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JP2004203384A - 車両用運転操作補助装置 - Google Patents

車両用運転操作補助装置 Download PDF

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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Abstract

【課題】
運転者の操作を将来の走行環境に応じて適切にアシストできるような車両用運転操作補助装置を提供する。
【解決手段】
レーザレーダ10,前方カメラ20,後側方カメラ21および車速センサ30によって、車両状態および車両周囲の走行環境を検出する。コントローラ20は、検出された車両状態、走行環境から、車両もしくは車両周囲の走行環境の将来を予測し、将来において必要な運転操作量、例えば操舵反力を推定する。操舵反力制御装置60は、必要な操舵反力となるようにサーボモータ61を制御し、運転者の操作を補助する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置に関する。
従来の車両用運転操作補助装置では、車両周囲の状況(障害物)を検出し、その時点における潜在的危険度合を求めている(例えば特許文献1参照)。この装置は、操舵補助トルクを制御することにより、適切でない状況へ至ろうとする操舵操作を抑制する。
本願発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。

特開平10−211886号公報
しかしながら、上述したような車両用運転操作補助装置では、適切でない状況での操作の禁止を促すものであり、運転者の操作を積極的にアシストし、より適切な方向へ誘導することはできなかった。
本発明は、運転者の操作を将来の走行環境に応じて適切にアシストできるような車両用運転操作補助装置を提供することを目的とする。
本発明による車両用運転操作補助装置は、以下のようにして上記目的を達成する。
本発明による車両用運転操作補助装置は、車両状態および車両周囲の走行環境を検出する状況認識手段と、状況認識手段の検出状況から、自車両が自車両周囲の障害物に衝突する衝突可能性を示すハザードマップを作成するハザードマップ作成手段と、所定時間経過した時点での将来のハザードマップを予測するハザードマップ予測手段と、現在のハザードマップと将来のハザードマップとの変化を検出する変化検出手段と、変化検出手段によって検出されるハザードマップの変化に基づいて、衝突可能性が極小となるために必要な運転操作量を推定する必要操作量推定手段と、必要な運転操作量を実現するために、運転者の運転操作を促すように車両機器の動作を制御する操作量制御手段とを備える。
本発明によれば、車両周囲の走行環境を認識し、現在のハザードマップと将来のハザードマップとの変化に基づいて必要な運転操作量を推定し、運転者にその運転操作を促すべく、車両機器の動作を制御する構成としているため、現在及び将来予測される状況に応じて、より適切な操作量となる運転者の操作へと導くようにアシストすることが可能となる。
《第1の実施の形態》
図1は、本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の構成を示すシステム図であり、図3は、車両用運転操作補助装置1を搭載する車両の構成図である。
まず、構成を説明する。状況認識手段であるレーザレーダ10は、車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられ、水平方向にスキャンしながら赤外光パルスを伝播し、前方にある複数の反射物(通常、前方車の後端)で反射された反射波を計測し、反射波の到達時間より、複数の前方車までの車間距離とその存在方向を検出し、検出した車間距離及び方向をコントローラ50へ出力する。レーザレーダ10によりスキャンされる前方の領域は、自車正面に対して±6deg 程度であり、この範囲内に存在する前方物体が検出される。
状況認識手段たる前方カメラ20は、フロントウィンドウ上部に取り付けられた小型のCCDカメラ、もしくは、CMOSカメラ等であり、前方道路の状況を画像として検出し、コントローラ50へと出力する。この前方カメラ20による検知領域は水平方向に±30deg程度であり、この領域に含まれる前方道路風景が取り込まれる。
