以下、本発明を携帯電話機に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯電話機を示す斜視図である。図1に示す様に、本実施形態の携帯電話機は、厚さの小さい直方体形状を有する機器本体(1)を具え、該機器本体(1)のキャビネット(101)は、機器本体(1)の表面を形成する表面側キャビネット半体(102)と、機器本体(1)の背面を形成する背面側キャビネット半体(103)とを互いに接合して構成されている。
機器本体(1)には、第1液晶表示パネル(10)が、その画像表示面(11)を機器本体(1)の表面側へ向けて配備されている。又、機器本体(1)には、該機器本体(1)に対し摺動自在に連結された可動表示部(2)と、該機器本体(1)に対し固定された固定表示部(3)と、可動表示部(2)を機器本体(1)に対して摺動自在に連結する連結機構(4)(図1には図示されず)とが設けられている。尚、図示していないが、機器本体(1)の背面には、カメラが設置されている。
第1液晶表示パネル(10)の画像表示面(11)には、その少なくとも一部の領域を覆って、光透過性を有する入力用タッチパネル(12)が設けられている。尚、本実施形態においては、第1液晶表示パネル(10)の画像表示面(11)の内、固定表示部(3)が重なった領域には、入力用タッチパネル(12)は設けられていなくてもよい。
図1に示す様に、固定表示部(3)は、図1の紙面において機器本体(1)の右側の端部上に配置されており、第1液晶表示パネル(10)の画像表示面(11)より面積の小さい画像表示面(31)を有する第2液晶表示パネル(30)と、該第2液晶表示パネル(30)を機器本体(1)に対して固定する固定部(32)とを具えている。第2液晶表示パネル(30)の画像表示面(31)には、その少なくとも一部の領域を覆って、光透過性を有する入力用タッチパネル(33)が設けられている。
ここで、固定表示部(3)は、第1液晶表示パネル(10)の画像表示面(11)と重なる部分が、光透過性を有している。具体的には、固定表示部(3)の固定部(32)の内、第1液晶表示パネル(10)の画像表示面(11)と重なる部分が、光透過性を有する材料から形成されている。
又、固定表示部(3)の第2液晶表示パネル(30)は、その背面側から入射された光を該第2液晶表示パネル(30)の画像表示面(31)側へ透過させる構成を有している。第2液晶表示パネル(30)の具体的な構成については図示していないが、第2液晶表示パネル(30)は、2枚のガラス板の間に封止された液晶と、該液晶に電圧を印加して液晶の向きを制御する透明電極と、液晶に光を入射する光源とを具えている。光源は、液晶の封止領域と重ならない位置に配置されており、光源からの光は、導光シート等により液晶の背面側に導かれて液晶に入射される。
従って、第2液晶表示パネル(30)の光源からの光とは別の光、具体的には第1液晶表示パネル(10)からの光が固定表示部(3)に対してその背面側から入射した場合、その光は、第2液晶表示パネル(30)において液晶の向きを制御して該光を遮断しない限り、固定表示部(3)を透過することになる。
図2は、上記携帯電話機の一部分解斜視図である。又、図3は、図1に示されるA−A線に沿う断面図である。図2及び図3に示す様に、可動表示部(2)は、第1液晶表示パネル(10)の画像表示面(11)より面積の小さい画像表示面(21)を有する第2液晶表示パネル(20)と、機器本体(1)に対して摺動自在に連結された摺動部(22)と、該摺動部(22)に固定されて第2液晶表示パネル(20)を支持する支持台(23)と、該摺動部(22)に固定されて機器本体(1)の背面に重なる背部(24)とを有している。
第2液晶表示パネル(20)の画像表示面(21)には、その少なくとも一部の領域を覆う入力用タッチパネル(25)と、入力用タッチパネル(25)上から画像表示面(21)の全領域を覆うカバー部材(26)とが設けられている。ここで、入力用タッチパネル(25)は、光透過性を有している。
支持台(23)は、第2液晶表示パネル(20)が機器本体(1)の表面上の位置にて第1液晶表示パネル(10)の画像表示面(11)に重なる様に、該第2液晶表示パネル(20)を支持している。又、背部(24)は、2つの背部構成部材(241)(242)を接合して構成されている。
ここで、可動表示部(2)は、第1液晶表示パネル(10)の画像表示面(11)と重なる部分が、光透過性を有している。具体的には、可動表示部(2)の支持台(23)とカバー部材(26)とが、光透過性を有する材質から形成されている。又、可動表示部(2)の第2液晶表示パネル(20)は、その背面側から入射された光を該第2液晶表示パネル(20)の画像表示面(21)側へ透過させる構成を有している。具体的には、可動表示部(2)の第2液晶表示パネル(20)は、固定表示部(3)の第2液晶表示パネル(30)と同じ構成を有している。これらに対し、可動表示部(2)の背部(24)は、光透過性が殆どない材質から形成されている。
従って、第2液晶表示パネル(20)の光源からの光とは別の光、具体的には第1液晶表示パネル(10)からの光が可動表示部(2)に対してその背面側から入射した場合、その光は、第2液晶表示パネル(20)において液晶の向きを制御して該光を遮断しない限り、可動表示部(2)を透過することになる。
可動表示部(2)は、図1に示す様に固定表示部(3)に当接した当接位置と、図25に示す様に固定表示部(3)から離間して機器本体(1)の左側の端部上に配置された離間位置との間で往復移動することが可能である。
