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JP2003027011A - 水性光沢復元剤 - Google Patents

水性光沢復元剤

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Publication number
JP2003027011A
JP2003027011A JP2001217436A JP2001217436A JP2003027011A JP 2003027011 A JP2003027011 A JP 2003027011A JP 2001217436 A JP2001217436 A JP 2001217436A JP 2001217436 A JP2001217436 A JP 2001217436A JP 2003027011 A JP2003027011 A JP 2003027011A
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JP
Japan
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gloss
water
polypropylene wax
acid value
wax
Prior art date
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Pending
Application number
JP2001217436A
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English (en)
Inventor
Yoshio Okura
良雄 大倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konishi Co Ltd
Original Assignee
Konishi Co Ltd
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Publication date
Application filed by Konishi Co Ltd filed Critical Konishi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光沢復元を揮発性有機化合物(VOC)の膨
潤効果にのみ頼ることなく、配合によってはVOCを用
いなくても優れた光沢機能を有する水性光沢復元剤を提
供すること。 【解決手段】 酸価が3〜100のポリプロピレンワッ
クスの水分散液からなることを特徴とする水性光沢復元
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光沢復元性を備え
た水性光沢復元剤に関する。さらに詳しくは、あらかじ
め一般的な水性艶出し剤が塗布された床面において、
傷、汚れ、ゴミ等の付着で光沢が失われたとき、この光
沢を復元するために該床面にスプレー等の手段で塗布さ
れ乾燥された後、バフ機によるバフ作業などの物理的な
摩擦によって優れた光沢の復元を可能とする水性光沢復
元剤に関する。本発明の水性光沢復元剤は、特に、次に
述べる水性フロアーポリッシュ・ポリマータイプ用の水
性光沢復元剤として好適である。
【0002】
【従来の技術】建物の床(木質系、プラスチック系等)
用の艶出し剤としては、現在、合成樹脂を主成分とする
水性艶だし剤(水性フロアーポリッシュ・ポリマータイ
プといわれる。)が広く使用されている。この水性艶出
し剤を該床面に塗布し皮膜を形成した場合、皮膜形成後
しばらくは、該床表面は光沢のある美しい面を呈してい
る。しかし、時間の経過とともに歩行等により皮膜表面
が損傷を受け、また、汚れが付着して該床表面の光沢が
低下する。ここで光沢復元剤による処理が必要になる。
【0003】そこで、現在まで用いられている光沢復元
剤について以下に詳しく説明する。従来より、光沢復元
剤としては、主に、グリコールエーテル系溶剤及びア
ルコール系溶剤から選択される1種以上と、界面活性剤
とを必須成分とした有機溶剤含有水溶液(これを溶剤タ
イプと表記する)と、JISK3920に規定された
水性艶出し剤に、グリコールエーテル系溶剤とトリブト
キシエチルフォスフェート、クエン酸トリブチル等の可
塑剤とを多量に加えて、不揮発分濃度5質量%程度に調
整した有機溶剤含有水溶液(これをポリッシュタイプと
