JP2001010821A - 酸化鉄粒子及びその製造方法 - Google Patents
酸化鉄粒子及びその製造方法Info
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Abstract
候性に優れた酸化鉄粒子及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 平均粒径が0.05〜1μmで、粒子表
面に亜鉛と鉄との複合酸化物層を有し、さらに該複合酸
化物層の上に亜鉛と鉄との複合酸化物層又は亜鉛化合物
層を1層以上有することを特徴とする酸化鉄粒子。
Description
の製造方法に関し、特に耐熱性に優れた塗料用黒色顔料
粉、磁性トナー用材料粉等の用途に用いられる酸化鉄粒
子及びその製造方法に関する。
黒色顔料粉や磁性トナー用材料粉として用いられる酸化
鉄系材料として、マグネタイトを主成分とする粒子がよ
く知られている。顔料として又は磁性トナーとして製造
中、もしくはこれを使用中において求められる粉体特性
には、耐熱性、耐候性、分散性に優れていることが挙げ
られる。その中で、亜鉛を使用した改良が幾つかなされ
ており、例えば、特開昭57−77031号公報、特公
平6−60020号公報、特開平7−267646号公
報等がある。
公報には、黒色スピネル型酸化鉄の生成過程において、
水溶性亜鉛化合物を添加することが記載されている。こ
れにより、完全な(茶味を帯びていない)黒色を呈し、
100〜200Oe程度の保磁力を有する亜鉛を固溶し
たスピネル型酸化鉄を溶液反応より得ることができると
している。
の色味は改善されているものの、顔料として求められる
耐熱性や耐候性の改善については何ら触れられていな
い。
亜鉛イオンと2価の鉄イオンが一定範囲にある塩化物水
溶液又は各種塩類水溶液に、酸化タングステン等を加
え、次いでリン酸水溶液等と混合し、さらにアルカリ水
溶液と混合して酸化反応を行い、得られた沈殿物を焼成
する酸化鉄−酸化亜鉛系顔料の製造法が開示されてい
る。
性、分散性が良好で黄赤色系統の良好な色相を持つ酸化
鉄−亜鉛系顔料が得られるとしている。しかし、このも
のは700〜1200℃で焼成する黄赤色系統の顔料に
関するものであって、黒色顔料とは異なる。
は、水酸化第一鉄コロイド水溶液に酸素含有ガスを通気
してマグネタイト粒子を合成するに際して、酸化反応の
途中で亜鉛等の金属イオンを含む溶液を加え、亜鉛等の
金属が外殻部に集中して存在するマグネタイト粒子及び
その製造方法を開示している。
での分散性に優れたマグネタイト粒子が得られるとして
いる。しかし、粉体の色味や、その耐熱性、耐候性につ
いて何ら改善の方策は示されていない。
えば、特開平8−48525号公報には、マグネタイト
コア粒子の表面に鉄−亜鉛酸化物を被着せしめたマグネ
タイト粒子及びその製造方法が開示されている。
を損なわず、吸油特性に優れ、かつ磁気特性もバランス
よく向上したものであるが、粉体の色味の維持や耐熱
性、耐候性については、何ら改善の方策は示されていな
い。
は、トナー用材料粉として、あるいは黒色顔料粉とし
て、小粒径化が望まれているが、他方で小粒径化したマ
グネタイト粒子はその中に含有されている2価の鉄が空
気中又は加熱処理中に酸化され易くなり、その本来有す
るべき特徴(磁気特性、FeO含有量、黒色度等)が低
下するといった問題が生じ易かった。
については、例えば特開平4−130327号公報に、
磁性酸化鉄粒子中のFeO含有量が25〜30重量%で
あるとしている。この中で、FeO含有量が25重量%
以上である磁性酸化鉄粒子は、黒色度が高いことが示さ
