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JP2006122647A - 眼底撮影装置及び撮影方法 - Google Patents

眼底撮影装置及び撮影方法 Download PDF

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Abstract

【課題】同一被検眼に対して連続撮影を行う場合に、次回の撮影光量の調整を行い、適正な撮影光量で撮影を行う。
【解決手段】(S11)前眼部像から虹彩と瞳孔の輝度差から適当な閾値を用いて、二値化処理を行い瞳孔領域を抽出する。
(S12)分離した瞳孔領域から瞳孔径Dを算出する。
(S13)瞳孔径Dを基に、記憶されている光量増分値変換テーブルから撮影光量増分値を算出する。
瞳孔径D 撮影光量増分値
2.5mm 0.8
3.0mm 0.6
3.5mm 0.4
4.0mm 0.3
(S14)撮影光量増分値が算出されると、前回の撮影光量値に加算して次回の撮影光量値を算出する。この例では、瞳孔径が2.5mmの場合には、前回の撮影光量値をF0とすると、F0+0.8を次回の撮影光量値として設定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、被検眼眼底を複数回撮影する眼底撮影装置及び撮影方法に関するものである。
従来から、住民健診、企業健診、人間ドック、緑内障検診、糖尿病検診等では眼底検査が実施されている。以前は片眼のみの眼底撮影が行われていたが、近年では検査していない他眼に所見が現れる場合がある状況を考えて、左右両眼撮影や、疾病により撮影する範囲や位置が変わるため、同一方向眼でも複数枚の眼底撮影が実施されている。
通常では、上述した眼底撮影は散瞳剤を必要としない無散瞳撮影が行われている。無散瞳撮影では、暗室や被検眼頭部のみを室内光から遮蔽する簡易的な暗室などを使用して、被検眼を自然散瞳した状態で眼底撮影を行う。撮影画像の記録は従来では、35mmフィルムやインスタントフィルム等を使用していたが、近年のデジタル化により、CCD等のセンサを用いてデジタル画像として記録する方法が主流になりつつある。デジタル画像記録は一般に銀塩フィルム記録に較べて、撮像装置の感度の差から撮影光量が少なくて済むという利点がある。従って、デジタル画像記録のシステムを用いた場合に、撮影後の縮瞳の影響が少なくて済むため、銀塩フィルム記録のシステムに較べて短時間で左右眼を撮影することが可能となる。
また、緑内障の診断のために乳頭部を立体的(ステレオ)に観察するには、瞳孔内で一定の基線長ずらして2枚の撮影を行う経時立体撮影法も実施されている。更に、眼底周辺部まで一度に観察できるように、眼底カメラの固視灯の位置をずらして固視位置を変えて3〜8枚程度の撮影を行い、それら眼底画像を貼り合わせして、1枚のパノラマ眼底画像を作成することもなされている。
無散瞳状態で撮影するために低い撮影光量で撮影しても、撮影後の縮瞳の影響は無視することはできず、連続して同じ被検眼の撮影を行った場合には、1回目よりは2回目、2回目よりは3回目で撮影した眼底画像の方が暗くなる場合が多い。このため、従来は最初の撮影の終了後に、次の撮影を行う前に撮影光量を調整しなければならない場合がある。
無散瞳状態で立体撮影やパノラマ作成のための撮影を行う際も、1回目の画像よりも2回目の撮影では、縮瞳のため撮影光量の調節に経験を必要とする場合がある。
本発明の目的は、撮影光量の調整負担を低減する眼底撮影装置及び撮影方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る眼底撮影装置の技術的特徴は、被検眼の眼底を複数回撮影する場合において、被検眼の眼底を撮影する撮影手段と、撮影時に被検眼の眼底を照明する照明手段と、前回撮影時の光量に基づいて前記照明手段による次回の光量を決定する撮影光量決定手段とを備えたことにある。
