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JP2005054176A - シート状発泡体およびその製造方法 - Google Patents

シート状発泡体およびその製造方法 Download PDF

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JP2005054176A
JP2005054176A JP2004209107A JP2004209107A JP2005054176A JP 2005054176 A JP2005054176 A JP 2005054176A JP 2004209107 A JP2004209107 A JP 2004209107A JP 2004209107 A JP2004209107 A JP 2004209107A JP 2005054176 A JP2005054176 A JP 2005054176A
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sheet
foam
tert
acid
compound
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Tomoyuki Takada
知行 高田
Junya Kojima
淳也 小島
Fumio Jinno
文夫 神野
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Abstract

【課題】 本発明は微小気泡を有し、かつ薄物化や積層化などが簡単に行えるシート状発泡体、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤を含有し、さらに、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する化合物を含有する発泡性組成物をシート状に成形した後に活性エネルギー線を照射し、加熱して発泡させることを特徴とする、シート状発泡体の製造方法。また、その方法により製造されたシート状発泡体。シート状に成形する方法としては、シート状支持体に該発泡性組成物を塗布する方法がある。
【選択図】 なし

Description

本発明は、独立した複数の気泡および/または連続している複数の気泡を形成させたシート状発泡体およびその製造方法に関するものである。本発明のシート状発泡体は、断熱性、低誘電率性、光散乱性、光反射性、隠蔽性、白色性、不透明性、波長選択的反射および透過性、軽量性、浮揚性、遮音性、吸音性、緩衝性、クッション性、吸収性、吸着性、貯蔵性、透過性、濾過性などの特性を要求されるシート状発泡体として有用なものである。
本発明で言うシート状とは、厚さ1μm〜100μm程度の薄いシート(所謂フィルム)、厚さ0.1mm〜10mm程度のシートを包含する。
発泡体について
慣用の発泡体は、ウレタンフォームや発泡スチロール、発泡ポリエチレンのような有機物材料からなるものが多いが、その他に多孔質セラミックや多孔質ガラスなどの無機材料からなるものも報告されている。有機材料からなる発泡体には、高分子材料をベースとした発泡プラスチックが多く、高分子材料の発泡時点では液状であり、かつ適度な粘性を有するという特性を活用したものが多い(例えば、非特許文献1または非特許文献2参照。)。
種々の方法により製造した発泡体の特性として、それが独立気泡を有する場合、断熱機能、緩衝およびクッション機能、軽量および浮揚機能、吸振動機能などが挙げられる。これらの有用な特性は、冷蔵庫や建築材料、食品用トレイ、サーマル記録紙、包装材料、サーフボード、音響機器など、幅広い分野で利用されている。さらに発泡体が連続気泡を有する場合は、表面積が著しく増加するため、ガス材料又は液体材料に対して、吸着機能および貯蔵機能、担体機能および触媒機能、並びに透過機能およびろ過機能などが発現し、家庭用スポンジや医療用分離膜などに利用されている。
発泡法について
発泡体プラスチックの代表的な製造方法には、高分子材料中に発泡剤を混入する方法が大半を占めているが、延伸処理により発生する内部剥離を利用する方法(例えば特許文献1参照。)、高分子材料の架橋密度差から発生する相分離を利用する方法(例えば特許文献2参照。)なども用いられている。発泡剤を混入する方法に関しては、非常に多くの報告がなされており、大別すると化学的発泡剤と物理的発泡剤に分類される。
化学的発泡剤について
化学的発泡剤としては、アゾジカルボンアミドやアゾビスイソブチロニトリルなどに代表されるアゾ系化合物、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドなどに代表されるスルホニルヒドラジド系化合物などが知られており、これらは熱分解して一種類以上の気体、例えば窒素や二酸化炭素などを放出する有機化合物である。これらの化学的発泡剤は、分解温度以下の温度領域で軟化させた高分子に混練、又は溶解しその後に、分解温度以上の温度領域に加熱して発泡させることができ、広く実用化されている(例えば特許文献3、特許文献4、特許文献5または特許文献6参照。)。
このような化学的発泡剤は、化学的発泡剤の発泡の際には、必要に応じて発泡助剤、架橋剤、安定剤なども併用される。
また、高分子重合過程で気体を発生する有機化合物も化学的発泡剤に包含され、その代表的なものにポリウレタンフォームがあげられる。ポリウレタンは、ポリオール(アルコール性水酸基である−OH基を2個以上持つオリゴマー)とポリイソシアネート(分子中にイソシアネート基である−NCO基を2個以上持つもの)との重合物であり、重合反応過程でCO2ガスが発生して発泡体を形成する(例えば特許文献7参照。)。
物理的発泡剤について
物理的発泡剤としては、低沸点揮発性物質、例えばブタンやペンタンなどに代表される揮発性飽和炭化水素系物質、並びにフルオロエタンなどに代表される揮発性フッ化炭化水素系物質などが挙げられる。物理的発泡剤としては、常温では液体であるが、50〜100℃で揮発して気体になる低沸点揮発性物質が多く用いられており、これらをその沸点以下の温度において高分子材料中に含浸し、これを、物理的発泡剤の沸点以上に加熱することにより発泡体を形成することができる(例えば特許文献8または特許文献9参照。)。
また、熱可塑性高分子材料を外殻として、その中に低沸点揮発性物質を封止して製造されたカプセル状発泡剤も知られている(例えば特許文献10または特許文献11参照。)。
また、常温常圧で気体状態である不活性ガス、例えば二酸化炭素及び窒素などを、物理的発泡剤として利用することもできる。この場合、気体状態にある不活性ガスを、適度な圧力・温度に制御された溶融状態の高分子材料中に溶解させた後、この混合系を常温・常圧状態に開放させることによって、液相物質が急激に気相化し、膨張して発泡体が得られる(例えば特許文献12、特許文献13、または特許文献14参照。)。
発泡体の問題点
プラスチック発泡体の成形加工においては、慣用のプラスチックと同様に、バッチ式、押出式、射出式の成形プロセスが用いられ、塊状やペレット状、シート状などの、様々な形状および大きさを有する発泡性プラスチック材料が市販されている。近年、軽量化および小型化にしのぎを削っている携帯電話やパソコン機器に代表されるように、多種分野で次世代用材料の軽量化および小型化の要求が強くなっており、発泡体分野においても同様に薄物化への要求の波が押し寄せ、薄物発泡体および薄物化可能な発泡プロセスが求められている。しかしながら、従来の成形プロセスでは、薄物の発泡体を製造することが非常に困難であった。
気泡径よりも薄い発泡体をつくることは不可能であり、薄物化のためには気泡径を小さくする必要がある。気泡径の小さい発泡体としてマサチューセッツ工科大学のN.P.Suhらによって提案された、気泡径が0.1〜10μmであり、気泡密度が109〜1015個/cm3であることを特徴とするマイクロセルラープラスチックと呼ばれる材料がある(例えば特許文献15参照)。このマイクロセルラープラスチックは、物理発泡剤として二酸化炭素や窒素などの不活性ガスを、高圧下もしくは超臨界状態下においてプラスチック中に過飽和状態まで含浸飽和させた後、そのガス過飽和状態のプラスチックを減圧および加熱することによって得られる。この方法では、一般的に、不活性ガスの含浸量が多いほど、気泡直径を小さくかつ気泡密度を高くすることができる。
慣用の発泡体プラスチックにおける欠点の一つとして、力学的強度の低下が挙げられる。この現象は、気泡が材料自身の内部欠陥となってしまうことが主な原因であり、耐久性や耐クラック性が不十分になるという傾向がある。例えば、サーマル記録材料の分野では、記録材料の支持体に断熱機能を付与した発泡体シートを用いることによって、記録画像に要する熱エネルギーのロスを抑制でき、感度の向上に大きな効果があげている。しかし、発泡体シートは、その表面硬度が弱いため、記録材料表面に傷がつきやすく、また折れ割れを生じやすいという問題点がある。この問題に対して、気泡を微小化することにより発泡体の力学的強度の低下を抑止することができるといわれている。
