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JP2015086838A - 内燃機関の故障診断装置および内燃機関の故障診断方法 - Google Patents

内燃機関の故障診断装置および内燃機関の故障診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の故障診断の精度を向上させて誤診断を抑制することができる内燃機関の故障診断装置および内燃機関の故障診断方法を提供する。
【解決手段】学習部201は、エンジン20の停止中において検出値ECTおよび検出値RCTが安定していると判断されるときに、検出値ECTと検出値RCTとの差を学習する。診断部202は、学習部によって学習された学習値を用いて補正された検出値ECTと検出値RCTとの差に基づいてエンジン20の故障診断を行なう。
【選択図】図5

Description

この発明は、内燃機関の故障診断装置および内燃機関の故障診断方法に関し、特に冷却水の温度に基づいて内燃機関の故障診断を行なう内燃機関の故障診断装置および内燃機関の故障診断方法に関する。
エンジンのウォータージャケットに設けられてエンジン水温を検出する第1水温センサと、ラジエータからエンジンへの冷却水通路に設けられてラジエータ出口水温を検出する第2水温センサとを備えるエンジンが知られている。
たとえば、特開2000−220454号公報(特許文献1)は、第1水温センサおよび第2水温センサによって検出される温度に基づいて冷却ファンが制御されるエンジンを開示している。
特開2000−220454号公報 特開2012−092823号公報 実開平3−88130号公報
しかしながら、第1水温センサによって検出されるエンジン水温と、第2水温センサによって検出されるラジエータ出口水温とを用いてエンジンの故障診断を行なう場合において、第1水温センサの検出特性が第2水温センサの検出特性に対してずれているときには、エンジンの故障診断の精度が低下してしまう可能性がある。
すなわち、エンジン水温とラジエータ出口水温とが同じであるにもかかわらず、第1水温センサの検出値と第2水温センサの検出値とが異なる場合には、第1水温センサおよび第2水温センサの検出特性の違いによってエンジンの故障診断の精度が低下してしまう。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、内燃機関の故障診断の精度を向上させて誤診断を抑制することができる内燃機関の故障診断装置および内燃機関の故障診断方法を提供することにある。
この発明によれば、内燃機関は、ラジエータと、内燃機関およびラジエータ間で冷却水を循環させるための冷却水路とを有する冷却装置を含む。内燃機関の故障診断装置は、第1の冷却水温センサと、第2の冷却水温センサと、学習部と、診断部とを備える。第1の冷却水温センサは、冷却水路において内燃機関に流れる冷却水の温度を検出する。第2の冷却水温センサは、冷却水路においてラジエータに流れる冷却水の温度を検出する。学習部は、内燃機関の停止中において第1および第2の冷却水温センサの検出値が安定していると判断されるときに、第1の冷却水温センサの検出値と第2の冷却水温センサの検出値との差を学習する。診断部は、学習部によって学習された学習値を用いて補正された第1の冷却水温センサの検出水温と第2の冷却水温センサの検出水温との温度差に基づいて内燃機関の故障診断を行なう。
内燃機関の停止中において第1および第2の冷却水温センサの検出値が安定していると判断されるときに、冷却水路における冷却水の温度は均一となる。このとき、第1の冷却水温センサの検出値と第2の冷却水温センサの検出値との差を学習することによって、センサの検出特性のずれを補正することができる。したがって、この故障診断装置によれば、学習値によって補正された検出水温を用いることによって内燃機関の故障診断の精度を向上させて誤診断を抑制することができる。
好ましくは、学習部は、内燃機関の停止中において第1および第2の冷却水温センサの検出値が安定していると判断されるときの第1の冷却水温センサの検出値と第2の冷却水温センサの検出値との差が所定値よりも大きい場合には、学習部による学習を非実行とする。
内燃機関の停止中において第1および第2の冷却水温センサの検出値が安定しているにもかかわらず、検出値の差が所定値よりも大きい場合には、ブロックヒータの使用等による外乱が発生している可能性がある。この場合に学習を実行すると検出値の差を誤学習してしまうので、学習を非実行とすることによって誤学習を抑制することができる。
好ましくは、所定値は、第1の冷却水温センサの検出値の公差と第2の冷却水温センサの検出値の公差との合計値である。
内燃機関の停止中において第1および第2の冷却水温センサの検出値が安定しているときに、検出値の差が第1の冷却水温センサの検出値の公差と第2の冷却水温センサの検出値の公差との合計値以上である場合には、センサの特性ずれ以外によって検出値の差が発生している。この場合に学習を実行すると検出値の差を誤学習してしまうので、学習を非実行とすることによって誤学習を確実に抑制することができる。
好ましくは、診断部は、内燃機関の暖機が完了した後における第1の冷却水温センサの検出値と第2の冷却水温センサの検出値との差が学習値と異なる場合には、学習値を用いた補正を非実行とする。
