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JP2008125477A - 茶類抽出物の製造方法 - Google Patents

茶類抽出物の製造方法 Download PDF

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JP2008125477A JP2006316447A JP2006316447A JP2008125477A JP 2008125477 A JP2008125477 A JP 2008125477A JP 2006316447 A JP2006316447 A JP 2006316447A JP 2006316447 A JP2006316447 A JP 2006316447A JP 2008125477 A JP2008125477 A JP 2008125477A
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Atsushi Murakoso
篤 村社
Shunsuke Ueno
俊輔 上野
Yoshiharu Shirasu
由治 白須
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Abstract

【課題】 茶本来の風味を損なわずに、旨味およびコク味を強くする茶類抽出物を製造する方法を提供する。
【解決手段】 ヒイロタケ産生酵素を用いて、茶類原料を酵素分解抽出処理することを特徴とする茶類抽出物の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ヒイロタケ産生酵素を用いて、茶の風味を損なわずに旨味およびコク味を増強させる茶類抽出物の製造方法に関するものである。
近年、缶やペットボトルなどに充填された緑茶、紅茶、およびウーロン茶に代表される茶類飲料は、手軽さや健康志向から消費者に高い支持を得ており、生産量は高い伸びを示している。特に、最近の傾向では、旨味やコク味が強く、渋味や苦味の少ない茶類飲料が好まれている。
旨味あるいはコク味の増強された茶類抽出物の製造に関しては、茶類原料にプロテアーゼを作用させることにより、茶類原料に含まれているタンパク質を加水分解してグルタミン酸等の旨味のもととなるアミノ酸を遊離させて旨味やコク味の強い茶類エキスとする方法が提案されている(特許文献1および2)。また、プロテアーゼとセルラーゼ等の他酵素を組み合わせて茶葉を酵素分解抽出処理する方法も提案されている(特許文献3)。
特開2003−144049公報 特開2006−61125公報 特開2003−210110公報
従来の茶類へのプロテアーゼの作用による効果は、香りの変化にはほとんど着目しておらず、旨味やコク味の増強にだけであり、またその効果も十分ではなかった。本発明は、茶の風味を損なわずに旨味およびコク味を増強させる茶類抽出物を製造する方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、茶類原料の抽出時にヒイロタケ産生酵素を作用させると、茶本来の風味を損なわずに旨味およびコク味の強い飲用に適した抽出物が得られることを見出した。
さらに、ヒイロタケ産生酵素を作用させることにより得られた茶抽出物は茶本来の風味を損なわずに旨味およびコク味が強く呈味がすぐれており、飲食品に添加すると旨味だけを付与・増強する効果を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ヒイロタケ産生酵素を用いて、茶類原料を酵素分解抽出処理することを特徴とする茶類抽出物の製造方法である。
