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JP2009214276A - 円筒研削盤およびその円筒研削方法 - Google Patents

円筒研削盤およびその円筒研削方法 Download PDF

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JP2009214276A JP2008063071A JP2008063071A JP2009214276A JP 2009214276 A JP2009214276 A JP 2009214276A JP 2008063071 A JP2008063071 A JP 2008063071A JP 2008063071 A JP2008063071 A JP 2008063071A JP 2009214276 A JP2009214276 A JP 2009214276A
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Kazuhiko Tsuji
和彦 辻
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Nisshin Seisakusho KK
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Abstract

【課題】ワークのセンタ支持構成を、デッドセンタ方式とライブセンタ方式に選択的に切替えられ、汎用性に富みかつ高精度でサイクルタイムを大幅に短縮した円筒研削を実現する。
【解決手段】主軸台1において、主軸センタ10は回転可能に軸承されかつ主軸回転駆動源である駆動モータ13に駆動連結されるとともに、ワークWを回転駆動するワーク回転部11が設けられ、心押台2において、心押センタ20は回転可能に軸承されかつ駆動モータ24に駆動連結されるとともに、心押台2の軸方向の心押圧力を調整する心押圧調整部21が設けられ、両センタ10、20は、自動で選択的に、ライブセンタとして、またはデッドセンタとして機能する構成とされ、これにより、汎用性に富むとともに、高精度でサイクルタイムを大幅に短縮した円筒研削が実現する。
【選択図】図2

Description

本発明は円筒研削盤およびその研削方法に関し、さらに詳細には、研削加工条件に応じて円筒工作物の支持状態を切替変更するセンタ構造を備えた円筒研削盤およびこの円筒研削盤による円筒研削方法に関する。
円筒研削盤は、円筒状の工作物(以下ワークと称する。)の両端の軸心位置を支持して、ワークの外径面を研削する最も一般的な研削盤であって、ワークの一端の軸心位置を支持する主軸センタを備える主軸台と、ワークの他端の軸心位置を支持する心押センタを備える心押台と、これら主軸台および心押台によりセンタ支持されたワークの円筒外径面を研削する砥石車を備える砥石台とを備えてなり、ワークを低速で回転させながら高速で回転する砥石車によってワーク外径面を研削加工する構成とされ、目的に応じて、砥石車を相対的にワーク軸方向へトラバースしながら、砥石車によりワーク外径面を研削加工するトラバース研削や、ワークに対して砥石車を切り込んでワーク外径面を研削加工するプランジカット研削などが行われる。
ところで、この円筒研削におけるワークのセンタ支持方法として、(a)上記主軸センタと心押センタが回転不能に固定されるとともに、ワークが回転駆動されるいわゆるデッドセンタまたは固定センタ方式、(b)上記主軸センタと心押センタが回転可能とされて、これらセンタがワークと共に回転駆動される、いわゆるライブセンタまたは回転センタ方式、(c)デッドセンタ方式において、回転不能に固定された上記主軸センタと心押センタが回転可能な主軸センタと心押センタに組み替えられる方式があるが、いずれもそれぞれ以下に述べるような問題があった。
(a)デッドセンタ方式においては、主軸センタと心押センタが非回転なので、ワークに心振れが発生し難くて、高い研削精度を期待できる反面、支持回転されるワークとの間に相対的な回転を生じて、支持部に発熱・磨耗を生じやすく、これがため、ワークに対する心押荷重を大きくすることができず、重切削(研削)加工が行えない。
(b)ライブセンタ方式においては、上記デッドセンタ方式の場合と逆に、主軸センタと心押センタが回転するので、ワークとの間に発熱・磨耗の発生がなく、重切削(研削)加工が行える反面、主軸センタと心押センタの回転ブレがワークの心振れを誘発し易く、これがため、高い研削精度を期待できない。
(c)デッドセンタ方式において、組替えによりライブセンタ方式が採用可能なものにあっては、組替え作業に時間と労力を要して、作業性が非常に悪かった。
この点に関連して、特許文献1に記載されるように、心押台の心押センタが非回転のデッドセンタと回転可能なライブセンタのいずれかに選択的に切り替える構造を備えた円筒研削盤も開発され提案されている。
しかしながら、この円筒研削盤におけるライブセンタは、心押台の心押センタが自由回転可能とされて、主軸台の主軸センタさらにはワークの回転に従動して回転する形式であることから、ワークとの間の相対的な回転が発生することもあり、また、ライブセンタとデッドセンタのいずれにおいても、ワークに対する心押荷重は同じであり、これがため、以下のような問題があり十分なものではなかった。
すなわち、心押荷重が大きく高負荷であると、デッドセンタ時におけるセンタ支持部の発熱・磨耗に発展する問題があり、一方、心押荷重が小さく軽負荷であると、ライブセンタ時におけるセンタとワーク間の支持剛性が不十分で、加工時に高負荷をかけることができず、重切削(研削)加工が行えない。
特開2000−246504号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、円筒研削におけるワークのセンタ支持構成を、選択的に、デッドセンタ方式とライブセンタ方式とに切替えることができる構成を備え、汎用性に富むとともに、高精度でサイクルタイムを大幅に短縮した円筒研削を実現することができる円筒研削盤を提供することにある。
また、本発明の他のもう一つの目的とするところは、上記円筒研削盤により、高精度でサイクルタイムが短く効率の良い円筒研削を実行することができる円筒研削方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の円筒研削盤は、ワークの両端の軸心位置を支持して、ワークの外径面を研削するものであって、ワークの一端の軸心位置を支持する主軸センタを備える主軸台と、ワークの他端の軸心位置を支持する心押センタを備える心押台と、これら主軸台および心押台によりセンタ支持されたワークの円筒外径面を研削する砥石車を備える砥石台とを備えてなり、上記主軸台において、上記主軸センタは回転可能に軸承されかつ主軸回転駆動源に駆動連結されるとともに、上記ワークを回転駆動するワーク回転手段が設けられ、上記心押台において、上記心押センタは回転可能に軸承されかつ心押軸回転駆動源に駆動連結されるとともに、上記心押台の軸方向の心押圧力を調整する心押圧調整手段が設けられ、上記主軸センタおよび心押センタは、選択的に、相互に同期して回転駆動しながらワークをセンタ支持するライブセンタとして、または回転停止した状態でワークをセンタ支持するデッドセンタとして機能する構成とされていることを特徴とする。
好適な実施態様として、以下に列挙するような構成が採用され得る。
