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JP2016134540A - 電力用半導体装置 - Google Patents

電力用半導体装置 Download PDF

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JP2016134540A JP2015009147A JP2015009147A JP2016134540A JP 2016134540 A JP2016134540 A JP 2016134540A JP 2015009147 A JP2015009147 A JP 2015009147A JP 2015009147 A JP2015009147 A JP 2015009147A JP 2016134540 A JP2016134540 A JP 2016134540A
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藤野 純司
Junji Fujino
純司 藤野
三紀夫 石原
Mikio Ishihara
三紀夫 石原
井本 裕児
Yuji Imoto
裕児 井本
功 大島
Isao Oshima
功 大島
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    • H01L2224/39Structure, shape, material or disposition of the strap connectors after the connecting process
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Abstract

【課題】余剰はんだのぬれ上がりを良好にして、はんだはみだしによるショート不良が抑制された電力用半導体装置を提供すること。【解決手段】電力用半導体素子と、この電力用半導体素子の主電極の面に対向して配置され、接合材により主電極の面と接合された電極板を備えた電力用半導体装置において、電極板の主電極の面と接合される部分に開口部が設けられ、この開口部周辺には、電極板の表面または裏面と面性状が連続した開口部内面となる突起が形成されるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、発電・送電から効率的なエネルギーの利用・再生まであらゆる場面で利用される電力用半導体装置に関する。
産業機器から家電・情報端末まであらゆる製品にパワーモジュール(電力用半導体装置)が普及しつつあり、家電に搭載されるモジュールについては、小型軽量化とともに多品種に対応できる高い生産性と高い信頼性が求められる。また、動作温度が高く、効率に優れている点で、今後の主流となる可能性の高いSiC半導体などワイドバンドギャップ半導体に適用できるパッケージ形態であることも同時に求められている。
電力用半導体装置は、高電圧・大電流を扱うために発熱が大きく、効率的に排熱する目的で熱伝導率に優れたセラミック基板を絶縁基板として用いる場合が多い。さらに電力用半導体素子の高密度化に伴い、高い電流密度の回路を形成するために、銅電極板を電力用半導体素子に直接はんだ付けする手法が用いられつつある。銅電極板と電力用半導体素子のギャップが一定であれば、供給したはんだの量を一定にすることで接合部形状は安定するが、実際には部材の公差によってギャップにばらつきが生じる。特にギャップが小さい場合には、余剰はんだがはみ出すことでショートする可能性がある。そこで銅電極板に開口部を形成し、余剰はんだがぬれ上がることではんだ接合部のはみ出しを抑制しようとする方法が検討されてきた。
銅電極板における製造後の輸送/保管中の自然酸化や、電力用半導体素子との接合プロセス以前のアセンブリプロセス中での加熱による酸化が原因のはんだぬれ性の低下を抑制するために、銅電極板の表裏面に防錆材を塗布している場合が多い。銅電極板に開口部を形成すると、防錆材がない切断面が開口部側面に露出するため、酸化によるはんだぬれ性の低下が進行し、余剰はんだのぬれ上がりが阻害される懸念があった。
特許文献1には、電力用半導体素子上に配置したヒートスプレッダ(電極)に開口部を形成し、はんだを供給することで接合する方法が示されている。また、特許文献2には、開口部以外の電極裏面に突起を設けることによりギャップを制御し、開口部からはんだを注入することで接合する方法が示されている。また、特許文献3には、電極の貫通孔の開口部下部に突起を設けて、ギャップを確保することにより安定した接続強度が得られることが記載されている。
特開2004−303869号公報 特開2004−134445号公報 特開2008−182074号公報(図5)
上記の特許文献に記載された方法によると、開口部側面のはんだぬれ性が乏しくなる可能性があり、いずれの特許文献にもそれに対する解決策が示されていない。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、開口部側面のはんだぬれ性を良好にすることにより余剰はんだのぬれ上がりを良好にして、はんだはみだしによるショート不良が抑制された電力用半導体装置を得ることを目的としている。
