742は、例えば本明細書に記載されるように、ガイドワイヤをスネアすることができる。いくつかの実装では、スネア構造4742は、スネア構造4742及び捕捉されたガイドワイヤが、外側シース4748の近位端部から近位に後退され得るようなサイズにされる。カッティングスネアシステム4740が外側シース4748の近位端部から近位に後退した後、カッティングスネアシステム4740は、外側シース4748内(例えば、図47Eiiiに示されるように)及び/又はガイドワイヤ上に再挿入することができる。いくつかの実装では、別個のカッティングスネアシステム4740は、外側シース4748内及び/又はガイドワイヤ上に挿入することができる。
図47Eii及び図47Eiiiは、外側シース4748の遠位端部から延出するカッティングスネアシステム4740を示している。いくつかの実装では、カッティングスネアシステム4740は、弁を横切っている(例えば、静脈内)。図47Eiiでは、拡張可能構造4744は、スネア構造4742内で部分的に拡張されている(例えば、膨張している)。図47Eiiiでは、拡張可能構造4744が、矢印4747によって示されるように、スネア構造に径方向外向きの力を加えるまで、拡張可能構造4744は、スネア構造4742内で更に拡張(例えば、膨張)される。力は、スネア構造4742のストラット又はメッシュを弁尖に押し込むことができ、これは、弁尖を切断し、及び/又は弁を無効にすることができる。
拡張圧力の量は、切断機構(例えば、ブレード、ワイヤなど)の鋭さ又は攻撃性に関連することができる。拡張圧力は、約4気圧(約405kPa)~約20気圧(約2,026kPa)とすることができる(例えば、約4気圧(約405kPa)、7気圧(約709kPa)、10気圧(約1,013kPa)、15気圧(約1,520kPa)、20気圧(約2,026kPa)、これらの値の間の範囲など)。切断機構によっては、記載されている圧力よりも高い圧力と低い圧力が発生する可能性がある。
鋭くて攻撃的なカッティングブレードは、より低い圧力が有用であり得る。いくつかの例では、より攻撃的なブレードを備えた低圧バルーンは、周囲の血管組織への外傷を少なくしつつ、弁を切断するという利点を潜在的に有する。ブレードと弁の最初の接触では、力はブレードに局所化される。ブレードが鋭いほど、必要な力は少なくなる。バルーンが壁に係合するとき、より低い力が維持され、静脈への膨満を少なくする。
穏やかなカッティングワイヤの場合又はワイヤが全くない場合は、より高い圧力が有用であり得る。いくつかの例では、弁組織の機械的特性により、弁は従来のバルーンに対して非常に耐性がある。より高圧のバルーン(例えば、切断するかどうか)は、弁を打ち負かすために必要となる可能性のあるより多くの力を及ぼす可能性がある。カッティングバルーンのブレードは、切断を開始することができるが、バルーンは、これらの切断を更に伝播することができる。より大きな力は、切断のより大きな伝播を可能にし、より効果的に弁を無効にすることができる。
拡張可能部材4744は、収縮又は縮小することができ、カッティングスネアシステム4740は、例えば、第2の弁を横切って延出するように移動することができる。拡張可能構造4744は、第2の弁を無効にするために再び拡張(例えば、膨張)することができる。このプロセスは、無効にしようと所望する数の弁に対して繰り返すことができる。
図47Fi及び図47Fiiは、更に別の例示的なカッティングスネアシステム4750の側面図である。カッティングスネアシステム4750は、第1の状態及び/又は第2の状態でガイドワイヤをスネアし、第2の状態で弁を切断することができる構造4752を含む。図47Fiは、構造4752が一般に楕円形を有する、第1の状態の構造4752を示している。構造4752は、例えば本明細書に記載されるように、第1の状態でガイドワイヤをスネアすることができる。
図47Fiiは、構造4752が近位カッティング要素4754を含む、第2の状態の構造4752を示している。第2の状態の構造4752は、例えば、本明細書に記載されるように、弁を切断することができる。第2の状態の構造4752は、例えば本明細書に記載されるように、ガイドワイヤをスネアすることができる。特定の実装では、構造4752がスネアされたガイドワイヤによって近位に後退されている間、構造4752は、弁を切断することができる。いくつかの実装では、ガイドワイヤは、第1の状態で構造4752によってスネアされ、構造4752は、第2の状態で弁を切断するために再挿入され得る。
いくつかの実装では、構造4752は、構造4752に長手方向の力4755を加えることによって、例えば、構造4752の近位端部に対して構造の遠位端部を近位に後退させることによって、第1の状態から第2の状態に変化することができる。他の力も可能である。例えば、ねじり力又はトルクをかける力、温度によって誘発されるマルテンサイトの使用などである。
図47Gi~図47Giiiは、更に別の例示的なカッティングスネアシステム4760の側面図である。スネアカッティングシステム4760は、例えば、図47Civのカッティングスネアシステム4721に示されるように、直列のスネア構造4762及び弁膜切開刀構造4764を含むことができる。スネア構造4762及び/又は弁膜切開刀構造4764は、本明細書に記載の他のスネア構造及び弁膜切開刀構造、例えば、ガイドワイヤ、カッティングブレードなどを捕捉するように構成されたセルと同じ又は類似の特徴を有することができる。
図47Giでは、スネア構造4762及び弁膜切開刀構造4764は、外側シース4768の内側で圧潰されている。図47Giでは、スネア構造4762は、外側シース4768に対して遠位に前進している。スネア構造4762は、例えば本明細書に記載されるように、ガイドワイヤをスネアすることができる。
スネアカッティングシステム4760は、複数の細長開口4765を含む外側シース4768を含む。図47Giiでは、弁膜切開刀構造4764が開口4765を通して見える。図47Giiiでは、弁膜切開刀構造4764は、図47Giiiに示されるように、弁膜切開刀構造4764のストラットが、外側シース4768の遠位端部に近位の外側シース4768の中間部分から横方向に延出することができるように、外側シース4768に対して回転している。弁膜切開刀構造4764は、例えば本明細書に記載されるように、弁を無効にするために方向4767において近位に後退することができる。
本明細書に記載の処置は、一般に、血液を第1の空洞(例えば、閉塞動脈)から第2の空洞(例えば、外側足底静脈)に迂回させる。状況によっては、ユーザーは、外側足底静脈とは異なる第2の空洞に血液を迂回させたい場合がある。例えば、外側足底静脈は、(例えば、以前の外科的バイパス処置のための使用に起因して)穿通されていてもよく、(例えば、血栓症及び/又は狭窄に起因して)閉塞されていてもよく、第1の空洞から遠すぎてもよいなどである。血液は、一般に、利用可能な戻り経路に沿って高圧から低圧に流れるため、血液は、特定の制限された領域を迂回することができるが、血液は、好ましくは四肢を通過する及び/又は四肢に滞留する。本明細書に記載の処置は、複数の血管を通る逆行性血流を提供することを含むことができる。
末梢動脈系の閉塞及び狭窄は、酸素化血液が手足などの遠位肢/四肢に到達するのを阻害又は防止する可能性がある。末梢動脈血流の減少は、これらの領域の創傷を治癒する身体の能力を妨げる可能性があり、最終的には四肢の部分的又は完全な切断をもたらすことがある。例えば本明細書に記載の静脈系の動脈化は、酸素化(通常は動脈)血液が遠位肢に到達して創傷を治癒し、切断のリスクを低減することを可能にすることができる。図48Aは、静脈動脈化処置後の足の例示的な画像を示している。足の主要な血管の周りを流れる血液を見ることができる。逆行性動脈血流を用いて静脈回路を単に確立するだけでは、創傷治癒を推進するのに十分ではない場合がある。
逆行性回路の品質/性能は、例えば創傷が典型的に存在する四肢の最も遠位の領域(例えば前足、つま先、踵)への酸素化動脈血の灌流を達成する能力を含む重要な考慮事項であり得る。血流の遠位を達成することは、典型的には、創傷治癒のために必要とされる。堅牢な流れを有する回路が確立されている場合、例えば、血液は、「最も抵抗の小さい経路」を介して戻る傾向があるため、流れは、最も遠位の血管に到達することができない場合がある。制御されて計画された方法において「高品質」逆行性静脈回路を確立することを可能にする方法及び装置は、遠位肢の適切な灌流を可能にして創傷をより効果的に治癒し、切断のリスクをさらに低減することができる。肢は、腕を含むことができ、遠位肢は、手及び/又は指を含むことができる。
逆行性静脈動脈化における灌流は、例えば、血流量、流量、圧力、解剖学的構造、組織/血液の物理的特性(例えば、粘度など)、及び/又は回路の物理的形状(例えば、流入及び流出経路の数、血管のサイズ/口径など)の複雑な機能である。単一又は複数の変数の変更は、1つ以上の他の変数に影響を及ぼすことがあり、これは、標的創傷に血液を適切に灌流する回路の能力を増加又は減少させることがある。
逆行性静脈回路に灌流を引き起こす例示的な方法は、心臓への静脈戻りに簡単に「シャント」して戻す血液の能力を低下させることによって回路内の圧力を増加させることである。例えば、特定の「血液スチール」流出静脈(例えば、側枝)の塞栓術は、これらの戻り静脈を閉鎖することができる。逆行性血液は、低圧(低抵抗)戻り経路を迅速に見つけることができないため、創傷が生じる四肢表面付近の組織への供給に関与する小血管内に遠位に移動することを強いられる。所与の流量では、流出血管の数を減らすことは、一般に回路内の圧力を増加させ、遠位灌流の可能性を高める。同様の効果は、被覆グラフト、分流ステントなどによって達成されることができる。遠位灌流の改善は、側枝形成及び/又は新生血管形成を増強することができ、これは、例えば長期において、遠位灌流をさらに改善することができる。
図48Bは、静脈動脈化処置後の足の別の例示的な画像を示している。図48Aと比較して、より多くの血管に血液が流れているのが分かる。より多くの血管、特に足のような四肢への血流は、創傷治癒を助け、切断のリスクを低減することができる。本明細書に記載の特定の方法は、深部静脈及び表在静脈を含む全ての静脈の全ての回路において血流を達成することができる。逆行性流は、例えば大腿骨系と同じ高さの任意の末梢動脈で始まり、脛骨系全体にわたって続き、足の遠位に続くことができる。例えば、逆行性流によって主張されることができる静脈は、それらの冗長静脈(例えば、後脛骨静脈、前脛骨静脈、大伏在静脈、小伏在静脈)、大静脈の遠位の静脈及びそれらの冗長静脈(例えば、外側足底静脈、外側足縁静脈、内側足底静脈、内側足縁静脈、腓骨静脈、足の足背列弓、母趾の背部静脈)、ならびに足の上部及び下部静脈網を接続する穿通枝静脈及びそれらの冗長静脈(例えば、内側足穿通枝(顎下部、舟状骨/舟状骨、楔状骨)、外側足穿通枝(腱間、腱下)、及び踵骨足穿通枝)を含む大静脈を含むことができる。いくつかの実施態様では、血液は、これらの静脈の一部、大部分、又は全てに流れることができる。
図49は、複数の静脈に血流を提供する例示的な方法を示している。当初の処置では、閉塞した後脛骨動脈からの血液は、(例えば、本明細書に記載されるように)瘻孔プロテーゼを通して内側足底静脈4407に迂回された。血液は、内側足底静脈4407から前脛骨静脈4468に流れることができた。第1の処置の数週間後の第2の処置では、(例えば、そうでなければそれらの間の流れを阻害又は防止する弁を無効にすることによって)内側足底静脈4407から外側足底静脈4408までループ4800が確立された。外側足底静脈4408は、その中の閉塞の下流でアクセスされた。ステントが外側足底静脈の瘻孔の下流に配置されたが、ステントは、この目的のために逆行性流回路の任意の血管に配置されることができる。
ステントは、血管を開いたままにし、開存性を維持した。ステントは、例えば、開いた弁を支えることによって、足の深部の流れを維持するのを助けるようにプロテーゼの逆行性流を可能にするために血管内の弁を開いたままにした。ステントは、パクリタキセル溶出ステント(Boston Scientificから入手可能なELUVIA(商標))であったが、他の薬物溶出ステント、ベアメタルステント(例えば、Abbott Vascularから入手可能なSUPERA(登録商標))、ステントグラフト、ポリマーステントなども使用されることができる。好ましくは、ステントは、動的足首屈曲部に対処することができる。ステントは、任意に、(例えば、分流装置などのような低い多孔度を有する、グラフトを含むことによって)分岐血管との間の側壁を通る灌流を阻害又は防止する。ステントは小さくてもよい(例えば、5Fr、4Fr、3Fr、又はさらに小さい(例えば、3Frもしくは4Frの織りステント又は4Frもしくは5Frのレーザーカットステント))。ステントの直径は、例えば、約2mm~約6mm(例えば、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、そのような直径の間の範囲など)とすることができる。
ループ4800の両側に血管を含む内側足底静脈4407と外側足底静脈4408との組み合わせにおける逆行性流は、内側足底静脈のみ又は外側足底静脈のみによる回路が単独で達成することができるよりも、弓及び遠位足部のより大きな灌流をもたらしたが、これは、血液が側副網を通って遠位に流れることを強いられたためである。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、血液は、より大きな静脈ではなく側副網を介して心臓に強制的に戻されたと考えられる。いくつかの実施態様では、外側足底静脈4408は、当初の処置において、又は6週間よりも短いもしくは長い期間の後にアクセスされることができた。いくつかの実施態様では、複数の静脈に逆行性流を引き起こすために、複数の瘻孔が形成されてもよい(例えば、本明細書に記載の処置を用いて)。好ましくは、複数の静脈は、足背静脈弓4454の各側に1つの静脈を含む。
いくつかの実施態様では、逆行性酸素化血流は、(例えば、本明細書に記載されるように)静脈動脈化を介して1つ以上の静脈回路で確立されている。さらなる方法が使用され、足の特定の領域に流れをさらに導いて灌流を増加させることができる。
いくつかの方法は、例えば本明細書に記載の技術を使用して、足(例えば、足首の上とは対照的に)の第1の血管(例えば、動脈)と第2の血管(例えば、静脈)との間に瘻孔を形成することを含むことができる。静脈系では、複数の血管が血液を心臓に送り返す。この系は、膨大な冗長性、多くの相互接続、分岐、及び合流を含む。静脈系は、高圧動脈系とは対照的に、「低圧」系である。動脈血流によって静脈系を加圧すると、血液は、(例えば、流れを遮断する弁がない低圧戻り部に接続された流出血管に対して)最小抵抗の経路をとる。これらの戻り血管の多くは、遠位の肢又は四肢の所望の血液経路の近位にあり、したがって、意図された標的から血液を「スチールする」。これらの血管の1つ、いくつか、又は全てを終結させることによって、流れが方向付けられることができ、及び/又は圧力が増加されて、制御された方法で遠位灌流を増加させるのを助けることができる。
いくつかの方法は、静脈系の流出を制限及び/又は調整することを含むことができる(例えば、血管のスチール又は血液のシャントの制限)。例えば、ステント又はステントグラフトは、血管を通り過ぎて血液を送ることができる。別の例では、(例えば、コイル、ミクロスフェア、液体塞栓、レーザーなどを介して)二分枝静脈又は側枝が塞栓されることができる。図50は、酸素化血流の方向を示す矢印5004によって注釈が付けられているように、塞栓コイル5002を使用して血管スチールを防止し、血液を遠位に向け直す方法を示している。
いくつかの方法は、逆行性酸素化血液を単一の標的静脈の代わりに複数の標的静脈に物理的に向けることを含むことができる(例えば、図49に関して上述したように)。例えば、複数の静脈において(例えば、弁切開器、バルーン、ステントなどを使用して)弁が無効にされることができる。本明細書に記載の遠位ペダルアクセスは、無効にされる弁を含む所望の静脈の全てへのアクセスを提供することによって、そのような無効化を助けることができる。本明細書に記載されるような弁切開器は、遠位前進中及び/又は前進もしくは後退中にアブレーションを可能にすることによって、そのような無効化を助けることができる。別の例では、例えば本明細書に記載の方法を使用して、2つ以上の動脈から2つ以上の静脈に酸素化血液の流れを誘導するために、複数の静脈の動脈化が実行されることができる。別の例では、静脈系内の圧力の増加は、弁の抵抗を克服することができ、これは、圧力の増加が肢遠位部(例えば、足、手、つま先、指)まで延在する静脈内で起こるときに灌流を助けることができる。
