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JP2007033485A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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JP2007033485A JP2005212120A JP2005212120A JP2007033485A JP 2007033485 A JP2007033485 A JP 2007033485A JP 2005212120 A JP2005212120 A JP 2005212120A JP 2005212120 A JP2005212120 A JP 2005212120A JP 2007033485 A JP2007033485 A JP 2007033485A
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Takayuki Itakura
隆行 板倉
Yoshinobu Baba
善信 馬場
Tetsuya Ida
哲也 井田
Hisashi Ishigami
恒 石上
Nozomi Komatsu
望 小松
Nobuyoshi Umeda
宜良 梅田
Takeshi Naka
毅 中
Takeshi Otsu
剛 大津
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Abstract

【課題】 現像同時クリーニング方式を用いた画像形成方法において、長期に渡って良好な画像が得ることができる、画像形成方法を提供する。
【解決手段】静電潜像担持体が、有機感光層を有する電子写真感光体であって、硬化型の表面層を有しており、トナーが、結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子の表面に、無機微粒子を含有するトナーであって、該無機微粒子は、チタン酸ストロンチウムであり、該チタン酸ストロンチウムは、一次粒子の平均粒径が30nm以上300nm以下で、立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状を有し、且つペロブスカイト型結晶を有する粒子であり、且つ前記トナーの円相当径(個数基準)2μm以上の粒子における平均円形度が、0.920乃至0.970であり、且つ前記トナーのメタノール45体積%水溶液に対するUV透過率が10乃至80%である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法において、電子写真感光体、或いは静電記録誘導体等の静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像剤で現像して、静電潜像担持体上にトナー像を形成すると同時に、転写後の静電潜像担持体上に残留するトナーを回収する現像兼回収工程と、静電潜像担持体上のトナー像を中間転写体又は転写材に転写する転写工程とを少なくとも含む画像形成方法に関するものである。
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により静電潜像担持体(感光体)上に静電潜像を形成し、次いで該静電潜像を現像剤で現像を行って顕像化し、必要に応じて紙などの転写材にトナー像を転写した後、熱・圧力等により転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。この際、転写後に転写材に転写せずに感光体上に残余したトナー(転写残トナー)は種々の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰り返される。
前記クリーニング方法としては、感光体上に弾性ゴムブレードを押し当て、転写残トナーを機械的に除去するブレードクリーニングや、細い繊維を植えたブラシローラを高速回転させ、ブラシの毛先にトナーを付着させて転写残トナーを除去するブラシクリーニング方法等が知られている。
このようなクリーニング方法を用いる画像形成方法の場合は、クリーニングのためのユニットを設ける必要があることと、クリーニング後の廃トナーを回収する作業が生じたり、使用可能な転写残トナーを回収することで1ページ当たりの印字コストが上がってしまうといった問題がある。また、クリーニングのための部材が直接感光体に接触するため、長期に渡る耐久によっては、感光体上にキズや磨耗を生じてしまい、感光体表面の劣化が生じて、キズによるスジ画像や磨耗による画像濃度低下など、長期に渡って良好な画像が得られなくなる場合がある。
そのため近年、画像形成装置全体のコンパクト化、廃トナーレス化によるエコロジー対応、1ページ当たりのトナー消費量の削減のため、上記のようなクリーニング方法を用いず、転写残トナーを回収して再利用するクリーナーレスシステムが広く提案されている(特許文献1及び特許文献2等)。その中でも、現像と同時に転写残トナーを現像装置に回収する、所謂現像同時クリーニング方式を採用した複写機やプリンタが実用化されてきている。特に、この現像同時クリーニング方式は、クリーニングユニットを使用しないため、装置のコンパクト化や、廃トナーレス化によるエコロジー対応に関しては飛躍的な進歩が見受けられる。
しかしながら、このような現像同時クリーニング方式を用いる場合には、感光体表面への付着物の抑制及び除去等の課題が残されている。
感光体表面への付着物の抑制という観点では、画像形成プロセスにおいて、クリーニングユニットを使用しないため、長期の耐久においては、感光体へのトナーの融着やフィルミング等の現象が起こらないことが望まれる。しかし、クリーニングユニットを使用しない場合、剥ぎ取り手段が無いために、融着やフィルミング等の現象が一部分でも発生してしまうと、これらの現象を促進してしまいやすくなる傾向がある。そのため、従来のトナーにおいては、更に転写残トナーが少なくするために、転写効率の高く、且つ感光体表面へのトナーの付着性が抑制されたトナーが望まれている。
また、特に高湿度環境下において長期に渡って行うと、トナーの融着やフィルミングだけではなく、感光体を帯電する帯電工程で生じるオゾンが、空気中の窒素と反応して窒素酸化物(NOx)となり、更にこれらの窒素酸化物が空気中の水分と反応して硝酸となって感光体の表面に付着して、感光体の表面の抵抗を低下させることがある。このため画像形成時に、感光体表面の帯電生成物に起因する画像流れを生じるようになる。
そのため帯電工程においては、多量のオゾンを発生する従来のコロナ放電を用いた帯電方式に代わり、ローラまたはブレードなどの帯電部材を感光体表面に当接させることにより、その接触部分近傍において放電を形成することによりオゾン発生を極力抑えた帯電方式が広く用いられている。その中でも特に帯電部材として帯電ローラを用いたローラ帯電方式が、帯電の安定性という点から好ましく用いられている。しかしながら、そのような帯電方式においても、その本質的な帯電機構は、帯電部材から感光体への放電現象を用いているため、上述した感光体表面の帯電生成物に起因する画像流れに関しては十分とは言えない。
特許文献3乃至8では、現像性・転写性・ブレードやブラシ等を用いてのクリーニング性を両立し得るトナーとして、トナーの平均円形度やメタノール45体積%水溶液に対するUV透過率、トナーに含有させる無機微粒子についての提案がされている。しかし、これらのトナーは、クリーニングユニットを使用しない現像同時クリーニング方式においては、感光体へのトナー融着やフィルミングの防止という点では良好であるものの、帯電生成物の除去という点では未だ改良の余地がある。
そこで、トナーの融着やフィルミングを防止するだけではなく、帯電生成物による画像流れに対して、トナーに研磨作用を有する無機微粒子を添加し、感光体の表面に付着した帯電生成物を剥ぎ取ることによって改善する方法が知られている。しかしながら、従来用いられていた無機微粒子は粒径が大きいことと、及び粒度分布がブロードなため、感光体の表面を均一に研磨することが困難であった。また、感光体表面のキズや削れといった観点からも十分とは言えなかった。
この点を改良したものとして、特許文献9及び特許文献10に、トナー粒子にチタン酸ストロンチウム粉体を添加する方法が提案されている。これらの方法に使用されるチタン酸ストロンチウムは、粒径が細かく粗粒が少ないため優れた研磨効果がある。しかしながら、これらの方法に使用されるチタン酸ストロンチウム粉体は、感光体表面のトナーによるフィルミングや融着を防止するのには効果的であるが、前述したような帯電生成物の除去には不十分であった。
特許文献11に、研磨物質及び脂肪酸金属塩を含有するトナー粒子を使用する方法が提案されており、特許文献12に、トナー粒子に脂肪酸金属塩とチタン酸化合物を外添する方法が提案され、特許文献13に、脂肪酸金属塩等の潤滑剤で表面処理した金属酸化物を外添する方法が提案されている。しかしながら、これらの方法は、いずれも帯電生成物の除去には不十分であった。
以上のように、現像同時クリーニング方式において、感光体表面へのトナーの融着、フィルミングを防止でき得るトナー、更には帯電生成物の除去により画像流れを抑制し得る、効果的な研磨作用を有する無機微粒子を含有するトナーが広く望まれている。それと同時に効果的な研磨作用を有する無機微粒子の含有のトナーを使用する際には、長期に渡って感光体表面のキズや削れを抑制するために、更に耐磨耗性、離型性に優れた表層を有する感光体も望まれている。
特開平05−053482号公報 特開平10−307456号公報 特開2004−271850号公報 特開2004−271851号公報 特開2004−271852号公報 特開2004−271853号公報 特開2004−295100号公報 特開2004−295101号公報 特開平10−10770号公報 特許第3047900号公報 特開2000−162812号公報 特開平8−272132号公報 特開2001−296688号公報
本発明の目的は、現像同時クリーニング方式を用いた画像形成方法において、特に高温高湿下における、感光体へのトナーの融着やフィルミング、帯電生成物による画像流れを防止するとともに、長期に渡って良好な画像が得ることができる、画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
上記の目的は、下記の本発明の構成により達成される。
本発明は、静電潜像担持体を帯電する帯電工程と、帯電した静電潜像担持体に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を現像剤で現像して、静電潜像担持体上にトナー像を形成すると同時に、転写後の静電潜像担持体上に残留するトナーを回収する現像兼回収工程と、静電潜像担持体上のトナー像を中間転写体又は転写材に転写する転写工程とを少なくとも含む画像形成方法において、
前記静電潜像担持体が、有機感光層を有する電子写真感光体であって、硬化型の表面層を有しており、
前記トナーが、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子の表面に、少なくとも無機微粒子を含有するトナーであって、該無機微粒子は、チタン酸ストロンチウムであり、該チタン酸ストロンチウムは、一次粒子の平均粒径が30nm以上300nm以下で、立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状を有し、且つペロブスカイト型結晶を有する粒子であり、且つ前記トナーの円相当径(個数基準)2μm以上の粒子における平均円形度が、0.920乃至0.970であり、且つ前記トナーのメタノール45体積%水溶液に対するUV透過率が10乃至80%であることを特徴とする画像形成方法に関する。
また本発明は、前記現像剤が、少なくともトナーと磁性キャリアとを有する二成分系現像剤であり、該磁性キャリアは、少なくとも磁性微粒子及びバインダー樹脂を含有する磁性微粒子分散樹脂コアの表面に被覆層を有することを特徴とする画像形成方法に関する。
また本発明は、前記静電潜像担持体の表面が、25℃湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い,最大荷重6mNで押し込んだときのHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm2以上220N/mm2以下であり、且つ弾性変形率Weが45%以上65%以下であることを特徴とする画像形成方法に関する。
また本発明における帯電工程は、接触帯電方式であることを特徴とする画像形成方法に関する。
また本発明における画像形成方法は、転写後で帯電前に静電潜像担持体上に残存するトナーを均し、バイアスが印加される均し工程を更に含むことを特徴とする画像形成方法に関する。
また本発明は、静電潜像担持体を帯電する帯電手段と、帯電した静電潜像担持体に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤で現像して、静電潜像担持体上にトナー像を形成すると同時に、転写後の静電潜像担持体上に残留するトナーを回収する現像兼回収手段と、静電潜像担持体上のトナー像を中間転写体又は転写材に転写する転写手段とを少なくとも有する画像形成装置において、
前記静電潜像担持体は、有機感光層を有する電子写真感光体であって、硬化型の表面層を有しており、
前記トナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子の表面に、少なくとも無機微粒子を含有するトナーであって、該無機微粒子は、チタン酸ストロンチウムであり、該チタン酸ストロンチウムは、一次粒子の平均粒径が30nm以上300nm以下で、立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状を有し、且つペロブスカイト型結晶を有する粒子であり、且つ該トナーの円相当径(個数基準)2μm以上の粒子における平均円形度が、0.920乃至0.970であり、且つ該トナーのメタノール45体積%水溶液に対するUV透過率が10乃至80%であることを特徴とする画像形成装置に関する。
本発明によれば、請求項1に記載の画像形成方法であることで、現像同時クリーニング方式を用いた画像形成方法において、特に高温高湿下における感光体へのトナーの融着やフィルミング、帯電生成物による画像流れを防止し、長期に渡って良好な画像を得ることができるという効果を有する。
また本発明によれば、請求項2に記載の画像形成方法であることで、二成分系現像剤の磁気ブラシが剛直になることが無く、トナーに含有される無機微粒子の研磨作用が効果的に発揮され、感光体へのトナーの融着やフィルミングを防止し、画像流れの原因である帯電生成物を効率よく除去できるという効果を有する。
また本発明によれば、請求項3に記載の画像形成方法であることで、感光体表面の離型性が向上し、トナーの転写性が向上すると共に、感光体表面の耐磨耗性が飛躍的に向上することで、更に耐久性に優れた画像形成方法を提供できるという効果を有する。
また本発明によれば、請求項4に記載の画像形成方法であることで、特に高温高湿下における帯電生成物の発生を抑制できるとともに、感光体との接触領域において、転写残トナー中に含まれる無機微粒子の研磨作用により、画像流れの原因である帯電生成物を効率よく除去できるという効果を有する。
また本発明によれば、請求項5に記載の画像形成方法であることで、均し工程により、現像時に回収する転写残トナーの帯電極性を均一にできることで、現像時のトナーの回収率を向上するとともに、感光体との接触部分において、転写残トナー中に含まれる無機微粒子の研磨作用により、画像流れの原因である帯電生成物を効率よく除去できるという効果を有する。
更に本発明によれば、請求項6に記載の画像形成装置であることで、現像同時クリーニング方式を用いた画像形成装置において、特に高温高湿下における感光体へのトナーの融着やフィルミング、帯電生成物による画像流れを防止し、長期に渡って良好な画像を得ることができるという効果を有する。
以下、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
まず、本発明の画像形成方法について詳しく説明する。
本発明の画像形成方法を用いた現像同時クリーニング方式の一例を図1に示す。図1において、静電潜像担持体である電子写真感光体1はb方向に回転する。感光体1は帯電手段である帯電装置2により帯電され、帯電した感光体1表面には、静電潜像形成手段である露光装置3によりレーザー光Lを投射し、静電潜像を形成する。その後、現像手段である現像装置4により静電潜像はトナー像として可視像化され、転写手段である転写装置5により転写材Pに転写される。この転写手段において、転写されずに感光体表面に残った転写残トナーは、前述の帯電手段、静電潜像形成手段を経て、再度現像に供されるかもしくは現像装置に回収される。
ここで、本発明に使用できる画像形成方法の各工程に関して、更に詳しく説明する。
帯電工程は、感光体の表面に電荷を付与して電子写真感光体を帯電させる手段であれば特に限定されない。帯電手段には、コロナ帯電手段のように、電子写真感光体に対して非接触で電子写真感光体を帯電させる装置や、導電性のローラやブレードを電子写真感光体に接触させて電子写真感光体を帯電させる装置が使用可能である。