具体的には、図2及び図3に示す様に、可動表示部(2)の摺動部(22)には上下一対の係合部(221)(222)が突設される一方、機器本体(1)には上下一対のガイドレール(131)(132)が設けられており、該一対のガイドレール(131)(132)にはそれぞれ、摺動部(22)の一対の係合部(221)(222)が摺動自在に係合する係合受け部(131a)(132a)が開設されている。そして、一対の係合部(221)(222)と一対の係合受け部(131a)(132a)とによって、連結機構(4)が構成されている。
ここで、一対のガイドレール(131)(132)はそれぞれ、機器本体(1)の長手方向(91)に真っ直ぐ延在し、一対のガイドレール(131)(132)にはそれぞれ、その延在方向(92)に沿って係合受け部(131a)(132a)が形成されている。従って、摺動部(22)は、その摺動方向が機器本体(1)の長手方向(91)に規定されている。
よって、可動表示部(2)は、当接位置と離間位置の間を機器本体(1)の長手方向(91)に沿って往復移動することが可能となっている。斯くして、可動表示部(2)の第2液晶表示パネル(20)は、機器本体(1)に対して摺動自在に連結されて、第1液晶表示パネル(10)の画像表示面(11)上の所定の経路に沿って往復移動することが可能となっている。ここで、該所定の経路は、摺動部(22)の摺動方向と同じ方向、即ち機器本体(1)の長手方向(91)に規定されることになる。
又、図1に示す様に可動表示部(2)が当接位置に設定されることにより、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)は、これらが第1液晶表示パネル(10)の画像表示面(11)上で互いに近接又は接触して閉じた閉じ状態に設定されることになる。一方、図25に示す様に可動表示部(2)が離間位置に設定されることにより、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)は、これらが第1液晶表示パネル(10)の画像表示面(11)上で互いに離間して開いた開き状態に設定されることになる。
上記連結機構(4)において、上側のガイドレール(131)に設けられた係合受け部(131a)は、該ガイドレール(131)の上面まで貫通しており、該上面から摺動部(22)の上側の係合部(221)が露出している。
図3に示す様に、機器本体(1)内には、第1液晶表示パネル(10)及び第2液晶表示パネル(20)(30)の画像表示動作等、上記携帯電話機の機器動作を制御する回路基板(6)が内蔵されている。回路基板(6)上にはコネクタ(61)が搭載されており、該コネクタ(61)には、可動表示部(2)の第2液晶表示パネル(20)から引き出されたフレキシブルリード(5)が電気的に接続されている。尚、図3では、フレキシブルリード(5)の配線状態が簡略化して示されている。フレキシブルリード(5)の具体的な配線状態については後で詳述する。
図示していないが、回路基板(6)には更に、第1液晶表示パネル(10)と固定表示部(3)の第2液晶表示パネル(30)が、フレキシブルリード等の配線手段により電気的に接続されている。
図4は、回路基板(6)と可動表示部(2)の第2液晶表示パネル(20)とを接続しているフレキシブルリード(5)の配線状態を示した斜視図である。図4に示す様に、フレキシブルリード(5)は、平坦長尺状のリードであって、回路基板(6)上のコネクタ(61)に接続されると共に該コネクタ(61)から回路基板(6)の外側へ引き出されている。そして、フレキシブルリード(5)は、その平坦面を背面側キャビネット半体(103)の内面(103a)に沿わせてガイドレール(131)(132)の延在方向(92)へ延びた後、U字状に湾曲して延在方向(92)とは逆側へ延びている。それから、フレキシブルリード(5)は、L字状に湾曲して、延在方向(92)に対して略垂直な方向へ内面(103a)と略平行に延びた後、上側のガイドレール(131)の係合受け部(131a)の内側を通過している。それから更に、フレキシブルリード(5)は、摺動部(22)の上側の係合部(221)の先端面から摺動部(22)の内部に導かれ、そしてフレキシブルリード(5)の端部(501)が、摺動部(22)の外側の側面から引き出されて第2液晶表示パネル(20)に連結されている。この様に、フレキシブルリード(5)は、U字状に湾曲したU字湾曲部(51)と、L字状に湾曲したL字湾曲部(52)とを有している。
従って、可動表示部(2)を移動させることにより第2液晶表示パネル(20)が機器本体(1)の長手方向(91)(ガイドレール(131)(132)の延在方向(92)と同方向)に沿って移動したとき、それに伴ってフレキシブルリード(5)のU字湾曲部(51)が、第2液晶表示パネル(20)の移動方向と同じ方向へ移動することになる。よって、フレキシブルリード(5)は、第2液晶表示パネル(20)の移動を阻害することがない。
ここで、可動表示部(2)の組み立て方法について、図4〜図13を用いて具体的に説明する。先ず、図5に示す様に、第1工程において、背面側キャビネット半体(103)に設けられた下側のガイドレール(132)の係合受け部(132a)に、摺動部(22)の下側の係合部(222)を係合させる。その後、図6に示す様に、第2工程において、下側のガイドレール(132)に上側のガイドレール(131)を接合すると共に、該上側のガイドレール(131)の係合受け部(131a)に、摺動部(22)の上側の係合部(221)を係合させる。これにより、摺動部(22)は、機器本体(1)に対して摺動自在に連結され、その摺動方向が一対のガイドレール(131)(132)によって機器本体(1)の長手方向(91)(ガイドレール(131)(132)の延在方向(92)と同方向)に規定されることになる。斯くして、連結機構(4)が形成されることになる。
