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JP2009302327A - 配線部材の接続構造およびそれを備えた太陽電池モジュールならびにその製造方法 - Google Patents

配線部材の接続構造およびそれを備えた太陽電池モジュールならびにその製造方法 Download PDF

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JP2009302327A JP2008155589A JP2008155589A JP2009302327A JP 2009302327 A JP2009302327 A JP 2009302327A JP 2008155589 A JP2008155589 A JP 2008155589A JP 2008155589 A JP2008155589 A JP 2008155589A JP 2009302327 A JP2009302327 A JP 2009302327A
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Abstract

【課題】電気的損失を抑え、電極が形成される基板に絶縁材を形成することなく電極と配線部材との電気的な接続が行われる配線部材の接続構造と太陽電池モジュールとその製造方法を提供する。
【解決手段】互いに隣接する一の太陽電池セルと他の太陽電池セルとは、基材21と基材21を被覆する絶縁層22を備えた配線部材20によって電気的に直列に接続されている。各太陽電池セルの各電極8と配線部材20とは、所定の温度のもとで接合部材30に圧力を加えることにより、接合部材30に含まれる導電性粒子31が配線部材20の絶縁層22を突き破って配線部材20の基材21に接触することで電気的に接続されることになる。
【選択図】図7

Description

本発明は、配線部材の接続構造およびそれを備えた太陽電池モジュールならびにその製造方法に関し、特に、所定の電極に配線部材を電気的に接続した配線部材の接続構造と、そのような配線部材の接続構造を備えた太陽電池モジュールと、その太陽電池モジュールの製造方法とに関するものである。
現在量産されている太陽電池では、両面電極型の太陽電池が多数を占めている。一般的な両面電極型の太陽電池では、太陽電池セルの表面(受光面)にn電極が形成され、裏面にp電極が形成されている。受光面に形成されるn電極は、太陽光が太陽電池セルに入射することによって発生した電流を外部へ取り出すために不可欠とされる。ところが、取り出し電極としてのn電極が配置された太陽電池セルの部分(領域)では、n電極が陰となって太陽光が入射せず、電流は発生しない。
そこで、受光面側には取り出し電極を形成せず、裏面側に取り出し電極を形成するとともに、pn接合を形成した裏面接合型太陽電池セルが開発されている。この裏面接合型太陽電池セルを複数備えた太陽電池モジュール(ストリング)では、各裏面接合型太陽電池セルは、所定の配線部材を用いて互いに電気的に接続されることになる。従来、この裏面接合型太陽電池セルの配線には、3通りの手法が知られている。
まず、第1の手法として、特許文献1あるいは非特許文献1において提案されている手法では、図30および図31に示すように、太陽電池セル101の裏面において、電極102,103が形成されている領域を除く領域に絶縁材104が形成されている。この絶縁材104により、受光面側から取り出した電極102,103と接続される配線部材105が太陽電池セル101の裏面に直接に接触することを防止している。
次に、第2の手法として、一製品にすでに使用されている手法では、図32および図33に示すように、受光面から取り出した電極エリア(n電極202)と、太陽電池セル201の裏面の電極(p電極203)とがほぼ同一直線に沿って形成されている。ある太陽電池セル201内において、配線部材204の一端側がn電極202のエリア内よりはみださないように接続され、他端側が隣接する太陽電池セル201のp電極203に接続される。こうして、n電極202に接続された配線部材204が太陽電池セル201のp電極203と電気的に接触することなく接続される。
次に、第3の手法として、他の製品にすでに使用されている手法では、図34および図35に示すように、太陽電池セル301の裏面に、銀ペーストによって互いに向かい合うように櫛型電極302,303が形成され、一方の電極にプラス(p)の電荷が集電され、他方の電極にマイナス(n)の電荷が集電される。太陽電池セル301の互いに対向する両端には、配線部材305を接続する電極エリア304が設けられ、一端側の電極エリア304がプラス(p)の櫛型電極302と接続され、他端側の電極エリア304がマイナス(n)の櫛型電極302と接続されている。互いに隣接する一の太陽電池セル301のn電極エリア304と、他の太陽電池セル301のp電極エリア304とを渡すように配線部材305が配設されて、はんだ付けされる。
