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JP2008194633A - 湿分分離装置及びその波板製造方法 - Google Patents

湿分分離装置及びその波板製造方法 Download PDF

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JP2008194633A JP2007033419A JP2007033419A JP2008194633A JP 2008194633 A JP2008194633 A JP 2008194633A JP 2007033419 A JP2007033419 A JP 2007033419A JP 2007033419 A JP2007033419 A JP 2007033419A JP 2008194633 A JP2008194633 A JP 2008194633A
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Kazusaku Fujita
一作 藤田
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Abstract

【課題】発電プラントに適用される湿分分離装置において、湿り蒸気に含まれる液滴の捕集能力を向上させて捕集効率を向上させるとともに、波板の製造工程を簡素化して製造コストを節減する。
【解決手段】相互に所定の間隔を隔てて配設された複数の波板を備え、該波板間に形成された流路に湿り蒸気を流して該湿り蒸気中の液滴を捕集する湿分分離装置において、波板83が交互に山谷を形成したジグザグ形状の断面を有し、該波板の山頂部86に平坦部を設け、該平坦部を覆いかつ該波板表面に沿って流れる湿り蒸気流S1に向かって開口する液滴捕集ポケット84を備え、該液滴捕集ポケットの内部空間の幅c及び奥行bを該液滴捕集ポケットの入口開口幅aより大きく形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば原子力発電所等の発電プラントに適用される湿分分離装置ないし湿分分離加熱装置に関し、詳しくは蒸気発生器又は蒸気タービンから供給される湿り蒸気から湿分を分離して、タービン側に供給するための湿分分離装置及び該湿分分離装置に設けられる波板の製造方法に関する。
従来、原子力発電所等の発電所で用いられている湿分分離装置は、一般に蒸気発生器から供給されるか、あるいは蒸気タービンから排出される湿り蒸気から液滴を除去することによって湿分を分離し、タービン側に乾いた蒸気を供給するのに用いられている。これによってタービンの回転効率を上げ、発電効率が向上する。
従来の湿分分離(加熱)装置を図5〜7に基づいて説明する。図5は、従来の湿分分離装置の縦断立面図、図6は図5中のA―A線に沿う横断側面図、図7は前記湿分分離装置に設けられた湿分分離部(波板設置部)を示す斜視図である。
図5及び図6において、湿分分離器01は、左右の鏡板03及び04と中央の円筒形状の胴板02とからなる。胴板02と鏡板03及び04との間には仕切板05及び06が設けられている。胴板02の中央には長手方向に2本の蒸気管07が配置され、その下方には長手方向に多数の波板083が相互に間隔をもって並列に並べられた湿分分離部08が配置されている。図7に示すように、波板083は交互に山谷を形成したジグザグ形状をなし、波板間に形成したジグザグ形状の流路に湿り蒸気S1を通すことによって液滴を捕集する。捕集された液滴は波板083の表面を伝って流下し、ドレン出口管09から外部に排出される。
図5に示すように、鏡板04には蒸気室鏡板010が設けられ、蒸気室鏡板010には高温蒸気hが供給される入口管011と、熱交換後の該高温蒸気hが排出される出口管012と、入口側と出口側とを仕切る仕切板013が設けられている。湿分分離器01の上部には多数の加熱管からなる加熱管群015が長手方向に設けられている。加熱管群015は管板014と仕切板015とで支持されている。