(1)上記主軸台、心押台および主軸台における駆動源を相互に連動して制御する制御手段を備え、この制御手段は、重研削時において、上記主軸センタおよび心押センタが相互に同期して回転駆動しながらワークをセンタ支持する上記ライブセンタとして機能するとともに、仕上げ研削時において、上記主軸センタおよび心押センタが回転停止した状態でワークをセンタ支持する上記デッドセンタとして機能するように、上記駆動源を制御する構成とされる。
(2)上記ワーク回転手段は、上記工作物の上記主軸台側の端部に取り付けられたケレを介してワークを回転駆動するケレ駆動装置である。
(3)上記心押圧調整手段は、上記心押台における心押センタの軸方向心押し荷重を重研削時と仕上げ研削時で切替え調整する構成とされる。
(4)上記心押圧調整手段は、上記心押センタを上記心押台に対して軸方向へ押圧する心押圧調整バネと油圧シリンダとを備えてなり、上記心押圧調整バネは、上記仕上げ研削時において、上記心押センタを上記軸方向へ所定の圧力をもって弾発付勢するとともに、上記油圧シリンダは、上記重研削時において、上記心押センタを上記軸方向へ所定の圧力をもって付勢する構成とされる。
(5)上記心押圧調整バネは、上記心押センタを上記軸方向へ所定の圧力をもって常時弾発付勢するとともに、上記油圧シリンダは、上記重研削時において、上記心押圧調整バネの弾発付勢作用と協働して、上記心押センタを上記軸方向へ所定の圧力をもって追加付勢する構成とされる。
(6)上記油圧シリンダは、上記主軸台、心押台および主軸台における駆動源を相互に連動して制御する制御手段により、上記主軸センタおよび心押センタが、相互に同期して回転駆動しながらワークをセンタ支持するライブセンタとして機能する時に作動して、上記心押センタを上記軸方向へ所定の圧力をもって付勢し、上記主軸センタおよび心押センタが、回転停止した状態でワークをセンタ支持するデッドセンタとして機能する時に作動停止する。
(7)上記心押台において、心押軸が心押台ハウジングに回転可能にかつ軸方向へ移動可能に軸承されるとともに、この心押軸の先端部に上記心押センタが同軸状に取外し可能に取り付けられ、上記心押軸は、上記心押軸回転駆動源に駆動連結されるとともに、この心押軸回転駆動源が上記制御手段に電気的に接続され、上記心押軸の後端部に、この心押軸を上記心押台ハウジングに対して軸方向前方へ押圧する上記心押圧調整バネが設けられ、上記心押軸の外周部に、この心押軸を上記心押台ハウジングに対して軸方向へ往復移動させる上記油圧シリンダが設けられ、この油圧シリンダのピストンを前後方向へ往復移動させる油圧供給装置の油圧源および圧油制御弁が上記制御手段に電気的に接続されている。
(8)上記心押軸は、上記心押台ハウジングに静圧軸受を介して回転可能にかつ軸方向へ移動可能に軸承されている。
(9)上記主軸台および心押台における前記両センタの取付構造は、回転可能とされた回転軸の先端部に、テーパシャンク穴および取付端面がそれぞれ設けられてなり、これにより、上記両センタは、上記テーパシャンク穴を利用したテーパ嵌合取付構造と、上記取付端面を利用した端面取付構造とのいずれか一方を選択的に採用可能な構成とされる。
また、本発明の第1の円筒研削方法は、上記円筒研削盤により、ワークの両端の軸心位置を支持して、ワークの外径面を研削する円筒研削方法であって、上記主軸センタおよび心押センタをライブセンタとして、上記砥石車により上記ワークの外径面を重研削加工することを特徴とする。
また、本発明の第2の円筒研削方法は、同じく上記円筒研削盤により、ワークの両端の軸心位置を支持して、ワークの外径面を研削する円筒研削方法であって、上記主軸センタおよび心押センタをデッドセンタとして、上記砥石車により上記ワークの外径面を仕上げ研削加工することを特徴とする。
さらに、本発明の第3の円筒研削方法は、同じく上記円筒研削盤により、ワークの両端の軸心位置を支持して、ワークの外径面を研削する円筒研削方法であって、上記主軸センタおよび心押センタをライブセンタとして、上記砥石車により上記ワークの外径面を重研削加工した後、上記主軸センタおよび心押センタをデッドセンタとして、上記砥石車により上記ワークの外径面を仕上げ研削加工することを特徴とする。
好適な実施態様として、上記重研削に先立ち、上記主軸センタおよび心押センタをライブセンタとして、上記砥石車により上記両センタを機内研削加工して、これら両センタのライブ振れを防止するようにする。
本発明の円筒研削盤によれば、ワークの一端の軸心位置を支持する主軸センタを備える主軸台と、ワークの他端の軸心位置を支持する心押センタを備える心押台と、これら主軸台および心押台によりセンタ支持されたワークの円筒外径面を研削する砥石車を備える砥石台とを備えてなり、上記主軸台において、上記主軸センタは回転可能に軸承されかつ主軸回転駆動源に駆動連結されるとともに、上記ワークを回転駆動するワーク回転手段が設けられ、上記心押台において、上記心押センタは回転可能に軸承されかつ心押軸回転駆動源に駆動連結されるとともに、上記心押台の軸方向の心押圧力(心押荷重)を調整する心押圧調整手段が設けられ、上記主軸センタおよび心押センタは、選択的に、相互に同期して回転駆動しながらワークをセンタ支持するライブセンタとして、または回転停止した状態でワークをセンタ支持するデッドセンタとして機能する構成とされているから、以下に列挙するような効果が得られ、汎用性に富むとともに、高精度でサイクルタイムを大幅に短縮した円筒研削を実現することができる円筒研削盤を提供することができる。
(1)主軸台の主軸センタと心押台の心押センタを、ライブセンタまたはデッドセンタとして選択的に切替え使用することができるので、一台の円筒研削盤で重研削加工と仕上げ研削加工という加工条件の異なる研削加工を実行することができる。
すなわち、上記主軸センタと心押台の心押センタがライブセンタとして機能するライブセンタ方式では、主軸センタと心押センタが回転して、センタ支持するワークとの間に発熱・磨耗の発生がなく、これにより、高剛性・高負荷支持による、切込み量が大きくかつ研削負荷が大きな重研削加工を行うことができ、一方、上記主軸センタと心押台の心押センタがデッドセンタとして機能するデッドセンタ方式においては、主軸センタと心押センタが非回転であるから、これらセンタの組付け精度等に起因するセンタ回転時の心振れがなく、これにより、センタ支持するワークに心振れが発生し難く、高い研削精度が要求される仕上げ研削を行うことができる。
(2)主軸台の主軸センタと心押台の心押センタを、簡単な切替え操作だけで、ライブセンタまたはデッドセンタとして選択的に切替え使用することができるので、従来の時間と労力を要して作業性の悪いセンタ組替え作業がまったく不要で、重研削加工と仕上げ研削加工を効率よく切替えて実行することができる。
例えば、主軸台、心押台および主軸台における駆動源を相互に連動して制御する制御手段を備え、この制御手段による自動切替えにより、主軸センタおよび心押センタをライブセンタとデッドセンタとして機能するように制御することで、一連の円筒研削加工サイクル内において、ライブセンタとデッドセンタの自動切り替えが可能となり、高精度でかつサイクルタイムを大幅に短縮する円筒研削を実行することが可能となる。
(3)ワークのセンタ支持状態を維持したままで、上記主軸センタと心押センタをライブセンタからデッドセンタに切替え使用できるので、センタ支持方式の変更に伴うワークの心ズレが生じることがなく、この点からも高い研削精度が得られる。
(4)ライブセンタとしての主軸センタと心押センタは、いずれも回転駆動源により積極的にかつ同期して回転駆動されるので、センタ支持するワークとの間に相対的な回転が発生する可能性がきわめて少なく、センタ支持部における発熱・磨耗の発生を有効かつ確実に回避することができる。
