JP2001308082A - 液体有機原料の気化方法及び絶縁膜の成長方法 - Google Patents
液体有機原料の気化方法及び絶縁膜の成長方法Info
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- B05—SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
- B05D—PROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
- B05D1/00—Processes for applying liquids or other fluent materials
- B05D1/62—Plasma-deposition of organic layers
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C16/00—Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
- C23C16/44—Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the method of coating
- C23C16/448—Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the method of coating characterised by the method used for generating reactive gas streams, e.g. by evaporation or sublimation of precursor materials
- C23C16/4481—Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the method of coating characterised by the method used for generating reactive gas streams, e.g. by evaporation or sublimation of precursor materials by evaporation using carrier gas in contact with the source material
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 有機モノマーを飽和蒸気圧の大きい高温で効
率良く気化させるとともに得られた有機モノマーガスの
プラズマ重合反応により有機高分子膜を高真空中で高速
成長する。 【解決手段】 液体ジビニルシロキサンビスベンゾシク
ロブテン(DVS−BCB)モノマーをキャリアガスと
混合した後、高温に保持された減圧気化室に噴霧して有
機モノマーの液体微粒子からなるエアロゾルを形成し、
該エアロゾルを介してBCBモノマー(有機モノマー)
を瞬時に気化させてBCBモノマーガス(有機モノマー
ガス)を発生させる。これによって、比表面積の大きい
エアロゾルは気化面積が大きく、高温加熱しても重合反
応が生じる前に気化が生じるため、飽和蒸気圧の大きい
200℃での0.1g/min以上のBCBモノマーガ
スが可能となり、プラズマ重合BCB膜を従来の5倍以
上の高速成膜が可能となる。
率良く気化させるとともに得られた有機モノマーガスの
プラズマ重合反応により有機高分子膜を高真空中で高速
成長する。 【解決手段】 液体ジビニルシロキサンビスベンゾシク
ロブテン(DVS−BCB)モノマーをキャリアガスと
混合した後、高温に保持された減圧気化室に噴霧して有
機モノマーの液体微粒子からなるエアロゾルを形成し、
該エアロゾルを介してBCBモノマー(有機モノマー)
を瞬時に気化させてBCBモノマーガス(有機モノマー
ガス)を発生させる。これによって、比表面積の大きい
エアロゾルは気化面積が大きく、高温加熱しても重合反
応が生じる前に気化が生じるため、飽和蒸気圧の大きい
200℃での0.1g/min以上のBCBモノマーガ
スが可能となり、プラズマ重合BCB膜を従来の5倍以
上の高速成膜が可能となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体有機原料の気
化方法及び絶縁膜の成長方法に関し、特に、半導体集積
回路の多層配線間を絶縁する機能性有機高分子膜の製造
方法に関し、さらに詳しくは、機能性有機高分子膜の構
成要素となる有機モノマー又は有機オリゴマーからなる
液体有機原料の気化方法に関する。
化方法及び絶縁膜の成長方法に関し、特に、半導体集積
回路の多層配線間を絶縁する機能性有機高分子膜の製造
方法に関し、さらに詳しくは、機能性有機高分子膜の構
成要素となる有機モノマー又は有機オリゴマーからなる
液体有機原料の気化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の設計ルールは縮小を続
けており、それに伴い配線による遅延による性能劣化が
顕在化している。つまり、半導体集積回路の配線信号遅
延は配線CR時定数(C:配線容量、R:配線抵抗)に
よって決まるが、配線幅の減少による配線抵抗の増大
と、配線間隔の減少による配線間容量の増大で配線CR
時定数がトランジスタのスイッチング速度向上に追従で
きない状態が懸念されている。現在、半導体集積回路の
配線材料にはアルミ合金が使用されているが、配線の低
抵抗化のため銅配線や銀配線が検討されている。
けており、それに伴い配線による遅延による性能劣化が
顕在化している。つまり、半導体集積回路の配線信号遅
延は配線CR時定数(C:配線容量、R:配線抵抗)に
よって決まるが、配線幅の減少による配線抵抗の増大
と、配線間隔の減少による配線間容量の増大で配線CR
時定数がトランジスタのスイッチング速度向上に追従で
きない状態が懸念されている。現在、半導体集積回路の
配線材料にはアルミ合金が使用されているが、配線の低
抵抗化のため銅配線や銀配線が検討されている。
【0003】一方、配線間容量を低減するために、現在
のシリカ(SiO2)系絶縁膜よりも誘電率の低い絶縁
膜材料が検討されている。誘電率の低い絶縁膜として
は、フッ素添加シリカ(SiOF)やポーラスシリカや
有機高分子膜(有機絶縁膜)が知られている。フッ素添
加シリカは膜中フッ素と水分あるいは水素との反応によ
るフッ酸で配線金属の腐食が発生や、フッ素が脱離する
ことにより誘電率が増大といった課題がある。ポーラス
シリカは比誘電率2以下が可能である点が期待されてい
る。
のシリカ(SiO2)系絶縁膜よりも誘電率の低い絶縁
膜材料が検討されている。誘電率の低い絶縁膜として
は、フッ素添加シリカ(SiOF)やポーラスシリカや
有機高分子膜(有機絶縁膜)が知られている。フッ素添
加シリカは膜中フッ素と水分あるいは水素との反応によ
るフッ酸で配線金属の腐食が発生や、フッ素が脱離する
ことにより誘電率が増大といった課題がある。ポーラス
シリカは比誘電率2以下が可能である点が期待されてい
る。
【0004】しかしながら、微小空孔の中への水分凝縮
で比誘電率が増大したり、絶縁耐圧が低下したりする場
合がある。現在、半導体集積回路上の多層配線間を絶縁
する層間絶縁膜として、耐熱性、耐吸湿性に優れた有機
高分子膜の開発が急がれている。耐湿性に関しては、有
機モノマー中に親水基が含まれないことが肝要であり、
またその有機高分子膜の骨格たる有機モノマーからの重
合反応中に水の縮重合反応を経ないことが望ましいとさ
れている。ここで、有機モノマーとは、有機モノマーを
構成単位として重合反応を生じ、有機高分子(有機ポリ
マー)を形成するものを指す。
で比誘電率が増大したり、絶縁耐圧が低下したりする場
合がある。現在、半導体集積回路上の多層配線間を絶縁
する層間絶縁膜として、耐熱性、耐吸湿性に優れた有機
高分子膜の開発が急がれている。耐湿性に関しては、有
機モノマー中に親水基が含まれないことが肝要であり、
またその有機高分子膜の骨格たる有機モノマーからの重
合反応中に水の縮重合反応を経ないことが望ましいとさ
れている。ここで、有機モノマーとは、有機モノマーを
構成単位として重合反応を生じ、有機高分子(有機ポリ
マー)を形成するものを指す。
【0005】このような機能性有機高分子膜の成長方法
として、有機モノマーのスピンコーティング法がある
(以下、第1の従来例と呼ぶ)。このスピンコーティン
グ法は、有機高分子膜の成長に広く用いられている方法
である。この場合、有機モノマーは溶媒に溶解されてお
り、成膜過程では、溶媒を除去するとともに、有機モノ
マーの加熱により重合反応が進行する。この結果、2次
元あるいは3次元の網目構造膜や、高分子膜が形成され
る。生成物である有機絶縁膜を構成する骨格となるの
は、有機溶剤にとけていた有機モノマーの構造である。
として、有機モノマーのスピンコーティング法がある
(以下、第1の従来例と呼ぶ)。このスピンコーティン
グ法は、有機高分子膜の成長に広く用いられている方法
である。この場合、有機モノマーは溶媒に溶解されてお
り、成膜過程では、溶媒を除去するとともに、有機モノ
マーの加熱により重合反応が進行する。この結果、2次
元あるいは3次元の網目構造膜や、高分子膜が形成され
る。生成物である有機絶縁膜を構成する骨格となるの
は、有機溶剤にとけていた有機モノマーの構造である。
【0006】例えば、“REAL-TIME FT-IR STUDIES O
F THE REACTION KINETICS FORTHE POLYMERIZATION
OF DIVINYL SILOXANE BIS BENZOCYCLO BUTENE
MONOMERS”(Material Research Symposium Proceedi
ng Vol.227 p.103,1991)T.M.Stokich, Jr., W.M.Le
e, R.A.Peters(以下文献1という)には、スピン塗布
法でジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテン高分子
膜を形成することが方法が述べられている。
F THE REACTION KINETICS FORTHE POLYMERIZATION
OF DIVINYL SILOXANE BIS BENZOCYCLO BUTENE
MONOMERS”(Material Research Symposium Proceedi
ng Vol.227 p.103,1991)T.M.Stokich, Jr., W.M.Le
