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JP2006109858A - 調剤用薬剤払出装置 - Google Patents

調剤用薬剤払出装置 Download PDF

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JP2006109858A JP2004297068A JP2004297068A JP2006109858A JP 2006109858 A JP2006109858 A JP 2006109858A JP 2004297068 A JP2004297068 A JP 2004297068A JP 2004297068 A JP2004297068 A JP 2004297068A JP 2006109858 A JP2006109858 A JP 2006109858A
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Shiro Omura
司郎 大村
Hideaki Hirobe
英明 廣部
Yoshito Omura
義人 大村
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Abstract

【課題】調剤用薬剤が整列収納も吸着取出も可能なものであるという特質に基づいて薬剤の収納も取出も効率良く行える調剤用薬剤払出装置20を実現する。
【解決手段】PTP包装剤10を整列収納する相互固定の前板41と底板42と左右両側板43,44とを有しそれらの薬剤10を前進させる付勢部材45が内蔵され前板41には中央部または下辺から上辺に至る切欠41aが形成され上面の全域または前面寄り部分48が解放された多数の薬剤カセット40と、これらの薬剤カセット40を前後に延びた横置き状態で且つ並べて保持する支持手段30と、吸着部材53cを有しこれを切欠41aに遊挿させてから上昇させることにより薬剤カセット40うち任意のものから収納薬剤を取り出す薬剤取出機構50とを備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、負圧吸引にて引上げ可能な薬剤を幾種類か横向きで整列収納しておいて所望のものを払い出す調剤用薬剤払出装置に関する。
そのような調剤用薬剤としては、PTP包装した薬剤(PTP包装剤)が典型的であるが、横向に整列させた状態で列尾から押して前進させうるような板状体や箱状体に形成または包装されていて、両面または少なくとも片面が吸着可能に平坦であれば良く、そのような条件を満たすなら例えば薄手の紙箱やプラスチックケース等に納められた薬剤も該当する。
広範な形態の調剤用薬剤を払い出すようになった調剤用薬剤払出装置が提供されている(例えば特許文献1参照)。これは、調剤用薬剤を収容する多数の薬剤カセットと、薬剤カセットのうち所望の調剤用薬剤を収容しているものからその薬剤を取り出して所定の位置に搬送する払出搬送機構とを具備した調剤用薬剤払出装置であって、払出搬送機構は、上記の薬剤取り出しを担う摩擦部材を備え、この摩擦部材は、薬剤カセットに臨む摩擦面に多数の突起が形成されるとともに、摩擦面が上向きに又は斜め上向きに進むよう駆動される。この場合、摩擦面さえ有れば、調剤用薬剤の細かな形態や硬軟などに拘わらず適用できるので、適用範囲が広い。
また、種々の調剤用薬剤を吸引して払い出すようになった調剤用薬剤払出装置も提供されている(例えば特許文献2参照)。これは、回転可能な収納庫に収納された多数の薬剤カセットと、薬剤カセットのうち取出位置に来たものから調剤用薬剤を吸引して取り出す取出機構とを備えている。このように取出機構を固定して複数の薬剤カセットで共用するようにしたことにより、個数の多い薬剤カセットが簡素になるうえ、吸気用配管等を多方面に張り巡らせる必要も無くなっている。
特開2000−024083号公報 (第1頁) 特開2000−167023号公報 (第1頁)
このような従来の調剤用薬剤払出装置では、摩擦部材にて薬剤カセットから薬剤を抜き出す言わば摩擦取出方式の場合、適用範囲が広くなった代わりに、適用対象を限定したときには他の方式より能率が落ちることもある。具体的には、調剤用薬剤がPTP包装剤の場合、薬剤は片面が平坦で吸着に適しているうえ整列収納も可能な形態になっているので、薬剤カセットから薬剤を吸引して取り出す言わば吸着取出方式の方が、確実な吸着保持に基づいて迅速かつ的確に薬剤を抜き出すことができる。
