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JP2009059102A - 携帯情報端末 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スライド式携帯情報端末において、重なり部をなくすことによって操作面や出力面の実質的な拡大を図る。
【解決手段】
操作ボタンなどを主に装着した第一筐体(10)と、主に出力画面などを露出させた第二筐体(20)とを備える。そして、それら第一筐体(10)および第二筐体(20)を重ね合わせた状態と、相互にスライドさせた状態と、相互に重なる部位が無くなるように回動させて第一筐体(10)および第二筐体(20)が面位置をなす状態とを実現することができるスライド支持部材(30)および筐体回動支持部材(40)を備える。スライド支持部材(30)は第一筐体(10)の両サイドに、筐体回動支持部材(40)は第一筐体(10)の中央部に位置させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、携帯電話端末、より具体的には、携帯時および使用時の変態が可能な携帯電話端末、携帯ゲーム機器、手のひらサイズのパーソナルコンピュータなどの携帯情報端末に関する。
携帯電話端末などに代表される携帯情報端末は、使用時よりも携帯時にはコンパクトになることを目的として、様々な形態が開発されている。代表的なものとして、二枚貝が閉じたり開いたりする形態に似た構造を採用したいわゆる「シェル型」の他、上筐体が下筐体に対してスライドする「スライド型」とがある。
スライド型携帯電話機の一例として、特許文献1に記載された技術を、図13に図示する。
すなわち、表示部3と受話部4を備えた上筐体1と、操作部5と送話部6を備えた下筐体2とをスライド可能に結合してなるスライド型携帯電話機である。
図13Aに示すように、上筐体1と下筐体2が閉じられた状態では、上筐体1の表示部3と受話部4が露出しており、下筐体2の操作部5と送話部6が上筐体1に覆われている。また、図13Bに示すように、上筐体1と下筐体2が開けられた状態では、上筐体1の表示部3と受話部4、下筐体2の操作部5と送話部6がともに露出した状態になる。
図13Bに示すように、スライド方向の寸法は、上筐体1がL1、下筐体2がL2となっており、上筐体1と下筐体2が開けられた状態における寸法はL3となり、L1およびL2の総和から重なった部位の寸法L4を差し引いた寸法である。
特開2006−93999号公報(図2)
前述したように、L4という寸法は小さいほど良い。携帯時の大きさを大きくすることなく、操作部5の面積を増やすことができるからである。
また、表示部3と操作部5とは、面一(フラット)であることが望ましい。特許文献1に記載の技術では、上筐体1における操作部5側の端部を面取り形状とするなどして、段差を小さくする工夫をしている。しかし、操作部5における上筐体1に近い位置のキーが操作しにくいなどの問題は、根本的な解決とはなっていない。
本願発明は、スライド式の携帯情報端末において、携帯情報端末の操作面や表示面の実質的な拡大を図ることが可能な携帯情報端末を提供することを目的とする。
本発明に係る携帯情報端末は、平板状の第一筐体と、その第一筐体に重ねられる平板状の第二筐体と、 前記第一筐体および前記第二筐体を重ね合わせた携帯時状態を維持するスライド機構と、 前記携帯時状態から前記第一筐体および前記第二筐体を相互にスライドさせるスライド状態を経て使用時状態に変化させる回動機構と、を備えたスライド式の携帯情報端末に係る。
前記スライド機構は、 第一筐体におけるスライド方向に形成したスライド溝、 そのスライド溝内をスライドするとともにそのスライド溝から飛び出さないように形成したスライド支持部材、 およびそのスライド支持部材における反スライド溝側を第二筐体に軸支する第一固定部材を備えた第一スライド機構と、 第二筐体における第一筐体側の面に形成されたスライド用太溝、およびそのスライド用太溝内をスライドする筐体回動部材を備えた第二スライド機構と、を備えて形成される。
前記回動機構は、 前記筐体回動部材と、 その筐体回動部材における反スライド用太溝側を第一筐体に軸支する第一回動制御部材と、 前記筐体回動部材における前記第一回動制御部材と反対側であって、第二筐体を回動可能であるように軸支する第二回動制御部材とを備えて形成される。
前記第一回動制御部材および第二回動制御部材は、使用時状態において第一筐体の第二筐体側の面と第二筐体の第一筐体側とは反対側の面とが面一をなす角度において回動が停止する回動角度制限機構を備える。以上のような携帯情報端末である。