内燃機関の暖機が完了した後には、内燃機関を流れる冷却水の温度およびラジエータを流れる冷却水の温度が安定する。内燃機関の暖機が完了したときの第1および第2の冷却水温センサの検出値の差と学習値と異なる場合には、外乱によって学習値が誤って算出された可能性が高いので、学習値を用いた補正が非実行とされる。これにより、誤学習された検出値を用いて内燃機関の故障が診断されることを抑制することができる。
好ましくは、診断部は、内燃機関の動作中に内燃機関およびラジエータ間で冷却水が循環している状態において、第1および第2の冷却水温センサの検出値が安定していると判断されるときの第1の冷却水温センサの検出値と第2の冷却水温センサの検出値との差が学習値と異なる場合には、学習値を用いた補正を非実行とする。
内燃機関の動作中に内燃機関およびラジエータ間で冷却水が循環している状態において、第1および第2の冷却水温センサの検出値が安定していると判断されるときに、内燃機関の暖機が完了したものとして第1および第2の冷却水温センサの検出値の差と学習値とを比較する。これによって、外乱によって学習値が誤って算出されたことを確実に検知することができる。
好ましくは、診断部は、内燃機関の暖機が完了した後における第1の冷却水温センサの検出値と第2の冷却水温センサの検出値との差が学習値と異なる場合には、内燃機関の故障診断を非実行とする。
内燃機関の暖機が完了したときの第1および第2の冷却水温センサの検出値の差と学習値と異なる場合には、外乱によって学習値が誤って算出された可能性が高いので、内燃機関の故障診断が非実行とされる。これにより、誤学習された検出値を用いて内燃機関の故障が診断されることを抑制することができる。
好ましくは、診断部は、内燃機関の動作中に内燃機関およびラジエータ間で冷却水が循環している状態において、第1および第2の冷却水温センサの検出値が安定していると判断されるときの第1の冷却水温センサの検出値と第2の冷却水温センサの検出値との差が学習値と異なる場合には、内燃機関の故障診断を非実行とする。
内燃機関の動作中に内燃機関およびラジエータ間で冷却水が循環している状態において、第1および第2の冷却水温センサの検出値が安定していると判断されるときに、内燃機関の暖機が完了したものとして第1および第2の冷却水温センサの検出値の差と学習値とを比較する。これによって、外乱によって学習値が誤って算出されたことを確実に検知することができる。
好ましくは、冷却装置は、ラジエータへ冷却水を通水するためのラジエータ循環通路と、ラジエータを経由することなく、内燃機関からの戻り冷却水を内燃機関に還流させるための戻り通路と、ラジエータ循環通路と戻り通路とを内燃機関の入口側において合流させる合流部と、合流部に設けられ、合流部における冷却水の温度に応じてラジエータ循環通路に流れる冷却水と戻り冷却水との混合比率を調整するサーモスタットとをさらに含む。診断部は、学習値を用いて補正された第1の冷却水温センサの検出水温と第2の冷却水温センサの検出水温との温度差に基づいてサーモスタットの故障診断を行なう。
サーモスタットの故障診断の一例として、冷却水の温度がサーモスタットが閉弁される温度である場合に、第1の冷却水温センサの検出水温と第2の冷却水温センサの検出水温との温度差が小さいときにサーモスタットが故障していると判断することができる。このようなサーモスタットの故障診断に用いられる第1の冷却水温センサの検出水温および第2の冷却水温センサの検出水温を、学習値を用いて補正することによって、サーモスタットの故障をより正確に診断することができる。
また、この発明によれば、内燃機関は、ラジエータと、内燃機関およびラジエータ間で冷却水を循環させるための冷却水路とを有する冷却装置を含む。内燃機関の故障診断方法は、冷却水路において内燃機関に流れる冷却水の温度を第1の冷却水温センサによって検出するステップと、冷却水路においてラジエータに流れる冷却水の温度を第2の冷却水温センサによって検出するステップと、内燃機関の停止中において第1および第2の冷却水温センサの検出値が安定していると判断されるときに、第1の冷却水温センサの検出値と第2の冷却水温センサの検出値との差を学習するステップと、学習するステップにおいて学習された学習値を用いて補正された第1の冷却水温センサの検出水温と第2の冷却水温センサの検出水温との温度差に基づいて内燃機関の故障診断を行なうステップとを含む。
内燃機関の停止中において第1および第2の冷却水温センサの検出値が安定しているときには、冷却水路における冷却水の温度は均一となる。このとき、第1の冷却水温センサの検出値と第2の冷却水温センサの検出値との差を学習することによって、センサの検出特性のずれを補正することができる。したがって、この故障診断方法によれば、学習値によって補正された検出水温を用いることによって内燃機関の故障診断の精度を向上させて誤診断を抑制することができる。
この発明によれば、内燃機関の故障診断の精度を向上させて誤診断を抑制することができる内燃機関の故障診断装置および内燃機関の故障診断方法を提供することができる。