高温蒸気hは、供給源である図示しない蒸気発生器等から入口管011に供給される。高温蒸気hは鏡板010を経て加熱管群015を流れ、折り返し部015aを経て鏡板010に戻り、その後出口管012から外部に排出される。鏡板03には湿り蒸気S1の蒸気入口管016が設けられ、胴板02の上部には液滴を除去された乾き蒸気S2が排出される蒸気出口管017が設けられている。
かかる構成において、蒸気入口管016から液滴を含んだ湿り蒸気S1が供給され、2本の蒸気管07に流入する。蒸気管07に流入した湿り蒸気S1は、蒸気管07の下側円周面に設けられたスリット07aから蒸気管07の外部に流出し、その後多数の波板083が並設された湿分分離部08に入る。
次に、図7により湿分分離部08の構成を説明する。図7において、湿分分離部08では、上部枠081と下部枠082との間に多数の波板083が装架されている。波板083は山谷が形成され、各山頂部に液滴捕集板084が取り付けられている。そして湿り蒸気S1が矢印方向から湿分分離部08に流入し、湿り蒸気S1に含まれる液滴が波板083の表面に付着する。そして波板083の表面に沿って湿り蒸気S1の流れ方向に流れる液滴は、液滴捕集板084に受け止められ、液滴捕集板084の内側に滞留する。
そして、そこから波板表面に沿って下方に流下し、下方に設けられた溝085に流れ落ちる。また湿り蒸気S1の流れに乗って飛んでくる液滴も波板083に衝突し、液滴捕集板084に同様の作用で捕集されて湿り蒸気S1から分離される。
湿分分離部08で液滴が除去された湿り蒸気S1は、上昇して加熱管群015の間を通る。このとき加熱管群015を流れる高温蒸気hで加熱される。加熱された蒸気は乾き蒸気S2となって蒸気出口管017から湿分分離器01の外部に排出され、タービン側に送られる。
特許文献1(特開平6−222190号公報)の図10には、湿分分離器に用いられる波板の構成が開示されている。この波板の構成を図8に示す。図8において、捕集流路092内に突出して複数の略L字型の液滴分離板093a、093b、093c、093dが波板091に接続され、それぞれ液滴を捕集するドレンポケット094a、094b、094c、094dを形成している。また、波板091の出口側端部は折り畳まれて液滴分離板093eが設けられ、ドレンポケット094eが形成されている。
また特許文献2(特開2002−311179号公報)の図13には、1枚の薄板を折り曲げ加工して製造された波板の構成が開示されている。この波板の構成を図9で説明する。図9において、波板0101によって構成されるジグザグ形状の流路0102には、流路入口0103から液滴を含んだ湿り蒸気S1が供給され、この湿り蒸気S1は流路0102に沿って流れる。また流路0102にはポケット0104が設けられている。そして流路0102に沿って流れる湿り蒸気S1のうち、比重の重い液滴は波板0101の壁面に衝突し、液膜となって該壁面に付着する。
該壁面に付着した液膜は湿り蒸気S1の流れ方向に移動するが、ポケット0104の曲面によって戻され、ポケット0104に捕集される。ポケット0104に捕集された液膜は自重によって落下し、図示しないドレン管を介して外部へ排出される。
特開平6−222190号公報(第14ページの段落〔0086〕及び図10) 特開2002−311179号公報(第3ページの段落〔0006〕〜〔0013〕及び図13)
特許文献1に開示された波板091は、曲がり部091a、091b、091c、091dに平坦面がないため、ドレンポケット094a、094b、094c、094d、094eの入口開口幅に対してドレンポケットの内部空間の幅を大きく取ることができない。また湿り蒸気流れ方向の奥行きを長く取ることができない。従って液滴の捕集量が少なく、該ドレンポケット内がすぐに液滴でいっぱいになるので、液滴捕集量を多く取ることができない。また該ドレンポケットの内部空間の幅を大きく取ることができないため、一旦液滴が該ドレンポケット内に入っても外に出やすいため、湿り蒸気から液滴を精度良く除去することができないという問題がある。
