JP2004017702A - 駐車アシスト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者に誤解を与えることなく、これから行うべきステアリング操作を容易に連想させることが可能な駐車アシスト装置を提供すること。
【解決手段】駐車領域を検出する駐車領域検出手段と、検出された駐車領域への自車両の駐車目標軌跡を算出する駐車目標軌跡算出手段と、ステアリングの操舵角を検出する操舵角検出手段と、検出された操舵角から前記駐車領域への駐車予想軌跡を算出する駐車予想軌跡算出手段と、前記駐車目標軌跡及び前記駐車予想軌跡を運転者に重畳表示する駐車軌跡表示手段とを備えた駐車アシスト装置であって、前記駐車軌跡表示手段は、前記駐車予想軌跡の、前記駐車目標軌跡に対する車幅方向にはみ出した部分を削除して表示することとした。
【選択図】 図6
【解決手段】駐車領域を検出する駐車領域検出手段と、検出された駐車領域への自車両の駐車目標軌跡を算出する駐車目標軌跡算出手段と、ステアリングの操舵角を検出する操舵角検出手段と、検出された操舵角から前記駐車領域への駐車予想軌跡を算出する駐車予想軌跡算出手段と、前記駐車目標軌跡及び前記駐車予想軌跡を運転者に重畳表示する駐車軌跡表示手段とを備えた駐車アシスト装置であって、前記駐車軌跡表示手段は、前記駐車予想軌跡の、前記駐車目標軌跡に対する車幅方向にはみ出した部分を削除して表示することとした。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駐車時のアシスト装置に関し、特に駐車目標軌跡に駐車予想軌跡を重ねて表示する駐車アシスト装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、特開2001−180403号公報には、目標駐車スペースをモニタ等に表示し、更に、駐車予想軌跡を重ねて表示する際、駐車予想軌跡の長さ方向を目標駐車スペースにぴったりと収まるように調整する技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、駐車予想軌跡の長さ方向を短くしすぎると、操舵の方向が画面上つかみにくくなり、運転者に現在行うべき操作を連想させることが困難であるという問題があった。
【0004】
本発明は、上述の課題に鑑み、運転者に誤解を与えることなく、これから行うべきステアリング操作を容易に連想させることが可能な駐車アシスト装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願発明では、駐車領域を検出する駐車領域検出手段と、検出された駐車領域への自車両の駐車目標軌跡を算出する駐車目標軌跡算出手段と、ステアリングの操舵角を検出する操舵角検出手段と、検出された操舵角から前記駐車領域への駐車予想軌跡を算出する駐車予想軌跡算出手段と、前記駐車目標軌跡及び前記駐車予想軌跡を運転者に重畳表示する駐車軌跡表示手段とを備えた駐車アシスト装置であって、前記駐車軌跡表示手段は、前記駐車予想軌跡の、前記駐車目標軌跡に対する車幅方向にはみ出した部分を削除して表示することで上記課題を解決するに至った。
【0006】
【発明の作用】
本願発明にあっては、駐車目標軌跡と駐車予想軌跡とをモニタ上に重畳表示する際、駐車予想軌跡が駐車目標軌跡に対して車幅方向にはみ出した部分を削除して表示することで、駐車目標軌跡が曲線の場合であっても、自車両の駐車予想軌跡が駐車目標軌跡から逸脱して表示されることがなく、駐車領域から逸してしまうという誤解を運転者に与えることを防止することができる。更に駐車予想軌跡の長さを維持することで、運転者にこれから行うべきステアリング操作を容易に連想させることが可能となり、運転者の負担を軽減することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における駐車アシスト装置の実施形態について実施例をもとに説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0008】
(第1実施例)
図1は本発明の第1実施例における基本構成を示す概略図である。
駐車アシスト装置は自車の本体内に搭載され、自車から周囲の物体までの距離を検出する距離センサ21と、ハンドル切れ角とハンドルの操作方向を検出するステアリングセンサ22と、自車の速度を検出する車速センサ23と、シフトレバーに設置され、後進位置にシフトレバーが位置しているか否かで自車の前後進を検出する前進後退検出装置24と、距離センサ21,ステアリングセンサ22,車速センサ23及び前進後退検出装置24から供給された検出値に基づいて駐車領域を検出する処理装置25と、検出された駐車可能領域と自車位置の相対的な位置関係を表示する表示手段26と、表示内容を補足する信号音や音声を発信する発音装置27と、入力手段28と、CCD等による撮像手段29とを備えている。
【0009】
距離センサ21は、図2に示すように自車の左右両側の後端部に設けられ、例えば超音波センサで構成される。超音波センサは、超音波パルス送信器と、物体で反射してきた超音波パルスを受信する受信器を有している。これらの送受信機によって、超音波の伝搬時間を測定し、該伝搬時間により距離を測定する。超音波センサは、実施例の場合、検知エリアが水平方向に最大±約6度の広がりがあり、最大検知エリアである地点においては±約38cmと検知範囲に広がりを持っている。このため、検知した物体はセンサより水平方向に右側または左側にあるものが検知される。実施例において車両の左右両側の後端部に取り付けた場合、車両前方を左側とすると、前方又は後方にある遮蔽物もこの範囲であれば検知される。
【0010】
ステアリングセンサ22は、ステアリング操作量、つまりステアリングの移動量と、その方向を検出する。このステアリング操作量から左右へ操舵角を何度操作したかを判断する。供給される操作量としては、直進状態のステアリングの位置を0として、右に操作した場合を+、左に操作した場合を−とし、移動量を数値で表す。例えば、+150の検出値が供給された場合には、右に150度操作したことを示す。
【0011】
車速センサ23は、車速パルスを出力し、この車速パルスを計測することで、自車の移動距離が計算される。処理装置25は、中央処理装置CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備えている。ROMには、上記各センサから供給された各種値に基づき駐車可能領域を検出して、自車位置と駐車可能領域の相対的な位置を計算するプログラム、車両情報に基づいて算出される自車の移動軌跡を演算するプログラム、さらに本装置が搭載される車両の情報などが記憶されている。この車両情報は、車両の旋回性能を確定するための情報で、車両の長さ、車両の幅、ホイールベース、ドレッド長、最大舵角などが含まれる。RAMは、ワーキングエリアとして用いられ、処理の結果検出された車両可動領域、駐車可能領域や移動軌跡等を記憶する。
