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JP2002170942A - Soi基板、素子基板、電気光学装置及び電子機器、並びにsoi基板の製造方法、素子基板の製造方法 - Google Patents

Soi基板、素子基板、電気光学装置及び電子機器、並びにsoi基板の製造方法、素子基板の製造方法

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JP2002170942A
JP2002170942A JP2000365714A JP2000365714A JP2002170942A JP 2002170942 A JP2002170942 A JP 2002170942A JP 2000365714 A JP2000365714 A JP 2000365714A JP 2000365714 A JP2000365714 A JP 2000365714A JP 2002170942 A JP2002170942 A JP 2002170942A
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oxide film
silicon
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silicon nitride
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Masahiro Yasukawa
昌宏 安川
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Seiko Epson Corp
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    • H01L27/1203Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate including semiconductor components specially adapted for rectifying, oscillating, amplifying or switching and having potential barriers; including integrated passive circuit elements having potential barriers the substrate being other than a semiconductor body, e.g. an insulating body the substrate comprising an insulating body on a semiconductor body, e.g. SOI

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持基板に含有された不純物、あるいは支持
基板と単結晶シリコン基板との貼り合わせ面に吸着した
不純物が単結晶シリコン層側に拡散することを完全に防
止することができるSOI基板及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 単結晶シリコン基板202A表面を熱酸
化して第1の酸化シリコン膜203Bを形成し、次い
で、単結晶シリコン基板202Aの表面を窒化若しくは
酸窒化して窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜
204を形成し、次いで、単結晶シリコン基板202A
の表面を熱酸化して第2の酸化シリコン膜203Aを形
成した後、第1の酸化シリコン膜203B表面を貼り合
わせ面として、単結晶シリコン基板202Aと支持基板
201との貼り合わせを行う。最後に、支持基板201
と貼り合わせた単結晶シリコン基板202Aを薄膜化し
て、単結晶シリコン層202を形成することによりSO
I基板200が製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持基板の一方の
表面上に単結晶シリコン層を具備するSOI基板、該S
OI基板を備えた素子基板、該素子基板を備えた電気光
学装置及び電子機器、並びにSOI基板の製造方法、素
子基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】絶縁基体上に単結晶シリコン薄膜を形成
し、その単結晶シリコン薄膜を用いて半導体デバイスを
形成する半導体技術はSOI(Silicon On
Insulator)技術とよばれ、素子の高速化や低
消費電力化、高集積化等の利点を有することから広く用
いられている。
【0003】このSOI技術の1つとして、単結晶シリ
コン基板の貼り合わせによるSOI基板の作製技術があ
る。図18に基づいて、従来のSOI基板の製造方法と
構造について簡単に説明する。
【0004】はじめに、図18(a)に示すように、支
持基板1001の表面に、あらかじめ貼り合わせ側の表
面を酸化して酸化シリコン膜1002を形成した単結晶
シリコン基板1003を水素結合力を利用して貼り合わ
せ、熱処理によって貼り合わせ強度を高めた後、図18
(b)に示すように、単結晶シリコン基板1003を研
削や研磨、エッチング等により薄膜化して単結晶シリコ
ン薄膜1004を形成することにより、支持基板100
1の表面上に酸化シリコン膜1002、単結晶シリコン
層1004が順次積層形成された構造のSOI基板が製
造される。
【0005】以上のSOI基板の製造方法によれば、単
結晶シリコン基板1003を薄膜化するために結晶性に
優れた単結晶シリコン薄膜1004を形成することがで
きるので、高性能なデバイスを作製することができる。
【0006】このような貼り合わせ法によるSOI基板
は通常のバルク半導体基板(半導体集積回路)と同様
に、さまざまなデバイスの作製に用いられているが、バ
ルク基板と異なる特徴として、支持基板として様々な材
料の基板を使用することが可能な点を挙げることができ
る。
【0007】すなわち、支持基板として通常のシリコン
基板はもちろんのこと、透明な(光透過性を有する)石
英基板、あるいはガラス基板などを用いることができ
る。そのため、例えば、光透過性を有する基板上に単結
晶シリコン薄膜を形成することによって、光透過性を必
要とするデバイス、例えば透過型の液晶表示装置などに
おいても、結晶性に優れた単結晶シリコン薄膜を用い
て、高性能な液晶駆動用のMOSFET等のトランジス
タ素子を形成することが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】支持基板として石英基
板やガラス基板を用いてSOI基板を製造し、その表面
にトランジスタ素子を形成した場合、支持基板に含まれ
る不純物が酸化シリコン膜を透過して、トランジスタ素
子側に拡散し、素子の特性を劣化させるという恐れがあ
る。
【0009】また、支持基板の種類に関係なく、SOI
基板の製造工程において、支持基板と単結晶シリコン基
板とを貼り合わせる際に、雰囲気中からNa+、K+、C
-などの不純物が貼り合わせ面に吸着する場合があ
り、この場合には、得られるSOI基板は、支持基板と
酸化シリコン膜との間に上記の不純物が挟持されたもの
となる。
【0010】このような構造のSOI基板を用いて、そ
の表面にトランジスタ素子を形成した場合、支持基板と
酸化シリコン膜との間に挟持された不純物が酸化シリコ
ン膜を透過して、トランジスタ素子側に拡散し、素子の
特性を劣化させるという恐れがある。
【0011】従来、支持基板と単結晶シリコン基板とを
貼り合わせる際に、雰囲気中から不純物が支持基板に吸
着することを防止するために、防塵フィルターを用いる
などしているが、防塵フィルターを用いた場合において
も、雰囲気中から不純物が貼り合わせ面に吸着すること
を完全には防止することができないのが現状である。
【0012】そこで、本発明は、以上の問題を解決する
ためになされたもので、支持基板に含有された不純物、
あるいは支持基板と単結晶シリコン基板との貼り合わせ
面に吸着した不純物が単結晶シリコン層側に拡散するこ
とを完全に防止することができるSOI基板及びその製
造方法を提供することを目的としている。
【0013】また、支持基板に含有された不純物、ある
いは支持基板と単結晶シリコン基板との貼り合わせ面に
吸着した不純物によるトランジスタ素子への影響を完全
に防止することができる素子基板及びその製造方法を提
供することを目的としている。
【0014】さらに、この素子基板を備え、トランジス
タ素子の特性の劣化を防止することができ、性能の優れ
た電気光学装置、電子機器を提供することを目的として
いる。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者は、種々検討を行った結果、窒化シリコン
膜若しくは窒化酸化シリコン膜が支持基板に含有された
不純物や支持基板と単結晶シリコン基板との貼り合わせ
面に吸着した不純物を透過させないことを見出し、この
点に着目して本発明を完成した。
【0016】本発明のSOI基板は、支持基板の一方の
表面上に単結晶シリコン層を具備するSOI基板であっ
て、前記支持基板と前記単結晶シリコン層との間に、絶
縁膜の単層又は積層構造からなる絶縁部が設けられ、該
絶縁部が少なくとも窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シ
リコン膜を具備することを特徴とする。
【0017】このように、支持基板と単結晶シリコン層
との間に、少なくとも窒化シリコン膜若しくは窒化酸化
シリコン膜を具備する絶縁部を設ける構成とすることに
より、支持基板に含有された不純物が窒化シリコン膜若
しくは窒化酸化シリコン膜を透過しないので、支持基板
に含有された不純物が単結晶シリコン層側に拡散するこ
とを完全に防止することができる。
【0018】なお、本発明のSOI基板において、絶縁
部を構成する窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン
膜以外の絶縁膜としては具体的には酸化シリコン膜を挙
げることができる。
【0019】以上の構造を有する本発明のSOI基板
は、単結晶シリコン基板又は支持基板のいずれかの一方
の表面に窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜を
形成する工程と、前記窒化シリコン膜若しくは窒化酸化
シリコン膜の表面に酸化シリコン膜を形成する工程と、
前記酸化シリコン膜の表面を貼り合わせ面として、前記
単結晶シリコン基板と前記支持基板とを貼り合わせる工
程と、前記支持基板と貼り合わせた前記単結晶シリコン
基板を薄膜化して単結晶シリコン層を形成する工程とを
有することを特徴とする本発明のSOI基板の製造方法
によって製造することができる。
【0020】また、このように、単結晶シリコン基板又
は支持基板のいずれかの一方の表面に窒化シリコン膜若
しくは窒化酸化シリコン膜を形成し、さらにその表面に
酸化シリコン膜を形成してから、酸化シリコン膜の表面
を貼り合わせ面として、単結晶シリコン基板と支持基板
とを貼り合わせることにより、単結晶シリコン基板と支
持基板との密着性を向上させることができる。なお、窒
化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜、酸化シリコ
ン膜の形成の順序はいずれが先であっても構わない。
【0021】また、本発明のSOI基板の製造方法にお
いて、単結晶シリコン基板の表面に窒化シリコン膜若し
くは窒化酸化シリコン膜を形成することが望ましく、窒
化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜を形成した単
結晶シリコン基板と支持基板を貼り合わせることによ
り、窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜を支持
基板と単結晶シリコン基板との貼り合わせ面よりも単結
晶シリコン層側に位置させることができるので、支持基
板に含有された不純物のみだけでなく、貼り合わせ面に
吸着した不純物が単結晶シリコン層側に拡散することも
完全に防止することができる。
【0022】また、単結晶シリコン基板若しくは支持基
板の表面上にCVD法などにより窒化シリコン膜若しく
は窒化酸化シリコン膜、酸化シリコン膜を形成しても良
いが、製造工程を簡略化するとともに、均一な膜厚の平
坦な窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜、酸化
シリコン膜を形成し、さらに、単結晶シリコン基板と窒
化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜との密着性を
向上させることができることから、単結晶シリコン基板
の表面を熱酸化することにより、酸化シリコン膜を形成
した後、酸化シリコン膜を形成した単結晶シリコン基板
