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JP2005084277A - 光学異方性層、位相差板、円偏光板および画像表示装置 - Google Patents

光学異方性層、位相差板、円偏光板および画像表示装置 Download PDF

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JP2005084277A JP2003315017A JP2003315017A JP2005084277A JP 2005084277 A JP2005084277 A JP 2005084277A JP 2003315017 A JP2003315017 A JP 2003315017A JP 2003315017 A JP2003315017 A JP 2003315017A JP 2005084277 A JP2005084277 A JP 2005084277A
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Abstract

【課題】 塗布工程の少ない簡易な製造方法により製造可能で、且つハジキや配向不良等による欠陥が少ない位相差板、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 支持体と液晶性化合物およびポリマーを含有する液晶組成物からなり、酸化的表面処理された光学異方性層とを有する位相差板である。液晶性化合物及びポリマーを含有する組成物から形成された第1の光学異方性層の表面を酸化的処理する工程と、前記酸化的処理された表面に、液晶性化合物を含有する組成物を塗布して第2の光学異方性層を形成する工程とを含む第1および第2の光学異方性層を有する位相差板の作製方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶性化合物とポリマーとを含む液晶組成物を用いて形成された光学異方性層、該光学異方性層を有する位相差板に関する。また2層以上の光学異方性層を有し、2つの光学異方性層の間に配向膜層を設けない位相差板に関する。さらにこれら位相差板を用いた円偏光板もしくは画像表示装置に関する。
光学異方性材料からなる位相差板は、LCD表示装置において必要な材料である。一種類の材料では所望とする光学性能が達成できない場合は複数の光学材料を使用する場合がある。例えば、反射型液晶表示装置においてλ/4板が使用されているが、R,G,Bのいずれの波長域においても該λ/4板の位相差は波長の1/4であるような広帯域性が求められているが、かかる光学性能を1種の材料で満足することは難しく、λ/2板とλ/4板とが使用されている。これらの材料はおのおのが数十μm以上の厚みを有しており、それを粘着剤等で貼り合わせて使用している。また、長尺状の支持体に液晶性化合物からなる光学異方性層を2層積層して広帯域λ/4板を作製する技術が、特許文献1に開示されている。また、液晶性化合物を固定化して得られる層を多層積層する技術が特許文献2に開示されている。これらの光学材料においては、液晶化合物を固定化して得られる層の間に配向膜層を別途形成しており、かかる積層方法では液晶化合物を塗布する前に、必ずそのための配向膜を塗布する必要がある。つまり、液晶性化合物の配向を固定化して光学異方性層を1層形成するためには、配向膜と液晶化合物を少なくとも1回ずつ塗布しなければならない。そのため、製造経費が高くなり、より安価な製造技術が求められている。さらに、塗布回数が増えれば増えるほど、塗布あるいは液晶化合物の配向の不具合によって製品故障が起きる確率が増えることが多く、結果的に位相差板の得率が悪くなってしまう。そのため、製造時における得率を改善する点からも塗布回数を減らすことが求められている。
一方、特許文献3には、液晶組成物の空気界面側の傾斜配向を制御する目的で界面活性剤を添加し、空気界面側に移行させて表面層を形成する技術について記載されている。しかしながら該特許文献には空気界面側の表面層にラビングを施して、更に重合性液晶組成物からなる光学異方性層を形成する技術に関しては触れられていない。また、重合性液晶組成物に界面活性剤をレべリング剤として添加し、形成される膜の表面を平滑にする技術が特許文献4および特許文献5に開示されている。これらの文献には、レべリング剤が液晶組成物の表面張力を低下させることにより、膜厚ムラに起因する光学的なムラを低減できると記載されている。しかしながら、これらの文献には、重合性液晶組成物から形成された光学異方性層上に、更に重合性液晶組成物からなる光学異方性層を形成する技術に関しては触れられていない。我々は、特許文献5記載のレベリング剤を用いて重合性液晶化合物からなる1層の光学異方性層を作製し、その表面にラビング処理を施し、更にもう1層の光学異方性層を形成することを試みた。しかしながら、1層目の表面がべたつく、レベリング剤がラビング布に転写する、2層目の光学異方性層を塗布する際に下層の濡れが悪いため2層目にハジキが発生する、さらに液晶性化合物の配向性が不十分である、という問題があることが明らかになった。
特開2001−4837号公報 米国特許6160597号公報 特開2000−105315号公報 特開平11−148080号公報 特開平8−231958号公報
本発明が解決しようとする課題は、表面がべとつかず、表面を布などで擦っても添加剤などが転写せず、表面に直接ラビング処理を施すことができ、しかも液晶性化合物を含有する組成物を塗布した場合にハジキなどの塗布不良を発生せずに、直接その表面に他の液晶性化合物からなる光学異方性層を形成可能な、光学異方性層を提供することにある。また、本発明は、塗布工程の少ない簡易な製造方法により製造可能で、且つハジキや配向不良等による欠陥が少ない位相差板を提供することにある。また、本発明の課題は、簡易で、しかもハジキや配向不良等の欠陥の発生頻度が少ない位相差板の製造方法を提供することにある。更に、本発明の課題は、製造費用の軽減及び画像表示特性の向上に寄与する光学異方性層、位相差板及び円偏光板を提供すること、ならびに表示特性に優れた画像表示装置を提供することである。
上記課題は、以下の手段によって達成された。
[1] 液晶性化合物およびポリマーを含有する液晶組成物から形成され、酸化的表面処理された光学異方性層。
[2] 前記酸化的表面処理が、コロナ放電処理又はプラズマ処理である[1]に記載の光学異方性層。
[3] 前記ポリマーのδa値が、前記液晶性化合物のδa値よりも小さい[1]または[2]に記載の光学異方性層。
[4] 前記ポリマーが、少なくとも下記一般式(I)で表される繰り返し単位を含む[1]〜[3]のいずれかに記載の光学異方性層。
Figure 2005084277
(R1は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、R2はカルボキシル基、エステル基、アミド基、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、カルバモイル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。)
[5] 前記ポリマーが、架橋性基を有する繰り返し単位を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の光学異方性層。
[6] 表面エネルギーが、前記酸化的表面処理前の表面エネルギーより5mN/m以上増大した[1]〜[5]のいずれかに記載の光学異方性層。
[7] 表面エネルギーが、前記酸化的表面処理により45mN/m以上に増大された[1]〜[5]のいずれかに記載の光学異方性層。
[8] 支持体上に、[1]〜[7]のいずれかに記載の第1の光学異方性層を有する位相差板。
[9] 前記第1の光学異方性層に隣接した第2の光学異方性層を有し、前記第1および第2の光学異方性層の間に、実質的に配向膜層を有さない[8]に記載の位相差板。
[10] 前記第1の光学異方性層が第2の光学異方性層と比較して、前記透明支持体により近い位置にあり、前記第1の光学異方性層の遅相軸と前記第2の光学異方性層の遅相軸とのなす角度が実質的に60°であり、前記第1および第2の光学異方性層の一方の波長550nmにおける位相差が実質的にπであり、他方の波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2である[9]に記載の位相差板。
[11] [9]または[10]に記載の位相差板と偏光膜とを有し、波長550nmにおける位相差がπである光学異方性層が、位相差がπ/2である光学異方性層と比較して、前記偏光膜により近い位置にあり、前記偏光膜の偏光の透過軸と位相差がπである光学異方性層の遅相軸とのなす角が実質的に15°または75°である円偏光板。
[12] 液晶性化合物及びポリマーを含有する組成物から形成された第1の光学異方性層の表面を酸化的処理する工程と、前記酸化的処理された表面に、液晶性化合物を含有する組成物を塗布して第2の光学異方性層を形成する工程とを含む第1および第2の光学異方性層を有する位相差板の作製方法。
[13] [8]〜[10]のいずれかに記載の位相差板、[11]に記載の円偏光板又は[12]に記載の製造方法により製造された位相差板を含む画像表示装置。
[14] 透明支持体上に、重合性液晶性化合物の重合体およびポリマーを含有する光学異方性層を有し、該光学異方性層が酸化的表面処理されたことを特徴とする位相差板。