このように気泡を微細化することによりこれまでにない薄物発泡体や発泡体特性を得られるといわれているが、微細化発泡に適しているプロセスは未だ確立されていない。上記Suhら提案の発泡法では、確かに不活性ガスの含浸量が多いほど、気泡直径を小さくすることができ、かつ気泡密度を高くすることができるが、そのためには含浸量が飽和に達するまでに長い時間を要するという問題点を抱えている。例えば、ポリエチレンテレフタレート中に二酸化炭素を含浸飽和させるには、数日間を要するという報告があり、製造効率の悪さが問題となっている。また気泡核生成のために減圧工程が入るため、プラスチックに高圧状態で含浸されたガスの一部分が、発泡前にプラスチック表面から放散する「ガス抜け」という現象が知られている。成形体の厚さが薄いとガス抜けの影響が大きくなり、成形体の厚さが50μm以下になると発泡不良が発生しやすくなる。不活性ガスの含浸を利用した発泡方法では、含浸しやすい材料はガス抜けもしやすいという基本原理上のジレンマを抱えており、微小気泡を有する薄物発泡体の製造はきわめて困難であり、このような発泡体の出現が求められている。
ところで、発泡体が吸湿性・吸水性の高い高分子材料で構成されている場合、湿度の高い環境下で放置しておくと、発泡体が水分を徐々に浸透吸着して軟化しやすくなるため、発泡体の寸法変化(伸縮または収縮)や発泡構造(多孔性構造)の消失などが起こりやすくなる。そのような発泡体は、発泡特性が不十分となるために使用環境条件が制約され、また用途展開が困難となる。したがって、発泡体の耐水耐湿保存性を向上させることは重要であり、そのような解決方法が多く報告されている。報告例としては、発泡体表面に疎水性微粒子を散布吸着させることで耐水性を向上させた方法(物理的な疎水化処理法)がある(例えば特許文献16参照。)。また、親水性多孔質体であるエアロゲルに疎水性官能基を有する化合物を反応させることで耐湿性を向上させた化学的な方法(化学的な疎水化処理法)もある(例えば特許文献17参照。)。
特開平11−238112号公報 特開平10−504582号公報 特開平5−212811号公報 特開平6−126851号公報 特開平6−145400号公報 特開平9−132661号公報 特開平7−258451号公報 特開平6−107842号公報 特開平6−254982号公報 特開平7−173320号公報 特開2000−024488号公報 特開平5−230259号公報 特開平7−196835号公報 特開平7−330940号公報 米国特許4473665号 特開2001−92467号公報 特開2000−264620号公報 特開平8−248561号公報 特開2000−330270号公報 「発泡体・多孔質体技術と用途展開」(東レリサーチセンター発行、1996年) 「樹脂の発泡成形技術」(技術情報協会発行、2001年) (K.Ichimura et al.,Chemistry Letters,551−552(1995)
本発明は微小気泡を有し、かつ薄物化や積層化などが簡単に行えるシート状発泡体、およびその製造方法を提供する。
上記課題を解決するため、本発明は以下の(1)〜(8)の構成を採用する。
(1) 活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤を含有し、さらに、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する化合物を含有する発泡性組成物に活性エネルギー線を照射して製造されたシート状発泡体。
(2) 活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤を含有し、さらに、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する化合物を含有する発泡性組成物をシート状に成形した後に活性エネルギー線を照射することを特徴とする、シート状発泡体の製造方法。
(3) 上記(2)に記載のシート状発泡体の製造方法において、活性エネルギー線を照射した後に加熱して発泡させることを特徴とする、シート状発泡体の製造方法。
(4) 上記(2)に記載のシート状発泡体の製造方法において、成形されたシートを必要に応じて加熱し、活性エネルギー線を照射して発泡させることを特徴とする、シート状発泡体の製造方法。
(5) シート状に成形する方法が、シート状支持体に該発泡性組成物を塗布することにより行なわれる、上記(2)〜(4)のいずれかに記載のシート状発泡体の製造方法。
(6) 発泡した後に支持体から剥離することを特徴とする上記(5)に記載のシート状発泡体の製造方法。
(7) シート状に成形する方法が押出成形法であることを特徴とする上記(2)〜(4)のいずれかに記載のシート状発泡体の製造方法。
(8) 液状の発泡性組成物を押出成形することを特徴とする上記(7)に記載のシート状発泡体の製造方法。
活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤を含み、さらに、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する化合物を含むことを特徴とした発泡性組成物から製造されたシート状発泡体は、これまで製造が困難といわれていた微細薄物発泡体となることが可能であり、発泡体の使用分野を大きく広げられることから、産業界への寄与が大きい。
本発明に使用する発泡性組成物は、少なくとも次の2つの構成要素を含む組成物である。その一つは、活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤、または塩基を発生する塩基発生剤であり、他の一つは、前記発生した酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性化合物を分解脱離する分解発泡性化合物である。
酸発生剤、塩基発生剤
本発明に使用する発泡性組成物に用いられる酸発生剤又は塩基発生剤には、化学増幅型フォトレジスト、及び光カチオン重合などに利用されている、光酸発生剤や光塩基発生剤と呼ばれているものを用いることができる。
本発明に好適な光酸発生剤としては、
(1)ジアゾニウム塩系化合物
(2)アンモニウム塩系化合物
(3)ヨードニウム塩系化合物
(4)スルホニウム塩系化合物
(5)オキソニウム塩系化合物
(6)ホスホニウム塩系化合物
などから選ばれた芳香族もしくは脂肪族オニウム化合物のPF6−、AsF6−、SbF6−、CF3SO3−塩を挙げることができる。その具体例を下記に列挙するが、これら例示したものに限定されるものではない。
ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(p−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、
ベンゾイルフェニルスルホニルジアゾメタン、
トリフルオロメタンスルホネート、
トリメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
p−トリルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウムヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウムトリフルオロメタンスルホネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
(2−オキソ−1−シクロヘキシル)(シクロヘキシル)メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
(2−オキソ−1−シクロヘキシル)(2−ノルボルニル)メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムパーフルオロメタンスルホネート、
ジフェニル−4−tert−ブチルフェニルスルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート、
ジフェニル−4−メトキシフェニルスルホニウムパーフルオロブタンスルホネート、
ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトシレート、
ジフェニル−4−メトキシフェニルスルホニウムトシレート、
ジフェニル−4−イソプロピルフェニルスルホニウムトシレート
ジフェニルヨードニウム、
ジフェニルヨードニウムトシレート、
ジフェニルヨードニウムクロライド、
ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、
ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、
ジフェニルヨードニウムナイトレート、
ジフェニルヨードニウムパークロレート、
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ビス(メチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ビス(メチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、
ビス(メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、
ビス(メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロブタンスルホネート、
