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JP2007316332A - 画像形成方法 - Google Patents

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JP2007316332A JP2006145765A JP2006145765A JP2007316332A JP 2007316332 A JP2007316332 A JP 2007316332A JP 2006145765 A JP2006145765 A JP 2006145765A JP 2006145765 A JP2006145765 A JP 2006145765A JP 2007316332 A JP2007316332 A JP 2007316332A
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Hiroyuki Fujikawa
博之 藤川
Kunihiko Nakamura
邦彦 中村
Nozomi Komatsu
望 小松
Takayuki Itakura
隆行 板倉
Hirohide Tanigawa
博英 谷川
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Abstract

【課題】高画質画像を得、キャリア付着を防止し、長期にわたり安定した画像を出力することができる画像形成方法の提供。
【解決手段】トナーとキャリアとを含有する二成分現像剤を収容する現像器を用いて該静電潜像を現像する現像工程とを少なくとも有する画像形成方法であって、該現像器へは、少なくとも補給用トナーと補給用キャリアを含有する補給用現像剤が補給され、且つ該現像器からは過剰になったキャリアが排出され、該補給用現像剤は、補給用キャリア1質量部に対して補給用トナーを2乃至50質量部の質量比で含有してなり、該感光層が少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該感光層の総膜厚、該キャリア及び補給用キャリアの体積基準の50%粒径(D50)、真比重、1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さが特定の値であることを特徴とする画像形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法に用いられる画像形成方法に関する。
一般的に複写機、プリンターのように画像を紙などの記録媒体に記録する画像形成装置においては、画像を記録媒体に記録するシステムとして、電子写真システムが採用されている。
電子写真システムは、表面に感光物質が塗布された感光体を静電潜像担持体とする。まず、感光体の表面が一様に帯電された後に、感光体の表面にレーザー光が照射され、照射された部分と照射されなかった部分との間に電位差が与えられる。
次に、トナー及びキャリア等を有する現像剤を用いて、帯電したトナーを電位に応じて感光ドラムの表面に付着させることによって、感光体の表面上にトナー像を形成させる。その後、そのトナー像を記録媒体に転写させ、熱及び圧力等によって記録媒体上にトナーを定着させ、画像を形成する。
通常の二成分現像法において、現像器内のトナーは消費され、新たなトナーによって不足した分の補充が行われるが、キャリアは持続して使用されるため、キャリアの劣化のため、現像特性が悪化し、定期的に現像器内の現像剤を交換するという作業が発生するという課題がある。この技術的課題に対し、補給トナーとキャリアを一定比率で補給し、現像性能の低下した現像器内のキャリアを徐々に新しいキャリアと交換し、これらのメンテナンス作業を不要とするという提案がなされている(例えば特許文献1参照)。
しかし、上記特許文献1に記載の現像法では、キャリアを含んだ補給用現像剤を補給す
るため、現像器内の現像剤と補給用現像剤との混合性に問題が生じる。例えば、混合性が悪化した場合、現像剤の帯電量に不均一が生じ、現像特性が悪化することがある。
最近では、出力機器の高画質化、高速化などに伴うトナーや感光体の低ランニングコスト化などの要求が強まり、上記電子写真システムで用いられる感光ドラムとしては、高分解能の必要性から、より感光層膜厚の薄いものが使用され、また、その上で、低ランニングコスト化のために、感光ドラムの寿命を長くする必要性から、感光体表面の電気、機械的強度や耐摩耗性向上が図られている。
感光体の高分解能や高耐久化を図る上で、表面層に硬化性樹脂を用いる提案が、いくつかなされている(例えば特許文献2、3参照)。表面層に硬化性樹脂を用いた場合、熱可塑性樹脂に比べ、機械的強度が上がり削れにくくなり、傷も入りにくくなるため、寿命は長くなる。さらに、感光体の高分解能化まで含めた高耐久を図るため、感光体の表面層に各種エネルギー(熱、紫外線、電子線など)を利用した保護層を形成する方法が提案されている(例えば特許文献4の実施例1参照)。
しかし、このような薄膜感光体は、静電容量が大きくなるために感光体電位と画像濃度との特性において、γカーブが大きくなる。またはコントラストの電位が小さくなることにより、白黒複写機、プリンターでは非常にくっきりした画像が得られるが、特に中間調の高画質が求められるフルカラー複写機、プリンターにおいては、中間調ではγカーブが非常に立っていることから中間調を再現するのが困難になったり、わずかな電位の変動により濃度変化が大きくなることで色再現性が難しくなる等の問題を生じる場合がある。
一方で、高画質化の目的で現像剤からのアプローチもある(例えば特許文献5の2頁〜3頁参照)。高画質化のためにトナーを小粒径で粒度分布を規定して、さらにキャリアを小粒径化し、形状を規定することで流動性に優れ、解像性、階調性、細線再現性に優れるという提案がなされている。トナー及びキャリアの小粒径化は、高画質化には非常に効果的であるが、上述のような高分解能な薄膜感光体を用いた場合には、階調性をとる(γカーブを寝かせる)ためにトナー帯電量を非常に高めることが必要となり、その場合の現像性、いわゆるキャリアからのトナー離れを満足するには十分でない場合がある。また、トナー帯電量が高くなるとキャリアにカウンターチャージがたまりやすくなり、感光ドラムへのキャリア付着を生じやすくなり、その際キャリア形状が不定形であると感光ドラムに強固な保護層がある場合でも表面に微細な傷を生じやすく、耐久が進むにつれ感光ドラム表面がマット化され、ハーフトーン部にガサツキを生じる場合もあった。
特公平2−21591号公報 特開平05−216249号公報 特開平07−72640号公報 特開2003−345049号公報 特開平06−332237号公報
本発明の目的は、上述の如き問題点を解決した画像形成方法を提供するものである。
すなわち、本発明の目的は、導電性支持体と導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体を帯電する帯電工程と、該感光体上に静電潜像を形成する露光工程と、トナーとキャリアとを含有する二成分現像剤を収容する現像器を用いて該静電潜像を現像する現像工程とを少なくとも有する画像形成方法において、高画質画像を得、さらにキャリア付着を防止し、長期にわたり安定した画像を出力できる画像形成方法を提供することある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ある特定の膜厚の電子写真感光体とある特定トナー及びキャリアを含有する補給用現像剤を用いた画像形成方法により、上記要求を満足できることを見いだし、本発明に至った。
本発明の目的は、下記の(1)から(6)に記載の画像形成方法を用いることにより達成することが出来る。
(1)導電性支持体と該導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体を帯電する帯電工程と、該感光体上に静電潜像を形成する露光工程と、トナーとキャリアとを含有する二成分現像剤を収容する現像器を用いて該静電潜像を現像する現像工程とを少なくとも有する画像形成方法であって、該現像器へは、少なくとも補給用トナーと補給用キャリアを含有する補給用現像剤が補給され、且つ該現像器からは過剰になったキャリアが排出され、該補給用現像剤は、補給用キャリア1質量部に対して補給用トナーを2乃至50質量部の質量比で含有してなり、該感光層が少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該感光層の総膜厚が5.0μm乃至15.0μmであり、該キャリア及び補給用キャリアの体積基準の50%粒径(D50)が15乃至70μmであり、該キャリア及び補給用キャリアの真比重が、2.5乃至4.2g/cmであり、該キャリア及び補給用キャリアの1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さが40乃至70Am/kgであることを特徴とする画像形成方法。
(2)キャリア及び補給用キャリアは、平均円形度が0.850乃至0.950であり、円形度0.800以上の粒子を90個数%以上含有することを特徴とする(1)に記載の画像形成方法。
(3)トナー及び補給用トナーは、該トナーを、メタノールを45体積%含む水溶液に分散した分散液の波長600nmにおける光の透過率が、30%乃至80%であることを特徴とする(1)または(2)に記載の画像形成方法。
(4)トナー及び補給用トナーの円相当径2.0μm以上の粒子における平均円形度が0.930乃至1.000であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の画
像形成方法。
(5)キャリア及び補給用キャリアが、結着樹脂を形成するためのモノマーを磁性体存在下で重合して得られた磁性体含有樹脂キャリアであることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の画像形成方法。
(6)静電潜像が、380nm乃至500nmの波長を有する半導体レーザーを用いて形成されることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の画像形成方法。
本発明によれば、電子写真感光体の膜厚を最適な範囲にし、最適な補給用トナーと最適な補給用キャリアを含有する補給用現像剤を用いた画像形成方法により、高画質画像を得、さらにキャリア付着を防止し、長期にわたり安定した画像を出力することができる。
本発明の画像形成方法は、導電性支持体と該導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体を帯電する帯電工程と、該感光体上に静電潜像を形成する露光工程と、トナーとキャリアとを含有する二成分現像剤を収容する現像器を用いて該静電潜像を現像する現像工程とを少なくとも有する画像形成方法において、該現像器へは、少なくとも補給用トナーと補給用キャリアを含有する補給用現像剤が補給され、且つ該現像器からは過剰になったキャリアが排出され、該補給用現像剤は、補給用キャリア1質量部に対して補給用トナーを2乃至50質量部の質量比で含有してなり、該感光層が少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該感光層の総膜厚が5.0μm乃至15.0μmであり、該キャリア及び補給用キャリアの体積基準の50%粒径(D50)が15乃至70μmであり、該キャリア及び補給用キャリアの真比重が、2.5乃至4.2g/cmであり、該キャリア及び補給用キャリアの1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さが40乃至70Am/kgであることを特徴とする。このことにより高画質画像を得ることができ、さらにキャリア付着を防止し、長期にわたり安定した画像を出力することができる。
本発明において、感光層の総膜厚を5.0μm乃至15.0μmにすることにより、高分解能の静電潜像を得ることができる。これは、感光体表面の静電容量が大きくなることにより、高い電荷密度を保持することが可能であるためである。しかし、該感光体は、導電性支持体上に感光層を有しているため、該範囲の総膜厚で用いた場合、感光体表面への電荷注入が起こりやすく、感光体上へのキャリア付着が起きることがあった。そこで、本発明の補給用現像剤を用いることにより、感光体へのキャリア付着を防止し、長期にわたる安定した画像を出力することが可能となった。
上記キャリア付着防止効果は、補給用現像剤中において、補給用キャリアにトナーが被覆された状態で現像器内に補給されることにより現像器内でのトナーに被覆されていないキャリアの割合が減少するためである。
また、該補給用現像剤を用いることにより、長期にわたりトナーの帯電量が安定し、濃度変動の少ない画像を出力することができる。これは、更に、補給用現像剤中にキャリア
を予め混合することにより、現像器内でのキャリアとトナーの混合性が良好になり、トナーが迅速に帯電を保持することが可能になったためと推測される。
このように、本発明の感光体と補給用現像剤を用いることにより、高分解能の静電潜像を忠実に再現することが出来、更にキャリア付着の低減した画像を得ることが可能となった。
更に、該キャリア及び補給用キャリアの体積基準の50%粒径(D50)が15乃至70μmであり、該キャリア及び補給用キャリアの真比重が、2.5乃至4.2g/cmであり、該キャリア及び補給用キャリアの1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さが40乃至70Am/kgである場合に、静電潜像に対して忠実な階調性を長期間にわたり得ることが可能である。
これは、上記キャリアの50%粒径及び真比重が上記範囲を示すことにより、現像器内で、スクリュー等で攪拌混合されても、トナーへかかる負荷が少なく、キャリアへのトナーの付着が抑制される。その結果、キャリアが初期の状態を維持できることにより、高分解能の静電潜像を再現した現像を長期間得ることが可能となった。
また、上記真比重の場合、トナーとの比重差が小さくなるため、特に粗粉キャリアは現像剤回収口まで汲み上げやすくなりキャリアの回収(排出)が安定に行われ、回収キャリアには微粉が少ない。その結果として、キャリアの粒度が維持され、長期にわたり高画質が維持される。
さらに、上記補給用現像剤は、補給用キャリア1質量部に対して補給用トナーを2乃至50質量部の質量比で含有していることを特徴とする。
上記補給用トナーの質量比が2質量部未満の場合、補給されるトナーの量が相対的に少なくなり、トナーの帯電量が不均一になり、白筋などの画像不良を起こす傾向にある。一方、該質量比が50質量部を超える場合には、補給用キャリアの補給効果が出にくく、現像剤の性能が低下し、耐久性が悪化し、かぶりが多くなる傾向にある。
本発明で用いる感光体は、導電性支持体上に感光層を有しており、該感光層が少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該感光層の総膜厚が5.0μm乃至15.0μmであることを特徴とする。上記感光層は、耐久性を保持させるために、更に保護層を設けてもよい。
上記感光層の総膜厚が、5.0μm未満の場合、耐久に伴い感光体上の帯電性低下が起こり、白地部にかぶりが発生してしまう。また、15.0μmを超える場合には、高分解能の静電潜像を得ることが難しい。
上記電荷発生層の用いられる電荷発生材料としては、特に限定されず、一般的な材料を用いることが可能である。該電荷発生材料の例として、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、並びにα、β、γ、εおよびX型などの結晶型を有するフタロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、およびキノシアニンおよびA−Si(アモルファスシリコン)等の各種の中心金属および結晶系が挙げられる。
また、上記電荷発生層において、上記電荷発生材料以外に、結着樹脂を用いることも可能である。結着樹脂の具体例として、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂
、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド−イミド、ポリサルフォン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂などが挙げられる。
上記電荷発生層に結着樹脂を含有する場合、結着樹脂と電荷発生材料との質量の総和に対する電荷発生材料の比率は、0.1〜100.0質量%が好ましく、より好ましくは10.0〜80.0質量%である。
上記電荷発生層の膜厚は、0.1〜6.0μmが好ましく、より好ましくは、0.1〜2.0μmである。電荷発生層全体に含有される電荷発生材料の比率は、10.0〜100.0質量%が好ましく、より好ましくは50.0〜100.0質量%である。
上記電荷輸送層に用いられる電荷輸送材料としては、ピレン化合物、N−アルキルカルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物などが挙げられる。
また、上記電荷輸送層において、上記電荷輸送材料以外に、結着樹脂を用いることも可能である。結着樹脂の具体例として、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミドなどが挙げられる。
上記電荷輸送層を電子写真感光体の最表面層とする場合、電荷輸送層に高エネルギー線等を利用して、硬化、重合する樹脂、あるいはモノマー、更には正孔輸送機能を有する硬化、重合する樹脂あるいはモノマーを用いることが可能である。
上記電荷輸送層に結着樹脂を含有する場合、結着樹脂と電荷輸送材料との質量の総和に対する電荷輸送材料の比率は0.1〜100.0質量%が好ましく、より好ましくは10.0〜80.0質量%である。
電荷輸送層の厚さは薄すぎると帯電能が保てず、厚すぎると残留電位が高くなりすぎるため適当な範囲にする必要がある。好ましくは5.0〜14.9μm、より好ましくは7.0〜12.0μmである。
上記電荷輸送層中に含まれる電荷輸送材料の量の比率は、好ましくは20.0〜100.0質量%であり、より好ましくは30.0〜90.0質量%である。
また、電荷輸送層の上層に保護層を設ける場合、その膜厚は0.1〜8.0μmが好ましく、より好ましくは0.1〜7.0μmである。この保護層には、放射線や電子線を利用して、硬化、重合する樹脂、あるいはモノマーを用いることが可能である。更に、保護層中に金属およびその酸化物、窒化物、塩、合金やカーボン等の導電性材料を含有してもよい。その様な金属種としては、鉄、銅、金、銀、鉛、亜鉛、ニッケル、スズ、アルミニウム、チタン、アンチモン、インジウムなどが挙げられ、具体的には、ITO、TiO、ZnO、SnO、Alなどが使用可能である。導電性材料は微粒子状のものを保護層中に分散させるが、その粒子径は好ましくは0.001〜5.000μm、より好ましくは0.010〜1.000μmのものが用いられ、その保護層への添加量は、好ましくは1.0〜70.0質量%、より好ましくは5.0〜50.0質量%である。分散剤としてチタンカップリング剤、シランカップリング剤、各種界面活性などを用いてもよい。
上記感光層を構成する各層には、酸化防止剤や光劣化防止剤等各種添加剤を用いてもよ
い。また、本発明に用いられる電子写真感光体の最表面層にはその滑性や撥水性を改善する目的で各種フッ素化合物やシラン化合物、金属酸化物等あるいはそれらの微粒子等を含有してもよい。これらの分散性を改善する目的で分散剤や界面活性剤を用いてもよい。該最表面層におけるこれら添加物の含有量は好ましくは1.0〜70.0質量%、より好ましくは5.0〜50.0質量%である。
上記感光体に用いられる導電性支持体には、公知の支持体を用いることができる。例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウムなどの金属や合金、あるいは上記金属の酸化物、カーボン、導電性高分子などの導電性材料が使用可能である。
導電性材料は、そのまま成形加工される場合、導電性の表面を形成するために、支持体となる部材の表面に塗布される塗料として用いられる場合、支持体となる部材の表面に蒸着される場合や、エッチング、プラズマ処理により加工される場合もある。導電性材料が塗料として用いられる場合、支持体は前記金属、合金はもちろん、紙、プラスチックなどの非導電性材料も用いることが可能である。
感光層の層構成として、導電性支持体側から電荷発生層/電荷輸送層をこの順に積層した順層積層構成、導電性支持体側から電荷輸送層/電荷発生層をこの順に積層した逆層積層構成、または電荷発生材料と電荷輸送材料を同一層中に分散した単層からなる構成の、いずれの構成をとることも可能である。
単層の感光層では光キャリアの生成と移動が同一層内で行なわれ、また感光層そのものが表面層となる。一方積層の感光層では、光キャリアを生成する電荷発生層と生成したキャリアが移動する電荷輸送層とが積層された構成をとる。
最も好ましい層構成は、導電性支持体側から電荷発生層/電荷輸送層をこの順に積層した順層構成である。
この場合、電荷輸送層が硬化性樹脂を含有する一層からなる最表面層である電子写真感光体、または電荷輸送層が非硬化型の第一層と硬化型の第二層の積層型であり、硬化型の第二層が最表面層である電子写真感光体のいずれかが好ましい。
また、単層、積層どちらの場合においても、感光層の上層に保護層を設けることが可能であり、この場合保護層が硬化性樹脂を含有していることが好ましい。
更に上記支持体上に、支持体のムラや欠陥の被覆、および画像入力がレーザー光の場合には散乱による干渉縞防止を目的とした導電層を設けることが好ましい。これは、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物等の導電性粉体を、結着樹脂中に分散して形成することができる。
また、導電性支持体あるいは導電層と感光層との間に下引き層を設けてもよい。下引き層は、各層間の界面での電荷注入制御や接着層として機能する。下引き層は、主に結着樹脂から成るが、前記金属や合金、またはそれらの酸化物、塩類、界面活性剤などを含んでもよい。下引き層を形成する結着樹脂の具体例としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド−イミド、ナイロン、ポリサルフォン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、ブチラール樹脂などが挙げられる。下引き層の膜厚は、好ましくは0.1〜7.0μmであり、より好ましくは0.1〜2.0μmである。
電子写真感光体の最表面層等の前述した各層は、所期の化合物そのもの、又はそれを含有する溶液や分散液等の組成物を、支持体又は支持体上に既に形成されている層の上に、蒸着、塗布などの公知の方法で付着させ、前記化合物又は組成物の膜を形成し、この膜を
硬化させる公知の方法によって形成することができる。このような公知の方法の中でも塗布法が最も好ましい。塗布による方法は、薄膜から厚膜まで広い範囲で、しかもさまざまな組成の膜が形成可能である。具体的には、バーコーター、ナイフコーター、浸漬塗布、スプレー塗布、ビーム塗布、静電塗布、ロールコーター、アトライター、粉体塗布などで塗布される
図1に本発明に用いられる電子写真感光体を用いた一般的な転写式電子写真装置の概略構成例を示した。
図1において、1は像担持体としての本発明に用いられる電子写真感光体であり軸1aを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。前記電子写真感光体1は回転過程で帯電手段2によりその最表面層の表面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで露光部にて像露光Lにより光像露光(スリット露光・レーザービーム走査露光など)を受ける。これにより電子写真感光体最表面層の表面に露光像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
その静電潜像はついで現像手段3で現像スリーブ3−1からトナーが供給され、トナー現像されたそのトナー現像像が転写手段4により不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段4との間に電子写真感光体1の回転と同期で取り出されて給紙された転写材7の面に順次転写されていく。
像転写を受けた転写材7は感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写物(コピー)として機外へ出力される。
像転写後の電子写真感光体1の表面はクリーニング手段5にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段6により除電処理されて繰り返して像形成に使用される。
上述の感光体や現像手段、クリーニング手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成してなるプロセスカートリッジにしても良い。図2にプロセスカートリッジの例を示す。
例えば、電子写真感光体1とクリーニング手段5とを一体化してひとつの装置ユニットとし、装置本体のレール12などの案内手段を用いて着脱自在の構成にしても良い。このとき、上記の装置ユニットの方に帯電手段および/または現像手段を伴って構成しても良い。
像露光Lは、電子写真装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは原稿を読取り信号化し、この信号によりレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、または液晶シャッターアレイの駆動などにより行われる。ファクシミリのプリンターとして使用する場合には、像露光は受信データをプリントするための露光になる。
本発明では、上記静電潜像が、380nm乃至500nmの波長を有する半導体レーザーを用いて露光され、静電潜像を形成されることが好ましい。
これは、スポット径Dと波長λの関係が下記関係式で表されることによる。
D=1.22λ/NA (ここでNAはレンズ開口数を表わす。)
上記380nm乃至500nmの波長を有する半導体レーザーの具体例としては、青色発光半導体レーザー(380nm〜500nm)があり、従来の赤色半導体レーザー(680nm,780nm)に対し、同様の光学系を用いてレーザースポット径を約1/2に絞る事が可能である。
このように、380nm乃至500nmの波長を有する半導体レーザーを用いることにより小径のレーザースポット光を形成することができ,特にハイライトからハーフトーンにかけて忠実な面積階調制御をおこなうことで高精細画像記録,特に良好な階調特性を実
現することが可能となる。
これを本発明に適用した場合、感光体上に小径のレーザースポット光潜像を形成することが可能となり、その潜像を忠実に再現した高画質画像を得、さらにキャリア付着を防止し、長期にわたり安定した画像を出力できるため好ましい。