(5)心押台の軸方向の心押圧力(心押荷重)を調整する心押圧調整手段が設けられているので、ライブセンタまたはデッドセンタとしてのワークに対する心押荷重をそれぞれ最適値に設定することができ、この結果、デッドセンタ時において、心押荷重が大きく高負荷となって、センタ支持部の発熱・磨耗に発展する問題、あるいは、ライブセンタ時において、心押荷重が小さく軽負荷となって、センタとワーク間の支持剛性が不十分となる問題などの発生が有効に防止される。
また、上記円筒研削盤による本発明の円筒研削方法によれば、上記主軸センタと心押センタをライブセンタとして上記ワークの外径面の重研削加工を、また上記主軸センタと心押センタをデッドセンタとして上記ワークの外径面の仕上げ研削加工を、それぞれ単独で行うほか、制御手段による自動切換えによって、上記主軸センタおよび心押センタをライブセンタとして、上記砥石車により上記ワークの外径面を重研削加工した後、上記主軸センタおよび心押センタをデッドセンタとして、上記砥石車により上記ワークの外径面を仕上げ研削加工するから、上述した効果が有効に発揮されて、一連の円筒研削加工サイクル内において、ライブセンタとデッドセンタの自動切り替えも可能となり、高精度でかつサイクルタイムが短く効率の良い円筒研削を実行することが可能となる。
さらに、上記重研削に先立ち、上記主軸センタおよび心押センタをライブセンタとして、上記砥石車により上記両センタを機内研削加工して、これら両センタのライブ振れを防止するようにすることにより、主軸センタおよび心押センタのいずれかの軸心が回転中心に対して偏心している場合でも、これらライブセンタに支持されるワークの回転中心は砥石車の軸心と平行することになり、上記センタの軸心の偏心が砥石車によるワークの円筒研削に影響することがなく、所定の精度の重研削加工、さらには、重研削加工の長所を生かしつつ、デッドセンタ方式による仕上げ研削加工と同等の精度をも得ることが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
実施形態1
本発明に係る円筒研削盤を図1〜図6に示し、この円筒研削盤は、円筒状のワークWの両端の軸心位置をセンタ支持して、ワークWの外径面Waを研削するもので、具体的には、ワークWのセンタ支持部を構成する主軸台1および心押台2と、ワークWの研削加工部を構成する砥石台3と、これらセンタ支持部1、2および研削加工部3を連動して制御する制御部(制御手段)4とを主要部として備えてなる。
具体的には、図1(a)および(b)に示すように、装置ベッド5上の前部にテーブル6が左右X方向(トラバース方向)へ移動可能に設けられて、このテーブル6上に上記センタ支持部(主軸台、心押台)1、2が装置されるとともに、このテーブル6の後方位置に、上記研削加工部(砥石台)3が前後方向Yつまりテーブル6のトラバース方向Xに対して垂直な切込み方向へ移動可能に装置されている。また、具体的には図示しないが、上記テーブルは、図示しないトラバース装置によりトラバース方向Xへ往復移動されるとともに、上記砥石台3は、図示しない切込み装置により砥石車の切込み方向Xへ往復移動される。上記トラバース装置および切込み装置の駆動源は、上記制御部4に電気的に接続されている。
また、上記センタ支持部1、2は、重研削加工に適したライブセンタ方式としての機能と、仕上げ研削加工に適したデッドセンタ方式としての機能の両機能を兼備し、これら機能を選択的に発揮し得る構成とされている。
主軸台1は、ワークWの一端をセンタ支持するとともに、ワークWに回転力を与えるもので、具体的には、図2に示すように、ワークWの一端の軸心位置を支持する主軸センタ10を備えるとともに、ワークWを回転駆動するワーク回転部(ワーク回転手段)11が設けられてなる。
主軸センタ10は、ワークWの一端の軸心位置に設けられたセンタ穴Wbに挿入係合する先細テーパ形状の先端部10aを備えてなり、具体的には図示しないが、主軸台1に回転可能に軸承された主軸12の先端部に取外し交換可能に取付け固定されるとともに、この主軸12が動力伝導ベルトや歯車機構等の動力伝達機構13を介して主軸回転駆動源である駆動モータ14に駆動連結されている。この駆動モータ14はサーボモータからなり、制御部4に電気的に接続されている。
上記ワーク回転部11は、具体的にはワークWの主軸台1側の端部に取り付けられたケレ11aを介してワークWを回転駆動するケレ駆動装置からなる。このケレ駆動装置11は、上記主軸12の先端部外周に、回転駆動部15が主軸12と同心状にかつ回転可能に軸承されるとともに、動力伝導ベルトや歯車機構等の動力伝達機構16を介してワーク回転駆動源である駆動モータ17に駆動連結されている。この駆動モータ17はサーボモータからなり、制御部4に電気的に接続されている。また、上記回転駆動部15には、ケレ駆動バー11bが前方へ水平に延びて一体的に設けられており、このケレ駆動バー11bが、ワークWに取外し可能に取付け固定された上記ケレ11aに回転方向へ係合する構成とされている。
心押台2は、ワークWの他端をセンタ支持するもので、具体的には図2に示すように、ワークWの他端の軸心位置を支持する心押センタ20を備えるとともに、心押台2の軸方向の心押圧力(心押荷重)を調整する心押圧調整部(心押圧調整手段)21が設けられてなる。
心押センタ20は、ワークWの他端の軸心位置に設けられたセンタ穴Wcに挿入係合する先細テーパ形状の先端部20aを備えてなり、心押台2に回転可能に軸承された心押軸22の先端部22aに取外し交換可能に取り付け固定されている。この心押軸22は、心押台2に回転可能に軸承されるとともに、動力伝導ベルトや歯車機構等の動力伝達機構23を介して心押軸回転駆動源である駆動モータ24に駆動連結されている。この駆動モータ24はサーボモータからなり、制御部4に電気的に接続されている。
心押圧調整部21は、具体的には、上記心押台2における心押センタ20の軸方向心押し荷重を重研削時と仕上げ研削時で切替え調整する構成とされており、図示の実施形態においては、心押軸22を軸方向前方へ押圧移動する心押圧調整バネ25と、心押軸22を軸方向へ往復移動させる油圧シリンダ26とから構成されている。
図示の実施形態の心押台2の具体的内部構造が図3に示されており、以下、上記心押圧調整部21の具体的構造を含めて詳細に説明する。
心押台2は、前記テーブル6上に固設された心押台ハウジング30の内部に、上記各構成部21(25、26)、22、24が装置されてなる。
心押軸22は、心押台ハウジング30に、静圧軸受31の前後ラジアル軸受部31a、31bを介して、回転可能にかつ軸方向へ移動可能に軸承されるとともに、この心押軸22の先端部22aのテーパシャンク穴22bに、上記心押センタ20が、その基端部のテーパシャンク20bを介して同軸状にかつ取外し可能にテーパ嵌合により取り付けられている(テーパ嵌合取付構造)。なお、具体的には図示しないが、上記主軸センタ10の回転主軸12に対する取付け構造も、心押軸22と同様のテーパ嵌合取付構造とされている。
上記心押軸22の後端部には、心押軸回転駆動部32が、キー嵌合33により、軸方向へ相対的に移動可能にかつ回転方向に一体的に回転可能に駆動連結されるとともに、この心押軸回転駆動部32は動力伝導プーリの形態とされて、動力伝導ベルト34aおよび動力伝導プーリ34bを介して、心押台ハウジング30に固設された上記駆動モータ24の出力軸24aに駆動連結されている。また、上記心押軸回転駆動部32は、後述する心押圧調整部21の油圧シリンダ26のシリンダ本体40の後端部外周に、ラジアル軸受43、43を介して回転可能に支持されている。