2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリ(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−フェニル−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−ナフチル−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−ビフェニル−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−(4’−ヒドロキシ−4−ビフェニル)−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−(4’−メチル−4−ビフェニル)−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−(p−メトキシフェニルビニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソラン−5−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ブトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリリウムトリフロオロメタンスルホネート、
トリメチルオキシニウムテトラフルオロボレート、
トリエチルオキシニウムテトラフルオロボレート、
N−ヒドロキシフタルイミドトリフルオロメタンスルホネート、
N−ヒドロキシナフタルイミドトリフルオロメタンスルホネート、
(α−ベンゾイルベンジル)p−トルエンスルホネート、
(β−ベンゾイル−β−ヒドロキシフェネチル)p−トルエンスルホネート、
1,2,3−ベンゼントリイルトリスメタンスルホネート、
(2,6−ジニトロベンジル)p−トルエンスルホネート、
(2−ニトロベンジル)p−トルエンスルホネート、
(4−ニトロベンジル)p−トルエンスルホネート、
などが挙げられる。なかでも、ヨードニウム塩系化合物、スルホニウム塩系化合物が好ましい。
また、前記オニウム化合物以外にも、活性エネルギー線照射によりスルホン酸を光発生するスルホン化物、例えば2−フェニルスルホニルアセトフェノン、活性エネルギー線照射によりハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物、例えば、フェニルトリブロモメチルスルホン、及び1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、並びに活性エネルギー線照射により燐酸を光発生するフェロセニウム化合物、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)フェロセニウムヘキサフルオロフォスフェート、及びビス(ベンジル)フェロセニウムヘキサフルオロフォスフェートなどを用いることができる。
さらには、下記に挙げる酸発生能を有するイミド化合物誘導体も使用できる。
N−(フェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフタルイミド。
本発明に好適な光塩基発生剤としては、
(1)オキシムエステル系化合物
(2)アンモニウム系化合物
(3)ベンゾイン系化合物
(4)ジメトキシベンジルウレタン系化合物
(5)オルトニトロベンジルウレタン系化合物
などが挙げられ、これらは活性エネルギー線の照射により塩基としてアミンを発生する。その他にも、光の作用によりアンモニアやヒドロキシイオンを発生する塩基発生剤を用いてもよい。これらは、例えばN−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピペリジン、1,3−ビス[N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)−4−ピペリジル]プロパン、N,N’−ビス(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ジヘキシルアミン、及びO−ベンジルカルボニル−N−(1−フェニルエチリデン)ヒドロキシルアミンなどから選ぶことができる。さらには加熱により塩基が発生する化合物を上記光塩基発生剤と併用してもよい。
また、光酸発生剤または光塩基発生剤の活性エネルギー線の波長領域を拡大するために、適宜光増感剤を併用してもよい。例えば、オニウム塩化合物に対する光増感剤には、アクリジンイエロー、ベンゾフラビン、アクリジンオレンジなどが挙げられる。
必要な酸を生成しながらも酸発生剤または塩基発生剤の添加量や光照射エネルギーを最小限に抑制する方法として、酸増殖剤や塩基増殖剤(非特許文献3、特許文献18、特許文献19参照)を酸発生剤または塩基発生剤とともに用いることができる。酸増殖剤は、常温付近で熱力学的に安定であるが、酸によって分解し、自ら強酸を発生し、酸触媒反応を大幅に加速させる。この反応を利用することにより、酸または塩基の発生効率を向上させて、発泡生成速度や発泡構造をコントロールすることも可能である。
分解発泡性化合物
本発明に使用する発泡性組成物に用いられる分解発泡性化合物(以下、分解性化合物と略す)は、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質(低沸点揮発性化合物)が分解脱離する。すなわち、この分解性化合物には、低沸点揮発性物質を発生し得る分解性官能基があらかじめ導入されていなければならない。低沸点とは発泡時にガス化する温度が上限になる。低沸点化合物の沸点は、通常100℃以下であることが好ましいが、80℃以下がより好ましい。さらに好ましくは常温以下である。低沸点揮発性物質としては、例えばイソブテン(沸点−7℃) 、二酸化炭素(沸点−79℃)、窒素(沸点−196℃)などがあげられる。分解性官能基としては、酸と反応するものとしてtert−ブチル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、ケト酸およびケト酸エステル基などが挙げられ、塩基と反応するものとしてウレタン基、カーボネート基などが挙げられる。例えば、酸と反応するものとしては、tert−ブチル基はイソブテンガスを、tert−ブチルオキシカルボニル基はイソブテンガスと二酸化炭素を、ケト酸部位は二酸化炭素を、ケト酸エステルたとえばケト酸tert−ブチル基は二酸化炭素とイソブテンを発生する。塩基と反応するものとしては、ウレタン基、カーボネート基は二酸化炭素ガスを発生する。このようにして、それぞれのガスが分解性化合物から離脱する。酸(または塩基)分解性化合物の例としては、モノマー、オリゴマー、高分子化合物(ポリマー)等を使用することができ、例えば、以下のような化合物群に分類することができる。
(1) 非硬化性低分子系の分解性化合物群
(2) 硬化性モノマー系の分解性化合物群
(3) 重合体系の分解性化合物群
硬化性モノマー系の分解性化合物に代表される例として、活性エネルギー線を照射したときに重合反応を生じるようなビニル基を含んだ活性エネルギー線硬化性化合物の場合には、均一な微細気泡の形成が容易であり、強度的に優れた発泡体を得ることが可能である。分解性化合物の具体例を下記に示す。
(1)−a、非硬化性低分子系の分解性化合物群
<酸分解性化合物>
1−tert−ブトキシ−2−エトキシエタン、
2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)ナフタレン、
N−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フタルイミド、
2,2−ビス[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フェニル]プロパンなど
(1)−b、非硬化性低分子系の分解性化合物群
<塩基分解性化合物>
N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)ピペリジンなど
(2)−a、硬化性モノマー系の分解性化合物群
<酸分解性化合物>
tert−ブチルアクリレート、
tert−ブチルメタクリレート、
tert−ブトキシカルボニルメチルアクリレート、
2−(tert−ブトキシカルボニル)エチルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニル)フェニルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルエチル)フェニルアクリレート、
1−(tert−ブトキシカルボニルメチル)シクロヘキシルアクリレート、
4−tert−ブトキシカルボニル−8−ビニルカルボニルオキシ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、
2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)ベンジルアクリレート、
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルアクリレート、
6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキシルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ベンジルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)ベンジルアクリレート、
(2−tert−ブトキシエチル)アクリレート、
(3−tert−ブトキシプロピル)アクリレート、
(1−tert−ブチルジオキシ−1−メチル)エチルアクリレート、
3,3−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)プロピルアクリレート、
4,4−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)ブチルアクリレート、