上記波長が500nmを超える波長を有する半導体レーザーの場合は、D=1.22λ/NAの関係式より、スポット径を一定以上小さくするのは困難である。また、380nm未満の波長を有する半導体レーザーは、高出力化が難しく、現状、実生産に至っていない。
本発明で用いられる電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いることができる。
本発明において、キャリア及び補給用キャリアの体積基準の50%粒径(D50)が15乃至70μmであり、キャリア及び補給用キャリアの真比重が、2.5乃至4.2g/cmであり、キャリア及び補給用キャリアの1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さが40乃至70Am/kgであることを特徴とする。
上記キャリア及び補給用キャリアの体積分布基準の50%粒径(D50)は15乃至70μmであり、好ましくは、20乃至70μmであり、更に好ましくは、25乃至60μmである。体積分布基準の50%粒径(D50)がこの範囲である場合、長期にわたり、キャリアの感光体上への耐付着性も良好であり、良好なドット再現性の良い高画像を得ることができる。
上記が15μm未満の場合、キャリアの比表面積が大きくなりトナーとの混合性はよくなるが、現像時に感光体上へのキャリア付着を生じることがある。キャリアの体積分布基準の50%粒径(D50)が70μmを超える場合には、トナーに与えるストレスが大きくなり、現像性を悪化させることがある。
キャリアの体積基準の50%粒子径(D50)は、風力分級や篩分級を行うことで、上記の範囲に調整することができる。
上記キャリア及び補給用キャリアの真比重は、2.5乃至4.2g/cmであり、好ましくは、2.7乃至4.1g/cmであり、更に好ましくは、3.0乃至4.0g/cmである。真比重が、この範囲である場合、長期にわたり、キャリアの感光体上への耐付着性も良好であり、良好なドット再現性の良い高画像を得ることができる。
上記真比重が2.5g/cm未満の場合、現像時に感光体上に現像されやすくなり、キャリア付着を起こすことがある。キャリアの真比重が4.2g/cmを超える場合、現像時におけるドット再現性が悪化し、更に、現像器内での現像剤へのストレスが大きくなり、キャリアを劣化させることがある。
キャリアの真比重は、含有する元素の種類及び量を適宜選択することにより、調整され得る。
上記キャリア及び補給用キャリアの磁化の強さは、1000/4π(kA/m)の磁界下において40乃至70Am/kgである。キャリアの磁化の強さがこの範囲である場合、長期にわたり、キャリアの感光体上への耐付着性も良好であり、良好なドット再現性の良い画像を得ることができる。
上記キャリアの磁化の強さが40Am/kg未満の場合、現像時に感光体上に現像されやすくなり、キャリア付着を起こすことがある。キャリアの磁化の強さが70Am/kgを超える場合、現像時におけるドット再現性が悪化し、更に、現像器内での現像剤へのストレスが大きくなり、キャリアを劣化させることがある。また、現像担持体上での磁気ブラシにより画像を乱すこともある。
キャリアの磁化の強さは、含有される元素の種類及び量を適宜選択することにより、調整され得る。
上記キャリア及び補給用キャリアは、平均円形度が0.850乃至0.950であり、円形度0.800以上の粒子を90個数%以上含有することが好ましい。
上記キャリア及び補給用キャリアの平均円形度は、好ましくは、0.870乃至0.930であり、更に好ましくは、0.880乃至0.920である。平均円形度は粒子の丸さの形状を表す係数であり、粒子の最大径と計測した粒子投影面積から求められる。平均円形度が1.000であれば真球状(真円)であることを示し、数値が小さくなるほど細長い、あるいは不定形な形状であることを示す。
上記キャリア及び補給用キャリアの平均円形度が0.850乃至0.950を有する場合、十分なキャリア強度を有し、トナーへの帯電付与性に優れ、かつトナーへダメージを与えにくい。また、トナースペントも起こりにくく、キャリアの感光体上への耐付着性も良好であり、耐久性に優れる。上記平均円形度が0.850未満の場合、粒子が不定形な形状をしていることを意味しており、この場合、トナーへの帯電付与性が悪化することがあり、好ましくない。また、上記平均円形度が0.950を超える場合は、キャリアの比表面積が小さくなり、帯電付与性が低下することがある。また、円形度0.800以上の粒子を90個数%以上含有する場合、トナーに対して均一な帯電付与性があり好ましい。
円形度0.800以上の粒子が90個数%未満の場合、帯電付与性が悪化し、更に、現像器内での混合性が悪化し、好ましくない。
キャリアの平均円形度は、機械的衝撃、熱を用いた球形化処理を施すことにより便宜調整することができる。
本発明で用いられるキャリア及び補給用キャリア(以下特に断らない限り、単にキャリアという)としては、上記各物性を満たしていれば、特に限定されない。例えば、多孔質磁性体(多孔質フェライトを含む)に樹脂が含浸された、いわゆる樹脂含浸キャリアであっても良く、磁性体が樹脂中に分散されている磁性体含有樹脂キャリアであってもよい。
上記キャリアの中でも、樹脂中に磁性体を分散させた磁性体含有樹脂キャリアを用いるのが好ましい。
上記磁性体含有樹脂キャリアを製造する方法としては、樹脂を構成するモノマーを磁性体存在下で重合して得る方法がある。
このとき、重合に用いられるモノマーとしては、ビニル系モノマーの他に、エポキシ樹脂を形成するためのビスフェノール類とエピクロロヒドリン;フェノール樹脂を形成するためのフェノール類とアルデヒド類;尿素樹脂を形成するための尿素とアルデヒド類、メラミン樹脂を形成するためのメラミンとアルデヒド類が挙げられる。
例えば、フェノール樹脂を用いた磁性体含有樹脂キャリアの製造方法としては、フェノール類とアルデヒド類と磁性体とを含有する水性媒体中において、フェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で重合して磁性体含有樹脂キャリアを得ることができる。この方法により磁性体含有樹脂キャリアを製造した場合には、平均円形度を上記の範囲に調整しやすく、好ましい製造方法である。
上記磁性体含有樹脂キャリアを形成する樹脂としてはフェノール樹脂が好ましい。該フェノール樹脂を生成するためのフェノール類としては、フェノールの他、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールAの如きアルキルフェノール類及びベンゼン核又はアルキル基の一部又は全部が塩素原子や臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類の如きフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。中でもフェノール(ヒドロキシベンゼン)がより好ましい。
上記フェノール樹脂を生成するためのアルデヒド類としては、ホルマリン又はパラアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒド及びフルフラール等が挙げられる。中でもホルムアルデヒドが特に好ましい。
アルデヒド類のフェノール類に対するモル比は、1乃至4が好ましく、特に好ましくは1.2乃至3である。アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が1より小さいと、粒子が生成し難く、生成したとしても樹脂の硬化が進行し難いために、生成する粒子の強度が弱くなる傾向がある。一方、アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が4よりも大きいと、反応後に水系媒体中に残留する未反応のアルデヒド類が増加する傾向がある。
フェノール類とアルデヒド類とを縮重合させる際に使用する塩基性触媒としては、通常のレゾール型樹脂の製造に使用されているものが挙げられる。このような塩基性触媒としては、アンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン及びジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミンの如きアルキルアミンが挙げられる。これら塩基性触媒のフェノール類に対するモル比は、0.02乃至0.30が好ましい。
上記磁性体含有樹脂キャリアを製造する他の方法としては、ビニル系又は非ビニル系の熱可塑性樹脂、磁性体、その他の添加剤を混合機により十分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き混練機を用いて溶融・混練して、これを冷却後、粉砕・分級を行って磁性体含有樹脂キャリアコアを得る方法がある。この際、得られた磁性体含有樹脂キャリアコアを熱であるいは機械的に球形化して磁性体含有樹脂キャリアとして用いることが好ましい。
磁性体含有樹脂キャリアに用いる磁性体の量としては、上記磁性体含有樹脂キャリアに対して70乃至95質量%(より好ましくは、80乃至92質量%)であることが、磁性体含有樹脂キャリアの真比重を小さくし、機械的強度を十分に確保する上で好ましい。さらに、磁性体含有樹脂キャリアの磁気特性を調整するために、磁性体含有樹脂キャリアに含有させる磁性体の一部を非磁性無機化合物に置き換えて配合してもよい。
また、非磁性無機化合物は、磁性体よりも比抵抗値が大きく、非磁性無機化合物の個数平均粒径は磁性体の個数平均粒径よりも大きい方が、キャリアの比抵抗値を高める上で好ましい。
磁性体及び非磁性無機化合物の総量に対して、磁性体は30乃至99質量%含まれていることが、磁性体含有樹脂キャリアの磁化の強さを調整して、感光体へのキャリア付着を防止し、さらに、磁性体含有樹脂キャリアの比抵抗値を調整する上で好ましい。
上記磁性体含有樹脂キャリアは、磁性体がマグネタイト微粒子であるか、又は、鉄元素を少なくとも含む磁性フェライト微粒子であることが好ましく、また、非磁性無機化合物がヘマタイト(α−Fe23)の微粒子であることが、キャリア中での分散性を均一にし、キャリアの磁気特性、真比重を調整する上で、より好ましい。
上記磁性体は個数平均粒径が0.02乃至2μmであることが、磁性体含有樹脂キャリアの粒子表面の状態を均一にする点で好ましい。非磁性無機化合物は、個数平均粒径が0.05乃至5μmであることが好ましく、非磁性無機化合物の粒径が磁性体の粒径よりも1.1倍以上大きい方が、磁性コア粒子の表面抵抗値をより高める上で好ましい。
磁性体含有樹脂キャリアは、コート材によって表面がコートされていることが帯電付与性や離型性の点から好ましい。コート材を形成する樹脂としては、絶縁性の樹脂を用いることが好ましい。この場合に使用し得る絶縁性樹脂は、熱可塑性の樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。
上記コート材を形成する樹脂としては、具体的には、例えば、熱可塑性の樹脂としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートやスチレン−アクリル酸共重合体の如きアクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフルオロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフルオロカーボン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースの如きセルロース誘導体、ノボラック樹脂、低分子量ポリエチレン、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリーレートといった芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、或いは、無水マレイン酸とテレフタル酸と多価アルコールとの重縮合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−グアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。
上述した樹脂は、単独でも使用できるが、夫々を混合して使用してもよい。又、熱可塑性樹脂に硬化剤等を混合し硬化させて使用することもできる。特に好ましい形態は、小粒径でかつ離型剤を含有するトナーに対しては、より離型性の高い樹脂を用いることが好適である。
さらに、前記コート材は、導電性を有する粒子や荷電制御性を有する粒子を含有していることが好ましい。このようなコート材は、前記コート材を形成する樹脂、又はこの樹脂を形成するモノマーに導電性を有する粒子や荷電制御性を有する粒子を含有して、前記樹脂又はモノマーを適当な方法により磁性体含有樹脂キャリアにコートすることが好ましい。これらの粒子は、小粒径で、かつ低温定着性を有するようなトナーに対し、ソフトで素早く帯電を付与するという点で重要である。
上記導電性を有する粒子としては、比抵抗が1×108Ωcm以下のものが好ましく、
さらには、比抵抗が1×106Ωcm以下のものがより好ましい。導電性を有する粒子は
、具体的には、カーボンブラック、マグネタイト、グラファイト、酸化亜鉛、及び酸化錫から選ばれる少なくとも一種以上の粒子を含有する粒子が好ましい。特に導電性を有する粒子としては、良好な導電性を有するカーボンブラックが、トナーへの帯電付与性(帯電量の立ち上がり)を良好にする上で好ましい。
上記導電性を有する粒子は、個数平均粒径が1μm以下であることが、キャリアからの粒子脱落を防止し、また均一な導電サイトとして働く上で好ましい。
上記荷電制御性を有する粒子としては、有機金属錯体の粒子、有機金属塩の粒子、キレート化合物の粒子、モノアゾ金属錯体の粒子、アセチルアセトン金属錯体の粒子、ヒドロキシカルボン酸金属錯体の粒子、ポリカルボン酸金属錯体の粒子、ポリオール金属錯体の粒子が挙げられる。トナー粒子中に分散させる荷電制御剤でもいいが、官能基を有する樹脂粒子や官能基を有する処理剤で処理した無機の粒子を用いることが、トナーへの帯電付与性を良好にするためには好ましい。
具体的には、荷電制御性を有する粒子は、ポリメチルメタクリレート樹脂の粒子、ポリスチレン樹脂の粒子、メラミン樹脂の粒子、フェノール樹脂の粒子、ナイロン樹脂の粒子、シリカの粒子、酸化チタンの粒子、及びアルミナの粒子から選ばれる少なくとも一種以
上の粒子を含有する粒子であることが好ましい。また、無機の粒子の場合には、各種のカップリング剤で処理して用いることが、荷電制御性や導電性を発現するために好ましい。
上記荷電制御性を有する粒子は、個数平均粒径が0.01乃至1.50μmであることが、均一な帯電サイトとして働く上で好ましい。
コート材を形成する樹脂の上記磁性体含有樹脂キャリアへのコート量は、磁性体含有樹脂コア100質量部に対し、0.1乃至5.0質量部であることが、トナーへの帯電付与性、及びキャリアの耐久性を高める上で好ましい。また上記導電性を有する粒子や荷電制御性を有する粒子の配合量は、前記コート材を形成する樹脂100質量部に対し、総量で0.1乃至30.0質量部であることが好ましい。
上記導電性を有する粒子や荷電制御性を有する粒子を、30質量部を越えて添加すると、コート材を形成する樹脂へそれら粒子が分散しづらくなり、磁性体含有樹脂キャリアから前記の粒子が脱離する場合がある。特にカーボンブラックを添加した場合では、耐久するにしたがい、カーボンブラックによるトナーの汚染や部材の汚染を引き起こすことがある。
上記トナーとキャリアとを混合して現像器内での二成分系現像剤として使用する場合、トナーとキャリアの混合比率はキャリア1質量部に対して、トナーを0.02質量部〜0.35質量部の範囲で使用することが好ましく、更に0.04質量部〜0.25質量部が好ましく、特に0.05質量部〜0.20質量部が好ましい。トナーとキャリアの混合比率がキャリア1質量部に対してトナーが0.02質量部未満では画像濃度が低下しやすく、0.35質量部を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
また、本発明において、補給用現像剤は、キャリア1質量部に対して、トナーを2.0〜50.0質量部の質量比で含有しており、補給用現像剤中のトナー及びキャリアが、現像器内中で上記範囲内の場合、均一に効率よく混合でき、均一な帯電分布の現像剤になるため好ましい。
本発明では、トナー及び補給用トナーは、該トナーを、メタノールを45体積%含む水溶液に分散した分散液の波長600nmにおける光の透過率が、好ましくは30%乃至80%であり、より好ましくは35乃至70%の範囲であり、更に好ましくは35乃至60%である。
透過率(%)が上記範囲の場合、初期から長期間画像不良も無く、高耐久性を得ることができる。また、本発明の感光体上の高分解能静電潜像を忠実に再現し現像することが可能である。これは、現像時において、該透過率のトナーを用いることにより、キャリアからの離型性があがり、効率的に現像されるためと考えられる。
また、本発明に用いられる感光体ドラムの表面へのトナー融着、キャリア付着を防止することができる。さらに、トナーにより電子写真感光体上に現像された像を、転写材へ転写する際のドット再現性および転写効率を改良することができる。
特に、380nm乃至500nmの波長を有する半導体レーザーで静電潜像した場合、特にハイライトからハーフトーンにかけて良好な階調特性を実現することが可能となる。
本発明で用いられるトナー及び補給用トナー(以下特に断らない限り、単にトナーという)は、トナー中にワックスを含有してもよい。トナー中にワックスを含有する場合、トナー表面において、少なくともワックスが存在している。上記透過率が30%未満の場合、トナー表面のワックス量が少なく、定着時における離型効果が現れにくく、省エネの観点から望まれる低温定着性の効果が減少する。また、上記透過率が80%を超える場合には、トナー表面にワックスが多く存在し、電子写真感光体上をワックスが汚染し、トナー融着の原因となってしまう。更に現像スリーブ上に融着した場合、現像スリーブ上が高抵抗化し、現像にかかる実際の現像バイアスの効力が下がり、しいては画像濃度が低下し現
像耐久性が悪化する場合がある。また、感光体の表面へのキャリア付着の原因にもなってしまう。このように、トナー中にワックスを含有させる場合、トナー表面のワックス量をコントロールすることが好ましい。
上記トナー表面のワックス量のコントロールは、本発明に用いられる電子写真感光体を使用する場合、特に好ましく用いられる。上記透過率が30%未満の場合、相対的にトナー表面のワックス量が減少していることを意味し、クリーニング工程において、転写残トナーが介在した際のクリーニングブレードと電子写真感光体の最表面層の表面の摩擦抵抗が高くなり、結果的にトナー融着が発生してしまう。一方、上記透過率が80%を越える場合、トナー表面のワックス量が増えると同時にトナー中に遊離したワックスも多く存在するため、ワックスが直接上記電子写真感光体の最表面層の表面に付着するため、結果として、トナー融着を起してしまう。転写工程においても、感光体からの離型性が悪化し、転写効率が悪化する。また、トナー粒子の帯電分布も不安定になり、感光体上の潜像に対してもドット再現性が悪くなってしまう。
このため、本発明に用いられる電子写真感光体を使用した画像形成方法では、トナーを、メタノールを45体積%含む水溶液に分散した分散液の波長600nmにおける光の透過率(%)をコントロールすることが、特に好ましい。上記透過率が30乃至80%の範囲にある場合には、トナー融着が起きず、ドット再現性もよく、転写効率のよいトナーを得ることが出来る。
また、トナー表面のワックス量は、トナーを、メタノールを45体積%含む水溶液に分散した分散液の波長600nmにおける光の透過率(%)を測ることにより、簡易且つ精度の高い測定が出来る。
この測定方法は、トナーを一度メタノール−水混合溶媒中で強制分散させて、トナー粒子一粒一粒の表面ワックス量の特徴を出やすくした上で、一定時間後の透過率を測定することで、トナー表面のワックス量を正確に把握できるものである。つまりトナー表面に疎水性であるワックスが多く存在すると、溶媒に対して分散されたトナーが濡れにくく、沈降しないため、透過率が高い値になり、逆にトナー表面のワックス量が少ないと、親水性を示すことにより、透過率が小さな値になる。
上記透過率は、トナー粒子の球形化処理の条件や処理方法によって調整することが可能である。具体的には、透過率が30%未満の場合は、トナー表面のワックス量を増加させ、透過率が80%を超える場合にはトナー表面のワックス量を減少させればよい。該ワックス量は、例えば、トナー表面の球形化処理において、熱を利用することで調整が可能である。
上記トナーの円相当径2.0μm以上の粒子における平均円形度が0.930乃至1.000であることが好ましい。トナーの平均円形度が上記範囲のものを本発明の画像形成方法で用いた場合、転写性と現像性を両立させる上で好ましい。トナーの平均円形度が0.930より低い場合には、球形化処理が不十分であり、離型剤の存在のコントロールが不十分で低温定着性が若干低下することがあり、転写効率が低下することもある。
上記トナーの重量平均粒径(D4)は、3.0乃至8.0μmが好ましく、4.0乃至6.0μmであることがドットの再現性および転写効率を十分に満足する上でより好ましい。トナーの重量平均粒径が3.0μm未満であると、球形化処理時のトナー粒子の収率が低下し、かつトナー粒子の比表面積及びトナーの比表面積が大きくなることから、ワックスの存在状態を均一にコントロールすることが難しくなり、低温定着性と現像性を両立できなくなる場合がある。また、その場合、感光体表面にトナー融着を発生する場合がある。一方、トナーの重量平均粒径が8.0μmを越えると、トナーの飛び散りが視覚的に
感知できるようになり、静電潜像のスポットが600dpi以上のような微小スポット径になった場合におけるドット再現性が低下する。トナーの重量平均粒径は、製造時におけるトナー粒子の分級によって調整することが可能である。
また、本発明で用いられるトナーは樹脂成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布が、メインピークを分子量3,500乃至15,000の領域に有することが好ましく、分子量4,000乃至13,000の領域に有することが更に好ましく、また、Mw/Mnが3.0以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましい。メインピークが分子量3,500未満の領域にある場合には、トナーの耐高温オフセット性が減少する。一方、メインピークが分子量15000超の領域にある場合には、十分なトナーの低温定着性及びOHTの透過性が低下する。また、Mw/Mnが3.0未満である場合には良好な耐オフセット性が減少する。
また、本発明で用いられるトナーは、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、温度30乃至200℃の範囲に存在する最大吸熱ピークのピーク温度が65乃至110℃の範囲にあることが好ましい。更に好ましくは65乃至105℃の範囲であり、特に好ましくは65乃至100℃の範囲である。
上記ピーク温度が65℃未満の場合、トナーの保存性が悪化し、上記ピーク温度が110℃を超える場合は、トナー粒子中でのワックスの分散が悪化するため、トナーの表面ワックス量が増大し、上記メタノール45体積%水溶液における透過率(%)が大きな値となり、好ましくない。
ワックスは結着樹脂100質量部あたり0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部使用するのが良い。
示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、温度30乃至200℃の範囲に存在する最大吸熱ピークのピーク温度は、トナーに用いるワックスの種類、分散状態をコントロールすることによって調整することが可能である。
本発明に用いられるトナーは、結着樹脂、着色剤およびワックスを含有することが好ましい。上記ワックスの種類等は特に限定されない。上記結着樹脂は少なくともポリエステルユニットを有する樹脂が好ましい。
上記「ポリエステルユニット」とは、ポリエステルに由来する部分を意味し、ポリエステルユニットを構成する成分としては、具体的には、2価以上のアルコールモノマー成分と2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分が挙げられる。
本発明に用いられるトナーは、これらのポリエステルユニットを構成する成分を原料の一部とし、縮重合された部分を有する樹脂を用いることができる。
上記トナーに用いられる結着樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂、又はハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、又はハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物、又はポリエステル樹脂とハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、又はポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物、のいずれかから選択される樹脂が好ましい。
上記ハイブリッド樹脂は、ポリエステルユニット成分と(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマー成分を重合したビニル系重合体ユニットとがエステル交換反応によって形成されるものであり、好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブロック共重合体
)である。
上記ポリエステルユニット成分である2価以上のアルコールモノマー成分として、具体的には、2価アルコールモノマー成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコールモノマー成分としては、例えばソルビット、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
上記ポリエステルユニット成分である2価のカルボン酸モノマー成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
3価以上のカルボン酸モノマー成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸等が挙げられる。
また、その他のモノマーとしては、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類等が挙げられる。
それらの中でも、特に、下記一般式(A)で表されるビスフェノール誘導体を2価アルコールモノマー成分とし、2価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸モノマー成分として、これらのポリエステルユニット成分で縮重合した樹脂が良好な帯電特性を有するので好ましい。
Figure 2007316332

