JP2007148373A - 磁性一成分現像剤、及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁石を内蔵する現像剤担持体上に層規制部材により所定層厚の現像剤層を形成し、電界を印加することによって、前記現像剤層を介して静電潜像担持体上の潜像を現像する現像方法に用いる磁性一成分現像剤であって、体積平均粒径が5.0〜7.0μmであり、酸化チタン粒子の含有量が0.3質量%以下であり、且つ、パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/sec、回転翼の進入角度−5°で現像剤のトータルエネルギー量を測定するときに、通気を行わない場合と通気量を10ml/minとした場合のトータルエネルギー量の差が、400mJ〜600mJであることを特徴とする磁性一成分現像剤、及び画像形成装置。
【選択図】なし
Description
体積平均粒径が、5.0〜7.0μmであり、
酸化チタン粒子の含有量が、0.3質量%以下であり、
且つ、パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/sec、回転翼の進入角度−5°で現像剤のトータルエネルギー量を測定するときに、通気を行わない場合と通気量を10ml/minとした場合のトータルエネルギー量の差が、400mJ〜600mJであることを特徴とする磁性一成分現像剤。
前記現像剤が、前記<1>又は<2>に記載の磁性一成分現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
本発明の磁性一成分現像剤は、磁石を内蔵する現像剤担持体上に層規制部材により所定層厚の現像剤層を形成し、電界を印加することによって、前記現像剤層を介して、静電潜像担持体上の潜像を現像する現像方法に用いる磁性一成分現像剤であって、体積平均粒径が、5.0〜7.0μmであり、酸化チタン粒子の含有量が、0.3質量%以下であり、且つ、パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/sec、回転翼の進入角度−5°で現像剤のトータルエネルギー量を測定するときに、通気を行わない場合と通気量を10ml/minとした場合のトータルエネルギー量の差が、400mJ〜600mJであることを特徴とする。
なお、一成分現像剤の場合、現像剤がトナー粒子そのものであるため、本明細書では、現像剤とトナー(或いはトナー粒子)とを同義で用いる場合がある。
そこで、本発明では、トナー粒子に酸化チタンの含有率を多くとも0.3質量%とすることで画像濃度の低下を抑える。しかし、このような組成とすると、画像濃度ムラが発生しやすくなる。
一方、現像剤について、パウダーレオメーターを用いて特定の条件下で測定したときに、現像剤担持体を有する現像装置内で現像剤が攪拌されたときの現像剤の流動性と高い相関があることを見出した。また、前記パウダーレオメーターの測定によって得られた値は、現像剤担持体上の現像剤における帯電量の均一性に関連していることがわかった。
更に、パウダーレオメーターの測定条件を検討した結果、回転翼の先端スピード100mm/secで、回転翼の進入角度−5°、の条件で、通気を行わない場合と通気量10ml/minの場合のトータルエネルギー量の差が、400mJ〜600mJとなる現像剤の場合に、画像濃度ムラと画像濃度低下の発生が抑えられることが判明した。つまり、上記数値範囲を有する現像剤を用いると、現像剤担持体上の現像剤の帯電性が均一となり、その結果画像濃度ムラや画像濃度低下の発生が少なくなることが明らかとなったのである。
粒子の流動性を測定する場合、液体や固体、或いは気体の流動性を測定する場合よりも、多くの要因から影響を受けるため、粒径や形状等の従来用いられているパラメータでは、正確な粒子の流動性を特定することが困難である。また、流動性を特定するための測定すべき因子(例えば、粒径等)を決定しても、実際にはその因子は流動性に与える影響が少ない場合や、他の因子との組み合わせによってのみその因子を測定する意義が発生する場合もあり、測定因子を決定することでさえ困難である。
更に、粉体の流動性は、外的環境要因によっても著しく異なる。例えば、液体であれば、測定環境が変動しても、流動性の変動幅は然程大きくはないが、粒子の流動性については、湿度や流動させる気体の状態等の外的環境要因によって大きく変動する。このような外的環境要因がいずれの測定因子に影響を与えるかは明確にはされていないため、厳密な測定条件下で測定しても、得られる測定値の再現性に乏しいのが実際である。
より好ましくは、上記トータルエネルギー量差は、430〜570mJの範囲であり、更に好ましくは460〜540mJの範囲である。
