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JP2003233208A - 電子写真感光体、電子写真装置、電子写真プロセス及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、電子写真装置、電子写真プロセス及びプロセスカートリッジ

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Publication number
JP2003233208A
JP2003233208A JP2002271227A JP2002271227A JP2003233208A JP 2003233208 A JP2003233208 A JP 2003233208A JP 2002271227 A JP2002271227 A JP 2002271227A JP 2002271227 A JP2002271227 A JP 2002271227A JP 2003233208 A JP2003233208 A JP 2003233208A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrophotographic
photosensitive member
weight
electrophotographic photosensitive
intermediate layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002271227A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirofumi Yamanami
弘文 山南
Yukari Yamada
ゆかり 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
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Priority to EP02027294A priority patent/EP1324139A3/en
Priority to US10/310,764 priority patent/US7267914B2/en
Publication of JP2003233208A publication Critical patent/JP2003233208A/ja
Priority to US11/091,917 priority patent/US7348115B2/en
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 黒べたやハーフトーンでの濃度むらの発生が
なく、かつ繰り返し使用しても放電破壊による黒ぽちや
肌汚れなどの異常画像を発生しない高品質画像の複写・
コピーが可能であり、オゾン発生による環境問題を配慮
し更に保守性を考慮した電子写真感光体、電子写真装
置、電子写真プロセス及びプロセスカートリッジを提供
する。 【解決手段】 導電性支持体上に中間層と光導電層とを
設けた電子写真感光体の中間層を無機顔料、結着剤樹
脂、及び、例えばジベンゾ18クラウン6−エーテルを
含有する塗工液にて形成し、中間層上に設ける光導電層
用塗工液にフェノール化合物と有機硫黄化合物を含有さ
せ、環状エーテル系化合物を溶剤に用いる。前記電子写
真感光体と帯電手段、現像手段及びクリーニング手段と
を一体に支持したプロセスカートリッジを電子写真装置
本体に着脱自在に装着して画像形成する。帯電手段に接
触帯電法を採用し、感光体表面に形成された静電潜像を
反転現像する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザービームプ
リンタ、ファクシミリ、デジタルコピア等の複写機・プ
リンターに用いる電子写真感光体、電子写真装置及び電
子写真プロセスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より有機光導電性材料を用いた有機
電子写真感光体が盛んに開発され、数多くの複写機・プ
リンターに搭載されている。さらに近年では、電子写真
のデジタル化が急速に進み、デジタル化に対応した電子
写真感光体特性への要求が求められるようになってきて
いる。特に最近のデシタル複写機やプリンターにおいて
は、反転現像法が主流となっている。反転現像法は原稿
の黒部(色部)に対応して電子写真感光体に画像露光し
表面電荷を消失させ、その露光部にトナー像を形成し、
未露光部にはトナー像を形成しない現像法である。
【0003】一般的に電子写真感光体を反転現像で用い
た場合白地にトナーが局部的に付着して「黒ポチ」「地
肌汚れ」といった画像欠陥が生じる。これは導電性支持
体または下層からの電荷注入による表面電荷の局部的中
和により発生する。この反転現像時に発生する黒ポチ、
地肌汚れを防止するために、導電性支持体と光導電層と
の間に中間層を設け、導電性支持体または下層からの電
荷注入を防止することが提案されている。このような中
間層に要求される特性の一つとして、繰り返し使用した
場合においても感光体特性に悪影響を与えないことが挙
げられる。
【0004】しかしながらこのような特性は、例えば単
一の樹脂からなる中間層を用いただけでは達成すること
が困難である。また、導電性支持体あるいは下層からの
電荷注入を防止するには中間層膜厚が厚いほど有利であ
るが、単一の樹脂からなる中間層では難しい。このた
め、中間層として導電性粉末を樹脂中に分散させる方法
等が提案されている。また、レーザー光のような可干渉
光で画像の書き込みを行うレーザープリンター等に用い
る感光体の場合は、モアレの発生を防止するために屈折
率の大きい白色顔料を中間層の樹脂中に分散させること
も提案されている。また、反転現像時に発生する黒ポ
チ、地肌汚れを防止するには、光導電層の膜厚を厚く
し、電子写真感光体にかかる電界を小さくし、導電性支
持体または下層からの電荷注入を抑制する方法を講じる
こともできる。
【0005】一方、電子写真プロセスとして、従来コロ
ナ帯電方式による帯電が用いられてきたが、コロナ帯電
による電子写真プロセスを繰り返すとオゾン濃度が増加
し、使用環境の安全性が著しく阻害されることから、近
年では接触帯電方式が用いられるようになってきてい
る。接触帯電方法はコロナ帯電方式に比較し、オゾン量
の発生が著しく少ないため環境安全性の問題が改善され
る。しかしながら、その反面接触帯電方式特有の問題と
して、直接感光体に高電圧を印可することにより感光体
放電破壊を起し易く、この放電破壊が発生すると反転現
像法では大きな黒ポチが生じて問題となる。
【0006】放電破壊を防止するためには、中間層を厚
くして導電性支持体表面の傷や凹凸などの欠陥を十分に
隠蔽する必要がある。また、光導電層の膜厚を厚くし、
電子写真感光体にかかる電界を小さくすることも有効な
方法である。しかし、中間層が結着剤樹脂中に顔料を分
散させた構成からなる場合、中間層中の顔料の分散状態
を制御しないとその上に設ける光導電層用塗工液に使用
する溶剤種や光導電層付着量により、中間層が局部的に
膨潤してしまう場合が発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、反転
現像に使用される感光体の場合、繰り返し使用による黒
ポチ、地肌汚れの発生を防止するためや接触帯電での放
電破壊を防止するため、中間層の膜厚を厚くする方法や
光導電層を厚くする方法が採られる。しかし、顔料を分
散した中間層の膜厚を厚くするほど中間層中の顔料の分
散状態を均一とすることは困難となり、局部的に不均一
となりやすい。また、光導電層を厚くするためには、中
間層上に付着させる光導電層用塗工液量を多くしなけれ
ばならなくなり、その結果顔料を分散した中間層の分散
状態が不均一な部分では、光導電層用塗工液に使用して
いる溶剤種により、中間層への多量の浸透が起こって中
間層の膨潤が発生してしまう。この部分は感度が異なる
ため、反転現像では黒べた及びハーフトーンの画像の濃
度ムラとして現れるという問題が発生する。また本発明
の中間層を設けた電子写真感光体は、繰り返し使用する
ことにより静電特性が劣化し異常画像が発生しやすくな
る傾向を持つ。具体的には繰り返し使用により残留電位
が上昇しやすく、反転現像方式の電子写真装置では画像
濃度低下を起こす。この現象は、光導電層用塗工液に使
用する溶剤種(環状エーテル系化合物、ケトン系化合
物、芳香族系炭化水素化合物)が光導電層中に残留し易
いために起こる。残留溶媒を減少させるためには、光導
電層塗工後の乾燥温度を高温にするか、または乾燥時間
を長時間にする方法が考えられるが、両方法とも熱によ
る感光体への影響が大きく製造コストも増加し実用的で
はない。
【0008】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされた
ものであり、黒べたやハーフトーンでの濃度むらの発生
がなく、どのような環境で繰り返し使用されても放電破
壊による黒ぽちや地肌汚れなどの異常画像を発生せず高
品質な画像を提供し続けることができる、高品質画像の
複写・コピーが可能な電子写真感光体、電子写真装置及
び電子写真プロセスを提供するとともに、オゾン発生に
よる環境問題を発生することがないように配慮し、かつ
保守性を考慮した電子写真装置及び電子写真プロセスを
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】導電性支持体上に少なく
とも中間層と光導電層とを順に設けた電子写真感光体の
中間層を構成する成分として、無機材料、結着剤樹脂、
及び少なくともクラウンエーテル、ポリアルキレングリ
コールエーテル、ポリエチレングリコールモノまたはジ
エステル、あるいはオキシエチレン基とオキシプロピレ
ン基とを有しかつ分子の末端が水酸基であるランダム共
重合体またはブロック共重合体の一つから選ばれる化合
物を含有させるとともに、中間層の上に設ける光導電層
用の塗工液の溶剤種を選択して好適に組み合わせること
により、中間層及び光導電層の膜厚を厚くしても局部的
な中間層の膨潤の発生を防ぎ、その結果反転現像プロセ
スで使用しても黒べたやハーフトーンでの濃度むらなど
の異常画像の発生を抑えることができること、並びに光
導電層に少なくともフェノール系化合物と有機硫黄系化
合物とを含有させることにより、塗工形成された電子写
真感光体はどのような環境で繰り返し使用されても静電
特性の変動が小さく、高耐久な電子写真感光体となるこ
とを見出し、本発明に至った。以下、本発明について具
体的に説明する。
【0010】請求項1の発明は、導電性支持体上に少な
くとも中間層と光導電層を順に設けてなる電子写真感光
体において、該中間層が少なくとも無機顔料と結着剤樹
脂、及び少なくともクラウンエーテル、ポリアルキレン
グリコールエーテル、ポリエチレングリコールモノまた
はジエステル、あるいはオキシエチレン基とオキシプロ
ピレン基とを有しかつ分子の末端が水酸基であるランダ
ム共重合体またはブロック共重合体から選ばれる1つの
化合物を含有し、更に該光導電層が環状エーテル系化合
物、ケトン系化合物、芳香族系炭化水素化合物から選ば
れた溶剤からなる塗工液で塗布形成されたことを特徴と
する電子写真感光体である。
【0011】上記のような本発明の中間層の構成と化合
物の適用、及び中間層を膨潤しない溶剤を適用した塗工
液を用いて、光導電層を塗布形成することにより、黒べ
たおよびハーフトーンでの濃度むらの発生のない電子写
真感光体が提供される。
【0012】更に、請求項2によれば、光導電層が少な
くともフェノール化合物と有機硫黄化合物を含有し、か
つ環状エーテル系化合物、ケトン系化合物、芳香族系炭
化水素化合物から選ばれた溶剤からなる塗工液で塗布形
成されることにより、どのような環境で繰り返し使用さ
れても高品質な画像を提供し続けることができる電子写
真感光体が提供される。
【0013】また、請求項3〜6によれば、電子写真感
光体の中間層に含有される無機顔料を酸化チタン、とく
に未処理の酸化チタンとすることで、更に高品質な画像
を形成し、かつ繰り返し使用しても異常画像の発生のな
い高耐久な電子写真感光体が提供される。また、中間層
の膜厚を5.0μm以上とし、光導電層の膜厚を28μ
m以上とすることにより、更に耐久性の向上した電子写
真感光体が提供される。
【0014】請求項7の発明は、少なくとも帯電手段、
画像露光手段、反転現像手段、転写手段及び電子写真感
光体からなる電子写真装置において、前記電子写真感光
体が中間層と光導電層を順に設けてなり、該中間層が少
なくとも無機顔料と結着剤樹脂、及び少なくともクラウ
ンエーテル、ポリアルキレングリコールエーテル、ポリ
エチレングリコールモノまたはジエステル、あるいはオ
キシエチレン基とオキシプロピレン基とを有しかつ分子
の末端が水酸基であるランダム共重合体またはブロック
共重合体から選ばれる1つの化合物を含有し、更に該光
導電層が環状エーテル系化合物、ケトン系化合物、芳香
族系炭化水素化合物から選ばれた溶剤からなる塗工液で
塗布形成されたことを特徴とする電子写真装置である。
【0015】上記の電子写真の各手段と請求項1に記載
の電子写真感光体を用いることにより、黒べたおよびハ
ーフトーンでの濃度むらの発生のない電子写真装置が提
供される。また、電子写真感光体の中間層の材質、ある
いは膜厚を制御することによって、更に高品質な画像を
形成し、かつ繰り返し使用しても異常画像の発生のない
高耐久な電子写真装置が提供される。
【0016】請求項8の発明は、少なくとも帯電手段、
画像露光手段、反転現像手段、転写手段及び電子写真感
光体からなる電子写真装置において、前記電子写真感光
体が中間層と光導電層を順に設けてなり、該中間層が少
なくとも無機顔料と結着剤樹脂、及び少なくともクラウ
ンエーテル、ポリアルキレングリコールエーテル、ポリ
エチレングリコールモノまたはジエステル、あるいはオ
キシエチレン基とオキシプロピレン基とを有しかつ分子
の末端が水酸基であるランダム共重合体またはブロック
共重合体から選ばれる1つの化合物を含有し、更に該光
導電層が環状エーテル系化合物、ケトン系化合物、芳香
族系炭化水素化合物から選ばれた溶剤からなる塗工液で
塗布形成され、かつ該帯電手段が接触帯電手段であるこ
とを特徴とする電子写真装置である。
【0017】上記のような中間層の構成と光導電層の塗
布形成とすることにより、厚膜化が可能となり、接触帯
電手段を用いても放電破壊を発生せず、またオゾン量の
発生が著しく少ないため環境問題を発生させることな
く、黒べたおよびハーフトーンでの濃度むらの発生のな
い電子写真装置が提供される。
【0018】更に、請求項9によれば、光導電層が少な
くともフェノール化合物と有機硫黄化合物を含有し、か
つ環状エーテル系化合物、ケトン系化合物、芳香族系炭
化水素化合物から選ばれた溶剤からなる塗工液で塗布形
成された電子写真感光体を用いることにより、どのよう
な環境で繰り返し使用されても高品質な画像を提供し続
けることができる電子写真装置が提供される。
【0019】また、請求項10〜13によれば、電子写
真感光体の中間層に含有される無機顔料を酸化チタン、
とくに未処理の酸化チタンとすることで、更に高品質な
画像を形成し、かつ繰り返し使用しても異常画像の発生
のない高耐久な電子写真感光体が提供され、電子写真装
置の性能向上が達成される。また、中間層の膜厚を5.
0μm以上とし、光導電層の膜厚を28μm以上とする
ことにより、更に耐久性の向上した電子写真感光体が提
供され、電子写真装置の性能向上が達成される。
【0020】請求項14の発明は、電子写真感光体に少
なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行う電
子写真プロセスにおいて、前記電子写真感光体が中間層
と光導電層を順に設けてなり、該中間層が少なくとも無
機顔料と結着剤樹脂、及び少なくともクラウンエーテ
ル、ポリアルキレングリコールエーテル、ポリエチレン
グリコールモノまたはジエステル、あるいはオキシエチ
レン基とオキシプロピレン基とを有しかつ分子の末端が
水酸基であるランダム共重合体またはブロック共重合体
から選ばれる1つの化合物を含有し、更に該光導電層が
環状エーテル系化合物、ケトン系化合物、芳香族系炭化
水素化合物から選ばれた溶剤からなる塗工液で塗布形成
され、電子写真感光体の表面に静電潜像を形成し、形成
された静電潜像を反転現像することを特徴とする電子写
真プロセスである。
【0021】上記のような構成とすることにより、電子
写真感光体の中間層の膜厚及び光導電層の膜厚は、厚く
しても感光体の感度が均一であるため、電子写真感光体
表面への静電潜像形成、その静電潜像の反転現像によっ
て、黒べたおよびハーフトーンでの濃度むらの発生のな
い電子写真プロセスが提供される。
【0022】請求項15の発明は、電子写真感光体に少
なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行う電
子写真プロセスにおいて、前記電子写真感光体が中間層
と光導電層を順に設けてなり、該中間層が少なくとも無
機顔料と結着剤樹脂、及び少なくともクラウンエーテ
ル、ポリアルキレングリコールエーテル、ポリエチレン
グリコールモノまたはジエステル、あるいはオキシエチ
レン基とオキシプロピレン基とを有しかつ分子の末端が
水酸基であるランダム共重合体またはブロック共重合体
から選ばれる1つの化合物を含有し、更に該光導電層が
環状エーテル系化合物、ケトン系化合物、芳香族系炭化
水素化合物から選ばれた溶剤からなる塗工液で塗布形成
され、かつ電子写真感光体の表面に接触帯電により暗部
電位が絶対値で600V以上の静電潜像を形成し、形成
された静電潜像を反転現像することを特徴とする電子写
真プロセスである。
【0023】上記のような中間層の構成と光導電層の塗
布形成及び暗部電位が絶対値で600V以上の接触帯電
による静電潜像形成、その静電潜像の反転現像により、
オゾン量の発生が著しく少ないため環境問題を発生させ
ることなく、黒べたおよびハーフトーンでの濃度むらの
発生もなくかつ放電破壊による異常画像も発生しない電
子写真プロセスが提供される。
【0024】更に、請求項16によれば、光導電層が少
なくともフェノール化合物と有機硫黄化合物を含有し、
かつ環状エーテル系化合物、ケトン系化合物、芳香族系
炭化水素化合物から選ばれた溶剤からなる塗工液で塗布
形成された電子写真感光体を用いることにより、どのよ
うな環境で繰り返し使用されても高品質な画像を提供し
続けることができる電子写真プロセスが提供される。
【0025】また、請求項17〜20によれば、電子写
真感光体の中間層に含有される無機顔料を酸化チタン、
とくに未処理の酸化チタンとすることで、更に高品質な
画像を形成し、かつ繰り返し使用しても異常画像の発生
のない高耐久な電子写真感光体が提供され、電子写真プ
ロセスの性能向上が達成される。更に中間層の膜厚を
5.0μm以上とし、光導電層の膜厚を28μm以上と
することで、更に耐久性の向上した電子写真感光体が提
供され、電子写真プロセスの性能向上が達成される。
【0026】請求項21の発明は、帯電手段、現像手段
及びクリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手
段と電子写真感光体とを一体に支持した、電子写真装置
本体に着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、前記
電子写真感光体が中間層と光導電層を順に設けてなり、
該中間層が少なくとも無機顔料と結着剤樹脂、及び少な
くともクラウンエーテル、ポリアルキレングリコールエ
ーテル、ポリエチレングリコールモノまたはジエステ
ル、あるいはオキシエチレン基とオキシプロピレン基と
を有しかつ分子の末端が水酸基であるランダム共重合体
またはブロック共重合体から選ばれる1つの化合物を含
有し、更に該光導電層が環状エーテル系化合物、ケトン
系化合物、芳香族系炭化水素化合物から選ばれた溶剤か
らなる塗工液で塗布形成されされたことを特徴とするプ
ロセスカートリッジである。
【0027】上記のような本発明の構成からなる電子写
真感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段よ
り選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子
写真装置本体に着脱自在としたプロセスカートリッジと
したことで、作像手段の保守、交換性を良好にし、かつ
黒ベタやハーフトーンで濃度むらのない高品質な画像を
出力できるプロセスカートリッジが提供される。
【0028】更に、請求項22によれば、光導電層が少
なくともフェノール化合物と有機硫黄化合物を含有し、
かつ環状エーテル系化合物、ケトン系化合物、芳香族系
炭化水素化合物から選ばれた溶剤からなる塗工液で塗布
形成された電子写真感光体を用いることにより、どのよ
うな環境で繰り返し使用されても高品質な画像を提供し
続けることができるプロセスカートリッジが提供され
る。
【0029】また、請求項23〜26によれば、電子写
真感光体の中間層に含有される無機顔料を酸化チタン、
とくに未処理の酸化チタンとすることで、更に高品質な
画像を形成し、かつ繰り返し使用しても異常画像の発生
のない高耐久な電子写真感光体が提供され、プロセスカ
ートリッジの性能向上が達成される。また、中間層の膜
厚を5.0μm以上とし、光導電層の膜厚を28μm以
上とすることにより、更に耐久性の向上した電子写真感
光体が提供され、プロセスカートリッジの性能向上が達
成される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。ただし、本発明はなんら実施の形態に限定されるも
のではない。
【0031】本発明で使用する導電性支持体としては、
アルミニウム、ニッケルあるいはステンレスなどの金
属、カーボン等の導電性顔料を分散したプラスチック、
絶縁性支持体(プラスチックまたはプラスチックフィル
ム等)上に金属を蒸着または導電性塗料を塗工したもの
等が例示される。
【0032】本発明の中間層に用いる無機顔料として
は、一般に用いられている顔料でよいが、可視光及び近
赤外光に吸収のほとんど無い白色又はそれに近いものが
感光体の高感度化を考えた時に望ましい。このような顔
料として、例えば酸化チタン、亜鉛華、硫酸亜鉛、鉛
白、リトポン等の白色顔料や酸化アルミ、シリカ、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料等が挙げられ
る。
【0033】酸化チタンは他の白色顔料に比較して屈折
率が大きく、化学的にも物理的にも安定であり、隠蔽力
が大きく白色度も大きい。また酸化チタンにはルチル
型、アナタース型があるがいずれでも使用できる。更
に、酸化チタンとしては表面未処理の酸化チタンを用い
ることが好ましい。酸化チタンは、分散性、耐候性、耐
変色性等の改善のためにアルミナ処理、シリカ処理等の
無機物処理を施した酸化チタンが市販されている。しか
し、このような表面処理された酸化チタンを中間層に含
有させると、その処理の影響で感光体特性が温湿度依存
性を持ち、繰り返し使用により異常画像が発生しやすく
なる。感光体特性の温湿度依存性を小さくさせるために
は、表面処理を施していない酸化チタンを使用するのが
好ましい。
【0034】本発明の中間層に用いられるクラウンエー
テルとしては、環を構成する酸素原子数が3〜8個のも
のが好ましく、このようなクラウンエーテルとしては、
ベンゾ9クラウン3エーテル(C−1)、12クラウン
4エーテル(C−2)、18クラウン6エーテル(C−
3)、ジベンゾ18クラウン6エーテル(C−4)、ト
リベンゾ18クラウン6エーテル(C−5)、18クラ
ウン6エーテルフラン(C−6)、ペルヒドロベンゾ1
8クラウン6エーテル(C−7)、テトラベンゾ24ク
ラウン8エーテル(C−8)、ジベンゾ24クラウン8
エーテル(C−9)、ジシクロヘキサノ24クラウン8
エーテル(C−10)、18クラウン6エーテル(C−
11)、15クラウン5エーテル(C−12)、21ク
ラウン7エーテル(C−13)などの化合物が挙げられ
る。但し、本発明はこれらのものに限定されるものでは
ない。これら化合物(C−1)〜(C−13)の構造式
を以下に示す。
【0035】
【化1】
【0036】
【化2】
【0037】
【化3】
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】
【化6】
【0041】
【化7】
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】
【化12】
【0047】
【化13】
【0048】また、本発明で用いられるポリアルキレン
グリコールエーテルとしては、たとえば下記一般式
(I)で示されるポリエチレングリコールモノエーテル
や下記一般式(II)で示されるポリプロピレングリコ
ールモノエーテル等が挙げられる。
【0049】
【化14】 R−O−(CHCHO)−H …… (I)
【0050】(式中、Rは炭素数1〜30のアルキル
基、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、置換もし
くは無置換のアリール基、好ましくは炭素数1〜20の
アルキル基置換フェニル基を、nは平均付加モル数を示
し、1以上好ましくは1〜100の実数を表す。)
【0051】
【化15】 R−O−(CHCHCHO)−H …… (II)
【0052】(式中、Rは炭素数1〜30のアルキル
基、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、置換もし
くは無置換のアリール基、好ましくは炭素数1〜20の
アルキル基置換フェニル基を、nは平均付加モル数を示
し、1以上好ましくは1〜100の実数を表す。)
【0053】これらポリアルキレングリコールモノエー
テルは従来公知のものであり、本発明においては、種々
の市販されているものが用いられるが、分子量70〜1
0000好ましくは200〜5000のものが好適に使
用される。
【0054】前記一般式(I)で示される化合物として
は以下のようなものが例示される。三洋化成(株)製の
エマルミン40、50、60、70、110、140、
180、M−20、240、L−90−S800−10
0、L−380、旭電化工業(株)製のアデカエストー
ルOEG、SEGシリーズ、第一工業製薬(株)製のノ
イゲンETシリーズ、ノイゲンEAシリーズ、エマルジ
ットLシリーズ、日本油脂(株)製のノニオンE−20
6、E−210、E−230、P−208、P−21
0、P−213、S−207、S−215、S−22
0、K−204、K−215、K−220、K−23
0、T−2085、パーソプトNK−60、NK−10
0、ノニオンNSシリーズ、HSシリーズ、ユニホック
スM−400、M−550、M−200、C−230
0、三洋化成(株)製のノニポール20、30、40、
55、60、70、85、90、95、100、11
0、120、130、140、160、200、29
0、300、400、450、500、700、80
0、D160、オクタポール45、50、60、80、
100、200、300、400、ドデカポール61、
90、120、200等が挙げられる。
【0055】また、前記一般式(II)で示される化合
物としては、以下のようなものが例示される。三洋化成
工業(株)製のニューポールLB−65、ニューポール
L285、ニューポールLB385、ニューポールLB
625、ニューポールL1145、ニューポールLB1
715、ニューポールLB3000、ニューポールLB
300X、ニューポールLB400XY、ニューポール
LB650X、ニューポールL1800X等が挙げられ
る。但し、本発明はこれら具体例に限定されるものでは
ない。
【0056】更に、本発明で用いられるポリエチレング
リコールモノまたはジエステルとしては、例えばポリエ
チレングリコールモノカルボン酸エステル、ポリエチレ
ングリコールジカルボン酸エステルなどが挙げられ、種
々のものが市販されている。このような市販品として
は、ポリエチレングリコールモノカルボン酸エステルと
して、例えば三洋化成(株)製のイオネットMS−40
