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JP2005335263A - ビード成形方法および装置 - Google Patents

ビード成形方法および装置 Download PDF

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JP2005335263A JP2004158723A JP2004158723A JP2005335263A JP 2005335263 A JP2005335263 A JP 2005335263A JP 2004158723 A JP2004158723 A JP 2004158723A JP 2004158723 A JP2004158723 A JP 2004158723A JP 2005335263 A JP2005335263 A JP 2005335263A
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Abstract

【課題】 幅の異なるビードDへの切換を短時間でかつ簡単に行い、作業能率を向上させる。
【解決手段】 ビード成形溝72、73の一側壁体61〜64が設けられた扇形セグメント24の外側に、ビード成形溝72、73の他側壁体68〜71が設けられた弧状体51を支持させるとともに、該弧状体51を変更手段によって軸方向に移動させてビード成形溝72、73の一側壁体61〜64と他側壁体68〜71との間の間隔を変更するようにしたので、成形するビードDの幅(ビード素子Sの巻き列数)に変更があったとき、扇形セグメント24を交換することなく、簡単にビード成形溝72、73の溝幅の変更を行うことができる。
【選択図】 図3

Description

この発明は、幅の異なるビードを成形することができるビード成形方法および装置に関する。
従来のビード成形方法・装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。
特開平10−86241号公報
このものは、全体としてリング状を呈するとともに円周方向に複数分割され、外周に種類の異なるビード成形用の環状溝がそれぞれ形成された複数の成形リングを、互いに同軸関係を保って連結することにより構成した成形リング組立体と、前記成形リングの分割片である複数のセグメントを同期して半径方向に移動させることにより、成形リング組立体を拡縮させる拡縮手段とを備え、いずれかの成形リングの環状溝にビード素子を複数回螺旋状に巻回させて所定種類のビードを成形するようにしたものである。
そして、このものにおいて、現在装着されている成形リングでは成形することができない種類のビード(径、幅等が異なるビード)を成形する場合には、成形リングを対応する種類のものに交換し、その後、成形リング組立体を回転させながら環状溝にビード素子を供給して該環状溝内でビード素子を複数回螺旋状に巻回させ、所望種類のビードを成形するようにしていた。
しかしながら、このような従来のビード成形方法・装置にあっては、前述のように現在装着されている成形リングでは成形することができない幅のビードを成形する場合には、成形リングを対応する種類のものに交換する必要があり、この結果、切換作業に多大の時間と労力が必要となって作業能率が低下してしまうという課題があった。
この発明は、幅の異なるビードへの切換作業を短時間でかつ簡単に行うことができ、作業能率を向上させることができるビード成形方法および装置を提供することを目的とする。
このような目的は、第1に、主軸の周囲に周方向に離れて配置されるとともに、外周にビード成形溝の一側壁が設けられた複数の扇形セグメントに対し、各扇形セグメントの外側に支持されるとともに、外周にビード成形溝の他側壁が設けられた弧状体を、変更手段によって軸方向に移動させ、ビード成形溝の溝幅を変更決定する工程と、主軸、扇形セグメント、弧状体を一体的に回転させながらビード素子を前記ビード成形溝に供給することで、該ビード素子をビード成形溝内で複数回螺旋状に巻回させてビードを成形する工程と、移動手段により扇形セグメント、弧状体を半径方向内側に同期移動させ、ビード成形溝から成形されたビードを取り出す工程とを備えたビード成形方法により、達成することができる。