US 6,559,479 Marcel Meuwissen et al.,"SIMULATION ASSISTED DESIGN OF A PV MODULE INCORPORATING ELECTRICALLY CONDUCTIVE ADHESIVE INTERCONNECTS",21st European Photovotaic Solar Energy Conference and Exhibition (2006)
しかしながら、従来の裏面接合型太陽電池セルでは、次のような問題点があった。まず、第1の手法では、図31に示すように、電極102,103が形成されている領域を除く領域には絶縁材104が形成されることで、電極102,103の部分が絶縁材104に対して凹みとなる。そのため、その凹みに対応した配線部材105の接合が必要とされる。また、絶縁材104を形成することによって太陽電池セル101が反るなどの問題がある。
第2の手法では、第1の手法と比べて、発電によって発生した電荷が配線部材204に集電されるまでに太陽電池セル201に形成されたサブ電極等を通過する平均距離が長くなる。この部分は配線部材204と比較して抵抗が高いために、電気的な損失が大きくなる。
第3の手法では、発電によって発生した電荷が配線部材305と比較して高抵抗である櫛型電極302,303を通って配線部材305に集電されるため、第1の手法と比較して、電気的な損失が大きくなる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、電気的損失を抑え、電極が形成される基板に絶縁材を形成することなく電極と配線部材との電気的な接続が行われる配線部材の接続構造を提供することであり、他の目的は、それを備えた太陽電池モジュールを提供することであり、さらに他の目的は、そのような太陽電池モジュールの製造方法を提供することである。
本発明に係る配線部材の接続構造は、所定の電極に配線部材を電気的に接続した配線部材の接続構造であって、主表面を有する基板と電極と接合部材と配線部材とを有している。電極は基板の主表面に形成されている。接合部材は電極の表面を覆うように形成されている。配線部材は、接合部材の上に配設され、接合部材を介して電極と電気的に接続されている。その配線部材は、所定の導電材によって形成された基材と、その基材における、少なくとも接合部材と対向する面に形成された所定の絶縁材を含む絶縁層とを備えている。接合部材は、配線部材の絶縁層を突き破って基材と接触する導電性粒子を備えている。
この構成によれば、接合部材に含まれる導電性粒子が配線部材の絶縁層を突き破って基材に接触することによって、配線部材が電極と電気的に接続される。これにより、基板に絶縁材を形成することなく配線部材を電極に接続させることができる。また、配線部材が絶縁層によって被覆されていることで、配線部材が所定の電極以外の電極と電気的に短絡することがなくなって、電極のレイアウトの自由度を高めることができて、電気的損失を抑えることができる。
具体的に、接合部材としては、異方性導電フィルムおよび異方性導電ペーストのいずれかを含み、導電性粒子はそのいずれかに含まれることが好ましい。
また、配線部材の基材をなす導電材としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)およびチタン(Ti)の少なくともいずれかの材料を含むことが好ましい。
さらに、導電材としては、はんだまたは銀(Ag)でコーティングした銅(Cu)、銅(Cu)/アルミニウム(Al)/銅(Cu)、および、銅(Cu)/インバー(Invar)/銅(Cu)のいずれかの積層構造を含むことが好ましい。
また、基材として、所定の絶縁性フィルムと、その絶縁性フィルム上に導電性箔により形成された回路パターンとを含む基材を適用してもよい。
その基材の絶縁性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(Polyethylene naphthalate)、ポリブチレンテレフタレート(Polybutylene terephthalate)、ポリフェニレンサルファイド(Polyphenylene sulfide)およびポリビニルフルオライド(Polyvinyl fluoride)のいずれかを含むことが好ましい。
