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JP2009057197A - エレベータの群管理制御装置 - Google Patents

エレベータの群管理制御装置 Download PDF

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JP2009057197A
JP2009057197A JP2007228137A JP2007228137A JP2009057197A JP 2009057197 A JP2009057197 A JP 2009057197A JP 2007228137 A JP2007228137 A JP 2007228137A JP 2007228137 A JP2007228137 A JP 2007228137A JP 2009057197 A JP2009057197 A JP 2009057197A
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Eiko Suzuki
英光 鈴木
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Toshiba Elevator and Building Systems Corp
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Toshiba Elevator Co Ltd
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Abstract

【課題】たとえ一つの昇降路1a〜1c内に互いに個別に移動制御する2つのかご2a、2bが組込まれていた場合であっても、各昇降路内の2つのかごを最適のゾーン4a〜4c内に待機させる。
【解決手段】建屋全体の需要量、及び建屋を構成する複数の階を複数のゾーン4a〜4cに分割した場合における各ゾーンの需要量を予測して需要予測テーブル12に記憶保持し、需要量が大きいゾーンに対してかごの待機台数を多く設定し、需要量が小さいゾーンに対してかごの待機台数を少なく設定する。さらに、建屋全体の需要量が大きいとき、各ゾーンで待機する同一昇降路内における2つのかごの待機間隔を短く設定し、建屋全体の需要量が小さいと前記かごの待機間隔を長く設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、各階の乗場呼び登録装置で生じた呼びに対して複数のかごから最適のかごを当該呼びに応答させるエレベータの群管理制御装置に係わり、特に、一つの昇降路内に2つのかごが組込まれたエレベータの群管理制御装置に関する。
近年、都会のビルにおいては、ビルの床面積を有効に使用するために、少ない設置面積で多くの利用客を搬送できるエレベータの開発が求められている。このようなエレベータとして、一つの昇降路内に2つのかごが組込まれたダブルデッキエレベータが実用化されている。このダブルデッキエレベータにおいては、上下に隣接する2つの階に跨る2つのかごを上下に連結して、上下二つの階で同時に各かごに利用客を乗降させ、2つのかごをまとめて、昇降路内を上下移動させる。
さらに、このようなダブルデッキエレベータにおける上下に連結された2つのかごを切り離して、各かごを互いに個別に移動制御することによって、利用者の利便性をさらに向上させることが考えられる。なお、この場合、昇降路内でかごどうしが衝突することを防止するために安全対策が講じられている。
また、エレベータを別の技術的観点から検証する。大規模ビル等のように多数のエレベータ(かご)が設置されている場合においては、出勤時間帯や昼の食事時間帯や退勤時間帯においては、エレベータの利用効率は高いが、その他の時間帯においては、エレベータの利用効率は高くない。
エレベータの利用者が無くなった場合に、従来は、当該エレベータのかごは最終の利用者がこのかごから降りた階に停止している場合が多い。しかし、近年になって、利用客が比較的多い階へかごを戻して、この階に待機させることによって、利用客の待ち時間を短縮する手法が実用化されている。