状況認識手段たる後側方カメラ21は、リアウィンドウ上部の左右端付近に取り付けられた2つの小型のCCDカメラ、もしくは、CMOSカメラ等であり、自車後方の道路,特に隣接車線上の状況を画像として検出し、将来状況予測手段及び必要操作量推定手段たるコントローラ50へと出力する。状況認識手段たる車速センサ30は、自車の走行車速を車輪の回転数などから検出し、コントローラ50へと出力する。
コントローラ50は、車速センサ30からの自車速と、レーザレーダ10からの車間距離入力、前方カメラ20,後側方カメラ21からの画像入力から、自車前方に走行する他車両までの車間距離、及び、隣接車線を後方から接近する他車両の有無と接近度合、車線識別線(白線)に対する自車両の左右位置と角度などを算出し、現在の自車の走行状況を推定する。さらにその走行状況が将来どのように変化するかを推定して、制御を行う。
制御の内容は、現在および将来の走行状況から、望ましい自車の走行軌跡を推定し、その軌跡を実現するために必要となる操舵角を算出し、さらにその操舵角を実現するための操舵反力特性を算出して、操作量制御手段たる操舵反力制御装置60へと出力する。
操舵反力制御装置60は、車両の操舵系に組み込まれ、反力を制御するサーボモータ61で発生させるトルクを制御する。サーボモータ61では操舵反力制御装置60の指令値に応じて、発生させるトルクを制御してドライバがハンドルを操作する際に発生する操舵反力を任意に制御することができる。
次に作用を説明する。概略の作用としては、以下の通りである。
コントローラ50により、自車前方や後側方に存在する他車両の相対位置やその移動方向と、自車の走行車速、および、自車の車線識別線(白線)に対する相対位置といった走行状況を認識し、さらにその走行状況が将来どのように変化するかを推定して、その中で最適となるような自車の軌跡を求め、その軌跡に沿って走行するために最適操舵角を求め、操舵反力制御装置60へと指令値を出力する。操舵反力装置60は、指令値を受けてサーボモータ61を制御することにより操舵反力特性を変更し、ドライバの実際の操舵角を最適操舵角に促すように制御する。
このような操舵反力制御を行う中で、どのように操舵反力特性指令値を決定するかについて、図5のフローチャートを用いて、コントローラ50での処理内容を説明する。本処理内容は、一定間隔(例えば50msec)ごとに連続的に行われる。
−コントローラ50の処理フロー(図5)−
まず、ステップS110で走行状態を読み込む。ここでは、レーザレーダ10により検出される前方走行車までの車間距離や相対角度、前方カメラ20による自車に対する白線の相対位置(左右方向の変位と相対角度)、後側方カメラ21による隣接車線後方に存在する走行車両の相対位置、車速センサ30による自車の走行車速などを読み込む。
続いて、読み込まれた走行状態データより、ステップS120で現在の車両周囲状況を認識する。ここでは、前回の処理周期以前に検出され、記憶されている他車両の相対位置やその移動方向・速度と、ステップS110で得られた現在の走行状態データより、現在の各他車両の相対位置やその移動方向・速度を認識し、自車の走行に対して障害物となる他車両が、自車の周囲にどう配置されるかを記述する現在のハザードマップを求める。
このハザードマップは、自車位置を原点として衝突可能性の分布を記述した2次元のマップである。ある他車両が存在する場合、その他車両による衝突可能性は、他車両の存在位置を極大として、そこからの距離が遠くなるほど同心円的に衝突可能性が小さくなるようなものとする。例えば、他車両中心からの距離あるいは距離の二乗に反比例するように設定する。また、衝突可能性による同心円の形状は全ての方向に均等ではなく、その時の他車両の相対的な移動方向に相対的な移動速度の大きさに応じて広げられるように設定される。すなわち、他車両の進行方向に引き延ばされた同心円の形状となる。また、複数の他車両が存在する場合、それらによる衝突可能性の値は足し合わされて計算される。
衝突可能性は、他車両だけにより定義されるのではなく、前方カメラ20により認識された白線の相対位置情報によって求められる、走行している車線形状によっても定義される。この白線による衝突可能性は、自車の走行する車線領域が低く、隣接車線、あるいは、路肩は高い値となるように設定される。白線による衝突可能性と前述した他車両による衝突可能性はそれぞれ別の重み付けを持って足し合わされて、最終的な衝突可能性の分布を記述したハザードマップを定義する。ここで、他車両による衝突可能性の重み付けは、白線による衝突可能性の重み付けよりも小さく設定する。