パウダーレオメーターは、充填した粒子中を回転翼が螺旋状に回転することによって得られる回転トルクと垂直荷重とを同時に測定して、流動性を直接的に求める流動性測定装置である。回転トルクと垂直荷重の両方を測定することで、粉体自身の特性や外部環境の影響を含めた流動性について、高感度に検出することができる。また、粒子の充填の状態を一定とした上で測定を行うため、再現性の良好なデータを得ることができる。
現像剤を充填した後、充填された現像剤を穏やかに攪拌することによりサンプルの均質化をおこなう操作を実施する。この操作を以下ではコンディショニングと呼ぶことにする。
このとき、プロペラ型の回転翼が、回転と同時に下方向にも運動するので先端はらせんを描くことになり、このときのプロペラ先端が描くらせん経路の角度を進入角度と呼ぶ。
また、本発明では、誤差による影響を少なくするため、このコンディショニングとエネルギー測定操作のサイクルを5回行って得られた平均値を、本発明で定義するトータルエネルギー量(mJ)とする。
回転翼は、freeman technology社製の図3に示す2枚翼プロペラ型のφ48mm径ブレードを用いる。
そして、10ml/minでの通気量したときのトータルエネルギー量と、通気しないときのトータルエネルギー量との差を求める。
従来の現像剤に比べ、本発明にかかる現像剤は、特に厳しくこれらの条件が適用される。しかしながら、本発明は、上記トータルエネルギー量の範囲に該当する現像剤を用いれば、本発明の画像形成方法において本発明の効果を享受することができることを示すものであり、トナー粒子の組成、製造方法等は限定されることなく、適宜選択して適用することができる。なお、本発明では、上記規定のトータルエネルギー量差とするための手法として、上記(5)の方法を用いることが好ましい。
本発明にかかる現像剤(トナー粒子)は、下記の具体的組成や製造方法を参照して得ることができる。
本発明の磁性一成分現像剤は、少なくとも結着樹脂と磁性粉とを含有し、酸化チタン粒子の含有率が0.3質量%以下であることが好ましい。
本発明にかかる現像剤は、上記の条件を満足すれば、その他の条件は特に制限されず、公知の技術を適宜適用できる。なお、既述のように一成分系現像剤の場合には、現像剤がトナー粒子と同義であることが多いため、以下では、トナー粒子として説明する場合がある。
現像剤に含まれる結着樹脂は、トナー粒子に用いうる公知のものを適宜選択することができる。具体的には、例えば、スチレン、クロロスチレンなどのスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル、などのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸のエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類、などの単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としてはポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジンなどを挙げることができる。
これらの中でも、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂とポリエステル樹脂が好ましく用いられ、低温定着性の観点からは、ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
上記重量平均分子量及び数平均分子量の値は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定したものをいう。GPCは、HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)を用い、カラムは、TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製、6.0mmID×15cm)を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。実験条件としては、試料濃度を0.5質量%、流速を0.6ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いる。
非結晶性樹脂の場合のガラス転移温度又は結晶性樹脂の場合の融点は、現像機内の攪拌による昇温、また現像剤担持体と現像剤の摩擦による現像剤表面の瞬間的な加熱による外添剤の埋め込みの抑制と、磁性体を含有することによる定着温度の上昇の抑制の観点から、50℃〜90℃であることが好ましく、55℃〜75℃であることがより好ましい。
磁性粉としては、公知の磁性体、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の金属及びこれらの合金、Fe3O4,γ−Fe2O3,コバルト添加酸化鉄等の金属酸化物、MnZnフェライト、NiZnフェライト等の各種フェライト、マグネタイト、ヘマタイト等の粉末が使用でき、更にそれらの表面をシランカップリング剤、チタネートカップリング剤等の表面処理剤で処理したもの、珪素系化合物やアルミニウム系化合物など無機系材料でコーティングしたもの、あるいはポリマーでコーティングしたもの等でも良い。