携帯時には、下筐体(第一筐体)と上筐体(第二筐体)とが合理的に重なり、使用時には操作面や表示面の実質的な拡大を達成した携帯情報端末を提供できる。
前記回動角度制限機構は、携帯時状態およびスライド状態において、前記第一筐体の縦断面長手方向と前記筐体回動部材とが所定角度をなした状態にて回動が停止可能であり、且つ前記第二筐体の縦断面長手方向と前記筐体回動部材とが所定角度をなした状態にて回動が停止可能であるように形成することもできる。
前記第一スライド機構は、第一筐体において二組備えた携帯情報端末が、機能的なデザイン面では合理的である。第一スライド機構は第二スライド機構に比べてシンプルであり、複数設けるのが容易である。しかし、二つ以上は必要性に乏しく、一つではスライドの動きが安定しないおそれがある。したがって、二組が合理的である。
第一スライド機構におけるスライド溝は、第一筐体における第二筐体側の面に形成した携帯情報端末を提供することができる。この場合、スライド機構が携帯情報端末の外部に突出することがない外観形状を設計可能である。したがって、携帯時にコンパクトになる。
第一スライド機構におけるスライド溝は、第一筐体における側面に形成したことを特徴とする携帯情報端末を提供することもできる。この場合、第一筐体における第二筐体側の面を大きく使用できるので、操作キーなどを合理的に配置することが可能である。
第一筐体および第二筐体の平面形状をほぼ同一に形成した携帯情報端末を提供することもできる。この場合、携帯時において最もコンパクトな携帯情報端末を提供することができる。
前記筐体回動部材には、第一筐体および第二筐体に達する内部空間であるケーブル用空間を備え、 そのケーブル用空間は、第一筐体に内蔵される基板および第二筐体に内蔵される基板を接続するケーブル類を内蔵可能に形成したことを特徴とする携帯情報端末を提供することができる。
第一筐体に内蔵される基板および第二筐体に内蔵される基板を接続するケーブル類がシリアルケーブルなどであっても空間を確保することが比較的容易であり、合理的に内蔵することができる。
本発明に係る携帯情報端末は、使用時には上筐体(第二筐体)と下筐体(第一筐体)とに重なる部位が存在しないスライド式の機構を採用したので、操作面や表示面の実質的な拡大を達成でき、使用時に使いやすく携帯時にコンパクトになるという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る携帯情報端末の一例として、携帯電話端末を例に挙げて説明する。なお、本実施形態では、携帯電話端末を例に挙げているが、勿論、ここで説明する内容はあくまで一例であり、本発明は携帯電話端末に限定されない。例えば、携帯パソコン、携帯ゲーム機器、PDA(パーソナル・データ・アシスタント)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどにも適用できる。
〔携帯電話端末の概略構成〕
図1のAからGが、スライド式の携帯電話端末を携帯時から使用時に形態を変化させた様子を示す。
図1に示すように、本実施形態に係る携帯電話端末は、操作ボタンなどを主に装着した操作面15を有する第一筐体10と、液晶表示装置などによる出力面25などを主に備えた第二筐体20とを備える。本実施形態に係る携帯電話端末のユーザにとっては、第一筐体10が下、第二筐体20が上に位置することとなる。
操作面15が見えなくなり且つ出力面25が露出した状態で第一筐体10および第二筐体20を重ね合わせた携帯時状態と、第一筐体10および第二筐体20を相互にスライドさせたスライド時状態と、相互に重なる部位が無くなるように回動させて第一筐体10および第二筐体20が面位置をなす使用時状態と、を実現することができるスライド支持部材30および筐体回動支持部材40を備える。スライド支持部材30は第一筐体10の両サイドに、筐体回動支持部材40は第一筐体10の中央部に位置させる。
また、スライド状態において第一筐体10および第二筐体20が面接触をせずに滑らかなスライド状態を維持するため、第一筐体10における第二筐体20側の面には、第二筐体支持ローラ60を備えている。第一筐体10および第二筐体20におけるスライド方向の長さは、第一筐体10および第二筐体20にて同寸法としている。そのため、重ね合わせた際のスライド方向寸法は最もコンパクトになる。
第一筐体10における操作ボタンなどを主に装着した面を操作面15、第二筐体20における出力画面を露出させた面を出力面25とする。