本発明においては、帯電生成物の観点から接触帯電方式が好ましい。従来の非接触帯電方式であるコロナ放電は、多量に生じるオゾンが、空気中の窒素と反応して窒素酸化物(NOx)となり、更にこれらの窒素酸化物が空気中の水分と反応して硝酸となって感光体の表面に付着して、感光体の表面の抵抗を低下させやすい。これに対して、接触帯電方式はオゾンの発生量が格段に少なく、帯電生成物による感光体表面の抵抗の変化は小さくなる。また、接触帯電方式であることで、感光体との接触領域において、転写残トナー中に含まれる無機微粒子の研磨作用により、画像流れの原因である帯電生成物を効率よく除去できるので更に好ましい。
接触帯電方式には、ローラ帯電方式のような放電帯電機構を用いたものと、磁気ブラシ帯電方式のような直接注入帯電機構がある。
放電帯電機構は、接触帯電部材と被帯電体との隙間に生じる放電現象により被帯電体の表面が帯電する機構である。放電帯電系は接触帯電部材と被帯電体に一定の放電しきい値を有するため、被帯電体電位より大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。また、コロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少ないが、原理的に帯電生成物を生じる。
放電による接触帯電部材としては、導電性ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式(ローラ帯電装置)が放電の安定性という点で好ましく、広く用いられている。この放電用帯電ローラは、導電あるいは中抵抗のゴム材あるいは発泡体を基層としてローラ状に形成した上に、その表面が高抵抗層で作製されてもよい。この構成において、放電現象はローラと被帯電体の接触部から少し離れた数十μmの隙間で起きる。従って、放電現象を安定化するために、ローラ表面にある層(以下、表面層という)は平坦で、表面の平均粗さRaで1.0μm以下であり、ローラ硬度も高い表面を有していることが好ましい。また、放電によるローラ帯電は印加電圧が高く、ピンホール(被帯電体膜の損傷による基盤の露出)があると、その周辺にまで電圧降下が及び帯電不良を生じやすい。従って、表面層の表面抵抗は1011Ω以上にすることで電圧降下を防止するという点で好ましい。
直接注入帯電機構は、接触帯電部材と被帯電体との分子レベルでの接触により、直接に電荷の授受をすることにより被帯電体の表面を帯電(充電)する帯電機構である。直接帯電あるいは注入帯電とも称される。
注入による接触帯電部材としては、磁気ブラシを用いた磁気ブラシ帯電方式(磁気ブラシ帯電装置)が好ましく用いられる。磁気ブラシ帯電は、接触帯電部材として導電性磁性粒子をマグネットロール等で磁気拘束してブラシ状に形成した磁気ブラシ部を有する部材を用い、その磁気ブラシ部を被帯電体である感光体に接触させ、所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
磁気ブラシ部を構成させる導電性磁性粒子として、個数基準で平均粒径5〜50μmの粒子を用い、感光体と十分速度差を設けることで、均一に直接注入帯電を行うことが好ましい。磁気ブラシ帯電には、機器構成が複雑であること、磁気ブラシ部を構成している導電性磁性粒子が脱落して感光体に付着する等の弊害もある。
導電性磁性粒子の平均粒径は、走査電子顕微鏡(100〜5000倍)によりランダムに粒径0.1μm以上の導電性磁性粒子を300個以上抽出し、デジタイザーにより水平方向フェレ径をもって粒径として測定し、導電性磁性粒子の個数平均粒径を算出するものとする。
直接注入帯電機構においては、接触帯電部材と被帯電体の電位差は数V〜数十V程度である。帯電電位は印加電圧と等しく、放電を生じる電圧差もない。また、帯電に必要な電圧は低く抑えられる。この直接帯電系はイオンの発生を伴わないため放電生成物による弊害は生じない。つまり、オゾンの発生も無く低電力の点で優れた帯電方式である。
接触帯電方式の機構としては、上記の2つの方法が挙げられるが、いずれも従来のコロナ放電を用いた非接触帯電方式における多量のオゾン発生も無く、帯電生成物の抑制や低電力の観点から好適に用いられる。
静電潜像形成工程は、露光手段として公知の露光装置が使用できる。例えば、光源は半導体レーザまたは発光ダイオードが用いられ、ポリゴンミラー、レンズ、ミラーから成る走査光学系ユニットを用いることができる。
現像工程は、主としてキャリアが不要な一成分系接触現像方法とトナーとキャリアを有する二成分系現像方法に分けられるが、いずれも使用可能である。本発明においては、感光体表面の付着物の抑制及び除去の観点から、二成分系現像方法が好適に用いられる。
二成分系現像方法としては、磁石を内包した現像剤担持体(現像スリーブ)上に非磁性トナーと磁性キャリアを有する二成分系現像剤の磁気ブラシを形成し、該磁気ブラシを現像剤層厚規制部材により所定の層厚にコートした後、感光体に対向する現像領域へと搬送し、該現像領域においては、感光体と現像スリーブの間に所定の現像バイアスを印加しながら、該磁気ブラシを感光体表面に近接/又は接触させることによって、上記静電潜像をトナー像として顕像化する方法である。
このように、磁気ブラシを感光体表面に近接/又は接触させることにより、感光体表面への付着物を軽減することができるとともに、トナー中に含有する研磨作用を有する無機微粒子により、感光体表面の付着物を効果的に除去することができるので、好ましく用いられる。
このような二成分系現像剤に使用できる磁性キャリアとしては、鉄粉キャリア、フェライトキャリア、あるいは磁性微粒子をバインダー樹脂中に分散した磁性微粒子分散型樹脂キャリア等が挙げられる。鉄粉キャリアにおいては、キャリア自身の比抵抗が低いために、静電潜像の電荷がキャリアを通してリークしてしまい、静電潜像を乱すことから画像欠陥を生じてしまう場合がある。また、フェライトキャリアにおいては、キャリア自身の比抵抗は比較的高いものの、大きな飽和磁化を有しているために磁気ブラシが剛直となりやすく、トナー画像に磁気ブラシのはき目ムラを生じてしまう場合がある。そのため、磁性微粒子をバインダー樹脂中に分散した磁性微粒子分散型樹脂キャリアが好適に用いられる。磁性微粒子分散型樹脂キャリアは、フェライトキャリアよりも比抵抗が比較的に高く、且つ飽和磁化も小さく、真比重も小さくなることから、静電潜像の電荷リークを防止するとともに、磁気ブラシも剛直になることがないので、画像欠陥やはき目ムラのない良好なトナー画像を形成することができるという点で好ましい。
転写工程は、コロナ転写手段のように、感光体に対して非接触で感光体表面のトナー像を転写材に転写させる方法や、ローラや無端ベルト状の転写部材を感光体に接触させて感光体表面のトナー像を転写材に転写させる方法が有り、いずれも使用可能である。
本発明においては、帯電工程と同様に、多量のオゾン発生が無く、帯電生成物の抑制や低電力の観点から、接触系の転写ローラや、樹脂ベルト、弾性ベルト状の転写部材が好適に用いられる。
また、本発明の画像形成方法においては、図2に示したように、転写後で帯電工程の前に感光体上の転写残トナーを均し、現像時の転写残トナーの回収率を向上させるために、転写残トナーの帯電極性の均一化を目的として、バイアス印加手段を有する均し工程6を更に含むことが好ましい。
均し工程6においては、トナーが負帯電性の場合は、転写残トナーを負帯電させるバイアスを印加させることにより、帯電工程での帯電部材への転写残トナーの付着が軽減できるため好ましい。これにより、現像時における転写残トナーの回収率が向上する。また、均し部材としては、ブラシ状のものが好ましく用いられる。更にこのような均し部材は、複数個設けることにより、帯電部材のへの転写残トナーの付着の軽減や、現像時における転写残トナーの回収率が高まるため好ましい。
次に本発明の電子写真感光体について詳しく説明する。
本発明の画像形成方法で用いられる電子写真感光体は、表面層が重合性官能基を有する化合物を重合あるいは架橋して硬化することで形成される。
電荷輸送は重合性官能基を有する化合物の重合あるいは架橋による硬化あるいは電荷輸送物質を適当な感光体用結着樹脂中に分散した層の上に、保護層として重合性官能基を有する化合物を重合あるいは架橋することで硬化した層を形成することによって得られる。
重合性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基等のように付加反応や縮合反応を経由して硬化反応を起こすもの;ビニル基、アクリロイルオキシ基、スチレン基、ビニルエーテル基等の不飽和重合性官能基;エポキシ基のようなイオン重合性官能基のように連鎖反応を経由して硬化反応を起こすもの;等が挙げられるが、反応性、化合物の安定性、分子設計の多様性等の観点から不飽和重合性官能基が好ましい。
電荷輸送能を前記表面層に付与する方法としては、電荷輸送物質に直接前記重合性官能基を化学結合させた化合物を用いる方法が挙げられる。
電荷輸送物質としては特に限定されないが、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール及びポリスチリルアントラセン等の複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物;ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、トリアゾール及びカルバゾール等の複素環化合物、トリフェニルメタン等のトリアリールアルカン誘導体、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体及びヒドラゾン誘導体等の低分子化合物;等を用いることができる。
重合性官能基を有する化合物を重合あるいは架橋する手段としては、熱、紫外線、電子線等が挙げられるが、不飽和重合性官能基を効率よく反応させる観点及び装置設備等の面から電子線を利用することが好ましい。
本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感光体の感光層は、導電性支持体上に形成され、導電性支持体と感光層の間とに、バリアー機能と接着機能とをもつ下引き層(「導電層」ともいう)を設けることができる。
電荷発生層は、前記電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤とともに、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミル等の分散装置で良く分散し、得られた分散液を、導電性支持体もしくはその上に形成されている層に塗布し、乾燥等によって塗布膜を固化させることによって形成されるか、又は前記電荷発生物質の蒸着膜等、単独組成の膜として形成される。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、特に0.1〜2μmの範囲であることが好ましい。
前記感光体用結着樹脂は、溶剤に溶解し、乾燥や熱等によって固化する樹脂であれば特に限定されない。前記感光体用結着樹脂としては、例えばスチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお電荷発生物質及び感光体用結着樹脂は、それぞれ数種類を適宜組み合わせることができる。
表面層が電荷輸送層である場合には電荷輸送層が硬化型の表面層となり、電荷輸送物質を電子線の照射により重合可能な化合物とともに適当な溶剤に分散あるいは溶解させ、前記電荷発生層上に塗布した後、これに電子線を照射することにより形成される。
電子線の照射により重合、架橋可能な化合物としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、スチレン基等が特に好ましく、これらはモノマー、オリゴマー、マクロマー、ポリマーのいずれにも限定されることなく適宜選択あるいは組み合わせて用いることができる。
また、電荷輸送能、好ましくは正孔輸送能を有しかつ電子線の照射により重合、架橋可能な前記電荷輸送性化合物を用いる場合は、それ単独で電荷輸送層を形成することができ電荷輸送能を有さない重合性官能基を有する化合物を適宜混合することが可能であり、電荷輸送性化合物は、例えば不飽和重合性官能基を有する公知の正孔輸送性化合物及び公知の正孔輸送性化合物の一部に不飽和重合性官能基を付加した化合物等であれば良い。
単層構成の電子写真感光体の場合には、少なくとも電荷発生物質、電荷輸送物質及び電子線照射により重合、架橋可能な化合物を分散又は溶解した溶液を用いて感光層が形成されるが、電荷輸送性化合物の使用が好ましい。
表面層が保護層である場合には、保護層が電子線照射により形成される層となり、この工程により重合又は架橋し硬化する化合物から構成される。感光層の構成は、電荷発生層及び電荷輸送層の順に積層した機能分離型感光体、電荷輸送層及び電荷発生層の順に積層した機能分離型感光体、あるいは単層感光体のいずれもが可能であるが、電荷発生層及び電荷輸送層の順に積層した感光体構成が好ましく、電荷輸送物質及び結着樹脂は、それぞれ数種類を適宜組み合わせることができる。
保護層は硬化後に電荷輸送能を有している必要があるため、電荷輸送能力を有さない化合物である場合には、前述の電荷輸送物質や導電性材料の添加により電荷輸送能を付与することが好ましく、電荷輸送物質及び導電性材料は放射線照射により重合、架橋可能な官能基を有している方が好ましい。また、それぞれ数種類を適宜組み合わせることができる。
前述した層の形成において、導電性支持体又は導電性支持体上の層に前記溶液を塗布する方法としては、例えば浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法及びスピンコーティング法等の塗布方法が挙げられるが、効率性/生産性の観点から、浸漬コーティング法が好ましい。
なお前記連鎖重合性官能基を有する化合物及びそれを含有する溶液には、材料の経時変化を抑制する目的で重合禁止剤等を添加することが好ましい。
本発明において、感光層及び保護層等の各種の層には、各種添加剤を添加することができる。このような添加剤としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤等の劣化防止剤や、離型性を向上させるためにフッ素系樹脂微粒子等の滑材等が挙げられる。
また本発明に用いられる電子写真感光体の表面は、25℃湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い,最大荷重6mNで押し込んだときのHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm2以上220N/mm2以下であり、且つ弾性変形率Weが45%以上65%以下であることが好ましい。
感光体表面のユニバーサル硬さ値HUは、フィッシャー・インストルメンツ社製フィッシャースコープH100Vを用い、表面皮膜物性試験から得られる硬さ値であり、測定においては、対面角度が136°に規定されている四角錘のダイヤモンド圧子を使用し、測定荷重を段階的にかけて皮膜に押し込んでいった際の、荷重をかけた状態での押し込み深さを電気的に検出して読み取り、硬さ値は試験荷重をその試験荷重で生じた圧痕の表面積で除した比率で表示され、ユニバーサル硬さ値HUは、下記式に示したように、圧子の最大押し込み深さでの硬さ値で表される。
ユニバーサル硬さ値HU=K×F/h2[N/mm2
[但し、K:定数(1/26.43)、F:試験荷重(N)、h:圧子の最大押し込み深さ(mm)]
上記硬さ値は、その他の硬度測定等よりも微小な荷重で測定できるとともに、弾性、塑性を有する材料に関しても、弾性変形や塑性変形分を含んだ硬度が得られるので、好ましく用いられる。
感光体表面のユニバーサル硬さ値HUが150N/mm2未満の場合は、感光体表面の耐磨耗性が十分ではなく、長期に渡る耐久においては、表面のキズや削れが原因となって、スジ画像や画像濃度低下が生じてしまいやすい。又、ユニバーサル硬さ値HUが220N/mm2を超える場合は、上述したような硬化型の表面層を製造する際のハンドリング性が悪くなる傾向がある。
また、弾性変形率Weについても45%未満の場合は、画像形成プロセスにおける各工程での感光体表面と各部材の物理的作用によりキズ等が入り易くなる。また、感光体表面の弾性力が不足しており、トナーが感光体表面に圧着し融着の原因になったりする場合がある。一方、弾性変形率Weが65%を超える場合は、感光体表面の脆性が大きくなり過ぎ、クラックや、瞬間的な外的衝撃により致命的な傷を生じやすくなる。
次に本発明のトナーに含有される無機微粒子について詳しく説明する。
本発明においては、特定な無機微粒子を添加してなるトナーを用いて上記の画像形成を行うことによって、高湿環境下における感光体表面へのトナーの融着及びフィルミング、帯電生成物による画像流れを改良できるので好ましい。
まず、研磨効果を有する無機微粒子(以下、研磨剤という)を添加したトナーを用いて画像形成を行うことによって、感光体の表面へのトナーのフィルミングや融着を防止できる理由については、次のように考えられる。画像形成プロセスの転写工程後に感光体上に残留した転写残トナーは、感光体に当接する部材によって接触し、トナーの一部は当接部材近傍に残留する。このときトナーに研磨剤を添加することによって、当接部材が感光体に当接する圧力で感光体を擦ることになる。トナーによるフィルミングや融着のように感光体表面に、凸状に数百nmから数十μmの大きさで付着しているものが、当接部材を通過する際には、更に大きな圧力で研磨剤が作用することになる。このように、フィルミングや融着部分により効率的に研磨効果が得られる。