れており、従って、耐候性の評価において、このFeO
含有量がなるべく高く保持できることが理想的である。
径や表面性によって、耐熱性や耐候性が変化することが
知られている。酸化鉄粒子のBET法で求めた比表面積
をA(m2 /g)とし、60℃、90%RH、28日間
曝露した前後でのFeO(重量%)の変化を測定する
と、従来の酸化鉄粒子では、 〔曝露前FeO(重量%)−曝露後FeO(重量%)〕
/A>0.2 となり、耐熱性に劣るために粉末の色味が変化するとい
った問題があり、このような問題を解決できる方策は、
上記した従来技術では示されていない。
に示す色差にて評価することが多い。
の変化が小さく、△Eが0.50以下なら、一般的に目
視では差がないと判断されている。また、顔料粉は、バ
インダーと混合時の分散性に優れ、さらに、焼成工程を
経て製造されることが多いので、焼成の前後での色差△
Eが0.50以下が望ましい酸化鉄粒子であるといえる
が、環境に対する安定性を加味してなお、耐熱性を有す
るものは提案されていない。
せることなく、耐熱性及び耐候性に優れた酸化鉄粒子及
びその製造方法を提供することにある。
の結果、酸化鉄粒子表面に亜鉛と鉄との複合酸化物層を
設け、さらに該複合酸化物層の上に亜鉛と鉄の複合酸化
物層又は亜鉛化合物層を1層以上設けることによって、
上記目的が達成できることを知見した。
で、平均粒径が0.05〜1μmで、粒子表面に亜鉛と
鉄との複合酸化物層を有し、さらに該複合酸化物層の上
に亜鉛と鉄との複合酸化物層又は亜鉛化合物層を1層以
上有することを特徴とする酸化鉄粒子を提供するもので
ある。
本発明は、第一鉄塩を主成分とする水溶液とアルカリ水
溶液とを混合し、酸化反応を行い、残存する未反応Fe
2+が反応開始時の10重量%以下となった時に亜鉛を含
む水溶液を加え、pH6〜10に調整した後、酸化反応
を再開して反応終了後、亜鉛を含む第一鉄塩を添加し、
pH6〜10に調整し、再度酸化反応を行うことを特徴
とする酸化鉄粒子の製造方法を提供するものである。
て、本発明は、第一鉄塩を主成分とする水溶液とアルカ
リ水溶液とを混合し、酸化反応を行い、残存する未反応
Fe2+が反応開始時の10重量%以下となった時に亜鉛
を含む水溶液を加え、pH6〜10に調整した後、酸化
反応を再開して反応終了後、亜鉛を含む水溶液を添加
し、pH6〜10に調整することを特徴とする酸化鉄粒
子の製造方法を提供するものである。
て説明する。本発明でいう酸化鉄粒子とは、好ましくは
マグネタイトを主成分とするものであり、コアとなるマ
グネタイトを主成分とする酸化鉄粒子にはケイ素、アル
ミニウム、チタン等の各種の有効元素を含有するものも
包含される。以下の説明では、酸化鉄粒子としてその代
表的なものであるマグネタイト粒子について説明する。
また、酸化鉄粒子又はマグネタイト粒子という時には、
その内容によって個々の粒子またはその集合のいずれも
意味する。
亜鉛と鉄との複合酸化物層を有し、さらに該複合酸化物
層の上に亜鉛と鉄の複合酸化物層又は亜鉛化合物層を1
層以上有する。このような亜鉛と鉄との複合酸化物層を
被覆し、さらに亜鉛と鉄との複合酸化物層又は亜鉛化合
物層を1層以上被覆することにより、粒径が小さい割に
耐熱性及び耐候性に優れたマグネタイト粒子が得られ
る。また、ここでいう亜鉛と鉄の複合酸化物とは、鉄成
分が亜鉛成分存在下で酸化することにより、亜鉛を取り
込む又は結合した酸化物をいう。コア材(芯材)となる
マグネタイトコア粒子は、通常は湿式法で製造される
が、乾式法で製造されたものでもよい。また、このマグ
ネタイトコア粒子中には、上記のように、粒子内部にケ
イ素、アルミニウム、チタン等の各種の有効元素を含有