なお、本明細書において「実質的に配向膜がない」とは、配向膜として機能させるためだけに形成された膜を含んでいないことを意味する。下方に位置する層の表面が、上方に位置する層の液晶性化合物が配向するのに寄与する場合であっても、下方に位置する層が配向膜としてのみ用いるために形成されていない限り、本発明に含まれる。また、角度についての「実質的に」とは、厳密な角度±5゜未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との誤差は、4゜未満であることが好ましく、3゜未満であることがより好ましい。また、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。
本発明によれば、塗布工程の少ない簡易な製造方法により製造可能で、且つハジキや配向不良等による欠陥が少ない位相差板を提供することができる。また、本発明によれば、簡易で、しかもハジキや配向不良等の欠陥の発生頻度が少ない位相差板の製造方法を提供することができる。更に、本発明によれば、製造費用の軽減及び画像表示特性の向上に寄与する、光学異方性層、位相差板及び円偏光板、ならびに表示特性に優れた画像表示装置を提供することができる。
発明の実施の形態
本発明の光学異方性層は、位相差板の構成部材として用いることができる。本発明の光学異方性層を含む位相差板は、種々の液晶表示装置(例えば、反射型液晶表示装置、TN型液晶表示装置、STN型液晶表示装置、VA型液晶表示装置、および、IPS型液晶表示装置)に用いられる光学異方性材料として使用でき、特に反射型液晶表示装置におけるλ/4板に好適に使用できる。中でも、R,G,Bのいずれの波長域においても位相差が波長の1/4であるような広帯域性のλ/4板である、λ/2板(波長550nmにおける位相差が実質的にπずれている光学異方性層)とλ/4板(波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2ずれている光学異方性層)との二層を貼り合わせた位相差板に好適に使用できる。この態様の位相差板においては、本発明の光学異方性層は、λ/4板及びλ/2板のいずれであってもよい。
本発明の光学異方性層を含む位相差板は、直線偏光膜と組み合わせた円偏光板として用いてもよく、円偏光板として液晶表示装置に組み込むことができる。直線偏光膜の位置等については、特に制限されないが、上記λ/4板とλ/2板とを積層した位相差板に貼り合わせる場合は、直線偏光膜の位置を、λ/4板よりもλ/2板に近くなる位置とし、λ/2板の遅相軸と直線偏光膜の透過軸とが実質的に15°または75°で交差させて貼り合わせるのが好ましい。好ましい円偏光板の実施形態の二種を図1に示した。図1Aの円偏光板06は、支持体02と、λ/2板として機能する本発明の光学異方性層03(第1の光学異方性層)と、λ/4板として機能する第2の光学異方性層04とからなる位相差板05、及びこの位相差板05の支持体02の裏面に貼り合わされた直線偏光膜01を有する。図1Bの円偏光板06’は、透明支持体02と、λ/4板として機能する本発明の光学異方性04(第1の光学異方性層)と、λ/2板として機能する第2の光学異方性層03とを有する位相差板05’、及びこの位相差板05’の第2の光学異方性層03の表面に貼り合わされた直線偏光膜01を有する。図1Aおよび1Bに示す円偏光板においては、λ/2板とλ/4板との遅相軸は、実質的に60°で交差するのが好ましい。
本発明の光学異方性層は、表面がべとつかず、布などでこすった場合にも層中の成分が布に転写されることもない。従って、直接ラビング処理を施すことができる。例えば、図1Aの円偏光板06を作製する場合、まず、透明支持体02上に、λ/2板として機能する本発明の光学異方性層03を形成した後、引き続きその表面に直接ラビング処理を施すことができる。さらに、ラビング処理面に、液晶性化合物を含有する組成物を塗布して、λ/4板として機能する光学異方性層04を形成し、最後に、直線偏光膜01を貼合することで、円偏光板06を作製することができる。図1Bの円偏光板06’も同様に、光学異方性層04の表面に配向膜を形成せずに、直接ラビング処理を施して、光学異方性層03を形成することができる。従来、図1に示した構成の円偏光板を作製するためには、λ/2板とλ/4板を粘着剤層を介して貼り合わせたり、λ/2板及びλ/4板のうちより下に位置する層を作製した後、その表面に配向膜層を形成してから、より上に位置するλ/4板を形成する必要があった。本発明の光学異方性層を用いれば、配向膜を別途形成する工程や、粘着剤層を介して貼り合わせる工程を経ることなく、位相差板および円偏光板の製造工程を簡略化できる。
基板や配向膜の表面に酸化的表面処理を施すことにより表面エネルギーを高めると、その上に塗布する液晶層等の濡れ性が改善されることは、特開平6−250183号公報および特開平9−90365号公報に記載されているが、液晶性化合物とポリマーとを含む液晶組成物から形成された光学異方性層に酸化的表面処理を施すことにより、その上に積層する光学異方性層の配向を制御できることは予想外のことであった。
以下、本発明の光学異方性層の作製に用いられる、液晶性化合物(以下液晶性分子とも称する)とポリマーについて、それぞれ詳細を記載する。
1.液晶性化合物
液晶性分子としては、棒状液晶性分子またはディスコティック液晶性分子が好ましく、棒状液晶性分子がより好ましい。液晶性分子は、実質的に均一に配向していることが好ましく、実質的に均一に配向している状態で固定されていることがさらに好ましく、重合反応により液晶性分子が固定されていることが最も好ましい。
(1)棒状液晶性分子
棒状液晶性分子としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。
棒状液晶性分子を重合によって配向を固定することがより好ましく、重合性棒状液晶性分子としては、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号、同5622648号、同5770107号、WO95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号、同98/52905号、特開平1−272551号、同6−16616号、同7−110469号、同11−80081号、および特願2001−64627号などに記載の化合物を用いることができる。より好ましくは、下記一般式(II)で表される化合物である。
一般式(II)
1−L1−Cy1−L2−(Cy2−L3n−Cy3−L4−Q2
式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基であり、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、Cy1、Cy2およびCy3は二価の環状基であり、nは0、1または2である。
式(II)において、Q1およびQ2で表される重合性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に好ましい重合性基の例を示す。
Figure 2005084277
式(II)において、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基である。L1およびL4はそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR21−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R21は炭素原子数が1〜7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。以下に、−O−、−S−、−CO−、−NR21−、二価の鎖状基および二価の環状基の組み合わせからなる二価の連結基の例を示す。ここで、左側がQ1またはQ2に、右側がCy1またはCy3に結合する。
L−1:−CO−O−二価の鎖状基−O−
L−2:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−
L−3:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−4:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−
L−5:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−CO−O−
L−6:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−O−CO−
L−7:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−8:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−9:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−10:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−
L−11:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−CO−O−
L−12:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−O−CO−
