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JP2007117015A - コンバインの分草装置 - Google Patents

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JP2007117015A JP2005315204A JP2005315204A JP2007117015A JP 2007117015 A JP2007117015 A JP 2007117015A JP 2005315204 A JP2005315204 A JP 2005315204A JP 2005315204 A JP2005315204 A JP 2005315204A JP 2007117015 A JP2007117015 A JP 2007117015A
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Abstract

【課題】 刈取り部における横一側の外側に装備した分草杆を、横外方に張り出した分草作用姿勢と刈取り部側に退避した格納姿勢とに切換え揺動可能に構成するとともに、刈取り部の横他側に配備された運転部からのレバー操作によって分草杆の姿勢切換えを行うように構成したコンバインの分草装置において、分草杆を運転部からのレバー操作によって軽快に出退できるようにする。
【解決手段】 運転部4に配備した運転座席82の後方で刈取り部側の箇所に操作レバー90を前後揺動可能に配備し、この操作レバー90と分草杆75とをワイヤ連係し、操作レバー90を後方に起立揺動することで分草杆75が分草作用姿勢となり、操作レバー90を前方に倒伏揺動することで分草杆75が格納姿勢となるよう構成してある。
【選択図】 図22

Description

本発明は、コンバインの分草装置に係り、特には、刈取り部における横一側の外側に装備した分草杆を、横外方に張り出した分草作用姿勢と刈取り部側に退避した格納姿勢とに切換え揺動可能に構成するとともに、刈取り部の横他側に配備された運転部からのレバー操作によって分草杆の姿勢切換えを行うように構成したコンバインの分草装置に関する。
上記分草装置としては、分草杆を出退操作する操作レバーを刈取り部に装備して、運転座席に着座した運転作業者が左手を伸ばして前後に揺動操作するよう構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−153629号公報
コンバインにおいては、運転座席の刈取り部側(左側)に変速レバーなどの各種レバーを備えたサイドパネルが配備されており、上記のように分草杆出退用の操作レバーを刈取り部に備えた構造では、運転作業者はサイドパネルを越えて手を伸ばすことになり、分草杆出退を出退操作する際に誤って変速レバーなどに触れるおそれがあった。特に、分草杆は機体横外方に張出し倒伏させた分草作用姿勢において、分草反力によって格納側に戻されないようにするために、摩擦抵抗をかけて分草作用姿勢に保持するよう構成されており、分草作用姿勢の分草杆を摩擦抵抗および分草杆自体の自重に抗して格納姿勢にまで起立揺動させるのにかなり大きい操作力を必要とするものであり、操作レバーを強く操作するのに気をとられて他のレバーに触れてしまいやすいものであった。
また、刈取り部が昇降されることで分草杆出退用の操作レバーの高さが変化することになり、特に、刈取り部を十分下げての低刈り作業時には、操作レバーも低くなって、上記した不具合が一層発生しやすくなる。
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、分草杆を運転部からのレバー操作によって軽快に出退できるようにすることを目的としている。
第1の発明は、刈取り部における横一側の外側に装備した分草杆を、横外方に張り出した分草作用姿勢と刈取り部側に退避した格納姿勢とに切換え揺動可能に構成するとともに、刈取り部の横他側に配備された運転部からのレバー操作によって前記分草杆の姿勢切換えを行うように構成したコンバインの分草装置において、
前記運転部に配備した運転座席の後方で刈取り部側の箇所に操作レバーを前後揺動可能に配備し、この操作レバーと前記分草杆とをワイヤ連係してあることを特徴とする。
