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JP2009240788A - 顔用マスク - Google Patents

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ハイディー・ビーティー
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ダン・フォーモサ
Julie Francoeur
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サチコ・ウオズミ
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Abstract

【課題】さまざまな顔の寸法および形状に適応可能で、顔面に密着する顔用マスクを提供する。
【解決手段】本発明は、不水溶性基質を備える顔用マスクを特徴とし、不水溶性基質は、ユーザーの顔全体に対して載り、かつほぼ一致するような寸法および形状をとる。不水溶性基質は、横広がりのタブを形成する分離機構を含み、横広がりのタブは顔用マスクを重複させ、調節しやすさおよび適合性を改善する。顔用マスクを用いたスキンケア方法も提供する。
【選択図】図1

Description

開示の内容
〔技術分野〕
本発明は、顔用マスク、およびスキンケア用顔用マスクの使用方法に関する。
〔背景技術〕
ビタミンおよび肌に有効な他の物質を配合した洗顔料および保湿剤などの製品が、スキンケア用に長年使用されている。拭き取り繊維またはマスクなどの不水溶性基質(substrate)を用いて、洗顔、保湿、および肌に有効な特定物質の送達の工程を補助することも公知である。例えば、消費者が水分補給用の顔用マスク製品を使用する目的は、典型的には、さまざまな状態の肌を手入れすると共に、顔の皮膚の物理的外観および質感を改善することである。ユーザーが例えばうつ伏せ状態でリラックスしている間に、マスクが顔の皮膚と接触して効果をもたらすことにより、この目的を達成することができる。
人の顔の寸法は、個人的なばらつきが極めて大きい。慣用的な顔用マスク製品は、広範囲にわたって様々な形状および寸法の顔に適合する性能において著しく不適当であり、顔面に対して平らな状態で載せられる製品も今なお存在する。特に、顔面の寸法差に対応する慣用的なアプローチ、すなわち慣用的なスリットを設けることは、根強いニーズをほとんど満たしていない。
例えば、小さい顔全体に広がる慣用的な顔用マスクは、髪の生え際に接触する。これは特に、就寝直前にマスクを使用し、スキンケア組成物で髪を濡らしたくないという典型的なユーザーにとって問題である。髪の生え際を濡らさないように顔用マスクを用いるのであれば、「寄せ集め(bunched up)」なければならず、マスクと皮膚との間に気泡が残ってしまう。この状態では、スキンケア組成物での顔の手入れが均一にならない場合がある。このような不均一な手入れは、特に肌色を明るくための顔用マスクにとって、または色調を整えるためよう構成された顔用マスクにとって問題である。顔が大きいユーザーの場合も、慣用的な顔用マスクでは顔全体を覆うことができず、肌の手入れが行き届かない部分が生じるため、この状態は問題である。さらに、慣用的な顔用マスクは、顔面にぶら下がる傾向があり、しっかりと捉えられて固定されず、使用中に脱落しやすい。
出願人は、さまざまな顔の寸法および形状に適応可能で、顔面に密着する顔用マスクを開発した。顔用マスクは、1つまたは複数の分離機構、例えばスリットを有する不水溶性基質を備え、この分離機構は不水溶性基質の一部が互いに重複および密着するように構成される。1つの実施形態において、不水溶性基質は、少なくとも0.5cmのヒンジ領域を有する横広がりのタブを形成する、少なくとも1つの分離機構を備える。別の実施形態において、分離機構は、配置角度を0°より大きく画定する。分離機構は、さまざまな顔に対する適応性を増加させる機能を持つ実質的なヒンジを顔用マスク中に形成することができ、快適性を高め、皮膚全体への密着性を高め、満足な持ち上げ/引き締め感をもたらす。さらに、ある実施形態において、これらの利点の1つまたは複数が、単一部品のマスクの利便性と共に達成することができる。
顔用マスクに小さいスリットを設けることは、当業者に公知である。例えば米国特許出願公開第20060104931A1号、同第20050013784A1号、同第20040018166A1号、および欧州特許第1357819B1号が、かかる顔用マスクを開示する。スリットを備える顔用マスクも、いくつか市販されている。ニュートロジーナ・ディープ・ハイドレイティング・マスク(NEUTROGENA Deep Hydrating Mask)は、目および口の領域間にスリットを備える。同製品は、顎側に角度約5°未満の3.5cmスリットを備える。顔用マスクのパール・シルク・ダブルカット、オイルコントロール&ホワイトクリアマスク(PEARL SILK W-Cut, Oil Control & White Clear Mask)は、顎の部分に2.5cmスリットおよび1cmの捩れ(kink)を備える2部品マスクである。捩れは、マスク中心線から離れて裏側へ折れ曲がる。
しかしながら、これらの顔用マスクはいずれも、スリットもしくはマスクの他の部分と重複可能なタブまたはヒンジを形成するように構成された他の機構を備えていない。つまりこれらの実用性は、異なる形状の顔には限定的である。
〔発明の概要〕
本発明の一態様において、ヒトユーザーの顔全体に載り、かつヒトユーザーの顔全体にほぼ一致するような寸法および形状をとる単一の不水溶性基質を備える顔用マスクが提供される。前記不水溶性基質は外周によって画定され、額領域、中間領域、および顎領域を備え、前記不水溶性基質は、少なくとも0.5cmのヒンジ領域を有する横広がりのタブを形成する少なくとも1つの分離機構をさらに備える。
本発明は、ヒトユーザーの顔に載り、かつヒトユーザーの顔にほぼ一致するような寸法および形状をとる不水溶性基質を備える顔用マスクも提供する。前記不水溶性基質は、外周によって画定され、額領域、中間領域、および顎領域を備え、前記水溶性基質は、前記外周から前記額領域または前記顎領域のいずれかに延在する少なくとも1つの分離機構を備え、前記分離機構が、配置角度を0°より大きく画定する。
本発明は、ヒトユーザーの顔の皮膚を手入れする方法をさらに提供する。この方法は、不水溶性基質が前記顔の皮膚をほぼ全て覆うように、前記不水溶性基質を前記ユーザーの顔の皮膚に配置することを含み、不水溶性基質の第1の部分が不水溶性基質の第2の部分と重複することにより、前記第1の部分および前記第2の部分が互いに密着する。
〔発明の詳細な説明〕
当業者であれば、本明細書の記載に基づいて本発明を最大限利用することができるものと思われる。後述する本発明の具体的な実施形態は、単なる例示と解すべきものであり、他の開示内容を何ら限定するものではない。