p−(tert−ブトキシ)スチレン、
m−(tert−ブトキシ)スチレン、
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン、
m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン、
アクリロイル酢酸、メタクロイル酢酸
tert−ブチルアクロイルアセテート、
tert−ブチルメタクロイルアセテートなど
N−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)マレイミド
(2)−b、硬化性モノマー系の分解性化合物群
<塩基分解性化合物>
4−[(1,1−ジメチル−2−シアノ)エトキシカルボニルオキシ]スチレン、
4−[(1,1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン、
4−[(1,1−ジメチル−2−メトキシカルボニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン、
4−(2−シアノエトキシカルボニルオキシ)スチレン、
(1,1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エチルメタクリレート、
(1,1−ジメチル−2−シアノ)エチルメタクリレートなど
(3)−a、重合体系の分解性化合物群
<酸分解性化合物>
ポリ(tert−ブチルアクリレート)、
ポリ(tert−ブチルメタクリレート)、
ポリ(tert−ブトキシカルボニルメチルアクリレート)、
ポリ[2−(tert−ブトキシカルボニル)エチルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニル)フェニルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルエチル)フェニルアクリレート]、
ポリ[1−(tert−ブトキシカルボニルメチル)シクロヘキシルアクリレート]、
ポリ{4−tert−ブトキシカルボニル−8−ビニルカルボニルオキシ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン}、
ポリ[2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フェニルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)ベンジルアクリレート]、
ポリ[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルアクリレート]、
ポリ[6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキシルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ベンジルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)ベンジルアクリレート]、
ポリ(2−tert−ブトキシエチルアクリレート)、
ポリ(3−tert−ブトキシプロピルアクリレート)、
ポリ[(1−tert−ブチルジオキシ−1−メチル)エチルアクリレート]、
ポリ[3,3−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)プロピルアクリレート]、
ポリ[4,4−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)ブチルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシ)スチレン]、
ポリ[m−(tert−ブトキシ)スチレン]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン]、
ポリ[m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン]、
ポリアクリロイル酢酸、ポリメタクロイル酢酸、
ポリ[tert−ブチルアクロイルアセテート]、
ポリ[tert−ブチルメタクロイルアセテート]
N−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)マレイミド/スチレン共重合体など
(3)−b、重合体系の分解性化合物群
<塩基分解性化合物>
ポリ{p−[(1,1−ジメチル−2−シアノ)エトキシカルボニルオキシ]スチレン}、
ポリ{p−[(1,1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン}、
ポリ{p−[(1,1−ジメチル−2−メトキシカルボニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン}、
ポリ[p−(2−シアノエトキシカルボニルオキシ)スチレン]、
ポリ[(1,1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エチルメタクリレート]、
ポリ[(1,1−ジメチル−2−シアノ)エチルメタクリレート]、
などを挙げることができる。
分解性官能基を導入したポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、デンドリマーなどの有機系高分子化合物を酸分解性又は塩基分解性重合体系化合物として用いることができる。さらには、シリカなどの無機系化合物に分解性官能基を導入した酸分解性又は塩基分解性重合体系化合物も含む。なかでも、分解性官能基は、カルボン酸基または水酸基、アミン基からなる群の中から選ばれる官能基を有する化合物群に導入されることが好ましい。
上記分解性化合物群は単独で用いてもよいし、異なる2種以上を混合併用してもよい。また、上記分解性化合物は他の樹脂と混合して用いることもできる。混合した時に分解性化合物と他樹脂とが相溶でも非相溶でもどちらでもかまわない。他の樹脂としてはABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系複合樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリサルホン樹脂、塩化ビニル樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びシリコーン樹脂など一般に用いられる樹脂から適宜選択して用いることができる。また、分解性化合物から分解してガス化する低沸点揮発性物質をシート中に内在させることを目的として、ガスバリヤ性樹脂を用いることもできる。ガスバリヤ性樹脂は、混合しても積層してもよく、低沸点揮発性物質をシート中により内在させるには、シート表面に積層するのが好ましい。
分解性発泡化合物のうち、硬化性モノマー系の分解性化合物群および重合体系の分解性化合物群は単独で用いてもよいし、上記の一般に用いられる樹脂と混合して用いてもよい。これに対して、非硬化性低分子系の分解性化合物群は単独ではシートにならないので、上記の一般に用いられる樹脂若しくは、後述する「他の活性エネルギー線硬化性不飽和有機化合物」と混合して用いる必要がある。
本発明のシート状発泡体の耐水性をあげるためには、発泡性組成物として少なくとも一種類以上の疎水性官能基を含む化合物に分解発泡性官能基を導入した化合物を用いることもできる。本発明に用いられる疎水性官能基は、主に脂肪族基、脂肪環族基、芳香族基、ハロゲン基、ニトリル基からなる群の中から選ばれることが好ましい。分解発泡性官能基は、主にカルボン酸基または水酸基、アミン基からなる群の中から選ばれる親水性官能基に導入されやすい。したがって、本発明の分解性化合物としては、前記親水性官能基に分解発泡性官能基を導入した分解性ユニットと、疎水性官能基を含む疎水性ユニットからなる複合化合物が好ましい。より好ましい前記複合化合物は、分解性ユニットおよび疎水性ユニットがビニル系重合体である。疎水性ユニットは、メチル(メタ)アクリレートやエチル(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート群、スチレン、メチルスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル化合物群、(メタ)アクリロニトリル化合物群、酢酸ビニル化合物群、塩化ビニル化合物群などが挙げられる。分解性化合物の代表的な例としては、分解性ユニットが、親水性官能基のカルボン酸基を有するアクリル酸に分解性官能基であるtert−ブチル基を導入したtert−ブチルアクリレートであり、そして疎水性ユニットが疎水性官能基のメチル基を有するメチルアクリレートである組合わせからなるビニル系共重合体が挙げられる。分解性ユニット/疎水性ユニットの組合わせからなる分解性化合物の具体例を以下に示す。
tert−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体
tert−ブチルメタクリレート/メチルアクリレート共重合体
tert−ブチルメタアクリレート/メチルメタクリレート共重合体
tert−ブチルアクリレート/エチルアクリレート共重合体
tert−ブチルアクリレート/エチルメタクリレート共重合体
tert−ブチルメタクリレート/エチルアクリレート共重合体
tert−ブチルメタクリレート/エチルメタクリレート共重合体
tert−ブチルアクリレート/スチレン共重合体
tert−ブチルアクリレート/塩化ビニル共重合体