第2に、軸線回りに回転可能な主軸と、該主軸の周囲に周方向に離れて配置されるとともに、外周にビード成形溝の一側壁が設けられた複数の扇形セグメントと、これら扇形セグメントを半径方向に同期移動させる移動手段と、各扇形セグメントの外側に軸方向に移動可能に支持されるとともに、外周にビード成形溝の他側壁が設けられた弧状体と、前記弧状体を扇形セグメントに対して軸方向に移動させ、ビード成形溝の溝幅を変更する変更手段とを備え、前記主軸、扇形セグメント、弧状体が一体的に回転しているときに、ビード素子を前記ビード成形溝に供給して複数回螺旋状に巻回することでビードを成形するようにしたビード成形装置により、達成することができる。
この発明においては、ビード成形溝の一側壁が設けられた複数の扇形セグメントの外側にビード成形溝の他側壁が設けられた弧状体を支持させるとともに、該弧状体を変更手段によって軸方向に移動させてビード成形溝の一側、他側壁間の間隔を変更するようにしたので、成形するビードの幅(ビード素子の巻き列数)に変更があったとき、扇形セグメントを交換することなく、簡単にビード成形溝の溝幅の変更を行うことができ、この結果、幅の異なるビードへの切換作業を短時間でかつ簡単に行うことができ、作業能率を向上させることができる。
また、請求項3に記載のように構成すれば、径の異なる複数種類のビードを、移動手段によって扇形セグメント、弧状体の停止位置を異ならせるだけで、容易に成形することができる。
さらに、請求項4に記載のように構成すれば、空気入りタイヤを製造する際に必要な対をなすビードを同時にかつ簡単に成形することができる。
また、請求項5に記載のように構成すれば、径の大きく異なるビードであっても、扇形セグメント、弧状体を交換することなく、容易に成形することができる。
さらに、請求項6に記載のように構成すれば、簡単な構造でありながら弧状体を高精度で移動させることができる。
以下、この発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1、2において、11は中空円筒状を呈する水平な主軸であり、この主軸11は図示していない固定フレームに取付けられた複数の軸受12によって軸方向基端部が軸線回りに回転可能に支持されている。13は主軸11の基端部に固定された歯付きプーリであり、14は前記固定フレームに支持された駆動手段としての駆動モータである。そして、前記歯付きプーリ13と駆動モータ14の出力軸15に固定された歯付きプーリ16との間には歯付きベルト17が掛け渡されており、この結果、前記駆動モータ14が必要に応じて作動し主軸11に回転駆動力が付与されると、該主軸11は軸線回りに回転する。
前記主軸11の軸方向中央部外周および軸方向先端部外周にはそれぞれ中央側ホルダ20および先端側ホルダ21が固定され、これら中央側、先端側ホルダ20、21の半径方向外端部で互いに対向する軸方向内側面には周方向に等角度離れた複数、ここでは16個のスライドベアリング22、23がそれぞれ取付けられている。24は複数(前記スライドベアリング22、23と同数)の扇形セグメントであり、これらの扇形セグメント24は前記中央側、先端側ホルダ20、21間において主軸11の周囲に周方向に等角度離れて配置されている。そして、これら扇形セグメント24は主軸11の軸線から半径方向に等距離離れており、この結果、これら扇形セグメント24は全体として円筒状を呈する。
各扇形セグメント24の中央側、先端側ホルダ20、21に対向する軸方向両外側面には半径方向に延びるガイドレール26、27がそれぞれ敷設されるとともに、これらガイドレール26、27は前記スライドベアリング22、23に摺動可能に係合しており、この結果、前記扇形セグメント24はスライドベアリング22、23、ガイドレール26、27にガイドされながら半径方向に移動することができる。28は中央側ホルダ20と先端側ホルダ21との間に位置する主軸11の外周に軸方向に移動可能に嵌合された略円筒状のスライダであり、このスライダ28には軸方向に離れた一対の截頭円錐状を呈する円錐部28a、28bが設けられている。