別に定義しない限り、本明細書で使用する技術および科学用語は全て、本発明の属する技術分野における当業者が一般的に認識する意味と同じ意味を有する。百分率を用いる場合は、他に指示がない限り常に重量パーセント(%w/w)を意味する。
〔不水溶性基質〕
顔用マスクは、不水溶性基質を備える。本明細書で用いる「不水溶性」とは、25℃の蒸留水に浸漬させた場合に、基質が直ちに溶解または分離しないことを意味する。不水溶性基質の一部を浸出性または 蒸留水に直ちに溶解可能とすることができるが、不水溶性基質の少なくとも一部は元の状態に留まる。例えば、元の状態に留まる部分は、相互に接着する粘着性ユニットとしてつまみ上げて移動させる等、ユーザーによって容易に操作可能である。
さまざまな材料を、不水溶性基質として用いることができる。適切な基質の例は、限定的ではないが、繊維質および/または多孔質基質、例えば不織繊維、織繊維、水流絡合繊維、または空気絡合繊維を含むもしくはこれらから形成された基質などを含む。不水溶性基質は、天然スポンジ、合成スポンジ、およびポリマーが網状となったメッシュなどを含むことができる。
不水溶性基質は、好ましくは浸透液(liquid impregnate)を(例えば不水溶性基質を備える繊維の中に、この繊維に沿って、および/またはこの繊維の間に浸透液を吸収することによって)、少なくとも製品製造時から消費者による製品使用時まで(すなわち在庫保管期間)の期間だけ、保持するように形成される。本発明の本実施形態において、この在庫保管期間の間、不水溶性基質は機械的完全性を概ね維持することにより、ユーザーが不水溶性基質を顔面に載せて浸透液を移せるようにしなければならない。さらに不水溶性基質は、概して、使用時に顔の皮膚に対して浸透液の一部を保持することができる。
図1は、本明細書で説明する本発明の実施形態と整合する、顔用マスクの一実施形態を示す。顔用マスク1は、概して、ユーザーの顔に載る寸法および形状をとる。好ましくは、顔用マスク1がユーザーの顔面に対してほぼ平らに載り、すなわち顔用マスク1は、顔全体を覆い、顔面の湾曲にほぼ沿うことができる。顔用マスクは、概して、ユーザーの顔にほぼ一致するように載ることがさらにでき、すなわち、人の顔と一致する形状を確保するために予め形成したミシン目を広げる、またはせいぜい少し破くといった、概して単純な操作のみを必要とする。好ましい実施形態において、顔用マスクは、ユーザーの顔全体に対してほぼ平らに載るような寸法および形状をとる。本明細書で用いる「顔全体」とは、鼻、頬、目の周り、額、口の上下を含む顔全体の大部分、例えば少なくとも約90%を意味する。
顔用マスク1は、垂直方向の中心線、好ましくは垂直対称軸2をさらに備えることができ、垂直対称軸2は、顔用マスク1の左側4と右側6とを分ける。さらに顔用マスク1は、机上などに平らに載せた場合に顔用マスクの外側境界を画定する外周3を備える。
顔用マスク1は、外周3内部に少なくとも1つの開口部を含むことができる。開口部は予め切り取っておくことができ、この場合、開口部は不水溶性基質を含まない領域として視認可能である。代わりに開口部を、ミシン目または弱めた線によって画定することもできる。この実施形態において、ユーザーは殆ど力を使うことなく所定の方法で、ミシン目または弱められた線に沿って、容易に不水溶性基質を分けることができる。例えばユーザーは、使用前に所定の方法で、このような線または他の形状に沿って、不水溶性基質を「穿孔する」または「破く」ことができる。
図1が示すように、顔用マスク1は、ユーザーの目用に予め切れ目を入れた開口部7を含む。さらに望ましくは、顔用マスク1は、ユーザーの口用に予め切れ目を入れた開口部11を含む。
顔用マスクは、少なくとも1つの内側スリットをさらに含むことができる。本明細書で用いる「内側スリット」は、不水溶性材料の内部でも外周に接触しない箇所に予め切れ目を入れた線である。内側スリットは、不水溶性基質を平らに載せたときに薄く切って形成され、顔用マスクを平らに載せると、単なる線または境界部分に見える場合が多い。例えば、顔用マスク1は1つまたは複数の内側スリット13を含むことにより、使用時にユーザーの鼻孔領域または口を露出させる(例えば覆わない)ことができる。
内側スリット13は、直線状または湾曲状とすることができる。1つの実施形態においては適合性を高めるために、鼻用の1つまたは複数の内側スリット13が複数のアーチ状部分を含み、鼻が小さいユーザーの場合、鼻から垂らすか又はぶら下げるよりもユーザーの鼻堤下側に密着しやすくする。
顔用マスク1は、顔用マスク1の目用開口部7より上の部分全域を含む額領域8;口用開口部11より下の部分全域を含む顎領域12;および顔用マスク1の他の部分全域を含む中間領域10を含む。
外周3は、概ねなだらかに湾曲する主にアーチ形状であり、典型的な人の顔面形状の輪郭を描き、またはこれに沿うことに留意されたい。本発明によれば、外周3は、さまざまな機構を包含することにより、さまざまな形状および寸法の顔を有するユーザーへの適合性および快適性を高めることもできる。
具体的には、1つの実施形態において、顔用マスクは、少なくとも1つの分離機構を備える。本明細書で用いる「分離機構」は、ユーザーが容易に切り離せる、外周に接触する不水溶性基質のミシン目または弱められた線、すなわち予め切れ目を入れた線によって画定される機構である。分離機構は、例えばスリット、切り込み、またはくさび、もしくは他に外周に沿って規則的または不規則な形状をとる窪みまたは突起とすることができる。
例えば顔用マスクは、分離機構として外周に接触する1つまたは複数のスリットを含むことができる。図1が示すように、顔用マスク1は一対のスリット15を含み、一対のスリット15は対称軸2に関して対称、すなわち「反転され」ている。スリット15によって、額領域8に横広がりのタブ19が形成される。
図2は、図1の顔用マスク1の異なる平面図であり、別の機構を示す。スリット15は、スリットおよび外周3が交差する起点Aと、スリット15が終結する頂点Vとによって画定される。スリット15は、概して、外周3に接し、かつ対称軸2へと向かう要素を有する。スリット15が接する角度は、スリット15の配置角度23の大きさによって定めることができる。配置角度23は、顔用マスク1の幾何学的重心31を位置させることによって定められる。幾何学的重心31は、マスクを机上に平らに載せたときの「領域の中心」点である。幾何学的重心は顔用マスクの構成によって異なるが、鼻スリットの近くである場合が多い。幾何学的重心rx,yは、マスクの空間座標系x,yを有する面積で積分することによって算出できる:
Figure 2009240788
図2において、射線25は、幾何学的重心31およびスリット15の起点Aを結ぶ。第2の射線29は、起点Aおよび頂点Vを結ぶ。スリットが湾曲している場合、射線29は 、スリット15と接するように構成される。スリット15の任意の点における配置角度23は、射線25および射線29がなす角度として定められる。射線25から射線29への起点Aを中心とする回転の実施において、1つが対称軸2へと回転する場合、配置角度23の向き(符号)は正である。