この発明の実施の形態1によるエンジンを備える車両の構成を説明する模式的な平面図である。 エンジン停止後におけるエンジン側冷却水温センサおよびラジエータ側冷却水温センサの各検出値の時間変化の一例を示すタイムチャートである。 エンジン停止後におけるエンジン側冷却水温センサおよびラジエータ側冷却水温センサの各検出値の時間変化の一例を示すタイムチャートである。 エンジン停止後におけるエンジン側冷却水温センサおよびラジエータ側冷却水温センサの各検出値の時間変化の一例を示すタイムチャートである。 図1に示す制御装置が実行するエンジンの故障診断に関する機能ブロック図である。 図5に示す学習部が実行する処理のフローチャートである。 エンジン停止からエンジンの暖機が完了するまでのエンジン側冷却水温センサおよびラジエータ側冷却水温センサの各検出値の時間変化の一例を示すタイムチャートである。 エンジン停止からエンジンの暖機が完了するまでのエンジン側冷却水温センサおよびラジエータ側冷却水温センサの各検出値の時間変化の一例を示すタイムチャートである。 この発明の実施の形態2による診断部202Aが実行する処理のフローチャートである。
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1によるエンジンを備える車両の構成を説明する模式的な平面図である。図1を参照して、車両100は、エンジン20と、エンジン20を冷却するためのエンジン冷却装置と、エンジン20の故障を診断する故障診断装置とを含む。
エンジン冷却装置は、ウォータージャケット24と、電動ウォータポンプ(以下、「電動ポンプ」とも称する。)30と、ラジエータ40と、ラジエータ循環通路50と、バイパス通路60と、サーモスタット70とを含む。故障診断装置は、エンジン側冷却水温センサ80と、ラジエータ側冷却水温センサ90と、制御装置(以下、ECU(Electronic Control Unit)とも称する。)200とを含む。
エンジン20は、冷却水によってエンジン20を冷却するためのウォータージャケット24を有する。ウォータージャケット24は、エンジン20のシリンダの周囲に形成され、冷却水を通水する水路25を構成する。水路25は、入口部27と、出口部26との間に設けられ、入口部27からの冷却水を出口部26から送出する。水路25内に流れる冷却水がエンジン20と熱交換を行うことによってエンジン20が冷却される。これにより、エンジン20が燃焼に適した温度に維持される。水路25およびラジエータ循環通路50は、この発明における「冷却水路」を構成する。
電動ポンプ30は、電動機によって駆動されてエンジン20の冷却水を循環させるポンプである。電動ポンプ30は、エンジン本体の取付側面部22に装着される。電動ポンプ30は、入口部27から水路25内へ冷却水を送出する。
電動ポンプ30は、ECU200から受ける制御信号によって駆動および停止が制御される。さらに、電動ポンプ30は、ECU200から受ける制御信号によって電動ポンプ30から吐出される冷却水の吐出量が制御される。
出口部26は、分岐部120を構成する。分岐部120は、ラジエータ循環通路50と、バイパス通路60とに接続される。分岐部120によって、水路25からの冷却水がラジエータ循環通路50への冷却水と、バイパス通路60への冷却水とに分けられる。
ラジエータ循環通路50は、エンジン20、電動ポンプ30、およびラジエータ40間に冷却水を循環させるための通路である。ラジエータ循環通路50は、配管50a,50bとラジエータ40とを含む。配管50aは、分岐部120とラジエータ40の入口部42との間に設けられる。配管50bは、ラジエータ40の出口部44とサーモスタット70との間に設けられる。エンジン20で暖められた冷却水は、ラジエータ40を通過することによって冷却される。
ラジエータ40は、ラジエータ40内を流れる冷却水と外気との間で熱交換を行うことによって冷却水の熱を放熱する。ラジエータ40には、冷却ファン46が設けられる。冷却ファン46は、送風によって熱交換を促進してラジエータ40内の冷却水の放熱効率を向上させる。ラジエータ40で冷却された冷却水は、出口部44から送出される。
バイパス通路60は、ラジエータ40を迂回して冷却水を循環させるための通路である。バイパス通路60は、配管60a,60bと、熱機器300とを含む。配管60aは、分岐部120と熱機器300との間に設けられる。配管60bは、熱機器300とサーモスタット70との間に設けられる。
熱機器300は、EGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラ28と、配管29と、排気熱回収器32と、ヒータ36と、スロットルボディ35と、EGRバルブ34とを含む。
EGRクーラ28は、冷却水によってEGRガスを冷却する。排気熱回収器32は、排気ガスの熱によって冷却水を温めることによって低温時の始動性を高める。スロットルボディ35は、冷却水によって暖められることによって固着等の発生が抑制される。EGRバルブ34は、冷却水によって冷却される。
サーモスタット70は、ラジエータ循環通路50を通過した冷却水と、バイパス通路60を通過した冷却水とを合流させる合流部110に配置される。合流部110は、配管50bを介してラジエータ40に接続されるとともに、配管60bに接続される。合流部110からの冷却水は、電動ポンプ30の吸込口へ戻される。
