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JP2008149889A - シート - Google Patents

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JP2008149889A
JP2008149889A JP2006339848A JP2006339848A JP2008149889A JP 2008149889 A JP2008149889 A JP 2008149889A JP 2006339848 A JP2006339848 A JP 2006339848A JP 2006339848 A JP2006339848 A JP 2006339848A JP 2008149889 A JP2008149889 A JP 2008149889A
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seat
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JP2006339848A
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Hidehiko Fujioka
秀彦 藤岡
Masahito Horie
雅人 堀江
Mitsuhiro Komine
光弘 小峰
Hirokazu Kobayashi
広和 小林
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Hino Motors Ltd
Shiroki Corp
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Hino Motors Ltd
Shiroki Corp
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Abstract

【課題】フロア上に、車両の進行方向に延びるように設けられた第1のレールと、第1のレールに移動可能に係合し、シートが設けられた第2のレールと、フロア側、第2のレールのうちのどちらか一方に設けられた被ロック部と、フロア側、第2のレールのうちの他方のレールに前記被ロック部に係脱可能に設けられたロック部と、ロック部が被ロック部に係合する方向に付勢する付勢手段と、ロック部を駆動して、ロック部と被ロック部との係合を解除する駆動部と、シートに作用する加速度を検出する加速度センサと、加速度センサからの信号を取り込んで、前記シートに加速度が作用した場合には、前記駆動部を駆動してロック部と被ロック部との係合を解除する制御部とを有するシートに関し、安定したブレーキ力が得られるシートを提供することを課題とする。
【解決手段】第2のレール55の移動に対して、継続してブレーキ力を与えるブレーキ力付与部101bを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、フロア上に、車両の進行方向に延びるように設けられた第1のレールと、該第1のレールに移動可能に係合し、シートが設けられた第2のレールと、前記フロア側、前記第2のレールのうちのどちらか一方に設けられた被ロック部と、前記フロア側、前記第2のレールのうちの他方のレールに前記被ロック部に係脱可能に設けられたロック部と、該ロック部が前記被ロック部に係合する方向に付勢する付勢手段と、該ロック部を駆動して、前記ロック部と前記被ロック部との係合を解除する駆動部と、前記シートに作用する加速度を検出する加速度センサと、該加速度センサからの信号を取り込んで、前記シートに加速度が作用した場合には、前記駆動部を駆動して前記ロック部と前記被ロック部との係合を解除する制御部とを有するシートに関する。
車両の前面衝突により車両の前部がつぶれると、ダッシュボードとシートとの間の空間が狭まる場合がある。従って、ダッシュボードとシートとの間の空間にシート着座者の脚部が位置していると、着座者の救出が難しくなる場合がある。
ダッシュボードとシートとの間で着座者の脚部が位置する空間を確保するために、車両の前面衝突時に、スライドロックを解除し、シートの後方への移動を可能とするシートが提案されている。
図14において、矢印方向が車両の進行方向である。フロア上には、車両の進行方向に延びるように設けられた第1のレール(図示せず)と、この第1のレールに移動可能に係合し、シートが設けられた第2のレール(図示せず)とが設けられている。
第2のレール側には、被ロック部材として、鋸歯状のラチェット歯1aを有するラック1が設けられている。ラチェット歯1aは、車両の進行方向側は、車両の進行方向と略直交する立壁面1bとなっており、車両の進行方向と反対側は斜面1cとなっている。
