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JP2017052806A - 抗糖化用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性に使用することができ、安定して供給することのできる新たな抗糖化用組成物を提供する。
【解決手段】抗糖化用組成物が、大麦葉末もしくは大麦葉抽出物と甘藷茎葉末もしくは甘藷茎葉抽出物の組合せ、大麦葉末もしくは大麦葉抽出物とケール末もしくはケール抽出物の組合せ、及び、甘藷茎葉末もしくは甘藷茎葉抽出物とケール末もしくはケール抽出物の組合せから選ばれる少なくとも一の組合せを含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗糖化用組成物に関する。
アミノ酸やタンパク質のアミノ基が還元糖と非酵素的に非可逆的に反応して糖化最終生成物(Advanced Glycation Endproducts:以下、AGEsと略する)を生成するタンパク質の糖化反応はメイラード反応と言われており、その代表的な抑制剤として、メチルグアニジンが知られている。
近年、タンパク質の糖化反応は生体内でも生じており、タンパク質の糖化反応が、糖尿病、動脈硬化、加齢に伴う皮膚のたるみ、皺、くすみなどの種々の老化現象の原因になることがわかってきた。そこで、AGEsの生成を阻害するタンパク質の糖化抑制剤が種々提案されている(特許文献1、2)。
特開2002-255813号公報 特開2011-102270号公報
本発明は、安全性に使用することができ、安定して供給することのできる新たな抗糖化用組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、安全性の確認されている機能性食品原料うち、特定のものに優れた抗糖化作用があることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、(a)葛花処理物、(b)甘藷茎葉末もしくは抽出物、(c)ケール末もしくは抽出物、(d)大麦葉粉砕物もしくは抽出物、及び(e)ジャガイモ抽出物から選ばれる少なくとも一種を主成分として含有する抗糖化用組成物を提供する。
本発明の抗糖化用組成物は、タンパク質等に対して優れた抗糖化作用を有する。また、本発明の抗糖化用組成物は、天然物由来で機能性食品原料として使用されているものを主成分とするため、安全に使用することができ、安定して供給することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の抗糖化用組成物は、(a)葛花処理物、(b)甘藷茎葉末もしくは抽出物、(c)ケール末もしくは抽出物、(d)大麦葉末もしくは抽出物、及び(e)ジャガイモ抽出物から選ばれる少なくとも一種を含有する。
(a)葛花処理物
本発明において葛花処理物とは、葛の花の処理物をいう。葛の種類としては、特に制限はないが、プエラリア・トムソニイ(Pueraria thomsonii)、プエラリア・ロバータ(Pueraria lobata)、プエラリア・スンバーギアナ(Pueraria thunbergiana)等を例示でき、プエラリア・トムソニイ(Pueraria thomsonii)を用いることが好ましい。
また、処理物には、例えば、乾燥処理、粉砕処理、抽出処理等の処理を施して得られたものを含み、後述するように、イソフラボン類の成分の含有量が高まるように、抽出、濃縮、分画、分離、精製などの処理を施して得られた処理物が好ましい。
葛花の乾燥処理物は、葛花、好ましくは蕾の段階の葛花を、日干し、熱風乾燥などの方法により乾燥することで得ることができる。水分含有量としては、10質量%またはそれ以下となるまで乾燥させることが好ましい。