【0012】
表示手段26は、例えば、CRTディスプレイ又は液晶画面で構成され、計算の結果得られた駐車可能領域と自車の相対的な位置関係が表示され、また自車の移動軌跡が同時に表示される。
【0013】
発音装置27は、スピーカを有し、表示手段26に表示される位置情報を表す視覚情報や、該視覚情報を細くする聴覚情報が発せられる。
【0014】
入力手段28は、駐車アシスト装置作動スイッチや、縦列駐車・並列駐車を切り換えるためのスイッチである。このスイッチは、表示手段26の画面上に貼り付けられたタッチパネルや、無線又は有線によるリモートコントロール装置としてもよい。
【0015】
撮像手段29は自車の左右両側の後端部に設置されており、CCD等のカメラで周囲の画像を撮像し、表示手段26上に処理装置25により演算された結果に重ねてスーパーインポーズ表示を行うためのデータを取得するためのものである。
【0016】
〔並列駐車時制御〕
並列駐車の場合について説明する。図23に示すように並列駐車の場合は、一回のステアリングの切り返しを行うため、一回目のステアリング操作開始位置を最大操舵角開始位置とする。以下、並列駐車時制御について図3に示すフローチャートについて説明する。
【0017】
ステップ101では、駐車可能領域を検出する。
【0018】
ステップ102では、後退開始音声を発生する。
【0019】
ステップ103では、後退開始を検知する。
【0020】
ステップ104では、最大操舵角開始位置を通過したかどうかを判断し、通過していればステップ105へ進み、通過していなければ最大操舵角開始位置を通過するまでステップ104を繰り返す。
【0021】
ステップ105では、最大操舵角開始位置通過音声を発生する。
【0022】
ステップ106では、最大操舵角終了位置を通過したかどうかを判断し、通過していればステップ107へ進み、通過していなければ最大操舵角終了位置を通過するまでステップ106を繰り返す。
【0023】
ステップ107では、最大操舵角終了位置通過音声を発生する。
【0024】
ステップ108では、停止位置を通過したかどうかを判断し、通過していればステップ109へ進み、通過していなければ通過するまでステップ108を繰り返す。
【0025】
ステップ109では、停止位置音声を発生する。
【0026】
上記駐車アシスト制御の動作について、図4に示す並列駐車の場合に基づいて説明する。図4に示すように、例えば、自車3が数台の車31,32が駐車されている駐車場に進入して駐車をする場合を想定して説明する。駐車場に入った時点で、リモートコントロール装置などの入力手段28により作動開始を指示する。以降、左側後方の並列駐車の場合を説明する。
【0027】
距離センサ21を作動させながら駐車車両31,32の前を走行させ、車速センサ23により移動距離を測る。これにより、距離センサ21で周辺の状況に関するデータ(例えば、駐車車両までの距離、駐車車両間の距離など)を取得する(ステップ101)。
【0028】
検出する駐車枠の条件を並列駐車の場合の図22を例に説明する。移動しながら反射のあった領域の終了点を始点にする。そして、車幅39に乗員乗り降りスペース38の2倍を足したものから距離センサ21の探査範囲の片側の広がり幅36の2倍を引いたものを基準とする。これを満たす長さ37分反射物がない場合は駐車枠が存在すると考える。
【0029】
35は距離センサの検知領域の広がり幅を図示上必要な部分のみ記述したものである。図22に示すように、距離センサ21は車32を通り過ぎても距離センサ検知広がり幅36の距離まで検知し続け、また、車31の距離センサ検知広がり幅36分手前から車31を検知する。尚、駐車枠幅に加えて、ある一定距離範囲内に再度反射物を発見した場合は、それぞれの反射物の中心に駐車枠の中心がくるように計算を行うようにしても良い。
【0030】
所定距離前進後、後退開始音声が発生する(ステップ102)。この所定距離の長さは、ステップ104において後退を行う際に、運転者に転舵と同時に前進後進の切り替えを行う煩雑な操作を行わせないために意図的に無駄な長さを前進させる。この長さは任意であるが、運転者が別々の操作と認識できる長さであればよいので、徐行しながら10秒程度の距離であれば当初の目的は達成される。報知方法としては、発信音や音声などによって聴覚的に報知する場合、表示画面の背景色を変更させることによって報知してもよい。
【0031】
このとき、表示画面上では、図5に示すように、目標計算軌跡4および予測軌跡5が表示されている状態となる。
【0032】
目標計算軌跡4とは、一旦まっすぐに後退し、所定位置より最大操舵角を維持しつつ、自車3を移動させ、再び所定位置より真っ直ぐに後退した場合に、目標とされる車の車輪(又は、車の角部)が描く軌跡である。
【0033】
予測軌跡5とは、ステアリングセンサ22より算出された実操舵方向を図示したものであり、ステアリングを回すと、操舵輪の操舵角が変わり、この操舵角の変化に応じて表示されている予測軌跡5の形状も変化する。加えて、自車3を移動させれば、自車のシンボル3aは、予測軌跡5と一体となって画面内を移動する。ここで、駐車予想軌跡の長さをステアリング操作に関わらず維持して表示する。これにより、運転者にこれから行うべきステアリング操作を容易に連想させることが可能となり、運転者の負担を軽減することができる。
【0034】
また、予測軌跡5と目標計算軌跡4とは、それぞれ異なる表示方法をとることが望ましい。例えば、波線と実線、或いは表示されている色や線の太さを異にする、或いは、両軌跡の内、一方の軌跡を点滅させる等である。
【0035】
撮像手段29により取得した画像は、上方から撮像した画像になるように画像処理を施して歪みを除去し、目標計算軌跡4及び予測軌跡5に重ねて表示を行う。運転者はリアルタイムに画面に映し出される表示画面を参考にして自車3を運転操作する。このように、表示画面を参考にしながら自車3を操作することによって、駐車操作のために停止する位置が容易に把握できる。
【0036】
また、予測軌跡5及び周囲画像が表示されるので、自車の姿勢の挙動及び障害物が把握しやすく、障害物などと自車とを接触させ、ボディに傷を付けてしまうといったトラブルを抑制することができる。
【0037】
また、枠6は表示手段26のナビ画面の縁と見立てられるもので、実際表示されるのは枠6の内側である。それ以外のエリアは図示の関係上わかりやすくするために描かれている。