再び図2を参照すると、配置角度23は正である。逆に、スリット15が代わりにA点およびB点を結ぶ場合、配置角度は負となる。概して、分離機構が額領域8の左側4または顎領域12の右側6で始まる場合、射線25から射線29への反時計回りの回転が、正の配置角度23を示す。逆にこれらの回転が時計回りの場合、配置角度は負となる。同様に概して、分離機構が額領域8の右側4または顎領域12の左側6で始まる場合、射線25から射線29への時計回りの回転が正の配置角度23を示す。逆にこれらの回転が反時計回りの場合、配置角度は負となる。
好ましい実施形態において、分離機構の配置角度23は、少なくとも約+5°である。さらに好ましい実施形態において、配置角度23は少なくとも約+15°、より好ましくは少なくとも約+20°から、さらに好ましくは少なくとも約+30°、さらに好ましくは少なくとも約+40°、さらに好ましくは少なくとも約50°から+90°である。有利なことに、分離機構がこのような配置角度を持つことにより、分離機構が形成する横広がりのタブが頂点Vを中心に回転し、顔用マスクの他の部分と重複することができる。図2が示す配置角度23は、約70°である。
図3は、図1〜図2の顔用マスク1をユーザーが装着した状態を示す。使用中、各横広がりのタブ19が各頂部を中心に回転し、ユーザーは横広がりのタブ19を顔用マスクの他の部分に額領域8で重複させることができ、そしておそらく、横広がりのタブ19が十分に長い場合は、中間領域10の部分にまで重複させることができる。これにより概して、顔用マスクの寸法がよりよく、より幅広く可変的に調節可能になると共に、顔面への密着性および肌に対する顔用マスクの引き締め感が向上する。
「基質と基質との重複」をさらに増加させるために、分離機構、特にスリットの長さが少なくとも約20cmであることが望ましい。好ましくは、少なくとも約2cm、例えば約2cmから約15cm、好ましくは約2cmから約10cm、より好ましくは約3cmから約10cm、最も好ましくは約3cmから約8cmである。スリット15の長さは、頂点Vから起点Aへの距離であり、図2では距離AVとして示される。分離機構が湾曲している場合、湾曲した分離機構の全長が計測される。
特に好ましい実施形態においては、分離機構の性能を最大化するために、配置角度は少なくとも約+15°、長さは約2cmから約15cmである。別の特に好ましい実施形態においては、配置角度は少なくとも約+15°、長さは約2cmから約15cm;より好ましくは配置角度が少なくとも約+20°、長さが約2cmから約10cm;さらに好ましくは配置角度が少なくとも約+30°、長さが約3cmから約10cm;さらに好ましくは配置角度が少なくとも約+40°、長さが約3cmから約10cmである。
上述の説明では、スリットの起点を用いて配置角度を算出しているが、分離機構に沿った任意の点から配置角度を算出することも可能であることに留意されたい。
再び図1および図2を参照すると、顔用マスク1は、追加の分離機構をさらに含むこともできる。例えば顔用マスク1は、顎領域12で終結するスリット37、および中間領域10で終結するスリット41を含む。顔用マスク1は、目用開口部7で終結する内側スリット43、および口用開口部11で終結する内側スリット42も含む。スリット37および41は、上述の長さおよび/または配置角度とすることができ、またはこれら個々の配置角度をはるかに小さくすることもできる。図1〜図2において、スリット37の配置角度は、原則としてゼロである。
図1〜図3では分離機構をスリットとして示すが、異なる幾何学的構造を有する分離機構によっても同じ機能的効果を達成することができる。例えばスリットではなく、分離機構を切り込みとすることができる。本明細書で用いる「切り込み」は、概して平行な側面および有限の幅を有する分離機構を意味し、例えば不水溶性基質から矩形に材料を取り除くことによって形成される。好ましくは、切り込みのアスペクト比は、約100:1から約1:1である。
同様の機能性は、テーパ状もしくは不規則または湾曲形状の境界線を有する分離機構によって実現することができるが、それ以外ではこれらに付随する「方向」または配置角度の決定が困難である。出願人は、かかる分離機構の例として、本発明の他の実施形態を示す図4において「くさび」を示す。顔用マスク45は多くの機構を含むが、これらは多かれ少なかれ、図1〜図3に示す機構と同一である。顔用マスク45は、一対のくさび47,48を含む。くさび47,48の各々は、窪み領域21を画定し、窪み領域21は約0.5cmから20cm、好ましくは約1cmから約10cm 、例えば約2cmから約5cmである。
くさび47は、顎領域12に位置する。くさび47,48は、一対の横広がりのタブ49,50を構成する。射線51,52は、幾何学的重心31および各くさび47,48の頂点Vによって構成される。射線51,52は、外周3上にある第2の点55とも交差する。好ましくは、射線51,52は、頂点Vおよび第2の点55以外の外周上のいずれの点も通らない。
横広がりのタブ49の境界は、(頂点Vと第2の点55との間の射線51によって画定される)セグメント57および外周3の部分59によって画定される。部分59の湾曲またはカップ状の形状を有する性質から、横広がりのタブ49は高い自由度で動くことができ、 頂点Vおよび第2の点55を中心に回転しつつ、顔用マスク45の残りの部分を皮膚に対して平坦に保つ。セグメント57の長さは、少なくとも約1cm、例えば少なくとも約1.5cmとすることができる。
具体的には、横広がりのタブ49は、図4において平行斜線で示すヒンジ領域61を有する垂直ヒンジを形成する。ヒンジ領域61は横広がりのタブ49の一部を含み、この部分は、対称軸2と平行で外周3と交差する線によって境界が画定する。
本発明の一実施形態において、横広がりのタブのヒンジ領域は、少なくとも約0.5cm、好ましくは少なくとも約0.75cm、より好ましくは少なくとも約1.5cm、さらに好ましくは少なくとも約2.0cm2である。このようなサイズのヒンジ領域により、ユーザーは顔用マスクの寸法を容易に拡大または縮小することができる。
ヒンジ領域は、図4の横広がりのタブ49で決定されるが、ヒンジ領域をスリットまたは切り込み、例えば図1のスリット15によって同様の方法で決定可能であることに留意されたい。この場合の射線は、幾何学的重心からスリット上の点を通して延びる。外周および対称軸と平行で外周と交差する線によって画定される顔用マスクの一部は、ヒンジ領域を含む。
特に好ましい実施形態において、顔用マスクは額領域にスリットを備え、その長さは約2.5cm、配置角度は約70°である。横広がりのタブは、幅約1.4cm、ヒンジ領域は幅約2.4cmである。顔用マスクは、顎領域にも横広がりのタブを備えることができ、その長さは2.5cm、幅は2cm(ヒンジ領域は3.6cm)である。
図5は、顔用マスク45を装着したユーザーの図であり、横広がりのタブ50の機能を示す。使用時、横広がりのタブ49,50の各々はそれぞれ頂点53および第2の点55を中心に回転可能なため、ユーザーは横広がりのタブ49,50をマスクの顎領域12の他の部分の上に配置することができ、おそらくは、横広がりのタブ49,50が十分に長い場合は、中間領域10にも配置することができる。