また、本発明に係る眼底撮影装置の技術的特徴は、撮影画像に立体撮影情報を付加するための立体撮影情報入力手段と、該立体撮影情報入力手段に入力された状態における被検眼の眼底を撮影する撮影手段と、撮影時に被検眼の眼底を照明する照明手段と該撮影手段による撮影時の光量を設定する第1の撮影光量決定手段と、該第1の撮影光量設定部により設定した光量で前記撮影手段により撮影を実行した後に、前記立体撮影情報入力手段からの情報に基づいて前記照明手段による次の撮影時の光量を設定する第2の撮影光量決定手段とを備えたことにある。
更に、本発明に係る眼底撮影装置の技術的特徴は、撮影画像に貼り合わせ撮影情報を付加するための貼り合わせ撮影情報入力手段と、該貼り合わせ撮影情報入力手段に入力した状態における被検者の眼底を撮影する撮影手段と、撮影時に被検眼の眼底を照明する照明手段と該撮影手段による撮影時の光量を設定する第1の撮影光量決定手段と、該第1の撮影光量設定部により設定した光量で前記撮影手段により撮影を実行した後に、前記貼り合わせ撮影情報入力手段からの情報に基づいて前記照明手段による次回の撮影時の光量を設定する第2の撮影光量決定手段とを有することにある。
本発明に係る眼底撮影方法の技術的特徴は、被検眼の眼底を複数回撮影する場合において、前回撮影時の照明光量に基づいて次回の照明光量を決定することにある。
本発明に係る眼底撮影装置及び撮影方法によれば、同一被検者に対して連続撮影を行う場合に、撮影の都度、手動で撮影光量の調整を行うなどの面倒な操作を行わずに、適正な撮影光量で被検眼の撮影を行うことができる。
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は実施例の装置構成図を示し、基台部1上にステージ部2が載置され、その上に眼底カメラ3が構設されている。基台部1には顔受け部4が取り付けられ、顔受け部4に被検者Sの顎と額とを当てて、被検眼Eを固定するようになっている。撮影者がステージ部2上の操作桿5を操作することで、眼底カメラ3を被検者Sに対して左右前後に移動可能となっている。また、操作桿5上には撮影スイッチ6が設けられている。
基台部1上にはステージ部2の移動方向を検知する左右検知部7が設けられ、ステージ部2上には撮影光量設定部8が設けられている。また眼底カメラ3には、CCDカメラ9と観察用モニタ10が設けられ、CCDカメラ9の出力は撮影画像記録部11、テレビモニタ12に接続されている。
図2は眼底カメラ3の構成図を示し、被検眼Eの前方には対物レンズ21が配置され、その後方の光路上には孔あきミラー22、フォーカスのために移動可能な撮影レンズ23、可動ミラー24、可視波長領域に感度を有するCCDカメラ9が順次に配列され、眼底撮像光学系が構成されている。
可動ミラー24の反射方向には、ハーフミラー25、眼底Erと略共役位置に固視灯26が配置されている。ハーフミラー25の反射方向には、フィールドレンズ27、赤外波長領域に感度を有する観察用カメラ28が順次に配列され、観察用カメラ28の出力は観察用モニタ10に接続され、観察光学系が構成されている。
また、孔あきミラー22への照明光の入射方向には照明光学系が設けられ、ハロゲンランプ等の可視光を発する観察光源31側からコンデンサレンズ32、可視光カットフィルタ33、可視光の閃光を発する撮影光源34、リング状開口部を有し被検眼Eの瞳孔Epと略共役位置にあるリングスリット35、リング状開口部を有し被検眼Eの水晶体後面Esと略共役位置にある水晶体バッフル36、レンズ37、リング状開口を有し被検眼角膜Ecと略共役位置にある角膜バッフル38が順次に配列されている。また、被検眼Eの前方に前眼部観察光源39が設けられている。
