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JP2009217221A - 感光性着色組成物、並びにカラーフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

感光性着色組成物、並びにカラーフィルタ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】露光照度依存性を抑え、残膜率が高くかつ現像残渣が少なく、解像性に優れたパターンを安定的に形成する。
【解決手段】顔料、重合性モノマー、光重合開始剤、及び一般式(I)で表される化合物を少なくとも含む感光性着色組成物〔R〜R:H、C1〜20のアルキル基、C6〜20のアリール基(同時にHを表さない。RとRはNと共に環状アミノ基を形成してもよい);R:電子吸引基;R:電子吸引基〕である。
Figure 2009217221

【選択図】なし

Description

本発明は、顔料を着色剤として含む感光性着色組成物、並びにこれを用いたカラーフィルタ及びその製造方法に関する。
液晶表示素子(LCD)やイメージセンサ(CCD,CMOSなど)に用いられるカラーフィルタは、一般に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、更に場合によっては、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、黒(K)の微細な着色パターンがガラス基板上あるいはウェハー上に規則的に配列されることにより構成されている。カラーフィルタを構成する画素は、従来から染色法、印刷法、顔料分散法、あるいは電着法等の方法により作製されている。
これらの方法はいずれも、画素を1色ずつ逐次形成するものであるが、特に顔料分散法は、パターン精度が高く、製造工程が安定していることから、カラーフィルタの多くはこの方法によって製造されている。
顔料分散法は一般に、着色剤、重合性モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性着色組成物を基板上に塗布し、プリベークを行なって膜形成した後、所望のマスクを通して紫外線等を照射し、照射部分を硬化させ、現像処理により未照射部分を取り除いて着色パターンを形成し、これに更に熱処理を施すことにより、所望のパターン様に形成された硬化膜(着色画素)を得る。この方法は、紫外線等の照射により、光重合開始剤が活性ラジカルを生成し、これが重合性の基、例えば(メタ)アクリロイル基を攻撃し、重合反応を誘発する原理を応用したものである。つまり、活性ラジカルの存在があって初めて重合が開始される。
これまで、顔料分散法により優れた解像性及び適正な線幅を得るには、活性ラジカルの発生量の調整、すなわち光重合開始剤の種類や量を調整すること等の手段が講じられてきた。例えば、最終的に得られる線幅が太るような場合には、感度の低い開始剤を使用したり、使用する開始剤の量を減らす等により、活性ラジカルの量を減らし、適正な線幅に調整する方法が適用されている。
ところが、近年は、要求される製品スペック幅が厳しくなってきている状況にあり、露光照度依存性に起因する線幅、膜厚、分光スペクトルなどのバラツキを低減する必要性が生じている。すなわち、低照度で露光すると、例えば高照度露光してパターン形成する場合に比べ、形成されるパターンの形状バラツキが生じやすい傾向がある。この露光照度依存性に起因する問題は、特にi線透過率が高い色では、上記のように光重合開始剤の種類や量を調整するだけでは解消するのは難しい露光照度依存性を改善するためには、通常は光重合開始の量を増やす方策が採られるが、光重合開始剤の量を増やすと、逆に線幅が太り過ぎたり、露光のハレーションに起因する周辺残渣が発生しやすい。
上記のような露光照度依存を解消する方法として、酸化防止剤を使用することでパターンの解像性向上及び露光機の照度性低減を図る技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、別タイプの酸化防止剤を使用する等により、露光依存性を低減し、パターンの解像性向上を図る技術が提案されている(例えば、特許文献2〜3参照)。
特開2006−11397号公報 特開2003−25524号公報 特開2003−25525号公報
しかし、上記の酸化防止剤を用いた技術では、特に低照度(例えば、高照度の95%以下の照度)で露光したときには、形成されるパターンの線幅、膜厚、分光スペクトルなどの変動を抑えられず、形状の良好なパターンを安定的に形成することは困難である。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、露光照度依存性(特に高照度の95%以下の低照度での線幅等の形状バラツキ)が小さく抑えられており、残膜率が高くかつ現像残渣が少なく、解像性に優れたパターンを安定的に形成できる感光性着色組成物、並びに、精細で高品質の画像表示が可能なカラーフィルタ及びその製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 顔料、重合性モノマー、光重合開始剤、及び下記一般式(I)で表される化合物を少なくとも含有する感光性着色組成物である。
Figure 2009217221
前記一般式(I)において、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数6〜20のアリール基を表す。RとRとは互いに同一でも異なっていてもよいが、同時に水素原子を表すことはなく、R及びRは窒素原子と共に環状アミノ基を形成してもよい。R及びRは、各々独立に電子吸引基を表す。
<2> 前記一般式(I)で表される化合物の含有量が、感光性着色組成物の固形分中0.01〜10質量%であることを特徴とする前記<1>に記載の感光性着色組成物である。
<3> 前記光重合開始剤の少なくとも1種が、オキシムエステル系化合物であることを特徴とする前記<1>又は前記<2>に記載の感光性着色組成物である。
<4> 前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の感光性着色組成物を塗布し、塗布形成された塗布層をフォトマスクを介して露光し、現像することによりパターン形成するカラーフィルタの製造方法である。
<5> 前記<4>に記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたカラーフィルタである。
本発明によれば、露光照度依存性(特に高照度の95%以下の低照度での線幅等の形状バラツキ)が小さく抑えられており、残膜率が高くかつ現像残渣が少なく、解像性に優れたパターンを安定的に形成できる感光性着色組成物を提供することができる。また、
本発明によれば、精細で高品質の画像表示が可能なカラーフィルタ及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の感光性着色組成物、並びにこの感光性着色組成物を用いて構成されるカラーフィルタ及びその製造方法について詳細に説明する。
<感光性着色組成物>
本発明の感光性着色組成物は、少なくとも、顔料、重合性モノマー、光重合開始剤、及び紫外線吸収剤として、以下に示す一般式(I)で表される化合物を用いて構成されたものであり、一般的には溶剤が用いられる。また、本発明の感光性着色組成物は、必要に応じて、更に顔料分散剤及び/又は顔料誘導体、アルカリ可溶性樹脂などの他の成分を用いて構成することができる。
本発明においては、顔料を着色剤として含む感光性の組成物を特定構造の紫外線吸収剤を用いて構成することで、露光時の照度依存性、特に低照度(例えば高照度の95%以下の照度)でパターン露光を行なって現像する際の現像性能変動を抑えるので、現像後の残膜率や現像残渣の変動、パターン幅のバラツキなどの形状バラツキが減少し、解像性に優れたパターンを安定的に形成できる。
以下、本発明の感光性着色組成物を構成する各成分について詳述する。
〔1〕顔料
本発明の感光性着色組成物は、顔料の少なくとも1種を含有する。
顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を用いることができる。顔料は、無機顔料又は有機顔料を問わず、膜形成したときに高透過率が得られるものが好ましいことを考慮すると、できるだけ粒子径が小さく微少な粒子サイズの顔料が好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、好ましくは平均一次粒子径0.01〜0.3μm、より好ましくは0.01〜0.15μmの顔料である。平均一次粒子径が前記範囲内であると、透過率が高く、色特性が良好であると共に、高いコントラストのカラーフィルタを形成するのに有効である。
平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、その平均値を算出することによって求められる。
