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JP2005260659A - アンテナ付き車両用ウィンドシールド - Google Patents

アンテナ付き車両用ウィンドシールド Download PDF

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Abstract

【課題】車両の運転者の視界を確保する領域を含む前面部と、この前面部の両側から湾曲して車両の側部に沿うように延びる側面部とが一体に形成されたウィンドシールドにアンテナ素子を設けたものを提供する。
【解決手段】ウィンドシールド10は、車両の運転者の視界を確保する領域11を含む前面部12と、前面部の両側に延びる側面部14a,14bとが一枚のガラス板で一体に形成されている。前面部12と側面部14a,14bとの境界付近は湾曲し、側面部14a,14bが車両の側部に沿うように形成されている。領域11の外であって、境界付近の湾曲部のウィンドシールド10の裏面(車内側の面)には、プリント線によりアンテナ素子が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、アンテナつき車両用ウィンドシールド、特に、前方および前側方の視界を確保したウィンドシールドにアンテナを設けたものに関する。
従来より、自動車に代表される車両のウィンドシールド(フロントガラス)にアンテナ素子を設けテレビ(TV),ラジオ(AM,FM)などの電波を受信する、いわゆるガラスアンテナが提案されている。
例えば、特許文献1において、TV波を車両にて受信するために、ウィンドシールドに逆凸形状のアンテナ素子を配設する車両用アンテナ構造が提案されている。
また、特許文献2において、FM波およびAM波を車両にて受信するために、ウィンドシールドの上縁部近傍にループ形状のアンテナ素子、およびループ形状のアンテナ素子の下辺部に接続され、ウィンドシールドの下縁部に向かって略垂直に延設されたアンテナ素子を備える車両用アンテナ構造が提案されている。さらにループ形状のアンテナ素子および略垂直に延設されたアンテナ素子を暗色のカーボン粒子を含有する銀ペーストにより形成することが開示されている。
特開平09−130124号公報 特開2001−211021号公報
しかし、上述した特許文献1に開示された方法では、アンテナ素子の一般的な特性として、受信すべき電波の波長(周波数帯域)に応じて、最適なアンテナ素子のサイズおよび形状は大きく異なるため、逆凸形状のアンテナ素子をFM波やAM波を受信するアンテナ素子として採用するには、少なくともアンテナ素子のサイズをかなり大きくする必要があり、この場合、車両の前方の視界を確保できず、ウィンドシールドの視認性を妨げるという問題が生じる。
また、特許文献1および2に開示された方法では、車両の前方の視界を確保するため、アンテナ素子の幅を細くする必要があり、アンテナの感度性能が低下するという問題が生じる。また、車両を車外側より見た場合、アンテナ素子が目立ち、美観を損なうという問題点が生じる。
近年、車両の前方の視界だけでなく前側方の視界をも確保したウィンドシールドが提供されてきている。なお、この明細書では、「前側方」という用語は、斜め前方および側方の両方を含めた意味で用いるものとする。このウィンドシールドは、図1に示す従来の車両におけるフロントガラス6と、車両側部のフロントドアの前方に設けられている三角形状のフロントベンチガラス8とを一体として形成したものである。
図2に、この種のウィンドシールドを示す。ウィンドシールドを10で示す。従来では、フロントガラスとフロントベンチガラスとの間に存在した車体の一部である金属製ピラーが無いので、運転者にとって前方および前側方の視界が確保されている。
本発明の目的は、上述した種類のウィンドシールドにアンテナを設けることにより、前述したガラスアンテナの問題点を解決することにある。
本発明は、車両の運転者の視界を確保する領域を含む前面部と、この前面部の両側から湾曲して車両の側部に沿うように延びる側面部とが一体に形成されたウィンドシールドにおいて、前記領域の外であって、前記前面部と側面部との境界付近の湾曲部に少なくとも1本のアンテナ素子が設けられていることを特徴とする。
なお、この明細書において、運転者の視界を確保する領域とは、例えば、日本においては自動車用安全ガラスにおける透視ひずみ,二重像の規制(JISR3211:1998 4.11透視ひずみ,4.13二重像)による試験領域Aを意味する。欧州においては、安全ガラスおよび窓ガラス材料の認証に関する統一規定(UNIFORM PROVISIONS CONCERNING THE APPROVAL OF SAFETY GLAZING AND GLAZING MATERIAL)における透視ひずみ,二重像の規制(ECE R−43 Annex3,9.2透視ひずみ試験,9.3二重像試験)によるテスト領域Aを意味する。
また、この明細書において「湾曲部」という用語は、緩やかに曲がっているものから、折り曲げに近いほど急峻に曲がっているものまでも含めたものとして用いる。
本発明においては、前記アンテナ素子は、AM受信用のアンテナ素子,FM受信用のアンテナ素子,TV受信用のアンテナ素子のうちの少なくとも1種類以上のものとすることができる。また、2箇所の境界付近の湾曲部には、それぞれアンテナ素子を設け、ダイバーシティ受信を可能にすることができる。
本発明を適用できるウィンドシールドは、熱可塑性樹脂膜により2枚以上のガラス板および/または樹脂板を貼り合わせてなる合わせ構造体であり、前記アンテナ素子は、前記ウィンドシールドの車内側の面、あるいはウィンドシールドの内部に形成される。
また、前記境界付近の湾曲部には、アンテナ素子を覆う遮蔽膜をさらに設けてもよい。
本発明のアンテナ付き車両用ウィンドシールドによれば、以下の効果が得られる。