配線部材の導電材を銅(Cu)とし、絶縁材を、その銅の表面に黒化処理などで形成された酸化皮膜としてもよい。また、配線部材の導電材をアルミニウムとし、絶縁材を、そのアルミニウムの表面に形成されたアルミニウム酸化皮膜としてもよい。
配線部材の絶縁層の絶縁材としては、絶縁性有機材料または絶縁性無機材料を含むことが好ましい。
絶縁材が絶縁性有機材料の場合には、絶縁性有機材料は、ポリイミド(Polyimide)、ポリアミドイミド(Polyamide-imide)、エポキシおよびアクリルのいずれかを含むことが好ましい。
一方、絶縁材が絶縁性無機材料の場合には、絶縁性無機材料は、シリカおよびアルミナのいずれかを含むことが好ましい。
本発明に係る太陽電池モジュールは、配線部材の接続構造に係る請求項のいずれかに記載の配線部材の接続構造を備えた太陽電池モジュールである。基板は太陽電池セルであり、電極は、太陽電池セルに形成された互いに極性の異なる第1電極と第2電極である。配線部材により一の太陽電池セルの第1電極と他の太陽電池セルの第2電極とを接続する態様で、所定数の太陽電池セルが直列に接続されている。
この構成によれば、接合部材に含まれる導電性粒子が配線部材の絶縁層を突き破って基材に接触することによって、配線部材が電極と電気的に接続される。これにより、太陽電池セルに絶縁材を形成することなく配線部材を電極に接続させることができる。また、配線部材が絶縁層によって被覆されていることで、配線部材が所定の電極以外の電極と電気的に短絡することがなくなって、電極のレイアウトの自由度を高めることができて、太陽電池モジュールにおける電気的損失を抑えることができる。
本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は以下の工程を備えている。電極が配置された太陽電池セルを形成する。電極の表面に、所定の導電性粒子を含有する接合部材を供給する。所定の絶縁層で被覆された配線部材を用意し、接合部材に接触するように配線部材を配置する。導電性粒子によって絶縁層が突き破られる態様で配線部材を太陽電池セルの側に押付けながら加熱処理を施すことにより、導電性粒子を介して電極と配線部材とを電気的に接続する。
この方法によれば、配線部材を太陽電池セルの側に押付けながら加熱処理を施すことで、接合部材に含まれる導電性粒子が配線部材の絶縁層を突き破って基材に接触することによって、配線部材が電極と電気的に接続されることになる。これにより、太陽電池セルに絶縁材を形成することなく配線部材を電極に接続させることができる。また、配線部材が絶縁層によって被覆されていることで、配線部材が所定の電極以外の電極と電気的に短絡することがなくなり、電極のレイアウトの自由度を高めることができて、太陽電池モジュールにおける電気的損失を抑えることができる。
実施の形態1
本発明の実施の形態1に係る太陽電池モジュールについて説明する。太陽電池モジュールでは、複数の太陽電池セルが所定の配線部材によって直列に接続されている。その太陽電池モジュールの基本構成として、互いに隣接する2つの太陽電池セルとこれらを直列に接続する配線部材を図1に示す。図1に示すように、太陽電池モジュールでは、互いに隣接する太陽電池セル1aと太陽電池セル1bとは、櫛部20a、20bを備えた櫛型の配線部材20によって電気的に直列に接続されている。
図2に示すように、互いに隣接する太陽電池セル1a,1bの裏面には、それぞれ複数のn電極8とp電極9とが形成されている。n電極8とp電極9とは、列(紙面上下方向)に沿って配置されている。配線部材20の櫛部20aは、太陽電池セル1bのp電極9に電気的に接続され、櫛部20bは、太陽電池セル1aのn電極8に電気的に接続されている。後述するように、p(n)電極9,8と配線部材20とは、所定の接合部材によって電気的に接続される。
次に、太陽電池セル1の構造についてさらに詳しく説明する。図2および図3に示すように、太陽電池セル1は、所定寸法の半導体基板2からなる。半導体基板2にはセルp層3が形成され、そのセルp層3を貫通するようにスルーホール5が形成されている。スルーホール5の側壁を含むセルp層3の表面にはセルn層4が形成されている。
そのセルn層4に接触してスルーホール5を充填するn電極8が、表面側と裏面側とにそれぞれ露出するように形成されている。表面側に露出している部分は受光面電極7となる。さらに、セルp層3の裏面側の表面上にp電極9が形成されている。また、セルp層3の裏面にはセルp+層6が形成され、そのセルp+層6上にアルミダスト層10が形成されている。アルミダスト層10は、n電極8とは所定の距離を隔てられて電気的に絶縁されている。一方、アルミダスト層10は、p電極9とは電気的に繋がっていてもよい。