の表面を一酸化二窒素若しくは一酸化窒素にて窒化若し
くは酸窒化することにより、酸化シリコン膜の単結晶シ
リコン基板側に窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコ
ン膜を形成し、必要に応じてさらに、窒化シリコン膜若
しくは窒化酸化シリコン膜を形成した単結晶シリコン基
板の表面を再熱酸化することにより、窒化シリコン膜若
しくは窒化酸化シリコン膜の単結晶シリコン基板側に第
2の酸化シリコン膜を形成することが望ましい。
【0023】すなわち、この場合の本発明のSOI基板
の製造方法は、単結晶シリコン基板の表面に酸化シリコ
ン膜を形成する工程と、前記酸化シリコン膜の前記単結
晶シリコン基板側に窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シ
リコン膜を形成する工程と、前記酸化シリコン膜の表面
を貼り合わせ面として、前記単結晶シリコン基板と支持
基板とを貼り合わせる工程と、前記支持基板と貼り合わ
せた前記単結晶シリコン基板を薄膜化する工程とを有す
ることを特徴とする。
【0024】また、窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シ
リコン膜を形成した単結晶シリコン基板の表面に第2の
酸化シリコン膜を形成する場合の本発明のSOI基板の
製造方法は、単結晶シリコン基板の表面に第1の酸化シ
リコン膜を形成する工程と、前記第1の酸化シリコン膜
の前記単結晶シリコン基板側に窒化シリコン膜若しくは
窒化酸化シリコン膜を形成する工程と、前記窒化シリコ
ン膜若しくは窒化酸化シリコン膜の前記単結晶シリコン
基板側に第2の酸化シリコン膜を形成する工程と、前記
第1の酸化シリコン膜の表面を貼り合わせ面として、前
記単結晶シリコン基板と支持基板とを貼り合わせる工程
と、前記支持基板と貼り合わせた前記単結晶シリコン基
板を薄膜化する工程とを有することを特徴とする。
【0025】酸化シリコン膜、窒化シリコン膜若しくは
窒化酸化シリコン膜をこのように形成し、均一な膜厚の
平坦な膜とすることにより、支持基板と単結晶シリコン
基板との貼り合わせ面にボイドが発生することを防止す
ることができるので、貼り合わせ強度を向上させること
ができるとともに、窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シ
リコン膜が貼り合わせのストレス緩和の効果を有するた
め、SOI基板を用いてトランジスタ素子などを形成す
る場合に、膜剥がれ等が生じることを防止できるので、
製品の歩留まりを向上させることができる。
【0026】また、上記の製造方法により、前記絶縁部
が、前記窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜
と、前記窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜の
上面若しくは下面に形成された酸化シリコン膜との積層
構造からなるSOI基板を提供することができ、このS
OI基板は支持基板に含有された不純物、及び支持基板
と単結晶シリコン基板との貼り合わせ面に吸着した不純
物の単結晶シリコン層側への拡散を完全に防止すること
ができるものであるとともに、支持基板と単結晶シリコ
ン基板との貼り合わせ強度が高く、信頼性の高いものと
なる。
【0027】また、支持基板を石英基板やガラス基板な
どの光透過性を有する基板で構成することによって、S
OI基板を透過型の液晶装置などの光を透過させるデバ
イスに適用することができる。また、この場合には、窒
化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜の存在によっ
て光の透過率が低下することを防止するために、絶縁部
を構成する窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜
の膜厚を100nm以下に設定することが望ましい。
【0028】以上の本発明のSOI基板を用いて素子基
板を製造することができる。本発明の素子基板の製造方
法は、本発明のSOI基板の製造方法により製造された
SOI基板を用い、該SOI基板の前記単結晶シリコン
層によりトランジスタ素子を構成する半導体層を形成す
る工程を有することを特徴とする。
【0029】また、この素子基板の製造方法により、本
発明のSOI基板の単結晶シリコン層からなる半導体層
を具備するトランジスタ素子を有することを特徴とする
素子基板を提供することができる。
【0030】本発明の素子基板は、支持基板に含有され
た不純物、及び支持基板と単結晶シリコン基板との貼り
合わせ面に吸着した不純物がトランジスタ素子側へ拡散
することを完全に防止することができるので、トランジ
スタ素子の特性の劣化を防止することができるものとな
る。
【0031】また、本発明の素子基板と、該素子基板の
トランジスタ素子が形成された面と対向するように配置
された他の基板と、これら2枚の基板の間に挟持された
電気光学材料層とを具備することを特徴とする電気光学
装置、及びこの本発明の電気光学装置を備えた電子機器
を提供することができる。本発明の電気光学装置におい
て、前記窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜の
下面に酸化シリコン膜からなる絶縁膜を介して遮光膜が
形成されていることが望ましい。
【0032】本発明の素子基板を備えた電気光学装置及
び電子機器は、トランジスタ素子の特性の劣化を防止す
ることができ、性能の優れたものとなる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態に
ついて詳細に説明する。
【0034】[SOI基板]はじめに、図1に本発明に
係る実施形態のSOI基板の断面構造を示し、このSO
I基板200の構造について説明する。
【0035】図1に示すように、本実施形態のSOI基
板200は、シリコン、石英、ガラスなどからなる支持
基板201と単結晶シリコン層202とを具備し、支持
基板201と単結晶シリコン層202との間には複数の
絶縁膜の積層構造からなる絶縁部205が形成されてい
る。本実施形態において、絶縁部205は支持基板20
1側から第1の酸化シリコン膜203B、窒化シリコン
膜若しくは窒化酸化シリコン膜204、第2の酸化シリ
コン膜203Aが順次積層されたものとなっている。
【0036】次に、図2、図3に基づいて、本実施形態
のSOI基板の製造方法として、上記構造を有するSO
I基板200の製造方法について説明する。図2(a)
〜(e)、図3(a)〜(c)は断面図を示している。
なお、以下に記載の製造方法は一例であって、本発明は
以下に記載のものに限定されるものではない。
【0037】はじめに、図2(a)に示すように、例え
ば300〜900μm程度の膜厚を有する単結晶シリコ
ン基板202Aを用意し、図2(b)に示すように、単
結晶シリコン基板202Aの一方の表面をO2若しくは
2O雰囲気下、700〜1150℃で熱酸化すること
により、単結晶シリコン基板202Aの一方の表面に例
えば5〜400nm程度の膜厚を有する第1の酸化シリ
コン膜203Bを形成する。
【0038】次に、図2(c)に示すように、第1の酸
化シリコン膜203Bを形成した単結晶シリコン基板2
02Aの表面を一酸化二窒素若しくは一酸化窒素雰囲気
下、800〜1150℃で窒化若しくは酸窒化すること
により、第1の酸化シリコン膜203Bの単結晶シリコ
ン基板202A側に窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シ
リコン膜204を形成する。
【0039】支持基板201が石英基板、ガラス基板等
の光透過性を有する基板からなり、SOI基板200が
透過型の液晶装置など、光を透過させるデバイスに適用
されるものである場合には、窒化シリコン膜若しくは窒
化酸化シリコン膜204の存在によって、光の透過率が
低下することを防止するために、窒化シリコン膜若しく
は窒化酸化シリコン膜204の膜厚を100nm以下と
することが望ましい。
【0040】次に、図2(d)に示すように、窒化シリ
コン膜若しくは窒化酸化シリコン膜204を形成した単
結晶シリコン基板202Aの表面をO2若しくはH2O雰
囲気下、700〜1150℃で熱酸化することにより、
窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜204の単
結晶シリコン基板202A側に、例えば5〜400nm
程度の膜厚を有する第2の酸化シリコン膜203Aを形
成する。以上のようにして、単結晶シリコン基板202
A表面に、第1の酸化シリコン膜203B、窒化シリコ
ン膜若しくは窒化酸化シリコン膜204、第2の酸化シ
リコン膜203Aからなる絶縁部205が形成される。
【0041】次に、図2(e)に示すように、表面に絶
縁部205を形成した単結晶シリコン基板202Aの絶
縁部205側の表面に水素イオン(H+)を例えば加速
電圧100keV、ドーズ量10×1016/cm2にて
注入する。この処理によって、単結晶シリコン基板20
2A中に水素イオンの高濃度層206を形成する。
【0042】次に、図3(a)に示すように、絶縁部2
05表面(第1の酸化シリコン膜203B表面)を貼り
合わせ面として、単結晶シリコン基板202Aと、シリ
コン、石英、ガラスなどからなる支持基板201との貼
り合わせを行う。貼り合わせ工程は、例えば300℃で
2時間熱処理することによって2枚の基板を直接貼り合
わせる方法を採用することができる。また、貼り合わせ
強度をさらに高めるためには、さらに熱処理温度を上げ
て450℃程度にする必要があるが、石英などからなる
支持基板201と単結晶シリコン基板202Aの熱膨張
係数には大きな差があるため、このまま加熱すると単結
晶シリコン層にクラックなどの欠陥が発生し、製造され
るSOI基板200の品質が劣化する恐れがある。
【0043】そこで、このようなクラックなどの欠陥の
発生を抑制するためには、一度300℃にて貼り合わせ
のための熱処理を行った単結晶シリコン基板202Aを
ウエットエッチングまたはCMP(化学的機械研磨)法
によって100〜150μm程度まで薄くした後に、さ
らに高温の熱処理を行うことが望ましい。例えば80℃
のKOH水溶液を用い、単結晶シリコン基板202Aの
厚さが150μmなるようエッチングを行った後、支持
基板201との貼り合わせを行い、さらに450℃にて
再び熱処理し、貼り合わせ強度を高めることが望まし
い。
【0044】次に、図3(b)に示すように、貼り合わ
せた2枚の基板を熱処理することにより、支持基板20
1の表面上に薄膜の単結晶シリコン層202を残して大
部分の単結晶シリコン基板202Aの剥離を行う。この
基板の剥離現象は、単結晶シリコン基板202A中に導
入された水素イオンによって、シリコンの結合が分断さ
れるために生じるものである。すなわち、単結晶シリコ
ン基板202Aにおいて、水素イオンの高濃度層206
と水素イオンが注入されていない部分との境界近傍部分
で、単結晶シリコン基板202Aを分断させることがで
きる。
【0045】単結晶シリコン基板202Aを剥離するた
めの熱処理は例えば、貼り合わせた2枚の基板を毎分2
0℃の昇温速度にて600℃まで加熱することにより行
うことができる。この熱処理によって、貼り合わされた
単結晶シリコン基板202Aの大部分が支持基板201
と分離され、支持基板201の表面上には例えば約20
0nm±5nm程度の膜厚を有する単結晶シリコン層2
02が形成される。なお、単結晶シリコン層202は、
前に述べた単結晶シリコン基板202Aに対して行われ
る水素イオン注入の加速電圧を変えることによって50
nm〜3000nmまで任意の膜厚で形成することが可
能である。
【0046】以上のようにして、図3(c)に示すよう
に、SOI基板200が製造される。
【0047】なお、単結晶シリコン基板202Aと支持
基板201とを貼り合わせた後、単結晶シリコン基板2
02Aを薄膜化して単結晶シリコン層202を形成する
方法は上述した水素イオンを用いる方法に限定されるも
のではなく、薄膜の単結晶シリコン層202は、単結晶
シリコン基板と支持基板とを貼り合わせた後、単結晶シ
リコン基板の表面を研磨してその膜厚を3〜5μmとし
た後、さらにPACE(Plasma Assiste
d Chemical Etching)法によってそ
の膜厚を0.05〜0.8μm程度までエッチングして
仕上げる方法や、多孔質シリコン上に形成したエピタキ
シャルシリコン層を多孔質シリコン層の選択エッチング
によって貼り合わせ支持基板上に転写するELTRAN
(Epitaxial Layer Transfe
r)法によっても得ることができる。
【0048】本実施形態のSOI基板の製造方法によれ
ば、表面に窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜
204を形成した単結晶シリコン基板202Aと支持基
板201とを貼り合わせることにより、窒化シリコン膜
若しくは窒化酸化シリコン膜204を支持基板201と
