JP2008062843A - 車両用空調装置の排水構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内気と外気の少なくとも一方を吸い込むインテークダクト2と、モータ回転軸MLを水平に配置した遠心式送風機4と、該遠心式送風機4の吐出側に連通する送風路7の途中位置に配置されたエバポレータ6と、エバポレータ6の外部フィン67に付着した凝縮水を外部に排出するドレンパイプ9と、を備えた車両用空調装置の排水構造において、前記インテークダクト2の底壁面と前記遠心式送風機4のスクロールケーシング41の下部を連通する第1排水穴10と、前記スクロールケーシング41の下部と前記エバポレータ6の上部を連通する第2排水穴11,12と、を設けた。
【選択図】図1
Description
この排水構造では、差圧によりブロア内に誘導された水がブロアによって送風された後、エバポレータに捕獲され、凝縮水としてエバポレータの下方のドレンパイプから排出される。この結果、インテークダクトにドレンパイプを設けることなく、インテークダクト内に雨水が貯留することを防止する車両用空調装置を提供することができる。
前記インテークダクトの底壁面と前記遠心式送風機のスクロールケーシングの下部を連通する第1連通部と、
前記スクロールケーシングの下部と前記エバポレータの上部を連通する第2連通部と、
を設けたことを特徴とする。
遠心式送風機の作動時、インテークダクトに付着または混入した雪や水滴が水となってダクト底壁面に沿って流れる際、この流れる水はダクト底壁面から第1連結部を介して遠心式送風機のスクロールケーシングの下部に導かれ、さらに、ファン風圧によりスクロールケーシングの内面に沿って導かれ、さらに、吐出側の送風路を経由してエバポレータにて捕捉され、さらに、捕捉された水はエバポレータに沿って下方に伝わり、エバポレータの凝縮水を排出する本体ケースの外部排出構造から外部に排出される。
このように、本発明の排水構造は、エバポレータの凝縮水を排出する既存の外部排出構造を利用するため、第1連通部と第2連通部を追加するだけで、新たにドレン構造を追加することがなく、簡単な構成とすることができる。
しかも、上記のように、遠心式送風機の停止・作動にかかわらず、スクロールケーシングの下部に溜まろうとする水を外部に排除することができる。
このインテークダクト2の底壁面は、内外気導入ダクト1の直下部分であり傾斜角度が急角度である第1傾斜底壁面2aと、遠心式送風機4に向かう部分であり傾斜角度が緩角度である第2傾斜底壁面2bと、を有する。
なお、実施例1の排水構造には、ドレンパイプ9(外部排出構造)も含まれるが、このドレンパイプ9は、エバポレータ6を収容する本体ケース5のドレンパン部5aに設けられ、本来、エバポレータ6の外部フィン67(図5(a)参照)に付着した凝縮水を外部に排出するために設けられた既存の外部排出構造である。
図5は実施例1の排水構造におけるエバポレータを示す正面図および平面図、図6は実施例1の排水構造におけるエバポレータを示す分解斜視図である。
このため、前記風上側上部ヘッダタンク61は、一対の板状部材601,602に形成したタンク穴601a,602aを多数積層することで構成される。前記風下側上部ヘッダタンク62は、一対の板状部材601,602に形成したタンク穴601b,602bを多数積層することで構成される。前記風上側下部ヘッダタンク63は、一対の板状部材601,602に形成したタンク穴601c,602cを多数積層することで構成される。前記風下側下部ヘッダタンク64は、一対の板状部材601,602に形成したタンク穴601d,602dを多数積層することで構成される。
また、前記風上側熱交換チューブ65は、一対の板状部材601,602に形成した冷媒通路601e,602eの間に熱交換促進フィン603を挟み込むことで構成される。前記風下側熱交換チューブ66は、一対の板状部材601,602に形成した冷媒通路601f,602fの間に熱交換促進フィン604を挟み込むことで構成される。
スクロールケーシングの巻き角度が300°程度あり、モータを水平に配置した遠心送風機を用いた車両用空調装置では、車両レイアウトにより、図9に示すように、インテークダクトやスクロールケーシングに付着した雪や水滴がスクロールケーシングの下部に溜まり、溜まった水が凍結すると、ファンの破損原因となる。
なお、HVAC(エイチバック)とは、Heating、Ventilating and Air-Conditioning Systemの略称である。
実施例1の車両用空調装置の排水構造での遠心式送風機の停止時における排水作用を、図1〜図4に基づいて説明する。
遠心式送風機4の停止時、インテークダクト2に導入された水は、下記の過程を経過して外部に排出される。
ここで、第1排水穴10と第2排水穴11との間は、第1排水穴10から第2排水穴11に向かって下り勾配の案内傾斜溝14により接続されている。このため、図2に示すように、第1排水穴10からの水は案内傾斜溝14に集められ、かつ、図3及び図4に示すように、スクロールケーシング41の内面に付着した水滴が凝縮した水も案内傾斜溝14に集められる。すなわち、案内傾斜溝14に集約された水が遠心式送風機4のスクロールケーシング41の下部に導かれる。
ここで、エバポレータ6として、長手方向の中間位置に隙間を有する積層型熱交換器を用いているため、エバポレータ6の上部に導かれた水は、図3に示すように、風上側上部ヘッダタンク61と風下側上部ヘッダタンク62の隙間と、風上側熱交換チューブ65と風下側熱交換チューブ66の隙間と、風上側下部ヘッダタンク63と風下側下部ヘッダタンク64の隙間と、を経由する。つまり、積層型熱交換器構造のエバポレータ6に有する隙間を、排水路として利用している。