L−13:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−14:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−15:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−16:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−
L−17:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−18:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−19:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−20:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−21:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
式(II)において、二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基を意味する。アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基およびアルケニレン基がさらに好ましい。
アルキレン基は、分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は1〜12であることが好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることがもっとも好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルケニレン基は、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素数は2〜12であることが好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることがもっとも好ましい。
置換アルケニレン基のアルケニレン部分は、上記アルケニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルキニレン基は、分岐を有していてもよい。アルキニレン基の炭素数は2〜12であることが好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることがもっとも好ましい。
置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
二価の鎖状基の具体例としては、エチレン、トリメチレン、1,2−プロピレン、テトラメチレン、2−メチル−テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、2−ブテニレン、2−ブチニレンなどが挙げられる。
式(II)において、二価の環状基の定義および例は、後述するCy1、Cy2およびCy3の定義および例と同様である。
式(II)において、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基である。L2およびL3はそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR22−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基または単結合であることが好ましい。R22は上記R21と同義である。二価の鎖状基および二価の環状基については、L1およびL4で説明したものと同義である。
式(II)において、nは0、1または2である。nが2の場合、二つのL3は同じであっても異なっていてもよく、二つのCy2も同じであっても異なっていてもよい。nは1または2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。
式(II)において、Cy1、Cy2およびCy3はそれぞれ独立に、二価の環状基である。環状基に含まれる環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。
Cy1、Cy2およびCy3で表される環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。
ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイルおよびナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。
これらの環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1〜5のアルキル基、炭素原子数が1〜5のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1〜5のアルコキシ基、炭素原子数が1〜5のアルキルチオ基、炭素原子数が2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数が2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2〜6のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2〜6のアシルアミノ基が含まれる。
以下に、式(II)で表される重合性棒状液晶化合物の例を示す。本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005084277
Figure 2005084277
Figure 2005084277
Figure 2005084277
(2)ディスコティック液晶性分子
ディスコティック液晶性分子は、様々な文献(C. Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されている。ディスコティック液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。ディスコティック液晶性分子を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有するディスコティック液晶性分子は、下記式(III)で表わされる化合物であることが好ましい。
一般式(III)
D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、そして、nは4〜12の整数である。式(III)の円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LP(またはPL)は、二価の連結基(L)と重合性基(P)との組み合わせを意味する。
Figure 2005084277
Figure 2005084277
Figure 2005084277
Figure 2005084277
Figure 2005084277
Figure 2005084277
Figure 2005084277
Figure 2005084277
式(III)において、二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることがさらに好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。アリーレン基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよい。
二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(P)に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基を意味し、ARはアリーレン基を意味する。
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L21:−S−AL−
L22:−S−AL−O−
L23:−S−AL−O−CO−
L24:−S−AL−S−AL−
L25:−S−AR−AL−
式(III)の重合性基(P)は、重合反応の種類に応じて決定する。重合性基(P)の例を以下に示す。
Figure 2005084277
Figure 2005084277
Figure 2005084277
Figure 2005084277
Figure 2005084277
Figure 2005084277
重合性基(P)は、不飽和重合性基(P1、P2、P3、P7、P8、P15、P16、P17)またはエポキシ基(P6、P18)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(P1、P7、P8、P15、P16、P17)であることが最も好ましい。式(III)において、nは4〜12の整数である。具体的な数字は、ディスコティックコア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のLとPの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。二種類以上のディスコティック液晶性分子(例えば、二価の連結基に不斉炭素原子を有する分子と有していない分子)を併用してもよい。
