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JP2006014615A - 茶飲料およびその製造方法 - Google Patents

茶飲料およびその製造方法 Download PDF

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JP2006014615A JP2004193403A JP2004193403A JP2006014615A JP 2006014615 A JP2006014615 A JP 2006014615A JP 2004193403 A JP2004193403 A JP 2004193403A JP 2004193403 A JP2004193403 A JP 2004193403A JP 2006014615 A JP2006014615 A JP 2006014615A
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Abstract

【課題】 本発明は、茶葉抽出残滓からでも十分な茶飲料有効成分を抽出して得ることが可能な茶飲料、およびその製造方法を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】 本発明は、茶葉抽出残滓に対し、酵素処理もしくは麹菌処理を施した水抽出を行うことにより得られる茶飲料有効成分を有することを特徴とする茶飲料を提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】 無し

Description

本発明は、茶葉抽出残滓を原料として用いた茶飲料およびその製造方法に関するものである。
茶は、その製造法の違いから、大きく不発酵茶(緑茶)、半発酵茶(烏龍茶)、完全発酵茶(紅茶)および後発酵茶(黒茶)に大別される。すなわち、不発酵茶は生茶葉を蒸熱または炒熱処理して殺青した後、揉捻、乾燥したものであり、生茶葉自身の持つ酵素群は失われている。一方、半発酵茶および完全発酵茶は、殺青を行わず、揉稔して生茶葉自体の持つ酵素群の作用で発酵を行わせた後、加熱により酵素群を失活せしめて乾燥したものであり、その発酵の程度により半発酵茶から完全発酵茶に分けられる。また、後発酵茶は、殺青処理した不発酵茶を原料にカビを植え付け、堆積して麹菌発酵を行わせたもので、長期間発酵させたものが珍重される。
通常、一般で飲用に供される茶飲料は、これらの不発酵茶(緑茶)、半発酵茶(烏龍茶)、完全発酵茶(紅茶)および後発酵茶(黒茶)を温水または熱水により水抽出されるが、一部、これらの茶葉をセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、プロトペクチナーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼおよびタンナーゼを適宜、単独あるいは組み合わせて酵素処理を行うか、酸またはアルカリを適宜使用して化学的処理を行って水抽出する方法が知られている。これら水抽出された後に残る茶葉抽出残滓は通常は廃棄されるか、あるいは出涸らし茶として再度、温水または熱水により水抽出され、飲用に供されるが、この出涸らし茶は、濃度が薄いもので通常の飲用に適さないものであった。
このような茶葉抽出残滓に対して、近年の環境保護の観点から有効利用を図る動きが見られている。例えば、特許文献1においては植物栽培用培地とすることが提案され、特許文献2においては茶葉抽出残滓等の生ゴミを馬糞菌群により有機物分解を行わせることが提案され、さらに、特許文献3においてはセルロース繊維系有機性廃棄物である茶葉抽出残滓をメタン発酵させて廃棄物量を低減させることが提案されている。一方、特許文献4においては茶葉抽出粕を炭化して、この際、発生する乾留ガスから得られる酢液を製造する方法が提案されているが、茶葉抽出残滓から茶飲料有効成分を抽出して茶飲料として有効利用を図るものではない。
さらに、特許文献5においては茶葉抽出粕に発酵処理を施して、その処理茶粕粉末を食物繊維として飲料に再利用することが提案されている。しかしながら、発酵処理に使用される微生物または酵素群についての言及がされておらず、さらにその技術的課題が明確ではなく、なおかつ発酵処理茶粕粉末を食物繊維として飲料に再利用することが提案されているものであり、水抽出による茶飲料有効成分を飲料として再利用する技術を開示するものではない。
また、特許文献6においては茶抽出粕の圧搾液汁から透明で消臭効果の優れた茶抽出エキスを得ることが提案されているが、茶抽出粕を処理して茶飲料有効成分を抽出することを目的としていないことは明らかであり、同じく水抽出による茶飲料有効成分を飲料として再利用する技術を開示するものではない。
一方、茶葉抽出残滓から積極的に茶葉中に残存する有効成分を積極的に抽出する技術に関しては、例えば特許文献7において、茶葉抽出残滓から含水低級アルコールで茶葉サポニンを抽出する方法、特許文献8においては、茶葉抽出残滓を水蒸気抽出した溜出液を茶葉温水抽出液と混合して嗜好飲料用エキスとすることが提案されている。また、特許文献9において、茶葉を40℃以下の温和な条件で水抽出した後の茶葉抽出残滓を70℃以上のアルカリ水溶液で化学的抽出処理してポリフェノール類を得る方法が提案され、特許文献10においては、茶葉抽出残滓から80℃の熱水で再抽出した液を飲料として使用することが提案されている。
そして、特許文献11において、茶葉抽出残滓を酸で抽出して茶類抽出液中の糖含有量を増加させて茶抽出物の渋味および苦味を抑制する方法が提案され、特許文献12においては、緑茶葉を10℃未満の温和な条件で水抽出した後の茶葉抽出残滓を50℃以上の温水で再抽出した液をカテキン高濃度茶飲料として利用する方法が提案されているが、何れも酵素処理または麹菌処理を施して、積極的に茶葉抽出残滓から茶飲料有効成分を抽出する技術を開示するものではない。
特開2003−325044公報 WO00/064603公報 特開2002−192191公報 特開平06−157227公報 特開平04−179458公報 特開平05−211838公報 特開平08−333380公報 特開2000−135059公報 特開2000−256345公報 特開2001−231450公報 特開2002−153211公報 特開2003−219800公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、従来は廃棄処分されている茶葉抽出残滓からでも十分な茶飲料有効成分を抽出し、飲用に供することが十分可能な茶飲料、およびその製造方法を提供することを主目的とするものである。