一方、フロア側には、ラック1のラチェット歯1aに係脱可能なロック部としての爪部材3が設けられている。爪部材3の先端は、ラチェット歯1aの立壁面1bと対向する立壁面3bと、ラチェット歯1aの斜面1cと対向する斜面3cとが形成されている。
爪部材3は、スプリング5により、ラチェット歯1aに噛合する方向に付勢されている。
また、ソレノイド9が設けられ、このソレノイド9のよって駆動される摺動駒11は、爪部材3の移動軌跡上と爪部材3の移動軌跡から離れた箇所とに駆動されるようになっている。
図14に示す状態は、摺動駒11が爪部材3の移動軌跡上に位置し、爪部材3がラック1より離れる方向の移動が禁止された状態である。この時、ラック1の矢印方向の移動、ラック1の矢印と反対方向の移動が禁止されている。即ち、シートの前方向への移動と、後方向への移動とが禁止されている。
又、図15に示す状態は、摺動駒11が爪部材3の移動軌跡から離れた位置に位置し、爪部材3がラック1より離れる方向の移動が可能な状態である。この時、ラック1が矢印方向へ移動しようとすると、ラチェット歯1aの立壁面1bと爪部材3の立壁面3bとが当接し、それ以上のラック1の矢印方向への移動が禁止される。又、ラック1が矢印方向と反対方向に移動しようとすると、爪部材3の斜面3cには、爪部材3をスプリング5の付勢力に抗して、下方に押し下げる方向の分力が発生する。従って、ラック1のラチェット歯1aの斜面1cに沿って、爪部材3が上下方向に移動しながら、ラック1は後方へ移動可能である。即ち、シートの前方向への移動は禁止されるが、シートの後方への移動は可能となっている。
13はシートに作用する加速度を検出する加速度センサであり、15は加速度センサ13からの信号を取り込んで、シートに加速度が作用した場合には、ソレノイド9を駆動する制御部である。
次に、上記構成の作動を説明する。図14に示す状態は、爪部材3がラック1のラチェット歯1aに噛合し、ラック1、即ち、シートの前後方向への移動が禁止されている。
車両の前面衝突し、シートに設定加速度以上の加速度が作用すると、センサ13からの信号を取り込んでいる制御部15が、ソレノイド9を駆動し、摺動駒11を爪部材3の移動軌跡から離れた位置まで移動させ、図15に示す状態となる。即ち、シートの前方向への移動は禁止されるが、シートの後方への移動は可能となる。
このため、前面衝突により、車両の前部がつぶれ、ダッシュボードとシートとの間が縮まり、シート着座者の脚部がダッシュボードに押されると、シートが後方へ移動し、ダッシュボードとシートとの間で着座者の脚部が位置する空間を確保することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−2999637号公報
上記構成のシートでは、シートが後方へ移動する場合、ラチェット歯1aの斜面と爪部材3の斜面3cとの摺接によるブレーキ力が発生し、シートの後方への急激な移動を禁止するようになっている。
この場合、ブレーキ力は、ラチェット歯1aの斜面と爪部材3の斜面3cとの接触面積に依存する。上記構成の場合、爪部材3が上方に移動すると、ラチェット歯1aの斜面と爪部材3の斜面3cとの接触面積が広くなり、ブレーキ力が大きくなる。爪部材3が下方に移動すると、ラチェット歯1aの斜面と爪部材3の斜面3cとの接触面積が狭くなり、ブレーキ力が小さくなる。そして、爪部材3がラチェット歯1aを乗り越える場合は、ブレーキ力が0となる。よって、ブレーキ力が一定とならず、全くブレーキ力が発生しない場合もある。
又、爪部材3がラチェット歯1aを乗り越えた後に、ラチェット歯1aと次のラチェット歯1aとの間に嵌合せず、爪部3がラチェット歯1aの歯先上を滑っていく現象、いわゆる歯飛びを起こす場合もある。歯飛びを起こすと、ブレーキ力はほとんど発生しない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、安定したブレーキ力が得られるシートを提供することにある。
請求項1に係る発明は、フロア上に、車両の進行方向に延びるように設けられた第1のレールと、該第1のレールに移動可能に係合し、シートが設けられた第2のレールと、前記フロア側、前記第2のレールのうちのどちらか一方に設けられた被ロック部と、前記フロア側、前記第2のレールのうちの他方のレールに前記被ロック部に係脱可能に設けられたロック部と、該ロック部が前記被ロック部に係合する方向に付勢する付勢手段と、該ロック部を駆動して、前記ロック部と前記被ロック部との係合を解除する駆動部と、前記シートに作用する加速度を検出する加速度センサと、該加速度センサからの信号を取り込んで、前記シートに加速度が作用した場合には、前記駆動部を駆動して前記ロック部と前記被ロック部との係合を解除する制御部とを有するシートにおいて、前記第2のレールの移動に対して、継続してブレーキ力を与えるブレーキ力付与手段を有することを特徴とするシートである。