いくつかの方法は、例えば血液が遠位以外に行くところがないため、静脈流出を制限することによって足の血圧を上昇させるために外圧(例えば、カフ、止血帯、ラップ)を印加することを含むことができる。圧力印加は、連続的又は断続的とすることができる。これらの方法の組み合わせが可能であり、他の方法も可能である。
本明細書に記載の特定の瘻孔プロテーゼは、第1の血管から第2の血管に流体の100%又は全てを導くように構成される。そのような構成は、閉塞の下流のいずれかが既に閉塞されている可能性が高いため、例えば、プロテーゼが閉塞に近接して配置されている慢性完全閉塞を有する動脈の処置に最も適することができる。状況によっては、動脈は完全に閉塞されておらず、少なくとも部分的に開かれることができ、処置は、閉塞の十分上流にプロテーゼを配置することを含み、その結果、依然としていくらかの利益を提供している健常な分岐動脈は、血液が不足しているか、又は「留置されている」可能性があり、及び/又は「血管スチール」は、他の血管への流れを減少させる。上流への配置は、(例えば、石灰化、流入の低下及び/又は不足などに起因して)交差することが困難である疾患動脈又は石灰化動脈及び/又はステントの結果とすることができる。流体は、高圧から低圧に移動するため、高圧動脈が低圧静脈に接続されると、血液は、静脈に流れる傾向があり、他の動脈(例えば、腓骨動脈)に流れる血液の量を損なうか又は「スチールする」可能性がある。他の動脈の血流の減少は、血液が奪われた血管によって供給される解剖学的構造に虚血及び/又は疼痛を引き起こす可能性がある。
少なくとも一部の血液が第1の血管内を流れ続けることを可能にすること、又は遠位動脈の流れを保存することは、1つ以上の利点を提供することができる。例えば、プロテーゼを閉塞の上流に意図的に配置することは、第1の血管内の交差及びステント留置が、第1の血管のより健常な部分(例えば、石灰化がほとんど又は全くない、良好な流入など)及び/又は第2の血管内への交差がより容易であり得る第1の血管の部分にあることを可能にすることができる。配置位置の自由度は、ユーザーに大きな柔軟性を提供することができる。別の例では、血液は、下流の分岐血管に流れ続けることができ、それらの分岐血管の利益を維持するなど、既存の動脈網を維持することができる。さらに別の例では、血液が動脈系内を流れ続けることができるため、血管スチールが阻害又は防止されることができる。虚血及び/又はスチールされた血液に起因する痛みが回避されることができる。別の例では、介入処置(例えば、プレーン、薬物溶出及び/又はスコアリング血管形成術、アテローム切除術、PTAなど)がプロテーゼの下流で、及び/又は処置と併せて行われることができ、より伝統的な処置を伴う補助療法として経皮的交差がさらに使用されることを可能にする。静脈動脈化は、より大きなクラスの被験者に対して行われることができる。例えば、ラザフォードクラス5又は6の患者は、典型的には重症虚血肢又は慢性完全閉塞を有するが、ラザフォードクラス3又は4(又はそれ以下)の患者は、動脈を部分的にのみ閉塞する末梢動脈疾患又は跛行を有することがある。他のいわゆる開窓ステントグラフト、例えば追加のステントグラフトを接続して人工分枝動脈を例えば腎臓に形成するための特定の切り欠きを有する下行大動脈ステントグラフト、又は血液を頭部又は腕に運ぶ血管への灌流を可能にするための特定の切り欠きを有する大動脈ステントグラフトとは対照的に、本明細書に記載の開窓ステントグラフトの窓は、灌流が遠位親まで続くことを可能にし、開窓ステントグラフトの主管腔を通って流れる血液は、親とは異なる第2の血管に迂回される。
図51Aは、第1の血管5101から第2の血管5102へ、第1の血管5101を通る流体の流れを提供する例示的な装置5100の部分断面図である。第1の血管5101は、少なくとも部分的に閉塞されている。第1の血管5101は、動脈(例えば、脛骨動脈などの末梢動脈)を含んでもよく、第2の血管5102は、静脈(例えば、脛骨静脈などの末梢静脈)を含んでもよい。装置5100は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。
装置5100は、第1の区画5104と、第2の区画5106とを備える。第1の区画5104は、第2の区画5106に概ね当接するか又は部分的に重なる。装置5100は、第1の区画5104と第2の区画5106との間の移行部5105を示す放射線不透過性マーカー5107を備えてもよい。マーカー5107は、例えば、スエージ加工、電気めっき、ねじ付きワイヤ、バンド、支柱パターンの変更、セル構造の変更などであってもよい。
第1の区画5104は、ステント構造5108を備える。ステント構造5108は、織られた及び/又は編まれたワイヤ、カット支柱、それらの組み合わせなどを備えることができる。第1の区画5104は、矢印5112によって示されるように、血液がステント構造5108の近位端に流入してステント構造5108に入り、次いでステント構造5108の内側からステント構造5108の外側に、そして第1の血管5101の下流に流れることを可能にする細孔又は開口部5103を含む。ステント構造5108は、第1の血管5101内に第1の区画5104を固定するように構成される。第1の区画5104は、例えば第1の区画5104の近位端に放射線不透過性マーカーを備えてもよい。装置5100は、第1の区画5104の近位に追加の区画を備えてもよい。
第2の区画5106は、ステント構造5108と、被覆又はグラフト5109とを備える。ステント構造5108は、第1の区画5104と第2の区画5106との間、及び/又は第1の区画5104及び/又は第2の区画5106内で同じであっても異なっていてもよい(例えば、異なる(例えば、セル構造、密度、多孔度、材料、直径、厚さ、及び/又は長さなどの寸法)少なくとも1つのパラメーターを有するなど)。第2の区画5106は、第1の区画5104と一体又はモノリシックであってもよい。第2の区画5106のグラフト5109は、矢印5110によって示されるように、第1の血管5101から第2の血管5102への流体流路を提供するように構成される。血液は、本明細書に記載されるように第2の血管5102を通って流れることができる。グラフト5109は、好ましくは、内側から外側への血流を可能にするように構成された細孔を含まない。ステント構造5108は、第1の区画5106を第2の血管5102内に固定するように構成される。第2の区画5106は、例えば第2の区画5106の遠位端に、放射線不透過性マーカーを備えてもよい。装置5100は、第2の区画5106の遠位に追加の区画を備えてもよい。グラフト5109の近位端は、装置5100の長手方向軸に対してほぼ垂直であってもよく、これは、容易な製造及び/又は展開を提供することができる(例えば、回転方向は重要ではないため)。グラフト5109の近位縁は、パターン、例えば、直線状、角度付き、スカラップ状、偏心などを含むことができる。
図51Bは、第1の血管5101から第2の血管5102へ、第1の血管5101を通る流体の流れを提供する別の例示的な装置5120の側面図である。装置5120は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5120は、装置5100の特徴のいくつか(例えば、第1の区画5124、第2の区画5126、ステント構造5128、グラフト5129など)を共有することができる。装置5120の移行部5125は、装置5120の長手方向軸に対してほぼ垂直ではないが、角度αである。角度αは、(例えば、図51Bに示すように)側壁に対して測定されてもよく、これは、角度αの両側を形成する固体材料があるため、容易な測定とすることができる。角度αは、装置5120を通って延在する人工的な長手方向軸に対して測定されてもよく、これは、装置5120の側壁が移行部5125において先細状である場合に容易な測定とすることができる。角度αは、例えば、約10°~約70°(例えば、約10°、約20°、約30°、約40°、約50°、約60°、約70°、そのような値の間の範囲など)であってもよい。例えば、第2の血管5102が第1の血管5101に近いか、又は第1の血管5101から遠いことを示す場合、より高い角度α及びより低い角度αも可能である。傾斜した移行部5125は、矢印5112によって示されるように、第1の血管5101が閉塞される量が少ないため、第1の血管5101を通る流れをより良好に継続させることができる。装置5120を展開することは、例えば図51Bに示す向きに装置5120を回転させて配向することを含むことができる。装置5120は、例えば、グラフト5129の材料が一般に放射線透過性であり得るため、移行部5125の最近位点に第1の放射線不透過性マーカー5127aを備え、移行部5125の最遠位点に第2の放射線不透過性マーカー5127bを備えてもよい。
図51Cは、第1の血管5101から第2の血管5102へ、第1の血管5101を通る流体の流れを提供するさらに別の例示的な装置5140の側面図である。装置5140は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5140は、装置5100の特徴のいくつか(例えば、第1の区画5144、第2の区画5146、ステント構造5148、グラフト5149など)を共有することができる。ステント構造5148は、第1の区画5144と第2の区画5146との間、及び/又は第1の区画5144及び/又は第2の区画5146内で同じであっても異なっていてもよい(例えば、異なる(例えば、セル構造、密度、多孔度、材料、直径、厚さ、及び/又は長さなどの寸法)少なくとも1つのパラメーターを有するなど)。いくつかの実施態様では、第2の区画5146は、ステント構造を欠いていてもよい。
装置5140の第1の区画5144及び第2の区画5146は、別々であり、順次展開される。例えば、第1の区画5144の遠位セグメントが第2の区画5146の近位セグメントの半径方向外側にある状態で、第1の区画5144は、最初に展開されてもよく、第2の区画5146は、2番目に展開されてもよい。第1の区画5144は、瘻孔の構造的支持を確立することができる。別の例では、第1の区画5144の遠位セグメントが第2の区画5146の近位セグメントの半径方向内側にある状態で、第2の区画5146は、最初に展開されてもよく、第1の区画5144は、2番目に展開されてもよい。第1の区画5144は、瘻孔を支えて開くのを助け、第1の区画5144と重なる第2の区画5166のセグメントに半径方向外向きの圧力を与え、及び/又はそうでなければ第2の区画5146の近位端によって引き起こされ得る乱流効果を低減することができる。第1の区画5144又は第2の区画5146の少なくとも一方は、展開後の第1の区画5144と第2の区画5146との間の相対移動を阻害又は防止するように構成されたアンカーを備えてもよい。例えば、アンカーは、ステント構造5148内にあってもよく、又は第1の区画5144及び/若しくは第2の区画5146に取り付けられてもよい、半径方向外側突出部、フック、バーブ、戻り止めなどを含んでもよい。いくつかの実施態様では、アンカーは、ラチェットを備えてもよい。例えば、第1の区画5144及び第2の区画5146は、所定位置でロックされるまで、例えばセグメントごとに、互いに対して相対的に長手方向及び/又は回転方向に移動されてもよい。アンカーは、装置5140の配向を容易にすることができる(例えば、適切に配向されたときにのみ固定される)。アンカーは、第1の区画5144及び/又は第2の区画5146の他方と相互作用してもよく、及び/又は第1の血管5101、第2の血管5102、及び/又は間質組織と相互作用してもよい。相対運動を制限することは、グラフト5149の境界を維持して、第1の血管5101が確実に留置されないようにするのを助けることができる。装置5140は、ユーザーに展開の容易さを提供することができる。例えば、第1の区画5144は、あまり正確ではなく、第1の血管5101を支持するために快適に展開されることができる。次いで、より正確な展開システムを使用して第2の区画5146が展開されて標的に衝突させ(例えば、近位端は、第1の血管5101の縁に当たる)、第1の血管5101が確実に留置されないようにすることができる。
第1の区画5144は、第1の血管5101内に固定され、間質組織を通って第2の血管5102内に延在する。第2の区画は、少なくとも部分的に第1の血管5101内から、間質組織を通り、第2の血管5102内に固定される。第1の区画5144の少なくとも一部のセグメントは、第2の区画5146と重ならない。第1の区画5144の非重複セグメントは、グラフト材料を含まず、これは、矢印5112によって示されるように、血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にする。第2の区画5146は、矢印5110によって示されるように、血液が第2の血管5102に流入し、第2の血管5102を通って流れることを可能にする。第2の区画5146のグラフト5149の近位端は、(例えば、図51Cに示すように)実質的に垂直であってもよく、又は(例えば、装置5120に関して説明したグラフト5129のように)角度が付けられてもよい。第1の区画5144及び/又は第2の区画5146の近位端及び/又は遠位端は、例えば、ユーザーが固定位置、重なり量、回転方向などを決定するのを助けるために、放射線不透過性マーカー5147を備えてもよい。
図51Dは、第1の血管から第2の血管へ、第1の血管を通る流体の流れを提供するさらに別の例示的な装置5160の側面図である。装置5160は、少なくとも一部の血液が第1の血管内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5160は、装置5100、5120の特徴のいくつか(例えば、第1の区画、第2の区画、ステント構造、グラフト5169など)を共有することができる。簡略化のために、グラフト5169のみが図51Dに示されている。グラフト5169は、ステント構造がむき出しになるように装置5160がグラフト5169を含まない切り欠き5168を含む。むき出しの周囲の割合は、装置5160の長さに沿って可変であり、例えば、V字形の切り欠き5168(例えば、図51Dに示すように)は、装置5160が遠位に延在するにつれて、むき出しのステント構造の第1の割合(例えば、約50%)から第1の割合よりも小さいむき出しのステント構造の第2の割合(例えば、約10%)まで減少する。より低い割合は、装置5160を配向させるのに有利であり得る。この割合は、一般に、第1の血管を通る流れ抵抗に関する。より多くの流れが望まれる解剖学的構造(例えば、第1の血管の近位又は上流(例えば、鼠径部により近い))では、より多くの血液がより大きな及び/又はより多数の下流の血管に流れることができるように、割合はより高くてもよい。より少ない流れが望まれる解剖学的構造(例えば、第1の血管の遠位又は下流(例えば、足により近い))では、より多くの血液が第2の血管に流れることができるように、割合はより低くてもよい。
一般に、装置5160の切り欠き5169は、以下のカバーの開口部を表すいくつかの変数、すなわち近位から遠位への角度5162を使用して少なくとも部分的に画定されることができる:長さ5164;切り欠き5169の近位端における幅5166;及び/又は切り欠き5169の遠位端における幅5167。これらの変数は、より詳細なレベルで可能な他の特徴(スカラップなど)を有する任意の全体的な形状に対応するように調整又は調節されることができる。装置5169は、装置5160に沿った任意の長さで、所望の数の切り欠きを含むことができる。
図52Aは、第1の血管5101から第2の血管5102へ、第1の血管5101を通る流体の流れを提供するさらに別の例示的な装置5200の側面図である。装置5200は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5200は、第1の区画5204と、第2の区画5206とを備える。第1の区画5204は、第2の区画5206と少なくとも部分的に長手方向に重なる。いくつかの例では、第1の区画5204の近位端及び/又は遠位端は、第2の区画5206のそれぞれの近位端及び/又は遠位端と実質的に長手方向に位置合わせされている。第1の区画5204及び第2の区画5206のそれぞれは、第1の血管5101及び第2の血管5102のそれぞれに固定される。第1の区画5204及び/又は第2の区画5206の近位端及び/又は遠位端、及び/又は他の部分(例えば、長手方向中心)は、放射線不透過性マーカー5207を備えてもよい。
