JP2012146905A - 可溶性ポリイミド樹脂フィルムの利用 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、高い透明性を有し、耐熱性および寸法安定性に優れたフィルムを与える、化学イミド化により得られたポリイミド樹脂フィルムに関する。特に、有機溶媒に可溶であり、透明性、耐熱性および寸法安定性に対する要求が高い製品あるいは部材を形成する材料(例えば、画像表示装置のガラス代替フィルムなど)として好適に利用できるポリイミド樹脂フィルムを用いた電子デバイス材料、TFT基板、フレキシブルディスプレイ基板、カラーフィルターに関する。
近年、液晶や有機EL、電子ペーパー等のディスプレイや、太陽電池、タッチパネル等のエレクトロニクスの急速な進歩に伴い、デバイスの薄型化や軽量化、更には、フレキシブル化が要求されている。そこでガラス基板に変えて、薄型化、軽量化、フレキシブル化が可能なプラスチックフィルム基板が検討されている。
これらのデバイスには基板上に様々な電子素子、例えば、薄膜トランジスタや透明電極等が形成されているが、これらの電子素子の形成には高温プロセスが必要である。しかしながら、プラスチックフィルムは、耐熱性、高温での寸法安定性が低いため、製造工程において反りなどの熱変形が生じやすく、位置あわせが困難になり、また電気素子が破壊されてしまう恐れがあった。
更に、表示素子から発せられる光がプラスチックフィルム基板を通って出射されるような場合(例えば、ボトムエミッション型の有機ELなど)、プラスチックフィルム基板には透明性が必要となる。
また、カラーフィルターにおいても光透過量の向上が必須であることから、同様にフィルムに高い透明性が要求される。液晶、あるいはそれ以外のディスプレイにおいてプラスチックフィルム基板を用いると、耐衝撃性、成形性が向上することなどもメリットである。現在、カラー液晶ディスプレイの多くはバックライトと透明TFT基板の間に液晶を封入したパネルとカラーフィルターより構成される。バックライトから出た光は液晶パネル、カラーフィルターを通過するが、液晶を電圧で制御することで画像を表示する。このため低電力で明るく、高品質の映像を得るためには透明度の高いカラーフィルターが必須である。
これらデバイス作製プロセスはバッチプロセスとロール・トゥ・ロールに分けられる。ロール・トゥ・ロールの作製プロセスを用いる場合には、新たな設備が必要となり、さらに回転と接触に起因するいくつかの問題を克服しなければならない。一方、バッチプロセスは、ガラス基板上にコーティング樹脂溶液を塗布、乾燥し、基板形成した後、剥がすというプロセスになる。そのため、現行TFT等のガラス基板用プロセス、設備を利用することができるため、コスト面で優位である。
このような背景から、既存のバッチプロセス対応が可能で、耐熱性、寸法安定性および透明性の高いコーティングフィルムの開発が強く望まれている。
このうち、フッ素置換基を含有するポリイミド、例えば、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(以下、TFMBとする)から得られるポリイミドは、耐熱性や線熱膨張係数に加えて、有機溶媒への溶解性及び透明性にも比較的優れており、得られたポリイミドに関する熱物性や(特許文献1、特許文献2)、液晶配向膜用や視覚補償用フィルムとしてこれまでも報告例がある(例えば、特許文献3、特許文献4)。また、層間絶縁膜材料としてアミド基またはエステル基を含有するポリイミドが知られている(特許文献5)。
本発明は、有機溶媒への可溶性、耐熱性、寸法安定性および透明性に優れた化学イミド化により得られた、ポリイミド樹脂を含有するコーティング樹脂溶液により形成したフィルムを用いたTFT基板、フレキシブルディスプレイ基板、カラーフィルター、電子デバイス材料を提供することである。
前記問題を鑑み、鋭意研究を重ねた結果、式(1)で表されるポリイミド樹脂が上記要求特性を同時に満足する優れた特性を示すことから、前記産業分野において有益な材料となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明の要旨は以下に示すものである。
1)ポリイミド前駆体を化学イミド化することにより得られる式(1)で表されるポリイミド樹脂及び有機溶媒を含有するポリイミド樹脂溶液を基板上に塗布した後に有機溶媒を除去することで得られるポリイミドフィルムからなることを特徴とするTFT基板。