CCDカメラ9の出力はCPUから成る制御手段41に接続されており、制御手段41には、固視灯26、観察光源31、撮影光源34、テレビモニタ12、水晶体バッフル36の状態を検出するマイクロスイッチ等の検出手段42、撮影画像記録部11、制御手段41での処理に必要なプログラム、各種のデータなどを記憶すると共にワーキング・メモリとして機能するメインメモリ43が接続されている。
図3はブロック回路構成図であり、図1、図2と同じ符号は同じ部材を示している。制御手段41はメインメモリ43に書き込まれたプログラムに従って眼底カメラ3全体の処理を行う。観察用カメラ28により被検眼Eの前眼部や眼底Erを撮像し、そのビデオ信号にアライメントマークや左右眼方向のキャラクタや撮影光量を示す値などのキャラクタやマークなどをキャラクタ合成回路51で電気的に合成し、観察用モニタ10に表示する。合成するキャラクタなどの指定は制御手段41で行われている。撮影スイッチ6、ステレオ撮影設定部52、パノラマ撮影設定部53が制御手段41に接続されている。更に、制御手段41に接続された観察光源制御回路54により眼底観察光源31を制御し、撮影光源制御回路55により撮影光源34が制御されている。
左右眼の判別は、ステージ部2が基台部1に対して左右何れに移動しているかを検知する左右眼検知部7によってなされる。また、操作桿5を回転して眼底カメラ3を上下に移動し、観察用モニタ10に観察用カメラ28による被検眼Eの前眼部を表示して、眼底カメラ3の光軸と被検眼Eとのアライメント調整、眼底Erを表示して作動距離合わせとピント調整を行って撮影をするために使用する。前眼部を表示する際には、眼底カメラ3内に前眼部観察用レンズが光軸内に挿入され、前眼部観察用光源39で前眼部を照明し、被検眼Eの虹彩、瞳孔Epを拡大して観察用モニタ10に表示する。
図4は前眼部Efを観察している様子を示し、眼底Erを観察する際には前眼部観察用レンズが光軸から外れ、眼底像が観察用モニタ10に表示される。前眼部観察用レンズはステージ部2に配置されたスイッチによって切換えることができる。なお、前眼部観察時、眼底観察時には、被検眼Eが縮瞳しない近赤外光源で照明しており、観察用カメラ28は赤外領域に感度を有している。
可視光を用いてCCDカメラ9で撮像された眼底像は撮影画像記録部11で記録され、テレビモニタ12に表示される。
図5は実施例1の左右眼を眼底撮影する場合の実施手順についてのフローチャート図である。
(ステップS1)被検者Sが代り、光量補正値をリセットする。被検者Sの右眼(又は左眼)の前眼部と眼底カメラ3の光軸との位置合わせを行う。
(ステップS2)前眼部の位置合わせが終了すると、撮影光量の設定を行う。最初の撮影を行う前に、暗室環境下で十分に自然散瞳されているため、被検者S毎の撮影光量の微調整は必要ないが、特に散瞳状態が不良の場合には任意に撮影光量を設定する。
(ステップS3)前眼観察状態から眼底観察に切換えて、眼底Erとの位置合わせを行う。
(ステップS4)位置合わせが終了すると、操作桿5の上部の撮影スイッチ6を押すことにより、撮影光源34が発光して眼底Erを撮影する。CCDカメラ9で撮影された眼底画像は撮影画像記録部11で記録され保存され、テレビモニタ12上に表示され、右眼(又は左眼)の撮影が終了する。
(ステップS5)ステージ部2を左眼(又は右眼)方向に移動する。ステージ部2の移動に伴い、左右眼検知部7は撮影対象眼が変わったことを検知する。
(ステップS6)被検眼Eの変更は撮影光量設定部8に入力され、次の撮影光量を設定する。
(ステップS7)左眼(又は右眼)の前眼部と眼底カメラ3の光軸との位置合わせを行う。
(ステップS8)前眼観察状態から眼底観察に切換えて眼底Erとの位置合わせを行う。
(ステップS9)位置合わせが終了すると、撮影スイッチ6を押して左眼(又は右眼)の眼底Erの撮影を行う。CCDカメラ9で撮影された眼底画像は、撮影画像記録部11で記録され保存されテレビモニタ12上に表示される。
上述のステップS6で撮影光量が変更されるが、次の3パターンの何れかにより光量変更が行われる。