第1の区画5204は、例えばステント構造5108のようなステント構造5208を備える。第1の区画5204は、矢印5112によって示されるように、血液が近位端に及び/又はステント構造5208の細孔5203を通ってステント構造5208に流入し、その後、ステント構造5208の内側からステント構造5208の外側に及び第1の血管5101の下流に流れることを可能にする細孔又は開口部5203を含む。本明細書中に記載されるように、第1の区画5204のみがステント構造5208を備えてもよく、又は、第1の区画5204及び第2の区画5206の双方がステント構造5208を備えてもよい。
第2の区画5206は、被覆又はグラフト5209及び任意にステント構造5208を備える。ステント構造5208を備える実施形態では、ステント構造5208は、第1の区画5204と第2の区画5206との間、及び/又は第1の区画5204及び/又は第2の区画5206内で同じであっても異なっていてもよい(例えば、異なる(例えば、セル構造、密度、多孔度、材料、直径、厚さ、及び/又は長さなどの寸法)少なくとも1つのパラメーターを有するなど)。第2の区画5206のグラフト5209は、矢印5110によって示されるように、第1の血管5101から第2の血管5102への流体流路を提供するように構成される。血液は、本明細書に記載されるように第2の血管5102を通って流れることができる。グラフト5209は、好ましくは、内側から外側への血流を可能にするように構成された細孔を含まない。
第2の区画5206は、第1の区画5204と一体又はモノリシックであってもよい。第1の区画5204及び第2の区画5206は、実質的に同時に展開されてもよい。第1の区画5204は、実質的に同時に又は少なくとも部分的に別々に展開されることができるように、第2の区画5206とは別個であってもよい。いくつかの実施形態では、ステント構造は、第1の区画5204が8の上半分を含み、第2の区画5206が8の下半分を含む8の字の断面を有してもよい。いくつかの実施形態では、ステント構造5208は、管腔を形成してもよく、グラフト5209は、管腔を横切って延在してもよく、2つの流路、すなわち、第1の区画5204を通る第1多孔質流路及び第2の区画5206を通る第2非多孔質流路を形成する。第1の区画5204及び第2の区画5206の双方が第2の血管5102内に延在するため、例えば回転方向は一般に機能に影響を及ぼさないが、ユーザーは第2の区画5206が第2の血管5102に隣接することを好む場合があるため、装置5200の位置決めは、単純化されることができる。本発明者らは、驚くべきことに、間質組織へのいくらかの血流アクセスが、瘻孔によって提供される利益を無効にしないことを発見した。
図52Aは、ステント構造5208の周囲の特定の割合がむき出しである(グラフト5209によって被覆されていない)部分的に周方向の開窓を提供することができる。図52Aは、グラフト5209を含む装置5200の全長を示している。いくつかの例では、装置5200の部分的な長さのみがグラフト5209を含む(例えば、近位セグメントはむき出しである)。いくつかの例では、装置5200の一部の長さのみが、部分的に周方向であるグラフト5209を含み(例えば、近位セグメントは、部分的に周方向である)、装置5200の残りの部分は、完全に周方向のグラフト5209を含む。むき出しの周囲の割合は、例えば、約5%~約75%(例えば、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約75%、これらの値の間の範囲など)であってもよい。
図52Biは、第1の血管5101から第2の血管5102へ、第1の血管5101を通る流体の流れを提供するさらに別の例示的な装置5220の側面図である。装置5220は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5220は、装置5200の特徴のいくつか(例えば、第1の区画5224、第2の区画5226、ステント構造5228、グラフト5229など)を共有することができる。第1の区画5224は、第2の血管5102内に延在していない。むしろ、第1の区画5224は、第1の血管5101内で終端する。いくつかの例では、第1の区画5224の近位端は、(例えば、図52Biに示すように)第2の区画5226の近位端と実質的に長手方向に位置合わせされている。いくつかの例では、第1の区画5224の近位端は、第2の区画5226の近位端と長手方向に位置合わせされておらず、例えば、第2の区画5226の近位端の近位又は第2の区画5226の近位端の遠位に由来する。第2の区画5226は、間質組織を通って第2の血管5102内に延在している。第2の区画5226の直径は、例えば、本明細書に記載される先細又は傾斜ステント(例えば、1つ以上の円筒形部分及び1つ以上の先細部分を有する)のように、近位端から遠位端まで変化してもよい。
第1の区画5224は、例えば図52Aに関して説明したように、任意に細孔5223を含む。いくつかの実施態様では、血液は、矢印5112によって示されるように、第1の区画5224の管腔を通って第1の血管5101の下流に流れることができるため、第1の区画5224は、細孔を欠いていてもよい。いくつかの実施態様では、第1の区画5224は、第2の区画5226を第1の血管5101の壁に押し付けるように構成された1つ以上のリング又は延長部などの単純な構造を備えてもよい。血液は、単純な構造を通過して第1の血管5101の下流に流れることができる。
第2の区画5226は、第1の区画の位置にかかわらず第2の血管5102内に延在するため、例えば、回転方向は一般に機能に影響を及ぼさないが、ユーザーは第2の区画5226が第2の血管5102に隣接することを好む場合があるため、装置5220の位置決めは、単純化されることができる。第1の区画5224は、第2の区画5226と一体又はモノリシックであってもよく、実質的に同時に展開されてもよい。第1の区画5224は、実質的に同時に又は少なくとも部分的に別々に展開されることができるように、第2の区画5226とは別個であってもよい。
図52Biiは、線52Bx-52Bxを横切る図52Biの装置5220の例示的な断面図である。図52Aに関して可能な実施態様として説明したように、第1の区画5224及び第2の区画5226は、8の字を形成する。図52Biiは、第2の区画5226のグラフト5229をステント構造5228の内側に示しているが、グラフト5229は、別様にステント構造5228に連結されていてもよく、異なるステント構造を有していてもよく、又はステント構造を欠いていてもよい。略円形として示されているが、第1の区画5224及び第2の区画5226の断面は、楕円形であってもよく、又は例えば、半円形、多角形などを含む第1の血管5101及び/又は第2の血管5102のより多くを占めるように構成された他の形状を有してもよい。
図52Biiiは、線52Bx-52Bxを横切る図52Biの装置5220の別の例示的な断面図である。図52Aに関して可能な実施態様として記載されるように、グラフト5229は、ステント構造5228の管腔を横切って延在して、2つの流路を形成する。
図52Ciは、第1の血管5101から第2の血管5102へ、第1の血管5101を通る流体の流れを提供する別の例示的な装置5230の側面図である。装置5230は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5230は、装置5200、5220の特徴のいくつか(例えば、第1の区画5234、第2の区画5236、ステント構造5238、グラフト5239、放射線不透過性マーカー5237など)を共有することができる。装置5220と同様に、第1の区画5234は、第2の血管5102内に延在していない。むしろ、第1の区画5234は、第1の血管5101内で終端する。第2の区画5234の分岐の遠位において、第1の区画5234は、第1の血管5101内に第1の区画5234を固定するように拡張する。特定のそのような構成は、例えば回転又は他の力に抵抗して、第1の血管5101内に良好な固定を提供することができる。
図52Ciiは、線52Cii-52Ciiを横切る図52Ciの装置5230の断面図である。第1の区画5234は、第2の区画5236の円形の周囲に三日月形状又は円形形状に形成されている。第1の区画5234は、第2の区画5236の分岐に対して遠位の円形形状に戻ることができる。そのような断面は、装置5200、5210に関しても可能な実施態様である。
図52Dは、第1の血管5101から第2の血管5102へ、第1の血管5101を通る流体の流れを提供するさらに別の例示的な装置5240の側面図である。装置5240は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5240は、装置5100、5230の特徴のいくつか(例えば、第1の区画5244は、被覆されていないステントを備え、第2の区画5246は、グラフトを含むなど)を共有してもよい。第1の区画5244は、第1の直径から第1の直径よりも小さい第2の直径まで狭まるように構成された先細部分5245を備える。先細部分5245は、矢印5112によって示されるように、血液が第2の区画5406の周りを流れ、第1の血管5101内を流れ続けることを可能にするように構成された細孔5243を含む。第2の区画5246に流入する血液は、矢印5110によって示されるように、第2の血管5102に迂回される。装置5240は、より大きな血管(例えば、動脈が自然に先細になり、狭くなり始める前に閉塞の近位にある)において特定の利点を提供することができる。装置5240の自己中心合わせの性質は、第2の血管5102についての流れの一部を集めながら、第2の区画5246の周りの流れを可能にするために、第2の区画5246を大型血管内に中心合わせするための一体型の解決策を提供することができる。先細部分5425は、(例えば、図52Dに示すように)第1の血管内の第2の区画5246の近位端を実質的に中心合わせすることができる。先細部分5425は、第2の区画5246の近位端を第1の血管の側方(例えば、第2の血管5102に向かう側(例えば、第1の血管5101の閉塞を低減するために)、第2の血管5102から離れる側(例えば、第2の区画5426の曲げ角度を減少させるために)に押すことができる。
第1の区画5424は、第2の区画5426と一体であってもよい。例えば、第1の区画及び第2の区画は、先細部分5425に対して遠位のグラフト材料によって被覆されたステント構造を共有してもよい。第1の区画5424は、第2の区画5426とは別個であり、順次展開されてもよい。例えば、第2の区画5426の近位端が第1の区画5424の遠位端と重なり合う状態で、第1の区画5424は、第1の血管5101内に展開されてもよく、次いで第2の区画5426は、第1の区画5424を通って展開されてもよい。
図53Aは、第1の血管5101から第2の血管5102へ、第1の血管5101を通る流体の流れを提供するさらに別の例示的な装置5300の側面図である。装置5300は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5300は、装置5100の特徴のいくつか、又はより具体的には第2の区画5106(例えば、ステント構造5308、グラフト5309、放射線不透過性マーカー5307など)を共有することができる。グラフト5309は、装置5300のほぼ全長にわたって延在するが、図示の装置5300の近位及び遠位の区画も可能である。装置5300は、グラフト5309を欠く窓又は開窓5303を備える。グラフト5309は、窓5303を形成するために除去されてもよく、又は最初に形成されなくてもよい。窓5303を有する装置5300を製造することは、配置処置(例えば、装置5300を展開し、回転アライメントを確認する)を単純化することができ、及び/又は血栓を形成するリスクを低減することができる。いくつかの実施形態では、装置5300は、装置5300がスリットを曲げるとスリットが分離するように、グラフト5309の少なくとも1つのセグメントに沿って周方向又は螺旋状のスリットを備えてもよい。図57Fの装置5760は、そのような一例である。グラフト5309は、望ましくない漏れを防ぐために重なり合っていてもよい。第2の血管5102内の屈曲部を含むセグメントは、望ましくは、そのようなスリットを欠いている。そのような構成は、窓5303を自動的に開くことによって配置処置をさらに単純化することができる。窓5303は、矢印5112によって示されるように、血液が装置5300の近位端に流入して装置5300に入り、次いで装置5300の内側から装置5300の外側に流れ、第1の血管5101の下流に流れることを可能にする。窓5303から出ない血液は、矢印5110によって示されるように、第2の血管5102に流入し、第2の血管5102を通って流れることができる。放射線不透過性マーカー5307は、窓5303を備える装置5300の側面を示すことができる。窓5303の縁又は輪郭又は側面又は端部は、放射線不透過性マーカーによってマークされてもよい。窓5303によって露出されるステント構造は、放射線不透過性材料によって被覆されてもよい。
図53Bi~図53Biiiは、第1の血管5101から第2の血管5102へ、第1の血管5101を通る流体の流れを提供する例示的な装置5320の原位置形成の例示的な方法を示している。装置5320は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5320は、装置5300の特徴のいくつかを共有することができるが、窓又は窓を形成するように構成されたスリットなどの構造によっては製造されない。
図53Biでは、予備装置5310は、第1の血管5101内に固定され、間質組織を通って延在し、第2の血管5102内に固定される。このようにして、予備装置5310は、本明細書に記載の多くの瘻孔プロテーゼと多くの特徴を共有し、任意のそのようなプロテーゼは、予備装置5310として使用されることができる。ガイドワイヤ5312は、予備装置5310の側面を通って延在している。ガイドワイヤ5312は、血管系アクセスポイントからナビゲートされ、予備装置5310の側面を通って穿刺されることができる。ガイドワイヤは、予備装置5310の配置後にガイドワイヤ5312が予備装置5310の側面を既に通って延在するように、予備装置5310と一体化されてもよい。
図53Biiでは、拡張装置5314(例えば、プレーンバルーン、薬物溶出バルーン、スコアリングバルーン、拡張可能フィラメント、拡張器、それらの組み合わせなど)がガイドワイヤ5312上で追跡され、予備装置5310の側面を通って延在している。いくつかの実施態様では、レーザー式アテローム切除術ツール(例えば、Spectraneticsから入手可能なTurbo Elite(登録商標))などの開窓装置が使用されることができる。拡張装置5314は、矢印5316によって示されるように半径方向に拡張されて大きな窓5323(図53Biii)を形成し、装置5320を原位置にする。窓5323は、矢印5112によって示されるように、血液が装置5320の近位端に流入して装置5320に入り、次いで装置5320の内側から装置5320の外側に流れ、第1の血管5101の下流に流れることを可能にする。窓5323から出ない血液は、矢印5110によって示されるように、第2の血管5102に流入し、第2の血管5102を通って流れることができる。いくつかの実施形態では、拡張装置5314は、ガイドワイヤ5312上で追跡される拡張器を備えてもよい。いくつかの実施態様では、ガイドワイヤ5312は、予備装置5310の側面を穿刺していくつかの小さな窓を形成することができ、そのうちの1つ以上は、任意に拡張されることができる。
