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JP2006109857A - 調剤用薬剤払出装置 - Google Patents

調剤用薬剤払出装置 Download PDF

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JP2006109857A JP2004297066A JP2004297066A JP2006109857A JP 2006109857 A JP2006109857 A JP 2006109857A JP 2004297066 A JP2004297066 A JP 2004297066A JP 2004297066 A JP2004297066 A JP 2004297066A JP 2006109857 A JP2006109857 A JP 2006109857A
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Shiro Omura
司郎 大村
Hideaki Hirobe
英明 廣部
Yoshito Omura
義人 大村
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Abstract

【課題】 カセットを引き出さなくても薬剤を補充できるようにする。
【解決手段】列設された薬剤カセット20と、その任意のものから調剤用薬剤40を吸引して取り出す取出機構30とを備えた調剤用薬剤払出装置10において、薬剤カセット20の前面を全域解放し、薬剤カセット20を前上がり状態で傾ける。また、その傾きを調整可能にする。これにより、随伴行為の不要化による補充作業の負担軽減と引出部材の不要化による原価の低減とが同時に達成されるので、補充し易い調剤用薬剤払出装置を安く提供することができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、負圧吸引にて引上げ可能な薬剤を幾種類か積上げ収納しておいて所望のものを払い出す調剤用薬剤払出装置に関する。
そのような調剤用薬剤としては、PTP包装した薬剤(PTP包装剤)が典型的であるが、積上げても崩れないような板状体や箱状体に形成または包装されていて、上下両面または少なくとも片面が吸着可能に平坦であれば良く、そのような条件を満たすなら例えば薄手の紙箱やプラスチックケース等に納められた薬剤も該当する。
広範な形態の調剤用薬剤を払い出すようになった調剤用薬剤払出装置が提供されている(例えば特許文献1参照)。これは、調剤用薬剤を収容する多数の薬剤カセットと、薬剤カセットのうち所望の調剤用薬剤を収容しているものからその薬剤を取り出して所定の位置に搬送する払出搬送機構とを具備した調剤用薬剤払出装置であって、払出搬送機構は、上記の薬剤取り出しを担う摩擦部材を備え、この摩擦部材は、薬剤カセットに臨む摩擦面に多数の突起が形成されるとともに、摩擦面が上向きに又は斜め上向きに進むよう駆動される。この場合、摩擦面さえ有れば、調剤用薬剤の細かな形態や硬軟などに拘わらず適用できるので、適用範囲が広い。
また、種々の調剤用薬剤を吸引して払い出すようになった調剤用薬剤払出装置も提供されている(例えば特許文献2参照)。これは、回転可能な収納庫に収納された多数の薬剤カセットと、薬剤カセットのうち取出位置に来たものから調剤用薬剤を吸引して取り出す取出機構とを備えている。このように取出機構を固定して複数の薬剤カセットで共用するようにしたことにより、個数の多い薬剤カセットが簡素になるうえ、吸気用配管等を多方面に張り巡らせる必要も無くなっている。
特開2000−024083号公報 (第1頁) 特開2000−167023号公報 (第1頁)
しかしながら、このような従来の調剤用薬剤払出装置では、補充のため薬剤カセットに調剤用薬剤を収納するとき薬剤カセット等を筐体から引き出すようになっている。
このため、各カセット毎に引出レールや引出対応の着座部などの引出部材が必要となっており、その意味では部材数が未だ多いと言わざるを得ない。