tert−ブチルアクリレート/アクリロニトリル共重合体
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン/スチレン共重合体
また、分解性化合物中の分解性ユニットおよび疎水性ユニットは、一種単独でまたは2種以上併用することができる。共重合の形式は、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合などの任意に行なうことができる。また、疎水性ユニットの共重合比は、分解性化合物全量に対して5〜95質量%であることが好ましく、分解性化合物の分解発泡性および発泡構造の環境保存性を勘案すると、20〜80質量%がより好ましい。
上記分解性化合物は、単独で用いてもよいし、異なる2種以上を混合併用してもよい。 上記分解性化合物は、分解発泡性官能基が分解脱離して気泡形成ガスを発生した後に、少なくとも一種類以上の疎水性官能基を含む化合物となる。
本発明のシート状発泡体の耐水性をあげるためには、発泡性組成物として、温度30℃相対湿度60%の環境雰囲気下においてJIS K−7209D法で測定した平衡吸水率が10%未満低の吸湿性化合物に分解発泡性官能基を導入した化合物を用いることもできる。分解発泡性官能基を導入しやすい構造を有する低吸湿性化合物としては、例えばp−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレンなどが挙げられる。したがって、分解性化合物は、p−(tert−ブトキシ)スチレン、m−(tert−ブトキシ)スチレン、p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン、m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレンが挙げられる。これらは硬化性モノマーでも一種類以上を混合した重合体でもよい。
また、吸水率が10%以上の高吸湿性化合物と、吸水率10%未満の低吸湿性化合物との組合わせからなる複合化合物に分解発泡性官能基を導入してもよい。ただし、複合化合物は、適切な組合わせにより10%未満の吸水率を有していることが好ましい。例えば、高吸湿性化合物であるアクリル酸と低吸湿性化合物であるp−ヒドロキシスチレンの共重合体(複合化合物)は、その共重合比がアクリル酸/p−ヒドロキシスチレン=90/10〜0/100であることが好ましい。分解性化合物の具体的な例としては、
tert−ブチルアクリレート/p−(tert−ブトキシ)スチレン共重合体
tert−ブチルアクリレート/m−(tert−ブトキシ)スチレン共重合体
tert−ブチルアクリレート/p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン共重合体
tert−ブチルアクリレート/m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン共重合体
tert−ブチルメタクリレート/p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン共重合体
さらには、ポリエステル、ポリイミド、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、デンドリマーからなる群の中から選ばれた低吸湿性高分子材料などに分解発泡性官能基を導入してもよい。
上記分解性化合物は、単独で用いてもよいし、異なる2種以上を混合併用してもよい。 上記分解性化合物は、分解発泡性官能基が分解脱離して気泡形成ガスを発生した後に、低吸湿性化合物となる。
発泡性組成物
本発明に使用する発泡性組成物には、酸発生剤または塩基発生剤と分解発泡性化合物以外に、他の活性エネルギー線硬化性不飽和有機化合物を組み合わせて用いてもよい。併用化合物の例としては、
(1)脂肪族、脂環族、芳香族の1〜6価のアルコール及びポリアルキレングリコールの(メタ)アクリレート類
(2)脂肪族、脂環族、芳香族の1〜6価のアルコールにアルキレンオキサイドを付加させて得られた化合物の(メタ)アクリレート類
(3)ポリ(メタ)アクリロイルアルキルリン酸エステル類
(4)多塩基酸とポリオールと(メタ)アクリル酸との反応生成物
(5)イソシアネート、ポリオール、(メタ)アクリル酸の反応生成物
(6)エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸の反応生成物
(7)エポキシ化合物、ポリオール、(メタ)アクリル酸の反応生成物
(8)メラミンと(メタ)アクリル酸の反応生成物
等を挙げることができる。
併用できる化合物の中で、硬化性モノマーや樹脂は、発泡体の強度や耐熱性といった物性の向上効果や発泡性の制御効果などが期待できる。また分解性化合物および併用化合物に硬化性モノマーを用いれば、無溶剤塗工ができ、環境負荷の少ない製造方法を提供できる。
併用化合物の具体的な例として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、 2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート、イソボロニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、エチレンオキシド変性フェノキシアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸ダイマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、アクリル酸−9,10−エポキシ化オレイル、マレイン酸エチレングリコールモノアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチレンアクリレート、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、3−メチル−5,5−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、エチレンオキシド変性フェノキシ化リン酸アクリレート、エタンジオールジアクリレート、エタンジオールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−ブチル−2−エチルプロパンジオールジアクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変性水添ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ポリオキシエチレンエピクロロヒドリン変性ビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸トリアクリレート、エチレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ポリエチレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、プロピレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げることが出来るが、これらに限られるものではない。
さらに、前記の併用活性エネルギー線硬化性不飽和有機化合物の一部または全部として、分子鎖末端に(メタ)アクリロイル基を有する分子量が400〜5000程度の活性エネルギー線硬化性樹脂を組み合わせることもできる。このような硬化性樹脂として、例えば、ポリウレタン変性ポリエーテルポリ(メタ)アクリレートやポリウレタン変性ポリエステルポリ(メタ)アクリレートなどのポリウレタンポリ(メタ)アクリレートポリマー類を用いることが好ましい。
本発明に使用する発泡性組成物は、必要により、添加物として、無機または有機充填剤、並びに各種界面活性剤などの分散剤、多価イソシアネート化合物、エポキシ化合物、有機金属化合物などの反応性化合物および酸化防止剤、シリコーンオイルや加工助剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、スリップ防止剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、光安定剤、滑剤、軟化剤、有色染料、その他の安定剤等が一種類以上を含ませてもよい。添加剤を用いることにより、発泡性や光学的物性(とくに白色顔料の場合)、電気および磁気的特性(とくにカーボン等の導電性粒子の場合)などの向上が期待できる。
無機系化合物充填剤の具体例としては、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク、シリカ等の顔料、ステアリン酸亜鉛のような金属石鹸、並びに各種界面活性剤などの分散剤、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、カオリン、珪酸白土、珪藻土、酸化亜鉛、酸化珪素、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、マイカ、アスベスト粉、ガラス粉、シラスバルーン、ゼオライトなどが遂げられる。
有機系化合物充填剤としては、例えば、木粉、パルプ粉などのセルロース系粉末、ポリマービーズなどが挙げられる。ポリマービーズとしては、例えばアクリル樹脂、スチレン樹脂又はセルロース誘導体、ポリビニル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン及びポリカーボネート、架橋用モノマーなどから製造されたものが使用できる。