また、本発明は、上記の製造方法において、ヒイロタケ産生酵素と、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼおよびプロトペクチナーゼからなる群より選ばれる少なくとも1種の酵素とを併用して酵素分解抽出処理することを特徴とし、さらに特定範囲の温度、時間およびpHで酵素分解抽出処理を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記の製造方法により製造された茶類抽出物であり、さらに当該茶類抽出物を添加する事により、旨味およびコク味が増強された飲食物である。
本発明の茶類抽出物の製造方法によれば、茶類原料に含まれるタンパク質が効率的にグルタミン酸等の旨味の基となるアミノ酸に変換され旨味・コク味の強い茶類抽出物が得られる。さらに、得られた抽出物を飲食品に添加すると、飲食品に旨味を付与・増強することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(1)茶類原料
本発明に使用する茶類原料とは、ツバキ科の茶の樹(Camellia sinensis var.)の芽、葉、茎であり、品種、産地を問わず使用することができ、また、生であっても、飲料用として前処理を施したものであってもよい。
茶の前処理方法としては不発酵、半発酵、後発酵があるが、いずれの処理方法によるものでもよい。不発酵茶としては緑茶(煎茶、玉露、かぶせ茶、番茶、玉緑茶、抹茶、ほうじ茶、釜炒り茶、てん茶等)、半発酵茶としてはウーロン茶、包種茶等、発酵茶としては紅茶、プーアール茶が挙げられる。
また、必要に応じて、副原料として玄米などの穀類や各種植物の葉、茎、根などを加えても良い。
(2)酵素分解抽出処理
ヒイロタケ(白色腐朽菌、Pycnoporus coccineus)は、セルラーゼ、キシラナーゼ、ペクチナーゼ産生菌として知られ、酸性カルボキシペプチダーゼ、酸性プロテイナーゼも産生する。本発明で使用するヒイロタケ産生酵素はこれらの酵素の混合物である。
ヒイロタケは生育に特殊な栄養成分を必要とせず、公知の一般的な培地で生育可能である。例えば、ヒイロタケの胞子をpH2〜7、好ましくは3〜6で、20〜35℃、好ましくは28〜30℃にて、2〜7日間、好ましくは2〜3日間振盪培養し、所望の酵素を含む培養物をそのまま、または培養濾液、これらの抽出液、その濃縮物、乾燥物等を、ヒイロタケ産生酵素として使用することができる。
培養液の場合は、嵩張る、腐敗防止、のため冷凍保存等の対策が必要である。さらには添加量が多くなる等の問題もあり、これらの問題のない工業的生産に適した乾燥酵素、特に、酵素力価を落とさず粉末化した酵素として用いることが望ましい。乾燥方法としては、品温が80℃以下で、酵素を失活させない乾燥方法あれば、公知の例えば、恒温乾燥、減圧(真空)乾燥、凍結乾燥等いずれの方法でもよい。
茶類原料の酵素分解抽出処理におけるヒイロタケ産生酵素の添加量は、これまでに報告されているプロテアーゼと同様に、茶類原料の重量を基準として0.001〜100unit/gの範囲を例示することができる。
茶類原料のヒイロタケ産生酵素処理は、茶類原料1重量部に水5〜200部を添加して静置条件下や、好ましくは撹拌条件下で、20〜70℃(特に好ましくは30〜60℃、最も好ましくは35〜50℃)の温度範囲で、30分〜24時間(特に好ましくは1〜12時間、最も好ましくは2〜6時間)、pHが1〜7(特に好ましくは2〜6)の条件下で作用させる方法を例示することができる。
なお、この際に、ヒイロタケ産生酵素と共にセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼおよびプロトペクチナーゼから選ばれる少なくとも1種の酵素を添加してもよく、さらに、pH調整剤や、酸化防止剤としてアスコルビン酸またはその塩などを添加してもよい。
セルラーゼはセルロースのβ−1,4−グリコシド結合を加水分解してセロビオースを生成する反応を行う酵素であるが、本発明においては食品用途向けに市販されている製品を適宜使用できる。例えば、次の商品名で市販されているものを使用できる。
セルラーゼA「アマノ」3、セルラーゼT「アマノ」4(以上、天野エンザイム株式会社製);