本発明は、電力用半導体素子と、この電力用半導体素子の主電極の面に対向して配置され、接合材により主電極の面と接合された電極板を備えた電力用半導体装置において、電極板の主電極の面と接合される部分に開口部が設けられ、この開口部周辺には、電極板の表面または裏面と面性状が連続した開口部内面となる突起が形成されているようにした。
この発明によれば、余剰はんだのぬれ上がりが良好になり、はんだはみだしによるショート不良が抑制された電力用半導体装置を提供できる。
本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の概略構成を示す側面断面図である。 本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の製造プロセスを示す第1の図である。 本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の製造プロセスを示す第2の図である。 本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の製造プロセスを示す第3の図である。 本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の製造プロセスを示す第4の図である。 本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の構成をダイレクトポッティング封止樹脂を取り去って示す上面図である。 本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の電極板の開口部の詳細構成の一例を示す拡大側面断面図である。 従来の電力用半導体装置の電極板の開口部の詳細構成を示す拡大側面断面図である。 本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の電極板の開口部の詳細構成の別の例を示す拡大側面断面図である。 本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の電極板の開口部の詳細構成のさらに別の例を示す拡大側面断面図である。 本発明の実施の形態2による電力用半導体装置の概略構成を示す側面断面図である。 本発明の実施の形態2による電力用半導体装置の構成をダイレクトポッティング封止樹脂を取り去って示す上面図である。 本発明の実施の形態2による電力用半導体装置の電極板の開口部の詳細構成を示す拡大側面断面図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の概略構造を示す側面断面図である。図2〜図5は実施の形態1による電力用半導体装置の製造プロセスを表す概念図である。まず、図2に示すように、セラミック基板11(AlN製、40mm×25mm×厚さ0.635mm、両面銅導体層12および13のパターン厚さ0.4mm)上に、ダイオード21(15mm×15mm×厚さ0.3mm)と、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)22がはんだダイボンド31によって搭載される。次に図3に示すように、ケース5(PPS樹脂製、48mm×28mm×高さ12mm)が接着剤6(シリコーン製)を用いて固定され、隙間を埋めることで、後述のダイレクトポッティング封止樹脂8の漏れを防止している。ケース5には電極板40(銅製、厚さ1mm、幅13mm、全長35mm)がインサートモールドされており、ダイオード
21やIGBT22など電力用半導体素子のソース電極およびドレイン電極など大電流が流れる主電極と接続される。電極板40の端部にはネジ止め電極部41が形成されケース5の外周部に固定される。またケース5外周部の別の部分に信号端子42を形成する。電極板40には、予め開口部43(開口径3mm)を、この開口部周辺が突起44(高さ1mm)となるようにバーリング加工(絞り加工)によって形成しておく。さらに図4に示すように、ケースに形成された信号端子42と、IGBT22のゲート電極や温度センサー電極などとを、ボンディングワイヤ7(アルミ製φ0.15mm)でそれぞれ電気的に接続する。
最後に図5に示すように、ダイレクトポッティング封止樹脂8を60℃に加熱した状態で流し込み、真空脱泡して加熱(100℃、1.5時間→140℃、1.5時間)して硬化させて封止を完了し、電力用半導体装置が完成する。なお、上記の寸法や温度、時間などの数値は一例であり、他の数値であっても良いのは言うまでもない。以降の数値についても同様である。