(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、
かつx+yの平均値は2〜10である。)
なお、上記トナーに用いられる結着樹脂は、少なくともポリエステルユニットを有する樹脂であることが好ましく、より好ましくは、全結着樹脂中に含まれるポリエステルユニット成分が、全結着樹脂に対して30質量%以上であることが、本発明の効果を発現させるために好ましい。更に好ましくは、40質量%以上であり、特に好ましくは50質量%以上である。
全結着樹脂中に含まれるポリエステルユニット成分が、全結着樹脂に対して30質量%以上である場合、定着性や帯電安定性の点で好ましい。
上記ハイブリッド樹脂に用いられるビニル系重合体ユニット又はビニル系重合体を生成するためのビニル系モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如き不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
上記ハイブリッド樹脂に用いられるビニル系重合体又はビニル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
上記ハイブリッド樹脂は、ビニル系重合体又はユニット及び/又はポリエステル樹脂又はユニット中に、両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂又はユニットを構成するモノマーのうちビニル系重合体又はユニットと反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系重合体又はユニットを構成するモノマーのうちポリエステル樹脂又はユニットと反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
ビニル系重合体とポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系重合体及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含む重合体又は樹脂が存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の重合体又は樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
上記ビニル系重合体、又はビニル系重合体ユニットを製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシ
バレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートがあげられる。
上記ハイブリッド樹脂成分の製造方法としては、例えば、以下の(1)〜(6)を挙げることができる。
(1)ビニル系重合体、ポリエステル樹脂及びハイブリッド樹脂成分をそれぞれ製造後にブレンドする方法であり、ブレンドは有機溶剤(例えば、キシレン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去して製造される。尚、ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行なって合成されるエステル化合物を用いることができる。
(2)ビニル系重合体製造後に、この存在下にポリエステル樹脂を生成し反応させ、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はビニル系重合体(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)及び/またはポリエステル樹脂との反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(3)ポリエステル樹脂製造後に、この存在下にビニル系重合体を生成し、反応させポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はポリエステル樹脂(必要に応じてポリエステルモノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/またはビニル系重合体との反応により製造される。
(4)ビニル系重合体及びポリエステル樹脂製造後に、これらの重合体ユニット存在下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハイブリッド樹脂成分が製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(5)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分を製造後、ビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は縮重合反応を行うことによりビニル系重合体及/又はポリエステル樹脂、又は更にハイブリッド樹脂成分が製造される。この場合、該ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分は上記(2)乃至(4)の製造方法により製造されるものを使用することもでき、必要に応じて公知の製造
方法により製造されたものを使用することもできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
(6)ビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系重合体、ポリエステル樹脂及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
上記(1)〜(6)の製造方法において、ビニル系共重合体ユニット及び/またはポリエステルユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体ユニットを使用することができる。
本発明において、ビニル系重合体又はビニル系重合体ユニットは、ビニル系単重合体若しくはビニル系共重合体又はビニル系単重合体ユニット又はビニル系共重合体ユニットを意味するものである。
上記トナーに用いられるワックスの一例としては、次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、また酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、ベヘン酸ベヘニルエステルワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸等の脂肪酸類とステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等のアルコール類のエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
本発明において特に好ましく用いられるワックスとしては、脂肪族炭化水素系ワックス及び脂肪酸とアルコールのエステルであるエステル化物が挙げられる。例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒又はメタロセン触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素ワックスがよい。さらにプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行なったものが、より好ましく用いられる。母体としての炭化水素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上の多元系)を使用した一酸化炭素と水素の反応によって合
成されるもの[例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭化水素化合物];ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素;エチレンなどのアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化水素が、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であるので好ましい。特にアルキレンの重合によらない方法により合成されたワックスがその分子量分布からも好ましいものである。また、パラフィンワックスも好ましく用いられる。
上記トナーで用いられる着色剤としては、公知の染料または/及び顔料が使用される。顔料単独使用でもかまわないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用着色顔料しては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペルリン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、254、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
マゼンタトナー用染料としては、C.Iソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料が挙げられる。
シアントナー用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45または下記式(B)で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料などが挙げられる。
Figure 2007316332