しかし、帯電生成物である硝酸イオンの如きイオン性の物質は、感光体表面に極薄く付着している。該イオン性物質を効率的に除去するためには、例えば、当接部材の当接圧を上げることが考えられるが、この場合、感光体が削れてしまって感光体の寿命が短くなるために好ましくない。よって、当接部材の当接圧を上げることなく、感光体に付着した帯電生成物を除去するためには、研磨剤自身の研磨能力を上げる必要がある。
従来のチタン酸ストロンチウム粉体は、帯電生成物の除去には不十分であったが、本発明者らは、これは該チタン酸ストロンチウム粒子の形状によるものであると考えた。
従来のチタン酸ストロンチウム粉体は焼結工程を経て製造されており、粒子の形状が球状又は球状に近い多面体状であった。このため、チタン酸ストロンチウムと感光体表面との接触面積が小さいこと、また、当接部材からすり抜けやすく、当接部材近傍に滞留しにくいことが原因で、帯電生成物の除去には不十分であったと推測される。
本発明者らは、トナー中に添加する研磨剤として粒子形状が立方体及び/又は直方体であるペロブスカイト型結晶の無機微粒子を用いることで、感光体に付着した帯電生成物の除去を効率的に行えることを見出した。研磨剤の粒子形状が立方体及び/又は直方体であることで、研磨剤と感光体表面との接触面積を大きくすることができ、また、研磨剤の立方体及び/又は直方体の稜線が感光体表面に当接することで、トナー融着やフィルミングだけではなく、帯電生成物の良好な掻き取り性を得ることができる。
本発明において用いる無機微粒子は、ペロブスカイト型の結晶構造を有している。ペロブスカイト型結晶の無機微粒子の中でもチタン酸ストロンチウム微粉体を用いるが、チタン酸バリウム微粉体、チタン酸カルシウム微粉体も好ましく用いられる。
本発明において使用されるペロブスカイト型結晶の無機微粒子は、一次粒子の平均粒径が30〜300nmであり、好ましくは40〜300nmであり、40〜250nmであることが更に好ましい。平均粒径が30nm未満では当接部における当該粒子の研磨効果が不十分であり、一方、300nmを超えると上記研磨効果が強すぎるため感光体にキズや削れが発生するため適さない。
また、該ペロブスカイト型結晶の無機微粉体は、トナー粒子表面に必ずしも一次粒子として存在するとは限らず、凝集体として存在する場合もあるが、その場合でも600nm以上の粒径を有する凝集体の含有率が1個数%以下であれば、良好な結果が得られるので好ましい。600nm以上の粒子及び凝集体を1個数%を超えて含有している場合には、一次粒径が300nm未満であっても、静電荷潜像担持体にキズが発生するため、好ましくない。
本発明に使用されるペロブスカイト型結晶の無機微粉体の平均粒径については、電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真から100個の粒径を測定して、その平均を求めた。粒径は、一次粒子の最長辺をa、最短辺をbとしたとき、(a+b)/2として求めた。また、本発明で用いるペロブスカイト型結晶無機微粉体中の、粒子形状が立方体及び/又は直方体である粒子の含有率を50個数%以上にすることで、更に効率的に帯電生成物の除去が行えるので好ましい。
本発明に使用されるペロブスカイト型結晶の無機微粉体は、トナー粒子に対して0.1〜5.0質量%、好ましくは0.1〜3.0質量%添加する。添加量が0.1質量%より少ないと、感光体上の付着物の除去効果が不十分となり、5質量%より多いとトナーの帯電性への影響が大きくなるため好ましくない。
本発明に使用されるペロブスカイト型結晶の無機微粉体は、公知の表面処理剤で表面処理されていてもよい。本発明においては、特に炭素数8乃至35の脂肪酸または炭素数8乃至35の脂肪酸の金属塩で表面処理することで、感光体を含む電子写真部材へのトナーの付着性を改善できるので好ましく用いられる。該ペロブスカイト型結晶の無機微粉体を表面処理する脂肪酸またはその金属塩の炭素数は、10乃至30がさらに好ましい。
炭素数が35を超えると、該ペロブスカイト型結晶の無機微粉体の表面と脂肪酸またはその金属塩との密着性が低下し、長期の使用により無機微粉体の表面から剥がれ、耐久性が低下し、剥れた脂肪酸または脂肪酸金属塩が画像不良の原因となるため好ましくない。脂肪酸または脂肪酸金属塩の炭素数が8未満の場合、感光体を含む電子写真部材へのトナーの付着の防止効果が低下する。
無機微粉体に対する脂肪酸またはその金属塩の好ましい処理量は、無機微粉体母体に対して0.1乃至15.0質量%であり、さらに好ましくは0.5乃至12.0質量%である。
本発明で用いるペロブスカイト型結晶の無機微粉体は、例えば、硫酸チタニル水溶液を加水分解して得た含水酸化チタンスラリーのpHを調整して得たチタニアゾルの分散液に、ストロンチウムの水酸化物を添加して、反応温度まで加温することで合成することができる。該含水酸化チタンスラリーのpHは0.5〜1.0とすることで、良好な結晶化度及び粒径のチタニアゾルが得られる。
また、チタニアゾル粒子に吸着しているイオンを除去する目的で、該チタニアゾルの分散液に、水酸化ナトリウムの如きアルカリ性物質を添加することが好ましい。このときナトリウムイオン等を含水酸化チタン表面に吸着させないために、該スラリーのpHを7以上にしないことが好ましい。また、反応温度は60℃〜100℃が好ましく、所望の粒度分布を得るためには昇温速度を30℃/時間以下にすることが好ましく、反応時間は3〜7時間であることが好ましい。
上記の如き方法により製造された無機微粉体を脂肪酸又はその金属塩で表面処理を行う方法としては以下の方法がある。たとえば、Arガス又はN2ガス雰囲気下、無機微粉体スラリーを脂肪酸ナトリウム水溶液中に入れ、ペロブスカイト型結晶表面に脂肪酸を析出させることができる。また、たとえばArガス又はN2ガス雰囲気下、無機微粉体スラリーを脂肪酸ナトリウム水溶液中に入れ、撹拌しながら、所望の金属塩水溶液を滴下することで、ペロブスカイト型結晶表面に脂肪酸金属塩を析出,吸着させることができる。例えばステアリン酸ナトリウム水溶液と硫酸アルミニウムを用いればステアリン酸アルミニウムを吸着させることができる。
次に、本発明に用いられるトナーについて詳しく説明する。
まず、本発明で使用できる結着樹脂について説明する。
本発明で使用する結着樹脂は、市販のものが使用できるが、好ましいのは(a)ポリエステル樹脂、(b)ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂、(c)ハイブリッド樹脂とビニル系共重合体との混合物、(d)ポリエステル樹脂とビニル系共重合体との混合物、(e)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物、及び(f)ポリエステル樹脂とハイブリッド樹脂とビニル系共重合体との混合物から選択される樹脂である。
結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合は、多価アルコールと多価カルボン酸、もしくは多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステル等が原料モノマーとして使用できる。
具体的には、例えば二価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
三価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
2価の酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜12のアルキル基で置換された琥珀酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
また、架橋部位を有するポリエステル樹脂を形成するための3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸及び、これらの無水物やエステル化合物等が挙げられる。
それらの中でも、特に、下記一般式(イ)で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、二価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステル樹脂が、カラートナーとして、良好な帯電特性を有するので好ましい。
Figure 2007033485
本発明に使用するトナーに含有される結着樹脂において、「ハイブリッド樹脂」とは、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニットとがエステル交換反応によって形成する樹脂であり、好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブロック共重合体)である。なお、本発明において「ポリエステルユニット」とはポリエステルに由来する部分を示し、「ビニル系重合体ユニット」とはビニル系重合体に由来する部分を示す。ポリエステルユニットを構成するポリエステル系モノマーとしては、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分であり、ビニル系重合体ユニットとは、ビニル基を有するモノマー成分である。
ビニル系重合体ユニットを生成するためのビニル系モノマーとしては、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明に使用するトナーにおいて、結着樹脂のビニル系重合体ユニットは、ビニル基を二個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよい。この場合に用いられる架橋剤には、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
本発明ではビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットのいずれか一方又は両方の中に、両樹脂ユニットの成分と反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂ユニットを構成するモノマーのうちビニル系重合体ユニットの成分と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系重合体ユニットを構成するモノマーのうちポリエステルユニットの成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットの反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットのそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応を行うことにより得る方法が好ましい。
本発明に使用できるビニル系重合体ユニットを製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
本発明に使用できるトナーに用いられるハイブリッド樹脂を調製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜(6)に示す製造方法を挙げることができる。
(1)ビニル系重合体、ポリエステル樹脂及びハイブリッド樹脂をそれぞれ製造後にブレンドする方法であり、ブレンド品は、有機溶剤(例えば、キシレン)に前記樹脂成分を溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去することによって製造される。尚、ハイブリッド樹脂には、ビニル系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行って合成されるエステル化合物を用いることができる。
(2)ビニル系重合体製造後に、これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステルモノマー(多価アルコール、多価カルボン酸)との反応、及び前記ユニット及びモノマーと必要に応じて添加されるポリエステルとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(3)ポリエステル樹脂製造後に、これの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモノマーも添加できる)とビニル系モノマーとの反応、及び前記ユニット及びモノマーと必要に応じて添加されるビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(4)ビニル系重合体及びポリエステル樹脂製造後に、これらの重合体ユニット存在下にビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(多価アルコール、多価カルボン酸)のいずれか一方又は両方を添加し、添加したモノマーに応じた条件の重合反応を行うことにより、ハイブリッド樹脂成分を製造することができる。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(5)ハイブリッド樹脂を製造後、ビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(多価アルコール、多価カルボン酸)のいずれか一方又は両方を添加して、付加重合及び縮重合反応のいずれか一方又は両方を行うことにより、ビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットを製造する。この場合、ハイブリッド樹脂成分には、上記(2)乃至(4)の製造方法により製造されるものを使用することもでき、必要に応じて公知の製造方法により製造されたものを使用することもできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
(6)ビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(多価アルコール、多価カルボン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
上記(1)乃至(6)の製造方法において、ビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットには、分子量や架橋度の異なる複数種の重合体ユニットを使用することができる。なお、本発明におけるビニル系重合体又はビニル系重合体ユニットとは、ビニル系単重合体若しくはビニル系共重合体又はビニル系単重合体ユニット若しくはビニル系共重合体ユニットを意味するものである。
さらに、本発明に用いることができるポリエステルユニットを有する樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布が、メインピークを分子量3,500乃至15,000の領域に有しており、好ましくは、分子量4,000乃至13,000の領域に有しており、Mw/Mnが3.0以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましい。メインピークが分子量3,500未満の領域にある場合には、トナーの耐高温オフセット性が減少する。一方、メインピークが分子量15000超の領域にある場合には、十分なトナーの低温定着性及び、OHPの透過性が低下する。また、Mw/Mnが3.0未満である場合には良好な耐オフセット性が減少する。
また、本発明に使用するトナーは、離型剤としてのワックスを含有していることが、定着性を著しく向上することができるため好適に用いられる。
本発明に用いることができるワックスの一例としては、次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、また酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸等の脂肪酸類とステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等のアルコール類のエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
本発明において特に好ましく用いることができるワックスとしては、脂肪族炭化水素系ワックス及び脂肪酸とアルコールのエステルであるエステル化物が挙げられる。例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒又はメタロセン触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素ワックスがよい。さらにプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行なったものが、より好ましく用いられる。母体としての炭化水素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上の多元系)を使用した一酸化炭素と水素の反応によって合成されるもの[例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭化水素化合物];ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素;エチレンなどのアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化水素が、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であるので好ましい。特にアルキレンの重合によらない方法により合成されたワックスがその分子量分布からも好ましいものである。また、パラフィンワックスも好ましく用いられる。