上記構成によると、通常の刈取り走行時には分草杆を分草作用姿勢に張り出し揺動させ、非作業時には分草杆を邪魔にならない格納姿勢に揺動しておくことになるが、分草杆の姿勢切換えは運転座席の後方で刈取り部側の箇所に配備された操作レバーの前後揺動によるので、運転座席の横一側に配備されたレバー類の操作に分草杆出退用の操作レバーが邪魔になることはなく、また、操作レバーを操作する際に運転座席横側のレバー類が邪魔になることはない。
従って、第1の発明によると、誤って他のレバー類に触れれて動かしてしまうようなことなく、分草杆の出退操作を軽快に行うことができるようになった。
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記操作レバーを後方に起立揺動することで前記分草杆が分草作用姿勢となり、操作レバーを前方に倒伏揺動することで前記分草杆が格納姿勢となるよう構成してあるものである。
上記構成によると、分草杆を分草作用姿勢にする刈取り走行時には操作レバーが運転座席から最も後方に離れ、また、分草杆を格納姿勢にする非作業走行時には操作レバーが前方に倒伏して低く位置し、他のレバー類の操作の邪魔にならない姿勢となる。
分草杆は、張出した分草作用姿勢から自重に打ち勝って格納姿勢に切換える際の操作力が、格納姿勢から分草作用姿勢に切換える際の操作力よりも大きくなるが、分草杆を格納姿勢に切換える際に、操作レバーに体重を掛けて前方に倒伏操作しやすくなるので、レバー倒伏操作を軽快に行うことができる。
第3の発明は、上記第2の発明において、
前記操作レバーの前記運転座席側の横側に、穀粒回収タンクに装備したアンローダの駆動を司る排出クラッチレバーを前後揺動操作可能に並設し、排出クラッチレバーを後方に起立揺動することでアンローダの駆動が停止され、排出クラッチレバーを前方に倒伏揺動することでアンローダが駆動されるよう構成してあるものである。
上記構成によると、刈取り走行作業時には、操作レバーおよび排出クラッチレバーは共に運転座席の後方横側方に離れた位置で起立姿勢にあり、運転座席横側の各種レバー操作の邪魔になることがない。
第4の発明は、上記第1〜3のいずれか一つの発明において、
前記操作レバーを伸縮可能に構成してあるものである。
上記構成によると、非使用時には邪魔にならない長さに短縮しておき、分草杆出退時には長く伸ばして軽快に操作することができる。
第5の発明は、上記第1〜4のいずれか一つの発明において、
前記刈取り部を走行機体に対して横移動可能に構成してあるものである。
上記構成によると、機体横一側を未刈り地として刈取り走行する回り刈り作業時には、機体横幅より小幅の刈取り部を未刈り地側に横移動させて、走行機体よりも刈取り部を突出させた状態とする。このように未刈り作物から走行機体を離すことで、未刈り作物を走行装置で踏みつけたり、走行装置の沈み込みによって盛り上がった土が未刈り作物の株元に寄せられることを回避することができる。圃場の中間を突ききって刈り取る中割り作業時には、小幅の刈取り部を走行機体の正面に横移動させて、走行機体の横幅内に刈取り部を位置させ、走行装置で左右両脇の未刈り作物を踏み倒すことなく刈り取り収穫することができる。
このように刈取り形態に応じて刈取り部を横移動させても、操作レバーの位置は変わらず、分草杆の出退操作を同じ感覚で軽快に行うことができる。また、操作レバーと分草杆とはワイヤ連係されているので、ワイヤ連係構造に予め適当な余裕を与えておくだけで、刈取り部の横移動に制約をもたらすことはない。
第6の発明は、上記第1〜5のいずれか一つの発明において、
前記刈取り部を走行機体に対して縦向き支点を中心に機体横外方に旋回開放可能に構成してあるものである。
上記構成によると、刈取り部を旋回開放することで、刈取り部で隠されたエンジン周りやミッションケース周りが大きく露出されるとともに、刈取り部自体の背部も露出することになり、伝動ベルトの調整や交換、ミッションオイルの補給や排出、あるいは、刈取り部における各部の調整や搬送部での詰まり除去、などのメンテナンス作業を広い空間から容易に行うことができる。
この場合、操作レバーと分草杆とはワイヤ連係されているので、ワイヤ連係構造に予め適当な余裕を与えるとともに、旋回用の縦向き支点近くを通して操作ワイヤを配索してことで、刈取り部を制約なく旋回させることができる。