これらの充填剤は、2種類以上混合したものであってもよい。
紫外線吸収剤の具体例としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤から選ばれる。サリチル酸系紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
酸化防止剤の具体例としては、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
光安定剤としては、代表的なものにヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
軟化剤は、加工性・成形性を向上させる目的で使用でき、具体的には、エステル化合物類、アミド化合物類、側鎖を有する炭化水素重合体類、鉱油類、流動パラフィン類、ワックス類などが挙げられる。
エステル化合物としては、アルコールとカルボン酸からなる構造のモノまたはポリエステルであれば特に制限はなく、ヒドロキシル基およびカルボニル基末端を分子内に残した化合物でも、エステル基の形で封鎖された化合物でもよい。具体的には、ステアリルステアレート、ソルビタントリステアレート、エポキシ大豆油、精製ひまし油、硬化ひまし油、脱水ひまし油、エポキシ大豆油、極度硬化油、トリメリット酸トリオクチル、エチレングリコールジオクタノエート、ペンタエリスリトールテトラオクタノエートなどが挙げられる。
アミド化合物としては、アミンとカルボン酸からなる構造のモノまたはポリアミド化合物であれば特に制限はなく、アミノ基およびカルボニル基末端を分子内に残した化合物でも、アミド基の形で封鎖された化合物でもよい。具体的には、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、トリメチレンビスオクチル酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、トリオクタトリメリット酸アミド、ジステアリル尿素、ブチレンビスステアリン酸アミド、キシリレンビスステアリン酸アミド、ジステアリルアジピン酸アミド、ジステアリルフタル酸アミド、ジステアリルオクタデカ二酸アミド、イプシロンカプロラクタム、およびこれらの誘導体が挙げられる。
側鎖を有する炭化水素重合体としては、ポリα−オレフィン類で、炭素数4以上の側鎖を有する通常オリゴマーに分類されるものが好ましい。具体的には、エチレン−プロピレンの共重合体やそのマレイン酸誘導体、イソブチレンの重合体、ブタジエン、イソプレンのオリゴマーおよびその水添物、1−ヘキセンの重合物、ポリスチレンの重合物およびこれらから誘導される誘導体、ヒドロキシポリブタジエンやその水添物、末端ヒドロキシポリブタジエン水添物などが挙げられる。
シート状発泡体の製造
本発明のシート状発泡体の製造方法の一例として、前記発泡性組成物をシート状に成形したのちに活性エネルギー線を照射し、加熱発泡させたシート状発泡体の製造方法について述べるが、本発明を限定するものではない。例えば、活性エネルギー線の照射と加熱は同時でも良いし、加熱後に照射しても良い。
本発明の製造方法はバッチ法でも連続法でもかまわないが、製造工程として、成形工程、乾燥工程、活性エネルギー線照射工程、加熱発泡工程をもつ。乾燥工程は場合によっては省略できる。連続法の例としては図1〜4などがあげられる。製造方法の種類としては、図1から3の塗工法、図4の押出成形法などがあげられ、成形工程で用いられる方法で分類することができる。
図1の製法について説明する。支持体1に塗工ヘッド2を用いて発泡性組成物を塗工する。発泡性組成物が溶剤等で希釈された溶液である場合、乾燥装置3で溶剤分を除去することにより、支持体上に発泡性組成物層を得る。続いて電子線照射装置4で電子線を照射し、加熱装置5で加熱発泡する。得られた発泡体6は支持体上に発泡樹脂層が形成されたシート状発泡体となる。
図2の製法について説明する。支持体1に塗工ヘッド2を用いて発泡性組成物を塗工する。発泡性組成物が溶剤等で希釈された溶液である場合、乾燥装置3で溶剤分を除去することにより、支持体上に発泡性組成物層を得る。続いて電子線照射装置4で電子線を照射し、支持体1から発泡性組成物層を剥離した後に加熱装置5で加熱発泡する。得られた発泡体6は発泡樹脂単独からなるシート状発泡体となる。
図3の製法について説明する。エンドレスベルト状になっている支持体1に塗工ヘッド2を用いて発泡性組成物を塗工する。発泡性組成物が溶剤等で希釈された溶液である場合、乾燥装置3で溶剤分を除去することにより、支持体上に発泡性組成物層を得る。支持体1から発泡性組成物層を剥離した後に、電子線照射装置4で電子線を照射し、加熱装置5で加熱発泡する。得られた発泡体6は発泡樹脂単独からなるシート状発泡体となる。
図1〜3の塗工法としては、バーコート法、エアードクターコート法、ブレードコート法、スクイズコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、グラビアコート法、トランスファーコート法、コンマコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、マルチロールコート法、ディップコート法、ロッドコート法、キスコート法、ゲートロールコート法、落下カーテンコート法、スライドコート法、ファウンテンコート法、およびスリットダイコート法などがあげられる。支持体としては、紙、合成紙、プラスチック樹脂シート、金属シート、金属蒸着シート等が挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、或は、互いに積層されていてもよい。プラスチック樹脂シートとしては、例えば、ポリスチレン樹脂シート、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂シート、並びにポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂シート等の汎用プラスチックシートやポリイミド樹脂シート、ABS樹脂シート、ポリカーボネート樹脂シート等のエンジニアリングプラスチックシートなどが挙げられ、また金属シートを構成する金属としては、アルミニウムおよび銅などが挙げられる。金属蒸着シートとしてはアルミ蒸着シート、金蒸着シート、A9蒸着シートなどが挙げられる。
とくに支持体から剥離して単独の発泡体を作る図2および図3の場合、支持体には特に限定はないが、平滑で柔軟性があることが好ましい。また、支持体の表面には、発泡性組成物層の剥離を容易にするために、シート状材料の表面に予じめ適宜の処理、例えばシリコーン処理のような処理を施して、硬化樹脂被覆層の剥離を容易にしてもよい。
支持体上に発泡性組成物を塗工するために、発泡性組成物を溶媒を用いて希釈溶液に調製してもよい。溶媒としては、水、アルコール、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン等の一般的な溶媒を用いることができる。溶液に調整された発泡性組成物を塗工した場合、乾燥工程を設置してもよい。溶媒として活性エネルギー線により硬化性を示すモノマーを用いた場合は、乾燥工程を省略することも可能である。用いる乾燥装置としては、特に制限はなく、放射熱を利用した電気あるいはガス式の赤外線ドライヤーや、電磁誘導を利用したロールヒーター、油媒を利用したオイルヒーターおよび、これらの熱風を利用した乾燥装置などが挙げられる。
続いて発泡性組成物塗膜に活性エネルギー線を照射する。本発明で使用する活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、γ線等の電離性放射線が挙げられる。これらの中では電子線および紫外線を用いることが好ましい。図1〜4は電子線を照射する場合の例を示している。
電子線照射を用いる場合は、十分な透過力を得るために、加速電圧が30〜1000kVであり、より好ましくは30〜300kVの電子線加速器を用い、ワンパスの吸収線量を0.5〜20Mradにコントロールすることが好ましい(1rad=0.01Gy)。加速電圧、あるいは電子線照射量が上記範囲より低いと、電子線の透過力が不十分になり、塗布液層の内部まで十分に透過することができず、またこの範囲より大きすぎると、エネルギー効率が悪化するばかりでなく、得られた硬化塗布層の強度が不十分になり、それに含まれる樹脂及び添加剤の分解を生じ、得られる発泡体の品質が不満足なものになることがある。電子線加速器としては、例えば、エレクトロカーテンシステム、スキャンニングタイプ、ダブルスキャンニングタイプ等のいずれを用いてもよいが、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式の電子線加速器を用いることが好ましい。電子線照射に際しては照射雰囲気の酸素濃度が高いと、酸もしくは塩基の発生、および/または硬化性分解性化合物の硬化が妨げられることがあり、このため照射雰囲気の空気を、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスにより置換することが好ましい。照射雰囲気の酸素濃度は1000ppm以下であることが好ましく、さらに安定的な電子線エネルギーを得るため、500ppm以下に抑制されることがより好ましい。