また、本発明に用いることができるワックスは、示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30乃至200℃の範囲における最大吸熱ピークのピーク温度が60乃至130℃の範囲にあることが好ましい。更に好ましくは、65乃至125℃の範囲であり、特に好ましくは、65乃至110℃の範囲である。
ワックスの最大吸熱ピーク温度が60乃至130℃の範囲の場合、トナー粒子中での適度な微分散性が達成でき、本発明の効果を発現させるために好ましい。一方、最大吸熱ピークが60℃未満の場合、トナーの耐ブロッキング性が悪化し、逆に最大吸熱ピークが130℃を超える場合、定着性が悪化する傾向にある。
本発明に使用するトナーに用いられる着色剤としては、公知の染料または/及び顔料が使用される。顔料単独使用でもかまわないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像形成装置を用いた場合、好ましい。
マゼンタトナー用着色顔料しては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペルリン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、254、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
マゼンタトナー用染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料が挙げられる。
シアントナー用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45または下記式(ロ)で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料などが挙げられる。
Figure 2007033485
〔式中、nは1〜5の整数を示す。〕
イエロー用着色顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74,83、93、95、97,109、110、111、120、127、128、129、147、155、168、174、180、181、185、191、C.I.バットイエロー1、3、20などである。また、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、ソルベントイエロー162などの染料も使用することができる。
本発明に用いることができる黒色着色剤としてカーボンブラック、酸化鉄粒子、上記に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用できる。
また、本発明に使用するトナーにおいて、本発明の結着樹脂に予め、着色剤を混合し、マスターバッチ化させたものを用いることが好ましい。そして、この着色剤マスターバッチとその他の原材料(結着樹脂及びワックス等)を溶融混練させることにより、トナー中に着色剤を良好に分散させることが出来る。
本発明に使用可能な樹脂を用い着色剤をマスターバッチ化させる場合、多量の着色剤を用いた場合においても着色剤の分散性を悪化させず、また、トナー粒子中における分散性を良化し、混色性や透明性等の色再現性の優れる。また、転写材上でのカバーリングパワーが大きいトナーを得ることが出来る。また、着色剤の分散性が良化することにより、トナー帯電性の耐久安定性が優れ、高画質を維持した画像を得ることが出来る。
トナー中における着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは0.5〜12質量部、最も好ましくは2〜10質量部が、色再現性、現像性の点で好ましい。
本発明に使用するトナーには、その帯電性を安定化させるために公知の荷電制御剤を用いることができる。荷電制御剤は、荷電制御剤の種類や他のトナー粒子構成材料の物性等によっても異なるが、一般に、トナー粒子中に結着樹脂100質量部当たり0.1〜10質量部含まれることが好ましく、0.1〜5質量部含まれることがより好ましい。このような荷電制御剤としては、トナーを負帯電性に制御するものと、正帯電性に制御するものとが知られており、トナーの種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
負帯電性荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ダイカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が利用できる。正帯電性荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が利用できる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。
特に、本発明に使用できるカラートナーでは、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる芳香族カルボン酸金属化合物が好ましい。
本発明に使用するトナーは、粉砕・分級後、又は表面改質後、流動化剤をヘンシェルミキサーの如き混合機で混合させることにより、トナーの流動性を調整して用いることが好ましい。
本発明に用いることができる流動化剤としては、公知の無機微粉体が使用可能である。流動化剤としての無機微粉体の個数平均粒径は、0.02乃至0.30μmであることが好ましい。
流動化剤としての無機微粒子の個数平均粒径が0.02乃至0.30μmの範囲にあることで、無機微粒子のトナー−トナー間のスペーサー効果がより発揮されるため、トナーの流動性を向上し易くなる。無機微粒子の個数平均粒径が0.02より小さい場合は、スペーサー効果が得られにくく多量の添加が必要となってしまい、現像性や定着性の悪化を招いたりする場合もある。又無機微粒子の個数平均粒径が0.30μmより大きい場合は、トナー粒子表面への付着性が低下し、スペーサー効果が得られにくくなってしまう。
本発明に使用できる無機微粉体としては、例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末等のフッ素系樹脂粉末、酸化チタン微粉末、アルミナ微粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカ等の微粉末シリカ、それらをシラン化合物、及び有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等により表面処理を施した処理シリカ等がある。その中でも、湿式製法シリカ、乾式製法シリカ、酸化チタン微粉末、アルミナ微粉末等が特に好ましく用いられる。
湿式製法シリカとしては、特にアルコキシシランを水が存在する有機溶媒中において、触媒により加水分解、縮合反応させて得られるシリカゾル懸濁液から、溶媒除去、乾燥して、粒子化する、ゾルゲル法により製造されるシリカ粒子がある。ゾルゲル法により製造されるシリカ粒子は、得られる粒子の粒度分布がシャープであり、且つ球状の粒子が得られるとともに、反応時間を変えることにより所望の粒度分布を有する粒子が得られるのが好ましい。
また、乾式製法シリカとしては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるもので、従来公知の技術によって製造されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
また、この製造工程において、例えば塩化アルミニウム又は塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも包含する。
また、酸化チタン微粉体であれば、硫酸法、塩素法、揮発性チタン化合物例えばチタンアルコキシド,チタンハライド,チタンアセチルアセトネートの低温酸化(熱分解,加水分解)により得られる酸化チタン微粒子が用いられる。結晶系としてはアナターゼ型,ルチル型,これらの混晶型,アモルファスのいずれのものも用いることができる。
そしてアルミナ微粉体であれば、バイヤー法、改良バイヤー法、エチレンクロルヒドリン法、水中火花放電法、有機アルミニウム加水分解法、アルミニウムミョウバン熱分解法、アンモニウムアルミニウム炭酸塩熱分解法、塩化アルミニウムの火焔分解法により得られるアルミナ微粉体が用いられる。結晶系としてはα,β,γ,δ,ξ,η,θ,κ,χ,ρ型、これらの混晶型、アモルファスのいずれのものも用いられ、α,δ,γ,θ,混晶型,アモルファスのものが好ましく用いられる。
上記無機微粉体の疎水化方法としては、無機微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的、または物理的に処理することによって付与される。
好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。そのような有機ケイ素化合物の例は、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
本発明に使用できる無機微粒子として、前述した湿式法シリカや乾式法シリカを、アミノ基を有するカップリング剤或いは、シリコーンオイルで処理したものを本発明の目的を達成するために必要に応じて用いてもかまわない。また、その添加量は、トナー100質量部に対して流動化剤0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜4質量部使用するのが良い。
次に、トナーを製造する手順について説明する。
本発明に使用するトナーは、結着樹脂、着色剤、ワックス、及び任意の材料を溶融混練し、これを冷却して粉砕し、必要に応じて粉砕物の球形化処理や分級処理を行い、これに必要に応じて前記流動化剤を混ぜることによって製造することが特に好ましい。
まず、原料混合工程では、トナー内添剤として、少なくとも樹脂、着色剤を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等がある。
更に、上記で配合し、混合したトナー原料を溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中に着色剤等を分散させる。その溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサー等のバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産できる等の優位性から、1軸または2軸押出機が主流となっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、ブス社製コ・ニーダー等が一般的に使用される。更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕され、更に、公知の風力式粉砕機や機械式粉砕機で微粉砕される。粉砕工程では、このように段階的に所定のトナー粒度まで粉砕される。更に、得られた微粉砕品を表面改質工程で表面改質=球形化処理を行い表面改質粒子を得る。その後、必要に応じて表面改質粒子を慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)等の分級機或いは、風力式篩のハイボルター(新東京機械社製)等の篩分機を用いて分級し、重量平均粒子径3乃至11μmのトナーを得る。
尚、分級工程で分級されて発生したトナー粗粉は、再度粉砕工程に戻して粉砕する。また表面改質工程で発生した微粉は、トナー原料の配合工程に戻して再利用することがトナー生産性上好ましい。
更に、本発明のトナーの製造方法においては、上記のようにして得られたトナーに、流動性を付与するための無機微粒子を外添剤として外添することが好ましい。トナーに外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナーと公知の各種外添剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、Qミキサー等の粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合することが好ましい。この際、外添機内部で発熱を生じ、凝集物を生成し易くなるので、外添機の容器部周囲を水で冷却する等の手段で温度調整をする方が好ましい。
次に、本発明のトナーの粉砕工程では、機械式粉砕機が好ましく用いられる。
図4は、本発明に使用する機械式粉砕機を組込んだトナー粒子の粉砕装置システムの一例である。
図4に示す機械式粉砕機301では、ケーシング313、ケーシング313内にあって冷却水を通水できるジャケット316、ケーシング313内にあって中心回転軸312に取り付けられた回転体からなる高速回転する表面に多数の溝が設けられている回転子314、回転子314の外周に一定間隔を保持して配置されている表面に多数の溝が設けられている固定子310、更に、被処理原料を導入するための原料投入口311、処理後の粉体を排出するための原料排出口302とから構成されている。回転子314と固定子310との間隔部分が粉砕ゾーンである。
以上のように構成してなる機械式粉砕機では、図4に示した定量供給機315から機械式粉砕機の原料投入口311へ所定量の粉体原料が投入されると、粒子は、粉砕処理室内に導入され、該粉砕処理室内で高速回転する表面に多数の溝が設けられている回転子314と、表面に多数の溝が設けられている固定子310との間の発生する衝撃と、この背後に生じる多数の超高速渦流、並びにこれによって発生する高周波の圧力振動によって瞬間的に粉砕される。その後、原料排出口302を通り、排出される。トナー粒子を搬送しているエアー(空気)は粉砕処理室を経由し、原料排出口302、パイプ219、補集サイクロン229、バグフィルター222、及び吸引ブロワー224を通って装置システムの系外に排出される。本発明においては、この様にして、粉体原料の粉砕が行われるため、微粉及び粗粉を増やすことなく所望の粉砕処理を容易に行うことができるので好ましい。また、これら機械式粉砕機は粉砕工程で用いられるが、表面改質工程に用いても良い。
このような機械式粉砕機としては、例えば、川崎重工業(株)製粉砕機クリプトロン、ターボ工業(株)製ターボミル、ホソカワミクロン(株)製イノマイザ、日清エンジニアリング(株)製スーパーローター等を挙げることができる。
また、本発明おいては、分級及び表面改質処理を同時に行うことができる、図5に示した表面改質装置が好ましく用いられる。
図5に示す回分式表面改質装置は、円筒形状の本体ケーシング30、本体ケーシングの上部に開閉可能なよう設置された天板43;微粉排出ケーシングと微粉排出管とを有する微粉排出部44;冷却水或いは不凍液を通水できる冷却ジャケット31;表面改質手段としての、本体ケーシング30内にあって中心回転軸に取り付けられた、上面に角型のディスク33を複数個有し、所定方向に高速に回転する円盤状の回転体である分散ローター32;分散ローター32の周囲に一定間隔を保持して固定配置された、分散ローター32に対向する表面に多数の溝が設けられているライナー34;微粉砕物中の所定粒径以下の微粉及び超微粉を連続的に除去するための分級ローター35;本体ケーシング30内に冷風を導入するための冷風導入口46;微粉砕物(原料)を導入するために本体ケーシング30の側面に形成された原料投入口37及び原料供給口39を有する投入管;表面改質処理後のトナー粒子を本体ケーシング30外に排出するための製品排出口40及び製品抜取口42を有する製品排出管;表面改質時間を自在に調整できるように、原料投入口37と原料供給口39との間に設置された開閉可能な原料供給弁38;及び製品排出口40と製品抜取口42との間に設置された製品排出弁41を有している。
ライナー34の表面は、溝を有していることが、トナー粒子の表面改質を効率的におこなう上でこのましい。角型のディスク33の個数は回転バランスを考慮して、偶数個が好ましい。
分級ローター35は、分散ローター32の回転方向と同方向に回転するのが、分級の効率を高め、トナー粒子の表面改質の効率を高める上で好ましい。
微粉排出管は、分級ローター35により除去された微粉及び超微粉を装置外に排出するための微粉排出口45を有している。
該表面改質装置は、天板43に対して垂直な軸を有する案内手段としての円筒状のガイドリング36を本体ケーシング30内に有している。該ガイドリング36は、その上端が天板から所定距離離間して設けられており、分級ローター36の少なくとも一部を覆うようにガイドリングは、支持体により本体ケーシング30に固定されている。ガイドリング36の下端は分散ローター32の角形ディスク33から所定距離離間して設けられる。
該表面改質装置内において、分級ローター35と分散ローター32との間の空間が、ガイドリング36の外側の第一の空間47と、ガイドリング36の内側の第二の空間48とにガイドリング36によって二分される。第一の空間47は微粉砕物及び表面改質処理された粒子を分級ローター35へ導くための空間であり、第二の空間は微粉砕物及び表面改質処理された粒子を分散ローターへ導くための空間である。分散ローター32上に複数個設置された角型のディスク33と、ライナー34との間隙部分が表面改質ゾーン49であり、該分級ローター35及び該分級ローター35の周辺部分が分級ゾーン50である。