図1および図2に、自脱型のコンバインが示されている。このコンバインは、左右一対のクローラ走行装置1を備えた走行機体2の前部に2条刈り仕様の刈取り部3が昇降および横移動自在に連結されるとともに、走行機体2に運転部4、脱穀装置5、および、アンローダ30付きの穀粒回収タンク6、等が搭載された構造となっている。
刈取り部3には、植立穀稈を所定の刈取り姿勢に引起す左右一対の引起し装置7、引起した植立穀稈を切断するバリカン型の刈取り装置8、刈取り穀稈を後方に掻き込む左右一対の補助搬送ベルト9、刈取り穀稈の株元を掻き込み合流す左右一対の回転パッカ10、刈取り穀稈を後方上方に向けて搬送する供給搬送装置11、等を備えて構成されており、刈取り部3全体が後部基端の横向き支点Pを中心に上下揺動自在に支持されるとともに、油圧シリンダ12で昇降駆動されるようになっている。
前記供給搬送装置11は、株元挟持搬送機構13と穂先係止搬送機構14とから構成されており、供給搬送装置11全体を前記横向き支点Pを中心に上下揺動調節することで、刈取り穀稈に対する挟持位置を上下に変更して、脱穀装置4の横外側に備えられたフィードチェーン15への穀稈受渡し位置を稈長方向に変更調節する扱き深さ調節機能が備えられている。なお、供給搬送装置11は刈取り穀稈の稈長検出に基づいて図示されない電動式の駆動機構によって上下揺動駆動され、稈長にかかわらず脱穀装置5に挿入される穀稈長さを一定に維持する自動扱深さ制御が行われるようになっている。
刈取り部3には、引起し装置7、刈取り装置8、補助搬送ベルト9、回転パッカ10、等を支持する角パイプ材からなる刈取り部フレーム17が前下がり傾斜姿勢で備えられており、この刈取り部フレーム17の後端基部が、走行機体2の前端部に配備された基台18の上部に前記横向き支点Pを中心として上下揺動可能に連結支持されている。前記油圧シリンダ12は単動型シリンダが使用されており、その伸長作動によって刈取り部3が駆動上昇され、自由短縮作動によって刈取り部3が自重下降されるようになっている。
刈取り部3の左外側部には、刈取り走行時に未刈り植立作物が機体側に倒れ込んで刈取り部3の各部に引っ掛かったり、クローラ走行装置1で踏みつけられるのを回避するための分草杆75が起伏揺動自在に装備されており、後述するように、運転部4からのレバー操作によって任意に出退操作されるようになっている。
図6,7に示すように、前記刈取り部フレーム17の基部には前記横向き支点Pと同心の筒状に構成された横向き基端ボス部17aが備えられており、この横向き基端ボス部17aに左右に貫通されたカウンター軸19が、前記基台18の上部に配備された左右一対の軸受けブラケット21,22を介して回転自在に支架されている。なお、以後の説明における左右方向の呼称は機体に対する方向を示しており、図6,7の正面図では図上での左右方向と説明の呼称とが逆になる。
前記カウンター軸19の右端には入力プーリ23が取り付けられており、走行用のミッションケース24に備えられたPTO軸(図示せず)とカウンター軸19とがベルトテンション式の刈取りクラッチ(図示せず)を介してベルト連動されている。また、前記基端ボス部17aからは前方上方に向けて丸パイプ材からなる伝動ケース25が延出され、この伝動ケース25に挿通した伝動軸26とカウンター軸19とが基端ボス部17a内でベベルギヤ連動され、カウンター軸19から伝動軸26に伝達された動力で引起し装置7、刈取り装置8、補助搬送ベルト9、回転パッカ10が駆動されるようになっている。
図5に示すように、左側の軸受けブラケット21から左外方に貫通突出されたカウンター軸19には、カウンター軸軸心周り、つまり、横向き支点P周りに回動可能にベベルギヤケース27が装備されるとともに、カウンター軸19にベベルギヤ連動された伝動軸28がベべルギヤケース27から斜め上方に延出され、この伝動軸28から取り出された動力で前記供給搬送装置11の株元挟持搬送機構13および穂先係止搬送機構14が駆動されるようになっている。
なお、カウンター軸19に刈取り部駆動用動力を伝達する図示されない前記PTO軸は前進走行速度と同調した速度で駆動されるものであり、これによって、刈取り部3の各機構が走行速度と同調した速度で駆動されるようになっている。