本発明者は、茶葉抽出残滓を有効利用して再度、茶飲料として再利用ができるか否かを鋭意検討した結果、茶葉を抽出処理する場合においては利用されているが、茶葉抽出残滓に利用されることについては省みられることがなく利用されることがなかった酵素処理あるいは麹菌発酵処理を行えば、意外にも、これまで抽出し尽くして、ほとんど茶飲料有効成分が抽出不可能と思われてきたか、あるいは水による再抽出を行うにしても多くの茶飲料有効成分の抽出がされないか、酸またはアルカリによる化学的処理によらなければ多くの茶飲料有効成分の抽出が期待できないと思われてきた茶葉抽出残滓を水に懸濁してヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、プロトペクチナーゼからなる酵素群の1種類または2種類以上を組み合わせ、さらに必要に応じてこれらの酵素群にセルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、タンナーゼの1種類または2種類以上を組み合わせて用いる酵素処理、あるいは植物組織分解活性、タンナーゼ活性を有するカビによる麹菌処理を行うことで、茶葉抽出残滓から茶飲料有効成分である茶葉由来の水溶性固形分、タンニンおよびカテキン類等が多量に抽出可能なことを新たに見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明はこれまで抽出し尽くして、ほとんど茶飲料有効成分が抽出不可能と思われてきたため、廃棄処分か飼料、肥料に再利用するしか途がないと考えられてきた茶葉抽出残滓に対し、酵素処理もしくは麹菌処理を施した水抽出を行うことにより得られる多くの茶飲料有効成分を有することを特徴とする茶飲料を提供する。
本発明は、このように茶葉抽出残滓を用いて茶飲料を提供するものであるので、従来産業廃棄物として廃棄されていた茶葉抽出残滓を有効に利用することが可能となり、また得られる茶飲料は、苦渋味が少なく、旨味とコク味が強いものであるという利点を有するものである。
上記発明においては、前記茶葉抽出残滓の茶葉が不発酵茶である場合は、
前記単位水抽出液当たりの水可溶性固形分値、タンニン含有値およびカテキン類含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の水溶性固形分値に対し3.0倍以上であり、同じくタンニン含有値に対し2.0倍以上であり、同じくカテキン類含有値に対し2.5倍以上であり、
さらに、前記水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値に対して、75%以下であることが好ましい。
また、前記茶葉抽出残滓の茶葉が半発酵茶である場合は、
前記単位水抽出液当たりの水可溶性固形分値、タンニン含有値およびカテキン類含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の水溶性固形分値に対し1.5倍以上であり、同じくタンニン含有値に対し1.3倍以上であり、同じくカテキン類含有値に対し2.3倍以上であり、
さらに、前記水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値に対して、90%以下であることが好ましい。
さらにまた、前記茶葉抽出残滓の茶葉が完全発酵茶である場合は、
前記単位水抽出液当たりの水可溶性固形分値、タンニン含有値およびカテキン類含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の水溶性固形分値に対し1.8倍以上であり、同じくタンニン含有値に対し1.2倍以上であり、同じくカテキン類含有値に対し1.8倍以上であり、
さらに、前記水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値に対して、65%以下であることが好ましい。
このことの理由としては、最初に茶葉を温水あるいは熱水により水抽出した際に水溶性固形分、タンニンおよびカテキン類のかなりの量が抽出され、茶葉抽出残滓に残存する水抽出可能な水溶性固形分、タンニンおよびカテキン類量が最初の茶葉より少なくなるため、単位水抽出液当たりの水溶性固形分、タンニンおよびカテキン類量が酵素処理あるいは麹菌処理したものは、同一の茶葉抽出残滓を酵素処理あるいは麹菌処理を行わずに温水または熱水抽出したものに対して、多く抽出され、さらに単位水溶性固形分当たりのカテキン量が酵素処理あるいは麹菌処理したものは、同一の茶葉抽出残滓を酵素処理あるいは麹菌処理を行わずに温水または熱水抽出したものに対して、少なくなるものと推定される。このことが、茶葉抽出残滓を酵素処理あるいは麹菌処理したものは苦渋味が弱く、旨味とコク味が強く感じられる要因の一つとなっていると考えられる。
さらに、本発明は、茶葉抽出残滓に対し、酵素処理もしくは麹菌処理を施して水抽出を行うことにより、多くの茶飲料有効成分を得て、これを用いて茶飲料を調製することを特徴とする茶飲料の製造方法を提供する。本発明の茶飲料の製造方法によれば、従来産業廃棄物や肥料等として用いられていた茶葉抽抽出残滓を茶飲料として有効に利用することが可能となり、また得られる茶飲料は、苦渋味が少なく、旨味とコク味が強いものであるという利点を有するものである。
上記発明において、上記酵素処理もしくは麹菌処理を施して水抽出を行う方法が、スラリー発酵であることが好ましい。効率的に酵素処理もしくは麹菌処理を行うことができるからである。
また、上記酵素処理が、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、およびプロトペクチナーゼからなる酵素群の1種類または2種類以上を組み合わせて用いる処理であることが好ましく、さらに、セルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼおよびタンナーゼからなる酵素群の1種類または2種類以上を組み合わせたものであることが好ましい。
茶葉抽出残滓をヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、プロトペクチナーゼからなる酵素群の1種類または2種類以上を組み合わせて処理することにより、茶葉由来の水可溶性固形分が産生して苦渋味が弱く、旨味とコク味が増す要因の一つになると考えられる。そして、セルラーゼ、アミラーゼおよびプロテアーゼ処理も行うことで、茶葉抽出残滓中に残存する多糖類およびタンパク質が分解を受けて単糖類、少糖類およびオリゴ糖となり、さらにアミノ酸、ペプチドとなって、旨味およびコク味の増強の要因の一つとなるからである。また、タンナーゼを用いて酵素処理を行うことにより、茶葉中のガレート基を有する苦渋味の強いカテキン類が分解を受け、苦渋味が弱く、強い酸化防止効果を有する没食子酸およびガレート基を有しない遊離型カテキン類が産生されると考えられる。
一方、本発明においては、上記麹菌処理が、植物組織分解活性、およびタンナーゼ活性を有する麹菌を用いた麹菌発酵によるものであることが好ましく、特に上記麹菌は、後発酵茶である黒茶より単離されたものであることが好ましい。
麹菌の有する植物組織分解酵素により茶葉由来の水可溶性固形分が産生して苦渋味が弱く、旨味とコク味が増す要因の一つになっていると考えられる。また、タンナーゼを持つ麹菌の働きにより、茶葉中のガレート基を有する苦渋味の強いカテキン類が分解を受け、苦渋味が弱く、強い酸化防止効果を有する没食子酸およびガレート基を有しない遊離型カテキン類が産生されると考えられるからである。