2)ポリイミド前駆体を化学イミド化することにより得られる式(1)で表されるポリイミド樹脂及び有機溶媒を含有するポリイミド樹脂溶液を基板上に塗布した後に有機溶媒を除去することで得られるポリイミドフィルムからなることを特徴とするフレキシブルディスプレイ基板。
3)ポリイミド前駆体を化学イミド化することにより得られる式(1)で表されるポリイミド樹脂及び有機溶媒を含有するポリイミド樹脂溶液を基板上に塗布した後に有機溶媒を除去することで得られるポリイミドフィルムからなることを特徴とするカラーフィルター。
4)ポリイミド前駆体を化学イミド化することにより得られる式(1)で表されるポリイミド樹脂及び有機溶媒を含有するポリイミド樹脂溶液を基板上に塗布した後に有機溶媒を除去することで得られるポリイミドフィルムからなることを特徴とする電子デバイス材料。
1)ポリイミド前駆体を化学イミド化することにより得られる式(1)で表されるポリイミド樹脂及び有機溶媒を含有するポリイミド樹脂溶液を基板上に塗布した後に有機溶媒を除去することで得られるポリイミドフィルムからなることを特徴とするTFT基板。
2)ポリイミド前駆体を化学イミド化することにより得られる式(1)で表されるポリイミド樹脂及び有機溶媒を含有するポリイミド樹脂溶液を基板上に塗布した後に有機溶媒を除去することで得られるポリイミドフィルムからなることを特徴とするフレキシブルディスプレイ基板。
3)ポリイミド前駆体を化学イミド化することにより得られる式(1)で表されるポリイミド樹脂及び有機溶媒を含有するポリイミド樹脂溶液を基板上に塗布した後に有機溶媒を除去することで得られるポリイミドフィルムからなることを特徴とするカラーフィルター。
4)ポリイミド前駆体を化学イミド化することにより得られる式(1)で表されるポリイミド樹脂及び有機溶媒を含有するポリイミド樹脂溶液を基板上に塗布した後に有機溶媒を除去することで得られるポリイミドフィルムからなることを特徴とする電子デバイス材料。
本発明に係るポリイミド樹脂は種々の有機溶媒に可溶であり、該ポリイミド樹脂を含む樹脂溶液を用いて形成したポリイミドフィルムは、耐熱性、寸法安定性、透明性に優れたものになっている。そのため、TFT基板、フレキシブルディスプレイ基板、カラーフィルター、電子デバイス材料に好適に用いることができるという効果を奏する。また本発明のポリイミド樹脂溶液、ポリイミドフィルムは、既存のガラス基板用プロセス、設備を利用することができるため、コスト面で優位である。
<ポリイミド前駆体の重合>
本発明で用いる式(1)で表されるポリイミド前駆体の製造方法の製造方法の一例について以下に示す。
本発明で用いる式(1)で表されるポリイミド前駆体の製造方法の製造方法の一例について以下に示す。
まず、重合容器中にジアミンである2,2‘―ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB)を重合溶媒に溶解する。このジアミン溶液に対して、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物(6FDA)の粉末を徐々に添加し、メカニカルスターラーを用い、−20〜100℃の範囲で、好ましくは20〜60℃の範囲で1〜72時間攪拌する。TFMB、6FDAを用いることで可視光の透過性、溶解性が向上する。ジアミンのモル数とテトラカルボン酸二無水物のモル数は実質的に等モルで仕込まれる。また重合の際の全モノマー濃度は5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%である。このモノマー濃度範囲で重合を行うことにより均一で高重合度のポリイミド前駆体溶液を得ることができる。 上記モノマー濃度範囲よりも低濃度で重合を行うと、ポリイミド前駆体の重合度が十分高くならず、最終的に得られるポリイミド樹脂膜が脆弱になる恐れがあり、好ましくない。
重合溶媒としては特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルスルホオキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,2−ジメトキシエタン-ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テロラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ピコリン、ピリジン、アセトン、クロロホルム、トルエン、キシレン等の非プロトン性溶媒および、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール等のプロトン性溶媒が使用可能である。またこれらの溶媒は単独でも、2種類以上混合して用いてもよい。