そして、これら円錐部28a、bは先端側に向かうに従い先細りとなっているとともに、その外周には周方向に等角度離れた複数(扇形セグメント24と同数)のガイドレール29a、bがそれぞれ敷設されている。ここで、これらのガイドレール29a、bは主軸11の軸線を含む平面内において直線状に延びており、この結果、これらガイドレール29a、bは軸方向先端側に向かうに従い半径方向内側に接近するよう傾斜している。
前記各扇形セグメント24の内周には軸方向に離れて2個のスライドベアリング31a、bが固定され、これらのスライドベアリング31a、bは前記ガイドレール29a、bにそれぞれ摺動可能に係合している。この結果、前記スライダ28が軸方向に移動すると、扇形セグメント24はガイドレール29a、b、スライドベアリング31a、bにより同期して同一半径方向に等距離だけ移動し拡縮する。
34は前記主軸11内に遊嵌され該主軸11と同軸のボールねじ軸であり、このボールねじ軸34は複数の軸受35により主軸11に対して相対回転できるよう支持されている。このボールねじ軸34の軸方向中央部外周にはおねじ部33が設けられ、このおねじ部33には主軸11内に収納された円筒状のねじブロック36が螺合している。37はスライダ28とねじブロック36とを連結する複数の連結部材であり、これら連結部材37は主軸11に形成された軸方向に延びる複数の長孔38内をそれぞれ貫通している。この結果、前記ボールねじ軸34が回転してねじブロック36が軸方向に移動すると、スライダ28は前記ねじブロック36と一体となって軸方向に移動する。
40は主軸11の基端から突出しているボールねじ軸34の基端に固定された歯付きプーリであり、この歯付きプーリ40と差動減速機41の出力軸42に固定された歯付きプーリ43との間には歯付きベルト44が掛け渡されている。ここで、前記差動減速機41には駆動モータ45から回転駆動力が伝達されるが、これら差動減速機41、駆動モータ45は前記固定フレームに取付けられている。
そして、前記駆動モータ45は、主軸11の回転が停止しているとき、必要に応じて作動・停止してボールねじ軸34を回転・停止させ、扇形セグメント24を半径方向に移動させるとともに、複数の異なる半径方向外側位置、ここでは、図2に実線で示す第1半径方向外側位置A、および、図6に実線で示す第2半径方向外側位置Bの2つの異なる半径方向外側位置と、図2に仮想線で示す1つの半径方向内側位置Cにおいて停止させる。
また、この駆動モータ45は、駆動モータ14の作動によって主軸11が回転しているとき、該駆動モータ14と同期して作動し、ボールねじ軸34を主軸11と同一方向に同一回転速度で回転させることで、ボールねじ軸34と主軸11との相対回転を防止して、扇形セグメント24が半径方向に移動する事態を防止している。前述したスライダ28、ガイドレール29a、b、スライドベアリング31a、b、ボールねじ軸34、ねじブロック36、連結部材37、歯付きプーリ40、差動減速機41、歯付きプーリ43、歯付きベルト44、駆動モータ45は全体として、前記扇形セグメント24および後述する弧状体を一体として半径方向に同期移動させる移動手段46を構成する。
前記扇形セグメント24は外径が異なる複数、ここでは、大径部48、中間径部49、小径部50の3つの径部分から構成され、これら大径部48、中間径部49、小径部50は扇形セグメント24の基端側から先端側に向かって順次配置されている。51は各扇形セグメント24の外側に軸方向に移動可能に支持され、弧状に屈曲したプレートからなる弧状体であり、これら弧状体51の周方向長さは扇形セグメント24の外周の周方向長さと実質上同一である。
また、前記弧状体51も前記扇形セグメント24と同様に径の異なる複数、ここでは大径部52、中間径部53、小径部54の3つの径部分から構成されるとともに、この順序で基端側から先端側に向かって配置されており、この結果、これら大径部52、中間径部53、小径部54の内周は前記扇形セグメント24の大径部48、中間径部49、小径部50の外周にそれぞれ面接触している。