単結晶シリコン基板202Aとの貼り合わせ面よりも単
結晶シリコン層202側に位置させることができるの
で、支持基板201に含有された不純物、及び支持基板
201と単結晶シリコン基板202Aとの貼り合わせ面
に吸着した不純物が単結晶シリコン層202側に拡散す
ることを完全に防止することができる。
【0049】また、CVD法などを用いて、第2の酸化
シリコン膜203A、窒化シリコン膜若しくは窒化酸化
シリコン膜204、第1の酸化シリコン膜203Bを、
単結晶シリコン基板202Aの表面上に順次積層形成し
てもよい。ただし、この場合には、製造工程が複雑化す
るとともに、第2の酸化シリコン膜203A、窒化シリ
コン膜若しくは窒化酸化シリコン膜204、第1の酸化
シリコン膜203Bの膜厚が不均一になる恐れがある。
【0050】しかしながら、本実施形態では、単結晶シ
リコン基板202A表面を熱酸化することにより第1の
酸化シリコン膜203Bを形成した後、第1の酸化シリ
コン膜203Bを形成した単結晶シリコン基板202A
表面を窒化若しくは酸窒化することにより、第1の酸化
シリコン膜203Bの単結晶シリコン基板202A側に
窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜204を形
成し、さらに窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン
膜204を形成した単結晶シリコン基板202A表面を
熱酸化することにより、窒化シリコン膜若しくは窒化酸
化シリコン膜204の単結晶シリコン基板202A側に
第2の酸化シリコン膜203Aを形成する方法を採用し
たので、均一な膜厚を有する平坦な第1の酸化シリコン
膜203B、窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン
膜204、第2の酸化シリコン膜203Aを形成するこ
とができる。
【0051】このように均一な膜厚を有するこれらの膜
を形成することにより、支持基板201と単結晶シリコ
ン基板202Aとの貼り合わせ面にボイドが発生するこ
とを防止することができ、貼り合わせ強度を向上させる
ことができるとともに、SOI基板200を用いてトラ
ンジスタ素子などを形成する場合に、膜剥がれ等が生じ
ることを防止できるので、製品の歩留まりを向上させる
ことができる。
【0052】また、この方法によれば、第1の酸化シリ
コン膜203B、窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリ
コン膜204、第2の酸化シリコン膜203Aを単結晶
シリコン基板202Aと一体に形成することができるの
で、第1の酸化シリコン膜203B、窒化シリコン膜若
しくは窒化酸化シリコン膜204、第2の酸化シリコン
膜203A、単結晶シリコン層202の密着性が高いS
OI基板200を製造することができる。
【0053】また、本実施形態によれば、窒化シリコン
膜若しくは窒化酸化シリコン膜204の表面に第1の酸
化シリコン膜203Bを形成し、第1の酸化シリコン膜
203Bの表面を貼り合わせ面としたので、窒化シリコ
ン膜若しくは窒化酸化シリコン膜204の表面に第1の
酸化シリコン膜203Bを形成せず、窒化シリコン膜若
しくは窒化酸化シリコン膜204の表面を貼り合わせ面
とする場合よりも支持基板201と単結晶シリコン基板
202Aとの密着性を向上することができ、貼り合わせ
強度を向上させることができる。
【0054】なお、第1の酸化シリコン膜203B、窒
化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜204、第2
の酸化シリコン膜203Aを単結晶シリコン基板202
Aと一体形成せずに、CVD法などを用いて形成しても
平坦な膜を形成できる場合には、上記の製造方法で説明
した以外の、第1の酸化シリコン膜203B、窒化シリ
コン膜若しくは窒化酸化シリコン膜204、第2の酸化
シリコン膜203Aの形成方法及び単結晶シリコン基板
202Aと支持基板201との貼り合わせのパターンを
例示することができる。
【0055】また、本実施形態においては、第2の酸化
シリコン膜203Aは窒化シリコン膜若しくは窒化酸化
シリコン膜204の後に形成されているが、これは単結
晶シリコン基板202A上に窒化シリコン膜若しくは窒
化酸化シリコン膜204を直接形成したときに格子欠陥
が形成される場合のみである。特に、窒化酸化シリコン
膜を形成するときには格子欠陥が形成されにくいので、
第2の酸化シリコン膜203Aは形成されなくても良
い。
【0056】図4(a)〜(d)に基づいて、上記以外
の第1の酸化シリコン膜203B、窒化シリコン膜若し
くは窒化酸化シリコン膜204、第2の酸化シリコン膜
203Aの形成方法及び貼り合わせのパターンについて
簡単に説明する。図4(a)〜(d)は貼り合わせを行
う支持基板201と単結晶シリコン基板202Aとを取
り出して、その組み合わせを示したものである。
【0057】図4(a)に示すように、CVD法によ
り、単結晶シリコン基板202Aの表面上に第2の酸化
シリコン膜203A、窒化シリコン膜若しくは窒化酸化
シリコン膜204、第1の酸化シリコン膜203Bを順
次形成した後、この単結晶シリコン基板202Aと支持
基板201とを貼り合わせてもよい。
【0058】また、第2の酸化シリコン膜203Aを単
結晶シリコン基板202Aの表面を熱酸化することによ
り形成した後、CVD法により窒化シリコン膜若しくは
窒化酸化シリコン膜204、第1の酸化シリコン膜20
3Bを順次形成するなど、上記で説明した方法とCVD
法とを組み合わせて形成しても良い。
【0059】また、CVD法を用いて単結晶シリコン基
板202Aの表面上に酸化シリコン膜及び窒化シリコン
膜若しくは窒化酸化シリコン膜を形成する場合、図4
(b)に示すように、単結晶シリコン基板202Aの表
面上に第2の酸化シリコン膜203Aを設けずに、直接
窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜204を形
成してもよい。
【0060】このような構成としても、窒化シリコン膜
若しくは窒化酸化シリコン膜204を支持基板201と
単結晶シリコン基板202Aとの貼り合わせ面よりも単
結晶シリコン層202側に位置させることができるの
で、支持基板201に含有された不純物、及び支持基板
201と単結晶シリコン基板202Aとの貼り合わせ面
に吸着した不純物が単結晶シリコン層202側に拡散す
ることも完全に防止することができる。
【0061】図4(a)、(b)においては、酸化シリ
コン膜、窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜を
単結晶シリコン基板202A側に形成してから貼り合わ
せを行う場合について説明したが、本発明はこれに限定
されるものではない。以下に、図4(c)、(d)に基
づいて、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜若しくは窒化
酸化シリコン膜を支持基板201側に形成してから貼り
合わせを行う場合について説明する。
【0062】図4(c)に示すように、CVD法により
支持基板201の表面上に第1の酸化シリコン膜203
B、窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜20
4、第2の酸化シリコン膜203Aを順次形成した後、
この支持基板201と単結晶シリコン基板202Aとの
貼り合わせを行ってもよい。
【0063】この場合には、熱酸化又はCVD法により
単結晶シリコン基板202Aの表面上にあらかじめ酸化
シリコン膜203Cを形成しておくことが望ましく、こ
のように支持基板201、単結晶シリコン基板202A
のいずれの基板についても貼り合わせ側の最表面を酸化
シリコン膜にしておくことで、貼り合わせた後の2枚の
基板の密着性を向上させることができる。
【0064】また、支持基板201が石英基板又はガラ
ス基板からなる場合には、支持基板201の主成分が酸
化シリコンであるため、図4(d)に示すように、支持
基板201の表面上に第1の酸化シリコン膜203Bを
形成しなくても良く、CVD法を用いて支持基板201
側に窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜20
4、第2の酸化シリコン膜203Aを順次形成した後、
この支持基板201と表面に酸化シリコン膜203Cを
形成した単結晶シリコン基板202Aとを貼り合わせて
もよい。
【0065】なお、図4(c)、(d)に示した貼り合
わせのパターンでは、窒化シリコン膜若しくは窒化酸化
シリコン膜204が貼り合わせ面よりも支持基板201
側に形成されるため、支持基板201に含有された不純
物が単結晶シリコン層202側に拡散することを防止す
ることはできるが、貼り合わせ面に吸着した不純物が単
結晶シリコン層202側に拡散することを防止すること
ができない。すなわち、図4(c)、(d)に示した貼
り合わせのパターンは、支持基板201として、石英基
板又はガラス基板などの不純物を含む基板を用いた場合
に有効である。
【0066】[素子基板]次に、図5に基づいて、上記
構造のSOI基板200を用いて製造された本発明に係
る実施形態の素子基板210の構造について説明する。
図5に示す素子基板210は、SOI基板200の単結
晶シリコン層202を所定のパターンに形成した後、こ
の単結晶シリコン層を用いてTFT(トランジスタ素
子)を形成することにより製造されたものである。
【0067】図5において、図1と同じ構成要素につい
ては同じ符号を付し、説明は省略する。図5において符
号220はTFTを示し、符号208はSOI基板20
0の単結晶シリコン層202から形成され、TFTを構
成する半導体層を示している。また、図5において、支
持基板201、第1の酸化シリコン膜203Bと窒化シ
リコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜204と第2の酸
化シリコン膜203Aとからなる絶縁部205、及び単
結晶シリコン層202から形成された半導体層208が
SOI基板となっている。
【0068】図5に示すように、絶縁部205の表面上
には、半導体層208、ゲート絶縁膜209、ゲート電
極211、ソース電極215、ドレイン電極216、層
間絶縁膜212からなるTFT220が形成されてい
る。
【0069】より詳細には、半導体層208を形成した
支持基板201の表面上にゲート絶縁膜209が形成さ
れ、ゲート絶縁膜209の表面上にゲート電極211が
形成されている。さらに、ゲート電極211を形成した
支持基板201の表面上には層間絶縁膜212が設けら
れている。
【0070】層間絶縁膜212及びゲート絶縁膜209
には、半導体層208に形成されたソース領域、ドレイ
ン領域(いずれも図示せず)に各々通じるコンタクトホ
ール217、218が形成されており、ソース電極21
5、ドレイン電極216が各々コンタクトホール21
7、218を介して半導体層208のソース領域、ドレ
イン領域に電気的に接続するように形成されている。
【0071】本実施形態の素子基板210は、上記のS
OI基板200を用いて形成されたものであるので、支
持基板201に含有された不純物、及び支持基板201
と単結晶シリコン基板202Aとの貼り合わせ面に吸着
した不純物が半導体層208(TFT220)側へ拡散
することを完全に防止することができるので、TFT2
20の特性の劣化を防止することができるものとなる。
【0072】[電気光学装置]次に、本発明に係る実施
形態の電気光学装置の例として、プロジェクタ等の投射
型表示装置に好適に用いられる、TFT(トランジスタ
素子)をスイッチング素子として用いたアクティブマト
リクス型の液晶装置を取り上げて説明する。
【0073】なお、本実施形態の液晶装置は、本発明の
SOI基板を用いて製造された素子基板を備えたもので
ある。すなわち、本実施形態の電気光学装置を構成する
素子基板の基本構造は、先に説明したように、支持基板
に相当する基板本体の表面上に第1の酸化シリコン膜、
窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜、第2の酸
化シリコン膜からなる絶縁部が設けられ、その表面上に
単結晶シリコン層から形成された半導体層を具備するT
FTが形成されたものとなっている。
【0074】また、投射型表示装置では、通常、液晶装
置を構成する2枚の基板のうち、素子基板と対向する側
の基板側(液晶装置の表面)から光が入射するが、この
光が素子基板の表面上に形成されたTFTのチャネル領
域に入射して光リーク電流を生ずるのを防ぐためにTF
Tの光が入射する側に遮光層を設ける構造とするのが一
般的である。
【0075】しかしながら、TFTの光が入射する側に
遮光層を設けても、液晶装置に入射した光が素子基板の
裏面の界面で反射してTFTのチャネル部に戻り光とし
て入射することがある。この戻り光は、液晶装置の表面