〔式中、nは1〜5の整数を示す。〕
イエロー用着色顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74,83、93、95、97,109、110、111、120、127、128、129、147、155、168、174、180、181、185、191、C.I.バットイエロー1、3、20などである。また、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、ソルベントイエロー162などの染料も使用することができる。
上記トナーに用いられる黒色着色剤としてカーボンブラック、酸化鉄、上記に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用できる。
また、上記トナーにおいて、結着樹脂に予め、着色剤を混合し、マスターバッチ化させたものを用いることが好ましい。そして、この着色剤マスターバッチとその他の原材料(結着樹脂及びワックス等)を溶融混練させることにより、トナー中に着色剤を良好に分散させることが出来る。
結着樹脂に着色剤を混合し、マスターバッチ化させる場合は、多量の着色剤を用いても着色剤の分散性を悪化させず、また、トナー粒子中における着色剤の分散性を良化し、混色性や透明性等の色再現性が優れる。また、転写材上でのカバーリングパワーが大きいトナーを得ることが出来る。また、着色剤の分散性が良化することにより、トナー帯電性の耐久安定性が優れ、高画質を維持した画像を得ることが可能となる。
上記トナー中における着色剤の使用量は、色再現性、現像性の点で、結着樹脂100質量部に対して0.1〜15.0質量部が好ましく、0.5〜12.0質量部がより好ましく、2.0〜10.0質量部が最も好ましい。
上記トナーには、その帯電性を安定化させるために公知の荷電制御剤を用いることができる。荷電制御剤は、荷電制御剤の種類や他のトナー構成材料の物性等によっても異なるが、一般に、トナー中に結着樹脂100質量部当たり0.1〜10.0質量部含まれることが好ましく、0.1〜5.0質量部含まれることがより好ましい。このような荷電制御剤としては、トナーを負帯電性に制御するものと、正帯電性に制御するものとが知られており、トナーの種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
上記負帯電性荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ダイカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が利用できる。正帯電性荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が利用できる。荷電制御剤はトナーに対して内添しても良いし外添しても良い。
特に、上記トナーに用いられる荷電制御剤としては、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる芳香族カルボン酸金属化合物が好ましい。
上記トナーは、粉砕・分級後、流動化剤、転写助剤、帯電安定化剤などをヘンシェルミキサーの如き混合機で混合させることにより、トナーの性能を向上させる目的で用いることができる。
本発明では、転写性向上の目的で個数平均径0.06μm乃至0.30μmの無機微
粒子をトナー粒子に外添して用いることが好ましい。
該無機微粒子は、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子及びシリカ微粒子から選ばれる一種類以上を用いることができる。該無機微粒子が、個数平均粒径0.06μm乃至0.30μmである場合、トナー表面と感光体間において適度なスペーサーとして働き、トナーの飛び散りのない良好な転写性を得ることが可能である。
該無機微粒子の個数平均粒径が0.06μm未満の場合、トナーと感光体上でのスペーサー効果の発現が少なく、転写性の向上効果が見られない。無機微粒子の個数平均粒径が0.30μmを超える場合には、該無機微粒子のトナーへの付着力が弱まり、該無機微粒子がトナーから遊離し、飛散することにより、カブリが悪化する。
該無機微粒子は、その表面が疎水化処理をされていることがより好ましい。また、無機微粒子は、オイル処理されていてもよい。
上記無機微粒子の表面の疎水化処理方法としては、無機微粒子と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的、または物理的に処理する方法が挙げられる。
上記疎水化処理方法として好ましい方法は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粒子を有機ケイ素化合物で処理する方法である。そのような有機ケイ素化合物の例としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位のSiにそれぞれ水酸基を1つずつ有するジメチルポリシロキサン等が挙げられる。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
該無機微粒子の含有量は、トナー100質量部に対して0.8乃至8.0質量部であることが好ましく、1.0乃至4.0質量部であることがより好ましい。
また、流動化剤としては、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものであれば、どのようなものでも使用可能である。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末等のフッ素系樹脂粉末、酸化チタン微粉末、アルミナ微粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカ等の微粉末シリカ、それらをシラン化合物、及び有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等により表面処理を施した処理シリカ等が挙げられる。
上記乾式製法シリカは、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるもので、公知の技術によって製造されるものである。例えば、その製造法は、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次式(2)である。
(2): SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
また、この製造工程において、例えば塩化アルミニウム又は塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも包含する。その粒径は、平均の一次粒径として0.001〜2μmの範囲内であることが望ましく、特に好ましくは、0.002〜0.200μmの範囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
また酸化チタン微粉末であれば、硫酸法、塩素法、揮発性チタン化合物例えばチタンアルコキシド,チタンハライド,チタンアセチルアセトネートの低温酸化(熱分解,加水分解)により得られる酸化チタン微粒子が用いられる。結晶系としてはアナターゼ型,ルチル型,これらの混晶型,アモルファスのいずれのものも用いることができる。
そしてアルミナ微粉末であれば、バイヤー法、改良バイヤー法、エチレンクロルヒドリン法、水中火花放電法、有機アルミニウム加水分解法、アルミニウムミョウバン熱分解法、アンモニウムアルミニウム炭酸塩熱分解法、塩化アルミニウムの火焔分解法により得られるアルミナ微粉体が用いられる。結晶系としてはα,β,γ,δ,ξ,η,θ,κ,χ,ρ型、これらの混晶型、アモルファスのいずれのものも用いられ、α,δ,γ,θ,混晶型,アモルファスのものが好ましく用いられる。
本発明に用いられる流動化剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m/g以上、好ましくは50m/g以上のものが流動性付与性の観点で好ましい。トナー100質量部に対して流動化剤0.1〜8.0質量部、好ましくは0.1〜4.0質量部使用するのが良い。
次に、本発明で用いられるトナー及び現像剤を製造する手順について説明する。本発明に用いられるトナーは、結着樹脂、着色剤、ワックス、及び任意の材料を原料混合し、その後、溶融混練し、これを冷却して粉砕し、必要に応じて粉砕物の球形化処理や分級処理を行い、これに必要に応じて前記流動化剤を混ぜることによって製造してもよい。
以下に具体例を示す。
まず、原料混合工程では、トナー内添剤として、少なくとも樹脂、着色剤を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等がある。
更に、上記で配合し、混合されたトナー原料を溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中に着色剤等を分散させる。その溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサー等のバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産できる等の優位性から、一軸又は二軸押出機が主流となっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型二軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製二軸押出機、ブス社製コ・ニーダー等が一般的に使用される。更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
そして一般的には上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕され、更に、川崎重工業社製のクリプトロンシステム、日清エンジニアリング社製のスーパーローター等で粉砕される。その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)等の分級機等の篩分機を用いて分級し、重量平均粒子径3.0乃至8.0μmの分級品を得る。
必要に応じて、例えば奈良機械製作所製のハイブリタイゼーションシステム、ホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステムを用いて表面改質及び球形化処理を行ってもよい。このような場合では必要に応じて風力式篩のハイボルター(新東京機械社製)等の篩分機を用いても良い。更に、外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナーと公知の各種外添剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の粉体にせん
断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。
本発明に用いられるトナーの製造では、前記表面改質工程は、トナーの表面における離型剤の存在状態を適当に調整することができる工程であれば特に限定されないが、特に図3に示す回分式の表面改質装置を用いて行われることが、本発明のトナーを製造する上で
好ましい。具体的には、表面改質工程で使用される表面改質装置及び表面改質装置を利用したトナーの製造方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図3は、本発明に使用する表面改質装置の一例を示す。
図3に示す回分式表面改質装置は、円筒形状の本体ケーシング30、本体ケーシングの上部に開閉可能なよう設置された天板43;微粉排出ケーシングと微粉排出管とを有する微粉排出部44;冷却水或いは不凍液を通水できる冷却ジャケット31;表面改質手段としての、本体ケーシング30内にあって中心回転軸に取り付けられた、上面に角型のディスク33を複数個有し、所定方向に高速に回転する円盤状の回転体である分散ローター32;分散ローター32の周囲に一定間隔を保持して固定配置された、分散ローター32に対向する表面に多数の溝が設けられているライナー34;微粉砕物中の所定粒径以下の微粉及び超微粉を連続的に除去するための分級ローター35;本体ケーシング30内に冷風を導入するための冷風導入口46;微粉砕物(原料)を導入するために本体ケーシング30の側面に形成された原料投入口37及び原料供給口39を有する投入管;表面改質処理後のトナー粒子を本体ケーシング30外に排出するための製品排出口40及び製品抜取口42を有する製品排出管;表面改質時間を自在に調整できるように、原料投入口37と原料供給口39との間に設置された開閉可能な原料供給弁38;及び製品排出口40と製品抜取口42との間に設置された製品排出弁41を有している。
ライナー34の表面は、図7(A)及び(B)に示すように溝を有していることが、トナー粒子の表面改質を効率的におこなう上でこのましい。角型のディスク33の個数は、図5(A)及び(B)に示すように、回転バランスを考慮して、偶数個が好ましい。
図3、図4及び図8に示す分級ローター35は、分散ローター32の回転方向と同方向に回転するのが、分級の効率を高め、トナー粒子の表面改質の効率を高める上で好ましい。微粉排出管は、分級ローター35により除去された微粉及び超微粉を装置外に排出するための微粉排出口45を有している。
該表面改質装置は、更に、図6(A)及び(B)に示すように、天板43に対して垂直な軸を有する案内手段としての円筒状のガイドリング36を本体ケーシング30内に有している。該ガイドリング36は、その上端が天板から所定距離離間して設けられており、分級ローター35の少なくとも一部を覆うようにガイドリング36は、支持体により本体ケーシング30に固定されている。ガイドリング36の下端は分散ローター32の角形ディスク33から所定距離離間して設けられる。該表面改質装置内において、分級ローター35と分散ローター32との間の空間が、ガイドリング36の外側の第一の空間47と、ガイドリング36の内側の第二の空間48とにガイドリング36によって二分される。第一の空間47は微粉砕物及び表面改質処理された粒子を分級ローター35へ導くための空間であり、第二の空間は微粉砕物及び表面改質処理された粒子を分散ローターへ導くための空間である。分散ローター32上に複数個設置された角型のディスク33と、ライナー34との間隙部分が表面改質ゾーン49であり、該分級ローター35及び該分級ローター35の周辺部分が分級ゾーン50である。
図8に示す如く、原料ホッパー380に導入される微粉砕物は、定量供給機315を経由して、投入管の原料投入口37から原料供給弁38を通って原料供給口39より装置内に供給される。表面改質装置には、冷風発生手段319で発生させた冷風を冷風導入口46から本体ケーシング内に供給し、さらに、冷水発生手段320からの冷水を冷水ジャッ
ケト31に供給し、本体ケーシング内の温度を所定温度に調整する。供給された微粉砕物は、ブロアー364による吸引風量、分散ローター32の回転及び分級ローター35の回転により形成される旋回流により、円筒状のガイドリング36の外側の第一の空間47を旋回しながら分級ローター35近傍の分級ゾーン50に到達して分級処理が行われる。本体ケーシング30内に形成される旋回流の向きは、分散ローター32及び分級ローター35の回転方向と同じである。
分級ローター35によって除去されるべき微粉及び超微粉は、ブロワー364の吸引力より分級ローター35のスリット(図4参照)より吸引され微粉排出管の微粉排出口45及びサイクロン入口359を経由してサイクロン369及びバグ362に捕集される。微粉及び超微粉を除去された微粉砕物は第二の空間48を経由して分散ローター32近傍の表面改質ゾーン49に至り、分散ローター32に具備される角型ディスク33(ハンマー)と本体ケーシング30に具備されたライナー34によって粒子の表面改質処理が行われる。表面改質が行われた粒子はガイドリング36に沿って旋回しながら再び分級ローター35近傍に到達し、分級ローター35の分級により表面改質された粒子からの微粉及び超微粉の除去がおこなわれる。所定の時間処理を行った後、製品排出弁41を開き、表面改質装置から所定粒径以下の微粉及び超微粉が除かれた表面改質されたトナー粒子を取り出す。所定の重量平均粒径に調整され、所定の粒度分布に調整され、さらに所定の円形度に表面改質されたトナー粒子は、トナー粒子の輸送手段321により外添剤の外添工程に移送される。
本発明に用いられる表面改質装置は、鉛直方向下側より分散ローター32、微粉砕物(原料)の投入部39、分級ローター35及び微粉排出部を有している。従って、通常、分級ローター35の駆動部分(モーター等)は分級ローター35の更に上方に設けられ、分散ローター32の駆動部分は分散ローター32の更に下方に設ける。本発明で用いる表面改質装置は、例えば特開2001―259451号公報に記載されている分級ローター35のみを有するTSP分級機(ホソカワミクロン社製)の様に、微粉砕物(原料)を分級ローター35の鉛直上方向より供給することは困難である。
本発明において、分級ローター35の最も径の大きい箇所の先端周速は30〜120m/secであることが好ましい。分級ローターの先端周速は50〜115m/secであることがより好ましく、70〜110m/secであることが更に好ましい。30m/secより遅い場合は、分級収率が低下しやすく、トナー粒子中に超微粉が増加する傾向にあり好ましくない。120m/secより速い場合は、装置の振動の増加の問題が生じやすい。
更に、分散ローター32の最も径の大きい箇所の先端周速は20〜150m/secであることが好ましい。分散ローター32の先端周速は40〜140m/secであることがより好ましく、50〜130m/secであることが更に好ましい。20m/secより遅い場合は、十分な円形度を有する表面改質粒子を得ることが困難であり好ましくない。150m/secより速い場合は、装置内部の昇温による装置内部での粒子の固着が生じやすく、トナー粒子の分級収率の低下が生じやすく好ましくない。分級ローター35及び分散ローター32の先端周速を上記範囲とすることにより、トナー粒子の分級収率を向上させ、効率良く粒子の表面改質をおこなうことができる。
本発明に用いられるトナーの製造方法においては、表面改質装置の原料投入口37に供給される微粉砕物(原料)が特定の粒度分布を有していることが好ましい。さらに、表面改質装置による処理後のトナー粒子(表面改質粒子)の超微粉量が所定量に制御されていることが好ましい。本発明では、微粉砕物の重量平均粒径が2.5〜8.0μmであり、且つ重量平均粒径が4.0μm以下の粒子の割合が50〜80個数%であり、得られるト
ナー粒子(表面改質粒子)の重量平均粒径が3.0〜8.0μmであり且つ重量平均粒径が4.0μm以下の粒子(微粉)の割合が5〜40個数%であり、更に、トナー粒子のフロー式粒子像測定装置で計測される円相当径0.6μm以上400μm以下の粒子の個数基準の粒径分布において、円相当径が0.6μm以上2.0μm未満(小粒子)のトナー粒子の割合が0〜15個数%であることが好ましい。
微粉砕物の粒度分布は分級効率に影響を与える。微粉砕物中に細かい粒子が多い場合は、分級時間が長くなり、本来分級除去しなくてもよい粒子までも分級により除去されるので分級収率の低下の原因となることがある。更には、分級を行う際に微粉砕物の凝集性が高くなり、トナー粒子中より本来除去すべき超微粉が除去できなくなる場合が生じやすく、得られるトナーは、かぶりが発生しやすくなる。
従って、微粉砕物の重量平均粒径が2.5μmより小さい場合は粒子間の凝集性が高くなり効率的な分級が困難となることがある。また、微粉砕物の重量平均粒径が8.0μmより大きい場合は、得られるトナーは、鮮明な画質を形成することが難しくなり好ましくない。また、重量平均粒径が4.0μm以下の粒子の割合が50個数%未満の場合は、得られるトナーは鮮明な画質を形成することが難しくなり好ましくない。一方、重量平均粒径が4.0μm以下の粒子の割合が80個数%より多すぎる場合は微粉砕物の凝集性が高くなり良好な分級収率を得ることが困難となる。更に、重量平均粒径が4.0μm以下の粒子の割合が80個数%より多すぎる場合は、微粉砕物中の小粒子が増加する傾向にあり好ましくない。微粉砕物中における重量平均粒径が4.0μm以下の粒子の割合は、好ましくは55〜75個数%である。
表面改質装置により処理がなされたトナー粒子のフロー式粒子像測定装置で計測される、円相当径が0.6μm以上400μm以下の粒子の個数基準の粒径分布において、円相当径が0.6μm以上2.0μm未満のトナー粒子(小粒子)の割合を0〜15個数%の範囲に制御することが好ましい。円相当径が0.6μm以上2.0μm未満のトナー粒子の割合が15個数%より多い場合は、得られるトナーはかぶり現象が発生しやすいため好ましくない。また、本発明に用いられる電子写真感光体を用いた時、円相当径が0.6μm以上2.0μm未満のトナー粒子の割合が15個数%より多い場合には、上記電子写真感光体へのトナー融着やキャリアへのトナー付着が悪化し、好ましくない。円相当径が0.6μm以上2.0μm未満のトナー粒子の割合は、より好ましくは13個数%以下である。
また、該トナーとキャリアを含有する現像剤は、トナー製造後、混合装置で混合することにより製造されてもよい。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等がある。これらの装置を使用することにより、均一にトナーとキャリアが混合され、補給用現像剤と現像器中の現像剤の混合性が良好になる。
図9に本発明で用いる現像器例をしめす。
本発明では、補給用トナーと補給用キャリアを含有する補給用現像剤を現像器に補給しながら現像し、且つ現像器内部で過剰になったキャリアを現像器から排出する。次に、図11を用いて、補給用現像剤を用いた画像形成装置における現像剤の流れについて説明する。感光体上の静電潜像がトナーにより現像されることによって現像器102の中のトナーが消費される。トナー濃度検知センサー(不図示)により現像器内のトナーが少なくなったことを検知して、補給用現像剤収容容器101から補給用現像剤が現像器102に供給される。現像器内で過剰になったキャリアは、現像剤回収容器104に移動する。なお、現像剤回収容器104は、クリーニング装置103で回収したトナーを一緒に回収しても良い。
本発明に関する物性の好適な測定法について以下に説明する。
<キャリアの粒度分布及び円形度>
キャリアの体積分布基準の50%粒径(D50)及び平均円形度は、例えばマルチイメージアナライザー(ベックマン・コールター社製)を用いて、以下のようにして測定される。
約1%NaCl水溶液とグリセリンとを、50体積%:50体積%で混合した溶液を電解液として用いる。ここでNaCl水溶液は、一級塩化ナトリウムを用いて調製されればよく、例えばISOTON(登録商標)−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)であってもよい。グリセリンは、特級あるいは一級の試薬であればよい。
電解液(約30ml)に、分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜1.0mlを加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料が懸濁された電解液を、超音波分散器(例えば超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス社製))で約1分間分散処理して、分散液を得る。
アパーチャーとして200μmアパーチャー、20倍のレンズを用いて、以下の測定条件で円相当径および円形度を算出する。
測定フレーム内平均輝度 :220〜230
測定フレーム設定 :300
SH(スレシュホールド) :50
2値化レベル :180
ガラス測定容器に電解液、および前記分散液を入れて、測定容器中のキャリア粒子の濃度を5〜10体積%とする。ガラス測定容器内容物を最大撹拌スピードで撹拌する。サンプルの吸引圧を10kPaにする。キャリア比重が大きく沈降しやすい場合は、測定時間を15〜30分とする。また、5〜10分ごとに測定を中断して、サンプル液の補充および電解溶液−グリセリン混合溶液の補充を行う。
測定個数は2000個とする。測定終了後、本体ソフトにより、粒子画像画面でピンぼけ画像、凝集粒子(複数同時測定)などの除去を行う。
キャリアの円形度および円相当径は、下記式(I)、(II)から算出される。
式(I) :円形度=(4×Area)/(MaxLength×π)
式(II):円相当径=√(4・Area/π)
ここで、「Area」とは二値化されたキャリア粒子像の投影面積であり、「MaxLength」とは該キャリア粒子像の最大径と定義される。円相当径は、「Area」を真円の面積としたときの真円の直径で表される。円相当径は、4〜100μmを256分割され、体積基準で対数表示して用いる。これを用い、体積分布基準の50%粒径(D50)を求める。平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせ、全粒子数で割った値を平均円形度とする。図10に後述するキャリア製造製1で得られるキャリア1の測定結果のグラフの一例を示す。図中にある「円形度算術統計値」の項にある「算術平均値」が平均円形度を示す。
<キャリアの真比重>
本発明に用いられるキャリアの真比重は、乾式自動密度計オートピクノメータ(ユアサアイオニクス社製)を用いて測定できる。
<キャリアの磁化の強さ>
本発明に用いられるキャリアの磁化の強さは、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて、取扱説明書に記載に従い、以下の手順で測定することができる。円筒状のプラスチック容器にキャリアを十分に密に充填し、一方で1000/4π(kA/m)(1000エルステッド)の外部磁場を作り、この状態で容器に充填されたキャリアの磁化モーメントを測定する。さらに、該容器に充填したキャリアの実際
の質量を測定して、キャリアの磁化の強さ(Am/kg)を求める。
<45体積%のメタノール水溶液における透過率>
(1)トナー分散液の調製
メタノールと水の体積混合比が45:55の水溶液を作製する。この水溶液10mlを30mlのサンプルビン(日電理化硝子:SV−30)に入れ、トナー20mgを液面上に浸し、ビンのフタをする。その後、ヤヨイ式振とう器(モデル:YS−LD)により150往復/分で5秒間振とうさせる。この時、振とうする角度は、振とう器の真上(垂直)を0度とすると、前方に15度、後方に20度、振とうする支柱が動くようにする。そして、前方と後方に一度ずつ振とうされ、真上に戻った時に1往復とカウントする。
サンプルビンは支柱の先に取り付けた固定用ホルダー(サンプルビンの蓋が支柱中心の延長上に固定されたもの)に固定する。サンプルビンを取り出した後、30秒間静置後の分散液を測定用分散液とする。
(2)透過率(%)測定
(i)で得た分散液を1cm角の石英セルに入れ、分光光度計MPS2000(島津製作所社製)を用いて、セルを装置に入れた10分後の分散液の波長600nmにおける光の透過率(%)を求める。透過率(%)は下記式(I)によって求められる。
(I): 透過率(%)=I/I×100
(式中、Iは入射光束を示し、Iは透過光束を示す。)
<トナーの平均円形度及び超微粉量の測定>
トナーの円相当径、円形度及びそれらの頻度分布とは、トナー粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではフロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス社製)を用いて測定を行い、下式(I)及び(II)を用いて算出する。
式(I) : 円相当径=(粒子投影面積/π)1/2×2
式(II): 円形度=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を用いる。本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をmとすると、次式(III)から算出される。
Figure 2007316332

なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度の算出に当たって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.4〜1.0を0.01ごとに等分割したクラスに分け、その分割点の中心値と測定粒子数を用いて平均円形度の算出を行う。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン
酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26〜27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。
トナー粒子の形状測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のカラートナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、2μm未満のデータをカットして、トナー粒子の平均円形度を求める。
さらに本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来よりトナーの形状を算出するために用いられていた「FPIA−1000」と比較して、処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度の向上(256×256→512×512)によりトナーの形状測定の精度が上がっており、それにより微粒子のより確実な補足を達成している装置である。従って、本発明のように、より正確に形状を測定する必要がある場合には、より正確に形状に関する情報が得られるFPIA2100の方が有用である。
<トナー及び微粉砕物の粒度分布の測定>
測定装置としては、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解液は、約1%NaCl水溶液を用いる。電解液には、1級塩化ナトリウムを用いて調製された電解液や、例えば、ISOTON(登録商標)−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5mlを加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液を超音波分散器(例えば超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス社製)で約1〜3分間分散処理し、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記測定装置により、試料の体積及び個数をチャンネルごとに測定して、試料の体積分布と個数分布とを算出する。得られたこれらの分布から、試料の重量平均粒径(D4)を求める。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
<GPCによるトナーの分子量の測定>
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)によるトナーの分子量は次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラムを複数組み合わせるのが良く、例えば、Waters社製のμ−styragel 500、103、104、105の組み合わせや、昭和電工社製のshodex KA−801、802、803、804、805、806、807の組み合わせが好ましい。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線
作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical
Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の、分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×1
5、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチ
レン試料を用いるのが適当である。
<ワックス及びトナーの最大吸熱ピークの測定>
ワックス及びトナーの最大吸熱ピークは、示差走査熱量測定装置(DSC測定装置)、DSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)を用いて、ASTM D3418−82に準じて測定することができる。
測定方法としては、5〜20mg、好ましくは10mgの測定試料を精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/min、常温常湿下で測定を行う。この昇温過程で、温度30〜200℃の範囲における吸熱ピークが得られる。複数個のピークが存在する場合、樹脂に起因する吸熱ピーク以上の領域におけるベースラインからの高さが一番高いものを最大吸熱ピークとする。
<感光体の膜厚の測定>
感光体のそれぞれの膜厚の測定は膜厚計(FISCHERSCOPE MMS:FISCHER社製)を用い、取扱説明書に記載に従い、測定することが可能である。
<静電潜像のスポット径の測定>
静電潜像のスポット径は、メレスグリオ(株)製のビームアナライザーを用い、取扱説明書に記載に従い、測定を行い、調整することが可能である。上記スポット径は、ガウシアン分布を有するレーザー光学スポットのピーク光量から1/e2の光量での直径を示す。
<磁性体の個数平均粒径、荷電制御性を有する粒子の個数平均粒径及び無機微粒子の個数平均粒径>
上記微粒子の個数平均粒径は、走査電子顕微鏡(50,000倍)により、粒径が5nm以上の粒子をランダムに500個以上抽出し、長軸と短軸をデジタイザにより測定し、平均したものを粒径とし、500個以上の粒子の粒径分布(10nm毎に区切ったカラムのヒストグラムから)のピークになる粒径をもって個数平均粒径を算出する。
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<電子写真感光体製造例1>
電子写真感光体1を以下の通りに作製した。まず、長さ381mm、外径84mm、肉厚3mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003で規定されるアルミニウムの合金)を切削加工により作製した。このシリンダーの表面粗さを回転軸方向に測定したところRzjis=0.08μmであった。このシリンダーを洗剤(商品名:ケミコールCT、常盤化学(株)製)を含む純水中で超音波洗浄を行い、続いて洗剤を洗い流す工程を経た後、更に純水中で超音波洗浄を行って脱脂処理した。
アンチモンをドープした酸化スズの被覆膜を有する酸化チタン粉体(商品名:クロノスECT−62、チタン工業(株)製)60質量部、酸化チタン粉体(商品名:titone SR−1T、堺化学(株)製)60質量部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)70質量部、2−メトキシ−1−プロパノール50質量部、メタノール50質量部とからなるスラリーを約20時間ボールミルで分散させて分散液を得た。この分散液に含有するフィラーの平均粒径は、0.25μmであった。
このようにして調合した分散液を、前記アルミニウムシリンダー上に浸漬法によって塗布し、前記分散液が塗布されたアルミニウムシリンダーを150℃に調整された熱風乾燥機中で48分間加熱乾燥し、前記分散液の塗布膜を硬化させることにより膜厚15μmの導電層を形成した。膜厚は、膜厚計(FISCHER社製 FISCHERSCOPE MMS)を用いて測定した。
次に、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10質量部およびメトキシメチル化ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF30T、帝国化学産業(株)製)30質量部をメタノール500質量部およびブタノール250質量部の混合液に溶解した溶液を、前記導電層の上に浸漬塗布し、前記溶液が塗布されたアルミニウムシリンダーを100℃に調整された熱風乾燥機中で22分間投入し加熱乾燥して、前記溶液の塗布膜を硬化させることにより膜厚み0.45μmの下引き層を形成した。
次に、CuKa線回折スペクトルにおけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および
28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料4質量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)2質量部、シクロヘキサノン90質量部からなる混合溶液を、直径1mmガラスビーズを用いてサンドミルで10時間分散させた後、得られた混合溶液に酢酸エチル110質量部を加えて電荷発生層用塗工液を調製した。この塗工液を上記の下引き層上に浸漬塗布し、前記塗工液が塗布されたアルミニウムシリンダーを80℃に調整された熱風乾燥機中で22分間投入し加熱乾燥して、前記塗工液の塗布膜を硬化させることにより膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式(I)で示されるトリアリールアミン系化合物35質量部
Figure 2007316332

およびビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスティックス(株)製)50質量部を、モノクロロベンゼン320質量部およびジメトキシメタン50質量部に溶解して電荷輸送層用塗工液を調製した。この塗工液を、上記電荷発生層上に浸漬塗布し、前記塗工液が塗布されたアルミニウムシリンダーを100℃に調整された熱風乾燥機中で40分間加熱乾燥して、前記塗工液の塗布膜を硬化させることにより、膜厚8μmの第一の電荷輸送層を形成した。
次いで、下記構造式(II)で示される重合性官能基を有する正孔輸送性化合物30質量部を、
Figure 2007316332
1−プロパノール35質量部と1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)35質量部に溶解した後にPTFE製の0.5μmメンブレンフィルターで加圧ろ過を行い、硬化型表面層(保護層)としての第二の電荷輸送層用塗工液を調製した。この塗工液を前記第一の電荷輸送層上に浸漬塗布法により塗工し、硬化型表面層としての第二の電荷輸送層用の塗布膜を形成した。その後、前記塗布膜へ、窒素中において加速電圧150kV、線量15kGyの条件で電子線を照射し、塗布膜を硬化させたアルミニウムシリンダー(電子写真感光体)を得た。引き続いて電子写真感光体の温度が120℃になる条件で90秒間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は10ppmであった。更に、電子写真感光体を大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で20分間加熱処理を行って、膜厚4.5μmの硬化型表面層を形成
した。感光体1の総膜厚は、12.7μmであった。得られた感光体1の各層の膜厚及び
総膜厚を表1に示す。
<電子写真感光体製造例2〜6>
前記電子写真感光体製造例1において、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を下記表1に示す値になるように膜厚を調整し、感光体2〜6を製造した。得られた感光体2〜6の各層の膜厚及び総膜厚を表1に示す。
Figure 2007316332