図6は、本発明の他の実施形態を示す平面図である。顔用マスク61は、額領域8に一対のスリット63A,63Bを含む。スリット63A,63Bにより、一対の横広がりのタブ64A,64Bが形成される。顔用マスク61は、顎領域12に位置する一対のスリット65A,65Bも含む。スリット65A,65Bにより、一対の横広がりのタブ66A,66Bが形成される。
1つの実施形態において、スリット63Aおよび65Aは、横広がりのタブ64Aおよび66Aが重複するような長さを有する。同様にスリット63Bおよび65Bは、横広がりのタブ64Bおよび66Bが重複するような長さを有する。スリット63A,63B,65A,または65Bのいずれも、配置角度は図1〜図3のスリット15で上述した配置角度と同様である。スリット63A,63B, 65A,または65Bのいずれも、切り込みまたはくさび、例えば図4〜図5のくさび47,48と置換することができる。
図7は本発明のさらに他の実施形態を示し、顔用マスク71が目用開口部73を含む。各開口部73に隣接するスリット75は、外周3まで延在する。各スリット75は、外周上の点76から開口部73の点78まで延在する。横広がりのタブ79は、(1)幾何学的重心31、開口部73上の点81、および外周3上の点83を結ぶ射線80;(2)開口部73の境界線;(3)スリット75;および(4)外周によって境界が画定される。横広がりのタブ79は垂直ヒンジ領域77を有し、左側の平行斜線領域として例示される。慣用的な顔用マスクの中間部分に用いる慣用的なスリットと異なり、開口部73およびスリット75を結んで画定される横広がりのタブ79が、大きなヒンジ領域を顔用マスク71に形成する。
図8に示すように、使用時の顔用マスク71は調節可能であり、顔用マスク71の上側部分8と部分10をさらに重複させ、重複ゾーン85(図8の断面部分)を形成する。
さらに、使いやすさおよび快適性を提供するためには、ユーザーの頭または首の後ろに巻くように構成されたストラップ(例えば弾性またはゴム製のストラップ)等を顔用マスクに設けないことが好ましい。
本発明の一実施形態において、不水溶性基質は不織材料を含む。本明細書で用いる「不織」は、基質または基質層をなす繊維が、織って布を形成するのではなく、シート、マット、またはパッド層を形成することを意味する。繊維はランダム(すなわちランダムに配列)、またはカーディング(すなわち主に1つの方向に配列して揃える)のいずれかとすることができる。さらに不織基質は、ランダムな繊維またはカーディングした繊維の層を組み合わせて構成することができる。
基質の耐久性を高めるために、不織材料が「紙」または「紙状」とならないように形成する。そこで本発明の本実施形態において、不織構造は繊維質量の約50%超を、直径に対する長さの比が300より大きい繊維で構成する。繊維は短繊維または連続する長繊維としてもよいが、繊維は短繊維であることが好ましい。
不織基質は、さまざまな天然および/または合成材料を含むことができる。「天然」とは、材料が、植物、動物、昆虫、もしくは植物、動物、および昆虫の副産物由来であることを意味する。「合成」とは、材料が主に様々な人工材料、または大きく改造した天然材料から得たものであることを意味する。本発明に使用可能な天然材料の非限定的な例は、絹繊維、ケラチン繊維(羊毛繊維、ラクダ毛繊維等)、およびセルロース繊維(木材パルプ繊維、綿繊維、麻繊維、黄麻繊維、および亜麻繊維等)などである。
合成材料の例は、限定的ではないが、アセテート繊維、アクリル繊維、セルロースエステル繊維、綿繊維、変性アクリル繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、レーヨン繊維、ポリウレタンフォーム、およびこれらの混合物からなる群から選択された材料を含む。
本発明で利用可能な1つまたは複数の天然および合成材料から製造された基質は、フロイデンベルグ社(Freudenberg & Co.、米ノースカロライナ州ダラム)、BBAノンウォブンス(BBA Nonwovens、米テネシー州ナッシュビル)、PGIノンウォブンス(PGI Nonwovens、米サウスカロライナ州ノースチャールストン)、バックアイ・テクノロジーズ/ウォーキソフト(Buckeye Technologies/Walkisoft、米テネシー州メンフィス)、三昭紙業株式会社(日本高知県土佐市)、およびフォート・ジェームズ・コーポレイション(Fort James Corporation、米イリノイ州ディアフィールド)等の業者から入手可能である。
不織基質の製造方法も、当業者に公知である。かかる方法は、限定的ではないが、エアレイ、ウォーターレイ、メルトブロー、スパンボンド、またはカーディング工程を含む。最終的に得られた基質は、製造方法または組成に関らず、概して、複数種の結合操作のうち少なくとも1つを受け、個々の繊維同士が固着して自立した布を形成する。不織基質は、さまざまな工程、例えば水流絡合、熱結合、化学結合、およびこれらの工程の組み合わせで調製可能である。さらに基質は、単一層または複数層を有することができる。さらに複数層の基質は、膜層(例えば有孔または無孔膜層)およびその他の非繊維質材料を含むことができる。
不織材料の強度または硬度は、望ましい特性とすることができる。これは、例えば湿潤強度樹脂等のバインダー材料、またはポリマーバインダーコーティングから製造された材料、例えば綿、羊毛、リネン等の短繊維を付加することで達成できる。湿潤強度樹脂の例は、限定的ではないが、ビニルアセテートエチレン(VAE)およびエチレン塩化ビニル(EVCL)のエアフレックス(Airflex)乳剤(ペンシルバニア州リーハイのエア・プロダクツ(Air Products))、フレックスボンド(Flexbond)アクリルポリマー(ペンシルバニア州リーハイのエア・プロダクツ(Air Products))、ロープレックス(Rhoplex)ST−954アクリルバインダー(ペンシルバニア州フィラデルフィアのローム・アンド・ハース(Rohm and Haas))、およびエチレンビニルアセテート(EVA)乳剤(ニュージャージー州ブリッジウォーターのナショナル・スターチ・ケミカルズ(National Starch Chemicals)によるDUR−O−SET(登録商標))を含む。基質中のバインダー材料の量は、基質の重量比で約5%から約20%の範囲とすることができる。1つの実施形態において、不水溶性基質は水洗可能、すなわち基質は、2回のトイレ洗浄で(in two toilet flushes)汚水管を少なくとも10フィート通過する。材料は、生分解性とすることもできる。
強度を増加させた不織材料は、いわゆるスパンレースまたは水流絡合技術を用いることによって得ることもできる。この技術では、個々の繊維を捩り合わせることにより、バインダー材料を必要とすることなく許容範囲の強度または硬度を得る。後者の技術は、不織材料の柔軟性が高いという利点がある。