次に、配線部材20について説明する。図4に示すように、配線部材20は、所定の基材21と絶縁層22とを備えている。この配線部材20では、絶縁層22は、基材21の表面の全体を被覆するように形成されている。基材21としては、たとえば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、または、チタン(Ti)等の導電性材料が適用される。また、はんだまたは銀(Ag)でコーティングした銅(Cu)、銅(Cu)/アルミニウム(Al)/銅(Cu)、または、銅(Cu)/インバー(Invar)/銅(Cu)等の積層構造の導電性材料を適用してもよい。その基材21の形状としては、平角線、より線、丸線等が好ましい。
また、基材21として、PET(Polyethylene terephthalate)、PEN(Polyethylene naphthalate)、PBT(Polybutylene terephthalate)、PPS(Polyphenylene sulfide)、または、PVF(Polyvinyl fluoride)などの絶縁性フィルムの表面に、銅(Cu)あるいはアルミニウム(Al)などの導電性材料箔によって回路パターンを形成したシートを使用してもよい。
次に、絶縁層22としては、ポリイミド(Polyimide)、ポリアミドイミド(Polyamide-imide)、エポキシ、アクリル等の絶縁性有機材料が適用される。また、シリカ、アルミナ等の絶縁性無機材料を適用してもよい。さらに、基材21としてアルミニウムを適用する場合には、そのアルミニウムの表面に陽極酸化を施したり、化成処理を施すなど、導電体自体に絶縁性の表面処理を施すようにしてもよい。絶縁層22の形成方法としては、電解塗装、粉体塗装、吹き付け塗装、溶射、ディッピング、スパッタリング、蒸着、スプレー法等がある。
次に、接合部材について説明する。図5および図6に示すように、接合部材30は、p(n)電極8,9と配線部材20との間に介在して両者を電気的に接続させる。接合部材30として、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic conductive Film)、あるいは、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)等がある。異方性導電フィルムや異方性導電ペーストには導電性粒子が含まれている。
図7に示すように、接合部材30に圧力を加えることによって、導電性粒子31が配線部材20を被覆する絶縁層22を突き破り、導電性粒子31が基材21に接触して配線部材20と電極8,9とが電気的に接続されることになる。この導電性粒子31の粒径は、絶縁層22の厚みと比較して十分に大きいことが好ましく、たとえば、絶縁層22の厚さを約6μmとすると、導電性粒子31の粒径は約20μm〜30μm程度であることが好ましい。
また、導電性粒子31は、鋭利な凹凸をもつ金属粒子であることが望ましい。これにより、導電性粒子31が絶縁層22を容易に突き破り、配線部材20とp(n)電極8,9とを電気的に確実に接続させることができる。
さらに、導電性粒子31は、絶縁層22を形成する材料より硬い物質であるか、または、配線部材20の基材21自体が導電性粒子31より柔らかいことが望ましい。これにより、導電性粒子31が絶縁層22を容易に突き破り、配線部材20とp(n)電極8,9とを電気的により確実に接続させることができる。その一例として、表面に陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウムの配線部材20を適用し、表面に凹凸が形成されたニッケル(Ni)の導電性粒子31を適用して接続させることが好ましい。
実施の形態2
次に、太陽電池モジュールの製造方法の一例について説明する。ここでは、接合部材として、異方性導電ペーストを例に挙げる。まず、図8に示すように、受光面とは反対側の裏面に、p電極9とn電極8を配設した太陽電池セル1が形成される。次に、図9に示すように、たとえば、ディッピングによって、p電極9の表面上とn電極8の表面上に異方性導電性ペースト33が供給される。なお、異方性導電性ペーストを滴下する他に、たとえば、スクリーン印刷などの印刷法を用いて塗布するようにしてもよい。