[撮影光量変更1]
次回の撮影光量を前回の撮影光量に基づく所定量とする。
初回の撮影には、テーブル等から光量を設定して、次回の撮影以降の撮影光量を決定する。所定量とは撮影光量設定部8内に記憶されている値であり、この値は前回の撮影において被検眼Eが縮瞳することにより、経験的に増加させなければならない値である。
表1は増加する所定量の絶対値をテーブルとして記憶している例であり、例えば「F0」の光量で前回撮影すると、次回の撮影光量は表1のテーブルの左列の「F0」行のA列の値を呼び出し「F1」の光量を次回の撮影光量として設定する。
表1
撮影光量増分値
A B
F0 F1 F1−
F1 F2 F2−
F2 F3 F3−
F3 F4 F4−
・・・・・・・・・・・・・
ここで、図示は省略するが設定によってA列とB列を切換えて使うこともできる。例えば、同一眼の場合にはA列、他眼の撮影を行う場合にはB列を使うようにもできる。なお、ここでは増加する所定量の絶対値を、撮影光量設定部8に記憶することを例にしたが、これに限らず前回の撮影時の光量を基準にした割合を記憶するように構成してもよい。例えば、「1.5」と記憶されている場合には、前回の撮影光量値F0から、F0×1.5の値を次回の撮影光量として設定する。
表2は補正値が絶対値ではなく、前回撮影した光量に対する倍率を記憶したテーブルの例である。
表2
撮影光量増分値
A B
F0 1.50 1.40
F1 1.51 1.41
F2 1.52 1.42
F3 1.53 1.43
・・・・・・・・・・・・・
「F0」で撮影すると、左列の「F1」行のA列又はB列の値を読み出し、A列を使う場合には、次回の撮影光量を「F0×1.50」として設定する。
[撮影光量変更2]
次回の撮影光量を前回の撮影光量に関数(瞳孔径又は瞳孔領域の面積)を加えた値とする。
この関数は図4に示す被検眼前眼部像から瞳孔Epの領域を抽出して、この領域の面積に応じて次回の撮影光量補正値を設定する。図6は瞳孔径から次回撮影光量の補正値を導出する動作フローチャート図である。
(ステップS11)先ず、図4に示す前眼部像から虹彩Eiと瞳孔Epの輝度差から適当な閾値を用いて、二値化処理を行い瞳孔領域を抽出する。前眼部像は赤外光源で照明されているため、虹彩Eiと瞳孔Epは容易に分離できる。
(ステップS12)分離した瞳孔領域から瞳孔径Dを算出する。この瞳孔径Dは二値化画像から従来から用いられている算出法で算出可能である。
(ステップS13)瞳孔径Dを基に、撮影光量設定部8に記憶されている表3に示す光量増分値変換テーブルから撮影光量増分値を算出する。
表3
瞳孔径D 撮影光量増分値
2.5mm 0.8
3.0mm 0.6
3.5mm 0.4
4.0mm 0.3
: :
この光量増分値変換テーブルの値は、前回の撮影光量値に加算する撮影光量増分値の絶対値であるが、これに限らず前回の撮影光量を基準にした割合をテーブルに記載するように構成してもよい。
(ステップS14)撮影光量増分値が算出されると、前回の撮影光量値に加算して次回の撮影光量値を算出する。この例では、瞳孔径が2.5mmの場合には、前回の撮影光量値をF0とすると、F0+0.8を次回の撮影光量値として設定する。
[撮影光量変更3]
次回の撮影光量を前回の撮影光量に関数(経過時間)を加えた値とする。
瞳孔Epは撮影時に縮瞳するが、撮影後時間が経過すると徐々に開いてくる。従って、他眼撮影までの経過時間に基づいて他眼撮影時の撮影光量を補正してもよい。つまり、次回の撮影光量は前回の撮影光量に経過時間の関数に基づいた補正値を加えて求める。表4の対応テーブルはこの関数によって算出される値である。
表4
経過時間 撮影光量増分値
1min 0.8
3min 0.7
5min 0.6
10min 0.3
: :
