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JP2004128317A - 電磁装置 - Google Patents

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JP2004128317A JP2002292345A JP2002292345A JP2004128317A JP 2004128317 A JP2004128317 A JP 2004128317A JP 2002292345 A JP2002292345 A JP 2002292345A JP 2002292345 A JP2002292345 A JP 2002292345A JP 2004128317 A JP2004128317 A JP 2004128317A
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Abstract

【課題】ハウジング主部の両端が第1および第2端壁で閉じられて成るソレノイドハウジングにカプラが付設される電磁装置において、部品点数の増大および作業工数の増加を回避しつつ、ソレノイドハウジングにカプラを付設する。
【解決手段】ハウジング主部25の一端部には、第1端壁26の外周部を受ける環状の段部25aと、該段部25aとの間に第1端壁26の外周部を挟んでかしめることを可能としたかしめ部25bとが一体に設けられ、コイル組立体17の外周と、第1端壁26のうち段部25aおよびかしめ部25b間に挟まれる部分を除く外面とを一体に連なって覆う合成樹脂製のモールド封止体38に、カプラ38aが、ソレノイドハウジング18の軸方向に沿ってコイル組立体17と反対側に突出するようにして一体に形成される。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁装置に関し、特に、中心孔を有する合成樹脂製のボビンにコイルが巻装されて成るコイル組立体と、該コイル組立体を囲繞する円筒状のハウジング主部の両端が前記ボビンの両端にそれぞれ対向する第1および第2端壁で閉じられて成る磁性金属製のソレノイドハウジングと、第1端壁に磁気的に結合されて前記中心孔の一端側に挿入される固定コアと、該固定コアに対向して前記中心孔の他端側に挿入される可動コアと、前記コイルに連なる端子部材を臨ませて前記ソレノイドハウジングに付設されるカプラとを備える電磁装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる電磁装置では、ソレノイドハウジングとは別部材の支持板にカプラが取付けられ、その支持板がソレノイドハウジングに取付けられる構成となっている(たとえば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−82625号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の電磁装置の構成によれば、カプラを取付けるための支持板が必要となって部品点数が多くなるとともに、その支持板をソレノイドハウジングに取付ける作業も必要であるので作業工数が多くなる。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、部品点数の増大および作業工数の増加を回避しつつ、ソレノイドハウジングにカプラを付設し得るようにした電磁装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、中心孔を有する合成樹脂製のボビンにコイルが巻装されて成るコイル組立体と、該コイル組立体を囲繞する円筒状のハウジング主部の両端が前記ボビンの両端にそれぞれ対向する第1および第2端壁で閉じられて成る磁性金属製のソレノイドハウジングと、第1端壁に磁気的に結合されて前記中心孔の一端側に挿入される固定コアと、該固定コアに対向して前記中心孔の他端側に挿入される可動コアと、前記コイルに連なる端子部材を臨ませて前記ソレノイドハウジングに付設されるカプラとを備える電磁装置において、前記ハウジング主部の一端部には、第1端壁の外周部を受ける環状の段部と、該段部との間に第1端壁の外周部を挟むようにしてかしめることを可能とした薄肉円筒状のかしめ部とが一体に設けられ、前記コイル組立体の外周と、前記ボビンの一端に内面を当接させた状態の第1端壁のうち前記段部および前記かしめ部間に挟まれる部分を除く外面とを一体に連なって覆う合成樹脂製のモールド封止体に、前記カプラが、ソレノイドハウジングの軸方向に沿って前記コイル組立体と反対側に突出するようにして一体に形成されることを特徴とする。
【0007】