【0038】
ここで、目標計算軌跡4及び予測軌跡5の関係において、塗りつぶされた7の部分は目標計算軌跡4に対して、予測軌跡5がはみ出ている部分である。このはみ出ている部分は運転者に対して余剰な情報となり誤解を与える可能性があるため、実際には図6に示すように7の部分を削除して画像を作成する。この場合、幅方向の表示の制御が行われる。この状態においても、運転者は直進状態であることは容易に画像から認識できる。
【0039】
次に、シフトレバーが後進位置に位置するかどうかを判断する(ステップ103)。この判断は、前進後退検出装置24からの検出信号の有無で判断される。運転者は、自車3を停止させ、後進位置にシフトレバーをセットした後、ステアリングを中立の状態のまま後退を行う。
【0040】
そして、車速センサ23によって移動距離を算出し、後退移動距離が目標計算軌跡4の直線後退距離の長さと等しくなったのが確認される(ステップ104)と、最大舵角開始位置通過音声を発生させる(ステップ105)。運転者は、自車3を停止させ、最大舵角になるように操舵を行った後、ステアリングを固定して再び後退を開始する(図7)。
【0041】
図8は最大舵角操舵で後退している状態の画面である。このとき、図8の塗りつぶされた7の部分は、図5に示す場合と同様に、予測軌跡5が目標計算軌跡4からはみ出している部分である。実際は最大舵角操舵で操舵されたままの領域であるが、運転者は目標計算軌跡4から逸脱する可能性があると誤解し、舵を戻してしまう可能性がある。とりわけ円周の内側にはみ出す場合は運転者に誤解を与えやすい。よって、実際には図9に示すように7の部分を削除して画像を作成する。この場合も幅方向の表示に制御が行われる。この状態においても、運転者は最大舵角操舵中であることは容易に画像から認識できる。
【0042】
車速センサ23によって移動距離を算出し、最大舵角操舵での後退時の移動距離と、目標計算軌跡4の最大舵角操舵での後退距離の長さとが等しくなった時に(ステップ106)、最大舵角終了位置通過音声を発生させる(ステップ107)。運転者は、自車3を停止させ、ステアリングを中立状態に操舵を行ったのちステアリングを固定して再び後退を開始する(図10)。
【0043】
自車の停止位置を通過する(ステップ108)と停止位置音声を発生し(ステップ109)、駐車アシストを終了する。
【0044】
〔縦列駐車時制御〕
続いて、縦列駐車の場合について説明する。図24に示すように縦列駐車の場合は、二回のステアリングの切り返しを行うため、一回目のステアリング操作開始位置を第1最大操舵角開始位置とし、二回目のステアリング操作開始位置を第2最大操舵角開始位置とする。以下、縦列駐車時制御について図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0045】
ステップ201では、駐車可能領域を検出する。
【0046】
ステップ202では、後退開始音声を発生する。
【0047】
ステップ203では、後退開始を検知する。
【0048】
ステップ204では、第1最大操舵角開始位置を通過したかどうかを判断し、通過していればステップ205へ進み、通過していなければ通過するまでステップ204を繰り返す。
【0049】
ステップ205では、第1最大操舵角開始位置通過音声を発生する。
【0050】
ステップ206では、第1最大操舵角終了位置を通過したかどうかを判断し、通過していればステップ207へ進み、通過していなければ通過するまでステップ207を繰り返す。
【0051】
ステップ207では、第1最大操舵角終了位置通過及び第2最大操舵角開始位置通過の音声を発生する。
【0052】
ステップ208では、第2最大操舵角終了位置を通過したかどうかを判断し、通過していればステップ209へ進み、通過していなければ通過するまでステップ208を繰り返す。
【0053】
ステップ209では、第2最大操舵角終了位置通過音声を発生する。
【0054】
ステップ210では、停止位置を通過したかどうかを判断し、通過していればステップ211へ進み、通過していなければ通過するまでステップ210を繰り返す。
【0055】
ステップ211では、停止位置音声を発生する。
【0056】
上記駐車アシスト制御の動作について、図12に示す縦列駐車の場合に基づいて説明する。図12に示すように、例えば、自車3が数台の車33,34が駐車されている駐車場に進入して駐車をする場合を想定して説明する。駐車場に入った時点で、リモートコントロール装置などの入力手段28で、作動開始を指示する。以降、左側後方の縦列駐車の場合を説明する。
【0057】
縦列駐車の駐車枠の算定条件は、車長に縦列駐車転回必要長を足したものから距離センサ21の探査範囲の広がり幅を引いたものを基準にこれを満たす長さ分反射物がない場合は駐車枠が存在すると考える。ここにおいて、駐車枠幅を加えてある一定距離範囲内に再度反射物を発見した場合は、それぞれの反射物の中心に駐車枠の中心がくるように計算を行うようにしても良い。
【0058】
図12に示すように、距離センサ21を作動させながら、駐車車両33,34の横を走行させ、車速センサ23により移動距離を測りながら、距離センサ21で周辺の状況に関するデータ(例えば、駐車車両までの距離、駐車車両間の距離など)を取得する(ステップ201)。所定距離前進後、後退開始音声が発生(ステップ202)する。
【0059】
このとき、表示画面上では、図13に示すように、目標計算軌跡4及び予測軌跡5が表示されいる状態となる。目標計算軌跡4とは図13に示すように、一旦真っ直ぐに後退し、所定位置より第1最大操舵角を維持しつつ、自車3を移動させ、再び次の所定位置より真っ直ぐに後退した場合に、目標とされる車の車輪(又は、車の角部)が描く軌跡である。
【0060】
ここで、目標計算軌跡4及び予測軌跡5の関係において、塗りつぶされた7の部分は目標計算軌跡4に対して、予測軌跡5がはみ出ている部分である。このはみ出ている部分は運転者に対して余剰な情報となり誤解を与える可能性があるため、実際には図14に示すように、7の部分を削除して画像を作成する。この場合、幅方向の表示の制御が行われる。この状態においても、運転者は直進状態であることは容易に画像から認識できる。
【0061】
次に、シフトレバーが後進の位置にあるかどうかを判断する(ステップ203)。この判断は、前進後退検出装置24からの検出信号の有無で判断される。運転者は、自車3を停止させ、後進位置にシフトレバーをセットした後、ステアリングを中立状態のまま後退を行う。
【0062】