e, R.A.Peters(以下文献1という)には、スピン塗布
法でジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテン高分子
膜を形成することが方法が述べられている。
【0007】ここでは、図1に示すように、ジビニルシ
ロキサンビスベンゾシクロブテンモノマーをメシチレン
に溶解させた溶解物をスピン塗布した後、温度100℃
でベークして溶媒であるメシチレンを除去する。さら
に、温度300℃〜350℃まで加熱して、ベンゾシク
ロブテン中の炭素4員環の熱開環反応とビニル基との重
合反応で、下記化学式に示すジビニルシロキサンビスベ
ンゾシクロブテンモノマーを骨格とした3次元分子鎖か
らなる有機高分子膜(DVS−BCB高分子膜)を成長
させている。
ロキサンビスベンゾシクロブテンモノマーをメシチレン
に溶解させた溶解物をスピン塗布した後、温度100℃
でベークして溶媒であるメシチレンを除去する。さら
に、温度300℃〜350℃まで加熱して、ベンゾシク
ロブテン中の炭素4員環の熱開環反応とビニル基との重
合反応で、下記化学式に示すジビニルシロキサンビスベ
ンゾシクロブテンモノマーを骨格とした3次元分子鎖か
らなる有機高分子膜(DVS−BCB高分子膜)を成長
させている。
【0008】さらに、特開平11−17006号公報に
は機能性有機高分子膜の成長方法として、有機モノマー
の蒸発法が提案されている(以下、第2の従来例と呼
ぶ)。この方法は、有機モノマーを蒸発させて、気相中
のモノマーを基板上で重合化して有機高分子膜を得る方
法である。
は機能性有機高分子膜の成長方法として、有機モノマー
の蒸発法が提案されている(以下、第2の従来例と呼
ぶ)。この方法は、有機モノマーを蒸発させて、気相中
のモノマーを基板上で重合化して有機高分子膜を得る方
法である。
【0009】図2に、有機モノマーの直接気化による有
機膜成長装置を示す。ここでは、まず、タンク1中の有
機モノマー5を減圧下で加熱して蒸発させる。ついで、
プラズマ重合反応室26を排気ポンプ29により減圧
し、気化原料配管9を通して蒸発した有機モノマーをプ
ラズマ重合反応室26に送る。有機モノマー分子は半導
体集積回路が形成された半導体基板24の表面に吸着
し、基板加熱部25によって供給される熱エネルギーに
よって重合反応が進行し、架橋構造を形成し有機絶縁膜
を形成する。
機膜成長装置を示す。ここでは、まず、タンク1中の有
機モノマー5を減圧下で加熱して蒸発させる。ついで、
プラズマ重合反応室26を排気ポンプ29により減圧
し、気化原料配管9を通して蒸発した有機モノマーをプ
ラズマ重合反応室26に送る。有機モノマー分子は半導
体集積回路が形成された半導体基板24の表面に吸着
し、基板加熱部25によって供給される熱エネルギーに
よって重合反応が進行し、架橋構造を形成し有機絶縁膜
を形成する。
【0010】また、特開2000−12532号公報に
は、機能性有機高分子膜の成長方法として、キャリアガ
スを用いた有機モノマーの気化方式による高分子膜の成
長方法が提案されている(以下、第3の従来例と呼
ぶ)。ここでは、液体有機モノマーを気化制御器に供給
する工程と、この気化制御器内で液体有機モノマーを加
熱するとともにキャリアガスを供給し、該液体有機モノ
マーの分圧を飽和蒸気圧より低い状態に維持しながら有
機モノマーを気化させる工程と、この気化した有機モノ
マーを含むキャリアガスを前記気化制御器から反応室に
輸送し、さらに該有機モノマーをRFプラズマ中を通過
させて活性化させ該反応室内に設置された基板表面に吹
き付け、有機モノマーを骨格に含む高分子膜を成長させ
る工程とによって高分子膜の成長している。
は、機能性有機高分子膜の成長方法として、キャリアガ
スを用いた有機モノマーの気化方式による高分子膜の成
長方法が提案されている(以下、第3の従来例と呼
ぶ)。ここでは、液体有機モノマーを気化制御器に供給
する工程と、この気化制御器内で液体有機モノマーを加
熱するとともにキャリアガスを供給し、該液体有機モノ
マーの分圧を飽和蒸気圧より低い状態に維持しながら有
機モノマーを気化させる工程と、この気化した有機モノ
マーを含むキャリアガスを前記気化制御器から反応室に
輸送し、さらに該有機モノマーをRFプラズマ中を通過
させて活性化させ該反応室内に設置された基板表面に吹
き付け、有機モノマーを骨格に含む高分子膜を成長させ
る工程とによって高分子膜の成長している。
【0011】図3に、第3の従来例によるところのキャ
リアガスを用いた有機モノマー気化方式を示す。この気
化制御器は、シールド33cを挟んでヘッド33aとボ
ディ33bのわずかな隙間空間を気化室33fとし、こ
の気化室33fに、該ボディ33bのキャリアガス供給
孔10からキャリアガスが、そして有機モノマー供給孔
33eからDVS−BCBモノマー(有機モノマー1)
が供給される構造となっている。
リアガスを用いた有機モノマー気化方式を示す。この気
化制御器は、シールド33cを挟んでヘッド33aとボ
ディ33bのわずかな隙間空間を気化室33fとし、こ
の気化室33fに、該ボディ33bのキャリアガス供給
孔10からキャリアガスが、そして有機モノマー供給孔
33eからDVS−BCBモノマー(有機モノマー1)
が供給される構造となっている。
【0012】つまり、有機モノマーこの有機モノマー供
給孔33eの周りとボディ33bの表面近傍を加熱する
ためのヒータ33gで有機モノマー5は所定温度に加熱
される。この場合、ヘッド33aとボディ33bのわず
かな隙間空間へと有機モノマー液体が液膜上に広がるの
で加熱効率はよい。そして、排気ポンプ29で減圧され
た反応室26とつながる気化原料配管16を介して気化
室33fが減圧され、気化した有機モノマー14がキャ
リアガス6によって運び出される。モノマー供給孔33
eの直上のヘッドにつけられたダイアフラムバルブ33
dがピエゾ素子によって上下に駆動し、一定流量の有機
モノマーが供給された後有機モノマー供給孔33eの開
口部は閉じる。なお、液体の有機モノマー液膜の上下主
面はそれぞれヘッド33aとボディイ33bに接してい
るため、この面領域からは気化できない。気化可能なの
はその液膜端面のみである。
給孔33eの周りとボディ33bの表面近傍を加熱する
ためのヒータ33gで有機モノマー5は所定温度に加熱
される。この場合、ヘッド33aとボディ33bのわず
かな隙間空間へと有機モノマー液体が液膜上に広がるの
で加熱効率はよい。そして、排気ポンプ29で減圧され
た反応室26とつながる気化原料配管16を介して気化
室33fが減圧され、気化した有機モノマー14がキャ
リアガス6によって運び出される。モノマー供給孔33
eの直上のヘッドにつけられたダイアフラムバルブ33
dがピエゾ素子によって上下に駆動し、一定流量の有機
モノマーが供給された後有機モノマー供給孔33eの開
口部は閉じる。なお、液体の有機モノマー液膜の上下主
面はそれぞれヘッド33aとボディイ33bに接してい
るため、この面領域からは気化できない。気化可能なの
はその液膜端面のみである。
【0013】具体的な条件範囲は、全圧20Torr以
下に保たれた気化制御器内にキャリアガスを100sc
cm〜3000sccm供給し、毎分0.1g〜0.0
1gのDVS−BCBモノマーを気化制御器に供給して
100℃から175℃の温度範囲で加熱することで、該
ジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンを気化して
いる。さらに、気化させた有機モノマーをプラズマガス
雰囲気中に導入し、かかる有機モノマーの重合反応を促
進させて、有機高分子膜の成長温度の低温化を図ってい
る。プラズマを発生させることでベンゾシクロブテン骨
格中の炭素四員環の開環反応をより低温で開始させ、D
VS−BCBモノマーを骨格とした3次元分子鎖からな
る高分子膜を得ている。
下に保たれた気化制御器内にキャリアガスを100sc
cm〜3000sccm供給し、毎分0.1g〜0.0
1gのDVS−BCBモノマーを気化制御器に供給して
100℃から175℃の温度範囲で加熱することで、該
ジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンを気化して
いる。さらに、気化させた有機モノマーをプラズマガス
雰囲気中に導入し、かかる有機モノマーの重合反応を促
進させて、有機高分子膜の成長温度の低温化を図ってい
る。プラズマを発生させることでベンゾシクロブテン骨
格中の炭素四員環の開環反応をより低温で開始させ、D
VS−BCBモノマーを骨格とした3次元分子鎖からな
る高分子膜を得ている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
第1乃至第3の従来例では、次のような問題点がある。
第1乃至第3の従来例では、次のような問題点がある。
【0015】まず、第1の従来例の場合、有機モノマー
を溶剤に溶かし、この溶解物をスピン塗布するわけであ
るが、スピンコーティングの際に溶解物の90%程度は
基板外に飛ばされるため出発原料の使用効率が悪い。
を溶剤に溶かし、この溶解物をスピン塗布するわけであ
るが、スピンコーティングの際に溶解物の90%程度は
基板外に飛ばされるため出発原料の使用効率が悪い。
【0016】また、スピン塗布膜を加熱して、まず溶剤
を除去した後、さらに、高温で加熱して有機モノマーの
高分子化反応を生じさせて有機高分子膜を形成するわけ
であるが、ベーク炉中に酸素があると、酸素と有機モノ
マーの一部が反応して目的とした有機高分子膜にはなら
ない場合もある。例えば、ジビニルシロキサンビスベン
ゾシクロブテンモノマーをメシチレンに溶解させた溶解
物をスピンコーティングした後、ベークする際の許容酸
素濃度は100ppm以下である。このため、ベーク炉
全体を窒素ガス置換する必要があり、低コストでの実現
が難しい。
を除去した後、さらに、高温で加熱して有機モノマーの
高分子化反応を生じさせて有機高分子膜を形成するわけ
であるが、ベーク炉中に酸素があると、酸素と有機モノ
マーの一部が反応して目的とした有機高分子膜にはなら
ない場合もある。例えば、ジビニルシロキサンビスベン
ゾシクロブテンモノマーをメシチレンに溶解させた溶解
物をスピンコーティングした後、ベークする際の許容酸
素濃度は100ppm以下である。このため、ベーク炉
全体を窒素ガス置換する必要があり、低コストでの実現
が難しい。
【0017】さらに、溶剤に溶け込んでいる溶存酸素と
有機モノマーがベーク時に反応する場合もあるため厳密