請求項2に係る発明は、前記ブレーキ力付与手段は、一端部が前記フロア側に取りつけられ、他端部が前記第2のレールに取りつけられ、前記第2のレールが移動すると塑性変形する部材であることを特徴とする請求項1記載のシートである。
請求項3に係る発明は、前記部材は、前記第2のレールの移動方向と交差する方向に延びる部分を有することを特徴とする請求項2記載のシートである。
請求項4に係る発明は、前記ブレーキ力付与手段は、フロアに対して垂直で、前記第2のレールの移動方向に沿った平面上で、三角波形に曲げられた形状であり、前記第2のレールが後方へ移動すると圧縮されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシートである。
請求項5に係る発明は、前記ブレーキ付与手段が座屈する際に、座屈部分が当接する面を有するカバーを設けたことを特徴とする請求項3又は4記載のシートである。
請求項6に係る発明は、三角波の頂部の側部には、切欠が形成されていることを特徴とする請求項4又は5記載のシートである。
請求項7に係る発明は、前記ブレーキ力付与手段は、前記第2のレール側に設けられ、前記フロア側に接触し、前記第2のレールが移動すると回転する回転体と、該回転体の回転軸に設けられたダンパと、からなることを特徴とする請求項1記載のシートである。
請求項1−請求項7に係る発明によれば、前記第2のレールの移動に対して、継続してブレーキ力を与えるブレーキ力付与手段を有することにより、安定したブレーキ力が得られる。
請求項2に係る発明によれば、前記ブレーキ力付与手段は、一端部が前記フロア側に取りつけられ、他端部が前記第2のレールに取りつけられ、前記第2のレールが移動すると塑性変形する部材であり、該部材の材質、形状を変えることにより、所望のブレーキ力を得ることができる。
請求項3に係る発明によれば、前記部材は、前記第2のレールの移動方向と交差する方向に延びる部分を有することにより、部材が圧縮された場合、座屈しにくくなり、安定したブレーキ力が得られる。
請求項4に係る発明によれば、前記ブレーキ力付与手段は、フロアに対して垂直で、前記第2のレールの移動方向に沿った平面上で、三角波形に曲げられた形状であるので、前記第2のレールが後方へ移動し、圧縮されても、座屈しにくく、安定したブレーキ力が得られる。
請求項5に係る発明によれば、前記ブレーキ付与手段が座屈する際に、座屈部分が当接する面を有するカバーを設けたことにより、前記第2のレールが移動し、ブレーキ力付与手段が座屈しても、座屈部分がカバーの面に当たり、それ以上の座屈が阻止されるので、安定したブレーキ力が得られる。
請求項6に係る発明によれば、三角波の頂部の側部には、切欠が形成されていることにより、頂部での曲げ剛性が小さい。よって、前記第2のレールが後方へ移動し、ブレーキ力付与手段が圧縮されると、ブレーキ力付与手段は、三角波の頂部で折曲し、座屈しにくく、安定したブレーキ力が得られる。
請求項7に係る発明によれば、前記ブレーキ力付与手段は、前記第2のレール側に設けられ、前記フロア側に接触し、前記第2のレールが移動すると回転する回転体と、該回転体の回転軸に設けられたダンパと、からなることにより、安定したブレーキ力が得られる。
最初に、図7を用いて、本形態例のシートの全体構成を説明する。図に示すように、フロアF上には、フロアF側から下段シートトラック51、上段シートトラック61が積層されている。下段シートトラック51は、フロアFに設けられ、車両の進行方向に延びるように設けられた第1のレール53と、第1のレールに移動可能に係合した第2のレール55とからなっている。上段シートトラック61は、下段シートトラック51の第2のレール55上に設けられる第1のレール63と、第1のレール63に移動可能に係合する第2のレール65とからなっている。上段シートトラック61の第2のレール65上には、着座者の臀部を支持するシートクッション73と着座者の背部を支持するシートバック75とからなるシート71が設けられている。シート71の通常のスライドは、上段シートトラック61の第2のレール65が第1のレール63に対して移動することによりなされるようになっている。そして、通常、下段シートトラック51の第1のレール53に対する第2のレール55の移動を禁止し、車両が前面衝突した場合に、第1のレール53に対する第2のレール55の移動を解除するシートトラック解除装置が設けられている。
ここで、シートトラック解除装置の説明を行う。
(第1の形態例)
まず、第1の形態例の下段シートトラック51の上面図である図1、図1の切断線A−Aでの断面図である図2、図1のE方向矢視図である図3を用いて説明する。