2.液晶組成物中に含まれるポリマー
本発明の光学異方性層の形成に用いられるポリマーは、液晶組成物を支持体上に塗布して光学異方性層とする際に、表面を平滑化するレベリング機能と、光学異方性層の空気界面側に移行してポリマーを多く含む表面濃縮層を形成する機能を有する。本発明では、液晶性化合物とポリマーとを含む組成物から光学異方性層を形成することによって、表面べたつきを抑え、配向膜を形成することなく、直接その表面にラビング処理を施すことを可能にするとともに、酸化的表面処理を施すことによって、表面エネルギーを向上させて、上層を形成する際の塗布工程においてハジキ等の塗布不良が発生するのを軽減している。その結果、光学異方性層の積層体を簡易な方法で安定的に作製することができ、位相差板や円偏光板の生産性の向上に寄与する。前記ポリマーが、極性基を有している(但し、酸化的表面処理後に有していればよく、酸化的表面処理の際に生成するのが好ましい)と、さらに表面べたつきを抑えることができ、さらにハジキ等を発生させることなく安定的な塗布が可能になるので、より生産性が向上する。併用する液晶性化合物又は塗布溶剤などに対して、溶解耐性の良好なポリマーを選択することにより、液晶性化合物との相互作用を高めることができ、著しく配向膜機能を向上させることができる。
上記観点から、本発明の光学異方性層の作製に用いられるポリマーは、レベリング機能発現および表面濃縮層を形成するために、用いる液晶性化合物に比べて疎水性が高いことが好ましい。また、ポリマー自身が液晶性を有する場合、液晶性化合物との親和性が高くなり、混合し易くなる。この場合、ポリマーの疎水性を大きく高めることで表面濃縮層を形成させることは可能であるが、ポリマー自身は液晶性を有さないことが好ましい。
本発明に用いられるポリマーおよび液晶性化合物の親疎水性は、その化合物構造から種々の方法を用いて予測が可能でlogP値、I/O値、SP値などを用いることができる。この中で本発明者らの検討によりHoyらの方法により算出されるSP値(VAN KREVELEN, D.W.著、「PROPERTIES OF POLYMERS(ED.3)」ELSEVIER出版(1990)参照)の非分散力成分(本発明においてδa値と称する)を求めることで、本発明の極性変換ポリマーのレベリング機能発現能および表面濃縮層形成能を見積もることができることを見出した。δa値はHoyらの方法により算出される3次元SP値(δd、δp、δh)を用いて式(1)により算出した。なお、複数の繰り返し単位からなるコポリマーの場合、各繰り返し単位ごとの3次元SP値の2乗値(δd2、δp2、δh2)に、各繰り返し単位ごとの体積分率を乗じて和を求めることでコポリマーの3次元SP値の2乗値(δd2、δp2、δh2)を算出し、これを式(1)に代入することでコポリマーのδa値を求めた。
δa = (δp2 + δh20.5 式(1)
本発明に用いられるポリマーのδa値は、例えば、疎水的な原子団であるフッ素原子や、トリフルオロメチルのような置換基を有すると値としては小さくなり、逆に、水溶性の置換基、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミド基等を側鎖に有する場合には、大きな値をとる。本願においては、δaの値は、レベリング機能発現および表面濃縮層を形成するために、共に用いる液晶性化合物のδa値に対して小さいことが好ましい。さらにはその差がある程度大きい方が好ましく、液晶性化合物のδa値から前記ポリマーのδa値を差し引いた値が正に大きいことが好ましい。液晶性化合物のδa値から本発明のポリマーのδa値を差し引いた値の好ましい範囲は、用いる液晶性化合物および本発明のポリマーの種類や分子量、必要により加熱される配向処理時の温度および時間によっても異なるが、0.5〜20MPa0.5が好ましく、2.0〜20MPa0.5がより好ましく、5.0〜20MPa0.5が最も好ましい。
本発明に用いられるポリマーは、酸化的表面処理により、その分子内に極性基を生成し得るものが好ましい。ここで言う極性基の好ましい例としては、カルボキシル基(カルボン酸)、スルホ基(スルホン酸)、ホスホン酸などの酸性基、水酸基、メルカプト基、アミノ基などの塩基性基を挙げることができ、この中でも特にカルボキシル基、水酸基が好ましい。但し、前記ポリマーのδa値を調節する上で、予めこれらの極性基を含む繰り返し単位(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート等)を含んでいてもよく、その含有率は、0.1〜20モル%が好ましく、より好ましくは1〜10モル%である。
前記ポリマーの好ましい主鎖の骨格としては、炭素−炭素結合を主鎖とするポリマー、主鎖にヘテロ原子(酸素、窒素、硫黄、リンなど)を含むポリマー、主鎖に珪素を含むポリマー(ポリシロキサン等)等が好ましく、これら主鎖骨格に置換する好ましい側鎖としては、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、ハロゲン(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、カルボキシル基、エステル基、アミド基、水酸基、エーテル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、置換もしくは無置換のアリール基、および、ヘテロ環基等が挙げられる。
また、前記ポリマーのより好ましい態様は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を含む。
Figure 2005084277
一般式(I)中、R1は水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基(例えば、メチル基等)を表し、好ましくは水素原子又はメチル基を表す。式中、R2は、カルボキシル基、エステル基(−CO23)、アミド基(−CONHR4)、水酸基、エーテル基(−OR5)、アシルオキシ基(−OCOR6)、カルバモイルオキシ(−OCONHR7)基、置換もしくは無置換のアリール基又はヘテロ環基を表す。R2に含まれる置換基R3〜R7はそれぞれ独立に、炭素数1〜20の置換もしくは無置換アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、2−ヒドロキシエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、C613CH2CH2−、トリメチルシリルメチル基、シクロヘキシル基等)、炭素数6〜20の置換もしくは無置換アリール基(例えば、フェニル基等)、及びヘテロ環基(例えば、ピリジル基、イミダゾリル基など)を表す。また、前記一般式(I)で表される2種以上の繰り返し単位が互いに連結した繰り返し単位を含んでいてもよい。
以下に、本発明に用いられるポリマーの繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005084277
Figure 2005084277
前記ポリマーは、更に架橋性基を有することが好ましい。架橋性基を有するポリマーを用い、光学異方性層が形成される過程で、前記架橋性基を架橋させることにより、表面べたつきを抑える、液晶性化合物や用いる塗布溶剤などに対して溶解耐性を付与する等の効果がより高められる場合が多いので、好ましい。前記ポリマーが有する架橋性基は、付加、縮合及び置換反応性基などいずれであってもよく、架橋性基であれば特に制限なく用いることができる。一方、上記した様に、ポリマーとともに用いられる液晶性化合物として、アクリロイル基、メタクリロイル基などエチレン性不飽和基を有するものを用い、光ラジカル重合開始剤を用いて紫外線照射により、液晶性分子の配向を固定化することが好ましい。従って、液晶性化合物の固定化とともに、前記ポリマーの架橋を進行させることができるので、前記ポリマーは、紫外線照射により架橋し得る架橋性基を有することが好ましい。紫外線照射により架橋し得る反応の好ましい例として、紫外線照射によりカチオンを発生する化合物を併用したエポキシ環、オキセタン環などのヘテロ環状化合物の開環重合反応、及び紫外線照射によりラジカルを発生する化合物を併用したエチレン性不飽和基を有する化合物のラジカル重合反応が挙げられる。これらのうちポリマー中に含まれる最も好ましい架橋性基は、エチレン性不飽和基(例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基等)である。また、前記ポリマー中への架橋性基の導入方法については、特に制限はない。
以下に架橋性基を含む繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005084277
Figure 2005084277
Figure 2005084277
Figure 2005084277
Figure 2005084277