スペザイムCP、GC220、マルチフェクトCL(以上、ジェネンコア協和社製);
ソフィターゲンC−1(タイショーテクノス社製);
セルラーゼXL−531(ナガセケムテックス社製);
ベイクザイムXE(日本シイベルヘグナー社製);
セルロシンAC40、セルロシンAL、セルロシンT2(以上、エイチビィアイ社製);
セルラーゼ“オノズカ”3S、セルラーゼY−NC(以上、ヤクルト薬品工業社製);
スミチームAC、スミチームC(以上、新日本化学工業社製);
エンチロンMCH(洛東化成工業社製)。
ヘミセルラーゼはヘミセルロースのグリコシド結合を加水分解する反応を行う酵素であるが、本発明においては食品用途向けに市販されている製品を適宜使用できる。例えば、次の商品名で市販されているものを使用できる。
ヘミセルラーゼ「アマノ」90(天野エンザイム株式会社製);
ベイクザイムHS2000、ベイクザイムI Conc(以上、日本シイベルヘグナー社製);
セルロシンHC100、セルロシンHC、セルロシンTP25、セルロシンB、ヘミセルラーゼM(以上、エイチビィアイ社製);
スミチームX(新日本化学工業社製);
VERON191、VERON393(以上、レーム・エンザイム社製)。
ペクチナーゼはペクチンデポリメラーゼもしくはポリガラクトウロニダーゼとも称される酵素であり、ポリガラクツロン酸(ペクチン酸)のα−1,4'−グリコシド結合を加水分解する反応を行う酵素であるが、本発明においては食品用途向けに市販されている製品を適宜使用できる。例えば、次の商品名で市販されているものを使用できる。
ペクチナーゼPL「アマノ」、ペクチナーゼG「アマノ」(以上、天野エンザイム株式会社製);
Pectinase−GODO(合同酒精社製);
スクラーゼA、スクラーゼN、スクラーゼS(以上、三共ライフテック社製);
スミチームAP−2、液状スミチームAP−2、スミチームSPC、スミチームMC、ペクトリアーゼ(以上、新日本化学工業社製);
ペクチナーゼXP−534(ナガセケムテックス社製);
ペクチネックス、ペクチネックスウルトラSP−L、ウルトラザイム、ビノザイム、シトロザイム、ピールザイム(以上、ノボノルディスクバイオインダストリー社製);
セルロシンPC5、セルロシンPE60、セルロシンPEL、可溶性ペクチナーゼT(以上、エイチビィアイ社製);
ペクチナーゼSS、ペクチナーゼHL(以上、ヤクルト薬品工業社製);
スミチームPX(新日本化学工業社製)。
プロトペクチナーゼはプロトペクチンに作用して可溶性ペクチン(可溶性ペクチン酸)とする反応を行う酵素で植物組織崩壊酵素またはマセレイテイングエンザイムとも呼ばれることがあるが、本発明においては食品用途向けに市販されている製品を適宜使用できる。例えば、次の商品名で市販されているものを使用できる。
セルロシンME(エイチビィアイ社製);
マセロチームA(ヤクルト薬品工業社製)。
(3)精製処理
80〜90℃にて、10〜30分間酵素を失活させて抽出処理を終了する。
得られた抽出物は、茶本来の風味を損なうことなく旨味およびコク味が増強されているので、不溶物を除去した後、そのまま飲用あるいは飲食品に添加することができるが、減圧蒸留濃縮、凍結濃縮或いは膜濃縮などの手段により濃縮して使用することもできる。
さらに抽出液を合成吸着剤で精製処理を行うことにより、茶に由来する不要な香味成分がさらに除去された抽出物を得ることができる。
本発明で使用される合成吸着剤としては、その母体がスチレン系ポリマー、例えば「アンバーライト(登録商標)XAD−16」(オルガノ株式会社製)、スチレン−ジビニルベンゼン系ポリマー、例えば「ダイヤイオン(登録商標)HP−20」(三菱化学株式会社製)、アクリル系ポリマー、例えば「ダイヤイオン(登録商標)WK−10」(三菱化学株式会社製)、メタクリル系ポリマー、例えば「ダイヤイオン(登録商標)HP−2MG」(三菱化学株式会社製)、アクリル酸エステル系ポリマー、例えば「アンバーライト(登録商標)XAD−7」(オルガノ株式会社製)、アミド系ポリマー、例えば「アンバーライト(登録商標)XAD−11」(オルガノ株式会社製)、二酸化ケイ素系、例えば「サイロピュート202」(富士シリシア化学株式会社製)、デキストラン系、例えば「セファデックス(登録商標)G−25」(アマシャム