上記のように構成された刈取り部3は横移動および旋回開放可能に支持されており、以下にそれらの構造を図6〜図11に基づいて詳細に説明する。
前記基台18の左側箇所には縦向き支点Xを中心に旋回可能な旋回ブラケット31が配備されるとともに、旋回ブラケット31から右方向(機体内方)に向けて旋回アーム32が延出されている。この旋回アーム32における上面の旋回基端側と遊端側に前記軸受けブラケット21,22がそれぞれ連結固定されるとともに、旋回アーム32自体の右側箇所が機体フレーム16に立設した基台18の上面に前後一対のボルト33によって連結されている。
前記旋回アーム32には刈取り部横移動機構34が装着されている。この刈取り部横移動機構34には、旋回アーム32に横向き支点Q周りに揺動可能に支持された矩形ループ状の揺動支持枠35、この揺動支持枠35の左右アーム間に亘って横架支承されたネジ軸36、ネジ軸36に螺合装着された可動片37、揺動支持枠35に装備されたネジ軸駆動用の電動モータ38、等が備えられており、前記揺動支持枠35の下端横杆部35aに備えた連結片35bと前記油圧シリンダ12のピストンロッド12aとが挿抜可能な連結ピン39で連結されている。なお、図17に示すように、連結ピン39には連結板39aと取っ手39bが備えられており、通常は連結板39aをボルト40によって連結片35bに締付け固定することでピストンロッド12aとの連結状態が維持され、ボルト40を外して連結ピン39を抜き取ることで刈取り部横移動機構34とピストンロッド12aとの連結が解除されるようになっている。
刈取り部フレーム17の横向き基端ボス部17aは左右の軸受けブラケット21,22の間においてカウンター軸19に沿って左右にスライド移動可能に支持されるとともに、横向き支点P周りに自重下降揺動可能な刈取り部フレーム17が前記揺動支持枠35の下端横杆部35aに受け止め支持されており、油圧シリンダ12によって揺動支持枠35が横向き支点Q周りに揺動されることで、この揺動支持枠35に受け止め支持された刈取り部3が横向き支点P周りに上下揺動されるようになっている。揺動支持枠35による刈取り部フレーム受止め箇所の上方において刈取り部フレーム17が前記可動片37に荷重を掛けることなく上方から係合されており、ネジ軸36が電動モータ38によって回転駆動されて可動片37が左右にネジ送り移動されることによって刈取り部3全体が所定ストロークで横移動されるようになっている。なお、揺動支持枠35には刈取り部フレーム17の上面近接位置を横切る規制ロッド41が横架固定されており、刈取り部フレーム17が揺動支持枠35の下端横杆部35aから浮き上がって可動片37から外れることが阻止されている。
横移動可能な刈取り部3は、基本的には左右のストロークエンドのいずれか一方に移動されて使用されるものであり、通常の刈取り形態である回り刈り作業時には、刈取り部3を左側ストロークエンド(図7参照)までスライド移動させて、刈取り部3の左端を左側クローラ走行装置1の踏み代より左側に張り出した状態とする。また、圃場の中央を突っ切って刈取り収穫する中割り作業時には、刈取り部3を右側ストロークエンド(図6参照)にスライド移動させて機体横幅内に位置させる。また、圃場外での移動走行、トラック荷台へ搭載しての移動、あるいは、ガレージへの格納、等の非作業時にも刈取り部3を右側ストロークエンドにスライド移動させる。
なお、図5に示すように、刈取り部3に装備された供給搬送装置11の前端部は、横向き支点Pを中心とする円弧状に形成されて立設固定された案内杆42に上下スライド可能に係合案内されて、供給搬送装置11が上下揺動して扱き深さ調節作動できるように構成されるとともに、刈取り部3が横移動されると供給搬送装置11が基端の伝動軸28の軸心b周りに相対的に横揺動されるようになっている。つまり、刈取り部3が横移動されると、案内杆42に前端部を係合支持された供給搬送装置11の前端部は常に引起し装置7の後方位置に在るよう追従移動するが、供給搬送装置11の後端部はフィードチェーン15の始端近傍位置に在り、これによって、刈取り部3の横移動位置にかかわらず引起し装置7から供給搬送装置11の始端部への穀稈受け渡し、および、供給搬送装置11の終端部からフィードチェーン15の始端部への穀稈受け渡しがそれぞれ円滑に行われるようになっている。