紫外線照射の場合は、半導体・フォトレジスト分野や紫外線硬化分野などで一般的に使用されている紫外線ランプを用いることができる。一般的な紫外線ランプとしては、例えば、ハロゲンランプ、ハロゲンヒーターランプ、キセノンショートアークランプ、キセノンフラッシュランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、ディープUVランプ、メタルハライドランプ、希ガス蛍光ランプ、クリプトンアークランプ、エキシマランプなどがあり、近年では、極短波長(214nmにピーク)を発光するY線ランプもある。これらのランプには、オゾン発生の少ないオゾンレスタイプもある。これらの紫外線は、散乱光であっても、直進性の高い平行光であってもよい。
また、紫外線照射には、ArFエキシマーレーザー、KrFエキシマーレーザーや、非線形光学結晶を含む高調波ユニットを介したYAGレーザーなどに挙げられる種々のレーザーや、紫外発光ダイオードを用いることもできる。紫外線ランプやレーザー、紫外発光ダイオードの発光波長は、発泡性組成物の発泡性を妨げないものであれば限定はないが、好ましくは、光酸発生剤または光塩基発生剤が酸または塩基を効率よく発生させられる発光波長がよい。すなわち、使用する光酸発生剤または光塩基発生剤の感光波長領域と重なる発光波長が好ましい。さらには、それら発生剤の感光波長領域における極大吸収波長または最大吸収波長と重なる発光波長がより好ましく、発生効率が高くなりやすい。紫外線のエネルギー照射強度は、発泡性組成物によって適宜決められる。種々の水銀ランプやメタルハライドランプなどに代表される照射強度が高い紫外線ランプを使用する場合は、生産性を高めることができ、その照射強度(ランプ出力)はロングアークランプの場合、30W/cm以上が好ましい。紫外線の積算照射光量(J/cm2)は、エネルギー照射強度に照射時間を積算したものであり、発泡組成物および所望の気泡分布によって適宜決められる。酸発生剤や塩基発生剤の吸光係数に応じて設定することもある。安定かつ連続的に製造する上では、1.0mJ/cm2〜20J/cm2の範囲が好ましい。紫外線ランプを使用する場合は、照射強度が高いため、照射時間を短縮することができる。エキシマーランプやエキシマーレーザーを使用する場合は、その照射強度は弱いが、ほぼ単一光に近いため、発光波長が発生剤の感光波長に最適化したものであれば、より高い発生効率および発泡性が可能となる。照射光量を多くした場合、紫外線ランプによっては熱の発生が発泡性を妨げる場合がある。そのときは、コールドミラーなどの冷却処置を行なうことができる。照射方法は、密着照射、投影照射のいずれの方式も採用できる。
加熱発泡工程で用いることができる加熱器としては特に制限はないが、誘導加熱、抵抗加熱、誘電加熱(およびマイクロ波加熱)、赤外線加熱により加熱ができるもの等が例示できる。放射熱を利用した電気あるいはガス式の赤外線ドライヤーや、電磁誘導を利用したロールヒーター、油媒を利用したオイルヒーター、電熱ヒーター、およびこれらの熱風を利用した熱風ドライヤーなどが挙げられる。誘電加熱や赤外線加熱の場合,材料内部を直接加熱する内部加熱方式なので,熱風ドライヤーなどの外部加熱法よりも瞬時に均一な加熱を行うのに好ましい。誘電加熱の場合,周波数1MHzから300MHz(波長30m〜1m)の高周波エネルギーを用いる。6MHz〜40MHzの周波数が用いられることが多い。誘電加熱のうち特にマイクロ波加熱では周波数が300MHzから300GHz(波長が1m〜1mm)のマイクロ波をもちいるが、2450MHz、915MHz(電子レンジと同じ)を使うことが多い。赤外線加熱の場合,赤外領域の波長0.76〜1000μmの電磁波を利用する。ヒータ表面温度および被加熱材料の赤外吸収スペクトルなどから、状況により選択される波長の最適帯は変化するが、好ましくは1.5〜25μm、さらに好ましくは2〜15μmの波長帯を用いることができる。また、プレス成形の際に使用する加熱プレス機のように、加圧しながら加熱することもできる。加熱発泡工程で使用する温度は、所望の発泡によって適宜決めることができる。気泡を微細化するには、50〜200℃が好ましい。
図2のように単独発泡体を製造する場合、成形用シート状材料は繰り返して使用することもできるが、度重なる活性エネルギー線照射によって成形用シート状材料が劣化してしまう場合がある。このような場合、劣化の度合いに応じて新しい成形用シート材料と交換するか、剥離した後に活性エネルギー線を発泡性組成物に照射することで対応が可能である。図3のようにエンドレスベルトとして成形シート材料を用いる場合は、剥離した後に活性エネルギー線を発泡性組成物に照射する方が好ましい。活性エネルギー線をあてた発泡性組成物は加熱工程で発泡し、シート状発泡体となる。発泡体は巻取状としてワインダーで巻き取ってもよいし、直接シート状に断裁してもよい。
押出成形法としての例を図4に示す。押出成形法としてはスクリュー状の押出軸を用いた一般の押出成形法、ピストン状押出軸をもちいたラム押出成形法などがあげられる。押出成形機7から押出された発泡性組成物はTダイ8から押出されロール9上においてシート状になり、ロール9から剥離されたあと、電子線照射装置4で電子線を照射され、加熱装置5で加熱発泡される。得られた発泡体6は発泡樹脂単独からなるシート状発泡体となる。押出成形法では、成形方法が塗工法と異なるのみで、成形工程以降の工程は塗工法の工程と同様である。発泡体の製造において注意すべき点としては、発泡性組成物によっては加熱によって、例えば150℃以上の高温で、分解してしまう場合もあるため、活性エネルギー線照射および加熱発泡工程前で発泡性組成物が正味の発泡性能を失わないようにする必要がある。とくに押出成形法では樹脂の溶融粘度まで加熱してしまうと発泡性能が損なわれる場合、活性エネルギー線硬化性モノマーを含む液状発泡性組成物を常温でシート状にキャスト成形してから活性エネルギー線を照射して硬化・成形する方法を取ることができる。また、塗工法と同様に溶媒を用いて発泡性組成物の溶液を調整し、常温で成形する方法をとることができる。その場合、成形工程の後に、乾燥工程を設ける必要がある。乾燥工程には加熱ロールを用いたり、このロール自体を乾燥装置内部に設置するなどすることで溶媒を除去することができる。こうして製造されたシート状発泡体は後工程で他のシート等と積層してもよい。
以下に、本発明の方法で作られたシート状発泡体の気泡径および厚さに関しての特徴および用途例を述べるが、これらは本発明を限定するものではない。本発明の方法は、気泡径が10μm以下、厚さ50μm程度のシート状発泡体を容易に得ることができ、この発泡体は様々な用途に用いることができる。
光反射、白色、隠蔽用途
本発明のシート状発泡体は0.01〜10μmの気泡径をもつ発泡体を容易に製造することができる。この可視光線の波長と同程度の気泡径を持つ発泡体では、強い光散乱を示すMie散乱がおこることが知られている。気泡径を最適化することで高光反射率、高白色、高隠蔽性をもつ50μm以下のシートをつくることが可能である。高反射性白色シート用途としては液晶用バックライト反射体、医療用、写真用または液晶用ライトボックス反射体、面光源反射体、蛍光灯や白熱灯などの照明用反射体、内照式表示器具および電飾看板用部材、道路用標識部材、ステッカー部材、ブラインド部材などが挙げられる。高隠蔽白色シート用途としては、隠蔽性ラベル、遮光性容器、農園芸用遮光フィルム、隠蔽修正用転写テープ部材、高隠蔽性薄物配送伝票用基材、ポスター、カード部材、情報記録用紙(感熱および感圧記録紙、電子写真用紙、昇華受容紙、インクジェット用紙)の支持体材料、包装材料、バーコードラベル、バーコードプリンター受像紙、地図、無塵紙、表示板、白板、電子白板、印画紙、化粧紙、壁紙、紙幣、離型紙、折り紙、カレンダー、トレーシング紙、伝票、配送伝票、感圧記録紙、複写用紙、臨床検査紙などに用いることができる。
波長選択性反射および透過用途
本発明のシート状発泡体の製造方法は0.01〜10μmで気泡径をコントロールすることができるので、特定の波長成分を選択して透過および反射する発泡フィルムがえられる。農業用マルチフィルム、日除けフィルム(車窓および建物のガラスなどに貼着させてもよい)などに用いることができる。例えば、農業用マルチフィルムでは可視光領域の光を通さず、波長の長い赤外領域の光を通す分光透過率特性を有するものが好ましく、雑草が生えるのを押さえたり(雑草抑制機能)、地温を上昇させたり(地温上昇機能)、反射光で虫を追い払ったり(害虫忌避機能)するために使うことができる。また、波長選択性を発泡により出すことにより新たに保温機能を付与することも可能である。
断熱・遮熱用途
本発明のシート状発泡体は断熱・遮熱材料、例えば断熱包装材、断熱容器、粘着剤および接着剤などと併用すれば、建物および自動車などの窓ガラス、壁面等の断熱・遮熱性付与、などに用いることができる。とくに塗工層として数十μmの厚さで断熱性を付与できるので、高感度な感熱記録紙および熱転写記録紙等の断熱性支持体もしくは断熱層として用いることもできる。サブミクロンオーダーの気泡径を持つ発泡体の表面は平滑性および光沢性が高く、平滑性および光沢性が求められる記録用紙の断熱層として好ましい。
また熱伝導についての常圧における空気の平均自由工程65nmに近い気泡径を有する発泡体、とくに10〜100nmの気泡径を有する気泡では空気の熱伝導性が著しく低下する。従来の発泡体では得られない超断熱性を得ることも可能になる。
低誘電性用途
最近のコンピュータおよび通信機器等の分野は、高速演算処理、大量高速通信、携帯性、および可搬性求められており、絶縁部材の低誘電率化および小型・薄肉・軽量化が求められている。本発明のシート状発泡体は発泡により低誘電率化および軽量化が図られ、薄物発泡体を得ることができる。さらに独立気泡を得ることができるので、水分による誘電率上昇を抑制することもできる。ICカード基材シート、配線基板用誘電体シート、電子機器用低誘電率発泡シール、LSI相関絶縁膜等の低誘電性エレクトロニクス材料に好適である。これらの用途においても、10nm〜1μm程度の気泡が好ましい。