ファルマシア バイオテク社製)、ポリビニル系、例えば「ダイヤイオン(登録商標)FP−II」(三菱化学株式会社製)などが使用できる。
また、本発明における合成吸着剤の処理方法は通常行われている方法で行えば良く、例えば、カラムに充填された合成吸着剤に茶類の抽出液を一定流量で送液する方法や、抽出釜に仕込んだ抽出液に合成吸着剤を投入し、一定時間撹拌後に合成吸着剤を分離する方法がある。その方法に格別の制約はなく、目的により選択することができる。
(4)製剤化
上記方法で得られた茶類抽出物はそのまま飲用あるいは飲食品に添加できるが、抽出液を凍結乾燥等により粉末化して使用することもできる。さらに、抽出物を下記のように製剤化して使用することもできる。
一般的には水、アルコール、グリセリン、プロピレングリコール、トリエチルシトレート等の(混合)溶剤に適当な濃度で溶解させて(具体的には、水/エタノール、水/エタノール/グリセリン、水/グリセリン等の混合溶剤)液剤とし、またはこれにデキストリン、シュークロース、ペクチン、キチン等を加えることもできる。
さらにこれらを濃縮してペースト状の抽出エキスとすることもでき、また、各種成分の溶液に賦形剤(デキストリン等)を添加し、噴霧乾燥によりパウダー状にすることも可能であり、用途に応じて種々の剤形を採用することができる。
(5)用法
本発明の茶類抽出物は茶本来の風味を損なうことなく旨味およびコク味が増強されるので、そのまま飲用に供することができる。
また、茶類飲料に添加すれば、茶類飲料の旨味およびコク味を増強することができる。
さらに、茶類飲料以外の飲食品に添加すると、飲食品等に旨味およびコク味を付与することができる。本発明の茶類抽出物は飲食品の加工段階で適宜添加することができ、添加量は茶類抽出物の濃縮の程度により異なるが、一般的には飲食品に対して0.01〜100質量%、好ましくは0.05〜10質量%の添加量(抽出物の固形成分として)が適当である。
本発明の茶類抽出物は各種飲食品に特に制限なく使用することができる。例えば、果実類またはその加工品、野菜またはその加工品、魚介類またはその加工品、練製品、調理食品、総菜類、スナック類、珍味類、加工食品、栄養食品、茶飲料およびコーヒー飲料などの嗜好飲料、果汁飲料、炭酸飲料、清涼飲料、機能性飲料、アルコール飲料、アイスクリーム、シャーベット等の冷菓類、ゼリー、プリン、羊かん等のデザート類、クッキー、ケーキ、チョコレート、チューイングガム、饅頭等の菓子類、菓子パン、食パン等のパン類、ジャム類、ラムネ、タブレット、錠菓類などがあげられる。
さらに、日本料理のだし、例えば、鰹節、魚介類、昆布、シイタケ、鶏肉、野菜類などのだし汁および和風調味料、または、西洋料理のスープストック、例えば、牛肉、鶏肉、豚肉、魚介類、野菜類などのだし汁および洋風調味料、または、中華料理のタン(湯)、例えば、牛肉、鶏肉、豚肉、魚介類、野菜類などからとったスープおよび中華調味料などがあげられる。
また、茶類抽出物は、適宜、香味成分あるいは色素を調合し、香味および色調を増強することもできる。調合に使用される香味成分あるいは色素には特に制限はなく、公知の香味成分あるいは色素が目的に応じて適宜配合して用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
〔参考例1〕(ヒイロタケ産生酵素)
水道水に2%コーンスティープリカー、5%デキストリン、0.05%硫酸マグネシウム・七水和物、0.0002%塩酸チアミンとなるように各成分を溶解した液を塩酸にてpH3.0に調整した。これにヒイロタケの胞子懸濁液(107個/ml以上) を懸濁し、28〜30℃で、4日間、160rpmで振盪培養した。培養後、濾紙で濾過し、得られた酵素液を真空乾燥して、ヒイロタケ産生酵素粉末を得た。