別の実施形態において、不水溶性基質はハイドロゲルを含むことができる。「ハイドロゲル」とは、不水溶性ポリマー鎖の連続的なネットワークで、水を分散媒体とするコロイド状ゲルとして見られる場合があり、例えばポリマー鎖および高分子間の空隙を充填する水の3次元ネットワークからなる多成分系を意味する。
特に好ましい一実施形態において、不水溶性基質は、不織布、ハイドロゲル、またはこれらの組み合わせから主に構成され; 例えば不水溶性基質は、このような材料の少なくとも約25重量%(あらゆる浸透液を除く)、より好ましくは少なくとも約50重量%とすることができる。
さらに不水溶性基質は、有孔または無孔の熱可塑性膜(例えばポリオレフィン)を含むことができる。1つの実施形態において、不水溶性基質は、伸縮性または弾性材料、もしくは50%または100%の張力下で配置された後で完全に復元可能な膜を含むことができ、例えば横広がりのタブに、または顔用マスク全体にわたって使用するために含むことができる。
不水溶性基質の基本重量は、約10g/m(gsm)から約200gsmの範囲、例えば約30gsmから100gsmの間とすることができる。不水溶性基質の平均厚さは、約5mm未満、例えば約0.1mmから約1mmとすることができる。
本発明の一実施形態において、不織材料は、超吸収性ポリマーを含むことができる。本発明の目的において、用語「超吸収性ポリマー」とは、水中において0.5psiの圧力下で自重の少なくとも約10倍を吸収または保持する能力を持つ材料を言う。本発明の超吸収性ポリマー粒子は、無機または有機架橋親水性ポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、架橋でんぷん、グアーガム、キサンタンゴム、および当業者に公知の他の吸収性製品とすることができる。
添加物を、基質の柔軟性を増加させるために加えることもできる。かかる添加物の例は、限定的ではないが、グリセロール、プロピレングリコール、およびポリエチレングリコール等のポリオール、フタレート誘導体、クエン酸エステル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンエステル等の界面活性剤、ならびにアセチルモノグリセリドを含む。
感覚的な特性を、不溶性不織基質に組み込むこともできる。かかる感覚的な特性の例は、限定的ではないが、基質の色、質感、模様、およびエンボス加工を含む。
平らに載せた不水溶性基質が覆う面積は、約100cmから約1000cm、例えば約200cmから約500cm、例えば約200cmから約360cmの間とすることができる。
〔浸透液〕
顔用マスクは、浸透液を含むことができ、これを用いて例えば不水溶性基質を湿らすまたは濡らすことができる。本発明の一実施形態において、十分な量の浸透液を含むことにより、ユーザーの顔の皮膚に載せると濡らすことができる。別の実施形態において、十分な量の浸透液を含むことにより、不水溶性基質の第1の部分が不水溶性基質の第2の部分から離れた位置にある中で、不水溶性基質の第1の部分が不水溶性基質の第2の部分に密着する。かかる密着は、不水溶性基質を顔に載せ、ユーザーの顔が真上を向いている場合に、少なくとも約5分間保つことができる。
顔用マスクを十分に纏わせるために、浸透液の含有量を、不水溶性基質単体重量の少なくとも約5重量%とすることができる。より好ましくは、浸透液の含有量を少なくとも約50%、さらに好ましくは少なくとも約100%、さらに好ましくは少なくとも約200%、例えば不水溶性基質重量の約200%から約300%とすることができる。この量の浸透液を含有することにより、不水溶性基質と接触している肌に、浸透液が容易に移ることができる。より確実に浸透液がユーザーの肌へと移るように、例えば水分補給用の顔用マスクでは、浸透液の含有量を約50重量%超、例えば約65%超、例えば不水溶性基質の約65重量%から約95重量%の間とすることができる。
浸透液は、水相、油性/疎水性相、ゲル相、またはこれらの相の混合体を含むことができる。望ましい一実施形態において、浸透液は水相を含み、より好ましくは水相が、(油性相または粒子相が分散、懸濁、または乳化する)外相である。
1つの実施形態において、ブルックフィールド(Brookfield)デジタル粘度計のDV−IIモデル3.2版(Model DV-II+ Version 3.2)を用いてマニュアル第M/92−161−H895号に記載の操作説明に従って計測すると、浸透液の粘度は約10,000センチポアズ(cps)未満、例えば粘度約5000cps未満、例えば約1000cps未満である。このような低粘度の浸透液は、ユーザーに美容面の満足感を与えやすい。
浸透液は水などの溶媒を含むことができ、かかる溶媒は保潤剤、例えばグリセリンまたはプロピレングリコール等のグリコール、もしくはイソプロピルアルコールまたはエタノール等のアルコールを含む。好ましい一実施形態において、浸透液は水を含み、例えば浸透液中の濃度が少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約60%、さらに好ましくは少なくとも約80%である。
浸透液は、顔用マスクの調製において当業者に公知の任意のさまざまな成分を含むことができる。例えば:疎水性皮膚軟化剤、例えばグリセリン、脂肪アルコール、疎水性ポリマー皮膚軟化剤のエステルを含む脂肪エステル;感覚的な薬剤、例えばメンソールおよび乳酸メチル、EDTA等のキレート剤、パラベン等の保存料、ならびに他の慣用的な化粧品補助剤、例えば染料、乳白剤(例えばニ酸化チタンおよび酸化亜鉛)、顔料、香料、およびアミノプラストマイクロカプセル等のマイクロカプセルが含まれる。適切なマイクロカプセルの具体例として、ポリオキシメチレンメラミン尿素(PMU)マイクロカプセルがあり、豪デュラル(Dural)のリード・パシフィック(Reed-Pacific)からポテンザ・ジメチコン(Pontenza Dimethicone)が市販されている。別の例はPMUマイクロカプセル(32ミクロン・エンカプセレイテッド・ミネラルオイル・アンド・ホホバオイル(32 Micron Encapsulated Mineral Oil and Jojoba Oil))であり、ミネソタ州セントポールのスリーエム社(3M Company)から市販されている。
〔有効な薬剤〕