図2、3、4において、前記弧状体51の大径部52、中間径部53、小径部54の周方向両側端部にはそれぞれ複数対、ここでは4対の矩形溝57、58、59、60が形成され、これらの矩形溝57、58、59、60は軸方向に離れて配置されている。61、62、63、64はビード成形溝の一側壁を構成する弧状の一側壁体であり、これら一側壁体61、62、63、64の内周でその周方向両端部には半径方向内側に向かって突出する一対の固定脚65が設けられている。
そして、前記一側壁体61、62、63、64は、その固定脚65が、大径部52、中間径部53、小径部54にそれぞれ形成された矩形溝57、58、59、60に挿入されるとともに、扇形セグメント24の外周に固定されることで、扇形セグメント24に取付けられている。これにより、扇形セグメント24の外周、ここでは径の異なる大径部48、中間径部49、小径部50の外周にはそれぞれ、ビード成形溝の一側壁(一側壁体61、62、63、64)が設けられていることになる。ここで、前記固定脚65の軸方向厚さは矩形溝57、58、59、60の軸方向幅より距離Lだけ小さく、この結果、弧状体51はこの距離Lだけ軸方向移動が許容される。
そして、前記一側壁体61、63はその先端側側面が先端側に向かうに従い半径方向内側に傾斜しており、この結果、これら一側壁体61、63は断面が六角形のフラットビード成形に用いられる。一方、前記一側壁体62、64はその先端側側面がほぼ半径方向に延びており、この結果、これら一側壁体62、64は断面が四角形のビード成形に用いられる。
また、前記大径部52、中間径部53、小径部54の外周にはそれぞれビード成形溝の他側壁を構成する弧状の他側壁体68、69、70、71が設けられ、これらの他側壁体68、69、70、71は前記一側壁体61、62、63、64より若干距離だけ先端側に配置されている。そして、前記他側壁体68、70はその基端側側面が基端側に向かうに従い半径方向内側に傾斜しており、この結果、これら他側壁体68、70は前記一側壁体61、63およびこれらの間の弧状体51の外周とで、断面が六角形のフラットビードを成形する一対のビード成形溝72を画成する。
一方、前記他側壁体69、71はその基端側側面がほぼ半径方向に延びており、この結果、これら他側壁体69、71は前記一側壁体62、64およびこれらの間の弧状体51の外周とで、断面が四角形のビードを成形する一対のビード成形溝73を画成する。このように扇形セグメント24、弧状体51をそれぞれ径の異なる複数の径部分、扇形セグメント24では大径部48、中間径部49、小径部50から、弧状体51では大径部52、中間径部53、小径部54から構成するとともに、各径部分にビード成形溝72、73を設けてビードDを成形するようにすれば、径の大きく異なるビードDであっても、扇形セグメント24、弧状体51を交換することなく、容易に成形することができる。
また、前述のように扇形セグメント24の大径部48、中間径部49、小径部50および弧状体51の大径部52、中間径部53、小径部54にそれぞれ、六角ビード成形用の一側壁体61、63、他側壁体68、70と、四角ビード成形用の一側壁体62、64、他側壁体69、他側壁体71とをそれぞれ軸方向に離して少なくとも一対設け、対をなす六角ビード、四角ビードを同時成形するようにしたので、空気入りタイヤを製造する際に必要な対をなすビードDを同時にかつ簡単に成形することができる。
さらに、前述のように移動手段46によって扇形セグメント24、弧状体51を複数の異なる半径方向外側位置、ここでは、第1、第2半径方向外側位置A、Bで停止させるとともに、各半径方向外側位置(第1、第2半径方向外側位置A、B)においてビードDを成形するようにすれば、停止位置を異ならせるだけで、大径部48、52と中間径部49、53と小径部50、54においてそれぞれ径の異なる複数種類のビードDを容易に成形することができる。