この対応テーブルは前回の撮影からの経過時間と対応する撮影光量増分値を示している。この例では、時間経過と共に撮影光量増分値が減少してゆく。例えば前回の撮影後から3分経過時には、F0+0.7が設定されるが、10分経過後ではF0+0.3となる。この対応テーブルは撮影光量設定部8内に記憶されており、時間経過に基づいて撮影光量を変更する場合に参照される。この対応テーブルの値も絶対値ばかりでなく、前回の撮影光量を基準とした割合としてもよい。
実施例1では、左右眼を連続して撮影する場合を例に挙げたが、図7は同一被検眼Eを連続して撮影する場合の動作フローチャート図である。
(ステップS21)眼底カメラ3は前眼部観察状態であり、光量の補正値をリセットする。被検者Sの右眼(又は左眼)の前眼部位置合わせを行い、眼底カメラ3との光軸調整を行う。
(ステップS22)撮影光量の設定を行う。
(ステップS23)眼底Erの観察状態に切換えて、眼底Erとの位置合わせを行う。
(ステップS24)撮影スイッチ6を押して1回目の眼底撮影を行う。撮影後に、前眼部観察状態に切換える。CCDカメラ9で撮影された眼底画像は撮影画像記録部11で記録され保存され、テレビモニタ12上に表示される。
(ステップS25)左眼(又は右眼)に切換えるか、或いは同じ方向の眼で前眼部位置合わせを行う。
(ステップS26)被検眼Eと光軸との位置合わせが終了すると、眼底観察状態に切換える。
(ステップS27)眼底観察状態への変更は撮影光量設定部8に入力されて、次回の撮影光量が変更される。1回目の撮影後に前眼観察状態から眼底観察状態に切換えられたため、次の撮影光量が補正される。
(ステップS28)眼底Erと作動距離合わせとフォーカス調整を行う。
(ステップS29)撮影スイッチ6を押して2回目の眼底撮影を行う。CCDカメラ9で撮影された眼底画像は撮影画像記録部11で記録され保存され、テレビモニタ12上に表示される。眼底カメラ3の観察状態は前眼部観察状態に切換える。ここで、この被検者Sの撮影を終了する、又は繰り返して撮影を行う場合にはステップS25に戻る。
上述のステップS27で行われる次回の撮影光量設定方法に関しては、実施例1に記載の3つの変更方法の何れかを適用する。
なお、左右眼の切換え撮影における同一眼では、実施例1の3つの変更方式で変更量を変えることもできる。この場合に、左右眼切換えの場合には、変更量に例えば0.9などの係数を乗ずることも考えられる。
また、撮影光量を変えることにより、左右眼での瞳孔Epの開き方の変動を抑えることができる。
図8は実施例3の動作フローチャート図を示し、所定枚数の範囲内で、次回撮影時の撮影光量の自動設定を行う。
眼底検査では同一の被検眼Eに対し、広画角の撮影と、特徴部位、例えば緑内障診断を行うために乳頭部を拡大して撮影するなど複数回の撮影を行うことがある。このとき、各被検眼E毎の撮影枚数は一般に同一であり、例えば1枚目は眼底後極部、2枚目は乳頭部をセットとして、両眼について4回の撮影を行う例について説明する。
(ステップS31)撮影に先立ち撮影枚数設定部から、同一被検眼Eの撮影枚数、この例では4枚を撮影光量設定部8にセットし、光量補正値、撮影枚数カウンタNをリセットする。
(ステップS32)前眼観察状態で被検眼Eの前眼部と眼底カメラ3の光軸との位置合わせを行う。
(ステップS33)眼底観察状態に切換えて、眼底Erと作動距離を合わせフォーカス調整を行う。撮影画角は例えば右眼1枚目ならば広角撮影に、2枚目ならば光学系を拡大撮影に切換える。左眼の場合でも同様に、3枚目ならば広角撮影、4枚目ならば拡大撮影に切換える。
(ステップS34)撮影スイッチ6を押して眼底撮影を行う。撮影した画像はテレビモニタ12に表示され、撮影カウンタNがカウントアップする。
(ステップS35)撮影カウンタNが4枚未満かどうか判断する。4枚未満ならばステップS36に、4枚に達していればENDで終了する。
(ステップS36)次回の撮影時の光量を補正する。上記に示した他の実施例と同様に撮影光量補正を行う。
