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JP2006307370A - コールドセット型オフセット用新聞用紙 - Google Patents

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JP2006307370A JP2005129894A JP2005129894A JP2006307370A JP 2006307370 A JP2006307370 A JP 2006307370A JP 2005129894 A JP2005129894 A JP 2005129894A JP 2005129894 A JP2005129894 A JP 2005129894A JP 2006307370 A JP2006307370 A JP 2006307370A
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Abstract

【課題】白色度が高く、印刷後光沢度に優れ、高精細印刷、特にFMスクリーン印刷に適したコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙の提供。
【解決手段】原料パルプ中に機械パルプ50質量%以上含有し、白色度が73%以上の原紙の片面或いは両面に顔料とバインダーを主成分とする塗工組成物を塗工量で片面当り0.7〜4.0g/m2 の範囲で塗工され、パーカープリントサーフで20kgf/cmのクランプ圧の表面粗さが4.0〜7.0μm、4.08MPaに加圧したときの歪が0.2以上、印刷光沢度が15%以上であるコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、コールドセット型オフセット用新聞用紙に関する。さらに詳しく述べれば、本発明は、白色度が高く、印刷後光沢度に優れ、高精細印刷、特にFMスクリーン印刷に適したコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙に関する。
近年、新聞印刷はカラー化高速化が急速に進んでおり、その結果として、印刷媒体である用紙に関しても、より優れたカラー印刷適性や印刷作業性を有する新聞用紙が求められている。新聞用紙のカラー印刷は、新聞印刷という即時多量印刷の必要性とコストの問題から浸透乾燥型のインキをコールドセット型高速輪転印刷機で印刷するという条件で行わなければならない。
従来の新聞用紙では、カラー印刷した場合に、用紙の同一表面に多量のインキが付与されるためセットオフ、裏抜けなどの問題が発生しやすく、通常の印刷用塗工紙に比べて色や鮮明性が著しく劣るものであった。
そのため、新聞社においては新聞の中のカラー面やカラー刷り込み広告、チラシなどの印刷の場合には通常の印刷用塗工紙を用いて別印刷を行うため、輪転印刷機からの新聞として折り込まれる工程とは別の工程を要していた。
カラー印刷においては写真同等の精細性が求められ、きめの細かさ、鮮やかさ、深みが求められるようになり、ドットの小ささと配列特徴があるFMスクリーンを用いた高精細印刷が用いられるようになってきている。
現状の新聞用紙上に顔料塗工層を設けた場合でも、通常の印刷用塗工紙を用いた場合でも、アフタードライヤーをもたない、コールドセット型の輪転機を用いた場合には、インキが乾燥しないためインキのセットが著しく悪く、色や鮮明性のいいものは得ることができなかった。ましてや、ドットの小さく配列の不規則なFMスクリーン印刷に対応でるものは得ることができず、検討が続けられてきた。
特開2003-286686号公報(特許文献1)には1.0〜4.0g/cm2の塗工層を設け、紙中水分を4.5%以下にしたコールドセット印刷用塗工新聞用紙が記載されており、顔料塗工により白色度や平滑性の向上により印刷適性が改善されているが、一般の印刷用塗工紙同様にカレンダーによる平滑化処理が行われ、クッション性が低下しているため、高精細印刷には対応していない。
また、特開平11-200293号公報(特許文献2)には、水浸透性インク吸収性に特定値を有し、光沢のあるコールドセット型印刷用の顔料塗工新聞が記載されているが塗工量も多く(片面4g/m2以上)、高い光沢を出すために高温高圧カレンダー処理が行われているため、クッション性が低下し高精細印刷には対応していない。
また特開平5-98596号(特許文献3)では原紙に機械パルプを含有し、塗工層に沈降容積の大きいカオリンを用いた嵩高なオフセット用中質塗工紙が開示されているが、嵩高なカオリンを使用した場合には印刷光沢がでにくいため高精細なFMスクリーン印刷には適さない。
新聞印刷用紙として、軽量であり、高速印刷に適応し、さらに高精細であるという要素を同時に満足させる方法は確立されるに到っていないのが現状である。