表記する)とが用いられている。上記溶剤タイプで
は、溶剤によって皮膜の表層部を膨潤させ、膨潤した皮
膜をパッドで研磨して平滑にすることにより光沢が回復
する。また、上記ポリッシュタイプでは、樹脂、ワッ
クス等の不揮発成分、及びグリコールエーテル系溶剤等
の造膜助剤などを含有することから、スプレーバフ時に
は、造膜助剤により皮膜の表層部を膨潤させ、膨潤した
皮膜をパッドで平滑にする際に、上記不揮発成分が皮膜
の傷を埋め、光沢が復元される。
【0004】ところで、上記〜の光沢復元剤では、
皮膜の表層部を膨潤させる作用を有する成分としては、
プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリ
コールエーテル系水溶性有機溶剤が使用される。その
他、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のア
ルコール系水溶性有機溶剤が一般的に用いられている。
最近においては、特開平9−208904号公報に開示
されているように、N−アルキル−2−ピロリドンのよ
うな水溶性有機溶剤の配合も提案されている。しかし、
これらの水溶性有機溶剤を配合する方法では、既に塗布
してある艶出し剤の皮膜の表層部を効率的に膨潤させる
ことことができず、光沢が十分に回復しないという本質
的な欠点がある。
【0005】加えて、上記ポリッシュタイプの光沢復
元剤では、皮膜の表層部を膨潤させる作用を有する成分
として、前記のグリコールエーテル系溶剤等の他に、ト
リブトキシエチルフォスフェート、クエン酸トリブチル
等の可塑剤が使用される。これらの可塑剤は床用艶出し
剤の主成分である樹脂、ワックスの良溶媒であり、且つ
水溶性が低いため、添加量が多くなるとスプレー塗布時
にこれらの可塑剤が皮膜内に移行して取り込まれ、皮膜
にスプレー跡が残ったり、繰り返しスプレー塗布を行う
と汚れが皮膜に蓄積するという問題がある。また一方、
これら可塑剤の添加量が少なくなると、光沢復元剤の皮
膜形成性が劣り粉化の原因となる。以上述べたように、
従来の光沢復元剤を用いる技術は、有機溶剤、可塑剤の
ような揮発性有機化合物(Volatile Organic Compoun
ds、略号VOC)を用いて艶出し剤皮膜を膨潤させるこ
とが前提の技術であり、先ず光沢復元性が満足できる水
準ではなく、その上VOCによる環境負荷の大きな問題
もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、光沢
復元を揮発性有機化合物(VOC)の膨潤効果にのみ頼
ることなく、配合によってはVOCを用いなくても優れ
た光沢機能を有する水性光沢復元剤を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、揮発性有
機化合物(VOC)により、艶出し剤皮膜を膨潤させる
ことを前提とした光沢復元剤では、光沢復元性に限界が
あり、又環境負荷の問題も解決できないとの結論に達し
た。そこで、市販の水性艶出し剤には光沢を与える材料
として、例えば、カルナバワックス、パラフィンワック
ス、ポリエチレンワックスが配合されているので、これ
らのワックスを乳化することで水分散液を調製し、水性
光沢復元剤としての機能を確認していたところ、酸価が
3〜100のポリプロピレンワックスに限り、卓越した
光沢復元性があることを発見した。
【0008】そして、ポリプロピレンワックスは炭素数
が3であるが、炭素数が2であるポリエチレンワックス
でも、又炭素数が4であるポリブチレンワックスでも、
それらが同程度の酸価を有していても、その水分散液に
はこのような優れた効果は認められなかったことを確認
した。加えて、炭素数がさらに多いパラフィンワックス
においても光沢復元効果を認めなかった。ここで強調す
べきは、炭素数が2であるポリエチレンワックスも、炭
素数が4であるポリブチレンワックスも水性光沢復元剤
としての効果を認めず、炭素数が3であるポリプロピレ
ンワックスのみが水性光沢復元剤として有効に機能する
点である。この発見を元に、ポリプロピレンワックスの
酸価、分子量、乳化助剤、乳化方法をつぶさに研究し、
本発明を完成するに至った。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。請求項1
の発明は、酸価が3〜100のポリプロピレンワックス
の水分散体からなることを特徴とする水性光沢復元剤で
ある。酸価が3未満のポリプロピレンワックスは、水分
散液にすることが困難である。仮に、水分散液にできて