例えば、この実施例では、扇形セグメント24、弧状体51が第1半径方向外側位置Aにあるとき、大径部48、52のビード成形溝72、73によって20インチのビードDを、中間径部49、53のビード成形溝72、73によって18インチのビードDを、小径部50、54のビード成形溝72、73によって16インチのビードDを、また、扇形セグメント24、弧状体51が第2半径方向外側位置Bにあるとき、大径部48、52のビード成形溝72、73によって19インチのビードDを、中間径部49、53のビード成形溝72、73によって17インチのビードDを、小径部50、54のビード成形溝72、73によって15インチのビードDを成形するようにしており、断面形状の異なる多サイズの対をなすビードDを簡単かつ容易に成形することができる。
図1、2、5において、76は各扇形セグメント24の基端外周に取付けられた支持体であり、これら支持体76には軸方向に延びる連結ロッド77の中央部が摺動可能に挿入されている。これら連結ロッド77の先端部は各弧状体51の基端部に連結され、一方、その基端にはスライドベアリング78が固定されている。79はスライドベアリング78の基端側に近接設置され主軸11と同軸の鍔状をした伝達プレートであり、この伝達プレート79の先端面には半径方向に延び前記スライドベアリング78が摺動可能に係合するガイドレール80が周方向に等角度離れて複数(スライドベアリング78と同数)敷設されている。
前記伝達プレート79の内周には弧状の傾斜部材83が周方向に等角度離れて複数固定され、これら傾斜部材83の内周は中央側ホルダ20の外周に摺動可能に係合している。そして、これら傾斜部材83の軸方向端面、ここでは軸方向基端面は周方向一側(図5の矢印方向)に向かうに従い基端側に接近するよう周方向に対して若干傾斜した傾斜面81となっている。前述した連結ロッド77、スライドベアリング78、伝達プレート79、ガイドレール80、傾斜部材83は全体として、各弧状体51に軸方向に一体的に移動できるよう連結されるとともに、軸方向端面が周方向に対して若干傾斜している移動体82を構成する。
85は主軸11の外側に遊嵌されるとともに、軸受86を介して主軸11に回転可能に支持された回転体であり、この回転体85は中央側ホルダ20より基端側に設置されている。この回転体85の先端外周には外周フランジ87が形成され、この外周フランジ87の外周にはリング状の傾斜リング88が固定されている。この傾斜リング88の軸方向端面、ここでは軸方向先端面には前記傾斜面81に平行に(同一方向に同一角度で)傾斜した複数の傾斜面89が形成され、これら傾斜面89は傾斜部材83にそれぞれ対向するよう周方向に等角度離れて配置されている。そして、傾斜部材83の傾斜面81は、支持体76とスライドベアリング78との間に介装され連結ロッド77を囲むスプリング91に付勢されて、対応する傾斜リング88の傾斜面89に押し付けられ面接触している。
前述した回転体85、傾斜リング88は全体として、主軸11に回転可能に支持され、前記移動体82の傾斜面81に平行に傾斜している傾斜面89を有するとともに、該傾斜面89が傾斜面81に面接触しているリング体90を構成する。93は前記回転体85の外周に固定された固定ブロックであり、この固定ブロック93の外側面には停止凹み94が形成されている。95は前記固定フレームに取付けられたシリンダであり、このシリンダ95のピストンロッド96の先端には、該ピストンロッド96が突出したとき、前記停止凹み94に挿入されるロック片97が固定されている。
このようにピストンロッド96が突出してロック片97が停止凹み94に挿入されると、リング体90に制動力が付与され、該リング体90がロックされる。前述した固定ブロック93、シリンダ95、ロック片97は全体として、リング体90に制動力を付与することでその回転を停止させる停止機構98を構成する。そして、この停止機構98によりリング体90の回転を停止させているときに、駆動モータ14を作動して主軸11、扇形セグメント24、弧状体51、移動体82を一体的に回転させると、移動体82、弧状体51は移動体82、リング体90の傾斜面81、89の楔作用により軸方向に移動し、これにより、他側壁体68、69、70、71が一側壁体61、62、63、64に接近離隔し、ビード成形溝72、73の溝幅が変更される。