しかしながら、吸着取出方式の場合、従来は、調剤用薬剤を縦に積み重ねておいて最上のものを吸着して持ち上げるようになっていた。そのため、薬剤カセットの上方に吸着部材の移動空間等を確保しなければならないので、薬剤カセットを密に配置するのが難しくて、薬剤収納効率まで十分とは言えない。
そこで、調剤用薬剤が整列収納も吸着取出も可能なものであるという特質に基づいて薬剤の収納も取出も効率良くなるよう装置を改良することが技術的な課題となる。
本発明の調剤用薬剤払出装置は(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、次の薬剤カセットを多数と、支持手段と、取出機構とを備えている。すなわち、薬剤カセットは、PTP包装した薬剤またはそれと等価な薬剤を整列収納するために相互固定された前板と底板と左右両側板とを有するものであって、それらの薬剤を前進させる付勢部材が内蔵されており、上面の全域または上面のうち少なくとも前面寄り部分が薬剤抜取可能に解放されており、前記前板には切欠が形成され、この切欠は前記前板の上辺から中央部に延び又は上辺から下辺に達し上辺で前記上面の解放部分に連なっている。また、支持手段は、これらの薬剤カセットを前後に延びた横置き状態で保持し且つ並べて保持するようになっている。さらに、取出機構は、前記切欠に遊挿可能な吸着部材を有し、この吸着部材を前記切欠に遊挿させてから前記吸着部材を駆動部等と共に又は別個に上昇させることにより、前記薬剤カセットのうち任意のものから収納薬剤を取り出すようになっている。
また、本発明の調剤用薬剤払出装置は(解決手段2)、上記解決手段1の調剤用薬剤払出装置であって、後端部を揺動中心にして前端部を上下動しうる平板状の上蓋が前記薬剤カセットそれぞれに設けられていることを特徴とする。
さらに、本発明の調剤用薬剤払出装置は(解決手段3)、上記解決手段2の調剤用薬剤払出装置であって、前記上蓋を前後に移動させる前後位置調整機構が設けられていることを特徴とする。
このような本発明の調剤用薬剤払出装置にあっては(解決手段1)、薬剤カセットが横置き状態で保持されているので、PTP包装剤などの吸着取出可能な調剤用薬剤を薬剤カセットに補充すると、それらの薬剤は横向に整列収納されるが、その際、薬剤の吸着対象面を前にして整列させる。そうすると、それらの収納薬剤が薬剤カセット内で付勢部材によって前に詰められ、先頭の薬剤の吸着対象面が薬剤カセットの前板に当接する。
そして、その状態でその調剤用薬剤が払出対象になると、取出機構の自動動作によって、吸着部材が、該当する薬剤カセットの前方に移動し、その前板の切欠に入り込んで先頭の調剤用薬剤に吸い付き、それから上昇することで、薬剤カセット上面の前縁から先頭の薬剤が抜き取られる。また、後続の薬剤が薬剤カセット内で付勢部材によって前進させられて、次の取出が可能な状態になる。
このように、調剤用薬剤を横向に整列収納させて前進させるようにしたうえで、薬剤カセットの前方から吸着部材を作用させるようにもしたことにより、薬剤カセットの上方に吸着部材の完全な移動空間を確保しなくても良くなって、その分だけ薬剤カセットの配置状態を密にすることが可能となり、薬剤収納効率が向上する。しかも、薬剤取出方式は吸着取出方式なので、確実な吸着保持に基づいて迅速かつ的確に薬剤を抜き出すことができる。
したがって、この発明によれば、薬剤の収納も取出も効率良く行える調剤用薬剤払出装置を実現することができる。
また、本発明の調剤用薬剤払出装置にあっては(解決手段2)、薬剤カセットそれぞれに平板状の上蓋が設けられたので、この上蓋で先頭を除く後続の調剤用薬剤を軽く上から押さえることにより、整列状態の乱れを抑えるとともに、先頭の調剤用薬剤が薬剤カセットから抜き取られるときに後続の調剤用薬剤が連れていかれるのを確実に防止することができる。しかも、上蓋は後端部を揺動中心にして前端部を上下動しうるようになっているので、薬剤補充を妨げることがなく、さらには後続薬剤の押さえを自重で行う簡素なものとなる。
したがって、この発明によれば、薬剤の収納も取出も効率良く且つ的確に行える調剤用薬剤払出装置を実現することができる。