心押圧調整部21を構成する心押圧調整バネ25は圧縮スプリングからなり、心押軸22の後端部に介装されて、この心押軸22を心押台ハウジング30に対して軸方向前方へ押圧する構造とされている。この心押圧調整バネ25は、後述するように、主として仕上げ研削時における心押荷重の調整手段として機能する。
具体的には、心押軸22の後端部に、その軸心の沿って伸びる円筒凹部35が後方開放状に設けられ、この円筒凹部35内に、上記心押圧調整バネ25がバネ受けシャフト36を介して内装保持されている。この心押圧調整バネ25は、その先端部25aがばね受けシャフト36の先端受座37に当接係合されるとともに、その後端部25bが心押台ハウジング30に設けられたバネ圧調整部38に当接係合されている。また、上記バネ受けシャフト36は、先端部36aがラジアル軸受39を介して上記心押軸22の円筒凹部35の底部に相対的に回転可能にかつ軸方向へ一体的に連結されるとともに、後端部36bが上記調整部38の円筒状調整ハンドル38aの内部に摺動可能に挿入支持されている。このバネ圧調整部38は、上記調整ハンドル38aが心押台ハウジング30に取付け固定されたナット部材38bに螺進退可能に螺合支持されてなる。
これにより、心押圧調整バネ25は、心押軸22を軸方向前方へ所定の圧力をもって常時弾発付勢するとともに、上記バネ圧調整部38の調整ハンドル38aを回転操作することで、その弾発付勢力(心押圧力)が適宜調整可能とされている。
また、上記油圧シリンダ26は、心押軸22の外周部に設けられて、心押軸22を心押台ハウジング30に対して軸方向へ往復移動させる構造とされている。すなわち、この油圧シリンダ26は、ワークWをセンタ支持部1、2に着脱する際の心押センタ20の前進後退動作と、ワークWをセンタ支持部1、2にセンタ支持する際の心押荷重の調整動作の両機能を兼備する。この油圧シリンダ26は、後述するように、重研削時における心押荷重の調整手段として機能する。
具体的には、油圧シリンダ26のシリンダ本体40は、その軸心位置に作動対象である上記心押軸22を配置して構成されている。つまり、心押台ハウジング30内に円筒状のシリンダ本体40が一体的に設けられており、このシリンダ本体40内に作動ピストン41が前後方向へ往復摺動可能に設けられるとともに、この作動ピストン41に、上記心押軸22が上記静圧軸受31を介して、相対的に回転可能にかつ軸方向へ一体的に駆動連結されている。
換言すれば、上記作動ピストン41は、シリンダ本体40と心押軸22との間に形成された円筒空間を前後方向へ移動する円筒形状とされるとともに、その前後方向中央部位が、静圧軸受31のスラスト軸受部31c、31cを介して、心押軸22の環状係合フランジ22cと相対的回転可能でかつ軸方向へ一体的に係合している。この目的のため、上記作動ピストン41の内径部に軸受フランジ42が一体結合され、この軸受フランジ42の軸受面42a、42bが上記心押軸22の係合フランジ22cの前後面に対向して、これら両対向面間に上記スラスト軸受部31c、31cがそれぞれ形成されている。
シリンダ本体40における上記作動ピストン41の前後位置には、前後シリンダ室40a、40bが形成され、シリンダ油圧供給装置46からの圧油が、これら前後シリンダ室40a、40b内へ選択的にかつ交互に供給されることで、作動ピストン41さらには心押軸22が前後方向へ往復移動する。
これに関連して、心押軸22の後端には、ドグ44が取り付けられるとともに、このドグ44に近接して、ドグ44を検知する前後近接スイッチ45a、45bがリミットスイッチとして設けられている。これら前後両近接スイッチ45a、45bは、制御部4に電気的に接続されており、これにより油圧シリンダ26による心押軸22つまり心押センタ2の前後方向への往復移動における前進端位置と後退端位置が規定制御される。
上記シリンダ油圧供給装置46は、具体的には図示しないが従来公知の基本構造を備えており、その油圧源の油圧ポンプおよび油圧回路の圧油制御弁が上記制御部4に電気的に接続されている。
そして、上記油圧シリンダ26は、上記制御部4により、ワークWを主軸センタ10と心押センタ20に着脱する際に作動して心押センタ20を前進後退動作させるとともに、上記主軸センタ10および心押センタ20が、相互に同期して回転駆動しながらワークWをセンタ支持するライブセンタとして機能する時に作動して、上記心押センタ20を上記軸方向前方へ所定の圧力をもって付勢し、また上記主軸センタ10および心押センタ20が、回転停止した状態でワークWをセンタ支持するデッドセンタとして機能する時に作動停止する(心押荷重の調整動作)。
また、上記静圧軸受31は、上述したように、前後ラジアル軸受部31a、31b、スラスト軸受部31c、31cを備えてなる油圧静圧軸受であり、前後ラジアル軸受部31a、31bが、上記心押軸22を心押台ハウジング30に回転可能に軸支するとともに、スラスト軸受部31c、31cが上記心押軸22を上記油圧シリンダ26の作動ピストン41に対して回転にかつ軸方向へ一体的に支持する。
この静圧軸受31の軸受油圧供給装置47は、具体的には図示しないが従来公知の基本構造を備えており、その油圧源の油圧ポンプおよび油圧回路の圧油制御弁が上記制御部4に電気的に接続されている。
以上のような構成とされたセンタ支持部1、2において、前述したように、主軸センタ10および心押センタ20は、選択的に、ライブセンタとしてまたはデッドセンタとして機能する構成とされている。
次に、これらのライブセンタとデッドセンタとしての機能構成について、図4および表1に基づいて説明する。
(A)ライブセンタ方式:
ライブセンタ方式においては、図4(a)に示すように、主軸センタ10と心押センタ20がライブセンタとして機能して、これら主軸センタ10と心押センタ20は相互に同期して回転駆動しながらワークWをセンタ支持する。
すなわち、ライブセンタ方式においては、主軸回転駆動源である駆動モータ14と心押軸回転駆動源である駆動モータ24が相互に同期して、かつワーク回転駆動源である駆動モータ17に対して同期して回転駆動して、主軸センタ10と心押センタ20は、回転駆動しながらワークWをセンタ支持する。
また、主軸センタ10と心押センタ20がセンタ支持するワークWと同期して回転すると、ワークWとの相対的な回転がなくて、ワークWとの間に発熱・磨耗の発生がない。このため、心押し荷重を大きくとることができ、したがって、心押圧調整部21の油圧シリンダ26が油圧駆動して、心押センタ20が前方へ移動され、これにより、ワークWのセンタ支持の心押荷重は所定の大きな値に設定される。
なお、この場合の心押荷重は、厳密には、心押センタ20を常時前方へ弾発付勢する心押圧調整バネ25との協働作用(心押圧調整バネ25の弾発付勢作用と協働して、油圧シリンダ26が心押センタ20を軸方向前方へ所定の圧力をもって追加付勢)により設定されることになるが、実質的には油圧シリンダ26の駆動制御により設定される。
このようなライブセンタ方式のセンタ支持部1、2においては、主軸センタ10と心押センタ20が回転するので、これら両センタ10、20の組付け精度等に起因する回転ブレがワークの心振れを誘発し易く、高い研削精度を期待できないが、一方、ワークWとの間に発熱・磨耗の発生がなく、また大きな心押荷重によりワークWの高い支持剛性を確保することができ、切込み量が大きくかつ研削負荷が大きな重研削加工(例えば、荒研削加工)に適している(表1の上段参照)。
(B)デッドセンタ方式:
デッドセンタ方式においては、図4(b)に示すように、主軸センタ10と心押センタ20がデッドセンタとして機能して、これら主軸センタ10と心押センタ20は回転停止した状態でワークWをセンタ支持する。
すなわち、デッドセンタ方式においては、主軸回転駆動源である駆動モータ14と心押軸回転駆動源である駆動モータ24が駆動停止して、回転駆動源である駆動モータ17のみが回転駆動し、主軸センタ10と心押センタ20は、回転停止した状態でワークWをセンタ支持する。
また、主軸センタ10と心押センタ20が回転停止した状態でワークWをセンタ支持すると、回転するワークWとの相対的な回転が生じて、ワークWとの間に発熱・磨耗の発生がある。このため、心押し荷重を大きくとることができず、したがって、心押圧調整部21の油圧シリンダ26は駆動停止して、心押センタ20を常時前方へ弾発付勢する心押圧調整バネ25による心押荷重だけが作用し、これにより、ワークWのセンタ支持の心押荷重は所定の小さな値に設定される。
このようなデッドセンタ方式のセンタ支持部1、2においては、主軸センタ10と心押センタ20が回転停止しているので、ワークWとの間に発熱・磨耗の発生があり、また小さな心押荷重によりワークWの支持剛性も低いが、一方、両センタ10、20の組付け精度等に起因する回転ブレがなくて、センタ支持するワークWに心振れを誘発することもなく、高い研削精度を期待でき、切込み量が小さくかつ研削負荷が小さくて高い研削精度が要求される仕上げ研削加工に適している(表1の下段参照)。
なお、本実施形態の円筒研削盤においては、主軸センタ10および心押センタ20が、選択的にライブセンタとしてまたはデッドセンタとして機能する構成とされていることから、ライブセンタ方式による加工からデッドセンタ方式による加工に方式変換される際に、主軸センタ10および心押センタ20は、回転主軸12および心押軸22の回転方向の定位置で停止(軸回転定位置停止)するようにそれぞれ駆動制御される構成とされている。
すなわち、主軸台1における主軸センタ10と回転主軸12、および/または、心押台2における心押センタ20と心押軸22は、その組付け後において、両者の軸心をほぼ完全一致するように造り込むことは極めて困難な状況にあり、通常はわずかに偏心した状態となっている。
例えば図5(a)に示すように、主軸台1において、主軸センタ10の軸心X10つまり主軸センタ10の先端が回転主軸12の軸心X12に対して偏心している場合、および/または、心押台2において、心押センタ20の軸心X20つまり心押センタ20の先端が心押軸22の軸心X22に対して偏心している場合を考えてみる。
主軸センタ10と心押センタ20が回転駆動されるライブセンタにおいては、図6(a)に示すように、これら両センタ10、20により回転支持されるワークWの回転中心XWも上記砥石車50の軸心X50に対して傾斜した状態にあり、両センタ10、20の回転ブレがそのままワークWの心振れ(XW)となり、高い研削精度を期待できないことは上述したとおりである。
本実施形態のように、主軸センタ10と心押センタ20が、選択的にライブセンタとしてまたはデッドセンタとして機能する構成とされていると、ライブセンタ方式による加工からデッドセンタ方式による加工に方式変換される際に、回転主軸12および心押軸22の回転方向の任意の位置で両センタ10、20が停止するような構成では、例えば図5(b)の(i)および(ii)に示すように、主軸センタ10と回転主軸12、および/または、心押センタ20と心押軸22の偏心が、ワークWの回転中心XWの上記砥石車50の軸心X50に対する傾斜状態を誘発してしまい、しかも、ワークWの回転中心XWの上記砥石車50の軸心X50に対する傾斜状態もばらばらで姿勢が定まらず、デッドセンタ方式の利点である高い研削精度が得られない。
この点に鑑みて、本実施形態においては、ライブセンタ方式による加工からデッドセンタ方式による加工に方式変換される際に、主軸センタ10と回転主軸12、および/または、心押センタ20と心押軸22の偏心が、研削精度に影響しないように、図5(c)に示すように、主軸センタ10および心押センタ20は、回転主軸12および心押軸22の回転方向の定位置で停止(軸回転定位置停止)するようにそれぞれ駆動制御される構成とされている。
具体的には、主軸センタ10と心押センタ20が固定されたデッドセンタ方式に変換された状態において、図5(c)に示すように、上記両センタ10、20を結ぶ直線が砥石車50の軸心X50と平行になり、これにより、ワークWの回転中心XWも砥石車50の軸心X50と平行になり、主軸センタ10および/または心押センタ20の軸心の偏心が砥石車50によるワークWの円筒研削に影響することがなく、所定の研削加工精度を確保することが可能となる。
Figure 2009214276
図示の実施形態においては、心押圧調整部21による上記ライブセンタとデッドセンタの選択的な切替えは、基本的には、後述するように、制御部4により自動切換えで行われるが、図示しない切替えスイッチを手動操作しても行われる。
砥石台3は、上記センタ支持部1、2によりセンタ支持されたワークWの円筒外径面Waを研削する砥石車50を備えてなる。この砥石車50は、図1に示すように、その外周面50aが円筒砥石面とされるとともに、具体的には図示しないが、従来公知の一般的基本構造を備えている。つまり、砥石車50は、砥石軸51に取外し可能に取付け固定され、この砥石軸51が上記砥石車台3に回転可能に軸承されるとともに、動力伝導ベルトや歯車機構を介して駆動モータ等の回転駆動源に駆動連結されている。この砥石車50の回転駆動源はサーボモータからなり、制御部4に電気的に接続されている。
制御部4は、主軸台1、心押台2および砥石台3における各駆動源を相互に連動して制御するもので、具体的には、CPU、ROM、RAMおよびI/Oポートなどからなるマイクロコンピュータで構成されたCNC装置である。
この制御装置6には、前述したように、主軸台1、心押台2および砥石台3における各駆動源(駆動モータ14、17、24等、および油圧供給装置46、47の駆動源)や近接スイッチ45a、45b等の各種センサが電気的に接続されるとともに、以下に述べる円筒研削工程(円筒研削方法)を実行するための制御プログラムが、数値制御データとして、予めまたは図示しない操作盤のキーボード等により適宜選択的に入力設定される。
しかして、以上のように構成された円筒研削盤において、ワークWは、センタ支持部1、2によりセンタ支持された状態において、ワーク回転部11により低速で回転されながら、高速で回転する砥石車50によって外径面Waをトラバース研削やプランジカット研削などの円筒研削加工が施されるところ、前述したように、ライブセンタ方式(主軸センタ10と心押センタ20がライブセンタとして機能する方式)によるワークWの外径面Waの荒研削加工(重研削加工)、およびデッドセンタ方式(主軸センタ10と心押センタ20がデッドセンタとして機能する方式)によるワークWの外径面Waの仕上げ研削加工がそれぞれ単独で行われるほか、上述の制御部4による自動切換えによって、ワークWはセンタ支持部1、2から取り外されることなくセンタ支持されたままで、ワークWに対する荒研削加工と仕上げ研削加工という要求研削精度等の加工条件が異なる二種類の研削加工が連続して行われる。
すなわち、(1)荒研削加工工程においては、ワーク回転駆動源である駆動モータ17が回転駆動するとともに、主軸回転駆動源である駆動モータ14と心押軸回転駆動源である駆動モータ24が上記駆動モータ17に同期して回転駆動し、これにより、センタ支持部1、2の主軸センタ10および心押センタ20は、相互に同期するとともに、回転駆動部15により低速で回転されるワークWに同期して回転駆動し、ワークWをライブセンタとして支持しながら(心押荷重→大、ワークWの支持剛性→大)、高速で回転する砥石車50がワークWの外径面Waを重研削加工(切込み量→大、研削負荷→大)を行う。