図53Ciは、開窓装置のステント構造5348についての例示的なセルパターンを示している。図53Ciiは、部分的にグラフト5349で被覆され、窓5343を含む図53Ciのステント構造5348の例を示している。セルパターンは、第1の長手方向セグメント5342と、第2の長手方向セグメント5344と、第3の長手方向セグメント5346とを含む。第1の長手方向セグメント5342は、第1の血管(例えば、動脈)内に固定されるように構成された第1のセルパターンを備える。第2の長手方向セグメント5344は、第2の血管(例えば、静脈)内に固定されるように構成された第2のセルパターンを備える。第3の長手方向セグメント5346は、長手方向において、第1の長手方向セグメント5346と第2の長手方向セグメント5344との間にある。第3の長手方向セグメント5346は、開窓プロセス中により容易に穿刺されるように構成された第3のセルパターンを備える。例えば、第3のセルパターンは、第1のセルパターン及び/又は第2のセルパターンよりも多孔質であってもよい。いくつかの実施態様では、第3のセルパターンの細孔は、膝の下に位置決めするための典型的な血管形成バルーン(例えば、約1.5mm~約5mm(例えば、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、約5mm、そのような値の間の範囲など)又は約1.8mm2~約19.6mm2(例えば、約1.8mm2、約3.1mm2、約4.9mm2、約7.1mm2、約9.6mm2、約12.6mm2、約15.9mm2、約19.6mm2、そのような値の間の範囲など))、膝の上に位置決めするための約4mm~約10mm(例えば、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、そのような値の間の範囲など)又は約12.6mm2~約78.5mm2(例えば、約12.6mm2、約19.6mm2、約28.3mm2、約38.5mm2、約50.3mm2、約63.6mm2、約78.5mm2、そのような値の間の範囲など)などのサイズである。別の例では、第3のセルパターンは、第1のセルパターン及び/又は第2のセルパターンよりも密度が低くてもよい。さらに別の例では、第3のセルパターンは、第1のセルパターン及び/又は第2のセルパターンよりも少ない支柱を備えることができる。第3のセルパターン中の減少した金属の量は、グラフト5349内に窓5343を形成するために第3のセグメントを穿刺しやすくする。第3のセルパターンは、血行動態を改善することができる(例えば、矢印5112によって示される流路内の金属が少ないため)。第1のセルパターンは、第2のセルパターンと同じであっても異なっていてもよい。例えば、第1のセルパターンは、動脈内に配置するように構成された半径方向力及び/又は可撓性を有してもよく、及び/又は第2のセルパターンは、静脈内に配置するように構成された半径方向力及び/又は可撓性を有してもよい。第3のセグメント5344は、可撓性であってもよく、例えば、困難な生体力学的領域(例えば、膝窩、SFAなど)で屈曲及び/又は配置を行うのに適している。いくつかの実施態様では、第3のセルパターンは、拡張可能部材によって変位されたときに損傷のリスクが低減されるか又は全くない開窓を容易にするために、改善された伸長及び/又は弾性特性を有する変形可能領域を備える。
ステント構造5348及び/又はグラフト5349は、第1のセグメント5342と第3のセグメント5346との間の移行部及び/又は第2のセグメント5344と第3のセグメント5346との間の移行部を画定するための1つ以上の放射線不透過性マーカー5347を備えてもよい。放射線不透過性マーカー5347は、ステント構造5348の支柱に連結されてもよく、ステント構造5348に電気めっきされてもよく、ステント構造5348の支柱を通して織られてもよいなどである。放射線不透過性マーカー5347は、グラフト5349に組み込まれた放射線不透過性材料であってもよい。装置を送達するために使用されるカテーテルは、配置を容易にするために1つ以上の対応する放射線不透過性マーカーを備えることができる。
図53Diは、第1の血管から第2の血管へ、及び第1の血管を通る流体の流れを提供する例示的な装置の原位置形成の例示的な方法を示している。装置は、少なくとも一部の血液が第1の血管内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点の1つ以上を提供することができる。装置は、装置5300の特徴のいくつかを共有することができるが、窓又は窓を形成するように構成されたスリットなどの構造によっては製造されない。図53Diでは、予備装置5360は、第1の血管に固定され、間質組織を通って延在し、(図示せず)第2の血管に固定される。このようにして、予備装置5360は、本明細書に記載の多くの瘻孔プロテーゼと多くの特徴を共有し、任意のそのようなプロテーゼは、予備装置5360として使用されることができる。
図53Diは、拡張可能部材5362(例えば、バルーン、一時的ステントなど)と、先細セグメント5364と、穿刺器5366とを含む例示的な開窓装置を示している。拡張可能部材5362は、装置を血管内で中心合わせするように、及び/又は開窓形成力の印加中に装置を安定させるように構成される。拡張可能部材5362は、例えば、バルーン、ステントメッシュ、支持アームなどを備えることができる。
先細セグメント5364は、開窓形成力の印加中に穿刺器5366を安定させるように、及び/又は穿刺器5366によって形成された窓を拡張するために穿刺器5366の上で追跡されるように構成される。先細セグメント5364は、Cookから入手可能なCXI(登録商標)支持カテーテルと同様の特徴を含むことができる。先細セグメント5364は、任意に、拡張可能部材5362に対して長手方向に移動可能である。
図53Diiは、図53Diの装置によって使用可能な例示的な先細セグメント5374を示している。先細セグメント5374は、角度5375を含む。穿刺器5366が先細セグメント5374の遠位端を出ると、穿刺器5366は、角度5375に追従して真っ直ぐに続く。
図53Diiiは、図53Diの装置によって使用可能な別の例示的な先細セグメント5384を示している。先細セグメント5384は、管腔5382を備える。管腔5382の遠位端は、傾斜面5383を備える。ガイドワイヤが管腔5382の遠位端を出ると、ガイドワイヤは、傾斜面5383によって偏向され、先細セグメント5384から角度5385で延在し、真っ直ぐに続く。先細セグメント5384は、例えば、ガイドワイヤを角度なしで前進させるためにユーザーによって選択可能である、先細セグメント5384の遠位端を出る直線状の管腔を任意に備える。管腔5382は、傾斜出口及び直線出口に対して異なるサイズ、例えば、限定されないが、傾斜出口に対して0.018インチ(約0.45mm)、直線出口に対して0.014インチ(約0.36mm)を含むことができる。
先細セグメント5364、5374、5384は、穿刺器5366によって形成された小さな開口部に入り、孔を広げる。孔の拡張は、開窓を完了させてもよく、又は拡張可能部材を受け入れるのに適した孔にしてもよい。いくつかの実施態様では、拡張可能部材5362は、その固定機能を果たした後に折り畳まれ、次いで孔を拡張するために使用されてもよい。いくつかの実施態様では、異なる拡張可能部材が使用されて孔を拡張することができる。
穿刺器5366は、例えば比較的剛性であり、鋭い遠位先端などを有する予備装置5360のグラフトを穿刺するように構成される。穿刺器5366は、拡張可能部材5362及び先細セグメント5364に対して長手方向に移動可能である。穿刺器5366は、針又はカニューレを備えてもよい。穿刺器5366は、リエントリー装置を備えてもよい。穿刺器5366は、粥腫切除装置、レーザー、ガイドワイヤ(例えば、遠位先端の元の又は変更された(例えば、強化された及び/又は鋭利な))などを備えることができる。
図53Ei及び図53Eiiは、第1の血管5101から第2の血管5102へ、及び第1の血管5101を通る流体の流れを提供する例示的な装置の原位置形成のために穿刺器5366を位置合わせする例示的な方法を示している。装置は、例えば放射線不透過性マーカー4210に関して本明細書に記載されるように、放射線不透過性マーカー5390を備える。例えば、マーカー5390は、ガイドワイヤが延在し、先細セグメント5374の角度に対して配向される管腔の片側にあってもよい。マーカー5390は、(例えば、図53Ei及び図53Eiiに示すように)先細と同じ側にあってもよい。マーカー5390は、先細とは反対側にあってもよい。マーカー5390は、先細と平行であってもよい。マーカー4210に関して説明したように、ユーザーは、穿刺器5366がグラフトを穿刺する場所を知るために横断面を利用することができる。いくつかの実施態様では、標的5392は、装置5360の遠位の第1の血管5101内に配置されてもよい。標的5392は、例えば、ガイドワイヤ、マーキングステント、生分解性マーカー、造影剤(例えば、閉塞に近接してプールされる)などを備えることができる。
図54Aは、第1の血管5101から第2の血管5102へ、第1の血管5101を通る流体の流れを提供するさらに別の例示的な装置5400の側面図である。装置5400は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5400は、装置5140(例えば、第1の区画5404は、被覆されていないステントを備え、第2の区画5406は、グラフトを備えるなど)及び/又は装置5320(例えば、第2の区画5406は、装置5320と同様)の特徴のいくつかを共有することができる。
装置5400の第1の区画5404及び第2の区画5406は、別々であり、順次展開される。例えば、第2の区画5406が最初に展開されてもよい。ユーザーは、(例えば、図53Bi~図53Biiiに関して説明したように)第2の区画5406に窓を形成してもよく、又は第2の区画5406は、窓を有して製造されてもよい。第2の区画5406は、第1の血管5101に固定され、間質組織を通って延在し、第2の血管5102に固定される。第2の区画5406は、矢印5110によって示されるように、血液が第2の血管5102に流入し、第2の血管5102を通って流れることを可能にする。第1の区画5404の遠位セグメントが第2の区画5406の窓を通って延在する状態で、第1の区画5404は、2番目に展開されてもよい。第1の区画5404は、第1の血管5101内に固定される。血液は、矢印5112によって示されるように、第1の区画5404に流入し、第1の血管5101内を流れ続けることができる。第1の区画5404は、予測可能な及び/又は耐久性のある開窓直径を提供することができ、それは開窓をより良好に保存することができる。第1の区画5404のステント構造は、多孔性であり、これは、血液が第2の区画5406に流入することを可能にする。第1の区画5404及び/又は第2の区画5406の近位端及び/又は遠位端は、例えば、ユーザーが固定位置、重なり量、回転方向(例えば、窓を有して製造される場合)などを決定するのを助けるために、放射線不透過性マーカー5407を備えてもよい。図54Aは、第1の区画5404の近位端を第2の区画5406の近位端に近位であるものとして示しているが、第1の区画5404の近位端は、第2の区画5406の近位端に対して遠位であってもよく、又は、第2の区画5406の近位端と位置合わせされてもよい。装置5400は、原位置で形成される二分枝ステントと考えることができる。第1の区画5404は、第1の脚であってもよく、第2の区画5406は、第2の脚であってもよい。
図54Biは、第1の血管5101から第2の血管5102へ、第1の血管5101を通る流体の流れを提供する別の例示的な装置5410の側面図である。装置5410は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5410は、装置5400の特徴のいくつか(例えば、第1の区画5404は、被覆されていないステントを備え、第2の区画5406は、グラフトを備えるなど)を共有することができる。装置5410は、装置5410の展開時に分岐するように構成された第1の区画5414及び第2の区画5416を有して製造される。例えば、第1の区画5414の遠位端は、第1の区画5414が第2の血管5102内に湾曲する第2の区画5416の窓から延在するように、直線のままであるように構成(例えば、形状設定)されてもよい。別の例では、第1の区画5414は、第2の区画5416に連結されたフラップを備えてもよい。
図54Biiは、第1の血管5101から第2の血管5102へ、第1の血管5101を通る流体の流れを提供する別の例示的な装置5415の側面図である。装置5415は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5415は、装置5410の特徴のいくつかを共有することができる。装置5415は、複数のフラップ5417を備える。フラップ5417は、例えば拍動流の下方で開く(半径方向外側に突出する)など、弁の動作を再現することができる。フラップ5417は、グラフト材料(例えば、ePTFE)を含むことができる。フラップ5417は、半径方向外側突出部のためのヒンジとして作用する構造を備えることができる。装置5415は、例えば、過剰な流れ及び/又は圧力が第1の血管5101の遠位から流出するように第2の血管5102への流れを調節することによって、各血管5101、5102などにおいて適切な量の血流を維持することができる。フラップ5417は、(例えば、図54Biiに示すように)第1の血管5101内にあるように構成された装置5415の近位セグメントにわたって分布されることができる。血管壁に隣接するフラップ5417は開かないが、装置5415の屈曲部にあるフラップ5417は開くことができる。第1の血管5101の分岐血管に近接するフラップ5417もまた、その分岐血管への流れを維持するために開くことができる。
図54Cは、第1の血管5101から第2の血管5102へ、第1の血管5101を通る流体の流れを提供するさらに別の例示的な装置5420の側面図である。装置5420は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5420は、第1の区画5424と、第2の区画5426とを備える。第2の区画5426は、装置5400の第2の区画5406のいくつかの特徴(例えば、グラフト及び窓5423)を共有することができる。第2の区画5426は、2つの窓5423を備えてもよく、一方は、装置5320の窓5323と同様の機能を有し(例えば、血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にする)、他方は、装置5400の第2の区画5406の窓と同様の機能を有する(例えば、第1の区画5424が貫通して延在するように構成される)。第2の区画5426は、双方の機能を果たす単一の細長窓5423を有してもよい。第1の区画5424と第2の区画5426とは別体であってもよい。例えば、第1の区画5424は、(例えば、装置5400に関して説明したように)第2の区画5426の側面を通って延在し、次いで分岐血管5425に固定され、矢印5114によって示されるように、血液が装置5420に流入し、分岐血管5425を通って流れることを可能にする。第1の区画5424は、第1の区画5424を分岐血管5425内に固定するためのステント構造を備えてもよい。第1の区画5424を分岐血管5425内に固定することは、装置5420全体を固定して位置決めするのを助けることができる。第1の区画5424は、血液を分岐血管5425内に誘導するのを助けるグラフトを備えてもよい。装置5420は、第1の区画5424を欠いていてもよく、この場合、血液は、窓5423を通って分岐血管5425内に流れることができる。第1の区画5424及び第2の区画5426は、例えば装置5410に関して説明したように、第2の区画5426から延在するように構成された第1の区画5424とモノリシックであってもよい。第2の区画5426は、窓5423を欠いていてもよく、第1の区画5424は、窓5423を備えていてもよい。正確な構成にかかわらず、装置5420は、矢印5114によって示されるように、第1の血管5101から分岐血管5425への流体の流れを維持し、矢印5112によって示されるように、第1の血管5101を通る流体の流れを維持し、また、矢印5110によって示されるように、第2の血管5102への流体の流れを迂回させる。
本明細書に記載の装置は、自己拡張型とすることができ、例えば、カテーテルからの放出時に拡張する形状記憶(例えば、超弾性)材料を含む。本明細書に記載の装置は、バルーン拡張可能とすることができる。例えば、瘻孔の交差部又は分岐部付近など、装置の配置精度が重要である場合、バルーン拡張装置は、所望のように回転及び/又は長手方向に配置されたときにのみ拡張されることができる。