前述した移動体82、リング体90、停止機構98は全体として、前記弧状体51を扇形セグメント24に対して軸方向に移動させ、ビード成形溝72、73の溝幅を変更決定する変更手段99を構成する。このように変更手段99を移動体82、リング体90、停止機構98から構成するようにすれば、簡単な構造でありながら弧状体51を高精度、例えば 0.1mmの精度で軸方向に容易に移動させることができ、これにより、幅の異なる(ビード素子Sの巻き列数の異なる)ビードDを容易に成形することができる。
101は外周フランジ87の基端面に固定された1個のピンブロックであり、このピンブロック 101および前記外周フランジ87には軸方向に延びるロックピン 102が軸方向に移動可能に挿入されている。 103は前記中央側ホルダ20の半径方向外端部に固定された弧状のロックブロックであり、このロックブロック 103には周方向に離れた複数のピン穴 104が形成されている。そして、前述のようにビード成形溝72、73の溝幅が変更されると、ロックピン 102が先端側に押し込まれていずれかのピン穴 104に挿入され、リング体90を移動体82に一体回転できるよう連結する。
次に、前記実施例1の作用について説明する。
今、扇形セグメント24が第1半径方向外側位置Aに位置するとともに、弧状体51が基端側に移動してビード成形溝72、73の溝幅が狭幅となっており、ロックピン 102がピン穴 104に挿入されてリング体90が移動体82にロックされているとする。この状態で駆動モータ14を作動し、歯付きプーリ16、歯付きベルト17、歯付きプーリ13を介して回転駆動力を主軸11に伝達すると、該主軸11は扇形セグメント24、弧状体51、変更手段99と一体となって軸線回りに回転する。
このとき、スチール製のワイヤ、単線フィラメント等からなるビード素子Sをビード成形溝72または73、ここでは中間径部49、53に形成された一対のビード成形溝72にそれぞれ供給し、該ビード成形溝72内にビード素子Sを複数回螺旋状に密に巻回し、断面六角形である18インチの対をなすビードDを同時に成形する。
ここで、前述した駆動モータ14の作動と同時に駆動モータ45も作動して、その回転駆動力を差動減速機41、歯付きプーリ43、歯付きベルト44、歯付きプーリ40を介してボールねじ軸34に伝達し、該ボールねじ軸34を主軸11と同一方向に同一回転速度で回転させる。この結果、前記ビード素子Sの巻回時、主軸11に対するスライダ28の軸方向位置は一定で、扇形セグメント24、弧状体51が半径方向に移動することはなく、ビードDの形状が乱れることはない。
このようにしてビードDが成形されると、該ビードDを図示していない把持搬送手段により外側から把持した後、主軸11の回転を停止させた状態で駆動モータ45を作動しボールねじ軸34を回転させる。この結果、ねじブロック36、スライダ28はねじ作用により基端側に移動するが、このとき、扇形セグメント24のスライドベアリング31a、bが傾斜したガイドレール29a、bに係合しているため、扇形セグメント24、弧状体51は同期して半径方向内側位置Cに到達するまで半径方向内側に移動し、一側壁体61、62、63、64、他側壁体68、69、70、71の半径方向外端がビードDの内周より半径方向内側となる。
その後、成形されたビードDが把持搬送手段によりビード成形溝72から取り出され、次工程へと搬送される。次に、駆動モータ14、45が作動して扇形セグメント24、弧状体51が第1半径方向外側位置Aに復帰すると、主軸11が再び回転するとともに、ビード素子Sがビード成形溝72に供給され、対をなすビードDが前述と同様に成形される。その後、前述と同様の作動が繰り返され、ビードDが次々と成形される。