<ポリイミド樹脂の製造方法>
本発明の式(1)で表されるポリイミド樹脂は、上記の方法で得られたポリイミド前駆体の脱水閉環反応(イミド化反応)により製造することができる。イミド化反応には、得られるポリイミド樹脂がより優れた寸法安定性を示す化学イミド化を用いる。化学イミド化は、有機酸の酸無水物と有機3級アミンからなる脱水環化剤(化学イミド化剤)を用いて行うことができる。例えば、ポリイミド前駆体ワニスをそのまま用いるか若しくは溶媒で適度に希釈後、これに脱水環化試剤を投入し、0〜100℃、好ましくは20〜60℃で0.5〜48時間攪拌することで容易にイミド化することができる。
本発明の式(1)で表されるポリイミド樹脂は、上記の方法で得られたポリイミド前駆体の脱水閉環反応(イミド化反応)により製造することができる。イミド化反応には、得られるポリイミド樹脂がより優れた寸法安定性を示す化学イミド化を用いる。化学イミド化は、有機酸の酸無水物と有機3級アミンからなる脱水環化剤(化学イミド化剤)を用いて行うことができる。例えば、ポリイミド前駆体ワニスをそのまま用いるか若しくは溶媒で適度に希釈後、これに脱水環化試剤を投入し、0〜100℃、好ましくは20〜60℃で0.5〜48時間攪拌することで容易にイミド化することができる。
その際に使用される有機酸の酸無水物としては、特に限定されず、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等が使用可能であるが、コストおよび後処理のしやすさの観点から無水酢酸が好適に用いられる。また有機3級アミンとしては特に限定されず、ピリジン、1,5-ジメチルピリジン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ルチジン、イソキノリン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等が使用可能である。
化学イミド化反応の際、脱水環化試薬中の酸無水物の使用量は、ポリイミド前駆体の理論脱水量の1〜10倍モルの範囲であることが好ましく、脱水環化試薬中の塩基性触媒の使用量は酸無水物に対して0.1〜2倍モルの範囲であることが好ましい。これらの範囲外で化学イミド化を行うとイミド化反応が完結しなかったり、反応溶液中にイミド化が未完結のポリイミド樹脂が析出してやはりイミド化が不十分となる恐れがある。
イミド化完了後、反応溶液をそのままコーティングに用いることができ、又は、反応溶液を大量の貧溶媒中に滴下、又は、貧溶媒を反応溶液に添加して、ポリイミド樹脂を析出・洗浄して反応溶媒や、化学イミド化の場合は過剰な化学イミド化剤を除去した後、減圧乾燥してポリイミド樹脂の粉末を得ることができる。使用可能な貧溶媒としては、ポリイミド樹脂を溶解しなければよく、特に限定されないが、反応溶媒や化学イミド化剤との親和性および乾燥による除去のしやすさの観点から水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等が好適に用いられる。
<ポリイミド樹脂溶液>
本発明のポリイミド樹脂溶液は、上記方法で得られたポリイミド樹脂と有機溶媒を含有し、ポリイミド樹脂の固形分濃度が1重量%以上である。1重量%未満ではコーティングによる均一な塗膜形成が困難となる。固形分濃度の好ましい範囲は、形成しようとする膜厚や、コーティング方式・コーティング機の仕様により求められる粘度範囲等により異なる。また、使用する溶媒への溶解度が固形分濃度の上限となる。このため、固形分濃度の好ましい範囲は一概には決められないが、3重量%〜20重量%が好ましい場合が多い。
本発明のポリイミド樹脂溶液は、上記方法で得られたポリイミド樹脂と有機溶媒を含有し、ポリイミド樹脂の固形分濃度が1重量%以上である。1重量%未満ではコーティングによる均一な塗膜形成が困難となる。固形分濃度の好ましい範囲は、形成しようとする膜厚や、コーティング方式・コーティング機の仕様により求められる粘度範囲等により異なる。また、使用する溶媒への溶解度が固形分濃度の上限となる。このため、固形分濃度の好ましい範囲は一概には決められないが、3重量%〜20重量%が好ましい場合が多い。