原料ホッパー380に導入される微粉砕物は、定量供給機315を経由して、投入管の原料投入口37から原料供給弁38を通って原料供給口39より装置内に供給される。表面改質装置には、冷風発生手段319で発生させた冷風を冷風導入口46から本体ケーシング内に供給し、さらに、冷水発生手段320からの冷水を冷水ジャッケト31に供給し、本体ケーシング内の温度を所定温度に調整する。供給された微粉砕物は、ブロアー364による吸引風量、分散ローター32の回転及び分級ローター35の回転により形成される旋回流により、円筒状のガイドリング36の外側の第一の空間47を旋回しながら分級ローター35近傍の分級ゾーン50に到達して分級処理が行われる。本体ケーシング30内に形成される旋回流の向きは、分散ローター32及び分級ローター35の回転方向と同じである。
分級ローター35によって除去されるべき微粉及び超微粉は、ブロワー364の吸引力より分級ローター35のスリットより吸引され微粉排出管の微粉排出口45及びサイクロン入口359を経由してサイクロン369及びバグ362に捕集される。微粉及び超微粉を除去された微粉砕物は第二の空間48を経由して分散ローター32近傍の表面改質ゾーン49に至り、分散ローター32に具備される角型ディスク33(ハンマー)と本体ケーシング30に具備されたライナー34によって粒子の表面改質処理が行われる。表面改質が行われた粒子はガイドリング36に沿って旋回しながら再び分級ローター35近傍に到達し、分級ローター35の分級により表面改質された粒子からの微粉及び超微粉の除去がおこなわれる。所定の時間処理を行った後、排出弁41を開き、表面改質装置から所定粒径以下の微粉及び超微粉が除かれた表面改質されたトナー粒子を取り出す。
所定の重量平均径に調整され、所定の粒度分布に調整され、さらに所定の円形度に表面改質されたトナー粒子は、トナー粒子の輸送手段321により外添剤の外添工程に移送される。
本発明に用いられる表面改質装置は、鉛直方向下側より分散ローター32、微粉砕物(原料)の投入部39、分級ローター35及び微粉排出部を有している。従って、通常、分級ローター35の駆動部分(モーター等)は分級ローター35の更に上方に設けられ、分散ローター32の駆動部分は分散ローター32の更に下方に設ける。本発明で用いる表面改質装置は、例えば特開2001―259451号公報に記載されている分級ローター35のみを有するTSP分級機(ホソカワミクロン社製)の様に、微粉砕物(原料)を分級ローター35の鉛直上方向より供給することは困難である。
本発明において、分級ローター35の最も径の大きい箇所の先端周速は30〜120m/secであることが好ましい。分級ローターの先端周速は50〜115m/secであることがより好ましく、70〜110m/secであることが更に好ましい。30m/secより遅い場合は、分級収率が低下しやすく、トナー粒子中に超微粉が増加する傾向にあり好ましくない。120m/secより速い場合は、装置の振動の増加の問題が生じやすい。
更に、分散ローター32の最も径の大きい箇所の先端周速は20〜150m/secであることが好ましい。分散ローター32の先端周速は40〜140m/secであることがより好ましく、50〜130m/secであることが更に好ましい。20m/secより遅い場合は、十分な円形度を有する表面改質粒子を得ることが困難であり好ましくない。150m/secより速い場合は、装置内部の昇温による装置内部での粒子の固着が生じやすく、トナー粒子の分級収率の低下が生じやすく好ましくない。分級ローター35及び分散ローター32の先端周速を上記範囲とすることにより、トナー粒子の分級収率を向上させ、効率良く粒子の表面改質をおこなうことができる。
次に、本発明に使用できるトナーの形状について詳しく説明する。
本発明に使用できるトナーの形状としては、FPIA2100(シスメックス社製)で測定した平均円形度が0.920乃至0.970であることが好ましい。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出する。
Figure 2007033485
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を用いる。
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をmとすると、次式から算出される。
Figure 2007033485
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度の算出に当たって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.4〜1.0を0.01ごとに等分割したクラスに分け、その分割点の中心値と測定粒子数を用いて平均円形度の算出を行う。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26〜27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。
トナー粒子の円形度測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径2μm未満のデータをカットして、トナー粒子の平均円形度を求める。
さらに本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来よりトナーの形状を算出するために用いられていた「FPIA−1000」と比較して、シースフローの薄層化(7μm→4μmに)及び処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度を向上(256×256→512×512)によりトナーの形状測定の精度が上がっており、それにより微粒子のより確実な補足を達成している装置である。従って、本発明のように、より正確に形状を測定する必要がある場合には、より正確に形状に関する情報が得られるFPIA2100の方が有用である。
平均円形度が0.920より小さい場合、トナーの転写性が悪化し、転写残トナーが帯電部材に過剰に蓄積されることで帯電不良を生じる場合がある。また、研磨作用を有する無機微粒子が、トナー表面の凹凸の凹部に存在する割合が多くなってしまうことから、帯電生成物の除去効果が十分に得られなくなってしまう。
平均円形度が0.970より大きい場合は、トナーとしての流動性が良すぎることで、トナー飛散が生じやすくなる場合がある。また、上述したような製造方法を用いる場合、製造工程上、トナーに対する熱的要因により、後述するトナーの濡れ性が悪化してしまう傾向があり、感光体表面へのトナー融着やフィルミングの点で好ましくない。
よって、トナーの形状としては上記範囲にあることが好ましいが、本発明においては、この範囲とするために、上記トナーの粉砕条件や表面処理改質処理条件を調整することで達成できる。
次に、本発明に使用できるトナーの45%メタノール水溶液に対する濡れ性について詳しく説明する。
本発明に使用できるトナーの濡れ性としては、メタノール45体積%水溶液におけるUV透過率測定において、透過率が10乃至80%であることが好ましい。この範囲にあることで、感光体表面へのトナー融着やフィルミングを防止することができる。
トナーの濡れ性は次のようにして測定する。まず、メタノール:水の体積混合比が45:55の水溶液を作成する。この水溶液10mlを30mlのサンプルビン(日電理化硝子:SV−30)に入れ、トナー20mgを液面上に侵しビンのフタをする。その後、ヤヨイ式振とう器(モデル:YS−LD)により2.5S-1で10秒間振とうさせる。この時、振とうする角度は、振とう器の真上(垂直)を0度とすると、前方に15度、後方に20度、振とうする支柱が動くようにする。サンプルビンは支柱の先に取り付けた固定用ホルダー(サンプルビンの蓋が支柱中心の延長上に固定されたもの)に固定する。サンプルビンを取り出した後、30秒後の分散液を測定用分散液とする。
上記分散液を1cm角の石英セルに入れて分光光度計MPS2000(島津製作所社製)を用いて、10分後の分散液の波長600nmにおける透過率(%)を測定する。
透過率(%)=I/I0×100 (I:入射光束、I0:透過光束)
透過率10%より小さい場合、トナーとしての流動性が良すぎることで、トナー飛散等が生じやすくなる場合がある。また、トナーの流動性が良すぎることで、研磨効果を有する無機微粒子のトナー表面からの脱離を生じてしまい、所望の研磨効果が得られなくなる場合がある。
透過率が80%より大きい場合は、トナーとしての流動性が悪化するため、他の部材への汚染が悪化する場合がある。また、トナーとしての流動性が悪化することで、研磨作用を有する無機微粒子の研磨効果がそれ程得られない上に、感光体表面へのトナー融着やフィルミングが促進してしまい、無機微粒子の研磨効果が相殺されてしまう場合がある。
次に、本発明に使用できる磁性キャリアについて詳しく説明する。
本発明に使用できる磁性キャリアは、公知のフェライト粒子や磁性微粒子分散型樹脂コアの表面に被覆層を形成した磁性キャリアであることが好ましく、特に好ましくは磁性微粒子分散型樹脂コアの表面に被覆層を形成した磁性キャリアである。
本発明に使用できる磁性キャリアは、真密度が2.5乃至5.0g/cm3が好ましく、磁性キャリアの真密度がこの範囲にあると、現像剤の飛散が抑制されるとともに、キャリアへのトナースペントが抑制されるので好ましく、磁性キャリアが磁性微粒子分散型樹脂コアの表面に被覆層を形成した磁性キャリアであると、真密度がこの範囲に制御しやすくなるため、特に好ましい。
本発明に使用できる磁性キャリアにおいて、磁性微粒子分散型樹脂コアに用いられる磁性微粒子は、マグネタイト微粒子であることが好ましく、また、磁性キャリアの真密度、磁気特性を調整する上で非磁性無機化合物であるヘマタイト(α−Fe23)微粒子を併用することが好ましい。
本発明に用いることができる、磁性微粒子分散型樹脂コア粒子を構成するバインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、キシレン樹脂、アセトグアナミン樹脂、フラン樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂が挙げられる。これらの樹脂は単独でも2種以上を混合しても構わないが、少なくともフェノール樹脂を含有していることが好ましい。
本発明におけるコア粒子を構成するバインダー樹脂と磁性微粒子との割合は、質量基準において、バインダー樹脂:磁性微粒子=1:99〜1:50であることが好ましい。
また本発明においては、キャリア被覆用コート材が、少なくとも結着樹脂及び微粒子を含有することが好ましい。
本発明に使用できる磁性キャリアに用いるコート材を形成する結着樹脂としては、公知の樹脂であればいずれも用いることができるが、好ましくは、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリフルオロクロロエチレンの如きパーフルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオロクロルエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、フッ化ビニルとフッ化ビニリデンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体等が挙げられる。
上述した樹脂は、単独でも使用できるが、夫々を混合して使用してもよい。また、熱可塑性樹脂に硬化剤等を混合し硬化させて使用することもできる。
コート材を形成する結着樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合には、この熱可塑性樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)の可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)において、重量平均分子量が10,000乃至300,000であることが、コート材の強度及びコート材とコア表面との耐剥離性を高める点で好ましい。
前記コート材を形成する結着樹脂は、THF可溶成分のGPCのクロマトグラムにおいて、分子量2,000乃至100,000の領域にメインピークを有することが好ましく、さらに、分子量2,000乃至100,000の領域にサブピーク又はショルダーを有することが好ましい。最も好ましくは、前記コート材を形成する樹脂は、THF可溶成分のGPCクロマトグラムにおいて、分子量20,000乃至100,000の領域にメインピークを有し、分子量2,000乃至19,000の領域にサブピーク又はショルダーを有するのが良い。上記分子量分布を満足していることにより、小粒径のトナーにおいても多数枚の現像が可能な現像耐久性、トナーへの帯電安定性、外添剤のキャリア粒子表面への付着防止性がさらに向上する。
また、本発明のおいては、コート材用樹脂として、コアとの密着性、スペント防止の観点から、シリコーン樹脂を使用することもできる。シリコーン樹脂は、単独で用いることもできるが、被覆層の強度を高め好ましい帯電に制御するために、カップリング剤と併用して用いることが好ましい。更に、前述のカップリング剤は、その一部が、樹脂をコートする前に、キャリアコア表面に処理される、いわゆるプライマー剤として用いられることが好ましく、その後の被覆層が、共有結合を伴った、より密着性の高い状態で形成することができる。
カップリング剤としては、アミノシランを用いると良い。その結果、ポジ帯電性を持ったアミノ基をキャリア表面に導入でき、良好にトナーに負帯電特性を付与できる。更に、アミノ基の存在は、磁性体分散型樹脂キャリアの場合、金属化合物に好ましく処理されている親油化処理剤と、シリコーン樹脂の両者を活性化させるため、シリコーン樹脂のキャリアコアとの密着性を更に高め、同時に樹脂の硬化を促進することでより強固な被覆層を形成することができる。
被覆層の被覆処理時は、30〜80℃の温度下において、減圧状態で被覆することが好ましい。
その理由は明確ではないが、下記に記載するものと予想される。
(i)被覆段階で適度の反応が進行し、キャリアコア表面に被覆材が均一に、また平滑に被覆される。
(ii)焼き付け工程において、少なくとも160℃以下での低温処理が可能となり、樹脂の過度な架橋を防止し、被覆層の耐久性を高められる。
コート材を形成する樹脂のコアに対するコート量は、コア100質量部に対し、0.3乃至4.0質量部であることが好ましい。好ましくは0.4乃至3.5質量部であり、更に好ましくは0.5乃至3.2質量部である。
また、上記コート樹脂中には、キャリア表面の形状を更に均一化するため、及び/又はトナーの帯電分布をよりシャープ化するために、微粒子を含有することが好ましい。
微粒子としては、有機、無機いずれも微粒子を用いることができるが、キャリアにコートを施す際に粒子の形状を保つことが必要であり、好ましくは、架橋樹脂粒子あるいは、無機の微粒子を好ましく用いることができる。具体的には、架橋ポリメチルメタクリレート樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂、無機微粒子としては、シリカ、酸化チタン、及びアルミナ等から単独あるいは混合して用いることができる。これらの中でも、架橋ポリメチルメタクリレート樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂が帯電安定性の観点で好ましい。
これらの微粒子は、コート樹脂100質量部に対して、1乃至40質量部含有させて用いることが好ましい。前記範囲で用いることにより、帯電安定性やトナー離れを良好にし、画像欠陥を防止することができる。1質量部未満の場合は、微粒子添加の効果を得ることができず、40質量部を超える場合、耐久中にコート層からの欠落が発生し、耐久性に劣る。
微粒子の粒径は、個数基準でピーク値が0.08乃至0.50μmであることが、トナー離れを良好にするために好ましい。0.08μm未満の場合、コート材中に微粒子を分散させるのが困難であり、0.50μmを超える場合、耐久中にコート層からの欠落が発生し、耐久性に劣る。
また、上記コート樹脂中には、キャリアの比抵抗を下げ過ぎず、且つキャリア表面の残留電荷を除去するために、導電性微粒子を含有してもよい。
導電性粒子としては、比抵抗が1×108Ω・cm以下のものが好ましく、更には比抵抗が1×106Ω・cm以下のものがより好ましい。具体的には、カーボンブラック、マグネタイト、グラファイト、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、及び酸化錫から選ばれる少なくとも一種以上の粒子を含有する粒子が好ましい。特に導電性を有する粒子としては、カーボンブラックが、少量の添加量でキャリア表面の残留電荷を除去することが可能であり、且つ粒径が小さくキャリア表面の微粒子による凹凸を阻害することなく好ましく用いることができる。カーボンブラックの粒径は、個数基準でピーク値が10nm乃至60nm(より好ましくは15乃至50nm)であることが、キャリア表面の残留電荷を良好に除去し、かつキャリアからの脱離を良好に防止するために好ましい。
また、カーボンブラックのDBP吸油量としては、カーボンブラック100gへのDBP吸油量が20乃至500mlが好ましく、更に好ましくは、25乃至300mlであり、特に好ましくは、30乃至200mlである。
DBP吸油量が、上記範囲の場合、キャリア表面の残留電荷除去が効率的に行われ、キャリアの帯電をコントロールするのに好ましい。20ml/100g未満の場合、カーボンブラックのストラクチャーが短いため、効率的な電荷除去が行われず、添加効果が発現しにくい。