特開2003−286686号公報 特開平11-200293号公報 特開平5−98596号公報
本発明は、白色度が高く、印刷後不透明度に優れ、高精細印刷、特にFMスクリーン印刷に適したコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙を提供することを目的とする。
本発明者等は、かかる現状に鑑み鋭意研究を重ねた結果、原紙のクッション性と塗工層のバランスについて検討し、原紙を構成するパルプとして機械パルプを用い、クッション性を向上させ、顔料とバインダーを特定の範囲で塗工することにより、塗工紙の表面平滑性は低くとも、オフセット印刷に際し印圧が加えられたときに平坦化作用が働き、インキ着肉性が得られるだけでなく、クッション性とそれほど高くない平滑度の相互作用によりセットオフが向上し、高精細印刷にも対応可能であるということを見出し本発明を完成するに到った。
本発明は以下の発明を包含する。
(1)原料パルプ中に機械パルプ50質量%以上含有し、白色度が73%以上の原紙の片面或いは両面に顔料とバインダーを主成分とする塗工組成物を塗工量で片面当り0.7〜4.0g/m2 の範囲で塗工され、パーカープリントサーフで20kgf/cmのクランプ圧の表面粗さが4.0〜7.0μm、4.08MPaに加圧したときの歪が0.2以上、印刷光沢度が15%以上であることを特徴とするコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙。
(2) JIS P 8118による緊度が0.50〜0.70g/cm3 の範囲にある(1)記載のコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙。
(3)前記塗工量は原紙の両面に1.5g/cm2未満である(1)又は(2)に記載のコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙。
(4)前記塗工組成物中の接着剤がコアシェル型のラテックスである(1)〜(3)のいずれか1項記載のコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙。
(5)前記機械パルプのうち加圧ストーングランドパルプ(PGW)が30質量%以上であり、過酸化水素とソジウムハイドロサルファイトによって漂白され、白色度80%以上である(1)〜(4)のいずれか1項記載のコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙。
本発明の原紙に用いられる機械パルプとしては、ストーングランドパルプ(GP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、レファイナーグランドウッドパルプ(RGP)及びサーモメカニカルパルプ(TMP)の半晒及び/或いは晒パルプが単独で或いは混合して用いられる。
これら機械パルプは漂白により白色度78%以上にすることが好ましい。漂白の方法に特に限定はないが強度や嵩の低下を抑えるためには過酸化水素だけでなく、ソジウムハイドロサルファイトとの2段で漂白することが好ましい。これらの機械パルプは、原紙の全パルプ中に50質量%以上、好ましくは70質量%以上配合されることが好ましい。機械パルプが50質量%未満になるとクッション性とインクの吸収性が低下するため好ましくない。
機械パルプを混合して使用する場合の使用比率は(PGW+GP+RGP):TMP=100:0〜50:50の範囲とするのが好ましい。PGWとGPとRGPの合計の配合比率が50未満では平滑性とインキ着肉性が劣るので不適であり、TMPは50%を越えると、クッション性には寄与するが平滑性が低下し、インキの着肉性が劣るので好ましくない。機械パルプの中でPGWは30質量以上用いることにより、クッション性と表面平滑性をえることができる。
PGWに使用する材種としては、パイン系よりもスプルース系の針葉樹材の方が適している。PGWは、繊維に結束を含まず、柔軟性があり、繊維長分布でみると、GP及びTMPより中間繊維を多く含有し、しかもフィブリル化されているので、このパルプを用いることにより原紙の平滑性及び圧縮性が向上する。これによって、塗工組成物液を原紙の表面に塗工する際の塗工ムラが改善され、印刷用紙の光沢が出やすくなり、更に印刷時のインキ着肉性が改善できるので、美麗で見栄えの良い印刷物を得ることが可能となる。
TMPに使用する材種としては、スプルースとパインの混合材よりパイン系単独材の方が好適で、他にはラジアータパイン、ポンデローサパイン等の針葉樹材が好適に使用できる。繊維形状は、プレスチーミングによって軟化状態にされた木材チップが加圧レファイニングされるので、解繊状態が良好であり、繊維のカッティング及び結束の少ない良好な長繊維が得られる。このため、TMPを原紙に含有させると一般に緊度が低くなり、嵩高な原紙を製造するのに好都合である。