な雰囲気制御が必要とされるが、スピンコーティング法
で行うことは困難である。
有機モノマーがベーク時に反応する場合もあるため厳密
な雰囲気制御が必要とされるが、スピンコーティング法
で行うことは困難である。
【0018】また、スピン塗布は局所排気されたスピン
塗布室で行うが、この際、浮遊しているごみ粒子やスピ
ン塗布室の内壁にこびりつき、乾燥固化した有機モノマ
ーの微粒子がスピン塗布膜に混入して、膜質を劣化させ
る場合もある。
塗布室で行うが、この際、浮遊しているごみ粒子やスピ
ン塗布室の内壁にこびりつき、乾燥固化した有機モノマ
ーの微粒子がスピン塗布膜に混入して、膜質を劣化させ
る場合もある。
【0019】さらに、スピン塗布の場合、大量の有機溶
剤を必要とし、環境負荷が大きいといった問題点もあ
る。
剤を必要とし、環境負荷が大きいといった問題点もあ
る。
【0020】第2の従来例の場合、スピンコーティング
法と比較して出発原料の使用効率が非常に良いという点
で優れているものの、有機モノマー液体全体を気液界面
から気化させる方法を採用しているため、大容量の有機
モノマーの高温加熱が必要である。一方で、有機モノマ
ーは反応性をもつため、高温では重合反応も進行し、有
機モノマーの気化が不安定になりやすいといった場合が
あり、この不安定性を改善する必要がある。
法と比較して出発原料の使用効率が非常に良いという点
で優れているものの、有機モノマー液体全体を気液界面
から気化させる方法を採用しているため、大容量の有機
モノマーの高温加熱が必要である。一方で、有機モノマ
ーは反応性をもつため、高温では重合反応も進行し、有
機モノマーの気化が不安定になりやすいといった場合が
あり、この不安定性を改善する必要がある。
【0021】第3の従来例では、図3で説明したよう
に、液体有機モノマーはモノマー供給孔を介して気化室
に供給され液膜となり、かかる液体有機モノマーはヒー
タにより所定温度に加熱された後、気化室内でキャリア
ガスと接する。ところで、有機モノマーの蒸気圧は温度
上昇とともに増加するため、気化効率上昇には有利とな
る。一方、有機モノマーは温度上昇とともにその重合速
度が増大するため、過剰に温度が高くなると気化する前
に重合固化してしまう。液体の有機モノマー液膜の上下
主面はそれぞれヘッド33aとボディイ33bに接して
いるため、この面領域からは気化できない。気化可能な
のはその液膜端面のみであるため、気化速度が遅い。こ
のため、高温加熱時に気化底度が重合速度より小さくな
り、十分な有機モノマーの気化を行えないという問題点
がある。
に、液体有機モノマーはモノマー供給孔を介して気化室
に供給され液膜となり、かかる液体有機モノマーはヒー
タにより所定温度に加熱された後、気化室内でキャリア
ガスと接する。ところで、有機モノマーの蒸気圧は温度
上昇とともに増加するため、気化効率上昇には有利とな
る。一方、有機モノマーは温度上昇とともにその重合速
度が増大するため、過剰に温度が高くなると気化する前
に重合固化してしまう。液体の有機モノマー液膜の上下
主面はそれぞれヘッド33aとボディイ33bに接して
いるため、この面領域からは気化できない。気化可能な
のはその液膜端面のみであるため、気化速度が遅い。こ
のため、高温加熱時に気化底度が重合速度より小さくな
り、十分な有機モノマーの気化を行えないという問題点
がある。
【0022】例えば、図4に示すような、ジビニルシロ
キサンビスベンゾシクロブテンモノマーの場合(以後、
BCBモノマーと記す)、プラズマ酸化膜成長に用いる
TEOS(テトラエチルオルソシリケイト)の飽和蒸気
圧と比較して、その飽和蒸気圧は3〜4桁小さい。例え
ば、TEOSの場合室温での飽和蒸気圧は1Torrで
あるが、一方、BCBモノマーの場合、1Torr以上
を得るには200℃の過熱を必要とする。
キサンビスベンゾシクロブテンモノマーの場合(以後、
BCBモノマーと記す)、プラズマ酸化膜成長に用いる
TEOS(テトラエチルオルソシリケイト)の飽和蒸気
圧と比較して、その飽和蒸気圧は3〜4桁小さい。例え
ば、TEOSの場合室温での飽和蒸気圧は1Torrで
あるが、一方、BCBモノマーの場合、1Torr以上
を得るには200℃の過熱を必要とする。
【0023】一方、図5に示すように、温度上昇により
BCBモノマーの重合速度も大きくなる。BCBモノマ
ーを1分間加熱すると、温度150℃で加熱した場合、
0.03%のモノマーが重合反応を生じた過ぎないが、
温度170℃では、0.24%に増加し、温度180℃
では1%以上にも達した。さらに、温度を上げると飽和
蒸気圧が大きくなるので有利であるが、BCBモノマー
液膜の端面のみからの気化では、気化速度が遅いため、
有機モノマーの実用的加熱温度は150℃程度に制限さ
れている。
BCBモノマーの重合速度も大きくなる。BCBモノマ
ーを1分間加熱すると、温度150℃で加熱した場合、
0.03%のモノマーが重合反応を生じた過ぎないが、
温度170℃では、0.24%に増加し、温度180℃
では1%以上にも達した。さらに、温度を上げると飽和
蒸気圧が大きくなるので有利であるが、BCBモノマー
液膜の端面のみからの気化では、気化速度が遅いため、
有機モノマーの実用的加熱温度は150℃程度に制限さ
れている。
【0024】有機モノマーを高温にすることなく十分な
気化を行うには、キャリアガスの流量を多くすることで
ある。しかしながら、狭い気化室へのキャリアガス流量
を大きくすると、気化室の圧力損失により気化室内の圧
力が増加してしまうという問題点がある。
気化を行うには、キャリアガスの流量を多くすることで
ある。しかしながら、狭い気化室へのキャリアガス流量
を大きくすると、気化室の圧力損失により気化室内の圧
力が増加してしまうという問題点がある。
【0025】本発明の目的は、液体有機原料を効率良く
気化させることのできる液体有機原料の気化方法を提供
することにある。
気化させることのできる液体有機原料の気化方法を提供
することにある。
【0026】本発明の他の目的は、気化モノマーをプラ
ズマ活性させ、基板上で重合反応を行わせて、有機モノ
マーを骨格とする有機高分子膜の成長方法を提供するこ
とにある。
ズマ活性させ、基板上で重合反応を行わせて、有機モノ
マーを骨格とする有機高分子膜の成長方法を提供するこ
とにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、有機高
分子絶縁膜を形成し得る有機モノマー又は有機オリゴマ
ーからなる液体有機原料を気化制御器に供給して気化さ
せる方法において、前記液体有機原料の熱重合反応開始
温度よりも低い温度でキャリアガスと混合して気液混合
流体を形成する第1のステップと、該気液混合流体を気
化減圧室に噴霧して前記液体有機原料のエアロゾルを形
成して加熱する第2のステップと、前記エアロゾルを介
して前記液体有機原料を気化させる第3のステップとを
有することを特徴とする液体有機原料の気化方法が得ら
れる。
分子絶縁膜を形成し得る有機モノマー又は有機オリゴマ
ーからなる液体有機原料を気化制御器に供給して気化さ
せる方法において、前記液体有機原料の熱重合反応開始
温度よりも低い温度でキャリアガスと混合して気液混合
流体を形成する第1のステップと、該気液混合流体を気
化減圧室に噴霧して前記液体有機原料のエアロゾルを形
成して加熱する第2のステップと、前記エアロゾルを介
して前記液体有機原料を気化させる第3のステップとを
有することを特徴とする液体有機原料の気化方法が得ら
れる。
【0028】前記エアロゾルは、例えば、100μmφ
乃至1μmφであり、前記液体有機原料は、例えば、ジ
ビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンモノマーであ
る。具体的には、標準状態で毎分100ml〜500m
lの前記キャリアガスと毎分0.1g〜0.5gの前記
液体有機原料とからなる前記気液混合流体を、1.3k
Pa(10Torr)以下に保たれた前記気化減圧室に
噴霧し、温度160℃から250℃の温度範囲で加熱し
て前記液体有機原料を気化させる。
乃至1μmφであり、前記液体有機原料は、例えば、ジ
ビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンモノマーであ
る。具体的には、標準状態で毎分100ml〜500m
lの前記キャリアガスと毎分0.1g〜0.5gの前記
液体有機原料とからなる前記気液混合流体を、1.3k
Pa(10Torr)以下に保たれた前記気化減圧室に
噴霧し、温度160℃から250℃の温度範囲で加熱し
て前記液体有機原料を気化させる。
【0029】さらに、本発明によれば、液体有機原料の
エアロゾルを加熱して、該エアロゾルを介して前記液体
有機原料を気化させて気化有機原料を生成する気化装置
がプラズマ重合反応室に直結されており、該プラズマ重
合反応室中のプラズマ中に前記気化有機原料を直接供給
して、基板上に前記液体有機原料を骨格とする有機高分
子膜を成長させるようにしたことを特徴とする絶縁膜の
成長方法が得られる。
エアロゾルを加熱して、該エアロゾルを介して前記液体
有機原料を気化させて気化有機原料を生成する気化装置
がプラズマ重合反応室に直結されており、該プラズマ重
合反応室中のプラズマ中に前記気化有機原料を直接供給
して、基板上に前記液体有機原料を骨格とする有機高分
子膜を成長させるようにしたことを特徴とする絶縁膜の
成長方法が得られる。
【0030】本発明においては、エアロゾルの直径は1
00μm以下であるため、液膜を加熱する従来の気化方
法と比較して、比表面積が大きくなり、有機モノマーの
気化断面積が大きくなり、加熱後瞬時に気化を生じさせ
ることが可能となる。その結果、蒸気圧の大きい高温で
の有機モノマーの気化が可能となり、気化発生量を大き
くできる。さらに、加熱後瞬時に気化を生じさせること
が可能となることから、高温加熱による有機モノマーの
重合固化といった有機モノマーの気化における特有の技
術課題を解決できる。
00μm以下であるため、液膜を加熱する従来の気化方
法と比較して、比表面積が大きくなり、有機モノマーの
気化断面積が大きくなり、加熱後瞬時に気化を生じさせ
ることが可能となる。その結果、蒸気圧の大きい高温で
の有機モノマーの気化が可能となり、気化発生量を大き
くできる。さらに、加熱後瞬時に気化を生じさせること
が可能となることから、高温加熱による有機モノマーの
重合固化といった有機モノマーの気化における特有の技
術課題を解決できる。
【0031】この有機モノマーを含むキャリアガスをポ
ンプにより排気されている密閉され、かつRFプラズマ