このような請求項1記載の発明の構成によれば、コイル組立体および第1端壁をユニット化し、第1端壁の外周部を円筒部の一端にかしめ結合することで、円筒部への第1端壁の組付け、コイル組立体のソレノイドハウジングへの収容およびモールド封止体のソレノイドハウジングへの組付けを同時に行なうことができ、組付け作業性を高めることができる。またモールド封止体にカプラが一体に形成されるので、別部材のカプラを準備することを不要として部品点数を低減することができ、別部材のカプラを組付けることも不要であるので組付工数を削減することができる。しかもカプラは、磁性金属から成る第1端壁および導電金属製の端子部材で補強されており、モールド封止体へのカプラの結合強度を増大することができる。さらにカプラはソレノイドハウジングの軸方向に沿って前記コイル組立体と反対側に突出するものであるので、カプラを設置するための部分をソレノイドハウジングに設けることを不要とし、ソレノイドハウジングの側方にカプラがはみ出すことがないようにして電磁装置がその幅方向に大型化することを回避することができる。
【0008】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記固定コアが、前記第1端壁の中央部に固定されることをことを特徴とし、かかる構成によれば、モールド封止体が固定コアを含んでユニット化されるので、モールド封止体をより強固な構造体とすることができる。
【0009】
請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、前記第1端壁の中心部に係合孔が設けられ、前記固定コアに一体に連設されて前記係合孔を貫通する連結ピンの先端部が前記係合孔の周囲で第1端壁の外面側にかしめ係合されることを特徴とし、かかる構成によれば、固定コアを第1端壁に容易に固定することができる。
【0010】
請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明の構成に加えて、前記連結ピンの先端部は、前記コイルに連なるアース用の端子部材を前記係合孔の周囲で第1端壁の外面との間に挟むようにして、前記係合孔の周囲で第1端壁の外面側にかしめ係合されることを特徴とし、かかる構成によれば、第1端壁すなわちソレノイドハウジングにアース用の端子部材を電気的に接続することができ、しかもアース用の端子はモールド封止体で被覆されることになるので、外部に露出することがない。
【0011】
請求項5記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記ボビンの一端に、第1端壁に嵌合される突部が一体に突設され、前記コイルに連なって前記カプラ側に延びる端子部材が、前記突部内を経て該突部の先端から突出されることを特徴とし、かかる構成によれば、突部を第1端壁に嵌合することで第1端壁に対するボビンすなわちコイル組立体の位置決めが可能となり、しかも第1端壁との絶縁を確実に維持しつつ端子部材をカプラ側に延出することができる。またカプラ組立体がモールド封止体で被覆される前にはボビンから前記突部が突出した状態にあるが、その突部内には導電金属製の端子部材が内蔵されているので、突部の強度を維持することができる。
【0012】
さらに請求項6記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記ハウジング主部と、該ハウジング主部の他端を閉じる前記第2端壁と、前記可動コアの作動に応じて開閉作動する弁部のバルブボディとが一体に連なって形成されることを特徴とし、かかる構成によれば、バルブボディと、ソレノイドハウジングのうちバルブボディ側の構成部材である第2端壁およびハウジング主部が一体に形成されるので、ソレノイドハウジングおよびバルブボディの連結強度を、充分に高めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0014】
図1〜図10は本発明の第1実施例を示すものであり、図1は三方電磁弁の縦断面図、図2は図1の上半部を拡大して示す縦断面図、図3は図1の下半部を拡大して示す縦断面図、図4はハウジング主部、第2端壁およびバルブボディの縦断面図、図5はコイル組立体、第1端壁および固定コアから成る予備組立ユニットの縦断面図であって図6の5−5線に沿う断面図、図6は図5の6矢視図、図7は予備組立ユニットをモールド封止体で被覆した状態の縦断面図、図8は弁座部材の縦断面図であって図9の8−8線に沿う断面図、図9は図8の9−9線断面図、図10は図9の10矢視図である。
【0015】
先ず図1において、この三方電磁弁14は、流体供給源(図示せず)に連なる入口通路11を流体圧アクチュエータ(図示せず)に連なる出口通路12に連通させるとともにリザーバ(図示せず)に連なる排出通路13および前記出口通路12間を遮断する状態、ならびに入口通路11および出口通路12間を遮断するとともに排出通路13および出口通路12間を連通する状態を切換えるように作動する弁部15と、該弁部15を切換作動させるための電磁力を発揮するソレノイド部16とで構成される。