図1に示すように、下段シートトラック51の第2のレール55の移動方向に沿ってブラケット101が配置されている。このブラケット101の前部には、下段シートトラック51方向に折曲し、第2のレール55の天部に取り付けられる前部取付部101aが形成されている。ブラケット101の後部には、下段シートトラック51方向に折曲し、第1のレール53の底部に取り付けられる後部取付部101cが形成されている。前部取付部101aと後部取付部101cとの間には、ブレーキ力付与手段としてのブレーキ力付与部101bが形成されている。
フロアF上には、ピン103を用いてロック部としてのフック105が回転可能に設けられている。このフック105には、フック溝105aが形成されている。一方、第2のレール55には、サブブラケット108が設けられ、このサブブラケット108には、フック105のフック溝105aが係脱可能な被ロック部としてのピン110が設けられている。
また、一端側がフロアFに係止され、他端側がフック105に係止された付勢手段としてのスプリング107により、フック105はフック溝105aがピン110に係合する方向(図において矢印方向)に付勢されている。更に、フロアF上には、駆動部としてのソレノイド109が設けられている。このソレノイド109のロッド109aはフック105にピン111を用いて回転可能に取りつけられている。そして、ソレノイド109を駆動すると、図1に示す状態からロッド109aが引き込まれ、スプリング107の付勢力に抗して、フック105は矢印方向と反対方向に回転し、フック105のフック溝105aとピン110との係合が解除されるようになっている(図6参照)。
図3に示すように、ブレーキ力付与部101bはフロアFに対して垂直で、下段シートトラック51の第2のレール55の移動方向に沿った平面上で、三角波形に曲げられた形状であり、第2のレール55の移動方向(車両の移動方向)と交差する部分101e−101nを有してしている。又、三角波の各上部(頂部)、各下部(底部)の両側には、切欠101oが形成されている。
更に、フロアF上には、ブラケット101のブレーキ力付与部101bの一方の側面、下面、上面に対向する面を有する断面形状が略「コ」の字形のカバー102が設けられている(図2参照)。
次に、図4を用いて、本形態例の電気的構成を説明する。図において、121は、シート71に作用する加速度を検出する加速度センサであり、例えば、エアバック用の加速度センサを用いることができる。123は加速度センサ121からの信号を取り込んで、シート71に加速度が作用した場合には、ソレノイド109を駆動する制御部である。
次に、図1、図5、図6を用いて、本形態例の作動を説明する。図5は制御部の作動を説明するフロー図、図6は図1の状態から第2のレールが後方へ移動した場合を示す図である。図5に示すように、制御部123は、加速度センサ121からの信号を取り込み、車両の前面衝突で、加速度センサ121の信号(g)が設定値(Gc)以上になったら、即ち、シート71を前方に押す加速度が設定値以上になったら、ソレノイド109を駆動する。
図1の状態でソレノイド109を駆動すると、ロッド109aが引き込まれ、スプリング107の付勢力に抗して、フック105は矢印方向と反対方向に回転し、フック105のフック溝105aとピン110との係合が解除され、第2のレール55は第1のレール53に対して移動可能となる。即ち、シートは、後方向に移動可能となる。
そして、前面衝突により、車両の前部がつぶれ、ダッシュボードとシートとの間が縮まり、シート着座者の脚部がダッシュボードに押されると、シートが後方へ移動し、ダッシュボードとシートとの間で着座者の脚部が位置する空間を確保することができる。このシートの後方への移動の際に、図6に示すように、ブラケット101の三角波形のブレーキ力付与部101bが第2のレール55の移動方向に圧縮されて塑性変形するので、第2のレール55の移動に対して、継続してブレーキ力を与えられる。
このような構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第2のレール55の移動に対して、継続してブレーキ力を与えるブレーキ力付与手段としてのブレーキ力付与部101bを有することにより、安定したブレーキ力が得られる。
(2)ブレーキ力付与手段としてのブレーキ力付与部101bは、一端部がフロア側である第1のレール53に取りつけられ、他端部が第2のレール55に取りつけられ、第2のレール55が移動すると塑性変形する金属の薄板であり、ブレーキ力付与部101bの材質、形状を変えることにより、所望のブレーキ力を得ることができる。
(3)ブレーキ力付与部101bは、フロアFに対して垂直で、下段シートトラック51の第2のレール55の移動方向に沿った平面上で、略「三角波」形に曲げられ、第2のレール55の移動方向(車両の移動方向)と交差する部分101e−101nを有することにより、ブレーキ力付与部101bが第2のレール55の移動方向に圧縮されて塑性変形する場合、ブレーキ力付与部101bが座屈しにくくなり、安定したブレーキ力が得られる。