これらの導電性微粒子は、コート樹脂100質量部に対し、1乃至15質量部含有させて用いることが、キャリアの比抵抗を下げすぎず、かつ、キャリア表面の残留電荷除去のために好ましい。1質量部未満の場合は、キャリア表面の残留電荷除去の効果が発現しにくく、15質量部を超える場合には、コート材中での分散が不安定になり、また、過剰の電荷除去効果のため、キャリア自身の帯電付与能が低下することがある。
本発明に使用できる磁性キャリアは、個数基準の平均粒径が10乃至80μmが好ましい。平均粒径が10μm未満の粒子は、キャリア付着しやすく、また、80μmを超えるものは、トナーに対して比表面積が小さくなることで良好な帯電付与ができなくなる場合がある。特に高画質化及びキャリア付着を防止する為には、15乃至60μm、好ましくは20乃至45μmが良い。
磁性キャリアの平均粒径は、走査電子顕微鏡(100〜5000倍)によりランダムに粒径0.1μm以上のキャリア粒子を300個以上抽出し、デジタイザーにより水平方向フェレ径をもってキャリア粒径として測定し、キャリアの個数平均粒径を算出するものとする。
本発明に使用できる磁性キャリアは、1000×(103/4π)・A/m(1000エルステッド)の磁界下で測定した磁化の強さ(σ1000)が15乃至75Am2/kg(emu/g)であり、残留磁化(σr)が7.5Am2/kg以下であることが好ましい。磁化の強さ(σ1000)が70Am2/kgを越える場合には、現像剤磁気ブラシ中でのトナーへのストレスが増大し、トナーが劣化し、またキャリアへのスペントも起こりやすくなる場合がある。また、磁化の強さ(σ1000)が15Am2/kg未満の場合、スリーブへの磁気的拘束力がなくなり、キャリア付着し、感光体表面に付着して画像に欠陥を生ずる場合がある。また、残留磁化(σr)が7.5Am2/kgをこえる場合は、磁気的凝集による流動性不良が生じる場合もある。
磁性微粒子分散型樹脂コアを製造する方法としては、バインダー樹脂のモノマーと磁性微粒子を混合し、前記モノマーを重合して磁性微粒子分散コア粒子を得る方法がある。このとき、重合に用いられるモノマーとしては、ビニル系モノマー、エポキシ樹脂を形成するためのビスフェノール類とエピクロルヒドリン;フェノール樹脂を形成するためのフェノール類とアルデヒド類;尿素樹脂を形成するための尿素とアルデヒド類、メラミンとアルデヒド類が用いられる。例えば、硬化系フェノール樹脂を用いた磁性微粒子分散コア粒子の製造方法としては、水性媒体に磁性微粒子を入れ、この水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で重合して磁性微粒子分散コア粒子を得る方法がある。
磁性微粒子分散樹脂コア粒子を製造する他の方法としては、ビニル系又は非ビニル系の熱可塑性樹脂、磁性体、その他の添加剤を混合機により十分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き混練機を用いて溶融・混練して、これを冷却後、粉砕・分級を行って磁性微粒子分散コア粒子を得る方法がある。この際、得られた磁性微粒子分散型コア粒子を熱あるいは機械的に球形化して前記樹脂キャリア用の磁性微粒子分散コア粒子として用いることが好ましい。バインダー樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂の如き熱硬化性樹脂が、耐久性、耐衝撃性、耐熱性に優れる点で好ましい。バインダー樹脂は、本発明の特性をより好適に発現せしめるためには、フェノール樹脂がより好ましい。
フェノール樹脂を生成するためのフェノール類としては、フェノール自体の他、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールAの如きアルキルフェノール類及びベンゼン核又はアルキル基の一部又は全部が塩素原子や臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類の如きフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。中でもフェノール(ヒドロキシベンゼン)が、より好ましい。
アルデヒド類としては、ホルマリン又はパラアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒド及びフルフラール等が挙げられる。中でもホルムアルデヒドが特に好ましい。
アルデヒド類のフェノール類に対するモル比は、1乃至4が好ましく、特に好ましくは1.2乃至3である。アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が1より小さいと、粒子が生成し難かったり、生成したとしても樹脂の硬化が進行し難いために、生成する粒子の強度が弱くなる傾向がある。一方、アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が4よりも大きいと、反応後に水系媒体中に残留する未反応のアルデヒド類が増加する傾向がある。
フェノール類とアルデヒド類とを縮重合させる際に使用する塩基性触媒としては、通常のレゾール型樹脂の製造に使用されているものが挙げられる。このような塩基性触媒としては、例えば、アンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン及びジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミンの如きアルキルアミンが挙げられる。これら塩基性触媒のフェノール類に対するモル比は、0.02乃至0.3が好ましい。
以下に本発明に関わるその他物性の分析・測定方法について述べる。
<結着樹脂、トナー、被覆用樹脂のGPC測定による分子量分布>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。測定には、HLC−8120GPC(東ソー社製)を用いた。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を約50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数(リテンションタイム)との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製或いはPressure Chemical Co.製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807の組み合わせや、Waters社製のμ−styragel 500、103、104、105の組み合わせを挙げることができる。
<トナー及びワックスのDSCにおける最大吸熱ピークの測定>
トナー及びワックスの最大吸熱ピークは、示差熱分析測定装置(DSC測定装置)、DSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)を用いて、ASTM D3418−82に準じて測定することができる。
温度曲線:昇温I (30℃〜200℃、昇温速度10℃/min)
降温I (200℃〜30℃、降温速度10℃/min)
昇温II(30℃〜200℃、昇温速度10℃/min)
測定方法としては、5〜20mg、好ましくは10mgの測定試料を精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。トナーの最大吸熱ピークは、昇温IIの過程で、樹脂Tgの吸熱ピーク以上の領域のベースラインからの高さが一番高いものを、若しくは樹脂Tgの吸熱ピークが別の吸熱ピークと重なり判別し難い場合、その重なるピークの極大ピークから高さが一番高いものを本発明のトナーの最大吸熱ピークとする。
<トナー粒度分布の測定>
測定装置としては、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解液は、約1%NaCl水溶液を用いる。電解液には、1級塩化ナトリウムを用いて調製された電解液や、例えば、ISOTON(登録商標)−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン塩酸)を、0.1〜5mlを加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記測定装置により、試料の体積及び個数を各チャンネルごとに測定して、試料の体積分布と個数分布とを算出する。得られたこれらの分布から、試料の重量平均粒径を求める。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
<キャリア被覆用樹脂の組成の分析>
サンプル約50mgをφ5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒としては、CDCl3を添加し、溶解させ、測定試料とする。測定条件を以下に示す。
測定装置 :FT NMR装置 JNM―EX400(日本電子社製)
測定周波数 :400MHz
パルス条件 :6.9μs
データポイント:32768
周波数範囲 :10500Hz
積算回数 :16回
測定温度 :25℃
また、必要に応じてキャリア被覆用樹脂はキャリア粒子から分離してもよい。キャリア粒子からコート材の分離方法としては、コート材に可溶な溶媒(例えばアセトン、トルエンなど)を用いて、超音波分散器で超音波剥離を行い、その後、磁石を用い、コア粒子と分離を行う。その後、遠心分離器を用い、コート材の添加している微粒子を分離し、上澄み液(樹脂溶液成分)を分離し、蒸発乾固させ、キャリア被覆用樹脂成分を得ることができる。
<磁性キャリアの比抵抗の測定>
磁性キャリアの比抵抗値は、図6に示した測定装置を用いて行う。必要に応じて、トナーと磁性キャリアを分離して、サンプル調製を行う。
比抵抗の測定は、セルEに、サンプル粒子を充填し、該充填サンプル粒子に接するように下部電極11及び上部電極12を配し、これらの電極間に電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定することによって比抵抗を求める方法を用いる。本発明における比抵抗の測定条件は、充填サンプル粒子と電極との接触面積S=約2.4cm2、サンプルの厚みd=約0.2cm、上部電極の荷重240gとする。電圧の印加条件は、印加条件I、II、IIIの順に印加し、印加条件IIIでの印加電圧での電流を測定する。その後、サンプルの厚みdを正確に測定し、それぞれの電界強度(V/cm)における比抵抗(Ω・cm)を計算により求め、電界強度3000V/cmにおける比抵抗を、サンプルの比抵抗とした。
印加条件I :(0V→1000V:30秒おき200Vずつステップ状に増大)
II :(1000Vで30秒ホールド)
III:(1000V→0V:30秒おき200Vずつステップ状に減少)
サンプルの比抵抗(Ω・cm)=(印加電圧(V)/測定電流(A))×S(cm2)/d(cm)
電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
<キャリア被覆用樹脂中の微粒子の粒径測定>
微粒子の粒径は、キャリアからコート材をトルエンなどコート材が可溶な溶媒に溶かしだした成分を走査電子顕微鏡(50,000倍)により、粒径が5nm以上の粒子をランダムに500個以上抽出し、長軸と短軸をデジタイザにより測定し、平均したものを粒径とし、500個以上の粒子の粒径分布(10nm毎に区切ったカラムのヒストグラムから)のピークになる最頻径をもって平均粒径を算出する。
<キャリア被覆用樹脂中のカーボンブラックの粒径測定>
カーボンブラックの粒径は、キャリアからコート材をトルエンなどコート材が可溶な溶媒に溶かしだした成分を走査電子顕微鏡(50,000倍)により、粒径が5nm以上の粒子をランダムに500個以上抽出し、長軸と短軸をデジタイザにより測定し、平均したものを粒径とし、500個以上の粒子の粒径分布(10nm毎に区切ったカラムのヒストグラムから)のピークになる最頻径をもって平均粒径を算出する。
<キャリア被覆用樹脂中のカーボンブラックのDBP吸油量測定>
カーボンブラックのDBP吸油量は、JIS−K 6221−1982 6.1.2 A法(機械練り法)によるDBP吸油量(ジブチルフタレート吸油量)により算出する。
<磁性キャリアの磁化の強さ測定>
磁性キャリアの磁化の強さは、磁性キャリアの磁気特性と磁性キャリアの真比重とから求められる。磁気キャリアの磁気特性は、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて測定することができる。測定方法としては、円筒状のプラスチック容器に十分密になるように磁性キャリアを充填し、一方で79.6kA/m(1キロエルステッド)の外部磁場を作り、この状態で前記容器に充填した磁性キャリアの磁化モーメントを測定する。さらに、前記容器に充填した磁性キャリアの実際の質量を測定して、磁性キャリアの磁化の強さ(Am2/kg)を求める。
<磁性キャリアの真密度の測定>
磁性キャリア粒子の真密度は、例えば乾式自動密度計1330(島津製作所社製)によって測定することができる。また、キャリア粒子の見かけ密度は、JIS Z2504に準じて測定することができる。
以下、具体的製造例及び実施例をもって本発明を更に詳しく説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。なお、「部」は「質量部」を意味する。
<感光体の製造例>
酸化スズの被覆層を有する硫酸バリウム粒子からなる粉体(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、酸化チタン(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)0.015部、シリコーン樹脂(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)3.6部、及び2−メトキシ−1−プロパノール50部/メタノール50部からなる溶液を、約20時間ボールミルで分散し、導電層用塗料を調製した。このようにして調製した導電層用塗料をアルミニウムシリンダ上に浸漬法によって塗布し、150℃で50分間加熱して硬化させることにより、膜厚が16μmの導電層を形成した。
次に、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部とメトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)30部とをメタノール400部/n−ブタノール200部の混合液に溶解した溶液を、前記導電層の上に浸漬塗布し、100℃で20分間加熱して乾燥することにより、膜厚が0.44μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折のブラック角2θ±0.2°の7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン20部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学製)10部及びシクロヘキサノン600部を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、酢酸エチル700部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸漬コーティング法で前記中間層の上に塗布し、80℃で20分間加熱して乾燥することにより、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
次いで下記構造式(ハ)の正孔輸送化合物70部及びポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ400:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)100部を、モノクロロベンゼン600部及びメチラール200部の混合溶媒中に溶解して電荷輸送層用塗料を調製した。この電荷輸送層用塗料を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、100℃で40分間加熱して乾燥することにより、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 2007033485
次いで、上記構造式(ハ)の正孔輸送性化合物450部、及びポリテトラフルオロエチレン粒子(ダイキン工業製:ルブロンL2)50部をn−プロピルアルコール600部に混合した後分散処理を行い、保護層用塗料を調製した。この保護層用塗料を前記電荷輸送層上に塗布した後、大気中50℃で10分間乾燥した。
その後窒素中において加速電圧110kV、線量1.5Mradの条件で前記アルミニウムシリンダを回転させながら3秒間電子線照射を行い、引き続いて窒素中において25℃から120℃までおよそ100秒かけて昇温させ硬化反応を行った。なお電子線照射及び加熱硬化反応中の酸素濃度は10ppmであった。その後大気中において、100℃で30分の後加熱処理を行って膜厚5μmの保護層を形成し、電子写真感光体を得た。得られた電子写真感光体のユニバーサル硬さ値HUは210N/mm2であり、弾性変形率Weは54%であった。
<ペロブスカイト型結晶無機微粒子の製造例1>