0、MS−1000、MO−200、MO−400、M
O−600、サントパールTE−106、第一工業製薬
(株)製のイノゲンESシリーズ、日本油脂(株)製の
ノニオンLシリーズ、ノニオンOシリーズ、ノニオンT
シリーズ等が挙げられる。また、ポリエチレングリコー
ルジカルボン酸エステルとして、例えば三洋化成(株)
製のイオネットDL−200、DS−300、DS−4
00、DO−200、DO−400、DO−600、D
O−1000、サントパールGE−70、日本油脂
(株)製のノニオンDS−60HN(ジステアレート)
が挙げられる。但し、本発明はこれら具体例に限定され
るものではない。
【0057】また、本発明で用いられるオキシエチレン
基とオキシプロピレン基とを有し、かつ分子の末端が水
酸基であるランダム共重合体またはブロック共重合体と
しては、種々の市販されているものを用いることができ
るが、分子量500〜100000、好ましくは200
0〜50000であり、オキシエチレン基の平均付加モ
ル数1〜1000、好ましくは1〜600、オキシプロ
ピレン基の平均付加モル数1〜2000、好ましくは1
〜1000のものを用いることが好ましい。このような
ランダム共重合体またはブロック共重合体の具体例とし
ては、三洋化成(株)製のニューポールPE−61、P
E−62、PE−64、PE−68、PE−71、PE
−74、PE−75、PE−78、PE−85、PE−
88、PE−108、PE−2700、ニューポール7
5H−90000、旭電化工業(株)製のプルロニック
のLシリーズ、Pシリーズ、Fシリーズ、第一工業製薬
(株)製のエパンシリーズ、日本油脂(株)製のプロノ
ン102、104、105、201、204、208等
が挙げられる。但し、本発明はこれら具体例に限定され
るものではない。
【0058】前記クラウンエーテル、ポリアルキレング
リコールエーテル、ポリエチレングリコールモノまたは
ジエステル、あるいはオキシエチレン基とオキシプロピ
レン基とを有し、かつ分子の末端が水酸基であるランダ
ム共重合体またはブロック共重合体を中間層に含有さ
せ、かつ光導電層用塗工液に使用する溶剤が環状エーテ
ル系化合物、ケトン系化合物、芳香族系炭化水素化合物
から選ばれた溶剤とすることで、中間層の局部的な膨潤
の発生を抑え、黒べた及びハーフトーン画像に濃度むら
のない高品質な画像を形成する電子写真感光体を提供で
きる。クラウンエーテル、ポリアルキレングリコールエ
ーテル、ポリエチレングリコールモノまたはジエステ
ル、あるいはオキシエチレン基とオキシプロピレン基と
を有し、かつ分子の末端が水酸基であるランダム共重合
体またはブロック共重合体の含有量は、樹脂100重量
部に対して0.1〜30重量部添加することが好まし
い。0.1重量部より少ない場合は中間層の局部的な膨
潤の抑制に効果なく、30重量部より多い場合は感光体
特性劣化を引き起こしやすくなる。
【0059】また、本発明に用いる結着剤樹脂として
は、適宜のものを用いることができる。このような樹脂
としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアク
リル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メ
トキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポ
リウレタン、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の三次元網
目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
【0060】中間層用塗工液の調製方法は、上記結着剤
樹脂を溶剤で溶解し無機顔料と共に、ボールミル、ロー
ルミル、サンドミル、アトライターなどで分散させる。
クラウンエーテル、ポリアルキレングリコールエーテ
ル、ポリエチレングリコールモノ又はジエステル、ある
いはオキシエチレン基とオキシプロピレン基とを有し、
かつ分子の末端が水酸基であるランダム共重合体または
ブロック共重合体を分散液に含有させるには、上記分散
液に添加し溶解させてもよいし、無機顔料と一緒に分散
させてもよい。この分散液をブレード塗工、ナイフ塗
工、スプレー塗工、浸漬塗工等の塗工方法を用いて導電
性支持体上に塗工、乾燥することによって、中間層が形
成される。中間層における結着剤樹脂/無機顔料の重量
比範囲は1/15〜2/1の範囲が好ましい。中間層の
厚さは、0.5μm以上20.0μm以下が好ましい
が、繰り返し使用による地肌よごれが発生しにくい高耐
久感光体とするには、中間層の膜厚が厚いほど有利とな
るため、5.0μm以上の中間層とすることが望まし
い。また、帯電手段が接触帯電手段である場合、放電破
壊を防止するためにも5.0μm以上の中間層とするこ
とが望ましい。
【0061】次に、中間層上に設ける光導電層は単層型
でも積層型でもよい。しかし、いずれの場合でも光導電
層用塗工液に使用する溶剤は、環状エーテル系化合物、
ケトン系化合物、芳香族系炭化水素化合物から選ばれた
溶剤でなければならない。更に光導電層の膜厚は、繰り
返し使用しても異常画像を発生させないためには、28
μm以上とすることが望ましい。感光体は、繰り返し使
用により接触部材により摩耗し膜厚が減少する。その結
果感光体にかかる電界強度が大きくなり、導電性支持体
からの電荷注入により地肌汚れ等の異常画像が発生す
る。そこで光導電層の膜厚を厚くしておく方が、繰り返
し使用しても高品質な画像を提供しつづけることができ
る。ここでいう光導電層の膜厚とは、光導電層が電荷発
生層と電荷輸送層の積層から構成されている場合、電荷
発生層と電荷輸送層との合計の膜厚であり、また光導電
層が単層の場合は、その光導電層そのものの膜厚であ
る。
【0062】中間層にクラウンエーテル、ポリアルキレ
ングリコールエーテル、ポリエチレングリコールモノま
たはジエステル、あるいはオキシエチレン基とオキシプ
ロピレン基とを有し、かつ分子の末端が水酸基であるラ
ンダム共重合体またはブロック共重合体を含有する場合
でも中間層の上に設ける光導電層用塗工液に使用する溶
剤がジクロロメタン等のハロゲン溶剤を使用すると、中
間層への溶剤の浸透による局部的な膨潤が発生しやす
く、光導電層の膜厚を厚くすることができない。その結
果、繰り返し使用すると地肌汚れが発生しやすい感光体
となってしまう。
【0063】しかし、本発明の中間層はクラウンエーテ
ル、ポリアルキレングリコールエーテル、ポリエチレン
グリコールモノまたはジエステル、あるいはオキシエチ
レン基とオキシプロピレン基とを有し、かつ分子の末端
が水酸基であるランダム共重合体またはブロック共重合
体を含有しており、更に光導電層用塗工液に使用する溶
剤を環状エーテル系化合物、ケトン系化合物、芳香族系
炭化水素化合物から選ばれた溶剤とすることで光導電層
の膜厚を28μ以上としても中間層への溶剤の浸透によ
る局部的な膨潤が発生せず黒べたまたはハーフトーン画
像における濃度むらの発生のない高品質な画像を形成で
きる感光体となる。また、光導電層が厚膜のため、地肌
汚れ等の異常画像も発生しにくくなり高耐久な感光体と
なる。
【0064】本発明の光導電層用塗工液に使用する溶剤
として、環状エーテル系化合物では、テトラヒドロフラ
ン、1、3−ジオキソラン、1、4−ジオキサン等が、
ケトン系化合物では、メチルエチルケトン、アセトン、
シクロヘキサノン等が、芳香族系炭化水素化合物では、
トルエン、キシレン、ベンゼン等が例示されるが、これ
ら例示に限定されるものではない。
【0065】なお、光導電層用塗工液に使用する溶剤を
環状エーテル系化合物、ケトン系化合物、芳香族系炭化
水素化合物から選ばれた溶剤を使用すると、光導電層中
に前記溶剤は残留しやすい。その結果、感光体を繰り返
し使用すると残留電位が上昇し、反転現像では画像濃度
低下という異常画像が発生しやすくなる。特に光導電層
を28μm以上の厚膜化とすることで残留溶剤量も多く
なり、異常画像が発生しやすくなる。しかし、光導電層
に少なくともフェノール系化合物(フェノール化合物と
略す)と有機硫黄系化合物(有機硫黄化合物と略す)を
含有させることでどのような環境で繰り返し使用されて
も残留電位の上昇のない静電特性の安定した高耐久な感
光体となる。
【0066】溶剤に含有させるフェノール化合物として
は、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6
−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノー
ル、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、
2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、
2−tert−ブチルフェノール、3,6−ジ−ter
t−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチル
フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチ
ルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−メチル
フェノール、2,4,6−tert−ブチルフェノー
ル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ステアリルプ
ロピオネートフェノール、α−トコフェノール、β−ト
コフェノール、γ−トコフェノール、δ−トコフェノー
ル、ナフトールAS、ナフトールAS−D、ナフトール
AS−BO、4,4’−メチレンビス2,6−ジ−te
rt−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス
(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−
ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エ
チル−6−tert−ブチルフェノール、2,2’−エ
チレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノー
ル)、2,2’−プロピレンビス(4,6−ジ−ter
t−ブチルフェノール)、2,2’−ブテンビス(4,
6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エ
チレンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾー
ル)、4,4’−ブテンビス(6−tert−ブチル−
m−クレゾール)、2,2’−ブテンビス(6−ter
t−ブチル−P−クレゾール)、2,2’−チオビス
(6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオ
ビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、4,
4’−チオビス(6−tert−O−クレゾール)、
2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチ
ルフェノール)、1,3,5−トリメチル2,4,6−
トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−アミル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス−(3−t−ブチル−5
−メチル−4−ビトロキシベンジル)ベンゼン、2−t
ert−ブチル−5−メチル−フェニルアミンフェノー
ル、4,4’−ビスアミノ(2−tert−ブチル−4
−メチルフェノール)などが挙げられる。
【0067】また、有機硫黄化合物としては、ジラウリ
ルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオ
ネート、ラウリル・ステアリルチオジプロピオネート、
ジステアリルチオジプロピオネート、ジメチルチオジプ
ロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、フ
ェノチアジン、チオグリコール酸オクタデシル、チオグ
リコール酸ブチル、チオグリコール酸オクシル、チオク
レゾールなどが挙げられる。
【0068】光導電層にフェノール化合物と有機硫黄化
合物とを含有させる方法は、使用する溶剤にフェノール
化合物と有機硫黄化合物とを溶解させるだけでよい。フ
ェノール化合物だけを用いた場合、または有機硫黄化合
物だけを用いた場合には繰り返し使用により感光体の静
電特性は変動しやすく、反転現像方式の場合は画像濃度
低下を引き起こす。光導電層中に含有させるフェノール
化合物と有機硫黄化合物との重量配合比(フェノール化
合物:有機硫黄化合物)は1:0.01〜1:100で
ある。この配合比の範囲外の場合、感光体の繰り返し使
用による静電特性の変動が大きい。
【0069】次に光導電層が電荷発生層と電荷輸送層で
構成される場合について説明する。電荷発生層は、電荷
発生材料を主成分とする層である。電荷発生材料には、
無機及び有機材料が用いられ、その代表としてモノアゾ
顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔
料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮
合多環化合物、スクアリック酸系染料、フタロシアニン
系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染
料、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素合金、アモ
ルファス・シリコン等が挙げられ用いられる。電荷発生
材料は、単独であるいは2種類以上混合して用いられ
る。
【0070】電荷発生層は、電荷発生材料を適宜バイン
ダー樹脂(結着剤樹脂)とともに、環状エーテル系有機
溶剤、ケトン系有機溶剤、芳香族系有機溶剤を用いてボ
ールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散
し、分散液を塗布することにより形成する。塗布は、浸
漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用い
て行なうことができる。適宜用いられる結着剤樹脂とし
ては、前記有機溶剤に溶解可能なポリウレタン、ポリエ
ステル、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹
脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポ
リスチレン、ポリアクリルアミドなどが挙げられ用いら
れる。電荷発生層の膜厚は0.01〜5μm程度が適当
であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0071】電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着剤
樹脂を環状エーテル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、芳
香族系有機溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層
上に塗布、乾燥する事により形成できる。また、必要に
より可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加するこ
ともできる。
【0072】電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸
送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロル
アニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フ
ルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−
トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−
4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン
−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子
受容性物質が挙げられる。
【0073】正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリル
エチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムア
ルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポ
リビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘
導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、
モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、
トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フ
ェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリー
ルメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチ
リルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニル
ベンゼン誘導体、ヒドラジン誘導体、インデン誘導体、
ブタジエン誘導体、ピレン誘導体、ビススチルベン誘導
体、エナミン誘導体、その他ポリマー化された正孔輸送
物質等公知の材料が挙げられる。
【0074】電荷輸送層に用いられる結着剤樹脂として
は、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マ
レイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポ
リカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロー
ス樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマー
ル、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メ
ラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッ
ド樹脂、あるいは特開平5−158250号公報・特開
平6−51544号公報記載の各種ポリカーボネート共
重合体等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着剤樹脂100重量部に対し、2
0〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適
当である。
【0075】フェノール化合物及び有機硫黄化合物を含
有させる層は、電荷発生層のみまたは電荷輸送層のみで
もよいし、更には電荷発生層及び電荷輸送層両層に含有
させてもよい。含有させる方法としては、結着剤樹脂を
溶解する塗工液調製時に添加してもよいし、塗工液調製
後に添加してもよい。
【0076】次に、光導電層が単層構成の場合について
説明する。この場合、少なくとも電荷発生材料及び電荷
輸送材料を、結着剤樹脂とともに環状エーテル系化合
物、ケトン系化合物、芳香族系炭化水素化合物から選ば
れた1種以上の溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、
乾燥することによって形成できる。また、必要により可
塑剤等を添加することもできる。結着剤樹脂としては、
先に電荷輸送層で挙げた結着剤樹脂をそのまま用いるこ
とができる他に、電荷発生層で挙げた結着剤樹脂を混合
してもよい。フェノール化合物及び有機硫黄化合物を光
導電層に含む場合には、光導電層中の含有量は、両成分
の合計量が電荷発生物質または電荷輸送物質に対して
0.05重量%から20重量%であることが好ましい。
【0077】本発明においては光導電層中にレベリング
剤を添加してもよい。レベリング剤としては、ジメチル
シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルな
どのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキ
ル基を有するポリマ−あるいはオリゴマーが使用でき、
その使用量は結着樹脂100重量部に対して0〜1重量
部が適当である。
【0078】次に本発明の電子写真装置及び電子写真プ
ロセスについて説明する。本発明の電子写真装置は、少
なくとも帯電手段、画像露光手段、反転現像手段、転写
手段及び電子写真感光体からなる電子写真装置におい
て、前記電子写真感光体が中間層と光導電層を順に設け
てなり、該中間層が少なくとも無機顔料と結着剤樹脂及
びクラウンエーテル、ポリアルキレングリコールエーテ
ル、ポリエチレングリコールモノまたはジエステル、あ
るいはオキシエチレン基とオキシプロピレン基とを有し
かつ分子の末端が水酸基であるランダム共重合体または
ブロック共重合体から選ばれる1つの化合物を含有し、
更に該光導電層が環状エーテル系化合物、ケトン系化合
物、芳香族系炭化水素化合物から選ばれた溶剤からなる
塗工液で塗布形成された電子写真感光体であることを特
徴とする電子写真装置である。なお、光導電層にはフェ
ノール化合物と有機硫黄化合物が含有され得る。
【0079】反転現像手段を備えた電子写真装置で出力
される画像濃度は、搭載される電子写真感光体の感度に
大きく依存する。そのため電子写真感光体の感度が部分
的に異なる感光体を搭載した電子写真装置では、黒べた
画像やハーフトーン画像に濃度ムラが現れてしまう。し
かし、本発明の電子写真装置では、搭載する電子写真感
光体の感度が光導電層全域にわたって均一なため、黒べ
た画像やハーフトーン画像の濃度も均一で高品質な画像
となる。
【0080】最近電子写真装置の帯電法として、一般的
なコロナ帯電に代わって接触帯電を用いた装置が実用化
されてきている。この方法は装置の簡略化やコロナ放電
で生成するオゾンを軽減する等のメリットがある。接触
帯電手段は、感光体表面に接触配置され、外部からの電
圧を感光体に直接、均一に印加し、感光体表面を所定の
電位に帯電させる。このような接触帯電手段としては、
アルミニウム、鉄、銅、などの金属、ポリアセチレン、
ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子材
料、カーボンブラック、金属などの導電性粒子をポリカ
ーボネート、ポリエチレンなどの絶縁樹脂に分散して導
電処理したゴムや人工繊維、または絶縁樹脂の表面を導
電性物質によってコートしたもの等を用いることができ
る。また、これらの形状としてはローラー、ブラシ、ブ
レード、ベルトなどのいずれの形状を採ってもよい。
【0081】本発明の電子写真装置においては、例えば
回転するドラム状の電子写真感光体の外周面に帯電手段
により感光体は正または負の所定電圧に帯電される。帯
電手段には正または負の直流電圧がかけられており、帯
電手段に印加する直流電圧は−2000V〜+2000
Vが好ましい。帯電した感光体は、次に露光手段により
光像露光(スリット露光あるいはレーザービーム走査露
光など)を受ける。この露光走査時に原稿面の非画像部
に対しては露光を中断し、露光によって低電位となった
画像部に対して、表面電位よりやや低い現像バイアスを
印加して反転現像を行い、それによって前述の非画像部
部分を含めて原稿像に対応した静電潜像が順次形成され
ていく。その静電潜像は、次いで現像手段でトナー現像
され、そのトナー現像像が転写帯電手段により給紙部か
ら感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期取りさ
れて給送される記録材の面に順次転写されていく。像転
写を受けた記録材は感光体面から分離されて像定着手段
へ導入されて像定着を受けて複写物(コピー)として機
外ヘ出力される。
【0082】接触帯電手段への印加電圧は、直流、交流
又は直流+交流いずれを用いてもよい。また印加方法も
瞬時に印加してもよいし、段階的に印加電圧を上げてい
ってもよい。接触帯電方式は感光体の放電破壊を起し易
くその結果、反転現像プロセスでは大きな黒ポチとなり
異常画像となる。しかし本発明の電子写真装置は中間層
及び/又は光導電層を厚膜化しても黒べたやハーフトー
ンでの濃度むらの発生がなく、その結果接触帯電手段を
用いた電子写真装置に搭載しても、放電破壊を発生せ
ず、また各環境で繰り返し使用しても良好な画像を提供
しつづける電子写真装置となる。
【0083】本発明の電子写真プロセスは、電子写真感
光体に少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返
し行う電子写真プロセスにおいて、前記電子写真感光体
が中間層と光導電層を順に設けてなり、該中間層が少な
くとも無機顔料と結着剤樹脂及びクラウンエーテル、ポ
リアルキレングリコールエーテル、ポリエチレングリコ
ールモノまたはジエステル、あるいはオキシエチレン基
とオキシプロピレン基とを有しかつ分子の末端が水酸基
であるランダム共重合体またはブロック共重合体から選
ばれる1つの化合物を含有し、更に光導電層が環状エー
テル系化合物、ケトン系化合物、芳香族系炭化水素化合
物から選ばれた溶剤からなる塗工液で塗布形成された電
子写真感光体であって、かつ現像が反転現像であること
を特徴とする電子写真プロセスである。なお、光導電層
にはフェノール化合物と有機硫黄化合物が含有され得
る。
【0084】反転現像プロセスで出力される画像濃度
は、露光電位に大きく依存する。露光電位は搭載される
電子写真感光体の感度に大きく依存する。そのため電子
写真感光体の感度が部分的に異なる電子写真感光体を用
いた反転現像プロセスでは、露光電位が部分的に異なる
ため、画像濃度ムラとして画像に現れてしまう。しか
し、本発明の電子写真プロセスでは、搭載する電子写真
感光体の感度が光導電層全域にわたって均一なため、露
光電位も均一となり黒べた画像やハーフトーン画像の濃
度も均一で高品質な画像となる。さらに、反転現像プロ
セスでは暗部電位と明部電位の電位差を十分にとった方
が環境等の変動による電位変動に対して余裕が有り、良
好な画像を提供できる。その一つの手段として感光体の
帯電電位を高くする方法があるが、反対に放電破壊は感
光体表面の帯電電位が高ければ高いほど発生率は高くな
る。しかし、本発明のプロセスを用いれば、帯電電位は
絶対値で600V以上帯電させても何ら問題はなく繰り
返し使用しても常に良好な画像を出すことができる。す
なわち感光体表面に暗部電位が絶対値で600V以上の
静電潜像を形成し、形成された静電潜像を反転現像する
電子写真プロセスで常に良好な画像を提供することがで
きる。
【0085】次に、本発明のプロセスカートリッジにつ
いて図1の概略構成に示す模式図を参考にして説明す
る。図1のプロセスカートリッジ1は、帯電手段3、現
像手段4及びクリーニング手段5と本発明の構成からな
る電子写真感光体2とを一体に支持(結合)して構成さ
れた例を示している。しかし、本発明のプロセスカート
リッジ1においては電子写真感光体1と一体に支持され
る手段は所望の構成とすることができ、前記各手段より
選ばれる少なくとも一つの手段を一体に結合して構成さ
れていればよい。すなわち、本発明のプロセスカートリ
ッジ1は、帯電手段3、現像手段4及びクリーニング手
段5から選ばれる少なくとも一つの手段と電子写真感光
体2とを一体に結合して構成し、このプロセスカートリ
ッジ1を複写機やプリンター等の電子写真装置本体に対
して着脱可能に構成する。 電子写真装置本体(図略)
に着脱自在としたプロセスカートリッジとすることで作