そして、車速センサ23によって移動距離を算出し、後退移動距離が目標計算軌跡4の直線後退距離の長さと等しくなったのが確認される(ステップ204)と、第1最大舵角開始位置通過音声を発生させる(ステップ205)。運転者は、自車3を停止させ、第1最大舵角になるように操舵を行った後、ステアリングを固定して再び後退を開始する(図15)。
【0063】
図16は第1最大舵角操舵で後退している状態の画面である。このとき、図16の塗りつぶされた7の部分は、図13の場合と同様に、予測軌跡5が目標計算軌跡4からはみ出している部分である。実際は第1最大舵角操舵で操舵されたままの領域であるが、運転者は目標計算軌跡4から逸脱する可能性があると誤解し、第2最大舵角を取ろうとする可能性がある。とりわけ円周の内側にはみ出す場合は運転者に誤解を与えやすい。実際には図17に示すように7の部分を削除して画像を作成する。この場合も幅方向の表示の制御が行われる。この状態においても、運転者は第1最大舵角操舵中であることは容易に画像から認識できる。
【0064】
車速センサ23によって移動距離を算出し、第1最大舵角操舵での後退時の移動距離と、目標計算軌跡4の第1最大舵角操舵での後退距離の長さと等しくなった時に(ステップ206)、第1最大舵角終了位置通過及び第2最大舵角開始位置通過の音声を発生させる(ステップ207)。運転者は、自車3を停止させ、ステアリングを第1最大舵角操舵とは逆向きの第2最大舵角操舵に操舵を行った後、ステアリングを固定して再び後退を開始する(図18)。
【0065】
図19は第2最大舵角操舵で後退している状態の画面である。このとき、図19の塗りつぶされた7の部分は、図13,図16の場合と同様に、予測軌跡5が目標計算軌跡4からはみ出している部分である。実際は第2最大舵角操舵で操舵されたままの領域であるが、運転者は目標計算軌跡4から逸脱する可能性があると誤解し、舵を戻してしまう可能性がある。とりわけ円周の内側にはみ出す場合は運転者に誤解を与えやすい。実際には図20に示すように7の部分を削除して画像を作成する。この場合も幅方向の表示の制御が行われる。この状態においても、運転者は第2最大舵角操舵中であることは容易に画像から認識できる。
【0066】
車速センサ23によって移動距離を算出し、第2最大舵角操舵での後退時の移動距離と、目標計算軌跡4の第2最大舵角操舵での後退距離の長さとが等しくなったときに(ステップ208)、第2最大舵角終了位置通過音声を発生させる(ステップ209)。運転者は、自車3を停止させ、ステアリングを中立状態に操舵を行った後、ステアリングを固定して再び後退を開始する(図21)。
【0067】
自車の停止位置を通過する(ステップ210)と停止位置音声を発生し(ステップ211)、駐車アシストを終了する。
【0068】
以上説明したように、第1実施例にあっては、駐車目標軌跡と駐車予想軌跡とをモニタ上に重畳表示する際、駐車予想軌跡が駐車目標軌跡に対して車幅方向にはみ出した部分を削除して表示することで、駐車目標軌跡が曲線の場合であっても、自車両の駐車予想軌跡が駐車目標軌跡から逸脱して表示されることがなく、駐車領域から逸してしまうという誤解を運転者に与えることを防止することができる(請求項1に対応)。更に駐車予想軌跡の長さを維持することで、運転者にこれから行うべきステアリング操作を容易に連想させることが可能となり、運転者の負担を軽減することができる(請求項2に対応)。
【0069】
(その他の実施例)
第1実施例では、駐車情報を取得する方式を、センサを用いて自車の周囲の駐車可能領域に関する情報を取得する構成の他に、通信手段によって外部から駐車可能領域に関するデータを取得する構成としても良い。このような場合は、例えば駐車場に進入する際に、その入り口で駐車場内の現在の駐車可能領域に関するデータを取得し、そのデータを表示画面に表示する、といった構成とすることができる。
【0070】
このほか、常時使用する駐車場である場合には、その特定の駐車場に関する駐車可能領域情報を、自車に搭載されているCD−ROMなどの記録媒体に記録し、駐車する際に読みとって、表示画面に駐車情報を表示する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の駐車アシスト装置のシステムを示す全体図である。
【図2】第1実施例装置の駐車アシスト装置が組み込まれた車両を示す概略図である。
【図3】第1実施例の駐車アシスト装置の並列駐車制御を表すフローチャートである。
【図4】第1実施例の並列駐車のパターンを表す概念図である。
【図5】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図6】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図7】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図8】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図9】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図10】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図11】第1実施例の駐車アシスト装置の縦列駐車制御を表すフローチャートである。
【図12】第1実施例の駐車アシスト装置の並列駐車のパターンを表す概念図である。
【図13】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図14】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図15】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図16】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図17】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図18】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図19】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図20】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図21】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図22】第1実施例の距離センサと駐車車両との関係を表す図である。
【図23】第1実施例の並列駐車の目標車両軌跡を表す図である。