また、補充作業がカセット引出行為と薬剤収納行為とカセット押戻行為とを連ねたもので、薬剤収納行為の前後にそれ以外の行為が随伴しており、その意味では補充作業が未だ煩雑であると言わざるを得ない。
そこで、随伴行為の不要化による補充作業の負担軽減と、引出部材の不要化による原価の低減とを、同時に達成するべく、カセットを引き出さなくても薬剤を補充できるように装置を改良することが技術的な課題となる。
本発明の調剤用薬剤払出装置は(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、列設された薬剤カセットと、その任意のものから調剤用薬剤を吸引して取り出す取出機構とを備えた調剤用薬剤払出装置において、前記薬剤カセットの前面が全域解放されており、前記薬剤カセットが前上がり状態で傾いている、というものである。
また、本発明の調剤用薬剤払出装置は(解決手段2)、上記解決手段1の調剤用薬剤払出装置であって、前記薬剤カセットの前上がり状態の傾きが調整可能になっている、というものである。
さらに、本発明の調剤用薬剤払出装置は(解決手段3)、上記解決手段1,2の調剤用薬剤払出装置であって、前記取出機構が前記薬剤カセットの解放前面から最上の調剤用薬剤を取り出すものである。すなわち、前記取出機構が、前記薬剤カセットのうち取出対象のものから薬剤取出を行う際、当該薬剤カセットに積上げ収納されている調剤用薬剤のうち最も上のものを、当該薬剤カセットの解放前面から取り出すようになっている。
このような本発明の調剤用薬剤払出装置にあっては(解決手段1)、調剤用薬剤の取出が吸引方式なので、調剤用薬剤を積み重ねた状態で薬剤カセットに収納しておいて最上のものから順に払い出すことができる。また、薬剤カセットの前面が全域解放されているので、薬剤補充時には、薬剤カセットを引き出すまでもなく、薬剤カセットに前面から調剤用薬剤を入れることができる。その際、一つずつ入れて積み上げていくことも、積み重なった状態のまま一括して入れることもできる。
薬剤カセット内で積み重なっている調剤用薬剤は、薬剤カセットが前上がり状態で傾いているので、薬剤カセットの前面が全域解放されていても、前方へ崩れ落ちるおそれはなく、上のものから順に吸引にて取り出される。
薬剤カセットを引き出す必要がないので、薬剤カセットを引出可能に支持するための引出部材も省くことができる。
したがって、この発明によれば、補充し易い調剤用薬剤払出装置を安価に実現することができる。
また、本発明の調剤用薬剤払出装置にあっては(解決手段2)、薬剤カセットの前上がり状態の傾きを調整可能にしたことにより、装置の安定動作と作業の容易化とで妥協を図ることができる。
すなわち、調剤用薬剤が積み重ねたときに崩れやすいもののときには傾斜をきつくして崩れを確実に防止する一方、調剤用薬剤が積み重ねても崩れ難いもののときには傾斜を緩くして前面からの薬剤補充作業を楽にすることができる。
さらに、本発明の調剤用薬剤払出装置にあっては(解決手段3)、薬剤カセットに積み重ねられた調剤用薬剤が上から順に取り出されるが、そのときの薬剤取出が薬剤カセットの解放前面から行われる。このように薬剤補充ばかりか薬剤取出も前面から行うようにしたことにより、取出機構が負圧吸引にて薬剤を引き上げる態様のものであっても、吸着部材の作動のため薬剤カセットの上方に確保しなければならない空間が少なくて済むので、その分だけ薬剤カセットの列設効率ひいては調剤用薬剤の収納効率が向上する。
したがって、この発明によれば、補充し易く収納効率も良い調剤用薬剤払出装置を安価に実現することができる。
このような本発明の調剤用薬剤払出装置について、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1〜2により説明する。
図1〜2に示した実施例1は、上述した解決手段1〜3(出願当初の請求項1〜3)を総て具現化したものであり、図3〜4に示した実施例2は、その変形例である。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具,ヒンジ等の連結具,電動モータ等の駆動源,タイミングベルト等の伝動部材,モータドライバ等の詳細な電気回路,コントローラ等の詳細な電子回路,空気圧回路などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