(4)切欠101oを形成したことにより、頂部での曲げ剛性が小さい。よって、ブレーキ力付与部101bが第2のレール55の移動方向に圧縮されて塑性変形する場合、ブレーキ力付与部101bは頂部で折曲するので、座屈しにくくなり、安定したブレーキ力が得られる。
(5)フロアF上には、ブラケット101のブレーキ力付与部101bの一方の側面、下面、上面に対向する面を有する断面形状が略「コ」の字形のカバー102を設けたことにより、第2のレール55が後方へ移動し、ブレーキ力付与部101bが圧縮され、ブレーキ力付与部101bが座屈したとしても、座屈部分がカバー102の上面又は下面に当接し、それ以上の座屈が禁止されるので、安定したブレーキ力が得られる。
尚、本発明は、上記形態例に限定するものではない。上記形態例では、ブラケット101に形成されたブレーキ力付与部101bは、
フロアFに対して垂直な面上で、三角波形に曲げられた形状であったが、それに限定するものではない。
例えば、図9、図3に示すような形状であってもよい。図8は第1の実施の形態例の他の例の下段シートトラックの上面図、図9は図8の状態から第2のレールが後方へ移動した場合を示す図である。尚、本形態例において、前述の形態例と同一部分には、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
下段シートトラック51に沿って、ブラケット101’が設けられている。ブラケット101’の前部は、下段シートトラック51の第1のレール53の下面に取り付けられる前部取付部101a’となっている。ブラケット101’の後部は、下段シートトラック51の第2のレール53の上面に取り付けられる後部取付部101c’となっている。そして、前部取付部101a’と後部取付部101c’との間には、ブレーキ力付与手段としてのブレーキ力付与部101b’となっている。
前部取付部101a’には、ピン103を用いてロック部としてのフック105が回転可能に設けられている。このフック105には、フック溝105aが形成されている。一方、第2のレール55には、サブブラケット108が設けられ、このサブブラケット108には、フック105のフック溝105aが係脱可能な被ロック部としてのピン110が設けられている。
また、一端側がフロアFに係止され、他端側がフック105に係止された付勢手段としてのスプリング107により、フック105はフック溝105aがピン110に係合する方向(図において矢印方向)に付勢されている。更にブラケット101の前部取付部101a上には、駆動部としてのソレノイド109が設けられている。このソレノイド109のロッド109aはフック105にピン111を用いて回転可能に取りつけられている。そして、ソレノイド109を駆動すると、図に示す状態からロッド109aが引き込まれ、スプリング107の付勢力に抗して、フック105は矢印方向と反対方向に回転し、フック105のフック溝105aとピン110との係合が解除されるようになっている(図9参照)。
ブラケット101’のブレーキ力付与部101b’は金属の薄板でなり、図に示すように、フロアFに対して平行な面上で、略「m」字形に曲げられ、第2のレール55の移動方向(車両の移動方向)と交差する部分101d’、101e’、101f’、101g’を有している。
そして、前面衝突により、車両の前部がつぶれ、ダッシュボードとシートとの間が縮まり、シート着座者の脚部がダッシュボードに押されると、シートが後方へ移動し、ダッシュボードとシートとの間で着座者の脚部が位置する空間を確保することができる。このシートの後方への移動の際に、図9に示すように、ブラケット101の「m」字形に曲げられたブレーキ力付与部101b’が第2のレール55の移動方向に延びて塑性変形するので、第2のレール55の移動に対して、継続してブレーキ力を与えられる。
このような構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第2のレール55の移動に対して、継続してブレーキ力を与えるブレーキ力付与手段としてのブレーキ力付与部101b’を有することにより、安定したブレーキ力が得られる。
(2)ブレーキ力付与手段としてのブレーキ力付与部101b’は、一端部がフロア側である第1のレール53に取りつけられ、他端部が第2のレール55に取りつけられ、第2のレール55が移動すると塑性変形する金属の薄板であり、ブレーキ力付与部101bの材質、形状を変えることにより、所望のブレーキ力を得ることができる。
(3)ブレーキ力付与部101b’は、略「m」字形に曲げられ、第2のレール55の移動方向(車両の移動方向)と交差する部分101d’、101e’、101f’、101g’を有することにより、ブレーキ力付与部101b’が座屈しにくくなり、安定したブレーキ力が得られる。
