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JP2007146012A - 発泡性組成物 - Google Patents

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JP2007146012A JP2005342979A JP2005342979A JP2007146012A JP 2007146012 A JP2007146012 A JP 2007146012A JP 2005342979 A JP2005342979 A JP 2005342979A JP 2005342979 A JP2005342979 A JP 2005342979A JP 2007146012 A JP2007146012 A JP 2007146012A
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foamable
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Tomoyuki Takada
知行 高田
Junya Kojima
淳也 小島
Fumio Jinno
文夫 神野
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Abstract

【課題】 活性エネルギー線を用いた光酸・塩基分解発泡法において、気泡径10μm以下の微細気泡発泡体を製造するに際して、所望の厚さ、形状、及び発泡構造を有すると同時に、押出成形、射出成形等の成型加工品のヒケ・ソリの低減効果、及び寸法安定性の向上効果に加えて、成形中の熱安定性を有する発泡性組成物を得る。
【解決手段】 活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤を含有し、さらに、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する分解発泡性化合物を含有する発泡性組成物であって、当該発泡性組成物の熱分解温度が180℃以上であって、かつ発泡開始温度が130℃以下である押出成形用または射出成形用の発泡性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、独立した複数の気泡および/または連続している複数の微細気泡を形成させた微細気泡発泡体を得ることができる発泡性組成物に関するもので、特に押出成形性、射出成形性に優れる発泡性組成物に関するものである。本発明において、微細気泡発泡体とは気泡径10μm以下、さらには1μm以下の発泡体をさす。本発明の発泡性組成物から得られる発泡体は、断熱性、低誘電率性、光散乱性、光反射性、隠蔽性、白色性、不透明性、波長選択的反射および透過性、軽量性、浮揚性、遮音性、吸音性、緩衝性、クッション性、吸収性、吸着性、貯蔵性、透過性、濾過性などの特性を自在に制御できる素材である。
慣用の発泡体は、ウレタンフォームや発泡スチロール、発泡ポリエチレンのような有機物材料からなるものが多いが、その他に多孔質セラミックや多孔質ガラスなどの無機材料からなるものも報告されている。有機材料からなる発泡体には、高分子材料をベースとした発泡プラスチックが多く、高分子材料の発泡時点では液状であり、かつ適度な粘性を有するという特性を活用したものが多い(非特許文献1または非特許文献2)。
種々の方法により製造した発泡体の特性として、断熱機能、緩衝およびクッション機能、軽量および浮揚機能、吸振動機能などが挙げられる。これらの有用な特性は、冷蔵庫や建築材料、食品用トレイ、サーマル記録紙、包装材料、サーフボード、音響機器など、幅広い分野で利用されている。さらに発泡体が連続気泡を有する場合は、表面積が著しく増加するため、ガス材料又は液体材料に対して、吸着機能および貯蔵機能、担体機能および触媒機能、並びに透過機能およびろ過機能などが発現し、家庭用スポンジや医療用分離膜などに利用されている。
発泡体プラスチックの代表的な製造方法には、高分子材料中に発泡剤を混入する方法が大半を占めているが、延伸処理により発生する内部剥離を利用する方法(特許文献1)、高分子材料の架橋密度差から発生する相分離を利用する方法(特許文献2)なども用いられている。発泡剤を混入する方法に関しては、非常に多くの報告がなされており、大別すると化学的発泡剤と物理的発泡剤に分類される。
化学的発泡剤には、熱分解型と光分解型がある。熱分解型発泡剤は、熱分解して一種類以上の気体、例えば窒素や二酸化炭素などを放出する。アゾジカルボンアミドやアゾビスイソブチロニトリルなどに代表されるアゾ系化合物、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドなどに代表されるスルホニルヒドラジド系化合物などの有機化合物および重炭酸ナトリウムなどの無機化合物が知られている。熱分解型発泡剤を用いた発泡法は、発泡剤の分解温度以下の温度領域で軟化させた高分子に混練又は溶解した後に、発泡剤の分解温度以上の温度領域に加熱するもので、広く実用化されている。必要に応じて発泡助剤、架橋剤、安定剤なども併用される。光分解型発泡剤は、紫外線や電子線などの活性エネルギー線により分解して例えば窒素等のガスを放出する。p−アジドベンズアルデヒドなどのアジド基を有する化合物およびp−ジアゾジフェニルアミンなどのジアゾ基を持つ化合物などがあげられる。光分解発泡剤を利用した発泡法は、エネルギー線照射で発泡、または照射後に加熱して発泡させるものである。また一般に高分子重合過程で気体を発生する有機化合物も化学的発泡剤に包含され、その代表的な材料にはポリウレタンなどがあげられる。ポリウレタンは、ポリオール(アルコール性水酸基である−OH基を2個以上持つオリゴマー)とポリイソシアネート(分子中にイソシアネート基である−NCO基を2個以上持つもの)との重合物であり、重合反応過程でCO2ガスが発生して発泡体を形成する。
物理的発泡剤としては、低沸点揮発性物質、例えばブタンやペンタンなどに代表される揮発性飽和炭化水素系物質、並びにフルオロエタンなどに代表される揮発性フッ化炭化水素系物質などが挙げられる。物理的発泡剤としては、常温では液体であるが、50〜100℃で揮発して気体になる低沸点揮発性物質が多く用いられており、これらをその沸点以下の温度において高分子材料中に含浸し、これを、物理的発泡剤の沸点以上に加熱することにより発泡体を形成することができる。また、常温常圧で気体状態である不活性ガス、例えば二酸化炭素及び窒素などを、物理的発泡剤として利用することもできる。この場合、気体状態にある不活性ガスを、適度な圧力・温度に制御された溶融状態の高分子材料中に溶解させた後、この混合系を常温・常圧状態に開放させることによって、液相物質が急激に気相化し、膨張して発泡体が得られる。他の発泡剤として、熱可塑性高分子材料を外殻として、その中に低沸点揮発性物質を封止して製造されたカプセル状発泡剤も知られている。