現在(時刻t=0)におけるハザードマップの例を図6に示す。道路上の濃度値が濃い(黒い)部分ほど、高い衝突可能性を示している。この例では、3車線道路の中央車線を走行中に、同一車線の前方に接近してくる(自車よりも遅い)他車両が1台、左隣接車線に自車よりも遅い他車両が1台、右隣接車線に自車よりも速い他車両が1台それぞれ示されている。この現在の状況だけで見ると、自車前方の車両との距離にはまだ余裕があるが、左右の隣接車線には車線変更をする余裕がないことが分かる。
現在の車両周囲の状況(ハザードマップ)を認識した後、ステップS130では、認識されたハザードマップの将来予測を行う。これは、現在の他車両の相対位置と移動方向・速度で、ある予測時間だけ経過した時点でのハザードマップの状況を予測する。また、予測時間は比較的小さい値から所定時間まで複数の値について計算し、時間と共にハザードマップがどのように変化するかを求める。予測時間としては、例えば制御処理周期ごとに5秒先までの変化を求めれば良い。
ある時刻t=Tにおけるハザードマップの例を図7に示す。この時点では、自車前方の車両との余裕が小さくなり、依然として右側隣接車線との余裕はないままであるが、左側隣接車線の余裕が大きくなって、車線変更が可能であることが分かる。
続いて、ステップS140では求められた将来のハザードマップの変化予測から、各時点での最適経路を算出する。ここでの最適経路は、各時点でのハザードマップにおける自車位置(原点)の衝突可能性が極小となり、かつ、急な操舵を行わないように、その経路を実現するために必要となる車両の横加速度やヨー角速度の値と変化量が所定範囲内であるように求められる。また、本発明の第1の実施の形態では、操舵反力特性の制御を行うが、アクセルやブレーキペダルへの制御を行わないため、自車の走行車速は現在のままで一定であると仮定し、操舵角の変化だけにより得られる最適経路を算出する。求めた最適経路の例を図6,図7に点線で示す。
ステップS150では、求められた最適経路を実現するために各時刻において必要な最適操舵角δ*(t)と、その時の操舵反力特性を求める。まず、最適操舵角δ*は、求められた最適経路と、車両の操舵特性を逆計算することにより求められる。具体的な最適操舵角δ*の変化の例を図8に示す。また、ドライバの操作する実際の操舵角をこの最適操舵角δ*に導くため、操舵反力特性を変更することとなる。操舵反力特性の例を図9に示す。この特性は、最適操舵角δ*付近で操舵反力FSをほぼゼロとし、その左右でそれぞれの傾きKSL,KSRを持った反力特性とする。
ここで、左右の傾きKSL,KSRは、ステップS130で求めたハザードマップの最適経路の周囲の衝突可能性の傾きに応じて設定する。すなわち、最適経路から左右どちらかにずれた場合に衝突可能性の値が急変する場合には、その急変する度合に応じて傾きの大きさを設定する。このことにより、最適経路をどれくらいきちんとトレースしなければならないかをドライバに知覚させることが可能となる。
最後に、ステップS160で求められた最適操舵角δ*と操舵反力特性を操舵反力制御装置60へと出力し、今回の処理を終了する。
以上のような処理により、コントローラ50により、自車前方や後側方に存在する他車両の相対位置やその移動方向と、自車の走行車速、および、自車の車線識別線(白線)に対する相対位置といった走行状況を認識し、さらにその走行状況が将来どのように変化するかを推定して、その中で最適となるような自車の軌跡を求め、その軌跡に沿って走行するために必要な最適操舵角が求められる。また、操舵反力装置60は、指令値を受けてサーボモータ61を制御することにより操舵反力特性を変更し、ドライバの実際の操舵角を最適操舵角に促すように制御する。ドライバにとってみれば、現在の自車両周囲の状況と、将来の予測から求められた最適な操舵角になるように、操舵反力が自然と導くこととなるため、システムに導かれるまま操舵反力が小さくなるように自ら操舵することにより、現在および将来の衝突可能性がより小さい適切な経路を走行することを促される。
《第2の実施の形態》
図2は、本発明の第2の実施の形態である車両用運転操作補助装置2の構成を示すシステム図であり、図4は車両用運転操作補助装置2を搭載する車両の構成図である。