そして、インテーク専用ドレンホースなどの排水部品を追加する場合に比べ、レイアウト自由度を高めることができる。
しかも、上記のように、遠心式送風機4の停止時においても、スクロールケーシング41の下部に溜まろうとする水を、最短ルートで外部に排除することができる。
実施例1の車両用空調装置の排水構造での遠心式送風機の停止時における排水作用を、図1及び図7に基づいて説明する。
遠心式送風機4の作動時、インテークダクト2に導入された水やスクロールケーシング41の内面に付着した水滴は、下記の過程を経過して外部に排出される。
このとき、スクロールケーシング41の内面に付着した水滴も同様に、ファン風圧によりスクロールケーシング41の内面に沿って導かれる。
ここで、エバポレータ6に水が捕捉されるとき、外部フィン67や風上側熱交換チューブ65に衝突するため、捕捉された水がエバポレータ6から抜け出ることはなく、エバポレータ6に沿って下方に伝わる。
実施例1の車両用空調装置の排水構造にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
2 インテークダクト
2a 第1傾斜底壁面
2b 第2傾斜底壁面
3 クリーンフィルタ
4 遠心式送風機
41 スクロールケーシング
42 ブロアファン
43 ファンモータ
5 本体ケース
6 エバポレータ
61 風上側上部ヘッダタンク
62 風下側上部ヘッダタンク
63 風上側下部ヘッダタンク
64 風下側下部ヘッダタンク
65 風上側熱交換チューブ
66 風下側熱交換チューブ
67 外部フィン
7 送風路
8 気密止水シート
9 ドレンパイプ(外部排出構造)
10 第1排水穴(第1連通部)
11,12 第2排水穴(第2連通部)
13 ドレン隙間
14 案内傾斜溝
ML モータ回転軸
Claims (5)
- 内気と外気の少なくとも一方を吸い込むインテークダクトと、該インテークダクトを吸込側に連結すると共にモータ回転軸を水平に配置した遠心式送風機と、該遠心式送風機の吐出側に連通する送風路の途中位置に配置されたエバポレータと、該エバポレータを収容する本体ケースに設けられ、エバポレータの外部フィンに付着した凝縮水を外部に排出する外部排出構造と、を備えた車両用空調装置の排水構造において、
前記インテークダクトの底壁面と前記遠心式送風機のスクロールケーシングの下部を連通する第1連通部と、
前記スクロールケーシングの下部と前記エバポレータの上部を連通する第2連通部と、
を設けたことを特徴とする車両用空調装置の排水構造。 - 請求項1に記載された車両用空調装置の排水構造において、
前記第1連通部は、前記インテークダクトの傾斜底壁面と前記スクロールケーシングの下部位置を前記遠心式送風機のモータ回転軸方向に連通する第1排水穴であり、
前記第2連通部は、前記スクロールケーシングの下部位置と前記エバポレータの上部位置を一致させ、両位置を前記遠心式送風機のモータ回転軸と直交する方向に連通する第2排水穴であり、
前記エバポレータは、熱交換面を前記遠心式送風機のモータ回転軸に平行な面とする縦方向配置であることを特徴とする車両用空調装置の排水構造。 - 請求項2に記載された車両用空調装置の排水構造において、
前記第1排水穴と前記第2排水穴との間は、第1排水穴から第2排水穴に向かって下り勾配の案内傾斜溝により接続したことを特徴とする車両用空調装置の排水構造。 - 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載された車両用空調装置の排水構造において、
前記エバポレータは、並列配置の風上側上部ヘッダタンクおよび風下側上部ヘッダタンクと、並列配置の風上側下部ヘッダタンクおよび風下側下部ヘッダタンクと、風上側の2つのヘッダタンクと風下側の2つの下部ヘッダタンクとをそれぞれ接続する並列配置の風上側熱交換チューブおよび風下側熱交換チューブと、を有し、
前記第2連通部を通過して前記エバポレータの上部に導かれた水を、風上側上部ヘッダタンクと風下側上部ヘッダタンクの隙間から、風上側熱交換チューブと風下側熱交換チューブの隙間と、風上側下部ヘッダタンクと風下側下部ヘッダタンクの隙間を経由し、本体ケースに設けた外部排出構造から外部に排出することを特徴とする車両用空調装置の排水構造。 - 内気と外気の少なくとも一方を吸い込むインテークダクトと、該インテークダクトを吸込側に連結すると共にモータ回転軸を水平に配置した遠心式送風機と、該遠心式送風機の吐出側に連通する送風路の途中位置に配置されたエバポレータと、該エバポレータを収容する本体ケースに設けられ、エバポレータの外部フィンに付着した凝縮水を外部に排出する外部排出構造と、を備えた車両用空調装置において、
前記遠心式送風機の停止時、インテークダクトに付着または混入した雪や水滴が水となってダクト底壁面に沿って流れる際、この水をダクト底壁面から遠心式送風機のスクロールケーシングの下部に導き、さらに、スクロールケーシングの下部からエバポレータの上部に導き、さらに、エバポレータの上部からエバポレータに沿って下方に伝わり、エバポレータの凝縮水を排出する本体ケースの外部排出構造から外部に排出することを特徴とする車両用空調装置の排水構造。
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