近年、気泡径が0.1〜10μmで、気泡密度が109〜1015個/cm3であることを特徴とする微細気泡を含有する発泡体、すなわちマイクロセルラープラスチック(MCP)と呼ばれる材料がマサチューセッツ工科大学のN.P.Suhらにより提案された(特許文献3)。従来にない構造をもつ新たな発泡体として注目され、さまざまな機関でMCPの研究が盛んに行われている。微細発泡化により、発泡による力学強度の低下を抑制する効果や、射出成形等の成型加工品のヒケ・ソリの低減効果、寸法安定性の向上が図れるといわれている。このマイクロセルラープラスチックの製造法すなわちMCP発泡法は、物理発泡剤として二酸化炭素や窒素などの不活性ガスを、高圧下もしくは超臨界状態下においてプラスチック中に含浸飽和させた後、減圧および加熱することによって得られる。気泡の微細化は樹脂中に溶解した不活性ガスの過飽和度を高くすることにより達成されるため、このMCP発泡法では、ガス含浸時に高圧含浸で高い飽和含浸量を得て、発泡時にその圧力を開放して高い過飽和度を得る。一般にガスの溶解度は低温ほど高いため、気泡径10μm以下の微細発泡化には常温高圧含浸が可能なバッチ法が用いられる。バッチ法では飽和に達するまでに長いガス含浸時間を要するという問題点がある。例えば、ポリエチレンテレフタレート中に二酸化炭素を含浸飽和させるには、数日間を要するという報告があり、製造効率の悪さが問題となっている。不活性ガスの含浸時間を短くするため、含浸しやすい材料を用いれば一見解決できるように見える。しかし、含浸しやすいという性質の裏返しに、一度含浸したガスが抜けやすい性質をもつ。したがって、短い含浸時間を達成できたとしても、プラスチックに高圧状態で含浸されたガスの一部分が、減圧工程で発泡前にプラスチック表面から多量に放散するガス抜け現象が起こるため、発泡に有効な高い過飽和度を得ることが難しくなり気泡微細化が難しくなる。バッチ法では、気泡微細化と製造効率の悪さのと間に基本原理上のジレンマを抱えている。MCP発泡法には製造効率の高い射出法や押出法もある。シリンダー内で溶融状態の樹脂に超臨界状態の不活性ガスを導入して混練、溶解させるのでバッチ法と比較して、ガス含浸時間は短く、また連続製法のため製造効率が良い。しかし、発泡工程で高い過飽和状態を維持するのが難しく、気泡径を数十ミクロンオーダー以下にするのが困難といわれている。高温含浸のため含浸できる不活性ガス量が少なくなること、溶融高温状態を経て発泡するためにガス抜けが生じやすい,粘性が低く気泡が成長しやすいなどが原因と考えられる。以上のことから、MCP発泡法では厚さ100μm以下および気泡径1μm以下の発泡体を実用的に得ることが難しい。
本発明者らは最近、微細気泡発泡体である気泡径1μm以下のスーパーマイクロセルラープラスチック(SMCP)を容易に得られること、厚さ100μm以下の薄物発泡体を作成できることを特徴とした、光酸・塩基分解発泡法を発明した(特許文献4)。さらに、本発明者らは光酸・塩基分解発泡法によるシート状発泡体およびその製造方法に関する発明をした(特許文献5)。この発泡法では活性エネルギー線と熱により発泡する発泡性組成物が用いられる。発泡性組成物は、活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤を含有し、さらに、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する分解発泡性化合物を含有する。
特開平11−174213号公報 特開平10−504582号公報 米国特許4473665号公報 特開2004−2812号公報 特開2005−54176号公報 「発泡体・多孔質体技術と用途展開(発行:東レリサーチセンター、1996年)」 「樹脂の発泡成形技術(技術情報協会発行、2001年)」 K.Ichimura et al.,Chemistry Letters,551−552(1995)
光酸・塩基分解発泡法において、発泡体内部の微細発泡構造の制御と同じぐらい重要なファクターとして外観形状の制御がある。外観形状を自在に制御するためには、発泡処理前の樹脂である発泡性組成物の成形性が良好なことが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂からなる発泡性組成物を押出成形および射出成形で所望の外観形状に成形して発泡体を得ることは、量産性や製造コストの面で有利である。しかしながら、押出成形および射出成形に適し、かつ微細発泡性のある発泡性組成物に関する知見はこれまで皆無であった。
本発明が解決しようとする課題は、光酸・塩基分解発泡法において、気泡径10μm以下、さらには1μm以下の微細気泡発泡体を所望の厚さ、形状、及び発泡構造を有すると同時に、押出成形、射出成形等の成型加工品のヒケ・ソリの低減効果、及び寸法安定性の向上効果に加えて、成形中の熱安定性を有する発泡性組成物を得ることにある。
上記課題を解決するため、本発明は以下の(1)〜(7)の構成を採用する。
(1) 活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤を含有し、さらに、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する分解発泡性化合物を含有する発泡性組成物であって、当該発泡性組成物の熱分解温度が180℃以上であって、かつ発泡開始温度が130℃以下である押出成形用または射出成形用の発泡性組成物。
(2) 該分解発泡性化合物がアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの共重合体である上記(1)に記載の発泡性組成物。
(3) 該酸発生剤がジアリルヨードニウムのヘキサフルオロフォスフェートまたはヘキサフルオロアンチモネート塩化合物である上記(1)または(2)に記載の発泡性組成物。
(4) 該酸発生剤が芳香環に置換基を有するジアリルヨードニウムのパーフルオロアルキルスルホネート、ヘキサフルオロフォスフェートまたはヘキサフルオロアンチモネート塩化合物である上記(1)または(2)に記載の発泡性組成物。
(5) 該酸発生剤がトリアリルスルホニウムのパーフルオロアルキルスルホネート、ヘキサフルオロフォスフェートまたはヘキサフルオロアンチモネート塩化合物である上記(1)または(2)に記載の発泡性組成物。
(6) 該酸発生剤が芳香環に置換基を有するトリアリルスルホニウムのパーフルオロアルキルスルホネート、ヘキサフルオロフォスフェートまたはヘキサフルオロアンチモネート塩化合物である上記(1)または(2)に記載の発泡性組成物。
(7) 該酸発生剤がパーフルオロアルキルスルホネート基を有する環状イミド化合物である上記(1)または(2)に記載の発泡性組成物。
本発明により、光酸・塩基分解発泡法において、微細気泡発泡体の外観形状および発泡構造制御を容易に、安定して実施することができるようになる。とくに、気泡径10μm以下、さらには1μm以下の微細気泡発泡体において、所望の厚さ、形状及び発泡構造を有する微細気泡発泡体の外観形状及び発泡構造制御を容易に、安定的に達成できる。またそれにより得られた従来にはない高機能性微細気泡発泡体により、力学強度の低下を抑制する効果、押出成形、射出成形等の成型加工品のヒケ・ソリの低減効果、及び寸法安定性の向上効果に加えて、成形中の熱安定性を有する発泡性組成物を得ることができた。
以下に、本発明の発泡性組成物について説明する。発泡性組成物は活性エネルギー線を照射して加熱処理を施すことで発泡性が発現する組成物である。さらに成形性と微細発泡性の両面で優れた制御ができる発泡性組成物を得るためには、熱分解温度が180℃以上であり、かつ発泡開始温度が130℃以下である発泡性組成物であることが好ましい。
本発明の発泡性組成物を用いた発泡体の製造方法は特許文献4、特許文献5等に示された様々な方法を用いることができる。その中でも成形性や生産性に優れた押出成形機や射出成形機を用いた成形方法で発泡性組成物を成形した後、活性エネルギー線を照射し、さらに加熱圧縮成形で発泡成形する方法が量産性や製造コスト面などの点から好ましい。ところが、押出成形した際に成形と同時に樹脂が分解して光酸分解による発泡能力を失ってしまう場合があった。微細発泡構造が得られなかったり、傾斜発泡や部分発泡などの所望の微細発泡構造が得られなかったりした。このような場合、溶剤キャスト法やキャスト重合法などの方法を取らざるを得ず、生産性などの面で劣るところが多かった。本発明の発泡性組成物は熱分解温度が180℃以上であるので、成形性や生産性に優れた押出成形機や射出成形機を用いた成形方法を適宜用いることができる。特に、押出成形が可能となると、板状、繊維状、ロッド状、ペレット状などの様々な形状の発泡性組成物を得ることができるようになる。