磁性粉の混合割合は現像剤粒子全体に対して35〜55質量%の範囲にあるものが好ましく、より好ましくは40〜50質量%の範囲である。磁性粉末が35質量%より少ない場合は、現像剤担持体内の磁石による現像剤の拘束力が低下し、現像剤飛散、カブリの問題が発生する。一方、55質量%を越える場合は画像濃度が低下するという問題がある。
本発明の現像剤は、転写性、流動性、クリーニング性及び帯電量の制御性、特に流動性を改善するため、トナー粒子に外添剤を含有する。なお、外添剤とは、上記トナーのコア粒子表面に付着させる粒子をいう。
なお、複数の外添剤を使用する場合は、各々の表面被覆率の合計が100%以下となるようにすることが好ましい。
本発明における疎水化度は、水50ccに微粒子を0.2g加え、スターラーで攪拌後、メタノールで滴定し、微粒子が全て溶媒に懸濁したときのメタノール滴定量をTccとしたときに、以下の式で表される疎水化度(M)と定義する。
本発明の磁性一成分現像剤は、上記組成物のほか、現像剤に使われている公知の材料を適宜添加することができる。
本発明の現像剤には、耐オフセット性を向上させる目的でワックスを含有していることが好ましい。本発明に用いられるワックスとしては、例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体等を使用できる。誘導体としては酸化物、ビニルモノマーとの重合体、グラフト変性物などを含む。この他に、アルコール、脂肪酸、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス、酸アミド等も使用できる。
具体的には、低分子量ポリプロピレンや低分子量ポリエチレン等の炭化水素系ワックス、マイクロクリスタリンワックス、シリコーン樹脂、ロジン類、エステル系ワックス、ライスワックス、カルナバワックス、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、キャンデリラワックスなどが挙げられる。
このようなワックスの具体例としては、カルナバワックス、モンタンワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ステアリル等の長鎖脂肪族アルコールと長鎖脂肪族カルボン酸とのモノエステル類、ベヘン酸メチル、ステアリン酸ブチル等の脂肪族アルコールと長鎖脂肪族カルボン酸とのモノエステル類、エチレングリコールジステアリン酸エステル、グリセリントリステアリン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル等の多価アルコールと長鎖脂肪族カルボン酸とのエステル類等をあげることができる。なお前記多価アルコールを用いる場合はアルコール部分が縮合していても良いし、1以上のエステル基を有していればアルコール部分は水酸基のままでも良い。
エステル系ワックスの中でも、分子量分布の広いものが好ましく、具体的にはカルナバワックスが良好に用いられるが、前述のエステル類を混合しても用いることができる。また前記多価アルコールと前記長鎖脂肪族カルボン酸とのエステル反応度合いの違いによるもモノエステル、ジエステル、トリエステル等の混合物によっても得ることができる。中でも特にカルナバワックスが好適である。
ワックス剤の含有量が、上記下限値より少ないと、トナーの用紙との離型性能が低下しオフセットが発生する場合があり、一方、上記上限値を越えると、トナーの帯電性能の低下や熱保管性能の低下が発生する場合があり、それぞれ好ましくない。
また、本発明の現像剤には、色調を調整するために着色剤を含有させても良い。前記着色剤としては、特に制限はなく、それ自体公知の着色剤を挙げることができ、目的に応じて適宜選択することができる。前記着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ランプブラックや、デュポンオイルレッド、オリエントオイルレッド、ローズベンガル、C.I.ピグメントレッドの5、112、123、139、144、149、166、177、178、222、48:1、48:2、48:3、53:1、57:1、81:1や、C.I.ピグメントオレンジの31、43や、キノリンイエロー、クロームイエロー、C.I.ピグメントイエローの12、14、17、93、94、97、138、174、180、188や、ウルトラマリンブルー、アニリンブルー、カルコイルブルー、メチレンブルークロライド、銅フタロシアニン、C.I.ピグメントブルーの15、60、15:1、15:2、15:3や、C.I.ピグメントグリーンの7や、マラカイトグリーンオキサレート、ニグロシン染料などが挙げられ、これらを単独又は複数組み合わせて用いることも可能である。これらはあらかじめフラッシング分散処理されたものであってもよい。