も大量の界面活性剤を必要とし、処理後の床面が歩行に
より非常に汚れやすくなるので適さない。酸価が100
を超えるポリプロピレンワックスは色が黒色であるた
め、繰り返し使用すると黒ずみを発生し、これもまた適
さない。界面活性剤の使用を削減し、良好な水分散化を
得るために好ましい酸価の範囲は10〜90、さらに好
ましくは20〜80、最も好ましいのは40〜60であ
る。
【0010】この水性光沢復元剤を、従来からの上記
溶剤タイプ、ポリッシュタイプの代わりに、残存して
いる通常の水性艶出し剤皮膜の上に塗布し乾燥した後、
バフ作業をおこなえば、本質的に優れた光沢が得られ、
スプレー跡が残ることもない。また、本発明の水性光沢
復元剤を用いた場合、水性艶出し剤皮膜の摩擦抵抗、耐
磨耗性に全く変化を与えるものでないので、スリップ事
故の増加を呼ぶものではなく、さらに、耐ヒールマーク
性、耐水性、除去性、密着性など水性艶出し剤としての
必要性能に変化を与えるものではない。そして、本発明
の水性光沢復元剤においては、ポリプロピレンワックス
が光沢を発現するので、水溶性有機溶剤の量を従来の
溶剤タイプ、ポリッシュタイプに対し、半分以下に削
減できる。さらに、全く配合しなくても卓越した光沢復
元性が得られる。
【0011】請求項2の発明は、上記ポリプロピレンワ
ックスを含有する水分散液において、ポリプロピレンワ
ックスの数平均分子量が2000〜20000であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の水性光沢復元剤であ
る。ポリプロピレンワックスの数平均分子量が2000
未満、及び数平均分子量20000を超えるのものは光
沢復元性が劣る傾向にある。光沢復元性が優れる好まし
いポリプロピレンワックスの数平均分子量は、2500
〜10000、さらに好ましくは3000〜6000で
ある。
【0012】請求項3の発明は、上記ポリプロピレンワ
ックスの固形分100質量部に対し、界面活性剤0〜1
00質量部、苛性カリ等のpH調製剤0. 5〜10質量
部、水70〜900質量部を配合することを特徴とする
請求項2記載の水性光沢復元剤である。ポリプロピレン
ワックス固形分100質量部を水に分散させる分散剤と
しての界面活性剤は0〜100質量部が適量であり、必
ずしも必須の成分ではない。100質量部を越える界面
活性剤量は処理後の床面が歩行により非常に汚れやすく
なるので適さない。好ましくは0〜150質量部、さら
に好ましくは0〜100質量部、最も好ましいのは0〜
50である。
【0013】界面活性剤の例としては、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、パーフル
オロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルアミ
ノ酸、ポリオキシエチレンパーフルオロアルキルエーテ
ル等のフッ素系界面活性剤、ポリオキシエチレンメチル
シロキサン等のシリコーン系界面活性剤、アルキルスル
ホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩等の陰イオン
界面活性剤及びラウリン酸塩、ステアリン酸塩、オレイ
ン酸塩、リノール酸塩等の脂肪酸塩などを使用すること
ができる。この内、ノニルフェノール系界面活性剤は環
境ホルモンの問題があり、アルキルスルホン酸塩、アル
キルフェニルスルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤はフ
ロアーポリッシュに悪影響を与えるため、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル等のノニオン系界面活性剤が好ましい。
【0014】本発明の水性光沢復元剤は、上記ポリプロ
ピレンワックスを含む水分散液の液性が酸性を示すた
め、pH調整剤を用いてpHを5〜11 、好ましくは7
〜10、さらに好ましくは8〜9に調整する。pHが5
未満の場合、水分散液の貯蔵安定性が低下し、pHが1
2を超えるとアルカリにより艶出し剤皮膜を侵すため適
さない。pH調整剤の例としては、苛性カリ、苛性ソー
ダ、炭酸カリウム、炭酸ソーダ、モノエタノールアミ
ン、モルホリン等のアミン類、アンモニアなどがある。
分散媒となる水は、上記ポリプロピレンワックス100
質量部に対し、70〜900質量部が適量である。70
質量部未満では、水分散液の粘度が高くなり塗布作業
性、貯蔵安定性が劣る傾向となり、900質量部を超え