から入射する光量に対する割合としては僅かであるが、
プロジェクタなどの非常に強力な光源を用いる装置にお
いては充分に光リーク電流を生じうる。すなわち、素子
基板の裏面からの戻り光はTFTのスイッチング特性に
影響を及ぼしデバイスの特性を劣化させる。
【0076】そこで、本実施形態においては、このよう
な戻り光によるTFTの特性の劣化を防止するために、
支持基板に相当する基板本体の直上に各TFT(トラン
ジスタ素子)に対応させて遮光膜を設け、さらに金属等
からなる遮光膜とTFTを構成する半導体層とを電気的
に絶縁するための第1層間絶縁膜を設け、その第1層間
絶縁膜の表面上に、第1の酸化シリコン膜、窒化シリコ
ン膜若しくは窒化酸化シリコン膜、第2の酸化シリコン
膜からなる絶縁部を設ける構成としている。
【0077】(電気光学装置の構造)はじめに、本発明
に係る実施形態の電気光学装置の構造について、液晶装
置を取り上げて説明する。
【0078】図6は液晶装置の画素部(表示領域)を構
成するマトリクス状に形成された複数の画素における各
種素子、配線等の等価回路である。また、図7は、デー
タ線、走査線、画素電極、遮光膜等が形成された素子基
板の相隣接する複数の画素群を拡大して示す平面図であ
る。また、図8は、図7のA−A’断面図である。
【0079】図6〜図8において、符号30がTFT
(トランジスタ素子)、符号1aが単結晶シリコン層か
ら形成され、TFTを構成する半導体層を示している。
また、図6〜図8において、図1、図5と同じ構成要素
については同じ参照符号を付し、説明は省略する。尚、
図6〜図8においては、各層や各部材を図面上で認識可
能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を
異ならしめてある。
【0080】図6において、液晶装置の画素部を構成す
るマトリクス状に形成された複数の画素は、マトリクス
状に複数形成された画素電極9aと画素電極9aを制御
するためのTFT30とからなり、画像信号が供給され
るデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接
続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、
S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わな
いし、相隣接する複数のデータ線6aに対して、グルー
プ毎に供給するようにしても良い。また、TFT30の
ゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定の
タイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、
G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構
成されている。
【0081】画素電極9aは、TFT30のドレインに
電気的に接続されており、スイッチング素子であるTF
T30を一定期間だけそのスイッチを閉じることによ
り、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、
…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極9a
を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S
1、S2、…、Snは、後述する対向基板に形成された
後述する対向電極との間で一定期間保持される。
【0082】液晶は、印加される電圧レベルにより分子
集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、
階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであ
れば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を
通過不可能とされ、ノーマリーブラックモードであれ
ば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通
過可能とされ、全体として液晶装置から画像信号に応じ
たコントラストを持つ光が出射される。
【0083】ここで、保持された画像信号がリークする
ことを防止するために、画素電極9aと対向電極との間
に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加す
る。例えば、画素電極9aの電圧は、データ線に電圧が
印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量70
により保持される。これにより、保持特性は更に改善さ
れ、コントラスト比の高い液晶装置を実現することがで
きる。本実施形態では特に、このような蓄積容量70を
形成するために、後述の如く走査線と同層、もしくは導
電性の遮光膜を利用して低抵抗化された容量線3bを設
けている。
【0084】次に、図7に基づいて、素子基板の画素部
(表示領域)内の平面構造について詳細に説明する。図
7に示すように、液晶装置の素子基板上の画素部内に
は、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部
9a’により輪郭が示されている)が設けられており、
画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a、
走査線3a及び容量線3bが設けられている。データ線
6aは、コンタクトホール5を介して単結晶シリコン層
の半導体層1aのうち後述のソース領域に電気的に接続
されており、画素電極9aは、コンタクトホール8を介
して半導体層1aのうち後述のドレイン領域に電気的に
接続されている。また、半導体層1aのうちチャネル領
域(図中右上りの斜線の領域)に対向するように走査線
3aが配置されており、走査線3aはゲート電極として
機能する。
【0085】容量線3bは、走査線3aに沿ってほぼ直
線状に伸びる本線部(即ち、平面的に見て、走査線3a
に沿って形成された第1領域)と、データ線6aと交差
する箇所からデータ線6aに沿って前段側(図中、上向
き)に突出した突出部(即ち、平面的に見て、データ線
6aに沿って延設された第2領域)とを有する。
【0086】そして、図中右上がりの斜線で示した領域
には、複数の第1遮光膜11aが設けられている。より
具体的には、第1遮光膜11aは夫々、画素部において
半導体層1aのチャネル領域を含むTFTを素子基板の
後述する基板本体側から見て覆う位置に設けられてお
り、更に、容量線3bの本線部に対向して走査線3aに
沿って直線状に伸びる本線部と、データ線6aと交差す
る箇所からデータ線6aに沿って隣接する段側(即ち、
図中下向き)に突出した突出部とを有する。第1遮光膜
11aの各段(画素行)における下向きの突出部の先端
は、データ線6a下において次段における容量線3bの
上向きの突出部の先端と重ねられている。この重なった
箇所には、第1遮光膜11aと容量線3bとを相互に電
気的に接続するコンタクトホール13が設けられてい
る。即ち、本実施形態では、第1遮光膜11aは、コン
タクトホール13により前段あるいは後段の容量線3b
に電気的に接続されている。
【0087】次に、図8に基づいて、液晶装置の画素部
内の断面構造について説明する。図8に示すように、液
晶装置において、素子基板10と、これに対向配置され
る対向基板20との間に液晶層(電気光学材料層)50
が挟持されている。
【0088】素子基板10は、シリコン、石英、ガラス
などの光透過性基板からなる基板本体(支持基板)10
Aとその液晶層50側表面上に形成された画素電極9
a、画素スイッチング用TFT(トランジスタ素子)3
0、配向膜16を主体として構成されており、対向基板
20は透明なガラスや石英などの光透過性基板からなる
基板本体20Aとその液晶層50側表面上に形成された
対向電極(共通電極)21と配向膜22とを主体として
構成されている。
【0089】素子基板10の基板本体10Aの液晶層5
0側表面上には、画素電極9aが設けられており、その
液晶層50側には、ラビング処理等の所定の配向処理が
施された配向膜16が設けられ、各画素電極9aに隣接
する位置に、各画素電極9aをスイッチング制御する画
素スイッチング用TFT30が設けられている。画素電
極9aは、例えばITO(インジウム・ティン・オキサ
イド)などの透明導電性薄膜からなり、配向膜16は、
例えばポリイミドなどの有機薄膜からなる。
【0090】素子基板10の基板本体10Aの直上(液
晶層50側表面上)には、各画素スイッチング用TFT
30に対応する位置に、第1遮光膜11aが設けられて
いる。第1遮光膜11aは、好ましくは不透明な高融点
金属であるTi、Cr、W、Ta、Mo及びPdのうち
の少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサ
イド等から構成されている。
【0091】本実施形態においては、このように素子基
板10に第1遮光膜11aが形成されているので、素子
基板10側からの戻り光等が画素スイッチング用TFT
30のチャネル領域1a’やLDD領域1b、1cに入
射することを防ぐことができ、光電流の発生によりトラ
ンジスタ素子としての画素スイッチング用TFT30の
特性が劣化することを防止することができる。
【0092】また、第1遮光膜11aの表面上には基板
本体10Aの表面上の全面に渡って、画素スイッチング
用TFT30を構成する半導体層1aを第1遮光膜11
aから電気的に絶縁するとともに、第1遮光膜11aが
形成された基板本体10Aの表面を平坦化するために、
NSG(ノンドープトシリケートガラス)、PSG(リ
ンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラ
ス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)などの
シリケートガラス膜、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜
等からなる第1層間絶縁膜12が設けられ、第1層間絶
縁膜12の表面上には、さらに、第1の酸化シリコン膜
203B、窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜
204、第2の酸化シリコン膜203Aからなる絶縁部
205が設けられ、絶縁部205の表面上に画素スイッ
チング用TFT30が設けられている。TFT30は、
絶縁部205の表面上に設けられ、単結晶シリコン層か
ら形成された半導体層1aを具備するものとなってい
る。また、本実施形態においては、窒化シリコン膜若し
くは窒化酸化シリコン膜204の存在によって、光の透
過率が低下することを防止するために、窒化シリコン膜
若しくは窒化酸化シリコン膜204の膜厚は100nm
以下に設定されていることが望ましい。なお、絶縁部2
05の構造については、コンタクトホール13が開孔し
ている点を除いて、上記のSOI基板200及び素子基
板210の絶縁部205の構造と同一であるので、説明
を省略する。
【0093】他方、対向基板20の基板本体20Aの液
晶層50側表面上には、その全面に渡って対向電極(共
通電極)21が設けられており、その液晶層50側に
は、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜
22が設けられている。対向電極21は、例えばITO
などの透明導電性薄膜からなり、配向膜22は、例えば
ポリイミドなどの有機薄膜からなる。
【0094】また、基板本体20Aの液晶層50側表面
上には、更に図8に示すように、各画素部の開口領域以
外の領域に第2遮光膜23が設けられている。このよう
に対向基板20側に第2遮光膜23を設けることによ
り、対向基板20側から入射光が画素スイッチング用T
FT30の半導体層1aのチャネル領域1a’やLDD
(Lightly Doped Drain)領域1b及び1cに侵入する
ことを防止することができるとともに、コントラストを
向上させることができる。
【0095】このように構成され、画素電極9aと対向
電極21とが対向するように配置された素子基板10と
対向基板20との間には、両基板の周縁部間に形成され
たシール材(図示略)により囲まれた空間に液晶(電気
光学材料)が封入され、液晶層(電気光学材料層)50
が形成されている。
【0096】液晶層50は、例えば一種又は数種類のネ
マティック液晶を混合した液晶からなっており、画素電
極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜16
及び22により所定の配向状態を採る。
【0097】また、シール材は、素子基板10及び対向
基板20をそれらの周縁部で貼り合わせるための、例え
ば光硬化性接着剤や熱硬化性接着剤等の接着剤からな
り、その内部には両基板間の距離を所定値とするための