本発明においては、上記麹菌処理が、麹菌の酵素は活性を有するが麹菌は生育増殖しない温度帯で行われることが好ましい。このような条件で発酵を行うことにより、抗酸化力活性の強い没食子酸およびガレート基を有しない遊離型カテキン類を多く含み、かつカテキン類が多く含まれているにもかかわらず苦渋味が少なく、旨味とコク味とが強い後発酵茶を得ることができるからである。
従来、茶葉を温水または熱水抽出した茶葉抽出残滓は、茶飲料有効成分が、ほとんど残存せず、回収不可能と見られてきたため、焼却処分あるいは廃棄処分されてきた。また、有効利用を図る場合でも肥料あるいは飼料等への有効利用を図る例が多く、茶葉抽出残滓から再度、酵素処理または麹菌処理により、多くの茶飲料有効成分を水抽出して茶飲料として有効利用を図る例はほとんど知られていなかったが、本発明により苦渋味が弱く、旨味とコク味が強い茶飲料への有効利用が可能となった。
本発明は、茶飲料および茶飲料の製造方法に関するものである。以下、まず茶飲料の製造方法を説明し、次いで茶飲料について説明する。
A.茶飲料の製造方法
本発明の茶飲料の製造方法は、茶葉抽出残滓に対し、酵素処理もしくは麹菌処理を施して水抽出を行うことにより茶飲料有効成分を得て、これを用いて茶飲料を調製することを特徴とするものである。本発明の茶飲料の製造方法によれば、従来産業廃棄物や肥料等として用いられていた茶葉抽出残滓を有効に利用することが可能となり、また得られる茶飲料は、苦渋味が少なく、旨味とコク味が強いものであるという利点を有するものである。
本発明の茶飲料の製造方法は、上述したように、酵素処理を行う態様(以下、第1の態様とする。)と、麹菌処理を行う態様(以下、第2の態様とする。)とがある。以下、それぞれについて分けて説明する。
1.第1の態様
本発明における第1の態様は、茶葉抽出残滓に対し、酵素処理を施して水抽出を行うことにより茶飲料有効成分を得て、これを用いて茶飲料を調製するものである。
(茶葉抽出残滓)
本態様に用いられる茶葉抽出残滓は、通常の茶飲料の抽出のために用いられた茶葉の茶葉抽出残滓であれば、特に限定されるものではない。茶葉抽出残滓の原料茶葉としては、茶葉であれば、不発酵茶(緑茶)、半発酵茶(烏龍茶)、完全発酵茶(紅茶)および後発酵茶(黒茶)のいずれでもよいが、不発酵茶(緑茶)、半発酵茶(烏龍茶)、または完全発酵茶(紅茶)であることが好ましい。
なお、本態様に用いられる茶葉抽出残滓としては、特に限定されるものではないが、後述するような酵素処理や麹菌処理および酸またはアルカリ等の化学的処理により水抽出された茶葉抽出残滓でないものであることが好ましい。これらの茶葉抽出残滓では、必要な茶飲料有効成分を十分に抽出することができない可能性があるからである。
(酵素)
本態様に用いられる酵素としては、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、およびプロトペクチナーゼからなる酵素群の1種類、もしくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。以下、これらの各酵素について詳細に説明する。
a.ヘミセルラーゼ
本態様に用いられるヘミセルラーゼとは、ヘミセルロースのグリコシド結合を加水分解する反応を行う酵素である。本態様においては、一般に食品業界においてヘミセルラーゼと称される酵素であれば用いることが可能であり、特にその由来等は限定されるものではなく、また精製品であっても未精製な状態のものであっても用いることができる。
一般的には、Tri.viride起源のものとAsp.niger起源のものが製造販売されており、果物、キノコ類の組織崩壊や穀類組織の軟化、穀類糖化液の濾過性向上等に利用されている。
具体的には、Tri.viride起源のセルロシンTP25、Asp.niger起源のセルロシンHC (以上、何れも阪急共栄物産(株)販売)、同じくAsp.niger起源のセルラーゼY−NC(ヤクルト薬品工業(株)販売)、同Asp.niger起源のヘミセルラーゼ「アマノ」90G (天野エンザイム(株)販売)等を用いる事が可能である。
本態様においては、このようなヘミセルラーゼを、0.01重量%〜0.50重量%、好ましくは0.03重量%〜0.30重量%の範囲内で用いることが好ましい。上記範囲より添加量が少ない場合は、酵素分解抽出効率を向上させる効果を発揮することができず、一方上記範囲より多く添加しても大幅な酵素分解抽出効率の向上が期待できず、コスト面で不利となるからである。
b.ペクチナーゼ
本態様に用いられるペクチナーゼとは、ペクチンデポリメラーゼもしくはポリガラクトウロニダーゼとも称される酵素であり、ポリガラクツロン酸(ペクチン酸)のα−1,4’−グリコシド結合を加水分解する反応を行う酵素である。本態様においては、一般に食品業界においてペクチナーゼと称される酵素であれば用いることが可能であり、特にその由来等は限定されるものではなく、また精製品であっても未精製な状態のものであっても用いることができる。
一般的には、Asp.pulverulentus起源のものとAsp.niger起源のものが製造販売されており、果汁の清澄化、搾汁の歩留まり向上に利用されている。
具体的には、Asp.niger起源のセルロシンPC5、セルロシンPE60、セルロシンPEL(以上、何れも阪急共栄物産(株)販売)、同じくAsp.niger起源のペクチナーゼ3SとペクチナーゼHL(以上、何れもヤクルト薬品工業(株)販売)、同Asp.niger起源のペクチナーゼ「アマノ」PLとAsp. pulverulentus起源のペクチナーゼG「アマノ」 (以上、何れも天野エンザイム(株)販売)等を用いる事が可能である。
本態様においては、このようなペクチナーゼを、0.01重量%〜0.50重量%、好ましくは0.03重量%〜0.30重量%の範囲内で用いることが好ましい。上記範囲より添加量が少ない場合は、酵素分解抽出効率を向上させる効果を発揮することができず、一方上記範囲より多く添加しても大幅な酵素分解抽出効率の向上が期待できず、コスト面で不利となるからである。
c.プロトペクチナーゼ
本態様に用いられるプロトペクチナーゼとは、プロトペクチンに作用して可溶性ペクチン(可溶性ペクチン酸)とする反応を行う酵素で植物組織崩壊酵素、あるいはマセレイテイングエンザイムとも別称される。本態様においては、一般に食品業界においてプロトペクチナーゼ、植物組織崩壊酵素、あるいはマセレイテイングエンザイムと称される酵素であれば用いることが可能であり、特にその由来等は限定されるものではなく、また精製品であっても未精製な状態のものであっても用いることができる。
一般的には、Rhizopus属を起源とするものが販売されており、植物組織間の細胞間物質(主として不溶性のプロトペクチン)に作用して植物組織を単細胞化する働きがある。具体的には、Rhizopus属を起源とするセルロシンME(阪急共栄物産(株)販売)、同じくRhizopus属を起源とするマセロチームA(ヤクルト薬品工業(株)販売)等を用いることが可能である。