【図24】第1実施例の縦列駐車の目標車両軌跡を表す図である。
【符号の説明】
3 自車両
21 距離センサ
22 ステアリングセンサ
23 車速センサ
24 前進後退検出装置
25 処理装置
26 表示手段
27 発音装置
28 入力手段
29 撮像手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、駐車時のアシスト装置に関し、特に駐車目標軌跡に駐車予想軌跡を重ねて表示する駐車アシスト装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、特開2001−180403号公報には、目標駐車スペースをモニタ等に表示し、更に、駐車予想軌跡を重ねて表示する際、駐車予想軌跡の長さ方向を目標駐車スペースにぴったりと収まるように調整する技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、駐車予想軌跡の長さ方向を短くしすぎると、操舵の方向が画面上つかみにくくなり、運転者に現在行うべき操作を連想させることが困難であるという問題があった。
【0004】
本発明は、上述の課題に鑑み、運転者に誤解を与えることなく、これから行うべきステアリング操作を容易に連想させることが可能な駐車アシスト装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願発明では、駐車領域を検出する駐車領域検出手段と、検出された駐車領域への自車両の駐車目標軌跡を算出する駐車目標軌跡算出手段と、ステアリングの操舵角を検出する操舵角検出手段と、検出された操舵角から前記駐車領域への駐車予想軌跡を算出する駐車予想軌跡算出手段と、前記駐車目標軌跡及び前記駐車予想軌跡を運転者に重畳表示する駐車軌跡表示手段とを備えた駐車アシスト装置であって、前記駐車軌跡表示手段は、前記駐車予想軌跡の、前記駐車目標軌跡に対する車幅方向にはみ出した部分を削除して表示することで上記課題を解決するに至った。
【0006】
【発明の作用】
本願発明にあっては、駐車目標軌跡と駐車予想軌跡とをモニタ上に重畳表示する際、駐車予想軌跡が駐車目標軌跡に対して車幅方向にはみ出した部分を削除して表示することで、駐車目標軌跡が曲線の場合であっても、自車両の駐車予想軌跡が駐車目標軌跡から逸脱して表示されることがなく、駐車領域から逸してしまうという誤解を運転者に与えることを防止することができる。更に駐車予想軌跡の長さを維持することで、運転者にこれから行うべきステアリング操作を容易に連想させることが可能となり、運転者の負担を軽減することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における駐車アシスト装置の実施形態について実施例をもとに説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0008】
(第1実施例)
図1は本発明の第1実施例における基本構成を示す概略図である。
駐車アシスト装置は自車の本体内に搭載され、自車から周囲の物体までの距離を検出する距離センサ21と、ハンドル切れ角とハンドルの操作方向を検出するステアリングセンサ22と、自車の速度を検出する車速センサ23と、シフトレバーに設置され、後進位置にシフトレバーが位置しているか否かで自車の前後進を検出する前進後退検出装置24と、距離センサ21,ステアリングセンサ22,車速センサ23及び前進後退検出装置24から供給された検出値に基づいて駐車領域を検出する処理装置25と、検出された駐車可能領域と自車位置の相対的な位置関係を表示する表示手段26と、表示内容を補足する信号音や音声を発信する発音装置27と、入力手段28と、CCD等による撮像手段29とを備えている。
【0009】
距離センサ21は、図2に示すように自車の左右両側の後端部に設けられ、例えば超音波センサで構成される。超音波センサは、超音波パルス送信器と、物体で反射してきた超音波パルスを受信する受信器を有している。これらの送受信機によって、超音波の伝搬時間を測定し、該伝搬時間により距離を測定する。超音波センサは、実施例の場合、検知エリアが水平方向に最大±約6度の広がりがあり、最大検知エリアである地点においては±約38cmと検知範囲に広がりを持っている。このため、検知した物体はセンサより水平方向に右側または左側にあるものが検知される。実施例において車両の左右両側の後端部に取り付けた場合、車両前方を左側とすると、前方又は後方にある遮蔽物もこの範囲であれば検知される。
【0010】
ステアリングセンサ22は、ステアリング操作量、つまりステアリングの移動量と、その方向を検出する。このステアリング操作量から左右へ操舵角を何度操作したかを判断する。供給される操作量としては、直進状態のステアリングの位置を0として、右に操作した場合を+、左に操作した場合を−とし、移動量を数値で表す。例えば、+150の検出値が供給された場合には、右に150度操作したことを示す。
【0011】
車速センサ23は、車速パルスを出力し、この車速パルスを計測することで、自車の移動距離が計算される。処理装置25は、中央処理装置CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備えている。ROMには、上記各センサから供給された各種値に基づき駐車可能領域を検出して、自車位置と駐車可能領域の相対的な位置を計算するプログラム、車両情報に基づいて算出される自車の移動軌跡を演算するプログラム、さらに本装置が搭載される車両の情報などが記憶されている。この車両情報は、車両の旋回性能を確定するための情報で、車両の長さ、車両の幅、ホイールベース、ドレッド長、最大舵角などが含まれる。RAMは、ワーキングエリアとして用いられ、処理の結果検出された車両可動領域、駐車可能領域や移動軌跡等を記憶する。
【0012】
表示手段26は、例えば、CRTディスプレイ又は液晶画面で構成され、計算の結果得られた駐車可能領域と自車の相対的な位置関係が表示され、また自車の移動軌跡が同時に表示される。
【0013】
発音装置27は、スピーカを有し、表示手段26に表示される位置情報を表す視覚情報や、該視覚情報を細くする聴覚情報が発せられる。
【0014】
入力手段28は、駐車アシスト装置作動スイッチや、縦列駐車・並列駐車を切り換えるためのスイッチである。このスイッチは、表示手段26の画面上に貼り付けられたタッチパネルや、無線又は有線によるリモートコントロール装置としてもよい。
【0015】
撮像手段29は自車の左右両側の後端部に設置されており、CCD等のカメラで周囲の画像を撮像し、表示手段26上に処理装置25により演算された結果に重ねてスーパーインポーズ表示を行うためのデータを取得するためのものである。