次に、図10に示すように、配線部材20の櫛部20bが太陽電池セル1aのn電極8に滴下された異方性導電ペースト33に接触し、櫛部20aが太陽電池セル1bのp電極9に滴下された異方性導電ペースト33に接触する態様で、隣接する太陽電池セル1aと太陽電池セル1bとを跨ぐように配線部材20が配置される。次に、図11に示すように、所定の治具50を用いて、所定の温度のもとで配線部材20の各櫛部20a、20bを上方から所定の圧力にて押さえつけることによって、接合部材30のペーストに含まれる導電性粒子31が絶縁層22を突き破って基材21に接触し(図7参照)、配線部材20とp(n)電極8,9とが電気的に接続される。こうして、配線部材20により所定数の太陽電池セル1を直列に接続することによって、太陽電池ストリングが形成される。
次に、太陽電池ストリングは、EVA(Ethylene Vinyl Acetate)フィルムなどの封止材62に挟み込まれ、さらに、これがガラス板63と裏面フィルム61との間に挟み込まれる(図12参照)。次に、その状態で、ガラス板63と裏面フィルム61との間を減圧することによって気泡が取り除かれる。次に、所定の温度のもとで加熱して封止材62を硬化させることにより、太陽電池ストリングが封止材62に封止される。
裏面フィルム61からは、太陽電池ストリングの一方の外部端子65aと他方の外部端子65bとが外部に向けて取り出されている。その後、ガラス板63、封止材62および裏面フィルム61をアルミニウム枠からなるフレーム64に取り付けることによって、図12に示すように、太陽電池モジュール60が完成する。
上述した太陽電池モジュールでは、配線部材20とp(n)電極8,9との間に異方性導電ペーストを供給し、その状態で上方から圧力と熱を加えることによって、異方性導電ペーストに含まれる導電性粒子31が絶縁層22を突き破って基材21と接触し、配線部材20とp(n)電極8,9とを電気的に確実に接続させることができる。
(配線部材の変形例)
配線部材としては、基材21の表面の全体に絶縁層22が形成された配線部材20を例に挙げて説明したが、たとえば、図13に示すように、所定のフィルム材23の一方の表面に基材21が貼り付けられ、その表面が絶縁層22によって被覆された配線部材20を適用してもよい。
また、図14に示すように、太陽電池セルと対向する基材21の面だけに絶縁層22を被覆した配線部材20でもよく、また、図15に示すように、太陽電池セルと対向する面に加えて、その両端の端面に絶縁層22を被覆した配線部材20でもよい。また、図14に示される配線部材を、図16に示すように、基材21の長手方向の両端を上方に向けて曲げた態様の配線部材20でもよい。さらに、図14に示される配線部材を、図17に示すように、基材21の長手方向の両端を内側に向かって折り曲げた態様の配線部材20でもよい。
実施の形態3
次に、太陽電池モジュールの製造方法の他の例について説明する。ここでは、接合部材として、異方性導電フィルムを例に挙げる。異方性導電フィルムは、所定のテープ材から太陽電池セルへ貼り付けられることになる。図18に示すように、そのテープ材35では、異方性導電フィルム36の一方の面と他方の面に離型フィルム37,38がそれぞれ貼り付けられている。テープ材35は、所定のリールに巻き取られており、配線部材の接続に際して、リールから引き出されて所定の形状にカットされる。
その製造フローを図19に示す。まず、リール(図20参照)からテープ材が引き出される(ステップS1)。次に、図20に示すように、離型フィルム37,38のうち、太陽電池セル1と対向する離型フィルム37を異方性導電フィルム36から剥離して、他のリールに巻き取らせる(ステップS2)。次に、引き出されたテープ材35が、電極の平面形状に対応した所定の形状に打ち抜かれる(ステップS3)。
次に、打ち抜かれたテープ材35をp(n)電極9,8の表面に粘着させる(ステップS4)。このとき、たとえば、ベルヌイチャックなどによって打ち抜かれたテープ材35をp(n)電極9,8にまで搬送し、そして、p(n)電極9,8の位置に対応した所定の座標にそのテープ材35を配置させるようにしてもよい。また、画像認識によってテープ材をp(n)電極9,8に配置させるようにしてもよい。
次に、図21に示すように、所定の治具50を用いて、p(n)電極9,8の表面に粘着したテープ材35に、上方から圧力(約0.5〜1.5MPa程度)を加えて加熱(約70℃〜90℃程度)することにより、テープ材35を仮硬化させる(ステップS5)。次に、離型フィルム38(図18参照)を異方性導電フィルム36から剥離して、異方性導電フィルム36を露出させる(ステップS6)。次に、隣接する太陽電池セル1aと太陽電池セル1bとを跨ぐように、配線部材20(図10参照)を配置する(ステップS7)。