【0016】
ソレノイド部16は、コイル組立体17と、該コイル組立体17を収容せしめる磁性金属製のソレノイドハウジング18と、ソレノイドハウジング18に磁気的に結合される磁性金属製の固定コア19と、該固定コア19に対向する可動コア20とを備える。
【0017】
図2および図3を併せて参照して、コイル組立体17は、中心孔22を有する合成樹脂製のボビン23にコイル24が巻装されて成るものである。またソレノイドハウジング18は、前記コイル組立体17を囲繞する円筒状のハウジング主部25と、ボビン23の一端に対向してハウジング主部25の一端を閉じる第1端壁26と、ボビン23の他端に対向してハウジング主部25の他端を閉じる第2端壁27とで構成されるものであり、ハウジング主部25とは別部材である第1端壁26はハウジング主部25の一端に固定され、第2端壁27はハウジング主部25の他端に一体に形成され、ハウジング主部25にはブラケット36が固着される。
【0018】
図4を併せて参照して、ハウジング主部25の一端には、円盤状に形成される第1端壁26の外周部内面を受ける環状の第1段部25aと、第1段部25aとの間に第1端壁26の外周部を挟むようにしてかしめることを可能とした薄肉円筒状の第1かしめ部25bが一体に設けられており、第1段部25aに外周部内面を当接させた第1端壁26の外周部外面に係合するように第1かしめ部25bをかしめることで、第1端壁26がハウジング主部25の一端に固定される。
【0019】
ところで、コイル組立体17、固定コア19および第1端壁26は、図5および図6で示すように、予備組立ユニット28としてユニット化されるものである。
【0020】
第1端壁26の外周部には、その一直径線上に位置する第1および第2凹部29,30が設けられており、第1端壁26の周方向に沿う第1凹部29の長さL1は、前記周方向に沿う第2凹部30の長さL2よりも大きく設定される。しかもボビン23の一端には、第1端壁26の周方向に沿う第1凹部29の両端に当接するようにして第1凹部29に嵌合される突部23aが一体に突設されており、コイル24の一端に連なる導電金属製の第1端子部材31が前記突部23a内を経て該突部23aの先端から突出される。またアース用である導電金属製の第2端子部材32が前記コイル24の他端に連なるようにしてボビン23の一端から突出されており、この第2端子部材32は第2凹部30を貫通する。
【0021】
ボビン23における中心孔22の一端側に挿入される固定コア19は第1端壁26の中央部にかしめ係合により固定される。すなわち第1端壁26の中央部には係合孔33が設けられており、固定コア19の一端には、係合孔33を貫通する連結ピン34が同軸にかつ一体に連設され、係合孔33を貫通する連結ピン34の先端部が前記係合孔33の周囲で第1端壁26の外面側にかしめ係合される。
【0022】
しかもアース用である第2端子部材32は、第1端壁26の外面に重なるように略直角に屈曲されるものであり、屈曲を容易とするために、ボビン23の一端から突出した部分で第2端子部材32の中間部には幅を狭くした首部32aが形成される。また第1端壁26の外面に重なった第2端子部材32の先端部には第1端壁26の係合孔33に対応した係合孔35が設けられており、前記連結ピン34は係合孔33,35を貫通する。
【0023】
また係合孔33,35を貫通した連結ピン34の先端部は、係合孔35の周囲で第2端子部材32の周囲に係合するようにかしめられる。すなわち連結ピン34の先端部は、第2端子部材32を前記係合孔33,35の周囲で第1端壁26の外面との間に挟むようにして、第1端壁26の外面側にかしめ係合されることになり、これにより、コイル組立体17と、該コイル組立体17におけるボビン23の一端に当接する第1端壁26と、前記ボビン23における中心孔22の一端側に挿入されて第1端壁26に固定される固定コア19とが、予備組立ユニット28としてユニット化されることになる。
【0024】
このような予備組立ユニット28は、図7で示すように、合成樹脂製のモールド封止体38で被覆される。このモールド封止体38は、予備組立ユニット28において、コイル組立体17の外周と、第1端壁26のうち第1段部25aおよび第1かしめ部25b間に挟まれる部分を除く外面とを一体に連なって覆うように形成され、しかもコイル24の一端に連なる第1端子部材31を臨ませるカプラ38aが、ソレノイドハウジング18の軸方向に沿ってコイル組立体17とは反対側に突出するようにしてモールド封止体38に一体に形成される。しかも第1端子部材31は、モールド封止体38に内蔵される部分と、カプラ38a内に臨む部分とが略直角に連なるように屈曲されるものであり、屈曲を容易とするために、ボビン23の一端から突出した部分で第1端子部材31の中間部には幅を狭くした首部31aが形成される。