本発明の一実施形態において、不水溶性基質は、1つまたは複数の有効な薬剤を含む。「有効な薬剤」とは、皮膚に対して美容上または治療上の効果を有する化合物(例えば合成化合物または天然源から分離した化合物)を意味し、限定的ではないが、ライトニング剤、日焼け剤等のダークニング剤、抗にきび剤、輝度調整剤、抗菌剤、抗炎症剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤、外用鎮痛剤、日焼け止め(sunscreens, photoprotectors)、抗酸化剤、角質溶解剤、保湿剤、栄養剤、ビタミン、勢力増強剤、制汗剤、収斂剤、防臭剤、育毛防止剤、抜け毛防止剤、育毛促進剤、脱毛剤、肌引き締め剤、皮膚軟化剤、しわ防止剤等の抗年齢剤、皮膚調整剤、抗アレルギー剤、防腐剤、外用鎮痛剤、抗掻痒剤、抗ヒスタミン剤、抗感染剤、抗コリン作用剤、血管収縮剤、血管拡張剤、創傷治癒促進剤、ペプチド、ポリペプチド、たんぱく質、防臭剤、制汗剤、発汗抑制剤(anti-perspirants)、膜形成ポリマー、反対刺激剤、酵素、酵素抑制剤、ウルシかぶれ治療剤(poison ivy treatment agents, poison oak treatment agent)、火傷治療剤;おむつかぶれ治療剤;あせも治療剤;薬草エキス;フラボノイド;感覚刺激剤(sensates);抗酸化剤、角質溶解剤;日焼け止め(sunscreens);抗浮腫剤;およびこれらの組み合わせを含む。
本発明の一実施形態において、有効な薬剤は、限定的ではないが、ヒドロキシ酸、過酸化ベンゾイル、硫黄レゾルシノール、アスコルビン酸およびその誘導体、D−パンテノール、ハイドロキノン、メトキシ桂皮酸オクチル、ニ酸化チタン、サリチル酸オクチル、ホモサレート(homosalate)、アボベンゾン、ポリフェノール、カロテノイド、フリーラジカル捕捉剤、スピン捕捉、レチノールおよびレチニルパルミテート等のレチノイド、セラミド、ポリ不飽和脂肪酸、必須脂肪酸、酵素、酵素抑制剤、ミネラル、エストロゲン等のホルモン、ヒドロコルチゾン等のステロイド、2−ジメチルアミノエタノール、塩化銅等の銅塩、銅含有ペプチド、コエンザイムQ10、リポ酸、プロリンおよびチロシン等のアミノ酸、カプリロイルグリシン(capryloyl glycine)およびサルコシン等のリポアミノ酸、ビタミン、ラクトビオン酸、アセチル−コエンザイムA、ナイアシン、リボフラビン、チアミン、リボース、NADHおよびFADH2等の電子伝達体、および他の植物エキス、および塩、エステル、ならびにこれらの誘導体から選択される。有効な薬剤の含有量は、典型的には浸透液の約0.001重量%から約20重量%、例えば約0.01%から約10%、例えば約0.1%から約5%である。
ビタミンの例は、限定的ではないが、ビタミンA、ビタミンB3、ビタミンB5、およびビタミンB12等のビタミンB、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンE、ならびに塩、エステル、およびこれらの誘導体を含む。(例えばレチニルパルミテート、アスコルビルアセテート、およびトコフェロールアセテートがある。)
ヒドロキシ酸の例は、限定的ではないが、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、サリチル酸、クエン酸、および酒石酸を含む。
抗酸化剤の例は、限定的ではないが、スルフヒドリル化合物等の水溶性抗酸化剤およびこれらの誘導体(例えばメタ重亜硫酸塩およびN−アセチル−システイン)、リポ酸およびジヒドロリポ酸、レスベラトロル、ラクトフェリン、ならびにアスコルビン酸およびアスコルビン酸誘導体(例えばアスコルビン酸グルコシド、マグネシウムアスコルビルリン酸、パルミチン酸アスコルビル、およびアスコルビルポリペプチド)を含む。本発明の組成物に使用する上で適した油溶性抗酸化剤は、限定的ではないが、ブチル化ヒドロキシトルエン、レチノイド(例えばレチノールおよびレチニルパルミテート)、トコフェロール(例えばトコフェロールアセテート)、トコトリエノール、およびユビキノンを含む。本発明の組成物に使用する上で適した抗酸化剤含有天然エキスは、限定的ではないが、フラボノイド、イソフラボノイド、およびこれらの誘導体(例えばゲニステインおよびダイゼイン)含有エキス、レスベラトロル等含有エキスを含む。かかる天然エキスの例は、グレープシード、緑茶、松樹皮、およびプロポリスを含む。
植物エキスの例は、限定的ではないが、大豆等のマメ科植物、アロエベラ、ナツシロギク、ヘディキウム(Hedychium)、ダイオウ、スベリヒユ、スギ、シナモン、マンサク、タンポポ、カラトウキ(Chinese Angelica)、ウコン、ジンジャー、ワレモコウ、ドクダミ、ヨクイニン、およびタイムを含む。「植物エキス」とは、植物から分離した2つ以上の化合物の混合物を意味する。
本発明の一実施形態において、有効な薬剤は額領域に適用されるように構成され、限定的ではないが:ニ酸化チタン、アルコール、植物エキス、およびタルク等の皮脂調整剤; アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、および酵素等の毛穴引き締め剤;過酸化ベンゾイル、サリチル酸、トリクロロカルバン、トリクロサン、アゼライン酸、クリンダマイシン、アダパレン(adapalene)、エリスロマイシン、スルファセタミドナトリウム、レチノイン酸、および硫黄等の抗にきび剤;ニ酸化チタンおよびクレイ等の皮脂吸収剤;シリコーン、アルコール、タルク、およびクレイ等の輝度調整剤;ビタミンC、ハイドロキノン、植物エキス、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、およびレチノイド等の黒ずみ除去剤;および/またはレチノイド、アルファヒドロキシ酸、および酵素等の皺/小皺減少剤を含む。
本発明の他の実施形態において、有効な薬剤は口周辺に適用されるように構成され、限定的ではないが:グリセリン、シリコーン、グリコール、植物エキス、およびエステル等の水分補給/保湿剤;毛穴引き締め剤;抗にきび剤;ナイアシンアミドおよびトチノキエキス等の血管拡張剤;カフェインおよび植物エキス等の血管収縮剤;(例えば銅含有ペプチド、ジメチルアミノエタノール、およびポリマー等の)肌持ち上げ剤;肌引き締めポリマー;皺/小皺減少剤;ビタミンC、ハイドロキノン、植物エキス、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、レチノイド、アルブチン、およびコウジ酸等の色素除去/肌ライトニング剤;ならびに大豆エキス、n−アセチル−システイン、およびイソフラボン等の脱毛/抑毛剤を含む。
さまざまな組み合わせが検討されるが、非限定的な一例において、1つまたは複数の有効な薬剤が、アスコルビン酸およびその誘導体、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、アルカノールアミン、たんぱく質、酵素、酵素活性剤、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されて浸透液に含まれ、1つまたは複数の有効な薬剤が、レチノイド、トコフェロール、酵素、酵素活性剤、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、液体コア内に含まれる。
本発明の一実施形態において、製品は、国際公開第2004/052275号に記載されるように、リグニンペルオキシダーゼ等の酵素、および 過酸化物(例えば過酸化水素)等の適切な活性剤を含む。
〔製品の包装〕