このコンバインにおいては、通常の刈取り収穫作業において刈取り部3の先端部が圃場に突入することを回避するために以下のような構造が備えられている。
つまり、図12に示すように、刈取り部3が刈取り作業高さ域まで自重下降されると、前記刈取り部横移動機構34における揺動支持枠35の下端横杆部35aが、走行機体2の前端部に装着された弾性付勢機構50に弾性的に接当支持されるようになっている。
この弾性付勢機構50は、図14に示すように、間隔変更可能に対向された前後一対のバネ受け部材51,52、両バネ受け部材51,52の間に初期圧縮されて挟持されたコイルバネ53、および、両バネ受け部材51,52の間隔拡大を阻止するよう両バネ受け部材51,52の中心に挿通装着された支持ロッド54とで独立した一つのユニット状に構成されている。前記支持ロッド54はボルト材で構成されており、この支持ロッド54をねじ込み調節し、両バネ受け部51,52の最大間隔を調整することで、挟持されたコイルバ53の初期圧縮状態を調節することが可能となっている。各バネ受け部材51,52はコイルバネ53を位置決め嵌合するカップ状にプレス形成されるとともに、それぞれの外周部の対角位置には一対の支持突起51a,52aが屈曲延出され、各支持突起51a,52aに取付け孔55,56が形成されている。
他方、走行機体2における機体フレーム16の前部には、前記弾性付勢機構50を装着するための2本の支持ロッド57がブラケット58を介して前向き片持ち状に固設されている。この支持ロッド57は前記取付け孔55,56のピッチに対応した間隔をもって配備されており、ユニット状の弾性付勢機構50を、前後の支持突起51a,52aにおける取付け孔55,56を介して支持ロッド57に前方から挿嵌することで、弾性バランス機構50が走行機体2の前部にやゝ前上りの前向き片持ち状に支持されるようになっている。
前方のバネ受け部材51の前面が、刈取り部3に備えられた前記揺動支持枠35の下端横杆部35aを接当支持する受止め部sとして機能するようになっている。
弾性付勢機構50の初期圧縮荷重は刈取り部3の重量より幾分小さい値となるように上記支持ロッド54の操作によって調整されており、刈取り部3を接当支持して圧縮変形した弾性付勢機構50の弾性復元力で刈取り部3の重量が相殺されることで、刈取り部3の前方下部に配備した橇状の接地体59が比較的小さい接地圧で接地するように設定される。
このように、刈取り部3を自重下降させて軽く接地支持させて刈取り走行を行うことで、圃場の一部が隆起していたり、走行機体2が前下がり傾斜しても、刈取り部3が相対的に押上げ上昇されて圃場へ突入することが回避されるのである。なお、前記弾性付勢機構50におけるコイルバネ53の周囲にはゴム製の泥除けカバー61が巻き付け装着されて、弾性付勢機構50への泥などの異物の付着および侵入が防止されている。
図14に示すように、弾性付勢機構50とブラケット58との間に任意の厚さのシム板60を介在することで弾性付勢機構50における受け止め部sの位置を前後に変更調節することができる。この調節によって刈取り部3が接地した状態でのコイルバネ53の圧縮変形量を変更して接地体59の接地圧を設定調節することができる。なお、図14に示すように、シム板60は両支持ロッド57に係止されてその取付け姿勢が保持されている。
上記のように構成された刈取り部3は、点検整備のために左横外側方に旋回揺動することが可能となっている。つまり、旋回アーム32の遊端側を基台18に連結しているボルト33を外すと、図10に示すように、旋回アーム32と旋回ブラケット31とが一体に縦向き支点X周りに旋回可能となり、この旋回アーム32に支持されている刈取り部3が刈取り部横移動機構34と共に旋回可能となる。
図6,7に示すように、旋回ブラケット31には操作ロッド65が横スライド可能に挿通支持され、この操作ロッド65の右側貫通端部に下降ロック用のブロック部材66が連結されている。操作ロッド65の左側端部は延出されて操作ノブ67が取り付けられており、機体横外方から操作ロッド65を押し引き操作できるようになっている。図5に示すように、通常は操作ロッド65が機体外方に引き出し操作されて、ブロック部材66は旋回ブラケット31の上面端部より左側に寄ったロック解除位置urに載置保持されている。