像手段の保守、交換性が良好となると共に、本発明の電
子写真感光体2により黒ベタやハーフトーンで濃度むら
のない高品質な画像を出力することが可能となる。
【0086】本発明の電子写真感光体2を装備するプロ
セスカートリッジ1を装着した電子写真装置において電
子写真感光体2は所定の周速度で回転駆動される。電子
写真感光体2はこの回転過程において、帯電手段3によ
りその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、
次いでスリット露光やレーザービーム走査露光等の図示
しない像露光手段からの画像露光を受ける。これにより
電子写真感光体2の周面に静電潜像が順次形成され、形
成された静電潜像は、次に現像手段4によりトナー現像
され、現像されたトナー像は給紙部から電子写真感光体
2と図示しない転写手段との間に電子写真感光体2の回
転と同期されて給送された転写材に、図示しない転写手
段により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は
感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着
され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウト
される。像転写後の電子写真感光体2の表面は、クリー
ニング手段5によって転写残りトナーの除去を受けて清
浄面化され、更に除電された後、繰り返し画像形成に使
用される。
【0087】
【実施例】実施例1 アルキド樹脂ベッコゾール1307−60EL(固形分
60wt%)(大日本インキ化学製)150重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンG−821−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)100重量部を
メチルエチルケトン500重量部に溶解した。更に、ジ
ベンゾ18クラウン6−エーテルを3.0重量部加え溶
解した。これに表面未処理酸化チタンTA−300(富
士チタン工業(株)製)600重量部を加え、アルミナ
ボールをメディアとしたボールミルで24時間分散し、
中間層用塗布液を調製した。これを、φ30mm×L3
40mmのアルミドラムに塗布し、130℃で20分乾
燥し、厚さ5.0μmの中間層を形成した。次にブチラ
ール樹脂エスレックBMS(積水化学製)5重量部をシ
クロヘキサノン150重量部に溶解し、これに下記構造
式(CG−1)のトリスアゾ顔料15重量部を加えボー
ルミルにて72時間分散を行った。更にシクロヘキサノ
ン210重量部を加え5時間分散を行った。これを固形
分が1.0wt%になるように攪拌しながらシクロヘキ
サノンで希釈した。このようにして得られた電荷発生層
用塗布液を前記中間層上に浸漬塗布し、120℃、10
分間乾燥を行い厚さ約0.2μmの電荷発生層を形成し
た。
【0088】
【化16】
【0089】次いで下記構造式(CT−2)の電荷輸送
物質80重量部、ポリカーボネート樹脂パンライトTS
2050(帝人化成製)100重量部、シリコンオイル
KF−50(信越化学工業製)0.02重量部をテトラ
ヒドロフラン770重量部に溶解した。このようにして
得られた電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬
塗布し、135℃、20分間乾燥し、厚さ28μmの電
荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
【0090】
【化17】
【0091】実施例2 実施例1において中間層中に分散させる顔料を表面未処
理酸化チタンから硫化亜鉛粉末(島久製薬製)とした以
外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製
した。
【0092】実施例3 実施例1において中間層中に分散させる顔料を表面未処
理酸化チタンからアルミナ処理酸化チタンCR−60
(石原産業(株)製)とした以外は、実施例1と全く同
様にして電子写真感光体を作製した。
【0093】実施例4 実施例1において電荷輸送層用塗工液を調製するときに
用いる溶剤を1,3−ジオキソランとした以外は、実施
例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0094】実施例5 実施例1において電荷輸送層用塗工液を調製するときに
用いる溶剤をキシレンとした以外は、実施例1と全く同
様にして電子写真感光体を作製した。
【0095】実施例6 実施例1において電荷輸送層用塗工液を調製するときに
用いる溶剤をトルエンとした以外は、実施例1と全く同
様にして電子写真感光体を作製した。
【0096】実施例7 実施例1において、中間層の膜厚を1.5μmとした以
外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【0097】実施例8 実施例1において、電荷輸送層の膜厚を20μmとした
以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製
した。
【0098】比較例1 実施例1においてジベンゾ18クラウン6−エーテルを
添加しなかった以外は、実施例1と全く同様にして電子
写真感光体を作製した。
【0099】比較例2 実施例1において電荷輸送層用塗工液を調製するときに
用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタンとし
た以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0100】比較例3 実施例1の電荷発生層用塗工液調製において分散後の希
釈に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタン
とした以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0101】評価(1) 上記実施例1〜8及び比較例1〜3で得られた電子写真
感光体をレーザープリンタSP−90(リコー製)に搭
載し、暗部帯電電位−800V、反転現像バイアス−6
00Vに調節した後、20℃×50%RH(相対湿
度)、12℃×15%RH、32℃×85%RHの各環
境下で初期画像及び100Kプリント後の画像を評価し
た。なお、SP−90は、非接触コロナ帯電手段、レー
ザーによる画像露光手段、反転現像手段、転写手段を装
備した電子写真装置である。評価結果を表1、表2及び
表3に示す。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】
【表3】
【0105】上記実施例1〜8及び比較例1〜3の評価
結果から、本発明の電子写真感光体は初期の画像及び繰
り返しプリント後の画像のいずれにおいても、黒べた及
びハーフトーンでの濃度むらの発生はほとんどなく良好
であり、100Kプリント後においても地肌汚れもなく
高品質な画像を形成し、耐久性の高いことが分かる。
【0106】実施例9 アルキド樹脂ベッコゾール1307−60EL(固形分
60wt%)(大日本インキ化学製)125重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンL−110−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)125重量部を
メチルエチルケトン500重量部に溶解した。更にジベ
ンゾ24クラウン8−エーテルを10.0重量部加えて
溶解した。これに表面未処理酸化チタンCR−EL(石
原産業(株)製)570重量部を加え、アルミナボール
を使用して30時間ボールミル分散を行なって中間層用
塗布液を調製した。これをφ30mm×L340mmの
アルミニウム素管に塗布し、135℃、20分乾燥し、
6.0μmの中間層を設けた。次にA型チタニルフタロ
シアニン顔料18重量部をφ2mmのジルコニアビーズ
とともにガラスポットに入れ、更にポリビニルブチラー
ル樹脂エスレックBX−1(積水化学製)10重量部を
メチルエチルケトン350重量部に溶解した樹脂溶液を
加えて15時間ボールミリングを行った。その後メチル
エチルケトン600重量部を加えて希釈し、電荷発生層
用塗工液を調製した。このようにして得られた電荷発生
層用塗布液を前記中間層上に浸漬塗布し、70℃、20
分間乾燥を行い、厚さ約0.3μmの電荷発生層を形成
した。次いで下記構造式(CT−3)の電荷輸送物質9
0重量部、ポリカーボネート樹脂パンライトL−125
0(帝人化成製)100重量部、シリコンオイルKF−5
0(信越化学工業製)0.02重量部を400重量部の
1,3−ジオキソランと350重量部のテトラヒドロフ
ラン に溶解した。このようにして得られた電荷輸送層
用塗布液を前記電荷発生層上に塗布し、135℃、20
分乾燥し膜厚31μmの電荷輸送層を形成し、電子写真
感光体を作製した。
【0107】
【化18】
【0108】実施例10 実施例9において、中間層の膜厚を3.0μmとした以
外は実施例9と全く同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【0109】実施例11 実施例9において、電荷輸送層の膜厚を25μmとした
以外は実施例9と全く同様にして電子写真感光体を作製
した。
【0110】比較例4 実施例9において、中間層にジベンゾ24クラウン8−
エーテルを含有させなかった以外は、実施例9と全く同
様にして電子写真感光体を作製した。
【0111】比較例5 実施例9において電荷輸送層用塗工液を調製するときに
用いる溶剤を全てハロゲン系溶剤であるジクロロメタン
とした以外は、実施例9と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0112】比較例6 実施例9の電荷発生層用塗工液調製において分散後の希
釈に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタン
とした以外は、実施例9と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0113】評価(2) 上記で得られた実施例9〜11及び比較例4〜6の電子
写真感光体をデジタル複写機IMAGIO MF220
0(リコー製)に搭載し、暗部帯電電位−600V、反
転現像バイアス−400Vに調節した後20℃/50%
RHで初期画像及び150Kコピー後の画像を評価し
た。なお、IMAGIO MF2200は、帯電ローラ
による接触帯電手段、画像露光手段、反転現像手段、転
写手段を装備した電子写真装置である。評価結果を表4
に示す。
【0114】
【表4】
【0115】上記実施例9〜11及び比較例4〜6の評
価結果から、本発明の電子写真感光体は初期の画像及び
繰り返しプリント後の画像のいずれにおいても高品質な
画像を形成し、黒べた及びハーフトーンでの濃度むらの
発生はほとんどなく良好であり、150Kコピー後にお
いても地肌汚れは実用上問題なく、耐久性の高いことが
分かる。
【0116】実施例12 実施例9において、中間層に含有させるジベンゾ24ク
ラウン8−エーテルを15クラウン5エーテルに変更し
たほか、電荷発生層を下記のように変更した。下記構造
式(CG−4)のジスアゾ顔料60.0重量部とメチル
エチルケトン330重量部をボールミルにて200時間
分散を行った。分散終了後、ポリビニルブチラール(エ
スレックBL−1:積水化学社製)10重量部をメチル
エチルケトン400重量部、シクロヘキサノン1850
重量部に溶解した樹脂液を添加し、5時間分散を行い、
電荷発生用塗工液を調製した。このようにして得られた
電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、130
℃、20分間乾燥を行い、厚さ約0.5μmの電荷発生
層を形成した。
【0117】
【化19】
【0118】また電荷輸送層を下記のように変更した。
前記構造式(CT−2)の電荷輸送物質85重量部、ポ
リカーボネート樹脂パンライトTS−2050(帝人化
成製)100重量部、シリコンオイルKF−50(信越化
学工業製)0.02重量部を200重量部の1,3−ジ
オキソランと550重量部のテトラヒドロフランに溶解
した。このようにして得られた電荷輸送層用塗布液を前
記電荷発生層上に塗布し、135℃、20分乾燥し膜厚
30μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製
した。
【0119】実施例13 実施例12において、中間層の膜厚を2.0μmとした
以外は実施例12と全く同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0120】実施例14 実施例12において、電荷輸送層の膜厚を25μmとし
た以外は実施例12と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0121】比較例7 実施例13において、中間層に15クラウン5エーテル
を含有させず、かつ電荷輸送層の膜厚を25μmとした
以外は、実施例13と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0122】比較例8 実施例14において、中間層に15クラウン5エーテル
を含有させなかった以外は、実施例14と全く同様にし
て電子写真感光体を作製した。
【0123】評価(3) 上記で得られた実施例12〜14及び比較例7、8の電
子写真感光体をIPSiO NX720N(リコー製)
に搭載し、暗部帯電電位−950V、反転現像バイアス
−600Vに調節した後、20℃/50%RHの環境で
初期画像及び放電破壊による黒ぽち発生まで画像を出力
させた。なお、IPSiO NX720Nは、帯電ロー
ラによる接触帯電手段、反転現像手段、転写手段を備え
た電子写真装置である。また、レーザーによる画像露光
手段の書き込み波長を改造した。評価結果を表5に示
す。
【0124】
【表5】
【0125】上記実施例12〜14及び比較例7,8の
評価結果から、本発明の電子写真感光体は初期の画像に
おいて黒べた及びハーフトーンでの濃度むらの発生はな
く良好であり、高品質な画像が得られるとともに放電破
壊を起こしにくく、耐久性の高いことが分かる。
【0126】実施例15 アルキド樹脂ベッコゾール1307−60EL(固形分
60wt%)(大日本インキ化学製)150重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンG−821−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)100重量部を
メチルエチルケトン500重量部に溶解した。更に、三
洋化成(株)製のエマルミンL−380を15.0重量
部加え溶解した。これに表面未処理酸化チタンTA−3
00(富士チタン工業(株)製)600重量部を加え、
アルミナボールをメディアとしたボールミルで24時間
分散し、中間層用塗布液を調製した。これを、φ30m
m×L340mmのアルミドラムに塗布し、130℃で
20分乾燥し、厚さ5.0μmの中間層を形成した。次
にブチラール樹脂エスレックBMS(積水化学製)5重
量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、これに
下記構造式(CG−1)のトリスアゾ顔料15重量部を
加えボールミルにて72時間分散を行った。更にシクロ
ヘキサノン210重量部を加え5時間分散を行った。こ
れを固形分が1.0wt%になるように攪拌しながらシ
クロヘキサノンで希釈した。このようにして得られた電
荷発生層用塗布液を前記中間層上に浸漬塗布し、120
℃、10分間乾燥を行い厚さ約0.2μmの電荷発生層
を形成した。
【0127】
【化20】
【0128】次いで下記構造式(CT−2)の電荷輸送
物質80重量部、ポリカーボネート樹脂パンライトTS
2050(帝人化成製)100重量部、シリコンオイル
KF−50(信越化学工業製)0.02重量部をテトラ
ヒドロフラン770重量部に溶解した。このようにして
得られた電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬
塗布し、135℃、20分間乾燥し、厚さ28μmの電
荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
【0129】
【化21】
【0130】実施例16 実施例15において中間層中に分散させる顔料を表面未
処理酸化チタンから硫化亜鉛粉末(島久製薬製)とした
以外は、実施例15と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0131】実施例17 実施例15において中間層中に分散させる顔料を表面未
処理酸化チタンからアルミナ処理酸化チタンCR−60
(石原産業(株)製)とした以外は、実施例15と全く
同様にして電子写真感光体を作製した。
【0132】実施例18 実施例15において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤を1,3−ジオキソランとした以外は、実
施例15と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0133】実施例19 実施例15において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をキシレンとした以外は、実施例15と全
く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0134】実施例20 実施例15において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をトルエンとした以外は、実施例15と全
く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0135】実施例21 実施例15において、中間層の膜厚を1.5μmとした
以外は実施例15と全く同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0136】実施例22 実施例15において、電荷輸送層の膜厚を20μmとし
た以外は実施例15と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0137】比較例9 実施例15において三洋化成(株)製のエマルミンL−
380を添加しなかった以外は、実施例15と全く同様
にして電子写真感光体を作製した。
【0138】比較例10 実施例15において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタンと
した以外は、実施例15と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0139】比較例11 実施例15の電荷発生層用塗工液調製において分散後の
希釈に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタ
ンとした以外は、実施例15と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0140】評価(4) 上記実施例15〜22及び比較例9〜11で得られた電
子写真感光体をレーザープリンタSP−90(リコー
製)に搭載し、暗部帯電電位−800V、反転現像バイ
アス−600Vに調節した後、20℃×50%RH(相
対湿度)、12℃×15%RH、32℃×85%RHの
各環境下で初期画像及び100Kプリント後の画像を評
価した。なお、SP−90は、非接触コロナ帯電手段、
レーザーによる画像露光手段、反転現像手段、転写手段
を装備した電子写真装置である。評価結果を表6、表7
及び表8に示す。
【0141】
【表6】
【0142】
【表7】
【0143】
【表8】
【0144】上記実施例15〜22及び比較例9〜11
の評価結果から、本発明の電子写真感光体は初期の画像
及び繰り返しプリント後の画像のいずれにおいても、黒
べた及びハーフトーンでの濃度むらの発生はほとんどな
く良好であり、100Kプリント後においても地肌汚れ
もなく高品質な画像を形成し、耐久性の高いことが分か
る。
【0145】実施例23 アルキド樹脂ベッコゾール1307−60EL(固形分
60wt%)(大日本インキ化学製)125重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンL−110−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)125重量部を
メチルエチルケトン500重量部に溶解した。更に、三
洋化成(株)製のニューポールLB650Xを5.0重
量部加えて溶解した。これに表面未処理酸化チタンCR
−EL(石原産業(株)製)570重量部を加え、アル
ミナボールを使用して30時間ボールミル分散を行なっ
て中間層用塗布液を調製した。これをφ30mm×L3
40mmのアルミニウム素管に塗布し、135℃、20
分乾燥し、6.0μmの中間層を設けた。次にA型チタ
ニルフタロシアニン顔料18重量部をφ2mmのジルコ
ニアビーズとともにガラスポットに入れ、更にポリビニ
ルブチラール樹脂エスレックBX−1(積水化学製)1
0重量部をメチルエチルケトン350重量部に溶解した
樹脂溶液を加えて15時間ボールミリングを行った。そ
の後メチルエチルケトン600重量部を加えて希釈し、
電荷発生層用塗工液を調製した。このようにして得られ
た電荷発生層用塗布液を前記中間層上に浸漬塗布し、7
0℃、20分間乾燥を行い、厚さ約0.3μmの電荷発
生層を形成した。次いで下記構造式(CT−3)の電荷
輸送物質90重量部、ポリカーボネート樹脂パンライト
L−1250(帝人化成製)100重量部、シリコンオイ
ルKF−50(信越化学工業製)0.02重量部を400
重量部の1,3−ジオキソランと350重量部のテトラ
ヒドロフラン に溶解した。このようにして得られた電
荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に塗布し、135
℃、20分乾燥し膜厚31μmの電荷輸送層を形成し、
電子写真感光体を作製した。
【0146】
【化22】
【0147】実施例24 実施例23において、中間層の膜厚を3.0μmとした
以外は実施例23全く同様にして電子写真感光体を作製
した。
【0148】実施例25 実施例23において、電荷輸送層の膜厚を25μmとし
た以外は実施例23と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0149】比較例12 実施例23において、中間層に三洋化成(株)製ニュー
ポールLB650Xを含有させなかった以外は、実施例
23と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0150】比較例13 実施例23において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤を全てハロゲン系溶剤であるジクロロメタ
ンとした以外は、実施例23と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0151】比較例14 実施例23の電荷発生層用塗工液調製において分散後の
希釈に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタ
ンとした以外は、実施例23と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0152】評価(5) 上記で得られた実施例23〜25及び比較例12〜14
の電子写真感光体をデジタル複写機IMAGIO MF
2200(リコー製)に搭載し、暗部帯電電位−600
V、反転現像バイアス−400Vに調節した後20℃/
50%RHで初期画像及び150Kコピー後の画像を評
価した。なお、IMAGIO MF2200は、帯電ロ
ーラによる接触帯電手段、画像露光手段、反転現像手
段、転写手段を装備した電子写真装置である。評価結果
を表9に示す。
【0153】
【表9】
【0154】上記実施例23〜25及び比較例12〜1
4の評価結果から、本発明の電子写真感光体は初期の画
像及び繰り返しプリント後の画像のいずれにおいても高
品質な画像を形成し、黒べた及びハーフトーンでの濃度
むらの発生はほとんどなく良好であり、150Kコピー
後においても地肌汚れは実用上問題なく、耐久性の高い
ことが分かる。
【0155】実施例26 実施例23において、中間層に含有させる三洋化成
(株)製ニューポールLB650Xを日本油脂(株)製
のノニオンE−210に変更した。また、電荷発生層を
下記のように変更した。下記構造式(CG−4)のジス
アゾ顔料60.0重量部とメチルエチルケトン330重
量部をボールミルにて200時間分散を行った。分散終
了後、ポリビニルブチラール(エスレックBL−1:積
水化学社製)10重量部をメチルエチルケトン400重
量部、シクロヘキサノン1850重量部に溶解した樹脂
液を添加し、5時間分散を行い、電荷発生用塗工液を調
製した。このようにして得られた電荷発生層用塗布液を
中間層上に浸漬塗布し、130℃、20分間乾燥を行
い、厚さ約0.5μmの電荷発生層を形成した。
【0156】
【化23】
【0157】また電荷輸送層を下記のように変更した。
前記構造式(CT−2)の電荷輸送物質85重量部、ポ
リカーボネート樹脂パンライトTS−2050(帝人化
成製)100重量部、シリコンオイルKF−50(信越化
学工業製)0.02重量部を200重量部の1、3−ジ
オキソランと550重量部のテトラヒドロフランに溶解
した。このようにして得られた電荷輸送層用塗布液を前
記電荷発生層上に塗布し、135℃、20分乾燥し膜厚
30μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製
した。
【0158】実施例27 実施例26において、中間層の膜厚を2.0μmとした
以外は実施例26と全く同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0159】実施例28 実施例26において、電荷輸送層の膜厚を25μmとし
た以外は実施例26と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0160】比較例15 実施例27において、中間層に日本油脂(株)製のノニ
オンE−210を含有させず、かつ電荷輸送層の膜厚を
25μmとした以外は、実施例27と全く同様にして電
子写真感光体を作製した。
【0161】比較例16 実施例28において、中間層に日本油脂(株)製のノニ
オンE−210を含有させなかった以外は、実施例28
と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0162】評価(6) 上記で得られた実施例26〜28及び比較例15、16
の電子写真感光体をIPSiO NX720N(リコー
製)に搭載し、暗部帯電電位−950V、反転現像バイ
アス−600Vに調節した後、20℃/50%RHの環
境で初期画像及び放電破壊による黒ぽち発生まで画像を
出力させた。なお、IPSiO NX720Nは、帯電
ローラによる接触帯電手段、反転現像手段、転写手段を
備えた電子写真装置である。またレーザーによる画像露
光手段の書き込み波長を改造した。評価結果を表10に
示す。
【0163】
【表10】
【0164】上記実施例26〜28及び比較例15、1
6の評価結果から、本発明の電子写真感光体は初期の画
像において黒べた及びハーフトーンでの濃度むらの発生
はなく良好であり、高品質な画像が得られるとともに放
電破壊を起こしにくく、耐久性の高いことが分かる。
【0165】実施例29 アルキド樹脂ベッコゾール1307−60EL(固形分
60wt%)(大日本インキ化学製)150重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンG−821−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)100重量部を