葛花の粉砕処理物は、葛花の乾燥物を粉砕して得ることができ、粉砕は、当業者が通常用いる方法、例えば、ボールミル、ハンマーミル、ローラーミルなどを用いて行うことができる。また、葛花の粉砕処理物は、採取した葛花を、マスコロイダー、スライサー、コミトロールなどを用いて破砕して葛花破砕物を得、この葛花破砕物を乾燥することによっても得てもよい。
葛花の抽出処理物は、例えば、生の葛花又は乾燥処理した葛花の、破砕物又は非破砕物、好ましくは葛花の乾燥粉末などの破砕物に溶媒を添加して抽出を行い、遠心分離または濾過により抽出液を回収することによって得ることができる。
葛花処理物を得る具体的な方法は、例えば、特開2008-214191号公報に記載されている方法によることができる。
葛花処理物には、通常、イソフラボン類が乾燥物換算で0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜50質量%含有されるが、さらに、イソフラボン類の含有量を高める処理を施したものも好ましく用いることもできる。
イソフラボン類の含有量を高める処理としては、含水有機溶媒等による抽出、カラムクロマト等による分画などを行えばよい。例えば、前述の葛花処理物を、メタノール又は含水メタノール、好ましくは0.1〜99.9%メタノール含有の含水メタノールで抽出する処理を施すことにより、イソフラボン類の含有量を高めることができる。このようにして、典型的には、イソフラボン類を乾燥物換算で20〜100質量%、好ましくは40〜100質量%含有するイソフラボン含有組成物を得ることができる。
葛花処理物には独特のイソフラボン類が多く含まれている。具体的はテクトリゲニン(Tectorigenin)、テクトリゲニン7‐O‐キシロシルグルコサイド(Tectorigenin 7-O-xylosylglucoside)、6-hydroxygenistein、6-hydroxygenistein-6,7-di-O-glucoside、テクトリジン(Tectoridin)等である。一方、大豆などの植物に多く含まれるゲニステインやダイゼインまたはそれらの配糖体については、葛花にはほとんど含まれないことが分かっている。なお、葛花処理物に含まれるイソフラボン類は、これらを標品に用いたHPLC分析などにより、定量的または定性的に確認することができる。
葛花処理物としては、市販されているものを使用することができ、例えば、東洋新薬社製「葛の花エキス」を使用することができる。
(b)甘藷茎葉末もしくは抽出物
本発明において甘藷茎葉末は、甘藷茎葉(即ち、甘藷の茎及び/又は葉)を乾燥し粉砕したもの、又は甘藷茎葉の搾汁液を乾燥し粉末化したものであり、甘藷茎葉抽出物は、甘藷茎葉又はその乾燥物から得られる抽出物である。
ここで、甘藷とは、ヒルガオ科に属する植物をいい、一般にサツマイモと呼ばれる。甘藷の品種は、特に限定されない。例えば、すいおう、ジョイホワイト、コガネセンガン、シロユタカ、サツマスターチ、アヤムラサキなどの品種が挙げられる。なかでも、ポリフェノール含有量が高いすいおうが好ましい。すいおうは、一度茎葉を収穫した後であっても、同じ茎の先端から甘藷の若茎葉が再生するという特徴があるため、生産性の点からも好適に用いられる。
甘藷茎葉としては、甘藷の栽培時に、地面から外に出ている茎または葉を用いることが好ましい。好ましくは、地上から外へ、5cm以上、より好ましくは10cm以上、さらに好ましくは20cm以上出て成長した甘藷茎葉が好ましい。また、甘藷の茎が地面から外に出ている位置から甘藷茎葉の先端までの長さは、好ましくは300cm以下、より好ましくは200cm以下、さらに好ましくは150cm以下である。
さらに、甘藷茎葉としては、甘藷茎葉の先端部分(「甘藷の若茎葉」)が好ましく、他の茎葉に比べて、黄味がかった緑色を保持している状態の甘藷の若茎葉がさらに好ましい。甘藷の若茎葉としては、甘藷茎葉の先端から60cm以内の部位の茎葉が好ましく用いられる。甘藷の若茎葉は、植物体自身がやわらかいため、加工が容易である。さらに、甘藷茎葉の若茎葉は、乾燥粉末とした場合、舌触りがよく、様々な食品に利用しやすくなる。