前記無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができる。具体的には、例えば、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
前記有機顔料としては、例えば、
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279;
C.I.Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214;
C.I.Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73;
C.I. Pigment Green 7,10,36,37;
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,79のCl置換基をOHに変更したもの,80;
C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42;
C.I.Pigment Brown 25,28:
C.I.Pigment Black 1,7;
等を挙げることができる。
これらの中で好ましい顔料としては、以下のものを挙げることができる。但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185;
C.I.Pigment Orange 36,71;
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264;
C.I.Pigment Violet 19,23,32;
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66;
C.I.Pigment Green 7,36,37;
C.I.Pigment Black 1、7;
本発明においては、必要に応じて、微細でかつ整粒化された有機顔料を用いることができる。顔料の微細化は、顔料と水溶性有機溶剤と水溶性無機塩類と共に高粘度な液状組成物として摩砕する工程である。具体的には、特開2007−112934号公報の段落番号[0030]〜[0032]に記載されている。そして、同公報の段落番号[0034]の記載のように、摩砕後の混合物を80℃の温水に水溶性有機溶剤と水溶性無機塩類と共に溶解し、濾過、水洗し、オーブンで乾燥させて、微細な顔料を得ることができる。
有機顔料は、単独もしくは、色純度を上げるために種々組合せて用いることができる。組合せの具体例を以下に示す。
例えば、赤色用の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料の単独又はそれらの少なくとも1種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料又はペリレン系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料、ジケトピロロピロール系赤色顔料と、の混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド155、C.I.ピグメント・レッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー139又はC.I.ピグメント・レッド177との混合が好ましい。
また、赤色顔料と他色顔料との質量比は、100:5〜100:80が好ましい。該質量比は、100:5以上であると、400nm〜500nmの光透過率が抑えられ、色純度を上げることができ、100:80以下であると発色力が良好である。特に該質量比としては、100:10〜100:65の範囲が最適である。なお、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
また、緑色用の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を1種単独で又は、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。このような例としては、C.I.ピグメント・グリーン7、36、37とC.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー180又はC.I.ピグメント・イエロー185との混合が好ましい。
緑色顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:200が好ましい。該質量比は、100:5以上であると400〜450nmの光透過率が抑えられ、色純度を上げることができ、100:200以下であると主波長が長波長偏らずにNTSC目標色相からのズレを回避できる。該質量比としては、100:20〜100:150の範囲が特に好ましい。
青色用の顔料としては、フタロシアニン系顔料を1種単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。特に好適な例として、C.I.ピグメント・ブルー15:6とC.I.ピグメント・バイオレット23との混合を挙げることができる。
青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:100が好ましく、より好ましくは100:70以下である。
また、ブラックマトリックス用途に好適な顔料としては、カーボンブラック、グラファイト、チタンブラック、酸化鉄、酸化チタン単独又は混合を用いることができ、カーボンブラックとチタンブラックとの組合せが好ましい。
また、カーボンブラックとチタンブラックとの質量比は、100:0〜100:60の範囲が好ましい。100:61以上では、分散安定性が低下する場合がある。
顔料の感光性着色組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。顔料の含有量が前記範囲内であると、色濃度が充分で優れた色特性を確保するのに有効である。
〔2〕顔料分散剤
本発明の感光性着色組成物は、顔料を分散するための顔料分散剤の少なくとも1種を含有することができる。この顔料分散剤を含有することにより、顔料の組成物中での分散性を向上させることができる。
顔料分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。具体的には、多くの種類の化合物を使用可能であり、例えば、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学工業(株)製)、W001(裕商(株)製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(いずれもサンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(ゼネカ(株)製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化(株)製)及びイソネットS−20(三洋化成工業(株)製)、Disperbyk 101,103,106,108,109,111,112,116,130,140,142,162,163,164,166,167,170,171,174,176,180,182,2000,2001,2050,2150(ビックケミー(株)製)が挙げられる。その他、アクリル系共重合体など、分子末端もしくは側鎖に極性基を有するオリゴマーもしくはポリマーが挙げられる。
顔料分散剤の感光性着色組成物中における含有量としては、既述の顔料の質量に対して、1〜100質量%が好ましく、3〜70質量%がより好ましい。
〔3〕顔料誘導体
本発明の感光性着色組成物は、必要に応じて、前記顔料分散剤と共に顔料誘導体を添加することができる。顔料分散剤と親和性のある部分あるいは極性基が導入された顔料誘導体を顔料表面に吸着させ、これを顔料分散剤の吸着点として用いることで、顔料を微細な粒子として感光性着色組成物に分散させ、その再凝集を防止することができ、コントラストが高く、透明性に優れたカラーフィルタを構成するのに有効である。
具体的には、顔料誘導体は、有機顔料を母体骨格とし、側鎖に酸性基や塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。ここでの有機顔料は、具体的には、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンゾイミダゾロン顔料等が挙げられる。一般に、色素と呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系、トリアジン系、キノリン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開平11−49974号公報、特開平11−189732号公報、特開平10−245501号公報、特開2006−265528号公報、特開平8−295810号公報、特開平11−199796号公報、特開2005−234478号公報、特開2003−240938号公報、特開2001−356210号公報等に記載されているものを使用できる。