本態様においては、このようなプロトペクチナーゼを、0.01重量%〜0.50重量%、好ましくは0.03重量%〜0.30重量%の範囲内で用いることが好ましい。上記範囲より添加量が少ない場合は、酵素分解抽出効率を向上させる効果を発揮することができず、一方上記範囲より多く添加しても大幅な酵素分解抽出効率の向上が期待できず、コスト面で不利となるからである。
e.その他の酵素
本態様においては、上記ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、およびプロトペクチナーゼの3つの酵素に加えて、さらに酵素分解抽出処理効率を向上させるために、さらにセルラーゼ、α−アミラーゼ、プロテアーゼおよびタンナーゼのいずれか、もしくは組み合わせて添加することが好ましい。
まず、本態様に用いられるセルラーゼについて説明する。本態様に用いられるセルラーゼとは、セルロースのβ−1,4−グリコシド結合を加水分解してセロビオースを生成する反応を行う酵素である。本態様においては、一般に食品業界においてセルラーゼと称される酵素であれば用いることが可能であり、特にその由来等は限定されるものではなく、また精製品であっても未精製な状態のものであっても用いることができる。
一般的には、綿、紙などの天然セルロースに良く作用するTrichoderma viride
起源のセルラーゼと化学修飾して水溶性にしたセルロース(例;CMCなど)に良く作用するAspergillus niger起源のセルラーゼの2種類が製造販売されており、植物組織等の崩壊および溶解に利用されている。具体的にはTri.viride起源のセルロシンT2、Asp.niger起源のセルロシンAC40またはセルロシンAL(以上、何れも阪急共栄物産(株)販売)、同じくTri.viride起源のセルラーゼ“オノズカ”3S(ヤクルト薬品工業(株)販売)、同Tri.viride起源のセルラーゼT「アマノ」4、Asp.niger起源のセルラーゼA「アマノ」3(以上、何れも天野エンザイム(株)販売)等を用いる事が可能である。
本態様においては、このようなセルラーゼを、0.01重量%〜0.50重量%、好ましくは0.03重量%〜0.30重量%の範囲内で用いることが好ましい。上記範囲より添加量が少ない場合は、酵素分解抽出効率を向上させる効果を発揮することができず、一方上記範囲より多く添加しても大幅な酵素分解抽出効率の向上が期待できず、コスト面で不利となるからである。
次に、本態様に用いられるα−アミラーゼについて説明する。本態様に用いられるα−アミラーゼとは、エンドアミラーゼとも称されるものであり、デンプン分子内部のα−1,4’−グリコキシド結合を任意の位置あるいはランダムに加水分解して可溶性のデキストリンを生成する酵素である。本態様においては、一般に食品業界においてα−アミラーゼと称される酵素であれば用いることが可能であり、特にその由来等は限定されるものではなく、また精製品であっても未精製な状態のものであっても用いることができる。
一般的には、耐熱性の高い細菌型のBacillus subtilisおよびBac.licheniformis起源のものと比較的耐熱性の低いカビ型のAsp.oryzae起源のものが販売されている。
具体的には、Bac.subutilis起源のフクタミラーゼ30、フクタミラーゼ50、液化酵素6TおよびAsp.oryzae起源のオリエンターゼAO40(以上、何れも阪急共栄物産(株)販売)、Bac.subutilis起源のクライスターゼ、Bac.licheniformis起源のクライスターゼY7(以上、何れも大和化成(株)販売)、Bac.subutilis起源のアミラーゼAD「アマノ」1、アミラーゼAH「アマノ」、Asp.oryzae起源のビオザイムA、ビオザイムF10SDおよびビオザイムL(以上、何れも天野エンザイム(株)販売)等を用いることが可能である。
本態様においては、このようなα−アミラーゼを、0.01重量%〜0.50重量%、好ましくは0.03重量%〜0.30重量%の範囲内で用いることが好ましい。上記範囲より添加量が少ない場合は、酵素分解抽出効率を向上させる効果を発揮することができず、一方上記範囲より多く添加しても大幅な酵素分解抽出効率の向上が期待できず、コスト面で不利となるからである。
一方、本態様で用いられるプロテアーゼとは、タンパク質、ペプチドに作用してペプチド結合の加水分解を触媒する酵素である。プロテアーゼには、その作用からタンパク質、ペプチドに作用して大まかに分解し、低分子ペプチドを生成するエンドペプチダーゼ(プロテイナーゼ)とペプチドに作用してアミノ酸を生成するエキソペプチダーゼ(ペプチダーゼ)の2種類に大別できる。また、作用至適pHの差異によりアルカリ性プロテアーゼ、中性プロテアーゼおよび酸性プロテアーゼの3種類に大別される。さらにプロテアーゼの起源としては、植物起源、動物起源あるいは微生物起源のものがあるが、エキソ型、エンド型、酵素起源および至適pHの差異は、分解効率が悪い場合や得られた分解抽出液の香味が悪かった等の悪影響がない限り、特に限定されるものではない。
具体的には、Bac.subutilis起源のオリエンターゼ22BF、オリエンターゼ90N、ヌクレイシン、Asp.oryzae起源のオリエンターゼONS、Asp.niger起源のオリエンターゼ20A(以上、何れも阪急共栄物産(株)販売)、Asp.oryzae起源のパンチダーゼNP−2、植物パパイヤ起源のパパインソルブル、Asp.niger起源のプロテアーゼYP−SS(以上、何れもヤクルト薬品工業(株)販売)、Asp.oryzae起源のデナチームAP、Asp.niger起源のデナプシン、植物パパイヤ起源の食品用精製パパイン(以上、何れもナガセケムテック(株)販売)、Asp.oryzae起源のプロテアーゼM「アマノ」、プロテアーゼA「アマノ」G、Rhi.niveus起源のニューラーゼF、Asp.melleus起源のプロテアーゼP「アマノ」3G、Bac.subutilis起源のプロテアーゼN「アマノ」、グルタミナーゼF「アマノ」100、動物腎臓起源のパンクレアチンF、植物パパイヤ起源のパパインW−40、植物パインアップル起源のプロメラインF(以上、何れも天野エンザイム(株)販売)等を用いることが可能である。
本態様においては、このようなプロテアーゼを、0.01重量%〜0.50重量%、好ましくは0.03重量%〜0.30重量%の範囲内で用いることが好ましい。上記範囲より添加量が少ない場合は、酵素分解抽出効率を向上させる効果を発揮することができず、一方上記範囲より多く添加しても大幅な酵素分解抽出効率の向上が期待できず、コスト面で不利となるからである。