次に、成形されるビードDの幅(ビード素子Sの巻き列数)を広幅に変更する場合には、ロックピン 102を基端側に移動してピン穴 104から抜き出すことでリング体90を主軸11、移動体82から切り離した後、変更手段99のシリンダ95を作動してピストンロッド96を突出させ、ロック片97を停止凹み94に挿入する。これにより、シリンダ95からリング体90に制動力が付与され、該リング体90がロックされる。その後、駆動モータ14を作動して主軸11、扇形セグメント24、弧状体51、移動体82を一体回転させ、傾斜部材83を周方向他側(図5の矢印と逆方向)に移動させる。
この結果、移動体82、弧状体51が移動体82、リング体90の傾斜面81、89の楔作用により軸方向先端側に移動して、他側壁体68、69、70、71が一側壁体61、62、63、64から離隔し、他側壁体68、69、70、71と一側壁体61、62、63、64との間の間隔、即ちビード成形溝72、73の溝幅が広幅となる。このように扇形セグメント24を交換することなく、弧状体51を軸方向に移動させるだけでビード成形溝72、73の溝幅を簡単に変更することができ、この結果、幅の異なるビードDへの切換作業を短時間でかつ簡単に行うことができ、作業能率を向上させることができる。なお、これらビード成形溝72、73の溝幅は、ビード素子Sの径単位で調節可能である。
その後、ロックピン 102を先端側に移動してピン穴 104内に挿入し、リング体90を主軸11、移動体82に連結するとともに、シリンダ95のピストンロッド96を引っ込ませてロック片97を停止凹み94から抜き出す。この状態で主軸11、扇形セグメント24、弧状体51を一体的に回転させながらビード素子Sを中間径部49、53のビード成形溝72に供給し、該ビード素子Sをビード成形溝72内において前述より多数回螺旋状に巻回すれば、図3に仮想線で示すような断面六角形で広幅のビードDを成形することができる。
一方、径が18インチと同一でありながら断面形状が前述と異なる(四角形の)ビードDは、主軸11を回転させながらビード素子Sを中間径部49、53のビード成形溝73に供給することで、また、径が20インチで断面形状が六角形のビードDは、主軸11を回転させながらビード素子Sを大径部48、52のビード成形溝72に供給することで、さらに、径が20インチで断面形状が四角形のビードDは、主軸11を回転させながらビード素子Sを大径部48、52のビード成形溝73に供給することで成形することができる。
また、径が16インチで断面形状が六角形のビードDは、主軸11を回転させながらビード素子Sを小径部50、54のビード成形溝72に供給することで、さらに、径が16インチで断面形状が四角形のビードDは、主軸11を回転させながらビード素子Sを小径部50、54のビード成形溝73に供給することで容易に成形することができる。
また、成形するビードDの径を15、17、19インチに変更する場合には、主軸11の回転を停止させた状態で駆動モータ45を作動しボールねじ軸34を回転させる。この結果、ねじブロック36、スライダ28はねじ作用により基端側に移動するが、このとき、扇形セグメント24のスライドベアリング31a、bが傾斜したガイドレール29a、bに係合しているため、扇形セグメント24、弧状体51は同期して半径方向内側に移動する。そして、図6に示すように扇形セグメント24、弧状体51が第2半径方向外側位置Bまで半径方向内側に移動すると、駆動モータ45の作動を停止させる。
この状態で前述と同様に主軸11を回転させながらいずれかのビード成形溝72、73にビード素子Sを供給して螺旋状に巻回すると、大径部48、52のビード成形溝72、73には19インチのビードDが、中間径部49、53のビード成形溝72、73には17インチのビードDが、小径部50、54のビード成形溝72、73には15インチのビードDが成形される。
なお、前述の実施例においては、傾斜したガイドレール29a、bおよびスライドベアリング31a、bを用いて扇形セグメント24、弧状体51を半径方向に移動させるようにしたが、この発明においては、スライダ28と扇形セグメント24とを平行リンクで連結し、スライダ28を軸方向に移動させて平行リンクを傾動させることにより扇形セグメント24、弧状体51を半径方向に移動させるようにしてもよい。