刈取り部3を図4(イ)に示す通常位置から、図4(ロ)に示すように、機体の左横外側方に旋回開放するには、先ず、刈取り部3を所定高さ以上に上昇させた状態で左側ストロークエンドまで横移動させる。次に、図7に示すように、操作ロッド65を機体内方に移動限界まで押し込み操作してブロック部材66を前記ロック解除位置urから旋回ブラケット31の右端近くの下降ロック位置rに移動させる。次に、刈取り部3を下降させて、刈取り部フレーム17の基部に連結固定した接当金具68と旋回ブラケット31の上面との間に下降ロック位置rのブロック部材66を挟持して、それ以上に刈取り部3が下降されるのを阻止する(図16参照)。このようにブロック部材66を介して下降ロックがなされた状態では、刈取り部3は弾性付勢機構50から分離し、かつ、地上から浮き上がった高さで保持されることになる。
走行機体2の前端に設けられた基台18の右側には、左側ストロークエンドまで横移動された刈取り部3が右方向に横移動するのを阻止する横移動ロック機構70が装備されている。この横移動ロック機構70には横移動ロック位置(a)とロック解除位置(b)に切換え可能なロック部材71が装備されている。ロック部材71は、図18に示すように、板材をV形に屈折して構成されたものであり、前後方向の長孔72と前後に配備されたガイドピン74および締付けボルト73を介して前後方向にのみ位置調節可能に基台18に締付け固定されている。
通常、ロック部材71は、刈取り部フレーム17における基端ボス部17aの横移動領域から後方に外れたロック解除位置(b)に保持されており、この状態では刈取り部3の横移動が可能となる。ロック部材71が後方のロック解除位置(b)にあると、旋回アーム32と基台18とのボルト連結部の上方にロック部材71が重複し、前側のボルト33に上方からボックスレンチなどの工具を掛けることができなくなる。また、刈取り部3が右ストロークエンドにあると、ロック部材71の前方に基端ボス部17aが位置して、ロック部材71を前方の横移動ロック位置(a)に切換えることができなくなる。
刈取り部3を旋回開放するには、先ず、刈取り部3を左側ストロークエンドまで横移動し、上記のように、ブロック部材66を利用して刈取り部3を地上に浮かした状態にする。次に、運転部4からボックスレンチなどの工具を差し入れて横移動ロック機構70の締付けボルト73を弛め、ロック解除位置(b)にあるロック部材71を前方の横移動ロック位置(a)に移動してボルト固定する。横移動ロック位置(a)のロック部材71は、刈取り部フレーム17における基端ボス部17aの右側で横移動領域に干渉することになり、これによって刈取り部3が右方向に横移動することが接当阻止される。
次に、刈取り部フレーム17と油圧シリンダ12のピストンロッド12aとを連結していた連結ピン39を引き抜いてその連結を解除する。ロック部材71を前方の横移動ロック位置(a)に移動することで、旋回アーム32の遊端側を基台8aに連結していた一対のボルト33が共に露出され、ボックスレンチなどの工具を掛けることが可能となる。このボルト33を外すことで旋回アーム32が旋回可能となり、刈取り部3を地面から少し浮かした状態のまま縦向き支点X周りに揺動開放することができる。なお、図示されていないが、旋回アーム32は旋回開放位置で基台18にピンロックされる。
刈取り部3の旋回開放操作に先立って、刈取り部3の左外側部に配備された分草杆75を取外しておく必要がある。図20,21に示すように、前記分草杆75の前端には後ろ向きの支点ピン76が備えられて、左端分草具77の背部に設けられた支持金具78に前方から差し込み支持されている。刈取り部3の左側に立設された引起し装置駆動用のパイプフレーム74に、前記支点ピン76を通る後上り傾斜した前後方向軸心d周りに回動可能に基端回動アーム79が配備され、分草杆75の前後中間に一体装備された中間支持アーム75aが前記基端回動アーム79に連結ピン80を介して脱着自在に連結されている。そして、これら支点ピン76および連結ピン80に装着された抜け止めピン81を抜き取ることで、分草杆75全体を前方に抜き外すことができるようになっている。
分草杆75を横外方に張出し倒伏した分草作用姿勢と、起立した格納姿勢とに切換え揺動する操作構造を説明する。