次に、上方から圧力(約2〜4MPa程度)を加えて加熱(温度約150℃〜200℃程度)することにより、異方性導電フィルム36に含まれる導電性粒子31が配線部材20の絶縁層22を突き破って基材21に接触し(図7参照)、太陽電池セル1のp(n)電極9,8と配線部材20とが電気的に接続される(ステップS8)。こうして、太陽電池ストリングが形成される。その後、前述したように、太陽電池ストリングを封止することによって、太陽電池モジュールが完成する。
上述した太陽電池モジュールでは、配線部材20とp(n)電極8,9との間に異方性導電フィルム36を介在させ、その状態で上方から圧力と熱を加えることによって、異方性導電フィルム36に含まれる導電性粒子31が絶縁層22を突き破って配線部材20の基材21に接触し、配線部材20とp(n)電極8,9とを電気的に確実に接続させることができる。
なお、上述した実施の形態では、テープ材35をp(n)電極9,8の形状に打ち抜く場合を例に挙げて説明したが、その形状としては、図22に示すように、p(n)電極9,8の平面形状とほぼ同じ形状(左端)か、それよりもやや小さいサイズの形状が好ましく、円形の他に、たとえば、矩形状でもよい。
実施の形態4
前述した実施の形態では、異方性導電フィルムをp(n)電極の形状に打ち抜く場合を例に挙げて説明した。ここでは、異方性導電フィルムを所定の長さに切り取って太陽電池セルに貼り付ける場合を例に挙げて説明する。図23に、その異方性導電フィルムの貼り付け態様を示す。図23に示すように、所定の長さに異方性導電フィルム36は、各p(n)電極9,8が配置されている列に沿って貼り付けられる。
図24に示すように、まず、リール39からテープ材35が引き出され(ステップS1)、離型フィルム37,38のうち、太陽電池セル1と対向する離型フィルム37を異方性導電フィルム36から剥離し、他のリールに巻き取らせる(ステップS2)。次に、引き出されたテープ材35が、所定の長さに切り取られる(ステップS3)。次に、所定の長さに切り取られたテープ材35を、同じ極の電極9,8を連続して覆うように太陽電池セル1の所定の位置に粘着させる(ステップS4)。
次に、図25に示すように、所定の治具50を用いて、太陽電池セル1の表面に粘着したテープ材35に、上方から圧力(約0.5〜1.5MPa程度)を加えて加熱(約70℃〜90℃程度)することにより、テープ材35を仮硬化させる(ステップS5)。次に、離型フィルム38を異方性導電フィルム36から剥離して、異方性導電フィルム36を露出させる(ステップS6)。
次に、図26に示すように、隣接する太陽電池セル1aと太陽電池セル1bとを跨ぐように、配線部材20を配置する(ステップS7)。次に、図27に示すように、所定の治具50を用いて、上方から圧力(約2〜4MPa程度)を加えて加熱(温度約150℃〜200℃程度)することにより、異方性導電フィルム36に含まれる導電性粒子31が配線部材20の絶縁層22を突き破って配線部材20の基材21に接触し(図7参照)、太陽電池セル1のp(n)電極9,8と配線部材20とが電気的に接続される(ステップS8)。このとき、n電極8については、アルミダスト層を介してp電極9と電気的に短絡させないように、配線部材20のうち、n電極8と接触する部分だけに圧力を作用させる必要がある。
上述した太陽電池モジュールの製造方法では、前述した効果に加えて次のような効果が得られる。すなわち、導電性粒子が含まれる異方性導電フィルム36をカットして太陽電池セル1に貼り付ける際に、電極9,8の列の数に相当する数の異方性導電フィルム36をカットして貼り付ければよく、異方性導電フィルム36の太陽電池セル1への貼り付け作業の効率化を図り、より短時間で貼り付け作業を完了させることができる。
また、上述した異方性導電フィルムを電極の形状に打ち抜く手法と、異方性導電フィルムを所定の長さに切り取る手法とを組み合わせてもよい。この場合には、加圧加熱処理によって、n電極8がアルミダスト層を介してp電極9と電気的に短絡しないように、図28に示すように、電極の形状に打ち抜かれた異方性導電フィルムをn電極8に粘着させ、所定の長さに切り取られた異方性導電フィルムをp電極に沿って貼り付けることが好ましい。
この場合にも、配線部材を配置した後に所定の温度のもとで加圧することで、異方性導電フィルム36に含まれる導電性粒子31が配線部材20の絶縁層22を突き破って配線部材20の基材21に接触し、隣接する太陽電池セル1同士を配線部材20によって電気的に接続することができる(図7参照)。
