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JP2006273444A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェットプリンタに印刷媒体を吸着して供給する際、印刷媒体上及びその近傍の紙粉などのゴミを確実に除去する。
【解決手段】ゲートローラ23から給紙された印刷媒体2を、帯電された無端ベルト1上に供給して静電吸着搬送する際、電荷付与ローラ9に無端ベルト1と逆極性の直流電位を印加しておくことで、印刷媒体2上及びその近傍の紙粉などのゴミを帯電し、搬送方向下流で印字領域の前に、無端ベルト1と同極性且つ高電位に帯電させたゴミ吸着ローラ13で紙粉等のゴミを吸着して除去する。ゴミ吸着ローラ13には交流電位も同時に印加してゴミに微振動を発生させ、吸着しやすくする。また、ゴミ吸着ローラ13を印刷媒体2に対して完全に密着しないようにして、ゴミだけを効率よく吸着する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記録用紙等の印刷媒体を搬送ベルトの表面に吸着して搬送し、その印刷媒体に、例えば複数色の液体インクの微粒子(ドット)を吐出出力して所定の文字や画像を描画するようにしたインクジェットプリンタに関するものである。
このようなインクジェットプリンタは、一般に安価で且つ高品質のカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジとインク吐出ヘッド(一般にインクジェットヘッドという)とが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が印刷媒体上をその紙送り方向と直交する方向に往復しながらアクチュエータを駆動することにより、そのインクジェットヘッドに形成されているノズルから液体インクの微粒子を吐出(噴射)することで、印刷媒体上に微小なインクドットを出力して所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色毎のインクジェットヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(更に、これらの各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、或いは8色のものも実用化されている)。
また、このようにキャリッジ上のインクジェットヘッドを紙送り方向と直交する方向(印刷媒体の幅方向)に往復させながら印刷を実行するようにしたタイプのインクジェットプリンタでは、1頁全体をきれいに印刷するためにインクジェットヘッドを数十回から100回以上も往復運動させる必要があるため、他の方式の印刷装置、例えば電子写真技術を用いたレーザプリンタ、複写機などに比べて大幅に印刷時間がかかるといった欠点がある。
これに対し、印刷用紙の幅と同じ寸法の長尺のインクジェットヘッドを配置してキャリッジを使用しないタイプのインクジェットプリンタでは、インクジェットヘッドを印刷用紙の幅方向に移動させる必要がなく、所謂1パスでの印刷が可能となるため、前記レーザプリンタと同様な高速な印刷が可能となる。なお、前者方式のインクジェットプリンタを一般に「マルチパス型インクジェットプリンタ」、後者方式のインクジェットプリンタを一般に「ラインヘッド型インクジェットプリンタ」と呼んでいる。
ところで、この種のラインヘッド型インクジェットプリンタでは、搬送用の無端ベルトに印刷媒体を吸着して搬送する構成がよく用いられている。一方、印刷用紙などの印刷媒体には、主として紙粉からなるゴミが付着しており、この紙粉がインクジェットヘッドのノズルに付着すると、飛行曲がりを始めとするインク吐出不具合が発生する。飛行曲がりとは、ノズルから吐出されるインク滴が理想とする弾道で飛行せず、理想出力位置(着弾位置とも言う)からずれてしまうことを意味する。特に、ラインヘッド型インクジェットプリンタでは、所謂1パスで印刷を行うため、多数のノズルのうちの一つのノズルにインク吐出不具合が発生するだけで、印字結果が著しく低下してしまう。