携帯時状態(スライド前)においては、第一筐体10における操作面15は全面が隠れている(図1A)が、使用時状態(スライド後)においては、第一筐体10における操作面15は全面が露出する(図1G)。従来技術に比べて、操作面15を大きく確保できるのが特徴である。
〔携帯電話端末の平面構成〕
図2には、第一の実施形態に係る携帯電話端末を示している。
第一筐体10は、いわゆるフルキーボードの操作面15を備え、第二筐体20は、液晶の出力面15、スピーカ22、マイク23、十字キー24などの操作キーを備えている。第一筐体10および第二筐体20の平面方向のサイズは、ほぼ同サイズの長方形である。その長方形の短辺方向がスライド方向となる。
第一筐体10の操作面15には、短辺の両端に沿って、スライド用溝19を備えている。そのスライド用溝19には、長円形板状をなすスライド支持部材30がスライド可能であるように固定されている。そのスライド支持部材30におけるスライド用溝19と反対側には、第二筐体20が回動可能であるように固定されている。
第二筐体20における表示面25とは反対側の面には、長辺方向の中央においてスライド方向に沿ったスライド用太溝21を備えている。このスライド用太溝21には、その溝幅に合致した幅寸法をなす筐体回動部材40がスライド可能であるように固定されている。その筐体回動部材40におけるスライド用太溝21と反対側には、第一筐体10が回動可能であるように固定されている。
〔スライド作用〕
以上のような構成により、第二筐体20は、第一筐体10に対して、スライド支持部材30を介してスライド用溝19をスライドできる。同時に、筐体回動部材40を介してスライド用太溝21をスライドできる。すなわち、第一筐体10および第二筐体20は、両側のスライド用溝19とスライド用太溝21とによって三角形をなす三点によって支持されながらスライドする。このとき、第二筐体支持ローラ60,60は、第二筐体20における出力面25と反対側の面に接しながら回転することで、滑らかなスライドを実現する。
図3(A)にはスライド状態を、図3(B)には携帯時状態を示す。この図で示されるように、スライド状態は中央にある筐体回動部材40および両側にある二つのスライド支持部材30による三点での支持がされながら、携帯時状態から使用時状態、使用時状態から携帯時状態への状態変化を達成する。
スライドさせるためにユーザが外力を加えた場合、その外力の方向がスライド方向と完全に一致していなくても、三点支持であるので、安定したスライド状態が保持できる。
〔スライドから回動へ〕
図4には、スライド状態を終えて使用時状態に変化する際の筐体回動部材40を、第一筐体10および第二筐体20とともに示している。
図4(A)は、スライド状態が終わって回動を開始、すなわち使用時状態に変化する直前を示した断面図である。図4(B)は回動途中を、図4(C)は回動終了、すなわち使用時状態をそれぞれ示す。筐体回動部材40における第一回動制御軸部材45、第二回動制御軸部材50については、次の図5とともに説明する。なお、図5は、図4(A)を右から見た状態の断面図である。
〔図5〕
図5に示す断面位置では、第一筐体10は、両側にスライド用溝19,19を、中央に筐体回動部材用凹部17を備え、スライド用溝19,19および筐体回動部材用凹部17を図中の上に向かって開口している。また、想像線にて示す基板70を内蔵している。
第二筐体20は、両側に回動用凹部27,27を、中央に回動用凹部29(スライド用太溝21の端部)を備え、回動用凹部27,27および回動用凹部29を図中の下に向かって開口している。また、想像線にて示す基板70aを内蔵している。
〔スライド用支持部材30〕
スライド用支持部材30について、図5およびスライド用支持部材30の付近を拡大した図6とともに説明する。
スライド用支持部材30の上端付近は、第二筐体20における回動用凹部27において第一固定ピン31にて軸支している。一方、スライド用支持部材30の下端付近は、第一筐体10の内側にスライド滑車33を第二固定ピン32にて軸支している。そして、そのスライド滑車33はフランジ状をなしており、第一筐体10におけるスライド用溝19の内側に形成された凸条である滑車支持部11に嵌め合わされる。これによってスライド用支持部材30は、第二筐体20を支持しつつ、スライド用溝19の長手方向を動くことができる。
〔筐体回動部材40〕
筐体回動部材40について、図5、筐体回動部材40の付近を拡大した図7、および組立斜視図とした図8とともに説明する。