していてもよい。
酸化物層が被覆されていない場合、あるいはその表面に
1層しか被覆されていない場合には、耐熱性及び耐候
性、特に耐熱性に劣ったものとなる。
0.05〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μmであ
る。平均粒径が0.05μm未満では粉体の色が赤味が
強くなり、黒色に乏しいものとなり、平均粒径が1μm
を超えると黒色顔料としての着色力が低下してしまう。
また、複合酸化物層を被覆する前のマグネタイトコア粒
子も上記平均粒径を有するものが好ましい。
鉛と鉄との複合酸化物層及び亜鉛化合物層中の全亜鉛成
分が、マグネタイト粒子総量に対して亜鉛に換算して
0.2〜5重量%含有することが望ましい。亜鉛の含有
量が0.2重量%未満では耐熱性、耐候性に劣り、また
5重量%を超えると磁気特性が低下すると共に、黒色度
も低下する。
被覆されたマグネタイト粒子と、同量の亜鉛量で2層以
上被覆された本発明のマグネタイト粒子を比較した場
合、後者の方が、耐熱性や耐候性により優れている。こ
の理由は定かではないが、湿式工程での複数回に及ぶ酸
化反応で、粒子表面により強い複合酸化物層の酸化皮膜
が形成されたためだと推測される。
Oが酸化鉄粒子総量に対して20重量%以上含有するこ
とが望ましく、さらに好ましいFeOの含有量は25重
量%以上である。FeO含有量が20重量%未満では、
黒色度が低下する。
粒子を混合し、空気中で180℃、3時間処理した時の
粉体の色味の変化ΔEが0.50以下であることが好ま
しい。上記色味の変化ΔEが0.50を超えると、色味
が変化し、耐熱性に劣るものとなる。
のBET法による比表面積をA(m 2 /g)、60℃、
90%RH環境下で28日間曝露した前後におけるFe
O含有率の変化が、下式(1)を満たすことが望まし
い。 〔曝露前FeO(重量%)−曝露後FeO(重量%)〕/A≦0.20 … (1) 上記式(1)が0.2を超えると、色味に劣り、耐候性
に劣ったものとなる。
法について説明する。マグネタイトコア粒子は、第一鉄
塩を主成分とする水溶液をアルカリ水溶液と混合して水
酸化第一鉄塩スラリーを生成させる。第一鉄塩を主成分
とする溶液としては、硫酸第一鉄水溶液等が挙げられ
る。またアルカリ水溶液としては水酸化ナトリウム水溶
液等が挙げられる。
溶液を混合して水酸化第一鉄スラリーを生成後、この水
酸化第一鉄スラリーに、酸素含有ガス、望ましくは空気
を吹き込み、60〜100℃で、好ましくは80〜90
℃で酸化反応を行う。この際の酸化反応量の調整は、反
応中に、未反応の水酸化第一鉄の分析値を見ながら吹き
込む酸素含有ガスの量を調整することにて行う。
域により、得られるマグネタイト粒子の粒子形状を球
状、六面体、八面体と変化させることができるが、本発
明では、そのいずれの粒子形状でも適用できる。また、
この反応の原料中又は反応途中にケイ素、アルミニウ
ム、チタン等の有効成分を添加してもよい。
反応が進み、残存する未反応Fe2+が、反応開始時の1
0重量%以下になった時に酸素含有ガスの吹き込みを中
止し、反応を停止させる。なお、中性域付近での反応の
場合、pHが反応とともに低下するので、アルカリを適
宜添加して所望のpHを維持しながら反応を進めて、残
存する未反応Fe2+を10重量%以下となるようにす
る。
未反応Fe2+を残存させることにより、湿式工程での過
酸化を防止でき、粉体そのものの色味の低下も防止でき
る。残存する未反応のFe2+量は、反応開始時の10重
量%以下、好ましくは0.5〜5重量%とするのがよ
い。
少量の未反応Fe2+が残存するスラリーに、亜鉛を含む
水溶液を添加し、スラリーのpHを6〜10、好ましく