サーモスタット70は、冷却水の温度に応じてラジエータ循環通路50とバイパス通路60との両経路を通過する冷却水量の配分を調整する。サーモスタット70により、冷却経路における冷却水の混合比率が調整されて、エンジン冷却水路に通水される冷却水の温度がエンジン20の適温となるように保たれる。
エンジン20は、エンジン20を暖機するためのブロックヒータ400を有する。ブロックヒータ400は、エンジン20のシリンダブロック23に取り付けられる。たとえば、冷寒地等、外気が極低温まで下がる条件下で車両を使用する場合には、ガレージに車両を駐車する際に、ブロックヒータ400のコードをガレージ内のコンセントに差し込んでおく。これにより、ブロックヒータ400が通電され、発熱する。ブロックヒータ400で生じた熱は、シリンダブロック23を伝わってウォータージャケット24内の冷却水を温める。このため、次に車両を始動させる際に、エンジン20は予め暖機されており、エンジン20の始動性を向上させることができる。
エンジン側冷却水温センサ80は、分岐部120に設けられる。エンジン側冷却水温センサ80は、出口部26から送出される冷却水の温度を検出し、検出値ECTをECU200へ出力する。なお、エンジン側冷却水温センサ80は、冷却水が常時循環している経路に設けられていればよく、たとえば、水路25に設けられてもよい。
ラジエータ側冷却水温センサ90は、配管50aに設けられる。ラジエータ側冷却水温センサ90は、ラジエータ循環通路50に流れる冷却水の温度を検出し、検出値RCTをECU200へ出力する。なお、ラジエータ側冷却水温センサ90は、ラジエータ循環通路50に設けられていればよく、たとえば、配管50bに設けられてもよい。
ECU200は、エンジン側冷却水温センサ80から受ける検出値ECTと、ラジエータ側冷却水温センサ90から受ける検出値RCTとに基づいてエンジン20の故障診断を行なう。一例として、ECU200がサーモスタット70の故障診断を場合について以下に説明する。
エンジン20が冷間状態であるときにサーモスタット70の弁体が閉状態であると、ラジエータ循環通路50側の冷却水は、当該弁体により水路25内への流入が阻止される。一方、バイパス通路60の側の冷却水は、弁体を通過して水路25内を循環する。このため、バイパス通路60側から還流される冷却水のみが水路25内に通水される。
サーモスタット70は、通過する冷却水の温度上昇に伴って、弁体を移動させる。弁体の移動に伴ってサーモスタット70が開放されるとラジエータ循環通路50側から循環される冷却水は、サーモスタット70を通過して、バイパス通路60から還流される戻り冷却水と混合される。
このようにラジエータ循環通路50側から流入するラジエータ40により冷却された比較的温度の低い冷却水は、バイパス通路60から還流される戻り冷却水と混合される際、サーモスタット70の弁体の開閉状態により混合比率が制御されて、エンジン20のウォータージャケット24内の水路25に供給される冷却水の温度が適正な水温となるように調整される。
一方、サーモスタット70が故障していると、通過する冷却水の温度が上昇しても、弁体が開かない閉故障や、通過する冷却水の温度が下がっても弁体が閉じない開故障など異常が生じる。このような故障を発生している状態では、エンジン20の水路25に適正水温の冷却水が供給できず、エンジン20の動作効率を低下させてしまう。このため、サーモスタット70が正常に機能しているか否かの故障診断を継続的に行ない、故障を早期に見つけることが好ましい。
一般的に、サーモスタット70が本来開かない水温において、検出値ECTと検出値RCTとの差が小さいときには、サーモスタット70が開いているものとしてサーモスタット70を開故障と判断することができる。
しかしながら、エンジン側冷却水温センサ80の検出特性がラジエータ側冷却水温センサ90の検出特性に対してずれている場合には、エンジン20の故障診断(たとえば、サーモスタット70の故障診断)の精度が低下してしまう可能性がある。すなわち、水路25の冷却水の温度と、ラジエータ循環通路50の冷却水の温度とが同じであるにもかかわらず、検出値ECTと検出値RCTとが異なる場合には、エンジン側冷却水温センサ80およびラジエータ側冷却水温センサ90の検出特性の違いによってエンジン20の故障診断の精度が低下してしまう。
本実施の形態においては、エンジン20の停止中において検出値ECTと検出値RCTが安定していると判断されるときに、検出値ECTと検出値RCTとの差が学習値として算出される。そして、算出された学習値を用いて補正された検出値ECTと検出値RCTとの差に基づいてエンジン20の故障診断が行なわれる。なお、検出値ECTと検出値RCTが安定している状態とは、熱の移動によって水路25の冷却水の温度およびラジエータ循環通路50の冷却水の温度が外気温と同じになっている状態である。以下、この故障診断処理について詳しく説明する。
図2〜図4は、エンジン停止後におけるエンジン側冷却水温センサ80およびラジエータ側冷却水温センサ90の各検出値の時間変化の一例を示すタイムチャートである。図2〜図4を参照して、横軸には時間が示され、縦軸には検出値ECT、検出値RCT、および外気温が示される。なお、検出値ECTは実線で表わされ、検出値RCTは破線で表わされ、外気温は一点鎖線で表わされる。