また、含有されるポリイミド樹脂の重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、5,000〜2,000,000であることが好ましく、10,000〜1,000,000であることがさらに好ましく、50,000〜500,000であることがさらに好ましい。重量平均分子量が5,000以下であると、コーティングフィルムとした場合に十分な強度が得られにくい上、また寸法安定性が低下する傾向があるため、十分な寸法安定性が得られない場合がある。一方、2,000,000を超えると溶液粘度が高くなりすぎるため取扱いが難しくなる傾向がある。なお、上記重量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によるポリエチレングリコール換算の値のことをいう。
本発明に用いる有機溶媒は、本発明のポリイミド樹脂を溶解させる溶媒であれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン系溶媒、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶媒、メチルジグライム、エチルジグライム、メチルトリグライム等のグリコールエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混合しても良い。溶解性の観点から、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、ピロリドン系溶媒、グリコールエーテル系溶媒から少なくとも1つ選択されることが好ましい。溶解性に加えて、コーティング後の乾燥における溶媒除去のし易さを考慮に入れると、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒を単独、あるいは2種以上混合して使用することが好ましい。またポリイミド樹脂を溶解する範囲であれば、ポリイミド樹脂を溶解させにくい貧溶媒を混合溶媒として適時使用しても良い。
本発明のポリイミド樹脂溶液に、最終的に得られるポリイミド樹脂塗膜、ポリイミドフィルムの特性を損なわない範囲で、加工特性や各種機能性を付与するために、その他に様々な有機又は無機の低分子又は高分子化合物を配合してもよい。例えば、消泡剤、レベリング剤、界面活性剤、帯電防止剤、染料、顔料、可塑剤、微粒子、増感剤等が挙げられる。
本発明のポリイミド樹脂溶液から、ポリイミドフィルムを製造する方法については特に限定されず、公知の方法により容易に製造することが出来る。例えば、本発明のポリイミド樹脂溶液を所定の基板上に塗布、乾燥することで、ポリイミドフィルムを形成することができる。塗布する基板としては、ガラス、SUS、シリコンウェハー、プラスチックフィルム等が使用されるがこれに限定されるものではない。特に、電子デバイスの基板材料として適用する場合においては、既存設備を利用することができるという観点から、塗布する基板がガラス、シリコンウェハーであることが好ましい。
本発明のポリイミドフィルムの線膨張係数は、100〜200℃の範囲での線熱膨張係数が60ppm/K以下であることが好ましく、10ppm/K以下であることがさらに好ましい。線膨張係数が大きいと、反り等の熱変形が大きくなり、電気素子形成時に位置あわせが困難になるため、形成した電気素子が破壊される恐れがある。
ポリイミドフィルムの乾燥後の膜厚は、1μm以上、50μm以下であることが好ましく、5μm以上40μm以下であることがさらに好ましい。膜厚が1μm未満であると、取扱が困難になる場合があり、50μmより厚いと生産性が悪くなったり、均一で平坦なコーティング膜を得ることが困難になる場合がある。
本発明のポリイミドフィルムをカラーフィルターに用いる場合には、CTEが60ppm以下であることが必要であるが、それ以上に透明性が必要とされる。可視光領域の透過度が高いことが必須であり、400nmにおける透過率は75%以上が望ましい。