は8〜9に調整後、酸素含有ガスを吹き込み、未反応F
e2+をすべて消費させる。この際のpHが6未満の場
合、反応スラリー中にゲートサイト粒子が生じる恐れが
あり、pHが10を超える場合、粒子の特性には差はな
いが、追加のアルカリを余分に添加しなければならず不
経済である。
えば硫酸亜鉛や水酸化亜鉛を使用するが、この水溶液中
に鉄を含有すると、充分な耐熱性が得られない。この理
由は定かではないが、添加する水溶液中に亜鉛と鉄が共
存すると、スラリーに水溶液を添加した際、添加水溶液
中の成分のみで共沈してしまうためだと推定される。ま
た、この工程で残存する未反応Fe2+がゼロとなるまで
酸化反応を行うと、マグネタイト粒子表面が過剰に酸化
されることにより、同一粒径であっても、粒子の赤味が
増加して色相が劣化する。
のスラリーにZn2+とFe2+を含有する水溶液を添加
し、第一複合酸化物層被覆工程と同様に、pHを6〜1
0に調整し、再び酸化反応を行う。また、必要に応じ
て、この第二複合酸化物層被覆工程を複数回繰り返して
も良い。
に、上記第一複合酸化物被覆工程処理後のスラリーにZ
n2+を含有する水溶液を添加し、pH6〜10に調整す
る。また、必要に応じてこの第二亜鉛化合物層被覆工程
を複数回繰り返しても良い。
での添加するそれぞれの亜鉛成分量は、亜鉛に換算して
マグネタイト粒子総量に対して0.1重量%以上、全工
程での亜鉛成分総量がマグネタイト粒子総量に対して亜
鉛に換算して0.2〜5重量%であるようにすればよ
い。
る未反応Fe2+とZn2+の成分比は、Zn2+/Fe2+で
0.1〜0.9、好ましくは0.2〜0.5がよい。亜
鉛成分が多すぎたり、Zn2+/Fe2+比が高すぎると、
磁気特性を低下させたり、亜鉛成分が遊離して、粉体の
黒色度が低下する。また、亜鉛成分が少なすぎたり、Z
n2+/Fe2+比が低すぎると、充分な耐熱性や耐候性が
得られない。
浄、乾燥、粉砕の各処理工程を経て、マグネタイト粒子
を得る。
めるために、粉砕処理工程の後に圧密処理工程又は圧密
処理工程と粉砕処理工程を設けてもよい。圧密処理工程
としては、らいかい機、サンドミル等の装置が使用でき
る。さらに好ましくは、このような圧密処理後に粉砕処
理工程を設けると、分散性が向上する。
77031号公報に記載されているようなFe2+/Fe
2++Fe3+が85〜45%の時点で水溶性亜鉛化合物を
添加する方法とは異なり、さらに遅い時点から粒子表面
のZn2+/Fe2+比を特定した亜鉛成分を添加して亜鉛
と鉄との複合酸化物層を被覆させ、さらに亜鉛と鉄との
複合酸化物層又は亜鉛化合物層を1層以上被覆させるこ
とにより、マグネタイト粒子の黒色性を維持しつつ、か
つ顔料として十分な耐熱性と耐候性を向上させることが
できる。
する。
2+2.0mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液50リット
ルと、4.0mol/lの水酸化ナトリウム水溶液52
リットルを混合し、撹拌した。混合水溶液の残留水酸化
ナトリウムが2.0g/lとなるように調整後、温度8
0℃を維持しながら65リットル/minの空気を吹き
込み、酸化反応を行い、スラリー中の残存する未反応F
e2+が1.5g/l(残存するFe 2+が反応開始時の
2.7重量%に相当する)で空気の吹き込みをやめて、
反応を停止させた。
溶液1.2リットルを添加し、pHを8.5に調整した
後、反応温度を80℃に維持したまま65リットル/m
inの空気をスラリー中の未反応Fe2+が残存しなくな
るで吹き込んで反応を終了させた。
溶液1.2リットルとFe2+1mol/lの水溶液3.