の印加された反応室内の基板上で有機モノマーの重合反
応を進行させるため、有機モノマーが酸素等の反応性ガ
スと反応することはなく、得られる高分子膜の一部酸化
による誘電率増加等の特性劣化が生じない。
ンプにより排気されている密閉され、かつRFプラズマ
の印加された反応室内の基板上で有機モノマーの重合反
応を進行させるため、有機モノマーが酸素等の反応性ガ
スと反応することはなく、得られる高分子膜の一部酸化
による誘電率増加等の特性劣化が生じない。
【0032】
【発明の実施の形態】以下本発明について実施の形態に
基づいて説明する。
基づいて説明する。
【0033】図6に、本発明による有機高分子絶縁膜を
形成し得る有機モノマー又は有機オリゴマーからなる液
体有機原料の気化方法を説明するための模式図を示す。
なお、以下の説明では、有機モノマーの気化を例にとっ
て説明するが、有機オリゴマーであっても同様である。
形成し得る有機モノマー又は有機オリゴマーからなる液
体有機原料の気化方法を説明するための模式図を示す。
なお、以下の説明では、有機モノマーの気化を例にとっ
て説明するが、有機オリゴマーであっても同様である。
【0034】図6を参照して、原料タンク1に貯蔵され
た液体の有機モノマー5は原料配管9に送られ、液体マ
スフローコントローラ7を介して所定速度で有機モノマ
ー気化室2に送られる。一方、ガスマスフロコントロー
ラ8を介してキャリアガス6‘もキャルアガス配管10
より有機モノマー気化室2に送られる。実際には、キャ
リアガスおよび有機モノマーの供給は、気化室2とマス
フローコントロータ8、9との間に存在する電磁弁(図
示せず)により供給するタイミングが制御される。液体
の有機モノマーとキャリアガスは有機モノマー気化室2
内の混合ノズル部11で混合され、気液混合流体12と
なる。混合ノズル部11の径はキャリアガス配管10お
よび原料配管9の径より小さく絞り込んであり、ここか
ら気化減圧室13に噴霧される。この際、混合ノズル部
11と気化減圧室13との急激な圧力損失により、気液
混合流体12は減圧気化室13内では100μm以下の
有機モノマーのエアロゾル4となる。エアロゾルの発生
に関して、混合ノズル部の径とキャリアガスの流量の選
択は極めて重要である。キャリアガス流量が50〜50
0sccmでは、混合ノズルの径は1mmφ〜0.2m
mφである。この混合ノズル部付近にブロックヒータ1
5を介して、有機モノマーの重合開始温度より20℃程
度低い温度まで気液混合流体を予備加熱してもよい。あ
るいは、キャリアガスを予備加熱しておいてもよい。
た液体の有機モノマー5は原料配管9に送られ、液体マ
スフローコントローラ7を介して所定速度で有機モノマ
ー気化室2に送られる。一方、ガスマスフロコントロー
ラ8を介してキャリアガス6‘もキャルアガス配管10
より有機モノマー気化室2に送られる。実際には、キャ
リアガスおよび有機モノマーの供給は、気化室2とマス
フローコントロータ8、9との間に存在する電磁弁(図
示せず)により供給するタイミングが制御される。液体
の有機モノマーとキャリアガスは有機モノマー気化室2
内の混合ノズル部11で混合され、気液混合流体12と
なる。混合ノズル部11の径はキャリアガス配管10お
よび原料配管9の径より小さく絞り込んであり、ここか
ら気化減圧室13に噴霧される。この際、混合ノズル部
11と気化減圧室13との急激な圧力損失により、気液
混合流体12は減圧気化室13内では100μm以下の
有機モノマーのエアロゾル4となる。エアロゾルの発生
に関して、混合ノズル部の径とキャリアガスの流量の選
択は極めて重要である。キャリアガス流量が50〜50
0sccmでは、混合ノズルの径は1mmφ〜0.2m
mφである。この混合ノズル部付近にブロックヒータ1
5を介して、有機モノマーの重合開始温度より20℃程
度低い温度まで気液混合流体を予備加熱してもよい。あ
るいは、キャリアガスを予備加熱しておいてもよい。
【0035】気化減圧室17には所定温度に過熱された
ブロックヒータ3が設置されており、このブロックヒー
タ3を介して該有機モノマーのエアロゾル4を加熱す
る。かかるエアロゾル4は加熱により蒸発気化し、有機
モノマーガス14となりキャリアガスと共に気化原料配
管16より排出される。なお、エアロゾルの一部はブロ
ックヒータ3の表面に付着するが、これらのエアロゾル
も瞬時に気化して行く。発生した有機モノマーガス14
は気化原料配管16を介して反応室に送られ、RFプラ
ズマ中を通過して活性化された後、300℃〜420℃
程度に加熱された基板上で重合反応を生じて有機高分子
膜を成長する。なお、気化原料配管16には配管ヒータ
が巻かれ、減圧気化室での気化温度以下とならないよう
にし、有機モノマーガス14の再液化を防いでいる。
ブロックヒータ3が設置されており、このブロックヒー
タ3を介して該有機モノマーのエアロゾル4を加熱す
る。かかるエアロゾル4は加熱により蒸発気化し、有機
モノマーガス14となりキャリアガスと共に気化原料配
管16より排出される。なお、エアロゾルの一部はブロ
ックヒータ3の表面に付着するが、これらのエアロゾル
も瞬時に気化して行く。発生した有機モノマーガス14
は気化原料配管16を介して反応室に送られ、RFプラ
ズマ中を通過して活性化された後、300℃〜420℃
程度に加熱された基板上で重合反応を生じて有機高分子
膜を成長する。なお、気化原料配管16には配管ヒータ
が巻かれ、減圧気化室での気化温度以下とならないよう
にし、有機モノマーガス14の再液化を防いでいる。
【0036】有機モノマーとしては、重合する反応性官
能基を有する有機モノマーであれば、本発明の高分子膜
の製造方法で用いることが可能である。有機モノマーの
状態としては、気化制御器への供給しやすさを考慮する
と、液体が好ましい。常温で液体のモノマーが最も好ま
しいが、常温で固体のモノマーについても、重合が顕著
にならない温度(重合速度一例として半導体基板上に層
間絶縁膜を形成する場合のジビニルシロキサンビスベン
ゾシクロブテンモノマー(以下DVS−BCBモノマ
ー)の高分子膜の成長方法として、本発明は非常に有効
である。実施形態の一例として用いられるDVS−BC
Bモノマー常温で粘粘度75cPの液体であり、特に半
導体基板上に低誘電率の層間絶縁膜を形成する際に用い
られる有機モノマーである。
能基を有する有機モノマーであれば、本発明の高分子膜
の製造方法で用いることが可能である。有機モノマーの
状態としては、気化制御器への供給しやすさを考慮する
と、液体が好ましい。常温で液体のモノマーが最も好ま
しいが、常温で固体のモノマーについても、重合が顕著
にならない温度(重合速度一例として半導体基板上に層
間絶縁膜を形成する場合のジビニルシロキサンビスベン
ゾシクロブテンモノマー(以下DVS−BCBモノマ
ー)の高分子膜の成長方法として、本発明は非常に有効
である。実施形態の一例として用いられるDVS−BC
Bモノマー常温で粘粘度75cPの液体であり、特に半
導体基板上に低誘電率の層間絶縁膜を形成する際に用い
られる有機モノマーである。
【0037】この際、有機モノマーのキャリアガスとし
ては、水素ガス、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガ
ス、ネオンガス等の有機モノマーに対して不活性なガス
を適宜使用することができるが、特に有機モノマーとし
てDVS−BCBモノマーを使用した場合、高熱導伝率
を有するヘリウムガスを用いることで、高分子膜の成長
安定性が増し、超高速の半導体集積回路を高歩留まりで
製造することができ、好ましい。
ては、水素ガス、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガ
ス、ネオンガス等の有機モノマーに対して不活性なガス
を適宜使用することができるが、特に有機モノマーとし
てDVS−BCBモノマーを使用した場合、高熱導伝率
を有するヘリウムガスを用いることで、高分子膜の成長
安定性が増し、超高速の半導体集積回路を高歩留まりで
製造することができ、好ましい。
【0038】本発明において用いられるモノマー及びオ
リゴマーは有機高分子絶縁膜を生膜し得るものである。
これらのモノマー及びオリゴマーは重合に際して副生成
物を発生しないものであることが好ましい。このような
モノマー及びオリゴマーとしては、DVS−BCBモノ
マー以外に、次のモノマー及びこれらから生成されたオ
リゴマーを例示することができる。
リゴマーは有機高分子絶縁膜を生膜し得るものである。
これらのモノマー及びオリゴマーは重合に際して副生成
物を発生しないものであることが好ましい。このような
モノマー及びオリゴマーとしては、DVS−BCBモノ
マー以外に、次のモノマー及びこれらから生成されたオ
リゴマーを例示することができる。
【0039】フッ化ナフタレン
【化2】
【0040】ナフタレン
【化3】
【0041】マレイミドベンゾシクロブテン
【化4】
【0042】パーフロロシクロブテンアロマティックエ
ーテル PFCB
ーテル PFCB
【化5】
【0043】フッ化ベンゾシクロブテン BCB−F8
【化6】
【0044】特に、好ましいモノマー及びオリゴマーと
しては、ベンゾシクロブテンのベンゼン環上にビニル基
のような不飽炭化水素基を有する化合物および以下に示
すような、分子内に1個以上のベンゾシクロブテン構造
を有するもの、又はその誘導体及びこれから生成された
オリゴマーを例示することができる。
しては、ベンゾシクロブテンのベンゼン環上にビニル基
のような不飽炭化水素基を有する化合物および以下に示
すような、分子内に1個以上のベンゾシクロブテン構造
を有するもの、又はその誘導体及びこれから生成された
オリゴマーを例示することができる。
【0045】
【化7】 (上記式において、Qは以下に示す基である。)
【0046】
【化8】
【0047】
【化9】
【0048】
【化10】
【0049】
【化11】
【0050】
【化12】
【0051】
【化13】
【0052】
【化14】
【0053】
【化15】
【0054】
【化16】
【0055】
【化17】
【0056】
【化18】
【0057】モノマーまたはオリゴマーは気相で基板表
面まで送られる。送られた気化有機モノマー又は気化有
機オリゴマーは基板表面に吸着され、プラズマと基板加
熱により供給されるエネルギーにより熱重合され、基板
表面に有機高分子膜が成膜される。モノマーまたはオリ
ゴマーが液体の場合は、加熱または加熱および不活性気
体の通気、あるいは減圧加熱または減圧加熱および不活