このかご待機階、及びこのかご待機階に待機させるかごの待機数を、定量的に定める手法として、1日の各時間帯毎の各階の乗車人数、降車人数、予測される乗車予定者のかご待ち時間、等に基づいて決める手法が提唱されている(特許文献1参照)。
特開2005―324953号公報
しかしながら、上述したエレベータの利用者が無くなった場合において、各かごを最適の階へ待機させる技術を、前述した一つの昇降路内に互いに個別に移動制御する2つのかごを組込んだエレベータシステムに適用すれば、昇降路内における各かごの位置関係や各かごの移動の制約から最適結果が得られない問題がある。
例えば、同一昇降路内のかご相互間の動作制約から、一方のかごを最適階へ待機移動させると、他方のかごは衝突を避けるために、反対方向へ移動することがある。その反対方向への移動に起因して利用者の待ち時間が長くなることが考えられる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、たとえ一つの昇降路内に互いに個別に移動制御する2つのかごが組込まれていた場合であっても、呼びに応答中でない各昇降路内の2つのかごを最適のゾーン内に、かつ当該ゾーン内で最良の位置関係を維持した状態で待機でき、結果として、利用客が集中するゾーンには多くのかごが集中待機し、利用客が集中しないゾーンには少ないかごが分散待機し、利用客全体に対するかごの待ち時間を短縮でき、サービスを向上できるエレベータの群管理制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解消するために、本発明は、一つの建屋に形成された複数の昇降路における各昇降路内に互いに個別に移動制御される2つのかごを収納し、各階の乗場呼び装置からの呼びに応じて、各昇降路に収納されたかごから最適のかごを選択して、当該かごを呼びの指定する階に移動制御するエレベータの群管理制御装置において、
建屋の各階の乗場における需要量を検出する需要量検出手段と、この需要量検出手段にて検出された各需要量を用いて、建屋全体の需要量、及び建屋を構成する複数の階を複数のゾーンに分割した場合における各ゾーンの需要量を予測する需要予測手段と、呼び応答中でない各かごを各ゾーンに待機させるかごゾーン待機手段と、需要予測手段にて予測された需要量が大きいゾーンに対してかごの待機台数を多く設定し、需要量が小さいゾーンに対してかごの待機台数を少なく設定するゾーン待機台数設定手段と、需要予測手段にて予測された建屋全体の需要量が大きいとき、各ゾーンで待機する同一昇降路内における2つのかごの待機間隔を短く設定し、建屋全体の需要量が小さいとかごの待機間隔を長く設定するかご待機間隔設定手段とを備えている。
このように構成されたエレベータの群管理制御装置においては、需要量が大きいゾーンに対してかごの待機台数が多く設定され、需要量が小さいゾーンに対してかごの待機台数が少なく設定される。したがって、利用客が集中するゾーンには、多くのかごが待機するので、利用客の平均待ち時間を短縮できる。
さらに、建屋全体の需要量が大きいとき、各ゾーンで待機する同一昇降路内における2つのかごの待機間隔を短くしているので、集中した利用客を効率的に待機している各かごに導くことができる。逆に、建屋全体の需要量が小さいとき、各ゾーンで待機する同一昇降路内における2つのかごの待機間隔を長くしているので、分散した利用客を効率的に待機している各かごに導くことができる。
また、別の発明は、上述したエレベータの群管理制御装置において、建屋の各階の乗場における需要量を検出する需要量検出手段と、この需要量検出手段にて検出された各需要量を用いて、建屋を構成する複数の階を複数のゾーンに分割した場合における各ゾーンの需要量を予測する需要予測手段と、呼び応答中でない各かごを各ゾーンに待機させるかごゾーン待機手段と、需要予測手段にて予測された需要量が大きいゾーンに対してかごの待機台数を多く設定し、需要量が小さいゾーンに対してかごの待機台数を少なく設定するゾーン待機台数設定手段と、需要予測手段にて予測された需要量が大きいゾーンに対して、当該ゾーンで待機する同一昇降路内における2つのかごの待機間隔を短く設定し、需要量が小さいゾーンに対して、当該ゾーンで待機する同一昇降路内における2つのかごの待機間隔を長く設定するかご待機間隔設定手段とを備えている。