顔料誘導体の感光性着色組成物中における含有量としては、顔料の質量に対して、1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。該含有量が前記範囲内であると、粘度を低く抑えながら、分散を良好に行なえると共に分散後の分散安定性を向上させることができ、透過率が高く優れた色特性が得られる。また、カラーフィルタを作製するときには良好な色特性を有する高コントラストに構成することができる。
分散の方法は、例えば、顔料と顔料分散剤を予め混合してホモジナイザー等で予め分散しておいたものを、ジルコニアビーズ等を用いたビーズ分散機(例えばGETZMANN社製のディスパーマット)等を用いて微分散させることによって行なえる。分散時間としては、3〜6時間程度が好適である。
〔4〕一般式(I)で表される化合物
本発明の感光性着色組成物は、紫外線吸収剤として、共役ジエン系化合物である下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種を含有する。本発明においては、この共役ジエン系化合物を用いることで、特に低照度露光を行なった際のその後の現像性能変動を抑えるので、パターンの線幅、膜厚、分光スペクトル等のパターン形成性に関係する露光照度依存性を抑制することができる。
Figure 2009217221
前記一般式(I)において、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数6〜20のアリール基を表し、RとRとは互いに同一でも異なっていてもよいが、同時に水素原子を表すことはない。
、Rで表される炭素原子数1〜20のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、n−へキシル基、シクロへキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基、エイコシル基、メトキシエチル基、エトキシプロピル基、2−エチルへキシル基、ヒドロキシエチル基、クロロプロピル基、N,N−ジエチルアミノプロピル基、シアノエチル基、フェネチル基、ベンジル基、p−t−ブチルフェネチル基、p−t−オクチルフェノキシエチル基、3−(2,4−ジーt−アミルフェノキシ)プロピル基、エトキシカルボニルメチル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基、2−フリルエチル基などが挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、n−へキシル基が好ましい。
、Rで表されるアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基の置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、アシルアミノ基、アシル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換カルバモイル基、置換スルファモイル基、ニトロ基、置換アミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。
、Rで表される炭素原子数6〜20のアリール基は、単環であっても縮合環であってもよく、置換基を有する置換アリール基、無置換のアリール基のいずれであってもよい。例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナブテニル基、フルオレニル基等を挙げることができる。また、置換基を有する置換アリール基の置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、アシルアミノ基、アシル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換カルバモイル基、置換スルファモイル基、ニトロ基、置換アミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。中でも、置換又は無置換のフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が好ましい。
また、R及びRは、窒素原子と共に、環状アミノ基を形成してもよい。環状アミノ基としては、例えば、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基、ヘキサヒドロアゼピノ基、ピペラジノ基等が挙げられる。
上記のうち、R、Rとしては、炭素数1〜8の低級のアルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、tert−オクチルなど)、又は置換もしくは無置換のフェニル基(例えば、トリル基、フェニル基、アニシル基、メシチル基、クロロフェニル基、2,4−ジーt−アミルフェニル基など)が好ましい。また、RとRとが結合して、式中のNで表される窒素原子を含んで環(例えば、ピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン環など)を形成していることも好ましい。
前記一般式(I)において、R及びRは、電子吸引基を表す。ここで、電子吸引基は、ハメットの置換基定数σ値(以下、単に「σ値」という。)が、0.20以上1.0以下の電子吸引性基である。好ましくは、σ値が0.30以上0.8以下の電子吸引性基である。
ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために、1935年にL. P. Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く
妥当性が認められている。ハメット則により求められた置換基定数には、σ値とσ値とがあり、これらの値は多くの一般的な成書に記載があるが、例えば、J.A. Dean編「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw-Hill)や「化学の領域増刊」、122号、96〜103頁、1979年(南江堂)、Chemical Reviews, 91巻、165頁〜195頁、1991年に詳しい。本発明では、これらの成書に記載の文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれる限り包含されることは勿論である。
前記σ値が、0.20以上1.0以下の電子吸引性基の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルコキシ基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアリールオキシ基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキルアミノ基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキルチオ基、σ値0.20以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基、複素環基、塩素原子、臭素原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。これらの置換基のうち、更に置換基を有することが可能な基は、先に挙げたような置換基を更に有してもよい。
上記のうち、本発明においては、Rとしては、シアノ基、−COOR、−CONHR、−COR、−SOより選択される基が好ましく、また、Rとしては、シアノ基、−COOR、−CONHR、−COR、−SOより選択される基が好ましい。R及びRは、各々独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数6〜20のアリール基を表す。R、Rで表される炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基は、前記R、Rにおける場合と同義であり、好ましい態様も同様である。
これらのうち、R、Rとしては、アシル基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、スルファモイル基が好ましく、特にアシル基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、スルファモイル基が好ましい。
また、R及びRは、互いに結合して環を形成してもよい。
また、上記のR、R、R、及びRの少なくとも1つは、連結基を介して、ビニル基と結合したモノマーより導かれるポリマーの形になっていてもよい。また、他のモノマーとの共重合体であってもよい。