一方、熱分解温度が180℃以上の発泡性組成物では、活性エネルギー線を照射したにもかかわらず適当な発泡制御が困難になる場合がある。様々な発泡性組成物を検討した結果、発泡開始温度が130℃以下の発泡性組成物が良好な発泡性を示すことを見出した。よって、熱分解温度が180℃以上であり、かつ発泡開始温度が130℃以下である発泡性組成物により、例えば次のような好ましい発泡体製造方法をとることができるようになる。発泡性組成物を押出機で板状に押出し成形し、その板状発泡性組成物の上下から紫外線を照射した後、その板を表面に微細形状が施された金型に挟み加熱圧縮することにより、所望形状の発泡体を成形することが容易に可能となる。最近ではナノインプリントと呼ばれる超微細圧縮成型加工が行われており、これらの技術と本発泡成型法の融合により、光学物性などにおいて様々な機能を発現できる。また、押出機を用いて本発明の発泡性組成物をストランドにし、水で冷却固化後にカッティングしてペレット状の発泡性組成物を得て、これを金型に入れて圧縮成形した後、紫外線照射を行いさらに最終金型で加熱圧縮して発泡成形することも可能である。さらに、ペレット状発泡性組成物から射出成型機を用いて所望形状の成形体に成形することも可能である。
本発明の発泡性組成物は、少なくとも次の2つの構成要素を共存させた組成物である。その一つは、活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤、または塩基を発生する塩基発生剤であり、他のもう一つは、前記発生した酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する分解発泡性化合物である。
本発明に使用する発泡性組成物に用いられる酸発生剤又は塩基発生剤には、化学増幅型フォトレジスト、及び光カチオン重合などに利用されている、光酸発生剤や光塩基発生剤と呼ばれているものを用いることができる。以下、光酸発生剤と光塩基発生剤を総称して、光酸・塩基発生剤と称することもある。
光酸発生剤としては、
(1)ジアゾニウム塩系化合物
(2)アンモニウム塩系化合物
(3)ヨードニウム塩系化合物
(4)スルホニウム塩系化合物
(5)オキソニウム塩系化合物
(6)ホスホニウム塩系化合物
などから選ばれた芳香族もしくは脂肪族オニウム化合物のヘキサフルオロフォスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パーフルオロアルキルスルホネート、テトラフルオロボレート、テトラパーフルオロフェニルボレート、トシレート、カンファースルホネート塩などを挙げることができる。
また、前記オニウム化合物以外にも、活性エネルギー線照射により酸を発生する化合物ならば用いることができる。例えば、スルホニルオキシイミド化合物などのイミド化合物誘導体、スルホン酸を光発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物、並びに活性エネルギー線照射により燐酸を光発生するフェロセニウム化合物などが挙げられる。
光塩基発生剤としては、
(1)オキシムエステル系化合物
(2)アンモニウム系化合物
(3)ベンゾイン系化合物
(4)ジメトキシベンジルウレタン系化合物
(5)オルトニトロベンジルウレタン系化合物
などが挙げられ、これらは活性エネルギー線の照射により塩基としてアミンを発生する。その他にも、光の作用によりアンモニアやヒドロキシイオンを発生する塩基発生剤を用いてもよい。これらは、例えばN−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピペリジン、1,3−ビス[N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)−4−ピペリジル]プロパン、N,N’−ビス(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ジヘキシルアミン、及びO−ベンジルカルボニル−N−(1−フェニルエチリデン)ヒドロキシルアミンなどから選ぶことができる。さらには加熱により塩基が発生する化合物を上記光塩基発生剤と併用してもよい。
これらの光酸発生剤および光塩基発生剤の中でも、本発明で要求される熱安定性を得るためには、パーフルオロアルキルスルホネート、ヘキサフルオロフォスフェート、ヘキサフルオロアンチモネートのオニウム塩化合物、およびパーフルオロアルキルスルホネート基を有するイミド化合物からなる光酸発生剤は、成形性と微細発泡性の両面で優れた制御ができる発泡性組成物を得るのに好ましい材料である。
オニウム塩化合物としては、トリアリールスルホニウムのパーフルオロアルキルスルホネート塩がさらに好ましい。具体例としては、
トリフェニルスルホニウムパーフルオロメタンスルホネート、
トリフェニルスルホニウムパーフルオロヘキサンスルホネート、
トリフェニルスルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート
等があげられる。さらにトリアリールスルホニウム基の芳香環に置換基を有するとより好ましい。具体例としては、
トリ(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウムパーフルオロメタンスルホネート
トリ(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウムパーフルオロブタンスルホネート
トリ(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウムパーフルオクタンスルホネート
トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムパーフルオロメタンスルホネート
ビス(4−メチルフェニル)−(4−iso−ブチルフェニル)スルホニウムパーフルオロメタンスルホネート
ビス(4−tert−ブチルフェニル)フェニルスルホニウムパーフルオロメタンスルホネート
4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロメタンスルホネート
2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート
p−トリルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロメタンスルホネート、
ジフェニル−4−tert−ブチルフェニルスルホニウムパーフルオロブタンスルホネート、
ジフェニル−4−メトキシフェニルスルホニウムパーフルオロブタンスルホネート、
等があげられる。
また、芳香環に置換基を有するジアリルヨードニウムのパーフルオロアルキルスルホネート塩基を有するものも好ましい。具体例としては、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロブタンスルホネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロオクタンスルホネート、
(4−iso−ブチルフェニル)−4−メチルフェニルヨードニウムパーフルオロメタンスルホネート
ビス(メチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、
4−tert−ブチルフェニルフェニルヨードニウムパーフルオロメタンスルホネート
