JP2005226557A - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フィルタ60は、燃料噴射弁の燃料通路を形成する通路部材の燃料入口側の内周壁面に圧入されている。フィルタ60は、フィルタ本体62、枠部材64およびカラー68を有している。フィルタ本体62は、ナイロンまたはステンレスにより平らな板状に形成されている。枠部材64は樹脂で一体成形されており、フィルタ本体62をインサート成形している。枠部材64は、円筒部65と環状部66と補強部67とを有している。環状部66は、円筒部65のほぼ軸方向中央の内周壁に形成され、フィルタ本体62の外周縁を挟持し支持している。補強部67はフィルタ本体62の直径箇所を両面側から挟持している。カラー68は円筒状に形成された金属製であり、枠部材64の外周を覆っている。
【選択図】 図1
Description
このような燃料噴射弁として、例えば図23および図24に示すものでは、燃料噴射弁400の燃料通路420を形成する通路部材402の燃料入口側の内周壁面にフィルタ410を設置している。
図24に示すように、フィルタ410は、樹脂製の枠部材412にメッシュ状のフィルタシート414を筒状に巻いて取り付け、金属製のカラー416で通路部材402の内周壁面に圧入している。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、製造が容易で安価な燃料噴射弁を提供することを目的とする。
請求項2記載の発明では、フィルタ本体の中央部は燃料流れ方向に凹んでいるので、フィルタ本体に補集される燃料中の異物がフィルタ本体の凹み箇所に集まり、中央部の凹み箇所の周囲に堆積しにくい。この構成により、フィルタ本体の全面に異物が堆積することを防止できる。したがって、燃料中の異物を補集するとともに、フィルタ本体を通過する燃料の通路をフィルタ本体に確保できる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるフィルタを用いた燃料噴射弁を図2に示す。燃料噴射弁10の筒部材12は、磁性部材と非磁性部材とからなる円筒状に形成されている。通路部材としての筒部材12には燃料通路300が形成されており、この燃料通路300に、弁ボディ16、弁部材20、可動コア22、付勢部材としてのスプリング24、固定コア30、アジャスティングパイプ32およびフィルタ60が収容されている。
固定コア30は円筒状に形成されている。固定コア30は、筒部材12の燃料入口側から挿入され、筒部材12の非磁性部材14および第2磁性部材15の内部に圧入されることにより筒部材12に取り付けられ固定されている。固定コア30は可動コア22に対し弁部材20の往復移動方向の一方側である反弁ボディ側に設置され可動コア22と向き合っている。固定コア30の可動コア22と向き合う端面に非磁性材が塗布されている。
磁性部材40、42は互いに磁気的に接続してコイル44の外周側に設置されている。磁性部材40は第1磁性部材13と磁気的に接続し、磁性部材42は第2磁性部材15と磁気的に接続している。固定コア30、可動コア22、第1磁性部材13、磁性部材40、42および第2磁性部材15は磁気回路を構成している。
シール部材としてのOリング54は筒部材12の燃料入口側の外周壁に嵌合している。Oリング54は、筒部材12の外周側に嵌合し燃料通路300に燃料を供給する図示しない燃料供給口と、筒部材12の外周壁との間をシールする。
コイル44への通電をオンすると、固定コア30、可動コア22、第1磁性部材13、磁性部材40、42および第2磁性部材15からなる磁気回路を磁束が流れ、固定コア30と可動コア22との間に磁気吸引力が発生する。すると、可動コア22とともに弁部材20はスプリング24の付勢力に抗して固定コア30側に移動し、当接部21が弁座17から離座する。これにより、燃料が噴孔から噴射される。
第1実施形態のフィルタ60の変形形態1、2を図3および図4に示す。尚、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
変形形態1のフィルタ70は、フィルタ本体62を支持する枠部材72の補強部74が中心から放射状に等角度間隔で3方向に形成されている。また変形形態2のフィルタ80は、フィルタ本体62を支持する枠部材82の補強部84が中心から放射状に等角度間隔で4方向に形成されている。
本発明の第2実施形態を図5に示す。尚、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
図5に示すフィルタ90は、カラー68、フィルタ本体92および枠部材94を有している。板状のフィルタ本体92の中央部は燃料流れ方向に凹んでいる。枠部材94は、環状部66と、円筒部65のほぼ軸方向中央でフィルタ本体62の直径箇所を両面側から挟持している補強部96とを有している。補強部96は、フィルタ本体92の形状に合わせ中央部が燃料流れの下流側に向けて凹んでいる。
第2実施形態のフィルタ90の変形形態1、2を図6および図7に示す。尚、第2実施形態と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
変形形態1のフィルタ100は、フィルタ本体92を支持する枠部材102の補強部104が中心から放射状に等角度間隔で3方向に形成されている。補強部104の中央部は、燃料流れの下流側に向けて凹んでいる。
また、変形形態2のフィルタ110は、フィルタ本体92を支持する枠部材112の補強部114が中心から放射状に等角度間隔で4方向に形成されている。補強部114の中央部は、燃料流れの下流側に向けて凹んでいる。
本発明の第3実施形態を図8に示す。尚、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
図8に示すフィルタ120は、カラー68、フィルタ本体122および枠部材124を有している。平らな板状のフィルタ本体122は燃料流れに対して傾斜している。枠部材124は、円筒部65と環状部126と補強部127とを有している。環状部126は、円筒部65の内周壁に形成され、フィルタ本体122の外周縁を挟持し支持している。補強部127は、第1実施形態、その変形形態1、2の補強部のようにフィルタ本体122を両面側から挟持し支持している。枠部材124の環状部126および補強部127もフィルタ本体122に合わせて燃料流れに対して傾斜している。