甘藷茎葉末を得るに際しては、甘藷茎葉中の酵素の失活により品質を安定化させ、また、甘藷茎葉の褪色を防ぐため、甘藷茎葉に加熱処理をすることが好ましい。加熱処理における加熱温度は、好ましくは80℃より高い温度、より好ましくは85℃以上、さらに好ましくは90℃以上の温度とする。加熱処理における加熱時間は、好ましくは10分以下、より好ましくは5分以下、さらに好ましくは3分以下、特に好ましくは10秒〜1分とする。
加熱処理の具体的手法としては、例えば、特開2006-306852号公報に記載の方法によることができる。
一方、甘藷茎葉抽出物は、甘藷茎葉の生茎葉または加熱処理、乾燥処理、粉末化処理、圧搾処理などのいずれか少なくとも1つの処理が施された甘藷茎葉に抽出処理を行ったものである。抽出処理は、例えばWO2005/112665号公報に記載の方法によることができる。
甘藷茎葉末としては、市販されているものを使用することができ、例えば、甘藷の品種「すいおう」を原料とする市販の甘藷茎葉末を使用することができる。
(c)ケール末もしくは抽出物
本発明においてケール末は、アブラナ科植物であるケールの葉及び/又は茎を乾燥し粉砕したもの、又はケールのスラリー又は搾汁液を乾燥し粉末化したものであり、ケール抽出物は、ケール又はその乾燥物から得られた抽出物である。
ここで、ケールの品種としては、キッチンケール、ツリーケール、ブッシュケール、マローケール、コラード、および緑葉カンランなどの様々な種類のケールを用いることができる。
また、本発明においては、ケールの葉部および茎部のいずれの部分も適用することができる。
ケールは、収穫後直ちに乾燥、抽出等の処理をしたものが好ましい。処理までに時間を要する場合、ケールの変質を防ぐために低温貯蔵などの当業者が通常用いる貯蔵手段により貯蔵するのが好ましい。
ケール末又はケール抽出物を得る具体的手法は、例えば特開2007-99664号公報に記載のケール加工物を得る方法により行うことができる。
ケール末としては、市販されているものを使用することができ、例えば、東洋新薬社製のケールを使用することができる。
(d)大麦葉末もしくは抽出物
大麦葉末は、イネ科植物である大麦(Hordeum vulgare L.)の葉を乾燥し粉砕したもの、又は大麦の葉の搾汁液を乾燥し、粉末化したものであり、大麦葉抽出物は、大麦の葉又はその乾燥物から得られた抽出物である。
大麦の品種としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、二条大麦、四条大麦、六条大麦、裸大麦などが挙げられる。
また、大麦葉としては、分べつ開始期から出穂開始期(背丈が20〜40cm程度)に収穫した若葉を使用することが好ましい。
また、大麦葉は、生葉を水洗し、必要に応じて切断し、例えば特開2007-217479号公報に記載の大麦若葉末の製造方法のように、変質防止のために熱水や加熱蒸気で処理するブランチング処理又はマイクロウェーブ処理を行い、乾燥処理、粉砕処理したものが好ましい。特許第3428956号公報、特許第3277181号公報等に記載の粉末処理に基づいて行ってもよい。
大麦葉末としては、市販されているものを使用することができ、例えば、東洋新薬社製の大麦若葉末を使用することができる。
(e)ジャガイモ抽出物
ジャガイモ抽出物は、ジャガイモの塊茎から得られる抽出物である。ジャガイモの品種としては、例えば男爵薯、メークイン、キタアカリ、とうや、トヨシロ、インカのめざめ、デジマ、十勝こがねなどを用いることができる。
ジャガイモ抽出物の製造方法としては,特段の制限はなく、通常食品の製造において使用可能な、抽出溶媒を使用する方法とすることができ、製造助剤などの添加を行ってもよい。また、抽出方法は、搾汁により搾汁液を回収する方法であってもよい。また、得られた抽出液を常法により乾燥して使用することができる。