また波板091に液滴分離板093a、093b、093c、093d、093eを1個ずつ溶接等の方法で取り付けているため、その取り付け工数が膨大なものとなる。1基の湿分分離器には何千枚のも波板が配置され、1枚の波板に複数の液滴分離板を取り付ける必要があり、さらに1個の液滴分離板に複数箇所の点溶接を施した場合、1基の湿分分離器に要する溶接点数が膨大なものとなる。
また溶接工数が膨大であるため、溶接忘れや溶接不良が発生しやすく、このため液滴分離板が脱落する可能性もある。
また特許文献2に開示された構成の波板は、ポケット0104の容積が小さく、液滴の捕集量を多く取ることができない。またポケット0104の入口開口幅がポケット0104の内部空間の幅と同一なので、特許文献2に記述されているように、ポケット0104で捕集された液滴の一部が再飛散しやすい。従って、一旦ポケット0104に捕集された液滴が再飛散して流路0102に戻り、湿り蒸気S1と再合流することにより、ポケット0104による液滴の捕集効率が低下し、これによって湿分分離効率も低下するという問題がある。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、発電プラントに適用される湿分分離装置において、湿り蒸気に含まれる液滴の捕集能力を向上させて捕集効率を向上させるとともに、波板の製造工程を簡素化して製造コストを節減することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明の湿分分離装置は、
相互に所定の間隔を隔てて配設された複数の波板を備え、該波板間に形成された流路に湿り蒸気を流して該湿り蒸気中の液滴を捕集する湿分分離装置において、
前記波板が交互に山谷を形成したジグザグ形状の断面を有し、
該波板の山頂部に平坦部を設け、該平坦部を覆い、かつ該波板表面に沿って流れる湿り蒸気流に向かって開口する液滴捕集ポケットを備え、
該液滴捕集ポケットの内部空間の幅及び奥行を該液滴捕集ポケットの入口開口幅より大きく形成したものである。
本発明においては、湿り蒸気が波板のジグザグ形状部の表面に当ると、湿り蒸気の含まれる液滴が該ジグザグ形状部の表面に付着する。該表面に付着した液滴は湿り蒸気流に押されて該表面を移動し、該ジグザグ形状部の山頂部に到達する。山頂部には湿り蒸気流に向けた入口開口を有する液滴捕集ポケットが設けられているので、液滴は該入口開口から液滴捕集ポケットにスムーズに入ることができる。一方、湿り蒸気流は液滴捕集ポケットの外側を通るように迂回するので、液滴のみ精度良く捕集することができる。
また本発明においては、波板の山頂部に平坦部を設け、該平坦部を覆うように前記液滴捕集ポケットを設けたことにより、該液滴捕集ポケットの内部空間の容積を大きく取ることが容易になる。このため、液滴捕集ポケットの内部空間の幅及び奥行を該液滴捕集ポケットの入口開口幅より大きく形成することができる。これによって該液滴捕集ポケットの内部容積を大きく取ることができるので、波板の湿分捕集能力を増大できる。また、一旦液滴捕集ポケットに捕集した液滴が入口開口から再飛散することを防止できる。
また本発明装置において、好ましくは、波板を液滴捕集ポケットを含めて1枚の薄板を折り曲げ加工して構成するとよい。そうすれば液滴捕集ポケットの接合工程をなくすことができるので、波板の製造工程を大幅に簡素化できる。
また湿分分離部での波板の取り付けは、通常波板の両端部を湿分分離装置本体の支持フレーム面に形成した凹溝に挿入して波板を固定する。この場合、波板の該両端部が同じ形状をしているので、誤って波板を逆さまに固定して、液滴捕集ポケットの入口開口が湿り蒸気の下流側を向きやすい。従って、このようなことがないように注意しながら波板を取り付けていく必要がある。前述のように、波板は1基の湿分分離器で何千枚もあるので、波板を1枚ずつ注意して挿入していくのは作業員にとって極めて骨が折れる作業である。