メチルエチルケトン500重量部に溶解した。更に、三
洋化成(株)製のイオネットMS−400を5.5重量
部加え溶解した。これに表面未処理酸化チタンTA−3
00(富士チタン工業(株)製)600重量部を加え、
アルミナボールをメディアとしたボールミルで24時間
分散し、中間層用塗布液を調製した。これを、φ30m
m×L340mmのアルミドラムに塗布し、130℃で
20分乾燥し、厚さ5.0μmの中間層を形成した。次
にブチラール樹脂エスレックBMS(積水化学製)5重
量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、これに
下記構造式(CG−1)のトリスアゾ顔料15重量部を
加えボールミルにて72時間分散を行った。更にシクロ
ヘキサノン210重量部を加え5時間分散を行った。こ
れを固形分が1.0wt%になるように攪拌しながら、
シクロヘキサノンで希釈した。このようにして得られた
電荷発生層用塗布液を前記中間層上に浸漬塗布し、12
0℃、10分間乾燥を行い厚さ約0.2μmの電荷発生
層を形成した。
【0166】
【化24】
【0167】次いで下記構造式(CT−2)の電荷輸送
物質80重量部、ポリカーボネート樹脂パンライトTS
2050(帝人化成製)100重量部、シリコンオイル
KF−50(信越化学工業製)0.02重量部をテトラ
ヒドロフラン770重量部に溶解した。このようにして
得られた電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬
塗布し、135℃、20分間乾燥し、厚さ28μmの電
荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
【0168】
【化25】
【0169】実施例30 実施例29において中間層中に分散させる顔料を表面未
処理酸化チタンから硫化亜鉛粉末(島久製薬製)とした
以外は、実施例29と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0170】実施例31 実施例29において中間層中に分散させる顔料を表面未
処理酸化チタンからアルミナ処理酸化チタンCR−60
(石原産業(株)製)とした以外は、実施例29と全く
同様にして電子写真感光体を作製した。
【0171】実施例32 実施例29において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤を1,3−ジオキソランとした以外は、実
施例29と全く同様にして電子写真感光体を作成した。
【0172】実施例33 実施例29において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をキシレンとした以外は、実施例29と全
く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0173】実施例34 実施例29において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をトルエンとした以外は、実施例29と全
く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0174】実施例35 実施例29において、中間層の膜厚を1.5μmとした
以外は実施例29と全く同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0175】実施例36 実施例29において、電荷輸送層の膜厚を20μmとし
た以外は実施例29と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0176】比較例17 実施例29において三洋化成(株)製のイオネットMS
−400の5.5重量部を添加しなかった以外は、実施
例29と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0177】比較例18 実施例29において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタンと
した以外は、実施例29と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0178】比較例19 実施例29の電荷発生層用塗工液調製において分散後の
希釈に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタ
ンとした以外は、実施例29と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0179】評価(7) 上記実施例29〜36及び比較例17〜19で得られた
電子写真感光体をレーザープリンタSP−90(リコー
製)に搭載し、暗部帯電電位−800V、反転現像バイ
アス−500Vに調節した後、20℃×50%RH(相
対湿度)、12℃×15%RH、32℃×85%RHの
各環境下で初期画像及び100Kプリント後の画像を評
価した。なお、SP−90は、非接触コロナ帯電手段、
レーザーによる画像露光手段、反転現像手段、転写手段
を装備した電子写真装置である。評価結果を表11、表
12及び表13に示す。
【0180】
【表11】
【0181】
【表12】
【0182】
【表13】
【0183】上記実施例29〜36及び比較例17〜1
9の評価結果から、本発明の電子写真感光体は初期の画
像及び繰り返しプリント後の画像のいずれにおいても、
黒べた及びハーフトーンでの濃度むらの発生はほとんど
なく良好であり、100Kプリント後においても地肌汚
れもなく高品質な画像を形成し、耐久性の高いことが分
かる。
【0184】実施例37 アルキド樹脂ベッコゾール1307−60EL(固形分
60wt%)(大日本インキ化学製)125重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンL−110−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)125重量部を
メチルエチルケトン500重量部に溶解した。更に、三
洋化成(株)製のイオネットDS−300を15.0重
量部加えて溶解した。これに表面未処理酸化チタンCR
−EL(石原産業(株)製)570重量部を加え、アル
ミナボールを使用して30時間ボールミル分散を行なっ
て中間層用塗布液を調製した。これをφ30mm×L3
40mmのアルミニウム素管に塗布し、135℃、20
分乾燥し、6.0μmの中間層を設けた。次にA型チタ
ニルフタロシアニン顔料18重量部をφ2mmのジルコ
ニアビーズとともにガラスポットに入れ、更にポリビニ
ルブチラール樹脂エスレックBX−1(積水化学製)1
0重量部をメチルエチルケトン350重量部に溶解した
樹脂溶液を加えて15時間ボールミリングを行った。そ
の後メチルエチルケトン600重量部を加えて希釈し、
電荷発生層用塗工液を調製した。このようにして得られ
た電荷発生層用塗布液を前記中間層上に浸漬塗布し、7
0℃、20分間乾燥を行い、厚さ約0.3μmの電荷発
生層を形成した。次いで下記構造式(CT−3)の電荷
輸送物質90重量部、ポリカーボネート樹脂パンライト
L−1250(帝人化成製)100重量部、シリコンオイ
ルKF−50(信越化学工業製)0.02重量部を400
重量部の1、3−ジオキソランと350重量部のテトラ
ヒドロフラン に溶解した。このようにして得られた電
荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に塗布し、135
℃、20分乾燥し膜厚31μmの電荷輸送層を形成し、
電子写真感光体を作製した。
【0185】
【化26】
【0186】実施例38 実施例37において、中間層の膜厚を3.0μmとした
以外は実施例37全く同様にして電子写真感光体を作製
した。
【0187】実施例39 実施例37において、電荷輸送層の膜厚を25μmとし
た以外は実施例37と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0188】比較例20 実施例37において、中間層に三洋化成(株)製のイオ
ネットDS−300を含有させなかった以外は、実施例
37と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0189】比較例21 実施例37において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤を全てハロゲン系溶剤であるジクロロメタ
ンとした以外は、実施例37と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0190】比較例22 実施例37の電荷発生層用塗工液調製において分散後の
希釈に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタ
ンとした以外は、実施例37と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0191】評価(8) 上記で得られた実施例37〜39及び比較例20〜22
の電子写真感光体をデジタル複写機IMAGIO MF
2200(リコー製)に搭載し、暗部帯電電位−600
V、反転現像バイアス−400Vに調節した後20℃/
50%RHで初期画像及び150Kコピー後の画像を評
価した。なお、IMAGIO MF2200は、帯電ロ
ーラによる接触帯電手段、画像露光手段、反転現像手
段、転写手段を装備した電子写真装置である。評価結果
を表14に示す。
【0192】
【表14】
【0193】上記実施例37〜39及び比較例20〜2
2の評価結果から、本発明の電子写真感光体は初期の画
像及び繰り返しプリント後の画像のいずれにおいても高
品質な画像を形成し、黒べた及びハーフトーンでの濃度
むらの発生はほとんどなく良好であり、150Kコピー
後においても地肌汚れは実用上問題なく、耐久性の高い
ことが分かる。
【0194】実施例40 実施例37において、中間層に含有させる三洋化成
(株)製のイオネットDS−300を日本油脂(株)製
のノニオンDS−60HNに変更した。また、電荷発生
層を下記のように変更した。下記構造式(CG−4)の
ジスアゾ顔料60.0重量部とメチルエチルケトン33
0重量部をボールミルにて200時間分散を行った。分
散終了後、ポリビニルブチラール(エスレックBL−
1:積水化学社製)10重量部をメチルエチルケトン4
00重量部、シクロヘキサノン1850重量部に溶解し
た樹脂液を添加し、5時間分散を行い、電荷発生用塗工
液を調製した。このようにして得られた電荷発生層用塗
布液を中間層上に浸漬塗布し、130℃、20分間乾燥
を行い、厚さ約0.5μmの電荷発生層を形成した。
【0195】
【化27】
【0196】また電荷輸送層を下記のように変更した。
前記構造式(CT−2)の電荷輸送物質85重量部、ポ
リカーボネート樹脂パンライトTS−2050(帝人化
成製)100重量部、シリコンオイルKF−50(信越化
学工業製)0.02重量部を200重量部の1,3−ジ
オキソランと550重量部のテトラヒドロフランに溶解
した。このようにして得られた電荷輸送層用塗布液を前
記電荷発生層上に塗布し、135℃、20分乾燥し膜厚
30μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製
した。
【0197】実施例41 実施例40において、中間層の膜厚を2.0μmとした
以外は実施例40と全く同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0198】実施例42 実施例40において、電荷輸送層の膜厚を25μmとし
た以外は実施例40と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0199】比較例23 実施例41において、中間層に日本油脂(株)製のノニ
オンDS−60HNを含有させず、かつ電荷輸送層の膜
厚を25μmとした以外は、実施例41と全く同様にし
て電子写真感光体を作製した。
【0200】比較例24 実施例42において、中間層に中間層に日本油脂(株)
製のノニオンDS−60HNを含有させなかった以外
は、実施例42と全く同様にして電子写真感光体を作製
した。
【0201】評価(9) 上記で得られた実施例40〜42及び比較例23、24
の電子写真感光体をIPSiO NX720N(リコー
製)に搭載し、暗部帯電電位−950V、反転現像バイ
アス−600Vに調節した後、20℃/50%RHの環
境で初期画像及び放電破壊による黒ぽち発生まで画像を
出力させた。なお、IPSiO NX720Nは、帯電
ローラによる接触帯電手段、反転現像手段、転写手段を
備えた電子写真装置である。またレーザーによる画像露
光手段の書き込み波長を改造した。評価結果を表15に
示す。
【0202】
【表15】
【0203】上記実施例40〜42及び比較例23、2
4の評価結果から、本発明の電子写真感光体は初期の画
像において黒べた及びハーフトーンでの濃度むらの発生
はなく良好であり、高品質な画像が得られるとともに放
電破壊を起こしにくく、耐久性の高いことが分かる。
【0204】実施例43 アルキド樹脂ベッコゾール1307−60EL(固形分
60wt%)(大日本インキ化学製)150重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンG−821−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)100重量部を
メチルエチルケトン500重量部に溶解した。更に、三
洋化成(株)製のニューポールPE−61を5.0重量
部加え溶解した。これに表面未処理酸化チタンTA−3
00(富士チタン工業(株)製)600重量部を加え、
アルミナボールをメディアとしたボールミルで24時間
分散し、中間層用塗布液を調製した。これを、φ30m
m×L340mmのアルミドラムに塗布し、130℃で
20分乾燥し、厚さ5.0μm の中間層を形成した。
次にブチラール樹脂エスレックBMS(積水化学製)5
重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、これ
に下記構造式(CG−1)のトリスアゾ顔料15重量部
を加えボールミルにて72時間分散を行った。更にシク
ロヘキサノン210重量部を加え5時間分散を行った。
これを固形分が1.0wt%になるように攪拌しながら
シクロヘキサノンで希釈した。このようにして得られた
電荷発生層用塗布液を前記中間層上に浸漬塗布し、12
0℃、10分間乾燥を行い厚さ約0.2μmの電荷発生
層を形成した。
【0205】
【化28】
【0206】次いで下記構造式(CT−2)の電荷輸送
物質80重量部、ポリカーボネート樹脂パンライトTS
2050(帝人化成製)100重量部、シリコンオイル
KF−50(信越化学工業製)0.02重量部をテトラ
ヒドロフラン770重量部に溶解した。このようにして
得られた電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬
塗布し、135℃、20分間乾燥し、厚さ28μmの電
荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
【0207】
【化29】
【0208】実施例44 実施例43において中間層中に分散させる顔料を表面未
処理酸化チタンから硫化亜鉛粉末(島久製薬製)とした
以外は、実施例43と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0209】実施例45 実施例43において中間層中に分散させる顔料を表面未
処理酸化チタンからアルミナ処理酸化チタンCR−60
(石原産業(株)製)とした以外は、実施例43と全く
同様にして電子写真感光体を作製した。
【0210】実施例46 実施例43において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤を1,3−ジオキソランとした以外は、実
施例43と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0211】実施例47 実施例43において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をキシレンとした以外は、実施例43と全
く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0212】実施例48 実施例43において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をトルエンとした以外は、実施例43と全
く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0213】実施例49 実施例43において、中間層の膜厚を1.5μmとした
以外は実施例43と全く同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0214】実施例50 実施例43において、電荷輸送層の膜厚を20μmとし
た以外は実施例43と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0215】比較例25 実施例43において三洋化成(株)製のニッポールPE
−61を添加しなかった以外は、実施例43と全く同様
にして電子写真感光体を作製した。
【0216】比較例26 実施例43において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタンと
した以外は、実施例43と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0217】比較例27 実施例43の電荷発生層用塗工液調製において分散後の
希釈に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタ
ンとした以外は、実施例43と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0218】評価(10) 上記実施例43〜50及び比較例25〜27で得られた
電子写真感光体をレーザープリンタSP−90(リコー
製)に搭載し、暗部帯電電位−800V、反転現像バイ
アス−500Vに調節した後、20℃×50%RH(相
対湿度)、12℃×15%RH、32℃×85%RHの
各環境下で初期画像及び100Kプリント後の画像を評
価した。なお、SP−90は、非接触コロナ帯電手段、
レーザーによる画像露光手段、反転現像手段、転写手段
を装備した電子写真装置である。評価結果を表16、表
17及び表18に示す。
【0219】
【表16】
【0220】
【表17】
【0221】
【表18】
【0222】上記実施例43〜50及び比較例25〜2
7の評価結果から、本発明の電子写真感光体は初期の画
像及び繰り返しプリント後の画像のいずれにおいても、
黒べた及びハーフトーンでの濃度むらの発生はほとんど
なく良好であり、100Kプリント後においても地肌汚
れもなく高品質な画像を形成し、耐久性の高いことが分
かる。
【0223】実施例51 アルキド樹脂ベッコゾール1307−60EL(固形分
60wt%)(大日本インキ化学製)125重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンL−110−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)125重量部を
メチルエチルケトン500重量部に溶解した。更に、三
洋化成(株)製のニューポール75H−90000を1
0.0重量部加えて溶解した。これに表面未処理酸化チ
タンCR−EL(石原産業(株)製)570重量部を加
え、アルミナボールを使用して30時間ボールミル分散
を行なって中間層用塗布液を調製した。これをφ30m
m×L340mmのアルミニウム素管に塗布し、135
℃、20分乾燥し、6.0μmの中間層を設けた。次に
A型チタニルフタロシアニン顔料18重量部をφ2mm
のジルコニアビーズとともにガラスポットに入れ、更に
ポリビニルブチラール樹脂エスレックBX−1(積水化
学製)10重量部をメチルエチルケトン350重量部に
溶解した樹脂溶液を加えて15時間ボールミリングを行
った。その後メチルエチルケトン600重量部を加えて
希釈し、電荷発生層用塗工液を調製した。このようにし
て得られた電荷発生層用塗布液を前記中間層上に浸漬塗
布し、70℃、20分間乾燥を行い、厚さ約0.3μm
の電荷発生層を形成した。次いで下記構造式(CT−
3)の電荷輸送物質90重量部、ポリカーボネート樹脂
パンライトL−1250(帝人化成製)100重量部、シ
リコンオイルKF−50(信越化学工業製)0.02重量
部を400重量部の1、3−ジオキソランと350重量
部のテトラヒドロフラン に溶解した。このようにして
得られた電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に塗布
し、135℃、20分乾燥し膜厚31μmの電荷輸送層
を形成し、電子写真感光体を作製した。
【0224】
【化30】
【0225】実施例52 実施例51において、中間層の膜厚を3.0μmとした
以外は実施例51全く同様にして電子写真感光体を作製
した。
【0226】実施例53 実施例51において、電荷輸送層の膜厚を25μmとし
た以外は実施例51と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0227】比較例28 実施例51において、中間層に三洋化成(株)製のニュ
ーポール75H−90000を含有させなかった以外
は、実施例51と全く同様にして電子写真感光体を作製
した。
【0228】比較例29 実施例51において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤を全てハロゲン系溶剤であるジクロロメタ
ンとした以外は、実施例51と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0229】比較例30 実施例51の電荷発生層用塗工液調製において分散後の
希釈に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタ
ンとした以外は、実施例51と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0230】評価(11) 上記で得られた実施例51〜53及び比較例28〜30
の感光体をデジタル複写機IMAGIO MF2200
(リコー製)に搭載し、暗部帯電電位−600V、反転
現像バイアス−400Vに調節した後20℃/50%R
Hで初期画像及び150Kコピー後の画像を評価した。
なお、IMAGIO MF2200は、帯電ローラによ
る接触帯電手段、画像露光手段、反転現像手段、転写手
段を装備した電子写真装置である。評価結果を表19に
示す。
【0231】
【表19】
【0232】上記実施例51〜53及び比較例28〜3
0の評価結果から、本発明の電子写真感光体は初期の画
像及び繰り返しプリント後の画像のいずれにおいても高
品質な画像を形成し、黒べた及びハーフトーンでの濃度
むらの発生はほとんどなく良好であり、150Kコピー
後においても地肌汚れは実用上問題なく、耐久性の高い
ことが分かる。
【0233】実施例54 実施例51において、中間層に含有させるニューポール
75H−90000を日本油脂(株)製のプロノン20
4に変更した。また、電荷発生層を下記のように変更し
た。下記構造式(CG−4)のジスアゾ顔料60.0重
量部とメチルエチルケトン330重量部をボールミルに
て200時間分散を行った。分散終了後、ポリビニルブ
チラール(エスレックBL−1:積水化学社製)10重
量部をメチルエチルケトン400重量部、シクロヘキサ
ノン1850重量部に溶解した樹脂液を添加し、5時間
分散を行い、電荷発生用塗工液を調製した。このように
して得られた電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布
し、130℃、20分間乾燥を行い、厚さ約0.5μm
の電荷発生層を形成した。
【0234】
【化31】
【0235】前記構造式(CT−2)の電荷輸送物質8
5重量部、ポリカーボネート樹脂パンライトTS−20
50(帝人化成製)100重量部、シリコンオイルKF−
50(信越化学工業製)0.02重量部を200重量部の
1,3−ジオキソランと550重量部のテトラヒドロフ
ランに溶解した。このようにして得られた電荷輸送層用
塗布液を前記電荷発生層上に塗布し、135℃、20分
乾燥し膜厚30μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感
光体を作製した。
【0236】実施例55 実施例54において、中間層の膜厚を2.0μmとした
以外は実施例54と全く同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0237】実施例56 実施例54において、電荷輸送層の膜厚を25μmとし
た以外は実施例54と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0238】比較例31 実施例55において、中間層にプロノン204を含有さ
せず、かつ電荷輸送層の膜厚を25μmとした以外は、
実施例55と全く同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【0239】比較例32 実施例56において、中間層にプロノン204を含有さ
せなかった以外は、実施例56と全く同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0240】評価(12) 上記で得られた実施例54〜56及び比較例31、32
の電子写真感光体をIPSiO NX720N(リコー
製)に搭載し、暗部帯電電位−950V、反転現像バイ
アス−600Vに調節した後、20℃/50%RHの環
境で初期画像及び放電破壊による黒ぽち発生まで画像を
出力させた。なお、IPSiO NX720Nは、帯電
ローラによる接触帯電手段、反転現像手段、転写手段を
備えた電子写真装置である。またレーザーによる画像露
光手段の書き込み波長を改造した。評価結果を表20に
示す。
【0241】
【表20】
【0242】上記実施例54〜56及び比較例31、3
2の評価結果から、本発明の電子写真感光体は初期の画
像において黒べた及びハーフトーンでの濃度むらの発生
はなく良好であり、高品質な画像が得られるとともに放
電破壊を起こしにくく、耐久性の高いことが分かる。
【0243】実施例57 アルキド樹脂ベッコゾール1307−60EL(固形分
60wt%)(大日本インキ化学製)150重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンG−821−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)100重量部を
メチルエチルケトン500重量部に溶解した。更に、ト
リベンゾ18クラウン6−エーテルを5.0重量部加え
溶解した。これに表面未処理酸化チタンTA−300
(富士チタン工業(株)製)600重量部を加え、アル
ミナボールをメディアとしたボールミルで36時間分散
し、中間層用塗布液を調製した。これを、φ30mm×
L340mmのアルミドラム(アルミニウム素管)に塗
布し、130℃で20分乾燥し、厚さ5.0μm の中
間層を形成した。次にブチラール樹脂エスレックBMS
(積水化学製)5重量部をシクロヘキサノン150重量
部に溶解し、これに下記構造式(CG−1)のトリスア
ゾ顔料15重量部を加えボールミルにて72時間分散を
行った。更にシクロヘキサノン210重量部を加え5時
間分散を行った。これを固形分が1.0wt%になるよ
うに攪拌しながらシクロヘキサノンで希釈した。このよ
うにして得られた電荷発生層用塗布液を前記中間層上に
浸漬塗布し、120℃、10分間乾燥を行い厚さ約0.