さらに、本発明の調剤用薬剤払出装置にあっては(解決手段3)、前後位置調整機構を設けて上蓋を前後に移動させ得るようにもしたことにより、調剤用薬剤の厚みに応じて上蓋の先端位置を適切に調整することで容易に、薬剤カセット内で先頭の調剤用薬剤は確実に上が解放されると同時に後続の調剤用薬剤は確実に上から押さえられるようにすることができる。
したがって、この発明によれば、薬剤の収納も取出も厚みによらず効率良く且つ的確に行える調剤用薬剤払出装置を実現することができる。
このような本発明の調剤用薬剤払出装置について、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1〜2により説明する。
図1〜6に示した実施例1は、上述した解決手段1〜3(出願当初の請求項1〜3)を総て具現化したものであり、図7に示した実施例2は、その変形例である。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具,ヒンジ等の連結具,電動モータ等の駆動源,タイミングベルト等の伝動部材,モータドライバ等の詳細な電気回路,コントローラ等の詳細な電子回路などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
本発明の調剤用薬剤払出装置の実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、PTP払出装置20(調剤用薬剤払出装置)の構造を示し、(a)が前面扉を外したところの全体正面図、、(b)が薬剤取出機構50も外したところの全体正面図、(c)が薬剤取出機構50のXY移動部53の右側面図および薬剤カセット40の縦断右側面図、(d)が薬剤カセット40の斜視図であって左から右へ完全な状態と上蓋46無しの状態と固定板41〜44だけの状態であり、(e)が薬剤収納状態の斜視図であって左から右へ完全な状態と上蓋46無しの状態とPTP包装剤10だけの状態である。また、図2は、上蓋46の前後位置調整機構の構造例を示し、(a)〜(c)いずれも薬剤カセット40の縦断右側面図である。さらに、図3は、薬剤取出機構50の要部構造を示し、(a)〜(c)いずれもXY移動部53の右側面図である。また、図4は、制御部22等のブロック図である。
この調剤用薬剤払出装置20は(図1(a),(b)参照)、筐体21内の奥側・後背側の大部分を薬剤収納庫としており、その薬剤収納庫部分には、支持手段としての棚30が多段に設けられ、それぞれの棚30には、PTP包装剤10を整列収納する複数の薬剤カセット40が左右に並んで保持されている。棚30は、例えば、水平に設けられ左右に延びた角材31と、その上に適宜間隔で配され何れも前後に延びた板材32とからなる。その板材32に上から着脱されることで、薬剤カセット40は、何れも、前後に延びた横置き状態で保持されるようになっている。
筐体21内の手前部分には薬剤取出機構50が設けられ、その作動を妨げないところにトレイ搬送部24(図では薬剤収納庫の下方)や電装部(図では薬剤収納庫の上方)が確保されている。電装部には制御部22(電子制御回路)や負圧吸引源23(空気圧回路)などが格納装備されている。負圧吸引源23は、負圧発生用ポンプや切換バルブ等からなり、図示しないフレキシブルチューブ等で負圧吸引力を供給する。制御部22は、例えばマイクロプロセッサシステム等からなり、負圧吸引源23と薬剤取出機構50とトレイ搬送部24の動作制御を行う。トレイ搬送部24は、例えばベルトコンベアユニットからなり、空のトレイ25を搬入するとともに、薬剤カセット40から取り出され収集されたPTP包装剤10を収容したトレイ25を搬出するようになっている。
薬剤カセット40は(図1(c)〜(e)参照)、PTP包装剤10を前後方向へ一列に整列させて収納するために、前板41と底板42と左側板43と右側板44とを具えている。これらは、例えば板金や樹脂からなり、打抜きや射出成形などで加工され、一体成形で或いは曲げや接着などで相互固定されて、整列薬剤の収納空間を囲っている。それらの固定部材41〜44のうち前板41には切欠41aが形成されている。切欠41aは、PTP包装剤10の吸着可能面の一部を露出させるとともに、後述する吸着部材53cの遊挿を可能とするため、少なくとも前板41の上辺から中央部に延びて形成され、図示の例では、前板41の上辺から下辺に達している。固定部材41〜44のうち底板42は、薬剤カセット40の棚30への着脱を自在に行えるよう更には装着に随伴して自然に且つ適切に位置決めや姿勢保持がなされるよう、板材32に係着されるようになっている。