このように構成されたエレベータの群管理制御装置においては、需要量が大きいゾーンに対して2つのかごの待機間隔を短く設定し、需要量が小さいゾーンに対して2つのかごの待機間隔を長く設定している。このように、この発明においては、ゾーン毎に、待機台(かご)数と、ゾーン内でのかごの待機間粥が設定されるので、より一層、利用客の待ち時間が短縮される。
また、別の発明は、上述した各発明のエレベータの群管理制御装置において、需要量予測手段は、1日の各時間帯毎に各ゾーンの需要量を予測している。また、ゾーン待機台数設定手段は1日の各時間帯毎にかごの待機台数を設定し、さらに、かご待機間隔設定手段は1日の各時間帯毎にかごの待機間隔を設定する。
このような構成においては、1日の例えば、出勤時間帯、日中時間帯、退社時間帯における各時間帯毎に、各ゾーンにおいて、最良の待機状態に維持されているので、より一層、利用客の待ち時間が短縮される。
さらに別の発明は、上述した各発明のエレベータの群管理制御装置において、ゾーン待機台数設定手段は、各ゾーンに対して、同一昇降路内における2つのかごを単位として待機台数を設定する。
このような構成においては、たとえ一つの昇降路内に互いに個別に移動制御する2つのかごが組込まれていた場合であっても、呼びに応答中でない各昇降路内の2つのかごを重要量で定まる最適のゾーン内に最適のかご待機台数が設定される。
以下、本発明の各実施形態を図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係わるエレベータの群管理制御装置が組込まれたエレベータシステムの概略構成図である。
例えば1階(F)〜30階(F)の合計30の階床を有する建屋には互いに接近して3つの昇降路1a、1b、1cが形成されている。各昇降路1a、1b、1cには各号機別制御部3a、3b、3cでそれぞれ互いに個別に移動制御される2つのかご2a、2bが収納されている。したがって、この建物においては同時に合計6台のかご2a、2bで利用客を搬送することができる。この場合、各号機制御部3a、3b、3cは、同一昇降路1a、1b、1c内を個別に上下移動制御される2つのかご2a、2bどうしが衝突することを防止するために図6(a)〜(d)に示す制約が設定されている。
すなわち、図6(a)に示す両者が同一方向の運転、図6(b)示す両者が互いに反対方向への移動は無条件に許可されるが、図6(c)に示す両者が互いに接近する方向への運転は禁止する。そして、図6(d)に示すように、一方のかご2bを停止状態においては、他方のかご2bを一方のかご2aへ接近させることが可能である。この場合、かご2a、2bの上下関係は固定であるので、他方のかご2bを一方のかご2aの停止位置を超えて移動させるためには、利用客が乗車してない停止中のかご2bを移動中のかごと同一方向へ移動する。
建屋を構成する1階(F)〜30階(F)の合計30階を、1階(F)〜10階(F)のAゾーン4aと、11階(F)〜20階(F)のBゾーン4bと、21階(F)〜30階(F)のCゾーン4cとの3つのゾーン4a〜4cに便宜的に分割する。
また、建屋の1階(F)〜30階(F)の各階のエレベータホール(乗場)には、乗場呼び登録装置5が設けられている。エレベータホールの利用者が乗場呼び登録装置5の呼びボタンを押すと該当階を指定した「呼び」がエレベータの群管理制御装置6内の乗場呼び入力部7へ入力される。また、図示しないが、各かご2a、2b内には、このかご2a、2bに乗込んだ利用客が自己の行き先階を指定するためのかご呼び登録装置が取付けられ、このかご呼び登録装置から出力された行き先階を指定した「呼び」は自己のかご2a、2bを管理する号機別制御部3a〜3cへ入力される。
さらに、建屋の1階(F)〜30階(F)の各階のエレベータホール(乗場)には、このエレベータホールにて、かご待ち状態の利用者を含むエレベータホール全体像を撮影する需要量検出手段としての監視カメラ8が備えられている。各階の監視カメラ8で撮影された各階のエレベータホール全体の動画像は、群管理制御装置6内の需要量算出部9へ送出される。