図2は、エンジン側冷却水温センサ80およびラジエータ側冷却水温センサ90の検出特性が同じである場合が示される。時刻t1において、エンジン20が停止すると冷却水の熱が外気へ放熱されることによって、検出値ECTおよび検出値RCTは外気温に徐々に近づく。時刻t2において、検出値ECTおよび検出値RCTは外気温と一致する。
図3は、エンジン側冷却水温センサ80およびラジエータ側冷却水温センサ90の検出特性が異なる場合が示される。時刻t3において、エンジン20が停止すると冷却水の熱が外気へ放熱されることによって、検出値ECTおよび検出値RCTは外気温に徐々に近づく。しかしながら、時刻t4において、検出値ECTおよび検出値RCTが平衡状態に達しているにもかかわらず、検出値ECTと検出値RCTとの間に差D1が生じている。
このため、この差D1はエンジン側冷却水温センサ80およびラジエータ側冷却水温センサ90の検出特性のずれによって生じていると判断することができる。よって、時刻t4において差D1を学習値として算出し、検出値ECTおよび検出値RCTを、算出された学習値を用いて補正してエンジン20の故障診断が行なわれる。したがって、補正された検出水温を用いることによってエンジン20の正確な状態を検出することができ、エンジン20の故障診断の精度を向上させて誤診断を抑制することができる。
図4は、エンジン20の停止後にブロックヒータ400が作動している場合が示される。時刻t5において、エンジン20が停止すると冷却水の熱が外気へ放熱されることによって、検出値ECTおよび検出値RCTは外気温に徐々に近づく。しかしながら、時刻t6において、検出値ECTおよび検出値RCTが平衡状態に達しているにもかかわらず、検出値ECTと検出値RCTとの間に差D2が生じている。なお、差D2は、エンジン側冷却水温センサ80の検出水温の公差とラジエータ側冷却水温センサ90の検出水温の公差との合計値よりも大きい値である。
これは、エンジン20がブロックヒータ400によって熱を受けているためである。すなわち、ブロックヒータ400が使用されていると、冷却水温25内の冷却水のみが加熱され温度が上昇する。よって、この場合に学習を実行すると、温度差を誤学習してしまう。したがって、エンジン20がブロックヒータ400によって熱を受けていると判定される場合には、学習を非実行とすることによって、温度差の誤学習を抑制し、エンジン20の故障の誤診断を抑制することができる。
図5は、図1に示すECU200が実行するエンジン20の故障診断に関する機能ブロック図である。図5の機能ブロック図に記載された各機能ブロックは、ECU200によるハードウェア的あるいはソフトウェア的な処理によって実現される。
図5を参照して、制御装置200は、学習部201と、診断部202とを含む。
学習部201は、検出値ECTおよび検出値RCTを受ける。学習部201は、エンジン20の停止中において検出値ECTおよび検出値RCTが安定していると判断されるときに、検出値ECTと検出値RCTとの差を学習する。
学習部201は、エンジン20の停止中において検出値ECTおよび検出値RCTが安定していると判断されるときの検出値ECTと検出値RCTとの差が所定値よりも大きい場合には、学習を非実行とする。なお、所定値は、エンジン側冷却水温センサ80の検出値の公差とラジエータ側冷却水温センサ90の検出値の公差との合計値以上の値である。学習部201は、算出された学習値を診断部202へ出力する。
診断部202は、検出値ECTおよび検出値RCTを受ける。診断部202は、学習部201から学習値を受ける。診断部202は、学習部によって学習された学習値を用いて補正された検出値ECTと検出値RCTとの差に基づいてエンジン20の故障診断を行なう。診断部202は、エンジン20の暖機が完了した後における検出値ECTと検出値RCTとの差が学習値と異なる場合には、学習値を用いた補正を非実行とする。診断部202は、エンジン20の暖機が完了した後における検出値ECTと検出値RCTとの差が学習値と異なる場合には、エンジン20の故障診断を非実行とする。
一例として、診断部202は、補正された検出値ECTおよび検出値RCTに基づいてサーモスタット70の故障診断を行なうことができる。また、診断部202は、補正された検出値ECTおよび検出値RCTに基づいてエンジン側冷却水温センサ80およびラジエータ側冷却水温センサ90の故障診断を行なってもよい。
図6は、図5に示す学習部201が実行する処理のフローチャートである。図6に示すフローチャートは、ECU200に予め格納されたプログラムを所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である(以降に説明する図9に示されるフローチャートについても同様である。)。
図6を参照して、学習部201は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、IGオフ状態であるか否かを判定する。なお、IGオフ状態とは、車両100が走行可能ではない状態である。IGオフ状態ではないと判定された場合は(S100にてNO)、以降の処理はスキップされて処理がメインルーチンに戻される。