4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムパーフルオロメタンスルホネート
4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムパーフルオロブタンスルホネート
等があげられる。
パーフルオロアルキルスルホネート基を有するイミド化合物としては、環状イミド化合物が好ましく、環状構造がフェニル基単独よりもバルキーな構造を有する環状イミドのものがさらに好ましい。具体例としては、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(パーフルオロブタンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、
N−(パーフルオロブタンスルホニルオキシ)ナフタルイミド、
等があげられる。
上記以外でも、それ単独での熱分解温度が150℃以上であり、かつ、分解発泡性化合物と混合した状態での熱分解温度が上昇するものを、実施例に示した方法で熱分解温度を測定して選択することができる。
光酸発生剤または光塩基発生剤の活性エネルギー線の波長領域を拡大するために、適宜光増感剤を併用してもよい。例えば、オニウム塩化合物に対する光増感剤には、アクリジンイエロー、ベンゾフラビン、アクリジンオレンジなどが挙げられる。
必要な酸を生成しながらも酸発生剤または塩基発生剤の添加量や光照射エネルギーを最小限に抑制する方法として、酸増殖剤や塩基増殖剤を酸発生剤または塩基発生剤とともに用いることができる(非特許文献3)。酸増殖剤は、常温付近で熱力学的に安定であるが、酸によって分解し、自ら強酸を発生し、酸触媒反応を大幅に加速させる。この反応を利用することにより、酸または塩基の発生効率を向上させて、発泡生成速度や発泡構造をコントロールすることも可能である。
本発明に使用する発泡性組成物に用いられる分解発泡性化合物(以下、分解性化合物と略す)は、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質(低沸点揮発性化合物)が分解脱離する。すなわち、この分解性化合物には、低沸点揮発性物質を発生し得る分解性官能基があらかじめ導入されていなければならない。低沸点とは発泡時にガス化する温度が上限になる。通常100℃以下、常温以下が好ましい。低沸点揮発性物質としては、例えばイソブテン(沸点;−7℃)、二酸化炭素(沸点;−79℃)、窒素(沸点;−196℃)などがあげられる。分解性官能基としては、酸と反応するものとしてtert−ブチル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、ケト酸およびケト酸エステル基などが挙げられ、塩基と反応するものとしてウレタン基、カーボネート基などが挙げられる。酸と反応するものとしては、tert−ブチル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、酸と反応して、tert−ブチル基はイソブテンガスを、tert−ブチルオキシカルボニル基はイソブテンガスと二酸化炭素を、ケト酸部位は二酸化炭素を、ケト酸エステルたとえばケト酸tert−ブチル基は二酸化炭素とイソブテンを発生する。塩基と反応するものとしては、ウレタン基、カーボネート基は二酸化炭素ガスを発生する。このようにして、それぞれのガスが分解性化合物から離脱する。酸と反応して分解する酸分解性化合物また塩基と反応して分解する塩基分解性化合物の形態としては、モノマー、オリゴマー、高分子化合物(ポリマー)等として使用することができ、例えば、以下のような化合物群に分類することができるが、各群内、群間の物質を2種以上併用することもできる。
(1) 非硬化性低分子系の分解性化合物群
(2) 硬化性モノマー系の分解性化合物群
(3) 重合体系の分解性化合物群
硬化性モノマー系の分解性化合物に代表される例として、活性エネルギー線を照射したときに重合反応を生じるようなビニル基を含んだ活性エネルギー線硬化性化合物の場合には、均一な微細気泡の形成が容易であり、強度的に優れた発泡体を得ることが可能である。分解性化合物の具体例を下記に列挙するが、これら例示したものに限定されるものではない。
(1)−a、非硬化性低分子系の分解性化合物群
<酸分解性化合物>
1−tert−ブトキシ−2−エトキシエタン、
2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)ナフタレン、
N−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フタルイミド、
2,2−ビス[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フェニル]プロパンなど
(1)−b、非硬化性低分子系の分解性化合物群
<塩基分解性化合物>
N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)ピペリジンなど
(2)−a、硬化性モノマー系の分解性化合物群
<酸分解性化合物>
tert−ブチルアクリレート、
tert−ブチルメタクリレート、
tert−ブトキシカルボニルメチルアクリレート、
2−(tert−ブトキシカルボニル)エチルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニル)フェニルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルエチル)フェニルアクリレート、
1−(tert−ブトキシカルボニルメチル)シクロヘキシルアクリレート、
4−tert−ブトキシカルボニル−8−ビニルカルボニルオキシ−トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン、
2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)ベンジルアクリレート、
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルアクリレート、
6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキシルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ベンジルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)ベンジルアクリレート、
(2−tert−ブトキシエチル)アクリレート、
(3−tert−ブトキシプロピル)アクリレート、
(1−tert−ブチルジオキシ−1−メチル)エチルアクリレート、
3,3−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)プロピルアクリレート、
4,4−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)ブチルアクリレート、
p−(tert−ブトキシ)スチレン、
m−(tert−ブトキシ)スチレン、
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン、
m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン、
アクリロイル酢酸、メタクロイル酢酸
tert−ブチルアクロイルアセテート、
tert−ブチルメタクロイルアセテートなど
N−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)マレイミド
(2)−b、硬化性モノマー系の分解性化合物群
<塩基分解性化合物>