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液で洗浄した。次に、該含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを0.7に調整してチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを5.0に調整し、上澄み液の電気伝導度が70μS/cmになるまで洗浄をくり返した。
該含水酸化チタンに対し、0.98倍モル量のSr(OH)2・8H2Oを加えてSUS製の反応容器に入れ、窒素ガス置換した。更に、SrTiO3換算で0.5mol/リットルになるように蒸留水を加えた。窒素雰囲気中で該スラリーを80℃まで7℃/時間で昇温し、80℃に到達してから6時間反応を行った。反応後室温まで冷却し、上澄み液を除去した後、純水で洗浄をくり返し、その後、ヌッチェで濾過を行った。得られたケーキを乾燥し、焼結工程を経由していないチタン酸ストロンチウム微粒子を得た。このチタン酸ストロンチウム微粒子を無機微粒子A−1とした。該無機微粒子A−1の物性を表1に示す。
<ペロブスカイト型結晶無機微粉体の製造例2>
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液で洗浄した。次に、該含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを0.8に調整してチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを5.0に調整し、上澄み液の電気伝導度が70μS/cmになるまで洗浄をくり返した。
該含水酸化チタンに対し、0.95倍モル量のSr(OH)2・8H2Oを加えてSUS製の反応容器に入れ、窒素ガス置換した。更に、SrTiO3換算で0.7mol/リットルになるように蒸留水を加えた。窒素雰囲気中で該スラリーを65℃まで8℃/時間で昇温し、65℃に到達してから5時間反応を行った。反応後室温まで冷却し、上澄み液を除去した後、純水で洗浄をくり返し、その後、ヌッチェで濾過を行った。得られたケーキを乾燥し、焼結工程を経由していないチタン酸ストロンチウム微粒子を得た。このチタン酸ストロンチウム微粒子を無機微粒子A−2とした。該無機微粒子A−2の物性を表1に示す。
<ペロブスカイト型結晶無機微粉体の製造例3>
四塩化チタン水溶液にアンモニア水を添加することにより加水分解して得られた含水酸化チタンを純水で洗浄し、該含水酸化チタンのスラリーに含水酸化チタンに対するSO3として0.3%の硫酸を添加した。次に、該含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを0.6に調整してチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを5.0に調整し、上澄み液の電気伝導度が50μS/cmになるまで洗浄をくり返した。
該含水酸化チタンに対し、0.97倍モル量のSr(OH)2・8H2Oを加えてSUS製の反応容器に入れ、窒素ガス置換した。更に、SrTiO3換算で0.6mol/リットルになるように蒸留水を加えた。窒素雰囲気中で該スラリーを60℃まで10℃/時間で昇温し、60℃に到達してから7時間反応を行った。反応後室温まで冷却し、上澄み液を除去した後、純水で洗浄をくり返し、その後、ヌッチェで濾過を行った。得られたケーキを乾燥し、焼結工程を経由していないチタン酸ストロンチウム微粒子を得た。このチタン酸ストロンチウム微粒子を無機微粒子A−3とした。該無機微粒子A−3の物性を表1に示す。
<ペロブスカイト型結晶無機微粉体の製造例4>
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液で洗浄した。次に、該含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを0.65に調整してチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを4.5に調整し上澄み液の電気伝導度が70μS/cmになるまで洗浄をくり返した。
該含水酸化チタンに対し、0.97倍モル量のSr(OH)2・8H2Oを加えてSUS製反応容器に入れ、窒素ガス置換した。さらにSrTiO3換算で0.5mol/リットルになるように蒸留水を加えた。
窒素雰囲気中で該スラリーを83℃まで6.5℃/時間で昇温し、83℃に到達してから6時間反応を行った。反応後室温まで冷却し、上澄み液を除去した後純水で洗浄をくり返した。
さらに窒素雰囲気下、上記スラリーをスラリーの固形分に対して6.5質量%のステアリン酸(炭素数18)ナトリウムを溶解した水溶液中に入れ、撹拌しながら、硫酸亜鉛水溶液を滴下して、ペロブスカイト型結晶表面にステアリン酸亜鉛を析出させた。
該スラリーを純水でくり返し洗浄した後ヌッチェで濾過し、得られたケーキを乾燥してステアリン酸亜鉛で表面処理したチタン酸ストロンチウム微粒子を得た。この焼結工程を経由していない表面処理されたチタン酸ストロンチウム微粒子を無機微粒子A−4とする。該無機微粒子A−4の物性を表1に示す。
<ペロブスカイト型結晶無機微粉体の製造例5>
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液で洗浄した。次に、該含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを1.0に調整してチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを5.0に調整し、上澄み液の電気伝導度が100μS/cmになるまで洗浄をくり返した。
該含水酸化チタンに対し、1.02倍モル量のSr(OH)2・8H2Oを加えてSUS製の反応容器に入れ、窒素ガス置換した。更に、SrTiO3換算で0.3mol/リットルになるように蒸留水を加えた。窒素雰囲気中で該スラリーを90℃まで70℃/時間で昇温し、90℃に到達してから5時間反応を行った。反応後室温まで冷却し、上澄み液を除去した後、純水で洗浄をくり返し、その後、ヌッチェで濾過を行った。得られたケーキを乾燥し一次粒子の平均粒径が320nmのチタン酸ストロンチウム微粒子を得た。このチタン酸ストロンチウム微粒子を無機微粒子a−1とした。該無機微粒子a−1の物性を表1に示す。
<ペロブスカイト型結晶無機微粉体の製造例6>
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液で洗浄した。次に、該含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを4.0に調整してチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを8.0に調整し、上澄み液の電気伝導度が100μS/cmになるまで洗浄をくり返した。
該含水酸化チタンに対し、1.02倍モル量のSr(OH)2・8H2Oを加えてSUS製の反応容器に入れ、窒素ガス置換した。更に、SrTiO3換算で0.3mol/リットルになるように蒸留水を加えた。窒素雰囲気中で該スラリーを90℃まで30℃/時間で昇温し、90℃に到達してから5時間反応を行った。反応後室温まで冷却し、上澄み液を除去した後、純水で洗浄をくり返し、その後、ヌッチェで濾過を行った。得られたケーキを乾燥し、一次粒子の平均粒径が20nmのチタン酸ストロンチウム微粒子を得た。このチタン酸ストロンチウム微粒子を無機微粒子a−2とした。該無機微粒子a−2の物性を表1に示す。
<ペロブスカイト型結晶無機微粉体の製造例6>
無機微粉体A−2を1000℃で焼結した後に解砕して焼結工程を経由したチタン酸ストロンチウム微粒子を得た。一次粒子の平均粒径が120nmであり、不定形な粒子形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子を無機微粉体a−3とした。該無機微粉体a−3の物性を表1に示す。
Figure 2007033485
<トナー用ハイブリッド樹脂の製造例>
ビニル系共重合体の材料として、スチレン10部、2−エチルヘキシルアクリレート5部、フマル酸2部、α−メチルスチレンの2量体5部にジクミルパーオキサイドを滴下ロートに入れた。また、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン25部、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン15部、テレフタル酸9部、無水トリメリット酸5部、フマル酸24部及び酸化ジブチル錫をガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を四つ口フラスコに取りつけ、この四つ口フラスコをマントルヒーター内に設置した。次に四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、130℃の温度で攪拌しつつ、先の滴下ロートより、ビニル系共重合体の単量体、架橋剤及び重合開始剤を約4時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温を行い、約4時間反応させてハイブリッド樹脂を得た。
得られたハイブリッド樹脂のGPCによる分子量測定結果は、Mw1.2×105、Mnは3.8×103であった。
<トナー用ポリエステル樹脂の製造例>
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン30部、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン10部、テレフタル酸20部、無水トリメリット酸3部、フマル酸27部及び酸化ジブチル錫をガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を四つ口フラスコに取りつけ、この四つ口フラスコをマントルヒーター内に設置した。窒素雰囲気下で、210℃で約5.5時間反応させ、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂のGPCによる分子量測定結果は、Mwは8.7×104、Mnは3.6×103であった。
<トナー製造例1>
下記に示す材料及び製法を用いてトナーB−1を作製した。
上記ハイブリッド樹脂 100部
C.I.ピグメントブルー15:3 4.5部
パラフィンワックス(W−1:最大吸熱ピーク73℃) 5部
上記の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、温度140℃に設定した二軸式押出機にて溶融混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー粗砕物を得た。得られたトナー粗砕物を、図4に示したような機械式粉砕機を用いて微粉砕した。粉砕条件としては、回転子の回転数を100s-1として粉砕処理(処理α)した。
次に、得られた微粉砕物を図5に示したような表面改質処理装置を用い、分級ローター回転数120s-1で微粒子を除去しながら、分散ローター回転数100s-1(回転周速を130m/sec)で45秒間表面処理(処理γ)を行ってトナー分級品を得た。
そして得られたトナー分級品100部に、表1に示した無機微粒子(A−1)を1.0質量%、BET比表面積130m2/gの疎水性シリカ(S−1)1.0質量%を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で回転数30s-1、10分間混合して、トナー(B−1)を得た。得られたトナー(B−1)の体積平均粒径は6.1μm、平均円形度は0.945、45%メタノール溶液に撹拌・混合した際のUV透過率は45%であった。
<トナー製造例2〜4>
トナー製造例1において、無機微粒子(A−1)の代わりに無機微粒子(A−2)〜(A−4)を用いた以外は、トナー製造例1と同様にし、トナー(B−1)〜(B−2)を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
<トナー製造例5>
トナー製造例1において、粉砕処理αにて二回処理した以外は、トナー製造例1と同様にし、トナー(B−5)を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
<トナー製造例6>
トナー製造例5において、表面改質処理γを行わなかった以外は、トナー製造例5と同様にし、トナー(B−6)を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
<トナー製造例7>
トナー製造例1において、パラフィンワックス(W−1)の代わりにエステルワックス(最大吸熱ピーク66℃)を用いた以外は、トナー製造例1と同様にし、トナー(B−7)を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
<トナー製造例8>
トナー製造例1において、パラフィンワックス(W−1)の代わりにエパラフィンワックス(W−2:最大吸熱ピーク78℃)を用いた以外は、トナー製造例1と同様にし、トナー(B−8)を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
<トナー製造例9>
トナー製造例1において、ハイブリッド樹脂の代わりに上記ポリエステル樹脂を用いた以外は、トナー製造例1と同様にし、トナー(B−9)を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
<トナー製造例10>
・樹脂粒子分散液1の調製
スチレン 370g
n−ブチルアクリレート 30g
アクリル酸 6g
ドデカンチオール 24g
四臭化炭素 4g
以上を混合、溶解したものを、非イオン性界面活性剤6g及びアニオン性界面活性剤10gをイオン交換水550gに溶解したものに、フラスコ中で分散し、乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。こうして、平均粒径が150nm、Tgが64℃、重量平均分子量(Mw)が12,500である樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液1を調製した。
・樹脂粒子分散液2の調製
スチレン 280g
n−ブチルアクリレート 120g
アクリル酸 8g
以上を混合、溶解したものを、非イオン性界面活性剤6g及びアニオン性界面活性剤12gをイオン交換水550gに溶解したものに、フラスコ中で分散し、乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム3gを溶解したイオン交換水50gを投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、平均粒径が110nm、ガラス転移点が56℃、重量平均分子量(Mw)が560,000である樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液2を調製した。
・離型剤粒子分散液1の調製
ポリプロピレンワックス(融点85℃) 50g
アニオン性界面活性剤 5g
イオン交換水 200g
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー等を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が580nmである離型剤を分散させてなる離型剤粒子分散液1を調製した。
着色剤粒子分散液1の調製
C.I.ピグメントブルー15:3 20g
アニオン性界面活性剤 2g
イオン交換水 78g
以上を混合し、超音波洗浄機を用いて発振周波数26kHzで10分間分散を行って着色剤粒子分散液(アニオン性)1を調製した。
・混合液の調製
樹脂粒子分散液1 180g
樹脂粒子分散液2 80g
着色剤分散液1 30g
離型剤分散液1 50g
以上を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー等を用いて混合し、分散して混合液を調製した。
・凝集粒子の形成
上記混合液に凝集剤としてのカチオン性界面活性剤を1.5g添加し、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら50℃まで加熱した。50℃で1時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると体積平均粒径が約6.2μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
・融合
その後、ここにアニオン製界面活性剤3gを追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら105℃まで加熱し、3時間保持した。そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥させることにより、トナー分級品を得た。
そして得られたトナー分級品100部に、表1に示した無機微粒子(A−1)を1.0部、BET比表面積130m2/gの疎水性シリカ(S−1)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で回転数30s-1、10分間混合して、トナー(B−10)を得た。得られたトナー(B−10)の体積平均粒径は6.3μm、平均円形度は0.960、45%メタノール溶液に撹拌・混合した際のUV透過率は10%であった。
<トナー製造例11>