図55Aは、第1の血管から第2の血管へ、第1の血管を通る流体の流れを提供するさらに別の例示的な装置5500の側面図である。図55Bは、間質組織を通って第2の血管5102内に延在する第1の血管5101内に配置された図55Aの装置5500を示している。装置5500は、第1の血管5101内に突出しないか、僅かしか突出しない。第1の血管5101を通って流れる血液は、矢印5112によって示されるように、第1の血管5101内を流れ続けることができる。第1の血管5101を通って流れる血液は、矢印5110によって示されるように、第2の血管5102に迂回されてもよい。装置5500は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5500は、本明細書に開示されている他の装置(例えば、ステント構造、グラフトなど)の特徴のいくつかを共有することができる。装置5500は、装置5500を第1の血管5101内に固定するように構成されたフレア又は固定特徴5502を有するステントと、間質組織を通って第2の血管5102内へと延在するように構成された細長区画5504とを備える。装置5500は、単一のフレア5502又は複数のフレア5502(例えば、図55Aに示すような2つのフレア5502)を備えることができる。フレア5502は、被覆されていても被覆されていなくてもよい。細長区画5504は、好ましくは被覆されている。装置5500は、例えば本明細書に記載されるように、レーザーカットステント、織布ステント、又はそれらの組み合わせを含むことができる。フレア5502及び細長区画5504は、装置5504の回転位置合わせが必要とされないように実質的に対称である。いくつかの実施態様では、フレア5502の長さは、フレア5502の直径の約半分であり、これは、装置5500を第1の血管5101に対して固定するのを助けることができる。装置5500のフレア5502は、ほぼ環状である。
図55Cは、第1の血管5101から第2の血管5102へ、第1の血管5101を通る流体の流れを提供するさらに別の例示的な装置5520を示している。第1の血管5101を通って流れる血液は、矢印5112によって示されるように、第1の血管5101内を流れ続けることができる。第1の血管5101を通って流れる血液は、矢印5110によって示されるように、第2の血管5102に迂回されてもよい。装置5520は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5520は、装置5500の特徴のいくつか(例えば、フレア又は固定特徴5522、細長区画5524など)を共有することができる。図55Dは、第1の血管5101及び第2の血管5102に埋め込まれた図55Cの装置5520の遠位端図である。フレア5520は、第1の血管5101の側壁に隣接している。細長区画5524は、第2の血管5102の側壁に隣接している。
図55Eiは、図55C及び図55Dの装置5520の特徴を共有する装置5520aの平面図である。装置5520aは、半径方向外側に突出する4つのフレア5522aを備える。フレア5522aは、装置5520aに関して対称である。各フレア5520aは、装置5520aの半径の周りに半径方向外側に突出している。フレア5520aは、円弧状に形成されたワイヤ又は支柱である。そのような形状は、非外傷性固定を提供することができるが、弓の先端は、血管壁を貫通又は変形することができる。
図55Eiiは、図55C及び図55Dの装置5520の特徴を共有する別の装置5520bの平面図である。装置5520bは、半径方向外側に突出する4つのフレア5522bを備える。フレア5522bは、装置5520bに関して対称である。各フレア5520bは、装置5520aの半径の約半分だけ半径方向外側に突出している。フレア5520bは、固体材料(例えば、図示された形状に切断された支柱)である。より多くの材料は、より短い長さで同じ量の固定を提供することができる。
図55Fは、第1の血管5101から第2の血管5102へ、第1の血管5101を通る流体の流れを提供するさらに別の例示的な装置5530を示している。装置5530は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5530は、装置5520の特徴のいくつか(例えば、フレア又は固定特徴5532、細長区画5534など)を共有することができる。
図55Gは、図55Fの装置5530の平面図である。装置5530は、半径方向外側に突出する6つのフレア5532を備える。フレア5532は、装置5530の周りで非対称又は偏心している。フレア5532のいくつかは、他のフレアよりも長い。再び図55Fを参照すると、より長いフレア5532は、第1の血管5101内で遠位に配向されてもよく、これは血流の方向に対する抵抗力を提供することができる。
図56Aは、第1の血管5101から第2の血管5102へ、第1の血管5101を通る流体の流れを提供するさらに別の例示的な装置5600の側面図である。装置5600は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5600は、図25Cのプロテーゼ540といくつかの特徴を共有することができる(例えば、織物構造に織り込まれた複数のフィラメント、異なる多孔性長手方向区画など)。
プロテーゼ540は、低多孔度の第1の長手方向区画544及び高多孔度の第2の長手方向区画546を備える実施形態を備え、他の長手方向区画も可能である。装置5600は、プロテーゼ540の変形形態と考えることができる。装置5600は、第1の区画5604と、第2の区画5606と、第1の区画5604と第2の区画5606との間の第3の区画5608とを備える。第1の区画5604は、本明細書中に記載されるように、低い多孔度、例えば、分流ステントなどにおいて流れを迂回させるのに十分低い多孔度を有する。第2の区画5606は、低い多孔度、例えば、本明細書中に記載されるような分流ステントなどにおいて流れを迂回させるのに十分低い多孔度を有する。第1の区画5604及び/又は第2の区画5606は、矢印5110によって示されるように、血液を第1の血管5101から第2の血管5102に流すように導く。第1の区画は、より高い多孔度を有してもよい。第3の区画5608は、矢印5112によって示されるように、血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にする多孔度を有する。装置5600は、織られてもよい(例えば、図56に示すように)。織りパラメーター(例えば、編組角度、ワイヤ数など)の変化は、異なる多孔度を引き起こすことができる。装置5600は、(例えば、多孔度を変化させるために異なるセルパターン又は他のパラメーターを有する)切断支柱を備えることができる。神経血管系に配置される既知の分流ステントと比較して、装置5600は、(例えば、本明細書中に記載される瘻孔プロテーゼについて記載されるように)より大きい直径を有し、及び/又は(例えば、本明細書中に記載される瘻孔プロテーゼについて記載されるように)円錐形状もしくは先細形状を有する。装置5600が織られている実施形態では、フィラメントは、末梢動脈血流に関連するより高い流れ及び圧力に耐えるのに十分な耐久性を提供することができる神経血管分流ステント(例えば、約50μm~約100μm)よりも大きくてもよい。分流構造は、グラフトを備えるものとして本明細書に記載の任意の区画に適することができる。装置5600の多孔度は、例えば、間質組織における長い経路についてのステント内ステント展開を可能にすることができる。
図56Bは、装置5600の多孔度の異なる値について、図56Aの装置5600の有無にかかわらず、親血管及び側枝を通る流れを示すグラフである。手術前の側枝の流量は、左向きの白抜き三角形5610によって示されており、これは約0.18mL/sである。手術前の遠位親の流量は、右向きの白抜き三角形5612によって示されており、これは約0.2mL/sである。手術前ポイント5610、5612は、装置5600を含まないため、存在しない装置5600の多孔度は、100%と考えることができる。手術後の側岐の流量は、左向きの塗りつぶし三角形5614によって示されている。手術後の遠位親の流量は、右向きの塗りつぶし三角形5616によって示されている。試験した最高の多孔度は、約89%であり、これは、遠位親の流量を約0.22mL/sに増加させ、側枝の流量を約0.16mL/sに減少させた。試験した最低の多孔度は、約35%であり、これは、遠位親の流量を約0.32mL/sに増加させ、側枝の流量を約0.07mL/sに減少させた。多孔度が低いほど、より多くの流れが側枝から遠位親に迂回され、変曲点は約60%である。したがって、足首の下方の流れを導くための装置5600及び/又は後述する装置の一部又は全部の多孔度は、所望の量の分流に基づいて選択されることができる。
図57Aは、足首の下方の流れを導くための例示的な装置5700を示している。装置5700は、装置5700の管腔を通る流れを優先的に方向付けるように構成された流れ集束ステントとすることができる。装置5700は、例えば経皮的深部静脈動脈化回路内の(静脈内の正常な血流に対して逆転した)逆行性流の方向に対して遠位の静脈内のスチールを低減、阻害、又は防止することができる。本明細書に記載の織られた装置の特定の特徴、例えば装置500、520、540は、装置5700に組み込まれてもよい。
本明細書に記載されるように、静脈動脈化に対する1つの潜在的な利点は、遠位足部などの四肢への酸素化された灌流の改善である。ステントグラフト(例えば、本明細書中に記載されるステントグラフト1132)などの装置によって静脈を裏打ちすることは、流れを四肢に向けるのを助けることができるが、現在の機械的制限のために、ステントグラフトは、一般に、より小さい血管又は大きな機械的力を受ける血管での使用には適応されない。装置5700は、生体力学的力に耐え、足首で屈曲するのに十分に堅牢で柔軟な設計を有する。ステントグラフトの遠位の分枝血管は、遠位足部に押し込まれることを意図した酸素化血液をスチールすることができる。例えば、踵骨又は踵骨の近くには、脚のより大きな戻り静脈(例えば、伏在静脈)につながる多数の接続静脈がある。少量のスチールは、例えば、開存性にとってより良好であり得るより高い流量を維持するなど、何らかの利益を提供することができる。装置5700は、一般に、遠位足部への流れを駆動する設計を有するが、依然として血管を分岐させるためにいくらかの灌流を提供することができ、それによってスチールを微調整する。
装置5700は、密なパターンで一体に織られた複数のワイヤ又はフィラメントを備える。フィラメントの少なくとも一部又は全部は、形状記憶材料(例えば、ニチノール、クロムコバルトなどの超弾性材料)を含む。展開状態では、そのような材料は、一般に、生体力学的力に耐え、低いプロファイルを維持するのにより適している。フィラメントは、約50μm~約100μm(例えば、約50μm、約60μm、約75μm、約90μm、約100μm、そのような値の間の範囲など)の直径又は断面を有することができる。装置5700は、16フィラメント~96フィラメント(例えば、約16フィラメント、約32フィラメント、約48フィラメント、約64フィラメント、約96フィラメント、そのような値の間の範囲など)を含むことができる。フィラメントの数は、好ましくは偶数であり、より好ましくは6及び/又は8で割り切れる。
装置5700は、足首の静脈内に配置するのに適した拡張直径、例えば約4mm~約8mm(例えば、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、そのような値の間の範囲など)を有することができる。いくつかの実施形態では、装置5700の一端又は両端は、装置5700を血管内に固定するのを助けることができる増大した直径を有するように広げられてもよい。装置5700は、(例えば、図57Aに示すような)拡張状態で実質的に円筒形であってもよい。装置5700は、例えば、遠位端の第1の直径から近位端の第2のより小さい直径まで先細になるように構成された円錐形であってもよい。近位から遠位にサイズが縮小する動脈に配置されることができる円錐ステントとは対照的に、装置5700は、例えば、心臓に向かってサイズが拡大する静脈の解剖学的構造に対応するために、近位から遠位にサイズが拡大することができる。直径の変化は、例えば、約2mm~約9mm(例えば、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。膝の下方に配置された装置5700の場合、直径の変化は、例えば、約3mm~約6mm(例えば、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。装置5700は、約50mm~約150mm(例えば、約50mm、約75mm、約100mm、約125mm、約150mm、そのような値の間の範囲など)の長さを有することができる。
約60%~約78%の間の多孔度は、動脈瘤からの血液を迂回させるが血管を分岐するための灌流を可能にするために、神経血管ステントを迂回させるために有用であることが知られている。装置5700の多孔度は、分岐血管への灌流を阻害するために、78%未満、又はより好ましくは60%未満とすることができる。流れを保存するために、約60%~約75%の範囲の多孔度は、分岐部を横切る流れの適切な保存を可能にする「スイートスポット」である。約50%未満の多孔度は、分岐血管内の流れを劇的に減少させることができる。
細孔サイズはまた、血行動態に影響を及ぼすことができる。例えば、より高いピック/インチ(PPI)は、より小さい孔径をもたらすことができ、これは、動脈瘤又は分岐血管への流れを減少させることができ、より低いPPIは、より大きい孔径をもたらすことができ、これは、分岐血管への灌流を可能にすることができる。PPIは、装置5700の平方インチ(約6.5cm2)内に存在するフィラメント材料の量を反映する。PPIは、約50PPI~約500PPI(例えば、約50PPI、約100PPI、約150PPI、約200PPI、約300PPI、約400PPI、約500PPI、そのような値の間の範囲など)の範囲とすることができる。
いくつかの実施態様では、装置5700は、より高い多孔度及びグラフト材料を含むことができる。例えば、装置5700は、ポリマー被覆を有する高可撓性レーザーカットパターンを備えてもよい。特定のそのような設計は、穿孔又は穿孔可能なカバーを含むことができる。装置5700は、いくつかの意味のある方法で神経血管分流ステントとは異なる。例えば、装置5700は、より大きな直径を有し、より大きな送達プロファイル(例えば、3Fr超)を有し、より長い長さを有し、心臓に向かってより大きくなるように先細状であり、より少ない多孔度を有し、より高い半径方向力を有し、及び/又はより高い圧縮抵抗を有し、これらのうちのいずれかは神経血管系には禁忌である。
装置5700のフィラメントは、高い編組角度を有するように一体に織られ、高い半径方向力を提供することができる。例えば、編組角度は、約120°~約179°(例えば、約120°、約130°、約140°、約150°、約160°、約170°、約179°、そのような値の間の範囲など)とすることができる。圧縮抵抗は、例えば、約0.4N/mm~約1.1N/mm(例えば、約0.4N/mm、約0.5N/mm、約0.6N/mm、約0.7N/mm、約0.8N/mm、約0.9N/mm、約1N/mm、約1.1N/mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。比較の基礎として、約1N/mmの抵抗力は、弁を支持して開くのに十分な強さとすることができる。慢性的な外向きの力は、例えば、約0.25N/mm~約0.6N/mm(例えば、約0.25N/mm、約0.3N/mm、約0.35N/mm、約0.4N/mm、約0.45N/mm、約0.5N/mm、約0.55N/mm、約0.6N/mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。これらの力の値は、例えば、ワイヤ直径及び編組角度に基づいて変化することができる。ワイヤ径が大きいほど、小さいワイヤ径よりも半径方向力が大きい(例えば、76μmは、約2N/mmとすることができ、50μmは、約1N/mmとすることができる)。いくつかの実施形態では、半径方向力は、静脈弁を開くのに十分であり、これは無効にされてもされなくてもよい(例えば、切断装置、バルーンなどによって)。いくつかの実施態様では、半径方向力は、静脈を拡張するのに十分であり、これは一般に可撓性であり、寸法的に既知の流体流路を提供することができる。