次に、図7に示す様に、第3工程において、可動表示部(2)の背部(24)を構成する2つの背部構成部材(241)(242)の内、内側に配置される背部構成部材(241)を摺動部(22)に固定する。具体的には、内側の背部構成部材(241)には、摺動部(22)が嵌合すべき凹部(241a)が形成されており、該凹部(241a)に摺動部(22)を嵌合させることにより、内側の背部構成部材(241)が摺動部(22)に固定される。
その後、図8及び図9に示す様に、第4工程において、第2液晶表示パネル(20)から引き出されたフレキシブルリード(5)を、摺動部(22)を利用して背面側キャビネット半体(103)の内側へ導く。具体的には、摺動部(22)には、その外側の側面から上側の係合部(221)の先端面まで通じる貫通孔(223)が形成されており(図7も参照)、フレキシブルリード(5)は、摺動部(22)の外側の側面側から貫通孔(223)に差し込まれて、上側の係合部(221)の先端面から引き出される。
次に、図4に示す様に、第5工程において、フレキシブルリード(5)に、上述したU字湾曲部(51)とL字湾曲部(52)とを形成すると共に、フレキシブルリード(5)の端部(502)を回路基板(6)上のコネクタ(61)に接続する。
その後、図10に示す様に、第6工程において、背面側キャビネット半体(103)に表面側キャビネット半体(102)を接合して機器本体(1)のキャビネット(101)を形成する。次に、図11に示す様に、第7工程において、支持台(23)を摺動部(22)に固定し、その後、該支持台(23)上に第2液晶表示パネル(20)を設置する。
次に、図12に示す様に、第8工程において、支持台(23)にカバー部材(26)を取り付けて、第2液晶表示パネル(20)の画像表示面(21)の全領域をカバー部材(26)によって覆う。その後、図13に示す様に、第9工程において、可動表示部(2)の背部(24)を構成する2つの背部構成部材(241)(242)の内、外側に配置される背部構成部材(242)を、内側の背部構成部材(241)に取り付けて、可動表示部(2)の背部(24)を形成する。これにより、可動表示部(2)の組み立てが完了する。
上記携帯電話機においては、ユーザに、可動表示部(2)及び固定表示部(3)を通して第1液晶表示パネル(10)の画像表示面(11)に表示される画像を認識させることが可能である。このため、機器本体(1)の表面の内、可動表示部(2)及び固定表示部(3)が重なる領域にも第1液晶表示パネル(10)を設置することが出来、従って、図1に示す様に機器本体(1)の表面の広い範囲を、第1液晶表示パネル(10)の設置領域として使用することが出来る。よって、上記携帯電話機には、広い画像表示面(11)を有する第1液晶表示パネル(10)を配備することが可能である。
更に、上記携帯電話機においては、ユーザに、第2液晶表示パネル(20)(30)の画像表示面(21)(31)に表示される画像を認識させると共に、第2液晶表示パネル(20)(30)を通して第1液晶表示パネル(10)の画像表示面(11)に表示される画像をも認識させることが可能である。従って、第1液晶表示パネル(10)及び第2液晶表示パネル(20)(30)に表示される2つの画像を重ね合わせて、視覚的に特徴を有する1つの画像(例えば立体感のある画像)を形成し、該画像をユーザに認識させることが出来る。
又、上記携帯電話機においては、可動表示部(2)の第2液晶表示パネル(20)が、第1液晶表示パネル(10)の画像表示面(11)上の所定の経路に沿って摺動自在である。従って、該所定の経路上の様々な位置にて、視覚的に特徴を有する画像を形成することが可能である。
上記携帯電話機には、3つの入力用タッチパネル(12)(25)(33)が設けられており、ユーザは、入力用タッチパネル(12)(25)(33)を操作することにより、操作信号を携帯電話機に入力することが出来る。
更に又、上記携帯電話機においては、図1に示す様に可動表示部(2)が当接位置に設定されている場合、即ち2つの第2液晶表示パネル(20)(30)が閉じ状態に設定されている場合、ユーザは、携帯電話機を片手で把持して、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)上の入力用タッチパネル(25)(33)を片手で操作することが可能となる。このとき、携帯電話機が有する標準の姿勢は、図15に示す様に機器本体(1)の長手方向(91)が縦に向けられた縦向き姿勢となる。
一方、図25に示す様に可動表示部(2)が離間位置に設定されている場合、即ち2つの第2液晶表示パネル(20)(30)が開き状態に設定されている場合、ユーザは、携帯電話機を両手で把持して、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)上の入力用タッチパネル(25)(33)をそれぞれ左手と右手で操作することが可能となる。このとき、携帯電話機が有する標準の姿勢は、図25に示す様に機器本体(1)の長手方向(91)が横に向けられた横向き姿勢となる。
上記携帯電話機によれば、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)が閉じ状態と開き状態の何れの状態に設定されている場合であっても、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)は第1液晶表示パネル(10)の画像表示面(11)に重なったままである。従って、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)の状態を変化させた場合でも、携帯電話機のサイズには殆ど変化が生じない。よって、上記携帯電話機は、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)の状態に拘らず携帯し易い。