【0025】
第1端壁26には、複数の透孔39,39…が設けられており、モールド封止体38の一部が各透孔39,39…に食い込むことにより、モールド封止体38および第1端壁26が強固に結合される。
【0026】
第2端壁27の中央部には、前記中心孔22と同軸の貫通孔40が設けられるとともに、中心孔22の他端側に挿入されている可動コア20の一部を囲繞するようにして中心孔22の他端側に挿入される円筒コア部41が同軸にかつ一体に連設される。
【0027】
可動コア20には、該可動コア20を同軸に貫通するロッド42Aが、固定コア19とは反対側で可動コア20の端部をかしめてロッド42Aに結合することによって固定される。固定コア19の可動コア20に対向する面の中央部には、ばね収容凹部43が設けられており、前記ロッド42Aの一端にはばね収容凹部43に突入する小径軸部42aが一体に設けられる。
【0028】
前記ばね収容凹部43には、可動コア20を固定コア19から離反する側にばね付勢するばね44が収容されており、ばね収容凹部43の閉塞端に一端が当接されるばね44の他端は、可動コア20が固定コア19に磁気吸着されたままとなることを防止するために可動コア20の固定コア19側の端面に当接された非磁性材料製のマグネットキラー45に、ロッド42Aの小径軸部42aを囲繞しつつ当接される。
【0029】
また可動コア20の軸方向中間部には、その内、外面間を結ぶ複数の通路46…が設けられており、可動コア20の固定コア19側の端面から前記通路46…に対応する部分間でロッド42Aの外面の周方向に間隔をあけた複数箇所には、可動コア20の内面との間に通路47…を形成する平坦面42b…が設けられる。このような通路46…,47…により、可動コア20の軸方向移動時にばね収容凹部43内での加圧や減圧が生じることを回避して、可動コア20の円滑な軸方向移動を保証することができる。
【0030】
ソレノイドハウジング18における第2端壁27には、第2端壁27の貫通孔40と同軸にしてソレノイドハウジング18とは反対側に延びる筒状のバルブボディ48の一端が一体に連設されており、貫通孔40には、一部をバルブボディ48側に突入せしめる段付円筒状のガイドカラー49が圧入される。このガイドガイドカラー49は、非磁性材料たとえばステンレス鋼から成るものであり、可動コア20からバルブボディ48側に突出したロッド42Aがガイドカラー49に摺動可能に嵌合されることにより、ロッド42Aおよび可動コア20の軸方向移動がガイドカラー49でガイドされることになる。
【0031】
弁部15は、バルブボディ48と、バルブボディ48に嵌合、固定される弁座部材50と、前記バルブボディ48内に収容される球状の弁体51と、ソレノイド部16の可動コア20および弁体51間を連動、連結する前記ロッド42Aとで構成される。
【0032】
バルブボディ48の軸方向中間部には、内向き突部53が半径方向内方に突出するようにして一体に突設されており、弁座部材50は、前記内向き突部53との間に弁室54を形成するようにしてバルブボディ48の他端部に嵌合、固定される。しかもバルブボディ48には、前記弁室54を出口通路12に通じさせる複数の出口ポート66…が設けられる。
【0033】
内向き突部53は、ロッド42Aがその他端に備える小径の押圧軸部42cを同軸に貫通せしめる第1弁孔55を内周で形成するものであり、該内向き突部53の弁室54側内周縁にテーパ状の第1弁座56が設けられる。而してガイドカラー49および内向き突部53間でバルブボディ48内には解放室57が形成され、バルブボディ48には、解放室57を排出通路13に通じさせる複数の排出ポート67…が設けられる。
【0034】
図8〜図10を併せて参照して、弁座部材50は、バルブボディ48の他端側に嵌合し得る程度の直径を有する円筒状に形成されており、この弁座部材50には、外端を開口して第1弁孔55と同軸に配置される第2弁孔58と、第2弁孔58の内端を同軸に囲繞するようにして弁室54に臨む第2弁座59とが設けられ、第2弁座59は、第2弁孔58側を小径としたテーパ状に形成される。
【0035】
一方、バルブボディ48の他端部には軸方向外方に臨む環状の第2段部48aが設けられ、弁座部材50において弁室54と反対側の端部には第2段部48aに当接するようにして半径方向外方に張出すフランジ部50aが一体に設けられ、このフランジ部50aは、第2段部48aに当接するまでバルブボディ48の他端部に圧入される。
【0036】