また、帯電制御を目的として、種々の物質を添加することができる。例えば、フッ素系界面活性剤、サリチル酸系錯体、鉄錯体のような鉄系染料、クロム錯体のようなクロム系染料、マレイン酸を単量体成分として含む共重合体のごとき高分子酸、4級アンモニウム塩、ニグロシンなどのアジン系染料などを現像剤中0.1〜10.0質量%の範囲で添加しても良い。
(トナー粒子の体積平均粒径)
トナー粒子の体積平均粒径は、5.0μm〜7.0μmが好ましく、より好ましくは5.0μm〜6.5μmであり、更に好ましくは5.5μm〜6.5μmである。トナー粒子の体積平均粒径が5.0μm未満であると、流動性が著しく低下するため、層規制部材等による現像剤層の形成が不充分となり、画像にカブリやダートが発生する場合がある。一方、7.0μmを超える場合は、解像度が低下し、高画質の画像が得られない場合が生じたり、現像剤単位重量当たりの帯電量が低下し、現像剤層の層形成維持性が低下し、画像にカブリやダートが発生する場合がある。
得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
トナー粒子の好ましい粒度分布としては、粒径4μm以下のトナー粒子の占める割合が、30個数%以下の場合であり、20個数%以下の場合がより好ましく、15個数%以下の場合が更に好ましい。
また、上記体積平均粒径D50vを求めるときと同様に、小粒径側から体積累積分布を引いた場合に累積84%となる粒径をD84vとし、小粒径側から個数累積分布を引いた場合に累積16%となる粒径をD16p、50%となる粒径をD50p(個数平均粒径)とすると、粗粉側粒度分布指標=D84v/D50vが1.25以下であることが好ましく、1.23以下であることがより好ましい。また、微粉側粒度分布指標=D50p/D16pが1.40以下であることが好ましく、1.35以下であることがより好ましい。
特に、上記粒度分布を有するトナー粒子とするには、風力分級機の方法を用いることが好ましく、この方法において微粉/粗粉を同時に取り除くことが特に好ましい。
トナー粒子は、本発明にかかるトータルエネルギー量とするために、なるべく球形に近い形状とすることが好ましい。下記式(2)で表されるトナー粒子の形状係数SF1は、160以下であることが好ましく、155以下であることがより好ましい。
トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナー粒子の光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーの最大長と投影面積を求め、上記式(2)によって計算し、その平均値を求めることにより得られるものである。SF1は100に近づくほど真球とみなされ、数値が大きくなるほど粒子の最大長さと最小長さに大きな差を有し、楕円形になることを意味する。
本発明に用いられる現像剤は、公知の製造方法に従って製造することができる。前記製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜決定することができる。
例えば、結着樹脂と着色剤、所望により帯電制御剤等を予備混合した後、混練機にて溶融混練し、冷却後粉砕した後、上述のように振動篩分機や風力篩分機等を用いて分級を行う、混練粉砕方式を用いて製造することができる。
また、湿式球形化法、懸濁造粒法、懸濁重合法、乳化重合凝集法等によって製造することができる。
熱処理の方法は特に制限されないが、熱風処理(例えば、日本ニューマチック社製のメテオレインボーMR型など)を行うことが好適である。熱処理の温度や時間は、熱処理装置の形態やトナー中の結着樹脂のガラス転移温度や融点、更には分子量等によるので一概に言うことができないが、結着樹脂が融点を有する場合、融点+50℃以上、ガラス転移温度の場合はガラス転移温度+150℃以上程度で、数秒から数分となるように熱処理を行うことが好ましい。なお加熱温度は高いほど球に近い形状になるが、同時に内部のワックスがトナー表面に移行しやすくなり、また形状も粒子間の差が大きくなるため、より低い温度で時間をかけて形状を整える方が好ましい。
次に、本発明の磁性一成分現像剤を用いた現像方法及び現像装置について説明する。
本発明の磁性一成分現像剤を用いた現像方法は、磁石を内蔵する現像剤担持体上に層規制部材により所定層厚の現像剤層を形成し、電界を印加することによって、前記現像剤層を介して、静電潜像担持体上の潜像を現像する方法である。
現像装置10は、現像剤Dを収容する現像剤収容室18と、現像ロール(現像剤担持体)20を収容する現像ロール収容室22とからなるハウジング24を備えている。このハウジング24には、現像剤収容室18と現像ロール収容室22とを連通する開口部が形成され、この開口部を通じて現像剤収容室18から現像ロール収容室22へ、攪拌部材26で攪拌された現像剤Dが供給される。