グラスファイバー、ガラスビーズ等のスペーサが混入さ
れている。
【0098】また、本実施形態では、ゲート絶縁膜2を
走査線3aに対向する位置から延設して誘電体膜として
用い、半導体膜1aを延設して第1蓄積容量電極1fと
し、更にこれらに対向する容量線3bの一部を第2蓄積
容量電極とすることにより、蓄積容量70が構成されて
いる。
【0099】より詳細には、半導体層1aの高濃度ドレ
イン領域1eが、データ線6a及び走査線3aの下に延
設されて、同じくデータ線6a及び走査線3aに沿って
伸びる容量線3b部分に絶縁膜2を介して対向配置され
て、第1蓄積容量電極(半導体層)1fとされている。
特に蓄積容量70の誘電体としての絶縁膜2は、高温酸
化により単結晶シリコン層上に形成されるTFT30の
ゲート絶縁膜2に他ならないので、薄く且つ高耐圧の絶
縁膜とすることができ、蓄積容量70は比較的小面積で
大容量の蓄積容量として構成できる。
【0100】更に、蓄積容量70においては、図7及び
図8から分かるように、第1遮光膜11aを、第2蓄積
容量電極としての容量線3bの反対側において第1蓄積
容量電極1fに第1層間絶縁膜12を介して第3蓄積容
量電極として対向配置させることにより(図8の図示右
側の蓄積容量70参照)、蓄積容量が更に付与されるよ
うに構成されている。即ち、本実施形態では、第1蓄積
容量電極1fを挟んで両側に蓄積容量が付与されるダブ
ル蓄積容量構造が構築されており、蓄積容量がより増加
する。このような構造とすることにより、本実施形態の
液晶装置が持つ、表示画像におけるフリッカや焼き付き
を防止する機能を向上させることができる。
【0101】これらの結果、データ線6a下の領域及び
走査線3aに沿って液晶のディスクリネーションが発生
する領域(即ち、容量線3bが形成された領域)という
開口領域を外れたスペースを有効に利用して、画素電極
9aの蓄積容量を増やすことが出来る。
【0102】また、本実施形態では、第1遮光膜11a
(及びこれに電気的に接続された容量線3b)は定電位
源に電気的に接続されており、第1遮光膜11a及び容
量線3bは、定電位とされている。従って、第1遮光膜
11aに対向配置される画素スイッチング用TFT30
に対し第1遮光膜11aの電位変動が悪影響を及ぼすこ
とはない。また、容量線3bは、蓄積容量70の第2蓄
積容量電極として良好に機能し得る。
【0103】また、図7及び図8に示したように、本実
施形態では、素子基板10に第1遮光膜11aを設ける
のに加えて、コンタクトホール13を介して第1遮光膜
11aは、前段あるいは後段の容量線3bに電気的に接
続するように構成されている。このような構成とした場
合には、各第1遮光膜11aが、自段の容量線に電気的
に接続される場合と比較して、画素部の開口領域の縁に
沿って、データ線6aに重ねて容量線3b及び第1遮光
膜11aが形成される領域の他の領域に対する段差が少
なくて済む。このように画素部の開口領域の縁に沿った
段差が少ないと、当該段差に応じて引き起こされる液晶
のディスクリネーション(配向不良)を低減できるの
で、画素部の開口領域を広げることが可能となる。
【0104】また、第1遮光膜11aは、前述のように
直線状に伸びる本線部から突出した突出部にコンタクト
ホール13が開孔されている。ここで、コンタクトホー
ル13の開孔箇所としては、縁に近い程、ストレスが縁
から発散されやすくなる等の理由により、クラックが発
生しにくい。従って、どれだけ突出部の先端に近づけて
コンタクトホール13を開孔するかに応じて(好ましく
は、マージンぎりぎりまで先端に近づけるかに応じ
て)、製造工程中に第1遮光膜11aにかかる応力が緩
和されて、より効果的にクラックを防止し得、歩留まり
を向上させることが可能となる。
【0105】また、容量線3bと走査線3aとは、同一
のポリシリコン膜からなり、蓄積容量70の誘電体膜と
TFT30のゲート絶縁膜2とは、同一の高温酸化膜か
らなり、第1蓄積容量電極1fと、TFT30のチャネ
ル形成領域1aおよびソース領域1d、ドレイン領域1
e等とは、同一の半導体層1aからなっている。このた
め、素子基板10の基板本体10Aの表面上に形成され
る積層構造を簡略化でき、更に、後述の液晶装置の製造
方法において、同一の薄膜形成工程で容量線3b及び走
査線3aを同時に形成でき、蓄積容量70の誘電体膜及
びゲート絶縁膜2を同時に形成することができる。
【0106】容量線3bと第1遮光膜11aとは、第1
層間絶縁膜12に開孔されたコンタクトホール13を介
して確実に且つ高い信頼性を持って、両者は電気的に接
続されているが、このようなコンタクトホール13は、
画素毎に開孔されていても良いし、複数の画素からなる
画素グループ毎に開孔されていても良い。
【0107】このような画素毎或いは画素グループ毎に
設けられるコンタクトホール13は、対向基板20側か
ら見てデータ線6aの下に開孔されている。このため、
コンタクトホール13は、画素部の開口領域から外れて
おり、しかもTFT30や第1蓄積容量電極1fが形成
されていない第1層間絶縁膜12の部分に設けられてい
るので、画素部の有効利用を図りつつ、コンタクトホー
ル13の形成によるTFT30や他の配線等の不良化を
防ぐことができる。
【0108】また、図3において、画素スイッチング用
TFT30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を
有しており、走査線3a、走査線3aからの電界により
チャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1
a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶
縁膜2、データ線6a、半導体層1aの低濃度ソース領
域(ソース側LDD領域)1b及び低濃度ドレイン領域
(ドレイン側LDD領域)1c、半導体層1aの高濃度
ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えて
いる。
【0109】高濃度ドレイン領域1eには、複数の画素
電極9aのうちの対応する一つが接続されている。ソー
ス領域1b及び1d並びにドレイン領域1c及び1eは
後述するように、半導体層1aに対し、N型又はP型の
チャネルを形成するかに応じて所定濃度のN型用又はP
型用のドーパントをドープすることにより形成されてい
る。N型チャネルのTFTは、動作速度が速いという利
点があり、画素のスイッチング素子である画素スイッチ
ング用TFT30として用いられることが多い。
【0110】データ線6aは、Al等の金属膜や金属シ
リサイド等の合金膜などの遮光性の薄膜から構成されて
いる。また、走査線3a、ゲート絶縁膜2及び第1層間
絶縁膜12の上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコ
ンタクトホール5及び高濃度ドレイン領域1eへ通じる
コンタクトホール8が各々形成された第2層間絶縁膜4
が形成されている。このソース領域1bへのコンタクト
ホール5を介して、データ線6aは高濃度ソース領域1
dに電気的に接続されている。
【0111】更に、データ線6a及び第2層間絶縁膜4
の上には、高濃度ドレイン領域1eへのコンタクトホー
ル8が形成された第3層間絶縁膜7が形成されている。
この高濃度ドレイン領域1eへのコンタクトホール8を
介して、画素電極9aは高濃度ドレイン領域1eに電気
的に接続されている。前述の画素電極9aは、このよう
に構成された第3層間絶縁膜7の上面に設けられてい
る。尚、画素電極9aと高濃度ドレイン領域1eとは、
データ線6aと同一のAl膜や走査線3bと同一のポリ
シリコン膜を中継して電気的に接続するようにしてもよ
い。
【0112】画素スイッチング用TFT30は、好まし
くは上述のようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領
域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物イオンの打
ち込みを行わないオフセット構造を有していてもよい
し、ゲート電極(走査線3a)をマスクとして高濃度で
不純物イオンを打ち込み、自己整合的に高濃度ソース及
びドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTで
あってもよい。
【0113】また、画素スイッチング用TFT30のゲ
ート電極(走査線3a)をソース−ドレイン領域1b及
び1e間に1個のみ配置したシングルゲート構造とした
が、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよ
い。この際、各々のゲート電極には同一の信号が印加さ
れるようにする。このようにダブルゲート或いはトリプ
ルゲート以上でTFTを構成すれば、チャネルとソース
−ドレイン領域接合部のリーク電流を防止でき、オフ時
の電流を低減することができる。これらのゲート電極の
少なくとも1個をLDD構造或いはオフセット構造にす
れば、更にオフ電流を低減でき、安定したスイッチング
素子を得ることができる。
【0114】ここで、一般には、半導体層1aのチャネ
ル領域1a’、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイ
ン領域1c等を構成する単結晶シリコン層は、光が入射
するとシリコンが有する光電変換効果により光電流が発
生してしまい画素スイッチング用TFT30のトランジ
スタ特性が劣化するが、本実施形態では、走査線3aを
上側から覆うようにデータ線6aがAl等の遮光性の金
属薄膜から形成されているので、少なくとも半導体層1
aのチャネル領域1a’及びLDD領域1b、1cへの
入射光の入射を防止することが出来る。
【0115】また、前述のように、画素スイッチング用
TFT30の下側(基板本体10A側)には、第1遮光
膜11aが設けられているので、少なくとも半導体層1
aのチャネル領域1a’及びLDD領域1b、1cへの
戻り光の入射を防止することが出来る。
【0116】尚、本実施形態においては、相隣接する前
段あるいは後段の画素に設けられた容量線3bと第1遮
光膜11aとを接続しているため、最上段あるいは最下
段の画素に対して第1遮光膜11aに定電位を供給する
ための容量線3bが必要となる。そこで、容量線3bの
数を垂直画素数に対して1本余分に設けておくようにす
ると良い。
【0117】(電気光学装置の製造方法)次に、上記構
造を有する液晶装置の製造方法について説明する。はじ
めに、図9〜図14に基づいて、本発明に係る実施形態
の素子基板の製造方法として、素子基板10の製造方法
について説明する。なお、図9〜図14は各工程におけ
る素子基板の一部分を、図8と同様に、図7のA−A’
断面に対応させて示す工程図である。また、図10〜図
14においては、図面を簡略化するために、絶縁部20
5の図示を省略している。
【0118】はじめに、シリコン基板、石英基板、ガラ
ス基板等の基板本体(支持基板)10Aを用意する。こ
こで、好ましくはN2(窒素)等の不活性ガス雰囲気
下、約850〜1300℃、より好ましくは1000℃
の高温でアニール処理し、後に実施される高温プロセス
において基板本体10Aに生じる歪みが少なくなるよう
に前処理しておく。即ち、製造プロセスにおいて処理さ
れる最高温に合わせて、事前に基板本体10Aを同じ温
度かそれ以上の温度で熱処理しておく。
【0119】このように処理された基板本体10Aの全
面に、図9(a)に示すように、Ti、Cr、W、T
a、Mo及びPd等の金属や金属シリサイド等の金属合
金膜を、スパッタリング法などにより、100〜500
nm程度の膜厚、好ましくは約200nmの膜厚の遮光
層11を形成する。
【0120】次に、図9(b)に示すように、フォトリ
ソグラフィにより第1遮光膜11aのパターン(図7参
照)に対応するフォトレジスト207を形成する。
【0121】次に、図9(c)に示すように、フォトレ
ジスト207を介して遮光層11に対しエッチングを行
うことにより、図7に示したようなパターンの第1遮光
膜11aを形成する。
【0122】次に、図9(d)に示すように、第1遮光
膜11aの上に、例えば、常圧又は減圧CVD法等によ
りTEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)ガ
ス、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)ガス、T
MOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)ガス
等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどの
シリケートガラス膜、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜
等からなる第1層間絶縁膜12を形成する。この第1層
間絶縁膜12の膜厚は、例えば、約400〜1000n
m、より好ましくは800nm程度とする。