乾燥方法としては賦型剤を添加しスプレードライなどにより乾燥する方法であってもよい。
ジャガイモ抽出物の製造方法のより具体的な態様としては、まず、ジャガイモの可食部(塊茎)を粉砕し、得られた搾汁液に酸を添加してpHを酸性に調整し、次いで加熱下で溶媒抽出を行う。ここで添加する酸としては、一般に、塩酸などが挙げられる。添加する酸の量または濃度は、pHが一般に2〜5、好ましくは3〜4となるような量または濃度で適宜設定される。
溶媒抽出は、一般に70〜90℃にて10〜60分、好ましくは75〜85℃にて10〜20分で行われる。
溶媒抽出後、遠心分離、濾過などの適当な分離手段により沈殿物または不溶性画分を除き、上清または可溶性画分を回収する。さらに、抽出後の沈殿物または不溶性画分について再度同様の抽出処理を行って、上清または可溶性画分を回収することもできる。
回収した上清または可溶性画分から、膜処理により分子量が1万以上の画分を分離および回収し、続いて、冷却した上記抽出液に苛性ソーダを添加してpHを中性またはその付近に調整することが好ましい。こうして、ジャガイモ抽出物を得る。分子量分画のための膜処理としては、限外濾過膜処理、ゲル濾過膜処理が挙げられ、好ましくは限外濾過膜処理である。
ジャガイモ抽出物としては、市販されているものを使用することができ、例えば、東洋新薬社製の「ポテイン」を使用することができる。
本発明の抗糖化用組成物は、上述の(a)〜(e)の成分の少なくとも一種を配合したものであり、特に、(b)甘藷茎葉末もしくは抽出物、(c)ケール末もしくは抽出物、及び(e)大麦葉末もしくは抽出物については、これらから選ばれる2種以上を組み合わせて配合することが好ましい。これにより、抗糖化作用を、単独で配合する場合に比して高めることができる。
本発明の抗糖化用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線防止剤、界面活性剤、賦形剤、色材などの種々の成分を配合することができる。
また、本発明の抗糖化用組成物の主成分となる(a)〜(e)の成分は、それぞれ食品素材又は化粧品原料として使用されているものであるため、本発明の抗糖化抑制剤としての投与形態は、経口投与、又は経皮投与等の非経口投与とすることができる。
経口投与とする場合、本発明の抗糖化用組成物は必要に応じて、薬学的に許容される基材や担体を添加して、公知の製剤方法によって、例えばハードカプセル、ソフトカプセルなどのカプセル剤、錠剤、顆粒剤、丸剤、散剤、液剤、粉末剤、ゼリー状剤、飴状剤、ペースト状剤等の形態にして投与することができる。
また、主成分となる(a)〜(e)の成分が花又は茎葉の末である場合、それをティーバッグ状に分包し、お湯に成分を浸出させてから飲むようにしてもよい。また、その服用形態としては、水、お湯、牛乳などに溶いて飲むようにしたり、飲食品等に添加して摂取したりしてもよい。
本発明の抗糖化用組成物には、栄養成分を配合することもできる。栄養成分としては、例えば、アスコルビン酸、トコフェロール、リボフラビン、β-カロテン、葉酸、ビオチンなどのビタミン類;カルシウム、マグネシウム、セレン、鉄などのミネラル類;タウリン、ニンニクなどに含まれる含硫化合物;ヘスペリジン、ケルセチンなどのフラバノイド類やフラボノイド類;難消化性デキストリン、アルギン酸、キチン、キトサン、グアーガムなどの食物繊維;大豆蛋白、コラーゲンなどのタンパク質;ペプチド;アミノ酸;乳脂肪、ラード、牛脂、魚油などの動物性油脂;大豆油、菜種油などの植物性油脂;オレンジ、レモン、グレープフルーツ、いちごなどの果実およびその果汁;ローヤルゼリー、プロポリス、はちみつ、還元麦芽糖、乳糖、糖アルコール、液糖、調味料などが挙げられる。