(第2の形態例)
まず、第2の形態例の下段シートトラック51の上面図である図10を用いて説明する。尚、第1の形態例と同一部分には、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
下段シートトラック51の前部側の第2のレール55の上面には、ブラケット201が設けられている。ブラケット201には、ピン203を用いてロック部としてのフック205が回転可能に設けられている。このフック205には、フック溝205aが形成されている。
又、第2のレール55の中間部の上面には、ブレーキ力付与部材211の一方の端部が取りつけられている。このブレーキ力付与部材211の一方の端部側は、フック205のフック溝205aが係脱可能な被ロック部としてのピン210が設けられている。そして、一端側がブラケット201に係止され、他端側がフック205に係止された付勢手段としてのスプリング207により、フック205はフック溝205aがピン210に係合する方向(図において矢印方向)に付勢されている。更に、ブラケット201上には、駆動部としてのソレノイド209が設けられている。このソレノイド209のロッド209aはフック205にピン212を用いて回転可能に取りつけられている。そして、ソレノイド209を駆動すると、図に示す状態からロッド209aが引き込まれ、スプリング207の付勢力に抗して、フック205は矢印方向と反対方向に回転し、フック205のフック溝205aとピン210との係合が解除されるようになっている。
ブレーキ力付与部材211は下段シートトラック51の後方へ延び、第1のレール53の後方の下面に取りつけられ、ブレーキ力付与手段とし機能するようになっている。
ブレーキ力付与部材211は金属の薄板でなり、図に示すように第2のレール55の移動方向と略直交する方向に延出する第2のレール55への取付部211a、第1のレール53への取付部211bと、取付部211a、取付部211bを橋渡しするように設けられた橋絡部211c、211dとからなっている。橋絡部211c、211dとは、略「へ」字形に曲げられている。従って、取付部211a、211bと橋絡部211c、211dとは、第2のレール55の移動方向(車両の移動方向)と交差している。更に、取付部211aと橋絡部211cとの間には、切欠211eが形成されている。又、取付部211bと橋絡部211dとの間には、切欠211fが形成されている。
尚、本形態例も、第1の形態例と同様に、シート71に作用する加速度を検出する加速度センサと、加速度センサからの信号を取り込んで、シート71に加速度が作用した場合には、ソレノイド209を駆動する制御部を有している。
次に、本形態例の作動を説明する。基本的な動作は、第1の形態例と同じである。制御部は、加速度センサからの信号を取り込み、車両の前面衝突で、加速度センサの信号が設定値以上になったら、即ち、シート71を前方に押す加速度が設定値以上になったら、ソレノイド209を駆動する。
図1の状態でソレノイド209を駆動すると、ロッド209aが引き込まれ、スプリング207の付勢力に抗して、フック205は矢印方向と反対方向に回転し、フック205のフック溝205aとピン210との係合が解除され、第2のレール55は第1のレール53に対して移動可能となる。即ち、シートは、後方向に移動可能となる。
そして、前面衝突により、車両の前部がつぶれ、ダッシュボードとシートとの間が縮まり、シート着座者の脚部がダッシュボードに押されると、シートが後方へ移動し、ダッシュボードとシートとの間で着座者の脚部が位置する空間を確保することができる。このシートの後方への移動の際に、ブレーキ力付与部材211は、第2のレール55の移動方向に沿って圧縮され、二点差線で示すように塑性変形し、第2のレール55の移動に対して、継続してブレーキ力を与えられる。
このような構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第2のレール55の移動に対して、継続してブレーキ力を与えるブレーキ力付与手段としてのブレーキ力付与部材211を有することにより、安定したブレーキ力が得られる。
(2)ブレーキ力付与手段としてのブレーキ力付与部材211は、一端部がフロア側である第1のレール53に取りつけられ、他端部が第2のレール55に取りつけられ、第2のレール55が移動すると塑性変形する金属の薄板であり、ブレーキ力付与部材211の材質、形状を変えることにより、所望のブレーキ力を得ることができる。
(3)ブレーキ力付与部材211は、第2のレール55の移動方向(車両の移動方向)と交差する部分、即ち、取付部211a、211bと橋絡部211c、211dを有することにより、ブレーキ力付与部材211が座屈しにくくなり、安定したブレーキ力が得られる。