【0123】次に、図9(e)に示すように、第1層間
絶縁膜12の表面全体を、CMP(化学的機械研磨)法
などにより研磨して平坦化する。
【0124】次に、図9(f)に示すように、表面が平
坦化された第1層間絶縁膜12を形成した図9(e)に
示す基板本体10Aと、表面に第1の酸化シリコン膜2
03B、窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜2
04、第2の酸化シリコン膜203Aからなる絶縁部2
05を形成した単結晶シリコン基板202Aとの貼り合
わせを行う。次いで、図9(g)に示すように、基板本
体10Aの表面上に薄膜の単結晶シリコン層202を残
して大部分の単結晶シリコン基板202Aの剥離を行
う。
【0125】なお、単結晶シリコン基板202Aの表面
に絶縁部205を形成する方法、表面に絶縁部205を
形成した単結晶シリコン基板202Aと基板本体10A
との貼り合わせ方法、及び単結晶シリコン基板202A
の剥離方法については、上記のSOI基板200の製造
方法において詳細に説明したので、説明を省略する。
【0126】次に、図9(h)に示すように、単結晶シ
リコン層202をフォトリソグラフィ工程、エッチング
工程等を経て所定のパターンに形成することにより、図
7に示した如き所定パターンの半導体層1aを形成す
る。即ち、特にデータ線6a下で容量線3bが形成され
る領域及び走査線3aに沿って容量線3bが形成される
領域には、画素スイッチング用TFT30を構成する半
導体層1aから延設された第1蓄積容量電極1fを形成
する。
【0127】次に、図9(i)に示すように、画素スイ
ッチング用TFT30を構成する半導体層1aと共に第
1蓄積容量電極1fを約850〜1300℃の温度、好
ましくは約1000℃の温度で72分程度熱酸化するこ
とにより、約60nmの比較的薄い厚さの熱酸化シリコ
ン膜を形成し、画素スイッチング用TFT30のゲート
絶縁膜2と共に容量形成用のゲート絶縁膜2を形成す
る。この結果、半導体層1a及び第1蓄積容量電極1f
の厚さは、約30〜170nmの厚さ、ゲート絶縁膜2
の厚さは、約60nmの厚さとなる。
【0128】次に、図10(a)に示すように、Nチャ
ネルの半導体層1aに対応する位置にレジスト膜301
を形成し、Pチャネルの半導体層1aにPなどのV族元
素のドーパント302を低濃度で(例えば、Pイオンを
70keVの加速電圧、2×1011/cm2のドーズ量
にて)ドープする。
【0129】次に、図10(b)に示すように、図示を
省略するPチャネルの半導体層1aに対応する位置にレ
ジスト膜を形成し、Nチャネルの半導体層1aにBなど
のIII族元素のドーパント303を低濃度で(例えば、
Bイオンを35keVの加速電圧、1×1012/cm2
のドーズ量にて)ドープする。
【0130】次に、図10(c)に示すように、Pチャ
ネル、Nチャネル毎に各半導体層1aのチャネル領域1
a’の端部を除く基板10の表面にレジスト膜305を
形成し、Pチャネルについて、図10(a)に示した工
程の約1〜10倍のドーズ量のPなどのV族元素のドー
パント306、Nチャネルについて図10(b)に示し
た工程の約1〜10倍のドーズ量のBなどのIII族元素
のドーパント306をドープする。
【0131】次に、図10(d)に示すように、半導体
層1aを延設してなる第1蓄積容量電極1fを低抵抗化
するため、基板本体10Aの表面の走査線3a(ゲート
電極)に対応する部分にレジスト膜307(走査線3a
よりも幅が広い)を形成し、これをマスクとしてその上
からPなどのV族元素のドーパント308を低濃度で
(例えば、Pイオンを70keVの加速電圧、3×10
14/cm2のドーズ量にて)ドープする。
【0132】次に、図11(a)に示すように、第1層
間絶縁膜12及び絶縁部205(図示略)に第1遮光膜
11aに至るコンタクトホール13を反応性エッチン
グ、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチン
グにより或いはウエットエッチングにより形成する。こ
の際、反応性エッチング、反応性イオンビームエッチン
グのような異方性エッチングにより、コンタクトホール
13等を開孔した方が、開孔形状をマスク形状とほぼ同
じにできるという利点がある。但し、ドライエッチング
とウエットエッチングとを組み合わせて開孔すれば、こ
れらのコンタクトホール13等をテーパ状にできるの
で、配線接続時の断線を防止できるという利点が得られ
る。
【0133】次に、図11(b)に示すように、減圧C
VD法等によりポリシリコン層3を350nm程度の厚
さで堆積した後、リン(P)を熱拡散し、ポリシリコン
膜3を導電化する。又は、Pイオンをポリシリコン膜3
の成膜と同時に導入したドープトシリコン膜を用いても
よい。これにより、ポリシリコン層3の導電性を高める
ことができる。
【0134】次に、図11(c)に示すように、レジス
トマスクを用いたフォトリソグラフィ工程、エッチング
工程等により、図7に示した如き所定パターンの走査線
3aと共に容量線3bを形成する。尚、この後、基板本
体10Aの裏面に残存するポリシリコンを基板本体10
Aの表面をレジスト膜で覆ってエッチングにより除去す
る。
【0135】次に、図11(d)に示すように、半導体
層1aにPチャネルのLDD領域を形成するために、N
チャネルの半導体層1aに対応する位置をレジスト膜3
09で覆い、走査線3a(ゲート電極)を拡散マスクと
して、まずBなどのIII族元素のドーパント310を低
濃度で(例えば、BF2イオンを90keVの加速電
圧、3×1013/cm2のドーズ量にて)ドープし、P
チャネルの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領
域1cを形成する。
【0136】続いて、図11(e)に示すように、半導
体層1aにPチャネルの高濃度ソース領域1d及び高濃
度ドレイン領域1eを形成するために、Nチャネルの半
導体層1aに対応する位置をレジスト膜309で覆った
状態で、かつ、図示はしていないが走査線3aよりも幅
の広いマスクでレジスト層をPチャネルに対応する走査
線3a上に形成した状態、同じくBなどのIII族元素の
ドーパント311を高濃度で(例えば、BF2イオンを
90keVの加速電圧、2×1015/cm2のドーズ量
にて)ドープする。
【0137】次に、図12(a)に示すように、半導体
層1aにNチャネルのLDD領域を形成するために、P
チャネルの半導体層1aに対応する位置をレジスト膜
(図示せず)で覆い、走査線3a(ゲート電極)を拡散
マスクとして、PなどのV族元素のドーパント60を低
濃度で(例えば、Pイオンを70keVの加速電圧、6
×1012/cm2のドーズ量にて)ドープし、Nチャネ
ルの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c
を形成する。
【0138】続いて、図12(b)に示すように、半導
体層1aにNチャネルの高濃度ソース領域1d及び高濃
度ドレイン領域1eを形成するために、走査線3aより
も幅の広いマスクでレジスト62をNチャネルに対応す
る走査線3a上に形成した後、同じくPなどのV族元素
のドーパント61を高濃度で(例えば、Pイオンを70
keVの加速電圧、4×1015/cm2のドーズ量に
て)ドープする。
【0139】次に、図12(c)に示すように、画素ス
イッチング用TFT30における走査線3aと共に容量
線3b及び走査線3aを覆うように、例えば、常圧又は
減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PS
G、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化
シリコン膜、酸化シリコン膜等からなる第2層間絶縁膜
4を形成する。第2層間絶縁膜4の膜厚は、約500〜
1500nmが好ましく、更に800nmがより好まし
い。
【0140】この後、高濃度ソース領域1d及び高濃度
ドレイン領域1eを活性化するために約850℃のアニ
ール処理を20分程度行う。
【0141】次に、図12(d)に示すように、データ
線31に対するコンタクトホール5を、反応性エッチン
グ、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチン
グにより或いはウエットエッチングにより形成する。ま
た、走査線3aや容量線3bを図示しない配線と接続す
るためのコンタクトホールも、コンタクトホール5と同
一の工程により第2層間絶縁膜4に開孔する。
【0142】次に、図13(a)に示すように、第2層
間絶縁膜4の上に、スパッタ処理等により、遮光性のA
l等の低抵抗金属や金属シリサイド等を金属膜6とし
て、約100〜700nmの厚さ、好ましくは約350
nmに堆積し、更に図13(b)に示すように、フォト
リソグラフィ工程、エッチング工程等により、データ線
6aを形成する。
【0143】次に、図13(c)に示すように、データ
線6a上を覆うように、例えば、常圧又は減圧CVD法
やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、
BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜、
酸化シリコン膜等からなる第3層間絶縁膜7を形成す
る。第3層間絶縁膜7の膜厚は、約500〜1500n
mが好ましく、更に800nmがより好ましい。
【0144】次に、図14(a)に示すように、画素ス
イッチング用TFT30において、画素電極9aと高濃
度ドレイン領域1eとを電気的に接続するためのコンタ
クトホール8を、反応性エッチング、反応性イオンビー
ムエッチング等のドライエッチングにより形成する。
【0145】次に、図14(b)に示すように、第3層
間絶縁膜7の上に、スパッタ処理等により、ITO等の
透明導電性薄膜9を、約50〜200nmの厚さに堆積
し、更に図14(c)に示すように、フォトリソグラフ
ィ工程、エッチング工程等により、画素電極9aを形成
する。尚、本実施形態の液晶装置が反射型液晶装置であ
る場合には、Al等の反射率の高い不透明な材料から画
素電極9aを形成してもよい。
【0146】続いて、画素電極9aの上にポリイミド系
の配向膜の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角
を持つように、且つ所定方向にラビング処理を施すこと
等により、配向膜16(図8参照)が形成される。
【0147】以上のようにして、素子基板10が製造さ
れる。
【0148】本実施形態の素子基板の製造方法によれ
ば、表面に窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜
204を形成した単結晶シリコン基板202Aと基板本
体10Aとを貼り合わせることにより、窒化シリコン膜
若しくは窒化酸化シリコン膜204を基板本体10Aと
単結晶シリコン基板202Aとの貼り合わせ面よりも半
導体層1a(TFT30)側に位置させることができる
ので、基板本体10Aに含有された不純物、及び基板本
体10Aと単結晶シリコン基板202Aとの貼り合わせ
面に吸着した不純物が半導体層1a(TFT30)側に
拡散することを完全に防止することができる。
【0149】また、本実施形態の素子基板の製造方法に
より製造された素子基板10は、基板本体10Aに含有
された不純物、及び基板本体10Aと単結晶シリコン基
板202Aとの貼り合わせ面に吸着した不純物が半導体
層1a(TFT30)側へ拡散することを完全に防止す
ることができるので、TFT30の特性の劣化を防止す
ることができるものとなる。
【0150】次に、対向基板20の製造方法及び素子基
板10と対向基板20とから液晶装置を製造する方法に
ついて説明する。
【0151】図8に示した対向基板20については、基
板本体20Aとしてガラス基板等の光透過性基板を用意
し、基板本体20Aの表面上に、第2遮光膜23及び後
述する周辺見切りとしての第2遮光膜を形成する。第2
遮光膜23及び後述する周辺見切りとしての第2遮光膜
は、例えばCr、Ni、Alなどの金属材料をスパッタ
リングした後、フォトリソグラフィ工程、エッチング工
程を経て形成される。尚、これらの第2遮光膜は、上記
の金属材料の他、カーボンやTiなどをフォトレジスト
に分散させた樹脂ブラックなどの材料から形成してもよ
い。
【0152】その後、基板本体20Aの表面上の全面に
スパッタリング法などにより、ITO等の透明導電性薄
膜を、約50〜200nmの厚さに堆積することによ
り、対向電極21を形成する。更に、対向電極21の表
面上の全面にポリイミドなどの配向膜の塗布液を塗布し
た後、所定のプレティルト角を持つように、且つ所定方
向にラビング処理を施すこと等により、配向膜22(図
3参照)を形成する。以上のようにして、対向基板20
が製造される。
【0153】最後に、上述のようにして製造された素子
基板10と対向基板20とを、配向膜16及び22が互
いに対向するようにシール材により貼り合わせ、真空吸
引法などの方法により、両基板間の空間に、例えば複数