需要量算出部9は、各階の監視カメラ8から入力される各階のエレベータホール全体の動画像を1日24時間分収録し、時計回路10にて指定された、出勤時間帯(8:00〜10:00)、日中時間帯(10:00〜16:00)、退社時間帯(16:00〜18:00)の各時間帯毎の単位時間当たりの各階のエレベータホールの利用者数を周知の画像処理手法で算出する。さらに、この建屋全体を示す30階分の各時間帯毎のエレベータホールの利用者数を、A、B、Cの3つのゾーン4a〜4c毎に集約する。そして、最終的に、各時間帯における各ゾーン4a〜4cの合計9つの利用者数をそれぞれ該当条件の需要量GZTとして、ゾーン・時間帯別需要予測部11へ送出する。さらに、需要量算出部9は、時間帯毎にこの建屋の全部の階(全部のゾーン)を集計した時間帯別全需要量GTAをゾーン・時間帯別需要予測部11へ送出する。
ゾーン・時間帯別需要予測部11は、需要量算出部9から入力した、各時間帯における各ゾーン4a〜4cの需要量GZT、時間帯別全需要量GTAを用いて図2に示す需要予測テーブル12を作成する。具体的には、各需要量GZT、時間帯別全需要量GTAを「大」、「中」、「小」の3段階又は「大」、「小」の2段階に分類して需要予測テーブル12の各領域に書込む。
例えば、出勤時間帯(8:00〜10:00)においては、建屋全体を示す時間帯別全需要量GTAは「大」であり、Aゾーン4aの需要量GZTは「大」であり、Bゾーン4bの需要量GZTは「中」であり、Cゾーン4cの需要量GZTは「小」である。
また、日中時間帯(10:00〜16:00)においては、建屋全体を示す時間帯別全需要量GTAは「小」であり、Aゾーン4aの需要量GZTは「小」であり、Bゾーン4bの需要量GZTは「中」であり、Cゾーン4cの需要量GZTは「小」である。
さらに、退社時間帯(16:00〜18:00)においては、建屋全体を示す時間帯別全需要量GTAは「大」であり、Aゾーン4aの需要量GZTは「小」であり、Bゾーン4bの需要量GZTは「大」であり、Cゾーン4cの需要量GZTは「中」である。
需要予測テーブル12の作成が終了すると、ゾーン別待機台数設定部13、建屋全体待機間隔設定部14が起動して、図3に示すかご待機テーブル15を作成する。具体的には、ゾーン別待機台数設定部13は、図2の需要予測テーブル12に設定された各時間帯の「大」、「中」、「小」の各需要量GZTに対応して「4台」「2台」「0台」の各かごの待機台数を対応するゾーンに設定する。なお、各ゾーンに割当るかご2a、2bの台数は、一つの昇降路1a、1b、1c内に収納したかごの台数である2の整数倍に設定する。
例えば、出勤時間帯(8:00〜10:00)においては、Aゾーン4aの「大」の需要量GZTに対して「4台」のかごの待機が設定され、Bゾーン4bの需要量GZTは「中」であるので、かごの待機として「2台」が設定され、Cゾーン4cの需要量GZTは「小」であるので、かごは1台も待機されない。
建屋全体待機間隔設定部14は、図2の需要予測テーブル12に示す建屋全体を示す時間帯別全需要量GTAの値が「大」きいとき、図5(a)に示すように、各ゾーンで待機する同一昇降路1a〜1c内における2つのかごの待機間隔LMを短く(LM=2階分)設定する。一方、建屋全体を示す時間帯別全需要量GTAの値が「小さい」きいとき、図5(b)に示すように、各ゾーンで待機する同一昇降路1a〜1c内における2つのかごの待機間隔LMを長く(LM=5階分)設定する。
例えば、図3のかご待機テーブル15における、出勤時間帯(8:00〜10:00)においては、前述したように、Aゾーン4aの「大」の需要量GZTに対して「4台」のかごの待機が設定され、Bゾーン4bの需要量GZTは「中」であるので、かごの待機として「2台」が設定され、Cゾーン4cの需要量GZTは「小」であるので、かごは1台も待機されない。そして、Aゾーン、Bゾーンに待機された合計6個(3組み)の各待機間隔LMは、図5(a)に示すように、短く設定されている(LM=2階分)。