さらに、シール材を電極の形状に打ち抜いたり、所定の長さに切り取る手法の他に、図29に示すように、p(n)電極9,8が形成された太陽電池セル1の領域の全体を覆うようなシール材35を太陽電池セルに貼り付けてもよい。この場合には、配線部材20に圧力を加える際に、n電極8については、配線部材20のうち、n電極8と接触する部分だけに圧力を加えることで、異方性導電フィルム36に含まれる導電性粒子31が配線部材20の絶縁層22を突き破って配線部材20の基材21に接触し、隣接する太陽電池セル1同士を配線部材20によって電気的に接続することができる(図7参照)。特に、この手法によれば、1枚のシール材35を太陽電池セル1に貼り付ければよく、さらに短時間で貼り付け作業を完了させて、太陽電池セル1同士を電気的に接続することができる。
なお、上述した各太陽電池モジュールの製造方法では、接合部材を太陽電池セルの電極に供給したり貼り付ける場合を例に挙げて説明したが、接合部材を、配線部材に供給したり貼り付けたりすることによって、配線部材とp(n)電極とを電気的に接続させるようにしてもよい。
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態1に係る太陽電池モジュールの基本構成を示す平面図である。 同実施の形態において、太陽電池セルにおける電極が配置されている側の平面図である。 同実施の形態において、図2に示す断面線III−IIIにおける断面図である。 同実施の形態において、配線部材の断面図である。 同実施の形態にいて、図1に示す断面線V−Vにおける断面図である。 同実施の形態において、図1に示す断面線VI−VIにおける断面図である。 同実施の形態において、配線部材と電極との接続部分を示す部分拡大断面図である。 本発明の実施の形態2に係る太陽電池モジュールの製造方法の一工程を示す斜視図である。 同実施の形態において、図8に示す工程の後に行なわれる工程を示す斜視図である。 同実施の形態において、図9に示す工程の後に行なわれる工程を示す斜視図である。 同実施の形態において、図10に示す工程の後に行なわれる工程を示す斜視図である。 同実施の形態において、図11に示す工程の後に行なわれる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、配線部材の第1の変形例を示す断面図である。 同実施の形態において、配線部材の第2の変形例を示す断面図である。 同実施の形態において、配線部材の第3の変形例を示す断面図である。 同実施の形態において、配線部材の第4の変形例を示す断面図である。 同実施の形態において、配線部材の第5の変形例を示す断面図である。 本発明の実施の形態3に係る太陽電池モジュールに適用されるテープ材の構造を示す部分断面図である。 同実施の形態において、太陽電池モジュールの製造フローを示す図である。 同実施の形態において、太陽電池モジュールの製造方法の一工程を示す斜視図である。 同実施の形態において、図20に示す工程の後に行なわれる工程を示す斜視図である。 同実施の形態において、電極と接合部材のパターンのバリエーションを示す図である。 本発明の実施の形態4に係る太陽電池モジュールにおける接合部材の貼り付け態様を示す平面図である。 同実施の形態において、太陽電池モジュールの製造方法の一工程を示す斜視図である。 同実施の形態において、図24に示す工程の後に行なわれる工程を示す斜視図である。 同実施の形態において、図25に示す工程の後に行なわれる工程を示す斜視図である。 同実施の形態において、図26に示す工程の後に行なわれる工程を示す斜視図である。 同実施の形態において、太陽電池モジュールにおける接合部材の貼り付け態様の一変形例を示す平面図である。 同実施の形態において、太陽電池モジュールにおける接合部材の貼り付け態様の他の変形例を示す平面図である。 従来の太陽電池モジュールの第1の例を示す平面図である。 図30に示す断面線XXXI−XXXIにおける断面図である。 従来の太陽電池モジュールの第2の例を示す平面図である。 図32に示す断面線XXXIII−XXXIIIにおける断面図である。 従来の太陽電池モジュールの第3の例を示す平面図である。 図34に示す断面線XXXV−XXXVにおける断面図である。
符号の説明
1 太陽電池セル、2 半導体基板、3 セルp層、4 セルn層、5 スルーホール、6 セルp+層、7 受光面電極、8 n電極、9 p電極、10 アルミダスト層、11 受光面電極、12 太陽電池ストリング、20 配線部材、20a,20b 櫛部、21 基材、22 絶縁層、23 フィルム材、30 接合部材、31 導電性粒子、33 異方性導電ペースト、35 テープ材、36 異方性導電フィルム、37,38 離型フィルム、39 リール、50 治具、60 太陽電池モジュール、61 裏面フィルム、62 封止材、63 ガラス板、64 フレーム、65a,65b 外部端子。