本発明の一実施形態において、製品は、包装内に包装された形状で仕上げられる。1つの実施形態において、包装は、プラスチック、金属またはガラスチューブ、タブ、パウチ、もしくは瓶の容器であり、不水溶性基質を収容する。製品は、かかる容器を1つまたは複数収容するプラスチックまたは厚紙の箱の追加の包装(例えば2個から20個の製品の個別包装)をさらに収容することができる。かかる容器の製造に使用可能な材料の非限定的な例は、アルミニウム、ポリプロピレン、ポリエチレン、および/またはポリエステルを含む。本発明の一実施形態において、包装は、空気をほぼ通さない。
本発明の一実施形態において、製品は、ユーザーが顔用マスクを顔等の皮膚に適用するための取扱説明書を含む。1つの実施形態において、不水溶性基質が、不水溶性基質重量の少なくとも約5重量%の浸透液を含有する場合、製品を皮膚に直接適用するよう説明書で指示する。他の実施形態において、不水溶性基質が、不水溶性基質重量の少なくとも約5重量%の浸透液を含有する場合、または浸透液を全く含有しない製品の場合、皮膚に適用する前に顔用マスクに水を適用する(例えば、製品に水、化粧水、または洗顔料を加える)よう説明書で指示する。
1つの実施形態において、ユーザーが製品を適用することにより、肌の明るさおよび/また色が変化して見える効果があることを説明書で指示する。
説明書により、顔用マスクを皮膚(例えば顔)に一定の時間、例えば約10秒から約1時間(例えば約1分から約15分)接触させるように指示することができる。ユーザーは、不水溶性基質を取り除いた後、肌に残った液体をマッサージするよう指示されることもできる。かかるマッサージは、対象者の肌の色/明るさをより均一にする上で効果的である。
〔製品の製造および使用方法〕
本発明の顔用マスクは、当業者に公知のさまざまな慣用的方法で製造可能である。例えば不水溶性基質は、例えば随意に穿孔または所定の寸法に切断して「ブランク」を形成し、人の顔に適した寸法および形状とした不織材料のシートとして、既述の方法で形成することができる。開口部は、目、鼻、および/または口に対応するブランクから随意に切り取ることができる。「減算式」の方法を用いることで、1つまたは複数の分離機構 、例えばスリット、切り込み、およびくさびを、ブランクからスライス、切断、または穿孔することができる。1つの実施形態において、分離機構は、スリットを入れたり材料を取り除いたりして形成するのではなく、基質を弱め、または穿孔することで形成する。これらの実施形態に従い、顔用マスクを「統合的な」構造、つまり、平面図を俯瞰するとわかるように、顔用マスク全体をその領域にわたって本質的に均一とすることができる。
代替的な実施形態において、顔用マスクを、少なくとも部分的に、「付加する」工程によって、すなわちマスクの部分同士を縫い付け、結合させ、または接着して分離機構を形成することができる。不水溶性基質の形成後、基質を折りたたみ、プラスチックパウチハウジングまたは他の適切な容器に配置することができる。
概して好ましくは、本発明の顔用マスクは単一、すなわち単独の粘着性ユニットとしてユーザーの手で容易につまみ上げて移動させることができる1部品マスクであり、この単一の粘着性ユニットはユーザーの顔のほぼ全体を覆うように概して構成される。ただし、顔用マスクを、例えば図9が示すように、2つ以上の部品から形成することもできる。適切なスリット入り2部品マスクの構成は、額部分の大半または全域を含む上側部品と、顎部分の大半または全域を含む下側部品とを含む。2部品を含む実施形態では、幾何学的重心、配置角度等を定めるために、2つの部品を互いに対して相対的な位置に配置し、使用に適するようにする。本発明の実施形態で、顔用マスクがスリットを有し、スリットの配置角度が0°をほぼ超える場合、顔用マスクは、単一部品マスクまたは2部品マスク等の複数部品マスクのいずれかとすることができる。
選択的な浸透液は、水等の成分、1つまたは他の成分、および/またはより有効な薬剤を混合し、均一な液体を形成するよう調製することができる。最終的に得られた浸透液を、その後ハウジングに注入することができる。代わりに含浸を、噴霧または他の方法で基質の周りに分配することができる。
最終的に得られた顔用マスクは、個別にハウジング内に密封するか、他の不水溶性基質と共に単一のハウジングに配置することができる。複数の包装された基質は、箱等の外容器にまとめることができる。
ユーザーは、1つまたは複数の不水溶性基質を顔の皮膚上に配置または位置付けすることにより、ほぼ顔全体を覆うことができる。ユーザーは、第1の部分、例えば1つまたは複数の不水溶性基質の横広がりのタブを、1つまたは複数の不水溶性基質の第2の部分と重複させることにより、第1の部分を第2の部分と重複させることができる(例えば図3,5、および8を参照)。十分な重複によって、第1の部分および第2の部分を密着させることができる。よって、ユーザーは顔用マスクが外れることなく歩き回る、または他の行動をすることができる。
後述の実施例は、本発明の実施形態を詳細に例示するが、何ら本発明を限定するものではない。
〔実施例〕
下記は、本発明による水分補給用マスクの例であり、顔に適用する不水溶性基質を含む。
不水溶性基質は、不織繊維のシート(KP9560、レーヨン35%、パルプ45%、およびPET10%の混合、60g/m、日本高知県土佐市の三昭紙業株式会社が販売)で形成されたものであり、切断して人の顔に適した寸法および形状とした。外径は約20.3cm×23.2cmであった。目、鼻、および口に対応する開口部を、シートから切り取った。顔用マスクの構成は、図1が示す構成と同様とした。同じ材料を使い、図4,6,および7が示す構成と同様のものを他に製造した。
浸透液は、カリフォルニア州ロサンゼルスのニュートロジーナ社(Neutrogena Corporation)が販売するニュートロジーナ・ファインフェアネスマスク、ビタミンC配合(NEUTROGENA Fine Fairness Mask with Vitamin C)に使用される浸透液と同様に調製した。上記マスクの各々を、この含浸に含浸させた。不溶性基質を折りたたみ、プラスチックパウチハウジングに配置した。
顔用マスクを、1人または複数のユーザーが装着した。いずれの顔用マスクも、使いやすさ、調節しやすさ、および肌への密着性の点で高い評価を得た。
本発明を、発明の詳細な説明と共に説明したが、前述の説明は本発明の例示を目的としたものであり、本発明の範囲を限定するものではないことに留意されたい。本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲によって定められる。他の態様、利点、および改変も、特許請求の範囲に属する。
本発明の第1の実施形態による顔用マスクの平面図である。 図1の顔用マスクの平面図であり、顔用マスクの追加の機構を示す。 図1の顔用マスクを装着したユーザーの側面斜視図である。 本発明の第2の実施形態による顔用マスクの平面図である。 図4の顔用マスクを装着したユーザーの側面斜視図である。 本発明の第3の実施形態による顔用マスクの平面図である。 本発明の第4の実施形態による顔用マスクの平面図である。 図7の顔用マスクを装着したユーザーの側面斜視図である。 本発明の第5の実施形態による2部品顔用マスクの平面図である。