2μmの電荷発生層を形成した。
【0244】
【化32】
【0245】次いで下記構造式(CT−2)の電荷輸送
物質80重量部、ポリカーボネート樹脂パンライトTS
2050(帝人化成製)100重量部、2,6−ジ−t
ert−ブチル−4−メチルフェノール0.4重量部、
ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート0.5
重量部、シリコンオイルKF−50(信越化学工業製)
0.02重量部をテトラヒドロフラン770重量部に溶
解した。このようにして得られた電荷輸送層用塗布液を
前記電荷発生層上に浸漬塗布し、135℃、20分間乾
燥し、厚さ28μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感
光体を作製した。
【0246】
【化33】
【0247】実施例58 実施例57において中間層中に分散させる顔料を表面未
処理酸化チタンから硫化亜鉛粉末(島久製薬製)とした
以外は、実施例57と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0248】実施例59 実施例57において中間層中に分散させる顔料を表面未
処理酸化チタンからアルミナ処理酸化チタンCR−60
(石原産業(株)製)とした以外は、実施例57と全く
同様にして電子写真感光体を作製した。
【0249】実施例60 実施例57において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤を1,3−ジオキソランとした以外は、実
施例57と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0250】実施例61 実施例57において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をキシレンとした以外は、実施例57と全
く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0251】 実施例62 実施例57において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をトルエンとした以外は、実施例57と全
く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0252】実施例63 実施例57において、中間層の膜厚を1.8μmとした
以外は実施例57と全く同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0253】実施例64 実施例57において、電荷輸送層の膜厚を25μmとし
た以外は実施例57と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0254】比較例33 実施例57においてトリベンゾ18クラウン6−エーテ
ルを添加しなかった以外は、実施例57と全く同様にし
て電子写真感光体を作製した。
【0255】比較例34 実施例57において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタンと
した以外は、実施例57と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0256】比較例35 実施例57の電荷発生層用塗工液調製において分散後の
希釈に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタ
ンとした以外は、実施例57と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0257】参考例1 実施例57において電荷輸送層にフェノール化合物であ
る2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノー
ルを添加しなかった以外は、実施例57と全く同様にし
て電子写真感光体を作製した。
【0258】参考例2 実施例57において電荷輸送層に有機硫黄化合物である
ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネートを添加
しなかった以外は、実施例57と全く同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0259】参考例3 実施例57において電荷輸送層にフェノール化合物であ
る2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノー
ル及び有機硫黄化合物であるジステアリル−3,3’−
チオジプロピオネート両方とも添加しなかった以外は、
実施例57と全く同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【0260】評価(13) 上記実施例57〜64、比較例33〜35及び参考例1
〜3で得られた電子写真感光体をレーザープリンタSP
−90(リコー製)に搭載し、暗部帯電電位−800
V、反転現像バイアス−500Vに調節した後、20℃
/50%RH(相対湿度)、10℃/15%RH、30
℃/90%RHの各環境下で初期画像及び200Kプリ
ント後(A4)の画像を評価した。なお、SP−90
は、非接触コロナ帯電手段、レーザーによる画像露光手
段、反転現像手段、転写手段を装備した電子写真装置で
ある。評価結果を表21、表22及び表23に示す。
【0261】
【表21】
【0262】
【表22】
【0263】
【表23】
【0264】上記実施例57〜64、比較例33〜35
及び参考例1〜3の評価結果から、本発明の電子写真感
光体は初期の画像及び繰り返しプリント後の画像のいず
れにおいても、黒べたおよびハーフトーンでの濃度むら
の発生はほとんどなく良好であり、200Kプリント後
においても地肌汚れや画像濃度の低下もなく高品質な画
像を形成し、耐久性の高いことが分かる。
【0265】実施例65 アルキド樹脂ベッコゾール1307−60EL(固形分
60wt%)(大日本インキ化学製)125重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンL−110−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)125重量部を
メチルエチルケトン500重量部に溶解した。更にテト
ラベンゾ24クラウン8−エーテルを8.5重量部加え
て溶解した。これに表面未処理酸化チタンTA−300
(富士チタン工業(株)製)570重量部を加え、アル
ミナボールを使用して30時間ボールミル分散を行なっ
て中間層用塗布液を調製した。これをφ30mm×L3
40mmのアルミドラム(アルミニウム素管)に塗布
し、135℃、20分乾燥し、6.0μmの中間層を設
けた。次にA型チタニルフタロシアニン顔料18重量部
をφ2mmのジルコニアビーズとともにガラスポットに
入れ、更にメチルエチルケトン350重量部を加えて、
15時間ボールミリングを行った。その後ポリビニルブ
チラール樹脂エスレックBX−1(積水化学製)10重
量部をメチルエチルケトン600重量部に溶解させた樹
脂溶液を添加して、更に2時間ボールミリングを行うこ
とによって電荷発生層用塗工液を調製した。このように
して得られた電荷発生層用塗布液を前記中間層上に浸漬
塗布し、70℃、20分間乾燥を行い、厚さ約0.3μ
mの電荷発生層を形成した。次いで下記構造式(CT−
3)の電荷輸送物質90重量部、ポリカーボネート樹脂
パンライトL−1250(帝人化成製)100重量部、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノー
ル0.5重量部、ジメチル−3,3’−チオプロピオネ
ート1.0重量部、シリコンオイルKF−50(信越化
学工業製)0.02重量部を300重量部の1,3−ジ
オキソランと450重量部のテトラヒドロフランに溶解
した。このようにして得られた電荷輸送層用塗布液を前
記電荷発生層上に塗布し、135℃、20分乾燥し膜厚
31μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製
した。
【0266】
【化34】
【0267】実施例66 実施例65において、中間層の膜厚を3.5μmとした
以外は実施例65と全く同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0268】実施例67 実施例65において、電荷輸送層の膜厚を26μmとし
た以外は実施例65と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0269】比較例36 実施例65において、中間層にテトラベンゾ24クラウ
ン8−エーテルを含有させなかった以外は、実施例65
と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0270】比較例37 実施例65において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタンと
した以外は、実施例65と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0271】比較例38 実施例65の電荷発生層用塗工液調製において添加する
樹脂溶液に使用する溶液をメチルエチルケトン200重
量部とハロゲン系溶剤であるジクロロメタン400重量
部とした以外は、実施例65と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0272】参考例4 実施例65において電荷輸送層にフェノール化合物であ
る2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノ
ールを添加しなかった以外は、実施例65と全く同様に
して電子写真感光体を作製した。
【0273】参考例5 実施例65において電荷輸送層に有機硫黄化合物である
ジメチル−3,3’−チオプロピオネートを添加しなか
った以外は、実施例65と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0274】参考例6 実施例65において電荷輸送層にフェノール化合物であ
る2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノ
ール及び有機硫黄化合物であるジメチル−3,3’−チ
オプロピオネートの両方とも添加しなかった以外は、実
施例65と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0275】評価(14) 上記で得られた実施例65〜67、比較例36〜38及
び参考例4〜6の電子写真感光体をデジタル複写機IM
AGIO MF2200(リコー製)に搭載し、暗部帯
電電位−600V、反転現像バイアス−400Vに調節
した後20℃/50%RHで初期画像及び300Kコピ
ー後(A4)の画像を評価した。なお、IMAGIO
MF2200は、帯電ローラによる接触帯電手段、画像
露光手段、反転現像手段、転写手段を装備した電子写真
装置である。評価結果を表24に示す。
【0276】
【表24】
【0277】上記実施例65〜67、比較例36〜38
及び参考例4〜6の評価結果から、本発明の電子写真感
光体は初期の画像及び繰り返しプリント後の画像のいず
れにおいても高品質な画像を形成し、黒べたおよびハー
フトーンでの濃度むらの発生はほとんどなく良好であ
り、300Kコピー後においても地肌汚れは実使用上問
題なく、画像濃度の低下もなく耐久性の高いことが分か
る。
【0278】実施例68 実施例65において、中間層に含有させるテトラベンゾ
24クラウン8−エーテルを21クラウン7エーテルに
変更したほか、電荷発生層を下記のように変更した。下
記構造式(CG−4)のジスアゾ顔料60.0重量部を
メチルエチルケトン330重量部中、ボールミルにて2
00時間分散を行った。分散終了後、ポリビニルブチラ
ール(エスレックBL−1:積水化学社製)10重量部
をメチルエチルケトン400重量部、シクロヘキサノン
1850重量部に溶解した樹脂液を添加し、5時間分散
を行い、電荷発生用塗工液を調製した。このようにして
得られた電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、
130℃、20分間乾燥を行い、厚さ約0.5μmの電
荷発生層を形成した。
【0279】
【化35】
【0280】また電荷輸送層を下記のように変更した。
前記構造式(CT−2)の電荷輸送物質70重量部、ポ
リカーボネート樹脂パンライトTS−2050(帝人化
成製)100重量部、2,4−ジメチル−6−tert
−ブチルフェノール0.1重量部、ジミリスチル−3,
3’−チオプロピオネート0.5重量部、シリコンオイ
ルKF−50(信越化学工業製)0.02重量部を200
重量部の1,3−ジオキソランと550重量部のテトラ
ヒドロフランに溶解した。このようにして得られた電荷
輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に塗布し、135
℃、20分乾燥し膜厚29μmの電荷輸送層を形成し、
電子写真感光体を作製した。
【0281】実施例69 実施例68において、中間層の膜厚を2.0μmとした
以外は実施例68と全く同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0282】実施例70 実施例68において、電荷輸送層の膜厚を25μmとし
た以外は実施例68と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0283】参考例7 実施例68において、電荷輸送層に2,4−ジメチル−
6−tert−ブチルフェノール、ジミリスチル−3,
3’−チオプロピオネートを含有させなかった以外は、
実施例68と全く同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【0284】比較例39 実施例69において、中間層に21クラウン7エーテル
を含有させずかつ電荷輸送層に2,4−ジメチル−6−
tert−ブチルフェノール、ジミリスチル−3,3’
−チオプロピオネートを含有させなかった以外は、実施
例69と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0285】比較例40 実施例70において、中間層に21クラウン7エーテル
を含有させずかつ電荷輸送層に2,4−ジメチル−6−
tert−ブチルフェノール、ジミリスチル−3,3’
−チオプロピオネートを含有させなかった以外は、実施
例70と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0286】評価(15) 上記で得られた実施例68〜70、比較例39、40及
び参考例7の電子写真感光体をIPSiO NX720
N(リコー製)に搭載し、暗部帯電電位−950V、反
転現像バイアス−600Vに調節した後、20℃/50
%RHの環境で初期画像および放電破壊による黒ぽち発
生まで出力画像枚数(A4)を評価した。更に実施例6
8と参考例7に関しては、200K枚までプリントした
後の画像も評価した。なお、IPSiO NX720N
は、帯電ローラによる接触帯電手段、反転現像手段、転
写手段を備えた電子写真装置である。また、レーザによ
る画像露光手段の書き込み波長を改造した。評価結果を
表25に示す。
【0287】
【表25】
【0288】上記実施例68〜70、比較例39、40
及び参考例7の評価結果から、本発明の電子写真感光体
は初期の画像において黒べたおよびハーフトーンでの濃
度むらの発生はなく良好であり、200Kプリント後で
も高品質な画像が得られるとともに放電破壊を起こしに
くく、耐久性の高いことが分かる。
【0289】実施例71 アルキド樹脂ベッコゾール1307−60EL(固形分
60wt%)(大日本インキ化学製)150重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンG−821−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)100重量部を
メチルエチルケトン500重量部に溶解した。更に、三
洋化成(株)製のエマルミン180を20.0重量部加
え溶解した。これに表面未処理酸化チタンTA−300
(富士チタン工業(株)製)600重量部を加え、アル
ミナボールをメディアとしたボールミルで35時間分散
し、中間層用塗布液を調製した。これを、φ30mm×
L340mmのアルミドラム(アルミニウム素管)に塗
布し、130℃で20分乾燥し、厚さ5.0μm の中
間層を形成した。次にブチラール樹脂エスレックBMS
(積水化学製)5重量部をシクロヘキサノン150重量
部に溶解し、これに下記構造式(CG−1)のトリスア
ゾ顔料15重量部を加えボールミルにて72時間分散を
行った。更にシクロヘキサノン210重量部を加え5時
間分散を行った。これを固形分が1.0wt%になるよ
うに攪拌しながらシクロヘキサノンで希釈した。このよ
うにして得られた電荷発生層用塗布液を前記中間層上に
浸漬塗布し、120℃、10分間乾燥を行い厚さ約0.