前記ポリマーは、付加、縮合及び置換反応などのいずれか又はこれを組み合わせて合成することができる。特に制限はないが、一般式(I)で表される繰り返し単位に相当するエチレン性不飽和化合物のラジカル重合反応を利用して合成するのが簡便で好ましい。一方、本発明に用いられるポリマーに架橋性基が置換した繰り返し単位を有する場合、(a)対応するモノマーを重合させて直接エチレン性不飽和基を導入する手法で合成するよりも、(b)任意の官能基を有するモノマーを重合して得られるポリマーに高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する手法で合成することが好ましい。利用可能な高分子反応としては、I)例えば2−クロロエチル基から塩酸を脱離させるような、エチレン性不飽和基をプレカーサー化した官能基を含むポリマーを生成させた後に、官能基変換(脱離反応、酸化反応、還元反応、脱保護反応など)によりエチレン性不飽和基に誘導する方法;及びII)任意の官能基を含むポリマーを生成させた後に、該ポリマー中の官能基と結合生成反応が進行し、共有結合を生成し得る官能基とエチレン性不飽和基の両方を有する化合物(以降、「反応性モノマー」と称する)を反応させる方法;が挙げられる。またこれらI)及びII)の方法は組み合わせて行ってもよい。ここで言う「結合形成反応」とは、一般に有機合成分野で用いられる結合生成反応の中で、共有結合を形成する反応であれば特に制限なく使用できる。一方で、ポリマーに含まれるエチレン性不飽和基が反応中に熱重合し、ゲル化してしまう場合があるので、できるだけ低温(好ましくは60℃以下、特に好ましくは室温以下)で反応が進行するものが好ましい。また反応の進行を促進させる目的で触媒を用いてもよく、ゲル化を抑制する目的で重合禁止剤を用いてもよい。
前記ポリマー中に架橋性基が置換した繰り返し単位が含まれる場合の好ましい割合は、1質量%以上80質量%以下、より好ましくは3質量%以上60質量%以下、特に好ましくは5質量%以上40質量%以下である。
本発明に用いられるポリマーの好ましい分子量範囲は重量平均分子量で1000以上100万以下、さらに好ましくは3000以上20万以下である。最も好ましくは5000以上10万以下である。
以下に本発明に用いられるポリマーの好ましい例を表1に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(I)で表される繰り返し単位、および、架橋性置換基を含む繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合組成比を質量%で付記した。
Figure 2005084277
本発明に用いられるポリマーの合成は、既知の方法(例えば、実験化学講座、28巻、高分子合成、日本化学会編、丸善)を適用して容易に得ることができる。以下に本発明に用いられるポリマーの具体的合成例を記すが、これに限定されるものではない。
(P−1)の合成例
1000mLの三口フラスコに2−ブタノン(250ml)を入れ、窒素を35ml/分の流量で流しながら60℃に加熱したところへ、開始剤(AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、0.45g)の2−ブタノン(10ml)溶液を添加した。その直後に、ブチルメタクリレート(23.0g、161.7mmol)とメタクリルオキシエチル−3−クロロプロピオネート(14.8g、67.3mmol)の混合液を2時間掛けて滴下した。滴下終了後、再度開始剤(AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、0.45g)の2−ブタノン(10ml)溶液を添加し、そのままの温度で4時間反応させた。その後、反応系を室温に戻した後、攪拌されたヘキサン/酢酸エチル(1/1:3L)中にゆっくりと注加し、析出したポリマーを吸引ろ過によって取り出し、更に乾燥した。得られたポリマーの残渣は33gであった。得られたポリマー残渣を2−ブタノン(250ml)に溶解した後、トリエチルアミン(10ml)を添加し、室温で1時間攪拌して、脱塩酸によるアクリレート基を生成させ、次いで水(250ml)を添加して分液操作を行うことによってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した。この2−ブタノン溶液を再度、攪拌されたヘキサン/酢酸エチル(1/1:3L)中にゆっくりと注加し、析出したポリマーを吸引ろ過によって取り出し、更に乾燥することによって、本発明に用いられるポリマ(P−1)を25g得た。得られたポリマーの1H−NMRスペクトルより、ポリマー(P−1)は繰り返し単位(K−3)と(A−1)とがモル比で71/29、質量比で65/35の組成で構成されていることが確認された。
本発明の光学異方性層を形成する際に用いられる組成物中に前記ポリマーの好ましい含量は、液晶性化合物の総質量に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。また、複数種のポリマーを同時に含んでいてもよい。
3.酸化的表面処理
本発明の光学異方性層は、酸化的表面処理を施されていることを特徴とする。本発明で用いることができる酸化的表面処理としては、コロナ処理、プラズマ処理(例えば、低温グロー放電処理)、火炎処理等であるが、コロナ放電処理及びプラズマ処理が好ましく、コロナ処理が最も好ましい。酸化的表面処理の方法としては、処理の種類によって異なるが、コロナ処理の場合には、常温、常圧、大気中で、毎分0.5〜20mの速度で、対象物(例えば、液晶性化合物とポリマーとを含有する組成物が表面に塗布されたポリマーフィルム)を搬送しながら高周波発生装置等からなるコロナ処理装置に通すことによって表面処理を施すのが好ましい。また、プラズマ処理の場合には、常温、低圧(10torr以下)、大気もしくは酸素雰囲気下でグロー放電によりプラズマを発生させ、0.5〜10分程度の間、表面処理を施すのが好ましい。酸化的表面処理の条件は、処理後、支持体や光学異方性層が損傷してしまう程の過剰な条件は避ける必要があるが、その種類や、処理を施される対象物の材料(例えば支持体の材料)の種類やその厚み、また光学異方性層の形成のために用いる液晶性化合物及びポリマーの種類、さらには処理時間等によって任意に設定できる。
本発明の光学異方性層は、表面エネルギーが、前記酸化的表面処理前の表面エネルギーより5mN/m以上増大しているのが好ましく、10mN/m以上増大しているのがより好ましく、15mN/m以上増大しているのがさらに好ましい。本発明の光学異方性層の表面エネルギーが高いほど、その表面により安定的に液晶性化合物を含有する塗布液を塗布することができ、前記酸化的表面処理後の表面エネルギーが、45mN/m以上である事が好ましく、50mN/m以上である事がより好ましく、55mN/m以上である事がさらに好ましい。一方、表面エネルギーが45mN/m未満であると、塗布液の溶媒や液晶性化合物の種類によっては、本発明の光学異方性層の表面に塗布した際に、ハジキ等の塗布不良が生じ、本発明の光学異方性層に接する上層の光学異方性層を安定的に作製できない場合がある。従って、表面エネルギーがより増大する様に酸化的表面処理の条件、用いるポリマーの種類を選択するのが好ましい。表面エネルギーの上限値については特に制限はないが、光学異方性層や支持体に損傷を与えない程度の酸化的表面処理であるためには、一般的には、表面エネルギーは70mN/m程度以下になる。
4.位相差板
(1)構成と作製方法
本発明の位相差板は、本発明の光学異方性層を有する。本発明の光学異方性層は、棒状液晶性分子やディスコティック液晶性分子などの液晶性化合物及びポリマーを含有し、所望により重合性開始剤や他の添加剤を含む塗布液を、支持体(好ましくは配向膜を設けた)表面上に塗布し、液晶性化合物を配向、固定化、及び酸化的表面処理することで作製することができる。図2に、透明支持体上に形成された本発明の光学異方性層の一例の断面図を模式的に示す。図2は、本発明の単層型位相差板の一例の概略断面図でもある。図2においては、本発明の光学異方性層15は、配向膜12(ポリビニルアルコール等)が設けられた支持体11(トリアセチルセルロース等)上に形成されている。本発明の光学異方性層15は、層中において液晶性化合物が配向した状態で固定化されている層13と、その表面に相分離されたポリマーが濃縮された層14から構成される。塗布液中においては、液晶性化合物とポリマーとは混合されているが、支持体上に塗布された後、乾燥されて層を形成する過程において、双方の親疎水性の違いによってポリマーは液晶性化合物から相分離され、空気界面に移動し、ポリマー濃縮層14を形成する。一方、液晶性化合物は配向膜12の表面に施されたラビング処理等によって配向され、紫外線等の照射によって重合し、その配向に固定され、層13となる。ポリマーが架橋性基を有する場合は、紫外線照射によりポリマーが架橋されると、ポリマー濃縮層14中のポリマーが、層13中に再溶解等することにより相分離構造が乱れることがないので好ましい。但し、図2は本発明の光学異方性層の一例を模式的に示したものに過ぎず、層13と層14の界面が不明確な態様や、層13中にポリマーが溶解している態様、および層14中に液晶性化合物が溶解している態様は、本発明から排除されるものではない。
図3に、図2の本発明の光学異方性層上に、更に光学異方性層を形成した態様の一例の断面模式図を示す。また、図3は本発明の積層型位相差板の一例の断面模式図でもある。図3では、図2の光学異方性層15の表面上に光学異方性層16が形成されている。ポリマー濃縮層14の表面酸化的表面処理を施すことによって、ポリマー濃縮層14の表面の表面エネルギーが増大させ、液晶性化合物を含有する塗布液を塗布する際に、ハジキなどの塗布欠陥が生じるのを軽減でき、安定的に光学異方性層16を形成することができる。更にポリマー濃縮層14の表面にラビング処理を施すことによって、光学異方性層16を形成する際の配向膜として機能させることができる。なお、上記では酸化的表面処理をラビング処理前に施しているが、酸化的表面処理はラビング処理を施す後であっても良い。