図14は、上記携帯電話機の画像表示動作に関する構成を示すブロック図である。図14に示す様に、上記携帯電話機の機器本体(1)には更に、機器本体(1)の姿勢を検知する加速度センサ(62)と、可動表示部(2)の移動量(即ち、第2液晶表示パネル(20)の移動量)に応じて変化する移動量情報を取得する情報取得手段(63)と、第1液晶表示パネル(10)及び2つの第2液晶表示パネル(20)(30)の画像表示動作を制御する制御手段(64)とが設けられている。ここで、第2液晶表示パネル(20)の移動量は、該第2液晶表示パネル(20)が往復移動することが可能な所定の経路上の所定の位置からの距離である。又、加速度センサ(62)、情報取得手段(63)、及び制御手段(64)は、回路基板(6)上に形成されている。
尚、加速度センサ(62)、情報取得手段(63)、及び制御手段(64)は、回路基板(6)上とは異なる箇所に形成されていてもよい。又、加速度センサ(62)に替えて、機器本体(1)の姿勢を検知する種々の姿勢検知手段を採用してもよい。
制御手段(64)は、加速度センサ(62)により検知される機器本体(1)の姿勢と、情報取得手段(63)により取得される移動量情報とに基づいて、第1液晶表示パネル(10)及び2つの第2液晶表示パネル(20)(30)の画像表示動作を制御する。
加速度センサ(62)により機器本体(1)の姿勢が検知された場合、制御手段(64)は、該機器本体(1)の姿勢に応じて、第1液晶表示パネル(10)及び2つの第2液晶表示パネル(20)(30)に表示される画像の向きを変更する。このとき、制御手段(64)は、画像の向きを変更する変更手段として機能する。
具体的には、制御手段(64)は、ユーザが携帯電話機を把持したときに該携帯電話機が有する標準の姿勢に応じた向きで、第1液晶表示パネル(10)及び2つの第2液晶表示パネル(20)(30)に画像を表示させる。より具体的には、ユーザが携帯電話機を片手で把持することにより携帯電話機が有する標準の姿勢が縦向き姿勢となったとき、制御手段(64)は、図15に示す様に、第1液晶表示パネル(10)及び2つの第2液晶表示パネル(20)(30)に表示する画像の向きを、機器本体(1)の長手方向(91)に略一致させる。一方、ユーザが携帯電話機を両手で把持することにより携帯電話機が有する標準の姿勢が横向き姿勢となったとき、制御手段(64)は、図25に示す様に、第1液晶表示パネル(10)及び2つの第2液晶表示パネル(20)(30)に表示される画像の向きを、機器本体(1)の長手方向(91)に垂直な方向に略一致させる。これにより、ユーザによる携帯電話機の使用形態に拘わらず、第1液晶表示パネル(10)及び2つの第2液晶表示パネル(20)(30)には、ユーザに対して画像が縦向きで表示されることになる。
従って、上記携帯電話機によれば、ユーザは、片手で入力用タッチパネル(12)(25)(33)を操作する場合と、両手で入力用タッチパネル(12)(25)(33)を操作する場合の何れの場合においても、画像を視認しながらの操作が容易である。よって、上記携帯電話機は、高い操作性を有することになる。
更に、情報取得手段(63)が移動量情報を取得した場合、制御手段(64)は、該移動量情報に対応する移動量に応じて、第1液晶表示パネル(10)と2つの第2液晶表示パネル(20)(30)とに様々な画像を表示させる。これにより、上記携帯電話機は、より高い操作性を有することになる。尚、移動量に応じた画像の表示形態の具体例については後述する。
又、上記情報取得手段(63)と制御手段(64)によれば、可動表示部(2)(即ち、第2液晶表示パネル(20))を、第1液晶表示パネル(10)及び2つの第2液晶表示パネル(20)(30)に表示されている画像を操作する操作部として機能させることが出来る。
次に、上記携帯電話機にて実施可能な画像の表示形態の具体例について、図面を用いて説明する。ここで、上記携帯電話機は、第1液晶表示パネル(10)及び2つの第2液晶表示パネル(20)(30)にそれぞれ異なる画像を表示することが可能であり、又、第1液晶表示パネル(10)及び2つの第2液晶表示パネル(20)(30)にそれぞれ異なる機能を発揮させるマルチタスク機能を実現することが可能である。
図15は、電話番号入力用の画像の表示形態を示す図である。図15に示す様に、この表示形態においては、可動表示部(2)の第2液晶表示パネル(20)に、発信用の操作キーや選択用の操作キー等が表示され、固定表示部(3)の第2液晶表示パネル(30)に、数字入力用の操作キーが表示される。又、第1液晶表示パネル(10)には、ユーザが入力用タッチパネル(33)を操作することにより入力した電話番号が表示される。
図16は、通話時の画像の表示形態を示す図である。図16に示す様に、この表示形態においては、可動表示部(2)の第2液晶表示パネル(20)に、通話時の相手の電話番号や氏名等の情報と通話時間が表示され、固定表示部(3)の第2液晶表示パネル(30)に、通話時の音量調整用の操作キー等が表示される。尚、第2液晶表示パネル(20)(30)には、背景としてアニメーションが表示されてもよい。又、第1液晶表示パネル(10)には、通話時の相手の顔の画像が表示されてもよい。但し、図16に示す様に第1液晶表示パネル(10)には画像を表示せずに、第1液晶表示パネル(10)への電力供給を停止することにより、消費電力を小さくすることが出来る。
図17は、着信時の画像の表示形態の一例を示す図である。相手(発信元)の電話番号や氏名等の情報と、相手の顔の画像が携帯電話機に登録されている場合、図17に示す様に、可動表示部(2)の第2液晶表示パネル(20)に、相手の情報と通話開始用の操作キー等が表示され、固定表示部(3)の第2液晶表示パネル(30)に、登録されている相手の顔の画像が表示される。ユーザの操作性を考慮して、可動表示部(2)の第2液晶表示パネル(20)に、登録されている相手の顔の画像を表示し、固定表示部(3)の第2液晶表示パネル(30)に、相手の情報と通話開始用の操作キー等を表示してもよい。これにより、ユーザが携帯電話機を片手で把持したとき、該片手の親指に近い位置に操作画面が表示され、該片手の親指から離れた位置に相手の顔の画像が表示されることになる。