図6は実施の形態1による電力用半導体装置の構成を示す上面図で、ダイレクトポッティング封止樹脂は取り去って示している。電極板(ケース上部の外部端子部分の幅は7mm)は2個配置され、開口部43と突起44が形成された電極板40は、ねじ止め端子部41sでケース5に固定されている。電極板40はケース中でセラミック基板11から2mm程度浮いており、ダイオード21およびIGBT22などの電力用半導体素子の主電極(ソース電極)と接合材32により接続される。以降、接合材32としてはんだを用いた例で説明する。電極板40の開口部43は電力用半導体素子の主電極と接合される部分に設けられている。他方の電極板420は、ネジ止め端子部41dによりケース5に固定され、セラミック基板11の回路導体層12に直接はんだ付けされることによりIGBT22のドレイン電極と接続される。信号端子42(幅1.5mm)は、IGBT22の制御電極222(ゲート電極、温度センサー電極など)と、ボンディングワイヤ7で接続される。
図7は電極板40の開口部43と突起44の詳細を示す拡大側面断面図である。電極板40の表面(電力用半導体素子と反対側)および裏面(電力用半導体素子の側)は防錆処理が施され、防錆材(例えばベンゾトリアゾールなど)層40aおよび40bが形成されている。一方、突起の切断面40cには酸化膜が形成されている。電極板40は、バーリング加工(絞り加工)によって予め開口部43とこの開口部周辺となる突起44を形成しているため、開口部内面は、電極板の裏面と面性状が連続した、すなわち電極板の裏面と同じく防錆材層40bが形成された面となっている。接合材であるはんだ32が供給されると、防錆材層40bに対してはんだがぬれ上がり、開口部43の内面にもはんだが吸い上げられ、電力用半導体素子21の主電極211と電極板40が接続される。一方、図8は従来の電極板の構造を示しており、開口部43の側面に切断面40cの酸化膜が存在するため、はんだがぬれ上がることができず、余剰はんだは横方向に広がるため、ガードリング部212に乗り上げて絶縁性の低下を招くことが懸念される。
図9は、本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の電極板の開口部の詳細構成の別の例を示す拡大側面断面図である。図9に示す例では突起44を電極板の裏面側(電力用半導体素子側)に突出させている。この場合は、電極板40の表面に形成された防錆材層40aが開口部43の内面まで連続している。この場合、突起がギャップ確保に機能することが可能で、開口部43の内面ははんだぬれしやすい防錆材が形成されている面となる。ただし、先端部分の銅電極板断面40cには酸化膜が形成されているため、はんだがぬれにくい場合があり、はんだの供給方法を工夫する必要がある。
図10は、本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の電極板の開口部の詳細構成のさらに別の例を示す拡大側面断面図である。図10に示す例では、開口部43の周辺で一部が電力用半導体素子とは反対側に突出した突起441、一部が電力用半導体素子の側に突出した突起442となるよう突起を設けている。この場合、開口部43の内面の一部は電極板40の裏面の防錆材層40bと面性状が連続した面となり、一部は電極板40の表面の防錆材層40aと面性状が連続した面となっている。このように、電極板の表面側と裏面側両方に突出させる突起を設けることによりギャップ確保とはんだぬれ性の改善の両立が可能となる。
電極板40と電力用半導体素子のはんだ接合については、必要な量の板状はんだを間に挟んでリフローする方法が適用できる。さらにクリームはんだを塗布しておいたり、開口部43からディスペンサを用いて注入する等の方法も適用可能である。さらに、開口部43よりも小さな直径の糸はんだを所望の長さに切断して挿入し、リフローすることでもはんだ供給が可能である。
上記ではセラミック基板11の材料としてAlNを用いたが、アルミナやSiNなどのセラミック材料でも同様の効果が得られる。さらに放熱性の必要があまりない場合には、ガラスエポキシ基板などを用いることも可能である。また、樹脂絶縁シートを用いた金属基板を用いることも可能である。また、上記ではケース5の材料としてPPSを用いたが、より耐熱性の高いLCP(液晶ポリマー)を用いても同様の効果が得られる。
上記ではダイオード21とIGBT22が1対の1in1でのモジュール構成であったが、2対の2in1や6対の6in1であっても同様の効果が得られる。また、ボンディングワイヤとして上記ではアルミ製ワイヤを用いたが、銅製ワイヤやアルミ被服銅ワイヤ、または金ワイヤを用いても同様の効果が得られる。また、リボンボンドを用いたり、金属板を超音波接合するバスバーなどを用いても同様の効果が得られる。また、ダイレクトポッティング封止樹脂8については、流し込んで常温硬化させる種類のものでも同様の効果が得られる。
また、電力用半導体素子21、22とセラミック基板11の接続や、電極板40と電力用半導体素子21、22の接続に、接合材としてはんだを用いたが、Agフィラーをエポキシ樹脂に分散させた導電性接着剤や、ナノ粒子を低温焼成させるAgナノパウダやCuナノパウダなどを接合材として用いても同様の効果が得られる。またケースを用いずに金型を用いてトランスファモールド封止樹脂によって封止するトランスファモールドパッケージにおいても、同様の効果が得られる。
また、上記では、防錆剤があらかじめ塗布された電極板を用いたが、塗布されていない電極板を用いて形状加工し、しかる後に防錆剤を塗布しても同様の効果が得られる。
実施の形態2.