筐体回動部材40は、図5における紙面垂直方向の断面形状が長円形をなしており、図7の紙面左下付近に回動軸支凸部41を備える。その回動軸支凸部41を支持するため第一筐体10には、筐体回動部材用凹部18を備えている。筐体回動部材40は、その内部を空間とした筐体である。すなわち、基板70,70aを接続するケーブル80を収納するためのケーブル用空間40aを、その内部空間としている。
筐体回動部材40における下端付近は、回動軸支凸部41および第一回動制御軸部材45によって、第一筐体10に対して軸支されている。第一回動制御軸部材45は、筐体回動部材40への固定および第一回動制御軸部材45を軸支するための第一支持円板43と、その第一支持円板43によって回動角度を制御される第一円板抑えリング46とを備える。
一方、筐体回動部材40における上端付近は、第二回動制御軸部材50を軸支し、その第二回動制御軸部材50が第二円板抑えリング51を軸支し、その第二円板抑えリング51がドーナツ滑車52を軸支している。このドーナツ滑車52はフランジ状をなしており、第二筐体20に設けられた凸条である滑車支持部28に嵌め合わされる。これによって筐体回動部材40は、第二筐体20をスライドさせることができる。
第一回動制御軸部材45および第二回動制御軸部材50の組み込み便宜のため、回動軸支凸部41と反対側の面における適正な位置には、第一回動制御軸部材45を支持するための開口40b、および第二回動制御軸部材50を支持するための開口40cを、それぞれ備える。
〔回動制御機構〕
本実施形態では、図4に示したような回動状態を達成するための回動制御機構を備えている。この回動制御機構とは、図4(C)の状態を保持する、すなわち、第一筐体10の操作面15と第二筐体20の出力面とが面一をなした状態以上に回転しないようにするための機構である。この回動制御機構は、第一回動制御軸部材45および第二回動制御軸部材50によって達成される。
図8に示すように、第一回動制御軸部材45を軸支するための第一支持円板43は、第一回動制御軸部材45を挿入して支持するための孔を備えたドーナツ状円板をなしている。また、筐体回動部材40とは反対側の面には、四分の一の円弧に沿った溝である四分円弧溝43aを、向かい合わせにて二つ備える。それぞれの四分円弧溝43aの端部は、溝深さよりもやや深い半球状の穴である半球穴43bとなっている。
このような第一支持円板43には、第一回動制御軸部材45に挿入された第一円板抑えリング46が噛み合う。すなわち、ドーナツ状円板をなす第一円板抑えリング46には、半球穴43bに嵌め合う半球凸部46aを備えている。その第一円板抑えリング46は、図7に示すように、第一回動制御軸部材45におけるフランジ部に巻かれたコイルスプリング47、ワッシャ48およびスプリング抑えリング49によって第一支持円板43の方向に付勢されている。
回動開始位置および回動終了位置は、第一円板抑えリング46の半球穴43bに、第一円板抑えリング46の半球凸部46aがはまり、それ以上の回動が生じないように制御している。はまっていた半球穴43bを脱して反対側の半球穴43bに向かう際には、四分円弧溝43aへの不連続状態を乗り越えるので、クリック感が生じる。
第二回動制御軸部材50の構造も、第一回動制御軸部材45とほぼ同様であり、相違点は、ドーナツ滑車52を軸支できるような構造としている点である。
すなわち、第二支持円板44は、第二回動制御軸部材50を挿入して支持するための穴を備えたドーナツ状円板をなしている。また、筐体回動部材40とは反対側の面には、四分の一の円弧に沿った溝である四分円弧溝44aを、向かい合わせにて二つ備える。それぞれの四分円弧溝44aの端部は、溝深さよりもやや深い半球状の穴である半球穴44bとなっている。
このような第二支持円板44には、第二回動制御軸部材50に挿入された第二円板抑えリング51が噛み合う。すなわち、ドーナツ状円板をなす第二円板抑えリング51には、半球穴43bに嵌め合う半球凸部46aを備えている。その第二円板抑えリング51は、図7に示すように、第二回動制御軸部材50におけるフランジ部に巻かれたコイルスプリング53、ワッシャ54およびスプリング抑えリング55によって第一支持円板43の方向に付勢されている。
回動開始位置および回動終了位置は、第二円板抑えリング44の半球穴44bに、第二円板抑えリング51の半球凸部51aがはまり、それ以上の回動が生じないように制御している。はまっていた半球穴44bを脱して反対側の半球穴44bに向かう際には、四分円弧溝44aへの不連続状態を乗り越えるので、クリック感が生じる。
〔携帯情報端末〕