そこで、下記特許文献1に挙げるインクジェットプリンタでは、インクジェットヘッドの移動方向斜め先方に向けて、当該印刷媒体にエアーを吹付けることにより、紙粉などのゴミを吹飛ばすようにしている。また、この特許文献1では、必要に応じて印刷媒体を接地して除電するようにしている。
特開2003−118095号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載される従来技術では、印刷媒体にエアーを吹付けて紙粉などのゴミを吹飛ばすだけであるから、ヘッドの移動に先立って、更にその前方に吹飛ばすからといって、吹飛ばされた紙粉などの飛んで行く先を完全に規定できるものではなく、再度ヘッドノズルの近傍に舞い落ちるものも多く、信頼性に欠けるものだった。また、前記特許文献1にも記載してあるとおり、紙粉などのゴミは、静電気力によってベルトや印刷媒体に付着しているものであるが、前記特許文献1では実際に除去したい紙粉などのゴミそのものの帯電電荷を除去する、或いは制御する方策を講じていないため、紙粉などを除去する信頼性は不十分なものであった。何れにしても、前記特許文献1に記載されるインクジェットプリンタでは、印刷媒体上の紙粉等のゴミを確実に除去できないという問題がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、印刷媒体上の紙粉などのゴミを確実に除去することが可能なインクジェットプリンタを提供することを目的とするものである。
[発明1]上記課題を解決するために、発明1のインクジェットプリンタは、搬送ベルトの表面に印刷媒体を静電気力で吸着して搬送し、その印刷媒体にノズルからインク滴を吐出して印字を行うインクジェットプリンタにおいて、前記搬送ベルト表面上の印刷媒体に当接しながら当該印刷媒体表面及びその近傍のゴミを帯電するゴミ帯電手段と、前記ゴミ帯電手段で帯電されたゴミを静電気力で吸着するゴミ吸着手段とを備えたことを特徴とするものである。
この発明1に係るインクジェットプリンタによれば、ゴミ帯電手段によって搬送ベルト表面上の印刷媒体に当接しながら、当該印刷媒体表面及びその近傍のゴミを帯電し、ゴミ吸着手段によって帯電されたゴミを静電気力で吸着する構成としたため、搬送ベルトが帯電していても、それより強い吸着力で印刷媒体表面及びその近傍のゴミを確実に除去することができる。
[発明2]発明2のインクジェットプリンタは、前記発明1のインクジェットプリンタにおいて、前記ゴミ吸着手段は、前記ゴミの帯電電位と逆の電位に帯電されたローラからなり、そのローラが印刷媒体に完全に密着しないようにして前記帯電されたゴミを吸着することを特徴とするものである。
この発明2に係るインクジェットプリンタによれば、ゴミの帯電電位と逆の電位に帯電したローラをゴミ吸着手段とし、そのローラが印刷媒体に完全に密着しないようにして帯電されたゴミを吸着する構成としたため、印刷媒体をローラからなるゴミ吸着手段に吸着することなく、ゴミだけを確実に除去することが可能となる。
[発明3]発明3のインクジェットプリンタは、前記発明2のインクジェットプリンタにおいて、前記ローラに交流電位を印加することを特徴とするものである。
この発明3に係るインクジェットプリンタによれば、ゴミ吸着手段を構成するローラに交流電位を印加することにより、印刷媒体表面及びその近傍のゴミに微振動を生じさせることができるので、搬送ベルトが帯電していても、ゴミを浮かせて確実に除去することが可能となる。