このため本発明装置では、好ましくは、湿分分離装置本体の支持フレームに形成した凹溝に挿入されて前記波板を固定する該波板の両端部を互いに異なる形状に形成するようにする。このようにすれば、波板の両端部を一目で識別できるため、波板を逆さまに挿入するおそれはない。従って、波板の取り付け作業が極めて容易になり、作業員の負担が大幅に軽減される。また波板の取り付けミスもなくなる。例えば波板の両端部のうち一方を平坦面とし、他方に折り曲げ部を設けるとよい。
また本発明の湿分分離装置の波板製造方法は、
相互に所定の間隔を隔てて配設された波板間に形成された流路に湿り蒸気を流して該湿り蒸気中の液滴を捕集する湿分分離装置の波板製造方法において、
所望の大きさに切断された1枚の薄板を二つ折りにして対向する面を接触させ、液滴捕集ポケットを形成するための部分を残して折り曲げることにより、液滴捕集ポケット形成用凸部とその他の平面部とを形成する第1ステップと、
山頂部を形成する該凸部近傍部分を平面として残し、他の平面部を折り曲げることにより山谷部を形成する第2ステップと、
該凸部を平面状の該山頂部を覆うようにポケット状に折り曲げる第3ステップと、からなるものである。
本発明方法では、前記構成により、山頂部に平坦部を備え、かつ該平坦部を覆うように設けた液滴捕集ポケットを備えた波板を少ない工数で容易に製造できる。また薄板1枚から成形加工して製造できるので、液滴捕集ポケットの取り付け作業をなくすことができる。従って、液滴捕集ポケットを波板に接合する場合と比べ、製造工数を大幅に短縮できる。また、該接合作業と比べ、部品点数を削減できるため、装置の信頼性を向上することができる。
本発明方法において、好ましくは、前記第3ステップにおいて、ポケット状の折り曲げ部分が形成する内部空間の幅及び奥行きを該ポケット状折り曲げ部の入口開口幅より大きく形成するとよい。これによって液滴捕集ポケットの内部容積を大きく取ることができ、液滴捕集能力を増大できるとともに、一旦液滴捕集ポケットに捕集した液滴が再飛散することをなくすことができる。
また本発明方法において、好ましくは、湿分分離装置本体の支持フレームに形成した凹溝に挿入されて前記波板を固定する該波板の両端部を互いに異なる形状に形成する第4ステップを付加するとよい。このように波板の両端部を互いに異なる形状に形成すれば、前述のように、波板の両端部を一目で識別できるため、誤って波板を逆さまに挿入するおそれはない。従って、波板の取り付け作業が極めて容易になり、作業員の負担が大幅に軽減される。
本発明装置によれば、波板が交互に山谷を形成したジグザグ形状の断面を有し、該波板の山頂部に平坦部を設け、該平坦部を覆いかつ該波板表面に沿って流れる湿り蒸気流に向かって開口する液滴捕集ポケットを備え、該液滴捕集ポケットの内部空間の幅及び奥行きを該液滴捕集ポケットの入口開口の幅より大きく構成したことにより、該液滴捕集ポケットによる液滴の捕集能力を向上できるとともに、一旦該液滴捕集ポケットに捕集した液滴が再飛散することを防止できる。
また本発明方法によれば、所望の大きさに切断された1枚の薄板を二つ折りにして対向する面を接触させ、液滴捕集ポケットを形成するための部分を残して折り曲げることにより、液滴捕集ポケット形成用凸部とその他の平面部とを形成する第1ステップと、山頂部を形成する該凸部近傍部分を平面として残し他の平面部を折り曲げることにより山谷部を形成する第2ステップと、該凸部を平面状の該山頂部を覆うようにポケット状に折り曲げる第3ステップと、からなることにより、本発明の湿分分離装置に適用可能な波板の製造を短縮された工程で容易に行なうことができる。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
次に本発明の第1実施形態を図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る波板の一部を示す断面図、図2は、該波板による液滴捕集原理を示す説明図、図3は、該波板の加工手順を示す工程図、図4は、該波板の湿分分離装置本体への取り付け構造を示す平面視説明図である。