<キャリア製造例1>
個数平均粒径0.30μm、(1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さ75Am/kg)のマグネタイト粉と、個数平均粒径0.30μmのヘマタイト粉に対して、夫々4.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内にて100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を処理した。

・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液 6質量部
(ホルムアルデヒド40質量%、メタノール10質量%、水50質量%)
・処理したマグネタイト 75質量部
・処理したヘマタイト 9質量部

上記材料と、28質量%アンモニア水5質量部、水20質量部をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて、生成するフェノール樹脂を硬化させた。その後、硬化したフェノール樹脂を30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性体が分散された状態の球状の
磁性体含有樹脂キャリアコア1を得た。
コート材として、メチルメタクリレートとパーフルオロオクチルアクリレートとの共重合体(共重合比(質量%比)9:1、重量平均分子量45,000)を用い、これがコート時に前記磁性体含有樹脂コア1 100質量部に対して2質量部となるように、メチルエチルケトン及びトルエンの混合溶媒を溶媒として10質量%の前記メチルメタクリレートとパーフルオロオクチルアクリレートとの共重合体を含有するキャリアコート溶液を作製した。また、このキャリアコート溶液に、メラミン樹脂(個数平均粒径0.2μm)1.5質量部、カーボンブラック(個数平均粒径30nm、DBP吸油量50ml/100g)0.5質量部をホモジナイザーによりよく混合する。ついで、この混合溶液に前記磁性体含有樹脂コア1を投入し、これに剪断応力を連続して加えながら溶媒を70℃で揮発させて、磁性体含有樹脂コア1表面へ前記メチルメタクリレートとパーフルオロオクチルアクリレートとの共重合体をコートした。
前記メチルメタクリレートとパーフルオロオクチルアクリレートとの共重合体でコートされた樹脂コート磁性体含有樹脂コア1を100℃で2時間撹拌することによって熱処理後、冷却、解砕し、200メッシュの篩で分級して、体積基準の50%粒径(D50)35μm、真比重3.7g/cm、1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さ50Am/kg、平均円形度0.923、円形度0.800以上の粒子の割合が94個数%のキャリア1を得た。得られたキャリア1の物性を表2に示す。
<キャリア製造例2>
個数平均粒径0.20μm、(1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さ70Am/kg)のマグネタイト粉に対して、6.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内にて100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を処理した。

・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液 6質量部
(ホルムアルデヒド40質量%、メタノール10質量%、水50質量%)
・処理したマグネタイト 84質量部

上記材料と、28質量%アンモニア水6質量部、水20質量部をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて、生成するフェノール樹脂を硬化させた。その後、硬化したフェノール樹脂を30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性体が分散された状態の球状の磁性体含有樹脂キャリアコア2を得た。
コート材として、メチルメタクリレートとパーフルオロオクチルアクリレートとの共重合体(共重合比(質量%比)9:1、重量平均分子量45,000)を用い、これがコート時に前記磁性体含有樹脂コア1 100質量部に対して2質量部となるように、メチルエチルケトン及びトルエンの混合溶媒を溶媒として10質量%の前記メチルメタクリレートとパーフルオロオクチルアクリレートとの共重合体を含有するキャリアコート溶液を作製した。また、このキャリアコート溶液に、メラミン樹脂(個数平均粒径0.2μm)1.5質量部、カーボンブラック(個数平均粒径30nm、DBP吸油量50ml/100g)0.5質量部をホモジナイザーによりよく混合する。ついで、この混合溶液に前記磁性体含有樹脂コア2を投入し、これに剪断応力を連続して加えながら溶媒を70℃で揮発させて、磁性体含有樹脂コア2表面へ前記メチルメタクリレートとパーフルオロオクチルアクリレートとの共重合体をコートした。
前記メチルメタクリレートとパーフルオロオクチルアクリレートとの共重合体でコートされた樹脂コート磁性体含有樹脂コア2を100℃で2時間撹拌することによって熱処理後、冷却、解砕し、200メッシュの篩で分級して、体積基準の50%粒径(D50)6
8μm、真比重4.1g/cm、1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の
強さ68Am/kg、平均円形度0.890、円形度0.800以上の粒子の割合が86個数%のキャリア2を得た。得られたキャリア2の物性を表2に示す。
<キャリア製造例3>
Fe;50モル%、MnO;10.0モル%、MgO;40モル%の混合物を、ボールミルを用いて10時間混合した。得られた混合物を800℃で2時間仮焼し、仮焼された混合物をボールミルで粉砕した。得られた粉砕物の平均粒径は0.2μmであった。
得られた粉砕物に、水(粉砕物に対して300質量%)とポリビニルアルコール(粉砕物に対して5質量%)、NaHCO(粉砕物に対して3質量%)を加え、さらにスプレードライヤーにより造粒した。造粒物を980℃で10時間焼結した後に粉砕し、さらに分級することによりMn−Mgフェライトキャリアコアを得た。このMn−Mgフェライトキャリアコアの体積基準の50%粒径(D50)は40μmであった。
有機基がすべてメチル基であるT単位:有機基がすべてメチル基であるD単位=85:15となるように配合したシロキサン12質量部、およびγ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量部、トルエン200質量部の混合液を、上記キャリアコア100質量部に添加して、さらに溶液減圧ニーダーで撹拌混合しながら減圧乾燥して溶剤を除去した。得られた粒子を、140℃で2時間焼き付け処理してキャリア3を得た。キャリア3の体積基準の50%粒径(D50)は40μm、真比重は2.6g/cm、1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さは42Am/kg、平均円形度は0.830、円形度0.800以上の粒子の割合が75個数%のキャリア3を得た。得られたキャリア3の物性を表2に示す。
<キャリア製造例4>
モル比で、Fe;75モル%、MnO;5.0モル%、MgO;20モル%になるようにこれらの金属酸化物粒子を秤量し、ボールミルを用いて混合した。得られた混合粉体を仮焼した後、ボールミルにより粉砕しさらにスプレードライヤーにより造粒し、これを焼結し、さらに分級してMn−Mgフェライトキャリアコアを得た。このMn−Mgフェライトキャリアコア4の体積基準の50%粒径(D50)は15μmであった。
有機基がすべてメチル基であるT単位:有機基がすべてメチル基であるD単位=85:15となるように配合したシロキサン20質量部、およびγ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.5質量部、トルエン200質量部の混合液を、上記キャリアコア4100質量部に添加して、さらに溶液減圧ニーダーで撹拌混合しながら減圧乾燥して溶剤を除去した。得られた粒子を、140℃で2時間焼き付け処理してキャリア4を得た。キャリア4の体積基準の50%粒径(D50)は15μm、真比重は4.3g/cm、1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さは72Am/kg、平均円形度は0.800、円形度0.800以上の粒子の割合が71個数%のキャリア4を得た。得られたキャリア4の物性を表2に示す。
<キャリア製造例5>
Fe;40モル%、MnO;20.0モル%、MgO;40モル%の混合物を、ボールミルを用いて10時間混合した。得られた混合物を800℃で2時間仮焼し、仮焼された混合物をボールミルで粉砕した。得られた粉砕物の平均粒径は0.2μmであった。
得られた粉砕物に、水(粉砕物に対して300質量%)とポリビニルアルコール(粉砕物に対して7質量%)、NaHCO(粉砕物に対して4質量%)を加え、さらにスプレードライヤーにより造粒した。造粒物を980℃で10時間焼結した後に粉砕し、さらに分級することによりMn−Mgフェライトキャリアコアを得た。このMn−Mgフェライトキャリアコアの体積基準の50%粒径(D50)は72μmであった。
有機基がすべてメチル基であるT単位:有機基がすべてメチル基であるD単位=85:15となるように配合したシロキサン8質量部、およびγ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.2質量部、トルエン200質量部の混合液を、上記キャリアコア100質量部に添加して、さらに溶液減圧ニーダーで撹拌混合しながら減圧乾燥して溶剤を除去した。得られた粒子を、140℃で2時間焼き付け処理してキャリア5を得た。キャリア5の体積基準の50%粒径(D50)は72μm、真比重は2.4g/cm、1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さは38Am/kg、平均円形度は0.826、円形度0.800以上の粒子の割合が86個数%のキャリア5を得た。得られたキャリア5の物性を表2に示す。
Figure 2007316332

<結着樹脂製造例1>
(ハイブリッド樹脂製造例)
ビニル系重合体ユニットの材料として、スチレン2.0mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.21mol、フマル酸0.14mol、α−メチルスチレンの2量体0.03mol、ジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れた。ポリエステルユニットの材料として、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、テレフタル酸3.0mol、無水トリメリット酸1.9mol、フマル酸5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れた。この四つ口フラスコに温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取り付け、前記四つ口フラスコをマントルヒーター内においた。次に四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートより上記ビニル系重合体ユニットの単量体及び重合開始剤を4時間かけて滴下した。次いで得られた生成物を200℃に昇温し、4時間反応せしめてハイブリッド樹脂を得た。このハイブリッド樹脂のGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)が50000、数平均分子量(Mn)が4000であり、ピーク分子量が8000であった。
<トナー製造例1>
・上記ハイブリッド樹脂 100質量部・パラフィンワックス(融点75℃) 5質量部
・1,4−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機(例えば、日本ニューマティック工業社製、ジェットミル粉砕機IDS2型))を用いて微粉砕した。得られた微粉
砕物は、重量平均粒径が4.9μmであり、平均円形度は0.915であった。
次に、得られた微粉砕物を図3に示した表面改質装置を用い、この表面改質装置に一回当たり1.3kgずつ投入し、分級ローター35の回転数を7300rpmとして微粒子を除去しながら、分散ローター32の回転数を4000rpmとして(回転周速を130m/sec)で70秒間表面処理を行った(原料供給口39より微粉砕物を投入終了後、70秒間処理後、製品排出弁41を開けて処理品として取り出した)。
その際、本実施例においては、分散ローター32上部に角型ディスク33を10個設置し、ガイドリング36と分散ローター32上の角型ディスク33の間隔を30mmとし、分散ローター32とライナー34との間隔を5mmとした。またブロワー風量を14m/min、ジャケットに通す冷媒の温度及び冷風温度T1を−20℃とした。
この状態で繰り返し20分間運転した結果、分級ローター35の後方の温度T2は27℃で安定した。表面処理後に得られたシアントナー粒子は、重量平均粒径が5.4μmであり、平均円形度が0.940であり、分級収率は82%であった。
さらに、網面固定式風力篩ハイボルター(NR−300型、新東京機械(株)製:金網の裏にエアーブラシを装着)を用い、これに直径が30cm、目開きが29μm、ワイヤーの平均径が30μmの金網を設置し、シアントナー粉体を風量が5Nm/minの気流に乗せて前記金網に供給し、粗粒が分離されたシアントナー粒子を得た。
得られたシアントナー粒子100質量部に、無機微粒子として、個数平均粒径が40nmであり疎水化処理した1.0質量部の酸化チタン及び個数平均粒径が110nmの1.5質量部のアモルファスシリカを外添混合し、トナー1(シアントナー)を得た。
得られたトナー1は、重量平均粒径が5.8μmであり、円相当径2.0μm以上の粒子における平均円形度が0.940であった。さらに、メタノールを45体積%含む水溶液に20mgの上記トナー1を分散した分散液の、波長600nmにおける光の透過率を測定したところ、50%であった。得られたトナー1の物性を表3に示す。
<トナー製造例2>
トナー製造例1における、表面改質装置の製造条件で分散ローターの回転数を3000rpmに変更した以外は同様にして、トナー2(シアントナー)を得た。得られたトナー2の物性を表3に示す。
<トナー製造例3>
トナー製造例1における、表面改質装置の製造条件分散ローターの回転数を6000rpmに変更した以外は同様にして、トナー3(シアントナー)を得た。得られたトナー3の物性を表3に示す。
<トナー製造例4>
トナー製造例1における、表面改質装置の製造条件分散ローターの回転数を5000rpmに変更した以外は同様にして、トナー4(シアントナー)を得た。得られたトナー4の物性を表3に示す。
<トナー製造例5>
トナー製造例1において、表面改質装置を用いず、得られていた微粉砕物を更に風力分級機(例えば、マツボー社製、エルボージェット分級機)で分級し、重量平均粒径5.8μmのシアントナー粒子を得た。
得られたシアントナー粒子100質量部に、無機微粒子として、個数平均粒径が40nmであり疎水化処理した0.8質量部の酸化チタン及び個数平均粒径が110nmの1.2質量部のアモルファスシリカを外添混合し、トナー5(シアントナー)を得た。得られたトナー5の物性を表3に示す。
<トナー製造例6>
トナー製造例5で得られたシアントナー粒子をチラーユニット等の冷却機構を具備したメカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)を用い、4000rpmで表面改質を行い、トナー6(シアントナー)を得た。得られたトナー6の物性を表3に示す。
<トナー製造例7>
トナー製造例1において、C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部を、C.I.ピグメントレッド122 5質量部に変更する以外は同様にして、トナー7(マゼンタトナー)を得た。得られたトナー7の物性を表3に示す。
<トナー製造例8>
トナー製造例1において、C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部を、C.I.ピグメントイエロー74 5質量部に変更する以外は同様にして、トナー8(イエロートナー)を得た。得られたトナー8の物性を表3に示す。
<トナー製造例9>
トナー製造例1において、C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部を、カーボンブラック 5質量部に変更する以外は同様にして、トナー9(ブラックトナー)を得た。得られたトナー9の物性を表3に示す。
<トナー製造例10>
イオン交換水710質量部に、0.12M−NaPO水溶液450質量部を投入し、60℃に加温して得られた水溶液を、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて15,000rpmにて撹拌した。これに1.2M−CaCl水溶液68質量部を徐々に添加し、Ca(POを含む水系媒体を得た。
下記材料
・スチレン 160質量部
・n−ブチルアクリレート 40質量部
・ ベヘン酸ベヘニルエステルワックス(最大吸熱ピーク温度72℃)
20質量部
・1、4−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
・飽和ポリエステル(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA;酸価15,ピーク分子量6000) 10質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 10質量部