次に、本発明のインクジェットプリンタの一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略構成図である。図中の符号1は、印刷用紙等の印刷媒体2を搬送するための無端ベルトである。印刷媒体2は、前述したように印刷用紙やOHPシートのような高抵抗体製のシート状材である。また、無端ベルト1も、後述するような材料からなる表面が高抵抗体製の無端ベルトである。この無端ベルト1は、図の左端部に配設された駆動ローラ3と、図の右端部に配設された従動ローラ4とに巻回されている。駆動ローラ3は、図示しない駆動源によって図の矢印方向に回転駆動され、後述する帯電ローラで帯電された無端ベルト1に印刷媒体2を吸着した状態で、当該印刷媒体2を図の右方から左方に、つまり矢印方向に搬送する。従動ローラ4は、帯電電位を所定の値に設定するために接地されている。無端ベルト1は、図示しないテンションローラを用いて図の下方にベルトを広げる、或いは駆動ローラ3若しくは従動ローラ4の何れか一方を外側にバネでひく、等の構成により張力が調整され、弛みが出ないようにしてある。
無端ベルト1には、従動ローラ4に対向するようにして、帯電手段としての帯電ローラ7が当接されており、帯電ローラ7には直流電源8、この場合は(+)電極が接続されている。この帯電ローラ7の配置は、印刷媒体2の給紙位置の直前に相当する。帯電ローラ7は、前述したように、無端ベルト1の表面に電荷を与えて帯電し、その帯電電荷によって印刷媒体2に誘電分極を発生させ、その誘電分極による印刷媒体2の無端ベルト1側の電荷と無端ベルト1の表面の電荷とによる静電気力で印刷媒体2を無端ベルト1の表面に吸着する。なお、帯電ローラ7は図示しないバネで無端ベルト1に押圧してある。
従動ローラ4の上方には、電荷付与ローラ9が配設されている。この電荷付与ローラ9は、図示しないバネによって下方に付勢されており、印刷媒体2に圧接する構成となっている。この電荷付与ローラ9は、印刷媒体2の上方から圧接し、印刷媒体2とその面上及びその近傍に存在する紙粉等のゴミに電荷を与えて、ゴミ除去の準備を行う。更に、電荷付与ローラ9は、印刷媒体2を無端ベルト1に押さえつけることにより、印刷媒体2と無端ベルト1との間の微小な空隙をなくして密着力を上げ、更には印刷媒体の表面平滑性を高めてヘッドノズルとのギャップの均一性を向上させるので、印刷媒体2の搬送信頼性を高め、印字品質を向上する効果も併せ持つ。電荷付与ローラ9の印刷媒体2搬送方向上流側にはゲートローラ23が配設されている。このゲートローラ23は、給紙部24から給紙された印刷媒体2を無端ベルト1上に送給するタイミングを調整すると共に印刷媒体2の搬送方向に対する曲がり、所謂スキューを補正する。なお、図中の符号25は印刷媒体2を排出する排紙部である。
図1の符号11は、インクジェットヘッドである。このインクジェットヘッド11は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色、或いはそれらにライトマゼンダ(Lm)とライトシアン(Lc)を加えた6色、又はブルー(B)とレッド(R)を加えた6色、更にはグレーを加えた7色などの、必要な複数色の組合せの各色毎に、印刷媒体2の搬送方向にずらして配設されている。各インクジェットヘッド11には、図示しない各色のインクタンクからインク供給チューブを介してインクが供給される。各インクジェットヘッド11には、印刷媒体2の搬送方向と交差する方向に、複数のノズルが形成されており、それらのノズルから適宜必要箇所に必要量のインク滴を吐出することにより、印刷媒体2上に微小なインクドットを形成出力する。これを各色毎に行うことにより、無端ベルト1に吸着された印刷媒体2を一度通過させるだけで、所謂ワンパスによる印刷を行うことができる。即ち、このインクジェットヘッド11の配設領域が印字領域に相当する。
インクジェットヘッドの各ノズルからインクを吐出出力する方法としては、ピエゾ方式、サーマル方式等様々であるが、本発明は、何れのインク出力方法も適用可能である。
印字領域を構成するインクジェットヘッド11の下方には、当該インクジェットヘッド11に対向するようにして平面形成部12が設けられている。平面形成部12は、一般にプラテンと呼ばれ、インクジェットヘッド11からインク滴を吐出する際に、印刷媒体2の平坦面を規制するものである。