ると浮遊物の発生など水分散液の安定性が低下する傾向
を伴う。塗布作業性、貯蔵安定性、浮遊物の発生など水
分散液の安定性を維持するため、好ましくは100〜8
00質量部、さらに好ましくは150〜800質量部で
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】酸価が3〜100のポリプロピレ
ンワックスとは、最初に、一般的な重合工程により製造
されたポリプロピレンを空気中で約300℃に加熱して
酸化劣化させたポリプロピレンを作る。酸化劣化させた
ポリプロピレンに、フリーラジカルの存在下で、無水マ
レイン酸、無水イタコン酸、メタクリル酸等を反応させ
て作る。または、酸化劣化させたポリプロピレンを過マ
ンガン酸塩、重クロム酸塩、硝酸等の酸化剤で酸化して
作る方法もある。さらに酸価を与える方法として長時間
をかけて空気酸化する方法もある。
【0016】適当なフリーラジカル源の例としては、ジ
ターシャリーブチルパーオキサイド、ターシャリーブチ
ルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサ
イド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、アゾ化合
物、放射線発生源などがある。取り扱い上パーオキサイ
ド類が好ましい。なお、このようなポリプロピレンワッ
クスは市販品を求めることができ、市販品として三洋化
成工業(株)製「ビスコールTS−200」、米国アラ
イドシグナル(株)製「A−C950P」、米国イース
トマンコッダック(株)製「エポレンE−43」などが
ある。
【0017】酸価が3〜100のポリプロピレンワック
スを含有する水分散液を得るための方法とは、該ポリプ
ロピレンワックス、界面活性剤、pH調整剤及び水を圧
力釜にいれ、乳化温度150〜180℃で撹拌して作
る。酸化防止剤としてチオ硫酸塩等の還元剤を添加する
ことができる。なお、このようなポリプロピレンワック
スを含有する水分散液は市販品を求めることができ、市
販品として東邦化学工業(株)製「ハイテックE- 43
3N」「ハイテックP−5060S」、「ハイテックP
−5300」、「ハイテックP−5311」、「ハイテ
ックP−5312」などがある。
【0018】本発明の水性光沢復元剤を調製するに際し
て、酸価が3〜100のポリプロピレンワックスを含有
する水分散液に対して、本発明の目的・効果を損ねない
範囲内で水溶性有機溶剤、湿潤剤を配合することができ
る。水溶性有機溶剤とは、グリコール系溶剤、アルコー
ル系溶剤、アミド系溶剤から1種以上を選択して配合す
る。グリコール系溶剤としては、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールメチルエーテル等が挙げら
れる。アルコール系溶剤としては、メチルアルコール、
エチルアルコール、イソプルピルアルコール、3−メト
キシ−3−メチルブタノール、ベンジルアルコール等が
挙げられる。アミド系溶剤とは、N−メチル−2−ピロ
リドン、ジメチルホルムアミドが挙げられる。この内プ
ロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等は臭
気が少なく好ましい。
【0019】湿潤剤としては、通常、界面活性剤が使用
される。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオ
ン界面活性剤、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パ
ーフルオロアルキルアミノ酸、ポリオキシエチレンパー
フルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、ポ
リオキシエチレンメチルシロキサン等のシリコーン系界
面活性剤及びアルキルスルホン酸塩、アルキルフェニル
スルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤などを使用するこ
とができる。この内、ノニルフェノール系界面活性剤は
環境ホルモンの問題があり、アルキルスルホン酸塩、ア
ルキルフェニルスルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤は
フロアーポリッシュに悪影響を与えることから、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂
肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤、ポリオキシエ
チレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッソ系界面
活性剤が好ましい。
【0020】水溶性有機溶剤の配合量は、酸価が3〜1
00のポリプロピレンワックスの固形分100質量部に
対して、水溶性有機溶剤0〜200質量部であり、必ず
しも必須の成分ではない。200質量部を越える水溶性
有機溶剤は艶出し剤皮膜を侵したり、乾燥性が悪くなる
ので適さない。また、湿潤剤の配合量は、酸価が3〜1
00のポリプロピレンワックスの固形分100質量部に
対して、その有効成分量5〜200質量部である。この
内環境の問題、汚れの問題の理由で好ましくは、酸価が
3〜100のポリプロピレンワックス固形分100質量
部に対して、水溶性有機溶剤が0〜100質量部、さら
に好ましくは0〜50質量部、湿潤剤はその有効成分量
10〜100質量部、さらに好ましくは10〜50質量
部である。
【0021】本発明の水性光沢復元剤においては、酸価
が3〜100のポリプロピレンワックスの水分散液を必
須構成成分とするが、ポリエチレン、カルナバワック
ス、パラフィンワックスのような他のワックス類を配合
することを妨げるものではないが、しかし必須構成成分
とするものではない。また、必要に応じて少量の香料、
染料などを添加することができる。なお、酸価が3〜1
00のポリプロピレンワックスの水分散液を水性艶出し
剤に配合すれば、光沢復元性に優れた水性艶出し剤を得
ることができる水性光沢復元剤の使用方法としては、先
ず、汚れた水性艶出し剤の皮膜表面を十分に洗浄した
後、水性光沢復元剤の原液、または、これを水によって
2〜40倍程度に希釈したものをモップ、スプレー等で
2〜10ml/m2 の塗布量になるように塗布する。塗布
後一旦乾燥させ、バフ専用パッド、白パッド又は赤パッ
ドを装着した1000rps以上の高速バフ機でバフ
し、光沢を復元させる。
【0022】以下、本発明を実施例及び比較例により更
に具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。
【実施例】(1)酸価が2〜103のポリプロピレンワ
ックスの合成 (製造A−1)酸価2、平均分子量3500のポリプロ
ピレンワックスの合成 500mlの反応容器に平均分子量3500のプロピレ
ンワックスを200g仕込み、300℃で1時間空気酸
化した後、冷却して、酸価2、平均分子量3500のポ
リプロピレンワックスを得た。 (製造A−2)酸価12、平均分子量2000のポリプ
ロピレンワックスの合成 500mlの反応容器に平均分子量2000のポリプロ
ピレンワックスを200g仕込み、300℃で1時間酸
化劣化した。次いで、温度を170℃に保持し、過マン
ガン酸カリウム0.2gをアセトン100mlに溶解し
た液を2時間かけて供給した。これを冷却して酸価1
2、平均分子量2000のポリプロピレンワックスを得
た。
【0023】(製造A−3)酸価52、平均分子量19
00のポリプロピレンワックスの合成 500mlの反応容器に平均分子量1700のポリプロ
ピレンワックスを200g仕込み、300℃で1時間酸
化劣化した。次いで、温度を170℃に保持し、無水マ
レイン酸20g、ジターシャリーブチルパーオキサイド
4gをアセトン50mlに溶解した液を1時間かけて供
給した。これを冷却して酸価52、平均分子量1900
のポリプロピレンワックスを得た。 (製造A−4)酸価98、平均分子量19000のポリ
プロピレンワックスの合成 500mlの反応容器に平均分子量16000のポリプ
ロピレンワックスを200g仕込み、300℃で1時間
酸化劣化した。次いで、温度を170℃に保持し、無水
イタコン酸42g、ジターシャリーブチルパーオキサイ
ド8gをアセトン100mlに溶解した液を2時間かけ
て供給した。これを冷却して酸価98、平均分子量19
000のポリプロピレンワックスを得た。
【0024】(製造A−5)酸価103、平均分子量5
000のポリプロピレンワックスの合成 500mlの反応容器に平均分子量4000のポリプロ
ピレンワックスを200g仕込み、300℃で1時間酸
化劣化した。次いで、温度を170℃に保持し、無水マ
レイン酸44g、ジターシャリーブチルパーオキサイド
8gをアセトン100mlに溶解した液を2.5時間か
けて供給した。これを冷却して酸価103、平均分子量