4−[(1、1−ジメチル−2−シアノ)エトキシカルボニルオキシ]スチレン、
4−[(1、1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン、
4−[(1、1−ジメチル−2−メトキシカルボニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン、
4−(2−シアノエトキシカルボニルオキシ)スチレン、
(1、1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エチルメタクリレート、
(1、1−ジメチル−2−シアノ)エチルメタクリレートなど
(3)−a、重合体系の分解性化合物群
<酸分解性化合物>
ポリ(tert−ブチルアクリレート)、
ポリ(tert−ブチルメタクリレート)、
ポリ(tert−ブトキシカルボニルメチルアクリレート)、
ポリ[2−(tert−ブトキシカルボニル)エチルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニル)フェニルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルエチル)フェニルアクリレート]、
ポリ[1−(tert−ブトキシカルボニルメチル)シクロヘキシルアクリレート]、
ポリ{4−tert−ブトキシカルボニル−8−ビニルカルボニルオキシ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン}、
ポリ[2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フェニルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)ベンジルアクリレート]、
ポリ[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルアクリレート]、
ポリ[6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキシルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ベンジルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)ベンジルアクリレート]、
ポリ(2−tert−ブトキシエチルアクリレート)、
ポリ(3−tert−ブトキシプロピルアクリレート)、
ポリ[(1−tert−ブチルジオキシ−1−メチル)エチルアクリレート]、
ポリ[3,3−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)プロピルアクリレート]、
ポリ[4,4−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)ブチルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシ)スチレン]、
ポリ[m−(tert−ブトキシ)スチレン]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン]、
ポリ[m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン]、
ポリアクリロイル酢酸、ポリメタクロイル酢酸、
ポリ[tert−ブチルアクロイルアセテート]、
ポリ[tert−ブチルメタクロイルアセテート]
N−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)マレイミド/スチレン共重合体など
(3)−b、重合体系の分解性化合物群
<塩基分解性化合物>
ポリ{p−[(1、1−ジメチル−2−シアノ)エトキシカルボニルオキシ]スチレン}、
ポリ{p−[(1、1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン}、
ポリ{p−[(1、1−ジメチル−2−メトキシカルボニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン}、
ポリ[p−(2−シアノエトキシカルボニルオキシ)スチレン]、
ポリ[(1、1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エチルメタクリレート]、
ポリ[(1、1−ジメチル−2−シアノ)エチルメタクリレート]、
などを挙げることができる。
分解性官能基を導入したポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、デンドリマーなどの有機系高分子化合物を酸分解性又は塩基分解性重合体系化合物として用いることができる。さらには、シリカなどの無機系化合物に分解性官能基を導入した酸分解性又は塩基分解性重合体系化合物も含む。なかでも、分解性官能基は、カルボン酸基または水酸基、アミン基からなる群の中から選ばれる官能基を有する化合物群に導入されることが好ましい。
本発明の発泡性組成物は、押出成形あるいは射出成形される重合体、光酸・塩基発生剤、分解性化合物を含有するものであるが、前記した「(3)重合体系の分解性化合物」を用いる場合には、それに光酸・塩基発生剤を混合すれば、本発明の発泡性組成物となる。
その中でも(メタ)アクリル化合物は成形性と微細発泡性の両面で優れた制御ができる発泡性組成物を得るのに好ましい材料である。重合体系の酸分解性(メタ)アクリル化合物と前述の本発明に好ましい光酸発生剤と併用することがさらに好ましい。重合体系の分解性分解性(メタ)アクリル化合物は耐光性、耐候性や透明性などに優れる材料として特長ある素材であることから、分解性化合物として用いることは様々な用途に展開できる微細発泡体を得ることができる点でも好ましい材料である。この酸分解性(メタ)アクリル化合物の具体例としては、
ポリtert−ブチルアクリレート
ポリtert−ブチルメタクリレート
tert−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体、
tert−ブチルメタクリレート/エチルメタクリレート共重合体、
tert−ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体、
tert−ブチルアクリレート/tert−ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体、
tert−ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体、
tert−ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/グリシジルアクリレート共重合体、
tert−ブチルアクリレート/tert−ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体、
tert−ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体、
tert−ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ジシクロペンテニルメタクリレート共重合体、
tert−ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/イソボロニルメタクリレート共重合体、
tert−ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/2−メチル−2アダマンチルメタクリレート
等があげられる。