図1において、かご待機状態テーブル16は、現在の時間帯と、かご待機テーブル15に待機と設定されている数のうち、呼び応答中でなく実際に待機状態であるのかご2a、2bを特定するかご番号、及びかごの待機間隔LMとを記憶する。
以上の準備処理が終了すると、このエレベータシステムは、利用客に対する実際のエレベータの運転を開始する。
すなわち、乗場呼び入力部7に各乗場呼び登録装置5から階を指定した「呼び」が入力されると、呼び割付状態検出部17が各号機別制御部3a〜3cを検索して、この時点で乗場呼び登録装置5からの「呼び」、及びかご呼び登録装置からの「呼び」が割付られていないかごを検出して、呼び割付部19へ送出する。また、かご位置検出部18は、各号機別制御部3a〜3cを検索して、各かご2a、2bの現在位置(階)を検出して、呼び割付部19へ送出する。
制約メモリ20には、一つの昇降路1a、1b、1cには各号機別制御部3a、3b、3cでそれぞれ互いに個別に移動制御される2つのかご2a、2bが収納されていることに起因する各かご2a、2bを移動制御する場合における前述した図6(a)〜(d)に示した各種の制約が記憶されている。
そして、呼び割付部19は、今回、乗場呼び入力部7に入力された「呼び」を、前述した制約、現在位置、割付済み呼び等を参照して、6台のかご2a、2bのうちから最良の1台のかご2a、2bを選択して割付ける。なお、かご待機状態テーブル16に記憶されている待機中のかご2a、2bに呼びを割り付けた場合は、当該かご2a,2bをかご待機状態テーブル16から削除する。そして、この呼びが割り付けられたかごが所属する号機別制御部3a,3b、3cは当該かご2a、2bを呼びが指定する階へ移動させる。
呼び割付解除検出部21は、各号機別制御部3a〜3cを監視し、目的階へ到着して、呼びが解除されたかご2a,2bを検出すると、このかご2a,2bを待機階移動部22へ送出する。待機階移動部22は、かご待機テーブル15の現在の時間帯のA、B、Cの各ゾーンにおける規定の待機台数と、かご待機状態テーブル16の各ゾーンの実際の待機台数とを比較して、かご待機状態テーブル16に規定の待機台数に満たないゾーン4a〜4cがあれば、今回の呼び解除されたかごを、かご待機状態テーブル16の当該ゾーンに書込む。
そして、待機階移動部22は、今回のかごを当該ゾーン4a、4b、4cへ移動させる指令を当該かごが所属する号機別制御部3a,3b、3cへ送出する。
すなわち、かご待機状態テーブル16の規定の待機台数に満たないゾーンに今回呼び解除されたかごと同一昇降路1a、1b、1cに所属するかごが記憶されていた場合、及び同一昇降路1a、1b、1cに所属する他のかごも呼びが解除された場合においては、図5(a)(b)に示すように、この同一昇降路1a、1b、1cの一対のかご2a、2bをかご待機状態テーブル16に書込まれている待機距離LMだけ離間させて、当該ゾーンに待機させるための移動指令を当該かごが所属する号機別制御部3a,3b、3cへ送出する。そして、今回のかごをかご待機状態テーブル16に書込む。なお、単独でかごを待機させる場合は、当該かごを待機間隔の中心階に待機させる。
このように構成されたエレベータの群管理制御装置6は図7の流れ図に従ってかご待機に対する準備処理を実施する。先ず、1日のうちの出勤時間帯、日中時間帯、退社時間帯の各時間帯毎の単位時間当たりの各階のエレベータホールの利用者数を検出する(ステップS1)。次に、ゾーン・時間帯別需要予測を行い(S2)、需要予測テーブル12を作成する(S3)。その後、この需要予測テーブル12の各需要量に基づいて、各ゾーンにおけるかごの待機台数を決定し(S4)、さらに建屋全体の需要量に基づいて同一昇降路内におけるかご相互間の待機間隔を決定して(S5)、かご待機テーブル15を作成すする(S6)。
以上のかご待機に対する準備処理が終了すると、エレベータの群管理制御装置6は図8の流れ図に従ってエレベータの運転処理を実施する。現在時刻がかご待機テーブル15に設定されている新規の時間帯に入ると(ステップQ1)、現在待機中のかごを新規の時間帯に設定されたゾーンに移動待機させたのち、かご待機状態テーブル16の記憶内容を更新する(Q2)。