前記共重合体である場合、他のモノマーとしては、例えば、アクリル酸、α−クロロアクリル酸、α−アルアクリル酸(例えば、メタクリル酸などのアクリル酸類から誘導されるエステル、好ましくは低級アルキルエステル及びアミド(例えば、アクリルアミド、メタアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、n−へキシルアクリレート、オクチルメタアクリレート、及びラウリルメタアクリレート、メチレンビスアクリルアミド等))、ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート及びビニルラウレート等)、アクリロ二トリル、メタアクリロ二トリル、芳香族ビニル化合物(例えば、スチレン及びその誘導体、例えばビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ビニルアセトフェノン、スルホスチレン、及びスチレンスルフィン酸等)、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、ビニリデンクロライド、ビニルアルキルエーテル(例えば、ビニルエチルエーテル等)、マレイン酸エステル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルピリジン、2−及び4−ビニルピリジン等がある。
このうち、特にアクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物が好ましい。
コモノマー化合物の2種以上を一緒に使用することもできる。例えば、n−ブチルアクリレートとジビニルベンゼン、スチレンとメチルメタアクリレート、メチルアクリレートとメタアクリレート酸等を使用できる。
以下、前記一般式(I)で表される化合物の好ましい具体例〔例示化合物(1)〜(14)〕を示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
Figure 2009217221
Figure 2009217221
Figure 2009217221
本発明における一般式(I)で表される化合物は、特公昭44−29620号公報、特開53−128333号公報、特開昭61−169831号公報、特開昭63−53543号公報、特開昭63−53544号公報、特開昭63−56651号公報に記載の方法により合成することができる。
以下、本発明の代表的化合物の具体的な合成方法について記述する。
−例示化合物(1)の合成法−
3−アニリノアクロレインアニル(13.3g)と、エチルフェニルスルホニルアセテート(14.3g)を無水酢酸(40ml)中で85〜90℃に2時間加熱する。減圧乾燥下に無水酢酸を除き、エタノール(40ml)とジ−n―へキシルアミン(24.1g)を加えて2時間還流する。エタノールを除去し、残渣をカラムクロマトにかけ、精製し、エタノールより再結晶すると目的物が得られる(融点=95〜96℃)。
前記一般式(I)で表される化合物(共役ジエン系化合物)の本発明の感光性着色組成物中における含有量としては、組成物の全固形分に対して、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜7.5質量%がより好ましく、0.01質量%〜5質量%が特に好ましい。この共役ジエン系化合物(紫外線吸収剤)の含有量は、0.01質量%以上であると、露光時の光遮蔽能力が良好で重合の進み過ぎによるパターン線幅の太りを防止して所期の線幅を得やすく、周辺残渣の発生もより抑えられる。また、10質量%以下であると、露光時の光遮蔽能力が強過ぎず重合がより良好に進行する。
上記のようなパターン線幅の変化は、露光光源であるg線、h線、i線などの紫外線に対しての光吸収が少ないマゼンタ色又は赤色の感光性着色組成物で顕著となる。よって、前記一般式(I)で表される化合物(共役ジエン系化合物)は、マゼンタ色又は赤色の感光性着色組成物を構成する場合に特に有効である。
〔5〕光重合開始剤
本発明の感光性着色組成物は、光重合開始剤の少なくとも1種を含有する。
光重合開始剤としては、例えば、特開平57−6096号公報に記載のハロメチルオキサジアゾール、特公昭59−1281号公報、特開昭53−133428号公報等に記載のハロメチル−s−トリアジン等活性ハロゲン化合物、米国特許USP−4318791、欧州特許公開EP−88050A等の各明細書に記載のケタール、アセタール、又はベンゾインアルキルエーテル類等の芳香族カルボニル化合物、米国特許USP−4199420明細書に記載のベンゾフェノン類等の芳香族ケトン化合物、Fr−2456741明細書に記載の(チオ)キサントン類又はアクリジン類化合物、特開平10−62986号公報に記載のクマリン類又はロフィンダイマー類等の化合物、特開平8−015521号公報等のスルホニウム有機硼素錯体等、等を挙げることができる。
前記光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾイル系、キサントン系、トリアジン系、ハロメチルオキサジアゾール系、アクリジン類系、クマリン類系、ロフィンダイマー類系、ビイミダゾール系、オキシムエステル系等が好ましい。
前記アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノンなどを好適に挙げることができる。
前記ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタールなどを好適に挙げることができる。
前記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−トリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1等を好適に挙げることができる。
前記ベンゾイン系又はベンゾイル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソプロピルエーテル、ゼンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベゾエート等を好適に挙げることができる。
前記キサントン系光重合開始剤としては、例えば、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、モノイソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、等を好適に挙げることができる。
前記トリアジン系光重合開始剤としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ビフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メチルビフェニル)−s−トリアジン、p−ヒドロキシエトキシ
スチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル−s−トリアジン、3,4−ジメトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−ベンズオキソラン−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン等を好適に挙げることができる。
前記ハロメチルオキサジアゾール系光重合開始剤としては、例えば、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾール等を好適に挙げることができる。
前記アクリジン類系光重合開始剤としては、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン等を好適に挙げることができる。
前記クマリン類系光重合開始剤としては、例えば、3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を好適に挙げることができる。
前記ロフィンダイマー類系光重合開始剤としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等を好適に挙げることができる。
前記ビイミダゾール系光重合開始剤としては、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、2,2’−ベンゾチアゾリルジサルファイド等を好適に挙げることができる。
前記オキシムエステル系光重合開始剤としては、例えば、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、O−ベンゾイル−4’−(ベンズメルカプト)ベンゾイル−ヘキシル−ケトキシム等を好適に挙げることができる。
上記以外に、2,4,6−トリメチルフェニルカルボニル−ジフェニルフォスフォニルオキサイド、ヘキサフルオロフォスフォロ−トリアルキルフェニルホスホニウム塩等が挙げられる。
本発明では、以上の光重合開始剤に限定されるものではなく、他の公知のものも使用することができる。例えば、米国特許第2,367,660号明細書に記載のビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に記載のα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に記載のアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に記載のトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物、J.C.S. Perkin II(1979)1653−1660、J.C.S.PerkinII(1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報記載のオキシムエステル化合物等が挙げられる。