まず、構成を説明する。レーザレーダ10は、車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられ、水平方向にスキャンしながら赤外光パルスを伝播し、前方にある複数の反射物(通常、前方車の後端)で反射された反射波を計測し、反射波の到達時間より、複数の前方車までの車間距離とその存在方向を検出し、検出した車間距離及び方向をコントローラ50へ出力する。レーザレーダ10によりスキャンされる前方の領域は、自車正面に対して±6deg程度であり、この範囲内に存在する前方物体が検出される。
前方カメラ20は、フロントウィンドウ上部に取り付けられた小型のCCDカメラ、もしくは、CMOSカメラ等であり、前方道路の状況を画像として検出し、コントローラ50へと出力する。この前方カメラ20による検知領域は水平方向に±30deg程度であり、この領域に含まれる前方道路風景が取り込まれる。車速センサ30は、自車の走行車速を車輪の回転数などから検出し、コントローラ50へと出力する。
コントローラ50は、車速センサ30からの自車速と、レーザレーダ10からの車間距離入力、前方カメラ20からの画像入力から、自車前方に走行する先行車両までの車間距離などを算出し、現在の自車の走行状況を推定する。さらにその走行状況が将来どのように変化するかを推定して、制御を行う。
制御の内容は、現在および将来の走行状況から、望ましい自車の走行軌跡(車速パターン)を推定し、その軌跡を実現するために必要となるアクセルペダル,ブレーキペダルの操作量を算出し、さらにその操作量を実現するためのアクセルペダル,ブレーキペダル反力特性を算出して、アクセルペダル反力制御装置80,ブレーキペダル反力制御装置90へと出力する。
アクセルペダル反力制御装置80は、図17に示すようにアクセルペダル82のリンク機構に組み込まれたサーボモータ81で発生させるトルクを制御する。サーボモータ81ではアクセルペダル反力制御装置80の指令値に応じて、発生させる反力を制御してドライバがアクセルペダル82を操作する際に発生する踏力を任意に制御することができる。
ブレーキペダル反力制御装置90は、ブレーキブースタ91で発生させるブレーキアシスト力を制御する。ブレーキブースタ91ではブレーキペダル反力制御装置90の指令値に応じて、発生させるブレーキアシスト力を制御してドライバがブレーキペダル92を操作する際に発生する踏力を任意に制御することができる。
次に作用を説明する。概略の作用としては、以下の通りである。
コントローラ50により、自車走行車線上の前方に存在する先行車両の相対位置と、自車の走行車速といった走行状況を認識し、さらにその走行状況が将来どのように変化するかを推定して、その中で最適となるような自車の走行軌跡(車速パターン)を求め、その軌跡に沿って走行するために最適なアクセル,ブレーキペダル操作量を求め、アクセルペダル反力制御装置80,ブレーキペダル反力制御装置90へと指令値を出力する。アクセルペダル反力制御装置80,ブレーキペダル反力制御装置90は、それぞれ指令値を受けてサーボモータ81もしくはブレーキブースタ91を制御することによりアクセル,ブレーキペダル反力特性を変更し、ドライバの実際のアクセル,ブレーキペダル操作量を最適値に促すように制御する。
このような反力制御を行う中で、どのように反力特性指令値を決定するかについて、図10のフローチャートを用いて、コントローラ50での処理内容を説明する。本処理内容は、一定間隔(例えば50msec)ごとに連続的に行われる。
−コントローラ50の処理フロー(図10)−
まず、ステップS210で走行状態を読み込む。ここでは、レーザレーダ10により検出される前方走行車までの車間距離や相対角度、前方カメラ20による自車に対する白線の相対位置(左右方向の変位と相対角度)、車速センサ30による自車の走行車速などを読み込む。また、白線の相対位置関係と前方走行車の相対位置関係から、レーザレーダ10で検出される前方走行車のうち、自車線上に存在するものだけを制御対象となる先行車として検出する。
続いて、読み込まれた走行状態データより、ステップS220で現在の車両周囲状況を認識する。ここでは、前回の処理周期以前に検出され、記憶されている先行車両の相対位置やその移動速度と、ステップS210で得られた現在の走行状態データより、現在の先行車両の相対位置やその移動速度を認識し、自車の走行に対して障害物となる先行車両による衝突可能性を記述する現在のハザードマップを求める。