さらに、本態様に用いられるタンナーゼとしては、ガレート基が結合したエピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等の苦渋味の強いカテキン類のエステル結合を加水分解して没食子酸と軽快な苦味を有するエピカテキン、エピガロカテキン等に変換する働きを有する酵素であり、茶飲料の苦渋味を少なくしたり、特に紅茶飲料に調製した場合のクリームダウンを防止するために好適に用いられるものである。その起源は、特に限定されるものではないが、Asp.oryzae、Asp.niger、Asp.saitoi、Asp.glaucus、Penicillium oxalicum等起源のタンニン酸を唯一の炭素源として培養して得られるタンナーゼを上げることができ、精製品であっても未精製な状態のものであっても用いることができるが、市販品としてはキッコーマン社製のタンナーゼKTFHを用いることが可能である。
本態様においては、このようなタンナーゼを、0.01重量%〜0.50重量%、好ましくは0.03重量%〜0.30重量%の範囲内で用いることが好ましい。上記範囲より添加量が少ない場合は、酵素分解抽出効率を向上させる効果を発揮することができず、一方上記範囲より多く添加しても大幅な酵素分解抽出効率の向上が期待できず、コスト面で不利となるからである。
(酵素処理を施した水抽出)
本態様の茶飲料の製造方法においては、上述した茶葉抽出残滓に上記酵素を用いて酵素処理を施し、水抽出を行う。
この際の水抽出の方法としては、特に限定されるものではないが、スラリー発酵法を用いることが好ましい。温度管理が容易であり、水可溶性固形分の生成が効率的に行われるからである。
スラリー発酵を行うための茶葉抽出残滓の粉砕は、通常のスラリー発酵法において用いられる方法により行われ、具体的にはフードカッターおよびミキサー、ハンマーミル、ウルトラマイザー等を必要に応じて適宜使用して行われる。また、破砕した原料茶葉の大きさは、特に限定されるものではないが、1mm程度またはそれ以下であれば良い。
このようにして粉砕された茶葉抽出残滓と水、さらには上述したような酵素群を用いてスラリー発酵法により水抽出が行われる。この際、温度、時間、およびpH等の抽出条件により、得られる抽出液中の各成分の値が大きく変動するものである。以下、酵素処理を施した水抽出条件について説明する。
a.温度
本態様においては、比較的低温で水抽出処理を行うことが好ましい。具体的には、20℃〜50℃の範囲内、中でも35℃〜45℃の範囲内で行うことが好ましい。
上記範囲より抽出処理温度が低い場合は、茶葉抽出残滓の抽出効率が低下し、所定の茶飲料有効成分を十分に含む抽出液を得るためには、多くの時間が必要となり、コスト面で問題となる他、十分に酵素群が働かない可能性があるからである。一方、上記範囲より高い温度で抽出処理を行った場合は、得られる茶飲料に茶葉の生臭さが生じる可能性があることから好ましくない。
b.時間
上記抽出処理における処理時間としては、通常0.5時間〜5時間程度、特に1時間〜2時間程度の範囲内で行われることが好ましい。上記範囲より短い処理時間で処理を行った場合は、酵素分解が十分ではなく、抽出液中に必要とされる茶飲料有効成分を得ることができないことから好ましくない。一方、上記範囲より長い処理時間とした場合は、茶葉抽出液中の茶飲料有効成分の値があまり上昇せず、むしろコスト面で問題となるからである。
c.pH
本態様における抽出処理は、酵素を用いた酵素分解抽出処理であることから、酵素の至適pH近傍または作用可能pH範囲内で酵素分解抽出処理を行うことが好ましい。本態様においては、少なくともヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、およびプロトペクチナーゼの3種類の酵素を用いて酵素分解抽出処理を行うことから、茶葉抽出残滓、酵素、水の混合系のpHがpH4.0〜6.0の範囲内、特にpH4.5〜5.5の範囲内になる様に調整されて抽出処理が行われることが好ましい。
上記範囲にpHを調整する方法としては、通常用いられるpH調整剤あるいは酸化防止の目的も兼ねてアスコルビン酸およびまたはアスコルビン酸ナトリウムを適当量投入することにより行われる。
d.水
抽出処理を行うに際して用いる水は、特に限定されるものではないが、脱イオン水または蒸留水を用いることが好ましい。このように脱イオン水または蒸留水が好適であるのは、水中にカルシウムイオンおよび鉄イオン等が溶解している場合、茶葉抽出液中のタンニンと結合を生じ、不溶解物を生じたり、色の変化が生じたりすることを防止するためである。
e.重量比
抽出処理を行う際の原材料の重量比としては、用いる茶葉抽出残滓の種類や、要求される嗜好性等により大幅に異なるもので特に限定されるものではないが、一般的には、上記全原材料に対し、茶葉が3.0重量%〜10.0重量%の範囲内、酵素群全体として全原材料に対して、0.1重量%〜1.9重量%範囲内で、特に好ましくは0.3重量%〜1.5重量%の範囲内で配合され、酵素分解抽出処理が行われる。
(茶飲料の調製)
本態様においては、上述した抽出処理を行うことにより茶飲料有効成分を含む抽出液を得て、これをタンニン濃度を基準として水により希釈することにより茶飲料を得ることができる。
なお、必要に応じて添加剤、具体的には、pH調整剤、さらには着香、着色、酸化防止の目的で、それぞれ炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウム等のpH調整剤、茶フレーバー等の香料、葉緑素等の着色料、アスコルビン酸またはその塩やルチン等の酸化防止剤、ショ糖脂肪酸エステル等の抗菌目的の乳化剤等を添加してもよい。
2.第2の態様
次に、本発明の茶飲料の製造方法における第2の態様について説明する。本発明における第2の態様は、茶葉抽出残滓に対し、麹菌処理を施して水抽出を行うことにより茶飲料有効成分を得て、これを用いて茶飲料を調製するものである。
(茶葉抽出残滓)
本態様に用いられる茶葉抽出残滓は、通常の茶飲料の抽出のために用いられた茶葉抽出残滓であれば、特に限定されるものではない。この点については、上記第1の態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(麹菌)
本態様において、上記茶葉抽出残滓の発酵は麹菌を用いて行うのであるが、用いられる麹菌としては、特に限定されるものではないが、タンナーゼ活性および植物組織分解活性を有する麹菌が好適に用いられる。このような麹菌を用いることにより、上述した作用効果、すなわち苦渋味が少なく、旨味とコク味とが強い茶飲料を得ることができるからである。
このような麹菌としては、例えば、後発酵茶である黒茶より単離されたものを用いることができる。具体的には、特に限定されるものではないが、黒茶の後発酵過程で見出されるAsperugillus属、Penicillium属の
カビ、好適にはタンナーゼ活性および植物組織分解活性を有するAsp.oryzae、Asp.niger、Asp.saitoi、Asp.glaucus、Penicillium oxalicum等を用いることができる。
(麹菌処理を施した水抽出)
本態様の茶飲料の製造方法においては、上述した茶葉抽出残滓に上記麹菌を用いて麹菌処理を施し、水抽出を行う。
この際の水抽出の方法としては、特に限定されるものではないが、スラリー発酵法を用いることが好ましい。温度管理が容易であり、水可溶性固形分の生成が効率的に行われるからである。