無端ベルト1は、基材となる樹脂として、ポリアミド系合成繊維、ポリエステル、ポリウレタン、PET、ポリカーボネートや、シリコン系、PVDF系等のフッ素系樹脂を適用し、これにカーボンブラックや導電性フィラーを混入させて、体積抵抗値を105〜108Ω・cm程度に調整し、その上に体積抵抗値を1012Ω・cm以上とした、厚さ数μm〜20μm程度の絶縁層を密着させ、全体の厚さを、耐久性と柔軟性、高速での帯電及び除電特性等を勘案して0.05〜0.5mm、より好ましくは0.1〜0.2mm程度に選定する。絶縁層の材質としては例えばポリウレタン、ポリイミド、シリコンゴム等の一般的な合成樹脂でよく、ナイロン系やポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン等を用いてもよい。一方、無端ベルト1を帯電させる方法は、前記帯電ローラ7でもよく、またローラに代えて、コロトロンなどのコロナ放電器を用いてもよい。従って、帯電ローラ7によって無端ベルト1の表面を(+)に帯電し、その表面に印刷媒体2を搭載すると、絶縁体からなる印刷媒体2内で厚さ方向に誘電分極が生じ、無端ベルト1の表面の電荷と誘電分極した印刷媒体2内の無端ベルト1側の電荷による静電気力で印刷媒体2は無端ベルト1の表面に吸着される。
図1に示した本実施形態では、前記インクジェットヘッド11の印刷媒体搬送方向上流側にゴミ吸着ローラ13が設けられている。また、前述したように、その上流側の電荷付与ローラ9には、帯電ローラ7と逆極性の直流電位、つまりこの実施形態の場合には(−)電位が印加されている。従って、電荷付与ローラ9によって、印刷媒体2の表面又はその近傍の紙粉などのゴミを無端ベルト1と逆極性に帯電する。ゴミ吸着ローラ13は、その帯電されたゴミを静電気力で吸着する。
電荷付与ローラ9は、印刷媒体2上又はその近傍の紙粉などのゴミを帯電するために、中抵抗体である必要がある。具体的には、NBR、EPDM、ウレタンゴム、CR等の基材に、カーボンブラックや導電性フィラーを混入して、抵抗値を、例えば体積抵抗値で105〜108Ω・cm程度の中抵抗値に管理する。このような中抵抗体からなる電荷付与ローラ9に直流(−)電位を印加して印刷媒体2を無端ベルト1に押し付けると、前述のように印刷媒体2が無端ベルト1に密着して吸着されると共に、印刷媒体2の表面又はその近傍の紙粉などのゴミが(−)電位に帯電する。電荷付与ローラ9は、電力や材料の無用な消費を防ぐために、印刷媒体2が無端ベルト1に吸着されて搬送される間だけ、印刷媒体2に対して当接するように、離接機構を備えると、なおよい。
無端ベルト1を挟んだゴミ吸着ローラ13の反対側にはバックアップローラ15が配設されている。ゴミ吸着ローラ13には、交流電位と(+)の直流電位とが印加されており、その平均値は、帯電された無端ベルト1の電位より高い。また、ゴミ吸着ローラ13にはスクレーパ16が当接しており、スクレーパ16の下方にはゴミ受け17が配設されている。(−)の電荷が降りかかったゴミGは(−)に帯電しており、これを、凡そ(+)に帯電されたゴミ吸着ローラ13で吸着する。交流電位を印加するのは、電界が短時間に連続的に変動するのを利用してゴミに微振動を与え、印刷媒体2や無端ベルト1からはがれ易くするためである。このとき、質量も小さく、印刷媒体2や無端ベルト1との接触面積も小さい紙粉等のゴミは、その全体に交流電位による振動を受けるので動きやすいが、一方、質量の大きい無端ベルト1や、更に無端ベルト1に全面で吸着している印刷媒体2は、全体積のごく一部に交流電位による振動を受けるのみなので、動きにくい。従って、紙粉等のゴミのみをはがしとることが可能となる。ゴミ吸着ローラ13に吸着されたゴミはスクレーパ16で掻き落とされ、ゴミ受け17に溜まる。