装置5700のフィラメントの端部は、装置5700がある長さに切断されるときに切断されてもよい。フィラメントは、静脈を穿刺するか又は流体の流れに問題を引き起こすリスクが低いほど十分に小さい。自由フィラメント端部による限られた量の穿刺は、装置5700を定位置に固定するのを助けることができる。いくつかの実施形態では、フィラメントの端部は、曲げ、巻取り、溶接、端部処理装置への結合、背面編組などによって処理されてもよい。
図57Biは、足首に近接する静脈5701を通る血流の第1の例を示している。静脈5701(例えば、後脛骨静脈)は、例えば、本明細書中に記載されるように、ステントグラフト1132によって裏打ちされる。ステントグラフト1132は、破線によって示されるように、ほぼ足首の位置までしか延在していない。静脈5701を通って流れる血液は、矢印5712によって示されるように、足及び外側足底網に向かって継続することができる。しかしながら、静脈を通って流れる血液は、矢印5714によって示されるように、分岐血管5703(例えば、踵骨穿通枝)によってスチールされ、足が適切に灌流されないことがある。
図57Biiは、足首付近の静脈を通る血流の第2の例を示している。図57Biのように、静脈5701は、ほぼ足首の位置までのみ延在するステントグラフト1132によって裏打ちされる。図57Biiでは、装置5700は、足首においてステントグラフト1132の下方に配置される。静脈5701を通って流れる血液は、矢印5712によって示されるように、足及び外側足底網に向かって継続することができる。静脈を通って流れる血液は、装置5700が血管5703から流れを迂回させるため、分岐血管5703によってスチールされない。したがって、足は、装置5700なしよりも良好に灌流されることができる。装置5700は、(例えば、本明細書に記載のように足から延在するガイドワイヤを使用して)足から及び/又は大腿アクセスから展開されることができる。装置5700は、ステントグラフト1132と長手方向に重なることができる。例えば、装置5700は、ステントグラフト1132の半径方向外側にあってもよい。特定のそのような実施態様では、装置5700は、ステントグラフト1132の前に展開されてもよい。
図57Ci~57Ciiiは、図57Aの装置5700と特徴を共有する織られた分流装置5720、5730、5740の例示的な変形例を示している。装置5720、5730、5740は、それぞれ、75μmのワイヤ直径及び140°の公称編組角度を有するが、異なる直径に拡張されたときに異なる多孔度を有する。図57Ciの装置5720は、5.5mmの直径及び44%の多孔度を有する。図57Ciiの装置5730は、5mmの直径及び72%の多孔度を有する。図57Ciiiの装置5740は、4.5mmの直径及び83%の多孔度を有する。装置のオーバーサイズの量に応じて、異なる多孔度が達成されることができる。多孔度の量を変えることは、ユーザーが許容されるスチールの量を調整することを可能にする。一般に、より大きなサイズの装置は、より多くのスチールを可能にすることができる。再び図56Bを参照すると、装置5720は、遠位親の流れを約0.31mL/sまで増加させ、分岐血管の流れを約0.08mL/sまで減少させることができる。装置5730は、遠位親の流れを約0.26mL/sまで増加させ、分岐血管の流れを約0.13mL/sまで減少させることができる。装置5740は、遠位親の流れを約0.23mL/sまで増加させ、分枝血管の流れを約0.16mL/sまで減少させることができる。
図57Diは、グラフト被覆を通る流れを管理するために一定レベルの多孔度を達成するようにサイズが制御された複数の開口部によってグラフト被覆5759の一部5752が穿孔されている装置5750を示している。いくつかの実施態様では、グラフト被覆5759全体が穿孔されてもよい。開口部は、レーザー加工、被覆プロセス(例えば、ePTFE焼結)の一部としての機械的穿孔、ePTFEと多孔質膜との複合アセンブリなどによって形成されることができる。開口部の形状、サイズ、及び/又はパターンは、必要に応じて選択されることができる。孔径は、所望の血流を可能にするのに十分な大きさでなければならない。
図57Diiは、流体の流れに対する多孔質領域の効果を示す図57Diの装置5750の概略側面図である。選択された量の流体は、矢印5714によって示されるように、多孔質領域5752を通って、例えば分岐血管に流れることができる。残りの流体は、矢印5712によって示されるように、遠位の親に流れることができる。装置5750はまた、又は代替的に、第1の血管から第2の血管へ流れを導き、第1の血管内の選択された量の流れを維持するために、瘻孔内で使用されることができる。
図57Eは、スチールに対する多孔度の効果を示す多孔度の概略スペクトルである。スペクトルは、0%の多孔度(細孔のない被覆ステント)から100%の多孔度(ステントなし)までの範囲である。約0%~約50%の多孔度から、装置は、スチールを効果的に防止する。約60%~約75%の多孔度の間で、流れの保存が達成される。約86%を超える多孔度では、分流は、ほとんど又は全く達成されない。
図57Fiは、第1の血管から第2の血管へ、及び第1の血管を通る流体の流れを提供するように構成された別の例示的な装置5760の側面図である。図57Fiiは、領域57Fii内の57Fiの装置5760の拡大図である。装置5760は、本明細書に開示されている他の装置(例えば、ステント構造、グラフトなど)の特徴のいくつかを共有することができる。装置5760は、図57Fiiにおいてより見やすい複数のスリット5762を備える。装置5760は、図57Fiに示されており、スリット5762が閉鎖構成にあるように直線構成にある。
図57Fiiiは、間質組織を通って第2の血管5102内に延在する第1の血管5101内に配置された装置5760を示している。図57Fiiは、領域57Fiv内の57Fiiiの装置5760の拡大図である。第1の血管5101を通って流れる血液は、矢印5112によって示されるように、第1の血管5101内を流れ続けることができる。第1の血管5101を通って流れる血液は、矢印5110によって示されるように、第2の血管5102に迂回されてもよい。装置5760は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。装置5760が第2の血管に向かう湾曲に起因して屈曲されると、湾曲部の外側のスリット5762oが広げられ、一方、湾曲部の内側のスリット5762cがともに圧縮され、湾曲部の近位及び遠位のスリット5762cは閉じたままである。開放スリット5762cは、図57Fivに最もよく見られるように、矢印5112によって示されるように、血液が装置5760を通って流れることを可能にする。
図58Aは、例示的な閉塞性インプラント5800の側面図である。図58Biから図58Biiiは、閉塞性インプラント5800の原位置連結の例示的な方法、及び第1の血管5101から第2の血管5102へ、及び第1の血管5101を通る流体の流れを提供する例示的な装置を示している。図58Biiiは、矢印5112によって示されるように、少なくともいくらかの血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にする閉塞システムの一部としてのインプラント5800及び装置5810を示しており、本明細書に記載の遠位動脈流保存の利点のうちの1つ以上を提供することができる。インプラント5800は、心臓への静脈戻りにおける動脈血のスチールを阻害又は防止することができる。
血液は、元々、動脈化の前に右から左に(例えば、第2の血管5012が静脈である場合)第2の血管5102を流れていた可能性があり、その後、血液は、矢印5110によって示されるように、左から右に流れる、及び/又は第2の血管5102へのアクセス(例えば、標的化システム、スネアシステム、装置5800を展開するためのシステムなどを介して)は、右側からであった可能性があるため、近位、遠位、上流、下流などの議論は、図58A~図58Biiiに関して左右を参照することができるように混乱する可能性がある。
インプラント5800は、第1の部分5802を備える。第1の部分5802は、閉塞性インプラントを備える。第1の部分5802は、瘻孔プロテーゼ(例えば、装置5810)の左側の第2の血管5102を閉塞するように構成される。閉塞性インプラントは、例えば、これらに限定されないが、拡張可能メッシュ、スポンジ、プラグ(例えば、Abbottから入手可能なAmplatzer(登録商標)、Medtronicから入手可能なMVP(商標))、コイル又は複数のコイル(例えば、Medtronicから入手可能なConcerto(商標)、Boston Scientificから入手可能なInterlock(商標)及びVortX(登録商標)、Terumoから入手可能なAZUR(登録商標)、Cookから入手可能なMReye(登録商標))、塞栓液体(例えば、Medtronicから入手可能なOnyx(登録商標))、ヒドロゲル(例えば、Boston Scientificから入手可能なBead Block(商標))、ミクロスフェア(例えば、Terumoから入手可能なHydroPearl(登録商標))、埋め込み型バルーン、それらの組み合わせなどを含むことができる。瘻孔プロテーゼの左側に対して第2の血管5102を閉塞する任意のシステム又は方法が、第1の部分5802に適している場合がある。
インプラント5800は、任意に、第1の部分5802に連結された第2の部分5804を備える。第2の部分5804は、第1の部分5802を瘻孔プロテーゼ(例えば、装置5810)に取り付けるように構成されたコイル又は他のアンカーを備える。第2の部分5804は、第1の部分5802の左方へのドリフトを阻害することができる。第2の部分5804は、例えば、第1の部分5802が左にドリフトしたり、外れたりする可能性が低い場合には、省略されてもよい。第2の血管5102が静脈である場合、左への経路は心臓に向かうため、塞栓装置の下流放出は、回避されるべきである。
図58Biでは、装置5810は、例えば本明細書で説明するように、第1の血管5101内、間質組織を通り、第2の血管5102内に配置される。装置5810は、矢印5112によって示されるように、血液が細孔を通って図58Biの右側に流れることを可能にする非被覆ステントを備えてもよい。例えば本明細書に記載されるような他の瘻孔流動装置は、インプラント5800とともに使用されることができる。例えば、装置5120が図51Bの右にあまりにも遠くまで展開された場合、第2の血管5102の左への血流経路が存在してもよい。インプラント5800は、そのような血流経路を閉じるのを助けることができる。
図58Biはまた、第2の血管5102内の装置5810を通って延在するガイドワイヤ5812を示している。ガイドワイヤ5812は、インプラント5800を展開するために使用されることができる。図58Biiでは、インプラント5800が第2の血管5102内に展開された場合の第1の部分5802である。第1の部分5802は、第2の部分5804に繋がれており、矢印5816によって示されるように、第2の部分5804は、カテーテル5814を引き抜くことによって露出される。第2の部分5804は、カテーテル5814から放出される際に、巻き戻されてもよい。第2の部分の巻き戻しは、第2の部分5804が装置5810の内側側壁に対して固定され、第1の部分5802に引っ張り力を加えるように、装置5810の内側で起こる。
図58Cは、インプラント5800を備える例示的な閉塞性インプラントシステムの側面図である。システムはまた、装置5810を備える。血液は、矢印5112によって示されるように、第1の血管5101内の装置5810を通って流れることができる。血液はまた、矢印5110によって示されるように、第1の血管5101から、間質組織を通って、第2の血管5102内の右まで、装置5810に流入することができる。第1の血管5101から間質組織を通って装置5810に流入し、矢印5118によって示されるように第2の血管5102内を左に流れようとする血液は、第1の部分5802によって停止される。
例えば、これに限定されないが、装置5100、5120、5140、5200、5220、5230、5240、5300、5320、5400、5410、5420、5600、5810は、第1の血管を通る流れを維持することができる。装置は、疾患状態の機械的要件に適合するように、及び/又は必要に応じて流れを増加させるように、可変セル形状を有することができる。例えば、より大きなセルは、開窓の領域及び/又は分岐部に近接して設けられることができる。別の例では、端部のより小さいセルは、展開精度及び/又は壁並置を助けることができる。放射線不透過性マーキングは、例えば、カバーがどこから始まるかの表示をユーザーに提供するために、回転及び/又は長手方向の位置合わせを支援することができる。送達システムは、第1の血管を通る血流が保存されるように開窓を位置決めするために装置を回転させるように構成されることができる。例えば、開窓の形成、閉塞性インプラントの配置などを補助するために、システムに追加の装置が設けられることができる。
再び図52Ci及び図52Ciiを参照すると、これに限定されないが、装置5100、5120、5140、5200、5220、5230、5240、5300、5320、5400、5410、5420、5600、5810を含む本明細書に記載の瘻孔プロテーゼに適用可能な例として、第1の血管5101の直径がXmmである場合、第2の区画5236(例えば、第2の区画5236の近位端)の直径は、約0.25X~約0.75X(例えば、約0.25X、約0.35X、約0.4X、約0.45X、約0.5X、約0.6X、約0.75X、そのような値の間の範囲など)とすることができる。この比率は、例えば、第1の血管5101の直径X、第2の血管5102の直径、第1の血管5101の閉塞量、第1の血管5101の位置(例えば、第1の血管5101の下流のより多くの分岐血管が依然として供給されるため、比率は一般に上流でより小さくなる)、プロテーゼの種類などに依存することができる。プロテーゼは、ユーザーが所望の比率を選択することができるプロテーゼの一式として設けられることができる。
図59Aiは、足首に近接する静脈5901を通る血流の第3の例を示している。静脈5901(例えば、後脛骨静脈)は、例えば、本明細書中に記載されるように、ステントグラフト1132によって裏打ちされる。ステントグラフト1132は、ほぼ足首の位置までしか延在していない。静脈5901を通って流れる血液は、足及び外側足底網に向かって継続することができる。ステントグラフト1132の遠位端1903における静脈への遠位流出移行は制御されず、これは流路の突然の移行をもたらし、乱流のリスクを高める可能性がある。
図59Aiiは、足首に近接する静脈5901を通る血流の第4の例を示している。図59Aiのように、静脈5901は、ほぼ足首の位置までのみ延在するステントグラフト1132によって裏打ちされる。図59Aiiでは、装置5900は、足首におけるステントグラフト1132の下方に配置される。静脈5901を通って流れる血液は、足及び外側足底網に向かって継続することができる。装置5900の使用は、装置1132の遠位端5903からの移行部を制御して、流れに有害となり得る直径及び角度の変化を阻害又は防止することができる。
図59Bは、ステントグラフト1132と重なる図59Aiiの装置5900を示している。装置5900は、重なり部分5902及び先細部分5904を備える。重なり部分5902は、円筒形、先細状、及び/又はそれらの組み合わせとすることができる。いくつかの実施態様では、装置5900の近位端は、放射線不透過性マーカー5912を備え、ステントグラフト1132の遠位端は、放射線不透過性マーカー5914を備える。マーカー5912がマーカー5914の上流にあるとき、ユーザーは、所望の流れ効果を達成するために装置5900がステントグラフト1132と重なることを保証することができる。装置5900及び/又はステントグラフト1132は、適切な量の重複(例えば、先細部分5904の開始部を画定すること)を確保するために、別の放射線不透過性マーカーを備えてもよい。