その他
包装材料の分野では容器包装材料のリサイクルのために樹脂材料の分別が行われている。容易な分別法の一つは空気および水等に対する浮揚性の違いを用いる分別であるが、樹脂材料同士の分別の場合はあまり大きな密度差がえられないため浮揚性の差による分別に苦慮している。特にフィルム状のものでは浮揚性に違いをもたせるのは難しい。本発明ではフィルム状発泡体を作成することが容易であるため、発泡により大きな密度差を実現し易く、浮揚性に違いをもたせることが可能であり、他の樹脂と分別を容易にすることができる。上記以外にも発泡としての特性を利用した遮音材、吸音材、緩衝材、物質透過膜および濾過膜、吸着体、触媒担持体などにもちいることもできる。
本発明を下記実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。また、特に断らない限り、例中の「部」および「%」は各々「質量部」および「質量%」を表わす。
<実施例1>
(1)発泡性組成物の塗布液の調製
発泡体シートは次のようにして作成した。分解性化合物として用いられたtert−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート(重量比60/40)の共重合体100部に対して、ヨードニウム塩系酸発生剤としてビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロブタンスルホネート(商標:BBI−109、ミドリ化学製)3部を混合し、これを酢酸エチルに溶解して固形分含有量:25%の溶液を調製し、これを塗布液として用いた。この塗布液を、厚さ75μmの透明ポリエチレンテレフタレート(商標:ルミラー75−T60、パナック製)からなる支持体の片面上に、ギャップ幅150μmのアプリケーターバーを用いてコーティングした。その後、100℃の恒温乾燥機内に1分間放置して溶媒を蒸発除去した。薄膜状の無色透明な塗布層がポリエチレンテレフタレート支持体上に形成された。塗布層の厚さは35μmであった。
(2)電子線照射
前記工程(1)により形成された塗布層に、電子線を加速電圧200kV、吸収線量9Mrad、酸素濃度500ppm以下の条件下で照射した。得られた塗布層は、工程(1)後の塗布層と同様に無色透明なままであった。
(3)熱処理による発泡
工程(2)によって得られた塗布層を支持体から剥離し、熱風オーブンで110℃2分間加熱してこれに熱処理を施すことにより発泡させることができた。このとき、塗布層は無色透明から白色に変化して、発泡樹脂層が形成された。すなわち微細気泡を有する薄膜状の発泡樹脂層を形成することができた。
得られた発泡樹脂層の発泡構造を確認するために、その断面を観察した。すなわち、発泡前後の塗布部樹脂層を支持体から剥離し、そのサンプルを液体窒素中で凍結割断し、得られた樹脂層の断面上に金蒸着処理を施し、この金蒸着面を、走査型電子顕微鏡(商標:S−510、日立製作所製)を用いて発泡体の断面構造を観察した。
<発泡構造の評価>
断面構造から発泡体厚さ、平均気泡径を、密度の測定より発泡倍率を求めた。発泡体厚さは上記電子顕微鏡で観察した加熱発泡前後の断面画像(拡大倍率:2500倍)から測定した。気泡径は発泡樹脂層断面の観察画像(拡大倍率:5000倍)から無作為に100個の気泡を選び出し、それらの直径の平均とした。発泡倍率は室温でアルキメデス法により発泡体の密度(A)、および発泡体を溶剤に溶かし再び成膜して未発泡状態にしたときの密度(B)を測定し、B/Aより発泡倍率を求めた。得られた発泡体厚さ、気泡径、発泡倍率を表1に示す。
Figure 2005054176
得られた発泡体の白色度、不透明度、光反射スペクトル光透過スペクトルを調べた。
<白色度、不透明度>
スガ試験機(株)社製分光白色度測色計SC−10WNを用いてJIS P 8148およびJIS P 8149に準拠して測定した。結果を表2に示す。未発泡フィルムは無色透明であったが、発泡により高白色、高隠蔽性のフィルムが得られた。
Figure 2005054176
<反射スペクトルの測定>
(株)島津製作所製の分光光度計UV−3100PCの積分球治具を用いて分光反射率を測定し、標準板(硫酸バリウム板)に対する相対反射率%を求めた。結果を図5に示す。未発泡品は透明であり反射率はゼロであるが、微細発泡により40μmというと薄いフィルムでも高い反射率を示した。
<透過スペクトルの測定>
(株)島津製作所製の分光光度計UV−3100PCの透過測定治具を用いて分光透過率を測定した。結果を図6に示す。未発泡では透明であったフィルムが発泡により可視光は遮光するが、赤外光は透過させる波長選択性のあるフィルムとなった。
<実施例2>
実施例1と同様にして、微細気泡を有する薄膜状の発泡体シートを作製した。但し、実施例1の工程(3)において、熱風オーブンで120℃2分間加熱した。
実施例1と同様に発泡体厚さ、気泡径、発泡倍率を求めた結果を表3に示す。従来実現が困難であった高発泡薄物フィルムを得ることができた。
Figure 2005054176
<熱伝導率の測定>
発泡前および発泡後フィルムの熱伝導率λは熱拡散率α、密度ρ、比熱Cpの測定値より次式にて求めた。
λ=α・ρ・Cp
熱拡散率αは交流通電加熱法の熱拡散率測定装置(cf.International Journal of Thermophysics, Vol.18, No.2, p505-513 (1997))を用いて測定した。比熱Cpはセイコーインスツルメンツ社製、示差走査熱量計DSC-220およびTA-Station-SSC5200を使用して、標準試料にサファイアを使用して測定した。結果を表4に示す。発泡により熱伝導率が大きく低下しており、高断熱性薄物フィルムを得られた。
Figure 2005054176
誘電率の測定
王子計測器(株)製の分子配向計(MOA−3020A)を用いて、環境:27℃、65%RHを用いて発泡前後の比誘電率を測定した。結果を表5に示す。発泡により誘電率が大きく低下しており、低誘電率フィルムを得られた。
Figure 2005054176
<実施例3>
実施例1と同様にして、微細気泡を有する薄膜状の発泡体シートを作製した。但し、実施例1の工程(1)において、分解性化合物として使用したポリ(tert−ブチルアクリレート)のかわりに、tert−ブチルアクリレート(20質量%)とtert−ブチルメタクリレート(37質量%)とメチルメタクリレート(43質量%)の共重合体を用いた。また、実施例1の工程(2)において、活性エネルギー線として使用した電子線の代わりに紫外線を用いた。この紫外線は、Y線ランプ(ピーク波長214nm)を有する紫外線照射装置(ウシオ電機製)を用いて、照射線量3000mJ/cm2となるように照射し、実施例1の工程(3)において熱風オーブンで120℃2分間加熱した。このとき、実施例1と同様に、塗布層は無色透明から白色に変化して、発泡体厚さ50μm、気泡径0.5μm、発泡倍率1.2倍となる発泡シートを形成することができた。
塗工法による連続製造法の例1 塗工法による連続製造法の例2 塗工法による連続製造法の例3 押出成型法による連続製造法の例 実施例1のフィルム状発泡体の光反射スペクトル 実施例1のフィルム状発泡体の光透過スペクトル
符号の説明
1.支持体
2.塗工ヘッド
3.乾燥装置(乾燥工程)
4.電子線照射器
5.加熱装置(加熱発泡工程)
6.シートおよびフィルム状発泡体
7.成型用フィルム状材料
8.押出成形機
9.Tダイ
10.加熱ロール

Claims (8)

  1. 活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤を含有し、さらに、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する化合物を含有する発泡性組成物に活性エネルギー線を照射して製造されたシート状発泡体。
  2. 活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤を含有し、さらに、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する化合物を含有する発泡性組成物をシート状に成形した後に活性エネルギー線を照射することを特徴とする、シート状発泡体の製造方法。
  3. 請求項2に記載のシート状発泡体の製造方法において、活性エネルギー線を照射した後に加熱して発泡させることを特徴とする、シート状発泡体の製造方法。
  4. 請求項2に記載のシート状発泡体の製造方法において、成形されたシートを必要に応じて加熱し、活性エネルギー線を照射して発泡させることを特徴とする、シート状発泡体の製造方法。
  5. シート状に成形する方法が、シート状支持体に該発泡性組成物を塗布することにより行なわれる、請求項2〜4のいずれかに記載のシート状発泡体の製造方法。
  6. 発泡した後に支持体から剥離することを特徴とする、請求項5に記載のシート状発泡体の製造方法。
  7. シート状に成形する方法が押出成形法であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のシート状発泡体の製造方法。
  8. 液状の発泡性組成物を押出成形することを特徴とする請求項7に記載のシート状発泡体の製造方法。

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