また弁座部材50の弁室54側の端部には、弁体51をガイドするガイド筒部60が、弁座部材50よりも小径にして同軸にかつ一体に連設され、該ガイド筒部60には、弁体51が第2弁座59から離座して第1弁座56側に移動したときに第2弁孔58を弁室54に連通せしめるためのたとえば一対の連通孔61,61が、ガイド筒部60の先端部をリング状に残すようにして該ガイド筒部60の周方向に等間隔をあけた位置に設けられ、これらの連通孔61,61は、弁体51の第2弁座59への着座シール部に極力近接して配置される。
【0037】
前記連通孔61は、4辺のうち2辺をガイド筒部60の軸線に沿わせた略直角四辺形、望ましくは、ガイド筒部60の軸線に沿う方向を短辺とした略長方形に形成される。
【0038】
前記バルブボディ48の他端部には、第2段部48aに当接したフランジ部50aに外方から外周部を当接させるようにしてフィルタ62が嵌合される。このフィルタ62は、第2弁孔58に流入する流体を濾過するものであり、支持リング63に濾過部材64が支持されて成り、支持リング63が前記フランジ部50aに当接される。しかもバルブボディ48の他端部には、前記第2段部48aとの間に、前記フランジ部50aと、フランジ部50aに当接するフィルタ62の外周部すなわち支持リング63とを重ねて挟むようにしてかしめることを可能とした薄肉円筒状の第2かしめ部48bが一体に設けられる。
【0039】
さらに第2弁孔58のフィルタ62側の端部には、フィルタ62側を大径としたテーパ部58aが形成される。
【0040】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、弁部15およびソレノイド部16で構成される三方電磁弁14において、弁部15のバルブボディ48と、ソレノイド部16のソレノイドハウジング18のうちバルブボディ48側の構成部材である第2端壁27およびハウジング主部25とが一体に形成されるので、ソレノイドハウジング18およびバルブボディ48の連結強度を、かしめ結合のものに比べて充分に高めることができる。
【0041】
また可動コア20を囲繞する円筒コア部41が第2端壁27に一体に連設され、バルブボディ48には、第1および第2弁座56,59の少なくとも一方,この実施例では第1弁座56を形成する内向き突部53が一体に形成されるので、第1および第2弁座56,59の少なくとも一方および円筒コア部41を別部材で構成するのに比べると、部品点数を低減することができるとともに組付工数を低減することができるだけでなく、バルブボディ48、第2端壁27、円筒コア部41、ハウジング主部25および内向き突部53の同軸性を著しく高め、磁気効率を向上することができる。
【0042】
またハウジング主部25および第1端壁26の結合部分は、大きな結合強度を必要としないのであるが、ハウジング主部25の一端部に第1段部25aおよび第1かしめ部25bを一体に設けておくことにより、ハウジング主部25の一端部に第1端壁26をかしめによって容易に連結、固定することができる。
【0043】
ところでコイル組立体17の外周と、該コイル組立体17におけるボビン23の一端に内面を当接させた状態の第1端壁26のうち第1段部25aおよび第1かしめ部25b間に挟まれる部分を除く外面とが、一体に連なる合成樹脂製のモールド封止体38で覆われる。したがってコイル組立体17および第1端壁26をユニット化し、第1端壁26の外周部をハウジング主部25の一端にかしめ結合することで、ソレノイドハウジング18の組付け、コイル組立体17のソレノイドハウジング18への収容およびモールド封止体38のソレノイドハウジング18への組付けを同時に行なうことができ、組付け作業性を高めることができる。
【0044】
またモールド封止体38に、コイル24の一端に連なる第1端子部材31を臨ませるカプラ38aが一体に形成されるので、別部材のカプラを準備することを不要として部品点数を低減することができ、別部材のカプラを組付けることも不要であるので組付工数を削減することができる。しかもカプラ38aは、磁性金属から成る第1端壁26および導電金属製の第1端子部材31で補強されており、モールド封止体38へのカプラ38aの結合強度を増大することができる。
【0045】
さらにカプラ38aはソレノイドハウジング18の軸方向に沿ってコイル組立体17と反対側に突出するものであるので、カプラ38aを設置するための部分をソレノイドハウジング18に設けることを不要とし、ソレノイドハウジング18の側方にカプラ38aがはみ出すことがないようにして三方電磁弁14がその幅方向に大型化することを回避することができる。
【0046】