図18(a)は、着信時の画像の表示形態の他の例を示す図であり、図18(b)は、着信時に実行可能な操作の説明に用いられる図である。図18(a)に示す様に、他の例に係る表示形態においては、携帯電話機に相手の情報等が登録されている場合であっても、第1液晶表示パネル(10)及び2つの第2液晶表示パネル(20)(30)には、相手の情報等は表示されず、着信を通知する画像と操作キーのみが表示される。これにより、着信時に、相手の情報等がユーザ以外の者に認識されてしまうことを防止することが出来る。
そして、図18(b)に示す様に、ユーザが可動表示部(2)を当接位置から機器本体(1)の長手方向(91)にスライドさせることにより、第1液晶表示パネル(10)の内、固定表示部(3)の設置領域と可動表示部(2)が重なった領域との間に、相手の情報が表示される。即ち、ユーザがスライド操作を実行したときにのみ、上記領域に相手の情報が表示される。従って、相手の情報の秘匿性を維持しつつ、ユーザは、相手の情報を確認することが出来る。
図19は、省電力モード時の画像の表示形態を示す図である。携帯電話機が待機状態に設定されている場合、図19に示す様に、第1液晶表示パネル(10)への電力供給が停止される一方、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)への電力供給が維持される。そして、第2液晶表示パネル(20)(30)には、例えば時刻が表示される。尚、第2液晶表示パネル(20)(30)には、ピクト、ショートカットアイコン、メニュー、ウィジェット等が表示されてもよい。
図20は、電子メール受信時の画像の表示形態を示す図である。図20に示す様に、この表示形態においては、固定表示部(3)の第2液晶表示パネル(30)に、電子メールの受信を通知する画像が表示される。携帯電話機が待機状態(図19参照)のときに電子メールを受信した場合、第2液晶表示パネル(30)には、電子メールの受信を通知する画像がポップアップ表示されることになる。このとき、第1液晶表示パネル(10)への電力供給は停止したままである。
図21は、受信した電子メールの内容の表示形態の一例を示す図である。図20に示す表示形態においてユーザが第2液晶表示パネル(30)上の入力用タッチパネル(33)に触れること(例えば、表示されたメールアイコン(マーク)に触れること)により、図21に示す様に、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)に、受信した電子メールの内容が表示される。このとき、第1液晶表示パネル(10)への電力供給は停止したままである。
図22は、受信した電子メールの内容の表示形態の他の例を示す図である。携帯電話機が有する標準の姿勢が横向きの姿勢である場合、図22に示す様に、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)には、受信した電子メールの内容を示す画像が、その向きを機器本体(1)の長手方向(91)に垂直な方向に略一致させて表示される。ここで、図21に示す表示形態と図22に示す表示形態とは、ユーザが携帯電話機の標準の姿勢を縦向きの姿勢と横向きの姿勢との間で変化させることにより切り替えられ、この表示形態の切替えは、加速度センサ(62)が携帯電話機の姿勢を検知することにより実現される。
図23(a)は、受信した電子メールの内容を簡易表示した形態を示す図であり、図23(b)は、簡易表示時に実行可能な操作の説明に用いられる図である。ここで、簡易表示とは、電子メールの内容の一部を液晶表示パネルに表示することである。図20に示す表示形態においてユーザが第2液晶表示パネル(30)上の入力用タッチパネル(33)に触れることにより、図23(a)に示す様に、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)に、受信した電子メールの内容が簡易表示される。
そして、図23(b)に示す様に、ユーザが可動表示部(2)を当接位置から機器本体(1)の長手方向(91)にスライドさせることにより、可動表示部(2)の移動量(即ち、第2液晶表示パネル(20)の移動量)に応じて、第1液晶表示パネル(10)の内、固定表示部(3)の設置領域と可動表示部(2)が重なった領域との間にも電子メールの内容が表示される。従って、電子メールの内容を簡易表示するための表示領域が拡大することになる。
図24は、電子メール返信時の画像を表示させるための操作の説明に用いられる図である。図24に示す様に、この操作においては、ユーザが、可動表示部(2)を当接位置から離間位置まで機器本体(1)の長手方向(91)にスライドさせる。これにより、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)には、図25に示す様に文字入力用の操作キーが表示され、第1液晶表示パネル(10)には、ユーザが第2液晶表示パネル(20)(30)上の入力用タッチパネル(25)(33)を操作することにより入力した文字が表示される。尚、電子メール返信時の画面は、図23(b)に示す表示形態において、ユーザが可動表示部(2)を当接位置から離間位置まで機器本体(1)の長手方向(91)にスライドさせたときに表示されてもよい。