IGオフ状態であると判定された場合は(S100にてYES)、学習部201は、検出値ECTおよび検出値RCTが安定しているか否かを判定する(S110)。なお、学習部201は、エンジン20の停止から所定時間が経過したときに、検出値ECTおよび検出値RCTが安定していると判定することができる。なお、所定時間は、たとえば、検出値ECTおよび検出値RCTが外気温に等しくなるまでに要する時間である。
また、学習部201は、検出値ECTおよび検出値RCTの変化率が所定の変化率よりも小さい場合に、検出値ECTおよび検出値RCTが安定していると判定してもよい。なお、所定の変化率は、たとえば、検出値ECTおよび検出値RCTが一定であると見なされ得る値である。
検出値ECTおよび検出値RCTが安定していないと判定された場合は(S110にてNO)、以降の処理はスキップされて処理がメインルーチンに戻される。検出値ECTおよび検出値RCTが安定していると判定された場合は(S110にてYES)、学習部201は、検出値ECTと検出値RCTとの差が所定値Yよりも大きいか否かを判定する(S120)。
なお、所定値Yは、エンジン側冷却水温センサ80の検出水温の公差とラジエータ側冷却水温センサ90の検出水温の公差との合計値である。所定値Yは、エンジン側冷却水温センサ80の検出水温の公差とラジエータ側冷却水温センサ90の検出水温の公差との合計値よりも大きい値であってもよい。
検出値ECTと検出値RCTとの差が所定値Yよりも大きいと判定された場合は(S120にてYES)、以降の処理はスキップされて処理がメインルーチンに戻される。検出値ECTと検出値RCTとの差が所定値Y以下であると判定された場合は(S120にてNO)、ECU200は、検出値ECTと検出値RCTとの差を学習値として算出する(S130)。
以上のように、この実施の形態1においては、エンジン20の停止中においてエンジン側冷却水温センサ80およびラジエータ側冷却水温センサ90の検出値が安定しているときには、冷却水路における冷却水の温度は均一となる。このとき、検出値ECTと検出値RCTとの差を学習することによって、センサの検出特性のずれを補正することができる。したがって、この実施の形態1によれば、学習値によって補正された検出水温を用いることによってエンジン20の故障診断の精度を向上させて誤診断を抑制することができる。
また、この実施の形態1においては、エンジン20の停止中において検出値ECTおよび検出値RCTが安定しているにもかかわらず、検出値の差が所定値よりも大きい場合には、ブロックヒータ400の使用等による外乱が発生している可能性がある。この場合に学習を実行すると検出値の差を誤学習してしまうので、学習を非実行とすることによって誤学習を抑制することができる。
また、この実施の形態1においては、エンジン20の停止中において検出値ECTおよび検出値RCTが安定しているときに、検出値の差がエンジン側冷却水温センサ80の検出値の公差とラジエータ側冷却水温センサ90の検出値の公差との合計値以上である場合には、センサの特性ずれ以外によって検出値の差が発生している。この場合に学習を実行すると検出値の差を誤学習してしまうので、学習を非実行とすることによって誤学習を確実に抑制することができる。
[実施の形態2]
実施の形態2においては、誤って温度差が学習された場合にエンジン20の故障を誤診断することを抑制する方法について説明する。なお、実施の形態2は、実施の形態1の診断部202に代えて、診断部202Aが設けられる。実施の形態2による診断部202Aの他の構成は、実施の形態1と同様である。
図7および図8は、エンジン停止からエンジンの暖機が完了するまでのエンジン側冷却水温センサ80およびラジエータ側冷却水温センサ90の各検出値の時間変化の一例を示すタイムチャートである。図7および図8を参照して、横軸には時間が示され、縦軸には検出値ECT、検出値RCT、外気温およびサーモスタット70の開弁温度が示される。なお、検出値ECTは実線で表わされ、検出値RCTは破線で表わされ、外気温およびサーモスタット70の開弁温度は一点鎖線で表わされる。
図7は、エンジン側冷却水温センサ80およびラジエータ側冷却水温センサ90の検出特性のずれが正しく学習された場合が示される。時刻t7において、エンジン20が停止すると冷却水の熱が外気へ放熱されることによって、検出値ECTおよび検出値RCTは外気温に徐々に近づく(車両放置中)。時刻t8において、エンジン20の停止から所定時間が経過すると温度差が学習された後、エンジン20が駆動状態となると、検出値ECTおよび検出値RCTは徐々に上昇する。
時刻t9において、エンジン20の暖機が完了し、サーモスタット70が開弁状態となり検出値ECTおよび検出値RCTは平衡状態に達する。ここで、時刻t8において温度差の学習が実行されたときの検出値ECTおよび検出値RCTの差A1は、時刻t9においてエンジン20の暖機が完了したときの検出値ECTおよび検出値RCTの差B1と一致する。
図8は、エンジン側冷却水温センサ80およびラジエータ側冷却水温センサ90の検出特性のずれが正しく学習されなかった場合が示される。時刻t10において、エンジン20が停止すると冷却水の熱が外気へ放熱されることによって、検出値ECTおよび検出値RCTは外気温に徐々に近づく(車両放置中)。時刻t11において、エンジン20の停止から所定時間が経過すると温度差が学習された後、エンジン20が駆動状態となると、検出値ECTおよび検出値RCTは徐々に上昇する。