また、これらの光重合開始剤を併用することもできる。
上記の光重合開始剤の中でも、前記一般式(I)で表される共役ジエン系化合物と組合せて用いた場合に少量添加で高感度化できる点で、オキシムエステル系化合物が好ましく、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンが最も好ましい。
光重合開始剤の感光性着色組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、0.1〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5.0質量%である。光重合開始剤の含有量が前記範囲内であると、重合反応を良好に進行させて強度の良好な膜形成が可能である。
本発明の感光性着色組成物には、上記成分の他に、更に、熱重合防止剤を加えておくことが好ましい。熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
〔6〕重合性モノマー
本発明の感光性着色組成物は、重合性モノマーの少なくとも1種を含有する。
重合性モノマーとしては、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性二重結合を有し、かつ常圧下で100℃以上の沸点を持つ化合物が好ましい。重合性モノマーは、前記光重合開始剤等と共に含有することにより、本発明の感光性着色組成物をネガ型に構成することができる。
重合性モノマーの例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの;特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号の各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレート及びこれらの混合物;を挙げることができる。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも挙げることができる。中でも、重合性モノマーとしては、多官能(メタ)アクリル化合物が好ましい。
重合性モノマーの感光性着色組成物中における含有量は、組成物の全固形分に対して、10〜80質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。該含有量が上記範囲内であると、充分な硬化度と未露光部の溶出性とを保持でき、露光部の硬化度を充分に維持することができ、未露光部の溶出性が著しい低下を防ぐことができる。
〔7〕アルカリ可溶性樹脂
本発明の感光性着色組成物には、アルカリ可溶性樹脂を用いて構成することができる。アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ可溶性であれば特に限定はないが、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であり、かつ有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
上記のほか、アルカリ可溶性樹脂としては、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等や、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、等も有用である。
また、前記線状有機高分子重合体は、親水性を有するモノマーを共重合したものであってもよい。この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級若しくは3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のブチル(メタ)アクリレート、又は、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
その他、親水性を有するモノマーとしては、テトラヒドロフルフリル基、燐酸基、燐酸エステル基、4級アンモニウム塩基、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸及びその塩に由来の基、モルホリノエチル基等を含むモノマー等も有用である。
また、アルカリ可溶性樹脂は、架橋効率を向上させるために、重合性基を側鎖に有してもよく、例えば、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有するポリマー等も有用である。
重合性基を有するポリマーの例としては、市販品のKSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。また、硬化皮膜の強度を高めるために、アルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
これら各種アルカリ可溶性樹脂の中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
前記アクリル系樹脂としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーの重合により得られる共重合体や、市販品のKSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、現像性、液粘度等の観点から、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1000〜2×10の重合体が好ましく、2000〜1×10の重合体がより好ましく、5000〜5×10の重合体が特に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の感光性着色組成物中における含有量は、現像性等の観点から、組成物の全固形分に対して、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%が更に好ましく、30〜70質量%が特に好ましい。
〔8〕有機溶剤
本発明の感光性着色組成物は、一般には、有機溶剤を用いて構成することができる。
有機溶剤は、各成分の溶解性や感光性着色組成物の塗布性を満足すれば基本的には特に制限はないが、特に紫外線吸収剤、バインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。また、本発明の感光性着色組成物を調製する際には、少なくとも2種類の有機溶剤を含むことが好ましい。
有機溶剤としては、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、等;
3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、等;2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等の2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、等;ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、等;
エーテル類、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、等;
ケトン類、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、等;芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、等が好ましい。
上述の通り、これらの有機溶剤は、紫外線吸収剤及びアルカリ可溶性樹脂の溶解性、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合してもよく、特に、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液が好適に用いられる。
有機溶剤の感光性着色組成物中における含有量は、塗布性の観点から、組成物の全固形分濃度が5〜80質量%になる量とすることが好ましく、5〜60質量%が更に好ましく、10〜50質量%が特に好ましい。
〔9〕その他の添加物
本発明の感光性着色組成物には、必要に応じて、各種添加物、例えば、充填剤、上記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、凝集防止剤等を配合することかできる。