(1)アンテナ素子は、前面部と側面部との境界付近の湾曲部であって、運転者の視界を確保する領域の外に設けられているので、ドライバにとって前方の視界は妨げられない。また、アンテナ素子の線幅を細くする必要がないため、高い受信感度が得られる。
(2)アンテナ素子は、湾曲部に設けられているため目立ちにくい。また遮蔽膜を設けた場合、アンテナ素子は遮蔽膜に隠れ見えないため美観がよい。
(3)運転者の視界を確保する領域の外の面積が広いため、複数のアンテナ素子を設けることができ、そのため良好なダイバーシティ受信を行うことができる。
図3は、本発明のアンテナ付きウィンドシールドの一実施例を示す。ウィンドシールド10は、車両の運転者の視界を確保する領域11を含む前面部12と、前面部の両側に延びる側面部14a,14bとが一体に形成されている。前面部12と側面部14a,14bとの境界付近は湾曲し、側面部14a,14bが車体(図示せず)の側部に沿うように形成されている。
ウィンドシールドは、2枚以上のガラス板を熱可塑性樹脂膜で接着した合わせガラスである。境界付近の湾曲部のウィンドシールド10の裏面(車内側の面)には、プリント線によりアンテナ素子が形成される。プリント線は、曲げ加工を行う前の平板状態で、導電性のペースト、例えばAgを含有するペーストをスクリーン印刷等の既存のプリント方法によりプリントし、その後、ガラス板を加熱し、曲げると同時にペーストを焼きつけることにより形成される。
図3の例では、ダイバーシティ受信を行うため、両側の湾曲部に同一のアンテナ素子を設けている。FMアンテナ素子16a,16b、TV用アンテナ素子18a,18b,20a,20bである。
各アンテナ素子はガラス板の湾曲に沿った直線状であり、アンテナ素子の長さLは良好な受信感度が得られるように選ばれる。受信電波の中心波長をλとした場合に、アンテナ素子の長さLは、
L=(1/4)×λ×短縮率
で与えられる。ここに短縮率とは、誘電体基板(この場合、ガラス板)を伝搬する電波の伝搬速度に関係するもので、アンテナが共振するように、誘電体基板上に形成されるアンテナの寸法が、誘電体基板のない場合に想定されるアンテナ寸法に比べて小さくなる比率をいう。一例として、FM用アンテナの場合、アンテナ素子の長さLは、λが4m(76MHz)のとき、L=(1/4)×4m×0.65≒0.65mとなる。
各アンテナ素子は、それぞれの給電点に接続されている。すなわち、FMアンテナ素子16a,16bは、給電点17a,17bに接続され、TVアンテナ素子18a,18bは、給電点19a,19bに接続され、TVアンテナ素子20a,20bは、給電点21a,21bに接続されている。これら給電点は、車体に近い側に設けることが望ましい。給電点への配線が短くなり、性能的にも好ましいからである。
以上のプリント線および給電点は、運転者の視界を確保する領域11の外に設けられる。領域11の外の面積が広いため、アンテナ素子の自由な設計が可能となり、このためアンテナ素子の本数を増やす、あるいはアンテナ素子の線幅を太くすることが可能となる。これによりアンテナの受信感度を向上させることができる。
アンテナ素子がウィンドシールドの美感を損なうことが問題となる場合には、図4に示すように、ウィンドシールドの裏面(車内側の面)に、遮蔽膜22a,22bを設けてアンテナ素子16a,16b,18a,18bを隠すようにすればよい。このようにすることにより、アンテナ素子を車外から見えないようにすることができる。
遮蔽膜22a,22bとしては、従来より車両用窓ガラスの周辺に設けられる黒色の遮蔽膜などを用いることができる。この場合のウィンドシールドは、その裏面に、黒色顔料を含有するペーストを、スクリーン印刷等の既存のプリント方法によりプリントし、乾燥させて遮蔽膜を形成し、その後、導電性ペーストを塗布し、ガラス板を加熱し、曲げると同時にペーストを焼きつけることによりプリント線を形成する。
以上の実施例では、プリント線をウィンドシールドの裏面に形成しているが、耐傷つき性や受信感度の観点から合わせガラス板の内部に形成することが好ましい。この場合プリント線は、熱可塑性樹脂膜が接触するガラス板の表面に形成される。
合わせガラス板の内部にアンテナ素子を形成する場合、アンテナ素子としてプリント線の他にワイヤー線を用いることができる。ワイヤー線を用いる場合、ワイヤー線はあらかじめ熱可塑性樹脂膜の表面または膜中の所定部位に形成し(例えば、加熱したワイヤー線を熱可塑性樹脂膜に押し当てることにより、熱可塑性樹脂を局所的に溶かし、ワイヤー線を固定する、または接着剤により熱可塑性樹脂膜に接着する等により)、ワイヤー線を形成した熱可塑性樹脂を介してガラス板を接着することにより容易に得られる。
アンテナ素子を合わせガラス板の内部に設ける場合、遮蔽膜を合わせガラス板の内部および/または合わせガラス板の裏面(車内側の面)に設けて、アンテナ素子を車外および/または車両から見えないようにすることができる。
また、前述した遮蔽膜を合わせガラス板内に設ける場合には、熱可塑性樹脂膜に接するガラス表面の他に、熱可塑性樹脂膜の表面または膜中に設けることができる。
アンテナ素子の形成は、以上の例に限定されるものではなく表面にアンテナ素子を形成した樹脂フィルムを粘着剤によりウィンドシールドの裏面に接着してもよい。
以上の実施例では、アンテナ素子は、見た目が目立ちにくいという観点から(湾曲に沿った)直線状としたが、アンテナ素子は受信波を受信できれば形状はこだわらない。また、AM用アンテナ素子を構成することもできる。
また、ウィンドシールドとしてガラス板を用いているが、樹脂板複数枚を合わせ構造にしたものでもよい。さらには、ガラス板と樹脂板とを合わせ構造にしたものであってもよい。また、1枚板のガラス板あるいは樹脂板であってもよい。
従来のウィンドシールドを示す図である。 本発明が適用されるウィンドシールドを示す図である。 本発明の一実施例を示す図である。 本発明の他の実施例を示す図である。
符号の説明
10 ウィンドシールド
12 前面部
14a,14b 側面部
16a,16b,18a,18b,20a,20b アンテナ素子
17a,17b,19a,19b,21a,21b 給電点
22a,22b 遮蔽膜