本発明の調剤用薬剤払出装置の実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、調剤用薬剤払出装置10の構造を示し、(a)が薬剤取出機構30を外したところの正面図、(b)が全体正面図、(c)がその縦断右側面図、(d)が薬剤収納済みカセット20の斜視図、(e)が空の薬剤カセット20の斜視図、(f)及び(g)が棚板21の斜視図、(h)がそれに左側板22を取り付けた状態の斜視図、(i)がそれに右側板23も取り付けた状態の斜視図、(j)が背板24の後背側の斜視図、(k)が右側板23を透かした状態の薬剤カセット20の斜視図である。
この調剤用薬剤払出装置10は(図1(a)〜(c)参照)、筐体11内の奥側・後背側の部分に、複数(図では四個)の薬剤カセット20を縦一列に配設したものであり、筐体11内の手前部分には薬剤取出機構30が設けられている。また、その作動を妨げないところに電装部等が確保され、そこにはコントローラ12(電子制御回路)や負圧吸引源13(空気圧回路)などが格納装備されている。負圧吸引源13は、負圧発生用ポンプや切換バルブ等からなり、図示しないフレキシブルチューブ等で負圧吸引力を供給する。コントローラ12は、例えばマイクロプロセッサシステム等からなり、負圧吸引源13の作動制御に加えて、薬剤取出機構30の動作制御も、行うようになっている。
薬剤カセット20は(図1(c)〜(e)参照)、PTP包装剤40(調剤用薬剤)を積上げ収納しておけるよう、内部空間がPTP包装剤40より一回り大きい箱状体からなり、薬剤カセット20を筐体11から引き出さなくてもPTP包装剤40を補充できるよう且つ薬剤取出機構30で最上のPTP包装剤40を吸引して取り出すときに干渉しないよう、薬剤カセット20の前面と上面とが全域に亘って解放されている。左右両側面と底面と背面は板材22,23,24で囲われている。
このような薬剤カセット20は、筐体11に装着する際、前上がり状態に傾けて取り付けられるようになっている。また、その前上がり状態の傾きが調整できるようにもなっている。そのための傾き調整機構は、図示は割愛したが、例えば、薬剤カセット20と筐体11との連結部にロック可能な揺動機構を介挿しておくことや、薬剤カセット20と筐体11との連結部に揺動中心の丸穴と揺動範囲規定の弧状穴とを形成しておいてネジで固定すること、薬剤カセット20と筐体11との連結部に厚み調節可能なスペーサを介挿しておくこと等で、簡便に具現される。
薬剤カセット20の具体的な製造例を一つ詳述すると(図1(f)〜(k)参照)、引出レール等が不要なので、棚板21が薬剤カセット20の底部構造材を兼ねており(図1(f)参照)、棚板21には、左側板22及び右側板23を取り付けるための長穴21aと、背板24を取り付けるためのネジ穴21bとが、形成されている。また(図1(g)参照)、薬剤カセット20の傾き調整が薬剤取出機構30に与える影響を小さく抑えるため、筐体11に薬剤カセット20を装着した状態では、棚板21の前端部の上下位置が固定され、棚板21の後端部の上下位置が或る程度の範囲で移動調節も固定もできるようになっている。薬剤カセット20の傾きは水平から測って例えば5゜〜15゜の範囲で調整できるようになっている。
左側板22は(図1(h)参照)、平板を直角に折り曲げたアングル材からなり、片方にネジ穴22aが形成されており、他方を左側に立てる状態で、下から長穴21aを通してネジ穴22aにねじ込んだ小ボルトにて棚板21の上面の左部分に取り付けられる。それとは左右対称であるが、右側板23も(図1(i)参照)、平板を直角に折り曲げたアングル材からなり、片方にネジ穴23aが形成されており、他方を右側に立てる状態で、下から長穴21aを通してネジ穴23aにねじ込んだ小ボルトにて棚板21の上面の右部分に取り付けられる。両側板22,23間の距離すなわち薬剤カセット20内部の横幅を例えば10mm程度は調節可能とするために、長穴21aは横長に即ち左右に長く形成されている。