なお、交流電位と直流電位とを重畳した電圧は、最大で2000Vを越えないようにする(2000Vを越えるとリーク放電が発生する恐れがある)。また、交流の周波数は500〜3000Hzとするのがよい。この範囲の周波数であれば、紙粉等のゴミは追従して動きやすい一方、比較的質量の大きな印刷媒体2や無端ベルト1は追従しにくく、無用な騒音を発生することがない。交流の波形は問わない。正弦波でも、矩形波でも、三角波でも殆ど類似の効果が期待できる。また、交流電位を与えず、直流電位だけ印加するようにしても、紙粉等のゴミを吸着除去する効果はある。その場合の直流電位は、ベルト帯電電位(500〜1200V)より大きな電位とし、2000V以下とする。
ゴミ吸着ローラ13の種々の形態を図2に示す。このゴミ吸着ローラ13は、図示しないステンレス等の導電性の軸と、印刷媒体2を押さえる突き当て部21と、それより僅かに小径の誘電部22とを備えて構成されている。具体的には誘電部22の外周に、リング状の突き当て部21を嵌合固定して構成する。或いは突き当て部21と誘電部22とを軸線方向につなぎ合わせて構成してもよい。突き当て部21は、印刷媒体2を押えながら誘電部22を印刷媒体2と非接触の状態に維持するためのものであり、軸線方向の長さは3mm程度以下と短い。また、この突き当て部21は、印刷媒体2の幅方向(搬送方向と直交方向)両端部の少し内側を押さえるのが望ましい。これは、印刷媒体2が浮き上がって来ないように押さえ込むのと同時に、印刷媒体2の切断時に発生し且つ印刷媒体2の端部の近くに多く残存している紙粉などのゴミを吸着したいので、それを押さえてしまわないようにするためである。図2aは印刷媒体2の幅が1種類の場合の例、図2bと図2cとは、各々複数種類の印刷媒体2の幅に対応した場合の例であり、夫々、想定する種類の印刷媒体2の幅方向両端部の少し内側を押さえることができるようになっている。これら図2bや図2cの構成の場合、数種類の寸法の印刷歯板2のうち、幅の広いものは幅方向両端部の少し内側だけでなく、中央部近くも数カ所押さえることになるが、紙粉等のゴミを吸着除去する効果に殆ど影響しない。紙粉等のゴミは、印刷媒体2の端部近傍に比べて、中央部付近には少ないからである。また特に、図2cでは、突き当て部21を先細り断面として、紙粉などのゴミを極力押さえないようにした。突き当て部21の先端をR面取りするのも有効である。また、突き当て部21自体を拍車形状にしてもよい。
誘電部22は、内側の中抵抗層と表面の絶縁層とからなる。中抵抗層の材質は、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロプレンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴムなどの一般的合成樹脂を基材として用いることができる。そして、これらの基材に、例えばカーボンブラックや導電性フィラーを混入し、全体の体積抵抗値を105Ω・cm程度に調整して用いる。硬さは問わない。また、絶縁層の材質は、例えばポリウレタン、ポリイミド、シリコンゴムなどの一般的な合成樹脂でよく、スクレーパ16によるゴミの剥離性を考えると、ナイロン系やポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデンなどを用いてもよい。絶縁層の抵抗値は、少なくとも体積抵抗値で1012Ω・cm、望ましくは1015Ω・cm以上とする。絶縁層の厚さは、交流電位による誘電分極時の電荷発生の反応を考えると、薄い方が望ましく、例えば10〜200μm、望ましくは10〜50μmとする。突き当て部21の材質は、一般の絶縁性プラスチックでよいが、印刷媒体2に当たる面の帯電性を小さくするために、PTFE等のフッ素樹脂、フッ素化エポキシ樹脂、フッ素化ポリイミド等のフッ素化ポリマー、オレフィン系やポリスチレン系等の炭化水素系ポリマーなどの低誘電率の絶縁性材料を用いてもよい。