基体としては、その材質、形状、構造等は目的に応じて適宣選択することができるが、形状としては円筒状等が一般的であり、材質としては、例えば、アルミニウム、銅、無電解銅、ニッケル、無電解ニッケル、ニッケル−カドミ拡散、硬質クロム、黒色クロム、金、銀、ロジウム、白金、パラジウム、ルテニウム、錫、インジウム、鉄、カドミウム等が挙げられる。酸化膜としては、アルミニウムの酸化膜であるアルマイト処理が最も広く用いられているが、他にもモリブデン酸、鉄、銅等の酸化物でもよい。
樹脂層としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレア、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。また、樹脂そうに導電剤を分散させることもできる。
このゴム部材32Aとしては、例えば、シリコーンゴム,ウレタンゴム、ブタジェンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジェンゴム、ブチルゴム、ニトリルブタジェンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロロヒドリンゴム等を用いることができる。
現像剤は、現像剤収容室18内において攪拌部材26の回動により攪拌、搬送され、開口部を通じて現像剤収容室18から現像ロール収容室22へ供給可能にする。この現像剤は現像スリーブ30表面に磁石ロール28の磁力により付着した後、層形成ブレード(層規制部材)32の突き出し量と当接圧により層厚が規制され、かつ、摩擦帯電される。摩擦帯電されスリーブ上に搬送された現像剤は帯電量に応じて静電潜像担持体(感光体ドラム)12へ移動し現像される。
現像剤は、現像剤担持体上の静電潜像に対応した部分は消費されるが、それ以外の部分は消費されずに現像機内部に回収される。未消費現像剤は現像剤供給部材によって一部剥離され、残りの現像剤担持体上の現像剤は新たに現像剤供給部材によって供給された現像剤と共に層形成ブレード32を通過して再度層形成される。
前述のトータルエネルギー量差の範囲内に無い現像剤は、現像装置内で静電気力が均一になっておらず、現像剤担時体に均一に付着し難い。
本発明の画像形成方法は、少なくとも、静電潜像担持体を帯電する帯電工程と、帯電した静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤で現像しトナー像を前記静電潜像担持体上に形成する現像工程と、前記トナー像を転写材上に転写して未定着の転写画像を形成する転写工程と、転写材上に転写された前記未定着の転写画像を定着する定着工程と、を有する画像記録方法である。なお、現像工程で用いる現像剤は、上記トータルエネルギー量を有する現像剤である。
これらの各構成部材、すなわち、静電潜像担持体(電子写真感光体、感光体ドラム)12、帯電手段40、潜像形成手段42、現像手段10、転写手段44、定着手段46、クリーニング手段48、更に除電手段(図示せず)等については、本発明において、特に制限されるものではなく、従来公知の如何なる構成のものも問題なく使用することができる。また、図5における帯電手段40は接触型で示しているが、勿論非接触型であってもよい。なお、図5で示す現像手段10は、図4に示す現像装置である。
まず、実施例、比較例で用いた現像剤等の物性測定方法について説明する。
核スライドグラス上に散布したトナー粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラを通じて画像解析装置(LUZEXIII、ニレコ社製)に取り込み、1000個について、最大長及び面積から、個々の粒子について上記式(2)からSF1を算出し、平均値を求めた
測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して、粒径を測定した。
また、トナー粒子については、粒径4μm以下の粒子の占める割合を上記得られた粒度分布から求めた。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、JIS K 7121−1987(プラスチックの転移温度測定法)に記載の9.3ガラス転移温度の求め方におけるTigを結着樹脂のガラス転移点(Tg)とした。装置としては示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC−50)を用い、昇温速度3℃/分の条件下で測定することにより求めた。
重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した。GPCは、HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)を用い、カラムは、TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製、6.0mmID×15cm)を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度を0.5質量%、流速を0.6ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