移動階を指定した「呼び」が入力すると(Q3)、最適なかごにこの呼びを割当る(Q4)。そして、当該かごを「呼び」が指定した階へ移動させる(Q5)。そして、この移動によって、かご待機状態テーブル16の更新が必要な場合は(Q6)、このかご待機状態テーブル16の内容を更新する(Q7)。
また、呼びが解除されたかご2a,2bを検出すると(Q8)、かご待機テーブル15の現在の時間帯の各ゾーンにおける規定の待機台数と、かご待機状態テーブル16の各ゾーンの実際の待機台数とを比較して(Q9)、かご待機状態テーブル16に規定の待機台数に満たないゾーン4a〜4cがあれば、今回の呼び解除されたかごを当該ゾーン4a、4b、4cへ移動させる(Q10)。その後、かご待機状態テーブル16の当該ゾーンに当該かごを書き込む(Q11)。
このように構成された第1実施形態のエレベータの群管理制御装置6においては、利用客が多いゾーン4a〜4cに対してかご2a,2bの待機台数が多く設定され、利用客が少ないゾーン4a〜4cに対してかご2a,2bの待機台数が少なく設定される。したがって、利用客が集中するゾーンには、多くのかごが待機するので、利用客の平均待ち時間を短縮できる。
さらに、建屋全体の需要量が大きいとき、各ゾーンで待機する同一昇降路内における2つのかご2a、2bの待機間隔LMを例えば2階分等のように短くしているので、集中した利用客を効率的に待機している各かごに導くことができる。逆に、建屋全体の需要量が小さいとき、各ゾーンで待機する同一昇降路内における2つのかごの待機間隔を長くしているので、分散した利用客を効率的に待機している各かごに導くことができる。
(第2実施形態)
図9は本発明の第2実施形態に係わるエレベータの群管理制御装置6aが組込まれたエレベータシステムの概略構成図である。図1に示す第1実施形態に係わるエレベータの群管理制御装置6と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。したがって、異なる部分を詳細に説明する。
この第2実施形態のエレベータの群管理制御装置6aにおいては、図1の第1実施形態の群管理制御装置6における建屋全体待機間隔設定部14の代りに、ゾーン別待機間隔設定部14aが設けられている。
需要予測テーブル12には、図10に示すように、図1の第1実施形態の群管理制御装置6における需要予測テーブル12と同様に、各時間帯におけるA,B、Cの各ゾーン4a、4b、4cにおける「大」、「中」、「小」の各需要量が書込まれている。
また、かご待機テーブル15aにおいては、図11に示すように、各時間帯におけるA、B、Cの各ゾーン4a、4b、4cに、第1実施形態のかご待機テーブル15のかごの待機台数に加えて、かごの待機間隔LMが設定される。すなわち、第1実施形態のかご待機テーブル15においては、かごの待機間隔LMは時間帯毎に全てのゾーンに対して同一値が設定されていたが、この第2実施形態においては、各時間帯における各ゾーン毎に、該当ゾーン4a、4b、4cにおける」「大」、「中」、「小」の各需要量に応じて個別に、「短く」、又は「長く」設定される。
そして、ゾーン別待機台数設定部13は、図10の需要予測テーブル12に設定された各時間帯の「大」、「中」、「小」の各需要量GZTに対応して「4台」「2台」「0台」の待機台数を、図11に示す、かご待機テーブル15aにおける各時間帯におけるA,B、Cの各ゾーン4a、4b、4cに設定する。
さらに、ゾーン別待機間隔設定部14aは、図10の需要予測テーブル12に設定された各時間帯におけるA〜Cの各ゾーンの「大」、「中」、「小」の各需要量GZTに対応して「短い(2F間隔分)」、「長い(5F間隔分)」等の待機間隔LMを、図11に示す、かご待機テーブル15aにおける各時間帯におけるA,B、Cの各ゾーン4a、4b、4cに設定する。