ところで、第1端壁26の外周部には、その一直径線上に位置する第1および第2凹部29,30が設けられており、第1端壁26の周方向に沿う第1凹部29の長さL1は、前記周方向に沿う第2凹部30の長さL2よりも大きく設定される。しかもボビン23の一端には、第1端壁26の周方向に沿う第1凹部29の両端に当接するようにして第1凹部29に嵌合される突部23aが一体に突設されており、コイル24の一端に連なる導電金属製の第1端子部材31が前記突部23a内を経て該突部23aの先端から突出される。
【0047】
したがって第1および第2凹部29,30のうち第1凹部29に突部23aを確実に嵌合するようにして第1端壁26およびコイル組立体17の周方向相対位置を容易に一定に定めることが可能であり、しかも第1端壁26との絶縁を確実に維持しつつ第1端子部材31をカプラ38a側に延出することができる。またカプラ組立体17がモールド封止体38で被覆される前には、ボビン23から前記突部23aが突出した状態にあるが、突部23a内には導電金属製の第1端子部材31が内蔵されているので、突部23aの強度を維持することができる。
【0048】
固定コア19は第1端壁26の中央部に固定されるものであり、モールド封止体38は固定コア19を含んでユニット化されるので、モールド封止体38をより強固な構造体とすることができる。
【0049】
固定コア19の第1端壁26への固定にあたって、第1端壁26の中央部に係合孔33が設けられ、固定コア19に一体に連設されて係合孔33を貫通する連結ピン34の先端部が第1端壁26の外面側にかしめ係合されるものであり、固定コア19を第1端壁26に容易に固定することができる。しかもコイル24の他端に連なるアース用の第2端子部材32を係合孔33,35の周囲で第1端壁26の外面との間に挟むようにして連結ピン34の先端部が第1端壁26の外面側にかしめ係合されるので、第1端壁26すなわちソレノイドハウジング18にアース用の第2端子部材32を電気的に接続することができる。またアース用の第2端子部材32は、モールド封止体38で被覆されることになるので外部に露出することがない。
【0050】
ソレノイドハウジング18の第2端壁27に一端が一体に連設されるバルブボディ48の他端部には軸方向外方に臨む環状の第2段部48aが設けられ、第2段部48aに当接するフランジ部50aを有する弁座部材50が、内向き突部53との間に弁室54を形成するようにしてバルブボディ48の他端部に嵌合、固定され、内周で第1弁孔55を形成する内向き突部53の弁室54側内周縁に第1弁座56が設けられ、弁座部材50には、外端を開口して第1弁孔55と同軸に配置される第2弁孔58ならびに第2弁孔58の内端を同軸に囲繞する第2弁座59が設けられるとともに、可動コア20に一端が固着されて第1弁孔55を同軸にかつ移動可能に貫通するロッド42Aの他端に連接されるとともに第1および第2弁座56,59に択一的に着座可能な球状の弁体51をガイドするガイド筒部60が一体に連設され、弁体51が第2弁座59から離座したときに第2弁孔58を弁室54に連通せしめる連通孔61…が、ガイド筒部60の先端部をリング状に残すようにして該ガイド筒部60に設けられている。
【0051】
したがってガイド筒部60の先端はリング状に連なっており、弁体51をガイドするガイド筒部60の強度を高くし、変形が生じることを防止することができ、ガイド筒部60で弁体51を精度よくガイドすることができる。
【0052】
また前記連通孔61…は、弁体51の第2弁座59への着座シール部に極力近接して配置されているので、弁体51が第2弁座59から離座する方向に移動し始めるのに応じて速やかに流体が連通孔61…を流通することが可能となり、弁体51の弁体51の少ない移動量でより多くの流体を第2弁孔58および弁室54間で流通させることができる。
【0053】
また第1および第2弁座56,59は、第1および第2弁孔55,58側を小径としたテーパ状に形成されるので、球状である弁体51の着座性がよく、安定した閉弁状態を得ることができる。
【0054】
しかも連通孔61が、4辺のうち2辺をガイド筒部60の軸線に沿わせた略直角四辺形に形成されており、連通孔61が円形のものに比べると、弁体51が第2弁座59から離れる方向に移動する際の連通孔61の開口面積を速やかに大きくすることができ、弁体51の少ない移動量でより多くの流体を第2弁孔58および弁室54間で流通させることができる。しかもこの第1実施例では、連通孔61がガイド筒部60の軸線に沿う方向を短辺とした略長方形に形成されているので、弁体51の移動量に対する流体の流通量をより多くすることができるとともに、ガイド筒部60の軸方向長さ短縮に寄与することができる。
【0055】