スラリー発酵を行うための茶葉抽出残滓の粉砕は、通常のスラリー発酵法において用いられる方法により行われ、具体的にはフードカッターおよびミキサー、ハンマーミル、ウルトラマイザー等を必要に応じて適宜使用して行われる。また、破砕した原料茶葉の大きさは、特に限定されるものではないが、1mm程度またはそれ以下であれば良い。
このようにして粉砕された茶葉抽出残滓と水、さらには上述した麹菌を用いてスラリー発酵法により水抽出が行われる。
この際用いられる麹菌は、通常は茶葉を原料に固体培養された麹菌が用いられるが、茶葉を原料に液体培養された麹菌を用いても良い。
また、本態様において用いられる水については、上記第1の態様において説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
スラリー発酵(麹菌処理)を行う際の原材料の重量比としては、用いる茶葉抽出残滓の種類や、要求される嗜好性等により大幅に異なるもので特に限定されるものではない。しかしながら、一般的には、茶葉抽出残滓の粉砕物を5.0重量%〜30重量%の範囲内で水に投入して発酵および抽出処理が行われる。また、この際、添加される茶葉を原料として固体培養された麹菌としては、その種類等により大幅に異なるが、通常0.5重量%〜10.0重量%の範囲内、特に1.0重量%〜5.0重量%の範囲内で添加される。
スラリー発酵(麹菌処理)を行う際の温度条件としては、麹菌の酵素は活性を有するが麹菌は生育増殖しない温度帯で行われることが好ましい。ここで、麹菌が生育増殖しない温度帯とは、通常は45℃以上の温度であるが、具体的な発酵温度は、事前に予備的にスラリー発酵の際の麹菌の増殖の有無をカビ検出培地にて確認して決定することが好ましく、特に事前に予備的にスラリー発酵の際の麹菌の増殖の有無をカビ検出培地にて確認するとともに、茶葉のスラリー発酵による茶飲料有効成分の産生を確認して決定されることが望ましい。
このような温度帯としては、麹菌の種類や茶葉抽出残滓の種類等により大幅に異なるものではあるが、通常45℃〜70℃の範囲内、特に48℃〜63℃の範囲内、中でも50℃〜60℃の範囲内であることが好ましい。
また、発酵時間も麹菌の種類や茶葉抽出残滓の種類等により大幅に異なるものではあるが、通常は、スラリー発酵による茶飲料有効成分の産生が、最大に達する時間帯を目標とするが、目的とする風味、カテキン類の含有組成により、それ以下の時間帯またはそれ以上の時間帯を採用しても良い。通常8時間〜30日間の範囲内、特に1日間〜10日間の範囲内で行われることが好ましい。
上記スラリー発酵(麹菌処理)が終了後、麹菌の酵素活性を失活させるために、通常は95℃30分程度の加熱処理が施された後、固液分離を行い抽出液を得る。
本発明における固液分離は、通常のスラリー発酵法のおいて用いられる固液分離法が用いられる。具体的には遠心分離法および濾過分離法等の方法により行われる。
(茶飲料の調製)
本態様においては、上述した抽出処理を行うことにより茶飲料有効成分を含む抽出液を得て、上記第1の態様と同様にこれをタンニン濃度を基準として水により希釈することにより茶飲料を得ることができる。なお、必要に応じて添加される添加剤については、上記第1の態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
B.茶飲料
次に、本発明の茶飲料について説明する。本発明の茶飲料は、茶葉抽出残滓に対し、酵素処理もしくは麹菌処理を施した水抽出を行うことにより得られる茶飲料有効成分を有することを特徴とするものである。
ここで、茶葉抽出残滓に対し、酵素処理もしくは麹菌処理を施した水抽出を行う点に関しては、上記「A.茶飲料の製造方法」の欄で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明における茶飲料有効成分とは、水可溶性固形分、タンニンおよびカテキン類、その他茶葉由来のポリフェノール類、ビタミン類、ミネラル類を示すものである。
本発明の茶飲料は、特に、前記単位水抽出液中の当たりの水可溶性固形分、タンニンおよびカテキン類等の上記茶飲料有効成分が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液より多い水抽出液を使用して製造された茶飲料であることを特徴とするものである。
なお、ここで単位水抽出液とは具体的には得られた水抽出液の1g当たりを示すものである。
以下、本発明の茶飲料について、茶葉抽出残滓が、緑茶等の不発酵茶である場合、烏龍茶等の半発酵茶である場合、および紅茶等の完全発酵茶である場合に分けて説明する。
まず、茶葉抽出残滓が、緑茶等の不発酵茶の場合について説明する。
この場合の本発明の茶飲料に用いられる茶葉有効成分としては、上記単位水抽出液当たりの水可溶性固形分値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の水溶性固形分値に対し3.0倍以上であることが好ましい。
また、上記単位水抽出液当たりのタンニン含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液のタンニン含有値に対し2.0倍以上であることが好ましい。
さらに、上記単位水抽出液当たりのカテキン類含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液のカテキン類含有値に対し2.5倍以上であることが好ましい。
また、前記水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値に対して、75%以下であることが好ましい。
次に、茶葉抽出残滓が、烏龍茶等の半発酵茶の場合について説明する。
この場合の本発明の茶飲料に用いられる茶葉有効成分としては、上記単位水抽出液当たりの水可溶性固形分値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の水溶性固形分値に対し1.5倍以上であることが好ましい。
また、上記単位水抽出液当たりのタンニン含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液のタンニン含有値に対し1.3倍以上であることが好ましい。
さらに、上記単位水抽出液当たりのカテキン類含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液のカテキン類含有値に対し2.3倍以上であることが好ましい。
また、前記水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値に対して、90%以下であることが好ましい。
最後に、茶葉抽出残滓が、紅茶等の完全発酵茶の場合について説明する。
この場合の本発明の茶飲料に用いられる茶葉有効成分としては、上記単位水抽出液当たりの水可溶性固形分値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の水溶性固形分値に対し1.8倍以上であることが好ましい。