上記のように、本発明のポリイミドフィルムをガラス代替の電子デバイス材料として使用する場合においては、ガラス基板上に塗布、乾燥して、ポリイミドフィルムを製造することが好ましい。ポリイミドフィルムをガラスから剥離して、基板用コーティングフィルムとして使用しても良いし、ガラス/コーティングフィルム積層体の形態で、電子素子を形成した後、ガラスから剥離しても良い。本発明のポリイミドフィルムは、ガラスに近い低い線熱膨張係数を示し、かつ反り等の熱変形が非常小さいという優れた寸法安定性と、300℃以上のプロセス温度に耐える高い耐熱性と、85%以上の全光線透過率を示し、400nmでの透過率が65%以上と着色が少なく、高い透明性を合わせ持つことから、これらの特性が有効とされる分野・製品、例えば、電子デバイス材料、TFT基板、フレキシブルディスプレイ基板、カラーフィルターに好適に使用することが可能である。さらには、ガラスが使用されている部分の代替材料とすることが可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、以下の例における物性値は、次の方法により測定した。
<溶解性>
溶解性の評価は、樹脂0.5gに対し、表2に記載の有機溶剤9.5g(固形分濃度5%)をサンプル管に配合し、マグネチックスターラーで、室温で撹拌した。完全に溶解したものを○、一部溶け残りがあるものを△、不溶なものを×とした。
溶解性の評価は、樹脂0.5gに対し、表2に記載の有機溶剤9.5g(固形分濃度5%)をサンプル管に配合し、マグネチックスターラーで、室温で撹拌した。完全に溶解したものを○、一部溶け残りがあるものを△、不溶なものを×とした。
<分子量>
表1の条件にて重量平均分子量( M w ) を評価した。
表1の条件にて重量平均分子量( M w ) を評価した。
<示差走査熱量分析(融点および融解曲線)>
テトラカルボン酸二無水物の融点および融解曲線は、ブルカーエイエックス社製示差走査熱量分析装置(DSC3100)を用いて、窒素雰囲気中、昇温速度5℃/分で測定した。
テトラカルボン酸二無水物の融点および融解曲線は、ブルカーエイエックス社製示差走査熱量分析装置(DSC3100)を用いて、窒素雰囲気中、昇温速度5℃/分で測定した。
<線熱膨張係数:CTE>
ブルカーエイエックスエス社製熱機械分析装置(TMA4000)を用いて、熱機械分析により、試験片に一定荷重(膜厚1μm当たり0.5g)をかけ、昇温速度5℃/分における試験片の伸び値より、100〜200℃の範囲での平均値として、ポリイミドフィルムの線熱膨張係数を求めた。
ブルカーエイエックスエス社製熱機械分析装置(TMA4000)を用いて、熱機械分析により、試験片に一定荷重(膜厚1μm当たり0.5g)をかけ、昇温速度5℃/分における試験片の伸び値より、100〜200℃の範囲での平均値として、ポリイミドフィルムの線熱膨張係数を求めた。
<ガラス転移温度:Tg>
ブルカーエイエックスエス社製熱機械分析装置(TMA4000)を用いて熱機械分析により、試験片に一定荷重(膜厚1μm当たり0.5g)をかけ、昇温速度5℃/分における試験片の伸び値を温度の関数として計測し、伸び−温度曲線(TMA曲線)において、試験片が急激に伸び始めた温度を2つの接線の交点より求め、ポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)を決定した。
ブルカーエイエックスエス社製熱機械分析装置(TMA4000)を用いて熱機械分析により、試験片に一定荷重(膜厚1μm当たり0.5g)をかけ、昇温速度5℃/分における試験片の伸び値を温度の関数として計測し、伸び−温度曲線(TMA曲線)において、試験片が急激に伸び始めた温度を2つの接線の交点より求め、ポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)を決定した。
<5%重量減少温度:Td 5>
ブルカーエイエックスエス社製熱重量分析装置(TG−DTA2000)を用いて、窒素中または空気中、昇温速度10℃/分での昇温過程において、ポリイミドフィルムの初期重量が5%減少した時の温度を測定した。
ブルカーエイエックスエス社製熱重量分析装置(TG−DTA2000)を用いて、窒素中または空気中、昇温速度10℃/分での昇温過程において、ポリイミドフィルムの初期重量が5%減少した時の温度を測定した。
<カットオフ波長(透明性)>
日本分光社製紫外可視分光光度計(V−530)を用いて、200nmから900nmの可視・紫外線透過率を測定した。透過率が0.5%以下となる波長(カットオフ波長)をフィルムの透明性の指標とした。
日本分光社製紫外可視分光光度計(V−530)を用いて、200nmから900nmの可視・紫外線透過率を測定した。透過率が0.5%以下となる波長(カットオフ波長)をフィルムの透明性の指標とした。