また、薬剤カセット40には、整列収納したPTP包装剤10を前板41に向けて前進させるために、付勢機構45が内蔵されている。付勢機構45は、整列薬剤の収納空間の中を後端部から前端部まで可動部材(付勢部材)を移動させるものであり、その移動に際して収納薬剤の列尾・後尾を概ね一定の推力で押しつづけるようになっており、例えば先端を前板41に連結され底板42に沿って展開されるゼンマイを組み込んだ機構などで具現される(例えば特許文献1参照)。
さらに、薬剤カセット40には、整列収納したPTP包装剤10のうち先頭を除いた二番目以降の後続薬剤を上から軽く押さえておくために、例えば樹脂からなる平板状の上蓋46が付設されている。この上蓋46が後端部を揺動中心にして前端部を上下動することができるよう、底板42の後端部に背板47が立設され、背板47の上端部に上蓋46の後端部が連結され、その連結部すなわち節点がピン接合などの滑節になっている。図示の例では、上蓋46の後端に突設された係合子46aを、背板47の上端に切り込み形成されたスリット状の係合溝47aに、遊嵌させるようになっている。揺動に必要な遊びは確保されているが、係合状態維持等のため適宜な抜け止めが付いている。
上蓋46は(図2(a)参照)長さが底板42より短く前端が前板41に届かないので、薬剤カセット40の上面のうち前面寄り部分が解放される。この上面解放部48は、後述する吸着部材53cで吸着したPTP包装剤10を引き上げて薬剤カセット40から抜き出すのを可能とするために確保されるものであり、前板41の上辺のところで切欠41aと連なっている。剤種によってPTP包装剤10の厚みが異なるので、それに上面解放部48の前後方向の幅を適合させるために、上蓋46を前後に移動させる前後位置調整機構が薬剤カセット40には設けられている。その前後位置調整機構は、係合子46aの突出長をネジ込み等で可変したり(図2(b)参照)、固定具47bを一旦緩めて背板47の立設位置を可変する(図2(c)参照)、といった簡便な手法で具現化される。
薬剤取出機構50は(図1(a),(c),図3参照)、縦横に配置された多数の薬剤カセット40うち任意のものから収納薬剤を取り出すために、縦軸ガイド51の案内にて横軸ガイド52を上下方向・鉛直方向に移動させるとともに、横軸ガイド52の案内にてXY移動部53を左右方向・水平方向に移動させることにより、個々の薬剤取出を担うXY移動部53を取出対象の薬剤カセット40の前方に位置させるようになっている。図示の例では、取り出された薬剤を受け入れて暫く留め置く受箱54も、XY移動部53に随伴して縦横移動するようになっているが、それに代えて又はそれに加えて、取り出された薬剤を水平に搬送するベルトコンベア等を横軸ガイド52に組み込む等して設けても良い(例えば特許文献1参照)。
XY移動部53の薬剤カセット40対向面には(図1(c)参照)、進退および昇降の可能なアーム53aが設けられており、そのアーム53aの先端のヘッド53bには、吸着部材53cが取り付けられており、その吸着部材53cには負圧吸引源23から負圧吸引力が供給されるようになっている。吸着部材53cは、吸気口の形成された軟質部材や柔らかい多孔質パッドなどからなり、負圧吸引力が供給されると平坦面に吸い付くようになっている(特許文献2参照)。XY移動部53は(図3参照)、対向している薬剤カセット40からPTP包装剤10を取り出すために(図3(a)参照)、アーム53aを伸ばして吸着部材53cを薬剤カセット40の前板41の切欠41aに遊挿させ(図3(b)参照)、それからアーム53aと共に吸着部材53cを上昇させ(図3(c)参照)、さらにアーム53aを縮めて下降させるようになっている。