図26は、ショートメッセージサービス(SMS)にてメッセージを受信したときの画像の表示形態を示す図である。図26に示す様に、この表示形態においては、第1液晶表示パネル(10)にメッセージの内容を示す画像が表示され、その後、数秒間だけ可動表示部(2)の第2液晶表示パネル(20)に相手の顔の画像が表示される。この画像は、静止画や動画、更にはアニメーションであってもよい。メッセージは、相手の顔の画像を表示している間、吹き出し形式で第1液晶表示パネル(10)に表示されてもよい。これにより、ユーザに、視覚的に特徴を有する画像を認識させて、相手と実際に会話をしている様な感覚を与えることが出来る。
図27は、カメラ撮影時の画像の表示形態を示す図である。図27に示す様に、この表示形態においては、第1液晶表示パネル(10)には、カメラにより取得される画像が表示される。一方、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)には画像が表示されず、該2つの第2液晶表示パネル(20)(30)は、背面側から入射した光を画像表示面(21)(31)に透過する透明な状態(以下、単に「透明な状態」という)に設定される。従って、第1液晶表示パネル(10)の全体に、カメラにより取得される画像を表示した場合でも、ユーザは、その画像全体を視認することが可能である。
図28は、カメラ撮影時のズーム量を調整するための操作の説明に用いられる図である。図28に示す様に、この操作においては、ユーザが可動表示部(2)を当接位置から機器本体(1)の長手方向(91)にスライドさせることにより、可動表示部(2)の移動量(即ち、第2液晶表示パネル(20)の移動量)に応じてカメラのズーム量が調整され、その結果、第1液晶表示パネル(10)には被写体の拡大画像が表示される。
図29は、動画と静止画とを同時に撮影するときの画像の表示形態を示す図である。図29に示す様に、この表示形態においては、可動表示部(2)が当接位置に設定されており、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)に1つの静止画が表示される。一方、第1液晶表示パネル(10)の内、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)が重なっていない領域に動画が表示される。具体的には、動画のみを撮影するときには、第1液晶表示パネル(10)の全領域に動画が表示され、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)は透明な状態に設定される。そして、動作撮影中に静止画を取得する場合、第2液晶表示パネル(20)(30)上の入力用タッチパネル(25)(33)に触れることにより、動画を構成する1つの画像が静止画として抽出されて、該静止画が2つの第2液晶表示パネル(20)(30)に表示される。
図30は、データ閲覧時の画像の表示形態を示す図である。図30に示す様に、この表示形態においては、第1液晶表示パネル(10)に、所定のデータフォルダ内に格納されている複数の画像が一列に並んで表示され、該複数の画像の内、何れか1つの画像が第1液晶表示パネル(10)の中央領域に大きく表示される。一方、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)には画像が表示されず、該2つの第2液晶表示パネル(20)(30)は透明な状態に設定される。
図31は、データ閲覧時に実行可能な操作の説明に用いられる図である。図31に示す様に、この操作においては、ユーザが、第2液晶表示パネル(20)(30)上の入力用タッチパネル(25)(33)を左右にフリックすることにより、第1液晶表示パネル(10)の中央領域に表示される画像が変更される。具体的には、第1液晶表示パネル(10)には、複数の画像が一列に並んで表示されており、ユーザがフリックする方向へ画像の列が流れて、第1液晶表示パネル(10)の中央領域に表示される画像が変更されることになる。
図32は、データ閲覧時に実行可能な他の操作の説明に用いられる図である。図32に示す様に、この操作においては、ユーザが、第2液晶表示パネル(20)(30)上の入力用タッチパネル(25)(33)を上方にフリックすることにより、第1液晶表示パネル(10)の中央領域に表示されている画像以外の画像が上方に移動する。そして、図33に示す様に、可動表示部(2)の第2液晶表示パネル(20)に、上記所定のデータフォルダを含む複数のフォルダが一覧表示され、固定表示部(3)の第2液晶表示パネル(30)に、第1液晶表示パネル(10)の中央領域に表示されている画像の詳細情報が表示される。これにより、第1液晶表示パネル(10)と2つの第2液晶表示パネル(20)(30)にはそれぞれ、データが階層別に表示されることになる。
図34は、別のデータフォルダを選択したときの画像の表示形態を示す図である。図33に示される表示形態において、ユーザが第2液晶表示パネル(20)上の入力用タッチパネル(25)を操作して、上記所定のデータフォルダとは別のデータフォルダを選択することにより、図34に示す様に、第1液晶表示パネル(10)に表示されていた画像の列が、右方へ流れて画面上から消え去る。そして、第1液晶表示パネル(10)には、ユーザが選択した別のデータフォルダに格納されている複数の画像が一列に並んで表示される。
図35(a)及び図35(b)は、ウェブ閲覧時の画像(ウェブ画像)の表示形態の一例を示す図である。図35(a)に示す様に、この表示形態においては、第1液晶表示パネル(10)にウェブ画像が表示される。一方、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)には画像が表示されず、該2つの第2液晶表示パネル(20)(30)は透明な状態に設定される。従って、第1液晶表示パネル(10)の全体にウェブ画像を表示した場合でも、ユーザは、そのウェブ画像全体を視認することが可能である。勿論、図35(b)に示す様に、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)にウェブ画像とは別の画像が表示されてもよい。