撮影光量の変更は前述の3つの方法が適用できるが、実施例3のように撮影方法が異なる場合に、3方法で変更量を変更してもよい。この場合に撮影方法ごとに、変更量に例えば0.9などの係数を乗じてもよい。
図9は実施例4の立体撮影に切換えるステレオ撮影設定部52を示し、立体撮影モードに切換えるスイッチ52aであり、ステレオペアの左側を撮影するとき、スイッチ52bを、右側を撮影するときスイッチ52cを押すようになっている。これらのスイッチ52b、52cの状態が撮影した画像の付帯情報エリアに書き込まれて、テレビモニタ12で表示するときに左右に並べて表示し、立体視する観察者は立体観察用の眼鏡を掛けて観察する。
図10は観察用モニタ10に表示された被検眼と立体撮影用の指標の説明図である。眼底像Er'はキャラクタで電気的にビデオ信号に合成された撮影光軸Oと共に表示され、同時に被検眼Eの角膜Ecに投影された輝点P1、P2も表示される。
スイッチ52aを押して立体撮影に切換え、先ずスイッチ52bがオンすると輝点P1が点滅する。撮影者は輝点P1と撮影光軸Oが重なるように、操作桿5を左右に操作してステージ部2を移動して撮影し、次にスイッチ52cを押すと輝点P2が点滅するので、撮影光軸Oと輝点P2が重なるようにステージ部2を移動してから立体用画像の撮影を行う。
図11は実施例4の動作フローチャート図を示し、立体撮影では被検眼Eの瞳孔径内で所定の基線長分ずらして2枚のペア画像を順次に撮影し、2枚目の撮影で撮影光量を自動設定する。
(ステップS41)撮影に先立ち、光量を設定し光量補正値をリセットし、立体撮影モードに切換える。
(ステップS42)ステレオ撮影の方向を切換え、図9に示すスイッチ52b又は52cを押して切換える。
(ステップS43)1回目の撮影が行われると撮影光量の自動設定を行って、2回目以降の光量補正を行う。この補正も上記した他の実施例と同様である。
(ステップS44)前眼部観察状態で眼底カメラ3の光軸と被検眼Eとの位置合わせを行う。
(ステップS45)眼底観察状態に切換えて作動距離を合わせ、ピント調整を行う。ステレオ撮影モードであるため、点滅している輝点P1(又はP2)と光軸中心を示す撮影光軸Oが一致するように、操作桿5を操作してステージ部2を稍々偏芯させる。
(ステップS46)撮影スイッチ6を押下して、ステレオ眼底撮影の1対の撮影を行う。
(ステップS47)続いて、ステレオの2対目の撮影、左右眼を切換えて他眼の撮影を行って撮影を終了する。
なお、この場合に撮影光軸Oが基線長分変化することにより、瞳孔Epの開き方の変動を調整することができる。
図12はパノラマ撮影を行う際に2回目以降の撮影に際して、撮影光量を自動設定する場合の実施例5の動作フローチャート図である。
パノラマ撮影を行う場合には、パノラマ撮影設定部53を押してパノラマ撮影モードに切換える。次に、眼底Erの固視位置を変えるためのステージ部2に設けた図示しない固視灯位置切換スイッチを撮影の度に順次に切換えて、所定の枚数を撮影する。パノラマ撮影モード情報と固視位置情報と左右眼情報とを撮影画像記録部11に送り、撮影画像の付帯情報部に書き込まれ、貼り合わせ処理の際に利用される。
(ステップS51)撮影に先立ち、光量を設定し光量補正値をリセットし、パノラマ撮影モードに切換える。
(ステップS52)パノラマ撮影のために固視灯位置切換スイッチを押して、被検眼Eの固視方向を切換える。
(ステップS53)初回の撮影では光量補正は行わず、2回目以降の撮影の場合には光量補正を行う。この補正も上記した他の実施例と同様である。
(ステップS54)前眼部観察状態で、眼底カメラ3の光軸と被検眼Eとの位置合わせを行う。
(ステップS55)眼底観察状態に切換えて作動距離を合わせ、ピント調整を行う。パノラマ撮影モードであるため眼底Erは撮影の度に位置がずれている。
(ステップS56)撮影スイッチ6を押してパノラマ眼底撮影の撮影を行う。