またガイド筒部61は、弁座部材50よりも小径に形成されており、弁座部材50のバルブボディ48への嵌合、固定時に、バルブボディ48の内周およびガイド筒部60の外周間に環状の間隙を形成することができ、その間隙に通じるようにしてバルブボディ48に出口ポート66…を設けておくことにより、連通孔61の周方向位置を定めなくともバルブボディ48への弁座部材50の嵌合、固定によって連通孔61が前記出口ポート66…に通じることになり、弁座部材50のバルブボディ48への組付けが容易となる。
【0056】
またバルブボディに48嵌合し得るように弁座部材50の直径が設定され、フランジ部50aが、バルブボディ48の他端に圧入されているので、弁座部材50の一端側をバルブボディ48に嵌合することで安定的にガイドするようにして、フランジ部50aをバルブボディ48の他端に圧入することができ、弁座部材50のバルブボディ48への組付け作業性を向上することができる。しかもフランジ部50aが圧入されることで、弁座部材50およびバルブボディ48間をシールすることが可能であり、シール部材を不要として部品点数を低減することができる。
【0057】
さらにバルブボディ48の他端部には、第2段部48aとの間に、弁座部材50のフランジ部50aと、第2弁孔58に流入する流体を濾過するようにしてフランジ部50aに当接するフィルタ62の外周部とを重ねて挟むようにしてかしめることを可能とした薄肉円筒状の第2かしめ部48bが一体に設けられているので、弁体51を挿入したガイド筒部60を一体に有する弁座部材50およびフィルタ62をバルブボディ48に容易に組付けることができる。
【0058】
また第2弁孔58の前記フィルタ62側の端部に、フィルタ62側を大径としたテーパ部58aが形成されているので、フィルタ62の濾過面積を大きく設定することを可能としつつ、第2弁孔58を流通する流体の損失抵抗を小さく抑えることができる。
【0059】
図11は本発明の第2実施例を示すものであり、上記第1実施例に対応する部分には同一の参照符号を付す。
【0060】
可動コア20を貫通して該可動コア20に固定されるロッド42Bの一端には、固定コア19のばね収容凹部43に突入する小径軸部42a′が一体にかつ同軸に設けられ、可動コア20が固定コア19から最も離反した状態での可動コア20および固定コア19間の間隔L3が、前記小径軸部24a′の先端およびばね収容凹部43の閉塞端間の間隔L4よりも大きく(L4<L3)設定されている。
【0061】
この第2実施例によれば、可動コア20が固定コア19側に吸引されても可動コア20が固定コア19に接触することはなく、したがって上記第1実施例で必要とされたマグネットキラー45を不要とすることができる。
【0062】
図12は本発明の第3実施例を示すものであり、上記第1実施例に対応する部分には同一の参照符号を付す。
【0063】
可動コア20を貫通して該可動コア20に固定されるロッド42Cの外周には、可動コア20に設けられた通路46…に対応した位置で環状に連なる環状溝65が設けられる。
【0064】
この第3実施例によれば、可動コア20に対するロッド42Cの周方向相対位置がどのように変化しても、前記通路46…が環状溝65を介して通路47…に通じることになり、ロッド42Cを可動コア20に固定する際のロッド42Cの周方向位置決めが容易となる。
【0065】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0066】
たとえば本発明は、三方電磁弁14等の電磁弁だけでなく、電磁力を発揮する電磁装置に広く適用可能である。
【0067】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、円筒部への第1端壁の組付け、コイル組立体のソレノイドハウジングへの収容およびモールド封止体のソレノイドハウジングへの組付けを同時に行なうことができ、組付け作業性を高めることができる。また別部材のカプラを準備することを不要として部品点数を低減することができ、別部材のカプラを組付けることも不要であるので組付工数を削減することができる。しかもモールド封止体へのカプラの結合強度を増大することができ、ソレノイドハウジングの側方にカプラがはみ出すことがないようにして電磁装置がその幅方向に大型化することを回避することができる。
【0068】
また請求項2記載の発明によれば、モールド封止体が固定コアを含んでユニット化されるので、モールド封止体をより強固な構造体とすることができる。
【0069】
請求項3記載の発明によれば、固定コアを第1端壁に容易に固定することができる。
【0070】
請求項4記載の発明によれば、第1端壁すなわちソレノイドハウジングにアース用の端子部材を電気的に接続することができ、しかもアース用の端子はモールド封止体で被覆されることになるので、外部に露出することがない。
【0071】
請求項5記載の発明によれば、第1端壁に対するボビンすなわちコイル組立体の位置決めが可能となり、第1端壁との絶縁を確実に維持しつつ端子部材をカプラ側に延出することができる。またカプラ組立体がモールド封止体で被覆される前において突部の強度を維持することができる。