図36は、ウェブ画像の表示形態の他の例を示す図である。図36に示す様に、この表示形態においては、第1液晶表示パネル(10)にウェブ画像が表示され、該ウェブ画像には、3つの選択キー「information」、「map」、及び「contact」が表示されている。一方、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)には画像が表示されず、該2つの第2液晶表示パネル(20)(30)は透明な状態に設定される。従って、ユーザは、第1液晶表示パネル(10)に表示されているウェブ画像全体を視認することが可能である。
図37は、ウェブ画像上の選択キーを選択したときの画像の表示形態を示す図である。図37に示す様に、この表示形態においては、第1液晶表示パネル(10)にウェブ画像が表示されたまま、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)に、選択キーにリンクしている別のウェブ画像が表示される。これにより、異なる2つのウェブ画像を2画面で同時に閲覧することが可能となる。
図38(a)及び図38(b)は、ウェブ閲覧時に実行可能な操作の説明に用いられる図である。図38(a)に示す様に、この操作においては、ユーザが、入力用タッチパネル(12)(25)(33)を操作して、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)に表示されているウェブ画像を第1液晶表示パネル(10)側へ移動させることにより、図38(b)に示す様に、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)に表示されていたウェブ画像が、第1液晶表示パネル(10)の全体に表示される。一方、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)からは、表示されていたウェブ画像が消去され、該2つの第2液晶表示パネル(20)(30)は透明な状態に設定される。
図39は、マップ閲覧時の画像(マップ画像)の表示形態の一例を示す図である。図39に示す様に、この表示形態においては、第1液晶表示パネル(10)にマップ画像が表示される。一方、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)には画像が表示されず、該2つの第2液晶表示パネル(20)(30)は透明な状態に設定される。従って、第1液晶表示パネル(10)の全体にマップ画像を表示した場合でも、ユーザは、そのマップ画像全体を視認することが可能である。
図40は、マップ閲覧時に実行可能な操作の説明に用いられる図である。図40に示す様に、この操作においては、ユーザが、第2液晶表示パネル(20)(30)上の入力用タッチパネル(25)(33)を操作して手書きのメモ(文字や記号等)を入力することにより、第2液晶表示パネル(20)(30)に手書きのメモが表示される。このとき、携帯電話機においては、第1液晶表示パネル(10)の画像表示動作、或いは第1液晶表示パネル(10)上の入力用タッチパネル(12)の動作が制御されて、第1液晶表示パネル(10)に表示されているマップ画像の操作が無効化されている。従って、ユーザが、第2液晶表示パネル(20)(30)上の入力用タッチパネル(25)(33)を操作したとき、その操作がマップ画像に影響することがない。
これにより、第1液晶表示パネル(10)に表示されているマップ画像と、第2液晶表示パネル(20)(30)に書き込まれた手書きのメモとが重なって、1つの画像としてユーザに認識されることになる。尚、第2液晶表示パネル(20)(30)には、手書きのメモの他に、写真画像やピン等を表示してもよい。
図41は、マップ閲覧時の画像(マップ画像)の表示形態の他の例を示す図である。図41に示す様に、この表示形態においては、第1液晶表示パネル(10)にマップ画像が表示される一方、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)には、第1液晶表示パネル(10)に表示されているマップ画像の一部が拡大して表示される。
図42は、ホーム画面の画像の表示形態の一例を示す図である。図42に示す様に、この表示形態においては、第1液晶表示パネル(10)に、メニュー画面に移行するためのアイコンCと、ショートカットアイコンSが表示され、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)にウィジェットWが表示される。
図43(a)及び図43(b)は、ホーム画面で実行可能な操作の説明に用いられる図である。図43(a)に示す様に、この操作においては、ユーザが可動表示部(2)を当接位置から機器本体(1)の長手方向(91)にスライドさせることにより、可動表示部(2)の移動量(即ち、第2液晶表示パネル(20)の移動量)に応じて、ウィジェットWの列が左方に移動(スライドイン)して、第1液晶表示パネル(10)の内、固定表示部(3)の設置領域と可動表示部(2)が重なった領域との間にもウィジェットWが表示される。従って、図43(a)及び図43(b)に示す様に、ウィジェットWを表示するための表示領域が拡大することになる。
図44は、ホーム画面の画像の表示形態の他の例を示す図である。図42に示される表示形態において、ユーザが第1液晶表示パネル(10)上の入力用タッチパネル(12)を操作して、メニュー画面に移行するためのアイコンCを選択することにより、図44に示す様に、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)はメニュー画面に移行する。ここで、メニュー画面は、各種機能に対応する複数のメニューアイコンDが一覧表示された画面である。