また、上記単位水抽出液当たりのタンニン含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液のタンニン含有値に対し1.2倍以上であることが好ましい。
さらに、上記単位水抽出液当たりのカテキン類含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液のカテキン類含有値に対し1.8倍以上であることが好ましい。
また、前記水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値に対して、65%以下であることが好ましい。
なお、上述したような各種値としては、茶葉および茶葉抽出残滓からの水抽出液の水溶性固形分値はBx測定器にて測定した値、同じくタンニン含有値はタンニン測定の公定法である酒石酸・鉄比色法により測定した値、さらに同じくカテキン類含有値は高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)により測定した値を用いることとする。
本発明においては、このように通常は廃棄処分されるか飼料、肥料として再利用されるしかなかった茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理して水抽出することにより、茶飲料有効成分を多く取り出せるとともに、この茶飲料有効成分を多く含有する水抽出液を使用することで、苦渋味の少なく旨味とコク味の強い茶飲料を製造することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するもの、またはそれらの均等物は、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
1.茶葉抽出残滓抽出液の製造
下記の実施例および比較例で用いる茶葉抽出残滓抽出液は、以下の方法で得られたものを用いた。
[実験例1:水出法による緑茶葉抽出残滓抽出液の製造]
緑茶葉7重量%に75℃の温水93重量%を添加して適時攪拌しながら10分間抽出処理を行った後、150メッシュサイズの金属ふるいで固液分離を行い、緑茶葉抽出残滓33重量%を得た。次いで、得られた緑茶葉抽出残滓に50℃の温水67重量部を添加し、50℃にて3時間抽出処理を行い、85℃、30分間加熱処理後、150メッシュサイズの金属ふるいで固液分離を行い、緑茶葉再抽出残滓23.1重量%を得るとともに、その濾液を10℃以下まで冷却した後、遠心分離、濾紙濾過で清澄な緑茶葉抽出残滓抽出液76.9重量%を得た。
[実験例2:酵素分解抽出法による高旨味緑茶葉抽出残滓抽出液の製造]
緑茶葉7重量%に75℃の温水93重量%を添加して適時攪拌しながら10分間抽出処理を行った後、150メッシュサイズの金属ふるいで固液分離を行い、緑茶葉抽出残滓33重量%を得た。次いで、得られた緑茶葉抽出残滓に50℃の温水67重量部を添加し、アスコルビン酸とその塩類で、pHを5.0に調整した緑茶葉抽出残滓懸濁液にあらかじめ溶解したセルラーゼ0.021重量%、ヘミセルラーゼ0.021重量%、ペクチナーゼ0.035重量%、プロトペクチナーゼ0.056重量%、αーアミラーゼ0.021重量%およびタンナーゼ0.05重量%からなる6種の酵素を添加し、常時攪拌しながら50℃にて3時間、酵素反応を行った。さらに、85℃、30分間加熱処理酵素失活後、150メッシュサイズの金属ふるいで固液分離を行い、緑茶葉再抽出残滓17.2重量%を得るとともに、その濾液を10℃以下まで冷却した後、遠心分離、濾紙濾過で清澄な緑茶葉抽出残滓抽出液82.8重量%を得た。
[実験例3:麹菌発酵法による高旨味緑茶葉抽出残滓抽出液の製造]
緑茶葉を破砕し、該粉砕緑茶葉100重量部に水100重量部を添加して混合し、120℃、20分間の加熱殺菌を施した。25℃まで冷却後、タンナーゼ活性と植物組織分解活性を有する麹菌であるAspergillus nigerを植菌し、25℃、7日間の固体培養を行って、緑茶葉を原料とする麹菌を得た。次いで、実験例1と同様にして得られた緑茶葉抽出残滓33重量%および固体培養によって得られた麹菌1重量%と50℃の温水66重量%を添加し、アスコルビン酸とその塩類で、pHを5.0に調整した緑茶葉抽出残滓懸濁液を攪拌を加えながら55℃にて2日間、麹菌発酵を行った。さらに、95℃、30分間の加熱処理を行って、該麹菌の殺菌とタンナーゼ活性と植物組織分解活性の失活を行った後、150メッシュサイズの金属ふるいで固液分離を行い、緑茶葉再抽出残滓17.7重量%を得るとともに、その濾液を10℃以下まで冷却した後、遠心分離、濾紙濾過で清澄な緑茶葉抽出残滓抽出液82.3重量%を得た。
[実験例4:水出法による烏龍茶葉抽出残滓抽出液の製造]
緑茶葉の代わりに烏龍茶葉7重量%を使用した以外は、実験例1と同様に行い、烏龍茶葉抽出残滓21.6重量%を得、次いで、得られた烏龍茶葉抽出残滓に50℃の温水78.4重量%を添加し、同じく実験例1と同様にして再抽出を行い、烏龍茶葉再抽出残滓29.6重量%を得るとともに、清澄な烏龍茶葉抽出残滓抽出液70.4重量%を得た。
[実験例5:酵素分解抽出法による高旨味烏龍茶葉抽出残滓抽出液の製造]
緑茶葉の代わりに烏龍茶葉7重量%を使用した以外は、実験例1と同様に行い、烏龍茶葉抽出残滓21.6重量%を得、次いで、得られた烏龍茶葉抽出残滓に50℃の温水78.4重量%を添加し、同じく実験例2と同様にして再抽出を行い、烏龍茶葉再抽出残滓22.5重量%を得るとともに、清澄な烏龍茶葉抽出残滓抽出液77.5重量%を得た。
[実験例6:麹菌発酵法による高旨味烏龍茶葉抽出残滓抽出液の製造]
緑茶葉の代わりに烏龍茶葉7重量%を使用した以外は、実験例1と同様に行い、烏龍茶葉抽出残滓21.6重量%を得、次いで、得られた烏龍茶葉抽出残滓に50℃の温水77.4重量%を添加し、同じく実験例2と同様にして得られた烏龍茶葉を原料とする麹菌1重量%を添加した以外は、実験例2と同様にして再抽出を行い、烏龍茶葉再抽出残滓23.1重量%を得るとともに、清澄な烏龍茶葉抽出残滓抽出液76.9重量%を得た。
[実験例7:水出法による紅茶葉抽出残滓抽出液の製造]
緑茶葉の代わりに紅茶葉7重量%を使用した以外は、実験例1と同様に行い、紅茶葉抽出残滓22.1重量%を得、次いで、得られた紅茶葉抽出残滓に50℃の温水77.9重量%を添加し、同じく実験例1と同様にして再抽出を行い、紅茶葉再抽出残滓27.5重量%を得るとともに、清澄な紅茶葉抽出残滓抽出液72.5重量%を得た。
[実験例8:酵素分解抽出法による高旨味紅茶葉抽出残滓抽出液の製造]
緑茶葉の代わりに紅茶葉7重量%を使用した以外は、実験例1と同様に行い、紅茶葉抽出残滓22.1重量%を得、次いで、得られた紅茶葉抽出残滓に50℃の温水77.9重量%を添加し、同じく実験例2と同様にして再抽出を行い、紅茶茶葉再抽出残滓19.6重量%を得るとともに、清澄な紅茶葉抽出残滓抽出液80.4重量%を得た。
[実験例9:麹菌発酵法による高旨味紅茶葉抽出残滓抽出液の製造]