本発明では、前記のごときGP、PGW、RGP及びTMPからなる機械パルプの少なくとも一種と併用できるパルプとしては、DIP(脱インキ古紙パルプ)、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)及びLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)などで、前記機械パルプとともに用いて原紙の白色度を73%以上にできるものであれば特に限定はないがクッション性や濾水性、強度の点からはNBKPを使用することがこのましい。塗工原紙を抄造するに際しては、紙力増強剤、サイズ剤、填料、染料、歩留向上剤などの抄紙用補助薬品が必要に応じ適宜添加され、原紙の灰分が12質量%以下となる如く通常の抄紙機において抄造される。灰分は紙当り1〜10質量%の範囲が好ましく、12質量%を越えると紙力が低下するので、本発明には不適である。
さらに、塗工用原紙の緊度は、0.45〜0.65g/cm3 の範囲が好ましい。にパルプの種類、フリーネス、含有量及び抄紙条件を適宜組み合わせて調整される。原紙の緊度が0.65/cm3 を越えると、所望の厚みを得るためにはパルプ使用量を多くしなければならず、必然的に原紙の坪量が高くなるので軽量化を達成することが出来なくなる。一方、緊度が0.45g/cm3 未満では、印刷表面の仕上がりが十分満足する水準に達せず、極端に低い緊度の原紙は製造することすら極めて困難となる。
本発明では顔料とバインダー、添加助剤からなる塗工用組成物を片面或いは両面に、片面あたり0.7〜4.0g/mの範囲で塗工する。塗工後の平滑度がパーカープリントサーフで20kgf/cm2のクランプでの測測定値が4.0〜7.0μmであり、圧縮性、本発明の場合、パーカープリントサーフ(PPS)にて10kgf/cm2及び20kgf/cm2の種類のクランプ圧を用いて表面粗さを測定し、その表面粗さの比を用いてあらわされるものであり、その値が1.2以上が好ましい。
本来、印刷用紙の平滑性は高いほうがいいと考えられるが新聞用紙の場合、高速のコールドセット型の輪転機では平滑が高いと、すべりや、セットオフに影響し、印刷後の汚れに影響する。平滑が低いと高精細のFMスクリーン印刷の微細な網点形状に影響を及ぼすため好ましくない。
本発明では原紙と塗工組成物のバランスにより、塗工後にカレンダー処理を施すことなく、又は、軽度のカレンダー処理で平滑性を得ることが可能なため、顔料塗工新聞でありながら0.5〜0.70g/cm2の密度の低い、高精細印刷が可能なコールドセット型新聞印刷用紙を得ることが可能である。高精細印刷の鮮明性を高めるために白色度は75以上が好ましく、さらに80以上が好ましい。
FMスクリーン印刷においては、20〜30μm程度の微少な網点で階調を表現する印刷方式である。印刷部ではブランケット同士またはブランケットと圧胴間で加圧され、版からブランケットに転写された微少な網点が紙面に転写されるが、この時にクッション性が低いとインキの転写がうまくいかず、網点が欠けたり、抜けたりする現象が発生し、印刷面の鮮明さが失われてしまう。また、平滑度が低い場合も同様に、転写不良が発生しやすくなる。カレンダー処理を強くして平滑性を高めることで上記欠点は解消されるが、同時にインキの吸収性が極端に悪くなることでドットゲインが大きくなったり、後段のロールに付着したインキが紙面を汚したりすることがある。本発明においては、比較的少量の顔料塗工をすることで、加圧下のミクロな平滑性が向上し、クッション性と適度なインキ吸収性を両立しながらも微少な網点の再現が可能となった。
本発明ではカレンダー処理をしない、あるいは、軽度のカレンダー処理を行い、紙のクッション性としては4.08MPaに加圧したときの歪が0.2以上に制限することにより、印刷面のインキ転移性に優れ、ドットが小さく、配列に特徴のある高精細印刷に対応することが可能であり、かつ、セットオフが向上し、擦れ汚れ等の印刷面汚れを少なくするという両面の特徴を実現可能としている。4.08MPaに加圧したときの紙厚変化をレーザー変位計で測定し、紙の厚さで除したものを歪として計算したものであり、紙のクッション性を表したものである。通常、クッション性の劣る紙で、印刷面のインキ転移性を向上させる場合、カレンダー処理を強くし平滑性を高めることで対応できるが、セットオフが劣り、擦れ汚れ等の印刷作業性の問題が発生する。また、クッション性の劣る紙で、セットオフ、擦れ汚れ対応のため、カレンダー処理をしない、あるいは、軽度のカレンダー処理を行った場合、印刷面のインキ転移性が劣り、ドットが小さく、配列に特徴のある高精細印刷に対応することはできない。本発明では紙のクッション性として4.08MPaに加圧したときの歪が0.2以上とすることで、インキ転移性に優れ、かつ、セットオフに優れる、相反する両者の特徴を可能とした。