図1において、本実施形態の波板83は、傾斜部85と、平面状に形成された山頂部86と、該山頂部86を覆うように形成された液滴捕集ポケット84とから構成される。本実施形態の波板83は、図3に示すように、1枚の薄板(例えば材質がSUS304で板厚1.2mmt)から山谷が連続して3個設けられた波板を折り曲げ加工して製造する。液滴捕集ポケット84の入口開口84aの入口開口幅aは例えば5mmに設定される。そして液滴捕集ポケット84の液滴捕集ポケットの奥行b及び液滴捕集ポケットの幅cは入口開口幅aより大きく形成される。
次に図2により、本実施形態の液滴捕集の原理を説明する。図2において、湿り蒸気流S1が矢印方向に流れる場合、湿り蒸気S1に含まれる液滴は波板83の傾斜部85の表面に当り、該表面に付着して液膜lを形成する。液膜lは湿り蒸気流S1の流れに押されて、傾斜部85の表面に沿って矢印方向に進む。そして山頂部86に到達する。山頂部86で湿り蒸気流S1に押されて液滴捕集ポケット84の入口開口84aから液滴捕集ポケット84内に入る。
一方、湿り蒸気流S1は液滴捕集ポケット84の外側を進み、隣に配置された波板83の山頂部86との間を通って下流側に流れる。従って、液滴のみを液滴捕集ポケット84内にスムーズに入れることができる。従って、液滴の捕集精度を向上できる。液膜lが一旦液滴捕集ポケット84内にはいると、入口開口84aの入口開口幅aは狭く、液滴捕集ポケット84の内部空間が広いので、再飛散しにくい。
次に本実施形態に係る波板83の製造手順を図3により説明する。図3において、まず図3(a)に示すように、所望のサイズに切り出した1枚の金属製薄板(例えばSUS製)を用意する。次に図3(b)に示すように、薄板80を3箇所で2つ折りにし、対向する面を接触させ、液滴捕集ポケットを形成するための部分を残して折り曲げる。これによって、液滴捕集ポケット形成用の凸部81及び平面部82を形成する。次に図3(c)に示すように、山頂部86を形成する平面部を残し、他の平面部82を折り曲げて傾斜部85を形成する。この時点で波板83の原形が形成される。
次に図3(d)に示すように、凸部81を湿り蒸気S1が流入する方向に折り曲げて液滴捕集ポケット84を形成する。なお波板83の両端には、湿分分離部08の支持フレーム面に波板83を取り付けるために、該支持フレーム面に設けた凹溝に挿入される挿入部87及び88が形成される。次に(e)に示すように、一方の挿入部88をL字形に折り曲げる。このような手順で波板83を成形加工する。
このようにして形成加工した波板83を湿分分離器01の湿分分離部08に取り付ける。この場合、図4に示すように、湿分分離部08に支持フレーム89及び90に設けた凹溝に波板83の両端に形成された挿入部87及び88を挿入して波板83を固定する。ここで平面状の挿入部87が挿入される支持フレーム89の凹溝91には、挿入部87に合う平面状の凹溝91が形成される。また断面L字形の挿入部88が挿入される支持フレーム90の凹溝92には挿入部88の形状に合う断面L字形の凹溝92が形成される。
従って、波板83を湿分分離部08に取り付ける場合、波板83を逆に取り付けようとすると、挿入部87又は88の形状と凹溝91又は92の形状が合わないため、波板83を取り付けることができない。また波板83の挿入部87及び88の形状と支持フレーム89及び90の凹溝91及び92の形状が異なるため、該挿入部87及び88の識別は容易である。従って、波板83の取り付けを逆にするおそれはなく、容易に取り付けられるため、作業員の負担が軽減される。
本実施形態によれば、傾斜部85の隔壁に当った湿り蒸気流S1に含まれる液滴が該隔壁に付着し、該隔壁に付着した液滴は、湿り蒸気S1に押されて該隔壁に沿って山頂部86に進み、山頂部86で湿り蒸気流S1側に開口する液滴捕集ポケット84に内部にスムーズに入ることができる。湿り蒸気S1は液滴捕集ポケット84の外側を通って下流側へ行くため、液滴の捕集精度が向上する。