制御部22は(図4参照)、処方箋データ又は派生した調剤データに基づいて自動払出の制御を行うために、例えば払出制御プログラムや調剤データ入力プログラムなどがインストールされており、払出制御プログラムの実行によって、薬剤取出機構50の吸着部材53cに負圧吸引力を供給する負圧吸引源23の動作制御と、XY移動部53を縦横に移動させて任意の薬剤カセット40の前方に位置させる薬剤取出機構50の駆動部55の動作制御と、トレイ25の搬入出を行うトレイ搬送部24の動作制御を行うようになっている。また、調剤データ入力プログラムの実行によって、装置に付設された操作入力手段および表示手段としてのタッチパネル22bや、外部のいわゆる処方オーダリングシステム・処方オーダーエントリシステムに繋がっている外部通信手段22aを介して、剤種や剤数を指定する調剤データを入力するようになっている。
この実施例1のPTP払出装置20(調剤用薬剤払出装置)について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図5は、(a)がPTP包装剤10の斜視図、(b)がPTP包装剤10を整列収納した薬剤カセット40の縦断右側面図である。図6(a)〜(d)は、何れも、薬剤取出機構50のXY移動部53の右側面図および薬剤カセット40の縦断右側面図である。
PTP包装剤10の典型的な形状は片面が平坦で他面に薬剤収納用突部の列設された角板状であり(図5(a)参照)、PTP包装剤10の典型的なサイズは幅が数十mmで長さが百数十mmで厚みが数mmであり、PTP包装剤10の典型的な重量・質量は、数十mg〜百数十mgである。
空のカセット40は補充作業者が棚30から取り外して手作業でPTP包装剤10を補充する(図5(b)参照)。補充作業者は、さらに上蓋46を取り外して薬剤カセット40の上面を全域解放状態にし、付勢機構45を後退させながら、解放上面からPTP包装剤10を一列に並べて収納するが、そのとき、PTP包装剤10の両面のうち吸着に適した平坦面を前側にし、吸着に適さない薬剤収納用突部列設面を後側にする。
そして、収納を終えたら上蓋46を戻し、必要であれば薬剤カセット40における上面解放部48の幅の調整も行う。
このような補充作業を薬剤カセット40それぞれに行うと各種のPTP包装剤10を払い出す準備が調うので、調剤用薬剤払出装置20を自動モードで作動させる。
その状態で、処方箋データ又は派生した調剤データが図示しない外部通信手段22aやタッチパネル22bを介して制御部22に入力されると、それに基づく制御部22の制御によって調剤用薬剤払出装置20では次のようにして処方薬剤の自動払出が行われる。
すなわち、薬剤取出機構50のXY移動部53が上下左右に移動して、払出対象のPTP包装剤10の収納されている薬剤カセット40の前に来る。そして(図6(a)参照)、吸着部材53cが切欠41aに進入するとともに、負圧吸引力が吸着部材53cに供給されて、薬剤カセット40内の先頭のPTP包装剤10が吸着部材53cに吸着される。それから、吸着部材53cが上昇して(図6(b)参照)先頭のPTP包装剤10が上面解放部48から引き出され、吸着部材53cがXY移動部53側に戻って(図6(c)参照)先頭のPTP包装剤10が薬剤カセット40から完全に取り出される。先頭のPTP包装剤10が抜き去られると、薬剤カセット40内では、整列収納されているPTP包装剤10が付勢機構45に押されて前進して、二番目のPTP包装剤10が先頭になり、三番目以降のPTP包装剤10も順に繰り上がる。
さらに(図6(d)参照)、吸着部材53cが下降して、負圧吸引力の供給が止む。そうすると、PTP包装剤10が、吸着部材53cから離れて自然落下し、受箱54に投入される。
こうして、このPTP払出装置20にあっては、薬剤取出機構50が吸着部材53cを薬剤カセット40の前板41の切欠41aに遊挿させてから上昇させることにより、多数の薬剤カセット40のうち任意のものからPTP包装剤10が能率良く取り出される。
また、このようにしてPTP包装剤10が取り出されるので、薬剤カセット40と直上の棚30との間隙はPTP包装剤10の幅より僅かに広ければ良いことから、吸着部材53cやヘッド53bの全体が遊挿できる程には広げる必要が無いので、棚30の上下間隔を狭めて収納効率を上げることができる。
そして、調剤データ等で剤種や個数の指定されたPTP包装剤10が、次々に、該当する薬剤カセット40から取り出されて、受箱54に収集され、その後、受箱54からトレイ25に移載されて、トレイ搬送部24によって搬出される。