(2)荒研削加工工程が終了すると、ワークWがセンタ支持部1、2から取り外されることなくそのままセンタ支持された状態で、上記制御部4により、上記センタ支持部1、2の主軸センタ10および心押センタ20が、ライブセンタからデッドセンタに支持方式を自動的に切替えられる。
(3)仕上げ研削加工工程においては、ワーク回転駆動源である駆動モータ17が回転駆動するとともに、主軸回転駆動源である駆動モータ14と心押軸回転駆動源である駆動モータ24が駆動停止し、これにより、センタ支持部1、2の主軸センタ10および心押センタ20は、回転停止した状態でワークWをデッドセンタとして支持しながら(心押荷重→小、ワークWの支持剛性→小)、高速で回転する砥石車50がワークWの外径面Waを仕上げ研削加工(切込み量→小、研削負荷→小)を行う。
以上の円筒研削工程におけるワーク回転駆動源(駆動モータ)17、主軸回転駆動源(駆動モータ)14および心押軸回転駆動源(駆動モータ)24の動作タイミングが図6に示されている。
以上説明したように、本実施形態の円筒研削盤によれば、ワークWの一端の軸心位置をセンタ支持する主軸センタ10を備える主軸台1と、ワークWの他端の軸心位置をセンタ支持する心押センタ20を備える心押台2と、これら主軸台1および心押台2によりセンタ支持されたワークWの円筒外径面Waを研削する砥石車50を備える砥石台3とを備えてなり、上記主軸台1において、上記主軸センタ10は回転可能に軸承されかつ主軸回転駆動源である駆動モータ14に駆動連結されるとともに、上記ワークWを回転駆動するワーク回転部11が設けられ、上記心押台2において、上記心押センタ20は回転可能に軸承されかつ心押軸回転駆動源である駆動モータ24に駆動連結されるとともに、上記心押台2の軸方向の心押圧力(心押荷重)を調整する心押圧調整部21が設けられ、上記主軸センタ10および心押センタ20は、自動で選択的に、相互に同期して回転駆動しながらワークWをセンタ支持するライブセンタとして、または回転停止した状態でワークWをセンタ支持するデッドセンタとして機能する構成とされているから、以下に列挙するような作用効果が得られ、汎用性に富むとともに、高精度でサイクルタイムを大幅に短縮した円筒研削を実現することができる。
(i)主軸台1の主軸センタ10と心押台2の心押センタ20を、ライブセンタまたはデッドセンタとして選択的に切替え使用することができるので、一台の円筒研削盤で重研削加工(例えば荒研削加工)と仕上げ研削加工という要求研削精度等の加工条件の異なる研削加工を実行することができる。
すなわち、上記主軸センタ10と心押台2の心押センタ20がライブセンタとして機能するライブセンタ方式では、主軸センタ10と心押センタ20が回転して、センタ支持するワークWとの間に発熱・磨耗の発生がなく、これにより、高剛性・高負荷支持による、切込み量が大きくかつ研削負荷が大きな重研削加工を行うことができ、一方、上記主軸センタ10と心押台2の心押センタ20がデッドセンタとして機能するデッドセンタ方式においては、主軸センタ10と心押センタ20が非回転であるから、これらセンタの組付け精度等に起因するセンタ回転時の心振れがなく、これにより、センタ支持するワークWに心振れが発生し難く、高い研削精度が要求される仕上げ研削を行うことができる。
(ii)主軸台1の主軸センタ10と心押台2の心押センタ20を、簡単な切替え操作だけで、ライブセンタまたはデッドセンタとして選択的に切替え使用することができるので、従来の時間と労力を要して作業性の悪いセンタ組替え作業がまったく不要で、重研削加工と仕上げ研削加工を効率よく切替えて実行することができる。
すなわち、主軸台1、心押台2および主軸台1における駆動源を相互に連動して制御する制御部4を備え、この制御部4による自動切替えにより、主軸センタ10および心押センタ20をライブセンタとデッドセンタとして機能するように制御することで、一連の円筒研削加工サイクル内において、ライブセンタとデッドセンタの自動切り替えが可能となり、高精度でかつサイクルタイムを大幅に短縮する円筒研削を実行することが可能となる。
(iii)ワークWのセンタ支持状態を維持したままで、上記主軸センタ10と心押センタ20をライブセンタからデッドセンタに切替え使用できるので、センタ支持方式の変更に伴うワークWの心ズレが生じることがなく、この点からも高い研削精度が得られる。
(iv)ライブセンタとしての主軸センタ10と心押センタ20は、いずれも回転駆動源により積極的にかつ同期して回転駆動されるので、センタ支持するワークWとの間に相対的な回転が発生する可能性がきわめて少なく、センタ支持部における発熱・磨耗の発生を有効かつ確実に回避することができる。
(v)心押台2の軸方向の心押圧力(心押荷重)を調整する心押圧調整部21が設けられているので、ライブセンタまたはデッドセンタとしてのワークWに対する心押荷重をそれぞれ最適値に設定することができ、この結果、デッドセンタ時において、心押荷重が大きく高負荷となって、センタ支持部の発熱・磨耗に発展する問題、あるいは、ライブセンタ時において、心押荷重が小さく軽負荷となって、センタとワークW間の支持剛性が不十分となる問題などの発生が有効に防止される。
実施形態2
本実施形態は図7に示されており、実施形態1の円筒研削盤において機内センタ研削を行う構成とされたものである。
例えば図8(a)に示すように、主軸台1において、主軸センタ10の軸心X10つまり主軸センタ10の先端が回転主軸12の軸心X12に対して偏心している場合、および/または、心押台2において、心押センタ20の軸心X20つまり心押センタ20の先端が心押軸22の軸心X22に対して偏心している場合を考えてみる。
主軸センタ10と心押センタ20が固定されたデッドセンタであれば、主軸台1および/または心押台2を微小距離だけ移動させて、図8(b)に示すように、これら両センタ10、20を結ぶ直線を砥石車50の軸心X50と平行にすることにより、ワークWの回転中心XWは砥石車50の軸心X50と平行することになり、上述の主軸センタ10および/または心押センタ20の軸心の偏心が砥石車50によるワークWの円筒研削に影響することはなく、所定の精度の研削加工が可能である。
これに対して、上記主軸センタ10と心押センタ20が回転駆動されるライブセンタであると、上述したデッドセンタの場合のような偏心修正は行うことができず、図8(c)に示すように、これら両センタ10、20を結ぶ直線Xは砥石車50の軸心X50に対して傾斜した状態にあり、つまり、これら両センタ10、20により回転支持されるワークWの回転中心XWも上記砥石車50の軸心X50に対して傾斜した状態にある。
そして、このように両センタ10、20を結ぶ直線が砥石車50の軸心X50に対して傾斜した状態でのライブセンタ方式での円筒研削においては、両センタ10、20の回転ブレがそのままワークWの心振れ(XW)となり、所期の精度の研削加工ができない。
本実施形態においては、このようなライブセンタ方式での円筒研削における問題点を解消するため、ライブセンタ方式によるワークWの外径面Waの重研削加工に先立ち、主軸センタ10および心押センタ20をライブセンタとして、機内センタ研削用の砥石車60(両端部分がテーパ形状の砥石面60a、60bとされたもの)により上記両センタ10、20を機内研削加工して、これら両センタ10、20のライブ振れを防止する。