背板24は(図1(j)参照)、やはり平板を直角に折り曲げたアングル材からなるが、その片方には長穴24aが形成されている。そして(図1(k)参照)、その部分を後に向け、他方を立てる状態で、上から長穴24aを通してネジ穴21bにねじ込んだ小ボルトにて棚板21の上面の後部分に取り付けられる。その際、棚板21上面と両側板22,23との段差は適宜なスペーサ等で補償すると良い。カセット前面から背板24までの距離すなわち薬剤カセット20内部の奥行きを例えば70mm程度は調節可能とするために、長穴24aは縦長に即ち前後に長く形成されている。
薬剤取出機構30は(図1(b),(c)参照)、縦一列の薬剤カセット20のうち任意のものからPTP包装剤40(調剤用薬剤)を吸引して取り出すために、縦軸ガイド31に案内されてスライダ32が鉛直方向に移動しうるようになっており、スライダ32に要部が取着されている。薬剤取出機構30の要部は、コントローラ12制御下の昇降用サーボモータや揺動用パルスモータ等を格納した胸部33と、そこから横に突き出て薬剤カセット20の前まで延びている腕部34と、それを中心軸にして揺動する手部35とからなる。この手部35の片面には吸着部材36が取り付けられ、その吸着部材36には負圧吸引源13から負圧吸引力が供給されるようになっている。吸着部材36は、吸気口の形成された軟質部材や柔らかい多孔質パッドなどからなり、負圧吸引力が供給されると平坦面に吸い付くようになっている(特許文献2参照)。
この実施例1の調剤用薬剤払出装置10について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図2は、その使用状態および動作状態を示し、(a)がPTP包装剤40の斜視図、(b)がPTP包装剤40の積重物の側面図、(c)が空の薬剤カセット20の縦断右側面図、(d)が薬剤収納済みカセット20の縦断右側面図、(e)〜(h)が何れも薬剤取出機構30および薬剤カセット20の縦断右側面図である。
PTP包装剤40の典型的な形状は(図2(a)参照)片面が平坦で他面に薬剤収納用突部の列設された角板状であり、PTP包装剤40の典型的なサイズは幅が数十mmで長さが百数十mmで厚みが数mmであり、PTP包装剤20の典型的な重量・質量は、数十mg〜百数十mgである。
補充のためにPTP包装剤40を積み重ねるときは(図2(b)参照)、吸着に適した平坦面を上側にし、吸着に適さない薬剤収納用突部列設面を下側にする。
補充作業者は(図2(c)参照)、縦一列に重ねたPTP包装剤40を手に持って、それをそのまま纏めて薬剤カセット20にいれる。そのとき、解放前面から入れて奥まで押し込むようにして背板24に寄り掛からせ(図2(d)参照)、崩れる気配を感じたら薬剤カセット20の傾きを調整してPTP包装剤40の状態を安定させる。また、必要であれば、薬剤カセット20内部の奥行や横幅の再調整も行う。
このような補充作業を薬剤カセット20それぞれに行うと各種のPTP包装剤40を払い出す準備が調うので、調剤用薬剤払出装置10を自動モードで作動させる。
その状態で、処方箋データ又は派生した調剤指示データが図示しない付属の入力装置や上位の処方オーダーエントリシステム等からコントローラ12に入力や受信されると、それに基づくコントローラ12の制御によって調剤用薬剤払出装置10では次のようにして処方薬剤の自動払出が行われる。
すなわち、先ず(図2(e)参照)、薬剤取出機構30が昇降して、払出対象のPTP包装剤40の収納されている薬剤カセット20の前に薬剤取出機構30の胸部33が来る。さらに、薬剤取出機構30は、手部35を揺動させて、薬剤カセット20内のPTP包装剤40の上方に吸着部材36を位置させ、手部35の傾きを水平から約10゜に維持する。
それから(図2(f)参照)、負圧吸引源13から吸着部材36に負圧吸引力が供給されるとともに、薬剤取出機構30が下降する。そして、吸着部材36に最上のPTP包装剤40が着いて吸引されると、そのことが圧力変化等で検知されるので、そのPTP包装剤40を取り出すために薬剤取出機構30が上昇に転じる(図2(g)参照)。薬剤取出機構30が十分に上昇したら、手部35が受箱37の上方に揺動し(図2(h)参照)、更に吸着部材36への負圧吸引力の供給が止められて、所望のPTP包装剤40が受箱37に払い出される。