0リットルの混合水溶液をこの反応スラリーに添加し、
pHを8.5に調整した後、温度80℃を維持しながら
65リットル/minの空気を吹き込んで反応を終了し
た。得られた生成粒子を通常の濾過、洗浄、乾燥、粉砕
により処理した。
て、下記に示す方法で比表面積(BET)、平均粒径、
FeO及びZn品位、測色、耐熱性、耐候性の評価をし
た。結果を表2に示す。また、耐候性試験については、
試験期間中のFeO維持率を測定した結果を表5に、そ
の結果をグラフ化したものを図1に示す。なお、表5に
おけるFeO維持率は、下記式に基づいて測定した。F
eO維持率(%)=[曝露後FeO(重量%)/曝露前
FeO(重量%)]×100
使用した。 (2)平均粒径 走査電子顕微鏡で観察し、100個の粒子のフェレ径を
測定して求めた。 (3)FeO品位 過マンガン酸カリウム標準液による酸化還元滴定法によ
った。 (4)Zn品位 試料を塩酸−フッ酸混合液にて溶解後、ICPにて測定
した。 (5)測色(マグネタイト塗膜) 試料2.0gにヒマシ油1.4ccを加え、フーバー式
マーラーで練り込む。この練り込んだサンプル2.0g
にラッカー7.5gを加え、さらに練り込んだ後、これ
をミラーコート紙上に4milのアプリケータを用いて
塗布し、乾燥後、色差計(東京電色社製、カラーアナラ
イザTC−1800型)にて測定した。 (6)測色(マグネタイト+酸化チタン塗膜) 試料0.5gに酸化チタン粒子1.5gとヒマシ油1.
3ccを加え、フーバー式マーラーで練り込む。この練
り込んだサンプル2.0gにラッカー4.5gを加え、
さらに練り込んだ後、これをミラーコート紙上に、4m
ilのアプリケーターを用いて塗布し、乾燥後、上記色
差計にて測色した。 (7)測色(粉体分散性) 試料0.8g、酸化チタン粒子20g、スチールボール
(6mmφ)100gをガラス製ポットに入れ、シェー
カー(500rpm)で5分間混合した後、混合粉末を
ペレット状にした後、上記色差計にて測色した。 (8)耐熱性試験 上記(7)で用いた試料と酸化チタン粒子の混合品を時
計皿に入れ、通風型乾燥機(タバイエスペック製オーブ
ン PH−201型)にて、180℃、3時間保持した
後、上記(7)の方法に従って測色した。 (9)耐候性試験 マグネタイト粒子を時計皿に載せ、恒温恒湿槽(タバイ
エスペック製EX−III 型)にて、温度60℃、湿度9
0%RHにて28日間曝露した後、上記(3)の方法に
従ってFeO含有率の測定を行った。
の生成条件、第一複合酸化物被覆層及び第二複合酸化物
被覆層の形成条件を表1のように変化させた以外は、実
施例1と同様にしてマグネタイト粒子を得た。得られた
マグネタイト粒子の特性、性状を実施例1と同様に評価
し、その結果を表2に示す。また、耐候性試験について
は、実施例4及び5のマグネタイト粒子の試験期間中の
FeO維持率を測定した結果を表5に、その結果をグラ
フ化したものを図1に示す。
生成条件、第一複合酸化物被覆層の形成条件を表3のよ
うに変化させた以外は、実施例1と同様にしてマグネタ
イト粒子を得た。なお、比較例1は、第一複合酸化物被
覆層を形成しなかった。得られたマグネタイト粒子の特
性、性状を実施例1と同様に評価し、その結果を表4に
示す。また、耐候性試験については、比較例1、2及び
5のマグネタイト粒子の試験期間中のFeO維持率を測
定した結果を表5に、その結果をグラフ化したものを図
1に示す。
実施例1〜10のマグネタイト粒子は、比較例1〜5の
マグネタイト粒子に比較して、高い黒色度を有し、かつ