先細部分5904は、第1の直径5906から第1の直径5906よりも小さい第2の直径5908まで先細になっている。第1の直径5906は、例えば、約2mm~約10mm(例えば、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。第2の直径5908は、例えば、約1mm~約8mm(例えば、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。先細部分5904は、長さ5910を有する。長さ5910は、例えば、約5mm~約100mm(例えば、約5mm、約10mm、約25mm、約50mm、約75mm、約100mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。装置5900は、例えば、流入条件、流出形状、流速、圧力などに基づいて、直径、長さ、先細角などを調整して、ステントグラフト1132の内側及び/又は遠位の層流条件の可能性を生成又は最適化することができる。例えば、第2の直径5908及び/又は装置5900内の圧力に基づいて、特定の所望の流量が可能であってもよい。
図60は、左下腿の特定の脈管構造を示す部分透過図である。血管系は、膝窩動脈のP3セグメント6002を含む。P3セグメント6002は、前脛骨動脈6004及び脛骨腓骨幹6006に分岐する。脛骨腓骨動脈幹又はTP幹又はTPT6006は、後脛骨動脈6008及び腓骨動脈6010に分岐する。ボックス6012は、後脛骨動脈6008が閉塞を含むことが多い例示的な領域を示している。本明細書に記載の方法のいくつかでは、後脛骨動脈6008から後脛骨静脈4438への交差は、閉塞6014に近接するボックス6012の領域内にある。いくつかの実施態様では、交差は、閉塞6014のさらに上流、例えばP3セグメント6002もしくは脛骨腓骨幹6004内、又は後脛骨動脈6008(例えば、閉塞6014から離間している)の近位にあり得る。P3セグメント6002及び脛骨腓骨幹6006は、通常、後脛骨動脈6008よりも大きく、罹患していない。P3セグメント6002又は脛骨腓骨幹6006又は後脛骨動脈6008の近位からの横断は、静脈動脈化への流入を改善することができる。瘻孔プロテーゼは、他の動脈を詰まらせる恐れを軽減して、P3セグメント6002又は脛骨腓骨幹6006に配置されることができる。閉塞の上流に瘻孔プロテーゼ(例えば、瘻孔の遠位の動脈の流れを維持する能力を有する)を配置することは、本明細書に記載の処置をより広い患者集団(例えば、選択肢のない患者に加えて高リスク患者)に開放することができる。閉塞の上流に瘻孔プロテーゼ(例えば、瘻孔の遠位の動脈の流れを維持する能力を有する)を配置することは、瘻孔プロテーゼ内の血流量を適切に管理して、脂肪誘発虚血のリスクを低減することができる。本明細書に記載の処置に使用されることができる他の動脈は、前脛骨動脈(ATA)及び腓骨又は腓骨腓骨を含むが、これらに限定されない。後脛骨静脈4438は、いくつかの状況において、どの血管が閉塞されているかにかかわらず標的とすることができる。
P3セグメント6002及び脛骨腓骨幹6006は、下肢への主要な供給血管である。動脈-静脈接続部をP3セグメント6002又は脛骨腓骨幹6006の近位に移動させようとすると、それらのより大きな直径及び血液量を考慮すると、動脈樹から過度に多くの血液をそらすリスクが増加する。血液を静脈に迂回させることによってこれらの動脈6002、6006からあまりにも多くの血液をスチールすることは、それらが供給する組織に虚血をもたらす可能性がある。スチールの量は、形状(直径、ルーメン形状)、圧力勾配(動脈から静脈への、大伏在静脈のような交差部の遠位の他の静脈スチール)、利用可能な流路の数、動脈血供給などのいくつかの要因によって影響されることができる。本明細書に記載されるように、いくつかのプロテーゼは、血液を動脈から静脈に迂回させ、それでもなお瘻孔の遠位の動脈を通る血流を提供することができる。そのような動脈流を維持する静脈の動脈化は、動脈-静脈接続部の遠位の動脈における血流を維持することができるが、多すぎる血液を迂回させることは、依然として深刻なリスクとなり得る。
プロテーゼ内の流れを制御することは、被験者の健康にとって重要であり得る。特定のプロテーゼ形状は、動脈化された静脈内の所望の流れを達成することができる。上位動脈における公称血流は、約750mL/分である。本明細書に記載の動脈化静脈を通る流量は、約50mL/分~約500mL/分(例えば、約50mL/分、約100mL/分、約150mL/分、約200mL/分、約250mL/分、約300mL/分、約350mL/分、約400mL/分、約450mL/分、約500mL/分、そのような値の間の範囲など)とすることができ、これは、遠位肢虚血を減少させるのに十分であることが分かっている。500mL/分を超える流速も十分であり得る(例えば、瘻孔プロテーゼが閉塞のはるか上流に配置される場合)。50mL/分未満の流速も十分であり得る(例えば、瘻孔プロテーゼが脚のはるか下方に配置される場合)。したがって、約2mm~約3.5mm(例えば、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、そのような値の間の範囲など)のプロテーゼ直径は、流れの特性及び解剖学的構造(例えば、下流の血管による抵抗又は引っ張り)に応じて、十分な血流を提供することができる。一部の血液が動脈を通って流れ続けることができる場合、迂回した血液は、好ましくは、近位交差位置も可能にしながら同様の流れを提供する。
図61Aは、閉塞の上流に配置されることができるプロテーゼ6100の例を示している。プロテーゼ6100は、第1のセグメント6101と、第2のセグメント6102と、第3のセグメント6103と、第4のセグメント6104と、第5のセグメント6105とを備える。図61Aのセグメント6101から6105の長さ、直径、及び形状は、概略的なものに過ぎない。第1のセグメント6101は、近位動脈(例えば、P3セグメント6002又は脛骨腓骨幹6006)に固定されるように構成される。第1のセグメント6101は、動脈と静脈との間の間質組織にまたがるように構成される。第5のセグメント6105は、近位静脈に固定されるように構成される。第3のセグメント6103は、好ましくは静脈内に存在するように構成される。第3のセグメント6103は、第1のセグメント6101よりも幅狭である。第2のセグメント6102は、第1のセグメント6101から第3のセグメント6103に向かって先細になっている。第3のセグメント6103は、(例えば、図61Aに示すように)第5のセグメント6105よりも狭いことが好ましく、これは、プロテーゼ6100を第3のセグメント6103で終端させること、又は第3のセグメント6103を一端に近すぎる位置に配置することよりも良好な血行動態を提供することができる。第4のセグメント6104は、第3のセグメント6103から第5のセグメント6105に向かって先細になっている。第4のセグメント6104及び第5のセグメント6105は、省略されてもよい。
第3のセグメント6103の狭窄は、(例えば、流れ抵抗を増加させることによって)プロテーゼ6100を通る血液の流れを制限することができる。第3のセグメント6103を通って流れることができる血液の量は、第1のセグメント6101及び第5のセグメント6105を通って流れることができる血液の量よりも少ない。第2のセグメント6102及び第4のセグメント6104は、それぞれ、動脈直径から第3のセグメント6103へ、及び第3のセグメント6103から静脈直径への緩やかな移行を提供する。そのような緩やかな移行は、プロテーゼ6100内の層流を生成し、及び/又は乱流を低減するのを助けることができる。全体として、プロテーゼ6100は、砂時計形状を有する。第3のセグメント6103は、バルーンを有していない。第3のセグメント6103は、ポンプを有していない。第3のセグメント6103は、弁尖又は他の弁構成要素を含まない。第3のセグメント6103は、塞栓フィルタリング構成要素を含まない。第3のセグメント6103は、塞栓形成を引き起こすように構成されていない。第3のセグメント6103は、第1及び第2の血管内に固定されるように意図的に寸法決めされた第1のセグメント6101及び/又は第5のセグメント6105のオーバーサイズを構成しない。第3のセグメント6103の狭窄は、可能な限り多くの血流を可能にするために血管を支柱で開くように構成された末梢血管プロテーゼの教示に反している。特定の要素(例えば、バルーン、ポンプ、フィルタなどのうちの1つ以上)は、いくつかの実施形態では必要に応じて除外され、他の実施形態では存在する。
図61Bは、閉塞の上流に配置されることができるプロテーゼ6120の別の例を示している。プロテーゼ6120は、第1のセグメント6121と、第2のセグメント6122と、第3のセグメント6123とを備える。図61Bのセグメント6121から6125の長さ、直径、及び形状は、概略的なものに過ぎない。第1のセグメント6121は、近位動脈(例えば、P3セグメント6002又は脛骨腓骨幹6006)に固定されるように構成される。第1のセグメント6121は、動脈と静脈との間の間質組織にまたがるように構成される。第3のセグメント6123は、好ましくは静脈内に存在するように構成される。第3のセグメント6123は、第1のセグメント6121よりも幅狭である。第2のセグメント6122は、第1のセグメント6121から第3のセグメント6123に向かって先細になっている。プロテーゼ6120は、第4のセグメント6104及び第5のセグメント6105が省略されたプロテーゼ6100と同様であってもよい(例えば、その後、プロテーゼ6120は、第2のセグメント6122の直径(例えば、約3.5mm又は約4mm)まで緩やかに漸減し、その後、第3のセグメント6123のその直径に留まる。第3のセグメント6123の狭窄は、例えば、プロテーゼ6120の第3のセグメント6103の利益の少なくともいくつか(例えば、プロテーゼ6120を通る血液の流れを制限すること)をプロテーゼ6100に提供することができる。
図61Cは、閉塞の上流に配置されることができるプロテーゼ6150のさらに別の例を示している。プロテーゼ6150は、装置5300のいくつかの特徴、例えばステント構造6158、グラフト6159、放射線不透過性マーカーなどを共有することができる。プロテーゼ6150は、矢印5110によって示されるように、第1の血管5101から第2の血管5102へ、矢印5112によって示されるように、第1の血管5101を通る流体の流れを提供する能力を提供することができる。図61Cに示す例では、第1の血管5101は、P3セグメント6002であるが、他の血管も可能である。プロテーゼ6150は、少なくとも一部の血液が第1の血管5101内を流れ続けることを可能にし、本明細書に記載の遠位動脈の流れを保存する利点のうちの1つ以上を提供することができる。プロテーゼ6150は、グラフト6159を欠く窓又は開窓6160を備える。グラフト6159は、窓6160を形成するために除去されてもよく、又は例えば本明細書に記載されるように最初に形成されなくてもよい。プロテーゼ6150は、セグメント6101から6105の形状及び順序などのプロテーゼ6100のいくつかの特徴を共有することができる。例えば、プロテーゼ6150は、第1の血管5101内に固定され、間質組織を通って延在する第1のセグメント6151を備える。別の例では、プロテーゼ6150は、第2の血管5102内に第3のセグメント6153を備える。第3のセグメント6153は、(例えば、流れ抵抗を増加させることによって)プロテーゼ6150を通り、したがって第2の血管5102への流れを制限する。第3のセグメント6103は、第1の血管5101内で継続することによって過剰な圧力を消散させるため、第3のセグメント6103は、圧力上昇を引き起こさない。この流れの制限は、血管スチールを制限する可能性がある。この流れの制限はまた、十分な血液が第1の血管5101内、例えば血管5101内の下流及び分岐血管5425に流れ続けるように血行動態を提供することができる。過剰な血液が第1のセグメントに流入する可能性があるため、瘻孔の角度は、第3のセグメント6103を通って、したがって第2の血管5102に流入することができる血液の量に影響を及ぼさない。プロテーゼ6100の形状と装置5100の特定の特徴との組み合わせが図61Cに示されているが、プロテーゼ6100の形状と、装置5100、5120、5140、5160、5200、5220、5230、5240、5300、5310、5320、5360、5400、5410、5415、5420、5500、5520、5530、5600、5750、5760、5810を含むがこれらに限定されない本明細書に記載の他の装置の特定の特徴との組み合わせが理解されよう。
本明細書中に記載の上流の瘻孔交差は、本明細書中に記載の他の方法(例えば、放射線不透過性マーカー標的化、分岐識別、拡張可能部材穿刺、ガイドワイヤスネアリング、静脈内層、弁無効化、ペダルアクセスなど)と組み合わせられることができる。例えば、プロテーゼ6150を配置する方法は、第1の血管内の交差カテーテル上の放射線不透過性マーカーを使用して、第2の血管内の放射線不透過性拡張可能部材を標的とすることと、プロテーゼ6150を配置すること(例えば、セグメント6151から6155のうちの少なくとも1つを拡張するためにバルーンを使用すること)とを含むことができる。本方法は、拡張可能部材を第2の血管に穿刺することと、ガイドワイヤをスネアすることと、スネアされたガイドワイヤを第2の血管から近位に後退させることと、ガイドワイヤ上でプロテーゼ送達カテーテル、静脈内層カテーテル、弁無効化装置などの装置を追跡することとを含むことができる。
いくつかの実施態様では、ステント構造6158は、第3のセグメント6153において狭くてもよく、グラフト6159は、ステント構造6158の湾曲に追従して、第3のセグメントにおいて狭くてもよい。そのような実施態様は、例えば、製造がより容易であり得る。
図61Dは、閉塞の上流に配置されることができるプロテーゼ6180のさらに別の例を示している。プロテーゼ6180は、プロテーゼ6150の特徴を共有することができる。図61Dでは、ステント構造6188は、第3のセグメント6183において狭くなっていない。ステント構造6188の湾曲に追従するのではなく、グラフト6189は、第3のセグメント6183においてステント構造6188内で狭くなる。
図62Aは、閉塞の上流に配置されることができるプロテーゼ6200の例を示している。プロテーゼ6200は、第1のセグメント6201と、第2のセグメント6202と、第3のセグメント6203と、第4のセグメント6204と、第5のセグメント6205とを備える。第1のセグメント6201は、近位動脈(例えば、P3セグメント6002又は脛骨腓骨幹6006)に固定されるように構成される。第1のセグメント6201は、実質的に円筒形である。第1のセグメント6201は、直径6206を有する。直径6206は、例えば、約5mm~約7mm(例えば、約5mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。第5のセグメント6205は、近位静脈に固定されるように構成される。第5のセグメント6205は、実質的に円筒形である。第5のセグメント6205は、直径6207を有する。直径6207は、例えば、約5mm~約7mm(例えば、約5mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。直径6206は、直径6207と同じであってもよい。
第3のセグメント6203は、好ましくは静脈内に存在するように構成される。第3のセグメント6203は、間質組織内に、又は少なくとも部分的に動脈内に存在するように構成されてもよい。第3のセグメント6203は、実質的に円筒形である。流動抵抗を増加させることができる他の形状も可能である(例えば、楕円形、スロット付きなど)。第3のセグメント6203は、直径6208を有する。直径6208は、例えば、約2.5mm~約5mm(例えば、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、約5mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。直径6208は、直径6206よりも小さい。直径6208は、直径6207よりも小さくてもよい。第2のセグメント6202は、直径6206から直径6208に向かって先細になっている。第4のセグメント6204は、直径6208から直径6207に向かって先細になっている。