(4)ブレーキ力付与部材211の取付部211aと橋絡部211cとの間には、切欠211eが形成されている。又、ブレーキ力付与部材211の取付部211bと橋絡部211dとの間には、切欠211fが形成されている。よって、ブレーキ力付与部材211が座屈しにくくなり、安定したブレーキ力が得られる。
(第3の形態例)
図11−図13を用いて説明する。図11は下段シートトラックの上面図、図12は図11の切断線C−Cでの断面図、図13は図11の切断線D−Dでの断面図である。
下段シートトラック51の第1のレール53の下面には、ブラケット301が設けられている。このブラケット301には、第2のレール55の移動方向に沿って、穴303が形成されている。穴303の第2のレール55の移動方向に沿った2つの壁面のうちの、第1のレール53側の壁面には、ラック305が形成されている。
又、ブラケット301には、第2のレール55の移動方向に沿って、フロアと略直交し、フロアと離れる方向に延びる立壁部301aが形成されている。この立壁部301aには、一定間隔で、複数のロック穴301bが形成されている。更に、ブラケット301上には、ピン307を用いてロック部としてのフック309が回転可能に設けられている。このフック309には、フック溝309aが形成されている。
一方、第2のレール55には、サブブラケット351が設けられ、このサブブラケット351には、第1のレール53方向に延び、フック309のフック溝309aが係脱可能な被ロック部としてのピン353が設けられている。
また、一端側がブラケット301に係止され、他端側がフック309に係止された付勢手段としてのスプリング311により、フック309はフック溝309aがピン353に係合する方向(図において矢印方向)に付勢されている。
更にブラケット301上には、駆動部としてのソレノイド321が設けられている。このソレノイド321のロッド321aはフック309にピン323を用いて回転可能に取りつけられている。そして、ソレノイド321を駆動すると、図に示す状態からロッド321aが引き込まれ、スプリング311の付勢力に抗して、フック309は矢印方向と反対方向に回転し、フック309のフック溝309aとピン353との係合が解除されるようになっている。
サブブラケット351には、ブレーキ力付与部として機能するロータリダンパ355が設けられている。このロータリダンパ355は、図12に示すように、ケーシング357と、ケーシング357を挿通し、ケーシング357に対して回転可能に設けられたシャフト359と、ケーシング357内でシャフト359と一体となって回転するフィン361とからなり、更に、ケーシング357内には、粘性体(例えば、オイル)が封入されている。そして、シャフト359、フィン361が回転すると、シャフト359、フィン361とケーシング357との間に存在する粘性体の作用により、粘性せん断抵抗(ブレーキ力)が生じるようになっている。そして、ロータリダンパ355のシャフト359には、ブラケット301に形成されたラック305に螺合するピニオン363が設けられている。このピニオン363は、第2のレール55側に設けられ、フロア側に接触し、第2のレール55が移動すると回転する回転体として機能する。
又、ロータリダンパ355のシャフト359には、ブラケット301の立壁部301aに形成されたロック穴301bに係合可能なラッチ371が回転可能に設けられている。このラッチ371の形状は、ロック穴301bに係合すると、第2のレール55の前方向の移動を禁止し、第2のレール55の後方向の移動を許可する形状となっている。即ち、ラッチ371がロック穴301bに係合すると、シートの前方向への移動は禁止されるが、シートの後方への移動は可能となる。そして、図示しないスプリングにより、ラッチ371は、ロック穴301bに係合する方向に付勢されている。
尚、本形態例も、第1の形態例と同様に、シート71に作用する加速度を検出する加速度センサと、加速度センサからの信号を取り込んで、シート71に加速度が作用した場合には、ソレノイド321を駆動する制御部を有している。
次に、本形態例の作動を説明する。基本的な動作は、第1の形態例と同じである。制御部は、加速度センサからの信号を取り込み、車両の前面衝突で、加速度センサの信号が設定値以上になったら、即ち、シート71を前方に押す加速度が設定値以上になったら、所定のタイミングでソレノイド321を駆動する。尚、所定のタイミングとは、シート71を前方へ押す加速度が減少し、反動で、シート71を後方へ押す加速度が作用し始めるまでの間である。
図11の状態でソレノイド321を駆動すると、ロッド321aが引き込まれ、スプリング311の付勢力に抗して、フック309は矢印方向と反対方向に回転し、フック309のフック溝309aとピン353との係合が解除され、第2のレール55は第1のレール53に対して移動可能となる。即ち、シートは、後方向に移動可能となる。