2μmの電荷発生層を形成した。
【0290】
【化36】
【0291】次いで下記構造式(CT−2)の電荷輸送
物質80重量部、ポリカーボネート樹脂パンライトTS
2050(帝人化成製)100重量部、2,6−ジ−t
ert−ブチル−4−メチルフェノール0.4重量部、
ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート0.5
重量部、シリコンオイルKF−50(信越化学工業製)
0.02重量部をテトラヒドロフラン770重量部に溶
解した。このようにして得られた電荷輸送層用塗布液を
前記電荷発生層上に浸漬塗布し、135℃、20分間乾
燥し、厚さ28μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感
光体を作製した。
【0292】
【化37】
【0293】実施例72 実施例71において中間層中に分散させる顔料を表面未
処理酸化チタンから硫化亜鉛粉末(島久製薬製)とした
以外は、実施例71と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0294】実施例73 実施例71において中間層中に分散させる顔料を表面未
処理酸化チタンからアルミナ処理酸化チタンCR−60
(石原産業(株)製)とした以外は、実施例71と全く
同様にして電子写真感光体を作製した。
【0295】実施例74 実施例71において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤を1,3−ジオキソランとした以外は、実
施例71と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0296】実施例75 実施例71において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をキシレンとした以外は、実施例71と全
く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0297】実施例76 実施例71において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をトルエンとした以外は、実施例71と全
く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0298】実施例77 実施例71において、中間層の膜厚を1.8μmとした
以外は実施例71と全く同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0299】実施例78 実施例71において、電荷輸送層の膜厚を25μmとし
た以外は実施例71と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0300】比較例41 実施例71において三洋化成(株)製のエマルミン18
0を添加しなかった以外は、実施例71と全く同様にし
て電子写真感光体を作製した。
【0301】比較例42 実施例71において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタンと
した以外は、実施例71と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0302】比較例43 実施例71の電荷発生層用塗工液調製において分散後の
希釈に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタ
ンとした以外は、実施例71と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0303】参考例8 実施例71において電荷輸送層にフェノール化合物であ
る2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノー
ルを添加しなかった以外は、実施例71と全く同様にし
て電子写真感光体を作製した。
【0304】参考例9 実施例71において電荷輸送層に有機硫黄化合物である
ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネートを添加
しなかった以外は、実施例71と全く同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0305】参考例10 実施例71において電荷輸送層に フェノール化合物で
ある2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ
ール及び有機硫黄化合物であるジステアリル−3,3’
−チオジプロピオネートの両方とも添加しなかった以外
は、実施例71と全く同様にして電子写真感光体を作製
した。
【0306】評価(16) 上記実施例71〜78、比較例41〜43及び参考例8
〜10で得られた電子写真感光体をレーザープリンタS
P−90(リコー製)に搭載し、暗部帯電電位−800
V、反転現像バイアス−500Vに調節した後、20℃
/50%RH(相対湿度)、10℃/15%RH、30
℃/90%RHの各環境下で初期画像及び200Kプリ
ント後(A4)の画像を評価した。なお、SP−90
は、非接触コロナ帯電手段、レーザーによる画像露光手
段、反転現像手段、転写手段を装備した電子写真装置で
ある。評価結果を表26、表27及び表28に示す。
【0307】
【表26】
【0308】
【表27】
【0309】
【表28】
【0310】上記実施例71〜78、比較例41〜43
及び参考例8〜10の評価結果から、本発明の電子写真
感光体は初期の画像及び繰り返しプリント後の画像のい
ずれにおいても、黒べたおよびハーフトーンでの濃度む
らの発生はほとんどなく良好であり、200Kプリント
後においても地肌汚れや画像濃度の低下もなく高品質な
画像を形成し、耐久性の高いことが分かる。
【0311】実施例79 アルキド樹脂ベッコゾール1307−60EL(固形分
60wt%)(大日本インキ化学製)125重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンL−110−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)125重量部を
メチルエチルケトン500重量部に溶解した。更に、三
洋化成(株)製のニューポールLB300を7.0重量
部加えて溶解した。これに表面未処理酸化チタンCR−
EL(石原産業(株)製)570重量部を加え、アルミ
ナボールを使用して30時間ボールミル分散を行なって
中間層用塗布液を調製した。これをφ30mm×L34
0mmのアルミドラム(アルミニウム素管)に塗布し、
135℃、20分乾燥し、6.0μmの中間層を設け
た。次にA型チタニルフタロシアニン顔料18重量部を
φ2mmのジルコニアビーズとともにガラスポットに入
れ、更にメチルエチルケトン350重量部を加えて、1
5時間ボールミリングを行った。その後ポリビニルブチ
ラール樹脂エスレックBX−1(積水化学製)10重量
部をメチルエチルケトン600重量部に溶解させた樹脂
溶液を添加して、さらに2時間ボールミリングを行うこ
とによって電荷発生層用塗工液を調製した。このように
して得られた電荷発生層用塗布液を前記中間層上に浸漬
塗布し、70℃、20分間乾燥を行い、厚さ約0.3μ
mの電荷発生層を形成した。次いで下記構造式(CT−
3)の電荷輸送物質90重量部、ポリカーボネート樹脂
パンライトL−1250(帝人化成製)100重量部、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノー
ル0.5重量部、ジメチル−3,3’−チオプロピオネ
ート1.0重量部、シリコンオイルKF−50(信越化
学工業製)0.02重量部を300重量部の1,3−ジ
オキソランと450重量部のテトラヒドロフランに溶解
した。このようにして得られた電荷輸送層用塗布液を前
記電荷発生層上に塗布し、135℃、20分乾燥し膜厚
31μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製
した。
【0312】
【化38】
【0313】実施例80 実施例79において、中間層の膜厚を3.5μmとした
以外は実施例79全く同様にして電子写真感光体を作製
した。
【0314】実施例81 実施例79において、電荷輸送層の膜厚を26μmとし
た以外は実施例79と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0315】比較例44 実施例79において、中間層に三洋化成(株)製ニュー
ポールLB300Xを含有させなかった以外は、実施例
79と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0316】比較例45 実施例79において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタンと
した以外は、実施例79と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0317】比較例46 実施例79の電荷発生層用塗工液調製において添加する
樹脂溶液に使用する溶液をメチルエチルケトン200重
量部とハロゲン系溶剤であるジクロロメタン400重量
部とした以外は、実施例79と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0318】参考例11 実施例79において電荷輸送層にフェノール化合物であ
る2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノ
ールを添加しなかった以外は、実施例79と全く同様に
して電子写真感光体を作製した。
【0319】参考例12 実施例79において電荷輸送層に有機硫黄化合物である
ジメチル−3,3’−チオプロピオネートを添加しなか
った以外は、実施例79と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0320】参考例13 実施例79において電荷輸送層にフェノール化合物であ
る2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノ
ール及び有機硫黄化合物であるジメチル−3,3’−チ
オプロピオネートの両方とも添加しなかった以外は、実
施例79と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0321】評価(17) 上記で得られた実施例79〜81、比較例44〜46及
び参考例11〜13の電子写真感光体をデジタル複写機
IMAGIO MF2200(リコー製)に搭載し、暗
部帯電電位−600V、反転現像バイアス−400Vに
調節した後20℃/50%RHで初期画像及び300K
コピー後の画像を評価した。なお、IMAGIO MF
2200は、帯電ローラによる接触帯電手段、画像露光
手段、反転現像手段、転写手段を装備した電子写真装置
である。評価結果を表29に示す。
【0322】
【表29】
【0323】上記実施例79〜81、比較例44〜46
及び参考例11〜13の評価結果から、本発明の電子写
真感光体は初期の画像及び繰り返しプリント後の画像の
いずれにおいても高品質な画像を形成し、黒べたおよび
ハーフトーンでの濃度むらの発生はほとんどなく良好で
あり、300Kコピー後においても地肌汚れは実使用上
問題なく、画像濃度の低下もなく耐久性の高いことが分
かる。
【0324】実施例82 実施例79において、中間層に含有させる三洋化成
(株)製ニューポールLB300Xを日本油脂(株)製
のノニオンK−220に変更した。また、電荷発生層を
下記のように変更した。下記構造式(CG−4)のジス
アゾ顔料60.0重量部とメチルエチルケトン330重
量部をボールミルにて200時間分散を行った。分散終
了後、ポリビニルブチラール(エスレックBL−1:積
水化学社製)10重量部をメチルエチルケトン400重
量部、シクロヘキサノン1850重量部に溶解した樹脂
液を添加し、5時間分散を行い、電荷発生用塗工液を調
製した。このようにして得られた電荷発生層用塗布液を
中間層上に浸漬塗布し、130℃、20分間乾燥を行
い、厚さ約0.5μmの電荷発生層を形成した。
【0325】
【化39】
【0326】また電荷輸送層を下記のように変更した。
前記構造式(CT−2)の電荷輸送物質70重量部、ポ
リカーボネート樹脂パンライトTS−2050(帝人化
成製)100重量部、2,4−ジメチル−6−tert
−ブチルフェノール0.1重量部、ジミリスチル−3,
3’−チオプロピオネート0.5重量部、シリコンオイ
ルKF−50(信越化学工業製)0.02重量部を200
重量部の1、3−ジオキソランと550重量部のテトラ
ヒドロフランに溶解した。このようにして得られた電荷
輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に塗布し、135
℃、20分乾燥し膜厚29μmの電荷輸送層を形成し、
電子写真感光体を作製した。
【0327】実施例83 実施例82において、中間層の膜厚を2.0μmとした
以外は実施例82と全く同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0328】実施例84 実施例82において、電荷輸送層の膜厚を25μmとし
た以外は実施例82と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0329】参考例14 実施例82において、電荷輸送層に2,4−ジメチル−
6−tert−ブチルフェノール、ジミリスチル−3,
3’−チオプロピオネートを含有させなかった以外は、
実施例82と全く同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【0330】比較例47 実施例83において、中間層にノニオンK−220を含
有させずかつ電荷輸送層に2,4−ジメチル−6−te
rt−ブチルフェノール、ジミリスチル−3,3’−チ
オプロピオネートを含有させなかった以外は、実施例8
3と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0331】比較例48 実施例84において、中間層にノニオンK−220を含
有させずかつ電荷輸送層に2,4−ジメチル−6−te
rt−ブチルフェノール、ジミリスチル−3,3’−チ
オプロピオネートを含有させなかった以外は、実施例8
4と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0332】評価(18) 上記で得られた実施例82〜84、比較例47、48及
び参考例14の電子写真感光体をIPSiO NX72
0N(リコー製)に搭載し、暗部帯電電位−950V、
反転現像バイアス−600Vに調節した後、20℃/5
0%RHの環境で初期画像および放電破壊による黒ぽち
発生まで出力画像枚数(A4)を評価した。更に実施例
82と比較例60に関しては、200K枚までプリント
した後の画像も評価した。なお、IPSiO NX72
0Nは、帯電ローラによる接触帯電手段、反転現像手
段、転写手段を備えた電子写真装置である。また、レー
ザによる画像露光手段の書き込み波長を改造した。評価
結果を表30に示す。
【0333】
【表30】
【0334】上記実施例82〜84、比較例47、48
及び参考例14の評価結果から、本発明の電子写真感光
体は初期の画像において黒べたおよびハーフトーンでの
濃度むらの発生はなく良好であり、200Kプリント後
でも高品質な画像が得られるとともに放電破壊を起こし
にくく、耐久性の高いことが分かる。
【0335】実施例85 アルキド樹脂ベッコゾール1307−60EL(固形分
60wt%)(大日本インキ化学製)150重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンG−821−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)100重量部を
メチルエチルケトン500重量部に溶解した。更に、三
洋化成(株)製のイオネットMO−200を7.0重量
部加え溶解した。これに表面未処理酸化チタンTA−3
00(富士チタン工業(株)製)600重量部を加え、
アルミナボールをメディアとしたボールミルで36時間
分散し、中間層用塗布液を調製した。これを、φ30m
m×L340mmのアルミドラム(アルミニウム素管)
に塗布し、130℃で20分乾燥し、厚さ5.0μm
の中間層を形成した。次にブチラール樹脂エスレックB
MS(積水化学製)5重量部をシクロヘキサノン150
重量部に溶解し、これに下記構造式(CG−1)のトリ
スアゾ顔料15重量部を加えボールミルにて72時間分
散を行った。更にシクロヘキサノン210重量部を加え
5時間分散を行った。これを固形分が1.0wt%にな
るように攪拌しながら、シクロヘキサノンで希釈した。
このようにして得られた電荷発生層用塗布液を前記中間
層上に浸漬塗布し、120℃、10分間乾燥を行い厚さ
約0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0336】
【化40】
【0337】次いで下記構造式(CT−2)の電荷輸送
物質80重量部、ポリカーボネート樹脂パンライトTS
2050(帝人化成製)100重量部、2,6−ジ−t
ert−ブチル−4−メチルフェノール0.4重量部、
ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート0.5
重量部、シリコンオイルKF−50(信越化学工業製)
0.02重量部をテトラヒドロフラン770重量部に溶
解した。このようにして得られた電荷輸送層用塗布液を
前記電荷発生層上に浸漬塗布し、135℃、20分間乾
燥し、厚さ28μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感
光体を作製した。
【0338】
【化41】
【0339】実施例86 実施例85において中間層中に分散させる顔料を表面未
処理酸化チタンから硫化亜鉛粉末(島久製薬製)とした
以外は、実施例85と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0340】実施例87 実施例85において中間層中に分散させる顔料を表面未
処理酸化チタンからアルミナ処理酸化チタンCR−60
(石原産業(株)製)とした以外は、実施例85と全く
同様にして電子写真感光体を作製した。
【0341】実施例88 実施例85において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤を1,3−ジオキソランとした以外は、実
施例85と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0342】実施例89 実施例85において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をキシレンとした以外は、実施例85と全
く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0343】実施例90 実施例85において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をトルエンとした以外は、実施例85と全
く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0344】実施例91 実施例85において、中間層の膜厚を1.8μmとした
以外は実施例85と全く同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0345】実施例92 実施例85において、電荷輸送層の膜厚を25μmとし
た以外は実施例85と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0346】比較例49 実施例85においてイオネットMO−200を添加しな
かった以外は、実施例85と全く同様にして電子写真感
光体を作製した。
【0347】比較例50 実施例85において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタンと
した以外は、実施例85と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0348】比較例51 実施例85の電荷発生層用塗工液調製において分散後の
希釈に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタ
ンとした以外は、実施例85と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0349】参考例15 実施例85において電荷輸送層にフェノール化合物であ
る2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノー
ルを添加しなかった以外は、実施例85と全く同様にし
て電子写真感光体を作製した。
【0350】参考例16 実施例85において電荷輸送層に有機硫黄化合物である
ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネートを添加
しなかった以外は、実施例85と全く同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0351】参考例17 実施例85において電荷輸送層に フェノール化合物で
ある2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ
ール及び有機硫黄化合物であるジステアリル−3,3’
−チオジプロピオネートの両方とも添加しなかった以外
は、実施例85と全く同様にして電子写真感光体を作製
した。
【0352】評価(19) 上記実施例85〜92、比較例49〜51及び参考例1
5〜17で得られた電子写真感光体をレーザープリンタ
SP−90(リコー製)に搭載し、暗部帯電電位−80
0V、反転現像バイアス−500Vに調節した後、20
℃/50%RH(相対湿度)、10℃/15%RH、3
0℃/90%RHの各環境下で初期画像及び200Kプ
リント後(A4)の画像を評価した。なお、SP−90
は、非接触コロナ帯電手段、レーザーによる画像露光手
段、反転現像手段、転写手段を装備した電子写真装置で
ある。評価結果を表31、表32及び表33に示す。
【0353】
【表31】
【0354】
【表32】
【0355】
【表33】
【0356】上記実施例85〜92、比較例49〜51
及び参考例15〜17の評価結果から、本発明の電子写
真感光体は初期の画像及び繰り返しプリント後の画像の
いずれにおいても、黒べたおよびハーフトーンでの濃度
むらの発生はほとんどなく良好であり、200Kプリン
ト後においても地肌汚れや画像濃度の低下もなく高品質
な画像を形成し、耐久性の高いことが分かる。
【0357】実施例93 アルキド樹脂ベッコゾール1307−60EL(固形分
60wt%)(大日本インキ化学製)125重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンL−110−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)125重量部を
メチルエチルケトン500重量部に溶解した。更に、三
洋化成(株)製のイオネットDS−400を12.5重
量部加えて溶解した。これに表面未処理酸化チタンCR
−EL(石原産業(株)製)570重量部を加え、アル
ミナボールを使用して30時間ボールミル分散を行なっ
て中間層用塗布液を調製した。これをφ30mm×L3
40mmのアルミドラム(アルミニウム素管)に塗布
し、135℃、20分乾燥し、6.0μmの中間層を設
けた。次にA型チタニルフタロシアニン顔料18重量部
をφ2mmのジルコニアビーズとともにガラスポットに
入れ、更にメチルエチルケトン350重量部を加えて、
15時間ボールミリングを行った。その後ポリビニルブ
チラール樹脂エスレックBX−1(積水化学製)10重
量部をメチルエチルケトン600重量部に溶解させた樹
脂溶液を添加して、さらに2時間ボールミリングを行う
ことによって電荷発生層用塗工液を調製した。このよう
にして得られた電荷発生層用塗布液を前記中間層上に浸
漬塗布し、70℃、20分間乾燥を行い、厚さ約0.3
μmの電荷発生層を形成した。次いで下記構造式(CT
−3)の電荷輸送物質90重量部、ポリカーボネート樹
脂パンライトL−1250(帝人化成製)100重量部、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノー
ル0.5重量部、ジメチル−3,3’−チオプロピオネ
ート1.0重量部、シリコンオイルKF−50(信越化
学工業製)0.02重量部を300重量部の1、3−ジ
オキソランと450重量部のテトラヒドロフランに溶解
した。このようにして得られた電荷輸送層用塗布液を前
記電荷発生層上に塗布し、135℃、20分乾燥し膜厚
31μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製
した。
【0358】
【化42】
【0359】実施例94 実施例93において、中間層の膜厚を3.5μmとした
以外は実施例93全く同様にして電子写真感光体を作製
した。
【0360】実施例95 実施例93において、電荷輸送層の膜厚を26μmとし
た以外は実施例93と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0361】比較例52 実施例93において、中間層にイオネットDS−400
を含有させなかった以外は、実施例93と全く同様にし
て電子写真感光体を作製した。
【0362】比較例53 実施例93において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタンと
した以外は、実施例93と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0363】比較例54 実施例93の電荷発生層用塗工液調製において添加する
樹脂溶液に使用する溶液をメチルエチルケトン200重
量部とハロゲン系溶剤であるジクロロメタン400重量
部とした以外は、実施例93と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0364】参考例18 実施例93において電荷輸送層にフェノール化合物であ
る2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノ
ールを添加しなかった以外は、実施例93と全く同様に
して電子写真感光体を作製した。
【0365】参考例19 実施例93において電荷輸送層に有機硫黄化合物である
ジメチル−3,3’−チオプロピオネートを添加しなか
った以外は、実施例93と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0366】参考例20 実施例93において電荷輸送層にフェノール化合物であ
る2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノ
ール及び有機硫黄化合物であるジメチル−3,3’−チ
オプロピオネートの両方とも添加しなかった以外は、実
施例93と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0367】評価(20) 上記で得られた実施例93〜95、比較例52〜54及
び参考例18〜20の電子写真感光体をデジタル複写機
IMAGIO MF2200(リコー製)に搭載し、暗
部帯電電位−600V、反転現像バイアス−400Vに
調節した後20℃/50%RHで初期画像及び300K
コピー後(A4)の画像を評価した。なお、IMAGI
O MF2200は、帯電ローラによる接触帯電手段、
画像露光手段、反転現像手段、転写手段を装備した電子
写真装置である。評価結果を表34に示す。
【0368】
【表34】
【0369】上記実施例93〜95、比較例52〜54
及び参考例18〜20の評価結果から、本発明の電子写
真感光体は初期の画像及び繰り返しプリント後の画像の
いずれにおいても高品質な画像を形成し、黒べたおよび
ハーフトーンでの濃度むらの発生はほとんどなく良好で
あり、300Kコピー後においても地肌汚れは実使用上
問題なく、画像濃度の低下もなく耐久性の高いことが分
かる。
【0370】実施例96 実施例93において、中間層に含有させる三洋化成
(株)製のイオネットDS−400を日本油脂(株)製
のノニオンDS−60HNに変更した。また、電荷発生
層を下記のように変更した。下記構造式(CG−4)の
ジスアゾ顔料60.0重量部とメチルエチルケトン33
0重量部をボールミルにて200時間分散を行った。分
散終了後、ポリビニルブチラール(エスレックBL−
1:積水化学社製)10重量部をメチルエチルケトン4
00重量部、シクロヘキサノン1850重量部に溶解し
た樹脂液を添加し、5時間分散を行い、電荷発生用塗工
液を調製した。このようにして得られた電荷発生層用塗
布液を中間層上に浸漬塗布し、130℃、20分間乾燥
を行い、厚さ約0.5μmの電荷発生層を形成した。
【0371】
【化43】
【0372】また電荷輸送層を下記のように変更した。
前記構造式(CT−2)の電荷輸送物質70重量部、ポ
リカーボネート樹脂パンライトTS−2050(帝人化
成製)100重量部、2,4−ジメチル−6−tert
−ブチルフェノール0.1重量部、ジミリスチル−3,
3’−チオプロピオネート0.5重量部、シリコンオイ
ルKF−50(信越化学工業製)0.02重量部を200
重量部の1,3−ジオキソランと550重量部のテトラ
ヒドロフランに溶解した。このようにして得られた電荷
輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に塗布し、135
℃、20分乾燥し膜厚29μmの電荷輸送層を形成し、
電子写真感光体を作製した。
【0373】実施例97 実施例96において、中間層の膜厚を2.0μmとした
以外は実施例96と全く同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0374】実施例98 実施例96において、電荷輸送層の膜厚を25μmとし
た以外は実施例96と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0375】参考例21 実施例96において、電荷輸送層に2,4−ジメチル−
6−tert−ブチルフェノール、ジミリスチル−3,
3’−チオプロピオネートを含有させなかった以外は、
実施例96と全く同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【0376】比較例55 実施例97において、中間層にノニオンDS−60HN
を含有させずかつ電荷輸送層に2,4−ジメチル−6−
tert−ブチルフェノール、ジミリスチル−3,3’
−チオプロピオネートを含有させなかった以外は、実施
例97と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0377】比較例56 実施例98において、中間層にノニオンDS−60HN
を含有させずかつ電荷輸送層に2,4−ジメチル−6−
tert−ブチルフェノール、ジミリスチル−3,3’
−チオプロピオネートを含有させなかった以外は、実施
例98と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0378】評価(21) 上記で得られた実施例96〜98、比較例55、56及
び参考例21の電子写真感光体をIPSiO NX72
0N(リコー製)に搭載し、暗部帯電電位−950V、
反転現像バイアス−600Vに調節した後、20℃/5
0%RHの環境で初期画像および放電破壊による黒ぽち
発生まで出力画像枚数(A4)を評価した。更に実施例
96と比較例75に関しては、200K枚までプリント
した後の画像も評価した。なお、IPSiO NX72
0Nは、帯電ローラによる接触帯電手段、反転現像手
段、転写手段を備えた電子写真装置である。また、レー
ザによる画像露光手段の書き込み波長を改造した。評価
結果を表35に示す。
【0379】
【表35】
【0380】上記実施例96〜98、比較例55、56
及び参考例21の評価結果から、本発明の電子写真感光
体は初期の画像において黒べたおよびハーフトーンでの
濃度むらの発生はなく良好であり、200Kプリント後
でも高品質な画像が得られるとともに放電破壊を起こし
にくく、耐久性の高いことが分かる。
【0381】実施例99 アルキド樹脂ベッコゾール1307−60EL(固形分
60wt%)(大日本インキ化学製)150重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンG−821−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)100重量部を
メチルエチルケトン500重量部に溶解した。更に、三
洋化成(株)製のニューポールPE−88を6.0重量
部加え溶解した。これに表面未処理酸化チタンCR−E
L(石原産業(株)製)600重量部を加え、アルミナ
ボールをメディアとしたボールミルで36時間分散し、
中間層用塗布液を調製した。これを、φ30mm×L3
40mmのアルミドラム(アルミニウム素管)に塗布
し、130℃で20分乾燥し、厚さ5.0μm の中間
層を形成した。次にブチラール樹脂エスレックBMS
(積水化学製)5重量部をシクロヘキサノン150重量
部に溶解し、これに下記構造式(CG−1)のトリスア
ゾ顔料15重量部を加えボールミルにて72時間分散を
行った。更にシクロヘキサノン210重量部を加え5時
間分散を行った。これを固形分が1.0wt%になるよ
うに攪拌しながらシクロヘキサノンで希釈した。このよ
うにして得られた電荷発生層用塗布液を前記中間層上に
浸漬塗布し、120℃、10分間乾燥を行い厚さ約0.