<全光線透過率>
日本電色工業製積分球式ヘイズメーター300Aにより、JIS K7105−1981記載の方法により測定した。
日本電色工業製積分球式ヘイズメーター300Aにより、JIS K7105−1981記載の方法により測定した。
<光透過率(透明性)>
日本分光社製紫外可視分光光度計(V−530)を用いて、400nmにおける光透過率を測定した。
日本分光社製紫外可視分光光度計(V−530)を用いて、400nmにおける光透過率を測定した。
<ヘイズ>
日本電色工業製積分球式ヘイズメーター300Aにより、JIS K7105−1981記載の方法により測定した。
日本電色工業製積分球式ヘイズメーター300Aにより、JIS K7105−1981記載の方法により測定した。
<カラーフィルター適合性>
カラーフィルター適合性は400nmにおける光透過率、ヘイズ、および目視による透明性から総合的に判断し、適合するものを○、しないものを×とした。
カラーフィルター適合性は400nmにおける光透過率、ヘイズ、および目視による透明性から総合的に判断し、適合するものを○、しないものを×とした。
(合成例1)
<ポリイミド前駆体の重合>
本実施例では、反応容器としてステンレス製セパラブルフラスコを備え、該セパラブルフラスコ内の撹拌装置として2枚のパドル翼を備え、冷却装置として20.9kJ/minの冷却能力を持つ装置を備えた反応装置を用いてポリアミック酸を製造した。重合反応中は水分の混入を防ぐ為に、シリカゲル中を通過させて脱水を行った窒素ガスを0.05L/minで流して重合反応を行った。
<ポリイミド前駆体の重合>
本実施例では、反応容器としてステンレス製セパラブルフラスコを備え、該セパラブルフラスコ内の撹拌装置として2枚のパドル翼を備え、冷却装置として20.9kJ/minの冷却能力を持つ装置を備えた反応装置を用いてポリアミック酸を製造した。重合反応中は水分の混入を防ぐ為に、シリカゲル中を通過させて脱水を行った窒素ガスを0.05L/minで流して重合反応を行った。
上記セパラブルフラスコに、重合溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)223.5gを仕込み、これに、TFMBを40.0g(0.125モル)溶解する。この溶液に、6FDAを55.5g(0.125モル)添加・撹拌して完全に溶解させた。完全に溶解した後、撹拌して重合粘度を80Pa・sまで上昇させた。ポリアミック酸溶液の粘度は、23℃に保温された水溶液中で1時間保温し、その時の粘度をB型粘度計で、ローターはNo.7を回転数は4rpmで測定を行った。なお、この反応溶液における芳香族ジアミン化合物および芳香族テトラカルボン酸二無水物の仕込み濃度は、全反応液に対して30重量%となっている。
<ポリイミド樹脂への化学イミド化>
上記溶液にDMFを加え固形分濃度を15重量%とし、イミド化促進剤としてピリジン(pkBH+;5.17)を60g(イミド化促進剤/ポリアミック酸中アミド基のモル比=3)添加して、完全に分散させる。分散させた溶液中に無水酢酸を1分間に1gの速度で30.6g(脱水剤/ポリアミック酸中アミド基のモル比=1.2)を添加してさらに30分間撹拌した。撹拌後に内部温度を100℃に上昇させて5時間過熱撹拌を行った。
上記溶液にDMFを加え固形分濃度を15重量%とし、イミド化促進剤としてピリジン(pkBH+;5.17)を60g(イミド化促進剤/ポリアミック酸中アミド基のモル比=3)添加して、完全に分散させる。分散させた溶液中に無水酢酸を1分間に1gの速度で30.6g(脱水剤/ポリアミック酸中アミド基のモル比=1.2)を添加してさらに30分間撹拌した。撹拌後に内部温度を100℃に上昇させて5時間過熱撹拌を行った。
<ポリイミド樹脂の抽出>
ポリイミド樹脂の溶液を穴の直径が約5mmのロートに入れて、5Lのメタノール中に垂らして抽出を行った。抽出時、メタノールを1500回転以上に回転した撹拌羽で高速に撹拌しながら抽出を行った。垂らしたポリイミド溶液の直径はメタノール界面付近で1mm以下になるように、ロートとメタノールの液面の間の高さを調節しながら繊維状になるようにメタノール溶液中に垂らした、溶液中でポリイミド樹脂は、繊維状になる場合もあるが、撹拌を続けることで溶液中に一度繊維状になったものが分解されて5mm以下の繊維に溶液中で分断される。