【0072】
さらに請求項6記載の発明によれば、バルブボディと、ソレノイドハウジングのうちバルブボディ側の構成部材である第2端壁およびハウジング主部が一体に形成されるので、ソレノイドハウジングおよびバルブボディの連結強度を、充分に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の三方電磁弁の縦断面図である。
【図2】図1の上半部を拡大して示す縦断面図である。
【図3】図1の下半部を拡大して示す縦断面図である。
【図4】ハウジング主部、第2端壁およびバルブボディの縦断面図である。
【図5】コイル組立体、第1端壁および固定コアから成る予備組立ユニットの縦断面図であって図6の5−5線に沿う断面図である。
【図6】図5の6矢視図である。
【図7】予備組立ユニットをモールド封止体で被覆した状態の縦断面図である。
【図8】弁座部材の縦断面図であって図9の8−8線に沿う断面図である。
【図9】図8の9−9線断面図である。
【図10】図9の10矢視図である。
【図11】第2実施例の三方電磁弁の縦断面図である。
【図12】第3実施例の三方電磁弁の縦断面図である。
【符号の説明】
15・・・弁部
17・・・コイル組立体
18・・・ソレノイドハウジング
19・・・固定コア
20・・・可動コア
22・・・中心孔
23・・・ボビン
23a・・・突部
24・・・コイル
25・・・ハウジング主部
25a・・・段部
25b・・・かしめ部
26・・・第1端壁
27・・・第2端壁
31・・・端子部材
33・・・係合孔
34・・・連結ピン
38・・・モールド封止体
38a・・・カプラ
32・・・アース用の端子部材
48・・・バルブボディ

Claims (6)

  1. 中心孔(22)を有する合成樹脂製のボビン(23)にコイル(24)が巻装されて成るコイル組立体(17)と、該コイル組立体(17)を囲繞する円筒状のハウジング主部(25)の両端が前記ボビン(23)の両端にそれぞれ対向する第1および第2端壁(26,27)で閉じられて成る磁性金属製のソレノイドハウジング(18)と、第1端壁(26)に磁気的に結合されて前記中心孔(22)の一端側に挿入される固定コア(19)と、該固定コア(19)に対向して前記中心孔(22)の他端側に挿入される可動コア(20)と、前記コイル(24)に連なる端子部材(31)を臨ませて前記ソレノイドハウジング(18)に付設されるカプラ(38a)とを備える電磁装置において、前記ハウジング主部(25)の一端部には、第1端壁(26)の外周部を受ける環状の段部(25a)と、該段部(25a)との間に第1端壁(26)の外周部を挟むようにしてかしめることを可能とした薄肉円筒状のかしめ部(25b)とが一体に設けられ、前記コイル組立体(17)の外周と、前記ボビン(23)の一端に内面を当接させた状態の第1端壁(26)のうち前記段部(25a)および前記かしめ部(25b)間に挟まれる部分を除く外面とを一体に連なって覆う合成樹脂製のモールド封止体(38)に、前記カプラ(38a)が、ソレノイドハウジング(18)の軸方向に沿って前記コイル組立体(17)と反対側に突出するようにして一体に形成されることを特徴とする電磁装置。
  2. 前記固定コア(19)が、前記第1端壁(26)の中央部に固定されることを特徴とする請求項1記載の電磁装置。
  3. 前記第1端壁(26)の中心部に係合孔(33)が設けられ、前記固定コア(19)に一体に連設されて前記係合孔(33)を貫通する連結ピン(34)の先端部が前記係合孔(33)の周囲で第1端壁(26)の外面側にかしめ係合されることを特徴とする請求項2記載の電磁装置。
  4. 前記連結ピン(34)の先端部は、前記コイル(24)に連なるアース用の端子部材(32)を前記係合孔(33)の周囲で第1端壁(26)の外面との間に挟むようにして、前記係合孔(33)の周囲で第1端壁(26)の外面側にかしめ係合されることを特徴とする請求項3記載の電磁装置。
  5. 前記ボビン(23)の一端に、第1端壁(26)に嵌合される突部(23a)が一体に突設され、前記コイル(24)に連なって前記カプラ(38a)側に延びる端子部材(31)が、前記突部(23a)内を経て該突部(23a)の先端から突出されることを特徴とする請求項1記載の電磁装置。
  6. 前記ハウジング主部(25)と、該ハウジング主部(25)の他端を閉じる前記第2端壁(27)と、前記可動コア(20)の作動に応じて開閉作動する弁部(15)のバルブボディ(48)とが一体に連なって形成されることを特徴とする請求項1記載の電磁装置。
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