図3は、本発明の積層型位相差板の一態様の断面模式図でもある。光学異方性層15および16の一方をλ/4板と他方をλ/2板とすることで、上述の広帯域λ/4板を構成することができる。この態様では、光学異方性層16の遅相軸が、光学異方性層15の遅相軸に対して実質的に60°で交差しているのが好ましい。光学異方性層16の遅相軸は、ポリマー凝縮層14の表面に施すラビング処理の方向で調製することができる。
以下に、本発明の作製方法の詳細について説明する。
(a)液晶組成物の塗布
塗布液の調製には、溶媒を用いてもよく、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。この中でアルキルハライド、エステルおよびケトンが好ましい。また、二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。塗布方法としてはカーテンコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、印刷コーティング、スプレーコーティング、スロットコーティング、ロールコーティング、スライドコーテティング、ブレードコーティング、グラビアコーティング、ワイヤーバー法等の公知の塗布方法が挙げられる。
(b)液晶の固定化
配向させた液晶性分子は、配向状態を維持して固定することが好ましい。固定化は、液晶性分子に導入した重合性基(P、Q1又はQ2)の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、光重合反応が好ましい。光の作用によりラジカルを発生させる重合開始剤の例としては、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)、アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物等が好ましい。アセトフェノン系化合物としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシメチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン等が挙げられる。ベンジル系化合物としては、例えば、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。ベンゾインエーテル系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーズケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等が挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。このような芳香族ケトン類からなる感光性ラジカル重合開始剤の中でも、アセトフェノン系化合物及びベンジル系化合物が、硬化特性、保存安定性、臭気等の面で特に好ましい。これらの芳香族ケトン類からなる感光性ラジカル重合開始剤は、1種あるいは2種以上のものを所望の性能に応じて配合して使用することができる。また、感度を高める目的で重合開始剤に加えて、増感剤を用いてもよい。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、およびチオキサントン等が含まれる。
光重合開始剤は複数種を組み合わせてもよく、使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。光学異方性層の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがさらに好ましい。
(c)支持体
本発明の位相差板は支持体を剥離など除去せずに用いる場合、透明で光学異方性が小さく、波長分散が小さいポリマーフィルムを支持体として用いることが好ましい。ここで支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。波長分散が小さいとは、具体的には、Re400/Re700の比が1.2未満であることが好ましい。光学異方性が小さいとは、具体的には、面内レターデーション(Re)が20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。透明支持体は、ロール状または長方形のシート状の形状を有することが好ましく、ロール状の透明支持体を用いて、光学異方性層を積層してから、必要な大きさに切断することが好ましい。ポリマーの例には、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートが含まれる。セルロースエステルが好ましく、アセチルセルロースがさらに好ましく、トリアセチルセルロースが最も好ましい。ポリマーフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。透明支持体の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。透明支持体とその上に設けられる層(接着層、配向膜あるいは光学異方性層)との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
(d)液晶の配向制御
(d)−1 配向膜
支持体上に液晶性化合物を配向させるためには配向膜を用いることが好ましい。配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログループを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例えば、ω−トリコ酸、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリル酸メチルなど)の累積のような手段で設けることが出来る。さらに電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により配向機能が生じる配向膜も知られている。ポリマーのラビング処理により形成する配向膜がとくに好ましい。ラビング処理はポリマー層の表面を紙や布で一定方向に数回こすることにより実施する。
棒状液晶性分子は、塗布平面に対して実質的に水平(0〜30度の範囲の平均傾斜角)に配向させることも、実質的に斜め(30〜70度の範囲の平均傾斜角)に配向させることも実質的に垂直(50〜90度の範囲の平均傾斜角)に配向させることも、同一層内で傾斜角が連続的に変化するハイブリッド配向(例えば水平〜垂直)させることも可能であり、配向膜に使用するポリマーの種類を選択することで、棒状液晶性分子の配向(特に配向膜界面の傾斜角)をコントロールすることができる。本発明では、それぞれに用いる配向膜を水平配向膜、斜め配向膜、垂直配向膜と表現する。また、水平配向膜のうちラビング方向と実質的に異なる方向(主として直交方向)に棒状液晶性分子を配向させることのできる配向膜を特に直交配向膜と表現する。
ディスコティック液晶性分子は、水平配向膜を用いることで塗布平面に対しディスコティックコア面がおおよそ平行になり実質的に水平(0〜30度の範囲の平均傾斜角)に配向させることが可能であり、斜め配向膜、垂直配向膜をもちいることで実質的に斜め(30〜70度の範囲の平均傾斜角)に配向させることも実質的に垂直(50〜90度の範囲の平均傾斜角)に配向させることが可能であり、同一層内で傾斜角が連続的に変化するハイブリッド配向(例えば水平〜垂直)させることも可能である。一方、直交配向膜を用いた場合、塗布平面に対しディスコティックコア面がおおよそ垂直にかつラビング方向に直交して配向させることができる。いずれの場合も所望の配向方向に合せて適宜、配向膜を選択することができる。
配向膜に用いる具体的なポリマーの種類については液晶セルまたは光学補償シートについて種々の文献に記載があり、所望の配向方法、使用形態に合せて適宜選択できる。本発明では、特に重合性基を有するポリビニルアルコール誘導体、ポリアクリル酸誘導体を用いることで、液晶化合物と透明支持体の密着性を改善することができ好ましい。このような重合性基を有するポリビニルアルコール誘導体、ポリアクリル酸誘導体からなる水平配向膜、斜め配向膜、垂直配向膜、直交配向膜としては特開平9−152509号、特開2002−62427号、特開2002−90545号、特開2002−98836号等に記載されている化合物を用いることができる。
配向膜の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜1μmであることがさらに好ましい。なお、配向膜を用いて液晶性化合物を配向させてから、その配向状態のまま液晶性化合物を固定して光学異方性層を形成し、光学異方性層のみをポリマーフィルム(または透明支持体)上に転写してもよい。配向状態の固定された液晶性化合物は、配向膜がなくても配向状態を維持することができる。そのため、本発明の位相差板では、配向膜は(位相差板の製造において必須ではあるが)必須ではない。
(d)−2 配向制御剤
液晶性化合物の配向が配向膜側はほぼ水平であっても空気界面側で傾斜角を持って配向するため、光学的にムラが生じてしまう場合が多い。本発明のポリマーは、該光学的ムラを抑える効果も有するが、更にある種の添加剤を添加することで該光学的ムラをより解消することができ、このような添加剤を以後配向制御剤と称す。配向制御剤として好ましくは、トリヒドロキシベンゼン骨格およびトリアジン骨格に、フッ素アルキル基や長鎖アルキル基、アリール基が置換した低分子配向制御剤、および、ポリプロピレンオキシド、ポリメラミン等の高分子配向制御剤とが好ましく用いることができる。低分子配向制御剤の具体例としては、以下のD−1等が挙げられる。