上記分解性化合物群のうち、「(1)非硬化性低分子系の分解性化合物群」および「(2)硬化性モノマー系の分解性化合物群」を用いる場合には、押出成形あるいは射出成形可能な重合体に混合して用いる。混合した時に分解性化合物と他樹脂とが相溶でも非相溶でもどちらでもかまわない。押出成形あるいは射出成形可能な重合体としてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系複合樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アクリロイル樹脂、ABS樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリサルホン樹脂、塩化ビニル樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びシリコーン樹脂など一般に用いられる樹脂から適宜選択して用いることができる。また、分解性化合物から分解してガス化する低沸点揮発性物質を成形体内に内在させることを目的として、ガスバリヤ性樹脂を用いることもできる。ガスバリヤ性樹脂は、混合しても被覆または積層してもよく、低沸点揮発性物質を成形体内により内在させるには、成形体表面に被覆または積層するのが好ましい。
また、「(2)硬化性モノマー系の分解性化合物群」を用いる場合には、押出成形あるいは射出成形可能な重合体になるように半硬化させた状態でしようしても良い。
本発明に使用する発泡性組成物には、光酸・塩基発生剤と分解発泡性化合物以外に、他の活性エネルギー線硬化性不飽和有機化合物を組み合わせて用いてもよい。併用化合物の例としては、
(1)脂肪族、脂環族、芳香族の1〜6価のアルコール及びポリアルキレングリコールの(メタ)アクリレート類
(2)脂肪族、脂環族、芳香族の1〜6価のアルコールにアルキレンオキサイドを付加させて得られた化合物の(メタ)アクリレート類
(3)ポリ(メタ)アクリロイルアルキルリン酸エステル類
(4)多塩基酸とポリオールと(メタ)アクリル酸との反応生成物
(5)イソシアネート、ポリオール、(メタ)アクリル酸の反応生成物
(6)エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸の反応生成物
(7)エポキシ化合物、ポリオール、(メタ)アクリル酸の反応生成物
(8)メラミンと(メタ)アクリル酸の反応生成物
等を挙げることができる。
併用できる化合物の中で、硬化性モノマーや樹脂は、発泡体の強度や耐熱性といった物性の向上効果や発泡性の制御効果などが期待できる。また分解性化合物および併用化合物に硬化性モノマーを用いれば、無溶剤成形ができ、環境負荷の少ない製造方法を提供できる。
併用化合物の具体的な例として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、 2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート、イソボロニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、エチレンオキシド変性フェノキシアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸ダイマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、アクリル酸−9,10−エポキシ化オレイル、マレイン酸エチレングリコールモノアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチレンアクリレート、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、3−メチル−5,5−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、エチレンオキシド変性フェノキシ化リン酸アクリレート、エタンジオールジアクリレート、エタンジオールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−ブチル−2−エチルプロパンジオールジアクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変性水添ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ポリオキシエチレンエピクロロヒドリン変性ビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸トリアクリレート、エチレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ポリエチレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、プロピレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げることが出来るが、これらに限られるものではない。
さらに、前記の併用活性エネルギー線硬化性不飽和有機化合物の一部または全部として、分子鎖末端に(メタ)アクリロイル基を有する分子量が400〜5000程度の活性エネルギー線硬化性樹脂を組み合わせることもできる。このような硬化性樹脂として、例えば、ポリウレタン変性ポリエーテルポリ(メタ)アクリレートやポリウレタン変性ポリエステルポリ(メタ)アクリレートなどのポリウレタンポリ(メタ)アクリレートポリマー類を用いることが好ましい。
本発明に使用する発泡性組成物は、必要により、分解性化合物以外の添加物を含ませることができる。添加物としては、無機系または有機系化合物充填剤、並びに各種界面活性剤などの分散剤、多価イソシアネート化合物、エポキシ化合物、有機金属化合物などの反応性化合物および酸化防止剤、シリコーンオイルや加工助剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、スリップ防止剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、光安定剤、滑剤、軟化剤、有色染料、その他の安定剤等が一種類以上を含ませてもよい。添加剤を用いることにより、成形性や発泡性、光学的物性(とくに白色顔料の場合)、電気および磁気的特性(とくにカーボン等の導電性粒子の場合)などの向上が期待できる。
無機系化合物充填剤の具体例としては、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク、シリカ等の顔料、ステアリン酸亜鉛のような金属石鹸、並びに各種界面活性剤などの分散剤、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、カオリン、珪酸白土、珪藻土、酸化亜鉛、酸化珪素、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、マイカ、アスベスト粉、ガラス粉、シラスバルーン、ゼオライトなどが遂げられる。有機系化合物充填剤としては、木粉、パルプ粉などのセルロース系粉末が挙げられる。
有機系化合物充填剤としては、例えば、木粉、パルプ粉などのセルロース系粉末、ポリマービーズなどが挙げられる。ポリマービーズとしては、例えばアクリル樹脂、スチレン樹脂又はセルロース誘導体、ポリビニル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン及びポリカーボネート、架橋用モノマーなどから製造されたものが使用できる。
これらの充填剤は、2種類以上混合したものであってもよい。