図11は実施の形態2による電力用半導体装置の構造を示す概念図である。図11に示すように、セラミック基板11(AlN製、40mm×25mm×厚さ0.635mm、両面銅導体層12および13のパターン厚さ0.4mm)上に、ダイオード21(15mm×15mm×厚さ0.3mm)と、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)22がはんだダイボンド31によって搭載される。次に、ケース5(PPS樹脂製、48mm×28mm×高さ12mm)が接着剤6(シリコーン製)を用いて固定され、隙間を埋めることでダイレクトポッティング封止樹脂8の漏れを防止する。ケース5には電極板400(CICクラッド材:銅/インバー/銅クラッド材製、厚さ1mm、幅13mm、全長35mm)がインサートモールドされており、ダイオード21やIGBT22などパワー素子のソース電極およびドレイン電極など大電流が流れる主電極と接続される。電極板400の端部にはネジ止め電極部が形成され、ケース5の外周部に固定される。また、ケース5外周部の別の部分に信号端子42を形成する。電極板400には予め開口部43(開口径3mm)と突起44(高さ1mm)がバーリング加工(絞り加工)によって形成しておく。突起44は一部が電極板400の表面側、一部が裏面側に形成されるように加工されている。さらに、ケースに形成された信号端子42は、IGBT22のゲート電極や温度センサー電極などと、ボンディングワイヤ7(アルミ製φ0.15mm)でそれぞれ電気的に接続されている。最後に、ダイレクトポッティング封止樹脂8を60℃に加熱した状態で流し込み、真空脱泡して加熱(100℃、1.5時間→140℃、1.5時間)して硬化させて封止を完了し、電力用半導体装置が完成する。
電極板400に用いたCICクラッド材は、厚さ0.5mmのインバー401を厚さ0.25mmの銅402および銅403でサンドした構造となっている。銅により膨張係数の小さなインバー(400℃までほぼ0ppm/K)を挟むことで電極板400トータルの熱膨張係数を小さくし、セラミック基板11や電力用半導体素子21、22の熱膨張係数に近づけることにより、接合部の熱応力を低減することができる。しかし、インバーは、はんだぬれ性が非常に乏しく酸化しやすいという短所を有するため、切断面でインバーが露出するとはんだがぬれ上がれなくなる可能性がある。
図12は実施の形態2による電力用半導体装置の上面図で、ダイレクトポッティング封止樹脂8を取り去って図示している。電極板(ケース上部の外部端子部分の幅は7mm)は2個配置され、開口部43と突起44が形成された電極板400は、ねじ止め端子部410sでケース5に固定されている。電極板400はケース中でセラミック基板11から2mm程度浮いており、ダイオード21およびIGBT22の主回路電極(ソース電極)とはんだ32で接続される。他方の電極板420は、ネジ止め端子部420dによりケース5に固定され、セラミック基板11の回路導体層12に直接はんだ付けされることにより電力用半導体素子のドレイン電極と接続される。信号端子42(幅1.5mm)は、IGBT2
2の制御電極222(ゲート電極、温度センサー電極など)と、ワイヤ7で接続される。
図13は電極板400の開口部43と突起44の詳細を示す拡大側面断面図である。開口部43の周囲には突起44が、一部は上向き、一部は下向きに形成されており、開口部内面は、電極板400の表面または裏面と面性状が連続した面となっている。このため、はんだ32が供給されると、銅402および403に対してはんだがぬれ上がり、開口部43の内面にもはんだが吸い上げられる。
CICクラッド材の電極板400と電力用半導体素子のはんだ接合については、必要な量の板状はんだを間に挟んでリフローする方法が適用できる。さらにクリームはんだを塗布しておいたり、開口部43からディスペンサを用いて注入する等の方法も適用可能である。さらに、開口部43よりも小さな直径の糸はんだを所望の長さに切断して挿入し、リフローすることでもはんだ供給が可能である。