また、前述の実施例においては、扇形セグメント24の大径部48、中間径部49、小径部50が一体形成され、また、弧状体51の大径部52、中間径部53、小径部54が一体形成されていたが、この発明においては、これら3つの径部分に分割するとともに、ボルト等の締結手段によって互いに締結するようにしてもよい。この場合には、必要に応じていずれかの径部分を交換することで、さらに多種類のビードDの成形に対応することができる。
この発明は、空気入りタイヤ用ビードを成形する産業分野に適用できる。
この発明の実施例1を示す概略平面図である。 扇形セグメント近傍の正面断面図である。 ビード成形溝近傍の拡大正面断面図である。 図3のI−I矢視断面図である。 図2のII−II矢視断面展開図である。 扇形セグメントが第2半径方向外側位置に位置している状態を示す図2と同様の正面断面図である。
符号の説明
11…主軸 24…扇形セグメント
46…移動手段 51…弧状体
61、62、63、64…一側壁 68、69、70、71…他側壁
72、73…ビード成形溝 82…移動体
90…リング体 98…停止機構
99…変更手段 A、B…半径方向外側位置
C…半径方向内側位置 D…ビード
S…ビード素子

Claims (6)

  1. 主軸の周囲に周方向に離れて配置されるとともに、外周にビード成形溝の一側壁が設けられた複数の扇形セグメントに対し、各扇形セグメントの外側に支持されるとともに、外周にビード成形溝の他側壁が設けられた弧状体を、変更手段によって軸方向に移動させ、ビード成形溝の溝幅を変更決定する工程と、主軸、扇形セグメント、弧状体を一体的に回転させながらビード素子を前記ビード成形溝に供給することで、該ビード素子をビード成形溝内で複数回螺旋状に巻回させてビードを成形する工程と、移動手段により扇形セグメント、弧状体を半径方向内側に同期移動させ、ビード成形溝から成形されたビードを取り出す工程とを備えたことを特徴とするビード成形方法。
  2. 軸線回りに回転可能な主軸と、該主軸の周囲に周方向に離れて配置されるとともに、外周にビード成形溝の一側壁が設けられた複数の扇形セグメントと、これら扇形セグメントを半径方向に同期移動させる移動手段と、各扇形セグメントの外側に軸方向に移動可能に支持されるとともに、外周にビード成形溝の他側壁が設けられた弧状体と、前記弧状体を扇形セグメントに対して軸方向に移動させ、ビード成形溝の溝幅を変更する変更手段とを備え、前記主軸、扇形セグメント、弧状体が一体的に回転しているときに、ビード素子を前記ビード成形溝に供給して複数回螺旋状に巻回することでビードを成形するようにしたことを特徴とするビード成形装置。
  3. 前記移動手段により扇形セグメント、弧状体を複数の異なる半径方向外側位置と、成形されたビードを取り出す1つの半径方向内側位置で停止させ、それぞれの半径方向外側位置でビードを成形することで径の異なる複数種類のビードを成形するようにした請求項2記載のビード成形装置。
  4. 前記扇形セグメント、弧状体に一側、他側壁を軸方向に離して少なくとも一対設け、対をなすビードを同時成形するようにした請求項2記載のビード成形装置。
  5. 前記扇形セグメント、弧状体を径の異なる複数の径部分から構成するとともに、各径部分にビード成形溝を設け、径の異なるビードを成形することができるようにした請求項2記載のビード成形装置。
  6. 前記変更手段を、弧状体に軸方向に一体的に移動できるよう連結されるとともに、軸方向端面が周方向に対して傾斜している移動体と、主軸に回転可能に支持され、前記移動体の軸方向端面に平行に傾斜している軸方向端面を有するとともに、該軸方向端面が移動体の軸方向端面に面接触しているリング体と、該リング体に制動力を付与することで回転を停止させる停止機構から構成し、停止機構によりリング体の回転を停止させているときに、主軸、扇形セグメント、弧状体、移動体を回転させることで、移動体、リング体の傾斜した軸方向端面の楔作用により移動体、弧状体を軸方向に移動させるようにした請求項2記載のビード成形装置。
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