2μmの電荷発生層を形成した。
【0382】
【化44】
【0383】次いで下記構造式(CT−2)の電荷輸送
物質80重量部、ポリカーボネート樹脂パンライトTS
2050(帝人化成製)100重量部、2,6−ジ−t
ert−ブチル−4−メチルフェノール0.3重量部、
ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート0.8
重量部、シリコンオイルKF−50(信越化学工業製)
0.02重量部をテトラヒドロフラン770重量部に溶
解した。このようにして得られた電荷輸送層用塗布液を
前記電荷発生層上に浸漬塗布し、135℃、20分間乾
燥し、厚さ28μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感
光体を作製した。
【0384】
【化45】
【0385】実施例100 実施例99において中間層中に分散させる顔料を表面未
処理酸化チタンから硫化亜鉛粉末(島久製薬製)とした
以外は、実施例99と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0386】実施例101 実施例99において中間層中に分散させる顔料を表面未
処理酸化チタンからアルミナ処理酸化チタンCR−60
(石原産業(株)製)とした以外は、実施例99と全く
同様にして電子写真感光体を作製した。
【0387】実施例102 実施例99において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤を1,3−ジオキソランとした以外は、実
施例99と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0388】実施例103 実施例99において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をキシレンとした以外は、実施例99と全
く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0389】実施例104 実施例99において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をトルエンとした以外は、実施例99と全
く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0390】実施例105 実施例99において、中間層の膜厚を1.8μmとした
以外は実施例99と全く同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0391】実施例106 実施例99において、電荷輸送層の膜厚を25μmとし
た以外は実施例99と全く同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0392】比較例57 実施例99において三洋化成(株)製のニッポールPE
−88を添加しなかった以外は、実施例99と全く同様
にして電子写真感光体を作製した。
【0393】比較例58 実施例99において電荷輸送層用塗工液を調製するとき
に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタンと
した以外は、実施例99と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0394】比較例59 実施例99の電荷発生層用塗工液調製において分散後の
希釈に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタ
ンとした以外は、実施例99と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0395】参考例22 実施例99において電荷輸送層にフェノール化合物であ
る2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノー
ルを添加しなかった以外は、実施例99と全く同様にし
て電子写真感光体を作製した。
【0396】参考例23 実施例99において電荷輸送層に有機硫黄化合物である
ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネートを添加
しなかった以外は、実施例99と全く同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0397】参考例24 実施例99において電荷輸送層に フェノール化合物で
ある2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ
ール及び有機硫黄化合物であるジステアリル−3,3’
−チオジプロピオネートの両方とも添加しなかった以外
は、実施例99と全く同様にして電子写真感光体を作製
した。
【0398】評価(22) 上記実施例99〜106、比較例57〜59及び参考例
22〜24で得られた電子写真感光体をレーザープリン
タSP−90(リコー製)に搭載し、暗部帯電電位−8
00V、反転現像バイアス−500Vに調節した後、2
0℃/50%RH(相対湿度)、10℃/15%RH、
30℃/90%RHの各環境下で初期画像及び200K
プリント後(A4)の画像を評価した。なお、SP−9
0は、非接触コロナ帯電手段、レーザーによる画像露光
手段、反転現像手段、転写手段を装備した電子写真装置
である。評価結果を表36、表37及び表38に示す。
【0399】
【表36】
【0400】
【表37】
【0401】
【表38】
【0402】上記実施例99〜106、比較例57〜5
9及び参考例22〜24の評価結果から、本発明の電子
写真感光体は初期の画像及び繰り返しプリント後の画像
のいずれにおいても、黒べたおよびハーフトーンでの濃
度むらの発生はほとんどなく良好であり、200Kプリ
ント後においても地肌汚れや画像濃度の低下もなく高品
質な画像を形成し、耐久性の高いことが分かる。
【0403】実施例107 アルキド樹脂ベッコゾール1307−60EL(固形分
60wt%)(大日本インキ化学製)125重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンL−110−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)125重量部を
メチルエチルケトン500重量部に溶解した。更に、三
洋化成(株)製のニューポールPE−2700を12.
5重量部加えて溶解した。これに表面未処理酸化チタン
TA−300(富士チタン工業(株)製)570重量部
を加え、アルミナボールを使用して30時間ボールミル
分散を行なって中間層用塗布液を調製した。これをφ3
0mm×L340mmのアルミドラム(アルミニウム素
管)に塗布し、135℃、20分乾燥し、6.0μmの
中間層を設けた。次にA型チタニルフタロシアニン顔料
18重量部をφ2mmのジルコニアビーズとともにガラ
スポットに入れ、更にメチルエチルケトン350重量部
を加えて、15時間ボールミリングを行った。その後ポ
リビニルブチラール樹脂エスレックBX−1(積水化学
製)10重量部をメチルエチルケトン600重量部に溶
解させた樹脂溶液を添加して、さらに2時間ボールミリ
ングを行うことによって電荷発生層用塗工液を調製し
た。このようにして得られた電荷発生層用塗布液を前記
中間層上に浸漬塗布し、70℃、20分間乾燥を行い、
厚さ約0.3μmの電荷発生層を形成した。次いで下記
構造式(CT−3)の電荷輸送物質90重量部、ポリカ
ーボネート樹脂パンライトL−1250(帝人化成製)1
00重量部、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メト
キシフェノール0.5重量部、ジメチル−3,3’−チ
オプロピオネート1.0重量部、シリコンオイルKF−
50(信越化学工業製)0.02重量部を300重量部の
1、3−ジオキソランと450重量部のテトラヒドロフ
ランに溶解した。このようにして得られた電荷輸送層用
塗布液を前記電荷発生層上に塗布し、135℃、20分
乾燥し膜厚31μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感
光体を作製した。
【0404】
【化46】
【0405】実施例108 実施例107において、中間層の膜厚を3.5μmとし
た以外は実施例107と全く同様にして電子写真感光体
を作製した。
【0406】実施例109 実施例107において、電荷輸送層の膜厚を26μmと
した以外は実施例107と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0407】比較例60 実施例107において、中間層にニューポールPE−2
700を含有させなかった以外は、実施例107と全く
同様にして電子写真感光体を作製した。
【0408】比較例61 実施例107において電荷輸送層用塗工液を調製すると
きに用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタン
とした以外は、実施例107と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0409】比較例62 実施例107の電荷発生層用塗工液調製において添加す
る樹脂溶液に使用する溶液をメチルエチルケトン200
重量部とハロゲン系溶剤であるジクロロメタン400重
量部とした以外は、実施例107と全く同様にして電子
写真感光体を作製した。
【0410】参考例25 実施例107において電荷輸送層にフェノール化合物で
ある2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェ
ノールを添加しなかった以外は、実施例107と全く同
様にして電子写真感光体を作製した。
【0411】参考例26 実施例107において電荷輸送層に有機硫黄化合物であ
るジメチル−3,3’−チオプロピオネートを添加しな
かった以外は、実施例107と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0412】参考例27 実施例107において電荷輸送層にフェノール化合物で
ある2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェ
ノール及び有機硫黄化合物であるジメチル−3,3’−
チオプロピオネートの両方とも添加しなかった以外は、
実施例107と全く同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【0413】評価(23) 上記で得られた実施例107〜109、比較例60〜6
2及び参考例25〜27の感光体をデジタル複写機IM
AGIO MF2200(リコー製)に搭載し、暗部帯
電電位−600V、反転現像バイアス−400Vに調節
した後20℃/50%RHで初期画像及び300Kコピ
ー後(A4)の画像を評価した。なお、IMAGIO
MF2200は、帯電ローラによる接触帯電手段、画像
露光手段、反転現像手段、転写手段を装備した電子写真
装置である。評価結果を表39に示す。
【0414】
【表39】
【0415】上記実施例107〜109、比較例60〜
62及び参考例25〜27の評価結果から、本発明の電
子写真感光体は初期の画像及び繰り返しプリント後の画
像のいずれにおいても高品質な画像を形成し、黒べたお
よびハーフトーンでの濃度むらの発生はほとんどなく良
好であり、300Kコピー後においても地肌汚れは実使
用上問題なく、画像濃度の低下もなく耐久性の高いこと
が分かる。
【0416】実施例110 実施例107において、中間層に含有させるニューポー
ルPE−2700を日本油脂(株)製のプロノン201
に変更した。また、電荷発生層を下記のように変更し
た。下記構造式(CG−4)のジスアゾ顔料60.0重
量部とメチルエチルケトン330重量部をボールミルに
て200時間分散を行った。分散終了後、ポリビニルブ
チラール(エスレックBL−1:積水化学社製)10重
量部をメチルエチルケトン400重量部、シクロヘキサ
ノン1850重量部に溶解した樹脂液を添加し、5時間
分散を行い、電荷発生用塗工液を調製した。このように
して得られた電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布
し、130℃、20分間乾燥を行い、厚さ約0.5μm
の電荷発生層を形成した。
【0417】
【化47】
【0418】前記構造式(CT−2)の電荷輸送物質7
0重量部、ポリカーボネート樹脂パンライトTS−20
50(帝人化成製)100重量部、2,4−ジメチル−6
−tert−ブチルフェノール0.1重量部、ジミリス
チル−3,3’−チオプロピオネート0.5重量部、シ
リコンオイルKF−50(信越化学工業製)0.02重量
部を200重量部の1,3−ジオキソランと550重量
部のテトラヒドロフランに溶解した。このようにして得
られた電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に塗布
し、135℃、20分乾燥し膜厚29μmの電荷輸送層
を形成し、電子写真感光体を作製した。
【0419】実施例111 実施例110において、中間層の膜厚を2.0μmとし
た以外は実施例110と全く同様にして電子写真感光体
を作製した。
【0420】実施例112 実施例110において、電荷輸送層の膜厚を25μmと
した以外は実施例110と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0421】参考例28 実施例110において、電荷輸送層に2,4−ジメチル
−6−tert−ブチルフェノール、ジミリスチル−
3,3’−チオプロピオネートを含有させなかった以外
は、実施例110と全く同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0422】比較例63 実施例111において、中間層にプロノン201を含有
させずかつ電荷輸送層に2,4−ジメチル−6−ter
t−ブチルフェノール、ジミリスチル−3,3’−チオ
プロピオネートを含有させなかった以外は、実施例11
1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0423】比較例64 実施例112において、中間層にプロノン201を含有
させずかつ電荷輸送層に2,4−ジメチル−6−ter
t−ブチルフェノール、ジミリスチル−3,3’−チオ
プロピオネートを含有させなかった以外は、実施例11
2と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0424】評価(24) 上記で得られた実施例110〜112、比較例63、6
4及び参考例28の電子写真感光体をIPSiO NX
720N(リコー製)に搭載し、暗部帯電電位−950
V、反転現像バイアス−600Vに調節した後、20℃
/50%RHの環境で初期画像および放電破壊による黒
ぽち発生まで出力画像枚数(A4)を評価した。更に実
施例110と比較例90に関しては、200K枚までプ
リントした後の画像も評価した。なお、IPSiO N
X720Nは、帯電ローラによる接触帯電手段、反転現
像手段、転写手段を備えた電子写真装置である。また、
レーザによる画像露光手段の書き込み波長を改造した。
評価結果を表40に示す。
【0425】
【表40】
【0426】上記実施例110〜112、比較例63、
64及び参考例28の評価結果から、本発明の電子写真
感光体は初期の画像において黒べたおよびハーフトーン
での濃度むらの発生はなく良好であり、200Kプリン
ト後でも高品質な画像が得られるとともに放電破壊を起
こしにくく、耐久性の高いことが分かる。
【0427】実施例113 アルキド樹脂ベッコライトM−6401−50(固形分
50wt%)(大日本インキ化学製)160重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンG−821−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)90重量部をメ
チルエチルケトン400重量部/シクロヘキサノン10
0重量部に溶解した。更に、テトラベンゾ24クラウン
8エーテルを13.0重量部加え溶解した。これに表面
未処理酸化チタンCR−EL(石原産業(株)製)60
0重量部を加え、アルミナボールをメディアとしたボー
ルミルで72時間分散し、中間層用塗布液を調製した。
これを、φ30mm×L340mmのアルミドラムに塗
布し、130℃で20分乾燥し、厚さ5.0μmの中間
層を形成した。次にポリビニルブチラール樹脂XYHL
(ユニオンカーバイドプラスチック(株)製)5重量部
をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、これに前記
構造式(CG−1)のトリスアゾ顔料13重量部を加え
ボールミルにて72時間分散を行った。更にシクロヘキ
サノン210重量部を加え5時間分散を行った。これを
固形分が1.0wt%になるように攪拌しながらシクロ
ヘキサノン/メチルエチルケトン=8/2の混合液で希
釈した。このようにして得られた電荷発生層用塗布液を
前記中間層上に浸漬塗布し、120℃、10分間乾燥を
行い厚さ約0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0428】次いで前記構造式(CT−3)の電荷輸送
物質75重量部、ポリカーボネート樹脂パンライトTS
2040(帝人化成製)100重量部、2,6−ジ−t
ert−ブチルフェノール0.6重量部、o−チオクレ
ゾール0.7重量部、シリコンオイルKF−50(信越
化学工業製)0.02重量部をテトラヒドロフラン77
0重量部に溶解した。このようにして得られた電荷輸送
層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、135
℃、25分間乾燥し、厚さ28μmの電荷輸送層を形成
し、電子写真感光体を作製した。
【0429】実施例114 実施例113において中間層中に分散させる顔料を表面
未処理酸化チタンから硫化亜鉛粉末(島久製薬製)とし
た以外は、実施例113と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0430】実施例115 実施例113において中間層中に分散させる顔料を表面
未処理酸化チタンからアルミナ処理酸化チタンCR−9
7(石原産業(株)製)とした以外は、実施例113と
全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0431】実施例116 実施例113において電荷輸送層用塗工液を調製すると
きに用いる溶剤を1,3−ジオキソランとした以外は、
実施例113と全く同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【0432】実施例117 実施例113において電荷輸送層用塗工液を調製すると
きに用いる溶剤をキシレンとした以外は、実施例113
と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0433】実施例118 実施例113において電荷輸送層用塗工液を調製すると
きに用いる溶剤をトルエンとした以外は、実施例113
と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0434】実施例119 実施例113において、中間層の膜厚を2.0μmとし
た以外は実施例113と全く同様にして電子写真感光体
を作製した。
【0435】実施例120 実施例113において、電荷輸送層の膜厚を25μmと
した以外は実施例113と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0436】比較例65 実施例113においてテトラベンゾ24クラウン8エー
テルを添加しなかった以外は、実施例113と全く同様
にして電子写真感光体を作製した。
【0437】比較例66 実施例113において電荷輸送層用塗工液を調製すると
きに用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタン
とした以外は、実施例113と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0438】比較例67 実施例113の電荷発生層用塗工液調製において分散後
の希釈に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメ
タンとした以外は、実施例113と全く同様にして電子
写真感光体を作製した。
【0439】参考例29 実施例113において電荷輸送層にフェノール化合物で
ある2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを添加し
なかった以外は、実施例113と全く同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0440】参考例30 実施例113において電荷輸送層に有機硫黄化合物であ
るo−チオクレゾールを添加しなかった以外は、実施例
113と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0441】参考例31 実施例113において電荷輸送層にフェノール化合物で
ある2,6−ジ−tert−ブチルフェノール及び有機
硫黄化合物であるo−チオクレゾールの両方とも添加し
なかった以外は、実施例113と全く同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0442】評価(25) 上記実施例113〜120、比較例65〜67及び参考
例29〜31で得られた電子写真感光体をレーザープリ
ンタIPSiO NX700(リコー製)用のプロセス
カートリッジに組み付け後レーザープリンタにセット
し、暗部帯電電位−700V、反転現像バイアス−45
0Vに調節した後、20℃/50%RHで初期画像及び
50Kプリント後の画像を評価した。なお、IPSiO
NX700用プロセスカートリッジは、感光体、帯電
ローラによる接触帯電手段、反転現像手段、クリーニン
グブレードによるクリーニング手段を一体に支持し、レ
ーザープリンタ本体に着脱自在である。評価結果を表4
1に示す。
【0443】
【表41】
【0444】上記実施例113〜120、比較例65〜
67及び参考例29〜31の評価結果から、本発明の電
子写真感光体は初期の画像及び繰り返しプリント後の画
像のいずれにおいても、黒べた及びハーフトーンでの濃
度むらの発生はほとんどなく良好であり、50Kプリン
ト後においても地肌汚れもなく高品質な画像を形成し、
耐久性の高いことが分かる。
【0445】実施例121 アルキド樹脂ベッコライトM−6401−50(固形分
50wt%)(大日本インキ化学製)160重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンG−821−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)90重量部をメ
チルエチルケトン400重量部/シクロヘキサノン10
0重量部に溶解した。更に、三洋化成工業(株)製のニ
ューポールL1145を10.0重量部加え溶解した。
これに表面未処理酸化チタンCR−EL(石原産業
(株)製)600重量部を加え、アルミナボールをメデ
ィアとしたボールミルで72時間分散し、中間層用塗布
液を調製した。これを、φ30mm×L340mmのア
ルミドラムに塗布し、130℃で20分乾燥し、厚さ
5.0μmの中間層を形成した。次にポリビニルブチラ
ール樹脂XYHL(ユニオンカーバイドプラスチック
(株)製)5重量部をシクロヘキサノン150重量部に
溶解し、これに前記構造式(CG−1)のトリスアゾ顔
料13重量部を加えボールミルにて72時間分散を行っ
た。更にシクロヘキサノン210重量部を加え5時間分
散を行った。これを固形分が1.0wt%になるように
攪拌しながらシクロヘキサノン/メチルエチルケトン=
8/2の混合液で希釈した。このようにして得られた電
荷発生層用塗布液を前記中間層上に浸漬塗布し、120
℃、10分間乾燥を行い厚さ約0.2μmの電荷発生層
を形成した。
【0446】次いで前記構造式(CT−3)の電荷輸送
物質75重量部、ポリカーボネート樹脂パンライトTS
2040(帝人化成製)100重量部、2,6−ジ−t
ert−ブチルフェノール0.6重量部、o−チオクレ
ゾール0.7重量部、シリコンオイルKF−50(信越
化学工業製)0.02重量部をテトラヒドロフラン77
0重量部に溶解した。このようにして得られた電荷輸送
層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、135
℃、25分間乾燥し、厚さ28μmの電荷輸送層を形成
し、電子写真感光体を作製した。
【0447】実施例122 実施例121において中間層中に分散させる顔料を表面
未処理酸化チタンから硫化亜鉛粉末(島久製薬製)とし
た以外は、実施例121と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0448】実施例123 実施例121において中間層中に分散させる顔料を表面
未処理酸化チタンからアルミナ処理酸化チタンCR−9
7(石原産業(株)製)とした以外は、実施例121と
全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0449】実施例124 実施例121において電荷輸送層用塗工液を調製すると
きに用いる溶剤を1,3−ジオキソランとした以外は、
実施例121と全く同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【0450】実施例125 実施例121において電荷輸送層用塗工液を調製すると
きに用いる溶剤をキシレンとした以外は、実施例121
と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0451】実施例126 実施例121において電荷輸送層用塗工液を調製すると
きに用いる溶剤をトルエンとした以外は、実施例121
と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0452】実施例127 実施例121において、中間層の膜厚を2.0μmとし
た以外は実施例121と全く同様にして電子写真感光体
を作製した。
【0453】実施例128 実施例121において、電荷輸送層の膜厚を25μmと
した以外は実施例121と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0454】比較例68 実施例121においてニューポールL1145を添加し
なかった以外は、実施例121と全く同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0455】比較例69 実施例121において電荷輸送層用塗工液を調製すると
きに用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタン
とした以外は、実施例121と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0456】比較例70 実施例121の電荷発生層用塗工液調製において分散後