本発明で使用する顔料については平滑度とクッション性、白色度、印刷光沢に影響を及ぼさないものであれば特に限定はされないが、印刷光沢の向上に寄与し、塗工工程で配向し易く、塗工層のパッキング効果により適度なインキ保持性を発現する点でカオリン、特に粒径が微粒のものがこのましい。白色度は高ければ高いほど好ましい。特に粒系0.5〜1.5μmの範囲で白色度では86〜90%のものが好ましい。
微粒カオリンの配合率は50%以上がのぞましく、平滑度、白色度、光沢度、吸油性のバランスをとるため、適宜、焼成カオリン、エンジニアードカオリン、重質および軽質炭酸カルシウムを混合して使用する。
本発明の塗工組成物に用いられるバインダーは、特に限定されるものではなく、澱粉及び酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン化澱粉等の変性澱粉、セルロース誘導体のような天然接着剤、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル又はメタクリル酸エステルの共重合体ラテックス及びエチレン・酢酸ビニル共重合体のような酢酸ビニル共重合体ラテックスといったアルカリ非感応性、或いはアルカリ感応性の合成樹脂エマルジョン等の合成樹脂接着剤の如き通常の印刷用紙用接着剤の一種類又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。中でもスチレン・ブタジエン共重合体ラテックスが強度と印刷光沢度発現のため好ましく、コアシェル型のものが強度とネッパリ性をバランスさせることができるため好ましい。
一般に塗工組成物に配合される分散剤、耐水化剤、潤滑剤、防腐剤、消泡剤、保水剤、染料等の各種添加助剤が本発明のために必要に応じて適宜配合される。所望の表面強度、インキ着肉、白紙光沢度、印刷後光沢度、平滑度、白色度、不透明度等を得るための配合は前記顔料、バインダー及び添加助剤の種類及び添加量を変えることにより行なわれる。
塗工の方法については特に限定されるものではなく、ゲートロールコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター等の公知の塗工設備が用いられる。本発明では、前記した塗工組成物を原紙に塗工する際、その塗工量は片面塗工量で0.7〜4.0g/m2 の片面或いは両面塗工となる如く、オンマシン或いはオフマシンで塗工される。作業効率を考えればオンマシン塗工が好ましい。
片面あたりの塗工量が0.7g/m2 未満では、印刷面の仕上がりが十分満足できず、4.0g/m2 を越えると、インキ着肉性には好ましいが、コールドセット型オフセット輪転の場合にはセットオフがわるくなるため好ましくない。
セットオフを考えれば塗工量は少ないほうが好ましく、1.5g/m未満のものが特に好ましい。
本発明のコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙は原紙と塗工組成物の白色度、クッション性等のバランスにより、高精細なFMスクリーン印刷にも利用可能であり、塗工新聞でありながら密度が0.5〜0.7という低密度で、白色度75%以上、好ましくは80%以上で、印刷光沢が15%以上というものである。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、勿論これらに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例において%及び部とあるのは、すべて重量%及び重量部を示す。
実施例1
原紙を構成するパルプ組成を白色度80%のNBKP(585C.S.F.)30%、白色度80%のPGW(35mlC.S.F. )45%、白色度75%のGP(60mlC.S.F. )25%とし、原紙中の灰分が6%となる如く、軽質炭酸カルシウム(粒径4.8μm)およびホワイトカーボン(粒径23μm)を添加し、さらに内添用紙力増強剤として カチオン化澱粉(王子コーンスターチ社製 エースK100N)をパルプ当り1.5%及びサイズ剤(荒川化学社製 NT-73)をパルプ当り0.03%、蛍光染料(日本化薬社製 カヤホールBHT)を0.25%、硫酸バンドをパルプ当り1.5%添加して中質紙、オフセット印刷用紙および新聞用紙が抄造可能なツインワーヤー抄紙機により、坪量49.0g/m2 、白色度78%の原紙を製造した。
なお、PGW、GP、TMPは過酸化水素・苛性ソーダ・珪酸ソーダを添加し、蒸気で加温して50℃で4時間以上滞留させ漂白後、重亜硫酸ソーダで残過酸化水素と反応させ、硫酸でpH調整後、ソジウムハイドロサルファイトで漂白した。