例えば、図10のかご待機テーブル15aにおける、出勤時間帯(8:00〜10:00)においては、前述したように、Aゾーン4aの「大」の需要量GZTに対して「4台」のかごの待機が設定され、かつAゾーン4aの「大」の需要量GZTに対して「短い(2F間隔分)」の待機間隔LMが設定されている。Bゾーン4bの需要量GZTは「中」であるので、かごの待機として「2台」が設定され、待機間隔LM=長い(5F)が設定されている。また、Cゾーン4cの需要量GZTは「小」であるので、かごは1台も待機されない。さらに、待機間隔LTMは設定されていない。
したがって、かご待機状態テーブル16aには、図12で示すように、現在の時間帯におけるA、B、Cの各ゾーンには、現在時点で実際に待機している各かごの番号の他に、待機間隔TMが記憶されている。
そして、図9における待機階移動部22aは、かご待機テーブル15aの現在の時間帯の各ゾーンにおける規定の待機台数と、かご待機状態テーブル16aの各ゾーンの実際の待機台数とを比較して、かご待機状態テーブル16aに規定の待機台数に満たないゾーン4a〜4cがあれば、今回の呼び解除されたかごを、かご待機状態テーブル16の当該ゾーンに書込む。同時に、このかご待機状態テーブル16aの該当ゾーンにかご待機テーブル15aの対応すろゾーンに記憶されている待機間隔LMを書込む。
そして、待機階移動部22aは、今回のかごを、このゾーンに指定された待機間隔LMを維持した条件で当該ゾーン4a、4b、4cへ移動させる移動指令を当該かごが所属する号機別制御部3a,3b、3cへ送出する。なお、具体的なかご2a、2bに対する移動処理は、前述した第1実施形態の待機階移動部22aとほぼ同じであるので、説明を省略する。
このように構成されたエレベータの群管理制御装置6aは図13の流れ図に従ってかご待機に対する準備処理を実施する。先ず、1日のうちの出勤時間帯、日中時間帯、退社時間帯の各時間帯毎の単位時間当たりの各階のエレベータホールの利用者数を検出する(ステップR1)。次に、ゾーン・時間帯別需要予測を行い(R2)、需要予測テーブル12を作成する(R3)。その後、この需要予測テーブル12の各需要量に基づいて、各ゾーンにおけるかごの待機台数を決定し(R4)、さらに需要予測テーブル12の各需要量に基づいて、各ゾーンにおける同一昇降路内におけるかご相互間の待機間隔を決定して(R5)かご待機テーブル15aを作成すする(R6)。
以上のかご待機に対する準備処理が終了すると、エレベータの群管理制御装置6aはエレベータの運転処理を実施する。このエレベータの運転処理は図8に示す第1実施形態におけるエレベータの運転処理とほぼ同じであるので説明を省略する。
このように構成された第2実施形態のエレベータの群管理制御装置6aにおいても、先に説明した第1実施形態の群管理制御装置6aと同様に、利用客が多いゾーン4a〜4cに対してかご2a,2bの待機台数が多く設定され、利用客が少ないゾーン4a〜4cに対してかご2a,2bの待機台数が少なく設定される。したがって、利用客が集中するゾーンには、多くのかごが待機するので、利用客の平均待ち時間を短縮できる。
さらに、この第2実施形態においては、ゾーン毎に当該ゾーンで待機する同一昇降路内における2つのかご2a、2bの待機間隔LMを変更している。
このように、ゾーン毎に、待機台(かご)数と、ゾーン内でのかごの待機間粥が設定されるので、より一層、利用客の待ち時間が短縮される。
本発明の第1実施形態に係わるエレベータの群管理制御装置が組込まれたエレベータシステムの概略構成図 同群管理制御装置内に形成された需要予測テーブルの記憶内容を示す図 同群管理制御装置内に形成されたかご待機テーブルの記憶内容を示す図 同群管理制御装置内に形成されたかご待機状態テーブルの記憶内容を示す図 同群管理制御装置における同一昇降路内におけるかごの待機間隔を示す図 同群管理制御装置における同一昇降路内における2つのかごの移動に関する制約を示す図 同群管理制御装置の準備動作を示す流れ図 同群管理制御装置のエレベータ運転動作を示す流れ図 本発明の第2実施形態に係わるエレベータの群管理制御装置が組込まれたエレベータシステムの概略構成図 同群管理制御装置内に形成された需要予測テーブルの記憶内容を示す図 同群管理制御装置内に形成されたかご待機テーブルの記憶内容を示す図 同群管理制御装置内に形成されたかご待機状態テーブルの記憶内容を示す図 同群管理制御装置の準備動作を示す流れ図