を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて10,000rpmにて均一に溶解及び分散させた。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10部を溶解させ、重合性単量体組成物を調製した。
得られた重合性単量体組成物を、前述の水系媒体中に投入した。得られた混合物を60℃、窒素雰囲気下で、TK式ホモミキサーを用いて15,000rpmで10分間撹拌して、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去して除去した。冷却後、塩酸を加えてCa(POを溶解させた。得られた溶液をろ過し、濾取物を水洗、乾燥してシアントナー粒子を得た。このシアントナー粒子の重量平均粒径は6.0μm、円相当径2.0μm以上の粒子における平均円形度は0.985であった。
得られたシアントナー粒子100質量部に、無機微粒子として、個数平均粒径が40nmであり疎水化処理した1.0質量部の酸化チタン及び個数平均粒径が110nmの1.5質量部のアモルファスシリカを外添混合し、トナー10(シアントナー)を得た。
得られたトナー10(シアントナー)の重量平均分子量(Mw)が90000、数平均分子量(Mn)が40000であり、ピーク分子量が30000であった。
得られたトナー10は、重量平均粒径が6.0μmであり、円相当径2.0μm以上の
粒子における平均円形度が0.985であった。さらに、メタノールを45体積%含む水溶液に20mgの上記トナー10を分散した分散液の、波長600nmにおける光の透過率を測定したところ、20%であった。得られたトナー10の物性を表3に示す。
<トナー製造例11>

分散液A
・スチレン 350質量部
・n−ブチルアクリレート 100質量部
・アクリル酸 25質量部
・t−ドデシルメルカプタン 10質量部

以上の組成を混合及び溶解し、モノマー混合物として準備した。
・融点75℃のパラフィンワックス分散液 100質量部
(固形分濃度30%、分散粒径0.14μm、ワックスのMw=500、Mn=380)・アニオン性界面活性剤 1.2質量部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・非イオン性界面活性剤 0.5質量部
(三洋化成(株)製:ノニポール400)
・イオン交換水 1530質量部

上記組成をフラスコ中で分散し、窒素置換を行いながら加熱を開始した。液温が70℃となったところで、これに6.56質量部の過硫酸カリウムを350質量部のイオン交換水で溶解した溶液を投入した。液温を70℃に保ちつつ、前記モノマー混合物を投入攪拌し、液温を80℃にあげて6時間そのまま乳化重合を継続し、その後に液温を40℃とした後にフィルターで濾過して分散液Aを得た。こうして、得られた分散液中の粒子は、個数平均粒径が0.16μm、固形分のガラス転移点が60℃、重量平均分子量(Mw)が15,000であり、ピーク分子量は、12,000であった。パラフィンワックスは、重合体中6質量%含有されており、本固形分の薄片を透過電子顕微鏡にて観察した結果、重合体粒子がワックス粒子を内包化していることを確認した。

分散液B
・C.I.ピグメントブルー15:3 12質量部
・アニオン性界面活性剤 2質量部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・イオン交換水 86質量部
以上の組成を混合し、ビーズミル(例えば、寿工業(株)社製、ウルトラアペックスミル)を用いて分散し着色剤分散液Bを得た。
前記分散液A 300質量部及び分散液B 25質量部を、撹拌装置、冷却管及び温度計を装着した1リットルのセパラブルフラスコに投入し撹拌した。この混合液に凝集剤として、10%塩化ナトリウム水溶液 180質量部を滴下し、加熱用オイルバス中でフラスコ内を撹拌しながら54℃まで加熱した。48℃で1時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると径が約5μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
その後の融着工程において、ここにアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)3質量部を追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら100℃まで加熱し、3時間保持した。そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥させることにより、シアントナー粒子11を得た。
得られたシアントナー粒子11 100質量部に、無機微粒子として、個数平均粒径が40nmであり疎水化処理した1.0質量部の酸化チタン及び個数平均粒径が110nm
の1.5質量部のアモルファスシリカを外添混合し、トナー11(シアントナー)を得た。
得られたトナー11(シアントナー)の重量平均分子量(Mw)が150000、ピーク分子量が12000であった。
得られたトナー11は、重量平均粒径が5.0μmであり、円相当径2.0μm以上の粒子における平均円形度が0.958であった。さらに、メタノールを45体積%含む水溶液に20mgの上記トナー11を分散した分散液の、波長600nmにおける光の透過率を測定したところ、10%であった。得られたトナー11の物性を表3に示す。
Figure 2007316332

<実施例1>
上記、トナー製造例1で得られたトナー1 10質量部とキャリア製造例1で得られたキャリア1 90質量部をV型混合機により混合し、始めに現像器に収容するスタート用現像剤を得た。また、同様に、トナー製造例1で得られたトナー1 90部とキャリア製造例1で得られたキャリア1 10部をV型混合機により混合し、補給用現像剤1を得た。得られたスタート用現像剤1及び補給用現像剤1のキャリア1質量部に対するトナーの配合割合を表4に示す。
これらのスタート用現像剤1と補給用現像剤1を用い、キヤノン製フルカラー複写機、iRC6800改造機(具体的には、波長405nmのレーザービームに変更し、スポット径を30nm×30nmに、解像度を1200dpiに変更し、静電潜像を形成しイメージ露光できるように改造をおこなった。感光体は、前記感光体1に変更した。)を用いて常温常湿(NN)(23℃、50%RH)、高温高湿(HH)(30℃、90%RH)、低温低湿(NL)(15℃、5%RH)下で耐久画出し評価(A4横、20%印字比率、100,000枚)を行った。100,000枚通紙後の画出し評価の項目と評価基準を以下に示す。
(1)ドット再現性(耐久初期(1枚後)および100,000枚後)
前記現像剤及び前記改造機を用いてハーフトーン画像を形成し、この画像を目視にて観察し、前記画像のドットの再現性について以下の基準に基づき評価した。形成したハーフトーン画像は、0をベタ白とし、256をベタ黒とする256階調表示における48番目の濃度としたときのハーフトーン画像である。
(評価基準)
A:全くガサツキを感じなく、なめらかである。
B:ガサツキを余り感じない。
C:ややガサツキ感はあるが、実用上問題ないレベルである。
D:ガサツキ感あり問題である。
E:非常にガサツキ感がある。
(2)カブリ(耐久初期(1枚後)および100,000枚後)
画出し前の普通紙の平均反射率Dr(%)をリフレクトメータ(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。
耐久初期に、普通紙上にベタ白画像をVbackが0V〜300VになるようVdを50V毎に変化させて画出しした。さらに耐久出力後に、普通紙上にベタ白画像(Vback:150V)を画出しした。画出しされたベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。得られたDr及びDs(耐久初期および後)より、下記式を用いてカブリ(%)を算出した。得られたカブリを下記の評価基準に従って評価した。
カブリ(%) = Dr(%)−Ds(%)
(評価基準)
A:0.5%以下 :全く見えず問題ない。
B:0.6〜1.0% :注視すれば少し確認できる。
C:1.1〜2.0% :目視で見えるが実用上問題ないレベル
D:2.1〜3.0% : カブリが少し目立つ
E:3.1%以上 :カブリがはっきり確認される
(3)キャリア付着(耐久初期(1枚後)および100,000枚後)
前記現像剤及び前記改造機を用いて紙上にハーフトーン画像を形成し、そのハーフトーン画像上1cmの領域内において、光学顕微鏡で、キャリアの存在個数をカウントする。
(評価基準)
A: 0〜 5個 : ほとんど目立たず、非常に良好である。
B: 6〜10個 : 良好である。
C:11〜20個 : 付着したキャリアが見えるが、実用上問題ないレベルである。
D:21〜30個 : 朝、起動時にクリーニング不良が発生する。
E:31個以上 : 画像上に付着したキャリアが目立ち、縦すじが発生し、問題である。
上記耐久評価において、(1)〜(3)の評価結果を表5に示す。尚、表5では結果を耐久初期の評価結果→100,000枚後の評価結果の順番で示している。
<実施例2〜4、11〜15>
表4に示すトナー、キャリア、感光体、補給用現像剤及びスタート用現像剤に変更する以外は、実施例1と同様の条件で(1)〜(3)の評価を行った。
<実施例5〜10及び比較例1〜7>
キヤノン製フルカラー複写機、iRC6800改造機のレーザービームを波長405nmのレーザービームに変更し、スポット径スポット径を50nm×50nm、解像度を1200dpiに変更し、静電潜像を形成しイメージ露光できるように改造を行い、表4に示すトナー、キャリア、感光体、補給用現像剤及びスタート用現像剤に変更する以外は、実施例1と同様の条件で(1)〜(3)の評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2007316332

Figure 2007316332

本発明の電子写真装置の概略図。 本発明のプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略図。 本発明のトナーの製造方法において、微粉砕物の分級及び表面改質処理を行って、好適な粒度分布を有し、表面改質されたトナー粒子を得るための工程に好適に使用される表面改質装置の一例の概略断面図。 (A)分級ローターの概略的な水平投影図、及び(B)分級ローターの概略的断面図。 (A)分散ローターの水平投影図、及び(B)分散ローターの概略的な垂直投影面図。 (A)ガイドリングの直径を説明するための図、及び(B)ガイドリング及びガイドリングの支持体の斜視図。 (A)ライナーの概略的な水平投影図、及び(B)ライナーの部分的説明図。 本発明に用いられるトナーの製造方法を説明するための部分的フロー図。 補給用現像剤を用いた画像形成装置における現像剤の流れを示した模式図。 本発明のキャリアの粒度分布及び円形度を測定結果のグラフの一例である。左軸が個数基準の粒径の頻度を棒グラフで示してある。右軸に円形度をドットで現してある。
符号の説明
1 電子写真感光体
1a 軸
2 帯電手段
3 現像手段
3−1 現像スリーブ
4 転写手段
5 クリーニング手段
6 前露光手段
7 転写材
8 像定着手段
12 レール
L 像露光
30 本体ケーシング
31 冷却ジャケット
32 分散ローター
33 角型ディスク
34 ライナー
35 分級ローター
36 ガイドリング
37 原料投入口
38 原料供給弁
39 原料供給口
40 製品排出口
41 製品排出弁
42 製品抜取口
43 天板
44 微粉排出部
45 微粉排出口
46 冷風導入口
47 第一の空間
48 第二の空間
49 表面改質ゾーン
50 分級ゾーン
315 定量供給機
319 冷風発生手段
320 冷水発生手段
321 トナー粒子の輸送手段
359 サイクロン入口
362 バグ
364 ブロアー
369 サイクロン
380 原料ホッパー
101 補給用現像剤収容容器
102 現像器
103 クリーニング装置
104 現像剤回収容器

Claims (6)

  1. 導電性支持体と該導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体を帯電する帯電工程と、該感光体上に静電潜像を形成する露光工程と、トナーとキャリアとを含有する二成分現像剤を収容する現像器を用いて該静電潜像を現像する現像工程とを少なくとも有する画像形成方法であって、
    該現像器へは、少なくとも補給用トナーと補給用キャリアを含有する補給用現像剤が補給され、且つ該現像器からは過剰になったキャリアが排出され、
    該補給用現像剤は、補給用キャリア1質量部に対して補給用トナーを2乃至50質量部の質量比で含有してなり、
    該感光層が少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有し、
    該感光層の総膜厚が5.0μm乃至15.0μmであり、
    該キャリア及び補給用キャリアの体積基準の50%粒径(D50)が15乃至70μmであり、
    該キャリア及び補給用キャリアの真比重が、2.5乃至4.2g/cmであり、
    該キャリア及び補給用キャリアの1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さが40乃至70Am/kgであることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記キャリア及び補給用キャリアは、平均円形度が0.850乃至0.950であり、円形度0.800以上の粒子を90個数%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記トナー及び補給用トナーは、該トナーを、メタノールを45体積%含む水溶液に分散した分散液の波長600nmにおける光の透過率が、30%乃至80%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記トナー及び補給用トナーの円相当径2.0μm以上の粒子における平均円形度が0.930乃至1.000であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の
    画像形成方法。
  5. 前記キャリア及び補給用キャリアが、結着樹脂を形成するためのモノマーを磁性体存在下で重合して得られた磁性体含有樹脂キャリアであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 前記静電潜像が、380nm乃至500nmの波長を有する半導体レーザーを用いて形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
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