時刻t12において、エンジン20の暖機が完了すると、検出値ECTおよび検出値RCTは平衡状態に達する。ここで、時刻t11において温度差の学習が実行されたときの検出値ECTおよび検出値RCTの差A2は、時刻t12においてエンジン20の暖機が完了したときの検出値ECTおよび検出値RCTの差B2と一致しない。
この場合、外乱によって学習値が誤って算出された可能性が高い。外乱とは、たとえば、ラジエータ側冷却水温センサ90が太陽光によって暖められる場合や、ラジエータ側冷却水温センサ90がエンジンルーム内に浸入した雪によって冷やされる場合や、ブロックヒータ400が使用されている場合などである。
よって、暖機完了後の温度差が学習値と異なる場合には、学習値を用いた補正が非実行とされる、もしくは、エンジン20の故障診断が非実行とされる。これにより、温度差が誤学習された場合であっても、エンジン20の故障の誤診断を抑制することができる。
図9は、この発明の実施の形態2による診断部202Aが実行する処理のフローチャートである。図9を参照して、S200にて、診断部202Aは、IGオン状態であるか否かを判定する。IGオン状態とは、車両100が走行可能な状態である。IGオン状態ではないと判定された場合は(S200にてNO)、以降の処理はスキップされて処理がメインルーチンに戻される。
IGオン状態であると判定された場合は(S200にてYES)、診断部202Aは、エンジン20の暖機が完了したか否かを判定する(S210)。なお、診断部202Aは、サーモスタット70の温度が開弁温度以上となり検出値ECTおよび検出値RCTが安定している場合にエンジン20の暖機が完了したと判定することができる。すなわち、診断部202Aは、エンジン20の動作中にエンジン20およびラジエータ40間で冷却水が循環している状態において、検出値ECTおよび検出値RCTが安定している場合にエンジン20の暖機が完了したと判定することができる。
エンジン20の暖機が完了していないと判定された場合は(S210にてNO)、以降の処理はスキップされて処理がメインルーチンに戻される。エンジン20の暖機が完了したと判定された場合は(S210にてYES)、診断部202Aは、検出値ECTと検出値RCTとの差が学習値と一致するか否かを判定する(S220)。
検出値ECTと検出値RCTとの差が学習値と一致すると判定された場合は(S220にてYES)、診断部202Aは、学習値を用いてエンジン20の故障診断を実行する(S230)。一方、検出値ECTと検出値RCTとの差が学習値と一致しないと判定された場合は(S220にてNO)、ECU200Aは、エンジン20の故障診断を実行しない。
なお、上記においては、検出値ECTと検出値RCTとの差に基づいてブロックヒータ400が使用されていると判断される場合を説明したが、ECU200Aは、ブロックヒータ400の使用状態を示す情報に基づいてブロックヒータ400が使用されていると判断してもよい。
以上のように、この実施の形態2においては、エンジン20の暖機が完了した後に、検出値ECTと検出値RCTとの差が学習値と異なる場合には、エンジン20の故障診断が非実行とされる。エンジン20の暖機が完了した後には、検出値ECTと検出値RCTが安定する。エンジン20の暖機が完了したときの検出値ECTと検出値RCTとの差と学習値と異なる場合には、外乱によって学習値が誤って算出された可能性が高いので、エンジン20の故障診断が非実行とされる。これにより、誤学習された検出値を用いてエンジン20の故障が診断されることを抑制することができる。
また、この実施の形態2においては、エンジン20の暖機が完了した後に、検出値ECTと検出値RCTとの差が学習値と異なる場合には、学習値を用いた補正が非実行とされてもよい。この場合も同様に、誤学習された検出値を用いてエンジン20の故障が診断されることを抑制することができる。
なお、上記の実施の形態では、電動ウォータポンプを備えるエンジンについて説明したが、この発明は、その他の形式のポンプを備えるエンジンにも適用可能である。たとえば、電動ウォータポンプに代えてエンジンによって駆動される機械式ウォータポンプを用いることができる。
なお、上記において、エンジン20は、この発明における「内燃機関」の一実施例に対応し、バイパス通路60は、この発明における「戻り通路」の一実施例に対応する。また、エンジン側冷却水温センサ80は、この発明における「第1の冷却水温センサ」の一実施例に対応し、ラジエータ側冷却水温センサ90は、この発明における「第2の冷却水温センサ」の一実施例に対応する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
20 エンジン、22 取付側面部、23 シリンダブロック、24 ウォータージャケット、25 水路、26,44 出口部、27,42 入口部、28 EGRクーラ、29,50a,50b,60a,60b 配管、30 電動ポンプ、32 排気熱回収器、34 EGRバルブ、35 スロットルボディ、36 ヒータ、40 ラジエータ、46 冷却ファン、50 ラジエータ循環通路、60 バイパス通路、70 サーモスタット、80 エンジン側冷却水温センサ、90 ラジエータ側冷却水温センサ、110 合流部、120 分岐部、200 制御装置、201 学習部、202 診断部、300 熱機器、400 ブロックヒータ。