性気体の通気などにより気化して基板表面に送られる。
面まで送られる。送られた気化有機モノマー又は気化有
機オリゴマーは基板表面に吸着され、プラズマと基板加
熱により供給されるエネルギーにより熱重合され、基板
表面に有機高分子膜が成膜される。モノマーまたはオリ
ゴマーが液体の場合は、加熱または加熱および不活性気
体の通気、あるいは減圧加熱または減圧加熱および不活
性気体の通気などにより気化して基板表面に送られる。
【0058】本発明においては、これらのモノマーまた
はオリゴマーの重合条件は、そのモノマーまたはオリゴ
マーによって異なるが、好ましくは重合温度200〜4
00℃、重合圧力1Torr〜10Torr、モノマー
またはオリゴマーの供給速度は0.1〜0.5g/mi
nとするのが好ましい。成膜速度はモノマーまたはオリ
ゴマーの供給速度および重合温度を選択することにより
制御され得る。また、膜厚はモノマーまたはオリゴマー
の供給速度、成膜温度、成膜時間を選択することにより
精密に制御可能である。
はオリゴマーの重合条件は、そのモノマーまたはオリゴ
マーによって異なるが、好ましくは重合温度200〜4
00℃、重合圧力1Torr〜10Torr、モノマー
またはオリゴマーの供給速度は0.1〜0.5g/mi
nとするのが好ましい。成膜速度はモノマーまたはオリ
ゴマーの供給速度および重合温度を選択することにより
制御され得る。また、膜厚はモノマーまたはオリゴマー
の供給速度、成膜温度、成膜時間を選択することにより
精密に制御可能である。
【0059】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例として、有機モ
ノマーとしてジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテ
ン(分子量390g/mol)の気化例について説明す
る。
ノマーとしてジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテ
ン(分子量390g/mol)の気化例について説明す
る。
【0060】ジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテ
ン(分子量390g/mol、以後BCBモノマーとい
う)は常温で75cPの粘度を持つ液体である。
ン(分子量390g/mol、以後BCBモノマーとい
う)は常温で75cPの粘度を持つ液体である。
【0061】図6に示す気化器2の気化減圧室の圧力
(全圧)は、有機モノマー気化室2に供給されるキャリ
アガス流量とプラズマ重合反応室の圧力とプラズマ重合
反応室に至る気化原料配管の圧損によって決まる。ここ
では、プラズ案重合反応室の圧力を3Torrとし、キ
ャリアガスにHeを用いた場合の実施例を示す。
(全圧)は、有機モノマー気化室2に供給されるキャリ
アガス流量とプラズマ重合反応室の圧力とプラズマ重合
反応室に至る気化原料配管の圧損によって決まる。ここ
では、プラズ案重合反応室の圧力を3Torrとし、キ
ャリアガスにHeを用いた場合の実施例を示す。
【0062】図7に示すように、気化減圧室内の全圧は
Heキャリアガス流量が多くなるに従って増加する。B
CBモノマーの気化に対しては、気化減圧室内のBCB
モノマーの分圧が、BCBモノマーの飽和蒸気圧よりも
低いことが必要不可欠である。図中には、気化器2にB
CBモノマーを所定量供給し、そのすべてが気化した場
合の気化減圧室13内のBCBモノマー分圧も示してあ
る。BCBモノマーの分圧はモノマー供給量の増加に従
って大きくなる。BCBモノマーの分圧はキャリアガス
流量に対して、大きな依存性を示さない。これは、キャ
リアガス流量が大きくなると気化減圧室内のBCBモノ
マーのモル分率は小さくなるが、全圧も大きくなるため
BCBモノマーの分圧(=全圧×モル分率)は相殺され
て大きな変化とならないためである。
Heキャリアガス流量が多くなるに従って増加する。B
CBモノマーの気化に対しては、気化減圧室内のBCB
モノマーの分圧が、BCBモノマーの飽和蒸気圧よりも
低いことが必要不可欠である。図中には、気化器2にB
CBモノマーを所定量供給し、そのすべてが気化した場
合の気化減圧室13内のBCBモノマー分圧も示してあ
る。BCBモノマーの分圧はモノマー供給量の増加に従
って大きくなる。BCBモノマーの分圧はキャリアガス
流量に対して、大きな依存性を示さない。これは、キャ
リアガス流量が大きくなると気化減圧室内のBCBモノ
マーのモル分率は小さくなるが、全圧も大きくなるため
BCBモノマーの分圧(=全圧×モル分率)は相殺され
て大きな変化とならないためである。
【0063】BCBモノマーの飽和蒸気圧は温度に依存
する。図8に、BCBモノマーの飽和蒸気圧と気化減圧
室内のBCBモノマーの分圧との関係を示す。ここで
は、Heキャリアガス流量を300sccm一定とし
た。図中には、図7より求めたBCBモノマーの分圧を
示してある。BCBモノマーの供給量が0.01g/m
inと小さい場合、BCBモノマー分圧は0.012T
orrであり、理論的には気化減圧室13をブロックヒ
ータ3で130℃以上に加熱すれば気化が可能となる。
一方、BCBモノマーの供給量は0.11g/minに
まで増加させた場合、BCBモノマー分圧は0.133
Torrとなり、170℃以上の加熱が必要となる。さ
らに、気化減圧室を200℃まで上昇させれば、理論的
には0.5g/minのBCBモノマーの気化が可能と
なる。なお、理論気化可能領域はBCBモノマーの飽和
蒸気圧曲線の下側である。
する。図8に、BCBモノマーの飽和蒸気圧と気化減圧
室内のBCBモノマーの分圧との関係を示す。ここで
は、Heキャリアガス流量を300sccm一定とし
た。図中には、図7より求めたBCBモノマーの分圧を
示してある。BCBモノマーの供給量が0.01g/m
inと小さい場合、BCBモノマー分圧は0.012T
orrであり、理論的には気化減圧室13をブロックヒ
ータ3で130℃以上に加熱すれば気化が可能となる。
一方、BCBモノマーの供給量は0.11g/minに
まで増加させた場合、BCBモノマー分圧は0.133
Torrとなり、170℃以上の加熱が必要となる。さ
らに、気化減圧室を200℃まで上昇させれば、理論的
には0.5g/minのBCBモノマーの気化が可能と
なる。なお、理論気化可能領域はBCBモノマーの飽和
蒸気圧曲線の下側である。
【0064】次に、実際に図6に示す有機モノマー気化
器2を用いて、BCBモノマーの気化を行い、気化原料
配管に冷却トラップを取り付け、気化したBCBモノマ
ーをすべて再液化させて回収し、BCBモノマーの供給
量に対する回収量から回収率を求めた。なお、ここでは
冷却トラップに至るまでの気化原料配管16の温度は気
化減圧室13内のブロックヒータの温度と同じとした。
Heキャリアガスの供給量は300sccm一定とし
た。
器2を用いて、BCBモノマーの気化を行い、気化原料
配管に冷却トラップを取り付け、気化したBCBモノマ
ーをすべて再液化させて回収し、BCBモノマーの供給
量に対する回収量から回収率を求めた。なお、ここでは
冷却トラップに至るまでの気化原料配管16の温度は気
化減圧室13内のブロックヒータの温度と同じとした。
Heキャリアガスの供給量は300sccm一定とし
た。
【0065】図9に、気化減圧室内の温度と気化回収率
を示す。BCBモノマーの供給量が0.04g/min
の場合、気化減圧室内13の温度170℃で回収率は8
0%となり、190℃においてほぼ100%回収率を達
成した。BCBモノマー供給量を0.11g/minの
場合、170℃で回収率は40%程度まで低下するが、
200℃まで加熱温度を上昇させることで回収率100
%となった。本願発明によるBCBモノマーのエアロゾ
ルを加熱蒸発させる方法の場合、比表面積が大きいため
蒸発速度が速い。このため、200℃といった高温に加
熱により重合反応が生じる前の瞬時に気化が生じたこと
による。なお、250℃に加熱することで、0.5g/
minの100%気化が可能であった。
を示す。BCBモノマーの供給量が0.04g/min
の場合、気化減圧室内13の温度170℃で回収率は8
0%となり、190℃においてほぼ100%回収率を達
成した。BCBモノマー供給量を0.11g/minの
場合、170℃で回収率は40%程度まで低下するが、
200℃まで加熱温度を上昇させることで回収率100
%となった。本願発明によるBCBモノマーのエアロゾ
ルを加熱蒸発させる方法の場合、比表面積が大きいため
蒸発速度が速い。このため、200℃といった高温に加
熱により重合反応が生じる前の瞬時に気化が生じたこと
による。なお、250℃に加熱することで、0.5g/
minの100%気化が可能であった。
【0066】このように、有機モノマーのエアロゾルを
加熱して瞬時に気化させることにより、有機モノマー気
化の際に過大となっていた重合反応を抑制することがで
きることが確認された。
加熱して瞬時に気化させることにより、有機モノマー気
化の際に過大となっていた重合反応を抑制することがで
きることが確認された。
【0067】次に第2の実施例について説明する。第2
の実施例では、本願発明の気化方式をBCB高分子膜成
長に適用した場合について述べる。図10に、BCB高
分子膜成長装置のブロック図を示す。BCB高分子膜成
長装置は、液体有機モノマー原料供給系30、キャリア
ガス供給系31、有機モノマー気化室2、プラズマ重合
反応室系32の4つの領域から構成される。
の実施例では、本願発明の気化方式をBCB高分子膜成
長に適用した場合について述べる。図10に、BCB高
分子膜成長装置のブロック図を示す。BCB高分子膜成
長装置は、液体有機モノマー原料供給系30、キャリア
ガス供給系31、有機モノマー気化室2、プラズマ重合
反応室系32の4つの領域から構成される。
【0068】まず、液体有機モノマー原料供給系30に
ついて説明する。原料タンク1に貯蔵された液体の有機
モノマーであるBCBモノマー5は原料配管9に送ら
れ、液体マスフローコントローラ7を介して所定速度で
有機モノマー気化室2に送られる。なお、原料供給配管
9には電磁弁17a,b,cおよび真空引き用配管20
が設置されており、原料交換時に真空引きできるよう配
慮されている。
ついて説明する。原料タンク1に貯蔵された液体の有機
モノマーであるBCBモノマー5は原料配管9に送ら
れ、液体マスフローコントローラ7を介して所定速度で
有機モノマー気化室2に送られる。なお、原料供給配管
9には電磁弁17a,b,cおよび真空引き用配管20