【0016】
〔並列駐車時制御〕
並列駐車の場合について説明する。図23に示すように並列駐車の場合は、一回のステアリングの切り返しを行うため、一回目のステアリング操作開始位置を最大操舵角開始位置とする。以下、並列駐車時制御について図3に示すフローチャートについて説明する。
【0017】
ステップ101では、駐車可能領域を検出する。
【0018】
ステップ102では、後退開始音声を発生する。
【0019】
ステップ103では、後退開始を検知する。
【0020】
ステップ104では、最大操舵角開始位置を通過したかどうかを判断し、通過していればステップ105へ進み、通過していなければ最大操舵角開始位置を通過するまでステップ104を繰り返す。
【0021】
ステップ105では、最大操舵角開始位置通過音声を発生する。
【0022】
ステップ106では、最大操舵角終了位置を通過したかどうかを判断し、通過していればステップ107へ進み、通過していなければ最大操舵角終了位置を通過するまでステップ106を繰り返す。
【0023】
ステップ107では、最大操舵角終了位置通過音声を発生する。
【0024】
ステップ108では、停止位置を通過したかどうかを判断し、通過していればステップ109へ進み、通過していなければ通過するまでステップ108を繰り返す。
【0025】
ステップ109では、停止位置音声を発生する。
【0026】
上記駐車アシスト制御の動作について、図4に示す並列駐車の場合に基づいて説明する。図4に示すように、例えば、自車3が数台の車31,32が駐車されている駐車場に進入して駐車をする場合を想定して説明する。駐車場に入った時点で、リモートコントロール装置などの入力手段28により作動開始を指示する。以降、左側後方の並列駐車の場合を説明する。
【0027】
距離センサ21を作動させながら駐車車両31,32の前を走行させ、車速センサ23により移動距離を測る。これにより、距離センサ21で周辺の状況に関するデータ(例えば、駐車車両までの距離、駐車車両間の距離など)を取得する(ステップ101)。
【0028】
検出する駐車枠の条件を並列駐車の場合の図22を例に説明する。移動しながら反射のあった領域の終了点を始点にする。そして、車幅39に乗員乗り降りスペース38の2倍を足したものから距離センサ21の探査範囲の片側の広がり幅36の2倍を引いたものを基準とする。これを満たす長さ37分反射物がない場合は駐車枠が存在すると考える。
【0029】
35は距離センサの検知領域の広がり幅を図示上必要な部分のみ記述したものである。図22に示すように、距離センサ21は車32を通り過ぎても距離センサ検知広がり幅36の距離まで検知し続け、また、車31の距離センサ検知広がり幅36分手前から車31を検知する。尚、駐車枠幅に加えて、ある一定距離範囲内に再度反射物を発見した場合は、それぞれの反射物の中心に駐車枠の中心がくるように計算を行うようにしても良い。
【0030】
所定距離前進後、後退開始音声が発生する(ステップ102)。この所定距離の長さは、ステップ104において後退を行う際に、運転者に転舵と同時に前進後進の切り替えを行う煩雑な操作を行わせないために意図的に無駄な長さを前進させる。この長さは任意であるが、運転者が別々の操作と認識できる長さであればよいので、徐行しながら10秒程度の距離であれば当初の目的は達成される。報知方法としては、発信音や音声などによって聴覚的に報知する場合、表示画面の背景色を変更させることによって報知してもよい。
【0031】
このとき、表示画面上では、図5に示すように、目標計算軌跡4および予測軌跡5が表示されている状態となる。
【0032】
目標計算軌跡4とは、一旦まっすぐに後退し、所定位置より最大操舵角を維持しつつ、自車3を移動させ、再び所定位置より真っ直ぐに後退した場合に、目標とされる車の車輪(又は、車の角部)が描く軌跡である。
【0033】
予測軌跡5とは、ステアリングセンサ22より算出された実操舵方向を図示したものであり、ステアリングを回すと、操舵輪の操舵角が変わり、この操舵角の変化に応じて表示されている予測軌跡5の形状も変化する。加えて、自車3を移動させれば、自車のシンボル3aは、予測軌跡5と一体となって画面内を移動する。ここで、駐車予想軌跡の長さをステアリング操作に関わらず維持して表示する。これにより、運転者にこれから行うべきステアリング操作を容易に連想させることが可能となり、運転者の負担を軽減することができる。
【0034】
また、予測軌跡5と目標計算軌跡4とは、それぞれ異なる表示方法をとることが望ましい。例えば、波線と実線、或いは表示されている色や線の太さを異にする、或いは、両軌跡の内、一方の軌跡を点滅させる等である。
【0035】
撮像手段29により取得した画像は、上方から撮像した画像になるように画像処理を施して歪みを除去し、目標計算軌跡4及び予測軌跡5に重ねて表示を行う。運転者はリアルタイムに画面に映し出される表示画面を参考にして自車3を運転操作する。このように、表示画面を参考にしながら自車3を操作することによって、駐車操作のために停止する位置が容易に把握できる。
【0036】
また、予測軌跡5及び周囲画像が表示されるので、自車の姿勢の挙動及び障害物が把握しやすく、障害物などと自車とを接触させ、ボディに傷を付けてしまうといったトラブルを抑制することができる。
【0037】
また、枠6は表示手段26のナビ画面の縁と見立てられるもので、実際表示されるのは枠6の内側である。それ以外のエリアは図示の関係上わかりやすくするために描かれている。
【0038】
ここで、目標計算軌跡4及び予測軌跡5の関係において、塗りつぶされた7の部分は目標計算軌跡4に対して、予測軌跡5がはみ出ている部分である。このはみ出ている部分は運転者に対して余剰な情報となり誤解を与える可能性があるため、実際には図6に示すように7の部分を削除して画像を作成する。この場合、幅方向の表示の制御が行われる。この状態においても、運転者は直進状態であることは容易に画像から認識できる。
【0039】
次に、シフトレバーが後進位置に位置するかどうかを判断する(ステップ103)。この判断は、前進後退検出装置24からの検出信号の有無で判断される。運転者は、自車3を停止させ、後進位置にシフトレバーをセットした後、ステアリングを中立の状態のまま後退を行う。
【0040】
そして、車速センサ23によって移動距離を算出し、後退移動距離が目標計算軌跡4の直線後退距離の長さと等しくなったのが確認される(ステップ104)と、最大舵角開始位置通過音声を発生させる(ステップ105)。運転者は、自車3を停止させ、最大舵角になるように操舵を行った後、ステアリングを固定して再び後退を開始する(図7)。