一方、本発明の抗糖化用組成物を非経口投与とする場合、本発明の抗糖化用組成物は、軟膏剤、クリーム剤、ジェル、ローション、乳液、パック、湿布剤、浴用剤、点眼剤、点鼻剤等の形態にして、これを外用剤として利用することができる。
また、本発明の抗糖化用組成物は、皮膚用化粧品、シャンプー、リンス、コンディショナー等の毛髪用化粧品に配合することができ、その場合、化粧品に通常使用される基材や添加剤と共に使用することができる。更に、本発明の外用剤の有する機能をより増強したり、補填したりする目的で、様々な助剤を添加することも可能である。例えば、基剤としては、グリセロール、エタノール、パラベン、またはブチレングリコールなどが挙げられる。
上述の添加剤としては、賦形剤(シリコン系ポリマー)、香料、色素、保存剤(パラベンなど)、増粘剤(シリコン系ポリマー、アクリル系ポリマー、カルボキシビニル系ポリマーなど)、キレート剤(EDTAなど)、甘味料(スクラロースなど)、清涼剤(メントールなど)、防腐防黴剤(フェノキシエタノールなど)等が挙げられる。
上述の助剤としては、例えば、他の薬効成分や他の油剤(リノール酸、リノレン酸、パルミチン酸、DHA、EPAなどの不飽和脂肪酸およびその誘導体や亜麻仁油、ヤシ油、ホホバ油、オリーブ油、スクワラン、スクワレン、馬油、コメヌカ油、ヒマシ油などの動植物より抽出された油およびその誘導体など)、保湿剤(コラーゲンまたはその分解物、カロットエキスなどの含まれるコラーゲン類似ペプチド、大豆ペプチド、アミノ酸、ヒアルロン酸などのムコ多糖類、コンドロイチンなどのアミノ酸、トレハロースなどの糖類、海藻類、アルギン酸、グルコマンナン、ペクチンなどの水溶性食物繊維、リン脂質など)、界面活性剤(レシチンや脂肪酸エステル、アミノ酸誘導体など)、紫外線吸収剤(酸化亜鉛や酸化チタンなど)、吸収促進剤等が挙げられる。
本発明の抗抗糖化用組成物を使用するにあたり、(a)〜(e)の各成分の投与量は、それらの成分の組み合わせや当該組成物の形態に応じて適宜定めることができる。通常、投与物中、乾燥質量換算で好ましくは0.00001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上である。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例1(葛花処理物の抗糖化作用)
実施例1の被験物質として、葛花処理物(東洋新薬社製「葛の花エキス」、イソフラボン含量20%)を用意し、また、比較例1の被験物質として大豆抽出物(イソフラボン含量40%)を用意し、参考例の被験物質(ポジジティブコントロール)として、代表的な抗糖化剤であるアミノグアニジン(アミノグアニジン塩酸塩、Cayman Chemical Co.)を用意した。
一方、リン酸緩衝剤粉末 (1/15 mol/l pH 7.2)(和光純薬工業(株))を蒸留水に溶解して67mMリン酸緩衝液(以下、67mMPBと略する)を調製した。また、D(+)グルコース(関東化学(株))を67mMPBで溶解して200mg/mLグルコース溶液を調製し、また、アルブミン(ウシ血清由来コーンフラクションV、pH7.0、生化学用)(和光純薬工業(株))(以下、BSAと略する)を67mMPBで溶解して40mg/mLBSAを調製した。
実施例1、比較例1及び参考例1の被験物質の所定量をそれぞれ67mMPBで溶解して被験物質溶液を調製し、被験物質溶液、グルコース溶液、BSA溶液、PBを表1に示す割合で配合して試験溶液とコントロールを調製した。被験物質溶液と試験溶液における被験物質濃度を表2に示す。
試験溶液又はコントロールを60℃で48時間インキュベートし、インキュベート後の試験溶液を370nmで励起したときの440nmの蛍光強度を分光蛍光光度計で測定し、次の式によりAGEs生成阻害率(%)を算出した。
AGEs生成阻害率(%)