Claims (7)

  1. 車両の運転者の視界を確保する領域を含む前面部と、この前面部の両側から湾曲して車両の側部に沿うように延びる側面部とが一体に形成されたウィンドシールドにおいて、
    前記領域の外であって、前記前面部と側面部との境界付近の湾曲部に少なくとも1本のアンテナ素子が設けられていることを特徴とするアンテナ付きウィンドシールド。
  2. 2箇所の前記境界付近の湾曲部に、それぞれアンテナ素子を設け、ダイバーシティ受信を可能にしたことを特徴とする、請求項1に記載のアンテナ付きウィンドシールド。
  3. 前記ウィンドシールドは、熱可塑性樹脂膜により2枚以上のガラス板および/または樹脂板を貼り合わせてなる合わせ構造体であり、前記アンテナ素子は、前記ウィンドシールドの車内側の面に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ付きウィンドシールド。
  4. 前記ウィンドシールドは、熱可塑性樹脂膜により2枚以上のガラス板および/または樹脂板を貼り合わせてなる合わせ構造体であり、前記アンテナ素子は、前記ウィンドシールドの内部であって、前記熱可塑性樹脂膜に接触する前記ガラス板または樹脂板の面に、あるいは前記熱可塑性樹脂膜内に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ付きウィンドシールド。
  5. 前記境界付近の湾曲部には、前記少なくとも1本のアンテナ素子を覆う遮蔽膜がさらに設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のアンテナ付きウィンドシールド。
  6. 前記アンテナ素子は、プリント線またはワイヤ線であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアンテナ付きウィンドシールド。
  7. 前記アンテナ素子は、AM受信用のアンテナ素子,FM受信用のアンテナ素子,TV受信用のアンテナ素子のうちの少なくとも1種類以上よりなることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のアンテナ付きウィンドシールド。
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