こうして、この調剤用薬剤払出装置10にあっては、PTP包装剤40を種類ごとに分けて別の薬剤カセット20に積上げ収納しておき、処方箋や調剤指示に応じて所望のものを自動で払い出すことができる。しかも、薬剤カセット20を筐体11から引き出さなくてもPTP包装剤40を補充することができ、さらにはその補充を一括で行うことができる。図示は割愛したが、一つずつ補充するのも、幾つかずつに分割して補充するのも、任意に行える。また、引出部材が無くて安価に製造できるうえ、薬剤カセット20の傾きや,横幅,奥行きが調整できて適用範囲が広い。
図3に正面図を示し図4に縦断右側面模式図を示した本発明の調剤用薬剤払出装置50が上述した実施例1の調剤用薬剤払出装置10と相違するのは、筐体11が大きな筐体51になった点と、薬剤取出機構30が上下移動動に加えて水平移動も行う薬剤取出機構60になった点である。
筐体51には、多数の薬剤カセット20が縦だけでなく横にも並んでマトリクス状(図では4行5列)に配設されている。各段における薬剤カセット20の棚板21は、個別であっても良いが、この例では一体化されて長い一枚の板体になっている。
薬剤取出機構60は、薬剤取出機構30を変形および拡張したものであり、上述した各部31〜36に加えて、横架部61と水平搬送コンベア62と一時貯留箱63と底面開閉機構64と水平搬送コンベア65を具えている。受箱37は省かれている。
詳述すると、縦軸ガイド31が筐体51の左右に分かれて配置され、それらによって上下に案内される両スライダ32には、水平に延びた横架部61が架設され、その横架部61の中に水平搬送コンベア62が横たわる状態で設置されている。また、薬剤取出機構60では、胸部33が横架部61に支持および案内されて左右に移動しうるようになっている。さらに、手部35が揺動に加えて伸縮も行うことで、吸着部材36が弧状運動に加えて進退運動も行うようになっている。
一時貯留箱63は、上面が解放され下面に底面開閉機構64が装着された箱体からなり、横架部61に取り付けられて、水平搬送コンベア62の終端の下方に位置し、水平搬送コンベア62から投入されたPTP包装剤40を下面閉塞状態では貯留し底面開閉機構64で下面を開くと貯留薬剤を落下放出するようになっている。
水平搬送コンベア65は、調剤用薬剤払出装置10の内底に横たえて設置され、払出トレー70を乗せられると、これを一時貯留箱63の下方へ搬送したり、図示しないトレー取出口や後続の調剤機へ搬出したりするようになっている。
この場合、薬剤カセット20が縦横に配置されているが、薬剤取出機構60の胸部33が適宜な昇降と水平移動とを行うことにより、手部35及び吸着部材36が任意の薬剤カセット20のところへ薬剤取出に行くことができる。吸着部材36で吸引して取り出されたPTP包装剤40は、水平搬送コンベア62上に移載されそれで水平搬送されてから一時貯留箱63に投入されるか、直に一時貯留箱63に投入され、何れにしても一旦は一時貯留箱63に留め置かれる。
そして、そのような動作が処方箋や調剤指示に基づいて繰り返され、所望のPTP包装剤40の収集が済むと、薬剤取出機構60が下降し、底面開閉機構64が一時貯留箱63の底を開けるので、収集されたPTP包装剤40は、纏まって、水平搬送コンベア65上の払出トレー70に移される。
こうして、この場合も、多数のPTP包装剤40を種類ごとに分けて別の薬剤カセット20に積上げ収納しておき、処方箋や調剤指示に応じて所望のものを自動で払い出すことができる。
しかも、吸着部材36が進退運動も行うようにしたことにより、弧状運動だけのときより吸着部材36等と薬剤カセット20との干渉範囲が小さくなるので、上下の薬剤カセット20の間を狭めて、薬剤カセット20を密に配置することができる。
また、繰り返しとなる説明は割愛するが、上述した薬剤カセット20の長所も引き継がれている。すなわち、薬剤カセット20を筐体11から引き出さなくてもPTP包装剤40を補充することができ、さらにはその補充を一括でも一つずつでも任意に行うことができる。また、引出部材が無くて安価に製造できるうえ、薬剤カセット20の傾きや,横幅,奥行きが調整できて適用範囲が広い。