5000のポリプロピレンワックスを得た。製造例A−
1〜A−5で得られたポリプロピレンワックスと、実施
例及び比較例で使用した市販ワックスの一覧を次の表1
に示す。
【0025】
【表1】
【0026】(2)ワックス水分散液の調製 (B−6)酸価2、分子量3500のポリプロピレンワ
ックス水分散液の製造 1000mlの圧力釜に「製造A−1」で得たポリプロ
ピレンワックスを100g、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル100g、苛性カリ(86%)0.15g、
チオ硫酸ソーダ0.1g、水463gを仕込み、乳化温
度165℃、乳化時間15分で乳化した。続いて、冷却
してpH8.5、不揮発分30.2%、酸価2、分子量
3500のポリプロピレンワックス水分散液を得た。 (B−7)酸価3、分子量3500のポリプロピレンワ
ックス水分散液の製造 1000mlの圧力釜に市販ポリプロピレンワックス
「ビスコールTS−200」を100g、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル50g、苛性カリ(86%)
0.25g、チオ硫酸ソーダ0.1g、水395gを仕
込み、乳化温度165℃、乳化時間15分で乳化した。
続いて、冷却してpH8.7、不揮発分28.0%、酸
価3、分子量3500のポリプロピレンワックス水分散
液を得た。
【0027】(B−8)酸価12、分子量2000のポ
リプロピレンワックス水分散液の製造 1000mlの圧力釜に「製造A−2」で得たポリプロ
ピレンワックスを100g、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル40g、苛性カリ(86%)0.9g、チオ
硫酸ソーダ0.5g、水383gを仕込み、乳化温度1
65℃、乳化時間15分で乳化した。続いて、冷却して
pH8.7、不揮発分27.0%、酸価12、分子量2
000のポリプロピレンワックス水分散液を得た。 (B−9)酸価43、分子量8000のポリプロピレン
ワックス水分散液の製造 1000mlの圧力釜に市販ポリプロピレンワックス
「A−C950P」を100g、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル25g、苛性カリ(86%)3.2g、
チオ硫酸ソーダ5g、水400gを仕込み、乳化温度1
65℃、乳化時間15分で乳化した。続いて、冷却して
pH9.3、不揮発分25.1%、酸価43、分子量8
000のポリプロピレンワックス水分散液を得た。
【0028】(B−10)酸価52、分子量1900の
ポリプロピレンワックス水分散液の製造 1000mlの圧力釜に「製造A−3」で得たポリプロ
ピレンワックスを100g、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル20g、苛性カリ(86%)3.9g、チオ
硫酸ソーダ5g、水383gを仕込み、乳化温度165
℃、乳化時間15分で乳化した。続いて、冷却してpH
8.1、不揮発分25.2%、酸価52、分子量190
0のポリプロピレンワックス水分散液を得た。 (B−11)酸価98、分子量19000のポリプロピ
レンワックス水分散液の製造 1000mlの圧力釜に「製造A−4」で得たポリプロ
ピレンワックスを100g、苛性カリ(86%)7.3
g、チオ硫酸ソーダ8g、水344gを仕込み、乳化温
度165℃、乳化時間15分で乳化した。続いて、冷却
してpH8.1、不揮発分25.1%、酸価98、分子
量19000のポリプロピレンワックス水分散液を得
た。
【0029】(B−12)酸価103、分子量5000
のポリプロピレンワックス水分散液の製造 1000mlの圧力釜に「製造A−5」で得たポリプロ
ピレンワックスを100g、苛性カリ(86%)7.8
g、チオ硫酸ソーダ8g、水342gを仕込み、乳化温
度165℃、乳化時間15分で乳化した。続いて、冷却
してpH9.5、不揮発分25.3%、酸価103、分
子量5000のポリプロピレンワックス水分散液を得
た。 (B−13)酸価40、分子量3500のポリエチレン
ワックス水分散液の製造 1000mlの圧力釜に市販ポリエチレンワックス「A
−C540」を100g、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル25g、苛性カリ(86%)3g、チオ硫酸ソ
ーダ5g、水375gを仕込み、乳化温度135℃、乳
化時間15分で乳化した。続いて、冷却してpH9.