図1に示すように、運転部4に備えられた運転座席82の前方には前後左右に揺動操作可能な操縦レバー83を備えたフロントパネル84が立設配備されるとともに、運転座席82の左横側には主変速レバー85、副変速レバー86、図示されない刈取りクラッチおよび脱穀クラッチを操作するクラッチレバー87、等を備えたサイドパネル88が配備されている。サイドパネル88の後端部には操作ボックス89が立設されており、この操作ボックス89に、前記分草杆75を出退操作する操作レバー90、前記アンローダ30の駆動停止を司る排出クラッチレバー91、および、アンローダ30の姿勢変更用の短いジョイスティックレバー92が並列して装備されている。
図22,図23に示すように、前記操作ボックス89の内部に設けられた支点ブラケット93に支軸94が横向きに固設され、この支軸94に、前記操作レバー90の基端部材95が横向き支点e周りに回動自在、かつ、摩擦板96および皿バネ97を介して任意の回動操作位置で摩擦保持可能に枢支されている。操作レバー90は、基端部材95に対してレバー長手方向に沿って形成された長孔98と一対の連結ピン99を介して伸縮自在に支持されている。基端部材95には2本の操作ワイヤ100,101のインナ端が連結されており、操作レバー90の前後揺動に伴う基端部材95の正逆回動によって各操作ワイヤ100,101が背反的に弛緩および引張り操作されるようになっている。
前記両操作ワイヤ100,101の他方のインナ端が、分草杆75における前記基端回動アーム79と一体化された一対の操作アーム79a,79bにそれぞれ連結されており、各操作ワイヤ100,101が背反的に弛緩および引張り操作されることで、分草杆75が出退揺動されるようになっている。なお、前記操作ワイヤ100,101は余裕をもった長さのものが縦向き支点X近くを通って配索されており、刈取り部3の横移動および旋回揺動が許容されるようになっている。
ここで、操作レバー90が後方に揺動されて略鉛直の起立姿勢にあると、分草杆75が分草作用姿勢に張出し揺動され、操作レバー90が前方に揺動されて略水平の倒伏姿勢にあると、分草杆75が格納姿勢に振り上げ揺動されるように設定されている。
前記アンローダ30は、穀粒回収タンク6における底スクリュー45の後端に連動連結された縦送りスクリューコンベア部30Aと、その上端に連動連結された横送りスクリューコンベア部30Bとで構成されており、縦送りスクリューコンベア部30Aが電動モータ105によってスクリュー軸心と同芯の縦軸心Y周りに所定範囲内で正逆に旋回駆動されるとともに、横送りスクリューコンベア部30Bが電動シリンダ106によって起伏揺動駆動されるようになっており、前記ジョイスティックレバー92の前方操作で横送りスクリューコンベア部30Aが下降揺動され、ジョイスティックレバー92の後方操作で横送りスクリューコンベア部30Bが上昇揺動され、ジョイスティックレバー92の左方操作で横送りスクリューコンベア部30Bが左方向に旋回され、また、ジョイスティックレバー92の右方操作で横送りスクリューコンベア部30Bが右方向に旋回されるようになっている。
図25に示すように、前記底スクリュー45の前端部が、運転部4における座席下方に配備されたエンジン46にベルト連動されており、そのベルト伝動系に介在したテンション式の排出クラッチ107が前記排出クラッチレバー91にワイヤ連係手段を介して連動連結されており、排出クラッチレバー91が後方に揺動されて略鉛直の起立姿勢にあると排出クラッチ107が「切り」となり、排出クラッチレバー91が前方に揺動されて略水平の倒伏姿勢にあると、排出クラッチ107が「入り」となって、穀粒回収タンク6に貯留された穀粒が排出されるようになっている。従って、刈取り走行作業時には、操作レバー90および排出クラッチレバー91は共に運転座席82の後方横側方に離れた位置で起立姿勢にあり、サイドパネル88の各種レバー操作の邪魔になることがない。