すなわち、例えば図7(a)に示すように、主軸センタ10および心押センタ20の軸心X10、X20が回転主軸12および心押軸22の軸心X12、X22に対してそれぞれ偏心している場合に、まず、機内センタ研削用の砥石車60を、砥石台1の砥石軸51に取り付けて、駆動モータ24により心押センタ20を回転駆動しながら、回転する砥石車60のテーパ形状の砥石面60bが上記心押センタ20の先端部分を研削し(図7(a)参照)、続いて、駆動モータ14により主軸センタ10を回転駆動しながら、回転する砥石車60のテーパ形状の砥石面60bが上記心押センタ20の先端部分を研削する(図示省略)。
この機内センタ研削により、上記両センタ10、20の先端部10a、20aは、図7(b)に示すように、回転主軸12および心押軸22の軸心X12、X22に一致する先細のテーパ形状に修正されることになる。
しかして、以上のように機内センタ研削を施された円筒研削盤における重研削加工においては、ワークWは、ライブセンタである主軸センタ10と心押センタ20により回転支持されながら(心押荷重→大、ワークWの支持剛性→大)、その外径面Waを高速で回転する砥石車50により研削加工(切込み量→大、研削負荷→大)されるところ、図8(a)に示すように、上記主軸センタ10および心押センタ20の軸心X10、X20が回転主軸12および心押軸22の軸心X12、X22に対してそれぞれ偏心している場合でも、これらライブセンタ10、20の先端部10a、20aに支持されるワークWの回転中心XWは砥石車50の軸心X50と平行することとなって、ワークWの回転ブレも生じず、この結果、上記センタ10、20の軸心X10、X20の偏心が砥石車50によるワークWの円筒研削に影響することはなく、所定の精度の重研削加工はもちろんのこと、さらには、重研削加工の長所を生かしつつ、デッドセンタ方式による仕上げ研削加工と同等の精度を得ることも可能となる。
また、本実施形態の円筒研削盤においては、上述のごとく、機内センタ研削を行うことにより、主軸センタ10および心押センタ20のの先端部10a、20aが、図7(b)に示すように、回転主軸12および心押軸22の軸心X12、X22に一致する先細のテーパ形状に修正される結果、実施形態1において、ライブセンタ方式による加工からデッドセンタ方式による加工に方式変換される際に行われていた駆動制御、つまり、主軸センタ10および心押センタ20の軸回転定位置停止(回転主軸12および心押軸22の回転方向の定位置で停止すること)は不要となる。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態3
本実施形態は図9に示されており、実施形態1の円筒研削盤において主軸センタ10および心押センタ20の取付け構造が改変されたものである。
すなわち、主軸センタ10および心押センタ20の取付け構造は、実施形態1および2においては、前述したように、図3に示すようなテーパ嵌合取付構造とされているが、本実施形態においては、図9に示すように、テーパ嵌合取付構造Aと端面取付構造Bのいずれか一方が選択的に採用可能な構成とされている。
テーパ嵌合取付構造は、図9(a)に示すように、主軸センタ10(心押センタ20)の基部取付部10b(20b)は図示のごとくテーパシャンクの形態とされるとともに、これに対応して、回転主軸12(心押軸22)の先端部12a(22a)中央にはテーパシャンク穴12b(22b)が開設されて、これら、10b(20b)、12b(22b)が取外し可能に嵌合固定される構成とされている。
一方、端面取付構造は、図9(b)に示すように、主軸センタ10(心押センタ20)の基部が平板状の取付フランジ部10c(20c)と一体形成されるとともに、これに対応して、回転主軸12(心押軸22)の先端面12c(22c)が回転主軸12(心押軸22)の軸心X12(X22)に直交する平坦な取付端面に形成されて、上記取付フランジ部10c(20c)が回転主軸12(心押軸22)の先端面12c(22c)に当接係合された状態で、取付ボルト70、70、…により取外し可能に締付け固定される構成とされている。
しかして、以上のように構成された主軸センタ10と心押センタ20の取付け構造においては、表2に示すようなテーパ嵌合取付構造Aと端面取付構造Bの特徴を考慮して、これら両取付構造A、Bのいずれか一方が目的に応じて適宜選択的に採用され得る。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
Figure 2009214276
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲において種々の設計変更が可能である。
本発明の実施形態1である円筒研削盤の外観構成を示し、図1(a)は正面図、図2(b)は平面図である。 同円筒研削盤の主要構成を示す概略構成図である。 同円筒研削盤の心押台の具体的内部構造を示す正面断面図である。 同円筒研削盤のセンタ支持部の動作説明図で、図4(a)はライブセンタ方式での動作構成、図4(b)はデッドセンタ方式での動作構成を示す。 同円筒研削盤において主軸センタおよび/または心押しセンタが偏心している場合についてライブセンタ方式による加工からデッドセンタ方式による加工に方式変換する際のワークの支持状態を説明する図で、図5(a)はライブセンタ方式によるワークの支持状態の一例を示す正面図、図5(b)は同ワークの支持状態のままデッドセンタ方式に方式変換する際に、回転主軸および心押軸の回転方向の任意の位置で両センタを停止させた場合のワークの支持状態の二つの例を示す正面図、図5(c)は同じく同ワークの支持状態のままデッドセンタ方式に方式変換する際に、回転主軸および心押軸の回転方向の定位置で両センタを停止させた場合のワークの支持状態の一例を示す正面図である。 同円筒研削盤による円筒研削工程における主軸台のワーク回転用の駆動モータおよび主軸回転用の駆動モータと、心押台の心押軸回転用の駆動モータの動作タイミングを示す千図である。 本発明の実施形態2である円筒研削盤における機内センタ研削を説明するための図で、図7(a)は主軸センタおよび心押しセンタが主軸および心押軸に対して偏心している場合に、心押しセンタを機内センタ研削している状態を示す正面図、図7(b)は機内センタ研削により主軸センタおよび心押しセンタの偏心が修正された状態を示す正面図、図7(c)は偏心修正された主軸センタおよび心押しセンタを用いてライブセンタ方式でワークを円筒研削する状態を示す正面図である。 円筒研削盤において主軸センタおよび心押しセンタが偏心している場合について説明する図で、図8(a)は主軸センタおよび心押しセンタが主軸および心押軸に対して偏心している場合のワークの支持状態の一例を示す正面図、図8(b)は同ワークの支持状態をデッドセンタ方式において修正した状態を示す正面図、図8(c)は同ワークの支持状態のままライブセンタ方式で回転支持する状態を示す正面図である。 本発明の実施形態3である円筒研削盤における主軸センタおよび心押センタの取付け構造を示す図で、図9(a)はテーパ嵌合構造を一部切開して示す正面図、図9(b)は端面取付構造を一部切開して示す正面図である。
符号の説明
W ワーク
Wa ワークの外径面
A テーパ嵌合取付構造
B 端面取付構造
1 主軸台
2 心押台
3 砥石台
4 制御部(制御手段)
5 装置ベッド
6 テーブル
10 主軸センタ
10a 主軸センタの先端部
10b 主軸センタのテーパシャンク
10c 主軸センタの取付フランジ部
11 ワーク回転部(ワーク回転手段)
12 回転主軸
12b 回転主軸のテーパシャンク穴