が設置されており、原料交換時に真空引きできるよう配
慮されている。
【0069】キャリアガス供給系31は、ガスマスフロ
コントローラ8を介してHeキャリアガス6はキャルア
ガス配管10より気化室9に送られる。実際には、He
キャリアガスは、気化室2とマスフローコントロータ8
との間に存在する電磁弁17cにより供給するタイミン
グが制御される。キャリアガス配管10には、キャリア
ガス加熱フィルタ18と熱電対19と配管加熱ヒータ1
5が設置され、必要に応じてHeキャリアガス6を予備
加熱する機能を有している。なお、Heキャリアガスを
予備加熱しないこともできる。今実施例では、キャリア
ガスの加熱は行わなっていない。
コントローラ8を介してHeキャリアガス6はキャルア
ガス配管10より気化室9に送られる。実際には、He
キャリアガスは、気化室2とマスフローコントロータ8
との間に存在する電磁弁17cにより供給するタイミン
グが制御される。キャリアガス配管10には、キャリア
ガス加熱フィルタ18と熱電対19と配管加熱ヒータ1
5が設置され、必要に応じてHeキャリアガス6を予備
加熱する機能を有している。なお、Heキャリアガスを
予備加熱しないこともできる。今実施例では、キャリア
ガスの加熱は行わなっていない。
【0070】有機モノマーであるBCBモノマー5とH
eキャリアガス6は有機モノマー気化室2に送り込まれ
る。ここでは、混合ノズル部でBCBモノマーとHeキ
ャリアガスが混合され気液混合流体12となる。混合ノ
ズル部11の径はキャリアガス配管径10および原料配
管9の径より小さく絞り込んであり、ここから気化減圧
室13に噴霧される。この際、混合ノズル部11と気化
減圧室17との急激な圧力損失により、気液混合流体1
2は減圧気化室13内では100μmφ以下のBCBモ
ノマーのエアロゾル4となる。エアロゾルの発生に関し
て、混合ノズル部の径とキャリアガスの流量の選択は極
めて重要である。キャリアガス流量が100〜500s
ccmでは、混合ノズルの径は1mmφ〜0.1mmφ
である。今回は、混合ノズル径を0.8mmφとした。
気化減圧室13には、所定温度に過熱されたブロックヒ
ータ3が設置されており、このブロックヒータを介して
該BCBモノマーのエアロゾル4を加熱する。かかるエ
アロゾル4は蒸発気化し、BCBモノマーガス14とな
りキャリアガスと共に気化原料配管16より排出され
る。
eキャリアガス6は有機モノマー気化室2に送り込まれ
る。ここでは、混合ノズル部でBCBモノマーとHeキ
ャリアガスが混合され気液混合流体12となる。混合ノ
ズル部11の径はキャリアガス配管径10および原料配
管9の径より小さく絞り込んであり、ここから気化減圧
室13に噴霧される。この際、混合ノズル部11と気化
減圧室17との急激な圧力損失により、気液混合流体1
2は減圧気化室13内では100μmφ以下のBCBモ
ノマーのエアロゾル4となる。エアロゾルの発生に関し
て、混合ノズル部の径とキャリアガスの流量の選択は極
めて重要である。キャリアガス流量が100〜500s
ccmでは、混合ノズルの径は1mmφ〜0.1mmφ
である。今回は、混合ノズル径を0.8mmφとした。
気化減圧室13には、所定温度に過熱されたブロックヒ
ータ3が設置されており、このブロックヒータを介して
該BCBモノマーのエアロゾル4を加熱する。かかるエ
アロゾル4は蒸発気化し、BCBモノマーガス14とな
りキャリアガスと共に気化原料配管16より排出され
る。
【0071】さらに、BCBモノマーガス14は気化原
料配管16を介してプラズマ重合反応室系32に送られ
る。プラズマ重合反応室26は、13.56MHzの高
周波を印加できるシャワーヘッド23が設置され、該シ
ャワーヘッド下に形成されるHeプラズマ中を通過し、
300℃〜420℃程度に加熱された基板加熱ヒータ2
5上に置かれた基板24上で重合反応を生じてBCB高
分子膜を成長する。RFパワーは50W〜100W
(0.1〜0.2W/cm2)である。
料配管16を介してプラズマ重合反応室系32に送られ
る。プラズマ重合反応室26は、13.56MHzの高
周波を印加できるシャワーヘッド23が設置され、該シ
ャワーヘッド下に形成されるHeプラズマ中を通過し、
300℃〜420℃程度に加熱された基板加熱ヒータ2
5上に置かれた基板24上で重合反応を生じてBCB高
分子膜を成長する。RFパワーは50W〜100W
(0.1〜0.2W/cm2)である。
【0072】気化原料配管16、プラズマ重合反応室1
7、排気配管27にはヒータ15が巻かれ、有機モノマ
ーガス14の再液化を防いでいる。ここでは、気化原料
配管16は、気化減圧室13のでヒータ加熱温度と同じ
とした。例えば、BCBモノマーの気化温度を190℃
とした場合、気化原料配管16が190℃とした。プラ
ズマ重合反応室17はヒータ加熱温度の20℃程度低い
温度、すなわち150℃〜170℃とした。排気配管2
7も150℃〜170℃とした。排気配管26は冷却ト
ラップ28を介して排気ポンプ29に接続されている。
また、プラズマ重合室26の内壁をクリーニングするた
め、クリーニングガス配管22よりクリーニングガスマ
スフローメータを介してクリーニングガスが導入され
る。クリーニングガスは、SF6と酸素あるいはオゾン
の混合気体であり、RFパワーを印加した状態で導入さ
れる。クリーニングガスとして、CF4やC2F6といっ
たフロロカーボンガスと酸素あるいはオゾンの混合気体
でもよい。
7、排気配管27にはヒータ15が巻かれ、有機モノマ
ーガス14の再液化を防いでいる。ここでは、気化原料
配管16は、気化減圧室13のでヒータ加熱温度と同じ
とした。例えば、BCBモノマーの気化温度を190℃
とした場合、気化原料配管16が190℃とした。プラ
ズマ重合反応室17はヒータ加熱温度の20℃程度低い
温度、すなわち150℃〜170℃とした。排気配管2
7も150℃〜170℃とした。排気配管26は冷却ト
ラップ28を介して排気ポンプ29に接続されている。
また、プラズマ重合室26の内壁をクリーニングするた
め、クリーニングガス配管22よりクリーニングガスマ
スフローメータを介してクリーニングガスが導入され
る。クリーニングガスは、SF6と酸素あるいはオゾン
の混合気体であり、RFパワーを印加した状態で導入さ
れる。クリーニングガスとして、CF4やC2F6といっ
たフロロカーボンガスと酸素あるいはオゾンの混合気体
でもよい。
【0073】プラズマ重合反応室系32には、3つの電
磁弁17d,e,fが設置されている。BCB高分子膜
成長における一連の電磁弁動作について説明する。ま
ず、減圧気化室で気化されたBCBモノマーガスは気化
原料配管16を介して排出される。最初、電磁弁17d
のみが”開”となり、気化初期のBCBモノマーガスは
プラズマ重合反応室26に導入されることなく排気され
る。この状態を通常5〜10秒程度続ける。これは、減
圧気化室内の混合ノズル部11内に残存したBCBモノ
マーからの気化ガスを廃棄するためである。その後、電
磁弁17fを”開”とし、電磁弁17dを閉じる。これ
により、プラズマ重合反応室26にBCBモノマーガス
が導入される。プラズマ重合反応室26にガス導入した
初期においては圧力が不安定である。そのため、シャワ
ーヘッド23にRFパワーを印加することなく、10秒
程度BCBモノマーガスを流し続ける。
磁弁17d,e,fが設置されている。BCB高分子膜
成長における一連の電磁弁動作について説明する。ま
ず、減圧気化室で気化されたBCBモノマーガスは気化
原料配管16を介して排出される。最初、電磁弁17d
のみが”開”となり、気化初期のBCBモノマーガスは
プラズマ重合反応室26に導入されることなく排気され
る。この状態を通常5〜10秒程度続ける。これは、減
圧気化室内の混合ノズル部11内に残存したBCBモノ
マーからの気化ガスを廃棄するためである。その後、電
磁弁17fを”開”とし、電磁弁17dを閉じる。これ
により、プラズマ重合反応室26にBCBモノマーガス
が導入される。プラズマ重合反応室26にガス導入した
初期においては圧力が不安定である。そのため、シャワ
ーヘッド23にRFパワーを印加することなく、10秒
程度BCBモノマーガスを流し続ける。
【0074】その後、RFパワーをオンして基板24上
にプラズマ重合BCB高分子膜24を成長する。所定時
間成長後RFパワーをオフし、その後電磁バルブ17h
を閉じてBCBモノマーの減圧気化室13への供給を停
止し、キャリアガス6のみを気化原料配管16を介し
て、プラズマ重合反応室に30秒程度供給する。その
後、バルブ17cとバルブ17fを閉じ、10秒程度プ
ラズマ重合反応室26の真空引きを行い、基板24を基
板搬送チャンバ(図示せず)に取り出す。さらに、電磁
弁17eを開きクリーニングガスを導入し、RFパワー
をオンしてプラズマ重合反応室26の内壁をプラズマク
リーニングする。その後、再び電磁弁17eを閉じてプ
ラズマ重合反応室26の真空引きを行い、次の基板をセ
ットする。
にプラズマ重合BCB高分子膜24を成長する。所定時
間成長後RFパワーをオフし、その後電磁バルブ17h
を閉じてBCBモノマーの減圧気化室13への供給を停
止し、キャリアガス6のみを気化原料配管16を介し
て、プラズマ重合反応室に30秒程度供給する。その
後、バルブ17cとバルブ17fを閉じ、10秒程度プ
ラズマ重合反応室26の真空引きを行い、基板24を基
板搬送チャンバ(図示せず)に取り出す。さらに、電磁
弁17eを開きクリーニングガスを導入し、RFパワー
をオンしてプラズマ重合反応室26の内壁をプラズマク
リーニングする。その後、再び電磁弁17eを閉じてプ
ラズマ重合反応室26の真空引きを行い、次の基板をセ
ットする。
【0075】図11に、かかるBCB高分子膜成長装置
を用いた場合のプラズマ重合BCB高分子膜の成長速度
とBCBモノマーの気化発生量(気化能力)を示す。こ
こでは、基板加熱温度400℃、プラズマ重合反応室の
圧力を3torr、RFパワー50W(0.1W/cm
2)とした。BCBモノマーのエアロゾルを瞬時に気化
させる本発明の方法では、気化温度200℃が可能であ
り、0.1g/min以上のBCBモノマーの気化発生
量が達成されている。その結果、8インチ基板上のプラ
ズマ重合BCB膜の成長速度は4000A/min程度
となり、実用上問題ないレベルを達成した。一方、図3
に示した従来の気化方式の場合、BCBモノマー液膜を
加熱して蒸発させるため気化速度が遅く、気化前のBC
Bモノマーの重合反応を回避するため、気化温度は15
0℃程度が上限であった。そのため、気化発生量は0.