Figure 2005084277
配向制御剤の添加量は、該制御剤の添加する液晶組成物中の液晶性化合物に対し0.05〜10質量%添加することが好ましい。より好ましくは0.1〜5質量%である。
(2)位相差板の具体例
本発明の位相差板は、液晶性化合物の配向が固定された層を複数層有することもできる。このような位相差板の例としては、特開2001−4837号公報、同2001−21720号公報、同2000−206331号公報に広帯域λ/4板の技術が開示されている。以下に広帯域λ/4板における発明の実施の形態を記載するが、本発明はλ/4板に限定されるものではない。
(a)広帯域λ/4板
広域帯λ/4とは、具体的には、波長450nm、550nmおよび650nmで測定したレターデーション値/波長の値が、いずれも0.2〜0.3の範囲内であることを意味する。レターデーション値/波長の値は、0.21〜0.29の範囲内であることが好ましく、0.22〜0.28の範囲内であることがより好ましい。
偏光膜、位相差πの偏光子および位相差π/2の偏光子を用いると、広い波長領域で円偏光を近似的に達成することができる。特開平10−68816号公報には、円偏光の達成について、ポアンカレ球による説明が記載されている。それぞれの偏光子(光学異方性層または複屈折率フィルム)は、特定の波長において、実質的にπまたはπ/2の位相差を達成していればよい。ただし、可視領域のほぼ中間の波長である550nmにおいて、位相差πまたはπ/2を達成していることが好ましい。特定波長(λ)において位相差πを達成するためには、特定波長(λ)において測定した偏光子のレターデーション値をλ/2に調整すればよい。特定波長(λ)において位相差π/2を達成するためには、特定波長(λ)において測定した偏光子のレターデーション値をλ/4に調整すればよい。
特定波長(λ)を550nmとすると、位相差πの偏光子として用いる光学異方性層を波長550nmで測定したレターデーション値は、200〜290nmであることが好ましく、210〜280nmであることがより好ましい。特定波長(λ)を550nmとすると、位相差π/2の偏光子として用いる光学異方性層を波長550nmで測定したレターデーション値は、100〜145nmであることが好ましく、110〜140nmであることがより好ましい。
レターデーション値は、光学異方性層の法線方向から入射した光に対する面内のレターデーション値を意味する。具体的には、下記式により定義される値である。
レターデーション値(Re)=(nx−ny)×d
式中、nxおよびnyは光学異方性層の面内の主屈折率であり、そしてdは光学異方性層の厚み(nm)である。
広帯域λ/4板を作製する場合は位相差がπである層と位相差がπ/2である層の交差角度が重要であり、60°±10であることが好ましく、60°±5であることがより好ましい。また、広帯域λ/4と偏光板または偏光膜から円偏光板を作製する際は、偏光板(または偏光膜)、位相差がπである層、位相差がπ/2である層の順に積層することが好ましく、該偏光板(または偏光膜)の偏光透過軸と位相差がπである層の遅相軸が15°±5であることが好ましく、15°±3であることがより好ましい。一般に入手可能な長尺状の偏光板は長尺の長手方向に偏光の吸収軸があり、それに直交する方向に偏光透過軸がある。したがって円偏光板を偏光板と広帯域λ/4板から作成する場合には位相がπである層を支持体の長手方向に対し実質的に75°にすることが好ましい。特開2002−86554号に偏光の吸収軸が長手方向に対し実質的に45°である偏光板の技術が開示されている。かかる偏光板の場合には、位相がπである層の遅相軸を偏光の吸収軸に対し15°または75°にすることが好ましい。
(b)広帯域λ/4板の作製方法
本発明において上記広帯域λ/4板を作製する場合、下記の(1)〜(6)の手順で作製することが好ましい。
(1) 透明支持体上に配向膜層を設ける。
(2) 配向膜層をラビングする。
(3) ラビングした配向膜層上に液晶化合物とポリマーを含有する組成物を塗布する。
(4) 必要により加熱処理を行い、液晶性化合物の配向、紫外線照射により固定化し層とした後、酸化的表面処理をして第1光学異方性層(位相はπかπ/2のいずれか)を形成する。
(5) 第1光学異方性層の遅相軸と60°交差して第1の光学異方性層上をラビングする。
(6) 第2光学異方性層を形成する。
なお、本発明の位相差板が液晶性化合物の配向が固定された層を複数層有する場合、少なくとも1層に用いる液晶組成物中に本発明のポリマーが添加してあることが必須であるが、全ての層に添加されていてもよい。本発明のポリマーを用いた層上においては、配向膜を用いずにもう1層の液晶性化合物の配向が固定された層を形成させることが可能となる。また、最上層に本発明のポリマーを用いた場合、固定化後の表面がべとつかず、表面を布などで擦っても転写せず、有利となる場合もあるが、位相差板作製においては必ずしも必須ではない。
5.円偏光板
本発明の位相差板は、反射型液晶表示装置において使用されるλ/4板、光ディスクの書き込み用のピックアップに使用されるλ/4板、あるいは反射防止膜として利用されるλ/4板として、特に有利に用いることができる。λ/4板は、一般に偏光膜と組み合わせた円偏光板として使用される。よって、位相差板と偏光膜とを組み合わせた円偏光板として構成しておくと、容易に反射型液晶表示装置のような用途とする装置に組み込むことができる。偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。偏光膜の透過軸は、フィルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。偏光膜は、一般に両側に保護膜を有する。ただし、本発明の位相差板を用いる場合、光学異方性層自身や透明支持体を偏光膜の片側の保護膜として機能させることができる。透明支持体とは別に保護膜を用いる場合は、保護膜として光学的等方性が高いセルロースエステルフィルム、特にトリアセチルセルロースフィルムを用いることが好ましい。
[実施例1]
(1)単層位相差板の作製
厚さ100μm、幅150mm、長さ200mの光学的に等方性のトリアセチルセルロースフィルムを透明支持体として用いた。配向膜(下記構造式のポリマー)の希釈液を透明支持体の片面に連続塗布し、厚さ0.5μmの膜を形成した。次いで、透明支持体の長手方向に対し左手30°の方向に連続的にラビング処理を実施し、配向膜を作製した。
Figure 2005084277
配向膜のラビング処理面上に、下記の組成の塗布液をバーコーターを用いて連続的に塗布、乾燥及び加熱(配向熟成)し、さらに紫外線照射して光学異方性層(A)を形成し、単層位相差板101を作製した。光学異方性層は透明支持体の長手方向に対して左手30°の方向に遅相軸を有していた。なお、光学異方性層(A)の膜厚は550nmにおけるレターデーション値(Re550)が265nmとなるように調整し、約2.4μmであった。
───────────────────────────────
光学異方性層(A)塗布液組成
───────────────────────────────
下記の棒状液晶性化合物 I−1) 14.5質量比
下記の増感剤 0.15質量比
下記の光重合開始剤 0.25質量比
本発明のポリマー(P−1 :δa値=12.7MPa0.5
0.30質量比
メチルエチルケトン 84.8質量比
────────────────────────────────
Figure 2005084277
Figure 2005084277
Figure 2005084277
(2)酸化的表面処理
上記で作製した単層位相差板101を、25℃、1気圧の大気雰囲気下、3m/minの搬送速度でコロナ放電処理装置(ベータフォン(VETAPHONE)製)に通し、表面にコロナ処理を施し、本発明の光学異方性層を完成させた。
(3)積層位相差板(λ/4板)の作製
上記で作製した単層位相差板に光学異方性層(A)の遅相軸に対し右手60°であり、かつ長手方向に対し右手30°になるように連続的にラビング処理を施した。ラビング処理面上に、下記の組成の塗布液を、バーコーターを用いて連続的に塗布、乾燥、および加熱(配向熟成)し、さらに紫外線照射して、厚さ1.2μmの光学異方性層(B)を形成し、積層位相差板201を作製した。
────────────────────────────────
光学異方性層(B)塗布液組成
────────────────────────────────
実施例1の棒状液晶性化合物 13.0質量比
実施例1の増感剤 0.10質量比
実施例1の光重合開始剤 0.39質量比
メチルエチルケトン 86.5質量比
配向制御剤 D−1 0.01質量比
────────────────────────────────
Figure 2005084277
(4)45°偏光板の作製
特開2002−86554号公報の実施例2に記載された方法で偏光板を作製した。得られた偏光板の吸収軸方向は、長手方向に対し45゜傾斜していた。この偏光板の550nmにおける透過率は43.7%、偏光度は99.97%であった。さらに特開2002−86554号公報の図8の如く310×233mmサイズに裁断したところ、91.5%の面積効率で辺に対し45゜吸収軸が傾斜した偏光板を得ることができた。