このハザードマップは、自車位置を原点として自車の前後進行方向への相対距離に応じた、衝突可能性の分布を記述した1次元のマップである。先行車両が存在する場合衝突可能性は、先行車両の存在位置を極大として、そこからの距離が遠くなるほど同心円的に衝突可能性が小さくなるようなものとする。例えば、先行車両中心からの距離あるいは距離の二乗に反比例するように設定する。
現在(時刻t=0)におけるハザードマップの例を図11に示す。道路上の濃度値が濃い(黒い)部分ほど、高い衝突可能性を示している。この例では、同一車線の前方に接近してくる(自車よりも遅い)先行車両が1台示されている。この現在の状況だけで見ると、自車前方の車両との距離にはまだ余裕があることが分かる。
現在の車両周囲の状況(ハザードマップ)を認識した後、ステップS230では、認識されたハザードマップの将来予測を行う。これは、現在の他車両の相対位置と移動方向・速度で、ある予測時間だけ経過した時点でのハザードマップの状況を予測する。また、予測時間は比較的小さい値から所定時間まで複数の値について計算し、時間と共にハザードマップがどのように変化するかを求める。予測時間としては、例えば制御処理周期ごとに5秒先までの変化を求めれば良い。ある時刻t=Tにおけるハザードマップの例を図12に示す。この時点では、自車前方の車両との余裕が小さくなっていることが分かる。
続いて、ステップS240では求められた将来のハザードマップの変化予測から、各時点での最適経路を算出する。ここでの最適経路は、各時点でのハザードマップにおける自車位置(原点)の衝突可能性が極小となり、かつ、急な加減速を行わないように、その経路を実現するために必要となる車両の前後加速度の値と変化量が所定範囲内であるように求められる。また、本発明の第2の実施の形態では、アクセル,ブレーキペダル反力特性の制御は行うが、ハンドルへの制御を行わないため、自車は現在の走行車線を維持したままであると仮定し、車速の変化だけにより得られる最適経路を算出する。
ステップS250では、求められた最適経路を実現するために各時刻において必要な最適車速パターンV*(t)と、最適なペダル操作量θA*,θB*、および、その時のペダル反力特性を求める。まず、最適車速V*は、求められた最適経路からそれを実現するために必要な車速を計算することにより求められる。具体的な最適車速V*の変化の例を図13に示す。この車速パターンを実現するために必要な、最適アクセル操作量θA*,最適ブレーキ操作量θB*の例を図14に示す。この例では、まず、緩減速が必要な時刻T1〜T2で最適アクセル操作量θA*を漸減させ、その後、時刻T2〜T3でより減速するために最適ブレーキ操作量θB*を適切に制御し、最後に先行車両の車速に調整して安定して追従するように時刻T3〜T4で最適アクセル操作量θA*を調整する。
また、ドライバの操作する実際のペダル操作を各最適アクセル操作量θA*,最適ブレーキ操作量θB*に導くため、アクセルペダルとブレーキペダルの反力特性を変更することとなる。
アクセルペダル反力特性の例を図15に示す。この特性は、最適アクセル操作量θA*付近でアクセルペダル反力FAが小さくなるようなくぼみを作り、その前後でそれぞれの傾きKAF,KABを持った反力特性とする。ここで、前後の傾きKAF,KABは、通常のアクセルペダルにおける反力特性の傾きKAOを基準として、相対的な差が、ステップS230で求めたハザードマップの衝突可能性の傾きに応じて変化するように設定する。すなわち、前後どちらかにずれた場合に衝突可能性の値が急変する場合にはその急変する度合に応じて傾きの大きさを設定する。このことにより、最適経路をどれくらいきちんとトレースしなければならないかをドライバに知覚させることが可能となる。
ブレーキペダル反力特性の例を図16に示す。この特性は、最適ブレーキ操作量θB*付近でブレーキペダル反力FBが小さくなるようなくぼみを作り、その前後でそれぞれの傾きKBF,KBBを持った反力特性とする。ここで、前後の傾きKBF,KBBは、ステップS230で求めたハザードマップの衝突可能性の傾きに応じて変化するように設定する。すなわち、前後どちらかにずれた場合に衝突可能性の値が急変する場合には、その急変する度合に応じて傾きの大きさを設定する。このことにより、最適経路をどれくらいきちんとトレースしなければならないかをドライバに知覚させることが可能となる。