02g/minと小さく、プラズマ重合BCB高分子膜
の成長速度も500〜700A/min程度であった。
を用いた場合のプラズマ重合BCB高分子膜の成長速度
とBCBモノマーの気化発生量(気化能力)を示す。こ
こでは、基板加熱温度400℃、プラズマ重合反応室の
圧力を3torr、RFパワー50W(0.1W/cm
2)とした。BCBモノマーのエアロゾルを瞬時に気化
させる本発明の方法では、気化温度200℃が可能であ
り、0.1g/min以上のBCBモノマーの気化発生
量が達成されている。その結果、8インチ基板上のプラ
ズマ重合BCB膜の成長速度は4000A/min程度
となり、実用上問題ないレベルを達成した。一方、図3
に示した従来の気化方式の場合、BCBモノマー液膜を
加熱して蒸発させるため気化速度が遅く、気化前のBC
Bモノマーの重合反応を回避するため、気化温度は15
0℃程度が上限であった。そのため、気化発生量は0.
02g/minと小さく、プラズマ重合BCB高分子膜
の成長速度も500〜700A/min程度であった。
【0076】図12に、本発明による有機モノマーの気
化方式を用いた高分子膜成長装置により得られたプラズ
マ重合BCB高分子膜の赤外吸収スペクトルを示す。こ
こでは、プラズマ重合反応室の圧力を3Torrおよい
3.3Torrとし、またRFパワーを50W(0.1
W/cm2)と75W(0.15W/cm2)とした。
いずれの場合もDVS−BCBを骨格とする高分子膜が
得られていることが確認された。このプラズマ重合BC
B高分子膜の比誘電率は2.5〜2.7であった。
化方式を用いた高分子膜成長装置により得られたプラズ
マ重合BCB高分子膜の赤外吸収スペクトルを示す。こ
こでは、プラズマ重合反応室の圧力を3Torrおよい
3.3Torrとし、またRFパワーを50W(0.1
W/cm2)と75W(0.15W/cm2)とした。
いずれの場合もDVS−BCBを骨格とする高分子膜が
得られていることが確認された。このプラズマ重合BC
B高分子膜の比誘電率は2.5〜2.7であった。
【0077】さらに、第3の実施例について説明する。
第3の実施例では、第2の実施例と同様に、本発明の気
化方式をBCB高分子膜成長に適用した場合について述
べるが、第2の実施例と異なり、有機モノマー気化室2
とプラズマ重合反応室26が気化原料配管16のみを介
して接続されていることが特徴である。このようにする
ことにより、有機モノマー気化室とプラズマ重合反応室
を非常に近づけることができるようになる。実施例2に
記載されているようなバルブ17fや長い気化原料配管
の存在は圧力損失となるため、BCBモノマーのような
低蒸気圧原料を用いる場合は制約が大きくなる。したが
って、有機モノマー気化室とプラズマ重合反応室は許さ
れるかぎり圧力損失を小さくなるように接続するのが好
ましく、具体的には直近に設置するのが望ましい。
第3の実施例では、第2の実施例と同様に、本発明の気
化方式をBCB高分子膜成長に適用した場合について述
べるが、第2の実施例と異なり、有機モノマー気化室2
とプラズマ重合反応室26が気化原料配管16のみを介
して接続されていることが特徴である。このようにする
ことにより、有機モノマー気化室とプラズマ重合反応室
を非常に近づけることができるようになる。実施例2に
記載されているようなバルブ17fや長い気化原料配管
の存在は圧力損失となるため、BCBモノマーのような
低蒸気圧原料を用いる場合は制約が大きくなる。したが
って、有機モノマー気化室とプラズマ重合反応室は許さ
れるかぎり圧力損失を小さくなるように接続するのが好
ましく、具体的には直近に設置するのが望ましい。
【0078】図13に、本実施例におけるBCB高分子
膜成長装置のブロック図を示す。本実施例においても原
料タンク1に貯蔵された液体の有機モノマーであるBC
Bモノマー5は原料配管9に送られ、液体マスフローコ
ントローラ7bを介して所定速度で有機モノマー気化室
2に送られる。なお、原料供給配管9には図示しないが
実施例2同様、真空引き用配管が設置されており、原料
交換時に真空引きできるよう配慮されている。
膜成長装置のブロック図を示す。本実施例においても原
料タンク1に貯蔵された液体の有機モノマーであるBC
Bモノマー5は原料配管9に送られ、液体マスフローコ
ントローラ7bを介して所定速度で有機モノマー気化室
2に送られる。なお、原料供給配管9には図示しないが
実施例2同様、真空引き用配管が設置されており、原料
交換時に真空引きできるよう配慮されている。
【0079】第2の実施例では図示しなかったが、本気
化装置では、有機モノマー気化室2内の洗浄のために、
洗浄溶剤を導入するバルブ17sも設置されている。配
管洗浄実施時には、洗浄溶剤タンク41に貯蔵された溶
剤42は溶剤配管43に送られ、液体マスフローコント
ローラ7a、バルブ17m、17sを介して所定速度で
有機モノマー気化室に送られる。これにより、バルブ1
7s、17t、17h内部、およびそれらと気化減圧室
13を接続する配管中の液体有機モノマーがパージされ
る。また、原料配管9も洗浄溶剤により洗浄が行えるよ
うにバルブ17jを介して、原料配管側に洗浄溶剤を供
給可能であるように配慮されている。また溶剤は移管4
3も原料配管9同様、図示しないが真空引き用配管が設
置されている。
化装置では、有機モノマー気化室2内の洗浄のために、
洗浄溶剤を導入するバルブ17sも設置されている。配
管洗浄実施時には、洗浄溶剤タンク41に貯蔵された溶
剤42は溶剤配管43に送られ、液体マスフローコント
ローラ7a、バルブ17m、17sを介して所定速度で
有機モノマー気化室に送られる。これにより、バルブ1
7s、17t、17h内部、およびそれらと気化減圧室
13を接続する配管中の液体有機モノマーがパージされ
る。また、原料配管9も洗浄溶剤により洗浄が行えるよ
うにバルブ17jを介して、原料配管側に洗浄溶剤を供
給可能であるように配慮されている。また溶剤は移管4
3も原料配管9同様、図示しないが真空引き用配管が設
置されている。
【0080】キャリアガスの供給に関しては第2の実施
例と同様である。ただし、第2の実施例と異なり、有機
モノマー気化室2をプラズマ重合反応室32の直近に配
した関係上、クリーニングガス配管22はクリーニング
ガスマスフロコントローラ21を介してキャリアガス配
管に接続されている。プラズマ重合反応室のクリーニン
グの際にはキャリアガス側のバルブ17qを閉じ、クリ
ーニングガス側の17pのバルブを開け、クリーニング
ガスを導入する。クリーニングガスは実施例2と同様で
ある。
例と同様である。ただし、第2の実施例と異なり、有機
モノマー気化室2をプラズマ重合反応室32の直近に配
した関係上、クリーニングガス配管22はクリーニング
ガスマスフロコントローラ21を介してキャリアガス配
管に接続されている。プラズマ重合反応室のクリーニン
グの際にはキャリアガス側のバルブ17qを閉じ、クリ
ーニングガス側の17pのバルブを開け、クリーニング
ガスを導入する。クリーニングガスは実施例2と同様で
ある。
【0081】また、BCBモノマーの気化とHeキャリ
アガスの供給、さらに、BCB高分子膜の形成に関して
は気化原料配管16が非常に短いこと以外は第2の実施
例と同様である。
アガスの供給、さらに、BCB高分子膜の形成に関して
は気化原料配管16が非常に短いこと以外は第2の実施
例と同様である。
【0082】本実施例におけるBCB高分子膜成長にお
ける一連の電磁弁動作について説明する。まず、減圧気
化室で気化されたBCBモノマーガスは気化原料配管1
6を介してプラズマ重合反応室26に導入される。本実
施例では第2の実施例と異なり、BCBモノマーの供給
初期にもプラズマ重合反応室26に気化したBCBモノ
マーガスが供給される。減圧気化室内の混合ノズル部1
1に残存したBCBモノマーからの気化ガスの影響が懸
念されるが、BCBモノマーを用いた場合には実施例に
記載された基板温度においてはRFパワーが印加されな
い状態では成膜速度は無視できるほど小さいので影響は
ない。
ける一連の電磁弁動作について説明する。まず、減圧気
化室で気化されたBCBモノマーガスは気化原料配管1
6を介してプラズマ重合反応室26に導入される。本実
施例では第2の実施例と異なり、BCBモノマーの供給
初期にもプラズマ重合反応室26に気化したBCBモノ
マーガスが供給される。減圧気化室内の混合ノズル部1
1に残存したBCBモノマーからの気化ガスの影響が懸
念されるが、BCBモノマーを用いた場合には実施例に
記載された基板温度においてはRFパワーが印加されな
い状態では成膜速度は無視できるほど小さいので影響は
ない。
【0083】その後、第2の実施例と同様にRFパワー
を所定時間印加して、基板24上にプラズマ重合BCB
高分子膜24を成長する。その後、RFパワーをオフ
し、その後電磁バルブ17hを閉じてBCBモノマーの
減圧気化室13への供給を停止し、キャリアガス6のみ
を気化原料配管16を介して、プラズマ重合反応室に3
0秒程度供給する。
を所定時間印加して、基板24上にプラズマ重合BCB
高分子膜24を成長する。その後、RFパワーをオフ
し、その後電磁バルブ17hを閉じてBCBモノマーの
減圧気化室13への供給を停止し、キャリアガス6のみ
を気化原料配管16を介して、プラズマ重合反応室に3
0秒程度供給する。
【0084】その後、バルブ17q、17cを閉じ、1
0秒程度プラズマ重合反応室26の真空引きを行い、基
板24を基板搬送チャンバ(図示せず)に取り出す。さ
らに、バルブ17p、17cを開きクリーニングガスを
導入し、RFパワーをオンしてプラズマ重合反応室26
の内壁をプラズマクリーニングする。その後、再び電磁
弁17q、17cを閉じてプラズマ重合反応室26の真
空引きを行い、次の基板をセットする。
0秒程度プラズマ重合反応室26の真空引きを行い、基
板24を基板搬送チャンバ(図示せず)に取り出す。さ
らに、バルブ17p、17cを開きクリーニングガスを
導入し、RFパワーをオンしてプラズマ重合反応室26
の内壁をプラズマクリーニングする。その後、再び電磁