図9には、本発明が携帯電話端末ではなく、携帯ゲーム機器やPDA(パーソナル・データ・アシスタント)などの携帯情報端末に応用された場合の平面図を示している。
図9(A)に示すのは、第二の実施形態である。すなわち、第一筐体としては、フルキーボードを操作面に備えるキーボード筐体10aを採用し、第二筐体としては、ほぼ全面を出力面とした表示画面筐体20aを採用した携帯情報端末である。主にPDAに採用しやすい実施形態であるが、出力画面の一部をパッチパネル式にしたり、筐体の側面に操作ボタンを採用するなどの工夫をすることによって、携帯電話端末にも採用可能である。
図9(B)に示すのは、第三の実施形態である。すなわち、第一筐体も第二筐体も液晶表示画面とし、第一筐体を必要に応じて入力装置を兼ねたパッチパネル式のタッチパネル筐体10b、第二筐体も必要に応じて入力装置を兼ねたパッチパネル式のタッチパネル筐体20bとしている。主にゲーム機に採用しやすい実施形態であるが、出力画面の一部をパッチパネル式としたり、筐体の側面に操作ボタンを採用するなどの工夫をすることによって、携帯電話端末やPDAにも採用可能である。
〔スライド機構のバリエーション〕
図10に示すのは、第四の実施形態である。これまでの実施形態との相違点は、主に二点ある。一点目は、第一の実施形態ではひとつだけを中央付近に備えていた筐体回動部材(40)を、中央付近に二カ所、筐体回動部材90,90として備えた点である。図10(A)に示す携帯情報端末の紙面縦方向の寸法が大きい場合に有効である。第二筐体20におけるスライド用太溝(21)のデザイン性や、ケーブル用空間40aを実質的に増やしたい場合などにも有効である。
二点目は、第一筐体10に備えていたスライド用溝(19)を、第一筐体10の操作面15側に設けるのではなく、第一筐体10の側面に備えた点である。操作面15の実質的な面積を増やしたい場合、操作面15のデザイン性を高めたい場合などに採用される。スライド機構や回動制御機構を目視できるようなデザインが要求された場合にも有効である。
〔筐体寸法のバリエーション〕
図11に示すのは、第五の実施形態である。これまで記述してき実施形態との相違点は、第一筐体10と第二筐体20とにおいてスライド方向の寸法および厚さ方向の寸法が異なっている点である。
図11に示す実施形態では、第一筐体10のスライド方向の寸法は第二筐体20よりも小さく、第一筐体10の厚さは第二筐体20よりも薄く形成している。
なお図示は省略するが、紙面垂直方向の寸法が第一筐体10と第二筐体20とで異なったものであっても構わない。
〔回動制御機構のバリエーション〕
図12に示すのは、第六の実施形態である。これまで記述してき実施形態では、携帯時状態およびスライド状態においてスライド支持部材30および筐体回動部材40の長手方向と、第一筐体10や第二筐体20の長手方向がなす角度は90度であった。また、使用時状態においては、スライド支持部材30および筐体回動部材40の長手方向と第一筐体10や第二筐体20の長手方向がなす角度は0度(平行)であった。
しかし、図12に示すように、スライド支持部材30および筐体回動部材40の長手方向と第一筐体10や第二筐体20の長手方向がなす角度が90度や0度に特定されているわけではない。第一筐体10や第二筐体20が携帯時状態およびスライド状態を維持するため、または使用時状態において必要以上に回動しないために回動制御機構が機能すればよいのである。
なお、上述した実施形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した各実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは述べるまでもない。
本発明に係る第一の実施形態である携帯情報端末の動きを示す横断面図である。 本発明に係る第一の実施形態である携帯情報端末を示す平面図である。 本発明に係る第一の実施形態である携帯情報端末の動きを示す平面図である。 本発明に係る第一の実施形態である携帯情報端末の動きを示す部分拡大断面図である。 本発明に係る第一の実施形態である携帯情報端末の主要部断面図である。 図4に示す主要部の部分拡大図である。 図4に示す主要部の部分拡大図である。 図6に示す主要部の組立斜視図である。 本発明に係る第二および第三の実施形態である携帯情報端末を示す平面図である。 本発明に係る第四の実施形態である携帯情報端末を示す平面図である。 本発明に係る第五の実施形態である携帯情報端末を示す横断面図である。 本発明に係る第六の実施形態である携帯情報端末を示す横断面図である。 従来技術を示す斜視図である。
符号の説明