これらの添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート等の結着樹脂以外の高分子化合物;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;及びポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
また、本発明の感光性着色組成物は、感光性着色組成物の紫外線未照射部におけるアルカリ溶解性を促進し、現像性の更なる向上を図る場合には、有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量の有機カルボン酸を含有することができる。
有機カルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
本発明の感光性着色組成物は、液晶表示装置(LCD)や固体撮像素子(例えば、CCD、CMOSなど)等に用いられるカラーフィルタ、エレクトロルミネッセンス用カラーフィルタなどの着色画素形成用として、また、印刷用インキ、インクジェット用インキ、および塗料などの作製用途として、好適に用いることができる。
≪カラーフィルタ及びその製造方法》
本発明のカラーフィルタは、基板上に複数の着色もしくは非着色のパターンが配列形成されてなるものであり、既述の本発明の感光性着色組成物を用いて作製されたものである。本発明のカラーフィルタは、本発明の感光性着色組成物を用いた本発明のカラーフィルタの製造方法により最も好適に作製することができ、具体的には、感光性着色組成物を、例えば基板上に直接又は他の層を介して、塗布して(好ましくはその後に乾燥させて)塗布層を形成し(以下、これを「塗膜形成工程」ということがある。)、塗布形成された塗布層をフォトマスクを介して(例えば少なくとも紫外線で)画像様に露光し(以下、これを「露光工程」ということがある。)、露光された前記塗布層を現像液(例えばアルカリ現像液)で現像する(以下、「現像工程」ということがある。)ことによりパターンを形成して作製することができる。また、本発明においては、必要に応じて、現像処理した後の塗布層、つまりパターンに加熱処理を施す工程(以下、「ポストベーク工程」ということがある。)を更に設けることができる。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法においては、必要に応じて露光・現像後のパターンを更に加熱及び/又は露光することによって硬化させる硬化工程を更に設けることができる。
前記塗膜形成工程は、感光性着色組成物を例えば基板上に、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スリット塗布等の塗布方法により塗布して(好ましくはその後に乾燥させて)感放射線性の着色組成物層(塗布層)を形成する。
前記基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの基板は、カラーフィルタを構成する各画素パターンを隔離するブラックマトリックスが形成されている場合もある。
また、これらの基板上には、必要により、基板の上に設けられる層との密着性改良、物質の拡散防止、あるいは基板表面の平坦化のために、下塗り層を設けてもよい。
前記露光工程は、前記塗膜形成工程で形成された塗布層をフォトマスクを介して特定のパターンにて画像様に活性光線又は放射線を照射して露光する。活性光線又は放射線としては、赤外線、可視光線、紫外線、遠紫外先、X線、電子線等を挙げることができるが、少なくとも紫外線であることが好ましく、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。露光は、固体撮像素子用のカラーフィルタでは、ステッパー露光機で主としてi線を使用した露光が好ましい。
露光照度は、液晶表示装置用のカラーフィルタの作製に用いられるプロキシミテイ露光機及びミラープロジェクション露光機では、スループットの観点より、10mW/cm以上が好ましく、20mW/cm以上が更に好ましく、30mW/cm以上が特に好ましい。固体撮像素子用のカラーフィルタの作製に用いられるステッパー露光機では、同じくスループットの観点より、300mW/cm以上が好ましく、500mW/cm以上が更に好ましく、1000mW/cm以上が特に好ましい。また、露光量は、同じくスループットの観点より、一般に1000mJ/cm以下が好ましく、500mJ/cm以下が更に好ましく、300mJ/cm以下が特に好ましい。
前記現像工程は、露光された塗布層を現像液で現像処理し、パターンを顕在化する。
現像液としては、感光性着色組成物の未露光部を溶解し、かつ露光部(放射線照射部)を溶解し難いものであれば、いかなるものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤及びその組合せ、アルカリ性の水溶液を用いることができる。
前記有機溶剤としては、感光性着色組成物を調製する際に使用することができる既述の溶剤を挙げることができる。
前記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−7−ウンデセン等が挙げられる。
現像液としては、アルカリ濃度を好ましくはpH11〜13、さらに好ましくはpH11.5〜12.5となるように調整したアルカリ性の水溶液を使用することが好ましい。アルカリ濃度は、pH13以下であるとパターンの荒れや剥離、残膜率の低下を回避でき、pH11以上であると現像速度が良好で残渣の発生を防止できる。
現像工程は、アルカリ性の水溶液などの現像液を用いて現像処理するが、現像方法には、例えば、ディップ法、スプレー法、パドル法等がある。現像温度は、15〜40℃で行なうことが好ましい。また、現像後は一般に流水にて洗浄が行なわれる。
さらに、本発明のカラーフィルタの製造方法においては、現像後の塗布層を充分に硬化させるために、ポストベーク工程を設けて加熱処理が施されることが好ましい。ポストベーク工程における加熱温度は、100〜300℃が好ましく、150〜250℃が更に好ましい。また、加熱時間は、10分〜1時間程度が好ましく、5分〜30分程度が更に好ましい。
本発明のカラーフィルタは、基板上に複数のパターン、例えば着色画素やブラックマトリクスなどが例えば規則的に配列されたパターンを有することができる。カラーフィルタを構成する着色画素は、一般に四辺形に構成され、この場合にはその一辺(最大辺)は、一般に1.5〜200μmの範囲に形成される。中でも、シリコンウェハ等の基板の有効利用、固体撮像素子を使ったデバイスの小型化、固体撮像素子の高速作動の観点から、5μm以下が好ましく、4μm以下が更に好ましく、3μm以下が特に好ましい。
また、カラーフィルタにおける着色画素の厚みとしては、特に制限はないが、シリコンウェハ等の基板の有効利用、固体撮像素子を使ったデバイスのシェーディングの観点から、薄くなる傾向にあり、具体的には、2μm以下が好ましく、1.5μm以下が更に好ましく、1.0μm以下が特に好ましい。
カラーフィルタを構成する着色画素における顔料の含有率としては、特に限定されるものではないが、色分離の観点から、組成物の全固形分に対して、25質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、40質量%以上が特に好ましい。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示装置(LCD)用のカラーフィルタとして用いることができるが、CCD、CMOSなどのイメージセンサ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS素子等に用いることが好適である。本発明のカラーフィルタは、例えばCCDを構成する各着色画素における受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることが最適である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
−顔料分散組成物の調製−
(マゼンタ顔料分散組成物R−1の調製)
下記組成の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液を調製した。
<組成>
・Pigment Red 122(顔料) ・・・10部
・Disperbyk−163(分散剤) ・・・2.3部
(ビックケミー社製、ブロック共重合体系分散剤)
・ベンジルメタアクリレート/メタアクリル酸(=70/30[モル比])共重合体のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(45%、重量平均分子量30000、藤倉化成(株)製、製品名:アクリベースFF−187) ・・・4.4部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(ダイセル化学工業(株)製、製品名:MMPGAC) ・・・83.3部