最後に、ステップS260で求められた最適アクセル操作量θA*とアクセルペダル反力特性をアクセルペダル反力制御装置80へ、最適ブレーキ操作量θB*とブレーキペダル反力特性をブレーキペダル反力制御装置90へとそれぞれ出力し、今回の処理を終了する。
以上のような処理により、コントローラ50により、自車前方に存在する先行車両の相対位置やその移動速度と、自車の走行車速といった走行状況を認識し、さらにその走行状況が将来どのように変化するかを推定して、その中で最適となるような自車の軌跡(車速パターン)を求め、その軌跡に沿って走行するために必要な最適ペダル操作量が求められる。また、アクセルペダル反力制御装置80とブレーキペダル反力制御装置90は、指令値を受けてそれぞれサーボモータ81とブレーキブースタ91を制御することによりペダル反力特性を変更し、ドライバの実際のペダル操作量を最適ペダル操作量に促すように制御する。ドライバにとってみれば、現在の自車両周囲の状況と、将来の予測から求められた最適なペダル操作となるように、ペダルの踏力が自然と導くこととなるため、システムに導かれるまま自らペダル操作することにより、現在および将来の衝突可能性がより小さい適切な車速パターンで走行することを促される。
本発明による第1の実施の形態のシステム図 本発明による第2の実施の形態のシステム図 本発明による第1の実施の形態の構成図 本発明による第2の実施の形態の構成図 第1の実施の形態の作用を示すフローチャート 第1の実施の形態の作用を示す説明図 第1の実施の形態の作用を示す説明図 第1の実施の形態の作用を示す説明図 第1の実施の形態の作用を示す説明図 第2の実施の形態の作用を示すフローチャート 第2の実施の形態の作用を示す説明図 第2の実施の形態の作用を示す説明図 第2の実施の形態の作用を示す説明図 第2の実施の形態の作用を示す説明図 第2の実施の形態の作用を示す説明図 第2の実施の形態の作用を示す説明図 第2の実施の形態の構成の一部を示す説明図
符号の説明
10:レーザレーダ
20:前方カメラ
21:後側方カメラ
30:車速センサ
50:コントローラ
60:操舵反力制御装置
80:アクセルペダル反力制御装置
90:ブレーキペダル反力制御装置

Claims (6)

  1. 車両状態および車両周囲の走行環境を検出する状況認識手段と、
    前記状況認識手段の検出状況から、自車両が自車両周囲の障害物に衝突する衝突可能性を示すハザードマップを作成するハザードマップ作成手段と、
    所定時間経過した時点での将来のハザードマップを予測するハザードマップ予測手段と、
    現在のハザードマップと前記将来のハザードマップとの変化を検出する変化検出手段と、
    前記変化検出手段によって検出される前記ハザードマップの変化に基づいて、前記衝突可能性が極小となるために必要な運転操作量を推定する必要操作量推定手段と、
    前記必要な運転操作量を実現するために、運転者の運転操作を促すように車両機器の動作を制御する操作量制御手段とを備えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  2. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記状況認識手段は、自車速および他車両までの車間距離と相対速度を検出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記ハザードマップ作成手段は、前記自車両と他車両との相対位置関係に基づいて、前記衝突可能性を表すことを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記操作量制御手段は、ハンドルの操舵反力を調整することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記操作量制御手段は、アクセルペダルの反力を調整することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  6. 請求項1から請求項3,請求項5のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記操作量制御手段は、ブレーキペダルの反力を調整することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
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