Claims (34)

  1. 顔用マスクにおいて、
    ヒトユーザーの顔全体に対して載り、かつほぼ一致するような寸法および形状をとる単一の不水溶性基質を備え、前記不水溶性基質が、外周によって画定され、額領域、中間領域、および顎領域を含み、前記不水溶性基質が、少なくとも0.5cmのヒンジ領域を有する横広がりのタブを形成する、少なくとも1つの分離機構をさらに備える、顔用マスク。
  2. 請求項1に記載の顔用マスクにおいて、
    前記分離機構が、スリット、切り込み、およびくさびからなる群から選択される、顔用マスク。
  3. 請求項1に記載の顔用マスクにおいて、
    前記分離機構が、前記額領域または前記顎領域へと延在する、顔用マスク。
  4. 請求項1に記載の顔用マスクにおいて、
    前記不水溶性基質が、対称軸を中心に反転した一対の分離機構を備え、各分離機構が、少なくとも0.5cmのヒンジ領域を有する横広がりのタブを形成する、顔用マスク。
  5. 請求項1に記載の顔用マスクにおいて、
    前記不水溶性基質が、前記ユーザーの目および口用の開口部をさらに含む、顔用マスク。
  6. 請求項1に記載の顔用マスクにおいて、
    前記不水溶性基質上に吸収された浸透液をさらに備え、前記浸透液の含有量が、前記不水溶性基質の少なくとも約5重量%である、顔用マスク。
  7. 請求項1に記載の顔用マスクにおいて、
    前記不水溶性基質上に吸収された浸透液をさらに備え、前記浸透液の含有量が、前記不水溶性基質の少なくとも約50重量%である、顔用マスク。
  8. 請求項1に記載の顔用マスクにおいて、
    前記不水溶性基質が、不織布、ハイドロゲル、または不織布およびハイドロゲルの組み合わせを備える、顔用マスク。
  9. 請求項1に記載の顔用マスクにおいて、
    前記ユーザーの頭の後ろまたは首の後ろに巻きつくように構成されたストラップが設けられていない、顔用マスク。
  10. 請求項1に記載の顔用マスクにおいて、
    前記横広がりのタブが、少なくとも約0.75cmのヒンジ領域を有する、顔用マスク。
  11. 請求項1に記載の顔用マスクにおいて、
    前記分離機構が、ユーザーの目用開口部から前記不水溶性基質の前記外周へと延在する、顔用マスク。
  12. 顔用マスクにおいて、
    ヒトユーザーの顔に対して載り、かつほぼ一致するような寸法および形状をとる不水溶性基質を備え、前記不水溶性基質が、外周によって画定され、額領域、中間領域、および顎領域を含み、前記水溶性基質が、前記外周から前記額領域または前記顎領域のいずれかに延在する少なくとも1つの分離機構を備え、前記分離機構が、0°より大きい配置角度を有する、顔用マスク。
  13. 請求項12に記載の顔用マスクにおいて、
    前記不水溶性基質が、単一であり、また、前記ユーザーの顔全体に対して載り、かつほぼ一致するような寸法および形状をとる、顔用マスク。
  14. 請求項12に記載の顔用マスクにおいて、
    前記不水溶性基質が、2つ以上の部品を備え、前記部品の各々が、前記ユーザーの顔の異なる部分を覆うように構成される、顔用マスク。
  15. 請求項12に記載の顔用マスクにおいて、
    前記配置角度が、約15°より大きい、顔用マスク。
  16. 請求項12に記載の顔用マスクにおいて、
    前記分離機構が、少なくとも0.5cmのヒンジ領域を有する横広がりのタブを形成する、顔用マスク。
  17. 請求項12に記載の顔用マスクにおいて、
    前記不水溶性基質が、対称軸を中心に反転した一対の分離機構を備え、各分離機構が、少なくとも0.5cmのヒンジ領域を有する横広がりのタブを形成する、顔用マスク。
  18. 請求項12に記載の顔用マスクにおいて、
    前記不水溶性基質が、前記ユーザーの前記目および口用の開口部をさらに含む、顔用マスク。
  19. 請求項12に記載の顔用マスクにおいて、
    前記不水溶性基質上に吸収された浸透液をさらに備え、前記浸透液の含有量が、前記不水溶性基質の少なくとも約5重量%である、顔用マスク。
  20. 請求項12に記載の顔用マスクにおいて、
    前記不水溶性基質上に吸収された浸透液をさらに備え、前記浸透液の含有量が、前記不水溶性基質の少なくとも約50重量%である、顔用マスク。
  21. 請求項12に記載の顔用マスクにおいて、
    前記不水溶性基質が、不織布、ハイドロゲル、または不織布およびハイドロゲルの組み合わせを備える、顔用マスク。
  22. 請求項12に記載の顔用マスクにおいて、
    前記ユーザーの頭の後ろまたは首の後ろに巻きつくように構成されたストラップが設けられていない、顔用マスク。
  23. ヒトユーザーの顔の皮膚を手入れする方法において、
    不水溶性基質が前記顔の皮膚のほぼ全体を覆うように、前記不水溶性基質を、前記ユーザーの前記顔の皮膚に配置することを含み、
    前記不水溶性基質の第1の部分が前記不水溶性基質の第2の部分と重複することにより、前記第1の部分および前記第2の部分が互いに密着する、方法。
  24. 請求項23に記載の方法において、
    前記不水溶性基質が、単一である、方法。
  25. 請求項23に記載の方法において、
    前記不水溶性基質が、2つ以上の部品を備える、方法。
  26. 請求項23に記載の方法において、
    前記顔用マスクが、分離機構を備え、前記分離機構が、0°より大きい配置角度を有する、方法。
  27. 請求項23に記載の方法において、
    前記顔用マスクが、約15°より大きい配置角度を有する分離機構を含む、方法。
  28. 請求項23に記載の方法において、
    前記水溶性基質の前記第1の部分が、横広がりのタブを備える、方法。
  29. 請求項28に記載の方法において、
    前記横広がりのタブが、少なくとも0.5cmのヒンジ領域を有する、方法。
  30. 請求項23に記載の方法において、
    前記不水溶性基質が、前記ユーザーの目および口用の開口部をさらに備える、顔用マスク。
  31. 請求項23に記載の方法において、
    前記不水溶性基質が、浸透液をさらに備え、前記浸透液の含有量が、前記不水溶性基質の少なくとも約50重量%である、方法。
  32. 請求項23に記載の方法において、
    前記不水溶性基質が、不織布、ハイドロゲル、または不織布およびハイドロゲルの組み合わせを備える、方法。
  33. 請求項23に記載の方法において、
    前記顔用マスクに、前記ユーザーの頭の後ろまたは首の後ろに巻きつくように構成されたストラップが設けられていない、方法。
  34. 顔用マスクにおいて、
    複数のアーチ状部分を備える鼻用の内側スリットを有する不水溶性基質を備える、顔用マスク。
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