種類のネマティック液晶を混合してなる液晶を吸引し
て、所定の厚みを有する液晶層50を形成することによ
り、上記構造の液晶装置が製造される。
【0154】(液晶装置の全体構成)上記のように構成
された本実施形態の液晶装置の全体構成を図15及び図
16を参照して説明する。尚、図15は、素子基板10
を対向基板20側から見た平面図であり、図16は、対
向基板20を含めて示す図15のH−H’断面図であ
る。
【0155】図15において、素子基板10の表面上に
は、シール材52がその縁に沿って設けられており、図
16に示すように、図15に示したシール材52とほぼ
同じ輪郭を持つ対向基板20が当該シール材52により
素子基板10に固着されている。
【0156】図15に示すように、対向基板20の表面
上にはシール材52の内側に並行させて、例えば第2遮
光膜23と同じ或いは異なる材料から成る周辺見切りと
しての第2遮光膜53が設けられている。
【0157】また、素子基板10において、シール材5
2の外側の領域には、データ線駆動回路101及び実装
端子102が素子基板10の一辺に沿って設けられてお
り、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺
に沿って設けられている。走査線3aに供給される走査
信号遅延が問題にならない場合には、走査線駆動回路1
04は片側だけでも良いことは言うまでもない。
【0158】また、データ線駆動回路101を表示領域
(画素部)の辺に沿って両側に配列してもよい。例えば
奇数列のデータ線6aは表示領域の一方の辺に沿って配
設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給し、偶数
列のデータ線6aは表示領域の反対側の辺に沿って配設
されたデータ線駆動回路から画像信号を供給するように
してもよい。この様にデータ線6aを櫛歯状に駆動する
ようにすれば、データ線駆動回路の占有面積を拡張する
ことができるため、複雑な回路を構成することが可能と
なる。
【0159】更に素子基板10の残る一辺には、表示領
域の両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐ
ための複数の配線105が設けられており、更に、周辺
見切りとしての第2遮光膜53の下に隠れてプリチャー
ジ回路を設けてもよい。また、素子基板10と対向基板
20間のコーナー部の少なくとも1箇所においては、素
子基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるた
めの導通材106が設けられている。
【0160】また、素子基板10の表面上には更に、製
造途中や出荷時の液晶装置の品質、欠陥等を検査するた
めの検査回路等を形成してもよい。また、データ線駆動
回路101及び走査線駆動回路104を素子基板10の
表面上に設ける代わりに、例えばTAB(テープオート
メイテッドボンディング基板)上に実装された駆動用L
SIに、素子基板10の周辺領域に設けられた異方性導
電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するように
してもよい。
【0161】また、対向基板20の光が入射する側及び
素子基板10の光が出射する側には各々、例えば、TN
(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパ
ーTN)モード、D−STN(デュアルスキャン−ST
N)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモー
ド/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィ
ルム、位相差フィルム、偏光手段などが所定の方向で配
置される。
【0162】本実施形態の液晶装置がカラー液晶プロジ
ェクタ(投射型表示装置)に適用される場合には、3枚
の液晶装置がRGB用のライトバルブとして各々用いら
れ、各パネルには各々RGB色分解用のダイクロイック
ミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々
入射されることになる。従って、その場合には上記実施
形態で示したように、対向基板20に、カラーフィルタ
は設けられていない。
【0163】しかしながら、対向基板20の基板本体2
0Aの液晶層50側表面上において、第2遮光膜23の
形成されていない画素電極9aに対向する所定領域にR
GBのカラーフィルタをその保護膜と共に形成してもよ
い。このような構成とすれば、液晶プロジェクタ以外の
直視型や反射型のカラー液晶テレビなどのカラー液晶装
置に、上記実施形態の液晶装置を適用することができ
る。
【0164】更に、対向基板20の表面上に1画素に1
個対応するようにマイクロレンズを形成してもよい。こ
のようにすれば、入射光の集光効率を向上することで、
明るい液晶装置が実現できる。更にまた、対向基板20
の表面上に、何層もの屈折率の相違する干渉層を堆積す
ることで、光の干渉を利用して、RGB色を作り出すダ
イクロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロ
イックフィルタ付き対向基板によれば、より明るいカラ
ー液晶装置が実現できる。
【0165】なお、本実施形態における液晶装置では、
入射光を対向基板20側から入射させることとしたが、
素子基板10に第1遮光膜11aを設ける構成としてい
るので、素子基板10側から入射光を入射させ、対向基
板20側から出射するようにしても良い。即ち、このよ
うに液晶装置を液晶プロジェクタに取り付けても、半導
体層1aのチャネル領域1a’及びLDD領域1b、1
cに光が入射することを防ぐことが出来、高画質の画像
を表示することが可能である。
【0166】また、本実施形態の液晶装置は、本実施形
態の素子基板の製造方法により製造された素子基板10
を備えたものであるので、基板本体10Aに含有された
不純物、及び基板本体10Aと単結晶シリコン基板20
2Aとの貼り合わせ面に吸着した不純物が半導体層1a
(TFT30)側へ拡散することを完全に防止すること
ができるので、TFT(トランジスタ素子)30の特性
の劣化を防止することができ、性能の優れたものとな
る。
【0167】(電子機器)上記の実施形態の液晶装置
(電気光学装置)を用いた電子機器の一例として、投射
型表示装置の構成について、図17を参照して説明す
る。
【0168】図17において、投射型表示装置1100
は、上記の実施形態の液晶装置を3個用意し、夫々RG
B用の液晶装置962R、962G及び962Bとして
用いた投射型液晶装置の光学系の概略構成図を示す。
【0169】本例の投射型表示装置の光学系には、光源
装置920と、均一照明光学系923が採用されてい
る。そして、投射型表示装置は、この均一照明光学系9
23から出射される光束Wを赤(R)、緑(G)、青
(B)に分離する色分離手段としての色分離光学系92
4と、各色光束R、G、Bを変調する変調手段としての
3つのライトバルブ925R、925G、925Bと、
変調された後の色光束を再合成する色合成手段としての
色合成プリズム910と、合成された光束を投射面10
0の表面に拡大投射する投射手段としての投射レンズユ
ニット906を備えている。また、青色光束Bを対応す
るライトバルブ925Bに導く導光系927をも備えて
いる。
【0170】均一照明光学系923は、2つのレンズ板
921、922と反射ミラー931を備えており、反射
ミラー931を挟んで2つのレンズ板921、922が
直交する状態に配置されている。均一照明光学系923
の2つのレンズ板921、922は、それぞれマトリク
ス状に配置された複数の矩形レンズを備えている。光源
装置920から出射された光束は、第1のレンズ板92
1の矩形レンズによって複数の部分光束に分割される。
そして、これらの部分光束は、第2のレンズ板922の
矩形レンズによって3つのライトバルブ925R、92
5G、925B付近で重畳される。従って、均一照明光
学系923を用いることにより、光源装置920が出射
光束の断面内で不均一な照度分布を有している場合で
も、3つのライトバルブ925R、925G、925B
を均一な照明光で照明することが可能となる。
【0171】各色分離光学系924は、青緑反射ダイク
ロイックミラー941と、緑反射ダイクロイックミラー
942と、反射ミラー943から構成される。まず、青
緑反射ダイクロイックミラー941において、光束Wに
含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射
され、緑反射ダイクロイックミラー942の側に向か
う。赤色光束Rはこのミラー941を通過して、後方の
反射ミラー943で直角に反射されて、赤色光束Rの出
射部944からプリズムユニット910の側に出射され
る。
【0172】次に、緑反射ダイクロイックミラー942
において、青緑反射ダイクロイックミラー941におい
て反射された青色、緑色光束B、Gのうち、緑色光束G
のみが直角に反射されて、緑色光束Gの出射部945か
ら色合成光学系の側に出射される。
【0173】緑反射ダイクロイックミラー942を通過
した青色光束Bは、青色光束Bの出射部946から導光
系927の側に出射される。本例では、均一照明光学素
子の光束Wの出射部から、色分離光学系924における
各色光束の出射部944、945、946までの距離が
ほぼ等しくなるように設定されている。
【0174】色分離光学系924の赤色、緑色光束R、
Gの出射部944、945の出射側には、それぞれ集光
レンズ951、952が配置されている。したがって、
各出射部から出射した赤色、緑色光束R、Gは、これら
の集光レンズ951、952に入射して平行化される。
【0175】このように平行化された赤色、緑色光束
R、Gは、ライトバルブ925R、925Gに入射して
変調され、各色光に対応した画像情報が付加される。す
なわち、これらの液晶装置は、図示を省略している駆動
手段によって画像情報に応じてスイッチング制御され
て、これにより、ここを通過する各色光の変調が行われ
る。一方、青色光束Bは、導光系927を介して対応す
るライトバルブ925Bに導かれ、ここにおいて、同様
に画像情報に応じて変調が施される。尚、本例のライト
バルブ925R、925G、925Bは、それぞれさら
に入射側偏光手段960R、960G、960Bと、出
射側偏光手段961R、961G、961Bと、これら
の間に配置された液晶装置962R、962G、962
Bとからなる液晶ライトバルブである。
【0176】導光系927は、青色光束Bの出射部94
6の出射側に配置した集光レンズ954と、入射側反射
ミラー971と、出射側反射ミラー972と、これらの
反射ミラーの間に配置した中間レンズ973と、ライト
バルブ925Bの手前側に配置した集光レンズ953と
から構成されている。集光レンズ946から出射された
青色光束Bは、導光系927を介して液晶装置962B
に導かれて変調される。各色光束の光路長、すなわち、
光束Wの出射部から各液晶装置962R、962G、9
62Bまでの距離は青色光束Bが最も長くなり、したが
って、青色光束の光量損失が最も多くなる。しかし、導
光系927を介在させることにより、光量損失を抑制す
ることができる。
【0177】各ライトバルブ925R、925G、92
5Bを通って変調された各色光束R、G、Bは、色合成
プリズム910に入射され、ここで合成される。そし
て、この色合成プリズム910によって合成された光が
投射レンズユニット906を介して所定の位置にある投
射面100の表面に拡大投射されるようになっている。
【0178】上記構造を有する投射型表示装置1100
は、上記の実施形態の液晶装置を備えたものであるの
で、TFT(トランジスタ素子)の特性の劣化を防止す
ることができ、性能の優れたものとなる。
【0179】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
支持基板と単結晶シリコン層との間に少なくとも窒化シ
リコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜を具備する絶縁部
を設ける構成としたので、支持基板に含有された不純物
が単結晶シリコン層側に拡散することを完全に防止する
ことができるSOI基板を提供することができる。
【0180】また、単結晶シリコン基板側に窒化シリコ
ン膜若しくは窒化酸化シリコン膜を形成してから、単結
晶シリコン基板と支持基板とを貼り合わせることによっ
て、支持基板に含有された不純物、及び支持基板と単結
晶シリコン基板との貼り合わせ面に吸着した不純物が単
結晶シリコン層側に拡散することを完全に防止すること
ができるSOI基板の製造方法を提供することができ
る。
【0181】また、本発明のSOI基板を用いて素子基
板を製造することができ、本発明の素子基板は、支持基
板に含有された不純物、あるいは支持基板と単結晶シリ
コン基板との貼り合わせ面に吸着した不純物によるトラ
ンジスタ素子への影響を防止し、トランジスタ素子の特