紫外線吸収剤の具体例としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤から選ばれる。サリチル酸系紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
酸化防止剤の具体例としては、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
光安定剤としては、代表的なものにヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
軟化剤は、成形性または成形体の加工性を向上させる目的で使用でき、具体的には、エステル化合物類、アミド化合物類、側鎖を有する炭化水素重合体類、鉱油類、流動パラフィン類、ワックス類などが挙げられる。
エステル化合物としては、アルコールとカルボン酸からなる構造のモノまたはポリエステルであれば特に制限はなく、ヒドロキシル基およびカルボニル基末端を分子内に残した化合物でも、エステル基の形で封鎖された化合物でもよい。具体的には、ステアリルステアレート、ソルビタントリステアレート、エポキシ大豆油、精製ひまし油、硬化ひまし油、脱水ひまし油、エポキシ大豆油、極度硬化油、トリメリット酸トリオクチル、エチレングリコールジオクタノエート、ペンタエリスリトールテトラオクタノエートなどが挙げられる。
アミド化合物としては、アミンとカルボン酸からなる構造のモノまたはポリアミド化合物であれば特に制限はなく、アミノ基およびカルボニル基末端を分子内に残した化合物でも、アミド基の形で封鎖された化合物でもよい。具体的には、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、トリメチレンビスオクチル酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、トリオクタトリメリット酸アミド、ジステアリル尿素、ブチレンビスステアリン酸アミド、キシリレンビスステアリン酸アミド、ジステアリルアジピン酸アミド、ジステアリルフタル酸アミド、ジステアリルオクタデカ二酸アミド、イプシロンカプロラクタム、およびこれらの誘導体が挙げられる。
側鎖を有する炭化水素重合体としては、ポリα−オレフィン類で、炭素数4以上の側鎖を有する通常オリゴマーに分類されるものが好ましい。具体的には、エチレン−プロピレンの共重合体やそのマレイン酸誘導体、イソブチレンの重合体、ブタジエン、イソプレンのオリゴマーおよびその水添物、1−ヘキセンの重合物、ポリスチレンの重合物およびこれらから誘導される誘導体、ヒドロキシポリブタジエンやその水添物、末端ヒドロキシポリブタジエン水添物などが挙げられる。
以下に、本発明の製造方法で得られた発泡体に関する発泡構造の特徴を述べる。得られた発泡体は、その気泡径が10μm以下さらには1μm以下、気泡数密度が10個/cm以上さらには1011個/cm以上の範囲内で気泡分布が制御されるが好ましい。得られた発泡体の特性は特許文献5などに示されるように、光学特性、熱特性、電気特性などにおいてさまざまな特徴がある。さらに、本発明の発泡体は、気泡分布の制御が任意可変であることから、制御された発泡特性分布をもつ高機能性素材としての位置付けをもち、非常に有用である。発泡特性としては、例えば、発色性、嵩高性、ドライ感、ふくらみ感、ソフト感、通気性、断熱性、低誘電率性、光散乱性、光反射性、隠蔽性、白色性、不透明性、波長選択的反射および透過性、軽量性、浮揚性、遮音性、吸音性、緩衝性、クッション性、吸収性、吸着性、貯蔵性、透過性、濾過性などがあげられる。この発泡体は様々な用途に用いることができ、例えば、包装材料や建築材料、医療材料、電気機器材料、電子情報材料、自動車材料などに使用される。
本発明を下記実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。また、特に断らない限り、例中の「部」および「%」は各々「重量部」および「重量%」を表わす。
<実施例1>
tert−ブチルアクリレート/tert−ブチルメタクリレート/メタクリル酸メチル=20/40/40(重量比)のメタクリル共重合体の分解発泡性化合物100部に対して、光酸発生剤としてビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロブタンスルホネート(みどり化学製、BBI−109)3部、さらにMEK/酢酸エチル=60/40の希釈液を加えて25%濃度にした発泡性組成物溶液を得た。この発泡性組成物溶液をSi−PET上に塗工し、130℃1hr乾燥して得られた厚さ45μmの塗膜をSi−PETから剥離してフィルム状発泡性組成物を得た。
発泡性組成物の熱分解温度を測定するため、フィルム状発泡性組成物をTG/DTA(SII社製、EXSTAR6000 TG/DTA6200)にセットして、昇温速度10℃/minで室温から温度を上げてその重量減少曲線を調べた。重量減少が始まるon−set点を熱分解温度とした。
発泡性組成物の発泡開始温度を測定するため、メタルハライドランプ(アイグラフィック(株)製 紫外線硬化用マルチメタルランプM03−L31)を光源として、照射線量2000mJ/cm2で紫外線照射したフィルム状発泡性組成物をTG/DTA(SII社製、EXSTAR6000 TG/DTA6200)にセットして、昇温速度10℃/minで室温から温度を上げてその重量減少曲線を調べた。重量減少が始まるon−set点を発泡開始温度とした。
押出成形による成形性を調べるため、フィルム状発泡性組成物を厚さ3mmの板になるようにプレス機(TOYOSEIKI製、Mini TEST PRESS−10)を用いてプレス成形した。この板を粉砕して粒状発泡性組成物サンプルBを得た。粒状発泡性組成物をLABO PLASTOMILL(TOYOSEIKI製、MODEL 50C150)、単軸押出機(TOYOSEIKI製、D20−25ベント、)を用いて170℃の加温下で押出し、押出されてきたストランドを冷却固化後、カッティングし、ペレット状発泡性組成物を得た。このペレットの中に気泡等の異物がないか目視で評価し、異物がない場合を成形性良好、ある場合を不良と判定した。
微細発泡性を調べるため、ペレット状発泡性組成物を厚さ400μmの板になるようにプレス機(TOYOSEIKI製、Mini TEST PRESS−10)を用いてプレス成形した。この板状発泡組成物にメタルハライドランプ(アイグラフィック(株)製 紫外線硬化用マルチメタルランプM03−L31)を光源として、片面照射線量2000mJ/cm2で上下両面から紫外線照射した。紫外線照射した板状サンプルをプレス機(TOYOSEIKI製 Mini TEST PRESS−10)を用いて、当該積層サンプルに4MPaの圧力がかかる状態でプレス加熱して発泡処理した。加熱条件は110℃5分間、130℃5分間、150℃5分間、170℃5分間の4つの条件で行った。その後プレス板の冷却水導入部から冷却水を導入し、4MPaの圧力を維持した状態でプレス板温度が70℃になるまで冷却した。冷却後、プレス機から発泡体成形品を取り出した。得られた発泡体の発泡構造を評価するためにまず目視観察した。目視で気泡が見えて明らかに気泡径が10μmを超えるもの、および発泡処理後も発泡前と同様に透明なサンプルは発泡性不良と判定した。それ以外のサンプル、すなわち発泡後に不透明化したサンプルは、発泡体サンプルを液体窒素中で凍結割断し、発泡体断面上に白金蒸着処理を施し、この白金蒸着面を走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−510)を用いて断面構造を観察した。平均気泡径は、発泡樹脂層断面の観察画像(拡大倍率:3000倍)から無作為に100個の気泡を選び出し、それらの直径の平均とした。平均気泡径が10μm以下の場合を発泡性良好であるとし、10μmを超える場合は発泡性不良と判定した。加熱条件4条件のうち少なくとも一つ以上の条件で発泡性良好と判定されたものを微細発泡性良好と判定した。