そして、前面衝突により、車両の前部がつぶれ、ダッシュボードとシートとの間が縮まり、シート着座者の脚部がダッシュボードに押されると、シートが後方へ移動し、ダッシュボードとシートとの間で着座者の脚部が位置する空間を確保することができる。このシートの後方への移動、即ち、第2のレール55の後方への移動に伴って、ピニオン363が回転するが、ロータリダンパ355により、第2のレール55の移動に対して、継続してブレーキ力を与えられる。即ち、ピニオン363とロータリダンパ355とでブレーキ力付与手段が構成されている。
このような構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第2のレール55の移動に対して、継続してブレーキ力を与えるブレーキ力付与手段としてのロータリダンパ355を有することにより、安定したブレーキ力が得られる。
(2)ブレーキ力付与手段は、第2のレール55が移動すると回転する回転体としてのピニオン363と、ピニオン363の回転軸としてのシャフト359に設けられたロータリダンパ355と、からなることにより、安定したブレーキ力が得られる。
尚、本発明は、第3の形態例に限定するものではない。第2のレール55が移動すると回転する回転体としては、第2のレール55側に設けられ、フロアや第1のレール53上を転動するローラであっても良い。
第1の形態例の下段シートトラックの上面図である。 切断線A−Aでの断面図である。 図1のE方向矢視図である。 第1の形態例の電気的構成を説明するブロック図である。 制御部の作動を説明するフロー図である。 図1の状態から第2のレールが後方へ移動した場合を示す図である。 シートの全体構成を説明する図である。 第1の実施の形態例の他の例の下段シートトラックの上面図である。 図8の状態から第2のレールが後方へ移動した場合を示す図である。 第2の形態例の下段シートトラック51の上面図である。 第3の形態例の下段シートトラックの上面図である。 図11の切断線C−Cでの断面図である。 図11の切断線D−Dでの断面図である。 従来例を説明する図である。 図14の作動を説明する図である。
符号の説明
51 下段シートトラック
53 第1のレール
55 第2のレール
101b ブレーキ力付与部(ブレーキ力付与手段)

Claims (7)

  1. フロア上に、車両の進行方向に延びるように設けられた第1のレールと、該第1のレールに移動可能に係合し、シートが設けられた第2のレールと、前記フロア側、前記第2のレールのうちのどちらか一方に設けられた被ロック部と、前記フロア側、前記第2のレールのうちの他方のレールに前記被ロック部に係脱可能に設けられたロック部と、該ロック部が前記被ロック部に係合する方向に付勢する付勢手段と、該ロック部を駆動して、前記ロック部と前記被ロック部との係合を解除する駆動部と、前記シートに作用する加速度を検出する加速度センサと、該加速度センサからの信号を取り込んで、前記シートに加速度が作用した場合には、前記駆動部を駆動して前記ロック部と前記被ロック部との係合を解除する制御部とを有するシートにおいて、
    前記第2のレールの移動に対して、継続してブレーキ力を与えるブレーキ力付与手段を有することを特徴とするシート。
  2. 前記ブレーキ力付与手段は、
    一端部が前記フロア側に取りつけられ、他端部が前記第2のレールに取りつけられ、前記第2のレールが移動すると塑性変形する部材であることを特徴とする請求項1記載のシート。
  3. 前記部材は、
    前記第2のレールの移動方向と交差する方向に延びる部分を有することを特徴とする請求項2記載のシート。
  4. 前記ブレーキ力付与手段は、フロアに対して垂直で、前記第2のレールの移動方向に沿った平面上で、三角波形に曲げられた形状であり、
    前記第2のレールが後方へ移動すると圧縮されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシート。
  5. 前記ブレーキ付与手段が座屈する際に、座屈部分が当接する面を有するカバーを設けたことを特徴とする請求項3又は4記載のシート。
  6. 前記三角波の頂部の側部には、切欠が形成されていることを特徴とする請求項4又は5記載のシート。
  7. 前記ブレーキ力付与手段は、
    前記第2のレール側に設けられ、前記フロア側に接触し、前記第2のレールが移動すると回転する回転体と、
    該回転体の回転軸に設けられたダンパと、
    からなることを特徴とする請求項1記載のシート。
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