=(1 - [(Sample test−Sample blank)/ (Control test−Control blank) ])×100
(式中、Sample test:試験溶液(test)の蛍光強度
Sample blank:試験溶液(blank)の蛍光強度
Control test:コントロール(test)の蛍光強度
Control blank:コントロール(blank)の蛍光強度 )
結果を表2に示す。
Figure 2017052806
Figure 2017052806
表2から、葛花処理物は、抗糖化作用が知られている大豆抽出物よりも高い抗糖化作用を有することがわかる。
実施例2(ジャガイモ抽出物の抗糖化作用)
実施例2の被験物質としてジャガイモ抽出物(東洋新薬社製「ポテイン」)を用意し、参考例の被験物質として実施例1と同様にアミノグアニジンを用意した。
実施例1と同様にして、被験物質が表3に示す濃度の被験物質溶液を調製し、それを用いて、被験物質が同表の濃度となる試験溶液を調製し、それをインキュベートし、AGEs生成阻害率(%)を算出した。結果を表3に示す。
表3から、ジャガイモ抽出物が抗糖化作用を有することがわかる。
Figure 2017052806
実施例3〜5(甘藷茎葉末、大麦葉末、ケール末の抗糖化作用)
実施例3、4、5の被験物質として、甘藷茎葉末(東洋新薬社製すいおう(緑色粉末))、大麦葉末(東洋新薬社製大麦若葉(緑色粉末))、ケール末(東洋新薬社製ケール(緑色粉末))を用意し、参考例の被験物質として実施例1と同様にアミノグアニジンを用意した。
実施例1と同様にして、被験物質が表4〜表6に示す濃度の被験物質溶液を調製し、それを用いて、被験物質が同表の濃度となる試験溶液を調製し、それをインキュベートし、AGEs生成阻害率(%)を算出した。
結果を表4〜表6に示す。
Figure 2017052806
Figure 2017052806
Figure 2017052806
表4〜表6から、甘藷茎葉末、大麦葉末、ケール末がいずれも抗糖化作用を有することがわかる。
実施例6(甘藷茎葉末とケール末の組み合わせ)
実施例3、5の被験物質を1:1で混合したものを使用し、実施例1と同様にして表6に示す濃度の被験物質溶液を調製し、それを用いて、被験物質が同表の濃度となる試験溶液を調製し、それをインキュベートし、AGEs生成阻害率(%)を算出した。結果を表7に示す。
表7から、甘藷茎葉末とケール末をそれぞれ単独で使用するよりも、組み合わせて使用すると抗糖化作用が強まることがわかる。
Figure 2017052806
実施例7(甘藷茎葉末と大麦葉末の組み合わせ)
実施例3、4の被験物質を1:1で混合したものを使用し、実施例1と同様にして表8に示す濃度の被験物質溶液を調製し、それを用いて、被験物質が同表の濃度となる試験溶液を調製し、それをインキュベートし、AGEs生成阻害率(%)を算出した。結果を表8に示す。
表8から、甘藷茎葉末と大麦葉末をそれぞれ単独で使用するよりも、組み合わせて使用すると、抗糖化作用が強まることがわかる。
Figure 2017052806
実施例8(ケール末と大麦葉末の組み合わせ)
実施例4、5の被験物質を1:1で混合したものを使用し、実施例1と同様にして表8に示す濃度の被験物質溶液を調製し、それを用いて、被験物質が同表の濃度となる試験溶液を調製し、それをインキュベートし、AGEs生成阻害率(%)を算出した。結果を表9に示す。
表9から、ケール末と大麦葉末をそれぞれ単独で使用するよりも、組み合わせて使用すると、抗糖化作用が強まることがわかる。
Figure 2017052806

Claims (1)

  1. 甘藷茎葉末もしくは甘藷茎葉抽出物、ジャガイモ抽出物、及びケール末もしくはケール抽出物から選ばれる少なくとも一種を主成分として含有するAGEs生成阻害用組成物。
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