突起44を電極板400の表面側(電力用半導体素子と反対側)と裏面側(電力用半導体素子の側)両方に突き出した突起とすることで、CICクラッド材の電極板400の両面の銅402、403に対して確実にはんだ接続をすることが可能となり、電気抵抗や熱抵抗の小さな銅を最大限に活用することができる。勿論、図7や図9と同様、突起を電極板400の表面側または裏面側一方に突き出した突起としてもよいのは言うまでもない。なお、インバーと銅の積層は銅、インバー、銅、インバー、銅、のようにさらに多数積層する構造であってもよい。また、上記では、電極板400として、インバーを銅で挟んだ構造のものを示したが、他の材料、例えばステンレスを銅で挟んだ構造や、インバーをアルミで挟んだ構造であっても同様である。すなわち、電極板として、異なる膨張係数を有する複数の板を積層した構造とすることにより電極板400トータルの熱膨張係数を小さくし、セラミック基板11や電力用半導体素子21、22の熱膨張係数に近づけることができる。
上記ではセラミック基板11の材料として、AlNを用いたが、アルミナやSiNなどのセラミック材料でも同様の効果が得られる。さらに放熱性の必要があまりない場合には、ガラスエポキシ基板などを用いることも可能である。また、樹脂絶縁シートを用いた金属基板を用いることも可能である。また、上記ではケース5の材料としてPPSを用いたが、より耐熱性の高いLCP(液晶ポリマー)を用いても同様の効果が得られる。
上記ではダイオード21とIGBT22が1対の1in1でのモジュール構成であったが、2対の2in1や6対の6in1であっても同様の効果が得られる。また、ボンディングワイヤとして上記ではアルミ製ワイヤを用いたが、銅製ワイヤやアルミ被服銅ワイヤ、または金ワイヤを用いても同様の効果が得られる。また、リボンボンドを用いたり、金属板を超音波接合するバスバーなどを用いても同様の効果が得られる。また、ダイレクトポッティング封止樹脂8については、流し込んで常温硬化させる種類のものでも同様の効果が得られる。
また、電力用半導体素子21、22とセラミック基板11の接続や、電極板と電力用半導体素子を接続する接合材としてはんだを用いたが、Agフィラーをエポキシ樹脂に分散させた導電性接着剤や、ナノ粒子を低温焼成させるAgナノパウダやCuナノパウダなどを接合材として用いても同様の効果が得られる。またケースを用いずに金型を用いてトランスファモールド封止樹脂によって封止するトランスファモールドパッケージにおいても、同様の効果が得られる。
なお、本発明は、電力用半導体素子として、例えば高温動作も可能なワイドバンドギャップ半導体材料である炭化珪素(SiC)等を用いた電力用半導体素子を実装する電力用半導体装置に適用すると、高い電流密度の回路を形成することができるため特に効果がある。ワイドバンドギャップ半導体材料としては、他に、窒化ガリウム系材料、ダイアモンドなどがある。
21 ダイオード(電力用半導体素子)、22 IGBT(電力用半導体素子)、32 はんだ接合部(接合材)、40、400 電極板、40a、40b 防錆材層、43 開口部、44、441、442 突起、211 電力用半導体素子の主電極

Claims (7)

  1. 電力用半導体素子と、この電力用半導体素子の主電極の面に対向して配置され、接合材により前記電力用半導体素子の主電極の面と接合された電極板を備えた電力用半導体装置において、
    前記電極板の前記電力用半導体素子の主電極の面と接合される部分に開口部が設けられ、この開口部周辺には、前記電極板の表面または裏面と面性状が連続した開口部内面となる突起が形成されていることを特徴とする電力用半導体装置。
  2. 前記突起は、少なくとも一部が前記電力用半導体素子とは反対側に突き出していることを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体装置。
  3. 前記開口部および前記突起は、絞り加工により形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の電力用半導体装置。
  4. 前記電極板は、表面および裏面に防錆処理が施された銅板であることを特徴とする請求項1から3いずれか1項に記載の電力用半導体装置。
  5. 前記電極板は、異なる熱膨張係数を有する複数の板を積層した構造であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電力用半導体装置。
  6. 前記電力用半導体素子はワイドバンドギャップ半導体により形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電力用半導体装置。
  7. 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料またはダイアモンドの半導体であることを特徴とする請求項6に記載の電力用半導体装置。
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