樹脂酸価(AV)は以下のようにして測定した。基本操作はJIS K−0070−1992に準ずる。
試料は予め結着樹脂のTHF不溶成分を除去して使用するか、上記のTHF不溶分の測定で得られるソックスレー抽出器によるTHF溶媒によって抽出された可溶成分を試料として使用した。試料の粉砕品1.5gを精秤し、300mlのビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液100mlを加え溶解させた。自動滴定装置GT−100(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて、0.1mol/lのKOHのエタノール溶液により電位差滴定を行った。この時のKOH溶液の使用量をA(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。これらの値から、下記式により酸価を計算した。下記式中、wは精秤した試料量、fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(A−B)×f×5.61}/w
<母体トナーの作製>
(トナー母粒子(1)の作製)
・結着樹脂:スチレン−アクリル酸n−ブチル(モノマー重量比=84:16)共重合体樹脂(Mw=75000、Tg=60℃)・・・52重量部
・マグネタイト ・・・45重量部
(商品名:MTH009F 戸田工業社製)
・カルナウバワックス ・・・3重量部
(商品名:RC160、東亜化成社)
さらにこの粉砕物をエルボージェット(松坂貿易社製、EJ−Labo)にてカットポイント5.8μmと7.2μmで3回分級して、D50v:6.5μm、D84v/D50v:1.23、D50p/D16p:1.25、粒径4μm以下の占める割合:8個数%、のトナー母粒子(1)を得た。このトナーの平均トナー形状係数は151であった。
・母体トナー粒子(1)・・・・・・・・・100重量部
・HMDS処理シリカ・・・・・・・・・・1.0重量部
(粒径7nm、商品名RX300、日本アエロジル社製)
・酸化チタン・・・・・・・・・・・・・・0.2重量部
(粒径50nm,商品名STT−65、チタン工業社製)
得られた外添トナー((1)のトータルエネルギー量を、既述の方法によってパウダーレオメーターFT4(freeman technology社製)を使用して測定したところ、通気しないで測定した場合と、通気量10ml/minの状態で測定した場合の外添トナー(1)のトータルエネルギー量差は510mJであった。
実施例1の外添トナー(1)の作製において、外添剤として添加したシリカ及び酸化チタンの量を表1に示すように変更した以外は同様にして、外添トナー(2)〜(8)を作製した。得られた外添トナー(2)〜(8)のトータルエネルギー量差を表1に示す。
母体トナーの作製のカルナウバワックスをポリエチレンワックス(Polywax800:東洋ペトロライト社製)に変更した以外は同様にして母体トナーの作製し、実施例1の外添剤と同じ条件で外添トナー(9)を作製した。得られた外添トナー(9)のトータルエネルギー量差を表1に示す。
実施例1のトナー母粒子(1)の作製において、得られた粉砕物をエルボージェットにてカットポイント5.8μmと7.2μmで3回分級したところを、カットポイント4.7μmと6.5μmで4回分級した以外は同様にして、トナー母粒子(2)を得た。このトナー母粒子(2)は、D50v:5.6μm、D84v/D50v:1.24、D50p/D16p:1.28、粒径4μm以下の占める割合:29個数%、平均トナー形状係数SF−1:150であった。
また、実施例1の外添トナー(1)の作製において、トナー母粒子(1)をトナー母粒子(2)に変更し、外添剤として添加したシリカ及び酸化チタンの量を表1に示すように変更した以外は同様にして、外添トナー(10)を作製した。得られた外添トナー(10)のトータルエネルギー量差を表1に示す。
実施例1の外添前のトナーの作製時の分級回数を2回にし、外添トナー(1)の作製において、HMDS処理シリカ(粒径7nm、商品名RX300、日本アエロジル社製)1.0重量部用いたところを、シリコーンオイル処理シリカ(粒径12nm、商品名RY200、日本アエロジル社製)1.2重量部に変更した以外は同様にして、比較の外添トナー(1)を作製した。得られた比較の外添トナー(1)のトータルエネルギー量差を表1に示す。
比較例例1の外添トナー(1)の作製において、外添剤として添加したシリカ及び酸化チタンの量を表1に示すように変更した以外は同様にして、比較の外添トナー(2)〜(3)を作製した。得られた比較の外添トナー(2)〜(3)のトータルエネルギー量差を表1に示す。なお、比較例3は、トータルエネルギー量差は400mJ〜600mJの範囲内ではあるが、酸化チタン含有量が1.0%である。