(ステップS57)続いて、所定の枚数分パノラマ撮影を行い、左右眼を切換えて他眼の撮影を行って撮影を終了する。他眼に切換えると、固視灯位置は初期位置に戻る。
このパノラマ撮影の場合においても、通常撮影の場合と同様に前述の3つの方式で光量の変更量を変えることもできる。また、撮影方法ごとに、変更量に例えば0.9などの係数を乗ずるようにしてもよい。
上述した各実施例では、次回の撮影光量を自動設定する例を説明した。なお、被検者Sが交代して被検者Sを識別するIDが更新されると、撮影光量の自動設定で行っていた光量補正をリセットするようにすると、撮影が終了して次の被検者Sの撮影を開始するときの光量補正リセット操作を自動化できる。このIDはステージ部2に設けられたテンキーから入力したり、基台部1に接続された磁気カードリーダなどから入力する。入力したIDは撮影した画像と共に撮影画像記録部11に送られて、画像ファイル中の付帯情報記憶領域に書き込まれる。
また上述した各実施例では、2枚目以降の撮影光量を自動設定するようにしたが、簡易的に光量変更を促す注意マークなどを観察用モニタ10上に表示して、撮影者がステージ部2にある撮影光量設定部8を操作して光量調節が行うと、この注意マークを消すようにしてもよい。なお、注意マークの表示のタイミングは、上述した光量を補正すると判断したときである。
なお、本発明の目的は、実施形態の装置又はシステムの機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、装置又はシステムに供給し、その装置又はシステムのコンピュータ(CPU又はMPU等)が、記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成されることは云うまでもない。この場合に、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が実施形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体及び当該プログラムコードは本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、ROM、フロッピディスク(登録商標)、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づいて、コンピュータ上で稼動しているOS等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって実施例1〜5の機能が実現される場合も、本発明の実施の態様に含まれることは勿論である。
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後に、そのプログラムコードの指示に基づいて、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって実施形態の機能が実現される場合も、本発明の実施の態様に含まれることは云うまでもない。
このようなプログラム又は当該プログラムを格納した記憶媒体に本発明が適用される場合に、当該プログラムは例えば上述の動作フローチャート図に対応したプログラムコードから構成される。
実施例の装置構成図である。 眼底カメラの構成図である。 ブロック回路構成図である。 前眼部像及び瞳孔径の例である。 実施例1の動作フローチャート図である。 瞳孔径から撮影光量を変更する動作フローチャート図である。 実施例2の動作フローチャート図である。 実施例3の動作フローチャート図である。 立体撮影スイッチの構成図である。 立体撮影時の観察画像の説明図である。 実施例4の動作フローチャート図である。 実施例5の動作フローチャート図である。
符号の説明
1 基台部
2 ステージ部
3 眼底カメラ
5 操作桿
6 撮影スイッチ
7 左右眼検知部