本発明の第4実施形態を図9に、第5実施形態を図10に示す。尚、第1、第2実施形態と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
図9に示す第4実施形態のフィルタ130では、フィルタ本体62の外周縁だけを枠部材132の環状部66で支持されている。
図10に示す第5実施形態のフィルタ140では、フィルタ本体92の外周縁だけを枠部材132の環状部66で支持されている。さらに、フィルタ本体92の中央部は燃料流れ下流側に向けて凹んでいる。
本発明の第6実施形態を図11に、第7実施形態を図12に、第8実施形態を図13および図14に示す。尚、第1、2、3実施形態と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
図11に示す第6実施形態のフィルタ150は、フィルタ本体62および枠部材152を有している。樹脂製の枠部材152は、円筒部153と、環状部66と、第1実施形態および第1実施形態の変形形態1、2に示した補強部と同様にフィルタ本体62を支持する補強部154とを有している。円筒部153の内径は第1実施形態の円筒部65の内径とほぼ同じであり、円筒部153の外径は第1実施形態のカラー68の外径とほぼ同じである。
図13に示す第8実施形態のフィルタ170のフィルタ本体122は、燃料流れに対し傾斜している。フィルタ本体174を挟持し支持している環状部126および補強部127もフィルタ本体122に合わせて燃料流れに対して傾斜している。
本発明の第9実施形態を図15に、第10実施形態を図16に、第11実施形態を図17および図18に示す。尚、第6、7、8実施形態と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
図15に示す第9実施形態のフィルタ180、図16に示す第10実施形態のフィルタ190、および図17に示す第11実施形態のフィルタ200は、それぞれ第6実施形態のフィルタ150の枠部材152、第7実施形態のフィルタ160の枠部材162、第8実施形態のフィルタ170の枠部材172の外周壁に周方向に等間隔に複数の突起182を形成したものである。突起182は、特許請求の範囲に記載した枠部材に形成する凸部である。
本発明の第12実施形態を図19に、第13実施形態を図20に、第14実施形態を図21および図22に示す。尚、第9、10、11実施形態と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
図19に示す第12実施形態のフィルタ210は、フィルタ本体62および枠部材212を有している。樹脂製の枠部材212は、円筒部213と、環状部66と、補強部154と、円筒部213から軸方向に突出し周方向に等間隔に形成された複数の脚214とを有している。脚214には径方向外側に突出する突起215が形成されている。
図21に示す第14実施形態のフィルタ230は、フィルタ本体122および枠部材232を有している。フィルタ本体122は燃料流れに対し傾斜している。枠部材232は、円筒部213と、環状部126と、補強部234と、円筒部213から軸方向に突出し周方向に等間隔に形成された複数の脚214とを有している。環状部126および補強部127はフィルタ本体122に合わせて燃料流れに対して傾斜している。
以上説明した上記複数の実施形態では、板状のフィルタ本体を使用しているので、フィルタ本体の形状が簡単であり、枠部材でフィルタ本体を支持する構造が簡単である。したがって、フィルタの製造が容易であり、製造コストを低減できる。
上記複数の実施形態では、フィルタ本体を支持する枠部材に樹脂を用いたが、枠部材を全て金属で形成してもよい。
また上記実施形態では、フィルタ本体を直接支持する枠部材の環状部および補強部を円筒部と一体に樹脂成形したが、環状部または補強部を円筒部と別部材にしてもい。
また、第11、第14実施形態では、フィルタの枠部材に形成した凸部である突起と筒部材に形成した凹部とを係合させたが、フィルタの枠部材に形成した凹部と筒部材に形成した凸部とを係合させてもよい。
また上記実施形態では、燃料噴射弁に燃料を供給する燃料供給口と通路部材である筒部材の外周壁との間をシールするシール部材としてOリング54を用いたが、Oリング以外のシール部材を用いてもよい。
Claims (5)
- 燃料通路に流入した燃料を噴射する燃料噴射弁であって、
前記燃料通路を形成する通路部材と、
前記通路部材の燃料入口側に設置され、燃料中の異物を補集するフィルタと、
を備え、
前記フィルタは、板状のフィルタ本体と、前記フィルタ本体を支持し前記通路部材の内周壁面に取り付けられている枠部材とを有することを特徴とする燃料噴射弁。 - 前記フィルタ本体の中央部は燃料流れ方向に凹んでいることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射弁。
- 前記フィルタ本体は燃料流れに対し斜めに傾斜していることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射弁。
- 前記通路部材の燃料入口側の外周壁に、前記燃料通路に燃料を供給する燃料供給口との間をシールするシール部材が嵌合されており、前記枠部材と前記通路部材の内周壁面とは前記シール部材よりも燃料流れの下流側で係合していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の燃料噴射弁。
- 前記通路部材の燃料入口側は薄板で筒状に形成されており、前記枠部材と前記薄板とは、一方の凹部が他方の凸部に嵌合することにより係合しており、前記薄板の内周壁面側に凹部または凸部を形成することにより前記薄板の外周壁面側に凸部または凹部が形成されており、前記薄板の外周壁面側に形成された凸部または凹部を含み前記通路部材の外周壁面を覆う樹脂ハウジングを備えることを特徴とする請求項4記載の燃料噴射弁。
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