実施例1の発泡性組成物の熱分解温度は187℃、発泡開始温度は77℃、成形性は良好、微細発泡性は良好であった。
<実施例2>
tert−ブチルメタクリレート/メタクリル酸メチル=40/60(重量比)のメタクリル共重合体の分解発泡性化合物を用いた以外は実施例1と同様に評価した。結果は、発泡性組成物の熱分解温度が187℃、発泡開始温度が87℃、成形性は良好、微細発泡性は良好であった。
<実施例3>
光酸発生剤としてビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロオクタンスルホネート(みどり化学製、BBI−110)を用いた以外は実施例1と同様に評価した。結果は、発泡性組成物の熱分解温度が187℃、発泡開始温度が78℃、成形性は良好、微細発泡性は良好であった。
<実施例4>
光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムパーフルオロブタンスルホネート(みどり化学製、TPS−109)を用いた以外は実施例1と同様に評価した。結果は、発泡性組成物の熱分解温度が198℃、発泡開始温度が79℃、成形性は良好、微細発泡性は良好であった。
<実施例5>
光酸発生剤としてN−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−1,8−ナフタルイミド(みどり化学製、NAI−105)を用いた以外は実施例1と同様に評価した。結果は、発泡性組成物の熱分解温度が217℃、発泡開始温度が82℃、成形性は良好、微細発泡性は良好であった。
<実施例6>
光酸発生剤としてジフェニル−4−メトキシフェニルスルホニウムパーフルオロブタンスルホネート(みどり化学製、MDS−109)を用いた以外は実施例1と同様に評価した。結果は、発泡性組成物の熱分解温度が229℃、発泡開始温度が76℃、成形性は良好、微細発泡性は良好であった。
<実施例7>
光酸発生剤としてN−トリフルオロメチルスルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド(みどり化学製、NDI−109)を用いた以外は実施例1と同様に評価した。結果は、発泡性組成物の熱分解温度が193℃、発泡開始温度が102℃、成形性は良好、微細発泡性は良好であった。
<比較例1>
光酸発生剤としてジフェニルヨードニウムパーフルオロメチルスルホネート(みどり化学製、DPI−109)を用いた以外は実施例1と同様に評価した。結果は、発泡性組成物の熱分解温度が175℃、発泡開始温度が76℃、成形性はペレット内部に気泡が混在しており不良であった。発泡体は、成形時に混入したと思われる一部100μmを大きく超える気泡と0.5μm程度の微細気泡が存在しており、微細発泡性は不良であった。
<比較例2>
光酸発生剤としてN−パーフルオロメチルスルホニルオキシフタルイミド(みどり化学製、PI−109)を用いた以外は実施例1と同様に評価した。結果は、発泡性組成物の熱分解温度が139℃であった。発泡性組成物のフィルム化で130℃1hr加熱の際に発泡性組成物が分解発泡したため、発泡開始温度は正しく測定できなかった。また、板状発泡性組成物へのプレス成形時に発泡してしまったため、成形性および微細発泡性の評価ができなかった。このような状況から、発泡開始温度は不明、成形性は不良、微細発泡性は不明とした。
<比較例3>
光酸発生剤としてビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトシレート(みどり化学製、BBI−201)を用いた以外は実施例1と同様に評価した。結果は、発泡性組成物の熱分解温度が212℃、発泡開始温度が144℃、成形性良好、微細発泡性は不良であった。
<比較例4>
光酸発生剤としてビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート(みどり化学製、BBI−106)を用いた以外は実施例1と同様に評価した。結果は、発泡性組成物の熱分解温度が230℃、発泡開始温度が159℃、成形性良好、微細発泡性は不良であった。
<比較例5>
光酸発生剤としてジフェニルヨードニウムトシレート(みどり化学製、DPI−106)を用いた以外は実施例1と同様に評価した。結果は、発泡性組成物の熱分解温度が201℃、発泡開始温度が138℃、成形性良好、微細発泡性は不良であった。
<比較例6>
光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムトシレート(みどり化学製、TPS−1000)を用いた以外は実施例1と同様に評価した。結果は、発泡性組成物の熱分解温度が235℃、発泡開始温度が132℃、成形性良好、微細発泡性は不良であった。
以上の結果を表1にまとめて示す。
Figure 2007146012
本発明により、光酸・塩基分解発泡法において、微細気泡発泡体の外観形状および発泡構造制御を容易に、安定して実施することができるようになる。とくに、気泡径10μm以下、さらには1μm以下の微細気泡発泡体において、所望の厚さ、形状及び発泡構造を有する微細気泡発泡体の発泡構造制御及び形状制御を容易に、安定的に達成できる。またそれにより得られた従来にはない高機能性微細気泡発泡体により、力学強度の低下を抑制する効果、射出成形等の成型加工品のヒケ・ソリの低減効果、及び寸法安定性の向上効果に加えて、発泡体の光反射散乱特性、誘電特性、及び断熱特性などを自在に制御された素材を容易に生み出すことができる。包装材料や建築材料、医療材料、電気機器材料、電子情報材料、自動車材料などさまざまな分野に大きな寄与を与える。

Claims (7)

  1. 活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤を含有し、さらに、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する分解発泡性化合物を含有する発泡性組成物であって、当該発泡性組成物の熱分解温度が180℃以上であって、かつ発泡開始温度が130℃以下である押出成形用または射出成形用の発泡性組成物。
  2. 該分解発泡性化合物がアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの共重合体である請求項1に記載の発泡性組成物。
  3. 該酸発生剤がジアリルヨードニウムのヘキサフルオロフォスフェートまたはヘキサフルオロアンチモネート塩化合物である請求項1または請求項2に記載の発泡性組成物。
  4. 該酸発生剤が芳香環に置換基を有するジアリルヨードニウムのパーフルオロアルキルスルホネート、ヘキサフルオロフォスフェートまたはヘキサフルオロアンチモネート塩化合物である請求項1または請求項2に記載の発泡性組成物。
  5. 該酸発生剤がトリアリルスルホニウムのパーフルオロアルキルスルホネート、ヘキサフルオロフォスフェートまたはヘキサフルオロアンチモネート塩化合物である請求項1または請求項2に記載の発泡性組成物。
  6. 該酸発生剤が芳香環に置換基を有するトリアリルスルホニウムのパーフルオロアルキルスルホネート、ヘキサフルオロフォスフェートまたはヘキサフルオロアンチモネート塩化合物である請求項1または請求項2に記載の発泡性組成物。
  7. 該酸発生剤がパーフルオロアルキルスルホネート基を有する環状イミド化合物である請求項1または請求項2に記載の発泡性組成物。
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