また山頂部86を平坦部としたので、液滴捕集ポケット86の内部空間の幅c及び奥行きbを入口開口84aの入口開口幅aより大きくとることが容易になる。従って、液滴捕集ポケット86の内部容積を大きくとれるので、液滴の捕集能力が向上する。また入口開口84aが液滴捕集ポケットの幅cと比べて狭いので、一旦液滴捕集ポケット84内に捕集された液滴が再飛散しにくい。
また1枚の薄板を用いて、図3に示す成形手順で折り曲げ成形するだけで波板83を製造できるので、従来のように液滴捕集ポケットを波板本体に接合する場合に比べて、大幅に製造工程が短縮できる。
本発明によれば、発電プラント等に適用される湿分分離(加熱)装置に用いられる波板の液滴捕集効果を向上できるとともに、波板の製造工程を大幅に簡素することができる。
本発明の第1実施形態に係る波板の一部を示す断面図である。 前記第1実施形態に係る該波板による液滴捕集原理を示す説明図である。 前記第1実施形態に係る波板の加工手順を示す工程図である。 前記第1実施形態に係る波板の湿分分離装置本体への取り付け構造を示す平面視説明図である。 従来の湿分分離装置の縦断立面図である。 図5中のA―A線に沿う横断側面図である。 従来の湿分分離装置に設けられた湿分分離部(波板設置部)を示す斜視図である。 従来の波板の一例を示す断面図である。 従来の別な構成の波板の断面図である。
符号の説明
01 湿分分離器
08 湿分分離部
83 波板
84 液滴捕集ポケット
84a 入口開口
85 傾斜部
86 山頂部
89、90 支持フレーム
91、92 凹溝
a 入口開口幅
b 液滴捕集ポケットの奥行
c 液滴捕集ポケットの幅
S1 湿り蒸気
S2 乾き蒸気

Claims (6)

  1. 相互に所定の間隔を隔てて配設された複数の波板を備え、該波板間に形成された流路に湿り蒸気を流して該湿り蒸気中の液滴を捕集する湿分分離装置において、前記波板が交互に山谷を形成したジグザグ形状の断面を有し、
    該波板の山頂部に平坦部を設け、該平坦部を覆い、かつ該波板表面に沿って流れる湿り蒸気流に向かって開口する液滴捕集ポケットを備え、
    該液滴捕集ポケットの内部空間の幅及び奥行を該液滴捕集ポケットの入口開口幅より大きく形成したことを特徴とする湿分分離装置。
  2. 前記波板を前記液滴捕集ポケットを含めて1枚の薄板を折り曲げ加工して構成したことを特徴とする請求項1に記載の湿分分離装置。
  3. 湿分分離装置本体の支持フレームに形成した凹溝に挿入されて前記波板を固定する該波板の両端部を互いに異なる形状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の湿分分離装置。
  4. 相互に所定の間隔を隔てて配設された波板間に形成された流路に湿り蒸気を流して該湿り蒸気中の液滴を捕集する湿分分離装置の波板製造方法において、
    所望の大きさに切断された1枚の薄板を二つ折りにして対向する面を接触させ、液滴捕集ポケットを形成するための部分を残して折り曲げることにより、液滴捕集ポケット形成用凸部とその他の平面部とを形成する第1ステップと、
    山頂部を形成する該凸部近傍部分を平面として残し、他の平面部を折り曲げることにより山谷部を形成する第2ステップと、
    該凸部を平面状の該山頂部を覆うようにポケット状に折り曲げる第3ステップと、からなることを特徴とする湿分分離装置の波板製造方法。
  5. 前記第3ステップにおいて、ポケット状の折り曲げ部分が形成する内部空間の幅及び奥行きを該入口開口幅より大きく形成することを特徴とする請求項4に記載の湿分分離装置の波板製造方法。
  6. 湿分分離装置本体の支持フレームに形成した凹溝に挿入されて前記波板を固定する該波板の両端部を互いに異なる形状に形成する第4ステップを付加することを特徴とする請求項4に記載の湿分分離装置の波板製造方法。
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