以上のように、本実施形態のインクジェットプリンタによれば、電荷付与ローラ9によって搬送用無端ベルト1上の印刷媒体2に当接しながら、当該印刷媒体2表面及びその近傍のゴミを帯電し、ゴミ吸着ローラ13によって帯電されたゴミを静電気力で吸着することとしたため、搬送用無端ベルト1が帯電していても、それより強い吸着力で印刷媒体2表面及びその近傍のゴミを確実に除去することができる。
また、ゴミの帯電電位と逆の電位に帯電したゴミ吸着ローラ13が印刷媒体2に完全に密着しないようにして帯電されたゴミを吸着する構成としたため、印刷媒体2をゴミ吸着ローラ13に吸着することなく、ゴミだけを確実に除去することが可能となる。
また、ゴミ吸着ローラ13に交流電位を印加することにより、印刷媒体2表面及びその近傍のゴミに微振動を生じさせることができるので、搬送用無端ベルト1が帯電していても、ゴミを確実に除去することが可能となる。
図3には、ゴミ吸着ローラ13をクリーニングする構成の、他の実施形態を示す。この実施形態では、ゴミ吸着ローラ13に、もう一つ個別のクリーニングローラ18を当接し、このクリーニングローラ18にスクレーパ16を当接し、スクレーパ16の下方にゴミ受け17を配設する。クリーニングローラ18には、ゴミ吸着ローラ13に印加している交流電位及び直流電位の総和の最大値より大きな電位の直流(+)電位を印加する。クリーニングローラ18は、体積抵抗値が105Ω・cm程度の中抵抗材料の表面を、体積抵抗値が1012Ω・cm以上の比較的硬い材料で覆って構成されており、ゴミ吸着ローラ13の突き当て部21にのみ当接する。従って、ゴミ吸着ローラ13に吸着されている紙粉などのゴミは、より電位差の大きいクリーニングローラ18に吸着され、更にスクレーパ16で掻き落とされてゴミ受け17に溜まる。このようにすれば、突き当て部21を回避して、紙粉等のゴミが吸着している誘電部22のみに当接させるための複雑な形状のスクレーパ16を作成する必要がない。
なお、前記実施形態では、ゴミ帯電手段として電荷付与ローラ9を用いたが、これに代えて、例えば印刷媒体2に圧接するブレードを用い、これに直流電位を印加してゴミを帯電するようにしてもよい。
また、本発明のインクジェットプリンタは、ラインヘッド型インクジェットプリンタに限らず、マルチパス型インクジェットプリンタにも適用可能である。
本発明のインクジェットプリンタの一実施形態の概略構成を示す正面図である。 図1のゴミ吸着ローラの種々の形態の説明図である。 本発明のインクジェットプリンタの他の実施形態を示すゴミ吸着ローラクリーナの構成図である。
符号の説明
1は無端ベルト、2は印刷媒体、3は駆動ローラ、4は従動ローラ、7は帯電ローラ、8は直流電源、9は電荷付与ローラ、11はインクジェットヘッド、12は平面形成部、13はゴミ吸着ローラ、15はバックアップローラ、16はスクレーパ、17はゴミ受け、18はクリーニングローラ、23はゲートローラ、24は給紙部、25は排紙部

Claims (3)

  1. 搬送ベルトの表面に印刷媒体を静電気力で吸着して搬送し、その印刷媒体にノズルからインク滴を吐出して印字を行うインクジェットプリンタにおいて、前記搬送ベルト表面上の印刷媒体に当接しながら当該印刷媒体表面及びその近傍のゴミを帯電するゴミ帯電手段と、前記ゴミ帯電手段で帯電されたゴミを静電気力で吸着するゴミ吸着手段とを備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記ゴミ吸着手段は、前記ゴミの帯電電位と逆の電位に帯電されたローラからなり、そのローラが印刷媒体に完全に密着しないようにして前記帯電されたゴミを吸着することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記ローラに交流電位を印加することを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
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