ポリイミド樹脂の溶液を穴の直径が約5mmのロートに入れて、5Lのメタノール中に垂らして抽出を行った。抽出時、メタノールを1500回転以上に回転した撹拌羽で高速に撹拌しながら抽出を行った。垂らしたポリイミド溶液の直径はメタノール界面付近で1mm以下になるように、ロートとメタノールの液面の間の高さを調節しながら繊維状になるようにメタノール溶液中に垂らした、溶液中でポリイミド樹脂は、繊維状になる場合もあるが、撹拌を続けることで溶液中に一度繊維状になったものが分解されて5mm以下の繊維に溶液中で分断される。
分断された樹脂固形分溶液中に、更に、5 L のメタノールを添加して完全に固形分を抽出して取り出して固形分をソックスレー抽出装置でイソプロパノールにより洗浄を行った後に、真空乾燥装置で100℃ に加熱乾燥して、ポリイミド樹脂として取り出した。得られたポリイミドの構造を式(1)に示す。得られたポリイミド樹脂の評価は表2に示した。
(合成例2)
ビフェニル−3,4,3‘,4’−テトラカルボン酸二無水物(BPDA)とTFMBを用いて合成例1と同様の方法でポリイミド前駆体の重合を行った。これをイミド化した際のポリイミド樹脂の評価は表2に示した。
ビフェニル−3,4,3‘,4’−テトラカルボン酸二無水物(BPDA)とTFMBを用いて合成例1と同様の方法でポリイミド前駆体の重合を行った。これをイミド化した際のポリイミド樹脂の評価は表2に示した。
<イミド化率>
化合物(1)は、1H−N M R 法にて評価した。芳香族プロトンの積分値をA , アミド酸のプロトン( 1 1 p p m ) の積分値をB とし、以下の計算式にて算出した。
イミド化率( モル% ) = ( ( A / 1 2 − B / 2 ) / ( A / 1 2 ) ) × 1 0 0
NMRの測定条件は表3に示した。
化合物(1)は、1H−N M R 法にて評価した。芳香族プロトンの積分値をA , アミド酸のプロトン( 1 1 p p m ) の積分値をB とし、以下の計算式にて算出した。
イミド化率( モル% ) = ( ( A / 1 2 − B / 2 ) / ( A / 1 2 ) ) × 1 0 0
NMRの測定条件は表3に示した。
(実施例1)
溶媒としてDMACを用い、上記の合成例1により作成したポリイミド樹脂が7重量%含有されているコーティング用樹脂溶液を作成した。これをバーコーターでガラス基板上に塗布し、150℃で1時間、次いで300℃で1時間真空乾燥してコーティングフィルムを得た。コーティングフィルムの評価結果は表4に示した。
溶媒としてDMACを用い、上記の合成例1により作成したポリイミド樹脂が7重量%含有されているコーティング用樹脂溶液を作成した。これをバーコーターでガラス基板上に塗布し、150℃で1時間、次いで300℃で1時間真空乾燥してコーティングフィルムを得た。コーティングフィルムの評価結果は表4に示した。
(比較例1)
合成例2により作成したポリイミド前駆体溶液にTFMBに対して0.75当量の無水酢酸、3.75当量のピリジンを添加した。これをバーコーターでガラス基板上に塗布し、300℃で2時間加熱した後に真空乾燥してコーティングフィルムを得た。コーティングフィルムの評価結果は表4に示した。
合成例2により作成したポリイミド前駆体溶液にTFMBに対して0.75当量の無水酢酸、3.75当量のピリジンを添加した。これをバーコーターでガラス基板上に塗布し、300℃で2時間加熱した後に真空乾燥してコーティングフィルムを得た。コーティングフィルムの評価結果は表4に示した。
Claims (4)
- ポリイミド前駆体を化学イミド化することにより得られる式(1)で表されるポリイミド樹脂及び有機溶媒を含有するポリイミド樹脂溶液を基板上に塗布した後に有機溶媒を除去することで得られるポリイミドフィルムからなることを特徴とするフレキシブルディスプレイ基板。
- ポリイミド前駆体を化学イミド化することにより得られる式(1)で表されるポリイミド樹脂及び有機溶媒を含有するポリイミド樹脂溶液を基板上に塗布した後に有機溶媒を除去することで得られるポリイミドフィルムからなることを特徴とするカラーフィルター。
- ポリイミド前駆体を化学イミド化することにより得られる式(1)で表されるポリイミド樹脂及び有機溶媒を含有するポリイミド樹脂溶液を基板上に塗布した後に有機溶媒を除去することで得られるポリイミドフィルムからなることを特徴とする電子デバイス材料。
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