【0041】
図8は最大舵角操舵で後退している状態の画面である。このとき、図8の塗りつぶされた7の部分は、図5に示す場合と同様に、予測軌跡5が目標計算軌跡4からはみ出している部分である。実際は最大舵角操舵で操舵されたままの領域であるが、運転者は目標計算軌跡4から逸脱する可能性があると誤解し、舵を戻してしまう可能性がある。とりわけ円周の内側にはみ出す場合は運転者に誤解を与えやすい。よって、実際には図9に示すように7の部分を削除して画像を作成する。この場合も幅方向の表示に制御が行われる。この状態においても、運転者は最大舵角操舵中であることは容易に画像から認識できる。
【0042】
車速センサ23によって移動距離を算出し、最大舵角操舵での後退時の移動距離と、目標計算軌跡4の最大舵角操舵での後退距離の長さとが等しくなった時に(ステップ106)、最大舵角終了位置通過音声を発生させる(ステップ107)。運転者は、自車3を停止させ、ステアリングを中立状態に操舵を行ったのちステアリングを固定して再び後退を開始する(図10)。
【0043】
自車の停止位置を通過する(ステップ108)と停止位置音声を発生し(ステップ109)、駐車アシストを終了する。
【0044】
〔縦列駐車時制御〕
続いて、縦列駐車の場合について説明する。図24に示すように縦列駐車の場合は、二回のステアリングの切り返しを行うため、一回目のステアリング操作開始位置を第1最大操舵角開始位置とし、二回目のステアリング操作開始位置を第2最大操舵角開始位置とする。以下、縦列駐車時制御について図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0045】
ステップ201では、駐車可能領域を検出する。
【0046】
ステップ202では、後退開始音声を発生する。
【0047】
ステップ203では、後退開始を検知する。
【0048】
ステップ204では、第1最大操舵角開始位置を通過したかどうかを判断し、通過していればステップ205へ進み、通過していなければ通過するまでステップ204を繰り返す。
【0049】
ステップ205では、第1最大操舵角開始位置通過音声を発生する。
【0050】
ステップ206では、第1最大操舵角終了位置を通過したかどうかを判断し、通過していればステップ207へ進み、通過していなければ通過するまでステップ207を繰り返す。
【0051】
ステップ207では、第1最大操舵角終了位置通過及び第2最大操舵角開始位置通過の音声を発生する。
【0052】
ステップ208では、第2最大操舵角終了位置を通過したかどうかを判断し、通過していればステップ209へ進み、通過していなければ通過するまでステップ208を繰り返す。
【0053】
ステップ209では、第2最大操舵角終了位置通過音声を発生する。
【0054】
ステップ210では、停止位置を通過したかどうかを判断し、通過していればステップ211へ進み、通過していなければ通過するまでステップ210を繰り返す。
【0055】
ステップ211では、停止位置音声を発生する。
【0056】
上記駐車アシスト制御の動作について、図12に示す縦列駐車の場合に基づいて説明する。図12に示すように、例えば、自車3が数台の車33,34が駐車されている駐車場に進入して駐車をする場合を想定して説明する。駐車場に入った時点で、リモートコントロール装置などの入力手段28で、作動開始を指示する。以降、左側後方の縦列駐車の場合を説明する。
【0057】
縦列駐車の駐車枠の算定条件は、車長に縦列駐車転回必要長を足したものから距離センサ21の探査範囲の広がり幅を引いたものを基準にこれを満たす長さ分反射物がない場合は駐車枠が存在すると考える。ここにおいて、駐車枠幅を加えてある一定距離範囲内に再度反射物を発見した場合は、それぞれの反射物の中心に駐車枠の中心がくるように計算を行うようにしても良い。
【0058】
図12に示すように、距離センサ21を作動させながら、駐車車両33,34の横を走行させ、車速センサ23により移動距離を測りながら、距離センサ21で周辺の状況に関するデータ(例えば、駐車車両までの距離、駐車車両間の距離など)を取得する(ステップ201)。所定距離前進後、後退開始音声が発生(ステップ202)する。
【0059】
このとき、表示画面上では、図13に示すように、目標計算軌跡4及び予測軌跡5が表示されいる状態となる。目標計算軌跡4とは図13に示すように、一旦真っ直ぐに後退し、所定位置より第1最大操舵角を維持しつつ、自車3を移動させ、再び次の所定位置より真っ直ぐに後退した場合に、目標とされる車の車輪(又は、車の角部)が描く軌跡である。
【0060】
ここで、目標計算軌跡4及び予測軌跡5の関係において、塗りつぶされた7の部分は目標計算軌跡4に対して、予測軌跡5がはみ出ている部分である。このはみ出ている部分は運転者に対して余剰な情報となり誤解を与える可能性があるため、実際には図14に示すように、7の部分を削除して画像を作成する。この場合、幅方向の表示の制御が行われる。この状態においても、運転者は直進状態であることは容易に画像から認識できる。
【0061】
次に、シフトレバーが後進の位置にあるかどうかを判断する(ステップ203)。この判断は、前進後退検出装置24からの検出信号の有無で判断される。運転者は、自車3を停止させ、後進位置にシフトレバーをセットした後、ステアリングを中立状態のまま後退を行う。
【0062】
そして、車速センサ23によって移動距離を算出し、後退移動距離が目標計算軌跡4の直線後退距離の長さと等しくなったのが確認される(ステップ204)と、第1最大舵角開始位置通過音声を発生させる(ステップ205)。運転者は、自車3を停止させ、第1最大舵角になるように操舵を行った後、ステアリングを固定して再び後退を開始する(図15)。
【0063】
図16は第1最大舵角操舵で後退している状態の画面である。このとき、図16の塗りつぶされた7の部分は、図13の場合と同様に、予測軌跡5が目標計算軌跡4からはみ出している部分である。実際は第1最大舵角操舵で操舵されたままの領域であるが、運転者は目標計算軌跡4から逸脱する可能性があると誤解し、第2最大舵角を取ろうとする可能性がある。とりわけ円周の内側にはみ出す場合は運転者に誤解を与えやすい。実際には図17に示すように7の部分を削除して画像を作成する。この場合も幅方向の表示の制御が行われる。この状態においても、運転者は第1最大舵角操舵中であることは容易に画像から認識できる。
【0064】
車速センサ23によって移動距離を算出し、第1最大舵角操舵での後退時の移動距離と、目標計算軌跡4の第1最大舵角操舵での後退距離の長さと等しくなった時に(ステップ206)、第1最大舵角終了位置通過及び第2最大舵角開始位置通過の音声を発生させる(ステップ207)。運転者は、自車3を停止させ、ステアリングを第1最大舵角操舵とは逆向きの第2最大舵角操舵に操舵を行った後、ステアリングを固定して再び後退を開始する(図18)。