12c 回転主軸の取付端面
13 駆動モータ(主軸回転駆動源)
15 回転駆動部
16 駆動モータ(ワーク回転駆動源)
20 心押センタ
20a 心押センタの先端部
20b 心押センタのテーパシャンク
20c 心押センタの取付フランジ部
21 心押圧調整部(心押圧調整手段)
22 心押軸
22b 心押軸のテーパシャンク穴
22c 心押軸の取付端面
24 駆動モータ(心押軸回転駆動源)
25 心押圧調整バネ
26 油圧シリンダ
31 静圧軸受
46 シリンダ油圧供給装置
47 軸受油圧供給装置
50 砥石車
60 機内センタ研削用の砥石車
60a、60b テーパ形状の砥石面

Claims (14)

  1. 工作物の両端の軸心位置を支持して、工作物の外径面を研削する円筒研削盤であって、
    工作物の一端の軸心位置を支持する主軸センタを備える主軸台と、
    工作物の他端の軸心位置を支持する心押センタを備える心押台と、
    これら主軸台および心押台によりセンタ支持された工作物の円筒外径面を研削する砥石車を備える砥石台とを備えてなり、
    前記主軸台において、前記主軸センタは回転可能に軸承されかつ主軸回転駆動源に駆動連結されるとともに、前記工作物を回転駆動するワーク回転手段が設けられ、
    前記心押台において、前記心押センタは回転可能に軸承されかつ心押軸回転駆動源に駆動連結されるとともに、前記心押台の軸方向の心押圧力を調整する心押圧調整手段が設けられ、
    前記主軸センタおよび心押センタは、選択的に、相互に同期して回転駆動しながら工作物をセンタ支持するライブセンタとして、または回転停止した状態で工作物をセンタ支持するデッドセンタとして機能する構成とされている
    ことを特徴とする円筒研削盤。
  2. 前記主軸台、心押台および主軸台における駆動源を相互に連動して制御する制御手段を備え、
    この制御手段は、重研削時において、前記主軸センタおよび心押センタが相互に同期して回転駆動しながら工作物をセンタ支持する前記ライブセンタとして機能するとともに、仕上げ研削時において、前記主軸センタおよび心押センタが回転停止した状態で工作物をセンタ支持する前記デッドセンタとして機能するように、前記駆動源を制御する構成とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の円筒研削盤。
  3. 前記ワーク回転手段は、前記工作物の前記主軸台側の端部に取り付けられたケレを介して工作物を回転駆動するケレ駆動装置である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の円筒研削盤。
  4. 前記心押圧調整手段は、前記心押台における心押センタの軸方向心押し荷重を重研削時と仕上げ研削時で切替え調整する構成とされている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の円筒研削盤。
  5. 前記心押圧調整手段は、前記心押センタを前記心押台に対して軸方向へ押圧する心押圧調整バネと油圧シリンダとを備えてなり、
    前記心押圧調整バネは、前記仕上げ研削時において、前記心押センタを前記軸方向へ所定の圧力をもって弾発付勢するとともに、前記油圧シリンダは、前記重研削時において、前記心押センタを前記軸方向へ所定の圧力をもって付勢する構成とされている
    ことを特徴とする請求項4に記載の円筒研削盤。
  6. 前記心押圧調整バネは、前記心押センタを前記軸方向へ所定の圧力をもって常時弾発付勢するとともに、前記油圧シリンダは、前記重研削時において、前記心押圧調整バネの弾発付勢作用と協働して、前記心押センタを前記軸方向へ所定の圧力をもって追加付勢する構成とされている
    ことを特徴とする請求項5に記載の円筒研削盤。
  7. 前記油圧シリンダは、前記主軸台、心押台および主軸台における駆動源を相互に連動して制御する制御手段により、前記主軸センタおよび心押センタが、相互に同期して回転駆動しながら工作物をセンタ支持するライブセンタとして機能する時に作動して、前記心押センタを前記軸方向へ所定の圧力をもって付勢し、前記主軸センタおよび心押センタが、回転停止した状態で工作物をセンタ支持するデッドセンタとして機能する時に作動停止する
    ことを特徴とする請求項5に記載の円筒研削盤。
  8. 前記心押台において、心押軸が心押台ハウジングに回転可能にかつ軸方向へ移動可能に軸承されるとともに、この心押軸の先端部に前記心押センタが同軸状に取外し可能に取り付けられ、
    前記心押軸は、前記心押軸回転駆動源に駆動連結されるとともに、この心押軸回転駆動源が前記制御手段に電気的に接続され、
    前記心押軸の後端部に、この心押軸を前記心押台ハウジングに対して軸方向前方へ押圧する前記心押圧調整バネが設けられ、
    前記心押軸の外周部に、この心押軸を前記心押台ハウジングに対して軸方向へ往復移動させる前記油圧シリンダが設けられ、
    この油圧シリンダのピストンを前後方向へ往復移動させる油圧供給装置の油圧源および圧油制御弁が前記制御手段に電気的に接続されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の円筒研削盤。
  9. 前記心押軸は、前記心押台ハウジングに静圧軸受を介して回転可能にかつ軸方向へ移動可能に軸承されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の円筒研削盤。
  10. 前記主軸台および心押台における前記両センタの取付構造は、回転可能とされた回転軸の先端部に、テーパシャンク穴および取付端面がそれぞれ設けられてなり、
    これにより、前記両センタは、前記テーパシャンク穴を利用したテーパ嵌合取付構造と、前記取付端面を利用した端面取付構造とのいずれか一方を選択的に採用可能な構成とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の円筒研削盤。
  11. 請求項1から10のいずれか一つに記載の円筒研削盤により、工作物の両端の軸心位置を支持して、工作物の外径面を研削する円筒研削方法であって、
    前記主軸センタおよび心押センタをライブセンタとして、前記砥石車により前記工作物の外径面を重研削加工する
    ことを特徴とする円筒研削方法。
  12. 請求項1から10のいずれか一つに記載の円筒研削盤により、工作物の両端の軸心位置を支持して、工作物の外径面を研削する円筒研削方法であって、
    前記主軸センタおよび心押センタをデッドセンタとして、前記砥石車により前記工作物の外径面を仕上げ研削加工する
    ことを特徴とする円筒研削方法。
  13. 請求項1から10のいずれか一つに記載の円筒研削盤により、工作物の両端の軸心位置を支持して、工作物の外径面を研削する円筒研削方法であって、
    前記主軸センタおよび心押センタをライブセンタとして、前記砥石車により前記工作物の外径面を重研削加工した後、前記主軸センタおよび心押センタをデッドセンタとして、前記砥石車により前記工作物の外径面を仕上げ研削加工する
    ことを特徴とする円筒研削方法。
  14. 前記重研削に先立ち、前記主軸センタおよび心押センタをライブセンタとして、前記砥石車により前記両センタを機内研削加工して、これら両センタのライブ振れを防止するようにした
    ことを特徴とする請求項11または13に記載の円筒研削方法。

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