符号の説明
1a,1b,1c…昇降路、2a,2b…かご、3a,3b,3c…号機別制御部、4a,4b,4c…ゾーン、5…乗場呼び登録装置、6,6a…群管理制御装置、7…乗場呼び入力部、8…監視カメラ、9…需要量算出部、10…時計回路、11…ゾーン・時間帯別需要予測部、12…需要予測テーブル、13…ゾーン別待機台数設定部、14…建屋全体待機間隔設定部、14a…ゾーン別待機間隔設定部、15,15a…かご待機テーブル、16,16a…かご待機状態テーブル、17…呼び割付状態検出部、18…かご位置検出部、19…呼び割付部、20…制約メモリ、21…呼び割付解除検出部、22,22a…待機階移動部

Claims (4)

  1. 一つの建屋に形成された複数の昇降路における各昇降路内に互いに個別に移動制御される2つのかごを収納し、各階の乗場呼び装置からの呼びに応じて、前記各昇降路に収納されたかごから最適のかごを選択して、当該かごを前記呼びの指定する階に移動制御するエレベータの群管理制御装置において、
    前記建屋の各階の乗場における需要量を検出する需要量検出手段と、
    この需要量検出手段にて検出された各需要量を用いて、前記建屋全体の需要量、及び前記建屋を構成する複数の階を複数のゾーンに分割した場合における各ゾーンの需要量を予測する需要予測手段と、
    呼び応答中でない各かごを各ゾーンに待機させるかごゾーン待機手段と、
    前記需要予測手段にて予測された需要量が大きいゾーンに対してかごの待機台数を多く設定し、需要量が小さいゾーンに対してかごの待機台数を少なく設定するゾーン待機台数設定手段と、
    前記需要予測手段にて予測された建屋全体の需要量が大きいとき、前記各ゾーンで待機する同一昇降路内における2つのかごの待機間隔を短く設定し、前記建屋全体の需要量が小さいと前記かごの待機間隔を長く設定するかご待機間隔設定手段と
    を備えたことを特徴とするエレベータの群管理制御装置。
  2. 一つの建屋に形成された複数の昇降路における各昇降路内に互いに個別に移動制御される2つのかごを収納し、各階の乗場呼び装置からの呼びに応じて、前記各昇降路に収納されたかごから最適のかごを選択して、当該かごを前記呼びの指定する階に移動制御するエレベータの群管理制御装置において、
    前記建屋の各階の乗場における需要量を検出する需要量検出手段と、
    この需要量検出手段にて検出された各需要量を用いて、前記建屋を構成する複数の階を複数のゾーンに分割した場合における各ゾーンの需要量を予測する需要予測手段と、
    呼び応答中でない各かごを各ゾーンに待機させるかごゾーン待機手段と、
    前記需要予測手段にて予測された需要量が大きいゾーンに対してかごの待機台数を多く設定し、需要量が小さいゾーンに対してかごの待機台数を少なく設定するゾーン待機台数設定手段と、
    前記需要予測手段にて予測された需要量が大きいゾーンに対して、当該ゾーンで待機する同一昇降路内における2つのかごの待機間隔を短く設定し、前記需要量が小さいゾーンに対して、当該ゾーンで待機する同一昇降路内における2つのかごの待機間隔を長く設定するかご待機間隔設定手段と
    を備えたことを特徴とするエレベータの群管理制御装置。
  3. 前記需要量予測手段は、1日の各時間帯毎に前記各ゾーンの需要量を予測し、
    前記ゾーン待機台数設定手段は1日の各時間帯毎に前記かごの待機台数を設定し、
    前記かご待機間隔設定手段は1日の各時間帯毎に前記かごの待機間隔を設定する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のエレベータの群管理制御装置。
  4. 前記ゾーン待機台数設定手段は、各ゾーンに対して、同一昇降路内における2つのかごを単位として待機台数を設定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のエレベータの群管理制御装置。
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