の希釈に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメ
タンとした以外は、実施例121と全く同様にして電子
写真感光体を作製した。
【0457】参考例32 実施例121において電荷輸送層にフェノール化合物で
ある2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを添加し
なかった以外は、実施例121と全く同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0458】参考例33 実施例121において電荷輸送層に有機硫黄化合物であ
るo−チオクレゾールを添加しなかった以外は、実施例
121と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0459】参考例34 実施例121において電荷輸送層にフェノール化合物で
ある2,6−ジ−tert−ブチルフェノール及び有機
硫黄化合物であるo−チオクレゾールの両方とも添加し
なかった以外は、実施例121と全く同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0460】評価(26) 上記実施例121〜128、比較例68〜70及び参考
例32〜34で得られた電子写真感光体をレーザープリ
ンタIPSiO NX700(リコー製)用のプロセス
カートリッジに組み付け後レーザープリンタにセット
し、暗部帯電電位−700V、反転現像バイアス−45
0Vに調節した後、20℃/50%RHで初期画像及び
50Kプリント後の画像を評価した。なお、IPSiO
NX700用プロセスカートリッジは、感光体、帯電
ローラによる接触帯電手段、反転現像手段、クリーニン
グブレードによるクリーニング手段を一体に支持し、レ
ーザープリンタ本体に着脱自在である。評価結果を表4
2に示す。
【0461】
【表42】
【0462】上記実施例121〜128、比較例68〜
70及び参考例32〜34の評価結果から、本発明の電
子写真感光体は初期の画像及び繰り返しプリント後の画
像のいずれにおいても、黒べた及びハーフトーンでの濃
度むらの発生はほとんどなく良好であり、50Kプリン
ト後においても地肌汚れもなく高品質な画像を形成し、
耐久性の高いことが分かる。
【0463】実施例129 アルキド樹脂ベッコライトM−6401−50(固形分
50wt%)(大日本インキ化学製)160重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンG−821−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)90重量部をメ
チルエチルケトン400重量部/シクロヘキサノン10
0重量部に溶解した。更に、三洋化成工業(株)製のサ
ントパールGE−70を15.0重量部加え溶解した。
これに表面未処理酸化チタンCR−EL(石原産業
(株)製)600重量部を加え、アルミナボールをメデ
ィアとしたボールミルで72時間分散し、中間層用塗布
液を調製した。これを、φ30mm×L340mmのア
ルミドラムに塗布し、130℃で20分乾燥し、厚さ
5.0μmの中間層を形成した。次にポリビニルブチラ
ール樹脂XYHL(ユニオンカーバイドプラスチック
(株)製)5重量部をシクロヘキサノン150重量部に
溶解し、これに前記構造式(CG−1)のトリスアゾ顔
料13重量部を加えボールミルにて72時間分散を行っ
た。更にシクロヘキサノン210重量部を加え5時間分
散を行った。これを固形分が1.0wt%になるように
攪拌しながらシクロヘキサノン/メチルエチルケトン=
8/2の混合液で希釈した。このようにして得られた電
荷発生層用塗布液を前記中間層上に浸漬塗布し、120
℃、10分間乾燥を行い厚さ約0.2μmの電荷発生層
を形成した。
【0464】次いで前記構造式(CT−3)の電荷輸送
物質75重量部、ポリカーボネート樹脂パンライトTS
2040(帝人化成製)100重量部、2,6−ジ−t
ert−ブチルフェノール0.6重量部、o−チオクレ
ゾール0.7重量部、シリコンオイルKF−50(信越
化学工業製)0.02重量部をテトラヒドロフラン77
0重量部に溶解した。このようにして得られた電荷輸送
層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、135
℃、25分間乾燥し、厚さ28μmの電荷輸送層を形成
し、電子写真感光体を作製した。
【0465】実施例130 実施例129において中間層中に分散させる顔料を表面
未処理酸化チタンから硫化亜鉛粉末(島久製薬製)とし
た以外は、実施例129と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0466】実施例131 実施例129において中間層中に分散させる顔料を表面
未処理酸化チタンからアルミナ処理酸化チタンCR−9
7(石原産業(株)製)とした以外は、実施例129と
全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0467】実施例132 実施例129において電荷輸送層用塗工液を調製すると
きに用いる溶剤を1,3−ジオキソランとした以外は、
実施例129と全く同様にして電子写真感光体を作成し
た。
【0468】実施例133 実施例129において電荷輸送層用塗工液を調製すると
きに用いる溶剤をキシレンとした以外は、実施例129
と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0469】実施例134 実施例129において電荷輸送層用塗工液を調製すると
きに用いる溶剤をトルエンとした以外は、実施例129
と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0470】実施例135 実施例129において、中間層の膜厚を2.0μmとし
た以外は実施例129と全く同様にして電子写真感光体
を作製した。
【0471】実施例136 実施例129において、電荷輸送層の膜厚を25μmと
した以外は実施例129と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0472】比較例71 実施例129においてサントパールGE−70を添加し
なかった以外は、実施例129と全く同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0473】比較例72 実施例129において電荷輸送層用塗工液を調製すると
きに用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタン
とした以外は、実施例129と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0474】比較例73 実施例129の電荷発生層用塗工液調製において分散後
の希釈に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメ
タンとした以外は、実施例129と全く同様にして電子
写真感光体を作製した。
【0475】参考例35 実施例129において電荷輸送層にフェノール化合物で
ある2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを添加し
なかった以外は、実施例129と全く同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0476】参考例36 実施例129において電荷輸送層に有機硫黄化合物であ
るo−チオクレゾールを添加しなかった以外は、実施例
129と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0477】参考例37 実施例129において電荷輸送層にフェノール化合物で
ある2,6−ジ−tert−ブチルフェノール及び有機
硫黄化合物であるo−チオクレゾールの両方とも添加し
なかった以外は、実施例129と全く同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0478】評価(27) 上記実施例129〜136、比較例71〜73及び参考
例35〜37で得られた電子写真感光体をレーザープリ
ンタIPSiO NX700(リコー製)用のプロセス
カートリッジに組み付け後レーザープリンタにセット
し、暗部帯電電位−700V、反転現像バイアス−45
0Vに調節した後、20℃/50%RHで初期画像及び
50Kプリント後の画像を評価した。なお、IPSiO
NX700用プロセスカートリッジは、感光体、帯電
ローラによる接触帯電手段、反転現像手段、クリーニン
グブレードによるクリーニング手段を一体に支持し、レ
ーザープリンタ本体に着脱自在である。評価結果を表4
3に示す。
【0479】
【表43】
【0480】上記実施例129〜136、比較例71〜
73及び参考例35〜37の評価結果から、本発明の電
子写真感光体は初期の画像及び繰り返しプリント後の画
像のいずれにおいても、黒べた及びハーフトーンでの濃
度むらの発生はほとんどなく良好であり、50Kプリン
ト後においても地肌汚れもなく高品質な画像を形成し、
耐久性の高いことが分かる。
【0481】実施例137 アルキド樹脂ベッコライトM−6401−50(固形分
50wt%)(大日本インキ化学製)160重量部、メ
ラミン樹脂スーパーベッカミンG−821−60(固形
分60wt%)(大日本インキ化学製)90重量部をメ
チルエチルケトン400重量部/シクロヘキサノン10
0重量部に溶解した。更に、三洋化成工業(株)製のニ
ューポールPE−108を20.0重量部加え溶解し
た。これに表面未処理酸化チタンCR−EL(石原産業
(株)製)600重量部を加え、アルミナボールをメデ
ィアとしたボールミルで72時間分散し、中間層用塗布
液を調製した。これを、φ30mm×L340mmのア
ルミドラムに塗布し、130℃で20分乾燥し、厚さ
5.0μmの中間層を形成した。次にポリビニルブチラ
ール樹脂XYHL(ユニオンカーバイドプラスチック
(株)製)5重量部をシクロヘキサノン150重量部に
溶解し、これに前記構造式(CG−1)のトリスアゾ顔
料13重量部を加えボールミルにて72時間分散を行っ
た。更にシクロヘキサノン210重量部を加え5時間分
散を行った。これを固形分が1.0wt%になるように
攪拌しながらシクロヘキサノン/メチルエチルケトン=
8/2の混合液で希釈した。このようにして得られた電
荷発生層用塗布液を前記中間層上に浸漬塗布し、120
℃、10分間乾燥を行い厚さ約0.2μmの電荷発生層
を形成した。
【0482】次いで前記構造式(CT−3)の電荷輸送
物質75重量部、ポリカーボネート樹脂パンライトTS
2040(帝人化成製)100重量部、2,6−ジ−t
ert−ブチルフェノール0.6重量部、o−チオクレ
ゾール0.7重量部、シリコンオイルKF−50(信越
化学工業製)0.02重量部をテトラヒドロフラン77
0重量部に溶解した。このようにして得られた電荷輸送
層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、135
℃、25分間乾燥し、厚さ28μmの電荷輸送層を形成
し、電子写真感光体を作製した。
【0483】実施例138 実施例137において中間層中に分散させる顔料を表面
未処理酸化チタンから硫化亜鉛粉末(島久製薬製)とし
た以外は、実施例137と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0484】実施例139 実施例137において中間層中に分散させる顔料を表面
未処理酸化チタンからアルミナ処理酸化チタンCR−9
7(石原産業(株)製)とした以外は、実施例137と
全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0485】実施例140 実施例137において電荷輸送層用塗工液を調製すると
きに用いる溶剤を1,3−ジオキソランとした以外は、
実施例137と全く同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【0486】実施例141 実施例137において電荷輸送層用塗工液を調製すると
きに用いる溶剤をキシレンとした以外は、実施例137
と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0487】実施例142 実施例137において電荷輸送層用塗工液を調製すると
きに用いる溶剤をトルエンとした以外は、実施例137
と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0488】実施例143 実施例137において、中間層の膜厚を2.0μmとし
た以外は実施例137と全く同様にして電子写真感光体
を作製した。
【0489】実施例144 実施例137において、電荷輸送層の膜厚を25μmと
した以外は実施例137と全く同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0490】比較例74 実施例137においてニューポールPE−108を添加
しなかった以外は、実施例137と全く同様にして電子
写真感光体を作製した。
【0491】比較例75 実施例137において電荷輸送層用塗工液を調製すると
きに用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメタン
とした以外は、実施例137と全く同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0492】比較例76 実施例137の電荷発生層用塗工液調製において分散後
の希釈に用いる溶剤をハロゲン系溶剤であるジクロロメ
タンとした以外は、実施例137と全く同様にして電子
写真感光体を作製した。
【0493】参考例38 実施例137において電荷輸送層にフェノール化合物で
ある2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを添加し
なかった以外は、実施例137と全く同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0494】参考例39 実施例137において電荷輸送層に有機硫黄化合物であ
るo−チオクレゾールを添加しなかった以外は、実施例
137と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0495】参考例40 実施例137において電荷輸送層にフェノール化合物で
ある2,6−ジ−tert−ブチルフェノール及び有機
硫黄化合物であるo−チオクレゾールの両方とも添加し
なかった以外は、実施例137と全く同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0496】評価(28) 上記実施例137〜144、比較例74〜76及び参考
例38〜40で得られた電子写真感光体をレーザープリ
ンタIPSiO NX700(リコー製)用のプロセス
カートリッジに組み付け後レーザープリンタにセット
し、暗部帯電電位−700V、反転現像バイアス−45
0Vに調節した後、20℃/50%RHで初期画像及び
50Kプリント後の画像を評価した。なお、IPSiO
NX700用プロセスカートリッジは、感光体、帯電
ローラによる接触帯電手段、反転現像手段、クリーニン
グブレードによるクリーニング手段を一体に支持し、レ
ーザープリンタ本体に着脱自在である。評価結果を表4
4に示す。
【0497】
【表44】
【0498】上記実施例137〜144、比較例74〜
76及び参考例38〜40の評価結果から、本発明の電
子写真感光体は初期の画像及び繰り返しプリント後の画
像のいずれにおいても、黒べた及びハーフトーンでの濃
度むらの発生はほとんどなく良好であり、50Kプリン
ト後においても地肌汚れもなく高品質な画像を形成し、
耐久性の高いことが分かる。
【0499】
【発明の効果】本発明によれば、中間層及び光導電層の
膜厚を厚くしても局部的な中間層の膨潤の発生を防ぎ、
その結果反転現像プロセスを使用しても黒べたやハーフ
トーンでの濃度むらなどの発生を抑え、かつどのような
環境で繰り返し使用しても異常画像の発生のない高品質
の電子写真感光体が提供される。また、この電子写真感
光体と帯電手段、画像露光手段、反転現像手段、転写手
段を用いることにより、オゾン量の発生が著しく少ない
ため環境問題を発生させることなく、黒べた及びハーフ
トーンでの濃度むらの発生もなく、かつ放電破壊による
異常画像も発生せず更にはどのような環境で繰り返し使
用されても高品質な画像を提供し続けることができる電
子写真装置が提供できるほか、帯電、画像露光、現像、
転写からなる高耐久の電子写真プロセスが提供できる。
更に、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段から選
ばれる少なくとも一つの手段と電子写真感光体とを一体
に結合し装置本体に対して着脱可能に構成することによ
り、黒ベタやハーフトーンでの濃度むらのない高品質な
画像の出力を可能とし、作像手段の保守、交換性を良好
にしたプロセスカートリッジが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるプロセスカートリ
ッジの概略構成を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 プロセスカートリッジ 2 電子写真感光体 3 帯電手段 4 現像手段 5 クリーニング手段

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも中間層と光
    導電層を順に設けてなる電子写真感光体において、該中
    間層が少なくとも無機顔料と結着剤樹脂、及び少なくと
    もクラウンエーテル、ポリアルキレングリコールエーテ
    ル、ポリエチレングリコールモノまたはジエステル、あ
    るいはオキシエチレン基とオキシプロピレン基とを有し
    かつ分子の末端が水酸基であるランダム共重合体または
    ブロック共重合体から選ばれる1つの化合物を含有し、
    更に該光導電層が環状エーテル系化合物、ケトン系化合
    物、芳香族系炭化水素化合物から選ばれた溶剤からなる
    塗工液で塗布形成されたことを特徴とする電子写真感光
    体。
  2. 【請求項2】 前記光導電層が少なくともフェノール化
    合物と有機硫黄化合物を含有し、かつ環状エーテル系化
    合物、ケトン系化合物、芳香族系炭化水素化合物から選
    ばれた溶剤からなる塗工液で塗布形成されたことを特徴
    とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記中間層に含有される無機顔料が酸化
    チタンであることを特徴とする請求項1または2記載の
    電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記酸化チタンが表面未処理酸化チタン
    であることを特徴とする請求項3記載の電子写真感光
    体。
  5. 【請求項5】 前記中間層の膜厚が5.0μm以上であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の電子写真感
    光体。
  6. 【請求項6】 前記光導電層の膜厚が28μm以上であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の電子写真感
    光体。
  7. 【請求項7】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、反
    転現像手段、転写手段及び電子写真感光体からなる電子
    写真装置において、前記電子写真感光体が中間層と光導
    電層を順に設けてなり、該中間層が少なくとも無機顔料
    と結着剤樹脂、及び少なくともクラウンエーテル、ポリ
    アルキレングリコールエーテル、ポリエチレングリコー
    ルモノまたはジエステル、あるいはオキシエチレン基と
    オキシプロピレン基とを有しかつ分子の末端が水酸基で
    あるランダム共重合体またはブロック共重合体から選ば
    れる1つの化合物を含有し、更に該光導電層が環状エー
    テル系化合物、ケトン系化合物、芳香族系炭化水素化合
    物から選ばれた溶剤からなる塗工液で塗布形成されたこ
    とを特徴とする電子写真装置。
  8. 【請求項8】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、反
    転現像手段、転写手段及び電子写真感光体からなる電子
    写真装置において、前記電子写真感光体が中間層と光導
    電層を順に設けてなり、該中間層が少なくとも無機顔料
    と結着剤樹脂、及び少なくともクラウンエーテル、ポリ
    アルキレングリコールエーテル、ポリエチレングリコー
    ルモノまたはジエステル、あるいはオキシエチレン基と
    オキシプロピレン基とを有しかつ分子の末端が水酸基で
    あるランダム共重合体またはブロック共重合体から選ば
    れる1つの化合物を含有し、更に該光導電層が環状エー
    テル系化合物、ケトン系化合物、芳香族系炭化水素化合
    物から選ばれた溶剤からなる塗工液で塗布形成され、か
    つ該帯電手段が接触帯電手段であることを特徴とする電
    子写真装置。
  9. 【請求項9】 前記光導電層が少なくともフェノール化
    合物と有機硫黄化合物を含有し、かつ環状エーテル系化
    合物、ケトン系化合物、芳香族系炭化水素化合物から選
    ばれた溶剤からなる塗工液で塗布形成されたことを特徴
    とする請求項7または8記載の電子写真装置。
  10. 【請求項10】 前記中間層に含有される無機顔料が酸
    化チタンであることを特徴とする請求項7〜9いずれか
    記載の電子写真装置。
  11. 【請求項11】 前記酸化チタンが表面未処理酸化チタ
    ンであることを特徴とする請求項10記載の電子写真装
    置。
  12. 【請求項12】 前記中間層の膜厚が5.0μm以上で
    あることを特徴とする請求項7〜9いずれか記載の電子
    写真装置。
  13. 【請求項13】 前記光導電層の膜厚が28μm以上で
    あることを特徴とする請求項7〜9いずれか記載の電子
    写真装置。
  14. 【請求項14】 電子写真感光体に少なくとも帯電、画
    像露光、現像、転写を繰り返し行う電子写真プロセスに
    おいて、前記電子写真感光体が中間層と光導電層を順に
    設けてなり、該中間層が少なくとも無機顔料と結着剤樹
    脂、及び少なくともクラウンエーテル、ポリアルキレン
    グリコールエーテル、ポリエチレングリコールモノまた
    はジエステル、あるいはオキシエチレン基とオキシプロ
    ピレン基とを有しかつ分子の末端が水酸基であるランダ
    ム共重合体またはブロック共重合体から選ばれる1つの
    化合物を含有し、更に該光導電層が環状エーテル系化合
    物、ケトン系化合物、芳香族系炭化水素化合物から選ば
    れた溶剤からなる塗工液で塗布形成され、電子写真感光
    体の表面に静電潜像を形成し、形成された静電潜像を反
    転現像することを特徴とする電子写真プロセス。
  15. 【請求項15】 電子写真感光体に少なくとも帯電、画
    像露光、現像、転写を繰り返し行う電子写真プロセスに
    おいて、前記電子写真感光体が中間層と光導電層を順に
    設けてなり、該中間層が少なくとも無機顔料と結着剤樹
    脂、及び少なくともクラウンエーテル、ポリアルキレン
    グリコールエーテル、ポリエチレングリコールモノまた
    はジエステル、あるいはオキシエチレン基とオキシプロ
    ピレン基とを有しかつ分子の末端が水酸基であるランダ
    ム共重合体またはブロック共重合体から選ばれる1つの
    化合物を含有し、更に該光導電層が環状エーテル系化合
    物、ケトン系化合物、芳香族系炭化水素化合物から選ば
    れた溶剤からなる塗工液で塗布形成され、かつ電子写真
    感光体の表面に接触帯電により暗部電位が絶対値で60
    0V以上の静電潜像を形成し、形成された静電潜像を反
    転現像することを特徴とする電子写真プロセス。
  16. 【請求項16】 前記光導電層が少なくともフェノール
    化合物と有機硫黄化合物を含有し、かつ環状エーテル系
    化合物、ケトン系化合物、芳香族系炭化水素化合物から
    選ばれた溶剤からなる塗工液で塗布形成されたことを特
    徴とする請求項14または15記載の電子写真プロセ
    ス。
  17. 【請求項17】 前記中間層に含有される無機顔料が酸
    化チタンであることを特徴とする請求項14〜16いず
    れか記載の電子写真プロセス。
  18. 【請求項18】 前記酸化チタンが表面未処理酸化チタ
    ンであることを特徴とする請求項17記載の電子写真プ
    ロセス。
  19. 【請求項19】 前記中間層の膜厚が5.0μm以上で
    あることを特徴とする請求項14〜16いずれか記載の
    電子写真プロセス。
  20. 【請求項20】 前記光導電層の膜厚が28μm以上で
    あることを特徴とする請求項14〜16いずれか記載の
    電子写真プロセス。
  21. 【請求項21】 帯電手段、現像手段及びクリーニング
    手段より選ばれる少なくとも一つの手段と電子写真感光
    体とを一体に支持した、電子写真装置本体に着脱自在な
    プロセスカートリッジにおいて、前記電子写真感光体が
    中間層と光導電層を順に設けてなり、該中間層が少なく
    とも無機顔料と結着剤樹脂、及び少なくともクラウンエ
    ーテル、ポリアルキレングリコールエーテル、ポリエチ
    レングリコールモノまたはジエステル、あるいはオキシ
    エチレン基とオキシプロピレン基とを有しかつ分子の末
    端が水酸基であるランダム共重合体またはブロック共重
    合体から選ばれる1つの化合物を含有し、更に該光導電
    層が環状エーテル系化合物、ケトン系化合物、芳香族系
    炭化水素化合物から選ばれた溶剤からなる塗工液で塗布
    形成されされたことを特徴とするプロセスカートリッ
    ジ。
  22. 【請求項22】 前記光導電層が少なくともフェノール
    化合物と有機硫黄化合物を含有し、かつ環状エーテル系
    化合物、ケトン系化合物、芳香族系炭化水素化合物から
    選ばれた溶剤からなる塗工液で塗布形成されたことを特
    徴とする請求項21記載のプロセスカートリッジ。
  23. 【請求項23】 前記中間層に含有される無機顔料が酸
    化チタンであることを特徴とする請求項21または22
    記載のプロセスカートリッジ。
  24. 【請求項24】 前記酸化チタンが表面未処理酸化チタ
    ンであることを特徴とする請求項23記載のプロセスカ
    ートリッジ。
  25. 【請求項25】 前記中間層の膜厚が5.0μm以上で
    あることを特徴とする請求項21または22記載のプロ
    セスカートリッジ。
  26. 【請求項26】 前記光導電層の膜厚が28μm以上で
    あることを特徴とする請求項21または22記載のプロ
    セスカートリッジ。
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