微粒子カオリン(ミラグロスJ、平均粒径1.43μm)100部、顔料100部当り分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(東亜合成社製 アロンT−40)0.05部を添加し、固形分濃度70%になる如く水を添加して高速攪拌用デリッターにおいて分散後、さらにバインダーとしてカルボキシ変性スチレン−ブタジエン系共重合ラテックス(日本合成ゴム社製 T−2635(R))を8.6部及び酸化変性澱粉(王子コンスターチ社製 王子エースA)8.5部を添加混合した。さらに耐水化剤(住友化学社製 スミレーズSPI−102A) 0.15部、 潤滑剤 (サンノプコ社製 SP8004SP) 0.23 部、 防腐剤 (栗田工業社製 クリノックス757) 0.04部、 消泡剤 (サンノプコ社製 DEF−122NS) 0.02部、 蛍光染料(日本化薬社製 カヤホールBHT) 0.5 部を顔料100部当り添加して混合し、さらに5%濃度の苛性ソーダ水溶液を用いて混合液のpHを8.5に調整して、最終的に固形分濃度が40%の塗工組成物を製造した。
上記の塗工組成物を片面あたり、乾燥塗工量 1.4g/m2でブレード塗工方式で塗工し、坪量51.8g/m2、平滑度16秒のコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙を得た。
実施例2
塗工量を0.8g/m2とし、ゲートロール塗工方式で塗工した以外は実施例1と同様にして、坪量50.6g/m2、平滑度13秒のコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙を得た。
実施例3
塗工量を2.8g/m2とした以外は実施例1同様にしてブレード塗工方式で塗工し、坪量54.6g/m2、平滑度19秒のコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙を得た。
実施例4
スーパーキャレンダーにより平滑度を25秒とした以外は実施例1同様にして、コールドセット型オフセット印刷用新聞用紙を得た。
実施例5
原紙を構成するパルプ組成を白色度80%のNBKP(585C.S.F.)40%、白色度80%のPGW(35mlC.S.F. )50%、白色度75%のGP(60mlC.S.F. )10%とし、原紙中の灰分が8%となる如く、軽質炭酸カルシウム(粒径4.8μm)およびホワイトカーボン(粒径23μm)を添加した以外は、実施例1同様にして、ゲートロール塗工方式で片面あたり、乾燥塗工量 1.4g/m2で塗工し、坪量51.8g/m2のコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙を得た。
実施例6
微粒子カオリン(ミラグロスJ、エンゲルハード社製、平均粒径1.43μm)50部、エンジニアードカオリン(パラプリント、PPSA社製、平均粒径1.50μm)30部、軽質炭酸カルシウム(TP123、奥多摩工業社製)とし、顔料100部当り分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(東亜合成社製 アロンT−40)0.05部を添加し、固形分濃度70%になる如く水を添加して高速攪拌用デリッターにおいて分散後、さらにバインダーとしてカルボキシ変性スチレン−ブタジエン系共重合ラテックス(日本合成ゴム社製 T−2635(R))を7.0部及び酸化変性澱粉(王子コンスターチ社製 王子エースA)5.0部を添加混合した以外は実施例1同様にしてブレード塗工方式で塗工し坪量51.8g/m2、平滑度16秒のコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙を得た。
比較例1
塗工量を0.5g/m2とした以外は実施例1同様にして、ブレード塗工方式で塗工し、坪量50.0g/m2のコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙を得た。
比較例2
原紙を構成するパルプの組成を白色度80%のNBKP(585C.S.F.)40%の塗工量を4.5g/m2、白色度80%のPGW(35mlC.S.F.)25%、白色度75%のGP(60mlC.S.F.)25%、白色度78%のTMP(150C.S.F.)10%とし、塗工量を4.5g/mとした以外は実施例1同様にして、ブレード塗工方式で塗工し、坪量58.0g/m2のコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙を得た。
比較例3
原紙を構成するパルプ組成を白色度80%のNBKP(585C.S.F.)30%、白色度80%のLBKP(480mlC.S.F.)30%、白色度78%のDIP(350mlC.S.F. )40%とし、原紙中の灰分が14%となる如く、軽質炭酸カルシウム(粒径4.8μm)を添加し、さらに内添用紙力増強剤として カチオン化澱粉(王子コーンスターチ社製 エースK100N)をパルプ当り0.5%及びサイズ剤(荒川化学社製 NT-73)をパルプ当り0.03%、硫酸バンドをパルプ当り0.5%添加して中質紙、オフセット印刷用紙および新聞用紙が抄造可能なツインワーヤー抄紙機により、絶乾坪量45.9g/m2 、白色度78%の原紙を製造した。