セグメント6121から6125は、図62Aに示す形状及び/又は直径をとるように形状設定されることができる。いくつかの実施態様では、拡張バルーンが使用されて、セグメント6121から6125のうちの1つ以上を成形することができる。例えば、バルーン又は他の拡張可能部材のゆっくりとした膨張及び長手方向の移動は、先細セグメント6122及び/又は6124を形成することができる。
図62Bは、閉塞の上流に配置されることができる別のプロテーゼ6220の別の例を示している。プロテーゼ6220は、直径6226が直径6227よりも小さいことを除いて、プロテーゼ6200と同様である。直径6226は、例えば、約4mm~約6mm(例えば、約4mm、約4.5mm、約5mm、約5.5mm、約6mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。直径6227は、例えば、約5mm~約7mm(例えば、約5mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。直径6228は、直径6226、6227よりも小さい。直径6228は、例えば、約2.5mm~約5mm(例えば、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、約5mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。
図62Cは、閉塞の上流に配置されることができるプロテーゼ6240のさらに別の例を示している。プロテーゼ6240は、プロテーゼ6200が第1及び第2のセグメントを欠いていることを除いて、プロテーゼ6240のいくつかの特徴を共有することができる。プロテーゼ6240は、第3のセグメント6243と、第4のセグメント6244と、第5のセグメント6245とを備える。第5のセグメント6245の直径6247は、例えば、約5mm~約7mm(例えば、約5mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。第3のセグメント6243の直径6248は、直径6247よりも小さい。直径6428は、例えば、約2.5mm~約5mm(例えば、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、約5mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。プロテーゼ6240は、例えば、プロテーゼが必ずしも第1の血管に直接固定されない装置5200、5220、5230、5240などの改変であってもよい。
図62Dは、閉塞の上流に配置されることができるプロテーゼ6260のさらに別の例を示している。プロテーゼ6260は、プロテーゼ6200が第2のセグメントを欠いていることを除いて、プロテーゼ6260のいくつかの特徴を共有することができる。プロテーゼ6260は、第1のセグメント6261と、第3のセグメント6263と、第4のセグメント6264と、第5のセグメント6265とを備える。第1のセグメント6261は、動脈に固定されるように構成される。第1のセグメント6261が間質組織にまたがり、第3のセグメント6263に先細になっているのではなく、第3のセグメント6263は、第1のセグメント6261から横方向に延在している。第3のセグメント6263は、少なくとも部分的に間質組織を通って延在し、静脈に入ることができる。第1のセグメント6261の直径6266は、例えば、約5mm~約7mmの間(例えば、約5mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。第5のセグメント6265の直径6267は、例えば、約5mm~約7mm(例えば、約5mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。第3のセグメント6263の直径6268は、直径6267よりも小さい。直径6428は、例えば、約2.5mm~約5mm(例えば、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、約5mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。プロテーゼ6260は、例えば、装置5400、5410などの改変であってもよく、プロテーゼは、必ずしも第1の血管に固定され、次いで間質組織を通って延在するセグメントを有していなくてもよい。
図63Aは、閉塞の上流に配置されることができるプロテーゼ6300の例を示している。プロテーゼ6300は、プロテーゼ6100の特徴(例えば、第1のセグメント6301、第2のセグメント6302、第3のセグメント6303、第4のセグメント6304、第5のセグメント6305、直径6306、直径6307、狭い直径6308など)を共有することができる。プロテーゼ6300の第1のセグメント6301は、フランジ6310を備える。図示のフランジ6310は、第1のセグメント6301が動脈に固定するのを助けるように構成される。フランジ6310は、追加的又は代替的に、静脈及び/又は間質組織に固定されるように構成されることができる。フランジ6310は、例えば、延長部、ループ、支柱、アーム、時間などを備えることができる。フランジ6310は、プロテーゼ6300を固定して、開窓部分を適切に位置合わせするように構成されることができる。フランジ6310は、プロテーゼ6300が様々な血管及び被験者において使用されることを可能にすることができる。例えば、フランジ6310は、第1のセグメント6301がP3セグメント6002、脛骨腓骨幹6006、又は後脛骨動脈6008に固定するのを助けることができる(例えば、後脛骨動脈6008がより大きい閉塞6014から離間しており、血管壁の不規則性に起因して固定が困難であり得る閉塞6014に近接している)。フランジ6310は、直径6306よりも大きい直径6309を有する。直径6309は、例えば、約8mm~約12mm(例えば、約8mm、約9mm、約9.5mm、約10mm、約10.5mm、約11mm、約12mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。直径6309は、例えば、直径6306よりも約50%~約90%(例えば、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、そのような値の間の範囲など)大きくてもよく、本明細書に記載の全ての寸法が文脈に応じて様々な装置間で共有されることができるのと同様に、直径6206、6226の寸法を有してもよい。フランジ6310は、ステント構造と一体であってもよい。フランジ6310は、第1のセグメント6301に連結されてもよい。フランジ6310は、(例えば、図63Aに示すように)第1のセグメント6301の中央部にあってもよい。フランジ6310は、第1のセグメント6301の近位端に近接していてもよい。フランジ6310は、第1のセグメント6301の遠位端に近接していてもよい。
図63Bは、閉塞の上流に配置されることができるプロテーゼ6330の別の例を示している。プロテーゼ6330は、プロテーゼ6300の特徴(例えば、フランジ6340)を共有することができる。プロテーゼ6330は、ステント構造6338及びグラフト6339を備える。ステント構造6338は、織られた構造であるように示されているが、例えば、本明細書中に記載されるように、切断支柱及びそれらの組み合わせも可能である。フランジ6340は、ステント構造6338と一体である。グラフト6339は、フランジ6340の遠位でステント構造6338に連結される。グラフト6339は、第1のセグメント6331が配置される血管内で血液が流れ続けることを可能にする窓6333を備える。いくつかの実施態様では、フランジ6310は、(例えば、装置5240に関して説明したように)第1のセグメント6331が配置される血管内を流れ続けるように、血液が第1のセグメント6331の周りを流れ続けることができるように、第1のセグメント6331を血管壁から離間させる。特定のそのような実施態様では、窓6333は省略されてもよい。
図63Cは、閉塞の上流に配置されることができるプロテーゼ6350のさらに別の例を示している。プロテーゼ6350は、プロテーゼ6300が第1又は第2のセグメントを含まないことを除いて、プロテーゼ6350の特徴(例えば、フランジ6360)を共有することができる。フランジ6310は、第3のセグメント6353に連結されている。フランジ6360は、第3のセグメント6353の中央部にあってもよい。フランジ6360は、(例えば、図63Cに示すように)第3のセグメント6353の近位端に近接していてもよい。フランジ6360は、第3のセグメント6353の遠位端に近接していてもよい。フランジ6360は、(例えば、装置5240に関して説明したように)第3のセグメント6353が配置される血管内を流れ続けるように、血液が第1のセグメント6353の周りを流れ続けることができるように、第3のセグメント6353を血管壁から離間させる。狭い第3のセグメント6353は、プロテーゼ6350を通って第2の血管内に流れることができる血液の量を制限する。
図64は、流量制限インプラント6400の例を示している。インプラント6400は、第1のセグメント6401と、第2のセグメント6402と、第3のセグメント6403とを備える。第1のセグメント6401及び第3のセグメント6403は、インプラント6400をプロテーゼ及び/又は血管に固定するように構成される。第2のセグメント6402は、例えば、本明細書の特定の第3のセグメントに関して説明したように、インプラント6400を通る流れを制限することができる狭い円筒形区画を備える。インプラント6400は、本明細書に記載されるような流量制限要素を有しない装置、又は瘻孔内に配置するのに適することができる市販の装置に流量制限の利益を提供することができる。
図65は、閉塞の上流に配置されることができるプロテーゼ6500のさらに別の例を示している。プロテーゼ6500は、例えば、第1のセグメント6501、第2のセグメント6502、第3のセグメント6503、第4のセグメント6504、及び第5のセグメント6505を備えるプロテーゼ6200の特徴を共有することができる。第3のセグメント6503は、可撓性ベンチュリ又は自己調節弁と呼ばれることがある可撓性又は弾性材料を含む。流体中の速度が増加するにつれて、圧力は低下する。第3のセグメント6503は可撓性材料を含むため、圧力の低下は、プロテーゼの壁を内側に引き込み、第3のセグメントの直径を効果的に減少させる。この直径の減少は、流量を減少させることができ、遠位肢(例えば、足)の状態が経時的に変化する(成熟)及び/又は(例えば、静脈をスチールする意図的な閉塞によって)変更されるときに補償する。第3のセグメント6503は、完全に可撓性であってもよく、例えば、(例えば、図65に示すように)第1のセグメント6501及び/又は第5のセグメント6505の直径に向かって狭く又は広くすることができる。任意の条件下で制限された流れを確保するために、第3のセグメント6503の最大直径は制限されることができる。例えば、第3のセグメント6503の最大直径は、例えば、約2.5mm~約5mm(例えば、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、約5mm、そのような値の間の範囲など)とすることができる。いくつかの実施態様では、剛性ステント構造は、第3のセグメント6503の拡張を制限することができ、可撓性グラフト構造は、第3のセグメント6503の狭窄を可能にすることができる。
いくつかの実施態様では、開窓ステント(例えば、動脈閉塞の上流に配置されるか、又は動脈閉塞から長手方向に間隔を置いて配置される)を含む本明細書に記載の装置は、静脈動脈化処置に使用されることができる。特定のそのような処置では、静脈内層ステント(例えば、本明細書に記載のように、又は他の内層)が静脈内に配置されることができる。静脈内層は、静脈弁を支持して開くのを助けることができる。静脈内層は、分岐血管を閉鎖することができる。静脈内層は、プロテーゼを瘻孔に配置する前に静脈に配置されることができる。静脈内層は、瘻孔プロテーゼと重なることができる。いくつかの実施態様では、開窓ステント(例えば、動脈閉塞の上流に配置されるか、又は動脈閉塞から長手方向に間隔を置いて配置される)を含む本明細書に記載の装置は、経皮的又は外科的バイパス処置において使用されることができる。特定のそのような処置では、開窓ステントが使用されて、動脈から静脈(又は他の適切な第2の血管)まで延長することができる。第2の非開窓ステントが使用されて、静脈から動脈又は別の血管内に戻すことができる。内層は、バイパス血管内、例えば2つの瘻孔プロテーゼの間に配置されることができる。特定のそのような処置では、開窓ステントが使用されて、動脈から採取又は人工血管まで延長することができる。第2の非開窓ステントが使用されて、採取した血管又は人工血管から動脈又は別の血管内に戻すことができる。内層は、採取された血管又は人工血管内、例えば2つの瘻孔プロテーゼの間に配置されることができる。
いくつかの例示的な実施形態が本明細書で詳細に開示されているが、これは例として、例示のみを目的として行われている。前述の実施形態は、添付の特許請求の範囲に関して限定することを意図するものではない。特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な置換、代替、及び変更を行うことができることが本発明者らによって企図される。例えば、針を含むカテーテルの位置合わせに関して本明細書に記載されているが、本明細書に記載のシステム及び方法は、他のタイプのカテーテル、例えば、分岐、塞栓物質(例えば、コイル)送達カテーテル、方向性粥腫切除カテーテル、神経を標的化するために回転方向を有しなければならない神経刺激又はアブレーションカテーテルなどを含む血管系をナビゲートするガイドカテーテルを位置合わせするために使用されることができる。別の例として、血管カテーテルに関して本明細書に記載されているが、本明細書に記載のシステム及び方法は、内視鏡、経皮装置などを位置合わせするために使用されることができる。さらに別の例として、特定の処置は、動脈から静脈への針の交差に関して記載されることができるが、第1の動脈から第2の動脈への交差、第1の静脈から第2の静脈への交差、静脈から動脈への交差、第1の血管から第2の血管への交差、第1の空洞から第2の空洞への交差、空洞から血管への交差、及び血管から空洞への交差が可能である。
本明細書に記載の装置は、装置を通って流れる流体が血液などの液体である用途に使用されることができるが、装置はまた、又は代替として、流体が空気などの気体である気管又は気管支の手術などの用途に使用されることもできる。いくつかの実施形態では、流体は、固形物、又は流体が食物粒子を含む胃の手術では、例えば塞栓を含んでもよい。
本発明は、様々な変更及び代替形態が可能であるが、その具体例は図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、本発明は、開示された特定の形態又は方法に限定されるものではなく、逆に、本発明は、記載された様々な実施形態及び添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に入る全ての変更形態、均等物及び代替形態を包含するものであることを理解されたい。本明細書に開示される方法は、列挙された順序で実行される必要はない。本明細書に開示される方法は、施術者によって行われる特定の動作を含む。しかしながら、それらは、明示的に又は暗示的に、それらの動作の任意の第3者命令を含むこともできる。例えば、「第1の血管内の弁を無効にする」などの動作は、「第1の血管内の弁を無効にするように指示する」ことを含む。本明細書に開示される範囲はまた、任意の及び全ての重複、部分範囲、及びそれらの組み合わせを包含する。「まで(up to)」、「少なくとも(at least)」、「よりも大きい(greater than)」、「よりも小さい(less than)」、「間(between)」などの文言は、列挙された数字を含む。「約(about)」又は「およそ(approximately)」などの用語が先行する数字は、列挙された数字を含む。例えば、「約10mm」は、「10mm」を含む。「実質的に(substantially)」などの用語が先行する用語又は語句は、列挙された用語又は語句を含む。例えば、「実質的に平行」は、「平行」を含む。