トナー製造例1において、C.I.ピグメントブルー15:3の代わりにC.I.ピグメントレッド57:1を7.0部用いた以外は、トナー製造例1と同様にし、トナー(B−11)を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
<トナー製造例12>
トナー製造例1において、C.I.ピグメントブルー15:3の代わりにC.I.ピグメントイエロー74を7.5部用いた以外は、トナー製造例1と同様にし、トナー(B−12)を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
<トナー製造例13>
トナー製造例1において、C.I.ピグメントブルー15:3の代わりにカーボンブラックを5.5部用い、疎水性シリカ(S−1)の代わりにBET比表面積200m2/gの疎水性シリカ(S−2)を用いた以外は、トナー製造例1と同様にし、トナー(B−13)を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
<トナー製造例14>
トナー製造例1において、C.I.ピグメントブルー15:3の代わりに酸化鉄粒子を90部用い、疎水性シリカ(S−1)の代わりにBET比表面積200m2/gの疎水性シリカ(S−2)を用いた以外は、トナー製造例1と同様にし、トナー(B−14)を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
<トナー製造例15>
下記に示す材料及び製法を用いてトナー(b−1)を作製した。
上記ポリエステル樹脂 100部
C.I.ピグメントブルー15:3 4.5部
パラフィンワックス(W−1:最大吸熱ピーク73℃) 5部
上記の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、温度140℃に設定した二軸式押出機にて溶融混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー粗砕物を得た。得られたトナー粗砕物を、図4に示したような機械式粉砕機を用いて微粉砕した。粉砕条件としては、回転子の回転数を100s-1として粉砕処理(処理α)した。
次に、得られた微粉砕物を慣性分級方式を用いたエルボジェットにより分級を行ってトナー分級品を得た。
そして得られたトナー分級品100部に、表1に示した無機微粒子(a−1)を1.0質量%、BET比表面積130mm2/gの疎水性シリカ(S−1)1.0質量%を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で回転数30s-1、10分間混合して、トナー(b−1)を得た。得られたトナー(b−1)の体積平均粒径は6.3μm、平均円形度は0.916、45%メタノール溶液に撹拌・混合した際のUV透過率は36%であった。
<トナー製造例16>
トナー製造例15において、無機微粒子(a−1)の代わりに無機微粒子(a−2)を用いた以外は、トナー製造例15と同様にし、トナー(b−2)を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
<トナー製造例17>
トナー製造例15において、無機微粒子(a−1)の代わりに無機微粒子(a−3)を用いた以外は、トナー製造例15と同様にし、トナー(b−3)を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
<トナー製造例18>
トナー製造例15において、粉砕処理条件として回転子の回転数を80s-1として粉砕処理(処理β)とし、無機微粒子(a−1)の代わりに無機微粒子(A−1)を用いた以外は、トナー製造例15と同様にし、トナー(b−4)を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
<トナー製造例19>
トナー製造例15において、パラフィンワックス(W−1)の代わりにパラフィンワックス(W−3:最大吸熱ピーク63℃)を用い、無機微粒子(a−1)の代わりに無機微粒子(A−1)を用いた以外は、トナー製造例15と同様にし、トナー(b−5)を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
Figure 2007033485
<磁性微粒子分散型樹脂コアの製造例1>
下記に示す材料を用いて磁性微粒子分散樹脂コア(R−1)を作製した。
・フェノール 10部
・ホルムアルデヒド溶液(37質量%水溶液) 6部
・マグネタイト粒子 76部
・ヘマタイト粒子 8部
上記材料と、28質量%アンモニア水5部、水10部をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて硬化させた。その後、30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5hPa以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性微粒子が分散された状態の磁性微粒子分散樹脂コア(R−1)を得た。
<被覆層用コート材の製造例1>
一方の末端にエチレン性不飽和基を有する重量平均分子量5,000のメチルメタクリレートマクロマー3部、下記化合物(ニ)をユニットとするモノマー46部、メチルメタクリレート51部を、還流冷却器,温度計,窒素吸い込み管及びすり合わせ方式撹拌装置を配した4ツ口フラスコに添加し、更にトルエン100部、メチルエチルケトン100部、アゾビスイソバレロニトリル2.4部を加え、窒素気流下80℃で10時間保ち、グラフト共重合体溶液(固形分35質量%)を得た。グラフト共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラム(GPC)による重量平均分子量は、20,000であった。
Figure 2007033485
得られたグラフト共重合体溶液30部に対して、メラミン樹脂(個数平均粒径0.25μm)0.7部、カーボンブラック(個数平均粒径35nm、DBP吸油量50ml/100g)1.2部、トルエン100部をホモジナイザーにて攪拌し、コート材(L−1)を得た。
<被覆層用コート材の製造例2>
トルエン20部、ブタノール20部、水10部、氷40部を四つ口フラスコにとり、攪拌しながらCH3SiCl3とSiCl2とのモル比で3:2の混合物40部及び触媒を加え、更に30分間攪拌した後、60℃で1時間縮合反応を行った。その後、シロキサンを水で十分に洗浄し、トルエン−メチルエチルケトン−ブタノール混合溶媒に溶解し固形分10%のシリコーンワニスを調整した。
このシリコーンワニスに、シロキサン固形分100部に対して、2.0部のイオン交換水及び2.0部の下記硬化剤
Figure 2007033485
と、2.0部の下記アミノシランカップリング剤
(CH32N−C36−Si−(OCH33 (へ)
を同時添加し、コート材(L−2)を得た。
<磁性キャリア製造例1>
磁性微粒子分散型樹脂コア(R−1)100部をせん断応力を連続して加えながら撹拌しつつ、コート材(L−1)を徐々に加え、溶媒を70℃で揮発させて、コア表面への樹脂コートを行った。この樹脂コートされた磁性キャリア粒子を100℃で2時間撹拌しながら熱処理し、解砕した後、目開き76μmの篩で分級して、平均粒径35μm、比抵抗5.9×109Ω・cm、真比重3.6g/cm3、磁化の強さ(σ1000)51.2Am2/kg、残留磁化4.9Am2/kg、の磁性キャリア(C−1)を得た。得られた磁性キャリアの物性を表3に示す。
<磁性キャリア製造例2>
磁性キャリア製造例1において、磁性微粒子分散型樹脂コア(R−1)の代わりにMn−Mgフェライトを用いた以外は、磁性キャリア製造例1と同様にし、磁性キャリア(C−2)を得た。得られた磁性キャリアの物性を表3に示す。
<磁性キャリア製造例3>
磁性キャリア製造例1において、コート材(L−1)の代わりにコート材(L−2)を用いた以外は、磁性キャリア製造例1と同様にし、磁性キャリア(C−3)を得た。得られた磁性キャリアの物性を表3に示す。
<磁性キャリア製造例4>
磁性キャリア製造例1において、磁性微粒子分散型樹脂コア(R−1)の代わりにCu−Znフェライトを用いた以外は、磁性キャリア製造例1と同様にし、磁性キャリア(C−4)を得た。得られた磁性キャリアの物性を表3に示す。
Figure 2007033485
<実施例1>
まず、現像剤の作製を行った。磁性キャリア(C−1)92部に対し、トナー(B−1)を8部加え、ターブラーミキサーにより混合し現像剤とした。
次に、キヤノン製フルカラー複写機IRC3220N改造機(感光体を感光体製造例に記載の感光体に変えたもの)を用いて、常温常湿下N/N(23℃,50%RH)、常温低湿下N/L(23℃,5%RH)、高温高湿下(30℃,80%RH)で、トナー(B−1)を補給しながら、画出し・評価を行った。画像の印字比率は10%、転写材(紙)のトナーの載り量を0.55mg/cm2となるように現像バイアスを調整しながら、それぞれ10000枚まで耐久を行った。尚、評価項目と評価基準については、下記に示した。得られた評価結果を表4に示す。
[評価項目]
<画像濃度>
上記ベタ画像を180℃で定着させたときの定着画像を、濃度計X−Rite500型により濃度測定を行い、6点の平均値をとって画像濃度とした。
A:非常に良好(1.50以上)
B:良好(1.40以上、1.50未満)
C:普通(1.30以上、1.40未満)
D:やや悪い(1.20以上、1.30未満:実用レベル下限)
E:悪い(1.20未満)
<カブリ>
ベタ白画像を現像させた際の感光体表面の残存トナーをポリエステルテープによりテーピングした後、引き剥がして紙上に貼ったものの濃度と、テープをそのまま紙上に貼ったものの濃度の差分から、カブリを評価した。濃度測定には、濃度計X−Rite500型を用い、6点の平均値をとってカブリトナー濃度とした。
A:非常に良好(1.5以下)
B:良好(1.5以上、2.0未満)
C:普通(2.0以上、2.5未満)
D:やや悪い(2.5以上、3.0未満:実用レベル下限)
E:悪い(3.0以上)
<転写効率>
ベタ画像を転写させた際の感光体表面の転写残トナーをポリエステルテープによりテーピングした後、引き剥がして紙上に貼ったものの濃度と、テープをそのまま紙上に貼ったものの濃度の差分から、転写性を評価した。濃度測定には、濃度計X−Rite500型を用い、6点の平均値をとって転写残トナー濃度とした。
A:非常に良好(0.5以下)
B:良好(0.5以上、1.0未満)
C:普通(1.0以上、1.5未満)
D:やや悪い(1.5以上、2.0未満:実用レベル下限)
E:悪い(2.0以上)
<融着及びフィルミング>
上記現像剤及び上記改造機を用いて、10000枚耐久終了後、30H画像を形成し、この画像及び感光体表面を目視にて観察し、前記画像のベタ均一性の再現性について以下の指標で評価した。なお、30H画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hをベタ白とし、FFHをベタ画像とするときのハーフトーン画像である。
A:画像上にスジ・ムラがなく、感光体表面にも融着及びフィルミングは無い。
B:スジ・ムラはないが、感光体表面に軽微な融着及びフィルミングが見受けられる。
C:ややスジ・ムラが見受けられ、感光体表面に融着及びフィルミングが見受けられる
(実用レベル下限)。
D:スジ・ムラが多く、顕著な感光体表面の融着及びフィルミングが観察される
(実用不可レベル)。
<画像流れ>
上記改造機を用いた10000枚の耐久試験終了後、中間転写体を感光体から解除した状態で、帯電バイアスを印加しながら感光体のみを30分回転させた後停止させ、そのままの状態で24時間放置した。その後、現像器、中間転写体を通常に戻し、印字比率5%の文字パターンを画像流れが消えるまで画出しした。画像流れが認められなくなる枚数に応じて以下のランク分けを行った。
A:5枚未満
B:5枚以上 10枚未満
C:11枚以上 20枚未満
D:21枚以上 30枚未満
E:31枚以上
<実施例2〜16>
実施例1おいて、トナー(B−1)及びキャリア(C−1)の代わりに、表5に示したようなトナー及びキャリアの組み合わせにした以外は、実施例1と同様にして、画出し・評価した。評価結果を表4に示す。尚、実施例14においては、トナー(B−14)が磁性一成分トナーであるので、キャリアは用いず画出し、評価を行った。
Figure 2007033485
<比較例1〜6>
実施例1おいて、トナー(B−1)及びキャリア(C−1)の代わりに、表6に示したようなトナー及びキャリアの組み合わせにした以外は、実施例1と同様にして、画出し・評価した。評価結果を表5に示す。
Figure 2007033485
本発明の画像形成方法を用いた画像形成装置の一例を示す模式図である。 本発明の画像形成方法を用いた画像形成装置の一例を示す模式図である。 本発明の画像形成方法を用いた画像形成装置の一例を示す模式図である。 本発明に用いられる粉砕装置の一例を示す模式図である。 本発明に用いられる表面改質装置の一例を示す模式図である。 本発明に用いられる磁性キャリアの比抵抗を測定するために用いられる装置の模式図である。
符号の説明
1 感光体(静電潜像担持体)
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置

Claims (6)

  1. 静電潜像担持体を帯電する帯電工程と、帯電した静電潜像担持体に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を現像剤で現像して、静電潜像担持体上にトナー像を形成すると同時に、転写後の静電潜像担持体上に残留するトナーを回収する現像兼回収工程と、静電潜像担持体上のトナー像を中間転写体又は転写材に転写する転写工程とを少なくとも有する画像形成方法において、
    該静電潜像担持体は、有機感光層を有する電子写真感光体であって、硬化型の表面層を有しており、
    該トナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子の表面に、少なくとも無機微粒子を含有するトナーであって、該無機微粒子は、チタン酸ストロンチウムであり、該チタン酸ストロンチウムは、一次粒子の平均粒径が30nm以上300nm以下で、立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状を有し、且つペロブスカイト型結晶を有する粒子であり、且つ該トナーの円相当径(個数基準)2μm以上の粒子における平均円形度が、0.920乃至0.970であり、且つ該トナーのメタノール45体積%水溶液に対するUV透過率が10乃至80%であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 該現像剤は、少なくともトナーと磁性キャリアとを有する二成分系現像剤であり、該磁性キャリアは、少なくとも磁性微粒子及びバインダー樹脂を含有する磁性微粒子分散樹脂コアの表面に被覆層を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 該静電潜像担持体の表面は、25℃湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い,最大荷重6mNで押し込んだときのHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm2以上220N/mm2以下であり、且つ弾性変形率Weが45%以上65%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 該帯電工程は、接触帯電方式であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 該画像形成方法は、転写後で帯電前に静電潜像担持体上に残存するトナーを均し、バイアスが印加される均し工程を更に含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 静電潜像担持体を帯電する帯電手段と、帯電した静電潜像担持体に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤で現像して、静電潜像担持体上にトナー像を形成すると同時に、転写後の静電潜像担持体上に残留するトナーを回収する現像兼回収手段と、静電潜像担持体上のトナー像を中間転写体又は転写材に転写する転写手段とを少なくとも有する画像形成装置において、
    該静電潜像担持体は、有機感光層を有する電子写真感光体であって、硬化型の表面層を有しており、
    該トナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子の表面に、少なくとも無機微粒子を含有するトナーであって、該無機微粒子は、チタン酸ストロンチウムであり、該チタン酸ストロンチウムは、一次粒子の平均粒径が30nm以上300nm以下で、立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状を有し、且つペロブスカイト型結晶を有する粒子であり、且つ該トナーの円相当径(個数基準)2μm以上の粒子における平均円形度が、0.920乃至0.970であり、且つ該トナーのメタノール45体積%水溶液に対するUV透過率が10乃至80%であることを特徴とする画像形成装置。
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