Claims (9)

  1. 内燃機関の故障診断装置であって、
    前記内燃機関は、ラジエータと、前記内燃機関および前記ラジエータ間で冷却水を循環させるための冷却水路とを有する冷却装置を含み、
    前記故障診断装置は、
    前記冷却水路において前記内燃機関に流れる冷却水の温度を検出する第1の冷却水温センサと、
    前記冷却水路において前記ラジエータに流れる冷却水の温度を検出する第2の冷却水温センサと、
    前記内燃機関の停止中において前記第1および第2の冷却水温センサの検出値が安定していると判断されるときに、前記第1の冷却水温センサの検出値と前記第2の冷却水温センサの検出値との差を学習する学習部と、
    前記学習部によって学習された学習値を用いて補正された前記第1の冷却水温センサの検出水温と前記第2の冷却水温センサの検出水温との温度差に基づいて前記内燃機関の故障診断を行なう診断部とを備える、内燃機関の故障診断装置。
  2. 前記学習部は、前記内燃機関の停止中において前記第1および第2の冷却水温センサの検出値が安定していると判断されるときの前記第1の冷却水温センサの検出値と前記第2の冷却水温センサの検出値との差が所定値よりも大きい場合には、前記学習部による学習を非実行とする、請求項1に記載の内燃機関の故障診断装置。
  3. 前記所定値は、前記第1の冷却水温センサの検出値の公差と前記第2の冷却水温センサの検出値の公差との合計値である、請求項2に記載の内燃機関の故障診断装置。
  4. 前記診断部は、前記内燃機関の暖機が完了した後における前記第1の冷却水温センサの検出値と前記第2の冷却水温センサの検出値との差が前記学習値と異なる場合には、前記学習値を用いた補正を非実行とする、請求項1に記載の内燃機関の故障診断装置。
  5. 前記診断部は、前記内燃機関の動作中に前記内燃機関および前記ラジエータ間で前記冷却水が循環している状態において、前記第1および第2の冷却水温センサの検出値が安定していると判断されるときの前記第1の冷却水温センサの検出値と前記第2の冷却水温センサの検出値との差が前記学習値と異なる場合には、前記学習値を用いた補正を非実行とする、請求項4に記載の内燃機関の故障診断装置。
  6. 前記診断部は、前記内燃機関の暖機が完了した後における前記第1の冷却水温センサの検出値と前記第2の冷却水温センサの検出値との差が前記学習値と異なる場合には、前記内燃機関の故障診断を非実行とする、請求項1に記載の内燃機関の故障診断装置。
  7. 前記診断部は、前記内燃機関の動作中に前記内燃機関および前記ラジエータ間で前記冷却水が循環している状態において、前記第1および第2の冷却水温センサの検出値が安定していると判断されるときの前記第1の冷却水温センサの検出値と前記第2の冷却水温センサの検出値との差が前記学習値と異なる場合には、前記内燃機関の故障診断を非実行とする、請求項6に記載の内燃機関の故障診断装置。
  8. 前記冷却水路は、
    前記内燃機関に設けられて冷却水を通水するための水路と、
    前記ラジエータへ冷却水を通水するためのラジエータ循環通路とを含み、
    前記冷却装置は、
    前記ラジエータを経由することなく、前記内燃機関の水路からの戻り冷却水を前記内燃機関の水路に還流させるための戻り通路と、
    前記ラジエータ循環通路と前記戻り通路とを前記内燃機関の入口側において合流させる合流部と、
    前記合流部に設けられ、前記合流部における冷却水の温度に応じて前記ラジエータ循環通路に流れる冷却水と前記戻り冷却水との混合比率を調整するサーモスタットとをさらに含み、
    前記診断部は、前記学習値を用いて補正された前記第1の冷却水温センサの検出水温と前記第2の冷却水温センサの検出水温との温度差に基づいて前記サーモスタットの故障診断を行なう、請求項1に記載の内燃機関の故障診断装置。
  9. 内燃機関の故障診断方法であって、
    前記内燃機関は、ラジエータと、前記内燃機関および前記ラジエータ間で冷却水を循環させるための冷却水路とを有する冷却装置を含み、
    前記故障診断方法は、
    前記冷却水路において前記内燃機関に流れる冷却水の温度を第1の冷却水温センサによって検出するステップと、
    前記冷却水路において前記ラジエータに流れる冷却水の温度を第2の冷却水温センサによって検出するステップと、
    前記内燃機関の停止中において前記第1および第2の冷却水温センサの検出値が安定していると判断されるときに、前記第1の冷却水温センサの検出値と前記第2の冷却水温センサの検出値との差を学習するステップと、
    前記学習するステップにおいて学習された学習値を用いて補正された前記第1の冷却水温センサの検出水温と前記第2の冷却水温センサの検出水温との温度差に基づいて前記内燃機関の故障診断を行なうステップとを含む、内燃機関の故障診断方法。
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