耐熱性及び耐候性に優れる。
較例1、2、5のマグネタイト粒子は時間と共にFeO
の減少が著しいのに比較して、実施例1、4、5のマグ
ネタイト粒子のFeOは変化が極めて少なく耐候性に優
れていることが判る。
い機を用いて30分間圧密処理を行った以外は、実施例
1〜2、4〜5と同様にしてマグネタイト粒子を得た
(実施例11〜14)。このマグネタイト粒子につい
て、実施例1と同様に測色を行った結果を表6に示す。
は、実施例11〜14と同様にしてマグネタイト粒子を
得た(実施例15〜18)。このマグネタイト粒子につ
いて、実施例1と同様に測色を行った結果を表6に示
す。
た実施例11〜14のマグネタイト粒子は、処理前の実
施例1〜2、4〜5のマグネタイト粒子に比べ、分散性
が向上した。また、圧密処理後に粉砕処理を行った実施
例15〜18のマグネタイト粒子は、実施例11〜14
のマグネタイト粒子に比べ、さらに分散性が良好であっ
た。
子は、黒色度を低下させることなく、耐熱性及び耐候性
に優れるため、塗料用黒色顔料粉等に好適に用いられ
る。また、本発明の製造方法によって、上記酸化鉄粒子
が安価、かつ簡便に得られる。また、圧密処理又は圧密
処理後に粉砕処理を施すことによって、高い分散性を有
する酸化鉄粒子が得られる。
eO維持率の関係を示すグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】 平均粒径が0.05〜1μmで、粒子表
面に亜鉛と鉄との複合酸化物層を有し、さらに該複合酸
化物層の上に亜鉛と鉄との複合酸化物層又は亜鉛化合物
層を1層以上有することを特徴とする酸化鉄粒子。 - 【請求項2】 上記亜鉛と鉄との複合酸化物層及び亜鉛
化合物層中の全亜鉛成分が、酸化鉄粒子総量に対して亜
鉛に換算して0.2〜5重量%含有し、FeOが酸化鉄
粒子総量に対して20重量%以上含有する請求項1に記
載の酸化鉄粒子。 - 【請求項3】 上記酸化鉄粒子と酸化チタン粒子を混合
し、空気中で180℃、3時間処理した時の粉体の色味
の変化ΔEが0.50以下である請求項1又は2に記載
の酸化鉄粒子。 - 【請求項4】 粒子のBET法による比表面積をA(m
2 /g)、60℃、90%RH環境下で28日間曝露し
た前後におけるFeO含有率の変化が、下式(1)を満
たす請求項1、2又は3に記載の酸化鉄粒子。 〔曝露前FeO(重量%)−曝露後FeO(重量%)〕/A≦0.20 … (1) - 【請求項5】 第一鉄塩を主成分とする水溶液とアルカ
リ水溶液とを混合し、酸化反応を行い、残存する未反応
Fe2+が反応開始時の10重量%以下となった時に亜鉛
を含む水溶液を加え、pH6〜10に調整した後、酸化
反応を再開して反応終了後、亜鉛を含む第一鉄塩を添加
し、pH6〜10に調整し、再度酸化反応を行うことを
特徴とする酸化鉄粒子の製造方法。 - 【請求項6】 第一鉄塩を主成分とする水溶液とアルカ
リ水溶液とを混合し、酸化反応を行い、残存する未反応
Fe2+が反応開始時の10重量%以下となった時に亜鉛
を含む水溶液を加え、pH6〜10に調整した後、酸化
反応を再開して反応終了後、亜鉛を含む水溶液を添加
し、pH6〜10に調整することを特徴とする酸化鉄粒
子の製造方法。 - 【請求項7】 上記被覆工程を経て、濾過、洗浄、乾
燥、粉砕処理の後、圧密処理又は圧密処理と粉砕処理を
行う請求項5又は6に記載の酸化鉄粒子の製造方法。
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