図7に縦断右側面図を示した本発明のPTP払出装置70(調剤用薬剤払出装置)が上述した実施例1のPTP払出装置20と相違するのは、縦軸ガイド51と薬剤カセット40の前端の縦方向の並びとが傾いたことである。
その傾きは、下側を前にし上側を後ろにして鉛直から数゜〜数十゜ほど傾斜しており、それに対応したXY移動部53の移動空間を確保するため、前面扉71と薬剤収納庫部分と間が前後に少し広げられている。
この場合、上下の薬剤カセット40に関して、下の薬剤カセット40の上面解放部48が確実に上の薬剤カセット40の前端よりも前に出ているので、下の薬剤カセット40と直上の棚30や上の薬剤カセット40との間隙は、PTP包装剤10の幅より狭くても薬剤取出に不都合が無く、薬剤カセット40の着脱に必要な僅かな分だけ有れば足りるので、棚30の上下間隔を更に狭めて一層収納効率を上げることができる。
[その他]
上記実施例では、払い出したPTP包装剤10がトレイ25に収容されトレイ搬送部24によって搬出されるようになっていたが、トレイ搬送部24は必須でなく省いても良い。あるいは、トレイ搬送部24を複線化したり、トレイ収納ユニットや調剤指示箋印刷用プリンタ等を併設しても良い。
また、補充のため着脱する薬剤カセット40の装着先を補充作業者に明示するため、薬剤カセット40と棚30の板材32の前端とに視認可能な識別マークを付すのも良く、そのようなマークを例えばバーコードリーダ等で読み取って制御部22で突き合わせ確認するようにしても良い。
本発明の実施例1について、調剤用薬剤払出装置の構造を示し、(a)が前面扉を外したところの全体正面図、、(b)が薬剤取出機構も外したところの全体正面図、(c)が薬剤取出機構のXY移動部の右側面図および薬剤カセットの縦断右側面図、(d)が薬剤カセットの斜視図であって左から右へ完全な状態と上蓋無しの状態と固定板だけの状態であり、(e)が薬剤収納状態の斜視図であって左から右へ完全な状態と上蓋無しの状態とPTP包装剤だけの状態である。 上蓋の前後位置調整機構の構造例を示し、(a)〜(c)いずれも薬剤カセットの縦断右側面図である。 薬剤取出機構の要部構造を示し、(a)〜(c)いずれもXY移動部の右側面図である。 制御部等のブロック図である。 使用状態および動作状態を示し、(a)がPTP包装剤の斜視図、(b)がPTP包装剤を整列収納した薬剤カセットの縦断右側面図である。 (a)〜(d)が何れも薬剤取出機構のXY移動部の右側面図および薬剤カセットの縦断右側面図である。 本発明の実施例2について、調剤用薬剤払出装置の構造を示す縦断右側面図である。
符号の説明
10…PTP包装剤(調剤用薬剤)、
20…PTP払出装置(調剤用薬剤払出装置)、21…筐体、
22…制御部、22a…外部通信手段、22b…タッチパネル、
23…負圧吸引源、24…トレイ搬送部、25…トレイ、
30…棚(支持手段)、31…角材、32…板材、
40…薬剤カセット、41…前板、41a…切欠、
42…底板、43…左側板、44…右側板、45…付勢機構、
46…上蓋、46a…係合子、47…背板、47a…係合溝、
47b…固定具、48…上面解放部、
50…薬剤取出機構、51…縦軸ガイド、52…横軸ガイド、
53…XY移動部、53a…アーム、53b…ヘッド、
53c…吸着部材、54…受箱、55…駆動部、
70…PTP払出装置(調剤用薬剤払出装置)、71…前面扉

Claims (3)

  1. PTP包装した薬剤またはそれと等価な薬剤を整列収納する相互固定の前板と底板と左右両側板とを有しそれらの薬剤を前進させる付勢部材が内蔵され前記前板には上辺から中央部または下辺に至る切欠が形成され上面の全域または前面寄り部分が解放された多数の薬剤カセットと、これらの薬剤カセットを前後に延びた横置き状態で且つ並べて保持する支持手段と、吸着部材を有しこれを前記切欠に遊挿させてから上昇させることにより前記薬剤カセットのうち任意のものから収納薬剤を取り出す取出機構とを備えている調剤用薬剤払出装置。
  2. 後端部を揺動中心にして前端部を上下動しうる平板状の上蓋が前記薬剤カセットそれぞれに設けられていることを特徴とする請求項1記載の調剤用薬剤払出装置。
  3. 前記上蓋を前後に移動させる前後位置調整機構が設けられていることを特徴とする請求項2記載の調剤用薬剤払出装置。
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