【0065】
図19は第2最大舵角操舵で後退している状態の画面である。このとき、図19の塗りつぶされた7の部分は、図13,図16の場合と同様に、予測軌跡5が目標計算軌跡4からはみ出している部分である。実際は第2最大舵角操舵で操舵されたままの領域であるが、運転者は目標計算軌跡4から逸脱する可能性があると誤解し、舵を戻してしまう可能性がある。とりわけ円周の内側にはみ出す場合は運転者に誤解を与えやすい。実際には図20に示すように7の部分を削除して画像を作成する。この場合も幅方向の表示の制御が行われる。この状態においても、運転者は第2最大舵角操舵中であることは容易に画像から認識できる。
【0066】
車速センサ23によって移動距離を算出し、第2最大舵角操舵での後退時の移動距離と、目標計算軌跡4の第2最大舵角操舵での後退距離の長さとが等しくなったときに(ステップ208)、第2最大舵角終了位置通過音声を発生させる(ステップ209)。運転者は、自車3を停止させ、ステアリングを中立状態に操舵を行った後、ステアリングを固定して再び後退を開始する(図21)。
【0067】
自車の停止位置を通過する(ステップ210)と停止位置音声を発生し(ステップ211)、駐車アシストを終了する。
【0068】
以上説明したように、第1実施例にあっては、駐車目標軌跡と駐車予想軌跡とをモニタ上に重畳表示する際、駐車予想軌跡が駐車目標軌跡に対して車幅方向にはみ出した部分を削除して表示することで、駐車目標軌跡が曲線の場合であっても、自車両の駐車予想軌跡が駐車目標軌跡から逸脱して表示されることがなく、駐車領域から逸してしまうという誤解を運転者に与えることを防止することができる(請求項1に対応)。更に駐車予想軌跡の長さを維持することで、運転者にこれから行うべきステアリング操作を容易に連想させることが可能となり、運転者の負担を軽減することができる(請求項2に対応)。
【0069】
(その他の実施例)
第1実施例では、駐車情報を取得する方式を、センサを用いて自車の周囲の駐車可能領域に関する情報を取得する構成の他に、通信手段によって外部から駐車可能領域に関するデータを取得する構成としても良い。このような場合は、例えば駐車場に進入する際に、その入り口で駐車場内の現在の駐車可能領域に関するデータを取得し、そのデータを表示画面に表示する、といった構成とすることができる。
【0070】
このほか、常時使用する駐車場である場合には、その特定の駐車場に関する駐車可能領域情報を、自車に搭載されているCD−ROMなどの記録媒体に記録し、駐車する際に読みとって、表示画面に駐車情報を表示する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の駐車アシスト装置のシステムを示す全体図である。
【図2】第1実施例装置の駐車アシスト装置が組み込まれた車両を示す概略図である。
【図3】第1実施例の駐車アシスト装置の並列駐車制御を表すフローチャートである。
【図4】第1実施例の並列駐車のパターンを表す概念図である。
【図5】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図6】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図7】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図8】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図9】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図10】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図11】第1実施例の駐車アシスト装置の縦列駐車制御を表すフローチャートである。
【図12】第1実施例の駐車アシスト装置の並列駐車のパターンを表す概念図である。
【図13】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図14】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図15】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図16】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図17】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図18】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図19】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図20】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図21】第1実施例の表示画面を表す図である。
【図22】第1実施例の距離センサと駐車車両との関係を表す図である。
【図23】第1実施例の並列駐車の目標車両軌跡を表す図である。
【図24】第1実施例の縦列駐車の目標車両軌跡を表す図である。
【符号の説明】
3 自車両
21 距離センサ
22 ステアリングセンサ
23 車速センサ
24 前進後退検出装置
25 処理装置
26 表示手段
27 発音装置
28 入力手段
29 撮像手段
Claims (2)
- 駐車領域を検出する駐車領域検出手段と、
検出された駐車領域への自車両の駐車目標軌跡を算出する駐車目標軌跡算出手段と、
ステアリングの操舵角を検出する操舵角検出手段と、
検出された操舵角から前記駐車領域への駐車予想軌跡を算出する駐車予想軌跡算出手段と、
前記駐車目標軌跡及び前記駐車予想軌跡を運転者に重畳表示する駐車軌跡表示手段と、
を備えた駐車アシスト装置であって、
前記駐車軌跡表示手段は、前記駐車予想軌跡の、前記駐車目標軌跡に対する車幅方向にはみ出した部分を削除して表示することを特徴とする駐車アシスト装置。 - 請求項1に記載の駐車アシスト装置において、
前記駐車予想軌跡算出手段を、検出されたステアリングの操舵角に基づいて車両後端部から一定の長さの軌跡を算出する手段としたことを特徴とする駐車アシスト装置。
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