図45(a)及び図45(b)は、図44に示されるホーム画面で実行可能な操作の説明に用いられる図である。図45(a)に示す様に、この操作においては、ユーザが可動表示部(2)を当接位置から機器本体(1)の長手方向(91)にスライドさせることにより、可動表示部(2)の移動量(即ち、第2液晶表示パネル(20)の移動量)に応じて、複数のメニューアイコンDの列が左方に移動(スライドイン)して、第1液晶表示パネル(10)の内、固定表示部(3)の設置領域と可動表示部(2)が重なった領域との間にもメニューアイコンDが表示される。従って、図45(a)及び図45(b)に示す様に、メニューアイコンDを表示するための表示領域が拡大することになる。
図46は、図44に示されるホーム画面で実行可能な他の操作の説明に用いられる図である。図46に示す様に、この操作においては、ユーザが、入力用タッチパネル(12)(25)(33)を操作してメニューアイコンDを第2液晶表示パネル(20)(30)から第1液晶表示パネル(10)に移動させることにより、該メニューアイコンDのショートカットアイコンSが第1液晶表示パネル(10)に作成される。
図47は、図45(b)に示されるホーム画面で実行可能な操作の説明に用いられる図である。図47に示す様に、この操作においては、ユーザが、第1液晶表示パネル(10)上の入力用タッチパネル(12)を操作して、第1液晶表示パネル(10)の内、第2液晶表示パネル(20)(30)と重なることがない領域RにメニューアイコンDを移動させることにより、該領域RにショートカットアイコンSが作成される。
図48は、図47に示されるホーム画面で実行可能な操作の説明に用いられる図である。図48に示す様に、この操作においては、ユーザが、可動表示部(2)を離間位置から当接位置までスライドさせることにより、領域Rに表示されているショートカットアイコンSが領域R内で再配列されて、ユーザが視認し易い位置に表示される。
図49は、上記携帯電話機の第1変形例を示すブロック図である。図49に示す様に、機器本体(1)には、加速度センサ(62)に替えて、2つの第2液晶表示パネル(20)(30)の開き状態と閉じ状態とを検知する状態検知手段(65)が設けられ、制御手段(64)は、状態検知手段(65)により検知される状態に応じて、第1液晶表示パネル(10)及び2つの第2液晶表示パネル(20)(30)に表示される画像の向きを変更してもよい。
第1変形例に係る携帯電話機によれば、上述した携帯電話機と同様、ユーザが携帯電話機を把持したときに該携帯電話機が有する標準の姿勢に応じた向きで、第1液晶表示パネル(10)及び2つの第2液晶表示パネル(20)(30)に画像を表示させることが出来る。
図50は、上記携帯電話機の第2変形例を示すブロック図である。図50に示す様に、機器本体(1)には、情報取得手段(63)に替えて、所定の経路に沿って可動表示部(2)(即ち、第2液晶表示パネル(20))が移動したか否かを検知する移動検知手段(66)が設けられ、制御手段(64)は、移動検知手段(66)の検知結果に基づいて、第1液晶表示パネル(10)及び2つの第2液晶表示パネル(20)(30)の画像表示動作を制御してもよい。
第2変形例に係る携帯電話機によれば、上述した携帯電話機と同様、可動表示部(2)(即ち、第2液晶表示パネル(20))を、第1液晶表示パネル(10)及び2つの第2液晶表示パネル(20)(30)に表示されている画像を操作する操作部として機能させることが出来る。
更に、上記携帯電話機の第3変形例として、該携帯電話機は、固定表示部(3)のない構成を有していてもよい。本変形例に係る携帯電話機によれば、ユーザに対する汎用性が高まる。具体的には、可動表示部(2)を機器本体(1)の右側の端部上に移動させることにより、ユーザは、右手(又は左手)で携帯電話機を把持して、該右手(又は左手)で第2液晶表示パネル(20)上の入力用タッチパネル(25)を操作することが可能となる。又、可動表示部(2)を機器本体(1)の左側の端部上に移動させることにより、ユーザは、左手(又は右手)で携帯電話機を把持して、該左手(又は右手)で第2液晶表示パネル(20)上の入力用タッチパネル(25)を操作することが可能となる。
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記携帯電話機は、固定表示部(3)を可動にした構成を有していてもよい。又、上記携帯電話機において視覚的に特徴を有する画像を表示させる必要がない場合、固定表示部(3)は、その背面側から入射された光を第2液晶表示パネル(30)の画像表示面(31)側へ透過させる構成を有していなくてもよい。可動表示部(2)についても同様である。
更に、上記携帯電話機は、第1液晶表示パネル(10)と第2液晶表示パネル(20)(30)の内、何れか一方のパネルの画像表示面にのみ入力用タッチパネルが設けられた構成を有していてもよい。又、第1液晶表示パネル(10)及び/又は第2液晶表示パネル(20)(30)に替えて、有機EL(Electroluminescence)表示パネル、LED(Light Emitting Diode)表示パネル等、種々の画像表示パネルを採用してもよい。
更に又、回路基板(6)と可動表示部(2)の第2液晶表示パネル(20)との電気的な接続には、フレキシルブルリード(5)による接続の他に、摺動接点を用いた接続を採用してもよい。
上記携帯電話機に採用した各種構成は、携帯電話機に限らず、液晶表示パネル等の画像表示パネルを有する種々の携帯型電子機器に適用することが出来る。