性の劣化を防止することができるものとなる。
【0182】また、本発明の素子基板を備えることによ
り、トランジスタ素子の特性の劣化を防止することがで
き、性能の優れた電気光学装置及び電子機器を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る実施形態のSOI基板
の構造を示す断面図である。
【図2】 図2(a)〜(e)は、本発明に係る実施形
態のSOI基板の製造方法を示す工程図である。
【図3】 図3(a)〜(c)は、本発明に係る実施形
態のSOI基板の製造方法を示す工程図である。
【図4】 図4(a)〜(d)は、本発明に係る実施形
態のSOI基板の製造方法において、支持基板と単結晶
シリコン基板の貼り合わせのパターンを示す図である。
【図5】 図5は、本発明に係る実施形態の素子基板の
構造を示す断面図である。
【図6】 図6は、本発明に係る実施形態の電気光学装
置において、画素部を構成する各種素子、配線等の等価
回路図である。
【図7】 図7は、本発明に係る実施形態の電気光学装
置において、素子基板の相隣接する複数の画素群の平面
図である。
【図8】 図8は、図7のA−A’断面図である。
【図9】 図9(a)〜(i)は、本発明に係る実施形
態の素子基板の製造方法を示す工程図である。
【図10】 図10(a)〜(d)は、本発明に係る実
施形態の素子基板の製造方法を示す工程図である。
【図11】 図11(a)〜(e)は、本発明に係る実
施形態の素子基板の製造方法を示す工程図である。
【図12】 図12(a)〜(d)は、本発明に係る実
施形態の素子基板の製造方法を示す工程図である。
【図13】 図13(a)〜(c)は、本発明に係る実
施形態の素子基板の製造方法を示す工程図である。
【図14】 図14(a)〜(c)は、本発明に係る実
施形態の素子基板の製造方法を示す工程図である。
【図15】 図15は、本発明に係る実施形態の電気光
学装置の素子基板をその上に形成された各構成要素と共
に対向基板側から見た平面図である。
【図16】 図16は、図15のH−H’断面図であ
る。
【図17】 図17は、本発明に係る実施形態の電気光
学装置を用いた電子機器の一例である投射型表示装置の
構成図である。
【図18】 図18(a)、(b)は、従来のSOI基
板の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
200…SOI基板 201…支持基板 202…単結晶シリコン層 202A…単結晶シリコン基板 203B…第1の酸化シリコン膜 203A…第2の酸化シリコン膜 204…窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜 205…絶縁部 210…素子基板 220…TFT(トランジスタ素子) 208…半導体層 1a…半導体層 1a’…チャネル領域 1b…低濃度ソース領域(ソース側LDD領域) 1c…低濃度ドレイン領域(ドレイン側LDD領域) 1d…高濃度ソース領域 1e…高濃度ドレイン領域 10…素子基板 10A…基板本体(支持基板) 20…対向基板 20A…基板本体 11a…第1遮光膜 12…第1層間絶縁膜 30…画素スイッチング用TFT(トランジスタ素子) 50…液晶層(電気光学材料層)
フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 GA29 JA24 JA37 JA41 JA46 JB51 KA03 KB25 MA13 MA17 NA27 PA01 PA12 QA07 QA10 5F110 AA26 BB01 BB04 CC02 DD02 DD03 DD05 DD13 DD14 DD15 DD17 DD25 EE45 FF02 FF23 GG02 GG12 GG32 GG34 GG52 HJ01 HJ04 HJ13 HJ23 HL03 HL05 HL07 HL23 HM15 NN03 NN04 NN22 NN23 NN24 NN25 NN26 NN44 NN45 NN46 NN47 NN54 NN72 NN73 QQ17

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板の一方の表面上に単結晶シリコ
    ン層を具備するSOI基板であって、 前記支持基板と前記単結晶シリコン層との間に、絶縁膜
    の単層又は積層構造からなる絶縁部が設けられ、 該絶縁部が少なくとも窒化シリコン膜若しくは窒化酸化
    シリコン膜を具備することを特徴とするSOI基板。
  2. 【請求項2】 前記絶縁部が、前記窒化シリコン膜若し
    くは窒化酸化シリコン膜と、前記窒化シリコン膜若しく
    は窒化酸化シリコン膜の上面若しくは下面に形成された
    酸化シリコン膜との積層構造からなることを特徴とする
    請求項1に記載のSOI基板。
  3. 【請求項3】 前記支持基板が光透過性を有するもので
    あることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のS
    OI基板。
  4. 【請求項4】 前記絶縁部を構成する前記窒化シリコン
    膜若しくは窒化酸化シリコン膜の膜厚が100nm以下
    とされたことを特徴とする請求項3に記載のSOI基
    板。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか1
    項に記載のSOI基板の前記単結晶シリコン層からなる
    半導体層を具備するトランジスタ素子を有することを特
    徴とする素子基板。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の素子基板と、 該素子基板のトランジスタ素子が形成された面と対向す
    るように配置された他の基板と、 これら2枚の基板の間に挟持された電気光学材料層とを
    具備することを特徴とする電気光学装置。
  7. 【請求項7】 前記窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シ
    リコン膜の下面に酸化シリコン膜からなる絶縁膜を介し
    て遮光膜が形成されていることを特徴とする請求項6に
    記載の電気光学装置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は請求項7に記載の電気光学
    装置を備えたことを特徴とする電子機器。
  9. 【請求項9】 単結晶シリコン基板又は支持基板のいず
    れかの一方の表面に窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シ
    リコン膜を形成する工程と、 前記窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜の表面
    に酸化シリコン膜を形成する工程と、 前記酸化シリコン膜の表面を貼り合わせ面として、前記
    単結晶シリコン基板と前記支持基板とを貼り合わせる工
    程と、 前記支持基板と貼り合わせた前記単結晶シリコン基板を
    薄膜化する工程とを有することを特徴とするSOI基板
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 単結晶シリコン基板の表面に酸化シリ
    コン膜を形成する工程と、 前記酸化シリコン膜の前記単結晶シリコン基板側に窒化
    シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜を形成する工程
    と、 前記酸化シリコン膜の表面を貼り合わせ面として、前記
    単結晶シリコン基板と支持基板とを貼り合わせる工程
    と、 前記支持基板と貼り合わせた前記単結晶シリコン基板を
    薄膜化する工程とを有することを特徴とするSOI基板
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記酸化シリコン膜を形成する工程に
    おいて、前記単結晶シリコン基板の表面を熱酸化するこ
    とにより、前記酸化シリコン膜を形成し、 前記窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜を形成
    する工程において、前記酸化シリコン膜を形成した前記
    単結晶シリコン基板の表面を一酸化二窒素若しくは一酸
    化窒素にて窒化若しくは酸窒化することにより、前記窒
    化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜を前記酸化シ
    リコン膜と前記単結晶シリコン基板の間に形成すること
    を特徴とする請求項10に記載のSOI基板の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 単結晶シリコン基板又は支持基板のい
    ずれかの一方の表面に第1の酸化シリコン膜を形成する
    工程と、 前記第1の酸化シリコン膜の表面に窒化シリコン膜若し
    くは窒化酸化シリコン膜を形成する工程と、 前記窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜の表面
    に第2の酸化シリコン膜を形成する工程と、 前記第2の酸化シリコン膜の表面を貼り合わせ面とし
    て、前記単結晶シリコン基板と支持基板とを貼り合わせ
    る工程と、 前記支持基板と貼り合わせた前記単結晶シリコン基板を
    薄膜化する工程とを有することを特徴とするSOI基板
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 単結晶シリコン基板の表面に第1の酸
    化シリコン膜を形成する工程と、 前記第1の酸化シリコン膜の前記単結晶シリコン基板側
    に窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜を形成す
    る工程と、 前記窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜の前記
    単結晶シリコン基板側に第2の酸化シリコン膜を形成す
    る工程と、 前記第1の酸化シリコン膜の表面を貼り合わせ面とし
    て、前記単結晶シリコン基板と支持基板とを貼り合わせ
    る工程と、 前記支持基板と貼り合わせた前記単結晶シリコン基板を
    薄膜化する工程とを有することを特徴とするSOI基板
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第1の酸化シリコン膜を形成する
    工程において、前記単結晶シリコン基板の表面を熱酸化
    することにより、前記第1の酸化シリコン膜を形成し、 前記窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜を形成
    する工程において、前記第1の酸化シリコン膜を形成し
    た前記単結晶シリコン基板の表面を一酸化二窒素若しく
    は一酸化窒素にて窒化若しくは酸窒化することにより、
    前記窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜を形成
    し、 前記第2の酸化シリコン膜を形成する工程において、前
    記窒化シリコン膜若しくは窒化酸化シリコン膜を形成し
    た前記単結晶シリコン基板の表面を熱酸化することによ
    り、前記第2の酸化シリコン膜を形成することを特徴と
    する請求項13に記載のSOI基板の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記支持基板の表面に遮光膜を形成す
    る工程と、 前記遮光膜を含む前記支持基板の表面に第2の酸化シリ
    コン膜を形成する工程と、 前記第2の酸化シリコン膜の表面を平坦化する工程とを
    更に有することを特徴とする請求項10又は請求項11
    に記載のSOI基板の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記支持基板の表面に遮光膜を形成す
    る工程と、 前記遮光膜を含む前記支持基板の表面に第3の酸化シリ
    コン膜を形成する工程と、 前記第3の酸化シリコン膜の表面を平坦化する工程とを
    更に有することを特徴とする請求項13又は請求項14
    に記載のSOI基板の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項9から請求項16までのいずれ
    か1項に記載のSOI基板の製造方法により製造された
    SOI基板を用い、 該SOI基板の前記単結晶シリコン層によりトランジス
    タ素子を構成する半導体層を形成する工程を有すること
    を特徴とする素子基板の製造方法。
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