緑茶葉の代わりに紅茶葉7重量%を使用した以外は、実験例1と同様に行い、紅茶葉抽出残滓22.1重量%を得、次いで、得られた紅茶葉抽出残滓に50℃の温水76.9重量%を添加し、同じく実験例2と同様にして得られた紅茶葉を原料とする麹菌1重量%を添加した以外は、実験例2と同様にして再抽出を行い、紅茶葉再抽出残滓19.9重量%を得るとともに、清澄な紅茶葉抽出残滓抽出液80.1重量%を得た。
[各茶葉抽出残滓抽出液の分析値および収支]
上記実験例1から実験例9で得た各茶葉抽出残滓抽出液の水溶性固形分値とタンニン含有値およびカテキン類含有値を表1に記す。
Figure 2006014615
(実施例1)
実験例2により得られた緑茶葉の茶葉抽出残滓抽出液のタンニン含有値の分析結果に基づいて、タンニンを100mg/100ml含有する緑茶飲料を試作し、その風味を評価したところ、苦渋味がなく、旨味とコク味のあるものであった。
(実施例2)
実験例3により得られた緑茶葉の茶葉抽出残滓抽出液のタンニン含有値の分析結果に基づいて、タンニンを100mg/100ml含有する緑茶飲料を試作し、その風味を評価したところ、苦渋味がなく、旨味とコク味のあるものであった。
(比較例1)
実験例1により得られた緑茶葉の茶葉抽出残滓抽出液のタンニン含有値の分析結果に基づいて、タンニンを100mg/100ml含有する緑茶飲料を試作し、その風味を評価したところ、苦渋味が強く、旨味とコク味の少ないものであった。
(実施例3)
実験例5により得られた烏龍茶葉の茶葉抽出残滓抽出液のタンニン含有値の分析結果に基づいて、タンニンを100mg/100ml含有する烏龍茶飲料を試作し、その風味を評価したところ、苦渋味がなく、旨味とコク味のあるものであった。
(実施例4)
実験例6により得られた烏龍茶葉の茶葉抽出残滓抽出液のタンニン含有値の分析結果に基づいて、タンニンを100mg/100ml含有する烏龍茶飲料を試作し、その風味を評価したところ、苦渋味がなく、旨味とコク味のあるものであった。
(比較例2)
実験例4により得られた烏龍茶葉の茶葉抽出残滓抽出液のタンニン含有値の分析結果に基づいて、タンニンを100mg/100ml含有する烏龍茶飲料を試作し、その風味を評価したところ、苦渋味が強く、旨味とコク味の少ないものであった。
(実施例5)
実験例8により得られた紅茶葉の茶葉抽出残滓抽出液のタンニン含有値の分析結果に基づいて、タンニンを100mg/100ml含有する紅茶飲料を試作し、その風味を評価したところ、苦渋味がなく、旨味とコク味のあるものであった。
(実施例6)
実験例9により得られた紅茶葉の茶葉抽出残滓抽出液のタンニン含有値の分析結果に基づいて、タンニンを100mg/100ml含有する紅茶飲料を試作し、その風味を評価したところ、苦渋味がなく、旨味とコク味のあるものであった。
(比較例3)
実験例7により得られた紅茶葉の茶葉抽出残滓抽出液のタンニン含有値の分析結果に基づいて、タンニンを100mg/100ml含有する紅茶飲料を試作し、その風味を評価したところ、苦渋味が強く、旨味とコク味の少ないものであった。

Claims (11)

  1. 茶葉抽出残滓に対し、酵素処理もしくは麹菌処理を施した水抽出を行うことにより得られる茶飲料有効成分を有することを特徴とする茶飲料。
  2. 単位水抽出液当たりの水可溶性固形分、タンニンおよびカテキン類等の茶飲料有効成分が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液より多いことを特徴とする請求項1に記載の茶飲料。
  3. 前記茶葉抽出残滓の茶葉が不発酵茶であり、
    前記単位水抽出液当たりの水可溶性固形分値、タンニン含有値およびカテキン類含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の水溶性固形分値に対し3.0倍以上であり、同じくタンニン含有値に対し2.0倍以上であり、同じくカテキン類含有値に対し2.5倍以上であり、
    さらに、前記水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値に対して、75%以下であることを特徴とする請求項2に記載の茶飲料。
  4. 前記茶葉抽出残滓の茶葉が半発酵茶であり、
    前記単位水抽出液当たりの水可溶性固形分値、タンニン含有値およびカテキン類含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の水溶性固形分値に対し1.5倍以上であり、同じくタンニン含有値に対し1.3倍以上であり、同じくカテキン類含有値に対し2.3倍以上であり、
    さらに、前記水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値に対して、90%以下であることを特徴とする請求項2に記載の茶飲料。
  5. 前記茶葉抽出残滓の茶葉が完全発酵茶であり、
    前記単位水抽出液当たりの水可溶性固形分値、タンニン含有値およびカテキン類含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の水溶性固形分値に対し1.8倍以上であり、同じくタンニン含有値に対し1.2倍以上であり、同じくカテキン類含有値に対し1.8倍以上であり、
    さらに、前記水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値が、茶葉抽出残滓を用いて酵素処理もしくは麹菌処理を行わずに水抽出処理を行った水抽出液の単位水溶性固形分値当たりのタンニン含有値に対して、65%以下であることを特徴とする請求項2に記載の茶飲料。
  6. 茶葉抽出残滓に対し、酵素処理もしくは麹菌処理を施して水抽出を行うことにより茶飲料有効成分を得て、これを用いて茶飲料を調製することを特徴とする茶飲料の製造方法。
  7. 前記酵素処理が、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、およびプロトペクチナーゼからなる酵素群の1種類または2種類以上を組み合わせて用いる処理であることを特徴とする請求項6に記載の茶飲料の製造方法。
  8. 前記酵素処理が、さらに、セルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼおよびタンナーゼからなる酵素群の1種類または2種類以上を組み合わせたものであることを特徴とする請求項7に記載の茶飲料の製造方法。
  9. 前記麹菌処理が、植物組織分解活性、およびタンナーゼ活性を有する麹菌を用いた麹菌発酵によるものであることを特徴とする請求項6に記載の茶飲料の製造方法。
  10. 前記麹菌は、後発酵茶である黒茶より単離されたものであることを特徴とする請求項9に記載の茶飲料の製造方法。
  11. 前記麹菌処理が、麹菌の酵素は活性を有するが麹菌は生育増殖しない温度帯で行われることを特徴とする請求項6、請求項9または請求項10に記載の茶飲料の製造方法。
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