10 第一筐体、10a キーボード筐体、10b タッチパネル筐体、11 滑車支持部、15 操作面、17 筐体回動部材用凹部、18 回動軸支持凹部、19 スライド用溝、20 第二筐体、20a 表示画面筐体、20b タッチパネル筐体、21 スライド用太溝、22 スピーカ、23 マイク、24 十字キー、25 出力面、27 回動用凹部、28 滑車支持部、29 回動用凹部、30,30a スライド支持部材、31 第一固定ピン、32 第二固定ピン、33 スライド滑車、40 筐体回動部材、40a ケーブル用空間、40b,40c 開口、41 回動軸支凸部、43 第一支持円板、43a 四分円弧溝、43b 半球穴、44 第二支持円板、44a 四分円弧溝、44b 半球穴、45 第一回動制御軸部材、46 第一円板抑えリング、46a 半球凸部、47 コイルスプリング、48 ワッシャ、49 スプリング抑えリング、50 第二回動制御軸部材、51 第二円板抑えリング、51a 半球凸部、51b 周レール部、52 ドーナツ滑車、53 コイルスプリング、54 ワッシャ、55 スプリング抑えリング、60 第二筐体支持ローラ、70,70a 基板、80 ケーブル、90 筐体回動部材

Claims (7)

  1. 平板状の第一筐体と、その第一筐体に重ねられる平板状の第二筐体と、
    前記第一筐体および前記第二筐体を重ね合わせた携帯時状態を維持するスライド機構と、
    前記携帯時状態から前記第一筐体および前記第二筐体を相互にスライドさせるスライド状態を経て使用時状態に変化させる回動機構と、を備えたスライド式の携帯情報端末であって、
    前記スライド機構は、
    第一筐体におけるスライド方向に形成したスライド溝、
    そのスライド溝内をスライドするとともにそのスライド溝から飛び出さないように形成したスライド支持部材、
    およびそのスライド支持部材における反スライド溝側を第二筐体に軸支する第一固定部材を備えた第一スライド機構と、
    第二筐体における第一筐体側の面に形成されたスライド用太溝、およびそのスライド用太溝内をスライドする筐体回動部材を備えた第二スライド機構と、を備えて形成され、
    前記回動機構は、
    前記筐体回動部材と、
    その筐体回動部材における反スライド用太溝側を第一筐体に軸支する第一回動制御部材と、
    前記筐体回動部材における前記第一回動制御部材と反対側であって、第二筐体を回動可能であるように軸支する第二回動制御部材とを備えて形成され、
    前記第一回動制御部材および第二回動制御部材は、使用時状態において第一筐体の第二筐体側の面と第二筐体の第一筐体側とは反対側の面とが面一をなす角度において回動が停止する回動角度制限機構を備えた、
    ことを特徴とする携帯情報端末。
  2. 請求項1に記載の携帯情報端末において、
    前記回動角度制限機構は、携帯時状態およびスライド状態において、前記第一筐体の縦断面長手方向と前記筐体回動部材とが所定角度をなした状態にて回動が停止可能であり、且つ前記第二筐体の縦断面長手方向と前記筐体回動部材とが所定角度をなした状態にて回動が停止可能であるように形成したことを特徴とする携帯情報端末。
  3. 請求項1または請求項2のいずれかに記載の携帯情報端末において、
    前記第一スライド機構は、第一筐体において二組備えたことを特徴とする携帯情報端末。
  4. 請求項3に記載の携帯情報端末において、
    前記第一スライド機構におけるスライド溝は、第一筐体における第二筐体側の面に形成したことを特徴とする携帯情報端末。
  5. 請求項3に記載の携帯情報端末において、
    前記第一スライド機構におけるスライド溝は、第一筐体における側面に形成したことを特徴とする携帯情報端末。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の携帯情報端末において、
    第一筐体および第二筐体の平面形状をほぼ同一に形成したことを特徴とする携帯情報端末。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の携帯情報端末において、
    前記筐体回動部材は、第一筐体および第二筐体に達する内部空間であるケーブル用空間を備え、
    そのケーブル用空間は、第一筐体に内蔵される基板および第二筐体に内蔵される基板を接続するケーブル類を内蔵可能に形成したことを特徴とする携帯情報端末。
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