3、不揮発分26.3%、酸価40、分子量3500の
ポリエチレンワックス水分散液を得た。
【0030】(B−14)酸価72、分子量6000の
ポリイソブチレンワックス水分散液の製造 1000mlの圧力釜に市販ポリイソブチレンワックス
「イソバン♯600」を100g、苛性カリ(86%)
5.4g、チオ硫酸ソーダ5g、水318gを仕込み、
乳化温度165℃、乳化時間15分で乳化した。続い
て、冷却してpH9.0、不揮発分25.8%、酸価7
2、分子量6000のポリイソブチレンワックス水分散
液を得た。 (B−15)パラフィンワックス水分散液の製造 1000mlのビーカーにパラフィンワックス「パラフ
ィン120°F」75gを仕込み、温度を100℃まで
加熱して溶解し、ポリオキシエチレンソルビタンモノス
テアレート8g、ソルビタンモノステアレート12g、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル5gと適当量の添
加水を入れる。乳化温度95℃、乳化時間15分で95
℃の熱湯400gを入れて乳化した。続いて、冷却して
pH7.6、不揮発分20.1%のパラフィンワックス
水分散液を得た。
【0031】(B−16)カルナバワックス水分散液の
製造 1000mlのビーカーにカルナバワックス「カルナバ
1号」100gを仕込み、温度を100℃まで加熱して
溶解し、オレイン酸20g、モルフォリン10gと適当
量の添加水を入れる。乳化温度95℃、乳化時間15分
で95℃の熱湯370gを入れて乳化した。続いて、冷
却してpH9.4、不揮発分24.9%のカルナバ水分
散液を得た。以上、調製したワックス水分散液(B−
6)〜(B−16)の性状一覧を次の表2−1に示す。
これと併せて、実施例と比較例で使用した市販のワック
ス水分散液(B−1)〜(B−5)の性状一覧を次の表
2−2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】(3)水性光沢復元剤の調製 (B−1)〜(B−16)のワックス水分散液を用い
て、実施例1〜9、比較例1〜7の水性光沢復元剤を調
製した。実施例1〜9の配合を次の表3−1に、比較例
1〜7の配合を次の表3−2に示す。
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】(4)水性光沢復元剤の評価 光沢復元性能の評価床材として、JISA5705に定
められた規格のコンポジションビニル床タイル(株式会
社タジマ製、商品名「PタイルP−60」)を用いた。
この床材の表面に、次の表4(右側数字の単位:重量
部)に示す組成の床用水性艶だし剤を塗布した。
【0038】水性艶だし剤の塗布方法はJISK392
0に準じた。即ち、床材表面にガーゼで塗布量10±2
ml/となるように4回塗布した後、7日間放置し皮膜
を形成した。(この時点での皮膜表面の光沢度をG0
する。)。その後、スチールウールでこの皮膜の表面を
研磨し、傷を付して光沢を低下させた(この時点での光
沢度をG1 とする。)。次いで、皮膜表面に水性光沢復
元剤を水で10倍に希釈したものを5ml/m2 になる
ように塗布した。この床材を固定床上に設置した。白パ
ッドを装着した高速バフ機(バフバフ17)で5秒/m
の速度でバフした(この時点での光沢度をG2 とす
る。)。その後、JIS K 3920に準じて光沢度
を測定し、次式により光沢回復率を求めた。 光沢復元率(%)=(G2 −G1 )/(G0 −G1 )×
100
【0039】
【表6】
【0040】実施例1〜9、比較例1〜7の光沢復元率
評価一覧を、夫々次の表5−1、表5−2に示す。
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のポリプロピ
レンワックスを含有する水分散液を使用すれば、従来使
用されていた溶剤や可塑剤の量を削減し、又はそれらを
まったく使用することなく、優れた光沢復元性能を有す
る艶復元剤を得ることができる。本発明の水性光沢復元
剤を使用すれば、VOCによる環境負荷が少なく、光沢
の復元が効率よくでき、床表面の高度な美観が維持され
る。また、作業時間の短縮や省力化に貢献することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09G 1/04 C09G 1/04 1/16 1/16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸価が3〜100のポリプロピレンワッ
    クスの水分散液からなることを特徴とする水性光沢復元
    剤。
  2. 【請求項2】 上記ポリプロピレンワックスの数平均分
    子量が2000〜20000であることを特徴とする請
    求項1に記載の水性光沢復元剤。
  3. 【請求項3】 上記ポリプロピレンワックス100質量
    部に対し、界面活性剤0〜100質量部、pH調整剤
    0. 5〜10質量部、水70〜900質量部を配合して
    なることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の水性
    光沢復元剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007011032A1 (ja) 2005-07-22 2007-01-25 Toyo Kasei Kogyo Co., Ltd. 水性樹脂組成物およびその製造方法
US9290625B2 (en) 2005-07-22 2016-03-22 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Aqueous resin composition and method of producing the same

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