穀粒回収タンク6が満杯になると、刈取り作業を中断休止して畦際に移動し、待機しているトラックの荷台などに回収した穀粒を排出する。この場合、排出作業位置への移動に際しては操作レバー90を前方に操作して分草杆75を格納し、分草杆75が畦などにぶつからないように走行する。所定の排出作業位置に至ると、ジョイスイティックレバー92を操作してアンローダ30の姿勢を変更して、横送りスクリューコンベア部30Bの先端排出部をトラック荷台上の所望位置へ移動し、次いで、排出クラッチレバー91を前方に操作して排出クラッチ107を入れる。ここで、操作レバー90は分草杆格納のために前方に倒伏操作されているので、クラッチ切り位置にある排出クラッチレバー91の横に大きく起立しているレバーはなく、握り間違いなく排出クラッチレバー91を操作することができる。
穀粒の排出が完了すると、排出クラッチレバー91を後方に操作して排出クラッチ107を再び切り、アンローダ30の姿勢変更操作を行って横送りスクリューコンベア部30B元の格納位置に戻し、その後、走行機体2を先の刈取り中断作業位置まで移動させる。刈取りの再開に先立って操作レバー90を後方に起立操作して分草杆75を分草作用姿勢に切換える。
〔他の実施例〕
(1)刈取り部3を横移動のみ可能に構成して実施することもできる。
(2)3条刈り以上の刈幅の刈取り部3を備えた機種では、刈取り部3を旋回開放のみ可能に構成して実施すればよい。
自脱型コンバインの前部を示す左側面図 自脱型コンバインの全体平面図 自脱型コンバインの全体を示す右側面図 刈取り部の旋回開放作動を示す平面図 刈取り部の基部を示す側面図 旋回操作不能位置に横移動された刈取り部の基部を示す正面図 旋回操作可能位置に横移動された刈取り部の基部を示す正面図 旋回操作不能位置に横移動された刈取り部の基部を示す平面図 旋回操作可能位置に横移動された刈取り部の基部を示す平面図 旋回途中における刈取り部の基部を示す平面図 刈取り部の横移動構造を示す側面図 刈取り部の横移動構造および弾性付勢機構を示す側面図 弾性付勢機構の正面図 弾性付勢機構の横断平面図 弾性付勢機構の支持構造を示す正面図 下降ロック状態における刈取り部の基部を示す側面図 油圧シリンダ連結部の縦断正面図 横移動ロック機構のロック部材を示す斜視図 分草構造を示す正面図 分草杆の前部支持構造を示す側面図 分草杆の支持構造を示す一部切欠き平面図 分草杆操作構造の連係図 操作レバーの支持構造を示す縦断正面図 レバー操作部の斜視図 アンローダの排出クラッチ操作系の連係図
符号の説明
2 走行機体
3 刈取り部
4 運転部
30 アンローダ
75 分草杆
82 運転座席
90 操作レバー
91 排出クラッチレバー
X 縦向き支点

Claims (6)

  1. 刈取り部における横一側の外側に装備した分草杆を、横外方に張り出した分草作用姿勢と刈取り部側に退避した格納姿勢とに切換え揺動可能に構成するとともに、刈取り部の横他側に配備された運転部からのレバー操作によって前記分草杆の姿勢切換えを行うように構成したコンバインの分草装置において、
    前記運転部に配備した運転座席の後方で刈取り部側の箇所に操作レバーを前後揺動可能に配備し、この操作レバーと前記分草杆とをワイヤ連係してあることを特徴とするコンバインの分草装置。
  2. 前記操作レバーを後方に起立揺動することで前記分草杆が分草作用姿勢となり、操作レバーを前方に倒伏揺動することで前記分草杆が格納姿勢となるよう構成してある請求項1記載のコンバインの分草装置。
  3. 前記操作レバーの前記運転座席側の横側に、穀粒回収タンクに装備したアンローダの駆動を司る排出クラッチレバーを前後揺動操作可能に並設し、排出クラッチレバーを後方に起立揺動することでアンローダの駆動が停止され、排出クラッチレバーを前方に倒伏揺動することでアンローダが駆動されるよう構成してある請求項2記載のコンバインの分草装置。
  4. 前記操作レバーを伸縮可能に構成してある請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンバインの分草装置。
  5. 前記刈取り部を走行機体に対して横移動可能に構成してある請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンバインの分草装置。
  6. 前記刈取り部を走行機体に対して縦向き支点を中心に機体横外方に旋回開放可能に構成してある請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンバインの分草装置。
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