(5)円偏光板の作製
次に、上記で作製した45°偏光板のヨウ素を浸漬したPVAフィルム部分をセルローストリアセテートフィルム(富士写真フイルム(株)製、製品番号TD80UL、レターデーション値3.0nm)と貼り合せる代わりに、片面に支持体(トリアセチルセルロース)側をケン化処理した防眩性反射防止フィルムを貼り合わせた。他方の面に、上記で作製した積層位相差板201の支持体側をケン化処理したものを、PVA((株)クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として貼り合わせ、さらに80℃で乾燥して円偏光板301を作製した。この時、偏光膜と位相差板の長手方向が一致するように貼り合わせて、円偏光板を作製した。
[実施例2〜4(本発明)]
実施例1の光学異方性層(A)に用いたポリマーを、表2記載の化合物に変更した以外は、実施例1と同じ方法で単層位相差板102〜104を作製し、同様の条件でコロナ処理を施した後、積層位相差板202〜204を作製した。また、積層位相差板202〜204を用いて、実施例1と同じ方法で円偏光板302〜304を作製した。
[実施例5(本発明)]
実施例1で作製した単層位相差板101を高周波(RF)プラズマ発生装置(SAMCO製、BP−1)中のプレート上に設置し、アルゴンガスを20ml/分の流量で流しながら0.5torrまで減圧し、次いでRFパワーを50Wまで上昇させることによりプラズマを発生させ、1分間プラズマ処理を施した。この単層位相差板を用い、実施例1と同様の方法で積層位相差板205、及び円偏光板305を作製した。
[比較例1及び2]
実施例1の光学異方性層(A)に用いたポリマーを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で積層位相差板206および円偏光板306を作製した。また、実施例1において、コロナ処理を行わない以外は全く同じ方法によって、積層位相差板207および円偏光板307を作製した。
Figure 2005084277
位相差板および円偏光板の評価は以下に示す方法で行い、結果を表3中に記載した。
(i)単層位相差板のコロナ処理前後の表面エネルギー
単層位相差板の表面エネルギーは、水とジヨードメタンの接触角から求めた。
(ii)積層位相差板の配向状態と配向欠陥の評価
円偏光板とする前の積層位相差板を偏光顕微鏡下で観察し、配向状態および配向欠陥の評価を行った。配向状態は、光学異方性層(B)がラビング方向に並んでいるか光学顕微鏡を用いて目視評価した。また、配向欠陥は、点欠陥の個数を評価した。なお、点欠陥の個数は1.0mm2範囲の平均値を記載した。
(iii)積層位相差板のハジキの評価
積層位相差板作成後、単層位相差板面に対する光学異方性層(B)のぬれが悪く、光学異方性層(B)が塗設されていない部分(ハジキ)が直径1mm以下の点状に観察される場合があった。この点状ハジキの25cm2あたりの個数を目視で評価した。
(iv)積層位相差板の密着性の評価
積層位相差板作成後、その表面を金具で引っ掻き、光学異方性層(A)から光学異方性層(B)の剥がれやすさを評価した。評価基準としては、A:全く剥がれない、B:少し剥がれる、C:剥がれやすい、の3段階で評価した。
(v)円偏光板の画像表示性能の評価
シャープ製ザウルスMI−E1の液晶セル以下を残して円偏光板部を含め上側を全てとりはずし、上記で作製した円偏光板を貼り付け、人物画像を表示した状態を目視で観察した。
Figure 2005084277
表3に示す結果より、下層の光学異方性層(A)を形成する際に、ポリマーを用い、コロナ処理又はプラズマ処理を施して作製した実施例1〜5の位相差板は、どれもハジキがなく、円偏光板の画像表示性能も全て良好であった。それに対し、光学異方性層(A)の形成用液晶組成物にポリマーを添加しなかった比較例1は、光学異方性層(A)の表面に配向膜となり得るポリマーがないため、コロナ処理とラビングを施しても、光学異方性層(B)の液晶を配向させることができず、結果として良好な画像表示性能を与える円偏光板は得られなかった。また、光学異方性層(A)の液晶組成物にポリマーを添加しても、酸化的表面処理を施さなかった比較例2では、光学異方性層(A)の表面に疎水的なポリマーが偏在したままの状態のために、極端にぬれ性が悪く、光学異方性層(B)のハジキがひどくなって良好な画像表示性能を与える円偏光板は得られなかった。なお、δa値が用いた棒状液晶よりも高いPVAを、P−1に代えて添加した以外は、実施例1と同様に位相差板および円偏光板を作製したが、PVAが光学異方性層(A)の表面に局在し難いため、実施例1〜5の様な顕著な改善はみられなかった。これらの結果から、本発明のごとく、光学異方性層(A)の液晶組成物に、液晶化合物よりもδa値が小さく疎水的なポリマーを添加し、かつ、塗布後の表面を酸化的表面処理することによって、ぬれ性が改良されて、上層の光学異方性層(B)の塗布液をはじくことなく安定に光学異方性層(B)を形成でき、結果として良好な画像表示性能を与える円偏光板を作製することができる。
本発明の円偏光板の実施形態の断面模式図である。 本発明の単層型位相差板の断面模式図である。 本発明の積層型位相差板の断面模式図である。
符号の説明
01 直線偏光膜
02 支持体
03 λ/2板
04 λ/4板
05,05’ 広帯域λ/4板
06,06’ 円偏光板
11 支持体
12 配向膜
13 配向、固定化された液晶層
14 ポリマー凝縮層
15 本発明の光学異方性層
16 光学異方性層

Claims (14)

  1. 液晶性化合物およびポリマーを含有する液晶組成物から形成され、酸化的表面処理された光学異方性層。
  2. 前記酸化的表面処理が、コロナ放電処理又はプラズマ処理である請求項1に記載の光学異方性層。
  3. 前記ポリマーのδa値が、前記液晶性化合物のδa値よりも小さい請求項1または2に記載の光学異方性層。
  4. 前記ポリマーが、少なくとも下記一般式(I)で表される繰り返し単位を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学異方性層。
    Figure 2005084277
    (R1は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、R2はカルボキシル基、エステル基、アミド基、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、カルバモイル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。)
  5. 前記ポリマーが、架橋性基を有する繰り返し単位を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学異方性層。
  6. 表面エネルギーが、前記酸化的表面処理前の表面エネルギーより5mN/m以上増大した請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学異方性層。
  7. 表面エネルギーが、前記酸化的表面処理により45mN/m以上に増大された請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学異方性層。
  8. 支持体上に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の第1の光学異方性層を有する位相差板。
  9. 前記第1の光学異方性層に隣接した第2の光学異方性層を有し、前記第1および第2の光学異方性層の間に、実質的に配向膜層を有さない請求項8に記載の位相差板。
  10. 前記第1の光学異方性層が第2の光学異方性層と比較して、前記透明支持体により近い位置にあり、前記第1の光学異方性層の遅相軸と前記第2の光学異方性層の遅相軸とのなす角度が実質的に60°であり、前記第1および第2の光学異方性層の一方の波長550nmにおける位相差が実質的にπであり、他方の波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2である請求項9に記載の位相差板。
  11. 請求項9または10に記載の位相差板と偏光膜とを有し、波長550nmにおける位相差がπである光学異方性層が、位相差がπ/2である光学異方性層と比較して、前記偏光膜により近い位置にあり、前記偏光膜の偏光の透過軸と位相差がπである光学異方性層の遅相軸とのなす角が実質的に15°または75°である円偏光板。
  12. 液晶性化合物及びポリマーを含有する組成物から形成された第1の光学異方性層の表面を酸化的処理する工程と、前記酸化的処理された表面に、液晶性化合物を含有する組成物を塗布して第2の光学異方性層を形成する工程とを含む第1および第2の光学異方性層を有する位相差板の作製方法。
  13. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の位相差板、請求項11に記載の円偏光板又は請求項12に記載の製造方法により製造された位相差板を含む画像表示装置。
  14. 透明支持体上に、重合性液晶性化合物の重合体およびポリマーを含有する光学異方性層を有し、該光学異方性層が酸化的表面処理されたことを特徴とする位相差板。

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