特開2000−172003号公報の実施例1のトナーを、同公報に記載の方法で作製して、比較の外添トナー(3)を得た。得られた比較の外添トナー(3)のトータルエネルギー量を表1に示す。
得られた実施例1〜10及び比較例1〜4の外添トナーを用いて、Fuji Xerox社製DocuPrint 340Aの改造機により、以下に示す条件にて、下記コピーテストを行った。
・現像バイアス(AC):1.8kVp−p(周波数2.4kHz)
・現像バイアス(DC):−350V
・V High:−470V、V Low:−100V
・静電潜像担持体:有機感光体
・静電潜像担持体と現像剤ロール(現像担持体)との間隔:300μm
・層形成ブレード:ウレタンゴム、線圧0.45N/cm
・試験環境:10℃/15%RH(L−L)及び28℃/85%RH(H−H)
・現像剤担持体の周速:204mm/sec
10℃/15%RH環境下と、28℃/85%RH環境下において、エリアカバレッジ100%のベタ画像を3枚連続で印画し、得られた3枚目の画像について、X−rite社製の反射濃度計X−rite404Aにて画像濃度を測定した。
画像濃度は大きいほうが良いが、必要な画像濃度は1.2以上である。
上記画像濃度の評価で得られた1枚目と100枚目の画像について、用紙中央部における用紙搬送方向先端から後端までの距離を均等に10点取り、その箇所をX−riteにて画像濃度を測定したときの用紙内での濃度差△D(最大濃度−最小濃度)を求めた。△Dは少ないほうがよいが、許容できる範囲は0.10以下である。
10℃/15%RH(L−L)環境下において、静電潜像担持体へのレーザー光の書き込み密度が20%・35%・50%・65%・80%・100%の段階的ハーフトーン画像を出力し、目視評価を行い、濃度ムラ未発生を◎、わずかに発生しているものの許容できるものを○、発生しているが許容レベルのものを△、明らかに判別でき許容できないレベルを×とした。
現像装置から現像剤が噴出していないか、100枚印画後に、装置内を目視で確認した。
◎:問題なし。
○:僅かに噴出しが確認できる程度である。
△:噴出しは確認できるが、許容範囲である。
×:噴出し問題があり、許容できない。
12 静電潜像担持体(感光ドラム)
20 現像剤担持体(現像ロール)
26 攪拌部材
32 層規制部材
40 帯電手段
42 潜像形成手段
44 転写手段
46 定着手段
Claims (3)
- 磁石を内蔵する現像剤担持体上に、層規制部材により所定層厚の現像剤層を形成し、電界を印加することによって、前記現像剤層を介して静電潜像担持体上の潜像を現像する現像方法に用いる磁性一成分現像剤であって、
体積平均粒径が、5.0〜7.0μmであり、
酸化チタン粒子の含有量が、0.3質量%以下であり、
且つ、パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/sec、回転翼の進入角度−5°で現像剤のトータルエネルギー量を測定するときに、通気を行わない場合と通気量を10ml/minとした場合のトータルエネルギー量の差が、400mJ〜600mJであることを特徴とする磁性一成分現像剤。 - 更にワックスを含み、該ワックスの融点が70℃〜100℃であることを特徴とする請求項1に記載の磁性一成分現像剤。
- 静電潜像担持体を帯電する帯電工程と、帯電した静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤で現像しトナー像を前記静電潜像担持体上に形成する現像工程と、前記トナー像を転写材上に転写して未定着の転写画像を形成する転写工程と、転写材上に転写された前記未定着の転写画像を定着する定着工程と、を有する画像記録方法であって、
前記現像剤が、請求項1又は請求項2に記載の磁性一成分現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
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JP2009109941A (ja) * | 2007-11-01 | 2009-05-21 | Canon Inc | トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ |
US11599036B2 (en) * | 2019-08-29 | 2023-03-07 | Canon Kabushiki Kaisha | Toner |
-
2006
- 2006-10-04 JP JP2006272730A patent/JP2007148373A/ja active Pending
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