カゼインを基質として、pH2.8、37℃にて20分間反応させた後、1.8%TCAを含むpH4の酢酸緩衝液を加え、反応を停止させ、濾紙で濾過して瀘液中のチロシン量を測定して酵素活性とする。1分間に1マイクロモルのチロシンを生じる活性を1単位(U)とする。
以下の実施例で使用したヒイロタケ産生酵素粉末の活性は215,000U/gである。
以下の実施例1および2、比較例1〜5、試験例1は、緑茶抽出物に関する実験例である。
〔実施例1〕
水1000gに緑茶葉10g、アスコルビン酸ナトリウム0.1gおよび参考例1で得られたヒイロタケ産生酵素0.4gを添加し、40℃にて3時間酵素処理を行った。酵素処理後、90℃で10分間加熱して酵素を失活した後、ろ紙ろ過により清澄な緑茶抽出物(本発明品1)を得た。
〔実施例2〕
水1000gに緑茶葉10g、アスコルビン酸ナトリウム0.1g、参考例1で得られたヒイロタケ産生酵素0.4g、『セルラーゼA「アマノ」3(商品名)』(天野エンザイム株式会社製)0.4gおよび『ペクチナーゼG「アマノ」(商品名)』(天野エンザイム株式会社製)0.2gを添加し、40℃にて3時間酵素処理を行った。酵素処理後、90℃で10分間加熱して酵素を失活した後、ろ紙ろ過により清澄な緑茶抽出物(本発明品2)を得た。
〔比較例1〕
水1000gに緑茶葉10gおよびアスコルビン酸ナトリウム0.1gを添加し、40℃にて3時間抽出を行った。抽出後、ろ紙ろ過により清澄な緑茶抽出物(比較品1)を得た。
〔比較例2〕
実施例1において、ヒイロタケ産生酵素の代わりに『プロテアーゼM「アマノ」(商品名)』(天野エンザイム株式会社製)0.4gを使用した以外は、実施例1と同様に処理して緑茶抽出物(比較品2)を得た。
〔比較例3〕
実施例1において、ヒイロタケ産生酵素の代わりに、プロテアーゼを含む「ウマミザイムG(商品名)」(天野エンザイム株式会社製)0.4gを使用した以外は、実施例1と同様に処理して緑茶抽出物(比較品3)を得た。
〔比較例4〕
実施例1において、ヒイロタケ産生酵素の代わりに、プロテアーゼを含む「スミチームFP(商品名)」(新日本化学工業社製)0.4gを使用した以外は、実施例1と同様に処理して緑茶抽出物(比較品4)を得た。
〔比較例5〕
実施例2において、ヒイロタケ産生酵素の代わりに「ウマミザイムG(商品名)」(天野エンザイム株式会社製)0.4gを使用した以外は、実施例2と同様に処理して緑茶抽出物(比較品5)を得た。
〔試験例1〕
実施例1および2、比較例1〜5で得られたそれぞれの緑茶抽出物(本発明品1および2、比較品1〜5)について10名の熟練したパネルによる官能評価を行った結果を表1に示す。評価基準は、旨味およびコク味は比較品1を1.0点とし、緑茶感は比較品1を5.0点とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表1に示す。
Figure 2008125477
以上の結果から、本発明品1および2は、緑茶感を損なわずに、旨味およびコク味が強くなる緑茶抽出物であることが示された。
以下の実施例3、比較例6〜9、試験例2は、烏龍(ウーロン)茶抽出物に関する実験例である。
〔実施例3〕
実施例1において、緑茶葉の代わりに烏龍茶10gを使用した以外は、実施例1と同様に処理して烏龍茶抽出物(本発明品3)を得た。
〔比較例6〕
比較例1において、緑茶葉の代わりに烏龍茶10gを使用した以外は、比較例1と同様に処理して烏龍茶抽出物(比較品6)を得た。
〔比較例7〕
実施例3において、ヒイロタケ産生酵素の代わりに『プロテアーゼM「アマノ」(商品名)』(天野エンザイム株式会社製)0.4gを使用した以外は、実施例3と同様に処理して烏龍茶抽出物(比較品7)を得た。
〔比較例8〕
実施例3において、ヒイロタケ産生酵素の代わりに「ウマミザイムG(商品名)」(天野エンザイム株式会社製)0.4gを使用した以外は、実施例3と同様に処理して烏龍茶抽出物(比較品8)を得た。