弁17q、17cを閉じてプラズマ重合反応室26の真
空引きを行い、次の基板をセットする。
【0085】なお、本実施例において得られたプラズマ
重合BCB高分子膜の特性は第2の実施例と同様であっ
た。
重合BCB高分子膜の特性は第2の実施例と同様であっ
た。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、半導
体基板上に形成する有機高分子膜を構成する有機モノマ
ーを低温でキャリアガスと混合させて噴霧し、液体モノ
マーの微粒子として比表面積を向上させることで気化効
率を大きくしている。特に、有機モノマーの場合、飽和
蒸気圧を大きくするため温度を上昇させると有機モノマ
ーの重合反応が生じてしまうが、本発明では、有機モノ
マーを高温に加熱し、重合反応の生じる前に瞬時に気化
させてしまうことが可能となり、気化有機モノマーをプ
ラズマ重合させて高分子膜を成長する際の速度を向上で
きるといった効果がある。
体基板上に形成する有機高分子膜を構成する有機モノマ
ーを低温でキャリアガスと混合させて噴霧し、液体モノ
マーの微粒子として比表面積を向上させることで気化効
率を大きくしている。特に、有機モノマーの場合、飽和
蒸気圧を大きくするため温度を上昇させると有機モノマ
ーの重合反応が生じてしまうが、本発明では、有機モノ
マーを高温に加熱し、重合反応の生じる前に瞬時に気化
させてしまうことが可能となり、気化有機モノマーをプ
ラズマ重合させて高分子膜を成長する際の速度を向上で
きるといった効果がある。
【0087】さらには、本発明では、高真空中でのプラ
ズマを介して高分子膜を成長しているため、絶縁性を劣
化させ比誘電率の増大を導く高分子膜の部分酸化といっ
た反応が生じることがなく、高品質の高分子膜を得るこ
とができる。特に、酸化を極端に嫌う銅配線と組み合わ
せる低誘電率層間絶縁膜として用いる高分子膜の成長に
極めて良好な効果をもたらす。
ズマを介して高分子膜を成長しているため、絶縁性を劣
化させ比誘電率の増大を導く高分子膜の部分酸化といっ
た反応が生じることがなく、高品質の高分子膜を得るこ
とができる。特に、酸化を極端に嫌う銅配線と組み合わ
せる低誘電率層間絶縁膜として用いる高分子膜の成長に
極めて良好な効果をもたらす。
【図1】第1の従来例によるDVS−BCBモノマーか
らDVS−BCB高分子膜の形成を説明するための反応
経路図である。
らDVS−BCB高分子膜の形成を説明するための反応
経路図である。
【図2】第2の従来例による液体有機原料の気化方法を
説明する概略図である。
説明する概略図である。
【図3】第3の従来例による液体有機原料の気化方法を
説明する概略図である。
説明する概略図である。
【図4】DVS−BCBモノマーとTEOS(テトラエ
チルオルソシリケイト)の飽和蒸気圧と温度の関係図で
ある。
チルオルソシリケイト)の飽和蒸気圧と温度の関係図で
ある。
【図5】DVS−BCBモノマーの加熱時間とモノマー
未反応率の関係図である。
未反応率の関係図である。
【図6】本発明による気化方法の一例を説明する概略図
である。
である。
【図7】本発明による気化方法をDVS−BCBモノマ
ーの気化に適用した場合のキャリアガス流量と気化室内
全圧およびBCBモノマーの分圧を示す説明図である。
ーの気化に適用した場合のキャリアガス流量と気化室内
全圧およびBCBモノマーの分圧を示す説明図である。
【図8】本発明による気化方法をDVS−BCBモノマ
ーの気化に適用した場合の、BCBモノマー供給量とB
CBモノマー分圧とBCBモノマーの飽和蒸気圧の温度
依存性を示す関係図である。
ーの気化に適用した場合の、BCBモノマー供給量とB
CBモノマー分圧とBCBモノマーの飽和蒸気圧の温度
依存性を示す関係図である。
【図9】本発明による気化方法をDVS−BCBモノマ
ーの気化に適用した場合の、BCBモノマー気化回収量
と気化温度との関係を示す図である。
ーの気化に適用した場合の、BCBモノマー気化回収量
と気化温度との関係を示す図である。
【図10】本発明による気化方法を用いたプラズマ重合
高分子膜成長装置の概略図である。
高分子膜成長装置の概略図である。
【図11】本発明による気化方法を用いたプラズマ重合
高分子膜成長装置による気化温度と気化可能BCBモノ
マー供給速度とプラズマ重合BCB膜の成長速度の関係
図である。
高分子膜成長装置による気化温度と気化可能BCBモノ
マー供給速度とプラズマ重合BCB膜の成長速度の関係
図である。
【図12】本発明による気化方法を用いたプラズマ重合
高分子膜成長装置によるプラズマ重合BCB膜のFTI
Rスペクトル図である。
高分子膜成長装置によるプラズマ重合BCB膜のFTI
Rスペクトル図である。
【図13】本発明による気化方法を用いたプラズマ重合
高分子膜成長装置の概略図である。
高分子膜成長装置の概略図である。
1 原料タンク 2 有機モノマー気化室 3 ブロックヒータ 4 エアロゾル 5 有機モノマー 6 キャリアガス 7 液体マスフローコントローラ 8 ガスマスフロコントローラ 9 気化原料配管 10 キャリアガス配管 11 混合ノズル 12 気液混合流体 13 気化減圧室 14 有機モノマーガス(BCBモノマーガス) 15 ヒータ 16 気化原料配管 17a〜17h、17j、17k、17m、17n、1
7p〜17t 電磁弁/バルブ 18 キャリアガス加熱フィルタ 19 熱電対 20 真空引き用配管 21 クリーニングガスマスフロコントローラ 22 クリーニングガス配管 23 シャワーヘッド 24 基板 25 基板加熱ヒータ 26 プラズマ重合反応室 27 排気配管 28 冷却トラップ 29 排気ポンプ 30 液体有機モノマー原料供給系 31 キャリアガス供給系 32 プラズマ重合反応室系 33a ヘッド 33b ボディ 33c シールド 33d ダイヤフラムバルブ 33e モノマー供給孔 33f 気化室 33g ヒータ 41 洗浄溶剤タンク 42 溶剤 43 溶剤配管
7p〜17t 電磁弁/バルブ 18 キャリアガス加熱フィルタ 19 熱電対 20 真空引き用配管 21 クリーニングガスマスフロコントローラ 22 クリーニングガス配管 23 シャワーヘッド 24 基板 25 基板加熱ヒータ 26 プラズマ重合反応室 27 排気配管 28 冷却トラップ 29 排気ポンプ 30 液体有機モノマー原料供給系 31 キャリアガス供給系 32 プラズマ重合反応室系 33a ヘッド 33b ボディ 33c シールド 33d ダイヤフラムバルブ 33e モノマー供給孔 33f 気化室 33g ヒータ 41 洗浄溶剤タンク 42 溶剤 43 溶剤配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川原 潤 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 小野 弘文 滋賀県野洲郡中主町大字乙窪字澤588番1 株式会社リンテック内 Fターム(参考) 4D075 BB23X BB36Y BB56Y BB85Y CA23 DC22 4K029 BA62 BD01 CA12 DA04 4K030 AA09 AA16 CA04 CA12 EA01 JA09 JA10 LA02 5F045 AA08 AB39 AC17 AD05 AD06 AD07 AD08 AE21 AE23 BB09 CB05 EB06 EC09 EE02 EE04 EF05 EH05 5F058 AA10 AC10 AF02 AH02
Claims (6)
- 【請求項1】 有機高分子絶縁膜を形成し得る有機モノ
マー又は有機オリゴマーからなる液体有機原料を気化制
御器に供給して気化させる方法において、前記液体有機
原料の熱重合反応開始温度よりも低い温度でキャリアガ
スと混合して気液混合流体を形成する第1のステップ
と、該気液混合流体を気化減圧室に噴霧して前記液体有
機原料のエアロゾルを形成して加熱する第2のステップ
と、前記エアロゾルを介して前記液体有機原料を気化さ
せる第3のステップとを有することを特徴とする液体有
機原料の気化方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載された液体有機原料の気
化方法において、前記エアロゾルは100μmφ乃至1
μmφであることを特徴とする液体有機原料の気化方
法。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載された液体有機原
料の気化方法において、前記液体有機原料は化1式で示
すジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンモノマー
であることを特徴とする液体有機原料の気化方法。 【化1】 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載された
液体有機原料の気化方法において、標準状態で毎分10
0ml〜500mlの前記キャリアガスと毎分0.1g
〜0.5gの前記液体有機原料とからなる前記気液混合
流体を、1.3kPa(10Torr)以下に保たれた
前記気化減圧室に噴霧し、温度160℃から250℃の
温度範囲で加熱して前記液体有機原料を気化させるよう
にしたことを特徴とする液体有機原料の気化方法。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載された
液体有機原料の気化方法を用いて基板上に前記液体有機
原料を骨格とする有機高分子膜を成長させるようにした
ことを特徴とする絶縁膜の成長方法。 - 【請求項6】 液体有機原料のエアロゾルを加熱して、
該エアロゾルを介して前記液体有機原料を気化させて気
化有機原料を生成する気化装置がプラズマ重合反応室に
直結されており、該プラズマ重合反応室中のプラズマ中
に前記気化有機原料を直接供給して、基板上に前記液体
有機原料を骨格とする有機高分子膜を成長させるように
したことを特徴とする絶縁膜の成長方法。
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