8 撮影光量設定部
9 CCDカメラ
10 観察用モニタ
11 撮影画像記録部
12 モニタ
28 観察用カメラ
31 観察光源
34 撮影光源
41 制御手段
43 メインメモリ
52 ステレオ撮影設定部
53 パノラマ撮影設定部

Claims (12)

  1. 被検眼の眼底を複数回撮影する場合において、被検眼の眼底を撮影する撮影手段と、撮影時に被検眼の眼底を照明する照明手段と、前回撮影時の光量に基づいて前記照明手段による次回の光量を決定する撮影光量決定手段とを備えたことを特徴とする眼底撮影装置。
  2. 前記撮影光量決定手段は、初回の撮影時に設定された光量に基づいて前記次回以降の光量を決定することを特徴とする請求項1に記載の眼底撮影装置。
  3. 前記撮影光量決定手段は、前回撮影時の光量に所定量を加算した光量又は前回撮影時の光量に所定比率を乗算した光量の何れかにより、前記次回の光量を決定することを特徴とする請求項1に記載の眼底撮影装置。
  4. 前記撮影光量決定手段は、前回撮影時の光量に前回撮影時からの経過時間で定まる所定量を加算した光量により、前記次回の光量を決定することを特徴とする請求項1に記載の眼底撮影装置。
  5. 被検眼の前眼部を撮影する第2の撮影手段と、該第2の撮影手段で撮影した画像データから被検眼の瞳孔径を抽出する瞳孔径抽出手段とを備え、前記撮影光量決定手段は前回撮影時の光量に前記瞳孔径で定まる所定量を加算した光量とにより、前記次回の光量を決定することを特徴とする請求項1に記載の眼底撮影装置。
  6. 被検眼が左右の何れの眼であるかを検知する左右眼検知手段を備え、該左右眼検知手段の検知結果により撮影対象眼が切換った場合に、前記撮影光量決定手段は切換った被検眼に対し撮影光量を決定することを特徴とする請求項1〜4の何れか1つの請求項に記載の眼底撮影装置。
  7. 前記撮影光量決定手段は、左右眼が切換った場合に同一眼を続けて撮影する場合とは異なる光量を決定することを特徴とする請求項5に記載の眼底撮影装置。
  8. 前記撮影光量決定手段は被検者識別情報を入力する被検者識別情報入力手段を有し、前記撮影手段による撮影が行われた後に、前記被検者識別情報入力手段により入力された被検者識別情報を更新した後に前記撮影光量決定手段の設定値を初期化することを特徴とする請求項1〜5の何れか1つの請求項に記載の眼底撮影装置。
  9. 撮影画像に立体撮影情報を付加するための立体撮影情報入力手段と、該立体撮影情報入力手段に入力された状態における被検眼の眼底を撮影する撮影手段と、撮影時に被検眼の眼底を照明する照明手段と該撮影手段による撮影時の光量を設定する第1の撮影光量決定手段と、該第1の撮影光量決定手段により設定した光量で前記撮影手段により撮影を実行した後に、前記立体撮影情報入力手段からの情報に基づいて前記照明手段による次の撮影時の光量を設定する第2の撮影光量決定手段とを備えたことを特徴とする眼底撮影装置。
  10. 撮影画像に貼り合わせ撮影情報を付加するための貼り合わせ撮影情報入力手段と、該貼り合わせ撮影情報入力手段に入力した状態における被検眼の眼底を撮影する撮影手段と、撮影時に被検眼の眼底を照明する照明手段と該撮影手段による撮影時の光量を設定する第1の撮影光量決定手段と、該第1の撮影光量決定手段により設定した光量で前記撮影手段により撮影を実行した後に、前記貼り合わせ撮影情報入力手段からの情報に基づいて前記照明手段による次回の撮影時の光量を設定する第2の撮影光量決定手段とを有することを特徴とする眼底撮影装置。
  11. 被検眼の眼底を複数回撮影する場合において、前回撮影時の照明光量に基づいて次回の照明光量を決定することを特徴とする眼底撮影方法。
  12. 請求項11の眼底撮影方法をコンピュータで使用するプログラム。
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