〔比較例9〕
実施例3において、ヒイロタケ産生酵素の代わりに「スミチームFP(商品名)」(新日本化学工業社製)0.4gを使用した以外は、実施例3と同様に処理して烏龍茶抽出物(比較品9)を得た。
〔試験例2〕
実施例3および比較例6〜9で得られたそれぞれの烏龍茶抽出物(本発明品3および比較品6〜9)について10名の熟練したパネルによる官能評価を行った結果を表2に示す。評価基準は、旨味およびコク味は比較品6を1.0点とし、烏龍茶感は比較品6を5.0点とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表2に示す。
Figure 2008125477
以上の結果から、本発明品3は、烏龍茶感を損なわずに、旨味およびコク味が強くなる烏龍茶抽出物であることが示された。
以下の実施例4、比較例10〜13、試験例3は、紅茶抽出物に関する実験例である。〔実施例4〕
実施例1において、緑茶葉の代わりに紅茶10gを使用した以外は、実施例1と同様に処理して紅茶抽出物(本発明品4)を得た。
〔比較例10〕
比較例1において、緑茶葉の代わりに紅茶10gを使用した以外は、比較例1と同様に処理して紅茶抽出物(比較品10)を得た。
〔比較例11〕
実施例4において、ヒイロタケ産生酵素の代わりに「プロテアーゼM(商品名)」(天野エンザイム株式会社製)0.4gを使用した以外は、実施例3と同様に処理して紅茶抽出物(比較品11)を得た。
〔比較例12〕
実施例4において、ヒイロタケ産生酵素の代わりに「ウマミザイムG(商品名)」(天野エンザイム株式会社製)0.4gを使用した以外は、実施例3と同様に処理して紅茶抽出物(比較品12)を得た。
〔比較例13〕
実施例4において、ヒイロタケ産生酵素の代わりに「スミチームFP(商品名)」(新日本化学工業社製)0.4gを使用した以外は、実施例3と同様に処理して紅茶抽出物(比較品13)を得た。
〔試験例3〕
実施例4および比較例10〜13で得られたそれぞれの紅茶抽出物(本発明品4および比較品10〜13)について10名の熟練したパネルによる官能評価を行った結果を表3に示す。評価基準は、旨味およびコク味は比較品10を1.0点とし、紅茶感は比較品10を5.0点とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表3に示す。
Figure 2008125477
以上の結果から、本発明品4は、紅茶感を損なわずに、旨味およびコク味が強くなる紅茶抽出物であることが示された。
本発明の茶類原料の抽出時にヒイロタケ産生酵素を作用させる製法により、茶本来の風味を損なわずに旨味およびコク味が強くなる茶類抽出物が得ることができる。

Claims (5)

  1. ヒイロタケ産生酵素を用いて、茶類原料を酵素分解抽出処理することを特徴とする茶類抽出物の製造方法。
  2. ヒイロタケ産生酵素と、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼおよびプロトペクチナーゼからなる群より選ばれる少なくとも1種の酵素とを併用して酵素分解抽出処理することを特徴とする請求項1に記載の茶類抽出物の製造方法。
  3. 30〜60℃の温度範囲、1〜12時間およびpH2〜6の条件下で、酵素分解抽出処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の茶類抽出物の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載された方法により製造された茶類抽出物。
  5. 請求項4に記載の茶類抽出物を添加する事により、旨味およびコク味が増強された飲食物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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