[その他]
上記各実施例では、薬剤カセット20の前面に加えて上面も解放されていたが、上面の解放は必須でなく、吸着部材36を上面より上まで上昇させるのも必須でなく、例えば吸着部材36を薬剤カセット20の解放前面から出し入れできるような状態でPTP包装剤40の積上げを行うといった運用で足りる。
上記各実施例では、薬剤カセット20内部の横幅や奥行きの調整をネジ穴と長穴との組み合わせて具現化したが、それらの穴の形成先部材は上述したものに限られる訳でなく例えば入れ替えても良い。あるいは長穴同士にボルトを通してナットで止めるようにしても良く、種々の調整機構から利便性と費用との兼ね合いで適当なものが採択される。組み立て後の調整の不要な部材同士は接着等にて固定しても良い。
上記各実施例では、棚板21と左側板22と右側板23と背板24とを組み合わせて薬剤カセット20を構成したが、そのような分割形成は必須でない。例えば、プラスチック等で一体形成しても良く、棚板21は金属等で製造し他の部材はプラスチックで製造するのも良い。
上記各実施例では、薬剤カセット20の基本サイズが総て同じになっていたが、薬剤カセット20のサイズが異なっていてもPTP包装剤40の取出に不都合はないので、例えば大・中・小など各種サイズの薬剤カセット20を混在させても良く、その場合、棚によってカセット数が相違していても良い。
上記各実施例では、PTP包装剤の薬剤収納用突部列設面を吸着に適さないとして、その面を下向きにし平坦面を上向きにした状態でPTP包装剤を整列させていたが、薬剤収納用突部の形状等によっては薬剤収納用突部列設面を吸着できるPTP包装剤もあるので、その場合は、PTP包装剤の両面の向きを気にしないでPTP包装剤を整列させても良い。
本発明の実施例1について、調剤用薬剤払出装置の構造を示し、(a)が薬剤取出機構を外したところの正面図、(b)が全体正面図、(c)がその縦断右側面図、(d)が薬剤収納済みカセットの斜視図、(e)が空の薬剤カセットの斜視図、(f)及び(g)が棚板の斜視図、(h)がそれに左側板を取り付けた状態の斜視図、(i)がそれに右側板も取り付けた状態の斜視図、(j)が背板の後背側の斜視図、(k)が右側板を透かした状態のカセット斜視図である。 その使用状態および動作状態を示し、(a)がPTP包装剤の斜視図、(b)がPTP包装剤の積重物の側面図、(c)が空の薬剤カセットの縦断右側面図、(d)が薬剤収納済みカセットの縦断右側面図、(e)〜(h)が何れも薬剤取出機構および薬剤カセットの縦断右側面図である。 本発明の実施例2について、調剤用薬剤払出装置の正面図である。 その縦断右側面模式である。
符号の説明
10…調剤用薬剤払出装置、
11…筐体、12…コントローラ、13…負圧吸引源、
20…薬剤カセット、
21…棚板、21a…長穴、,21b…ネジ穴、
22…左側板、22a…ネジ穴、23…右側板、
23a…ネジ穴、24…背板、24a…長穴、
30…薬剤取出機構、
31…縦軸ガイド、32…スライダ、33…胸部、
34…腕部、35…手部、36…吸着部材、37…受箱、
40…PTP包装剤(調剤用薬剤)、
50…調剤用薬剤払出装置、51…筐体、
60…薬剤取出機構、61…横架部、62…水平搬送コンベア、
63…一時貯留箱、64…底面開閉機構、65…水平搬送コンベア、
70…払出トレー

Claims (3)

  1. 列設された薬剤カセットと、その任意のものから調剤用薬剤を吸引して取り出す取出機構とを備えた調剤用薬剤払出装置において、前記薬剤カセットは、前面が全域解放され、前上がり状態で傾いていることを特徴とする調剤用薬剤払出装置。
  2. 前記薬剤カセットの前上がり状態の傾きが調整可能であることを特徴とする請求項1記載の調剤用薬剤払出装置。
  3. 前記取出機構が前記薬剤カセットの解放前面から最上の調剤用薬剤を取り出すものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された調剤用薬剤払出装置。
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