Claims (13)

  1. 所定の電極に配線部材を電気的に接続した配線部材の接続構造であって、
    主表面を有する基板と、
    前記基板の主表面に形成された電極と、
    前記電極の表面を覆うように形成された接合部材と、
    前記接合部材の上に配設され、前記接合部材を介して前記電極と電気的に接続された配線部材と、
    を有し、
    前記配線部材は、
    所定の導電材によって形成された基材と、
    前記基材における、少なくとも前記接合部材と対向する面に形成された所定の絶縁材を含む絶縁層と
    を備え、
    前記接合部材は、前記配線部材の前記絶縁層を突き破って前記基材と接触する導電性粒子を備えた、配線部材の接続構造。
  2. 前記接合部材は、異方性導電フィルムおよび異方性導電ペーストのいずれかを含み、
    前記導電性粒子は前記いずれかに含まれる、請求項1記載の配線部材の接続構造。
  3. 前記導電材は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)およびチタン(Ti)の少なくともいずれかの材料を含む、請求項1または2に記載の配線部材の接続構造。
  4. 前記導電材は、はんだまたは銀(Ag)でコーティングした銅(Cu)、銅(Cu)/アルミニウム(Al)/銅(Cu)、および、銅(Cu)/インバー(Invar)/銅(Cu)のいずれかの積層構造を含む、請求項1または2に記載の配線部材の接続構造。
  5. 前記基材は、
    所定の絶縁性フィルムと、
    前記絶縁性フィルム上に導電性箔により形成された回路パターンと
    を含む、請求項1記載の配線部材の接続構造。
  6. 前記絶縁性フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(Polyethylene naphthalate)、ポリブチレンテレフタレート(Polybutylene terephthalate)、ポリフェニレンサルファイド(Polyphenylene sulfide)およびポリビニルフルオライド(Polyvinyl fluoride)のいずれかを含む、請求項5記載の配線部材の接続構造。
  7. 前記導電材は銅であり、
    前記絶縁材は、前記銅の表面に形成された酸化皮膜である、請求項1記載の配線部材の接続構造。
  8. 前記導電材はアルミニウムであり、
    前記絶縁材は、前記アルミニウムの表面に形成されたアルミニウム酸化皮膜である、請求項1記載の配線部材の接続構造。
  9. 前記絶縁材は、絶縁性有機材料または絶縁性無機材料を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の配線部材の接続構造。
  10. 前記絶縁性有機材料は、ポリイミド(Polyimide)、ポリアミドイミド(Polyamide-imide)、エポキシおよびアクリルのいずれかを含む、請求項9記載の配線部材の接続構造。
  11. 前記絶縁性無機材料は、シリカおよびアルミナのいずれかを含む、請求項9記載の配線部材の接続構造。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の配線部材の接続構造を備えた太陽電池モジュールであって、
    前記基板は太陽電池セルであり、
    前記電極は、前記太陽電池セルに形成された互いに極性の異なる第1電極と第2電極であり、
    前記配線部材により一の太陽電池セルの前記第1電極と他の太陽電池セルの前記第2電極とを接続する態様で、所定数の前記太陽電池セルが直列に接続された、太陽電池モジュール。
  13. 電極が配置された太陽電池セルを形成する工程と、
    前記電極の表面に、所定の導電性粒子を含有する接合部材を供給する工程と、
    所定の絶縁層で被覆された配線部材を用意し、前記接合部材に接触するように前記配線部材を配置する工程と、
    前記導電性粒子によって前記絶縁層が突き破られる態様で前記配線部材を前記太陽電池セルの側に押付けながら加熱処理を施すことにより、前記導電性粒子を介して前記電極と前記配線部材とを電気的に接続する工程と
    を備えた、太陽電池モジュールの製造方法。
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