続いて、上記より得られた混合溶液を、さらに0.3mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ディスパーマット(GETZMANN社製)にて6時間分散処理を行ない、その後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2,000kg/cmの圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、マゼンタ顔料分散組成物R−1を得た。
(レッド顔料分散組成物R−2の調製)
下記組成の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液を調製した。
<組成>
・Pigment Red 254(顔料) ・・・10部
・アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製;分散剤) ・・・2.3部
・ベンジルメタアクリレート/メタアクリル酸(=70/30[モル比])共重合体のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(45%、重量平均分子量30000、藤倉化成(株)製、製品名:アクリベースFF−187) ・・・4.4部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(ダイセル化学工業(株)製、製品名:MMPGAC) ・・・83.3部
続いて、上記より得られた混合溶液を、さらに0.3mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ディスパーマット(GETZMANN社製)にて6時間分散処理を行ない、その後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2,000kg/cmの圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、レッド顔料分散組成物R−2を得た。
(実施例1):固体撮像素子用カラーフィルタの作製
−平坦化膜用レジスト液の調製−
下記の各成分をホモジナイザー攪拌機で混合、攪拌して、平坦化膜用レジスト液を調製した。
<平坦化膜用レジスト液の組成>
・ベンジルメタアクリレート/メタアクリル酸(=70/30[モル比])共重合体のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(45%、重量平均分子量30000、藤倉化成(株)製、製品名:アクリベースFF−187) ・・・22部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート ・・・6.5部
(日本化薬社製、製品名:KAYARAD DPHA)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(ダイセル化学工業(株)製、製品名:MMPGAC) ・・・13.8部
・エチル−3−エトキシプロピオネート(長瀬産業(株)製、製品名:エチル−3エトキシプロピオネート) ・・・12.3部
・ハロメチルトリアジン化合物(下記化合物I)(PANCHIM社製、製品名:トリアジンPP) ・・・0.3部
Figure 2009217221
−平坦化膜の作製−
得られた平坦化膜用レジスト液を、6インチのシリコンウエハ上にスピンコートを用いて塗布した。次いで、塗布膜面の表面温度120℃で120秒間、ホットプレート上で加熱処理し、シリコンウエハ上に約2μmの膜厚の均一な塗布膜を得た。次いで、220℃の条件下で1時間、オーブンにてその塗布膜を硬化処理して、平坦化膜を形成した。
−感光性着色組成物の調製−
次いで、前記マゼンタ顔料分散組成物R−1をサンドミル分散機で混練・分散して得られた顔料分散液を用い、下記組成の成分を混合して感光性着色組成物を調製した。
<感光性着色組成物の組成>
・樹脂A ・・・20.57部
(ベンジルメタアクリレート/メタアクリル酸(=70/30[モル比])共重合体のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(30%、重量平均分子量30000、藤倉化成(株)製、製品名:アクリベースFF−187))
・モノマーA ・・・1.46部
(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート;日本化薬社製、製品名:KAYARAD DPHA)
・前記マゼンタ顔料分散組成物R−1 ・・・55.80部
・溶剤A(有機溶剤) ・・・16.75部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;ダイセル化学工業(株)製、製品名:MMPGAC)
・開始剤A(下記化合物II;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、製品名:IRGACURE OXE01) ・・・0.314部
・下記化合物III(紫外線吸収剤) ・・・0.576部
・界面活性剤A ・・・0.36部
(フッ素系界面活性剤;大日本インキ化学工業(株)製、製品名:メガファックF−144)
・重合禁止剤A(p−メトキシフェノール;関東化学(株)製、製品名:p−メトキシフェノール) ・・・0.001部
Figure 2009217221
Figure 2009217221
−塗布膜の作製−
上記より得られた感光性着色組成物を、前記シリコンウエハの平坦化膜上にスピンコートにより塗布した後、塗布膜面の表面温度100℃で120秒間、ホットプレートで加熱処理して乾燥させ、乾燥後の膜厚が約1.0μmの塗布膜を形成した。
−カラーフィルタの画素パターンの作製−
次に、乾燥後の塗布膜に対して、2.0μmの正方ピクセルがそれぞれ基板上の4mm×3mmの領域に配列されたマスクパターンを介してi線ステッパー(キャノン(株)製のFPA−3000i5+)により、露光量100mJ/cmにて照度1200mW/cm(高照度)及び600mW/cm(低照度)の各2水準で露光した。
パターン露光された塗布膜は、有機アルカリ性現像液CD−2000(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の60%水溶液を用いて、室温にて60秒間、パドル現像した後、さらに20秒間スピンシャワーにて純水でリンスを行なった。その後更に、純水にて水洗を行なった。その後、水滴を高圧のエアーで飛ばし、基板を自然乾燥させ、220℃で300秒間、ホットプレートでポストベーク処理し、シリコンウエハ上に着色パターン(着色樹脂被膜)を形成した。
以上のようにして、固体撮像素子用カラーフィルタを作製した。
−評価1−
上記より得られた固体撮像素子用カラーフィルタについて、下記の評価、測定を行なった。評価、測定の結果は、下記表2に示す。
(1−1)画素パターンの形状
得られたカラーフィルタの2.0μm四方の画素パターンの形状を、測長SEM(S−7800H、(株)日立製作所製)を用いて、シリコンウエハ上のカラーフィルタの更に上方から3万倍で観察し、角(カド)の形状を下記の評価基準にしたがって評価した。なお、角(カド)の形状が丸まっているものは、デバイス製造時に隣り合った他色のパターン形状と異なってしまい画像認識時に混色、ノイズとして計測されてしまい、デバイスの性能を悪化させる。
<評価基準>
○:角(カド)の丸みが小さく、良好な矩形が得られた。
△:角(カド)に丸みができたが、実用上許容できる程度であった。
×:角(カド)に扇状に丸みがついており、矩形が得られなかった。
(1−2)周辺残渣
ポストベーク後のカラーフィルタの画素パターンを、測長SEM(S−7800H、(株)日立製作所製)を用いて、シリコンウエハ上のカラーフィルタの更に上方から3万倍で観察し、目測で残渣の発生の有無を下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
○:現像残渣はなかった。
△:現像残渣が僅かにみられたが、実用上許容できる程度であった。
×:残渣の発生が顕著であった。
(1−3)残膜率
ポストベーク後のカラーフィルタの画素パターンの膜厚Dと、露光後で現像前における膜厚Dとを触針式表面形状測定器(Dektak8、日本ビーコ社製)を用いて測定し、得られた膜厚Dを膜厚Dで除算して残膜率(%;=D/D×100)を求め、これを指標として下記の評価基準にしたがって評価した。なお、露光感度の点から残膜率は高い方が望ましい。
<評価基準>
○:露光感度は良好で、残膜率は70%以上であった。
×:露光感度は不充分であり、残膜率も70%未満であった。
(1−4)線幅
600mW/cm(低照度)及び1200mW/cm(高照度)での露光後に現像、ポストベークを行なった後のカラーフィルタの画素パターンの形状を、測長SEM(S−7800H、(株)日立製作所製)を用いて、シリコンウエハ上のカラーフィルタの更に上方から3万倍で観察した。線幅は、マスクパターンの2.0μmの正方ピクセルと対比した適性寸法という観点から、下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
○:線幅が、1.80μm以上2.20μm未満であった。
×:線幅が、1.80μm未満もしくは2.20μm以上であった。