塗布剤として酸化変性澱粉(王子コンスターチ社製 王子エースAを使用し、澱粉塗布量を片面あたり0.4g/m2 とし、表面サイズ剤(荒川化学社製、ポリマロンOK20A)を片面あたり0.08g/m2 とし、ゲートロール塗工方式で塗工し、マシンカレンダーにて平滑度50秒、坪量53.3g/mとしたコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙を得た。
実施例1乃至実施例4及び比較例1乃至比較例3で得られたコールドセット型オフセット新聞用紙を次の試験並びに評価方法に従って分析し、結果を表1に示した。
Figure 2006307370
試験並びに評価方法
(1)紙厚並びに密度
JIS P 8118による。
(2)クッション性
加重測定
テンシロン万能試験機(ORIENTEC製、RTC-1250A)
圧縮試験条件:4.08MPa
圧縮速度 2mm/min
圧縮面積 2.158cm
厚さ測定部
拡散反射型レーザー変位計(キーエンス製 LC-2440)
データーロガー条件:
サンプリング速度5ms/1点
データー数(1カーブ)30000点
4.08MPaに加圧したときの歪みΔt/T
=4.08MPaに加圧したときの変位(Δt)/厚さ(T)
測定原理図を図1に示す。
(3)平滑度及び圧縮性
塗工紙の塗工面の同一地点をBS−6563(英国スタンダード)で規定されるPPS(パーカープリントサーフ)にて10kgf/cm2 及び20kgf/cm2 の2種類のクランプ圧力を用いて表面粗さ(ラフネス)を測定する。紙表面の被圧縮性を知る方法は、10kgf/cm2のクランプ圧力で測定した表面粗さの値を20kgf/cm2 のクランプ圧力で測定した表面粗さの値で除して求められる値を圧縮性とする。数値の大きいものほど圧縮性は高い。
(4)白色度
白色度は JISP8148 紙,板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法に依った。
(5)印刷光沢度
RI印刷試験機にて、印刷インキ(大日本インキ社製)を印刷面反射率が5%に内挿となるよう印刷を行い、23℃、相対湿度50%の雰囲気で1日間放置してインキを乾燥させ、光沢度計(GM−26D/村上色彩技術研究所製)を用いて75°光沢度を測定した。
(6)セットオフ
RI印刷試験機にて、印刷インキ(東洋インキ社製)を0.6cc使用して印刷を行い、3分後に白紙と印刷面を重ねて、再度RI印刷試験機にてニップし、白紙に転写したインキの濃度を目視評価した。評価は次の5段階評価で行った。5(優:濃度低)−1(劣:濃度高)なお、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
(7)FMスクリーン印刷適正
FMスクリーン印刷試験機にて印刷を行い、印刷面の着肉の程度を目視評価した。
評価は次の5段階評価で行った。5(優)−1(劣)
なお、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
クッション性測定原理図

Claims (5)

  1. 原料パルプ中に機械パルプ50質量%以上含有し、白色度が73%以上の原紙の片面或いは両面に顔料とバインダーを主成分とする塗工組成物を塗工量で片面当り0.7〜4.0g/m2の範囲で塗工され、パーカープリントサーフで20kgf/cmのクランプ圧の表面粗さが4.0〜7.0μm、4.08MPaに加圧したときの歪が0.2以上、印刷光沢度が15%以上であることを特徴とするコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙。
  2. JIS P 8118による緊度が0.50〜0.70g/cm3の範囲にあることを特徴とする請求項1記載のコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙。
  3. 前記塗工量は原紙の両面に1.5g/cm2未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙。
  4. 前記塗工組成物中の接着剤がコアシェル型のラテックスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙。
  5. 前記機械パルプのうち加圧ストーングランドパルプ(PGW)が30質量%以上であり、過酸化水素とソジウムハイドロサルファイトによって漂白され、白色度80%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のコールドセット型オフセット印刷用新聞用紙。

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