(1−5)露光照度依存性
〜A.線幅|a−b|〜
上記のように2水準(高照度:1200mW/cm、低照度:600mW/cm)での露光により得られた画素パターンの各々について、前記「(1−4)線幅」の評価で得られた低照度での線幅a(μm)と高照度での線幅b(μm)の双方を比較し、線幅差(=|a−b|)求めて指標とし、下記の評価基準にしたがって評価した。固体撮像素子用カラーフィルタでは、得られるパターンの線幅の一定性が重要であるため、0.05μmを閾値に評価した。なお、「| |」の表記は絶対値を表す。
<評価基準>
○:線幅差が0.05μm未満であった。
×:線幅差が0.05μm以上であった。
〜B.残膜率|c−d|〜
上記のように2水準(高照度:1200mW/cm、低照度:600mW/cm)での露光により得られた画素パターンの各々について、上記の「(1−3)残膜率」の評価で得られた低照度での残膜率c(%)と高照度での残膜率d(%)の双方を比較し、残膜率の差(=|c−d|)を求めて指標とし、下記の評価基準にしたがって評価した。固体撮像素子用カラーフィルタでは、得られるパターンの膜厚の一定性が重要であるため、1.0%を閾値に評価した。なお、「| |」の表記は絶対値を表す。
<評価基準>
○:残膜率の差が1.0%未満であった。
×:残膜率の差が1.0%以上であった。
(実施例2〜12):固体撮像素子用カラーフィルタの作製
実施例1において、感光性着色組成物の組成を下記表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、感光性着色組成物を調製し、カラーフィルタを作製した。また、実施例1と同様の評価を行なった。評価、測定の結果は下記表2に示す。
(比較例1〜6):固体撮像素子用カラーフィルタの作製
実施例1において、感光性着色組成物の組成を下記表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、感光性着色組成物を調製し、カラーフィルタを作製した。また、実施例1と同様の評価を行なった。評価、測定の結果は下記表2に示す。
Figure 2009217221
以下、前記表1の紫外線吸収剤等の欄に記載の化合物の構造を示す。
Figure 2009217221
Figure 2009217221

Figure 2009217221
前記表2に示すように、一般式(1)で表される紫外線吸収剤を用いた実施例では、パターン形状が良好で残渣が抑えられており、露光照度依存性も小さかった。
これに対して、他種類の紫外線吸収剤であるトリアジン系、ベンゾトリアゾ−ル系の紫外線吸収剤(化合物X、化合物XI)を用いた比較例では、特に低照度露光での線幅、残膜率の変動が大きく、露光照度依存性を抑制することはできなかった。また、酸化防止剤である化合物XIIを用いた比較例では、ある程度は露光照度依存性は小さいものの、現像残渣の発生を抑制できなかった。
(実施例13〜24、比較例7〜12):液晶表示素子用カラーフィルタの作製
実施例1〜12並びに比較例1〜6で用いた感光性着色組成物を用意し、これらをそれぞれ、別々のCr膜付ガラス基板(1737、コーニング社製、100mm×100mm)のCrBM膜上に、スピンコートにより膜厚1.5μmになるように塗布し、塗布膜を形成した。
次に、塗布膜が形成された各Cr膜付ガラス基板を、90℃のオーブンで60秒間乾燥させた(プリベーク)後、塗布膜の全面に、基板上の4mm×3mmの領域に100μmのストライプが配列されたマスクパターンを介して、高圧水銀ランプを用いて露光量100mJ/cmで照度20mW/cm(低照度)及び40mW/cm(高照度)の各2水準にて露光した。続いて、露光後の塗布膜の上に有機アルカリ性現像液CD−2000(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の60%水溶液を付与して室温にて40秒間、静止状態のまま現像した。静止後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。そして、上記のように露光及び現像が施された塗布膜を220℃のオーブンで1時間加熱処理(ポストベーク)し、各Cr膜付ガラス基板上にそれぞれ着色パターン(着色樹脂被膜)を形成した。
以上のようにして、18種類の液晶表示素子用カラーフィルタを作製した。
−評価2−
上記より得られた18種類の液晶表示素子用カラーフィルタの各々について、下記の評価を行なった。結果は下記表3に示す。
(2−1)画素パターンの形状
得られた各カラーフィルタの100μmストライプ状の画素パターンをカラーフィルタ面に直交する面で切断し、その切断面の形状をSEM(S−4800、(株)日立ハイテクノロジ―ズ製)を用いて3万倍で観察し、切断面の形状を下記の評価基準にしたがって評価した。なお、断面形状が逆テーパーであると、液晶表示素子用カラーフィルタに後付けされるITO電極が断線しやすく、液晶セルの電圧保持率が低くなって液晶表示装置での表示不良を招来することから望ましくない。
<評価基準>
○:切断面の形状が順テーパーであった。
△:切断面の形状が矩形であった。
×:切断面の形状が逆テーパーであった。
(2−2)残膜率
上記のように2水準(高照度:40mW/cm、低照度:20mW/cm)での露光により得られた画素パターンの各々について、ポストベーク後の各カラーフィルタの画素パターンの膜厚Dと、露光後で現像前における膜厚Dとを触針式表面形状測定器(Dektak8、日本ビーコ社製)を用いて測定して、得られた膜厚Dを膜厚Dで除算して残膜率(%;=D/D×100)を求め、これを指標として下記の評価基準にしたがって評価した。なお、露光感度の点から残膜率は高い方が望ましい。
<評価基準>
○:露光感度は良好で、残膜率は70%以上であった。
×:露光感度は不充分であり、残膜率も70%未満であった。
(2−3)露光照度依存性(残膜率)
上記のように2水準(高照度:40mW/cm、低照度:20mW/cm)での露光により得られた画素パターンの各々について、上記の「(2−2)残膜率」の評価で得られた低照度での残膜率e(%)と高照度での残膜率f(%)の双方を比較し、残膜率の差(=|e−f|)を求めて指標とし、下記の評価基準にしたがって評価した。液晶表示素子用カラーフィルタでは、得られるパターンの膜厚の一定性が重要であるため、1.0%を閾値に評価した。
<評価基準>
○:残膜率の差が1.0%未満であった。
×:残膜率の差が1.0%以上であった。
(2−4)周辺残渣
ポストベーク後の各カラーフィルタの画素パターンの形状を、測長SEM(S−7800H、(株)日立製作所製)を用いて、CrBM膜付ガラス基板上のカラーフィルタの更に上方から3万倍で観察し、目測で残渣の発生の有無を下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
○:現像残渣はなかった。
△:現像残渣が僅かにみられたが、実用上許容できる程度であった。
×:残渣の発生が顕著であった。
Figure 2009217221
前記表3に示すように、一般式(1)で表される化合物を用いた実施例では、パターン形状が良好で残渣が抑えられており、露光照度依存性も小さかった。
これに対して、他種類の紫外線吸収剤であるトリアジン系、ベンゾトリアゾ−ル系の紫外線吸収剤(化合物X、化合物XI)を用いた比較例では、特に低照度露光でのパターン形状、残膜率の変動が大きく、露光照度依存性を抑制することはできなかった。また、酸化防止剤である化合物XIIを用いた比較例では、現像残渣の発生を抑制できなかった。

Claims (5)

  1. 顔料、重合性モノマー、光重合開始剤、及び下記一般式(I)で表される化合物を少なくとも含有する感光性着色組成物。
    Figure 2009217221

    〔一般式(I)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数6〜20のアリール基を表す。RとRとは互いに同一でも異なっていてもよいが、同時に水素原子を表すことはなく、R及びRは窒素原子と共に環状アミノ基を形成してもよい。R及びRは、各々独立に電子吸引基を表す。〕
  2. 前記一般式(I)で表される化合物の含有量が、感光性着色組成物の固形分中0.01〜10質量%であることを特徴とする請求項1に記載の感光性着色組成物。
  3. 前記光重合開始剤の少なくとも1種が、オキシムエステル系化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感光性着色組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の感光性着色組成物を塗布し、塗布形成された塗布層をフォトマスクを介して露光し、現像することによりパターン形成するカラーフィルタの製造方法。
  5. 請求項4に記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたカラーフィルタ。
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